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特許7019501リレー回路装置及びリレー回路装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】リレー回路装置及びリレー回路装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 47/00 20060101AFI20220207BHJP
【FI】
H01H47/00 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018081598
(22)【出願日】2018-04-20
(65)【公開番号】P2019192405
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌倉 輝男
(72)【発明者】
【氏名】古谷 充宏
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-096511(JP,A)
【文献】特開2013-105550(JP,A)
【文献】特開昭52-095074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 45/00 - 47/36
H01H 50/00 - 50/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が第1のノードに接続され、他端が第2のノードに接続された負荷回路と、
一端が前記第2のノードに接続され、他端が第3のノードに接続された第1のリレーと、
一端が前記第3のノードに接続され、他端が第4のノードに接続された第2のリレーと、
一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第1の容量性回路と、
一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第3のノードに接続された第2の容量性回路と、
前記第1及び第2のリレーを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする、リレー回路装置。
【請求項2】
一端が前記第4のノードに接続され、他端が第5のノードに接続された第3のリレーと、
一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第4のノードに接続された第3の容量性回路と、
を更に備え、
前記制御部は、
前記第3のリレーをオンに制御し、その後、前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー回路装置。
【請求項3】
一端が前記第5のノードに接続され、他端が第6のノードに接続された第4のリレーと、
一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第5のノードに接続された第4の容量性回路と、
を更に備え、
前記制御部は、
前記第4のリレーをオンに制御し、その後、前記第3のリレーをオンに制御し、その後、前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする、請求項2に記載のリレー回路装置。
【請求項4】
前記容量性回路は、コンデンサを含む、
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のリレー回路装置。
【請求項5】
前記容量性回路は、前記コンデンサに直列接続された抵抗を更に含む、
ことを特徴とする、請求項4に記載のリレー回路装置。
【請求項6】
前記制御部は、
1つの前記リレーをオンに制御して、予め定められた閾値時間が経過したら、次の1つの前記リレーをオンに制御する、
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のリレー回路装置。
【請求項7】
前記制御部は、
1つの前記リレーをオンに制御して、前記1つのリレーに直列接続された前記コンデンサの端子間電圧が予め定められた閾値電圧に達したら、次の1つの前記リレーをオンに制御する、
ことを特徴とする、請求項4又は5に記載のリレー回路装置。
【請求項8】
一端が第1のノードに接続され、他端が第2のノードに接続された負荷回路と、一端が前記第2のノードに接続され、他端が第3のノードに接続された第1のリレーと、一端が前記第3のノードに接続され、他端が第4のノードに接続された第2のリレーと、一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第1の容量性回路と、一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第3のノードに接続された第2の容量性回路と、前記第1及び第2のリレーを制御する制御部と、を備えるリレー回路装置を制御する、制御方法であって、
前記制御部により、前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする、リレー回路装置の制御方法。
【請求項9】
前記リレー回路装置は、一端が前記第4のノードに接続され、他端が第5のノードに接続された第3のリレーと、一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第4のノードに接続された第3の容量性回路と、を更に備え、
前記制御部により、前記第3のリレーをオンに制御し、その後、前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする請求項8に記載のリレー回路装置の制御方法。
【請求項10】
前記リレー回路装置は、一端が前記第5のノードに接続され、他端が第6のノードに接続された第4のリレーと、一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第5のノードに接続された第4の容量性回路と、を更に備え、
前記制御部により、前記第4のリレーをオンに制御し、その後、前記第3のリレーをオンに制御し、その後、前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする、請求項9に記載のリレー回路装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リレー回路装置及びリレー回路装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メカニカル式のリレーは、周囲環境によっては、接点間の導通が良好ではなくなってしまう場合がある。その原因は、接点表面に酸化被膜、硫化被膜、塩化被膜等が発生することである。そのような接点表面の被膜を除去するために、接点間にアークを発生させることが行われている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、直流駆動用電磁リレーの酸化膜除去方法が記載されている。
