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▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】多機能放射線検知器
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/20 20060101AFI20220207BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
G01T1/20 L
G01T1/20 E
A61B6/00 300Q
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018561222
(86)(22)【出願日】2017-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2017062200
(87)【国際公開番号】W WO2017202738
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-05-20
(31)【優先権主張番号】16171487.8
(32)【優先日】2016-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブス ヨハネス ウィルヘルムス マリア
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-504057(JP,A)
【文献】特開2010-085265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00 -1/16
1/167-7/12
A61B 6/00- 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数の感光性ピクセルを備え、それぞれが、前記複数の感光性ピクセルに光学的に結合された少なくとも1つのシンチレーションデバイスを備える、複数の検知器ユニットと、
前記検知器ユニットを担持する基板フォイルと
を備える放射線検知器であって、
前記検知器ユニットは、前記基板フォイル上に並んで設けられ、
前記放射線検知器が前記基板フォイルの折り曲げ領域の少なくとも一部に沿って折り曲げ可能なように、少なくとも2つの直接的に隣接する検知器ユニットの少なくとも2つの直接的に隣接するシンチレーションデバイスは互いから離間されていて、
前記折り曲げ領域は、前記少なくとも2つの直接的に隣接するシンチレーションデバイスの間に設けられ、
各検知器ユニットは、各検知器ユニットをアドレッシングするための個別のアドレッシング回路、及び/又は各検知器ユニットから信号を読み出すための個別の信号読み出し回路を備え
スイッチ要素が、2つの検知器ユニットの間に設けられ、
前記スイッチ要素は、前記2つの検知器ユニットを相互接続し、及び/又は切り離す、放射線検知器。
【請求項2】
前記放射線検知器は、前記少なくとも2つの直接的に隣接する検知器ユニットによって囲まれた折り曲げ角度で折り曲げ可能であり、
前記折り曲げ角度は0°から360°の範囲である、請求項1に記載の放射線検知器。
【請求項3】
前記放射線検知器は単一の基板フォイルを備え、及び/又は、
前記基板フォイルは、ポリマー材料を備える、請求項1又は2に記載の放射線検知器。
【請求項4】
前記検知器ユニットの各々は、感光性ピクセルのアレイを備え、及び/又は、
前記感光性ピクセルの各々は、少なくとも1つの薄膜トランジスタ要素を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の放射線検知器。
【請求項5】
前記複数の検知器ユニットのうちの少なくとも1つは湾曲した形状を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の放射線検知器。
【請求項6】
前記個別のアドレッシング回路の各々及び/又は前記個別の信号読み出し回路の各々は、前記基板フォイルの個別の電子回路担持領域に設けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の放射線検知器。
【請求項7】
第1の検知器ユニットは、第1のエネルギー範囲にある放射線を検知し、
第2の検知器ユニットは、第2のエネルギー範囲にある放射線を検知し、前記第2のエネルギー範囲は前記第1のエネルギー範囲とは少なくとも部分的に異なる、請求項1から6のいずれか一項に記載の放射線検知器。
【請求項8】
前記複数の検知器ユニットのうちの1つは、X線を検知し、前記基板フォイルの中央領域に設けられたX線検知器ユニットであり、
前記複数の検知器ユニットのうちの少なくとも2つは、前記X線検知器ユニットの2つの対向する辺に設けられたγ線検知器ユニットである、請求項1から7のいずれか一項に記載の放射線検知器。
【請求項9】
各検知器ユニットの前記少なくとも1つのシンチレーションデバイスは、前記複数の感光性ピクセルの少なくとも一部の上に設けられたシンチレーション層を備え、及び/又は、
前記シンチレーションデバイスのエッジは先細状である、請求項1から8のいずれか一項に記載の放射線検知器。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の放射線検知器を複数備える、放射線検知器装置。
【請求項11】
複数の前記放射線検知器の少なくとも2つの基板フォイルは、互いに相互接続される、請求項10に記載の放射線検知器装置。
【請求項12】
放射線検知器を製造するための方法であって、前記方法は、
基板フォイルと複数の検知器ユニットとを提供するステップであって、前記検知器ユニットはそれぞれ、複数の感光性ピクセルを備え、前記検知器ユニットはそれぞれ、前記複数の感光性ピクセルに光学的に結合された少なくとも1つのシンチレーションデバイスを備える、ステップと、
前記複数の検知器ユニットを前記基板フォイル上に互いに対して並んで配置するステップであって、少なくとも2つの直接的に隣接する検知器ユニットの少なくとも2つの直接的に隣接するシンチレーションデバイスはギャップによって互いから離間されて、前記放射線検知器が前記ギャップの一部に沿って折り曲げ可能になっている、ステップと
2つの検知器ユニットの間にスイッチ要素を配置するステップと、
を有し、
前記スイッチ要素は、前記2つの検知器ユニットを相互接続し、及び/又は切り離し、
各検知器ユニットは、各検知器ユニットをアドレッシングするための個別のアドレッシング回路、及び/又は各検知器ユニットから信号を読み出すための個別の信号読み出し回路を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線検知器の分野に関する。より詳細には、本発明は、多機能放射線検知器及びそのような放射線検知器を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線検知器は、科学的用途から、宇宙空間での用途、医療的用途までに及ぶ多くの用途において使用されている。用途、及び例えば測定されるべき粒子エネルギーなど用途により推測される制約に依存して、放射線検知器のサイズは大きくなり得る。
【0003】
US2010/0078573A1は、対象を通過した放射線を検知し、検知された放射線を放射線画像情報に変換するための柔軟な放射線検知器を含む放射線検知器具を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、多目的、多機能、よりコンパクトで、堅牢な、コスト効率の良い放射線検知器が必要とされている。
【0005】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、更なる実施形態は、従属請求項に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によると、放射線検知器が提供される。放射線検知器は、複数の検知器ユニットを備え、検知器ユニットはそれぞれ、複数の感光性ピクセルを備え、検知器ユニットはそれぞれ、複数の感光性ピクセルに光学的に結合された少なくとも1つのシンチレーションデバイスを備える。放射線検知器は、検知器ユニットを担持する基板フォイルを更に備える。
【0007】
検知器ユニットは、基板フォイル上に並んで設けられる。更に、少なくとも2つの直接的に隣接する検知器ユニットの少なくとも2つの直接的に隣接するシンチレーションデバイスは互いから離間されて、放射線検知器が基板フォイルの折り曲げ領域の少なくとも一部に沿って折り曲げ可能及び/又は折り畳み可能になっており、折り曲げ領域は、前記少なくとも2つの直接的に隣接するシンチレーションデバイスの間に設けられている。
【0008】
本発明の第1の態様の例によると、放射線検知器は、検知器ユニットをアドレッシングするための少なくとも1つのアドレッシング回路、及び検知器ユニットから信号を読み出すための少なくとも1つの信号読み出し回路を更に備える。
【0009】
本発明の第1の態様の別の例によると、各検知器ユニットは、個別のアドレッシング回路、及び/又は個別の信号読み出し回路を備える。
【0010】
第2の態様によると、複数の、上述の及び以下に説明される、放射線検知器を備える、放射線検知器装置が提供される。
【0011】
第3の態様によると、上述の及び以下に説明される放射線検知器を製造するための方法が提供される。
【0012】
上述の及び以下に説明される放射線検知器の特徴及び/又は要素は、放射線検知器装置及び/又は方法の特徴及び/又は要素であってよいことに留意されたい。これとは逆に、上述の及び以下に説明される放射線検知器装置及び/又は方法の特徴は、放射線検知器の特徴及び/又は要素であってよい。
【0013】
ここで及び以下において、「感光性ピクセル」という用語は、光などの、電磁的放射線を検知するための及び/又は電磁的信号を検知するための要素を指す。ピクセルの各々は、電磁的放射線を独立的に検知する。しかしながら、複数のサブピクセルが電子的に相互接続されて単一の感光性ピクセルを形成してもよい。このような構成はバインド(結合された)ピクセルとも呼ばれる。
