(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】リサイクルドライヤおよび再生材料の生成方法
(51)【国際特許分類】
E01C 19/10 20060101AFI20220207BHJP
【FI】
E01C19/10 A
(21)【出願番号】P 2018070570
(22)【出願日】2018-04-02
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000232508
【氏名又は名称】日本道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】浅井 友章
(72)【発明者】
【氏名】山川 真昭
(72)【発明者】
【氏名】石田 良介
(72)【発明者】
【氏名】縄 秀幸
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-151942(JP,U)
【文献】特開2009-007880(JP,A)
【文献】特開平11-131418(JP,A)
【文献】米国特許第4300837(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状に形成されたドラム本体部を備え、前記円筒状のドラム本体部の中心軸を中心にして前記ドラム本体部が回転するドラムと、
原料であるアスファルト舗装廃材を前記ドラムの前側部位で前記ドラム内に供給するための原料供給部と、
前記原料供給部で前記ドラム内に供給された前記アスファルト舗装廃材を昇温するバーナーと、
前記原料供給部で前記ドラム内に供給され、前記バーナーで加熱され、前記ドラム内を前側から後側に向かって移動してきたことで再生材料となった前記アスファルト舗装廃材を、前記ドラムの後側部位で前記ドラムの外部に排出する再生材料排出部と、
を備えたリサイクルドライヤであって、
第1の突出体群、第2の突出体群、第3の突出体群の少なくともいずれかを有し、
前記第1の突出体群は、複数の第1の突出体で構成されており、前記原料供給部で供給され前記ドラム内を流れてきたアスファルト舗装廃材であって前記ドラム本体部の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって掬い上げて落下させるときに薄いベール状にするために、前記ドラム本体部内の前側部位で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられており、
前記第2の突出体群は、複数の第2の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記第1の突出体群のところから流れてきたアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって一時的に滞留させるために、前記ドラム本体部内であって前記第1の突出体群の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられており、
前記第3の突出体群は、複数の第3の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記第2の突出体群のところから流れてきたアスファルト舗装廃材であって前記ドラム本体部の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって掬い上げて落下させるときに、薄いベール状にするために、前記ドラム本体部内であって前記第2の突出体群の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられていることを特徴とするリサイクルドライヤ。
【請求項2】
請求項1に記載のリサイクルドライヤにおいて、
逆流防止体を有し、この逆流防止体は、前記原料供給部によって前記ドラム内に供給されたアスファルト舗装廃材が前側に流れることを防止するために、前記ドラム内で前記第1の突出体群よりも前側に設けられていることを特徴とするリサイクルドライヤ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のリサイクルドライヤにおいて、
前記第1の突出体群を構成している第1の突出体は、第1の突出体本体部と前側カバー部とを備えて構成されており、
前記第1の突出体本体部には、前記ドラム本体部の中心軸の延伸方向で見て、回転方向の前端部が前記ドラム本体部の内壁のところの位置しており、回転方向の後端部が前記ドラム本体部の内壁から前記ドラム本体部の中心軸側に位置しているアスファルト舗装廃材載置面が形成されており、
前記前側カバー部は、前記アスファルト舗装廃材載置面と前記ドラム本体の内壁面との間の前側の開口部を塞いでいることを特徴とするリサイクルドライヤ。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のリサイクルドライヤにおいて、
前記第2の突出体群を構成している第2の突出体には、前記ドラム本体部の中心軸の延伸方向で見て、所定幅で円弧状に形成されており、凸状の円弧の外周面が前記ドラム本体部の内壁のところに位置し、凹状の円弧の外周面が前記ドラム本体部の中心軸側に位置しているアスファルト舗装廃材滞留面が形成されており、
前記アスファルト舗装廃材滞留面は、回転方向の前端部が前記第3の突出体群側に位置しており、回転方向の後端部が前記第1の突出体群側に位置していることを特徴とするリサイクルドライヤ。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のリサイクルドライヤにおいて、
前記第3の突出体群を構成している第3の突出体は、板状の基端側部位と板状の先端側部位とを備えて構成されており、
前記基端側部位は、前記ドラム本体部の中心軸の延伸方向で見て、前記ドラム本体部の内壁から前記ドラム本体部の中心軸に向かって所定の長さ突出しており、
前記先端側部位は、前記ドラム本体部の中心軸の延伸方向で見て、回転方向の後端部が前記基端側部位の先端のところの位置しており、回転方向の前端部が前記ドラム本体部の中心軸側であって前記ドラム本体部の回転方向の前側に位置するようにして、前記基端側部位の先端のところから所定の長さ突出していることを特徴とするリサイクルドライヤ。
【請求項6】
請求項5に記載のリサイクルドライヤにおいて、
前記第3の突出体の基端側部位には、この基端側部位の厚さ方向で前記基端側部位を貫通している1つもしくは複数の貫通孔が形成されていることを特徴とするリサイクルドライヤ。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のリサイクルドライヤにおいて、
前記第3の突出体の先端側部位の先端部には、1つもしくは複数の切り欠きが形成されていることを特徴とするリサイクルドライヤ。
【請求項8】
円筒状に形成されたドラム本体部を有するドラムの前側部位で前記ドラムの内部に原料であるアスファルト舗装廃材を供給し、前記円筒状の本体部の中心軸を中心にして前記ドラム本体部を回転させ、前記ドラム内をバーナーで昇温し、前記ドラム内を前側から後側に向かって移動してきたことで再生材料となった前記アスファルト舗装廃材を、前記ドラムの後側の部位で外部に排出する再生材料の生成方法であって、
逆流防止体、第1の突出体群、第2の突出体群、第3の突出体群の少なくともいずれかを有し、
前記逆流防止体は、前記ドラム内に供給されたアスファルト舗装廃材が、前側に流れることを防止するために、前記ドラム内で前記ドラムの前端部に設けられており、
前記第1の突出体群は、複数の第1の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記逆流防止体のところから流れてきたアスファルト舗装廃材であってドラム本体部の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって掬い上げて落下させるときに、前記アスファルト舗装廃材を薄いベール状にするために、前記ドラム本体部内であって前記逆流防止体の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられており、