【0004】
複数のリレーが直列接続される場合がある。この場合、複数のリレーの各々の接点表面の被膜を除去できることが、望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-163968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、直列接続された複数のリレーの各々の接点表面の被膜を除去することができるリレー回路装置及びリレー回路装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のリレー回路装置は、
一端が第1のノードに接続され、他端が第2のノードに接続された負荷回路と、
一端が前記第2のノードに接続され、他端が第3のノードに接続された第1のリレーと、
一端が前記第3のノードに接続され、他端が第4のノードに接続された第2のリレーと、
一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第1の容量性回路と、
一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第3のノードに接続された第2の容量性回路と、
前記第1及び第2のリレーを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする。
【0008】
前記リレー回路装置において、
一端が前記第4のノードに接続され、他端が第5のノードに接続された第3のリレーと、
一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第4のノードに接続された第3の容量性回路と、
を更に備え、
前記制御部は、
前記第3のリレーをオンに制御し、その後、前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする。
【0009】
前記リレー回路装置において、
一端が前記第5のノードに接続され、他端が第6のノードに接続された第4のリレーと、
一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第5のノードに接続された第4の容量性回路と、
を更に備え、
前記制御部は、
前記第4のリレーをオンに制御し、その後、前記第3のリレーをオンに制御し、その後、前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする。
【0010】
前記リレー回路装置において、
前記容量性回路は、コンデンサを含む、
ことを特徴とする。
【0011】
前記リレー回路装置において、
前記容量性回路は、前記コンデンサに直列接続された抵抗を更に含む、
ことを特徴とする。
【0012】
前記リレー回路装置において、
前記制御部は、
1つの前記リレーをオンに制御して、予め定められた閾値時間が経過したら、次の1つの前記リレーをオンに制御する、
ことを特徴とする。
【0013】
前記リレー回路装置において、
前記制御部は、
1つの前記リレーをオンに制御して、前記1つのリレーに直列接続された前記コンデンサの端子間電圧が予め定められた閾値電圧に達したら、次の1つの前記リレーをオンに制御する、
ことを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様のリレー回路装置の制御方法は、
一端が第1のノードに接続され、他端が第2のノードに接続された負荷回路と、一端が前記第2のノードに接続され、他端が第3のノードに接続された第1のリレーと、一端が前記第3のノードに接続され、他端が第4のノードに接続された第2のリレーと、一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第1の容量性回路と、一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第3のノードに接続された第2の容量性回路と、前記第1及び第2のリレーを制御する制御部と、を備えるリレー回路装置を制御する、制御方法であって、
前記制御部により、前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする。
【0015】
前記リレー回路装置の制御方法において、
前記リレー回路装置は、一端が前記第4のノードに接続され、他端が第5のノードに接続された第3のリレーと、一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第4のノードに接続された第3の容量性回路と、を更に備え、
前記制御部により、前記第3のリレーをオンに制御し、その後、前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする。
【0016】
前記リレー回路装置の制御方法において、
前記リレー回路装置は、一端が前記第5のノードに接続され、他端が第6のノードに接続された第4のリレーと、一端が前記第1のノードに接続され、他端が前記第5のノードに接続された第4の容量性回路と、を更に備え、
前記制御部により、前記第4のリレーをオンに制御し、その後、前記第3のリレーをオンに制御し、その後、前記第2のリレーをオンに制御し、その後、前記第1のリレーをオンに制御する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様のリレー回路装置及びリレー回路装置の制御方法は、直列接続された複数のリレーの各々の接点表面の被膜を除去することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、複数のリレーが直列接続される適用例を示す図である。
図2図2は、比較例の回路構成を示す図である。
図3図3は、第1の実施の形態のリレー回路装置の回路構成を示す図である。
図4図4は、第1の実施の形態のリレー回路装置の動作を示すフローチャートである。
図5図5は、第1の実施の形態の変形例のリレー回路装置の回路構成を示す図である。
図6図6は、第1の実施の形態の変形例のリレー回路装置の動作を示すフローチャートである。
図7図7は、第2の実施の形態のリレー回路装置の回路構成を示す図である。
図8図8は、第2の実施の形態のリレー回路装置の動作を示すフローチャートである。
図9図9は、第3の実施の形態のリレー回路装置の回路構成を示す図である。
図10図10は、第3の実施の形態のリレー回路装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明のリレー回路装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0020】
