(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】金属箔製造装置
(51)【国際特許分類】
C25D 1/00 20060101AFI20220207BHJP
C25C 7/02 20060101ALI20220207BHJP
C25D 1/04 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
C25D1/00 B
C25C7/02 302G
C25D1/04
(21)【出願番号】P 2018037395
(22)【出願日】2018-03-02
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000229014
【氏名又は名称】日鉄工材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(74)【代理人】
【識別番号】100201237
【氏名又は名称】吉井 将太郎
(72)【発明者】
【氏名】八幡 信幸
【審査官】國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-087883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 1/00- 3/66
C25C 1/00- 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液が溜められる電解槽と、この電解槽に設けられる電着ドラムと、表面が前記電着ドラムの外周面と対向するように前記電解槽内に設けられる電極板とを有する金属箔製造装置であって、前記電極板の表面は対向する前記電着ドラムの外周面に沿った凹湾曲面に設定され、前記電極板は前記電解槽内に設けられる電極板取付体に取り付けられ、また、前記電極板には該電極板を前記電極板取付体に連結する連結ボルトが挿通するボルト挿通孔が設けられており、前記電極板の裏面には前記ボルト挿通孔と重ならない位置に配置される突出体が設けられ、前記電極板取付体には前記突出体を受ける受け部が設けられていることを特徴とする金属箔製造装置。
【請求項2】
電解液が溜められる電解槽と、この電解槽に設けられる電着ドラムと、表面が前記電着ドラムの外周面と対向するように前記電解槽内に設けられる電極板とを有する金属箔製造装置であって、前記電極板の表面は対向する前記電着ドラムの外周面に沿った凹湾曲面に設定され、前記電極板は前記電解槽内に設けられる電極板取付体に取り付けられ、この電極板取付体は、前面が前記電極板の凹湾曲面と同様に凹湾曲する複数のリブ体を所定間隔を介して並設した構成であり、この各リブ体の前面が前記電極板を取り付ける電極板取付面に設定されており、前記電極板の裏面には前記リブ体間に配置される
板状の突出体が設けられ、前記各リブ体間には前記突出体を受ける受け部が設けられていることを特徴とする金属箔製造装置。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の金属箔製造装置において、前記突出体と前記受け部とは密着当接するように構成されていることを特徴とする金属箔製造装置。
【請求項4】
請求項
1記載の金属箔製造装置において、前記突出体は板状であることを特徴とする金属箔製造装置。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の金属箔製造装置において、前記電極板取付体には前記突出体の側部と接する接触面を有する受け部材が設けられていることを特徴とする金属箔製造装置。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項に記載の金属箔製造装置において、前記突出体と前記受け部との接触界面にはメッキ層が設けられていることを特徴とする金属箔製造装置。
【請求項7】
請求項1~6いずれか1項に記載の金属箔製造装置において、前記突出体と前記受け部とを締め付け固定する締付固定具を有することを特徴とする金属箔製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属箔製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1に開示されるように、電解液が溜められる電解槽と、一部が電解液に浸漬するように電解槽内に設けられる電着ドラム(陰極)と、この電着ドラムの外周面と所定間隔で対向するように設けられ電解液に浸漬する電極板(陽極)とを有し、電着ドラムと電極板との間に電圧を印加することで電着ドラムの外周面に金属箔を電着生成する金属箔製造装置が知られている。