前記第2の突出体群は、複数の第2の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記第1の突出体群のところから流れてきたアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって一時的に滞留させるために、前記ドラム本体部内であって前記第1の突出体群の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられており、
前記第3の突出体群は、複数の第3の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記第2の突出体群のところから流れてきたアスファルト舗装廃材であってドラム本体部の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって掬い上げて落下させるときに、前記アスファルト舗装廃材を薄いベール状にするために、前記ドラム本体部内であって前記第2の突出体群の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられていることを特徴とする再生材料の生成方法。
【請求項9】
円筒状に形成されたドラム本体部を備え、前記円筒状の本体部の中心軸を中心にして前記ドラム本体部が回転するドラムと、
原料であるアスファルト舗装廃材を前記ドラムの前側部位で前記ドラム内に供給するための原料供給部と、
前記原料供給部で前記ドラム内に供給された前記アスファルト舗装廃材を昇温するバーナーと、
前記原料供給部で前記ドラム内に供給され、前記バーナーで加熱され、前記ドラム内を前側から後側に向かって移動してきたことで再生材料となった前記アスファルト舗装廃材を、前記ドラムの後側部位で前記ドラムの外部に排出する再生材料排出部と、
を備えたリサイクルドライヤであって、
逆流防止体を有し、この逆流防止体は、前記原料供給部によって前記ドラム内に供給されたアスファルト舗装廃材が、前側に流れることを防止するために、前記ドラム内で前記ドラムの前端部に設けられていることを特徴とするリサイクルドライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクルドライヤおよび再生材料の生成方法に係り、特に、リサイクルドライヤのドラム内に供給されたアスファルト舗装廃材を、ドラムを回転させ、バーナーで加熱し、ドラム内を前側から後側に向かって移動させて、再生材料を得るものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、
図14で示すようなリサイクルドライヤ301が知られている(たとえば特許文献1参照)。リサイクルドライヤ301では、アスファルト舗装廃材309から再生材料を得ている。
【0003】
リサイクルドライヤ301は、ドラム303の内壁面でドラム303の回転中心軸に対して略直交する平面内に設けられた回動軸305と、一端側がこの回動軸305に軸支されたフライト307とを備えている。
【0004】
そして、ドラム303内に供給されたアスファルト舗装廃材309が、バーナー(
図14では図示せず)から吹き込まれる熱風により加熱昇温されるようになっている。また、ドラム303内に供給されたアスファルト舗装廃材309が、ドラム303の回転によってドラム303の内壁面に設けられたフライト307によって掻き上げられるようになっている。
【0005】
さらに、ドラム303の回転に伴って、フライト307がドラム303の内壁面の真下(
図13の(a)の位置)から、
図13(b)(c)の位置を経て真上(
図13の(e)の位置)へと公転して上昇する。フライト307が
図13の(d)の位置あたりへ達した頃、フライト307上のアスファルト舗装廃材309が落下し始め、
図13の(f)の位置あたりへ達した頃、アスファルト舗装廃材309の落下が終了する。
【0006】
このようにして、リサイクルドライヤ301で、アスファルト舗装廃材309から再生材料を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来のリサイクルドライヤ301では、ドラム303内のアスファルト舗装廃材309がドラム303内でドラムやフライト307等に付着することがある。そして、フライト307による撹拌等が不十分になることで、アスファルト舗装廃材309がドラム303内を通過する時間が短くなり、アスファルト舗装廃材309の再生が的確にされないおそれがあるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、アスファルト舗装廃材の再生を的確にすることができるリサイクルドライヤおよび再生材料の生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、円筒状に形成されたドラム本体部を備え、前記円筒状のドラム本体部の中心軸を中心にして前記ドラム本体部が回転するドラムと、原料であるアスファルト舗装廃材を前記ドラムの前側部位で前記ドラム内に供給するための原料供給部と、前記原料供給部で前記ドラム内に供給された前記アスファルト舗装廃材を昇温するバーナーと、前記原料供給部で前記ドラム内に供給され、前記バーナーで加熱され、前記ドラム内を前側から後側に向かって移動してきたことで再生材料となった前記アスファルト舗装廃材を、前記ドラムの後側部位で前記ドラムの外部に排出する再生材料排出部とを備えたリサイクルドライヤであって、第1の突出体群、第2の突出体群、第3の突出体群の少なくともいずれかを有し、前記第1の突出体群は、複数の第1の突出体で構成されており、前記原料供給部で供給され前記ドラム内を流れてきたアスファルト舗装廃材であって前記ドラム本体部の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって掬い上げて落下させるときに薄いベール状にするために、前記ドラム本体部内の前側部位で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられており、前記第2の突出体群は、複数の第2の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記第1の突出体群のところから流れてきたアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって一時的に滞留させるために、前記ドラム本体部内であって前記第1の突出体群の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられており、前記第3の突出体群は、複数の第3の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記第2の突出体群のところから流れてきたアスファルト舗装廃材であって前記ドラム本体部の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって掬い上げて落下させるときに、薄いベール状にするために、前記ドラム本体部内であって前記第2の突出体群の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられているリサイクルドライヤである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリサイクルドライヤにおいて、逆流防止体を有し、この逆流防止体は、前記原料供給部によって前記ドラム内に供給されたアスファルト舗装廃材が前側に流れることを防止するために、前記ドラム内で前記第1の突出体群よりも前側に設けられているリサイクルドライヤである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のリサイクルドライヤにおいて、前記第1の突出体群を構成している第1の突出体は、第1の突出体本体部と前側カバー部とを備えて構成されており、前記第1の突出体本体部には、前記ドラム本体部の中心軸の延伸方向で見て、回転方向の前端部が前記ドラム本体部の内壁のところの位置しており、回転方向の後端部が前記ドラム本体部の内壁から前記ドラム本体部の中心軸側に位置しているアスファルト舗装廃材載置面が形成されており、前記前側カバー部は、前記アスファルト舗装廃材載置面と前記ドラム本体の内壁面との間の前側の開口部を塞いでいるリサイクルドライヤである。