IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロンヘルスケア株式会社の特許一覧 ▶ オムロン株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】血圧測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20220207BHJP
【FI】
A61B5/022 300Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017253056
(22)【出願日】2017-12-28
(65)【公開番号】P2019118424
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2020-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】濱口 剛宏
(72)【発明者】
【氏名】久保 大
(72)【発明者】
【氏名】佐野 佳彦
(72)【発明者】
【氏名】西岡 孝哲
(72)【発明者】
【氏名】森 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】東村 悠
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-238910(JP,A)
【文献】特開2010-119447(JP,A)
【文献】特開平11-309119(JP,A)
【文献】特開2017-6488(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0044288(US,A1)
【文献】特開2004-195056(JP,A)
【文献】特開2009-160016(JP,A)
【文献】特開2012-210374(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0094497(KR,A)
【文献】特開2017-121480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/0538
A61B 5/06 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
生体の手首の周方向に倣って湾曲するとともに、一端と他端とが離間して形成され、前記手首の少なくとも手の甲側及び手の平側の間に接する、前記装置本体に固定されるカーラと、
前記装置本体に設けられ、前記カーラの外面を覆うとともに、前記手首に装着されるベルトと、
前記手首の動脈が存する領域に配置されるセンシングカフと、
前記センシングカフの前記カーラ側に設けられ、前記手首の周方向に延在する背板と、
前記カーラ及び前記背板の間に設けられ、弾性変形するゴム板と、
前記カーラの前記ベルト側に設けられ、前記センシングカフを押圧する押圧カフと、
前記カーラの前記生体側に設けられ、前記手首の前記手の甲側に配置されるカフと、
を備える血圧測定装置。
【請求項2】
前記カーラ及び前記ゴム板の間に設けられ、前記手首の腱が存する領域に配置されるフラット板をさらに備える、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項3】
前記カフは、前記押圧カフ及び前記センシングカフよりも前記カーラから前記手首に向かって膨張する厚さが厚い、請求項1又は請求項2に記載の血圧測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧を測定する血圧測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、血圧の測定に用いる血圧測定装置は、医療設備においてのみならず、家庭内においても、健康状態を確認する手段として利用されている。血圧測定装置は、例えば、センシングカフを生体の上腕又は手首等に巻き付け、センシングカフを膨張及び収縮させ、圧力センサによりセンシングカフの圧力を検出することで、動脈壁の振動を検出して血圧を測定する。
【0003】
このような血圧測定装置として、例えば、カフとカフに流体を供給する装置本体とが一体に構成された所謂一体型と呼ばれるものが知られている。このような一体型の血圧測定装置は、昨今、手首に装着するウェアラブルデバイスとして小型化が求められている。このため、血圧測定装置に用いられるカフにも小型化が求められる。
【0004】
このような血圧測定装置は、圧力センサにより圧力を検出するカフに皺や折れ等が発生すると、測定した血圧測定結果の精度が低下する、という問題がある。図23に、手首に血圧測定装置を装着し、カフを膨張させたときの断面画像の一例を示すが、図23に示す例では、手首に装着したときに、X部に示すように、カフに深い溝を構成するように皺や折れが生じており、この皺や折れによりカフの内部空間が分断されることがある。特に、血圧測定装置の小型化によってカフが小さくなるほど、血圧測定結果の精度が低下する虞がある。
【0005】
なお、ウェアラブルデバイスにおいては、血圧測定のみならず、例えば、脈拍等を測定する生体情報測定装置においても、脈拍を正確に測ることができない問題が生じている。そこで、正確に脈拍等の生体情報を測定することのできる生体情報測定装置として、測定部位に第1及び第2のベルトが巻き回されたときに、本体部を引っ張る力を調整するために、各ベルトにエアクッションが設けられる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の生体情報測定装置には、本体部の、各ベルトが本体部を引っ張る各力が本体部に影響する範囲に圧力検出部が設けられ、CPUが圧力検出部で検出された各圧力及び両圧力の関係に基づいた調整量で、各ベルトの引っ張り力を調整させ、その調整後に生体信号の検出を開始する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-073338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1の生体情報測定装置は、受光部で発光部からの照射光のうち、測定対象物から反射した反射光を受光することで、脈拍等の生体情報を検出する構成である。このため、生体情報測定装置は、各ベルトにそれぞれ設けられたエアクッションをそれぞれ調整することで、各ベルトの引っ張り力を調整することが許容される。
【0008】
しかしながら、血圧測定装置においては、各ベルトの引っ張り力を調整することで、カフを手首に密着させると、部分的にカフが手首や装置本体等に押圧され、結果、カフに皺や折れが生じる虞がある。
【0009】
また、手首には2本の動脈が存し、そして2本の動脈間に腱が存することから、カフによって手首の動脈が存する領域を圧迫して血圧を測定する場合には、カフによって圧迫したときに動脈周辺組織の圧力分布が異なる、という問題がある。圧力分布が異なると、正しい圧力が測定できずに、測定結果の誤差が大きくなる虞がある。
【0010】
このため、手首で血圧を測定する血圧測定装置において、カフに皺や折れ等が生じることを抑制することができる技術が求められている。
【0011】