【0014】
ここで及び以下において、「シンチレーションデバイス」という用語は、例えば、CsI、GOS(ガドリニウム酸硫化物)、ガーネット(例えば、LGGAG)、及び/又はNaIなどのシンチレーション材料から成るデバイスを指し、このシンチレーション材料は、光子及び/又は荷電粒子によって励起され得、光などの電磁的放射線の射出によって励起が収まる。
【0015】
ここで及び以下において、「光学的に結合される」という用語は、シンチレーションデバイス及び/又はシンチレーション材料によって射出された電磁的放射線が、検知されるために感光性ピクセルに送信され及び/又は衝突するように、光学的に接続されることを指す。
【0016】
更に、「基板フォイル」という用語は、検知器サブユニットを担持するための平坦及び/又は平面的な担体要素を指す。特には、基板フォイルは、例えばポリマー材料及び/又は金属から成り、数μmから数千μmの範囲の厚さ、例えば10μmから1000μm、好ましくは10μmから100μmの厚さを有する薄いフォイルである。特には、基板フォイルは、約25μmの厚さを有する。更に、基板フォイルは、柔軟であり、これは、基板フォイルが、例えば10回を大きく超える回数にわたって如何なる劣化もなく折り曲げ可能及び/又は折り畳み可能であることを意味する。
【0017】
更に、「折り曲げ可能」という用語は、放射線検知器が劣化することなく折り畳み可能であることを指す。換言すれば、放射線検知器は、10回を大きく超える回数にわたって、無劣化で、及び/又は摩耗することなく、及び/又は無損耗で折り曲げられ得、及び/又は畳み込まれ得る。
【0018】
更には、「並んで」という用語は、検知器ユニットが互いに対して隣に配置、及び/又は互いに対して近接して設けられることを指す。
【0019】
「2つの直接的に隣接する検知器ユニット」という用語は、第1及び第2の検知器ユニットであって、第1の検知器ユニットの第1のエッジ及び/又は境界線が、第2の検知器ユニットの第2のエッジ及び/又は境界線に対向するように設けられている、第1及び第2の検知器ユニットを指す。故に、第1の検知器ユニットの第1のエッジは、第2の検知器ユニットの第2のエッジに面している。
【0020】
「2つの直接的に隣接するシンチレーションデバイス」という用語は、第1及び第2のシンチレーションデバイスであって、第1のシンチレーションデバイスの第1のエッジ及び/又は境界線が、第2のシンチレーションデバイスの第2のエッジ及び/又は境界線に対向するように設けられている、第1及び第2のシンチレーションデバイスを指す。故に、第1のシンチレーションデバイスの第1のエッジは、第2のシンチレーションデバイスの第2のエッジに面している。
【0021】
本発明の第1の態様を言い換えるならば、検知器は、放射線を検知するための様々な、すなわち、少なくとも2つの、検知器ユニットを備える。検知器ユニットはそれぞれ、様々な、すなわち、少なくとも2つの、感光性ピクセルと、少なくとも1つのシンチレーションデバイスとを備える。例えば、検知器ユニットは、感光性ピクセルによって検知され得る、例えば光出力及び/又は光信号などの電磁的信号を生成するために、光子、並びに/又はシンチレーションデバイスを励起することが可能な電子、陽電子及び/若しくはアルファ粒子といった荷電粒子など任意の他の放射線粒子を検知するように構成される。各検知器ユニットの感光性ピクセルは、例えば1つ又は複数の列及び/又は1つ又は複数の行などの任意のパターンに設けられる。検知器ユニットは、基板フォイルの側方、及び/又は例えば外側表面などの表面、及び/又は上に、互いに対して隣に設けられる。検知器ユニットは、基板フォイル上に、例えば一列、三角形状、長方形状及び/又は円形状などの任意のパターンに設けられる。検知器ユニットは、互いに対して一定のオフセット及び/又はシフトを有するようにも設けられる。
【0022】
少なくとも2つの隣り合う検知器ユニットは、それらの隣り合う検知器ユニットのシンチレーションデバイスの間に、及び/又はそれら2つの検知器ユニットのシンチレーションデバイスの向かい合う境界線/エッジの間に、ギャップ、間隔及び/又は隙間が形成されるように、互いから離間される。ギャップには、放射線検知器の如何なる更なる要素も存在せず、すなわち、ギャップには障害物が存在しない。特には、このギャップ及び/又は隙間内に存在するシンチレーションデバイスの部分はない。少なくとも2つの隣り合うシンチレーションデバイス及び/又はそれらの直接的に向かい合うエッジは、少なくとも0.1cm、好ましくは少なくとも1cmだけ互いから離間される。しかしながら、シンチレーションデバイスの厚さに応じて、シンチレーションデバイスは、1cmから30cm、例えば3cmから20cm、好ましくは5cmから15cmだけ、互いから離間される。故に、基板フォイルの折り曲げ領域は、ギャップ内に設けられた基板フォイルの領域及び/又はエリアを指す。それ故、折り曲げ領域は、ギャップと境を接する、及び/又はギャップを画定する基板フォイルの領域を指す。
【0023】
直接的に隣り合う検知器ユニットの直接的に隣り合うシンチレーションデバイスを離間させることによって、放射線検知器は、折り曲げ領域の少なくとも一部に沿って、及び/又はギャップに沿って、有利に折り曲げ可能及び/又は折り畳み可能になる。換言すれば、放射線検知器は、折り曲げ領域及び/又はギャップ内で、有利に折り曲げ可能である。このことは、少なくとも2つの隣り合う検知器ユニットの互いに対する様々な構成及び/又は幾何学的配置に、放射線検知器を任意に折り畳むことを可能にする。このようにして、例えば、放射線検知器は、例えばその輸送又は保管のために、コンパクトな構成に折り畳まれ、使用の際に一時的に展開される。同様に、放射線検知器は、特定の用途に従って、検知器ユニットの互いに対する構成及び/又は幾何学的配置に関して、有利に適合される。例えば、医療的用途において、放射線検知器の幾何学的形状は、患者の固有の幾何学的形状に従って適合され得る。しかしながら、放射線検知器は、科学的用途、例えば粒子加速器において、などの他の用途においても有利に適用される。放射線検知器は、宇宙空間での用途においても使用され、そこでは、放射線検知器は、例えば折り畳まれた構成で宇宙空間に輸送され、宇宙空間において展開される。
【0024】
特には、医療的用途に関して、例えばX線撮像及び患者へのアクセスに制限を課す通常の単一の平坦で大型の検知器の剛性の幾何学的形状に比べて、本発明の放射線検知器は、より小型の検知器ユニットを、基本的には互いに対する任意の所望の角度において、柔軟に位置決めすることを可能にし、新たな撮像機会を可能にする。
【0025】
更に、例えば脊椎撮像神経バイプレーン用途などの面積が大きい、及び/又は多数の検知器を有する通常の又は標準的な撮像システムに比べて、本発明の放射線検知器は、より良好なシステム機動性を提供する、よりコンパクトで、よりコスト効率の良い撮像システムの設計を可能にする。
【0026】
更には、通常の又は標準的な大型で剛性の平坦な検知器では、撮像手順の大部分において患者への医師又は他の医療デバイスのアクセスが制限される。対照的に、本発明の放射線検知器では、患者へのアクセスが制限されるのは、検知器が展開されている短い期間だけである。
【0027】
これとは別に、通常の又は標準的な大型の嵩張る検知器では、検知器及び/又は撮像システムの可搬性及び/又は機動性が制限されるのに対して、本発明の放射線検知器の折り畳み可能なコンセプトは、放射線検知器及び/又はこれを備える撮像システムのコンパクトな及び/又は機動力のある設計を可能にする。
【0028】
一実施形態によると、放射線検知器は、前記少なくとも2つの直接的に隣接する及び/又は直接的に隣り合う検知器ユニットに囲まれた折り曲げ角度で折り曲げ可能であり、折り曲げ角度は約0°から約360°の範囲である。折り曲げ角度のこの範囲は、出発幾何学的形状に関し、そこでは、放射線検知器は折り畳まれた幾何学的形状にある。しかしながら、完全に展開された及び/又は平坦な幾何学的形状を出発幾何学的形状として仮定すると、最大折り曲げ角度は約+/-180°までになる。検知器ユニットが互いに対してこのような広い範囲の角度にわたって任意に設けられる放射線検知器を提供することによって、全体的な放射線検知器の構成の柔軟性及び/又は幾何学的柔軟性が、更に向上する。
【0029】
一実施形態によると、放射線検知器は単一の基板フォイルを備える。換言すれば、基板フォイルは、検知器ユニットのための通常の担体要素を形成する通常の基板フォイルでよい。基板フォイルは、例えばモノリシックな基板フォイルでよい。このようにして、コスト効率が良く、軽量で、耐久性があり、及び/又は堅牢な放射線検知器が提供される。
【0030】
一実施形態によると、基板フォイルは、ポリマー材料から成る。基板フォイルは、例えば、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及び/又はこれらの任意の組み合わせから成る。このような材料は、重量の軽さ、及び高度の柔軟性及び堅牢性を提供し、基板フォイル及び/又は放射線検知器は、ほとんど任意の頻度で、如何なる材料の劣化及び/又は品質低下もなく折り畳まれ得る。
【0031】
一実施形態によると、検知器ユニットの各々は、感光性ピクセルのアレイを備える。ピクセルのアレイは、いくつかの行及び列に設けられて、ピクセルの同質なパターンを形成するピクセルを指す。このようなアレイは、放射線検知器の空間解像度に関して特に有利である。
【0032】
一実施形態によると、感光性ピクセルの各々は、少なくとも1つの薄膜トランジスタ(TFT)要素を備える。このようなTFT要素及び/又はピクセルは、安価に大量生産され得、寿命が長く、ほとんど保守不要で、厚さが薄く、放射線検知器及び/又はそれぞれの検知器ユニットの特定の要件を満たすために様々な厚さ及び/又はサイズに製作され得ることを特徴とする。
【0033】
