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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】電流を遮断するための電気装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/00 20060101AFI20220207BHJP
   H01H 50/02 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
H01H50/00 B
H01H50/02 E
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017235224
(22)【出願日】2017-12-07
(65)【公開番号】P2018129291
(43)【公開日】2018-08-16
【審査請求日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】1662136
(32)【優先日】2016-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594083128
【氏名又は名称】シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】パトリック、コントワ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック、ラルシェ
【審査官】北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-071846(JP,U)
【文献】特開2014-120246(JP,A)
【文献】特表2016-501432(JP,A)
【文献】米国特許第04345225(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/00-50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を遮断するための電気装置(1;1’)であって、
- 電流を遮断するための要素(22;22’)を含み、前記遮断要素の各々が、前記遮断要素を遮断状態または前記電流が流れることを可能とする状態にスイッチングするように、結合部材(226)によって作動されることが可能な、遮断ブロック(2;2’)と、
- 制御信号に応じて電磁力を生成するのに適した制御可能な電磁石(32)が設けられた、アクチュエータ・ブロック(3)と、
- 磁気板(43;43’)が設けられた可動コンテナ(42:42’)であって、前記電磁力の作用下で、前記遮断要素をスイッチングするように前記結合部材を変位させる機械力を加えるのに適した可動コンテナ(42;42’)と
を備え、
前記電気装置は、前記遮断ブロック(2;2’)および前記アクチュエータ・ブロック(3)とは別個の連結インターフェイス(4;4’)をさらに備え、前記連結インターフェイス(4;4’)が、前記遮断ブロックと前記アクチュエータ・ブロックとの間に挿入され、前記可動コンテナ(42;42’)が、前記連結インターフェイスの内部に収容され
前記連結インターフェイス(4;4’)が、本体(41;41’)を含み、前記本体(41;41’)に、前記コンテナを本体に対して並進可能に案内する案内デバイスが設けられ、
前記案内デバイスが、前記可動コンテナを前記本体に機械的に連結するレバー(44;44’)を含むことを特徴とする、電気装置。
【請求項2】
前記連結インターフェイス(4;4’)が、ほぞ穴およびほぞ式の固着システム(211、411)によって前記遮断ブロック(2;2’)に固着され、前記遮断ブロック(2;2’)または前記連結インターフェイスのいずれかが、ほぞ(411)を含み、他方が、形状が前記ほぞと相補的な溝(211)を含むことを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記可動コンテナの幅が、前記遮断ブロック(2)の前面の両側に位置する前記結合部材(226)間の距離よりも大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(1;1’)。
【請求項4】
電流を遮断するための電気装置(1;1’)であって、
- 電流を遮断するための要素(22;22’)を含み、前記遮断要素の各々が、前記遮断要素を遮断状態または前記電流が流れることを可能とする状態にスイッチングするように、結合部材(226)によって作動されることが可能な、遮断ブロック(2;2’)と、
- 制御信号に応じて電磁力を生成するのに適した制御可能な電磁石(32)が設けられた、アクチュエータ・ブロック(3)と、
- 磁気板(43;43’)が設けられた可動コンテナ(42:42’)であって、前記電磁力の作用下で、前記遮断要素をスイッチングするように前記結合部材を変位させる機械力を加えるのに適した可動コンテナ(42;42’)と
を備え、