そこで本発明は、カフに皺や折れが生じることを抑制できるとともに、手首を圧迫したときの圧力分布のばらつきを低減できる血圧測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様によれば、装置本体と、生体の手首の周方向に倣って湾曲するとともに、一端と他端とが離間して形成され、前記手首の少なくとも手の甲側及び手の平側の間に接する、前記装置本体に固定されるカーラと、前記装置本体に設けられ、前記カーラの外面を覆うとともに、前記手首に装着されるベルトと、前記手首の動脈が存する領域に配置されるセンシングカフと、前記センシングカフの前記カーラ側に設けられ、前記手首の周方向に延在する背板と、前記カーラ及び前記背板の間に設けられ、弾性変形するゴム板と、前記カーラの前記ベルト側に設けられ、前記センシングカフを押圧する押圧カフと、前記カーラの前記生体側に設けられ、前記手首の前記手の甲側に配置されるカフと、を備える血圧測定装置が提供される。
【0013】
ここで、手首の少なくとも手の甲側と手の平側の間とは、手首の手の甲側及び手の平側の間にある手首の側方であり、手の甲を上方、手の平を下方に配置した姿勢で腕を前方に伸ばしたときに、重力方向に対して直交する方向にある領域をいう。さらにいえば、手首の少なくとも手の甲側と手の平側の間とは、橈骨及び尺骨の並び方向で、橈骨及び尺骨の外方にある手首の領域を意味する。また、手首の動脈が存する領域とは、手首の手の平側であって、略中央の腱が存する領域を含み、腱に隣接する二つの動脈を手首の周方向で覆う領域である。
【0014】
押圧カフ、センシングカフ及びカフとは、血圧を測定するときに手首に巻き付けられ、流体が供給されることで膨張するものである。また、ここでの押圧カフ、センシングカフ及びカフとは、空気袋等の袋状構造体を含む。
【0015】
この態様によれば、保持具が手首の手の甲側及び手の平側の間に接触した状態でカフが膨張すると、保持具が接触する領域の手首の皮膚が、ベルト及びカーラの少なくとも一方とともにカフにより引っ張られる。これにより、手の平側の手首の皮膚が引っ張られるため、手の平側の手首の皮膚のたるみ等が低減され、センシングカフが面で密着する。結果、手首を圧迫したときのセンシングカフで圧迫した領域の圧力分布のばらつきを低減できるとともに、センシングカフに皺や折れが生じることを抑制できる。
【0016】
また、この態様によれば、血圧測定装置は、押圧カフがカーラを押圧することにより背板及びセンシングカフを押圧することで、カーラの形状に倣って背板及びセンシングカフが湾曲し、センシングカフの皺や折れを防止することができる。さらにこの態様によれば、押圧カフがカーラを押圧することで、センシングカフの皺や折れが生じにくい状態で手首の手の平側を圧迫できる。
【0017】
さらに、この態様によれば、弾性変形可能なゴム板をカーラ及び背板の間に設けることで、ゴム板がカーラ及び背板に密着されることから、カーラ及び手首間の隙間が埋まり、手首とセンシングカフを密着させることができる。
【0018】
上記一態様の血圧測定装置において、前記カーラ及び前記ゴム板の間に設けられ、前記手首の腱が存する領域に配置されるフラット板をさらに備える、血圧測定装置が提供される。
【0019】
この態様によれば、カーラとゴム板の間に設けられたフラット板によって、手首の腱及び当該腱が存する領域のゴム板、背板及びセンシングカフを押圧することができることから、腱によってセンシングカフが押圧されることでセンシングカフに皺や折れが生じることを抑制できる。
【0020】
上記一態様の血圧測定装置において、前記カフは、前記押圧カフ及び前記センシングカフよりも前記カーラから前記手首に向かって膨張する方向の厚さが厚い、血圧測定装置が提供される。
【0021】
このような態様によれば、カフの膨張する厚みを押圧カフ及びセンシングカフよりも厚くすることで、ベルト及びカーラが手首に接する方向に変形することから、手首の手の甲側と手の平側の間に密着し、そして、手首の手の甲側と手の平側の間の皮膚が引っ張られる。このため、センシングカフと対向する手首の手の平側の皮膚が張り、さらに、手の平側のベルト及びカーラが引っ張られることになる。これにより、センシングカフは、手首の手の平側の表面と好適に密着し、センシングカフに皺や折れが生じることをさらに抑制できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、センシングカフに皺や折れが生じることを抑制できる血圧測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1の実施形態に係る血圧測定装置の構成を示す斜視図。
図2】同血圧測定装置の構成を示す斜視図。
図3】同血圧測定装置の構成を示す分解図。
図4】同血圧測定装置を手首に装着した状態を示す説明図。
図5】同血圧測定装置の構成を示すブロック図。
図6】同血圧測定装置の装置本体及びカーラの構成を示す斜視図。
図7】同血圧測定装置の装置本体の構成を示す斜視図。
図8】同装置本体の内部の構成を示す平面図。
図9】同装置本体の内部の構成を示す平面図。
図10】同血圧測定装置のカフ構造体の構成を示す平面図。
図11】同血圧測定装置のカフ構造体の他の構成を示す平面図。
図12】同血圧測定装置のベルト、カーラ、カフ構造体の構成を示す断面図。
図13】同血圧測定装置のカーラ、カフ構造体の構成を示す断面図。
図14】同血圧測定装置を手首に装着した状態であって、且つ、カフ構造体の膨張時の構成を示す説明図。
図15】同血圧測定装置を手首に装着した状態であって、且つ、カフ構造体の膨張時の構成を模式的に示す断面図。
図16】同血圧測定装置の使用の一例を示す流れ図。
図17】同血圧測定装置を手首に装着する一例を示す斜視図。
図18】同血圧測定装置を手首に装着する一例を示す斜視図。
図19】同血圧測定装置を手首に装着する一例を示す斜視図。
図20】本発明の第2の実施形態に係るカフ構造体の構成を手首に装着した状態で示す平面図。
図21】同血圧測定装置のベルト、カーラ、カフ構造体の構成を示す断面図。
図22】同血圧測定装置を手首に装着した状態であって、且つ、カフ構造体の膨張時の構成を模式的に示す断面図。
図23】従来の技術の血圧測定装置を手首に装着し、カフを膨張させたときの一例を示す断面画像。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係る血圧測定装置1の一例について、図1乃至図15を用いて以下例示する。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る血圧測定装置1の構成を、ベルト4を閉じた状態で示す斜視図である。図2は、血圧測定装置1の構成を、ベルト4を開いた状態で示す斜視図である。図3は、血圧測定装置1の構成を示す分解図である。図4は、血圧測定装置1を手首に装着した状態を示す説明図である。図5は、血圧測定装置1の構成を示すブロック図である。図6は、血圧測定装置1の装置本体3及びカーラ5の構成を示す斜視図である。図7は、血圧測定装置1の装置本体3の構成を裏蓋35側から示す斜視図である。図8及び図9は、装置本体3の内部の構成をそれぞれ風防32側及び裏蓋35側から示す平面図である。図10は、血圧測定装置1のカフ構造体6の構成をセンシングカフ73側から示す平面図である。図11は、カフ構造体6の他の構成例をセンシングカフ73側から示す平面図である。
【0026】
図12は、血圧測定装置1のベルト4、カーラ5及びカフ構造体6の構成を図10中XII-XII線断面で模式的に示す断面図である。図13は、血圧測定装置1のカーラ5及びカフ構造体6の構成を図10中XIII-XIII線断面で模式的に示す断面図である。図14及び図15は、血圧測定装置1を手首に装着したとき、及び、カフ構造体6が膨張し、血圧を測定するときの血圧測定装置1の構成をそれぞれ示す説明図である。図15は、血圧を測定するときの血圧測定装置1の構成を、図10中XV-XV線断面で示す断面図である。なお、図12において、ベルト4、カーラ5及びカフ構造体6は、説明の便宜上、直線形状で模式的に示すが、血圧測定装置1に設けられた構成においては、湾曲する形状である。
