(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
H02B 13/055 20060101AFI20220207BHJP
H01H 33/662 20060101ALI20220207BHJP
H02B 13/035 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
H02B13/055 D
H01H33/662 R
H02B13/035 331
(21)【出願番号】P 2018086522
(22)【出願日】2018-04-27
【審査請求日】2021-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】細野 喬文
(72)【発明者】
【氏名】中山 靖章
(72)【発明者】
【氏名】仲野 秀作
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-062572(JP,A)
【文献】特開2002-325319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 13/00-13/08
H01H 33/60-33/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性ガスが封入されている密閉容器と、該密閉容器内に配置されている固定側接点及び固定側接点と接触して通電する可動側接点を有した
複数の真空バルブと、該真空バルブの外部の固定側及び可動側にそれぞれ配置された固定側及び可動側シールド電極と、前記固定側シールド電極と前記密閉容器との間に配置された固定側絶縁支持部材と、前記可動側シールド電極と前記密閉容器との間に配置された可動側絶縁支持部材と、前記密閉容器の外部に前記真空バルブの前記可動側接点に連結された操作器とを備えた開閉装置であって、
前記密閉容器内の前記真空バルブ
が3相分並設して配置されている空間
Aと、
前記真空バルブの
並設方向に対して水平方向に直交する方向の前記真空バルブ
が配置されている側とは反対側の
前記真空バルブが配置されていない空間
Bとが絶縁壁で仕切られている
と共に、
前記絶縁壁は、該絶縁壁の上部及び下部と前記密閉容器の間と、前記真空バルブの並設方向の側端部と前記密閉容器の間が気密に接触しないように配置され、前記空間Bから加熱されていない前記絶縁性ガスを前記絶縁壁の下部と前記密閉容器の間から前記空間Aに取り込み、前記空間Aに取り込まれて加熱された前記絶縁性ガスを前記絶縁壁の上部と前記密閉容器の間から前記空間Bに流れ込むようにしたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉装置であって、
3相分並設して配置されている前記真空バルブのうちの中央に配置されている前記真空バル
ブの空間
Aと
前記空間Bとが
、前記絶縁壁で仕切られていることを特徴とする開閉装置。
【請求項3】
請求項1に記載の開閉装置であって、
前記真空バルブの
並設方向に隣り合う前記真空バルブ間と
前記空間A及び前記空間Bが
、前記絶縁壁で仕切られていることを特徴とする開閉装置。
【請求項4】
請求項1に記載の開閉装置であって、
3相分並設して配置されている前記真空バルブのうちの中央に配置されている前記真空バル
ブは、前記真空バルブの
並設方向に隣り合う前記真空バルブ間と、
前記空間B側に配置された前記絶縁壁で囲われていることを特徴とする開閉装置。
【請求項5】
請求項4に記載の開閉装置であって、
前記絶縁壁は、断面コ字状に形成されていることを特徴とする開閉装置。
【請求項6】
請求項1に記載の開閉装置であって、
3相分並設して配置されている前記真空バルブのうちの前記密閉容器の
前記真空バルブの並設方向側面側に配置された
前記真空バルブは、前記密閉容器側と、
前記真空バルブの並設方向に隣り合う前記真空バルブ間と、
前記空間B側に配置された前記絶縁壁で囲われていることを特徴とする開閉装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の開閉装置であって、
前記密閉容器の
前記真空バルブの並設方向側面側に配置された
前記真空バルブは、前記密閉容器側と、
前記真空バルブの並設方向に隣り合う前記真空バルブ間と、
前記空間B側に配置された前記絶縁壁で囲われていると共に、
3相分並設して配置されている前記真空バルブのうちの中央に配置されている前記真空バルブは、
