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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】保護ヘッドギヤ
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/06 20060101AFI20220207BHJP
【FI】
A42B3/06
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2018545286
(86)(22)【出願日】2017-02-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2017054211
(87)【国際公開番号】W WO2017144600
(87)【国際公開日】2017-08-31
【審査請求日】2020-02-20
(31)【優先権主張番号】16157331.6
(32)【優先日】2016-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16194145.5
(32)【優先日】2016-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518301132
【氏名又は名称】コンテゴ・スポーツ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ガンリー,マーク
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-155417(JP,A)
【文献】国際公開第2014/177872(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0000017(US,A1)
【文献】特開2002-028275(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0040296(US,A1)
【文献】米国特許第07188375(US,B2)
【文献】実開昭59-080420(JP,U)
【文献】実開昭59-113325(JP,U)
【文献】特開2002-363816(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0086733(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0198604(US,A1)
【文献】特表2011-506782(JP,A)
【文献】中国実用新案第202760270(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B3/00-7/00
A41D13/00-13/12
A63B71/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主本体部を備えるラグビーヘッドギであって、前記主本体部は、前頭部品によって連結される一対の側頭部品と、前記前頭部品から延びる頭頂部品とを有し、前記主本体部は着用者の頭を包囲するように構成され、
前記主本体部は、
ウィッキング材料の内側層と、
外側バリア層と、
前記ウィッキング材料の内側層と前記外側バリア層との間の中間部分と
を備え、
前記中間部分は、
内側発泡体層と、
複数の離間された発泡体断片を備える外側発泡体層と
を備え、
前記中間部分の前記内側発泡体層および前記外側発泡体層は、100~300kg/mの密度を有する耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体を備え、
前記外側バリア層は、前記外側発泡体層の前記発泡体断片を受け入れるように構成された複数のポケットを備えるラグビーヘッドギヤ。
【請求項2】
前記中間部分の前記内側発泡体層は、150~250kg/mの密度を有する耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体を備える、請求項1に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項3】
前記中間部分の前記内側発泡体層は、190kg/mの密度を有する耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体を備える、請求項1または2に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項4】
前記中間部分の前記外側発泡体層は、150~250kg/mの密度を有する耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体からなる、請求項1から3のいずれか一項に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項5】
前記中間部分の前記外側発泡体層は、190kg/mの密度を有する耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体からなる、請求項1から4のいずれか一項に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項6】
前記中間部分の前記内側発泡体層は第1の厚さを有し、前記中間部分の前記外側発泡体層は、前記第1の厚さより大きい第2の厚さを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項7】