一実施形態によると、複数の検知器ユニットのうちの少なくとも1つは、湾曲した形状を有する。換言すれば、複数の検知器ユニットのうちの少なくとも1つは、湾曲した外側面及び/又は湾曲した外側幾何学的形状を有する。代替的に、複数の検知器ユニットのうちの全てが湾曲した形状を有してよい。放射線源の幾何学的形状及び/又は放射線検知器に衝突する放射線粒子の衝突方向に応じて、検知器ユニットの湾曲した形状、又はその少なくとも一部は、放射線検知器によってキャプチャされた放射線画像の後処理を単純化する。
【0034】
一実施形態によると、感光性ピクセル及び/又は各検知器ユニットはフォトダイオードを備える。フォトダイオードによって、シンチレーションデバイスから射出された電磁的放射線又は信号は、電気信号、例えば電流及び/又は電圧に変換され、この電気信号は、少なくとも1つのTFT要素を介して放射線検知器の信号読み出し回路及び/又は信号読み出し電子回路に転送される。TFT要素は、スイッチ又はスイッチ要素として働く。例えば、電気信号は、放射線検知器のデータラインに転送及び/又は送信される。更に、電気信号はTFT回路によって増幅される。TFT回路は複数のTFT要素を備える。
【0035】
一実施形態によると、放射線検知器は、検知器ユニットをアドレッシングするための少なくとも1つのアドレッシング回路と、検知器ユニットから信号を読み出す少なくとも1つの信号読み出し回路とを更に備える。それ故、放射線検知器は、1つ又は複数のアドレッシング回路及び/又は1つ又は複数の信号読み出し回路を備える。例として、検知器ユニットの少なくとも一部は、1つのアドレッシング回路及び/又は1つの信号読み出し回路と電子的に相互接続され、これを共有する。
【0036】
一実施形態によると、各検知器ユニットは、個別のアドレッシング回路及び/又は個別の信号読み出し回路を備える。それ故、各検知器ユニットは、全ての他の検知器ユニットに対して独立的に及び/又は個別に動作するように構成される。画像取得に関する柔軟性を提供することとは別に、これは、信号対雑音比も有利に減少させる。というのは、それぞれの回路を検知器ユニット及び/又はその内部に備えられる感光性ピクセルと接続するためにどちらかというと短いワイヤが使用されるからである。故に、放射線検知器及び/又は検知器ユニットの性能が向上される。更に、検知器ユニットの各々に、アドレッシング及び/又は信号データ読み出しのための個別の周辺電子回路、すなわち、アドレッシング回路及び/又は信号読み出し回路を備えることは、検知器ユニットが個々に動作し、例えば、異なる放射線照射から画像を取得することを可能にする。検知器ユニットの画像は、同時に及び/又は順次に取得される。更に、異なる検知器ユニットによって取得された画像は、合併、処理及び/又は再構成されて、例えば患者の解剖学的及び/又は機能的情報を生成する。
【0037】
一実施形態によると、個別の信号読み出し回路の各々は、基板フォイルの個別の電子回路担持領域に設けられる。同様に、個別のアドレッシング回路の各々は、基板フォイルの個別の電子回路担持領域に設けられる。このようにして、電気配線ラインの長さ、従って信号対雑音比は更に減少される。
【0038】
一実施形態によると、放射線検知器は、2つの例えば直接的に隣接する検知器ユニットの間に設けられたスイッチ要素を更に備え、スイッチ要素は、2つの検知器ユニットを相互接続し、及び/又は切り離すように構成される。スイッチ要素は、例えば、前記2つの検知器ユニットを切り替え可能に相互接続し及び/又は切り離すことを可能にするグローバルデータラインスイッチを備える。このことは、各検知器ユニットの個々の、自律的な動作を可能にし、検知器ユニットの間のクロストークを回避する。更に、このことは、長いデータラインに起因する過剰な雑音を減少させる。
【0039】
一実施形態によると、第1の検知器ユニットは、第1のエネルギー範囲にある放射線を検知するように構成され、第2の検知器ユニットは、第2のエネルギー範囲にある放射線を検知するように構成され、第2のエネルギー範囲は第1のエネルギー範囲とは少なくとも部分的に異なる。第1及び第2のエネルギー範囲は、少なくとも部分的に重なってよい。このようにして、様々なエネルギー範囲の光子などの粒子を検知し、それによって画像取得のための更なる情報を提供することが可能な多機能放射線検知器が提供される。例えば、第1の検知器ユニットは、X線を検知するように構成されたX線検知器ユニットであり、第2の検知器ユニットは、γ線を検知するように構成されたγ線検知器ユニットである。このような第1及び第2の検知器ユニットは、それぞれ複数存在してよい。また、全ての検知器ユニットが、異なるエネルギーを検知するように構成されてよい。例えば、二重エネルギーX線撮像において、第1の検知器ユニットは、低エネルギーX線、いわゆるソフトX線放射線を主に検知するように構成され、放射線粒子の飛行経路に関して第1の検知器ユニットの背後に位置付けられた第2の検知器ユニットは、高エネルギーX線、いわゆるハードX線放射線を主に検知するように構成される。異なるエネルギー範囲における感度を提供するために、第1及び第2の検知器ユニットは、例えば、ピクセルサイズ、シンチレーション材料、シンチレーションデバイス及び/若しくはその内部に備えられたシンチレーション層の厚さ、並びに/又は電子回路、すなわちアドレッシング及び/若しくは信号読み出し回路が異なっている。より高いエネルギーを検知するためには、例えば、より大きなピクセルが使用され、及び/又はシンチレーションデバイス内に備えられたより厚さの大きいシンチレーション層が使用される。
【0040】
一実施形態によると、複数の検知器ユニットのうちの少なくとも1つは、X線を検知するように構成され、基板フォイルの中央領域に設けられたX線検知器ユニットであり、複数の検知器ユニットのうちの少なくとも2つは、X線検知器ユニットの対向する辺及び/又は2つの対向する辺に設けられたγ線検知器ユニットである。それ故、X線検知器ユニットは、少なくとも2つのγ線検知器ユニットと境を接する。このことは、放射線検知器にマルチモダリティ性及び多機能性を提供する。
【0041】
一実施形態によると、各検知器ユニットの少なくとも1つのシンチレーションデバイスは、複数の感光性ピクセルの少なくとも一部の上、例えば表面、に設けられたシンチレーション層を備える。更に、シンチレーション層は柔軟性であり、すなわち、シンチレーション層は、劣化することなく一定の程度だけ折り曲げ可能である。このことは、全体的な放射線検知器の堅牢性、柔軟性及び/又は折り畳み性を更に向上させる。更に、柔軟なシンチレーション層は、湾曲した形状を有する検知器ユニットの実現を容易に及び/又は可能にする。シンチレーション層は、CsI、GOS、ガーネット及び/又はNaI材料から成る。
【0042】
一実施形態によると、シンチレーションデバイスのエッジは先細状である。このことは、折り曲げを更に向上させ、それにより折り畳み性を更に向上させる。
【0043】
第2の態様によると、上述の又は以下に説明される、複数の放射線検知器を備える放射線検知器装置が提供される。
【0044】
一実施形態によると、複数の放射線検知器の少なくとも2つの基板フォイルは、互いに対して相互接続される。換言すれば、複数の放射線検知器のうちの少なくとも2つは、互いに対して相互接続される。このような相互接続は、少なくとも2つの放射線検知器のそれぞれの基板フォイルの機械的な相互接続を含む。基板フォイルは、一体に接着、溶着及び/又はテープ止めされる。基板フォイルは、熱溶融プロセスによって、すなわち熱融着及び圧縮によって相互接続されてもよい。それぞれの基板フォイルのエッジは、面一に設けられてよく、及び/又は少なくとも部分的に重なってもよい。更に、放射線検知器装置の複数の放射線検知器は、例えば、いわゆる貫通フォイルビア(TFV:Through-Foil-Via)、ワイヤボンディング、及び/又は、例えばインクベースの、プリント導電ラインによって電子的に相互接続される。このようにして、放射線検知器装置の全体的なサイズ、及び多機能性が更に向上される。
【0045】
第3の態様によると、放射線検知器を製造するための方法が提供される。方法は、基板フォイルと複数の検知器ユニットとを提供するステップであって、検知器ユニットはそれぞれ、複数の感光性ピクセルを備え、検知器ユニットはそれぞれ、複数の感光性ピクセルに光学的に結合された少なくとも1つのシンチレーションデバイスを備える、ステップを有する。更に、方法は、複数の検知器ユニットを基板フォイル上に互いに対して並んで配置するステップであって、少なくとも2つの直接的に隣接する、隣り合う、及び/又は近接して設けられた検知器ユニットの少なくとも2つの直接的に隣接する、隣り合う、及び/又は近接して設けられたシンチレーションデバイスはギャップによって互いから離間されて、放射線検知器がギャップの一部に沿って折り曲げ可能及び/又は折り畳み可能になっている、ステップを有する。
【0046】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかであり、これらを参照して解明されるであろう。
【0047】
本発明の主題は、添付の図面に示された例示的な実施形態を参照して、以下においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1A】放射線検知器の上面図を模式的に示した図である。
図1B図1Aの放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図2A】閉じられた構成の放射線検知器を模式的に示した図である。
図2B】完全に展開された構成の図2Aの放射線検知器を模式的に示した図である。
図2C】部分的に展開された構成の図2Aの放射線検知器を模式的に示した図である。
図3】特定の設計の放射線検知器の上面図を模式的に示した図である。
図4】特定の設計の放射線検知器の上面図を模式的に示した図である。
図5】特定の設計の放射線検知器の上面図を模式的に示した図である。
図6】特定の設計の放射線検知器の上面図を模式的に示した図である。
図7】特定の設計の放射線検知器の上面図を模式的に示した図である。
図8A】完全に展開された構成の放射線検知器の上面図を模式的に示した図である。
図8B】部分的に展開された構成の図8Aの放射線検知器を模式的に示した図である。
図9A】放射線検知器の上面図を模式的に示した図である。