実施の形態の理解を容易にするために、複数のリレーが直列接続される適用例及び比較例について説明する。
【0021】
(複数のリレーが直列接続される適用例)
図1は、複数のリレーが直列接続される適用例を示す図である。リレー回路装置100は、第1のリレー101と、第2のリレー102と、第3のリレー103と、負荷回路104と、直流の電源105と、制御部106と、を含む。
【0022】
第1のリレー101、第2のリレー102及び第3のリレー103は、駆動信号(励磁電流)でオン又はオフに制御される、メカニカル式のリレーである。
【0023】
第1のリレー101は、第1の部分101aと、第2の部分101bと、を含む。第1の部分101a及び第2の部分101bは、共通の駆動信号で駆動される。第2のリレー102は、第1の部分102aと、第2の部分102bと、を含む。第1の部分102a及び第2の部分102bは、共通の駆動信号で駆動される。第3のリレー103は、第1の部分103aと、第2の部分103bと、を含む。第1の部分103a及び第2の部分103bは、共通の駆動信号で駆動される。
【0024】
第1の部分101a、第1の部分102a、第1の部分103a、負荷回路104及び電源105は、直列に接続されている。
【0025】
制御部106は、駆動信号を、第1のリレー101、第2のリレー102及び第3のリレー103に出力する。
【0026】
第1の部分101a及び第2の部分101bの各々は、駆動信号が制御部106から入力されたら、接点間が導通する。第2の部分101bの接点間が導通すると、U相の供給ラインが導通する。
【0027】
第1の部分102a及び第2の部分102bの各々は、駆動信号が制御部106から入力されたら、接点間が導通する。第2の部分102bの接点間が導通すると、V相の供給ラインが導通する。
【0028】
第1の部分103a及び第2の部分103bの各々は、駆動信号が制御部106から入力されたら、接点間が導通する。第2の部分103bの接点間が導通すると、W相の供給ラインが導通する。
【0029】
このように、リレー回路装置100は、第1のリレー101、第2のリレー102及び第3のリレー103がオンすることで、UVW相をオンできる。
【0030】
(比較例)
図2は、比較例の回路構成を示す図である。リレー回路装置110は、第1のリレー101、第2のリレー102、第3のリレー103、負荷回路104及び電源105に加えて、容量性回路111を含む。容量性回路111は、直列接続されたコンデンサ112及び抵抗113を含む。容量性回路111は、負荷回路104に並列接続されている。
【0031】
なお、図2では、第1のリレー101、第2のリレー102及び第3のリレー103の各々の第1の部分だけを図示し、第2の部分の図示を省略している。また、図2では、制御部106の図示を省略している。
【0032】
第1のリレー101、第2のリレー102及び第3のリレー103は、個体差により、オフ状態からオン状態に遷移する動作時間にばらつきがある。リレー回路装置110では、第1のリレー101、第2のリレー102及び第3のリレー103の内の最後にオンしたリレー、つまり動作時間が最も長いリレーでだけ、容量性回路111に流入する突入電流によるアークが、接点間に発生する。
【0033】
従って、第1のリレー101、第2のリレー102及び第3のリレー103の内の動作時間が最も長いリレーでは、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。しかし、他の2個のリレーでは、アークが接点間に発生しない。従って、他の2個のリレーでは、接点表面の被膜を除去できず、接点間の導通を良好に維持できない。
【0034】
(第1の実施の形態)
図3は、第1の実施の形態のリレー回路装置の回路構成を示す図である。リレー回路装置1は、第1のリレーRLと、第2のリレーRLと、第3のリレーRLと、負荷回路2と、直流の電源3と、制御部4と、第1の容量性回路11と、第2の容量性回路12と、第3の容量性回路13と、を含む。
【0035】
なお、図3では、第1のリレーRL、第2のリレーRL及び第3のリレーRLの各々の第1の部分だけを図示し、第2の部分の図示を省略している。
【0036】
負荷回路2は、一端が第1のノードNに接続され、他端が第2のノードNに接続されている。
【0037】
第1のリレーRLは、一端が第2のノードNに接続され、他端が第3のノードNに接続されている。
【0038】
第2のリレーRLは、一端が第3のノードNに接続され、他端が第4のノードNに接続されている。
【0039】
第3のリレーRLは、一端が第4のノードNに接続され、他端が第5のノードNに接続されている。
【0040】
第1の容量性回路11は、第1のコンデンサ11aと、第1の抵抗11bとが直列接続された、RC直列回路である。第1の容量性回路11は、一端が第1のノードNに接続され、他端が第2のノードNに接続されている。
【0041】
第2の容量性回路12は、第2のコンデンサ12aと、第2の抵抗12bとが直列接続された、RC直列回路である。第2の容量性回路12は、一端が第1のノードNに接続され、他端が第3のノードNに接続されている。
【0042】
第3の容量性回路13は、第3のコンデンサ13aと、第3の抵抗13bとが直列接続された、RC直列回路である。第3の容量性回路13は、一端が第1のノードNに接続され、他端が第4のノードNに接続されている。
【0043】
電源3の負極は、第1のノードNに接続され、電源3の正極は、第5のノードNに接続されている。なお、電源3の負極は、第5のノードNに接続され、電源3の正極は、第1のノードNに接続されても良い。
【0044】
第1の容量性回路11から第3の容量性回路13の各々は、RC直列回路とするが、これに限定されない。第1の容量性回路11から第3の容量性回路13の各々は、コンデンサでも良い。但し、第1の容量性回路11から第3の容量性回路13の各々がコンデンサであるとすると、第1の容量性回路11から第3の容量性回路13の各々に流入する突入電流が、インパルス状の、ピーク値が非常に大きな電流となる。そのため、第1のリレーRLから第3のリレーRLの接点間が溶着する可能性がある。そこで、第1の容量性回路11から第3の容量性回路13の各々をRC直列回路とすることが好ましい。これにより、突入電流のピーク値を抑制でき、第1のリレーRLから第3のリレーRLの接点間が溶着する可能性を抑制できる。
【0045】
制御部4は、駆動部41と、閾値時間記憶部42と、を含む。制御部4は、CPU(Central Processing Unit)とプログラムを利用して、実現可能である。また、制御部4は、ハードウェア回路で、実現可能である。
【0046】
駆動部41は、第1のリレーRLをオンに制御するための第1の駆動信号Sを、第1のリレーRLに出力する。駆動部41は、第2のリレーRLをオンに制御するための第2の駆動信号Sを、第2のリレーRLに出力する。駆動部41は、第3のリレーRLをオンに制御するための第3の駆動信号Sを、第3のリレーRLに出力する。