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のリサイクルドライヤにおいて、前記第2の突出体群を構成している第2の突出体には、前記ドラム本体部の中心軸の延伸方向で見て、所定幅で円弧状に形成されており、凸状の円弧の外周面が前記ドラム本体部の内壁のところに位置し、凹状の円弧の外周面が前記ドラム本体部の中心軸側に位置しているアスファルト舗装廃材滞留面が形成されており、前記アスファルト舗装廃材滞留面は、回転方向の前端部が前記第3の突出体群側に位置しており、回転方向の後端部が前記第1の突出体群側に位置しているリサイクルドライヤである。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のリサイクルドライヤにおいて、前記第3の突出体群を構成している第3の突出体は、板状の基端側部位と板状の先端側部位とを備えて構成されており、前記基端側部位は、前記ドラム本体部の中心軸の延伸方向で見て、前記ドラム本体部の内壁から前記ドラム本体部の中心軸に向かって所定の長さ突出しており、前記先端側部位は、前記ドラム本体部の中心軸の延伸方向で見て、回転方向の後端部が前記基端側部位の先端のところの位置しており、回転方向の前端部が前記ドラム本体部の中心軸側であって前記ドラム本体部の回転方向の前側に位置するようにして、前記基端側部位の先端のところから所定の長さ突出しているリサイクルドライヤである。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のリサイクルドライヤにおいて、前記第3の突出体の基端側部位には、この基端側部位の厚さ方向で前記基端側部位を貫通している1つもしくは複数の貫通孔が形成されているリサイクルドライヤである。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載のリサイクルドライヤにおいて、前記第3の突出体の先端側部位の先端部には、1つもしくは複数の切り欠きが形成されているリサイクルドライヤである。
【0017】
請求項8に記載の発明は、円筒状に形成されたドラム本体部を有するドラムの前側部位で前記ドラムの内部に原料であるアスファルト舗装廃材を供給し、前記円筒状の本体部の中心軸を中心にして前記ドラム本体部を回転させ、前記ドラム内をバーナーで昇温し、前記ドラム内を前側から後側に向かって移動してきたことで再生材料となった前記アスファルト舗装廃材を、前記ドラムの後側の部位で外部に排出する再生材料の生成方法であって、逆流防止体、第1の突出体群、第2の突出体群、第3の突出体群の少なくともいずれかを有し、前記逆流防止体は、前記ドラム内に供給されたアスファルト舗装廃材が、前側に流れることを防止するために、前記ドラム内で前記ドラムの前端部に設けられており、前記第1の突出体群は、複数の第1の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記逆流防止体のところから流れてきたアスファルト舗装廃材であってドラム本体部の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって掬い上げて落下させるときに、前記アスファルト舗装廃材を薄いベール状にするために、前記ドラム本体部内であって前記逆流防止体の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられており、前記第2の突出体群は、複数の第2の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記第1の突出体群のところから流れてきたアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって一時的に滞留させるために、前記ドラム本体部内であって前記第1の突出体群の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられており、前記第3の突出体群は、複数の第3の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記第2の突出体群のところから流れてきたアスファルト舗装廃材であってドラム本体部の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって掬い上げて落下させるときに、前記アスファルト舗装廃材を薄いベール状にするために、前記ドラム本体部内であって前記第2の突出体群の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出して、前記ドラム本体部に設けられている再生材料の生成方法である。
【0018】
請求項9に記載の発明は、円筒状に形成されたドラム本体部を備え、前記円筒状の本体部の中心軸を中心にして前記ドラム本体部が回転するドラムと、原料であるアスファルト舗装廃材を前記ドラムの前側部位で前記ドラム内に供給するための原料供給部と、前記原料供給部で前記ドラム内に供給された前記アスファルト舗装廃材を昇温するバーナーと、前記原料供給部で前記ドラム内に供給され、前記バーナーで加熱され、前記ドラム内を前側から後側に向かって移動してきたことで再生材料となった前記アスファルト舗装廃材を、前記ドラムの後側部位で前記ドラムの外部に排出する再生材料排出部とを備えたリサイクルドライヤであって、逆流防止体を有し、この逆流防止体は、前記原料供給部によって前記ドラム内に供給されたアスファルト舗装廃材が、前側に流れることを防止するために、前記ドラム内で前記ドラムの前端部に設けられているリサイクルドライヤである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、アスファルト舗装廃材の再生を的確にすることができるリサイクルドライヤおよび再生材料の生成方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係るリサイクルドライヤの概略構成を示す図である。
【
図2】
図1におけるII-II断面を示す図である。
【
図3】
図1におけるIII-III断面を示す図である。
【
図4】
図1におけるIV-IV断面を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るリサイクルドライヤの断面図であって、円筒状のドラム本体部の中心軸を含む平面による断面を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るリサイクルドライヤの逆流防止体を示す図であり、(b)は(a)におけるVIIB-VIIB断面を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るリサイクルドライヤの第1の突出体を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は平面図であり、(c)は(b)におけるVIIIC-VIIIC断面を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るリサイクルドライヤの第2の突出体を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は(b)におけるIXC-IXC断面を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係るリサイクルドライヤの第3の突出体を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図であり、(d)は底面図である。
【
図11】(a)は、本発明の実施形態に係るリサイクルドライヤの第2の突出体の形状の説明を補助する図であり、(b)(c)は、リサイクルドライヤの変形例に係る第2の突出体の形状の説明を補助する図である。
【
図12】リサイクルドライヤの変形例に係る第3の突出体を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【
図13】リサイクルドライヤの変形例に係る第2の突出体群を示す図であって、
図3に対応する図である。
【
図14】従来のリサイクルドライヤを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態に係るリサイクルドライヤ(アスファルト舗装廃材のリサイクルドライヤ)1は、アスファルト舗装廃材から再生材料を生成するものであり、
図1~
図6で示すように、ドラム3と原料供給部5とバーナー(ドライヤ)7と再生材料排出部9とを備えて構成されている。
【0022】