図9B図9Aの放射線検知器の一部の詳細図を模式的に示した図である。
図10】異なる幾何学的セットアップの放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図11】異なる幾何学的セットアップの放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図12】異なる幾何学的セットアップの放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図13】異なる幾何学的セットアップの放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図14】異なる幾何学的セットアップの放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図15】異なる幾何学的セットアップの放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図16】異なる幾何学的セットアップの放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図17】異なる幾何学的セットアップの放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図18】異なる幾何学的セットアップの放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図19A】放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図19B図19Aの放射線検知器の側面図を模式的に示した図である。
図20A】放射線検知器の断面図を模式的に示した図である。
図20B】異なる実施形態による図20Aの放射線検知器の一部の詳細図を模式的に示した図である。
図20C】異なる実施形態による図20Aの放射線検知器の一部の詳細図を模式的に示した図である。
図21】放射線検知器装置の上面図を模式的に示した図である。
図22】放射線検知器を製造するための方法のステップを示すフローチャートを模式的に示した図である。
図23】放射線検知器を製造するための方法を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
原則として、図面において、同一の部分には同じ参照記号が付されている。
【0050】
図1Aは、放射線検知器10の上面図を模式的に示し、図1Bは、図1Aの放射線検知器10の断面図を模式的に示す。放射線検知器10は、2つの検知器ユニット12a、12bを備える。
【0051】
検知器ユニット12a、12bの各々は、2つの感光性ピクセル14を備え、これらは例示的に一列に設けられる。しかしながら、感光性ピクセル14は、代替的に、互いに対して任意の配置に設けられてよい。ピクセル14の各々は、少なくとも1つの薄膜トランジスタ(TFT)要素16を備える。
【0052】
更に、検知器ユニット12a、12bの各々はフォトダイオード18を備え、これは各検知器ユニット12a、12bのTFT要素16の表面を少なくとも部分的に覆う。図1A及び図1Bに図示された例示的な実施形態においては、ピクセル14はそれぞれのフォトダイオード18に接続され、以下に更に詳細に説明されるように、フォトダイオード18は、基本的に、感光性をピクセル14に提供する。代替的に、検知器ユニット12a、12bの各々は、複数のフォトダイオード18を備えてもよい。
【0053】
更には、検知器ユニット12a、12bの各々は、感光性ピクセル14に及び/又はその上に設けられたシンチレーション層22を有するシンチレーションデバイス20を備える。各検知器ユニット12a、12bのシンチレーション層22は、それぞれのフォトダイオード18の上及び/又はその表面に設けられる。シンチレーション層22は、例えば、CsI、GOS、ガーネット及び/又はNaIをシンチレーション材料として含む。
【0054】
全ての上述されたコンポーネント及び/又は要素を有する検知器ユニット12a、12bは、柔軟な基板フォイル24上に、互いに対して並んで、及び/又は互いに対して隣に設けられる。検知器ユニット12a、12bは、基板フォイル24の表面25、上面25及び/又は外側面25に少なくとも部分的に設けられる。基板フォイル24は、各検知器ユニット12a、12bのコンポーネントの全て又は大部分を担持する単一の、大型の、通常の基板フォイル24を指す。換言すれば、基板フォイル24は、検知器ユニット12a、12bのための通常の担体要素を形成する通常の基板フォイル24である。基板フォイル24は、例えばモノリシックな基板フォイル24でよい。更に基板フォイル24は、例えば、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及び/又はこれらの任意の組み合わせなどのポリマー材料から成る。基板フォイル24は柔軟であり、例えば10回を大きく超える回数にわたって顕著な劣化及び/又は品質低下もなく折り曲げられ、及び/又は折り畳まれる。基板フォイル24は、数μmから数千μmの範囲の厚さ、例えば10μmから1000μm、好ましくは10μmから100μmの厚さを有する。特には、基板フォイルは、約25μmの厚さを有する。
【0055】
基板フォイル24の柔軟性を利用するために、及び/又は放射線検知器10に折り畳み可能性及び/又は折り曲げ可能性を提供するために、互いに隣り合う、及び/又は基板フォイル24上で近接して設けられる2つの検知器ユニット12a、12bは、図1A及び図1Bにおいて矢印で示される距離26だけ互いから離間される。より正確には、それぞれの検知器ユニット12a、12bの2つの直接的に隣接するシンチレーションデバイス20は、距離26だけ離間され、距離26は、シンチレーションデバイス20及び/又はシンチレーション層22のエッジ21及び/又は境界線21から基板24の表面25に平行に測定され、エッジ/境界線21は、互いに対して向かい合い、及び/又は互いに対して面している。換言すれば、エッジ/境界線21は、互いに対して対向して設けられる。距離26は、少なくとも0.1cm、好ましくは少なくとも1cmである。しかしながら、シンチレーションデバイス20の厚さに応じて、距離26は、1cmから約30cm、例えば3cmから20cm、好ましくは5cmから15cmの範囲である。シンチレーションデバイス20の直接的に隣接するエッジ/境界線21を距離26だけ離間させることによって、隙間28及び/又はギャップ28がシンチレーションデバイス20の間に形成される。ギャップ28及び/又は隙間28内に設けられる基板フォイル24のエリア及び/又は領域は、基板フォイル24の折り曲げ領域30と称される。以下の図面において更に明らかにされるように、検知器ユニット12a、12bが、基本的に、折り曲げ領域30及び/又はギャップ28の長手に伸びる方向に平行な軸32の周りの任意の角度で互いに対して変位及び/又は再設けられるように、放射線検知器10は、折り曲げ領域30の少なくとも一部に沿って、折り曲げ可能及び/又は折り畳み可能である。
【0056】
更には、検知器ユニット12a、12bの各々は、ピクセル14をアドレッシングするための電子アドレッシング回路34を備える。特に各検知器ユニット12a、12bのアドレッシング回路34は、ピクセル14を、例えば、これらのコンポーネントに電力を供給することで、駆動するように構成される。アドレッシング回路34はそれぞれ、例えば集積回路(IC)を備える。
【0057】
更に、検知器ユニット12a、12bの各々は、電子信号読み出し回路36を備える。信号読み出し回路36はそれぞれ、検知器ユニット12a、12bの各々のピクセル14のからのデータ及び/又は信号のためのデータ信号読み出し器を指す。信号読み出し回路36はそれぞれ、集積回路(IC)及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)を備える。信号読み出し回路36はそれぞれ、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのアナログ-デジタル変換器を更に備える。
【0058】
しかしながら、検知器ユニット12a、12bは、単一のアドレッシング回路34及び/又は単一の信号読み出し回路36を共有してもよい。故に、検知器ユニット12a、12bは、電子的に相互接続され、放射線検知器10の共通の周辺電子回路を共有する。
【0059】
アドレッシング回路34及び信号読み出し回路36の両方は、基板フォイル24のどちらかの側に設けられる電子TFTバックプレーン回路として製作され、放射線検知器10が性能低下なしに折り曲げられ及び/又は折り畳まれることを可能にする。各検知器ユニット12a、12bの回路34、36は、基板フォイル24の同一の側に設けられてもよく、又は別々の側に設けられてもよい。
【0060】
放射線検知器10の動作原理が以下に説明される。シンチレーションデバイス20及び/又はシンチレーション層22に衝突する光子、並びに/又は、例えば電子、陽電子及び/若しくはアルファ粒子などの荷電粒子は、シンチレーション層22の活性種、例えば分子などを励起し、これは電磁的放射線、例えば可視光などの射出により励起が収まる。シンチレーション層22及び/又はシンチレータデバイス20から射出される電磁的放射線は、フォトダイオード18に衝突し、フォトダイオード18は電磁的放射線を電気信号、すなわち電流及び/又は電圧に変換し、この電気信号は、TFT要素16のうちの少なくとも1つを介して放射線検知器10の信号読み出し回路36に転送される。これは電子信号を提供し、この電子信号は最初に衝突した放射線粒子及び/又はそれによってシンチレーションデバイス20に堆積されたエネルギーと相関関係を持つ。次いで、電子信号はデジタル信号に変換され、デジタル信号は最終的な画像取得のために更に処理される。
【0061】