【0003】
上記金属箔製造装置において、凹湾曲する電極板は、凹湾曲する導電性(例えばチタン製)の基板の表面に取り付けられており、この基板の裏面は電解槽の底面に設けられる支持体で支持される構成が一般的である(特許文献1の
図3及び
図4参照)。
【0004】
ところで、前記基板は、通常一枚板(薄板)であり、この一枚板にR曲げ加工及び切削等による仕上げ加工を施し、電着ドラムの外周面に対応して凹湾曲させている。
【0005】
従って、この従来の一枚板の基板は、R曲げ加工時の残留応力によりR寸法等に経年変化が生じる場合がある。この場合、僅かな寸法変化でも極薄い金属箔の厚みや品質に影響があるため、基板に対し適宜矯正加工や歪取り熱処理を行う必要が生じ、この矯正コストの負担が大きい。
【0006】
そこで、本出願人は、電極板を取り付けるものを基板とせず複数のリブ体を並設した構成とすることで、凹湾曲面加工が比較的容易で且つ残留応力の影響を可及的に少なくし、矯正コストを削減できる金属箔製造装置を提案している(特願2017-235854号)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、電極板は基板に連結ボルトで連結されており、この連結部分とその周辺において通電が良好に行われる。そのため、上述のように電極板を取り付けるものを複数のリブ体を並設した構成とした場合には、電極板とリブ体との連結箇所がリブ体に沿って分布することになるが、リブ体が無い部分には当然連結箇所が存在せず、リブ体がある部分とない部分とで通電度合いにムラが生じ生成される金属箔の厚さにムラが生じる可能性がある。
【0009】
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、より厚さムラの少ない金属箔を製造できる極めて実用的な金属箔製造装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
電解液1が溜められる電解槽2と、この電解槽2に設けられる電着ドラム3と、表面が前記電着ドラム3の外周面と対向するように前記電解槽2内に設けられる電極板4とを有する金属箔製造装置であって、前記電極板4の表面は対向する前記電着ドラム3の外周面に沿った凹湾曲面に設定され、前記電極板4は前記電解槽2内に設けられる電極板取付体5に取り付けられ、また、前記電極板4には該電極板4を前記電極板取付体5に連結する連結ボルト12が挿通するボルト挿通孔14が設けられており、前記電極板4の裏面には前記ボルト挿通孔14と重ならない位置に配置される突出体15が設けられ、前記電極板取付体5には前記突出体15を受ける受け部16が設けられていることを特徴とする金属箔製造装置に係るものである。
【0012】
また、電解液1が溜められる電解槽2と、この電解槽2に設けられる電着ドラム3と、表面が前記電着ドラム3の外周面と対向するように前記電解槽2内に設けられる電極板4とを有する金属箔製造装置であって、前記電極板4の表面は対向する前記電着ドラム3の外周面に沿った凹湾曲面に設定され、前記電極板4は前記電解槽2内に設けられる電極板取付体5に取り付けられ、この電極板取付体5は、前面が前記電極板4の凹湾曲面と同様に凹湾曲する複数のリブ体6を所定間隔を介して並設した構成であり、この各リブ体6の前面が前記電極板4を取り付ける電極板取付面5’に設定されており、前記電極板4の裏面には前記リブ体6間に配置される板状の突出体15が設けられ、前記各リブ体6間には前記突出体15を受ける受け部16が設けられていることを特徴とする金属箔製造装置に係るものである。
【0013】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の金属箔製造装置において、前記突出体15と前記受け部16とは密着当接するように構成されていることを特徴とする金属箔製造装置に係るものである。
【0014】
また、請求項1記載の金属箔製造装置において、前記突出体15は板状であることを特徴とする金属箔製造装置に係るものである。
【0015】
また、請求項1~4いずれか1項に記載の金属箔製造装置において、前記電極板取付体5には前記突出体15の側部と接する接触面を有する受け部材17が設けられていることを特徴とする金属箔製造装置に係るものである。
【0016】