前記第2の厚さは、前記第1の厚さの1.5倍から5倍までである、請求項6に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項8】
前記第2の厚さは、前記第1の厚さの1.5倍から3倍までである、請求項6または7に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項9】
前記中間部分の前記内側発泡体層は厚さが3mmであり、前記中間部分の前記外側発泡体層は厚さが6mmである、請求項6から8のいずれか一項に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項10】
前記中間部分の前記内側発泡体層は穿孔される、請求項1から9のいずれか一項に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項11】
前記中間部分の前記内側発泡体層は、1cmあたり3~5個の孔を備える、請求項10に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項12】
前記中間部分の前記内側発泡体層は、直径が2~4mmの孔を備える、請求項10または11に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項13】
前記外側バリア層は独立気泡発泡体を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項14】
前記外側バリア層はポリエチレンの独立気泡発泡体を備える、請求項13に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項15】
前記外側バリア層に接合される外側織物を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項16】
前記主本体部の各側頭部品は、着用者の耳との位置合わせのために複数の貫通孔を備える、請求項1から15のいずれか一項に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項17】
前記主本体部の各側頭部品は、顎ストラップのための取付部を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項18】
前記顎ストラップは交換可能である、請求項17に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項19】
各側頭部品は、前記外側バリア層に接合される外側織物を備え、各側頭部品の側縁において紐孔補強部品を備える、請求項1から18のいずれか一項に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項20】
衝撃の間に着用者の頭へと伝えられるGの力のエネルギーは150m/s 未満である、請求項1から19のいずれか一項に記載のラグビーヘッドギヤ。
【請求項21】
衝撃の間に着用者の頭へと伝えられるGの力のエネルギーは120m/s 未満である、請求項20に記載のラグビーヘッドギヤ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
脳への外傷と関連する臨床症候群についての専門用語に関して、スポーツ団体、科学団体、および臨床団体の間では合意がなされていない。軽度外傷性脳損傷(mTBI)という用語が、脳震盪としばしば互換的に用いられている。軽度外傷性脳損傷は、臨床的に認識可能な身体的症状、認知症状、および情動性症状をもたらす頭への怪我として定義されている。軽度外傷性脳損傷は、必ずしも意識消失(LOC)をもたらさない(Kaufman、2013年)。
【0002】
脳震盪および頭の怪我は、大きな衝撃のスポーツにおいて大きな問題となっている。衝撃の間に選手の頭へと伝えられるGの力のエネルギーが、スポーツにより引き起こされる脳の怪我における主な要因の内の1つであることは、医療専門者の間での共通した意見である。
【0003】
2015年/2016年のシーズンについてのラグビー・フットボール・ユニオン(RFU)の怪我の監査報告書は、連続5シーズンにわたって、脳震盪が英国プレミアシップラグビーにおける選手によって被られた最も一般的な怪我であり、すべての試合の怪我の25%を構成することを示す。試合での脳震盪は113件あった。研究に含まれる選手の17%が1回以上の脳震盪を被っており、それらの内の86%が試合の競技中に起こっている。出典:http://www.englandrugby.COM/mm/Document/General/General/01/32/25/17/1516_PRISP_Annual_Report_FINAL(withcontentspage)_English.pdf
脳震盪は、著しい公衆の注目を集めると共に、スポーツ医学の医師、ラグビー選手、およびワールドラグビーなどが直面する最も厄介な怪我になっている非常に重大な問題である。脳震盪の頻度および衝撃に関わる問題は、選手の長期間の健康および安全性への繰り返される脳震盪の影響の調査を開始させることになった。
【0004】
ラグビーにおける保護ヘッドギヤは、「スクラムキャップ」と一般的に称されている。スクラムキャップは、切り傷、擦り傷、および潰れた耳を防止するように意図されている。
【0005】
現在利用可能なスクラムキャップは、World Rugby Regulation 12(2017年1月3日に最終更新されている)によって管理されている。
World Rugby Regulationは、ヘッドギヤのあらゆる部分が圧縮されていないときに1cmより厚くならないことと、ヘッドギヤのあらゆる部分が1立方メートルあたり45キログラムを超える密度を有していないこととを条件として、選手が柔らかく薄い材料から作製されたヘッドギヤを着用できることを明記している。しかしながら、公知のヘッドギヤは、最低限の衝撃保護を提供するだけであり、脳震盪の発生を低下させていない。