前記電気装置は、前記遮断ブロック(2;2’)および前記アクチュエータ・ブロック(3)とは別個の連結インターフェイス(4;4’)をさらに備え、前記連結インターフェイス(4;4’)が、前記遮断ブロックと前記アクチュエータ・ブロックとの間に挿入され、前記可動コンテナ(42;42’)が、前記連結インターフェイスの内部に収容され、
前記可動コンテナの幅が、前記遮断ブロック(2)の前面の両側に位置する前記結合部材(226)間の距離よりも大きいことを特徴とする、電気装置。
【請求項5】
前記可動コンテナ(42)には、前記可動コンテナを係留させる目的で前記結合部材(226)を受けるための区域が設けられて、前記結合部材(226)を支持している前記遮断要素(22;22’)のそれぞれの可動部分(224)に並進可能にしっかりと連結され、前記可動コンテナが、前記電磁力の作用下で変位されるときに、前記結合部材の全てに同時に力を加えるように寸法設定されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の装置(1;1’)。
【請求項6】
前記結合部材(226)がねじを含み、前記ねじの頭部が前記遮断要素よりも突出し、前記可動コンテナ(42;42’)には、前記可動コンテナを前記可動部分(224)に係留させる目的で、各々が対応するねじ頭部を把持することになるフォーク(46)が設けられることを特徴とする、請求項に記載の装置(1;1’)。
【請求項7】
電流を遮断するための電気装置(1;1’)であって、
- 電流を遮断するための要素(22;22’)を含み、前記遮断要素の各々が、前記遮断要素を遮断状態または前記電流が流れることを可能とする状態にスイッチングするように、結合部材(226)によって作動されることが可能な、遮断ブロック(2;2’)と、
- 制御信号に応じて電磁力を生成するのに適した制御可能な電磁石(32)が設けられた、アクチュエータ・ブロック(3)と、
- 磁気板(43;43’)が設けられた可動コンテナ(42:42’)であって、前記電磁力の作用下で、前記遮断要素をスイッチングするように前記結合部材を変位させる機械力を加えるのに適した可動コンテナ(42;42’)と
を備え、
前記電気装置は、前記遮断ブロック(2;2’)および前記アクチュエータ・ブロック(3)とは別個の連結インターフェイス(4;4’)をさらに備え、前記連結インターフェイス(4;4’)が、前記遮断ブロックと前記アクチュエータ・ブロックとの間に挿入され、前記可動コンテナ(42;42’)が、前記連結インターフェイスの内部に収容され、
前記可動コンテナ(42)には、前記可動コンテナを係留させる目的で前記結合部材(226)を受けるための区域が設けられて、前記結合部材(226)を支持している前記遮断要素(22;22’)のそれぞれの可動部分(224)に並進可能にしっかりと連結され、前記可動コンテナが、前記電磁力の作用下で変位されるときに、前記結合部材の全てに同時に力を加えるように寸法設定され、
前記結合部材(226)がねじを含み、前記ねじの頭部が前記遮断要素よりも突出し、前記可動コンテナ(42;42’)には、前記可動コンテナを前記可動部分(224)に係留させる目的で、各々が対応するねじ頭部を把持することになるフォーク(46)が設けられることを特徴とする、電気装置。
【請求項8】
前記遮断要素(22;22’)それぞれのスイッチングが、前記結合部材を前記可動コンテナの並進方向に平行な方向に変位させることによって実現されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(1;1’)。
【請求項9】
前記遮断ブロックが、3つの遮断要素(22)を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記遮断ブロックが、4つの遮断要素(22’)を含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(1’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流を遮断するための電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低電圧かつ高アンペア数の電流を遮断するための電気装置の分野では、遮断ブロックおよび作動ブロックを備えるような装置が、WO2014/096579-A1から知られている。この遮断ブロックは、開路カートリッジ(breaking cartridge)とも呼ばれる多数の遮断要素を含み、これらの要素はそれぞれ、接続端子を介して電気回路に電気的に接続されるものである。各遮断要素は、電流が端子間を流れることを可能とするオン状態と、この電流の流れを阻止する遮断またはオフ状態との間でスイッチングするのに適している。このスイッチング動作は、各遮断要素の前面に配置され、例えばねじ頭部の形を取る結合部材によって実施される。
【0003】