【0027】
血圧測定装置1は、生体に装着する電子血圧測定装置である。本実施形態においては、生体の手首200に装着するウェアラブルデバイスの態様をもつ電子血圧測定装置を用いて説明する。図1乃至図13に示すように、血圧測定装置1は、装置本体3と、ベルト4と、カーラ5と、押圧カフ71、センシングカフ73及び押圧カフ71と流体的に連続する引張カフ74を有するカフ構造体6と、流体回路7と、を備えている。ここで、引張カフ74は、本発明の「カフ」の一例である。
【0028】
図1乃至図13に示すように、装置本体3は、ケース11と、表示部12と、操作部13と、ポンプ14と、流路部15と、開閉弁16と、圧力センサ17と、電力供給部18と、振動モータ19と、制御基板20と、を備えている。装置本体3は、ポンプ14、開閉弁16、圧力センサ17及び制御基板20等によって、押圧カフ71に流体を供給する供給装置である。
【0029】
ケース11は、外郭ケース31と、外郭ケース31の上部開口を覆う風防32と、外郭ケース31の内部の下方に設けられた基部33と、基部33の裏面の一部を覆う流路カバー34と、外郭ケース31の下方を覆う裏蓋35と、を備えている。また、ケース11は、流体回路7の一部を構成する流路チューブ36を備えている。
【0030】
外郭ケース31は、円筒状に形成される。外郭ケース31は、外周面の周方向で対称位置にそれぞれ設けられた一対のラグ31aと、2つの一対のラグ31a間にそれぞれ設けられるバネ棒31bと、を備えている。風防32は、円形状のガラス板である。
【0031】
基部33は、表示部12、操作部13、ポンプ14、開閉弁16、圧力センサ17、電力供給部18、振動モータ19及び制御基板20を保持する。また、基部33は、流路部15の一部を構成する。
【0032】
流路カバー34は、基部33の裏蓋35側の外面である裏面に固定される。基部33及び流路カバー34は、一方又は双方に溝が設けられることで、流路部15の一部を構成する。
【0033】
裏蓋35は、外郭ケース31の生体側の端部を覆う。裏蓋35は、例えば4つのビス35a等によって外郭ケース31又は基部33の生体側の端部に固定される。
【0034】
流路チューブ36は、流路部15の一部を構成する。流路チューブ36は、例えば、開閉弁16及び基部33の流路部15を構成する一部を接続する。
【0035】
表示部12は、外郭ケース31の基部33上であって、且つ、風防32の直下に配置される。表示部12は、電気的に制御基板20に接続される。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。表示部12は、日時や最高血圧及び最低血圧などの血圧値や心拍数等の測定結果を含む各種情報を表示する。
【0036】
操作部13は、使用者からの指令を入力可能に構成される。例えば、操作部13は、ケース11に設けられた複数の釦41と、釦41の操作を検出するセンサ42と、表示部12又は風防32に設けられたタッチパネル43と、を備える。操作部13は、使用者が操作することで、指令を電気信号に変換する。センサ42及びタッチパネル43は、電気的に制御基板20に接続され、電気信号を制御基板20へ出力する。
【0037】
複数の釦41は、例えば3つ設けられる。釦41は、基部33に支持されるとともに、外郭ケース31の外周面から突出する。複数の釦41及び複数のセンサ42は、基部33に支持される。タッチパネル43は、例えば、風防32に一体に設けられる。
【0038】
ポンプ14は、例えば圧電ポンプである。ポンプ14は、空気を圧縮し、流路部15を介して圧縮空気をカフ構造体6に供給する。ポンプ14は、電気的に制御部55に接続される。
【0039】
流路部15は、基部33の裏蓋35側の主面及び基部33の裏蓋35側を覆う流路カバー34に設けられた溝等より構成された空気の流路である。流路部15は、ポンプ14から押圧カフ71及び引張カフ74へつながる流路、及び、ポンプ14からセンシングカフ73へつながる流路を構成する。また、流路部15は、押圧カフ71及び引張カフ74から大気へつながる流路、及び、センシングカフ73から大気へつながる流路を構成する。流路カバー34は、押圧カフ71又は引張カフ74、及び、センシングカフ73がそれぞれ接続される被接続部34aを有する。被接続部34aは、例えば、流路カバー34に設けられた、円筒状のノズルである。
【0040】
開閉弁16は、流路部15の一部を開閉する。開閉弁16は、例えば、複数設けられ、各開閉弁16の開閉の組み合わせによりポンプ14から押圧カフ71及び引張カフ74へつながる流路、ポンプ14からセンシングカフ73へつながる流路、押圧カフ71及び引張カフ74から大気へつながる流路、及び、センシングカフ73から大気へつながる流路を選択的に開閉する。例えば、開閉弁16は、2つ用いられる。
【0041】
圧力センサ17は、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の圧力を検出する。圧力センサ17は、電気的に制御基板20に接続される。圧力センサ17は、電気的に制御基板20に接続され、検出した圧力を電気信号に変換し、制御基板20へ出力する。圧力センサ17は、例えば、ポンプ14から押圧カフ71及び引張カフ74へつながる流路、及び、ポンプ14からセンシングカフ73へつながる流路に設けられる。これらの流路は押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74と連続することから、これら流路内の圧力が押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の内部空間の圧力となる。
【0042】
電力供給部18は、例えば、リチウムイオンバッテリ等の二次電池である。電力供給部18は、制御基板20に電気的に接続される。電力供給部18は、制御基板20に電力を供給する。
【0043】
図5及び図8に示すように、制御基板20は、例えば、基板51と、加速度センサ52と、通信部53と、記憶部54と、制御部55と、を備えている。制御基板20は、加速度センサ52、通信部53、記憶部54及び制御部55が基板51に実装されることで構成される。
【0044】
基板51は、ケース11の基部33にビス等によって固定される。
【0045】
加速度センサ52は、例えば、3軸加速度センサである。加速度センサ52は、装置本体3の互いに直交する3方向の加速度を表す加速度信号を制御部55に出力する。例えば、加速度センサ52は、検出された加速度から血圧測定装置1を装着した生体の活動量を測定するために用いられる。
【0046】
通信部53は、外部の装置と無線又は有線によって情報を送受信可能に構成される。通信部53は、例えば、制御部55によって制御された情報や測定された血圧値及び脈拍等の情報を、ネットワークを介して外部の装置へ送信し、また、外部の装置からネットワークを介してソフトウェア更新用のプログラム等を受信して制御部に送る。
【0047】
本実施形態において、ネットワークは、例えばインターネットであるが、これに限定されず、病院内に設けられたLAN(Local Area Network)等のネットワークであってもよく、また、USB等の所定の規格の端子を有するケーブルなどを用いた外部の装置との直接的な通信であってもよい。このため、通信部53は、無線アンテナ及びマイクロUSBコネクタ等の複数を含む構成であってもよい。
【0048】