【0047】
閾値時間記憶部42は、予め定められた閾値時間を、記憶する。閾値時間は、第1のリレーRLから第3のリレーRLに第1の駆動信号Sから第3の駆動信号Sを夫々出力する時間間隔を、表す。閾値時間は、有線通信又は無線通信経由で書き換え可能であっても良い。
【0048】
閾値時間は、第1のリレーRLから第3のリレーRLの仕様に基づいて設定されることが好ましい。リレーでは、駆動信号が入力されてから接点間が接触するまでの時間が、仕様で定められている。リレーには個体差があるので、仕様では、例えば、最短時間(minimal)、標準時間(nominal)及び最長時間(maximal)が定められている。閾値時間は、最長時間(maximal)以上に設定されることが好ましい。これにより、1つのリレーに駆動信号を出力し、閾値時間経過後に次のリレーに駆動信号を出力するタイミングでは、1つのリレーの接点間が確実に接触していることになる。
【0049】
図4は、第1の実施の形態のリレー回路装置の動作を示すフローチャートである。
【0050】
駆動部41は、ステップS100において、第3のリレーRLに、第3の駆動信号Sを出力する。
【0051】
第3のリレーRLは、第3の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第3のリレーRLがオン状態になると、電源3→第3のリレーRL→第3の容量性回路13→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第3のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0052】
駆動部41は、ステップS102において、閾値時間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定した場合には(ステップS102でNo)、ステップS102で待機する。駆動部41は、閾値時間が経過したと判定した場合には(ステップS102でYes)、処理をステップS104に進める。
【0053】
駆動部41は、ステップS104において、第2のリレーRLに、第2の駆動信号Sを出力する。
【0054】
第2のリレーRLは、第2の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第2のリレーRLがオン状態になると、電源3→第3のリレーRL→第2のリレーRL→第2の容量性回路12→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第2のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0055】
なお、駆動部41は、ステップS102で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS104において第2のリレーRLに第2の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第3のリレーRLは、接点間が接触している。
【0056】
もし、駆動部41が、ステップS102で閾値時間が経過するまで待機しないで、直ぐに、第2のリレーRLに第2の駆動信号Sを出力したとすると、第3のリレーRLの接点間が接触するよりも先に、第2のリレーRLの接点間が接触してしまう可能性がある。この場合、第2のリレーRLの接点間には、突入電流が流れない。従って、第2のリレーRLでは、接点間にアークが発生せず、接点表面の被膜を除去できず、接点間の導通を良好に維持できない。
【0057】
しかしながら、第1の実施の形態では、駆動部41は、ステップS102で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS104において第2のリレーRLに第2の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第3のリレーRLは、接点間が接触している。従って、駆動部41は、第2のリレーRLの接点間にアークを確実に発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0058】
フローチャートの説明に戻る。駆動部41は、ステップS106において、閾値時間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定した場合には(ステップS106でNo)、ステップS106で待機する。駆動部41は、閾値時間が経過したと判定した場合には(ステップS106でYes)、処理をステップS108に進める。
【0059】
駆動部41は、ステップS108において、第1のリレーRLに、第1の駆動信号Sを出力する。
【0060】
第1のリレーRLは、第1の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第1のリレーRLがオン状態になると、電源3→第3のリレーRL→第2のリレーRL→第1のリレーRL→第1の容量性回路11→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第1のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0061】
なお、駆動部41は、ステップS106で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS108において第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第2のリレーRLは、接点間が接触している。
【0062】
もし、駆動部41が、ステップS106で閾値時間が経過するまで待機しないで、直ぐに、第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力したとすると、第2のリレーRLの接点間が接触するよりも先に、第1のリレーRLの接点間が接触してしまう可能性がある。この場合、第1のリレーRLの接点間には、突入電流が流れない。従って、第1のリレーRLでは、接点間にアークが発生せず、接点表面の被膜を除去できず、接点間の導通を良好に維持できない。
【0063】
しかしながら、第1の実施の形態では、駆動部41は、ステップS106で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS108において第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第2のリレーRLは、接点間が接触している。従って、駆動部41は、第1のリレーRLの接点間にアークを確実に発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0064】