前記真空バルブの並設方向に隣り合う前記真空バルブ間と
、前記空間B側に配置された前記絶縁壁で囲われていることを特徴とする開閉装置。
【請求項8】
請求項
7に記載の開閉装置であって、
前記絶縁壁は、断面コ字状に形成されていることを特徴とする開閉装置。
【請求項9】
請求項
8に記載の開閉装置であって、
3相分並設して配置され
ている前記真空バルブは、全ての前記真空バルブの各々が断面コ字状の前記絶縁壁で囲われていることを特徴とする開閉装置。
【請求項10】
請求項1に記載の開閉装置であって、
前記密閉容器の
前記真空バルブの並設方向側面側に配置された前記真空バルブは、
前記真空バルブの並設方向に隣り合う前記真空バルブ間と
、前記空間B側に配置された絶縁壁で囲われていることを特徴とする開閉装置。
【請求項11】
請求項
10に記載の開閉装置であって、
前記絶縁壁は、断面L字状に形成されていることを特徴とする開閉装置。
【請求項12】
請求項
11に記載の開閉装置であって、
3相分並設して配置され
ている前記真空バルブは、前記密閉容器の
前記真空バルブの並設方向側面側に配置された前記真空バルブが
、断面L字状の前記絶縁壁で囲われていることを特徴とする開閉装置。
【請求項13】
請求項3乃至
12のいずれか1項に記載の開閉装置であって、
前記真空バルブの並設方向に隣り合う前記真空バルブ間と、前記密閉容器の
前記真空バルブの並設方向側面側に配置された前記絶縁壁の前記操作器側の先端は、前記固定側及び可動側シールド電極と前記固定側及び可動側絶縁支持部材の接続部より前記絶縁支持部材側に突き出ていることを特徴とする開閉装置。
【請求項14】
請求項1乃至
13のいずれか1項に記載の開閉装置において、
前記空間Aと前記空間
Bとを仕切る前記絶縁壁、若しくは前記
空間B側に配置された前記絶縁壁は、前記固定側及び可動側絶縁支持部材とは反対側の前記固定側シールド電極と前記可動側シールド電極の側面の両方、又は一方に固定されていることを特徴とする開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は開閉装置に係り、特に、絶縁性ガスが封入されている密閉容器内に真空遮断器の真空バルブを収納しているものに好適な開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、絶縁性ガスが封入されている密閉容器内に真空遮断器の真空バルブを収納している開閉装置は、運転状態(真空バルブが閉状態)で連続的に通電した場合、真空バルブやその周囲の固定側シールド電極と可動側シールド電極が発熱してしまう。
【0003】
具体的には、通電部の導体と、真空バルブ内の固定側接点と可動側接点の接触部と、真空バルブの固定側と固定側シールド電極の接触部と、真空バルブの可動側と可撓導体の接触部と、可撓導体と可動側シールド電極の接触部で通電によるジュール熱が発生する。ジュール熱の対策には、導体断面積の増加や接触部の接触抵抗値の低減が効果的である。
【0004】
しかし、導体断面積を増加すると真空バルブのサイズが大きくなり、また、接触抵抗値の低減には、接圧を増加する必要があり、必然的にボルトサイズや操作力増加に伴う操作器のサイズが大きくなってしまう。
【0005】
ジュール熱の対策を施した開閉装置に関する従来技術としては、特許文献1を挙げることができる。
【0006】
この特許文献1には、電流の流通するタンク内の接触部や導体からのジュール熱によるタンク内の温度上昇を抑制し、定格電流の増加又はガス絶縁開閉装置の小型化を実現するために、タンク内のガスを強制循環させるファンが設けられたガス絶縁開閉装置が記載されている。
【0007】
特許文献1に記載されているファンは、タンク内のガスを少なくとも天井と底面に沿って強制循環させる位置に設けられ、前記ファンは、タンク内のガスを側壁に沿って上昇させると共に、天井に沿って移動させ対面の側壁に沿って下降させて循環を生じさせ、内部機器の熱をタンクの外面から大気に放出させて内部を冷却するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献1に記載のガス絶縁開閉装置は、タンク内に充填したガスを強制循環させるファンにより、タンク内の熱を大気に放出させて、温度上昇を抑制するようにしている。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載されているガス絶縁開閉装置の構成は、ファン本体、ファンの電源をタンク内部に引き込むための気密端子や電源ケーブルなどを設ける必要があり、部品点数が増加する。