記憶部54は、血圧測定装置1全体及び流体回路7を制御するためのプログラムデータ、血圧測定装置1の各種機能を設定するための設定データ、圧力センサ17で測定された圧力から血圧値や脈拍を算出するための算出データ等を予め記憶する。また、記憶部54は、測定された血圧値や脈拍等の情報を記憶する。
【0049】
制御部55は、単数又は複数のCPUにより構成され、血圧測定装置1全体の動作、及び、流体回路7の動作を制御する。制御部55は、表示部12、操作部13、ポンプ14、各開閉弁16及び各圧力センサ17に電気的に接続されるとともに、電力を供給する。また、制御部55は、操作部13及び圧力センサ17が出力する電気信号に基づいて、表示部12、ポンプ14及び開閉弁16の動作を制御する。
【0050】
例えば、制御部55は、図5に示すように、血圧測定装置1全体の動作を制御するメインCPU56及び流体回路7の動作を制御するサブCPU57を有する。例えば、サブCPU57は、操作部13から血圧を測定する指令が入力されると、ポンプ14及び開閉弁16を駆動して押圧カフ71及びセンシングカフ73に圧縮空気を送る。
【0051】
また、サブCPU57は、圧力センサ17が出力する電気信号に基づいて、ポンプ14の駆動及び停止、並びに、開閉弁16の開閉を制御し、圧縮空気を押圧カフ71及びセンシングカフ73に選択的に送るとともに、押圧カフ71及びセンシングカフ73を選択的に減圧する。また、メインCPU56は、圧力センサ17が出力する電気信号から、最高血圧及び最低血圧などの血圧値や心拍数などの測定結果を求め、この測定結果に対応した画像信号を表示部12へ出力する。
【0052】
図1乃至図3に示すように、ベルト4は、一方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第1ベルト61と、他方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第2ベルト62と、を備える。ベルト4は、手首200にカーラ5を介して巻き付けられる。
【0053】
第1ベルト61は、所謂親と呼ばれ、帯状に構成される。第1ベルト61は、一方の端部に設けられ、第1ベルト61の長手方向に直交する第1孔部61aと、他方の端部に設けられ、第1ベルト61の長手方向に直交する第2孔部61bと、第2孔部61bに設けられた尾錠61cと、を有する。第1孔部61aは、バネ棒31bを挿入可能、且つ、バネ棒31bに関して第1ベルト61が回転可能な内径を有する。即ち、第1ベルト61は、一対のラグ31aの間であって、且つ、バネ棒31bに第1孔部61aが配置されることで、外郭ケース31に回転可能に保持される。
【0054】
第2孔部61bは、第1ベルト61の先端に設けられる。尾錠61cは、矩形枠状の枠状体61dと、枠状体61dに回転可能に取り付けられたつく棒61eを有する。枠状体61dは、つく棒61eが取り付けられた一辺が第2孔部61bに挿入され、第1ベルト61に関して回転可能に取り付けられる。
【0055】
第2ベルト62は、所謂剣先と呼ばれ、枠状体61dに挿入可能な幅を有する帯状に構成される。また、第2ベルト62は、つく棒61eが挿入される小孔62aを複数有する。また、第2ベルト62は、一方の端部に設けられ、第2ベルト62の長手方向に直交する第3孔部62bを有する。第3孔部62bは、バネ棒31bを挿入可能、且つ、バネ棒31bに関して第2ベルト62が回転可能な内径を有する。即ち、第2ベルト62は、一対のラグ31aの間であって、且つ、バネ棒31bに第3孔部62bが配置されることで、外郭ケース31に回転可能に保持される。
【0056】
このようなベルト4は、第2ベルト62が枠状体61dに挿入され、小孔62aにつく棒61eが挿入されることで、第1ベルト61及び第2ベルト62が一体に接続され、外郭ケース31とともに、手首200の周方向に倣った環状となる。
【0057】
カーラ5は、樹脂材料で構成される。カーラ5は、手首の周方向に沿って湾曲する帯状に構成される。カーラ5は、例えば、一端と他端が離間して形成され、一端側の外面が装置本体3の例えば裏蓋35に固定される。カーラ5は、一端が装置本体3から突出するとともに、一端及び他端が隣接する。
【0058】
具体例として、図1乃至図3図6に示すように、カーラ5は、例えば、手首の周方向に対して直交する方向、換言すると手首の長手方向からの側面視で手首200の周方向に沿って湾曲する形状を有する。カーラ5は、例えば、装置本体3から手首200の手の甲側及び手首200の一方の側方側を通って手首200の手の平側へと渡り、手首200の他方の側方側へと延びる。即ち、カーラ5は、手首の周方向に沿って湾曲することで、手首200の周方向の大半に渡るとともに、両端が所定の間隔を有して離間する。
【0059】
カーラ5は、可撓性及び形状保持性を有する硬さを有する。ここで、可撓性とは、カーラ5に外力が印加されたときに径方向に形状が変形することをいい、例えば、ベルト4によってカーラ5が押圧されたときに、手首に近接するか、手首の形状に沿うか、又は、手首の形状に倣うように側面視の形状が変形することをいう。また、形状保持性とは、外力が印加されないときに、カーラ5が予め賦形された形状を維持できること、本実施形態においてはカーラ5の形状が手首の周方向に沿って湾曲する形状を維持できることである。カーラ5は、樹脂材料で構成される。カーラ5は、例えば、ポリプロピレンによって厚さが1mm程度に形成される。カーラ5は、カーラ5の内面形状に沿ってカフ構造体6を保持する。
【0060】
図1乃至図4図10乃至図15に示すように、カフ構造体6は、押圧カフ71と、背板72と、センシングカフ73と、引張カフ74と、フラット板75と、ゴム板76と、を備えている。カフ構造体6は、カーラ5に固定される。カフ構造体6は、背板72、センシングカフ73、フラット板75及びゴム板76が積層してカーラ5に配置され、押圧カフ71が背板72、センシングカフ73、フラット板75及びゴム板76とカーラ5を挟んで対向する位置に配置され、引張カフ74が背板72、センシングカフ73、フラット板75及びゴム板76と離間してカーラ5に配置される。
【0061】
具体例として、カフ構造体6は、カーラ5の内面に、背板72、センシングカフ73、引張カフ74、フラット板75、及び、ゴム板76が配置される。例えば、カフ構造体6は、カーラ5の手首200の手の平側の内面に、カーラ5の内面から生体側に向かって、フラット板75、ゴム板76、背板72及びセンシングカフ73の順に積層して固定される。また、カフ構造体6は、カーラ5の外面であって、且つ、背板72、センシングカフ73、フラット板75、及び、ゴム板76とカーラ5を挟んで対向する位置に押圧カフ71が設けられる。また、カフ構造体6は、カーラ5の手首200の手の甲側の内面に引張カフ74が配置される。カフ構造体6の各部材は、隣接する部材に両面テープや接着剤等によって固定される。
【0062】
押圧カフ71は、流路部15を介してポンプ14に流体的に接続される。押圧カフ71は、膨張することでカーラ5を生体側に押圧し、カーラ5を介して背板72、センシングカフ73及びフラット板75を生体側に押圧する。押圧カフ71は、複数の、例えば二層の空気袋81を含む。
【0063】
ここで、空気袋81とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は液体袋等の流体袋であってもよい。複数の空気袋81は、積層され、積層方向に流体的に連通する。
【0064】