【0006】
ラグビーのヘッドギヤは保護を提供するように意図されているが、脳震盪はこのスポーツでなおも蔓延している。International Rugby Board(IRB)によって資金提供された4000人の選手の2011年の研究は、現在のヘッドギヤが「表面的なかすり傷を防止し得るが、脳震盪を防止しないであろう」ことを見出した。(参照:http://www.irishexaminer.COM/sport/rugby/medical-study-finds-scrum-caps-fail-to-prevent-head-injuries-177733.html)
衝撃保護の欠如に加えて、選手によって確認されている従来のスクラムキャップによるいくつかの追加的な問題がある。これらの問題の一部は次の通りである。
【0007】
・選手がヘッドギヤを着用するのを熱すぎると感じる。
・選手の聴力に影響する。
・選手の周辺視野に影響する。
【0008】
・不快でフィット感が悪いなど。
ラグビー選手は、競技を通じて審判およびチームメイトの声を聞く必要があり、はっきりと見えて素早く移動できることも必要である。
【0009】
選手への脳震盪からの適切な保護を達成する技術的な問題は、ラグビー選手の実用的な要件と併せて、まだ満足されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、これらの問題の少なくとも一部に対処するラグビーのヘッドギヤの保護を提供することに向けられている。本発明は、頭への衝撃を伴う他のスポーツにおいて保護を提供するヘッドギヤを提供することにも向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、
内側ウィッキング層と、
外側バリア層と、
内側層と外側層との間の中間部分であって、100~300kg/mの密度を有する耐衝撃性発泡体を備える中間部分と
を備える主本体部を備える保護ヘッドギヤが提供される。
【0012】
耐衝撃性発泡体は好ましくは連続気泡発泡体である。一実施形態では、耐衝撃性発泡体はポリウレタン発泡体である。
1つの場合には、中間部分は、150~250kg/mの密度を有する耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体を備え、中間部分は、約190kg/mの密度を有する耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体を備えてもよい。
【0013】
一実施形態では、中間部分は内側発泡体層と外側発泡体層とを備える。
内側層は連続気泡ポリウレタン発泡体を備えてもよい。内側発泡体層は、100~300kg/mの密度、150~250kg/mの密度、または約190kg/mの密度を有する耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体からなり得る。
【0014】
一実施形態では、内側連続気泡発泡体層は第1の厚さを有し、外側連続気泡発泡体部分は、第1の厚さより大きい第2の厚さを有する。
1つの場合には、第2の厚さは、第1の厚さの1.5倍から5倍までであり、第1の厚さの1.5倍から3倍までである。第2の厚さは、第1の厚さの約2倍であり得る。1つの場合には、内側層は厚さが3mmであり、中間部分の断片は厚さが6mmである。
【0015】
一実施形態では、内側発泡体層は穿孔される。一部の場合での内側発泡体層は、1cmあたり3~5個の孔を備える。孔は直径が2~4mmであり得る。
一実施形態では、内側層は、連続気泡発泡体の内側層に接合されるウィッキング織物を備える。
【0016】
1つの場合には、外側発泡体層は複数の離間された発泡体断片を備える。
一実施形態では、外側バリア層は複数のポケットを備える。
1つの場合には、中間部分は発泡体断片を備え、外側バリア層のポケットは発泡体断片を受け入れるように構成される。
【0017】
外側バリア層は独立気泡発泡体を備えてもよい。
1つの場合には、外側バリア層はポリエチレンの独立気泡発泡体を備える。
一実施形態では、外側織物はバリア層に接合される。
【0018】
1つの場合には、主本体部は、前頭部品によって連結される一対の側頭部品と、前頭部品から延びる頭頂部品とを備え、主本体部は着用者の頭を包囲するように成形される。主本体部の各側部品は、着用者の耳との位置合わせのために複数の貫通孔を備えてもよい。主本体部の各側部品は、顎ストラップのための取付部を備えてもよい。顎ストラップは交換可能である。
【0019】
1つの場合には、各側部品は、その側縁において紐孔補強部品を備える。
別の実施形態では、主本体部は、前頭部品によって連結される一対の側頭部品を備え、主本体部は、着用者の両側面、後面、および前面を包み込むように構成される。本体部は、耳の上方で頭を包み込むように構成され得る。各側部品は、その側縁において紐孔補強部品を備えてもよい。
【0020】
さらなる実施形態では、主本体部は、前頭部品によって連結される一対の側頭部品を備え、主本体部は、着用者の両側面、後面、および前面を包み込むように構成される。側頭部品と前頭部品とは、着用者の頭頂において、織物などの材料によってさらに連結されてもよい。材料は、主本体部の前後の間で延びる第1の部分と、主本体部の両側部の間で延びる第2の部分とを有する十字形を形成してもよい。
【0021】