ドラム3は、円筒状に形成されたドラム本体部11を備えている。ドラム本体部11は、この中心軸C1を中心にして、図示しないモータ等のアクチュエータにより駆動されて回転(たとえば一定の速度で自転する)するようになっている。
【0023】
ここで、説明の便宜のために、水平な所定の一方向を前後方向とし、水平な所定の他の一方向であって前後方向に対して直交する方向を横方向とし、前後方向と横方向とに対して直交する方向を上下方向とする。
【0024】
ドラム本体部11の回転中心軸C1は、前後方向に対して僅かに(数度;2°~3°程度)傾いて延伸している。したがって、注視しないと、ドラム本体部11の回転中心軸C1が水平方向に延伸しているように見える。よって、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向を前後方向と解釈してもよい。
【0025】
図1では、説明の便宜上、中心軸C1を水平な前後方向に延伸させて描いているが、実際には、前側が僅かに上側に位置し後側が僅かに下側に位置するようにして、中心軸C1が水平方向に対し僅かに傾いている。
【0026】
原料供給部5は、原料であるアスファルト舗装廃材(材料;原料)13をドラム3の前側部位でドラム3内に供給するためものである。
【0027】
さらに説明すると、ドラム3は、ドラム本体部11と前側蓋体(原料供給側蓋体)15と後側蓋体(再生材料排出側筐体)17とを備えて構成されている。円筒状のドラム本体部11の前端には円形状の開口部が形成されており、円筒状のドラム本体部11の後端にも円形状の開口部が形成されている。前側蓋体15は、円筒状のドラム本体部11の前端の開口部を塞いでおり、後側蓋体17は、円筒状のドラム本体部11の後端の開口部を塞いでいる。
【0028】
また、ドラム本体部11は、上述したように図示しない駆動装置により回転するが、前側蓋体15と後側蓋体17とは、回転しないようになっている。たとえば、前側蓋体15と後側蓋体17とは、リサイクルドライヤ1が設置されている地面や床面に一体的に設置されている。
【0029】
原料供給部5は、筒状の原料供給体19を備えて構成されており、原料供給体19は、この前側部位が上側に位置しこの後側部位が下側に位置し、さらに、この中心軸が上下方向に対して斜めに延伸するようにして、ドラム本体部11の回転中心軸C1よりも上側で前側蓋体15を貫通し前側蓋体15に一体的に設けられている。
【0030】
また、原料供給体19の前側部位(上側部位)は、ドラム3の外側で、前側蓋体15よりも斜め前上側に突出している。原料供給体19の後側部位(下側部位)は、ドラム3の内側で、前側蓋体15よりも斜め後下側に突出している。なお、原料供給体19の後端(下端)は、たとえば、ドラム本体部11の回転中心軸C1よりも上側に位置している。
【0031】
アスファルト舗装廃材13は、重力により、筒状の原料供給体19の内部を通ってドラム3内(ドラム3内の前端部)に落下し供給されるようになっている。
【0032】
バーナー7は、原料供給部5でドラム3内に供給されたアスファルト舗装廃材13を、再生材料(再生合材;再生骨材)にするために、ドラム3内を昇温するようになっている(アスファルト舗装廃材13の温度を上げるようになっている)。
【0033】
バーナー7は、原料供給体19の下側であって前側蓋体15の中央部で前側蓋体15に一体的に設けられており、炎や熱風をドラム3内で後側に吐出するようになっている。バーナー7により、ドラム3内を流れる(移動する)アスファルト舗装廃材13は、前側から後側に向かうに従って温度が次第に高くなる。
【0034】
なお、原料供給部5で供給されるアスファルト舗装廃材13が、バーナー7の炎に直接あたらないようにするためには、たとえば、バーナー7が断続的に炎を出すようにし、バーナー7が炎をしていないときにアスファルト舗装廃材13を供給するか、原料供給体19の位置を幅方向でずらせばよい。
【0035】
再生材料排出部9は、前側から後側に向かって移動してきたことで、水分が蒸発し乾燥し加熱されて再生材料となったアスファルト舗装廃材13を、ドラム3の後側部位でドラム3の外部に排出するようになっている。再生材料は、上述したように、アスファルト舗装廃材13が、原料供給部5でドラム3内に供給されバーナー7で加熱されドラム3内を前側から後側に向かって移動してきたことで生成される。
【0036】
また、再生材料排出部9は、筒状の再生材料排出体21を備えて構成されており、この再生材料排出体21は、この前側部位が上側に位置しこの後側部位が下側に位置し、さらに、この中心軸が上下方向に対して斜めに延伸するようにして、後側蓋体17の下端部で、後側蓋体17に一体的に設けられている。
【0037】
再生材料は、重力により、筒状の再生材料排出体21の内部を通ってドラム3の外に排出されるようになっている。排出された再生材料は、再生材料を柔らかくする材料等が加えられることで、たとえば、道路の舗装等にただちに再使用される。
【0038】
リサイクルドライヤ1では、上述したように、ドラム本体部11の回転中心軸C1が上述したように傾いていることで、また、ドラム本体部11が回転することで、原料供給部5でドラム3内に供給されたアスファルト舗装廃材13が、ドラム3内を前側から後側に向かって移動し、再生材料排出部9から排出されるようになっている。
【0039】
また、リサイクルドライヤ1には、ドラム3内に供給されアスファルト舗装廃材13の昇温に使用された排ガス(バーナー7炎等によって生成された排ガス)を、ドラム3の外部に排出するための排ガス排出部23が設けられている。
【0040】
排ガス排出部23は、筒状の排ガス排出体25を備えて構成されており、この排ガス排出体25は、後側蓋体17の上端部で、後側蓋体17に一体的に設けられている。
【0041】
また、リサイクルドライヤ1には、逆流防止体(テーパライナ)27と第1の突出体群(ジャンプライナ)29と第2の突出体群(滞留リング)31と第3の突出体群(メープルNフライト)33とが設けられている。
【0042】
逆流防止体27は、原料供給部5によってドラム3内(ドラム本体部11内)に供給されたアスファルト舗装廃材13が、逆流して供給された位置よりも前側に流れる(こぼれる)ことを防止するために、ドラム3内でドラム3(ドラム本体部11)の前端部に設けられている。
【0043】
さらに説明すると、逆流防止体27は、原料供給部5からドラム3内に落下したアスファルト舗装廃材13が、跳ね返って前側に大きく飛んでしまうことを防止するために設けられている。
【0044】
また、逆流防止体27は、原料供給部5によってドラム3内に供給されたアスファルト舗装廃材13を、後側に流れやすくするために設けられている。
【0045】
逆流防止体27は、
図7で示すように、たとえば、円錐台の側面状に形成されており、小径な円形状の開口部が前側に位置し、大径な円形状の開口部が後側に位置するようにして、ドラム本体部11に設けられている。また、逆流防止体27は、後端の大径な円形状の開口部の外周の全周が、ドラム本体部11の内壁の全周に接触して、ドラム本体部11に一体的に設けられている。
【0046】
逆流防止体27の前端は、前側蓋体15やバーナー7から僅かに離れて前側蓋体15やバーナー7よりも後側に位置している。
【0047】
原料供給体19は、逆流防止体27から離れており、原料供給体19の後下端の開口部(アスファルト舗装廃材13が出てくる開口部)は、逆流防止体27の内側であって、前後方向で逆流防止体27の前端と後端との間(中間部)に位置している。
【0048】
そして、原料供給体19の後下端の開口部から出てきたアスファルト舗装廃材13が、逆流防止体27の内側であって逆流防止体27の底部やこの近傍のところに落下するようになっている。この落下したアスファルト舗装廃材13は、逆流防止体27が円錐台の側面状に形成されていることで、跳ね返った場合であっても、ほぼ総てが、落下地点よりも後側に跳ね返るようになっている。
【0049】
なお、逆流防止体27が、ドラム本体部11ではなく前側蓋体15に一体的に設けられていてもよいが、この場合、逆流防止体27の後端の大径な円形状の開口部の外周とドラム本体部11の内壁との間の隙間を、アスファルト舗装廃材13がほとんど通過できない程度に小さくすることが望ましい。
【0050】
第1の突出体群29は、ドラム3内(ドラム本体部11内)で逆流防止体27のところから後側に向かって流れてきたアスファルト舗装廃材13であってドラム本体部11の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材13を、ドラム本体部11の回転によって掬い上げて落下させるときに、薄いベール状(薄い膜状;たとえば均一な薄いベール状)にして、バーナー7での乾燥をしやすくするために設けられている。