二層の空気袋81は、一方向に長い矩形状に構成される。空気袋81は、例えば、一方向に長い二枚のシート部材86を組み合わせ、縁部を熱により溶着することで構成される。具体例として、二層の空気袋81は、図10乃至図12に示すように、生体側から、第1シート部材86aと、第1シート部材86aと一層目の空気袋81を構成する第2シート部材86bと、第2シート部材86bと一体に接着される第3シート部材86cと、第3シート部材86cと二層目の空気袋81を構成する第4シート部材86dと、を備える。
【0065】
第1シート部材86a及び第2シート部材86bは、四辺の周縁部が溶着されることで空気袋81を構成する。第1シート部材86aは、カーラ5側の外面に接着剤層や両面テープが設けられ、この接着剤層や両面テープによりカーラ5に貼付される。第2シート部材86b及び第3シート部材86cは、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋81を流体的に連続させる複数の開口86b1、86c1を有する。
【0066】
第3シート部材86c及び第4シート部材86dは、四辺の周縁部が溶着されることで空気袋81を構成する。
【0067】
背板72は、接着剤層や両面テープ等によりゴム板76の生体側に貼付される。背板72は、樹脂材料で形成され、板状に形成される。背板72は、例えば、ポリプロピレンからなり、厚さが1mm程度の板状に形成される。背板72は、形状追従性を有する。
【0068】
ここで、形状追従性とは、配置される手首200の被接触箇所の形状を倣うように背板72が変形可能な機能をいい、手首200の被接触箇所とは、背板72と接触する領域をいい、ここでの接触とは、直接的な接触及び間接的な接触の双方を含む。
【0069】
例えば、背板72は、背板72の両主面に、それぞれ対向する位置であって、且つ、背板72の長手方向に等間隔に配置された複数の溝72aを有する。これにより、背板72は、複数の溝72aを有する部位が溝72aを有さない部位に比べて薄肉となることで、複数の溝72aを有する部位が変形しやすいことから、手首200の形状に倣って変形し、手首の周方向に延在する形状追従性を有する。背板72は、手首200の手の平側を覆う長さに形成される。背板72は、手首200の形状に沿った状態で、押圧カフ71からの押圧力をセンシングカフ73の背板72側の主面に伝達する。
【0070】
センシングカフ73は、背板72の生体側の主面に固定される。センシングカフ73は、図14に示すように、手首200の動脈210が存する領域に直接接触する。ここで、動脈210とは、橈骨動脈及び尺骨動脈である。センシングカフ73は、背板72の長手方向及び幅方向で、背板72と同一形状か、又は、背板72よりも小さい形状に形成される。センシングカフ73は、膨張することで手首200の手の平側の動脈210が存する領域を圧迫する。センシングカフ73は、膨張した押圧カフ71により、背板72を介して生体側に押圧される。
【0071】
具体例として、センシングカフ73は、一つの空気袋91と、空気袋91と連通するチューブ92と、チューブ92の先端に設けられた接続部93と、を含む。センシングカフ73は、空気袋91の一方の主面が背板72に固定される。例えば、センシングカフ73は、背板72の生体側の主面に両面テープや接着剤層等により貼付される。
【0072】
ここで、空気袋91とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は液体袋等であってもよい。このような複数の空気袋91は、積層され、積層方向に流体的に連通する。
【0073】
空気袋91は、一方向に長い矩形状に構成される。空気袋91は、例えば、一方向に長い二枚のシート部材を組み合わせ、縁部を熱により溶着することで構成される。具体例として、空気袋91は、図10及び図12に示すように、生体側から第5シート部材96a及び第6シート部材96bを備える。
【0074】
例えば、第5シート部材96a及び第6シート部材96bは、第5シート部材96a及び第6シート部材96bの一辺に、空気袋91の内部空間と流体的に連続するチューブ92が配置され、溶着により固定される。例えば、第5シート部材96a及び第6シート部材96bは、第5シート部材96a及び第6シート部材96b間にチューブ92が配置された状態で四辺の周縁部を溶着して空気袋91を成形することで、チューブ92が一体に溶着される。
【0075】
チューブ92は、空気袋91の長手方向の一方の端部に設けられる。具体例として、チューブ92は、空気袋91の装置本体3に近い端部に設けられる。チューブ92は、先端に、接続部93を有する。チューブ92は、流体回路7のうち、装置本体3と空気袋91との間の流路を構成する。接続部93は、流路カバー34の被接続部34aに接続される。接続部93は、例えばニップルである。
【0076】
引張カフ74は、カフの一例である。引張カフ74は、流路部15を介してポンプ14に流体的に接続される。引張カフ74は、膨張することで手首200から離間するようにカーラ5を押圧し、ベルト4及びカーラ5を手首200の手の甲側に引っ張る。引張カフ74は、複数の、例えば六層の空気袋101と、空気袋101と連通するチューブ102と、チューブ102の先端に設けられた接続部103と、を含む。
【0077】
また、引張カフ74は、膨張方向、本実施形態においては、カーラ5及び手首200の対向する方向で、膨張時の厚さが、押圧カフ71の膨張方向における膨張時の厚さ、及び、センシングカフ73の膨張方向における膨張時の厚さよりも厚く構成される。即ち、引張カフ74の空気袋101は、押圧カフ71の空気袋81及びセンシングカフ73の空気袋91よりも多い層構造を有し、カーラ5から手首200に向かって膨張したときの厚さが押圧カフ71及びセンシングカフ73よりも厚い。
【0078】
ここで、空気袋101とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は液体袋等の流体袋であってもよい。複数の空気袋101は、積層され、積層方向に流体的に連通する。
【0079】
六層の空気袋101は、一方向に長い矩形状に構成される。空気袋101は、例えば、一方向に長い二枚のシート部材106を組み合わせ、縁部を熱により溶着することで構成される。具体例として、六層の空気袋101は、図13に示すように、生体側から、第7シート部材106aと、第8シート部材106bと、第9シート部材106cと、第10シート部材106dと、第11シート部材106eと、第12シート部材106fと、第13シート部材106gと、第14シート部材106hと、第15シート部材106iと、第16シート部材106jと、第17シート部材106kと、第18シート部材106lと、を備えている。なお、六層の空気袋101は、各シート部材106が両面テープ、接着剤又は溶着等により接着されることで一体に構成される。
【0080】
第7シート部材106a及び第8シート部材106bは、四辺の周縁部が溶着されることで、一層目の空気袋101を構成する。第8シート部材106b及び第9シート部材106cは、対向して配置され、一体に接着される。第8シート部材106b及び第9シート部材106cは、隣り合う空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106b1、106c1を有する。第9シート部材106c及び第10シート部材106dは、四辺の周縁部が溶着されることで、二層目の空気袋101を構成する。
【0081】
第10シート部材106d及び第11シート部材106eは、対向して配置され、一体に接着される。第10シート部材106d及び第11シート部材106eは、隣り合う空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106d1、106e1を有する。第11シート部材106e及び第12シート部材106fは、四辺の周縁部が溶着されることで、三層目の空気袋101を構成する。
