(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】透析液回路、制御デバイス及び血液処理装置のための流体を加熱する加熱デバイスを調整するための方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20220207BHJP
【FI】
A61M1/16 171
A61M1/16 169
(21)【出願番号】P 2018539412
(86)(22)【出願日】2017-01-27
(86)【国際出願番号】 EP2017051848
(87)【国際公開番号】W WO2017129791
(87)【国際公開日】2017-08-03
【審査請求日】2020-01-22
(31)【優先権主張番号】102016101648.9
(32)【優先日】2016-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501276371
【氏名又は名称】フレセニウス・メディカル・ケア・ドイチュラント・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】クレーフェル、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】エンデル、ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】シュレレト、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】バルドルツ、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】エーレンベルゲル、バルター
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-014863(JP,A)
【文献】特開昭63-178307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00 - 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口を介して透析液回路の流入部に流れた及び/又は流れる流体を加熱するための加熱デバイスを調整及び/又は監視するための方法を実行、達成又は遂行するようにプログラムされ、又は、構成された制御及び調整デバイスであって、前記透析液回路は血液処理装置の部分であり、前記透析液回路は、前記流体を受け入れるための容器、及び、上記流体を加熱するための加熱容器を備え、前記制御及び調整デバイスは、
前記流体による前記容器の充填レベルが
、前記入口を介した直接的又は間接的流入によって、少なくとも1回予め決められた充填レベル値に到達したときにのみ、前記容器に流体連通している前記加熱容器内の前記流体を加熱するための加熱プロセスを開始するようにプログラムされ、又は、構成される、
制御及び調整デバイス。
【請求項2】
前記加熱プロセスは、前記充填レベルが前記予め決められた充填レベル値に数回、特に、2回、3回、4回あるいは5回到達したときにのみ開始する、請求項1に記載の制御及び調整デバイス。
【請求項3】
前記加熱容器内の前記流体を加熱するための前記加熱プロセスは、前記流入部への流入及び/又は前記容器からの流出が妨げられた後、生じなかった後、あるいは、発生しなかった後にのみ開始する、請求項1-2のいずれか一項に記載の制御及び調整デバイス。
【請求項4】
前記加熱容器内の前記流体を加熱するための前記加熱プロセスは、流体がバランスチャンバから流出したときにのみ、あるいは、その後にのみ開始する、請求項1-3のいずれか一項に記載の制御及び調整デバイス。
【請求項5】
前記容器内の前記予め決められた充填レベル値の前記到達は、機械式充填レベルメータ及び/又は電導センサ及び/又は光学センサによって決定される、請求項1-4のいずれか一項に記載の制御及び調整デバイス。
【請求項6】
前記入口からの前記流体は流体貯蔵器に格納され、続いて、前記流体は前記加熱容器に流れ、その後、前記加熱容器から前記容器へオーバーフローによって流れる、請求項1-5のいずれか1項に記載の制御及び調整デバイス。
【請求項7】
前記流体は、熱交換器によって追加的に加熱され、前記熱交換器は、特に前記バランスチャンバからの透析液によって灌流される、請求項1-6のいずれか一項に記載の制御及び調整デバイス。
【請求項8】
前記制御及び調整デバイスは、
前記容器内の前記充填レベルを監視するようにプログラムされ、又は、構成され、前記加熱プロセスは、前記充填レベルが前記予め決められた充填レベル値より下降したときに一時停止あるいは停止される、請求項1-7のいずれか一項に記載の制御及び調整デバイス。
【請求項9】
前記加熱プロセスを開始するために、特に再循環モードでは、前記容器の前記充填レベルは、ある時間期間T1にわたって前記予め決められた充填レベル値に到達していなければならない、請求項1-8のいずれか一項に記載の制御及び調整デバイス。
【請求項10】
前記制御及び調整デバイスによって、
前記加熱容器内で前記加熱プロセスを開始又は終了すること、
前記容器内の前記充填レベルを監視すること、及び、
前記入口から前記流体貯蔵器及び/又は前記容器を充填するためにチェックバルブを開閉すること、
のうちの少なくとも1つのステップが制御又は調整される、請求項1-9のいずれか一項に記載の制御及び調整デバイス。
【請求項11】
請求項1-10のいずれか一項に記載の制御及び調整デバイスを少なくとも備える、血液処理装置。
【請求項12】
流体で充填される容器であって、前記容器の前記予め決められた充填レベル値が到達されたか否かを検知するためのユニットを有した前記容器と、前記容器と流体連通し、前記流体を加熱するための加熱デバイスを有した加熱容器と、前記流体を前記血液処理装置の透析液回路に転送するためのデバイスと、を少なくとも有する、請求項11に記載の血液処理装置。
【請求項13】
貯蔵器又は前記容器は入口からの流体で充填されるように配置されており、及び/又は、前記血液処理装置は熱交換器及び/又は濃縮物を加えるための少なくとも1つの接続を備える、請求項11又は12に記載の血液処理装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、請求項1による流体を加熱するための加熱デバイスを調整及び/又は監視する方法に関する。また、本発明は、請求項11による制御又は調整デバイス、及び、請求項12による血液処理装置に関する。さらに、本発明は、請求項15によるデジタル記録媒体、請求項16によるコンピュータプログラム製品、及び、請求項17によるコンピュータプログラムに関する。
【0002】
血液処理装置のための透析液は、透析液回路に導入される前に、異なる方法で提供される。例えば、水は、外部水供給システムから取り出され、又は、取り除かれ、透析液回路のために準備される。このような準備は、透析液を製造するための種々の準備ステップが実行されるフロー回路又は水入口システム(a water inlet system)において、実施されてもよい。水又は完成した透析液は、次に、加熱デバイスによって加熱され、血液フィルタ又は透析装置が一体化された透析回路に導入される。
【0003】
本発明の目的は、血液処理のための流体を加熱する加熱デバイスを制御、調整及び/又は監視するための方法を提供することである。加えて、適合した装置、適合したデジタル記録媒体、適合したコンピュータプログラム製品、及び、適合したコンピュータプログラムも提供される。
【0004】
この目的は、請求項1の構成を有する方法によって達成される。また、請求項11の構成を有する制御または調整デバイス及び請求項12の構成を有する血液処理装置によって達成されてもよい。加えて、請求項15の構成を有するデジタル記録媒体、請求項16の構成を有するコンピュータプログラム製品、およひ、請求項17の構成を有するコンピュータプログラムによっても達成さてもよい。
【0005】