【0011】
また、ファンの羽部や駆動部の故障、或いは電源ケーブルの断線が発生した場合、ファンによる強制循環ができなくなり、その結果、タンク内の温度が上昇し、タンク内のガス圧増加や絶縁耐力の低下などが発生し、重大な事故に進展する可能性がある。
【0012】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、密閉容器(タンク)内にファンを設けることなく、真空バルブの温度上昇を抑制でき、真空バルブの小形化が図れる開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の開閉装置は、上記目的を達成するために、絶縁性ガスが封入されている密閉容器と、該密閉容器内に配置されている固定側接点及び固定側接点と接触して通電する可動側接点を有した複数の真空バルブと、該真空バルブの外部の固定側及び可動側にそれぞれ配置された固定側及び可動側シールド電極と、前記固定側シールド電極と前記密閉容器との間に配置された固定側絶縁支持部材と、前記可動側シールド電極と前記密閉容器との間に配置された可動側絶縁支持部材と、前記密閉容器の外部に前記真空バルブの前記可動側接点に連結された操作器とを備えた開閉装置であって、
前記密閉容器内の前記真空バルブが3相分並設して配置されている空間Aと、前記真空バルブの並設方向に対して水平方向に直交する方向の前記真空バルブが配置されている側とは反対側の前記真空バルブが配置されていない空間Bとが絶縁壁で仕切られていると共に、
前記絶縁壁は、該絶縁壁の上部及び下部と前記密閉容器の間と、前記真空バルブの並設方向の側端部と前記密閉容器の間が気密に接触しないように配置され、前記空間Bから加熱されていない前記絶縁性ガスを前記絶縁壁の下部と前記密閉容器の間から前記空間Aに取り込み、前記空間Aに取り込まれて加熱された前記絶縁性ガスを前記絶縁壁の上部と前記密閉容器の間から前記空間Bに流れ込むようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、密閉容器(タンク)内にファンを設けることなく、真空バルブの温度上昇を抑制でき、真空バルブの小形化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の開閉装置の実施例1を示し、開閉装置を横断面した平面図である。
【
図3】本発明の開閉装置の実施例2を示し、開閉装置を横断面した平面図である。
【
図4】本発明の開閉装置の実施例3を示し、開閉装置を横断面した平面図である。
【
図5】本発明の開閉装置の実施例4を示し、開閉装置を横断面した平面図である。
【
図6】本発明の開閉装置の実施例5を示し、開閉装置を横断面した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図示した実施例に基づいて本発明の開閉装置を説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用する。
【実施例1】
【0017】
図1及び
図2は、本発明の開閉装置の実施例1を示すものである。
【0018】
該図に示すように、本実施例の開閉装置は、六フッ化硫黄や乾燥空気に代表される主成分が窒素と酸素からなる混合ガスなどの絶縁性ガス2を大気圧以上に封入された複数の接地電位の密閉容器3と、この密閉容器3に収納された遮断器、断路器及び接地開閉器と、これら遮断器、断路器及び接地開閉器をそれぞれ駆動する操作器8とで概略構成される。
【0019】
図1及び
図2は、上述した遮断器を真空遮断器とし、この真空遮断器の真空バルブ1を、絶縁性ガス2が封入された密閉容器3に収納した構成を示すものである。
【0020】
真空遮断器は、真空バルブ1と、真空バルブ1の固定側に接続された固定側シールド電極4と、真空バルブ1の可動側に配置された可動側シールド電極5と、真空バルブ1の可動側と可動側シールド電極5を接続する図示しない可撓導体と、固定側シールド電極4を支持すると共に、固定側シールド電極4と密閉容器3の電気的な絶縁を担い、エポキシ樹脂などの絶縁材料からなる固定側絶縁支持部材6と、可動側シールド電極5を支持すると共に、可動側シールド電極5と密閉容器3との電気的な絶縁を担い、エポキシ樹脂などの絶縁材料からなる可動側絶縁支持部材7と、密閉容器3の外部に配置された操作器8の駆動を、真空バルブ1の可動側に伝えるリンク部9とを備えている。
【0021】