作動ブロックは、制御可能な電磁石と、強磁性板が設けられ、電磁石の作用下で並進可能に変位される可動コンテナとを含む。このコンテナは、遮断要素の結合部材に並進可能にしっかりと連結され、したがって電磁石の作用下で変位されると、遮断要素をスイッチングさせる。
【0004】
こうした知られている電気装置の一欠点は、アクチュエータ・ブロックが、各種の遮断ブロックに合わせて調整されなければならないという点である。特に、遮断ブロックの寸法は、電流の種類、例えばアンペア数レベルまたは電気位相の数に応じて変わることがある。このため、遮断ブロックの変形形態があるのと同数の、様々な構成のアクチュエーション・ブロックを設ける必要が生じるので、電気装置の工業的な製造が複雑化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、工業的な製造がより簡易な電気遮断装置を提案することによって、上記欠点を特に克服しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的で、本発明は、電流を遮断するための電気装置であって、
- 電流を遮断するための要素を含み、それらの各々が、この遮断要素を遮断状態または電流が流れることを可能とする状態にスイッチングするように、結合部材によって作動されることが可能な、遮断ブロックと、
- 制御信号に応じて電磁力を生成するのに適した制御可能な電磁石が設けられた、アクチュエータ・ブロックと、
- 磁気板が設けられた可動コンテナであって、電磁力の作用下で、遮断要素をスイッチングするように結合部材を変位させる機械力を加えるのに適した可動コンテナと
を含む、電気装置に関する。
【0007】
この装置はまた、遮断ブロックおよびアクチュエータ・ブロックとは別個の連結インターフェイスをさらに備え、この連結インターフェイスは、遮断ブロックとアクチュエータ・ブロックとの間に挿入され、可動コンテナは、連結インターフェイスの内部に収容される。
【0008】
本発明により、可動コンテナを専用の連結インターフェイスに収容することによって、遮断ブロックの実施可能な変形形態ごとに特定の作動ブロックを使用する必要が回避される。実際に、遮断ブロックに合わせて調整されるように、特定の形状および寸法に設定されるのは、遮断ブロックに付随する、この連結インターフェイスである。
【0009】
したがって、作動ブロックに連結されることになる連結インターフェイスの面は、遮断ブロックの構成に関わらず同じである。したがって、遮断ブロックの形状に関わらず、全く同一のアクチュエータ・ブロックを使用することが可能である。
【0010】
これによって、装置を製造するための工業工程を合理化することが可能になる。特に、作動ブロックなどの高価な部品が、多数の変形形態において設けられる必要がない。さらに、遮断ブロックの様々な変形形態に全く同一のアクチュエータ・ブロックを使用することによって、アクチュエータ・ブロックの多数の変形形態を管理する必要が生じ得る場合に比べて、様々な個々の部品管理に関連する実際業務上の制約(logistical constraint)が低減するので、電気装置の製造および/または取付けが簡易化される。
【0011】
有利であるが、必須ではない本発明の態様によれば、かかる電気装置は、以下の特徴の1つまたは複数を単独で、または技術的に許容されるいかなる組合せでも、組み込むことができる。
【0012】
- 連結インターフェイスは、本体を含み、本体に、コンテナを本体に対して並進可能に案内する案内デバイスが設けられる。
【0013】
- 案内デバイスは、可動コンテナを本体に機械的に連結するレバーを含む。
【0014】
- 連結インターフェイスは、ほぞ穴およびほぞ(mortise-and-tenon)式の固着システムによって遮断ブロックに固着され、遮断ブロックまたは連結インターフェイスのいずれかが、ほぞを含み、他方が、形状がほぞと相補的である溝を含む。
【0015】
- 可動コンテナの幅は、遮断ブロックの前面の両側に位置する結合部材間の距離よりも大きい。
【0016】
- 可動コンテナには、可動コンテナを係留させる目的で、結合部材を受けるための区域が設けられて、結合部材を支持している遮断要素のそれぞれの可動部分に並進可能にしっかりと連結されるように可動コンテナは、電磁力の作用下で変位されるときに、結合部材の全てに同時に力を加えるように寸法設定される。
【0017】
- 結合部材はねじを含み、その頭部が遮断要素よりも突出し、可動コンテナには、可動コンテナを可動部分に係留させる目的で、各々が対応するねじ頭部を把持することになるフォークが設けられる。
【0018】
- 遮断要素それぞれのスイッチングは、結合部材を可動コンテナの並進方向に平行な方向に変位させることによって実現される。
【0019】
- 遮断ブロックは、3つの遮断要素を含む。
【0020】
- 遮断ブロックは、4つの遮断要素を含む。
【0021】
単なる例によって示される、電気遮断装置の一実施形態の以下の説明に照らし、かつ添付の図面を参照すれば、本発明がよりよく理解され、本発明の他の利点がより明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施形態による電気遮断装置の概略分解図である。