本発明により、透析液回路の流入部への入口を通って流れている流体又は流れた流体を加熱するために、加熱デバイスを制御、調整及び/又は監視するための方法が提案される(「制御」または「調整」の用語は、ここでは、代替的又は交換可能として理解されるべきであり、本発明は両方の意味を包含している。)。流体は水でもよく、例えば、外部水供給システムから搬送される。透析液回路は、血液処理装置の部分又は血液処理装置に接続されている。透析液回路は、流体を受け入れるための容器(a container)、流体を加熱するための加熱容器を備え、加熱容器はこの容器と流体連通している。
【0006】
本方法は、容器の充填レベルが、特に直接的又は間接的な流入によって、予め決められた充填レベル値(又は予め決められた充填レベル)に少なくとも一度又は最初に到達したとき、加熱容器中の流体を加熱するための加熱プロセスを開始することを含んでいる。
【0007】
本発明による方法のいくつかのステップ又は全ステップは、例えば、本発明により、対応するようにプログラムされまたは構成された制御デバイスまたは調整デバイスにより実行されるなど、自動化された方法で実行されてもよい(「制御デバイス」又は「調整デバイス」は、ここでは代替的又は交換可能として理解されるべきである。)。制御デバイスは、本発明による方法のステップを、開始又は導入、有効化、実行又は実施するように、プログラムされ及び/又は構成されてもよい。
【0008】
本発明による血液処理装置は、少なくとも本発明による制御デバイスを備えるか、又は、信号通信でそこに接続される。
【0009】
本発明による、特に不揮発性のデジタル記録媒体、特に、特にフロッピー(登録商標)ディスク、CD、EPROMまたはDVDの形式のように、特に、電気的又は光学的に読み取り可能な制御信号を有する機械読み取り可能なデータ記録媒体は、本発明による方法の機械によるステップ(machine-induced steps)が実行されるようにプログラマブル・コンピュータシステムと相互作用してもよい。
【0010】
本発明によるコンピュータプログラム製品は、機械読み取り可能な媒体上に不揮発で記録されたプログラムコード、又は、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに、本発明による方法の機械によるステップを実行するための信号波形を備える。本発明によれば、コンピュータプログラム製品は、例えば、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムとして、コンピュータプログラムを有する包括的システムとして組み込まれたシステムとして(例えば、コンピュータプログラムを有する電子デバイス)、コンピュータに実装されたコンピュータプログラムのネットワークとして(例えば、クライアントーサーバシステム、クラウドシステム等)、又は、コンピュータ製品がロードされ、実行され、保存され、又は、開発されたコンピュータとして、理解することができる。
【0011】
ここで使用される「機械読み取り可能な媒体」との用語は、本願発明によるある例示的な実施態様において、ソフトウエア及び/又はハードウエアによって解釈可能なデータ又は情報を含む媒体を表している。その媒体は、(フロッピー)ディスク、CD、DVD、USBスティック、フラッシュカード、SDカード又は類似したもののようなデータ媒体又はキャリアであってもよい。
【0012】
本発明によるコンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されたとき、本発明による方法の機械によるステップを実行するためのプログラムコードを備える。本発明によるコンピュータプログラムは、例えば、コンピュータプログラムを備えた物理的、配布準備された(ready-for-distribution)ソフトウエア製品として理解できる。
【0013】
本発明による方法の機械実行されるステップの全て又はいくつかが実行される点は、本発明によるデジタル記録媒体、本発明によるコンピュータプログラム製品及び本発明によるコンピュータプログラムにも適用される。特に、上述したように、本発明による血液処理装置との相互作用の場合に適用される。
【0014】
記載全体において、「・・・してもよい」、「・・・を有してもよい」などの表現の使用は、それぞれ「好ましくは・・・である」又は「好ましくは・・・を有する」などと同義であり、本発明による更なる例示的な実施態様を説明することを意図するものである。
【0015】
本発明による実施態様は、組み合わせが技術的に不可能であると当業者によって認識されない場合には、以下の構成のいくつか又はすべての任意の組み合わせを含んでもよい。本発明の有利な改良は、また、従属請求項の主題でもある。
【0016】
ここで数値的な用語が記載されている場合はいつでも、当業者はそれらを数値的な下限を示すものとして認識し、又は、理解すべきである。当業者を明らかに矛盾に導くものでなければ、当業者は、例えば「1つ」との記載事項を常に「少なくとも1つ」と理解すべきである。また、例えば、「1つ」のような数値用語は、代替的に、「正確に1つ」を意味してもよいとの理解も、それが当業者にとって明らかに技術的に可能であるならば、解釈として本発明に同様に包含される。両者が本発明に含まれており、ここでは、すべての使用されている数値用語に適用される。
【0017】
「上部」、「下部」との表示は、当業者にとって不確かさがある場合には、意図された用法の中で、それぞれのコンポーネントの位置づけに関連して、絶対的又は相対的な空間的表示として理解されるべきである。
【0018】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、透析液回路への流入部は水回路又は水入口システムである。流入部は、液圧システムとして記述されてもよい。入口は、外部水供給システム又は水ラインシステムからの入口であってもよい。入口は、水入口であってもよい。
【0019】
以下では、「流体」の用語が「水」の用語と同義的に使用されるが、しかし、それによって流体を水に限定するわけではない。流体は、透析液回路への流入部に適していれば、他の媒体、特に他の液体であってもよい。
【0020】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、充填レベルが予め決められた充填レベル値よりも低いレベル値に相当する充填レベル、すなわち、容器が比較的に空のレベルから、容器が比較的フルのレベルであって予め決められた充填レベル又はそれより上の充填レベルに相当する充填レベルに変化するとき、予め決められた充填レベル値に到達する。
【0021】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、予め決められた充填レベル値は限界値又は閾値である。
【0022】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、充填レベル値が「下方から(coming from below)」到達したとき、容器が完全に充填されたことを示す。代替的に、容器の実際の充填レベルにかかわらず、予め決められた充填レベル値に到達したとき、容器が十分又は完全に充填されたとみなされる。
【0023】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、充填レベル値が、「上から(coming from above)」到達したとき、容器は空であることを示す。代替的に、容器の実際の充填レベルにかかわらず、充填レベルが予め決められた充填レベル値より下に移行又は下降したとき、容器は十分に充填されていない、又は不十分に充填されていることを示す。
【0024】
「空(Empty)」及び「充填された(filled)」は、例えば、それぞれ、空の容器に流体が全くないこと、及び、充填された状態で容器にはこれ以上の流体を加えることができないことという理解に限定されるべきではない。
【0025】
充填レベル値に到達したり下回ったりすることは、むしろ、例えば入口へのバルブを開閉するといった情報に反応する制御デバイスのための情報として、理解されてもよい。