ここで、2つの検知器ユニット12a、12bは、異なるエネルギーの放射線を検知するように構成されてよいことに留意されたい。例として、検知器ユニット12aは、第1のエネルギー範囲にある放射線を検知するように構成された第1の検知器ユニット12aを示し、検知器ユニット12bは、第2のエネルギー範囲にある放射線を検知するように構成された第2の検知器ユニット12bを示し、第2のエネルギー範囲は第1のエネルギー範囲とは少なくとも部分的に異なる。第1及び第2のエネルギー範囲は、少なくとも部分的に重なってよい。
【0062】
例えば、第1の検知器ユニット12aは、X線を検知するように構成されたX線検知器ユニット12aであり、第2の検知器ユニット12bは、γ線検知器ユニット12bである。
【0063】
異なるエネルギー範囲における感度を提供するために、第1の検知器ユニット12a及び第2の検知器ユニット12bは、例えば、ピクセル14のサイズ、シンチレーション材料、シンチレーションデバイス20及び/若しくはその内部に備えられたシンチレーション層22の厚さ、並びに/又は電子回路、すなわちアドレッシング回路34及び/若しくは信号読み出し回路36が、それぞれ異なる。より高いエネルギーを検知するためには、例えば、シンチレーションデバイス20内に備えられたより厚さの大きいシンチレーション層22が使用される。
【0064】
検知器ユニット12a、12bの各々によって異なるエネルギーを測定及び/又は検知することは、放射線検知器10に多機能性及び/又はマルチモダリティ性を有利に提供する。
【0065】
通常の又は標準的な検知器においては、多機能性は、個別のより小型の検知器を一体に密接に接続することによってのみ実現されるが、これは高コストの価格に不可避的につながる。
【0066】
図1A及び図1Bを参照して上に説明された本発明の放射線検知器10によると、多機能放射線検知器10は、1つの処理製作フローによって製造される単一のフォイル上センサ(sensor-on-foil)式の基板24から製作され得る。同様に、一般に入手可能なシンチレーションデバイス20及び/又は放射線検知器10組み立てプロセスが使用され、それによって本発明の放射線検知器10のための製造コストが減少する。
【0067】
更に、例えば、複数の撮像タスク、例えば、SIRT、腫瘍学、IGTなどのためのX線及びγ線撮像など、を伴う臨床手順は、手順中の患者の移動を必要とし、通常の又は標準的な検知器を使用すると時間を消費する。
【0068】
対照的に、図1A及び図1Bを参照して説明された本発明のマルチモダリティ放射線検知器10を使用すると、手順中の患者の輸送は必要なくなり、このような手順は単純化及び/又は短縮される。
【0069】
更には、通常の又は標準的な放射線検知器は、理論的には「平均的な用途」のための要件のみを満たすセンサ及びシンチレータの1つの固定的な組み合わせを有する。このことは、ユーザの柔軟性、適用範囲を制限し、非所望の高いX線照射線量の使用につながる。
【0070】
対照的に、図1A及び図1Bを参照して説明された本発明の放射線検知器10は、複数のセンサ、すなわち複数のシンチレーションデバイス20の組み合わせを備えた検知器ユニット12a、12bを備え、これらはそれぞれ、低又は高照射線量、低又は高kV、低又は高解像度などの特定の撮像用途の要件のために最適化される。このことは、X線照射線量などの放射線照射線量の効果的な使用を提供する。
【0071】
更には、通常の検知器及びシステムは、X線機能又はγ線機能などの1つの撮像機能を有するのみである。
【0072】
対照的に、図1A及び図1Bを参照して上に説明されたように、本発明の放射線検知器10は、1つの放射線検知器10におけるX線及びγ線撮像の両方の組み合わせに関して放射線のマルチモダリティ検知を提供する。
【0073】
これとは別に、通常の検知器においては、通常の基板上の「標準的な」検知器の折り畳み/展開、及び/又は湾曲が繰り返されると、シンチレーションデバイスの局所的な損傷、及び撮像性能の低下につながる。
【0074】
対照的に、本発明の放射線検知器10においては、全ての検知器ユニット12a、12bが、平坦で、如何なるシンチレーションデバイス20及び/又はシンチレーション層22によっても覆われていない折り曲げ領域30及び/又はギャップ28においてのみ折り畳まれる。このことは、高度の堅牢性及び耐久性を提供する。
【0075】
図1A及び図1Bにおいて図示された例示的な実施形態による放射線検知器が、以下に簡単に要約される。説明されたように、コンパクトで折り畳み可能であり、互いに対して接続された複数の平坦な検知器ユニット12a、12bのより大型の構成を作動させるために一時的に展開され得る放射線検知器10の設計が提供される。検知器ユニット12a、12bは、互いに対して任意の所望の角度(すなわち、後続の図面において図示された折り曲げ角度50)で柔軟に位置付けられ得、それら自体の固有の感光性ピクセル14及びシンチレーションデバイス20を有する。放射線検知器10における基本的な大型の基板フォイル24は、単一の薄いプラスチックフォイル24を備え、その上に様々なより小型の感光性ピクセル14が製作される。大型の基板フォイル24は、好ましくは、TFTバックプレーン及びフォトダイオード製作プロセスを使用して1つの処理フローにおいて製造される。多機能放射線検知器10は、検知器ユニット12a、12bを、それらが個々に動作し、及び/又は例えば、異なる放射線照射から画像を取得することが可能になるように設計することによって実現される。
【0076】
図2Aは、閉じられた構成の放射線検知器10を模式的に図示する。図2Bは、完全に展開された構成の図2Aの放射線検知器10を模式的に図示し、図2Cは、部分的に展開された構成の図2Aの放射線検知器10を模式的に図示する。
【0077】
別段の定めがない場合、図2Aから図2Cの放射線検知器10は、図1A及び図1Bの放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0078】
図2Aから図2Cの放射線検知器10は、全部で5つの検知器ユニット12a、12b、12c、12d、及び12eを備え、これらはそれぞれ長方形の形状を有する。
【0079】
中央の検知器ユニット12aは、他の検知器ユニット12bから12eよりも大型である。例として、中央の検知器ユニット12aはX線検知器ユニット12aであり、他の検知器ユニット12bから12eはγ線検知器ユニットである。代替的に、全ての検知器ユニット12aから12eは、異なるエネルギー範囲にある放射線粒子、例えば光子、を検知するように構成されてよく、これらのエネルギー範囲は重なってもよい。
【0080】
図2Bに図示されるように、検知器ユニット12b及び12dは同一のサイズを有し、検知器ユニット12aの2つの対向する辺11a及び11bにそれぞれ設けられる。
【0081】
同様に、検知器ユニット12c及び12eは同一のサイズを有し、検知器ユニット12aの2つの対向する辺11c及び11dにそれぞれ設けられる。
【0082】
図2Aから図2Cから明らかなように、放射線検知器10は、図2Aに図示された大幅にコンパクトな構成に折り畳まれ、図2Bに描かれた構成に全体的に展開され得、それによって有効な検知器エリアを増加させる。
【0083】
図2Cに示されるように、検知器ユニット12bから12eの各々は独立的に折り畳まれ得及び/又は折り曲げられ得るので、放射線検知器10は、図2Aに図示された完全に折り畳まれた構成から図2Bに図示された完全に展開された構成まで、多くの異なる幾何学的構成において使用される。
【0084】
要約すると、コンパクトで折り畳み可能であり、互いに対して接続された複数の平坦な検知器ユニット12aから12eのより大型の構成を作動させるために一時的に展開され得る放射線検知器10の設計が提供される。検知器ユニット12aから12eは、互いに対して任意の所望の角度(すなわち、後続の図面において図示された折り曲げ角度50)で柔軟に位置付けられ得る。
【0085】
各検知器ユニット12aから12eは、特定のシンチレーションデバイス20によって少なくとも部分的に覆われた感光性ピクセル14を備え、各検知器ユニット12aから12eは、特定のX線及び/又はγ線撮像要件のために最適化される。各検知器ユニット12aから12eは、ピクセル14、TFT要素16、及び/又はアドレッシング及びデータ信号読み出しのための周辺電子回路34、36のそれ自体の固有の配置を有する。
【0086】
基本的な大型の基板フォイル24は、単一の薄いプラスチックフォイルを備え、その上に様々なより小型の感光性ピクセル14が製作される。大型の基板フォイル24は、好ましくは、TFTバックプレーン及びフォトダイオード製作プロセスを使用して1つの処理フローにおいて製造される。
【0087】
多機能放射線検知器10は、検知器ユニット12aから12eを、それらが個々に動作し、異なる放射線照射から画像を取得することが可能になるように設計することによって実現される。検知器ユニット12aから12eの画像は、同時に及び/又は順次に取得される。それらの画像は、処理、合併及び/又は再構成されて、解剖学的及び/又は機能的情報を生成し得る。
【0088】
図3は、例示的な実施形態による放射線検知器10の上面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図3の放射線検知器10は、先の図に図示された放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0089】
図3の放射線検知器は、全部で9つの検知器ユニット12aから12iを備える。検知器ユニット12aから12eは、図2Aから図2Cの検知器ユニット12aから12eに対応する。
【0090】
加えて、小型サイズの検知器ユニット12f、12g、12h、12iが、中央の検知器ユニット12aの各角部に設けられており、放射線検知器10に更に大きな全体的検知エリアを提供する。
【0091】
図4は、例示的な実施形態による放射線検知器10の上面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図4の放射線検知器10は、先の図に図示された放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0092】