1つの場合には、主本体部の各側部品は、本体部の他の部分より大きい厚さを有する。主本体部の各側部品は、着用者の耳との位置合わせのために複数の貫通孔を備えてもよい。主本体部の各側部品は、顎ストラップのための取付部を備えてもよい。顎ストラップは好ましくは交換可能である。各側部品は、その側縁において紐孔補強部品を備えてもよい。
【0022】
別の実施形態では、主本体部は、前頭部品によって連結される一対の側頭部品と、前頭部品から延びる頭頂部品とを備え、主本体部は着用者の頭を包囲するように成形される。主本体部の各側部品は、本体部の他の部分より大きい厚さを有し得る。主本体部の各側部品は、着用者の耳との位置合わせのために複数の貫通孔を備えてもよい。主本体部の各側部品は、顎ストラップのための取付部を備えてもよい。顎ストラップは好ましくは交換可能である。各側部品は、その側縁において紐孔補強部品を備えてもよい。
【0023】
本発明の保護ヘッドギヤでは、衝撃の間に着用者の頭へと伝えられるGの力のエネルギーは有意に低下させられる。衝撃の間に着用者の頭へと伝えられるGの力のエネルギーは、一部の場合では、150未満、120未満である。
【0024】
本発明によれば、内側層と、外側バリア層と、内側層と外側層との間の耐衝撃性発泡体の中間部分とを備える主本体部を備える保護ヘッドギヤが提供される。好ましい実施形態では、中間部分は耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体を備える。好ましくは、連続気泡ポリウレタン発泡体は100~300kg/mの密度を有する。好ましくは、内側層はウィッキング材料からなる。
【0025】
一実施形態では、中間部分は、150~250kg/mの密度を有する耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体を備える。
1つの場合には、内側層は連続気泡ポリウレタン発泡体のシートを備える。内側層は、100~300kg/mの密度を有する耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体のものであり得る。1つの場合には、内側層は、150~250kg/mの密度を有する耐衝撃性連続気泡ポリウレタン発泡体からなる。
【0026】
好ましい実施形態では、内側発泡体層は穿孔される。1つの場合での内側発泡体シートは、1cmあたり3~5個の孔を備える。孔は典型的には直径が2~4mmである。
一実施形態では、内側層は、連続気泡発泡体の内側層に接合されるウィッキング織物を備える。
【0027】
1つの場合には、外側バリア層は複数のポケットを備える。一実施形態では、中間発泡体部分はポケットに挿入される部分を備える。
一実施形態では、外側バリア層は独立気泡発泡体を備える。1つの場合での外側バリア層はポリエチレンの独立気泡発泡体を備える。1つの場合には、外側織物は、独立気泡発泡体のものであり得る外側バリア層に接合される。
【0028】
一実施形態では、内側連続気泡発泡体層は第1の厚さを有し、外側連続気泡発泡体部分は、第1の厚さより大きい第2の厚さを有する。1つの場合における第2の厚さは、第1の厚さの1.5倍から5倍までであり、第1の厚さの1.5倍から3倍までである。1つの場合には、第2の厚さは、第1の厚さの約2倍である。
【0029】
一実施形態では、主本体部は、着用者の頭を包囲するように成形され、前頭部品によって連結される一対の側頭部品と、前頭部品から延びる頭頂部品とを備える。
一実施形態では、主本体部の各側部品は、着用者の耳との位置合わせのために複数の貫通孔を備える。
【0030】
1つの場合には、主本体部の各側部品は、顎ストラップのための取付部を備える。好ましくは、顎ストラップは交換可能である。
一実施形態では、各側部品は、その側縁において紐孔補強部品を備える。
【0031】
本発明は、添付の図面を参照しつつ、単なる例を用いて提供されている本発明の実施形態の以下の記載から、より明確に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明によるラグビーのヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの立面図である。
図2】本発明によるラグビーのヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの立面図である。
図3】本発明によるラグビーのヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの立面図である。
図4】本発明によるラグビーのヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの立面図である。
図5】本発明によるラグビーのヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの立面図である。
図6】本発明によるラグビーのヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの立面図である。
図7】本発明によるラグビーのヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの立面図である。
図8】ヘッドギヤを形成するために使用される組立体の平面図である。
図9】ヘッドギヤの側部品の平面図である。
図10】ヘッドギヤの側部品の分解図である。
図11】側部品の外部要素の平面図である。
図12】側部品の穿孔された発泡体要素の平面図である。
図13】側部品の穿孔された発泡体要素の詳細の拡大図である。
図14】側部品の外側層、連続気泡発泡体要素、および穿孔された発泡体要素の組立の拡大図である。
図15】ヘッドギヤの頭頂部品の平面図である。
図16】ヘッドギヤの頭頂部品の分解図である。
図17】頭頂部品の外部要素の平面図である。