図2図1の電気装置の可動コンテナの概略分解図である。
図3図1の電気装置の作動ブロックの概略斜視図である。
図4図1の電気装置の遮断ブロックに固着された連結インターフェイスの概略切欠図である。
図5図4の連結インターフェイスおよび遮断ブロックの概略斜視図である。
図6】本発明の第2の実施形態による電気遮断装置の概略分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1から図5は、本発明の第1の実施形態による電気遮断装置1を示す。
【0024】
装置1は、遮断ブロック2と、作動ブロックとも呼ばれるアクチュエータ・ブロック3と、アクチュエータ・ブロック3と遮断ブロック2との間の連結インターフェイス4とを含む。
【0025】
電気装置1の機能は、例えば、図示されない制御ユニットによって送信される制御信号に応じて、電流の流れを制御可能な形態で交互に遮断するまたは流すことを可能とすることである。
【0026】
例えば、装置1は、国際電気標準会議規格IEC60947-3に規定されたAC1、AC3、またはAC4型の動作電流区分に従ってAC電流のスイッチングを制御するものである。
【0027】
遮断ブロック2は、固定基部21、および遮断要素22を含む。基部21は、例えば、その裏面によって配電盤に固着される。
【0028】
例えば、電気装置1は、三相電流とともに使用されるものである。その場合、各遮断要素22は、この三相交流の電気位相成分の1つに関連付けられる。この例では、遮断要素22の数は3つであり、互いに同一である。
【0029】
基部21は区画23を含み、この区画はそれぞれ、遮断要素22の1つを収容するのに適している。遮断要素22は、取外し可能であり、例えば保守作業を実施する場合に、対応する区画23から取り出されることができる。
【0030】
各遮断要素22は、互いに電気的に隔離され、かつ対応する接続ランド24、25にそれぞれ電気的に接続された固定電気導体221および222を含み、これらのランドは、遮断ブロック2によって支持されている。
【0031】
各遮断要素22は、オン状態と遮断またはオフ状態との間で選択的かつ反転可能にスイッチング可能である。オン状態では、要素22によって、電流が、固定導体221および222を介して、接続ランド24と25との間を流れることが可能となる。オフ状態では、遮断要素22は、この電流の流れを阻止する。
【0032】
この例では、各遮断要素22は、固定導体221および222がしっかりと連結される固定部分を含み、また、可動部分224にしっかりと連結される可動電気導体223を含み、可動部分は固定部分に対して変位されることができる。この変位は、この例では、遮断ブロック2の前面に垂直な変位方向に実施される。
【0033】
例えば、スイッチ要素22、特に固定部分および可動部分は、電気絶縁材料、例えばプラスチック、例えばPA66型の架橋ポリアミドで作成される。固定導体221および222、ならびに可動導体223は、金属バーなどの導電材料で作成される。
【0034】
可動部分224は、結合部材226によって変位されることができ、この例では、結合部材はねじを含み、その頭部がこの遮断要素22の前面よりも突出している。要素22が区画23に収容されると、部材226は、前面に沿って互いに位置が揃う。
【0035】
したがって、オン状態では、可動導体223は、固定導体221と222とを電気接触させ、したがって電流が流れることが可能となり、オフ状態では、可動導体223は、固定導体221および222からある距離が置かれ、それによって固定導体221と222との間で電流が流れるのを阻止する。
【0036】
この例では、遮断要素22は初期状態がそのオフ状態にある。要素22をオン状態にスイッチングするには、結合部材226のねじ頭部に、それらの頭部を装置1の前面の方へと変位方向に引っ張ることによって、機械的牽引力が加えられる。結合部材226に力が加えられなくなると、遮断要素22の復帰部材225によって可動導体223が初期位置に戻り、したがって遮断要素22がそのオフ状態にスイッチングする。
【0037】
連結インターフェイス4は、遮断ブロック2の前面にしっかりと固定連結されるものである。インターフェイス4は、遮断ブロック2にしっかりと連結される本体41と、本体41に対して変位の方向に並進可能に変位されることができる可動コンテナ42とを含む。インターフェイス4は、アクチュエータ・ブロック3、および遮断ブロック2に対して別個の部品である。
【0038】
本体41の幅は、この例では、遮断ブロック2の幅に等しい。
【0039】
インターフェイス4が遮断ブロック2にしっかりと連結されると、コンテナ42の変位方向は、各種遮断要素22の可動部分224のそれぞれの変位方向に平行となる。
【0040】
コンテナ42は、本質的に形状が平坦になっており、板43を収容する区画を区切り、この板は、コンテナ42にしっかりと固着され、コンテナ42の前面の方に向いている。組立て済みの装置1の構成では、板43は、アクチュエータ・ブロック3と位置合せされ、これについては以下でより詳細に説明される。