図4の放射線検知器10は、全部で2つの検知器ユニット12a、12bを備え、これらは互いに対して隣に設けられ、サイズが異なる。検知器ユニット12aは、主検知器ユニットと見なされ、エッジ11で検知器ユニット12bと境を接する。
【0093】
図5は、例示的な実施形態による放射線検知器10の上面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図5の放射線検知器10は、先の図に図示された放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0094】
図5の放射線検知器10は、全部で5つの検知器ユニット12aから12eを備える。それぞれの検知器ユニット12aから12eの各辺及び/又はエッジ11aから11dに沿って、検知器ユニット12aから12eは折り畳まれ、多くの様々な幾何学的構成を可能にする。全ての検知器ユニット12aから12eは、正方形の形状を有し、同一のサイズを有する。故に、検知器エリアは、完全に折り畳まれた構成から完全に展開された構成まで5倍に増加される。
【0095】
図6は、例示的な実施形態による放射線検知器10の上面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図6の放射線検知器10は、先の図に図示された放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0096】
図6の放射線検知器10は、全部で3つの検知器ユニット12aから12cを備える。それぞれの検知器ユニット12aから12cの各辺及び/又はエッジ11aから11bに沿って、検知器ユニット12aから12cは折り畳まれ、多くの様々な幾何学的構成を可能にする。全ての検知器ユニット12aから12cは、正方形の形状を有し、同一のサイズを有する。故に、検知器エリアは、完全に折り畳まれた構成から完全に展開された構成まで3倍に増加される。
【0097】
図7は、例示的な実施形態による放射線検知器10の上面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図7の放射線検知器10は、先の図に図示された放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0098】
図7の放射線検知器10は、全部で6つの検知器ユニット12aから12fを備える。それぞれの検知器ユニット12aから12fの各辺及び/又はエッジ11aから11eに沿って、検知器ユニット12aから12fは折り畳まれ、多くの様々な幾何学的構成を可能にする。全ての検知器ユニット12aから12fは、長方形の形状を有し、同一のサイズを有する。故に、検知器エリアは、完全に折り畳まれた構成から完全に展開された構成まで6倍に増加される。
【0099】
図8Aは、完全に展開された構成の放射線検知器10の上面図を模式的に図示し、図8Bは、部分的に展開された構成の図8Aの放射線検知器10を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図8A及び図8Bの放射線検知器10は、先の図に図示された放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0100】
放射線検知器10は、全部で5つの検知器ユニット12aから12eを備え、これらは、図2A及び図2Bの検知器ユニット12aから12eに対応する。
【0101】
更に、放射線検知器10は、全部で4つの個別の電子回路ユニット13aから13dを備え、中央の検知器ユニット12aの各角部に、これらの電子回路ユニット13aから13dのうちの1つが設けられる。電子回路ユニット13aから13dの各々は、個別の信号読み出し回路36を備える。これらの個別の信号読み出し回路36の各々は、基板フォイル24の個別の電子回路担持領域15aから15d上に設けられる。
【0102】
エッジ11aから11d(検知器ユニット12aの辺11aから11dに対応する)の各々に沿った検知器ユニット12bから12eの各々の折り畳み可能性を提供するために、電子回路ユニット13aから13dの各々と少なくとも1つの直接的に隣接する及び/又は隣り合う検知器ユニット12bから12eとの間に、基板フォイル24は、切れ目17aから17d及び/又は19aから19dを備える。
【0103】
例として、図8Bに示されるように、電子回路ユニット13a、13bのために、切れ目17a、17bが、基板フォイル24に存在する。代替的に又は追加的に、切れ目19a、19bが存在してもよい。他の電子回路ユニット13c、13d、並びに切れ目17c、17d及び/又は19c、19dにも、それぞれ同様のことが適用される。
【0104】
しかしながら、安定性を増すために、切れ目17aから17d又は19aから19dの一方を提供することもできる。
【0105】
図8Aにおいて、破線は、折り畳み可能な基板フォイル24のエッジを表し、実線は、フォイルのエッジに切り込まれた切れ目17aから17d及び19aから19dを表すことに留意されたい。
【0106】
空の帯状エリア、及び/又は様々な検知器ユニット12aから12e及び/又は電子回路ユニット13aから13dの間のエリアは、例えば配線などの電子回路のためにも使用される。
【0107】
図9Aは、放射線検知器10の上面図を模式的に図示し、図9Bは、図9Aの放射線検知器10の一部の詳細図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図9A及び図9Bの放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0108】
図9Aの放射線検知器10は、図3に図示された放射線検知器10と同様に、全部で9つの検知器ユニット12aから12iを備える。
【0109】
更に、各検知器ユニット12aから12iは、1つ又は複数のアドレッシング回路34、及び1つ又は複数の信号読み出し回路36を備える。
【0110】
検知器ユニット12a、ユニット12b、12d、12f、12h、及び12c、12e、12g、12iは、前述のように、低又は高照射線量、低又は高kV、低又は高解像度の用途に最適化された異なるピクセルサイズ、シンチレーションデバイス、アドレッシング回路34、及び/又は信号読み出し回路36を備える。
【0111】
検知器ユニット12aから12iの各々は、隣り合う検知器ユニット12aから12iのうちの1つと、グローバルデータラインスイッチなどの少なくとも1つのスイッチ要素38を介して相互接続される。スイッチ要素38は、隣り合う検知器ユニット12aから12iを切り替え可能に相互接続し及び/又は切り離すように構成される。より具体的には、スイッチ要素38は、隣り合う検知器ユニット12aから12iから、行アドレッシングライン又は列データ読み出しラインを切り替え可能に相互接続する。図9Bは、例として、検知器ユニット12a及び12bの列読み出しラインの相互接続を図示する。検知器ユニット12aから12iの各々は、基板フォイル24上でいくつかの行及び列に設けられた感光性ピクセル14のアレイ40a、40bを備える。明確化のために、アレイ40a、40bは、3つの行及び6つの列のみを備える。しかしながら、アレイ40a、40bの各々は、1000×1000ほどもの又はそれより多くのピクセル14を備えてよい。
【0112】
アレイ40a、40bは、スイッチ要素38によって互いに対して相互接続及び/又は互いから分離され得、スイッチ要素38は、グローバルデータラインスイッチであり、各列を相互接続/分離するために、例えば1つのTFT要素を列ごとに備える。
【0113】
アドレッシング回路34はそれぞれ、行ドライバとしてICを備え、ICは、感光性ピクセル14のそれぞれのアレイ40a、40bの複数の行及び/又はゲートラインをアドレッシングする。
【0114】
信号読み出し回路36は、各列から信号を読み出すためにIC又はASICを備える。更に、読み出し回路36は、荷電感知増幅器(CSA)39を備える。
【0115】
要約すると、検知器ユニット12aから12iは、データ読み出しライン及び行ドライバラインにスイッチ要素38を挿入することによって、互いから電子的に分離され得る。このことは、各検知器ユニット12aから12iの個々の、自律的な動作を可能にし、検知器ユニット12aから12iの間のクロストークを回避し、長すぎるデータラインに起因する過度の雑音を減少させる。
【0116】
更に、CSA39は、信号読み出し回路36のICの信号読み出しのために接着パッドを備える。簡略化のために、TFT要素16、行ドライバライン、ドライバIC、及びピクセル回路は、図9A及び図9Bにおいては図示されていない。
【0117】
任意選択的に、ICは、貫通フォイルビア技術を使用して基板フォイル24の裏側に置かれてもよい。
【0118】
図10は、例示的な実施形態による放射線検知器10の断面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図10の放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0119】
放射線検知器10は、3つの検知器ユニット12aから12cを備える。放射線検知器は、検知器ユニット12bと12aとの間、及び12aと12cとの間の各折り曲げ領域30において、約60°の折り曲げ角度50で折り曲げられる。折り曲げ角度50は、2つの直接的に隣り合う検知器ユニット12b、12a及び12a、12cにそれぞれ囲まれた角度である。
【0120】
先の図において説明されたように、検知器ユニット12aから12cは、様々なエネルギーの放射線を感知する。例えば、検知器ユニット12aはX線検知器ユニットであり、検知器ユニット12b及び12cはγ線検知器ユニットである。
【0121】
図10において、光子放射線の衝突方向は矢印54によって示され、例えば、患者位置は物体52によって示される。物体52を通過した光子は、部分的に吸収され、検知器ユニット12aから12cによって、包括的な放射線画像が取得される。検知器ユニット12aから12cは、患者及び/又は物体52の幾何学的形状に従って位置付けられる。