【0051】
さらに説明すると、第1の突出体群29は、材料13をポンピングやジャンピングさせることで材料13を動かし、薄いベール状にすることで材料13の表面積を広げて、含有している水分を水蒸気化させ、より効率的な材料13の乾燥を促している。たとえば、チャーハンつくりでチャーバンの材料を、フライパンを用いたフライ返しでベール状にする場合と同様にして、より効率的な材料13の乾燥を促している。
【0052】
また、第1の突出体群29は、複数の第1の突出体35で構成されている。複数の第1の突出体35は、ドラム本体部11内の前側部位でドラム本体部11の内壁からドラム本体部11の中心軸C1側に突出するようにしてドラム本体部11に一体的に設けられている。
【0053】
また、複数の第1の突出体35は、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向(前後方向)では、お互いが同じところに位置しており、また、逆流防止体27の後側に位置しており逆流防止体27から僅かに離れている。ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見ると、複数の第1の突出体35は、ドラム本体部11の円周を等分配する位置に、ドラム本体部11の周方向で所定の間隔をあけて配置されている。
【0054】
第1の突出体35の突出高さは、逆流防止体27の突出高さ((環状の逆流防止体27の外径-逆流防止体27の内径)/2)よりも低くなっているが、逆流防止体27の突出高さと等しくなっていてもよいし、逆流防止体27の突出高さ高さよりも高くなっていてもよい。
【0055】
第2の突出体群31は、ドラム3内(ドラム本体部11内)で第1の突出体群29のところから後側に向かって流れてきたアスファルト舗装廃材(ドラム本体部11の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材)13を、ドラム本体部11の回転によって前側に僅かに押し戻し、後側に流れにくくして、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向でドラム本体部11の底部やこの近傍のところに一時的に滞留させるために設けられている。
【0056】
第2の突出体群31は、複数の第2の突出体37で構成されており、ドラム本体部11内であって第1の突出体群29の後側で、ドラム本体部11の内壁からドラム本体部11の中心軸C1側に突出するようにして、ドラム本体部11に一体的設けられている。
【0057】
複数の第2の突出体37は、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向では、お互いが同じところに位置しており、また、第1の突出体群29の後側に位置しており第1の突出体群29から僅かに離れている。ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見ると、複数の第2の突出体37は、ドラム本体部11の円周を等分配する位置に、ドラム本体部11の周方向で所定の間隔をあけて配置されている。また、第2の突出体37の突出高さは、第1の突出体35の突出高さよりも低くなっているが、第1の突出体35の突出高さと等しくなっていてもよいし、第1の突出体35の突出高さよりも高くなっていてもよい。
【0058】
さらに、第2の突出体37の突出高さは、逆流防止体27の突出高さよりも低くなっているが、逆流防止体27の突出高さと等しくなっていてもよいし、逆流防止体27の突出高さ高さよりも高くなっていてもよい。
【0059】
第3の突出体群33は、ドラム3内(ドラム本体部11内)で第2の突出体群31のところから後側に向かって流れてきたアスファルト舗装廃材13であってドラム本体部11の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材13を、第1の突出体群29の場合と同様にして、ドラム本体部11の回転によって掬い上げて落下させるときに、薄いベール状(薄い膜状;たとえば均一な薄いベール状)にしてバーナー7での昇温をしやすくするために設けられている。
【0060】
第3の突出体群33は、複数の第3の突出体39で構成されており、ドラム本体部11内であって第2の突出体群31の後側で、ドラム本体部11の内壁からドラム本体部11の中心軸C1側に突出するようにして、ドラム本体部11に設けられている。
【0061】
複数の第3の突出体39は、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向では、お互いが同じところに位置しており、また、第2の突出体群31の後側で第2の突出体群31から僅かに離れている。また、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見ると、複数の第3の突出体39は、ドラム本体部11の円周を等分配する位置に、ドラム本体部11の周方向で所定の間隔をあけて配置されている。また、第3の突出体39の突出高さは、第2の突出体37の突出高さや第1の突出体の突出高さよりも高くなっているが、第2の突出体37の突出高さや第1の突出体の突出高さと等しくなっていてもよいし、第2の突出体37の突出高さや第1の突出体の突出高さよりも低くなっていてもよい。
【0062】
さたに、第3の突出体35の突出高さは、逆流防止体27の突出高さ((環状の逆流防止体27の外径-逆流防止体27の内径)/2)よりも低くなっているが、逆流防止体27の突出高さと等しくなっていてもよいし、逆流防止体27の突出高さ高さよりも高くなっていてもよい。
【0063】
なお、各突出体35、37、39は、ドラム本体部11と一体化しているので、ドラム本体部11が回転(自転)すると、ドラム本体部11の中心軸C1を中心にして回転(公転)するようになっている。
【0064】
また、リサイクルドライヤ1では、前後方向での、逆流防止体27(原料供給部5)から第2の突出体群31と第3の突出体群33との間の部位までの区間が、主として曝気ゾーンとして稼働し、第2の突出体群31と第3の突出体群33との間の上記部位から再生材料排出部9までの区間が、主として温度上昇ゾーンとして稼働するようになっている。
【0065】
曝気ゾーンでは、アスファルト舗装廃材13に含まれている水分を蒸発させるようになっており、温度上昇ゾーンでは、水分が蒸発したアスファルト舗装廃材13の温度を上げて再生材料を生成するようになっている。
【0066】
なお、再生材料排出部9から出てくる再生材料の温度は、160℃程度になっている。また、前後方向での、第1の突出体群29の後端部から第3の突出体群33の前端部までの間の区間では、各突出体群29、31、33が機能を十分に発揮しないとすると、アスファルト舗装廃材13の温度は、80℃~120℃になり、この温度では、アスファルト舗装廃材13のドラム本体部11や各突出体35、37、39等への付着が起こりやすくなる。
【0067】
また、逆流防止体27から第2の突出体群31と第3の突出体群33との間の部位までの区間は、材料13を加熱しかきまわしほぐし均一化する(種々の材質や様々な粒径のものが偏りなく混ざっている状態にする)ゾーンとしても作動し、第2の突出体群31と第3の突出体群33との間の上記部位から再生材料排出部9までの区間も、同様に、材料13を加熱しかきまわしほぐし均一化するゾーンとしても作動するようになっている。
【0068】
また、バーナー7からは、ドラム3の中央部に炎が出てくるようになっており、この炎は、第1の突出体群29の近傍まで届くようになっており、また、アスファルト舗装廃材13はドラム3の中央部から離れたドラム3の内壁にところを流れるので、アスファルト舗装廃材13にバーナー7の炎が直接あたらないようになっている。
【0069】
なお、上記説明では、逆流防止体27と第1の突出体群29と第2の突出体群31と第3の突出体群33とが、リサイクルドライヤ1に設けられているが、逆流防止体27、第1の突出体群29、第2の突出体群31、第3の突出体群33の少なくともいずれかが設けられている構成であってもよい。
【0070】
ここで、第1の突出体35、第2の突出体37、第3の突出体39についてさらに説明する。
【0071】