図18】頭頂部品の穿孔された発泡体要素の平面図である。
図19】ヘッドギヤの顎ストラップの一連の図である。
図20】ヘッドギヤの紐孔補強パッチの図である。
図21】ヘッドギヤのストラップ補強パッチの図である。
図22】本発明によるラグビーのヘッドギヤの頭頂部品の分解図である。
図23】本発明のヘッドギヤで使用される連続気泡発泡体の顕微鏡写真である。
図24】後脚の足の滑りの棒グラフである。
図25】梁を渡る時間の棒グラフである。
図26】進んだ距離の棒グラフである。
図27】NEFLレベルの棒グラフである。
図28】TNF-αレベルの棒グラフである。
図29】落下試験についての衝撃試験結果の棒グラフである。
図30】回転加速試験についての試験結果の表である。
図31】本発明によるサッカーのヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの側面図である。
図32】本発明によるサッカーのヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの平面図である。
図33】本発明によるボクシングのヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの立面図である。
図34】本発明によるボクシングのヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの平面図である。
図35】本発明による総合格闘技のヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの立面図である。
図36】本発明による総合格闘技のヘッドギヤなどの保護ヘッドギヤの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本出願人らは、一見したところ典型的なラグビーのスクラムキャップに異ならないように見えるという利益を有するラグビーのスクラムキャップを記載する。様々な実施形態において、スクラムキャップは有意に厚いことはなく、適切な聴力および視界を可能にし、選手にとってスポーツで引き起こされるmTBI/脳震盪における主な危険因子、すなわち、頭への衝撃を、有意に低下させる。
【0034】
mTBI/脳震盪の危険性を低下させるために頭に必要とされる保護を達成するために、スクラムキャップの密度の増加が必要とされることが分かっている。これは、材料の組合せによって達成される。
【0035】
本発明のヘッドギヤは、公知のスクラムキャップにおける衝撃性能に対して大きな改善を示した。本発明のヘッドギヤは、臨床的に測定可能なmTBI指標(行動および神経学的血液生体指標の両方)における有意な変化の発生率および/または重度を低下させ、それによって選手の能力を高め、選手の安全性を最大化する。本発明のヘッドギヤは、選手の頭に伝えられる直線的な衝撃および回転衝撃のGの力を有意に低下させる。
【0036】
図面を参照に、最初に図面の内の図1図21を参照すると、1つの場合においてラグビーのヘッドギヤである本発明による保護ヘッドギヤが図示されている。ヘッドギヤは、着用者の頭を包囲する主本体部1を備えている。主本体部1は、前頭部品4によって連結される一対の側頭部品2、3と、前頭部品4から延びる頭頂部品5とを有する。頭頂部品5は、側部品および前頭部品から別に形成され、例えば縫い付けによって、前頭部品4に後で結合され得る。
【0037】
主本体部1の各々の部品はいくつかの層を備えている。連続気泡ポリウレタン発泡体材料の内側発泡体層10がある。内側発泡体層10は、好ましくは1cmあたり約3~5個の孔である複数の孔12で穿孔されている発泡体のシートを備えている。孔は、着用者によって発生させられる汗を逃すのを助け、好ましくは直径が2~4mmである。ナイロンのウィッキング織物11などのウィッキング織物は、例えば、適切な接着剤を使用して、内側の穿孔された発泡体シート10の着用者に係合する面に接合される。
【0038】
内側発泡体層は、追加的な衝撃保護を頭保護体に提供する。穿孔された孔は、汗が選手の頭から引き離されるのを助けることで、選手の頭の熱を低下させることへの支援もする。穿孔された孔は、頭保護体の全質量を低下させることへの支援もする。
【0039】
主本体部1は、この場合にはポリエチレン発泡体などの独立気泡発泡体材料からなる外側バリア層13も備えている。外側バリア層13は、複数の外方を向くポケット14を提供するように形成されている。伸縮性のあるナイロンなどの外側織物15が、バリア発泡体層13の外面に、例えばホットメルト接着剤を用いるといった、適切な手法で接合される。ヘッドギヤは、硬いというよりは柔らかい外殻を有する。
【0040】
バリア層13は、中間発泡体断片21を所定位置で保持するポケット14を形成するように成型されている。外側バリア層13は、使用中に過度の雨水および水分が頭保護体に入るのを防止するために防水である独立気泡ポリエチレン発泡体から作製され得る。これは、頭保護体の質量が湿潤条件において増加せず、選手にとって快適なままとなることを確保する。
【0041】
連続気泡ポリウレタン発泡体材料の中間部分20が外側バリア層13と内側層との間に提供される。この場合、中間発泡体部分20は、外側バリア/層13のポケット14において係合する大きさとされている複数の部分/断片21を備えている。
【0042】
内側発砲体層と中間発泡体部分との両方の連続気泡発泡体は、分岐ポリエーテル基ポリオールおよび鎖延長剤からなる耐衝撃性ポリウレタン発泡体である。発泡体は、100~300kg/mの範囲、好ましくは150~250kg/mの範囲、最も好ましくは約190kg/mの密度を有する。このような発泡体は、Dow Automotive、Dow Corning、Rogers Corporation、Sorbothane Inc.、およびDuPontを含む供給者から利用可能である。