【0026】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、充填レベル値は、容器が完全に充填されたことを示している。代替的に、容器の実際の充填レベルにかかわらず、予め決められた充填レベル値に到達したとき、容器は十分に又は完全に充填されたとみなされる。
【0027】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱プロセスは、充填レベルが予め決められた充填レベル値に数回、例えば、2回、3回、4回又は5回到達したときにのみ開始される。
【0028】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱容器内で流体を加熱するための加熱プロセスを開始することは、流入部への流入後、及び/又は、例えばアラームのために透析装置を停止又は流入を停止した後のように、容器からの流出が妨げられたり、生じなかったりした後にのみ開始される。
【0029】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱容器内の流体を加熱するための加熱プロセスの開始は、加えて(又は一度だけ加えて)流体が血液処理装置のバランスチャンバから流れる場合にのみ始まる。これは、特に、バランスチャンバからの流れが妨げられたり、生じなかったりした後に適用される。
【0030】
バランスチャンバにより、常に、予め決められた量がポンプで汲みだされるが、ポンプでその量が汲みだされるフェーズの間にはバルブスイッチフェーズが存在し、そのバルブスイッチフェーズにおいてバランスチャンバのバルブが切り替えられる。バルブスイッチフェーズの間では、流れは生じない。しかし、この説明では、これらのバルブスイッチフェーズは、流れが存在するフェーズに属している。連続的に動作するバランスチャンバでは、この説明による別の言い方をすれば、流れはバルブスイッチフェーズの期間内にも存在し、本発明の方法によれば、加熱を開始することは、これが短期間な流れの停止を生じたとしても、これらのバルブスイッチフェーズの中又は期間内で制御されない。この意味で、ポンプ装置又はバランスチャンバの設計又は制御により、不連続又はパルス状の流れが生成されるフェーズもフローフェーズとして、すなわち、バランスチャンバからの流れが妨げられたり停止されたりするフェーズではないとして、理解されるべきである。
【0031】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱容器は容器の上流又は下流に配置され、両方の容器は1本又は数本の接続ラインによって流体連通している。容器と加熱容器は、1ユニットの設計でもよいし、お互いに直接接続されていてもよい。容器と加熱容器は1つのユニット内又は1つのハウジング内に配置されてもよいし、例えば、仕切り壁及び/又はオーバーフローシステム及び/又はチューブシステム又はパイプシステムで、お互いに流体連通されていてもよい。
【0032】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱プロセスを開始することは加熱作用を強化し、そして、加熱容器内に十分な充填レベル又は流体がないときでさえ、たとえば、流体が通常の動作中に流れて加熱デバイスによって加熱される加熱容器の損傷、又は、ブラウン加熱ロッド(a blown heating rod)による加熱又は高熱により、加熱デバイスが損傷しないような低い加熱レベルから開始する。これらの実施態様では、加熱活動を開始することは、スタンバイ加熱モード(a stand-by heating mode)から出ることと理解されてもよい。
【0033】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱デバイスは加熱ロッドであってもよい。加熱ロッドは、加熱容器に下部から又は上部から挿入されてもよい。加熱ロッドは、2つの領域を備えるように設計されてもよい。加熱スパイラルのような熱発生エレメントが第1の領域に配置されてもよく、このエレメントは、第2の領域で外部と接触する。ここで、第1の領域は、その接触から離れた加熱ロッドの遠端に配置される。加熱ロッドが下部から挿入された場合、それぞれの加熱ロッドのレベル以下に液体レベルが減少して、加熱ロッドの上部終端でエアークッション又はエアーポケットが形成されると、加熱ロッドの第1の領域の高温に加熱された領域が液体で覆われないことが直接的に生じ、したがって、オーバーヒートによる潜在的ダメージに速く又はさらに速く帰着する。加熱ロッドが上部から挿入されたときは、最初に第2の領域は流体に触れないため、加熱容器中のエアーポケットは、オーバーヒートによるダメージ問題にすぐには帰着しないであろう。
【0034】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱プロセスを停止することは加熱効果を減少又は削減するが、高い加熱レベルから始めて、例えばたとえ加熱容器内の十分な充填レベル又は流体がないとしても、例えば、ブラウン加熱ロッド又はオーバーヒートによる加熱により、加熱デバイスは損傷を受けないような加熱モードに加熱動作を移行する。いくつかの実施態様では、加熱動作を停止することは、例えば、スタンバイ加熱モードへの移行として理解されてもよい。
【0035】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱プロセスは、最初に、充填レベルが予め決められた充填レベル値より下降し、続いて、容器の充填後、予め決められた充填レベル値に到達するか、そこを超えるときにのみ開始される。別の言い方をすれば、これらの実施態様における充填レベルは、最初に、例えば、空の容器又は充填が不十分又は不足した容器を示す充填レベルにまで下降しなければならない。続いて、すなわち、容器が初期的に十分に充填されていない状態になった後にのみ、容器は充填され、予め決められた充填レベル又は充填レベル値に到達し、そして、後者に到達した後にのみ加熱プロセスが開始する。このような手順は、加熱容器が確実に充填されなければならないことを確実にし、そして、空の加熱容器で加熱プロセスを開始すること排除することができる。これは、容器の上流に加熱容器が配置されているときに、特に重要である。この例では、加熱容器も充填されたときにのみ、容器が充填されることが期待される。これは、加熱容器が十分に充填されたときにのみ、加熱プロセスが開始されることを確実にする。
【0036】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、容器の充填レベルは、機械式の充填レベルメータ、電導センサ(a conductivity sensor)、光学センサ又はこれらの任意の組み合わせによって決定される。
【0037】
機械式の充填レベルメータは、例えば、充填レベルで移動するフロートである。フロートに取り付けられた、又は、接続された位置センサにより、充填レベルは電気信号として調整デバイス又は制御デバイスに転送される。機械式の充填レベルメータは機械式センサとして記述されてもよい。
【0038】
充填レベルメータは、フロートスイッチのようなスイッチを備えてもよい。スイッチが開いているとき、容器は充填されたとされるか、及び/又は、予め決められたレベル値に到達したとされる。スイッチが閉じているとき、容器は再充填される。これにより、充填量があるレベル値を下回らないことを確実にし、要求された反応時間を提供するとともに、加熱容器が空にならないという有利さを有する。スイッチに接続された回路は、水の充填レベルが動いたり、変化したりしたとき、不必要な再充填が生じないようにあるヒステリシスを考慮して構成されてもよい。
【0039】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、入口からの流体は、最初に流体貯蔵器に格納される。続いて、流体は、加熱容器に流入し、その後、オーバーフローにより、加熱容器から容器へと流れる。