【0082】
第12シート部材106f及び第13シート部材106gは、対向して配置され、一体に接着される。第12シート部材106f及び第13シート部材106gは、隣り合う空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106f1、106g1を有する。第13シート部材106g及び第14シート部材106hは、四辺の周縁部が溶着されることで、四層目の空気袋101を構成する。
【0083】
第14シート部材106h及び第15シート部材106iは、対向して配置され、一体に接着される。第14シート部材106h及び第15シート部材106iは、隣り合う空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106h1、106i1を有する。第15シート部材106i及び第16シート部材106jは、四辺の周縁部が溶着されることで、五層目の空気袋101を構成する。
【0084】
第16シート部材106j及び第17シート部材106kは、対向して配置され、一体に接着される。第16シート部材106j及び第17シート部材106kは、隣り合う空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106j1、106k1を有する。第17シート部材106k及び第18シート部材106lは、矩形枠状に周縁部が溶着されることで、六層目の空気袋101を構成する。また、例えば、第17シート部材106k及び第18シート部材106lの一辺に、空気袋101の内部空間と流体的に連続するチューブ102が配置され、溶着により固定される。例えば、第17シート部材106k及び第18シート部材106lは、第17シート部材106k及び第18シート部材106lの間にチューブ102が配置された状態で矩形枠状に周縁部を溶着して空気袋101を成形することで、チューブ102が一体に溶着される。
【0085】
チューブ102は、六層の空気袋101のうち一つの空気袋101に接続されるとともに、空気袋101の長手方向の一方の端部に設けられる。具体例として、チューブ102は、六層の空気袋101のカーラ5側であって、且つ、装置本体3に近い端部に設けられる。チューブ102は、先端に、接続部103を有する。チューブ102は、流体回路7のうち、装置本体3と空気袋101との間の流路を構成する。接続部103は、流路カバー34の被接続部34aに接続される。接続部103は、例えばニップルである。
【0086】
なお、押圧カフ71がカーラ5の外面側に配置され、そして、引張カフ74がカーラ5の内面側に配置できれば、カフ構造体6は、図10に示すように、押圧カフ71及び引張カフ74が一体に構成され、流体的に連続する構成であってもよい。また、例えば、図11に示すように、押圧カフ71及び引張カフ74が別体に構成され、押圧カフ71及び引張カフ74が流体的に非連続であってもよい。なお、押圧カフ71及び引張カフ74が別体の構成とした場合には、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74は、それぞれの空気袋81、91、101にチューブ82、92、102及び接続部83、93、103を設ける構成とすればよい。
【0087】
また、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74を形成する各シート部材86、96、106は、熱可塑性エラストマーにより構成される。シート部材86、96、106を構成する熱可塑性エラストマーとしては、例えば、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(Thermoplastic PolyUrethane、以下TPUと表記する)、塩化ビニル樹脂(PolyVinyl Chloride)、エチレン酢酸ビニル樹脂(Ethylene-Vinyl Acetate)、熱可塑性ポリスチレン系樹脂(Thermoplastic PolyStyrene)、熱可塑性ポリオレフィン樹脂(Thermoplastic PolyOlefin)、熱可塑性ポリエステル系樹脂(ThermoPlastic Polyester)及び熱可塑性ポリアミド樹脂(Thermoplastic PolyAmide)を用いることができる。熱可塑性エラストマーとしては、TPUを用いることが好ましい。シート部材は、単層構造を有していても良く、また、複層構造を有していても良い。
【0088】
なお、シート部材86、96、106は、熱可塑性エラストマーに限定されず、シリコーン等の熱硬化性エラストマーであってもよく、また、熱可塑性エラストマー(例えばTPU)と熱硬化性エラストマー(例えばシリコーン)との組み合わせであっても良い。
【0089】
シート部材86、96、106は、熱可塑性エラストマーを用いる場合には、Tダイ押し出し成形や射出成形等の成形方式が用いられ、熱硬化性エラストマーを用いる場合には、金型注型成形等の成形方式が用いられる。シート部材は、各成形方式で成形された後、所定の形状にサイジングされ、そして、サイジングした個片を接着や溶着等により接合することで袋状構造体81、91、101を構成する。接合の方式としては、熱可塑性エラストマーを用いる場合には、高周波ウェルダーやレーザー溶着が用いられ、熱硬化性エラストマーを用いる場合には、分子接着剤が用いられる。
【0090】
フラット板75は、手首200の腱220が存する領域に対向して設けられ、腱220を、センシングカフ73等を介して間接的に押圧可能な硬度の材料により形成される。フラット板75は、例えば、ポリプロピレンにより形成される。フラット板75は、カーラ5の内面であって、且つ、手首200の腱220が存する領域と対向する位置に、接着剤や両面テープ等により固定される。フラット板75は、例えば、カーラ5に固定される第1板部材75aと、第1板部材75aに固定されるとともに、ゴム板76が固定される第2板部材75bと、を備えている。
【0091】
ゴム板76は、ゴム材料によって薄板状に形成され、弾性変形可能に構成される。ゴム板76は、カーラ5及び背板72、並びに、フラット板75及び背板72の間に配置される。ゴム板76は、厚さが1mm程度の板状に形成される。ゴム板76は、手首200の手の平側を覆う長さに形成される。ゴム板76は、手首200の形状に沿った状態で、押圧カフ71及びフラット板75からの押圧力をセンシングカフ73のゴム板76側の主面に伝達する。
【0092】
流体回路7は、ケース11、ポンプ14、流路部15、開閉弁16、圧力センサ17、押圧カフ71、センシングカフ73、及び、引張カフ74によって構成される。流体回路7に用いられる二つの開閉弁16を第1開閉弁16A及び第2開閉弁16Bとし、二つの圧力センサ17を第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bとして、以下、流体回路7の具体例を説明する。
【0093】
流体回路7は、図5に示すように、例えば、ポンプ14から押圧カフ71及び引張カフ74を連続する第1流路7aと、第1流路7aの中途部が分岐されることで構成され、ポンプ14からセンシングカフ73を連続する第2流路7bと、第1流路7aと大気を接続する第3流路7cと、を備えている。また、第1流路7aは、第1圧力センサ17Aを含む。第1流路7a及び第2流路7bの間には第1開閉弁16Aが設けられる。第2流路7bは、第2圧力センサ17Bを含む。第1流路7a及び第3流路7cの間には、第2開閉弁16Bが設けられる。