【0122】
図11は、例示的な実施形態による放射線検知器10の断面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図11の放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0123】
図11の放射線検知器10は、90°の折り曲げ角度50で設けられた2つの検知器ユニット12a、12bを備える。光子放射線は、2つの矢印54によって示されるように、物体52を通過した後、検知器ユニット12a、12bの各々に垂直に衝突する。ここでも、検知器ユニット12a、12bは、異なるエネルギーの光子を感知する。
【0124】
図12は、例示的な実施形態による放射線検知器10の断面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図12の放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0125】
図12の放射線検知器10は、270°の折り曲げ角度50で設けられた2つの検知器ユニット12a、12bを備える。図11の実施形態とは対照的に、光子放射線は、2つの矢印54によって示されるように、基板フォイル24を通過した後、検知器ユニット12a、12bの各々に垂直に衝突する。ここでも、検知器ユニット12a、12bは、異なるエネルギーの光子を感知する。
【0126】
図13は、例示的な実施形態による放射線検知器10の断面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図13の放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0127】
図13の放射線検知器10は、180°の折り曲げ角度50で設けられた3つの検知器ユニット12a、12b、12cを備える。基板フォイル24の高い柔軟性によって、検知器ユニット12aから12cは、検知器ユニット12aから12cの各々が、照射されるべき物体に対して僅かな距離の違いしか有さないような段状構造に設けられ得る。理想的には、距離の違いは、各検知器ユニット12a、12b、12cについて画像の倍率の違いにつながるので、できる限り小さくされるべきである。しかしながら、これらは画像の後処理によって補正され得る。更に、図から分かるように、基板フォイル24は、折り曲げ領域30の各々においてZ字状構造に設けられ、放射線検知器10の高い柔軟性を提供する。
【0128】
図14は、例示的な実施形態による放射線検知器10の断面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図14の放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0129】
放射線検知器10は、弧状及び/又は円状の幾何学的形状に設けられた全部で5つの検知器ユニット12aから12eを備える。検知器ユニット12aから12eの各々は、平坦な幾何学的形状を有する。矢印54によって示されるように、放射線は先ず基板フォイル24を通過し、次いで検知器ユニット12aから12eに衝突する。しかしながら、任意の他の衝突方向54も可能である。
【0130】
図示されるように、折り曲げ領域30における基板フォイル24の高い柔軟性によって、基板フォイル24はループ状構造に折り畳まれ、画像取得のために、隣り合う検知器ユニット12aから12eを一体に密接させることを可能にする。
【0131】
図15は、例示的な実施形態による放射線検知器10の断面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図15の放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0132】
放射線検知器10は、弧状及び/又は円状の幾何学的形状に設けられた全部で7つの検知器ユニット12aから12gを備える。検知器ユニット12aから12gの各々は、湾曲した形状、湾曲した外側幾何学的形状、及び/又は湾曲した外側面を有する。基板フォイル24の柔軟性によって、基板フォイル24も、検知器ユニット12aから12gが設けられる領域において湾曲した形状を有する。
【0133】
検知器ユニット12aから12gは、それぞれ、1つの空間的方向又は次元にのみ湾曲している。代替的に、検知器ユニット12aから12g又はその一部は、2つの空間的方向、例えば垂直的な空間的方向に湾曲してもよく、両方向におけるそれぞれの湾曲の半径は等しくてもよく、他方と異なってもよい。更に、放射線検知器10は、図14に図示されたような平坦な検知器ユニット12aから12g及び図15に図示されたような湾曲した検知器ユニット12aから12gの組み合わせを有してもよい。
【0134】
矢印54によって示されるように、放射線は先ず検知器ユニット12aから12gを通過し、次いで基板フォイル24に衝突する。しかしながら、任意の他の衝突方向54も可能である。
【0135】
図示されるように、折り曲げ領域30における基板フォイル24の高い柔軟性によって、基板フォイル24はループ状構造に折り畳まれ、画像取得のために、隣り合う検知器ユニット12aから12gを一体に密接させることを可能にする。
【0136】
図16は、例示的な実施形態による放射線検知器10の断面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図16の放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0137】
放射線検知器10は、全部で6つの検知器ユニット12aから12fを備え、検知器10は、検知器ユニットのペア(12aと12d;12bと12e;及び12cと12f)が背中合わせに設けられるように、折り曲げ領域30において検知器10の中央で折り畳まれる。例えば、検知器ユニット12aから12c及び検知器ユニット12dから12fは、例えば二重エネルギーX線撮像用途のために、異なる放射線エネルギーを感知する。図16における折り曲げ角度50は約360°である。
【0138】
二重エネルギーX線撮像のために、放射線が先ず衝突する検知器ユニット12aから12cは、衝突方向54において検知器ユニット12aから12cの背後に設けられた検知器ユニット12dから12fよりも薄いシンチレーションデバイス20及び/又はシンチレーション層22を有する。このようにして、検知器ユニット12aから12cは、低エネルギーのX線に対してより感度が高く、検知器ユニット12dから12fは、高エネルギーのX線に対してより感度が高い。更に、検知器ユニット12aから12cは、検知器ユニット12dから12fとは異なるシンチレーション材料を含む。更には、検知器ユニット12aから12cのシンチレーションデバイス20から光及び/又は電磁的信号を遮断し、いわゆるクロストークを回避するために、放射線検知器10は、基板フォイル24に設けられた1つ又は複数の光遮断体(不図示)を更に備える。
【0139】
図17は、例示的な実施形態による放射線検知器10の断面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図17の放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0140】
放射線検知器10は、全部で6つの検知器ユニット12aから12fを備え、検知器10は、折り曲げ領域30において検知器10の中央で折り畳まれる。図16とは対照的に、ユニット12aから12fは、境界領域において部分的に重なり、検知器ユニットのペア(12aと12d;12bと12e;及び12cと12f)が部分的にのみ背中合わせに設けられるように、互いに対して変位及び/又はオフセットしている。図17に図示された放射線検知器10の構成は、例えば身体全体の撮像及び/又は脊椎の撮像など、非常に大きな視野のX線撮像に特に有利である。
【0141】
図18は、例示的な実施形態による放射線検知器10の断面図を模式的に図示する。別段の定めがない場合、図18の放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0142】
放射線検知器10は、全部で5つの検知器ユニット12aから12eを備え、ユニット12b及び12dは、他のユニット12a、12c、及び12eに対して変位及び/又はオフセットされている。図13におけるものと同様に、基板フォイル24は、各折り曲げ領域30においてZ字状構造に折り曲げられ及び/又は折り畳まれる。図18に図示された放射線検知器10の構成は、例えば身体全体の撮像及び/又は脊椎の撮像など、非常に大きな視野のX線撮像に特に有利である。
【0143】
図10から図18に図示された幾何学的セットアップ及び/又は構成は、放射線検知器10の多機能性及び/マルチモダリティ性を示す。適用例は、例えば、SIRT(選択的内部放射線療法、例えば図10に示されたもの)のためのハイブリッドX線及びγ線撮像、IGT(画像誘導療法、例えば図11及び図12に示されたもの)におけるバイプレーンX線撮像、デジタル放射線学(DR:Digital Radiology、例えば図13図17、及び図18に示されたもの、二重エネルギーDR、例えば図16に示されたもの)、コンピュータ断層撮影法(CT)撮像(例えば図14及び図15に示されたもの)、トモシンセシス、異なるビューのために患者の移動を必要としない新生児及び/又は小児の撮像(L形状)、コンパクトな可搬式検知器10を使用した移動式DR用途、全身撮像、外傷、整形外科学、及び他の多くのものを含む。
【0144】
図19Aは、放射線検知器10の断面図を模式的に図示し、図19Bは、図19Aの放射線検知器10の側面図を模式的に図示する。
【0145】
別段の定めがない場合、図19A及び図19Bの放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0146】