【0040】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、流体は、熱交換器によって追加的に加熱される。熱交換器は、透析液(すなわち、使用済み透析液又は透析装置から取り出された透析液)を透析液回路から転送し、透析液の熱を流体に移してもよい。そして、透析液は、熱交換器の下流で処理されてもよい。
【0041】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱デバイス及び/又は熱交換器によって加熱された流体は、バランスチャンバによって、透析液回路の流入部から透析液回路内に搬送される。
【0042】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱容器は、加熱容器内の流体の温度を測定するために構成された温度センサを備える。
【0043】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱プロセスを開始するために、特に再循環モードでは、容器の充填レベルは時間期間T1にわたって予め決められた充填レベル値に到達しているか、又は、超えていなければならない。
【0044】
予め決められた時間期間後に加熱を開始することは、特に、再循環モードにおいて作動してもよい。血液処理装置は、例えば、処置モードや再循環モードのような異なるモードで作動してもよい。処置モードでは、流体は、流入部と透析液回路を備える液圧装置に加えられ、そこから引き出されるが、再循環モードでは、流体は、そのシステムに加えられたり引き出されたりすることなく循環する。これにより、容器内のレベルはほぼ一定に維持され、それゆえに、充填レベルメータ又はフロートは「充填された」容器であることを示す。この再循環モードは、例えば、少なくともクリーニングモードの間、特にホットクリーニングの間作動してもよく、クリーニングモードでは、充填レベルメータ又はフロートが容器の充填プロセスを示す動きをしないときにでさえ、加熱デバイスを開始しなければならない。一定の充填レベルで加熱をスタートさせるために、このモードでは、予め決められた充填レベル値に連続して到達した予め決められた時間期間の終了後に、上述した開始が許可される。
【0045】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱容器内での加熱プロセスを開始又は終了すること、容器内の充填レベル又は充填レベルメータを監視すること、及び、入口を通って流体貯蔵器及び/又は容器を充填するためにチェックバルブを開閉すること、とのステップの少なくとも1つが制御デバイスによって制御又は調整される。
【0046】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、血液処理装置は、容器と、予め決められた容器の充填レベル値に到達しているかを検出するユニットと、容器と流体連通し、流体を加熱するための加熱デバイスを有する加熱容器と、及び、流体を血液処理装置の透析液回路に転送又は搬送するためのデバイスとを少なくとも有する。
【0047】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、透析液回路への流体の充填又は転送のためのユニットは、バランスチャンバを備え、又は、バランスチャンバとして設計されている。
【0048】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、血液処理装置は、例えば入口又は外部入口から流体を充填するように調整された貯蔵器を備える。
【0049】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、血液処理装置は、熱交換器及び/又は少なくとも濃縮物を加えるための接続を備える。
【0050】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、第1ステップで流体は流体貯蔵器に格納され、次に第2ステップで、流体充填レベルを決定するために、流体貯蔵器から容器へ能動的又は受動的にオーバーフローする。これらの実施態様では、流体貯蔵器と容器の間には加熱容器は配置されていない。加熱容器は、容器の下流に配置されてもよい。
【0051】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、加熱容器は容器の下流に配置される。
【0052】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、透析液回路の流入部は、流体を脱気するための脱気チャンバ及び/又は少なくとも1つの空気分離チャンバを備える。
【0053】
例えば、流体内の負圧が流体案内ライン内に配置された脱気スロットルにより生成され、ガス(ほとんど空気)が流体から解放される。解放されたガスは、その下流に配置された脱気チャンバで収集される。更に下流に配置された空気分離チャンバにおいて、ガスが出口ラインによって排出されてもよい。他のソースからの空気、例えば、濃縮物供給ラインからの空気は、空気分離チャンバで捕獲され、収集され、分離されてもよい。脱気及び/又は空気分離は、空気が透析回路に導入されるのを有効に妨げる。
【0054】
本発明による血液処理装置は、透析、血液透析、血液透析濾過、濾過又はアフェレシスのために使用されてもよい。
【0055】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、制御デバイスは、個別のパラメータを制御及び/又は調整するためにプログラムされる。パラメータ状態は、例えば、加熱デバイスのスイッチングのオン/オフに関連する。制御デバイスは、電圧を供給するための電源供給を有する電子回路を備えてもよい。制御デバイスは、コントローラ又は制御装置と称されてもよい。トライアック(Triacs:交流のためのトライオード)が加熱デバイスを制御するために使用されてもよい。そして、加熱容器内の加熱プロセスのスイッチオン又はスイッチオフが、制御デバイスによって制御及び/又は調整されてもよい。さらに、充填レベルメータが監視され、及び/又は、流体貯蔵器を充填するためのチェックバルブが制御デバイスによって開閉されてもよい。
【0056】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、測定ユニット、機械式流体レベルメータ及び/又は機械式センサは、例えば、予め決められた充填レベルH1に到達したか否か、容器はフルか否か、容器は空か否かのように、単に2つの異なる相互に排他的な二値状態を有する。これにより、いくつかの実施態様では、測定ユニット、機械式流体レベルメータ及び/又は機械式センサが2つの状態のみを区別する制御信号を制御デバイスに転送する。いくつかの実施態様において、この制御信号は、例えば、測定ユニット、機械式流体レベルメータ及び/又は機械式センサがヒステリシスを示すこと、すなわち、その状態が以前の状態に依存することを包含する。例えば、「容器フル」の状態は、後で上方から到達したときは、その状態が下方から到達したときとは別の閾値を有してもよい。本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、ヒステリシスは、制御デバイスによって全体的に又は少なくとも部分的に生成される。
【0057】
いくつかの実施態様において、測定ユニットは2つ以上の状態をとるデバイスではない。特に、それらの実施態様において、測定ユニットは、ホール効果による位置検出器ではない。
【0058】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、制御デバイスは、比例積分微分コントローラ(PIDコントローラ)を有しておらず、特に、水の流入のためのものは有していない。