【0043】
中間発泡体部分20は、製品の衝撃保護の大部分を提供する。発泡体は、頭保護体が軽量であることを確保する比較的小さい密度を有する。発泡体は触れると柔らかく、頭に着用することを快適にする。発泡体の柔らかさは、また、製造の間に頭の外形の輪郭になるのを容易にする。スポーツ用ヘルメットで一般的に使用されている圧潰可能な発泡体と異なり、発泡体20は、複数の衝撃から回復することができ、試合を通じて衝撃保護を提供できる。研究は、ラグビーの試合における頭への衝撃の平均回数が77回であることを示す。
【0044】
本発明のヘッドギヤは、ヘッドギヤの構造で使用される連続気泡発泡体の気泡微細構造を通じて衝撃エネルギーを消散させる。連続気泡発泡体は硬い区分と柔らかい区分とを有してもよい。柔らかい区分は衝撃のエネルギーを吸収および消散する。硬い区分は、発泡体に剛性、形、および形態を提供する。連続気泡発泡体の典型的な顕微鏡写真が図23に示されている。
【0045】
内側の連続気泡の穿孔された発泡体シート10は第1の厚さを有し、中間の連続気泡発泡体部分の断片21は、頭保護体の重量を最小とするために、1.5倍から5倍まで、好ましくは1.5倍から3倍まで、典型的には約2倍の程度で、第1の厚さより大きい第2の厚さを有する。1つの場合には、穿孔された発泡体シート10は厚さが3mmであり、発泡体部分の断片は厚さが6mmである。
【0046】
側頭部品2、3は、ヘッドギヤが着用者の聴力と干渉しないことを確保するために、着用者の耳との位置合わせのための複数の貫通孔30を有する。各側部品2、3は、顎ストラップ40をヘッドギヤに取り付けるためのスロット35も備えている。本発明では、顎ストラップは交換可能である。利点は、ベルクロ(登録商標)の接着性が使用中に摩損のために低下する場合、顎ストラップは頭保護体を交換する必要なく交換できる。顎ストラップの孔35の領域でヘッドギヤを再補強するための補強断片36もある。側部品2、3の各々はその側縁において紐孔補強部品39も有しており、その紐孔補強部品39を通じて、紐45が、例えば図7において示されているように導かれる。紐45は、ヘッドギヤの大きさを着用者に合うように調節させることができる。
【0047】
本発明による保護ヘッドギヤを製造するために、外側織物層が、外側バリア層13を形成するために使用されるポリエチレン発泡体のシートに積層される。積層体は、次いで、複数のポケット14を提供するために成型される。積層体は、頭頂5、側部品2、3、および前頭4の形を提供するために打ち抜かれる。側部品2、3および前頭部品4は、一方の耳から前頭を周って他方の耳へと包み込む単一の断片としてすべて形成されている。
【0048】
独立気泡のポリウレタン発泡体のシートが、次いで、バリア層13において形成されるポケット21に一致するように成形される断片21へと切断される。中間発泡体断片21は、ポケット21へと挿入され、例えば接着剤を用いて、接合される。次いで、頭頂部品5と側部品2、3、5とが、例えば縫い付けによって、一体に組み立てられる。ストラップ40および紐45が保護ヘッドギヤを完成させるために取り付けられる。
【0049】
図22を参照すると、本発明の保護ヘッドギヤの頭頂部品の分解図が示されている。これは図16と同様であり、同様の部品は同じ符号が割り当てられている。外側織物層15が含まれている。最も内側の裏地が2つの構成部品11a、11bで示されており、例えばそれ自体の重量の40倍まで、水分の迅速な吸収および素早い放出を可能にするために親水性部分と疎水性部分とを組み合わせている。裏地11は、衛生上の特性の向上のために抗菌物質を組み込んでもよい。
【0050】
本発明のヘッドギヤは、脳震盪の発生率および/または重度を低下させ、それによって選手の能力を高め、選手の安全性を最大化する。
保護ヘッドギヤを使用する選手は、向上した長期間の健康を得ることになる。頭への繰り返される衝撃の悪影響は周知である。さらに、選手は、脳震盪が試合で被られる最も一般的なラグビーの怪我であるため、より少ない試合を逃すだけで済むことになる。
【0051】
本発明の保護ヘッドギヤは、選手の頭に伝えられる直線的な衝撃および回転衝撃のGの力を有意に低下させる。
実験室での試験は、公知のスクラムキャップにおける衝撃性能に対して大きな改善を示した。
【0052】
臨床前動物研究も完了されている。データは、神経学的齧歯動物モデルにおけるTBI(外傷性脳損傷)指標(行動および生体指標)の有意な低下を示した。
臨床前動物研究
臨床前動物研究が、脳震盪の発生率を低下させる上で本発明の保護ヘッドギヤの性能を評価するために実行された。
【0053】
本発明の保護ヘッドギヤが、制御された衝撃に曝される間に齧歯動物の被験体の頭蓋骨を保護するために使用された。研究は2つの疑問を問いている。
1.頭保護体で保護された齧歯動物の挙動が、頭への制御された衝撃の後に劇的に変化したか?
2.mTBIを指し示す、保護ヘッドギヤで保護された齧歯動物の血液生体指標が、頭への制御された衝撃の後に劇的に変化したか?