まず、第1の突出体35について説明する。第1の突出体群29を構成している第1の突出体35は、上述したように、また、
図8で示すように、第1の突出体本体部(ジャンプ台)41と前側カバー部43とを備えて構成されている。
【0072】
第1の突出体本体部41には、アスファルト舗装廃材載置面45が形成されている。アスファルト舗装廃材載置面45は、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見て、回転方向の前端部がドラム本体部11の内壁のところに位置して内壁に接しており、回転方向の後端部がドラム本体部11の中心軸側に位置している。
【0073】
前側カバー部43は、アスファルト舗装廃材載置面45とドラム本体部11の内壁面(内壁面のうちのアスファルト舗装廃材載置面45の近傍でアスファルト舗装廃材載置面45と対向している内壁面の部位)との間の前側の開口部(三角形状の開口部)を塞いでいる。
【0074】
第1の突出体35は、平板状の素材を、たとえば、適宜の形態に打ち抜き加工した後に適宜の曲げ加工を施した状態になったことで形成されている。
【0075】
第1の突出体本体部41は、矩形な平板状に形成されており、第1の突出体本体部41の厚さ方向の一方の面(ドラム本体部11の中心軸C1側の面)がアスファルト舗装廃材載置面45を形成している。
【0076】
第1の突出体本体部41が矩形な平板状に形成されてドラム本体部11に設置されていることで、第1の突出体本体部41と、第1の突出体本体部41の近傍で第1の突出体本体部41に対向しているドラム本体部11の内壁面の部位との間には、上述した三角柱状の空間が形成されている。
【0077】
前側カバー部43は、三角形な平板状に形成されており、上述した三角柱状の空間内にアスファルト舗装廃材13が入り込むことを防止するために、第1の突出体本体部41の前端部から折れ曲がって、三角柱状の空間の前端を塞いでいる。
【0078】
また、第1の突出体35には、突出体先端部47が設けられている。突出体先端部47によって、アスファルト舗装廃材載置面45の角度を変えて延長した態様の、アスファルト舗装廃材載置延長面49が形成されている。
【0079】
アスファルト舗装廃材載置延長面49は、ドラム本体部11の回転によってアスファルト舗装廃材13を掬い上げて落下させるときに、落下を遅らせ、アスファルト舗装廃材13をより薄いベール状(薄い膜状;たとえば均一な薄いベール状)にするために設けられている。
【0080】
第1の突出体35の突出体先端部47も矩形な平板状に形成されている。ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見て、アスファルト舗装廃材載置面45を表す線分の長さは、アスファルト舗装廃材載置延長面49を表す線分の長さよりも長くなっている。
【0081】
また、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見て、アスファルト舗装廃材載置面45を表す線分の延長線と、ドラム本体部11の中心軸C1との間の距離の値は、ドラム本体部11の半径の1/2の値よりも大きくなっている。たとえば、ドラム本体部11の中心軸C1との間の距離の値は、ドラム本体部11の半径の値に対して、70%~90%程度になっている。
【0082】
一方、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見て、アスファルト舗装廃材載置延長面49の延長線を表す線分の延長線と、ドラム本体部11の中心軸C1との間の距離の値は、ドラム本体部11の半径の1/2の値よりも小さくなっている。たとえば、ドラム本体部11の中心軸C1との間の距離の値は、ドラム本体部11の半径の値に対して、10%~30%程度になっている。
【0083】
次に、第2の突出体37について、
図9等を参照しつつ説明する。第2の突出体37には、アスファルト舗装廃材滞留面51が設けられている。アスファルト舗装廃材滞留面51は、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見て、所定幅で円弧状に形成されており、凸状の円弧の外周面がドラム本体部11の内壁のところに位置し、凹状の円弧の外周面がドラム本体部11の中心軸C1側に位置している。
【0084】
アスファルト舗装廃材滞留面51は、回転方向の前端部が第3の突出体群39側(後側)に位置しており、回転方向の後端部が第1の突出体群29側(前側)に位置している。
【0085】
ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見たアスファルト舗装廃材滞留面51の形状は、上述したように所定幅の円弧状に形成されている。所定幅の円弧状とは、所定の1つの平面に所定の長さの線分を描き、この線分を、上記線分から所定の距離だけ離れ上記線分の延長線上に位置している所定の点まわりに、所定の角度(たとえば、20°程度)回動させたときに、上記線分の軌跡で表される形状である。
【0086】
また、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見て、アスファルト舗装廃材滞留面51の円弧の中心は、ドラム本体部11の中心軸C1と一致しており、アスファルト舗装廃材滞留面51の凸状の円弧の外周面がドラム本体部11の内壁に接している。
【0087】
さらに説明すると、第2の突出体37は、短い螺旋板状に形成されており、アスファルト舗装廃材滞留面51は、第2の突出体37の厚さ方向の一方の面(前側の面)に形成されている。
【0088】
短い螺旋板状とは、
図11(a)で示すように、所定の1つの平面に縦寸法(
図11(a)の上下方向の寸法)が横寸法(
図11(a)の左右方向の寸法)に比べて十分に小さい矩形53を描き、この矩形53を、この矩形53から横方向(左右方向)に所定の距離だけ離れ縦方向に延伸している直線C2まわりに、所定の角度(たとえば、20°程度)回動するとともに、この回動角度に応じて(比例させて)縦方向(上下方向)に移動させたときに、上記矩形の軌跡で表される立体形状である。
【0089】
ところで、第2の突出体37の形態を適宜変更してもよい。たとえば、
図11(b)で示すように、矩形53を、直線C2に対して斜めに配置して(参照符号53Aもしくは参照符号53Bで示すように配置して)回転させてもよい。また、
図11(c)で示すように、矩形53を参照符号53Cで示すように、円弧状等の直線状以外の形状に形成してもよい。
【0090】
さらに、
図13で示すように、第2の突出体37の円弧の長さを長くして第2の突出体37の数を少なくしてもよいし、第2の突出体37をたとえばスペーサ55を用いてドラム本体部11の内壁から僅かに離して設置してもよい。
【0091】
次に、第3の突出体39について説明する。第3の突出体群33を構成している第3の突出体39は、
図10で示すように、板状の(たとえば平板状の)基端側部位57と板状の(たとえば平板状の)先端側部位59とを備えて構成されている。
【0092】
基端側部位57は、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見て、平板状の基端側部位57の厚さ方向がドラム本体部11の回転方向と一致するようにして、ドラム本体部11の内壁からドラム本体部11の中心軸C1に向かって所定の高さ突出している。
【0093】
先端側部位59は、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見て、回転方向の後端部が基端側部位57の先端のところの位置しており、回転方向の前端部がドラム本体部11の中心軸C1側であってドラム本体部11の回転方向の前側に位置するようにして(平板状の先端側部位59の厚さ方向が平板状の基端側部位57の厚さ方向に対して斜めに交差するようにして)、基端側部位57の先端のところから所定の長さ(高さ)突出している。
【0094】
第3の突出体39の基端側部位57には、この基端側部位57の厚さ方向で基端側部位57を貫通している1つもしくは複数の貫通孔(粒径の大きなものが通過する貫通孔)61が形成されている。
【0095】
また、第3の突出体39の先端側部位59の先端部には、1つもしくは複数の切り欠き(粒径の中くらいものが通過する切り欠き)63が形成されている。
【0096】