【0059】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、制御デバイスのコントローラ、特に水の流入のためのものは安定コントローラ(steady controller)ではなく、特に不安定コントローラでもなく、特に2点コントローラ(two-point-controller)でもない。
【0060】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、容器及び/又は加熱容器は脱気チャンバ及び/又は空気分離チャンバではない。
【0061】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、容器及び/又は加熱容器の上流及び/又は下流には脱気チャンバ及び/又は空気分離チャンバがある。
【0062】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、測定ユニット、機械式流体レベルメータ、機械式センサ及び/又はフロートが容器内に配置され、とくに、容器の上流または下流にある脱気チャンバ及び/又は空気分離チャンバには配置されない。
【0063】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、容器及び/又は加熱容器は、容器内に存在する液体を脱気するための本体、特にプラスチック本体は含んでいない。特に、容器及び/又は加熱容器は、本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、ポリプロピレンからできた本体、例えばシリンダ及び/又は球体を含んでいない。
【0064】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、制御デバイスは、固定された長さの期間内又はその間に、入口においてバルブをスイッチオン及び/又はスイッチオフすることはない。
【0065】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、制御デバイスは、入口においてバルブのスイッチ関係及び/又はデューティファクタを計算しない。
【0066】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、入口において、入口から容器内又は流体貯蔵器内への流体の流入を測定するセンサはない。他の実施態様においては、少なくとも1つのそのようなセンサが存在する。
【0067】
本発明によるいくつかの例示的な実施態様では、制御デバイスは、入口で測定された流れに依存することなく加熱の状態を制御する。
【0068】
本発明による、いくつか又はすべての実施態様は、上述した又は次に示す有利さの1つまたはいくつかを備えてもよい。
【0069】
本発明による方法は、流体の加熱のために透析液回路の流入部に設けられた加熱デバイス及び/又は加熱容器の損傷を有利に防いでもよい。
【0070】
この方法は、例えばあまりに早期の加熱又は所望しない時点で生じた加熱による加熱デバイスのオーバーヒートを有利に防ぐことができる。これは、例えば流体が流入部から透析液回路に搬送された後であって、例えば入口から加熱容器に流れた新鮮な流体の量がまだ十分ではない場合である。しかしながら、水がない(running dry)と称されるこのような状態は、いずれの場合でも、充分に充填されていない加熱容器に帰着してもよい。加熱容器が少なくとも十分に充填されていない間に加熱デバイスを動作させることは、加熱デバイスを損傷するかもしれない。これは、安全面の理由、経済面の理由及び/又は治療面の理由のために避けるべきである。本発明は、こういった損傷を防ぐことに貢献する。
【0071】
さらに、流れがないうちに加熱デバイスを開始することは、流体の局所加熱となって、加熱容器又はそこに接続されるチューブの損傷に至るかもしれない。極端な場合には、加熱は流体の蒸発につながるかもしれない。空の容器の加熱は、損傷を生ずるかもしれない。ここで、本発明による方法により、加熱容器が充填されていることを確かめることは、有利な可能性を有する。
【0072】
本発明において、加熱容器が有利に充填されるように、搬送される量は追加的に選択可能であってもよい。
【0073】
本発明は、これ以降、添付図面に基づいて例示的に説明されるが、同一の参照番号は同じ又は類似した要素を参照する。以下は、部分的に大きく単純化された図面において適用される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】
図1は、本発明による第1の実施態様の装置を示しており、血液処理装置は、充填レベルを測定するための容器、及び、上流には加熱デバイスを備えた加熱容器を有する。
【
図2】
図2は、本発明による第2の実施態様の装置を示しており、血液処理装置は、充填レベルを測定するための容器、及び、下流には加熱デバイスを備えた加熱容器を有する。
【
図3】
図3は、本発明による方法を概略的に単純化した例示的な実施態様を示しており、充填レベルの変化を検出することと、加熱プロセスを開始することを包含する。
【
図4】
図4は、流体を加熱するための加熱デバイスを調整及び/又は監視するための本発明による方法を、概略的に単純化した例示的な実施態様を示している。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1は、第1の単に例示的な実施態様であり、流体11のための容器1を有する装置100を示している。装置100は、本発明による血液処理装置200又はその一部に接続されている。容器1は、少なくとも、流体11の充填レベルを測定するために使用される。充填レベルは容器1に基づくか又は関連しており、そして、測定は容器1内で行われる。装置100は、さらに容器1の上流(
図1の左)に配置された加熱容器3を備え、加熱容器3に含まれる場合には、流体11を温めたり加熱したりするための加熱デバイス5を有する。容器1と加熱容器3は、この実施態様では、例示的には、一つのユニットとして(一つの物理的ユニットとして)具体化される。
【0076】
貯蔵器7は、加熱容器3のさらに上流に配置されてもよく、そこには、流体11が入口9から流入してもよい。入口9は、外部入口9と称されてもよく、ここでは、流体11は例示的に、例えば水供給システムのような外部ラインセクションを通して供給されてもよい。入口9はチェックバルブ131によって開閉されてもよい。
【0077】
図1の実施態様では、入口9は水供給システムに接続されている。すなわち、流体11は水であり、これ以降水11として参照する。しかしながら、これにより流体を水に限定すべきではない。
【0078】
水11は、オプション的に、加熱容器3と貯蔵器7の間に配置された接続ライン360を通って、貯蔵器7から加熱容器3へと流れてもよい。同様に、例えば、2つの容器間の部分的な浸透性分離壁によって、加熱容器3と貯蔵器7の間の直接接続があってもよい。接続ライン360は、オプション的に熱交換器17に接続される。水11の流れる方向は、矢印によって示されている。加熱容器3内と貯蔵器7内の水レベルはオプション的に同じであり、すなわち、接続ライン360により両方の容器の間では均圧となっている。
【0079】
加熱デバイス5に加えて、熱交換器17は水11を加熱する。熱交換器17を灌流する暖かい流体は、バランスチャンバ19から熱交換器17に搬送されるが、それは、バランスチャンバ19の下流に配置されている図示されていない本発明による血液処理装置200の透析液回路からの使用済み透析液である。透析液は、熱交換器17を灌流した後、例えば処分システムに流れる。単なる例示として、さらなるチェックバルブが熱交換器17の出口ラインに備えられる。「使用済み透析液」は、ここでは透析液回路の少なくとも1つ以上のセクションを灌流する透析液を称するが、処置の間、血液処理のために使用される透析装置の下流に配置される。透析装置は、バルブ133の下流とバルブ134の上流に配置される。
【0080】
加熱デバイス5によって加熱容器3内でさらに加熱された水11は、オーバーフロー方向21によって図示されるように、オーバーフローによって容器1に流れる。
【0081】