研究の目的は、良好に評価されたTBI動物モデルによる臨床前の背景において概念の証拠の立証を示すことである。選択されたモデルは、競技の現場で受ける衝撃に類似する制御された衝撃のメカニズムと、良好に特徴付けられた脳震盪の病態生理学と、人における脳震盪に近い忠実性を有する決定的臨床指標とを使用する。最近の出版物は、この臨床前モデルを使用し、血液生体指標および改変遺伝子発現プロファイルなどの脳内で起こる病理学のTBIと臨床的な読み取りとの間の相互関係を確立した。Viano,D.、A.Hamberger、A.Bolouri、およびA.Saljo、Concussion in professional football:Animal model of brain injury-Part 15、Neurosurgery、2009年、64、1162-1173。Mychasiuk,R.、Hehar,H.、Ma,I.、Candy,S.、& Esser,MJ.(2016年)。The direction of the acceleration and rotational forces associates with mild traumatic brain injury in rodents effect behavioural and molecular outcomes. Journal of Neuroscience Methods.257、168-178。
1.行動分析結果
本発明の保護ヘッドギヤは、ネズミを、5m/s(37g)で起こる頭の衝撃から生じる脳震盪から保護した。保護効果は、バランス、運動協調性、および試験的な歩行移動を検査する行動測定において明らかとなっている。
【0054】
(a)後脚の足の滑り
本発明の保護ヘッドギヤで保護されていた群の動物は、足の滑る回数または梁を渡る時間において機能障害を呈しなかったのに対して、これらの不具合の両方が、保護されていない群においては存在していた。図24を参照されたい。
【0055】
(b)梁を渡る時間
本発明の保護ヘッドギヤを有する動物は、衝撃力に拘わらず、対照群の動物と区別できないのに対して、保護ヘッドギヤのない動物は著しい機能障害を呈した(p<0.05)。図25を参照されたい。
【0056】
(c)進んだ距離
後脚の足の滑りの調査結果と同様に、37gでの衝撃を経験した動物は、本発明の保護ヘッドギヤで保護されているが、対照群の動物と区別ができない。しかしながら、すべての他の動物は、10分間の期間にわたって進んだ距離において著しい機能障害を呈した。図26を参照されたい。
【0057】
10分間の期間の経過にわたって動物によって取られた経路も記録されている。対照群の動物と、本発明の保護ヘッドギヤを伴う37gの群の動物とは、より遠くまで進んで囲い全体を探索するのに対して、他の動物は活動領域の半分を調査するだけである。
2.血液生体指標分析結果
本発明のヘッドギヤは、ネズミを、5m/s(37g)で起こる頭の衝撃から生じる脳震盪から保護した。保護効果は、怪我の3時間後におけるTNF-αおよびNEFLの生体指標レベルにおいて明らかとなっている。
【0058】
(a)NELFレベル
NEFL血清レベルは、保護を有していない動物において有意な増加を示した。本発明の保護ヘッドギヤは、衝撃についてのこの早い時点において、NEF-Lにおける有意な変化を防止しており、図27を参照されたい。
【0059】
(b)TNF-αレベル
本発明の保護ヘッドギヤは、37gの衝撃の群において脳震盪の3時間後におけるTNF-αにおける低下を防止しており(p<0.05)、図28を参照されたい。
【0060】
直線的な衝撃試験
数回の衝撃落下試験が、直線的な衝撃力を低下させるときに本発明の保護ヘッドギヤの性能を評価するために実行された。衝撃落下試験の目的は次の通りである。
【0061】
i.本発明の保護ヘッドギヤは、選手の頭へと伝えられる直線的な衝撃力を低下させるか?
ii.本発明の保護ヘッドギヤは、選手の頭へと伝えられる直線的な衝撃力を、市販されている既存のラグビーのヘッドガードよりも低下させるか?
(a)衝撃落下試験結果1
衝撃落下試験の第1の結果は、本発明の保護ヘッドギヤが選手の頭へと伝えられる直線的な衝撃力を低下させたことである。図29を参照されたい。
【0062】
(b)衝撃落下試験結果2
衝撃試験の第2の結果は、本発明の保護ヘッドギヤが、選手の頭へと伝えられる直線的な衝撃力を、市販されている既存のラグビーのヘッドガードよりも良好に低下させたことである。図29を参照されたい。
【0063】
回転加速試験
数回の回転加速試験が、2人の選手が互いにタックルするとき、回転衝撃力を低下させる際の本発明の保護ヘッドギヤの性能を評価するために実行された。回転加速試験の目的は次の通りである。
【0064】
1.本発明の保護ヘッドギヤは、頭保護体をまったく着用していない選手と比較して、衝突/タックルにおいて頭部模型の回転加速を低下させるか?
(a)回転加速試験結果1
回転加速試験の結果は、本発明の保護ヘッドギヤが、頭保護体をまったく着用していない選手と比較して、衝突/タックルにおいて頭部模型の回転加速を低下させたことである。図30を参照されたい。
【0065】
i.両方の頭部模型が本発明の保護ヘッドギヤで保護され、2m/秒において試験されるとき、平均回転加速は、2つの保護されていない頭部模型と比較して、55%低下させられた。
【0066】
ii.両方の頭部模型が本発明の保護ヘッドギヤで保護され、3m/秒において試験されるとき、平均回転加速は、2つの保護されていない頭部模型と比較して、38%低下させられた。
【0067】
iii.両方の頭部模型が本発明の保護ヘッドギヤで保護され、4m/秒において試験されるとき、平均回転加速は、2つの保護されていない頭部模型と比較して、30%低下させられた。
【0068】
本発明の頭保護体が、ラグビーにおける脳震盪の発生率を低下させる一方で、他のコンタクトスポーツを含む他の用途の範囲にわたって保護ヘッドギヤの基礎をも提供することは、理解されたい。
【0069】