第3の突出体39は、平板状の素材を、たとえば、適宜の形態に打ち抜き加工した後に適宜の曲げ加工を施した状態になったことで形成されている。さらには、基端側部位57と先端側部位59は、矩形な平板状の素材を、お互いが対向している一対の辺と平行な曲げ線(一対の辺の間でほぼ中央部に位置している曲げ線)のところで所定の角度(たとえば45°程度)曲げたことで形成されている。
【0097】
第3の突出体39の基端側部位57の厚さ方向は、ドラム本体部11の回転方向と一致しており、先端側部位59の厚さ方向は、ドラム本体部11の回転方向に対して斜めに交差している。
【0098】
基端側部位57に設けられている貫通孔61は、たとえば矩形状に形成されて2つ設けられている。第3の突出体39が、ドラム本体部11に設置されている状態では、2つの貫通孔61は、前後方向における基端側部位57の中央部で、前後方向に所定の間隔をあけてならんでいる。
【0099】
先端側部位59に設けられている切り欠き63は、たとえば矩形状に形成されて3つ設けられている。第3の突出体39が、ドラム本体部11に設置されている状態では、3つの切り欠き63は、前後方向に所定の間隔をあけてならんでいる。
【0100】
また、第3の突出体39は、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で、複数列(
図1等で示すものでは2列)になって配置されている。2列になって配置されている第3の突出体39は、前後方向で所定の間隔があいている。また、ドラム本体部11の中心軸C1の延伸方向で見ると、1列目(前側)の各第3の突出体39の配置位置(
図4参照)と、2列目(後側)の各第3の突出体39の配置位置(
図5参照)とは、お互いの周方向における位置(位相;角度)がずれている。
【0101】
ところで、第3の突出体39として、
図12で示すような、貫通孔61と切り欠き63とが設けられているものを採用してもよいし、貫通孔61、切り欠き63のいずれか一方が設けられているものを採用してもよい。
【0102】
また、複数の第3の突出体39のうちの一部の第3の突出体39として、
図12で示すような貫通孔61と切り欠き63とが設けられていないものや、貫通孔61、切り欠き63のいずれか一方しか設けられていないものを採用してもよい。
【0103】
たとえば、1列目(前側)の各第3の突出体39として
図10で示すものを採用し、2列目(後側)の各第3の突出体39として
図12で示すものを採用してもよい。
【0104】
次に、リサイクルドライヤ1の動作を説明する。初期状態では、バーナー7から炎(図示せず)出てされており、ドラム本体部11が回転しており、ドラム3内が十分に温まっているものとする。
【0105】
上記初期状態で、原料供給部5からドラム3内にアスファルト舗装廃材13を供給する。この供給されたアスファルト舗装廃材13は、
図1で示すように、逆流防止体27に落下し後側に送られる(流れる)。
【0106】
逆流防止体27から流れてきたアスファルト舗装廃材13は、
図2で示すように、第1の突出体群29で掬い上げられ、落下するときにたとえばベールを形成し、このベールを形成しているときに温度が上昇する。そしてやがては、後側に流れる。
【0107】
すなわち、上述したように、第1の突出体群29は、材料13をポンピングやジャンピングさせることで材料13を動かし、薄いベール状にすることで材料13の表面積を広げて、含有している水分を水蒸気化させ、より効率的な材料13の乾燥を促す。
【0108】
第1の突出体群29から流れてきたアスファルト舗装廃材13は、第2の突出体群31で一時的に前側に押し返えされる。すなわち、アスファルト舗装廃材13の前側から後側への流れの速度が第2の突出体群31を設けていない場合に比べて遅くなる(アスファルト舗装廃材13が一時的に滞留する状態になる)。これにより、アスファルト舗装廃材13の温度がさらに上昇する。そしてやがては、各第2の突出体37の間等を通って後側に流れる。
【0109】
第2の突出体群31から流れてきたアスファルト舗装廃材13は、
図4で示すように、第3の突出体群33で掬い上げられ、落下するときにベールを形成し、主として、このベールを形成しているときに温度が上昇する。そしてやがては、後側に流れる。
【0110】
なお、
図4で示す状態では、アスファルト舗装廃材13によって3つのベールが形成されている。1つ目のベール65は、アスファルト舗装廃材13のうちの大きな粒が、基端側部位57の貫通孔61を通って落下するとき形成されるものである。
【0111】
2つ目のベール67は、アスファルト舗装廃材13のうちの中くらいの粒が、先端側部位59の切り欠き63を通って落下するとき形成されるものである。3つ目のベール69は、アスファルト舗装廃材13のうちの小さい粒が、先端側部位59の先端から落下するとき形成されるものである。
【0112】
第3の突出体群33から流れてきたアスファルト舗装廃材13は、再生材料となり、再生材料排出部9から排出される。
【0113】
なお、原料供給部5から適宜の量のアスファルト舗装廃材13が連続してもしくは断続的にドラム3内に供給されることで、供給量に応じた再生材料が、再生材料排出部9から連続して出てくる。
【0114】
リサイクルドライヤ1によれば、第1の突出体群29を設けたことで、ドラム本体部11の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材13を、ドラム本体部11の回転によって掬い上げて落下させるときに、アスファルト舗装廃材13が薄いベール状になる。
【0115】
これにより、たとえばチャーハンを作るときにフライパンをゆすって米等の具材をベール状にして米等の具材の水分を飛ばす要領で、アスファルト舗装廃材13の水分が早く飛び、アスファルト舗装廃材13がバーナー7によって十分に加熱され(十分に昇温され)、アスファルト舗装廃材13の付着によって第1の突出体35の間等にアスファルト舗装廃材13が詰まることが防止され、アスファルト舗装廃材13の再生を効率良く的確に行うことができ(材料13を均一化し高温にすることを効率良く行うことができ)、質の良い再生材材料を得ることができる。
【0116】
アスファルト舗装廃材13の付着による第1の突出体35の間等にアスファルト舗装廃材13が詰まることが防止されるので、リサイクルドライヤ1のメンテナンスにおいて、ハツリ作業(付着したり詰まったアスファルト舗装廃材13を除去する作業)を無くすか、もしくは、苦渋作業であるハツリ作業の負担を軽減することができ、労働環境が改善される。
【0117】
また、リサイクルドライヤ1によれば、アスファルト舗装廃材13の付着が起こりにくくなったことで、ドラム本体部11の回転によってドラム3内でアスファルト舗装廃材13が十分に撹拌され、アスファルト舗装廃材13がドラム3内を通過する時間が短くなることが防止され、アスファルト舗装廃材13がバーナー7で十分に加熱され、質の良い再生材材料を得ることができる。
【0118】
また、リサイクルドライヤ1から出てきた再生材料の温度が高くなっているので、再生材料の温度低下が遅くなり、再生材料を施工するとき(再生材料を一部に使用した舗装をするとき)における再生材料のハンドリングがしやすくなり、再生材料の混入率をあげることができ、環境負荷を低減させることができる。
【0119】
また、リサイクルドライヤ1によれば、第1の突出体群29を設けたことで、アスファルト舗装廃材13が薄いベール状になり、アスファルト舗装廃材13の熱の吸収効率があがり、バーナー7の燃費が向上する。また、アスファルト舗装廃材13の熱の吸収効率があがることで、バーナー7によってドラム3内に供給されアスファルト舗装廃材13の昇温に使用され、ドラム3の外部に排ガス排出部23から排出される排ガスの温度が低下し、火災発生等の危険を回避することができ安全性が向上する。
【0120】
また、リサイクルドライヤ1によれば、アスファルト舗装廃材13にバーナー7の炎が直接あたらないようになっているので、炎によるアスファルト舗装廃材13の劣化が防止される。なお、アスファルト舗装廃材13は、ドラム3内の主として高温な雰囲気で加熱されるが、バーナーの遠赤外線効果でも加熱される。
【0121】
また、リサイクルドライヤ1によれば、第2の突出体群31を設けたことで、ドラム3内で第1の突出体群29のところから流れてきたアスファルト舗装廃材13が一時的に滞留されるので、アスファルト舗装廃材13を、時間をかけてバーナーで十分に加熱することができる。そして、アスファルト舗装廃材13の骨材(砕石や砂)の芯まで熱を通すことができる。
【0122】