このように、リレー回路装置1では、第1のリレーRL、第2のリレーRL及び第3のリレーRLの全部で、突入電流によるアークが接点間に発生する。従って、リレー回路装置1は、第1のリレーRL、第2のリレーRL及び第3のリレーRLの全部で、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0065】
(第1の実施の形態の変形例)
図5は、第1の実施の形態の変形例のリレー回路装置の回路構成を示す図である。リレー回路装置1Aは、制御部4Aを含む。制御部4Aは、閾値電圧記憶部43を含む。更に、リレー回路装置1Aは、第2のコンデンサ12aの電圧を検出する電圧センサ52と、第3のコンデンサ13aの電圧を検出する電圧センサ53と、を含む。
【0066】
第2のコンデンサ12a及び第3のコンデンサ13aの各々は、突入電流が流れると、電荷が蓄積され、電圧が上昇する。従って、駆動部41は、第3のコンデンサ13aの電圧により、第3のリレーRLの接点間が接触したことを判定できる。同様に、駆動部41は、第2のコンデンサ12aの電圧により、第2のリレーRLの接点間が接触したことを判定できる。
【0067】
閾値電圧記憶部43は、予め定められた閾値電圧を、記憶する。閾値電圧は、第2のコンデンサ12a及び第3のコンデンサ13aの各々に突入電流が流れ、電荷が蓄積されたと判定できる電圧を、表す。閾値電圧は、電源3の電圧と、第2のコンデンサ12a及び第3のコンデンサ13aの各々の静電容量と、に基づいて、設定されると良い。閾値電圧は、有線通信又は無線通信経由で書き換え可能であっても良い。
【0068】
図6は、第1の実施の形態の変形例のリレー回路装置の動作を示すフローチャートである。
【0069】
駆動部41は、ステップS100において、第3のリレーRLに、第3の駆動信号Sを出力する。
【0070】
第3のリレーRLは、第3の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第3のリレーRLがオン状態になると、電源3→第3のリレーRL→第3の容量性回路13→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第3のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0071】
駆動部41は、ステップS103において、第3のコンデンサ13aの電圧が閾値電圧に達したか否かを判定し、達していないと判定した場合には(ステップS103でNo)、ステップS103で待機する。駆動部41は、第3のコンデンサ13aの電圧が閾値電圧に達したと判定した場合には(ステップS103でYes)、処理をステップS104に進める。
【0072】
駆動部41は、ステップS104において、第2のリレーRLに、第2の駆動信号Sを出力する。
【0073】
第2のリレーRLは、第2の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第2のリレーRLがオン状態になると、電源3→第3のリレーRL→第2のリレーRL→第2の容量性回路12→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第2のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0074】
なお、駆動部41は、ステップS103で、第3のコンデンサ13aの電圧が閾値電圧に達するまで待機している。従って、駆動部41がステップS104において第2のリレーRLに第2の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第3のリレーRLは、接点間が接触している。
【0075】
もし、駆動部41が、ステップS103で第3のコンデンサ13aの電圧が閾値電圧に達するまで待機しないで、直ぐに、第2のリレーRLに第2の駆動信号Sを出力したとすると、第3のリレーRLの接点間が接触するよりも先に、第2のリレーRLの接点間が接触してしまう可能性がある。この場合、第2のリレーRLの接点間には、突入電流が流れない。従って、第2のリレーRLでは、接点間にアークが発生せず、接点表面の被膜を除去できず、接点間の導通を良好に維持できない。
【0076】
しかしながら、第1の実施の形態の変形例では、駆動部41は、ステップS103で、第3のコンデンサ13aの電圧が閾値電圧に達するまで待機している。従って、駆動部41がステップS104において第2のリレーRLに第2の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第3のリレーRLは、接点間が接触している。従って、駆動部41は、第2のリレーRLの接点間にアークを確実に発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0077】
フローチャートの説明に戻る。駆動部41は、ステップS107において、第2のコンデンサ12aの電圧が閾値電圧に達したか否かを判定し、達していないと判定した場合には(ステップS107でNo)、ステップS107で待機する。駆動部41は、第2のコンデンサ12aの電圧が閾値電圧に達したと判定した場合には(ステップS107でYes)、処理をステップS108に進める。
【0078】
駆動部41は、ステップS108において、第1のリレーRLに、第1の駆動信号Sを出力する。
【0079】
第1のリレーRLは、第1の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第1のリレーRLがオン状態になると、電源3→第3のリレーRL→第2のリレーRL→第1のリレーRL→第1の容量性回路11→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第1のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0080】
なお、駆動部41は、ステップS107で、第2のコンデンサ12aの電圧が閾値電圧に達するまで待機している。従って、駆動部41がステップS108において第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第2のリレーRLは、接点間が接触している。
【0081】
もし、駆動部41が、ステップS106で第2のコンデンサ12aの電圧が閾値電圧に達するまで待機しないで、直ぐに、第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力したとすると、第2のリレーRLの接点間が接触するよりも先に、第1のリレーRLの接点間が接触してしまう可能性がある。この場合、第1のリレーRLの接点間には、突入電流が流れない。従って、第1のリレーRLでは、接点間にアークが発生せず、接点表面の被膜を除去できず、接点間の導通を良好に維持できない。