容器1の水レベル又は充填レベルは、センサ又は充填レベルメータによって決定されるが、
図1では、機械式センサ又はフロート27と称される機械式充填レベルメータ27として純粋に例示的に具体化されている。充填レベルメータ27は、代替的に又は追加的に、例えば電導センサ、光学センサ又は別のセンサであってもよい。
【0082】
フロート27の位置は、容器1内の充填レベル又はレベルによって、フロート27の垂直偏移方向29で変化する。概略的に図示されている測定ユニット31は、充填又は少なくともほぼ充填された容器1を示したり知らせる充填レベルH1、特にあらかじめ決められた充填レベルH1を検知する。ここに示されていない別の実施態様では、代替的に、フロート27は、概略的に示された測定ユニット31によりフロート27のそれぞれの現在位置を測定したり知らせてもよい。
【0083】
測定ユニット31の測定信号は、制御又は調整デバイス33(短くは、制御デバイス33)に転送される。制御デバイス33により又はその中で、異なる測定信号が受信され、処理され、出力されてもよい。
【0084】
加熱された水11は、容器1から接続ライン361を通って脱気チャンバ35に流れる。負圧によって水からガスを解放するいわゆる脱気スロットルが、オプション的に接続ライン361に配置されてもよい。水11から解放されたガスは脱気チャンバ35に収集され、そのガスは脱気チャンバ35の上方に上がる(これは、脱気チャンバ35の上方領域にある小さなバブルによって示されている)。
【0085】
続いて、水11は更なる接続ライン362を通って空気分離器23に流れる。ポンプ25が接続ライン362に配置される。このポンプ25によって、水11は少なくとも容器1から脱気チャンバ35へ、そこから空気分離器23へ、そして、そこから更なる接続ライン363を通って更にバランスチャンバ19へとポンプで汲み出され、または搬送される。少なくとも水11の一部は、オプション的に、空気分離器23から搬送され、接続ライン364を通って加熱容器3に戻るように搬送されてもよい。例えば、水11は、接続ライン363を通ってバランスチャンバ19に到達することなく、泡と大いに混合されて戻されてもよい。
【0086】
少なくとも、加熱デバイス5をスイッチオン又はスイッチオフするための制御信号は、制御デバイス33によって出力される制御又は調整信号(短くは、制御信号)に含まれるようになっている。さらに、入口9を開閉するためのチェックバルブ131は、バランスチャンバ19と同様、例えば単一又はいくつかのバルブの開閉のために制御又は作動されてもよい。
【0087】
加熱容器3内で水11を温めたり、加熱するための加熱プロセスは、本発明では、容器1内の充填レベルが予め決められた充填レベルH1に到達したときにのみ、加熱デバイス5のスイッチングによって開始される。
【0088】
本発明による例示的な実施態様では、加熱デバイス5は、以下に記載するように開始されるが、例えば、制御デバイス33のプロセッサによっていわゆる電源における加熱用交流トライオード(heating triodes for alternating current)をスイッチオン又は接続することにより開始される。
【0089】
フロート27は、開始位置において、最初は、予め決められた充填レベル値H1の上または下の任意の位置を採ることができ、例えば、容器の下部領域内(これは、空の容器1であることを知らせるであろう)、中央位置又は他の位置であってもよい。フロート27が少なくとも予め決められた充填レベルH1に到達すると、これは、容器1への達成された流入を示す。この流入は、バルブ131が開の間、入口9を通って特に間接的に達成される。容器1への流入は、入口9から直接的には達成されず、むしろ、貯蔵器7、加熱容器3及びオーバーフロー21を通して間接的に達成される。予め決められた充填レベル値H1は、フロート27の上限リミットを表してもよい。
【0090】
予め決められた充填レベル値H1に到達すると、本発明による、加熱容器3内の水11を加熱するための加熱プロセスが開始される。オプション的に、加熱デバイス5をスイッチオンする前に、例えば、貯蔵器7又は接続ライン中のような他の場所や位置で水11が不足又は欠乏したことを示すフローアラーム又はウォーターアラームといった他の能動信号は必要ない。
【0091】
本発明による例示的な実施態様では、いわゆる再循環モードにおいて、流入部は水11(又は他の流体)で完全に充填され、チェックバルブ131は永続的に閉じられ、血液処理装置200への接続は短絡(short-circuited)される。血液処理装置200への接続の短絡は、例として、バルブ133と134を閉じてバルブ135を開けることによって達成される。
【0092】
代替的に、この短絡回路は、2つのバルブ133と134を過ぎた後、例えばバルブ133の下流及びバルブ134の上流でもよい(ここに示されているものとは異なる)。オプション的に、バルブ135は必要ない。この実施態様では、処置の間、透析装置に接続された透析回路の終端が直接的又は間接的にお互いに相互に連結され又は連結されるであろうということにより、短絡回路が作成されてもよい。
【0093】
さらに、熱交換器17の出口ラインは、バルブ132で閉じられる。熱交換器17から流れる水11は、バルブ136を開くことによって貯蔵器7に戻される。この設定により、流入部において閉回路が達成される。こうして、フロート27は、永続的に予め決められた充填レベル値H1を知らせる。このように、流入によって充填レベル値H1に到達したり越えたりすることは、循環モードでは起こりえない。「充填レベルH1に到達」という特徴が存在しないにも関わらず、加熱デバイス5は、例えば加熱された水11で流入部をクリーニングできるように、永続的にスイッチオンされる。制御デバイス33によって再循環モードにおけるこの永続的加熱を確実にするために、制御デバイス33は種々のスイッチモードを備えてもよい。スイッチモードは、スケジュールされた時間期間にわたって、例えばフロート27が予め決められた充填レベル値H1に到達又は越えたことの検出を認識する変数が照会されることを提供してもよい。スケジュールされた時間期間は、純粋に例示的には、10秒、12.5秒又は15秒でもよい。再循環モードでは充填レベル値H1に到達しないので、この状態は再循環モードを示すか又は知らせ、そして、加熱プロセスをスイッチオンするか又は後者が永続的にスイッチオンされたまま維持する。再循環モードの間、加熱容器3は同様に永続的に充填されるか、又は、永続的に灌流される。流れ又は灌流は、ポンプ25による再循環モードの間に達成される。
【0094】
バランスチャンバ19は、ポンプ25により印加された圧力により、接続ライン363を通ってそれぞれの開いたバルブによって充填される。チャンバが流入部からの水11(新鮮な透析液として称されてもよい)で充填されたとき、充填のために開いていたバルブは閉じられるであろう。使用済み透析液が、続いて又はその後のある時点において、本発明による血液処理装置200に接続された透析液回路から排出されるとき、ポンプ37は、水11から分離されたバランスチャンバ19の領域にこの排出されるべき透析液を転送する。透析液のバランスチャンバ19への転送を通して、新鮮な透析液がバランスチャンバ19から透析液回路に同時に排出される。これは、新鮮な透析液及び使用済み透析液を有するチャンバが膜によって分離され、一つのチャンバ側に圧力を能動的に印加することにより、適切なバルブ位置において他の一方のチャンバ側が空になることで達成される。
【0095】
図2は、充填レベルを測定するための容器1と、その下流に配置されて加熱ユニット5を備えた加熱容器3を有する第2の実施態様のデバイス100を示す。デバイス100は、本発明による血液処理装置200に接続されている。容器1と加熱容器3は、
図1とは異なって、1つの物理的ユニットとしては具体化されておらず、むしろ、お互いに空間的に分離されている。
【0096】