また、真空バルブ1は、内部圧力がおよそ10-2Pa以下の真空で保たれた真空容器内に固定側接点と可動側接点が収納され、密閉容器3の外部に配置された操作器8の駆動に連動して可動側接点が駆動することで、固定側接点と可動側接点の接離、即ち、真空バルブ1の開状態と閉状態を切り替えることができる。
【0022】
そして、本実施例では、密閉容器3内の真空バルブ1側の空間Aと、真空バルブ1側とは反対側の空間Bを概略仕切るように、絶縁壁10Aが配置されている。
【0023】
上述した絶縁壁10Aは、固定側絶縁支持部材6及び可動側絶縁支持部材7とは反対側の固定側シールド電極4と可動側シールド電極5の側面の両方、又は一方で固定されている。
【0024】
図1及び
図2に示した絶縁壁10Aは、その側端部10A1と上部10A2及び下部10A3が密閉容器3に接触していない
。また、絶縁壁10Aは、エポキシ樹脂でもよいが、エポキシ樹脂より比重が小さいガラエポ材などでもよい。
【0025】
このように構成される本実施例の開閉装置は、真空バルブ1やその周囲の固定側シールド電極4と可動側シールド電極5の温度上昇を抑制できる。以下に、真空バルブ1やその周囲の固定側シールド電極4と可動側シールド電極5の温度上昇を抑制できる理由を述べる。
【0026】
即ち、通電によるジュール熱で真空バルブ1やその周囲の固定側シールド電極4と可動側シールド電極5の温度が上昇すると、真空バルブ1やその周囲の固定側シールド電極4と可動側シールド電極5の周囲の絶縁性ガス2が加熱され、加熱された絶縁性ガス2は対流で上昇する。
【0027】
密閉容器3内の真空バルブ1側の空間Aと、真空バルブ1側とは反対側の空間Bは絶縁壁10Aが配置されているため、煙突効果により真空バルブ1側の空間Aの下側から加熱されていない絶縁性ガス2が取り込まれる。真空バルブ1側の空間Aに取り込まれ加熱された絶縁性ガス2は、密閉容器3の天板3Aで冷却されて真空バルブ1側とは反対側の空間Bに流れ、この空間Bから下降するため、
図2の密閉容器3内に示した矢印の対流を作り出すことができる。
【0028】
その結果、真空バルブ1やその周囲の固定側シールド電極4と可動側シールド電極5の温度上昇を抑制することができるため、真空バルブ1の導体断面積の増加や各接触部における接圧の増加を抑えることができ、真空バルブ1と操作器8の小形化、即ち、真空遮断器の小形化を実現することができる。
【0029】
従って、本実施例によれば、密閉容器3内にファンを設けることなく、真空バルブ1の温度上昇を抑制でき、真空バルブ1の小形化、即ち、真空遮断器の小形化を図ることができる。
【実施例2】
【0030】
図3は、本発明の開閉装置の実施例2を示すものである。実施例1と同様な部分については説明を省略する。
【0031】
該図に示す本実施例の開閉装置は、密閉容器3内の真空バルブ1側の空間Aと真空バルブ1側とは反対側の空間Bの間が絶縁壁10B1で、隣り合う真空バルブ1間が絶縁壁10B2で概略仕切られ、しかも、隣り合う真空バルブ1間に配置された絶縁壁10B2の操作器8側の先端10B3が、固定側及び可動側シールド電極4及び5と固定側及び可動側絶縁支持部材6及び7の接続部よりも固定側及び可動側絶縁支持部材6及び7側に突き出ている。
【0032】
上述した絶縁壁10B1は、固定側絶縁支持部材6及び可動側絶縁支持部材7とは反対側の固定側シールド電極4と可動側シールド電極5の側面の両方、又は一方で固定されている。
【0033】
また、絶縁壁10B1と絶縁壁10B2は一体に形成されてもよいし、両者を樹脂(エポキシ樹脂等)で接合するか、或いは両者を樹脂(エポキシ樹脂等)のネジで接合してもよい。
【0034】
なお、絶縁壁10B1の側端部10B4と上部及び下部(図示せず)は、実施例1と同様に密閉容器3に接触していない。
【0035】
このように構成される本実施例の開閉装置は、実施例1と同様な効果を得ることができるが、温度上昇が大きい真空バルブ1を積極的に冷却することができる。
【0036】
また、隣り合う真空バルブ1間に絶縁壁10B2が配置されているため、真空バルブ1間の絶縁耐力が向上し、真空バルブ1間の距離、所謂相間距離を短くすることができる。
【0037】
更に、隣り合う真空バルブ1間に配置された絶縁壁10B2の操作器8側の先端10B3が、固定側及び可動側シールド電極4及び5と固定側及び可動側絶縁支持部材6及び7の接続部より固定側及び可動側絶縁支持部材6及び7側に突き出ているため、万が一、真空バルブ1若しくは固定側及び可動側シールド電極4及び5から放電が発生した場合でも、接地電位の密閉容器3に放電するため、相間絶縁破壊を回避することができる。