また、請求項1~5いずれか1項に記載の金属箔製造装置において、前記突出体15と前記受け部16との接触界面にはメッキ層が設けられていることを特徴とする金属箔製造装置に係るものである。
【0017】
また、請求項1~6いずれか1項に記載の金属箔製造装置において、前記突出体15と前記受け部16とを締め付け固定する締付固定具18を有することを特徴とする金属箔製造装置に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、より厚さムラの少ない金属箔を製造できる極めて実用的な金属箔製造装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】本実施例の要部の拡大概略説明断面図である。
【
図4】本実施例の突出体の配置例を示す概略図である。
【
図5】本実施例の締付固定具の拡大概略説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0021】
電極板4の裏面の突出体15を電極板取付体5の受け部16が受けることで、電極板4と電極板取付体5との連結ボルト12による連結箇所以外の部分に、通電が良好に行われる箇所を設けることができる。
【0022】
従って、例えば、電極板取付体5を複数のリブ体6を並設して構成した場合には、リブ体6のない部分(リブ体6間)に適宜通電が良好に行われる箇所を設けることが可能となり(通電箇所を分散配置することが可能となり)、厚さムラの可及的に少ない金属箔を製造することが可能となる。
【実施例】
【0023】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例は、電解液1が溜められる電解槽2と、この電解槽2に設けられる電着ドラム3と、表面が前記電着ドラム3の外周面と対向するように前記電解槽2内に設けられる電極板4とを有する金属箔製造装置であって、前記電極板4の表面は対向する前記電着ドラム3の外周面に沿った凹湾曲面に設定され、前記電極板4は前記電解槽2内に設けられる電極板取付体5に取り付けられ、この電極板取付体5は、前面が前記電極板4の凹湾曲面と同様に凹湾曲する複数のリブ体6を所定間隔を介して並設した構成であり、この各リブ体6の前面が前記電極板4を取り付ける電極板取付面5’に設定されており、前記電極板4の裏面には前記リブ体6間に配置される突出体15が設けられ、前記各リブ体6間には前記突出体15を受ける受け部16が設けられているものである。
【0025】
即ち、本実施例は、
図1に図示したように、電解液1(硫酸銅液)が溜められる電解槽2と、一部が電解液1に浸漬するように電解槽2内に設けられる電着ドラム3(陰極)と、この電着ドラム3の外周面と所定間隔で対向するように設けられ電解液1に浸漬する電極板4(陽極)とを有し、電着ドラム3と電極板4との間に電圧を印加することで電着ドラム外周面に金属箔を電着生成(メッキ)するものである。また、本実施例では、電極板4は電着ドラム3の浸漬部分の左側及び右側と夫々対向するように左右一対設けられている。
【0026】
図中、符号8は電着ドラム3の回転軸、9は電極板4が取り付けられた電極板取付体5を支持する支持体、10は電解液1を電着ドラム3と電極板4との対向間隙に供給する液供給部である。
【0027】
本実施例は、特願2017-235854号と同様に、
図2に図示したように、複数のリブ体6をその左右側面同士が対向するように並設し、各リブ体6の前面が電着ドラムの外周面の湾曲度合い(電極板4の表面の湾曲度合い)と一致させた凹湾曲形状の電極板取付面5’を構成している。この電極板取付面5’に電極板4を連結ボルト12で止め付ける。なお、連結ボルト12は(図示のため)取り付けた際に頭部が突出する一般的なボルト形状としているが、頭部が突出しない皿ボルトとしても良い。
【0028】
電極板4はチタン製であり、電極板取付面5’の凹湾曲面形状と同様に凹湾曲する薄板状体である。この電極板4は一枚板状としても良いし、分割体を並設して形成される分割形状としても良い。
【0029】
本実施例では横長板状の分割体13を電極板取付体5の長手方向に複数並設して電極板4を形成している。即ち、各分割体13には、連結ボルト12が挿通するボルト挿通孔14が設けられ、このボルト挿通孔14は連結ボルト12が螺着するリブ体6のネジ穴11と連通するように設けられる。
【0030】
リブ体6はチタン製であり、左右方向幅の2倍以上の前後方向厚さを有するものである(図面ではリブ体6の左右方向幅は説明のために誇張して記載している。)。このようなリブ体6を複数並設する構成とすることで、体積(コスト)を増やさずに剛性を向上できる。