水11は、入口9と制御可能なバルブ131を通して容器1に導かれる。充填レベル(又はレベル)は、フロート27と測定ユニット31によって決定されてもよい。フロート27は、充填レベルに依存して垂直偏移方向29で上昇したり沈んだりする。水11は、容器1から、相互連結された熱交換器17及び脱気スロットル15を有する接続ラインを通して脱気チャンバ35に流れるが、加熱デバイス5に加えて熱交換器17において水11が温められてもよい。最初にポンプ25、続いて、水11が充填されて加熱デバイス5を有する加熱容器3が、脱気チャンバ35の下流に配置される。空気分離器23は、さらに下流に配置される。水を透析液として使用するために、例えば濃縮溶液のような流体が、接続39を通して空気分離器23内の水11に加えられてもよい。空気分離器23の下部領域にある接続ラインは、バランスチャンバ19につながる。水11は、このラインによって新鮮な透析液としてバランスチャンバ19を通して透析液回路に加えられる。空気分離器23の上部領域にある接続ラインは、最初にオプション的な圧力制限バルブ41につながり、続いて容器1と脱気チャンバ35の間の接続ラインにつながる。
【0097】
容器1内のフロート27の予め決められた充填レベル値H1を示す測定ユニット31の測定信号は、制御デバイス33によって検知されてもよい。制御デバイス33は、加熱デバイス5のスイッチングオン/オフのための制御信号を出力し、チェックバルブ131の開閉を制御し、及び、流体11を空気分離器23から供給するためにバランスチャンバ19を調整してもよい。
【0098】
本発明による例示的な実施態様では、加熱デバイス5は、制御デバイス33内の加熱リレーをスイッチオンすることによって起動される。しかしながら、この例示的な実施態様では、フロートが予め決められた充填値H1を一時的に下回った後、容器1内の予め決められた充填レベル値H1が数回達成されたときにのみ加熱リレーは作動する。例えば、充填レベルが最初に予め決められた充填レベル値H1を下回り、その後、例えばこの値を4回上回り、一時的にこの値を下回るときにのみ制御デバイス33によって加熱リレーが開始されるように定めてもよい。代替的に、最初に上回り、続いて下回り、そして予め決められた充填レベル値H1に対する一時的な下降と到達を繰り返しながら、4回上回るというシーケンスが生じた後に加熱リレーが開始されてもよい。
【0099】
この現在の例示的な実施態様では、それぞれフロート27と、一方で現在のフロートの位置を検知して他方で入口9の開閉のためにチェックバルブ131の制御するための測定ユニット31と、の間の直接的な関係及び/又は接続が存在している。入口9のチェックバルブ131は、フロート27の現在の位置によって、又は、予め決められた充填レベル値H1の到達によって制御されている。エラーなし動作では、チェックバルブ131はフロート27が低いときに開いている。水11が流入すると、フロート27が上昇する。しかしながら、入口9のチェックバルブ131が予め決められた時間期間以上、例えば、10秒、11秒又は12秒より長く開いたままになってもフロート27が依然として上昇しない場合、これは入口9からの水供給の問題を示しているかもしれない。例えば、パイプの破裂、ラインの詰まり又は他の問題の場合と同様に、原則として、水供給が中断されてもよい。中断された水供給を認識することは、空の加熱容器3やスイッチオンされた加熱デバイス5が加熱デバイス5に対する損傷に至る可能性があることから、特に重要である。
【0100】
制御デバイス33を使用して、フロート27が充填された容器1であることを示す予め決められた充填レベル値H1にあるかが、例えば電子回路により最初にチェックされる。テスト結果が否定的、すなわち、予め決められた充填レベル値H1に到達していないとき、バランスチャンバ19は作動せず、水11はバランスチャンバ19の下流に配置された透析回路に透析液として搬送されなくてもよい。この状態が長く、例えば10秒、11秒又は12秒より長く続く場合には、水不足アラームがトリガされてもよい。しかしながら、もしテスト結果が肯定的、すなわち、予め決められた充填レベル値H1に到達していればバランスチャンバ19は作動し、バランスチャンバ19の各充填サイクルの後、オプション的に、この水量が例えば空気分離器23から引き出される。その後、フロート27の充填レベルは予め決められた充填レベル値H1より下降し、チェックバルブ131を開くことによって入口9を通して水が再充填される。もし、特定の時間期間内、例えば11秒内に充填レベルが予め決められた充填レベル値H1に再び到達しないときは、水不足アラームが作動する。水不足アラームは、水が再び流入して予め決められた充填レベル値H1に新たに到達したとき、自動的に非作動となる。
【0101】
上述の水不足アラームの他に、水超過アラームも表示されてもよい。予め決められた充填レベル値H1が長い時間期間にわたって永続的に表示されたときはいつでも、水超過アラームがトリガされる。種々の理由が原因と考えられるが、これらは後述される。通常、バランスチャンバ19の充填サイクルを通じて所定のポンプ量が流入部から透析液回路に搬送され、バランスチャンバ19の充填サイクルの後にフロート27の充填レベルは下降する。しかしながら、フロート27の充填レベルがバランスチャンバ19の2番目の充填サイクルの後でさえ下降しないときは、デバイスに誤りがあるかもしれないと考えられることから、水超過アラームがオプション的にトリガ又は表示される。この場合、入口9のチェックバルブ131が、制御デバイス33によってオプション的に閉じられる。水超過アラームは、フロート27の充填レベルが再び下降したときに自動的に非作動となる。水超過アラームは、さらに、いわゆる「透析開始スイッチ」の押下を通してユーザによって確認され、それによってバランスチャンバ19の2つの更なるポンプサイクルが許容され、それを通じてさらなる水がそれぞれ引き出されて透析液回路に追加される。このステージでは、加熱デバイス5は、制御デバイス33によって既に非作動又はスイッチオフにされている。
【0102】
フロート27の充填レベルを監視することは、上述したように、例えば約12秒の時間期間に基づいて実行され、アラーム(水不足アラーム又は水超過アラーム)をトリガする。しかしながら、これは、いわゆる再循環モード、又は、例えばいわゆるホットリンス(hot rinsing)のためのクリーニングモードには適用できない。このモードでは、加熱デバイス5は常にスイッチオンされていなければならない。制御デバイス33は、再循環モードを監視し、入口9を通じた流入を生じさせずに、永続的に「充填」、「以上」又は予め決められた充填レベル値H1となるように、フロート27又は測定ユニット31をスイッチする。例えば、制御デバイス33内に配置されるような個別のスイッチが、循環モードを作動又は非作動にさせてもよい。
【0103】
再循環モードの更なる説明は、
図1の記述を参照されたい。
【0104】
図3は、本発明による方法の概略的に単純化された例示的な実施態様であり、この方法は、容器1内の充填レベルの変化を検知すること(S10)と、加熱プロセスを開始すること(S20)とを備えている。充填レベルの変化は、特に予め決められた充填レベル値H1に到達すること(及び表示すること)に相当する。予め決められた充填レベル値H1に到達することは、「少なくとも1回」到達することと理解されるべきである。繰り返して到達するには、予め決められた充填レベル値H1以下に充填レベルが一時的に下降する必要がある。したがって、ある実施態様では、加熱プロセスを開始することは、予め決められた充填レベル値H1に繰り返して到達した後にのみ、開始されてもよい。
【0105】
図4は、本発明による方法の例示的な実施態様を概略的に示したものであり、この方法は、本発明による血液処理装置200又はその一部に接続されたデバイス100を使用している。
【0106】
この方法は、オプション的なステップS1において、デバイス100の容器1における予め決められた充填レベル値H1を検知することを包含する。流体11は水でよいが、これに限定されない。流体11は液体の混合であってもよい。
【0107】