【0094】
このような流体回路7は、第1開閉弁16A及び第2開閉弁16Bが閉じることで、第1流路7aのみがポンプ14と接続し、ポンプ14及び押圧カフ71が流体的に接続される。流体回路7は、第1開閉弁16Aが開き、そして、第2開閉弁16Bが閉じることで、第1流路7a及び第2流路7bが接続され、ポンプ14及び引張カフ74、引張カフ74及び押圧カフ71、並びに、ポンプ14及びセンシングカフ73が流体的に接続される。流体回路7は、第1開閉弁16Aが閉じ、そして、第2開閉弁16Bが閉じることで、第1流路7a及び第3流路7cが接続され、押圧カフ71、引張カフ74及び大気が流体的に接続される。流体回路7は、第1開閉弁16A及び第2開閉弁16Bが開くことで、第1流路7a、第2流路7b及び第3流路7cが接続され、押圧カフ71、センシングカフ73、引張カフ74及び大気が流体的に接続される。
【0095】
次に、血圧測定装置1を使用した血圧値の測定の一例について、図16乃至図19を用いて説明する。図16は、血圧測定装置1を用いた血圧測定の一例を示す流れ図であり、ユーザの動作及び制御部55の動作の双方を示す。また、図17乃至図19は、ユーザが手首200に血圧測定装置1を装着する一例を示す。
【0096】
先ず、ユーザは、手首200に血圧測定装置1を装着する(ステップST1)。具体例として、例えば、ユーザは、図17に示すように、手首200の一方をカーラ5内に挿入する。
【0097】
このとき、血圧測定装置1は、装置本体3及びセンシングカフ73がカーラ5の相対する位置に配置されることから、センシングカフ73を手首200の手の平側の動脈210が存する領域に配置される。これにより、装置本体3及び引張カフ74は、手首200の手の甲側に配される。次いで図18に示すように、ユーザが血圧測定装置1を配した手とは反対の手によって、第1ベルト61の尾錠61cの枠状体61dに第2ベルト62を通す。次いで、ユーザは、第2ベルト62を引っ張り、カーラ5の内周面側の部材、即ち、カフ構造体6を手首200に密着させ、小孔62aにつく棒61eを挿入する。これにより、図19に示すように、第1ベルト61及び第2ベルト62が接続され、血圧測定装置1が手首200に装着される。
【0098】
次に、ユーザは、操作部13を操作して、血圧値の測定開始に対応した指令の入力を行う。指令の入力操作が行われた操作部13は、測定開始に対応した電気信号を制御部55へ出力する(ステップST2)。制御部55は、当該電気信号を受信すると、例えば、第1開閉弁16Aを開くとともに、第2開閉弁16Bを閉じ、ポンプ14を駆動し、第1流路7a及び第2流路7bを介して押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74へ圧縮空気を供給する(ステップST3)。これにより、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74は膨張を開始する。
【0099】
第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bは、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の圧力をそれぞれ検出し、この圧力に対応した電気信号を制御部55へ出力する(ステップST4)。制御部55は、受信した電気信号に基づいて、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の内部空間の圧力が血圧測定のための所定の圧力に達しているか否かを判断する(ステップST5)。例えば、押圧カフ71及び引張カフ74の内圧が所定の圧力に達しておらず、且つ、センシングカフ73の内圧が所定の圧力に達した場合には、制御部55は、第1開閉弁16Aを閉じ、第1流路7aを介して圧縮空気を供給する。
【0100】
押圧カフ71及び引張カフ74の内圧並びにセンシングカフ73の内圧が、全て所定の圧力に達した場合には、制御部55は、ポンプ14の駆動を停止する(ステップST5でYES)。このとき、図14及び図15に示すように、押圧カフ71及び引張カフ74は十分に膨張しており、膨張した押圧カフ71は、カーラ5を生体側に向かって押圧する。また、引張カフ74は、手首200から離間する方向に、カーラ5を押圧することから、ベルト4、カーラ5及び装置本体3は、手首200から離間する方向に移動し、結果、押圧カフ71、背板72、センシングカフ73、フラット板75及びゴム板76が手首200側に引っ張られる。加えて、引張カフ74の膨張によってベルト4、カーラ5及び装置本体3が手首200から離間する方向に移動するときに、ベルト4及びカーラ5が、手首200の両側方に向かって移動し、手首200の両側方に密着し他状態で、ベルト4、カーラ5及び装置本体3が移動する。このため、手首200の皮膚に密着したベルト4及びカーラ5は、手首200の両側方の皮膚を手の甲側に引っ張る。なお、カーラ5は、手首200の皮膚を引っ張ることができれば、例えば、シート部材86、106を介して間接的に手首200の皮膚に接触する構成であってもよい。
【0101】
さらに、センシングカフ73は、内圧が血圧を測定するために要する圧力となるように所定の空気量が供給され、膨張しており、そして、押圧カフ71に押圧されたカーラ5によってゴム板76及び背板72を介して手首200に向かって押圧される。このため、センシングカフ73は、手首200内の動脈210を押圧し、図15に示すように動脈210を閉塞する。
【0102】
また、制御部55は、例えば、第2開閉弁16Bを制御し、第2開閉弁16Bの開閉を繰り返すか、又は、第2開閉弁16Bの開度を調整することで、押圧カフ71の内部空間の圧力を加圧させる。この加圧の過程において第2圧力センサ17Bが出力する電気信号に基づいて、制御部55は、最高血圧及び最低血圧等の血圧値や心拍数等の測定結果を求める。制御部55は、求めた測定結果に対応した画像信号を、表示部12へ出力する。また、制御部55は、血圧測定終了後、第1開閉弁16A及び第2開閉弁16Bを開く。
【0103】
表示部12は、画像信号を受信すると、当該測定結果を画面に表示する。使用者は、表示部12を視認することで、当該測定結果を確認する。なお、使用者は、測定終了後、小孔62aからつく棒61eを外し、枠状体61dから第2ベルト62を外し、カーラ5から手首200を抜くことで、手首200から血圧測定装置1を取り外す。
【0104】
このように構成された一実施形態に係る血圧測定装置1は、保持具であるベルト4及びカーラ5を手首200の手の甲側及び手の平側の間である両側方の皮膚に接触させた状態で、カーラ5の手の甲側に設けた引張カフ74を膨張させる構成である。このため、血圧測定装置1は、ベルト4及びカーラ5が手首200の両側方の皮膚に接触した状態で引張カフ74が膨張すると、ベルト4及びカーラ5が接触する領域の手首200の皮膚が、ベルト4及びカーラ5とともに引張カフ74により引っ張られる。これにより、手首200の手の平側の手首の皮膚が引っ張られるため、手首200の手の平側の皮膚のたるみ等が低減され、センシングカフ73が手首200の手の平側の皮膚と面で密着する。結果、血圧測定装置1は、手首200を圧迫したときのセンシングカフ73で圧迫した領域の圧力分布のばらつきを低減できるとともに、センシングカフ73に皺や折れが生じることを抑制できる。
【0105】