【0031】
また、リブ体6は電極板4の表面(凹湾曲面)と直交する方向に突出(電極板4の裏面から垂直に突出)するように構成され、この各リブ体6は夫々平行に並設されている。
【0032】
本実施例においては、リブ体6の一端部同士を連結する通電用連結体7が設けられている。通電用連結体7は断面L字状の板状体であり、その下面がリブ体6の上面と溶接により連結される。
【0033】
リブ体6の一端部は、通電用連結体7側程徐々に前後方向厚さが厚くなる形状に設定されている。電極板取付体5は、通電用連結体7を介して電極(図示省略)と接続されるが、リブ体6を通電用連結体7側程厚い形状とすることで、両者の通電のための接触面積を広く確保することが可能となる。
【0034】
また、リブ体6の他端部には、液供給部10からの電解液1を電着ドラム3と電極板4との間にガイドするためのガイド板31が設けられている。
【0035】
また、本実施例のリブ体6同士は、各リブ体6の挿通孔を挿通し溶接等で夫々固定される連結棒体12で連結されている。なお、溶接に限らずネジ止め等、他の固定方法を用いて連結棒体12と各リブ体6とを固定しても良い。
【0036】
本実施例は、横長板状の分割体13を複数並設して形成される電極板4と上記リブ構造の電極板取付体5とに突出体15と受け部材17とを設けた構成である。なお、本実施例では、電極板4の長手方向両端の分割体13には突出体15は設けない構成としている。
【0037】
具体的には、
図3に図示したように、電極板取付体5には突出体15の側面と対向する対向面(突出体15の側部と接する接触面)を有する受け部材17が設けられており、この受け部材17の前記対向面が受け部16に設定されている。リブ体6間における各分割体13の突出体15(及びこれを受ける受け部16)の配置は、
図4に図示したように、電極板4の長手方向で重ならない千鳥状の配置とする(各突出体15のリブ体6間における幅方向位置を変えた配置とする。)。金属箔の膜厚を一層均一にするためである。
【0038】
また、突出体15の側面と受け部材17の対向面とは平坦な接触面に設定され、互いに密着当接し得るように構成されている。この突出体15及び受け部材17は全体がメッキされ表面にメッキ層が設けられている。従って、突出体15と受け部材17(受け部16)との接触界面にはメッキ層が設けられる。本実施例では導電性や耐食性を考慮してプラチナメッキ(プラチナコーティング)を採用しているが、他の材料としても良い。なお、少なくとも突出体15若しくは受け部材17のいずれか一方がメッキされていれば良く、また、突出体15若しくは受け部材17の全体ではなく少なくとも前記平坦な接触面がメッキされていれば良い。
【0039】
突出体15は、板状で電極板4と同様のチタン製であり、電極板4の裏面に溶接等適宜な方法により固定され立設状態で設けられている。本実施例においては、電極板4の長手方向と平行な縦板25が突出体15に設定されている。図中、符号24は電極板4の幅方向と平行な横板である。
【0040】
この縦板25の端部には、電極板取付体5側に突出し(横板24、及び、縦板25の他の部分より一段高くなる)受け部材17と共に後述の締付固定具18により締め付け固定される突出片部26が設けられている。この突出片部26は締付固定具18と横板24とを干渉させることなく受け部材17と突出体15とを締め付け固定するために設けられる。
【0041】
なお、後述の別例1及び別例2のように横板24を設けない構成としても良く、この場合には、突出片部26は設けなくても良い。
【0042】
また、受け部材17は基部27の左右に袖部28が垂設された断面視下向きコ字状の板状部材であり、一方の前記袖部28が前記リブ体6の側面に溶接等の適宜な方法により固定され、他方の前記袖部28で前記突出体15を受けるように構成されている。即ち、この突出体15を受ける他方の袖部28の外側面が、突出体15(突出片部26)の側面と対向する対向面(受け部16)である。また、受け部材17はリブ体6と同様のチタン製である。基部27の幅は対応する分割体13毎に(各分割体13の突出体15の位置に応じて)適宜設定する。
【0043】
本実施例においては、