また、リサイクルドライヤ1によれば、第3の突出体群33を設けたことで、第1の突出体群29を設けた場合と同様にして、アスファルト舗装廃材13がバーナー7によって十分に加熱され、アスファルト舗装廃材13の付着による第の突出体39の間等へアスファルト舗装廃材13が詰まることが防止され、アスファルト舗装廃材13の再生を効率良く十分にすることができ、質の良い再生材材料を得ることができる。
【0123】
また、リサイクルドライヤ1によれば、原料供給部5によってドラム3内に供給されたアスファルト舗装廃材13が前側に流れることを逆流防止体27が防止するので、原料供給部5によってドラム3内に供給されたアスファルト舗装廃材13を確実に後側に流すことができる。
【0124】
また、逆流防止体27の勾配面によって、ドラム3内に供給されたアスファルト舗装廃材13が早く後側に流れるので、着地地点でのアスファルト舗装廃材13の圧密が防止され、アスファルト舗装廃材13の着地地点での逆流防止体27への付着が防止される。
【0125】
また、リサイクルドライヤ1によれば、第1の突出体35が第1の突出体本体部41と前側カバー部43とを備えて構成されており、第1の突出体本体部41には、アスファルト舗装廃材載置面45が形成されているので、アスファルト舗装廃材13を薄いベール状にすることができるとともに、アスファルト舗装廃材13のドラム内での滞留時間を増やすことができる。
【0126】
すなわち、アスファルト舗装廃材載置面45が形成されていることで、ドラム本体部11の回転によって、アスファルト舗装廃材13がアスファルト舗装廃材載置面45上を移動するときに、滞留時間が増え、また、ドラム3内のアスファルト舗装廃材13の表面積が増え、第1の突出体35から落下するときに、アスファルト舗装廃材13を十分に薄いベール状にすることができる。これにより、アスファルト舗装廃材13中の水分の蒸発が促進させる。
【0127】
ドラム本体部11の回転によって、第1の突出体35や第3の突出体39でアスファルト舗装廃材13を掬うときにアスファルト舗装廃材13の表面と内部とが入れ替わり、バーナー7の炎をよるアスファルト舗装廃材13の過加熱を防止することができる。
【0128】
また、前側カバー部43が、第1の突出体本体部41(アスファルト舗装廃材載置面45)の前側の開口部を塞いでいるので、前側カバー部43が壁になり、第1の突出体本体部41とドラム本体部11との間にアスファルト舗装廃材13が詰まることが防止され、また、アスファルト舗装廃材13の前側から後側への移動がし難くなり、アスファルト舗装廃材13のドラム3内での滞留時間が増加する。
【0129】
前側カバー部43によってアスファルト舗装廃材13のドラム3内での滞留時間が増加することで、材料13のポンピングやジャンピングの機会が増加し材料13の表面積を広げることができ、さらなる効率的な材料13の乾燥を促すことができる。
【0130】
第1の突出体群29および第2の突出体群31および第3の突出体群33による滞留時間の増加によって、アスファルト舗装廃材13に含まれている水分の蒸発を十分に行うことができ、アスファルト舗装廃材13の温度上昇をさせやすくなり、再生材料の骨材の芯まで熱が入り、再生材料が冷めにくくなる。
【0131】
なお、アスファルト舗装廃材13の水分が少なくなると、アスファルト舗装廃材13の温度が100℃を超え、120℃以上に容易に達する。これにより、アスファルト舗装廃材13が付着しやすい温度(80℃~120℃)を短いスパンで超え、アスファルト舗装廃材13の付着が進行しにくくなる。
【0132】
また、リサイクルドライヤ1によれば、第3の突出体群33を構成している第3の突出体39が、基端側部位57と先端側部位59とを備えているので、ドラム本体部11の回転によってドラム3の底部に、アスファルト舗装廃材13を分散して落下させることができ、バーナー7によるアスファルト舗装廃材13の加熱を一層確実に行うことができる。
【0133】
また、リサイクルドライヤ1によれば、第3の突出体39の基端側部位57に貫通孔61が形成されているので、ドラム本体部11の回転(第3の突出体39)の初期段階(ドラム3の底部からの第3の突出体39の回転角度が45°程度の段階)で、貫通孔61を通ってアスファルト舗装廃材13の一部が落下する。これにより、第3の突出体39のところでの昇温したアスファルト舗装廃材13の圧密を防止することができ、アスファルト舗装廃材13の付着を防止することができるとともに、アスファルト舗装廃材13を一層分散して落下させることができ、バーナー7によるアスファルト舗装廃材13の加熱を一層確実に行うことができる。
【0134】
また、リサイクルドライヤ1によれば、第3の突出体39の先端側部位59の先端部に切り欠き63が形成されているので、ドラム本体部11の回転(第3の突出体39)の中期段階(ドラム3の底部からの第3の突出体39の回転角度が60°程度の段階)で、切り欠き63を通ってアスファルト舗装廃材13の他の一部が落下する。これにより、アスファルト舗装廃材13を一層分散して落下させることができ、バーナー7によるアスファルト舗装廃材13の加熱を一層確実に行うことができる。
【0135】
ところで、上記記載したものを、円筒状に形成されたドラム本体部を有するドラムの前側部位で前記ドラムの内部に原料であるアスファルト舗装廃材を供給し、前記円筒状の本体部の中心軸を中心にして前記ドラム本体部を回転させ、前記ドラム内をバーナーで昇温し、前記ドラム内を前側から後側に向かって移動してきたことで再生材料となった前記アスファルト舗装廃材を、前記ドラムの後側の部位で外部に排出する再生材料の生成方法(再生骨材の再生方法;アスファルト舗装廃材の再生方法)として把握してもよい。
【0136】
この再生材料の生成方法、逆流防止体、第1の突出体群、第2の突出体群、第3の突出体群の少なくともいずれかを有する。
【0137】
前記逆流防止体は、前記ドラム内に供給されたアスファルト舗装廃材が、前側に流れることを防止するために、前記ドラム内で前記ドラムの前端部に設けられているものである。
【0138】
前記第1の突出体群は、複数の第1の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記逆流防止体のところから流れてきたアスファルト舗装廃材であって前記ドラム本体部の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって掬い上げて落下させるときに、前記アスファルト舗装廃材を薄いベール状にするために、前記ドラム本体部内であって前記逆流防止体の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出するようにして、前記ドラム本体部に設けられているものである。
【0139】
前記第2の突出体群は、複数の第2の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記第1の突出体群のところから流れてきたアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって一時的に滞留させるために、前記ドラム本体部内であって前記第1の突出体群の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出するようにして、前記ドラム本体部に設けられているものである。
【0140】
前記第3の突出体群は、複数の第3の突出体で構成されており、前記ドラム内で前記第2の突出体群のところから流れてきたアスファルト舗装廃材であってドラム本体部の底部に溜まっているアスファルト舗装廃材を、前記ドラム本体部の回転によって掬い上げて落下させるときに、前記アスファルト舗装廃材を薄いベール状にするために、前記ドラム本体部内であって前記第2の突出体群の後側で、前記ドラム本体部の内壁から突出するようにして、前記ドラム本体部に設けられているものである。
【符号の説明】
【0141】
1 リサイクルドライヤ
3 ドラム
5 原料供給部
7 バーナー
9 再生材料排出部
11 ドラム本体部
13 アスファルト舗装廃材
27 逆流防止体
29 第1の突出体群
31 第2の突出体群
33 第3の突出体群
35 第1の突出体
37 第2の突出体
39 第3の突出体
41 第1の突出体本体部
43 前側カバー部
45 アスファルト舗装廃材載置面
51 アスファルト舗装廃材滞留面
57 基端側部位
59 先端側部位
61 貫通孔
63 切り欠き
C1 ドラム本体部の中心軸