【0082】
しかしながら、第1の実施の形態の変形例では、駆動部41は、ステップS106で、第2のコンデンサ12aの電圧が閾値電圧に達するまで待機している。従って、駆動部41がステップS108において第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第2のリレーRLは、接点間が接触している。従って、駆動部41は、第1のリレーRLの接点間にアークを確実に発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0083】
このように、リレー回路装置1Aでは、第1のリレーRL、第2のリレーRL及び第3のリレーRLの全部で、突入電流によるアークが接点間に発生する。従って、リレー回路装置1Aは、第1のリレーRL、第2のリレーRL及び第3のリレーRLの全部で、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0084】
また、駆動部41は、第2のコンデンサ12a又は第3のコンデンサ13aの電圧が閾値電圧に達したことで、第2のリレーRL又は第3のリレーRLの接点間が接触したことを判定できる。
【0085】
これにより、駆動部41は、一律に閾値時間(最長時間(maximal)が例示)を待たなくても、次のリレーに駆動信号を出力できる。これにより、リレー回路装置1Aは、一律に閾値時間を待つ場合に比べて、動作に要する時間を短縮することが可能である。
【0086】
また、第2のリレーRL又は第3のリレーRLが仕様を満たさない個体であり、駆動信号が入力されてから閾値時間(最長時間(maximal)が例示)が経過しても接点間が接触しない場合も考えられる。この場合であっても、駆動部41は、第1のリレーRL、第2のリレーRL及び第3のリレーRLの全部で、突入電流によるアークを接点間に発生させることができる。従って、リレー回路装置1Aは、第1のリレーRL、第2のリレーRL及び第3のリレーRLの全部で、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0087】
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態のリレー回路装置の回路構成を示す図である。リレー回路装置61は、第1の実施の形態のリレー回路装置1と比較して、第3のリレーRLと、第3の容量性回路13と、を含んでいない。
【0088】
電源3の正極は、第4のノードNに接続されている。
【0089】
リレー回路装置61は、その他の点では、リレー回路装置1と同様であるので、説明を省略する。
【0090】
図8は、第2の実施の形態のリレー回路装置の動作を示すフローチャートである。
【0091】
駆動部41は、ステップS200において、第2のリレーRLに、第2の駆動信号Sを出力する。
【0092】
第2のリレーRLは、第2の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第2のリレーRLがオン状態になると、電源3→第2のリレーRL→第2の容量性回路12→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第2のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0093】
駆動部41は、ステップS202において、閾値時間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定した場合には(ステップS202でNo)、ステップS202で待機する。駆動部41は、閾値時間が経過したと判定した場合には(ステップS202でYes)、処理をステップS204に進める。
【0094】
駆動部41は、ステップS204において、第1のリレーRLに、第1の駆動信号Sを出力する。
【0095】
第1のリレーRLは、第1の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第1のリレーRLがオン状態になると、電源3→第2のリレーRL→第1のリレーRL→第1の容量性回路11→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第1のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0096】
なお、駆動部41は、ステップS202で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS204において第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第2のリレーRLは、接点間が接触している。
【0097】
もし、駆動部41が、ステップS202で閾値時間が経過するまで待機しないで、直ぐに、第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力したとすると、第2のリレーRLの接点間が接触するよりも先に、第1のリレーRLの接点間が接触してしまう可能性がある。この場合、第1のリレーRLの接点間には、突入電流が流れない。従って、第1のリレーRLでは、接点間にアークが発生せず、接点表面の被膜を除去できず、接点間の導通を良好に維持できない。
【0098】
しかしながら、第2の実施の形態では、駆動部41は、ステップS202で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS204において第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第2のリレーRLは、接点間が接触している。従って、駆動部41は、第1のリレーRLの接点間にアークを確実に発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0099】
このように、リレー回路装置61では、第1のリレーRL及び第2のリレーRLの全部で、突入電流によるアークが接点間に発生する。従って、リレー回路装置61は、第1のリレーRL及び第2のリレーRLの全部で、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0100】
なお、第2の実施の形態を、第1の実施の形態の変形例と同様に、変形しても良い。即ち、リレー回路装置61は、第2のコンデンサ12aの電圧を検出する電圧センサを含んでも良い。そして、駆動部41は、第2のコンデンサ12aの電圧が閾値電圧に達したことで、第2のリレーRLの接点間が接触したことを判定しても良い。
【0101】