ステップS3において、この方法は、充填レベルが予め決められた充填レベル値H1を下回ったとき、容器1の充填を開始することを包含する。容器1の充填は、例えば入口9のチェックバルブ131を開くことを包含してもよい。充填とバルブ131を開くプロセスは、最初に、バランスチャンバ19の充填が停止又は終了することを要求する。一方、バランスチャンバ19の以前の充填の間は、入口9とバルブ131のそれぞれは閉じられていなければならない。
【0108】
ステップS5において、この方法は、容器1の充填レベルが予め決められた充填レベル値H1に到達したとき、加熱容器3内で流体11を加熱すること、または、加熱を開始することを包含する。
【0109】
ステップS7において、この方法は、容器1の充填レベルのオプション的な監視を包含する。充填レベルが、例えば、透析液回路を充填するための水の引き出しにより予め決められた充填レベル値H1より下降した場合には、加熱プロセスは停止又は中断される。加熱プロセスが完全に停止され、最終的に終了してもよい。
【0110】
本発明による更なる実施態様では、この方法は、オプション的にステップS9を包含し、ステップS9では、充填レベルが最初に予め決められた充填レベル値H1より下降し、続いて、容器1の充填後に予め決められた充填レベル値H1に到達したときにのみ、加熱プロセスが開始される。
【0111】
本発明による実施態様では、この方法はオプション的にステップS11を包含し、ステップS11では、水入口システム内の水が、水11を脱気する脱気チャンバ35及び/又は水に含まれる空気を分離する空気分離チャンバ23によって脱気されてもよい。
【0112】
本発明による実施態様では、この方法は、オプション的なステップS13を包含してもよく、ステップ13では、入口9からの水11が前のステップで流体貯蔵器7に格納され、水11は、流体貯蔵器7からオーバーフローによって水11の充填レベルを決定するための容器1へと流れ、または搬送される。
【0113】
本発明による更なる実施態様では、この方法は、ステップ13に代えてオプション的ステップS15を包含してもよい。ステップS15では、入口9からの水11は最初に流体貯蔵器7に格納され、続いて、水11は加熱容器3に流れ、その後、加熱容器3からオーバーフローによって容器1へと流れる。
【0114】
本発明による実施態様では、この方法はオプション的なステップS17を包含してもよく、ステップS17において、水11は熱交換器17によって追加的に加熱され、熱交換器17はバランスチャンバ19からの透析液によって灌流される。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
入口を介して透析液回路の流入部に流れた及び/又は流れる流体を加熱するための加熱デバイスを調整及び/又は監視するための方法であって、前記透析液回路は血液処理装置の部分であり、前記透析液回路は、前記流体を受け入れるための容器、及び、上記流体を加熱するための加熱容器を備え、前記方法は、
容器の充填レベルが、特に前記入口を介した直接的又は間接的流入によって、少なくとも1回予め決められた充填レベル値に到達したとき、前記容器に流体連通している前記加熱容器内の前記流体を加熱するための加熱プロセスを開始するステップ、
を含む、方法。
[C2]
前記加熱プロセスは、前記充填レベルが前記予め決められた充填レベル値に数回、特に、2回、3回、4回あるいは5回到達したときにのみ開始する、C1に記載の方法。
[C3]
前記加熱容器内の前記流体を加熱するための前記加熱プロセスは、前記流入部への流入及び/又は前記容器からの流出が妨げられた後、生じなかった後、あるいは、発生しなかった後にのみ開始する、C1-2のいずれか一項に記載の方法。
[C4]
前記加熱容器内の前記流体を加熱するための前記加熱プロセスは、流体が前記バランスチャンバから流出したときにのみ、あるいは、その後にのみ開始する、C1-3のいずれか一項に記載の方法。
[C5]
前記容器内の前記予め決められた充填レベル値の前記到達は、機械式充填レベルメータ及び/又は電導センサ及び/又は光学センサによって決定される、C1-4のいずれか一項に記載の方法。
[C6]
前記入口からの前記流体は流体貯蔵器に格納され、続いて、前記流体は前記加熱容器に流れ、その後、前記加熱容器から前記容器へオーバーフローによって流れる、C1-5のいずれか1項に記載の方法。
[C7]
前記流体は、熱交換器によって追加的に加熱され、前記熱交換器は、特に前記バランスチャンバからの透析液によって灌流される、C1-6のいずれか一項に記載の方法。
[C8]
前記容器内の前記充填レベルを監視することステップを含み、前記加熱プロセスは、前記充填レベルが前記予め決められた充填レベル値より下降したときに一時停止あるいは停止される、C1-7のいずれか一項に記載の方法。
[C9]
前記加熱プロセスを開始するために、特に再循環モードでは、前記容器の前記充填レベルは、ある時間期間T1にわたって前記予め決められた充填レベル値に到達していなければならない、C1-8のいずれか一項に記載の方法。
[C10]
制御デバイスによって、
前記加熱容器内で前記加熱プロセスを開始又は終了すること、
前記容器内の前記充填レベルを監視すること、及び、
前記入口から前記流体貯蔵器及び/又は前記容器を充填するためにチェックバルブを開閉すること、
のうちの少なくとも1つのステップが制御又は調整される、C1-9のいずれか一項に記載の方法。
[C11]
C1-10のいずれか一項による方法を実行、達成又は遂行するようにプログラムされ、又は、構成された制御及び調整デバイス。
[C12]
C11に記載の制御デバイスを少なくとも備える、血液処理装置。
[C13]
流体で充填される容器であって、前記容器の前記予め決められた充填レベルが到達されたか否かを検知するためのユニットを有した前記容器と、前記容器と流体連通し、前記流体を加熱するための加熱デバイスを有した加熱容器と、前記流体を前記血液処理装置の透析液回路に転送するためのデバイスと、を少なくとも有する、C12に記載の血液処理装置。
[C14]
貯蔵器又は前記容器は入口からの流体で充填されるように配置されており、及び/又は、前記血液処理装置は熱交換器及び/又は濃縮物を加えるための少なくとも1つの接続を備える、C12又は13に記載の血液処理装置。
[C15]
電気的に読み出し可能な制御信号を有するデジタル記録媒体、特にフロッピーディスク、CD又はDVD又はEPROMであって、本発明による方法の機械によるステップがC1-10のいずれか一項によって実行されるように、プログラマブル・コンピュータシステムと相互作用するように構成される、デジタル記録媒体。
[C16]
信号波としての、あるいは、機械読み取り可能媒体上に保存されたプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されたとき、C1-10のいずれか一項に記載の本発明による方法の機械によるステップを実行するためのコンピュータプログラム製品。
[C17]
コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されたとき、C1-10のいずれか一項に記載の本発明による方法の機械によるステップを実行するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラム。
【参照符号リスト】
【0115】
100 装置
200 血液処理装置
H1 予め決められた充填レベル
S1 - S20 方法ステップ
1 容器
3 加熱容器
5 加熱デバイス
7 貯蔵器、流体貯蔵器
9 入口、外部入口
11 流体、水
131, 132, 133, バルブ、チェックバルブ
134, 135, 136
15 脱気スロットル
17 熱交換器
19 バランスチャンバ
21 オーバーフロー方向
23 空気分離器、空気分離チャンバ
25 流入部のポンプ
27 機械式充填レベルメータ、機械式センサ、フロート
29 フロートの垂直偏移方向
31 測定ユニット
33 制御デバイス
35 脱気チャンバ
360, 361, 362, ライン、接続ライン
363, 364
37 透析液回路中のポンプ
39 接続
41 圧力制御バルブ