【実施例3】
【0038】
図4は、本発明の開閉装置の実施例3を示すものである。実施例2と同様な部分については説明を省略する。
【0039】
該図に示すように、本実施例の開閉装置は、中央の真空バルブ1が、中央の真空バルブ1の隣り合う真空バルブ1間に配置された絶縁壁10C2と、固定側及び可動側絶縁支持部材6及び7側(真空バルブ1側でもある)とは反対側に配置された絶縁壁10C1とで囲われており、この絶縁壁10C1と絶縁壁10C2で、断面コ字状の絶縁壁を形成している。
【0040】
通常、真空バルブ1は3相(u相、v相、w相)並設して配置されているが、本実施例では、そのうちの中央に配置される真空バルブ1が上記した断面コ字状の絶縁壁で囲われている。
【0041】
また、上述した絶縁壁10C1は、固定側絶縁支持部材6及び可動側絶縁支持部材7とは反対側の固定側シールド電極4と可動側シールド電極5の側面の両方、又は一方で固定されている。
【0042】
このように構成される本実施例の開閉装置は、冷却に関してはおよそ実施例1と同様な効果を、絶縁に関しては実施例2と同様な効果を得ることができる。
【実施例4】
【0043】
図5は、本発明の開閉装置の実施例4を示すものである。実施例3と同様な部分については説明を省略する。
【0044】
該図に示すように、本実施例の開閉装置は、中央の真空バルブ1は、隣り合う真空バルブ1間に配置した絶縁壁10D2と、固定側及び可動側絶縁支持部材6及び7側(真空バルブ1側でもある)とは反対側に配置した絶縁壁10D1で囲われ、更に、密閉容器3の側面側に配置された真空バルブ1は、密閉容器3側に配置した絶縁壁10D3と、隣り合う真空バルブ1間に配置した絶縁壁10D2と、固定側及び可動側絶縁支持部材6及び7とは反対側に配置した絶縁壁10D1で囲われている。
【0045】
中央の真空バルブ1を囲んでいる絶縁壁10D2と絶縁壁10D1で、断面コ字状の絶縁壁を形成し、密閉容器3の側面側に配置された真空バルブ1を囲んでいる絶縁壁10D3と絶縁壁10D2及び絶縁壁10D1で、断面コ字状の絶縁壁を形成している。
【0046】
通常、真空バルブ1は3相(u相、v相、w相)並設して配置されているが、本実施例では、全ての真空バルブ1が上記した断面コ字状の絶縁壁で囲われている。
【0047】
また、上述した絶縁壁10D1は、固定側絶縁支持部材6及び可動側絶縁支持部材7とは反対側の固定側シールド電極4と可動側シールド電極5の側面の両方、又は一方で固定されている。
【0048】
このように構成される本実施例の開閉装置は、真空バルブ1が個別に冷却されることになるため、実施例3より冷却効率を向上することができ、真空バルブ1を小形化することができる。
【実施例5】
【0049】
図6は、本発明の開閉装置の実施例5を示すものである。実施例4と同様な部分については、説明を省略する。
【0050】
該図に示すように、本実施例の開閉装置は、密閉容器3の側面側に配置された真空バルブ1は、隣り合う真空バルブ1間に配置した絶縁壁10E2と、固定側及び可動側絶縁支持部材6及び7(真空バルブ1側でもある)側とは反対側に配置した絶縁壁10E1で囲われており、絶縁壁10E2と絶縁壁10E1で、断面L字状の絶縁壁を形成している。
【0051】
通常、真空バルブ1は3相(u相、v相、w相)並設して配置されているが、本実施例では、密閉容器3の側面側に配置された真空バルブ1が上記した断面L字状の絶縁壁で囲われている。
【0052】
また、上述した絶縁壁10E1は、固定側絶縁支持部材6及び可動側絶縁支持部材7とは反対側の固定側シールド電極4と可動側シールド電極5の側面の両方、又は一方で固定されている。
【0053】
このように構成される本実施例の開閉装置は、実施例3と同様な効果を得ることができる。
【0054】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0055】
1…真空バルブ、2…絶縁性ガス、3…密閉容器、3A…密閉容器の天板、4…固定側シールド電極、5…可動側シールド電極、6…固定側絶縁支持部材、7…可動側絶縁支持部材、8…操作器、9…リンク部、10A、10B1、10B2、10C1、10C2、10D1、10D2、10D3、10E1、10E2…絶縁壁、10A1…絶縁壁の側端部、10A2…絶縁壁の上部、10A3…絶縁壁の下部、10B3…絶縁壁の先端、10B4…絶縁壁の側端部、A…真空バルブ側の空間、A…真空バルブ側とは反対側の空間。