【0041】
この例では、コンテナ42の幅は、遮断ブロック2の前面の両側に位置する結合部材226間の距離よりも大きい。この例では、部材226は、遮断ブロック2の前面に沿って、水平軸に沿って一列に並んでいる。したがって、この距離は、列の両端部に位置する部材226間でこの水平軸に沿って測定される。
【0042】
板43は、磁性材料、例えば強磁性金属で作成される。
【0043】
本体41には、可動コンテナ42を並進可能に案内するデバイスが設けられている。この例では、図2で分かるように、このデバイスは、可動コンテナ42を本体41に機械的に連結するレバー44を含む。レバー44は、各種結合部材226に加えられた機械力が広がることをさらに可能とし、したがって要素22は同時にスイッチングされる。
【0044】
例えば、レバー44は、対称の2つのレバーアーム441を含み、これらのレバーアームにはそれぞれ、関節リンクを成す開口442が遠位端に設けられている。コンテナ42は、このコンテナの側方縁部よりも突出した外側隆起部431を含む。これらの隆起部431は、この例では、関節接合を成すように開口442に係合される。
【0045】
レバー44自体は、この例では、レバー44の、2つのアーム441を互いにつなぎ、長手方向軸に沿って延びる主枝部(main branch)の両側に位置決めされた回動リンクによって、固定本体41にしっかりと連結されている。したがって、レバー44は、本体41に対して、この長手方向軸に沿って回動可能に取り付けられている。
【0046】
有利には、レバー44には、コンテナ42に力が加えられていないとき、レバー44がその初期位置に戻ることを可能とするばね、例えばねじりばねが設けられ、このばねは、関節接合のところでコンテナ42の隆起部431とともに配置されている。
【0047】
コンテナ42の裏面には、部材226を収容するための区域が設けられ、この区域によって、コンテナ42が部材226に並進可能にしっかりと連結されることが可能となる。コンテナ42の裏面とは、この例では、コンテナ42の、インターフェイス4が遮断ブロック2にしっかりと連結されると結合部材226の方に向く面である。
【0048】
したがって、結合部材226の役割は、可動部分224を可動コンテナ42にしっかりと連結することである。
【0049】
この例では、図4で分かるように、収容区域が、ねじ頭部226の形状と同じになるように成形され、特に中空の形状を取っている。
【0050】
この収容区域はまた、フォーク46を含み、これらのフォークはそれぞれ、結合部材226、この例ではねじ頭部の1つを、例えばねじ頭部の背面に押しつけることによって把持するのに適している。これらのフォークには、有利には、各フォーク46が対応するねじ頭部の周りで挟持されることを可能とする留め部が設けられている。
【0051】
したがって、組立て済みの構成では、可動部分224は、変位方向に沿って並進可能に、コンテナ42にしっかりと連結される。
【0052】
アクチュエータ・ブロック3は、インターフェイス4の前面にしっかりと固着されるように適している。
【0053】
アクチュエータ・ブロック3は、制御信号に応じて電磁力を変位方向に加えるように構成されている。電磁力によって、金属板43、したがってコンテナ42の変位方向への変位が生じる。
【0054】
好ましくは、金属板43は、強磁性材料で作成される。
【0055】
この目的で、アクチュエータ・ブロック3は、1つまたは複数の電磁石32を含み、これらの電磁石は、この例では、図示されない磁心の周りに導電ワイヤを巻きつけることによって形成される。例えば、電磁石32はそれぞれ、形状が円筒形または長方形であり、アクチュエータ・ブロック3がインターフェイス4に固着されると、変位方向に平行となる軸を有する。
【0056】
これらの電磁石32には、制御信号に応じて電力が供給され、電磁力を生成する。この電磁力が、磁気板43を変位させ、したがってコンテナ42を変位させる。
【0057】
アクチュエータ・ブロック3はまた、1つまたは複数のコアに連結された少なくとも1つの底板33を含み、この板は、電磁石32および固定ハウジング31の裏面を覆っている。
【0058】
アクチュエータ・ブロック3は、この例では、底板33のところでインターフェイス4に固着される。この目的で、底板33は4つの貫通開口331を含み、これらの貫通開口は、この例では、底板33と同一平面上にある突出部として延在するパッドに形成されている。ブロック3がインターフェイス4に取り付けられた構成では、開口331は、本体41に作成された対応する固着開口45と位置合せされる。したがって、ブロック3は、ナットとボルトなどの固着要素が開口331および45に挿入されることによって、インターフェイス4に固着される。
【0059】