図31および図32を参照すると、この場合にはサッカーの競技を行うときに使用するためのものである本発明の保護ヘッドギヤが示されている。ヘッドギヤは、着用者の頭を包み込む主本体部100を備えている。主本体部100は、前頭部品104によって連結される側頭部品102および103を有する。側部品102、103の各々は、側部品102、103を頭の後部において互いと連結するため紐孔補強部品105を、その側縁において有してもいる。これは、先の実施形態において記載したように紐で行われてもよく、ヘッドギヤを使用者の頭に固定する。図31および図32の保護ヘッドギヤの様々な層の構造は、ラグビーのヘッドギヤについて前述したものと同じである。
【0070】
サッカーは世界で最も人気のあるスポーツであり、プロ選手およびアマチュア選手を含め、世界中に2億6千5百万人の選手がいる。サッカーボールをヘディングすることが短期および長期の両方で脳にダメージを引き起こし得る益々の証拠がある。研究は、標準的なサッカーのヘディングが脳の機能に即時の測定可能な変化をもたらすことを示している。短期および長期の記憶の機能および皮質運動野の阻害における変化が、サッカーのヘディングの直後に検出可能である。[http://www.ebiomedicine.COM/article/S2352-3964(16)30490-X/abstract]
本発明の保護ヘッドギヤは、使用者にサッカーを競技させることがなおもできるが、頭へと伝えられるサッカーボールからの衝撃を低下させることになる保護ヘッドギヤを提供することで、この問題への解決策を提供する。
【0071】
図33および図34を参照すると、この場合にはボクシングで使用するためのものである本発明の保護ヘッドギヤが示されている。ヘッドギヤは、着用者の頭を包囲するが、このスポーツでは必要とされないため、頭の頭頂への保護を提供しない主本体部200を備えている。主本体部200は、前頭部品204によって連結される側頭部品202および203を有する。側部品202および203は、著しい衝撃を受ける頭の側部への追加的な保護を提供するために、ヘッドギヤの他の部分より厚くなっている。先の実施形態におけるように顎ストラップもある。各側部品202、203は、顎ストラップをヘッドギヤに取り付けるためのスロット205も備えている。先の実施形態におけるように、顎ストラップは交換可能である。側部品202、203の各々は、側部品202、203を頭の後部において互いと連結するための紐孔補強部品208を、その側縁において有してもいる。これは、先の実施形態において記載したように紐で行われてもよく、ヘッドギヤを使用者の頭に固定する。このスポーツの本質により、ヘッドギヤは、側部202および203を互いに連結するストラップ206と、前頭部品204をヘッドギヤの後部に連結するさらなるストラップとによって、さらに固定されている。図33および図34の保護ヘッドギヤの様々な層の構造は、ラグビーのヘッドギヤについて記載したものと同じである。
【0072】
慢性外傷性脳症(CTE)は、軽度の繰り返しの外傷性脳損傷(TBI)と関連する神経変性疾患である。TBIによるこの長期の進行性の症状は、ボクシングと関連すると考えられていたため、最初は拳闘酔態症候群またはボクサー痴呆と呼ばれていた。しかしながら、ここ10年間における軽度の繰り返しのTBIの一連の神経病理学の研究は、CTEがボクサーだけでなく、アメリカンフットボールの選手、レスラー、および軍人を含む幅広い人々に起こることを明らかにした。[https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27395469]
ボクシングにおける従来の保護ヘッドギヤは、ボクサーにおけるTBIの割合を低下させず、周辺視野を不明瞭にさせ、一打が頭の側部において狙われるときに認識するのをより難しくさせるという問題を有する。
【0073】
本発明の保護ヘッドギヤは、頭へと伝えられるパンチからの衝撃を低下させることでこれらの問題に解決策を提供する。本発明の保護ヘッドギヤは、また、ボクシングにおける従来の保護ヘッドギヤより着用者により良好な周辺視野を提供する。
【0074】
図35および図36を参照すると、この場合には総合格闘技(MMA)で使用される本発明の保護ヘッドギヤが示されている。ヘッドギヤは、着用者の頭を包囲する主本体部300を備えている。主本体部300は、前頭部品304によって連結される一対の側頭部品302、303と、前頭部品304から延びる頭頂部品306とを有する。ボクシングのために使用されるときと同様に、側部品302および303は、著しい衝撃を受ける頭の側部への追加的な保護を提供するために、ヘッドギヤの他の部分より厚くなっている。側部品302、303の各々は、側部品302、303を頭の後部において互いと連結するための紐孔補強部品308を、その側縁において有してもいる。図35および図36の保護ヘッドギヤの様々な層の構造は、ラグビーのヘッドギヤについて記載したものと同じである。
【0075】
総合格闘技(MMA)は、医師会からの著しい監視にも拘らず、人気が近年世界中で高まっている完全な格闘技である。研究は、MMAにおけるノックアウト(KO)およびテクニカルノックアウト(TKO)の割合が、試合終了の頭部外傷のため、他の格闘技およびコンタクトスポーツにおいて以前に報告されている割合よりも高いことを示している。[https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24658345]
本発明の保護ヘッドギヤは、頭へと伝えられるパンチまたはキックからの衝撃を低下させることでこれらの問題に解決策を提供する。本発明の保護ヘッドギヤは、また、MMAにおける従来の保護ヘッドギヤより着用者により良好な周辺視野を提供する。
【0076】
本発明は、先に記載した実施形態に限定されず、構造および詳細において変えられてもよい。
図1
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