これにより、駆動部41は、一律に閾値時間(最長時間(maximal)が例示)を待たなくても、次のリレーに駆動信号を出力できる。これにより、リレー回路装置61は、一律に閾値時間を待つ場合に比べて、動作に要する時間を短縮することが可能である。
【0102】
また、第2のリレーRLが仕様を満たさない個体であり、駆動信号が入力されてから閾値時間(最長時間(maximal)が例示)が経過しても接点間が接触しない場合も考えられる。この場合であっても、駆動部41は、第1のリレーRL及び第2のリレーRLの全部で、突入電流によるアークを接点間に発生させることができる。従って、リレー回路装置61は、第1のリレーRL及び第2のリレーRLの全部で、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0103】
(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態のリレー回路装置の回路構成を示す図である。リレー回路装置71は、第1の実施の形態のリレー回路装置1と比較して、第4のリレーRLと、第4の容量性回路14と、を更に含む。
【0104】
リレー回路装置71がリレー回路装置1と相違する点について説明し、リレー回路装置1と同一の点については説明を省略する。
【0105】
第4のリレーRLは、一端が第5のノードNに接続され、他端が第6のノードNに接続されている。
【0106】
第4の容量性回路14は、第4のコンデンサ14aと、第4の抵抗14bとが直列接続された、RC直列回路である。第4の容量性回路14は、一端が第1のノードNに接続され、他端が第5のノードNに接続されている。
【0107】
電源3の正極は、第6のノードNに接続されている。
【0108】
図10は、第3の実施の形態のリレー回路装置の動作を示すフローチャートである。
【0109】
駆動部41は、ステップS300において、第4のリレーRLに、第4の駆動信号Sを出力する。
【0110】
第4のリレーRLは、第4の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第4のリレーRLがオン状態になると、電源3→第4のリレーRL→第4の容量性回路14→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第4のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0111】
駆動部41は、ステップS302において、閾値時間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定した場合には(ステップS302でNo)、ステップS302で待機する。駆動部41は、閾値時間が経過したと判定した場合には(ステップS302でYes)、処理をステップS304に進める。
【0112】
駆動部41は、ステップS304において、第3のリレーRLに、第3の駆動信号Sを出力する。
【0113】
第3のリレーRLは、第3の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第3のリレーRLがオン状態になると、電源3→第4のリレーRL→第3のリレーRL→第3の容量性回路13→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第3のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0114】
なお、駆動部41は、ステップS302で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS304において第3のリレーRLに第3の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第4のリレーRLは、接点間が接触している。
【0115】
もし、駆動部41が、ステップS302で閾値時間が経過するまで待機しないで、直ぐに、第3のリレーRLに第3の駆動信号Sを出力したとすると、第4のリレーRLの接点間が接触するよりも先に、第3のリレーRLの接点間が接触してしまう可能性がある。この場合、第3のリレーRLの接点間には、突入電流が流れない。従って、第3のリレーRLでは、接点間にアークが発生せず、接点表面の被膜を除去できず、接点間の導通を良好に維持できない。
【0116】
しかしながら、第3の実施の形態では、駆動部41は、ステップS302で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS304において第3のリレーRLに第3の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第4のリレーRLは、接点間が接触している。従って、駆動部41は、第3のリレーRLの接点間にアークを確実に発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0117】
フローチャートの説明に戻る。駆動部41は、ステップS304において、第3のリレーRLに、第3の駆動信号Sを出力する。
【0118】
第3のリレーRLは、第3の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第3のリレーRLがオン状態になると、電源3→第4のリレーRL→第3のリレーRL→第3の容量性回路13→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第3のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0119】
駆動部41は、ステップS306において、閾値時間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定した場合には(ステップS306でNo)、ステップS306で待機する。駆動部41は、閾値時間が経過したと判定した場合には(ステップS306でYes)、処理をステップS308に進める。
【0120】
駆動部41は、ステップS308において、第2のリレーRLに、第2の駆動信号Sを出力する。
【0121】
第2のリレーRLは、第2の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第2のリレーRLがオン状態になると、電源3→第4のリレーRL→第3のリレーRL→第2のリレーRL→第2の容量性回路12→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第2のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0122】
なお、駆動部41は、ステップS306で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS308において第2のリレーRLに第2の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第3のリレーRLは、接点間が接触している。