図5に図示したような、突出体15と受け部16とを密着当接状態で挟持締付固定する締付固定具18を用いている。この締付固定具18は、突出体15(の突出片部26)と受け部材17とを両者が面接触した状態で締め付け固定するものである。具体的には、締付固定具18は、一対の挟持片19,20の一端側が回動自在に軸着され、他端側が開閉するように構成されている。この挟持片19の他端側に締め付け固定用のボルト21が挿通する長窓状の挿通孔22が設けられ、挟持片20の他端側にボルト21が螺着する螺子孔23が設けられている。
【0044】
このような締付固定具(クランプ具)18を用いることで、連結ボルト12の使用本数を減らしても、通電に必要な電極板4と電極板取付体5との接触面積を確保可能となり、ボルト止め工程を減らして電極板4の交換作業時間をそれだけ短縮可能となる(締付固定具18による締付固定の方がボルト止め工程よりボルト締付力等の管理を多少ラフに行える。)。
【0045】
従って、本実施例は、分割体13のボルト挿通孔14とネジ穴11とを一致させ、連結ボルト12で分割体13を電極板保持体5(リブ体6)に取り付けると、突出体15(の突出片部26)の側面と受け部材17の前記対向面とが接触し、続いて、一対の挟持片19,20をこれらを挟むように配し、一対の挟持片19,20の他端側を閉じると共に、締め付け固定用のボルト21を挿通孔22に挿通せしめ螺子孔23に螺合させて締め付け度合いを調整することで、突出体15と受け部材17の受け部16とを互いに面接触させ密着させた状態で両者を締付固定することができる。
【0046】
この締付固定操作(突出体15と受け部材17とを締付固定具18で締め付け固定する操作)は、電極板取付体5の表側から行うことができ、分割体13の取り付け作業と共に(同工程で)行えるため、それだけ作業性が良好となる。
【0047】
よって、リブ体6の間にも電極板4と電極板取付体5とが密着し良好に通電が行われる部分を設けることができ、電流が電極板4の幅方向の一部に集中することを防止でき、通電ムラが少なく電極板4の幅方向で可及的に均一な膜厚を有する金属箔を電着生成可能となる。
【0048】
なお、本実施例は電極板取付体5を複数のリブ体6で構成した例について説明しているが、本発明は、
図6~9に図示した別例1及び別例2のように、従来同様の板状の電極板取付体5にも適用可能である。なお、別例1及び別例2は、電極板取付体5の構成及び突出体15と受け部材17の構成以外は本実施例と同様である。また、別例1及び別例2では連結ボルト12は皿ボルトとしている。
【0049】
具体的には、
図6,7に図示した別例1は、板状の電極板取付体5に、前記突出片部26のない板状の突出体15が貫通する長窓状の貫通孔29を設け、電極板取付体5の裏面側(電極板4が設けられる面とは反対側)の貫通孔29の周縁部に断面L字状の受け部材17を設けた構成である。この受け部材17の立ち上がり部の突出体15との対向面が受け部16である。
【0050】
この場合、電極板取付体5に、電極板4の分割体13を、順次、ボルト挿通孔14及びネジ穴11と突出体15及び貫通孔29を夫々一致させた状態で重ね、連結ボルト12で固定すると共に、貫通孔29を貫通した突出体15の先端部と受け部材17とを締付固定具18で締め付け固定する。別例1においては、電極板取付体5の裏側から締付固定操作を行う。
【0051】
また、
図8,9に図示した別例2は、板状の電極板取付体5にネジ穴11が形成された柱状のボルト連結部30及び板状の受け部材17を立設した構成である。この受け部材17の突出体15との対向面が受け部16である。
【0052】
この場合、電極板取付体5に、別例1と同様の裏面に突出片部26のない板状の突出体15を設けた電極板4の分割体13を、順次、ボルト挿通孔14とネジ穴11とを一致させた状態で重ね、連結ボルト12で固定すると共に、突出体15と受け部材17とを締付固定具18で締め付け固定する。この別例2は、本実施例と同様に電極板取付体5の表側から締付固定操作を行える。
【0053】
本実施例は上述のように構成したから、電極板4の裏面の突出体15を電極板取付体5の受け部16が受けることで、電極板4と電極板取付体5との連結ボルト12による連結箇所以外の部分に、通電が良好に行われる箇所を設けることが可能となる。
【0054】
従って、電極板取付体5を複数のリブ体6を並設して構成した場合でも、リブ体6のない部分(リブ体6間)に適宜通電が良好に行われる箇所を設けることが可能となり、厚さムラの可及的に少ない金属箔を製造することが可能となる。
【符号の説明】
【0055】
1 電解液
2 電解槽
3 電着ドラム
4 電極板
5 電極板取付体
5’ 電極板取付面
6 リブ体
12 連結ボルト
14 ボルト挿通孔
15 突出体
16 受け部
17 受け部材
18 締付固定具