また、血圧測定装置1は、押圧カフ71によりカーラ5を介してセンシングカフ73を押圧することで、押圧カフ71が直接センシングカフ73を押圧しないことから、センシングカフ73の皺や折れを防止することができる。結果、血圧測定装置1は、センシングカフ73の皺や折れが生じにくい状態で手首200の手の平側を圧迫できる。また、血圧測定装置1は、ベルト4によって手首200を締め付け、そして、カーラ5を押圧する構成であることから、保持具であるベルト4及びカーラ5、又は、カーラ5が手首200の両側方に確実に接触するため、引張カフ74によって、手首200の両側方の皮膚を手の甲側に確実に引っ張ることができる。
【0106】
さらに、カーラ5及びセンシングカフ73の間、並びに、フラット板75及びセンシングカフ73の間に手首の周方向に延在する背板72及びゴム板76が配置されることで、背板72及びゴム板76が手首200の形状に倣って押圧カフ71からカーラ5を介して伝達された押圧力をセンシングカフ73に伝達することで、センシングカフ73に皺や折れが生じることを抑制できる。
【0107】
また、カーラ5とゴム板76の間にフラット板75を設けることで、フラット板75は、引張カフ74によってカーラ5が手首200側に引っ張られたときに、手首200の腱220が存する領域のゴム板76、背板72及びセンシングカフ73を押圧することができる。結果、血圧測定装置1は、腱220によってセンシングカフ73が押圧されることでセンシングカフ73に生じる皺や折れを抑制できる。
【0108】
また、ゴム板76は、弾性変形が可能な構成であり、隣接して配置されたカーラ5、背板72及びフラット板75に密着することから、カーラ5と手首200間の隙間が埋まり、センシングカフ73が手首200と密着する。
【0109】
また、血圧測定装置1は、引張カフ74の膨張時の膨張方向の厚さを、押圧カフ71の膨張時の膨張方向の厚さ及びセンシングカフ73の膨張時の膨張方向の厚さよりも厚い構成である。この構成とすることで、引張カフ74が膨張したときに、ベルト4及びカーラ5が手首200から離間する方向に変形したときの手首200の両側方に接する方向の変形量を大きくすることが可能となる。結果、ベルト4及びカーラ5は、手首200の手の甲側と手の平側の間に密着し、そして、手首200の手の甲側と手の平側の間の両側方の皮膚を、より確実に手の甲側に引っ張ることができる。結果、センシングカフ73と対向する手首200の手の平側の皮膚が張り、さらに、手の平側のベルト4及びカーラ5が手首200に向かって引っ張られることになる。これにより、センシングカフ73は、手首200の手の平側の動脈210が存する領域の皮膚表面と好適に密着し、加えて、センシングカフ73に皺や折れが生じることをさらに抑制できる。
【0110】
上述したように本実施形態に係る血圧測定装置1によれば、引張カフ74をカーラ5のセンシングカフ73と対向する位置に設けることで、センシングカフ73に皺や折れが生じることを抑制できる。
【0111】
[第2の実施形態]
次に、血圧測定装置1の第2の実施形態について、図20乃至図22を用いて説明する。血圧測定装置1は、カフ構造体6にフラット板75を有さない構成である。即ち、第2の実施形態は、上述した第1の実施形態に係る血圧測定装置1の構成からフラット板75を除いた構成であり、このため、本実施形態の構成のうち、上述した第1の実施形態に係る血圧測定装置1と同様の構成については同一符号を付して説明するとともに、その説明及び図示を適宜省略する。
【0112】
このような第2の実施形態に係る血圧測定装置1は、フラット板75が奏する効果を除いて第1の実施形態に係る血圧測定装置1と同様の効果を奏し、引張カフ74をカーラ5のセンシングカフ73と対向する位置に設けることで、センシングカフ73に皺や折れが生じることを抑制できる。
【0113】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されない。例えば、血圧測定装置1は、血圧測定時に手首200に接触する部材がベルト4及びカーラ5の双方であってもよく、また、カーラ5のみであっても良い。また、カーラ5とは、カーラ5の内面に設けられた部材を含む。即ち、血圧測定装置1は、引張カフ74が膨張したときに、ベルト4、カーラ5又はカーラ5の内面に設けられた部材が手首200の皮膚を引っ張ることができればよい。
【0114】
また例えば、血圧測定装置1は、血圧測定時における第1開閉弁16A及び第2開閉弁16Bの開閉のタイミングは、適宜設定できる。また、血圧測定装置1は、血圧測定を押圧カフ71の加圧過程において測定した圧力で血圧を算出する例を説明したがこれに限定されず、減圧過程で血圧を算出してもよく、また、加圧過程及び減圧過程の双方で血圧を算出してもよい。
【0115】
また、上述した例では、押圧カフ71は、空気袋81を各シート部材86によって形成する構成を説明したがこれに限定されず、例えば、押圧カフ71の変形や膨張を管理するために、さらに、空気袋81は他の構成を含んでいても良い。
【0116】
さらに、上述した例では、背板72は、複数の溝72aを有する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、背板72は、変形しやすさ等を管理するために、複数の溝72aの数や深さ等を適宜設定可能であり、また、変形を抑制する部材を含む構成であってもよい。
【0117】
即ち、上述した各実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1…血圧測定装置、3…装置本体、4…ベルト、5…カーラ、6…カフ構造体、7…流体回路、7a…第1流路、7b…第2流路、7c…第3流路、11…ケース、12…表示部、13…操作部、14…ポンプ、15…流路部、16…開閉弁、16A…第1開閉弁、16B…第2開閉弁、17…圧力センサ、17A…第1圧力センサ、17B…第2圧力センサ、18…電力供給部、19…振動モータ、20…制御基板、31…外郭ケース、31a…ラグ、31b…バネ棒、32…風防、33…基部、34…流路カバー、34a…被接続部、35…裏蓋、35a…ビス、36…流路チューブ、41…釦、42…センサ、43…タッチパネル、51…基板、52…加速度センサ、53…通信部、54…記憶部、55…制御部、61…第1ベルト、61a…第1孔部、61b…第2孔部、61c…尾錠、61d…枠状体、61e…つく棒、62…第2ベルト、62a…小孔、71…押圧カフ、72…背板、72a…溝、73…センシングカフ、74…引張カフ、75…フラット板、75a…第1板部材、75b…第2板部材、76…ゴム板、81…空気袋、86…シート部材、86a…第1シート部材、86b…第2シート部材、86b1…開口、86c…第3シート部材、86c1…開口、86d…第4シート部材、91…空気袋、92…チューブ、93…接続部、96…シート部材、96a…第5シート部材、96b…第6シート部材、101…空気袋、102…チューブ、103…接続部、106…シート部材、106a…第7シート部材、106b…第8シート部材、106b1…開口、106c…第9シート部材、106c1…開口、106d…第10シート部材、106d1…開口、106e…第11シート部材、106e1…開口、106f…第12シート部材、106f1…開口、106g…第13シート部材、106g1…開口、106h…第14シート部材、106h1…開口、106i…第15シート部材、106i1…開口、106j…第16シート部材、106j1…開口、106k…第17シート部材、106k1…開口、106l…第18シート部材、200…手首、210…動脈、220…腱。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23