【0123】
もし、駆動部41が、ステップS306で閾値時間が経過するまで待機しないで、直ぐに、第2のリレーRLに第2の駆動信号Sを出力したとすると、第3のリレーRLの接点間が接触するよりも先に、第2のリレーRLの接点間が接触してしまう可能性がある。この場合、第2のリレーRLの接点間には、突入電流が流れない。従って、第2のリレーRLでは、接点間にアークが発生せず、接点表面の被膜を除去できず、接点間の導通を良好に維持できない。
【0124】
しかしながら、第3の実施の形態では、駆動部41は、ステップS306で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS308において第2のリレーRLに第2の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第3のリレーRLは、接点間が接触している。従って、駆動部41は、第2のリレーRLの接点間にアークを確実に発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0125】
フローチャートの説明に戻る。駆動部41は、ステップS310において、閾値時間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定した場合には(ステップS310でNo)、ステップS310で待機する。駆動部41は、閾値時間が経過したと判定した場合には(ステップS310でYes)、処理をステップS312に進める。
【0126】
駆動部41は、ステップS312において、第1のリレーRLに、第1の駆動信号Sを出力する。
【0127】
第1のリレーRLは、第1の駆動信号Sが入力されると、オン状態になり、接点間が接触する。第1のリレーRLがオン状態になると、電源3→第4のリレーRL→第3のリレーRL→第2のリレーRL→第1のリレーRL→第1の容量性回路11→電源3の経路に、突入電流が流れる。これにより、駆動部41は、第1のリレーRLの接点間にアークを発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0128】
なお、駆動部41は、ステップS310で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS312において第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第2のリレーRLは、接点間が接触している。
【0129】
もし、駆動部41が、ステップS310で閾値時間が経過するまで待機しないで、直ぐに、第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力したとすると、第2のリレーRLの接点間が接触するよりも先に、第1のリレーRLの接点間が接触してしまう可能性がある。この場合、第1のリレーRLの接点間には、突入電流が流れない。従って、第1のリレーRLでは、接点間にアークが発生せず、接点表面の被膜を除去できず、接点間の導通を良好に維持できない。
【0130】
しかしながら、第3の実施の形態では、駆動部41は、ステップS310で、閾値時間が経過するまで待機している。従って、駆動部41がステップS312において第1のリレーRLに第1の駆動信号Sを出力するタイミングでは、第2のリレーRLは、接点間が接触している。従って、駆動部41は、第1のリレーRLの接点間にアークを確実に発生させることができ、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0131】
このように、リレー回路装置71では、第1のリレーRL、第2のリレーRL、第3のリレーRL及び第4のリレーRLの全部で、突入電流によるアークが接点間に発生する。従って、リレー回路装置1は、第1のリレーRL、第2のリレーRL、第3のリレーRL及び第4のリレーRLの全部で、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0132】
なお、第3の実施の形態を、第1の実施の形態の変形例と同様に、変形しても良い。即ち、リレー回路装置71は、第2のコンデンサ12a、第3のコンデンサ13a及び第4のコンデンサ14aの電圧を夫々検出する3個の電圧センサを含んでも良い。そして、駆動部41は、第4のコンデンサ14aの電圧が閾値電圧に達したことで、第4のリレーRLの接点間が接触したことを判定しても良い。同様に、駆動部41は、第3のコンデンサ13aの電圧が閾値電圧に達したことで、第3のリレーRLの接点間が接触したことを判定しても良い。同様に、駆動部41は、第2のコンデンサ12aの電圧が閾値電圧に達したことで、第2のリレーRLの接点間が接触したことを判定しても良い。
【0133】
これにより、駆動部41は、一律に閾値時間(最長時間(maximal)が例示)を待たなくても、次のリレーに駆動信号を出力できる。これにより、リレー回路装置71は、一律に閾値時間を待つ場合に比べて、動作に要する時間を短縮することが可能である。
【0134】
また、第2のリレーRL、第3のリレーRL又は第4のリレーRLが仕様を満たさない個体であり、駆動信号が入力されてから閾値時間(最長時間(maximal)が例示)が経過しても接点間が接触しない場合も考えられる。この場合であっても、駆動部41は、第1のリレーRL、第2のリレーRL、第3のリレーRL及び第4のリレーRLの全部で、突入電流によるアークを接点間に発生させることができる。従って、リレー回路装置71は、第1のリレーRL、第2のリレーRL、第3のリレーRL及び第4のリレーRLの全部で、接点表面の被膜を除去でき、接点間の導通を良好に維持できる。
【0135】
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0136】
1、1A、61、71、100、110 リレー回路装置
2、104 負荷回路
3、105 電源
11 第1の容量性回路
11a 第1のコンデンサ
11b 第1の抵抗
12 第2の容量性回路
12a 第2のコンデンサ
12b 第2の抵抗
13 第3の容量性回路
13a 第3のコンデンサ
13b 第3の抵抗
14 第4の容量性回路
14a 第4のコンデンサ
14b 第4の抵抗
4、106 制御部
41 駆動部
42 閾値時間記憶部
43 閾値電圧記憶部
52、53 電圧センサ
111 容量性回路
第1のノード
第2のノード
第3のノード
第4のノード
第5のノード
第6のノード
RL 第1のリレー
RL 第2のリレー
RL 第3のリレー
RL 第4のリレー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10