有利には、図5に示されるように、インターフェイス4は、ほぞ穴およびほぞシステムによって遮断ブロック2に固着される。この例では、遮断ブロック2の前面には、垂直方向に延びる溝またはスロット211が設けられている。連結インターフェイス4の裏面は、形状が溝211の形状と相補的であり、垂直方向に配置されたほぞ411を含む。
【0060】
したがって、インターフェイス4は、まずインターフェイス4を遮断ブロック2の前面に押しつけて配置し、次いでインターフェイス4を遮断ブロック2に対して垂直方向、好ましくは下方に摺動させることによる差込み運動(bayonet motion)を用いて、遮断ブロック2に簡易な形態で固着されている。有利には、この動きが終了すると、図示されない端部停止部によって、インターフェイス4が動かなくなる。
【0061】
この垂直の並進移動によって、インターフェイス4が遮断ブロック2に取り付けられ、かつコンテナ42が結合部材226にフォーク46によって機械的に連結されることがともに可能となる。
【0062】
したがって、組立て済みの装置1の構成では、連結インターフェイス4が遮断ブロック2とアクチュエータ・ブロック3との間に挿入されることによって、連結インターフェイス4がブロック3をブロック2に連結する。
【0063】
可動コンテナ42を、アクチュエータ・ブロック3の内部ではなく、連結インターフェイス4の内部に収容することによって、遮断ブロック2の各変形形態について、専用のアクチュエータ・ブロック3を使用する必要を回避している。遮断ブロック2に固着されることになる連結インターフェイス4が、遮断ブロック2の幅、または各種要素22のそれぞれの部材226同士間の中心間距離など、遮断ブロック2の寸法および特性に従って調整され、最適化される。
【0064】
連結インターフェイス4は、生産するのに、アクチュエータ・ブロック3ほど高価ではなく、また複雑でもないので、それによって装置1の工業的な製造が改善される。
【0065】
図6は、本発明の第2の実施形態による遮断装置1’を示す。
【0066】
本実施形態による電気装置1’の、図1から図5の第1の実施形態の要素と類似している要素には、同じ参照符号が付され、上記の説明が当てはまる場合には詳細には説明されない。
【0067】
本実施形態による電気装置1’の、図1から図5の第1の実施形態の要素とは異なるが、同様の役割を果たす要素には、同じ参照符号に「’」の記号を付し、上記の説明がやはり当てはまる場合には、それらの相違点のみが詳細に説明される。
【0068】
電気装置1’は、遮断ブロック2’、アクチュエータ・ブロック3、および連結インターフェイス4’を含む。
【0069】
例えば、装置1’は、この例では、4極型のものであり、国際電気標準会議規格IEC60947-3によって規定されたAC1区分などに従ってAC電流の遮断を制御するものである。
【0070】
この遮断ブロック2’は、遮断ブロックに類似しているが、特にこの遮断ブロック2’が4つの取外し可能な遮断要素22’を含むという点において上記遮断ブロックとは異なり、これらの要素は、要素22に類似し、同じ役割を果たす。しかし、遮断要素22’の内部組成は、特定の内部構造、および遮断システムとともに、動作電流の区分に合わせて調整される。遮断要素22’はそれぞれ、特に結合部材226を含む。実際に、遮断ブロック2’の幅は、遮断ブロック2の幅よりも大きい。したがって、インターフェイス4’の幅は、後述するようにインターフェイス4の幅に対して増大されている。
【0071】
例えば、遮断ブロック2’は、3つの電気位相および中性位相(neutral phase)を備える多相電気回路とともに使用するのに適している。
【0072】
インターフェイス4’は、アクチュエータ・ブロック3と遮断ブロック2’との間に挿入されるように配置される。
【0073】
インターフェイス4’は、本体41’と、磁気板43’を支持する可動コンテナ42’とを含む。コンテナ42’は、コンテナ42と同様に並進可能に変位されることができ、その幅と、金属板43’の幅とにおいてのみ、コンテナ42と異なる。特に、コンテナ42’は、4つの遮断要素22’の部材226のそれぞれに並進可能にしっかりと連結されるように配置される。したがって、コンテナ42’の幅は、コンテナ42の幅よりも大きい。同様に、本体41’の寸法は、ブロック2’の固定基部の幅に対応するように改変されている。したがって、レバー44’の幅もやはり、増大されている。
【0074】
したがって、インターフェイス4’によって、同じアクチュエータ・ブロック3が、遮断ブロック2または2’の形状に関わらず使用されることができる。このことによって、遮断装置1または1’を工業的に製造する工程を合理化することが可能となる。
【0075】
遮断要素22または22’の数、ならびに遮断ブロック2または2’の前面における配置、または部材226間の中心間距離の値に応じて、他の変形形態が可能である。
【0076】
上記で想定される実施形態および変形形態は、本発明の新しい実施形態を作り出すように、互いに組み合わされてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6