図19A及び図19Bにおいて、CTのようなリングが、リング構造に設けられた全部で12個の検知器ユニットを備える放射線検知器10によって形成されている。放射線検知器10は、検知器ユニット12をリング構造に保持するための支持リング60を備える。支持リング60は、チューブ要素62によって位置決めされ、チューブ要素62は更なるチューブ要素64を介して支持リングに装着される。
【0147】
代替的な構成及び/又は実施形態は、半リングである。
【0148】
更に、1つ又は複数の検知器ユニット12をリング構造の外側に離間するように折り畳むことによって、ボアサイズが調節可能である。
【0149】
更には、図19A及び図19Bに図示された放射線検知器10の検知器ユニット12は、図15に示されたように湾曲した形状を有してもよい。
【0150】
図20Aは、放射線検知器10の断面図を模式的に図示する。図20B及び図20Cはそれぞれ、以下に説明されるように、異なる実施形態による図20Aの放射線検知器10の一部の詳細図を模式的に図示する。
【0151】
別段の定めがない場合、図20Aから図20Cの放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0152】
図18に図示された構成と同様に、図20Aの放射線検知器10は、全部で5つの検知器ユニット12aから12eを備え、ユニット12b及び12dは、残りのユニット12a、12c、及び12eに対して変位及び/又はオフセットされている。基板フォイル24は、各折り曲げ領域30においてZ字状構造に折り曲げられ及び/又は折り畳まれる。
【0153】
図20Bは、検知器ユニット12a及び12bの詳細図を図示する。ユニット12a、12bの各々は、感光性ピクセル14のフォトダイオード18及びアレイ40a、40bの上にシンチレーション層22が設けられたシンチレーションデバイス20を備える。更に、アドレッシング回路34及び信号読み出し回路36が描かれており、これらは基板フォイル24の折り曲げ領域30に設けられている。
【0154】
図20Bから分かるように、検知器ユニット12aのエッジ70における基板フォイル24は、検知器ユニット12bと部分的に重なっている。しかしながら、基板フォイルは非常に薄いので、そのX線吸収度は無視され得る。
【0155】
シームレスなX線検知を提供するために、検知器ユニット12a、12bのシンチレーションデバイス20のエッジ72は先細状である。
【0156】
シームレスなX線撮像の主な基準は、上側の検知器ユニット12aの感光性ピクセルのアレイ40aが、底側の検知器ユニット12bの感光性ピクセルのアレイ40bと重なり、重なった領域においてそれらのうちの少なくとも1つがシンチレーション層22及び/又はシンチレーション材料によって覆われることである。検知器ユニット12a、12bの両者のX線画像は、最新の画像処理技術によって互いに対してシームレスに結び合わされ得る。
【0157】
図20Cを参照すると、図20Bに図示されたシンチレーションデバイス20の先細状のエッジ72とは対照的に、図20Cに図示された検知器ユニット12a、12bのシンチレーションデバイス20のエッジ72は鋭い。シンチレータの鋭いエッジ72は、重なる部分がより小さく、シンチレータの厚さのばらつきに起因する潜在的な画像の歪みが減少するので、先細状のシンチレータのエッジよりも好ましい。
【0158】
完全性を期すために、図20Cに図示されたユニット12a、12bの各々は、感光性ピクセル14のフォトダイオード18及びアレイ40a、40bの上にシンチレーション層22が設けられたシンチレーションデバイス20を備えることに留意されたい。更に、アドレッシング回路34及び信号読み出し回路36が描かれており、これらは基板フォイル24の折り曲げ領域30に設けられている。
【0159】
図21は、放射線検知器装置100の上面図を模式的に図示する。放射線検知器装置100は、先の図を参照して説明されたものと同様に、2つの放射線検知器10a、10bを備える。別段の定めがない場合、図21の放射線検知器装置100の放射線検知器10a、10bの各々は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0160】
特には、放射線検知器10a、10bの各々は、図1に説明されたものと同一の要素、特徴及び/又は機能を有する。
【0161】
とりわけ、放射線検知器10aは、基板フォイル24aを備え、その上に検知器ユニット12a、12bが、それぞれのシンチレーションデバイス20が距離26だけ互いから離間されるように並んで設けられる。
【0162】
同様に、放射線検知器10bは、基板フォイル24bを備え、その上に検知器ユニット12a、12bが、それぞれのシンチレーションデバイス20が距離26だけ互いから離間されるように並んで設けられる。
【0163】
放射線検知器10a、10bの2つの基板フォイル24a、24bは、接続領域102において互いに対して相互接続される。2つの基板フォイル24a、24bの相互接続は、それぞれの基板フォイル24a、24bの機械的な相互接続を含む。それ故、基板フォイル24a、24bは、一体に接着、溶着及び/又はテープ止めされる。基板フォイル24a、24bは、代替的に又は追加的に、熱溶融プロセスによって、すなわち熱融着及び圧縮によって相互接続されてもよい。放射線検知器10a及び/又は基板フォイル24aの第1のエッジ104aは、放射線検知器10b及び/又は基板フォイル24bの第2のエッジ104bと少なくとも部分的に重なる。第1のエッジ104aと第2のエッジ104bとは、代替的に、互いに対して面一に設けられてもよい。
【0164】
更に、放射線検知器10a、10bは、例えば、いわゆる貫通フォイルビア(TFV)、ワイヤボンディング、及び/又は、例えばインクベースの、プリント導電ラインによって電子的に相互接続される。このようにして、放射線検知器装置100の全体的なサイズ、及び多機能性が更に向上される。
【0165】
このようにして、基本的には、放射線検知器装置100の代替的な実施形態において、任意の数の放射線検知器10、10a、10bが相互接続される。
【0166】
図22は、放射線検知器10を製造するための方法のステップを示すフローチャートを模式的に図示する。別段の定めがない場合、この方法によって製造される放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0167】
第1のステップS1において、基板フォイル24、特には単一の基板フォイル24が提供され、第2のステップS2において、複数の検知器ユニット12a、12bが提供される。検知器ユニット12a、12bはそれぞれ、複数の感光性ピクセル14を備え、及びそれぞれ複数の感光性ピクセル14に光学的に結合された少なくとも1つのシンチレーションデバイス20を備える。ステップS1及びステップS2は任意の順番で、又は同時に実施されてよい。
【0168】
更なるステップS3において、検知器ユニット12a、12bは、基板フォイル24上に互いに対して並んで設けられ、少なくとも2つの直接的に隣接する検知器ユニット12a、12bの少なくとも2つの直接的に隣接するシンチレーションデバイス20はギャップ28によって互いから離間されて、放射線検知器10がギャップ28の少なくとも一部に沿って折り曲げ可能になっている。
【0169】
任意選択的に、基板フォイル24は、検知器ユニット12a、12bの間で切り込まれてよく、すなわち、検知器ユニット12a、12bは切り取られてよく、検知器ユニット12a、12bは、例えば接着及び/又は溶着によって、互いに対して任意の幾何学的配置で更に大型サイズの基板フォイルへと積層されてよい。
【0170】
図23は、放射線検知器10を製造するための方法を模式的に示す。図23は、フォイル上検知器製作プロセスのフローを示す。別段の定めがない場合、この方法によって製造される放射線検知器10は、先の図の放射線検知器10と同一の特徴、機能及び/又は要素を有する。
【0171】
第1のステップS1において、出発基板となるガラス製担体500が提供される。
【0172】
第2のステップS2において、基板フォイル24が、ガラス製担体500上に設けられる。基板フォイル24は、ガラス製担体500に積層される。
【0173】
第3のステップS3において、ピクセル14及びTFT要素16が、例えばTFTバックプレーン作成プロセスにおいて、基板フォイル24上に設けられる。TFT要素16は、基板フォイル24上にアレイ40として設けられる。
【0174】
第4のステップS4において、フォトダイオード18が、ピクセル14及び/又はピクセル14のアレイ40の上に蒸着される。
【0175】
第5のステップS5において、シンチレータデバイス20がフォトダイオード18上に配置、及び/又はフォトダイオード18に適用される。このようにして、図23の例示的な実施形態に示されるように、2つの検知器ユニット12a及び12bが形成される。
【0176】
第6のステップS6において、基板フォイル24が剥離され、放射線検知器10が基本的に提供される。放射線検知器10は、先の図に図示されるように、少なくとも1つの信号読み出し回路36及び/又はアドレッシング回路34も備える。
【0177】
任意選択的に、更なるステップにおいて、放射線検知器10上に電子回路が設けられる。
【0178】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されたが、このような図示及び説明は、説明的又は例示的なものと見なされるべきであって、制限的なものと見なされるべきではない。本発明は開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲を検討することにより、特許請求された発明を実践する当業者によって理解され、実施され得る。
【0179】
特許請求の範囲において、「備える、有する(comprising)」という語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないということを示すものではない。特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図21
図22
図23