(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】ガイドレール及びストッパを備える自動ドア装置、ガイドレールに取り付けられるストッパ及びガイドレールにストッパを取り付ける取付方法
(51)【国際特許分類】
E05D 15/06 20060101AFI20220207BHJP
E05F 5/00 20170101ALI20220207BHJP
E05F 15/643 20150101ALI20220207BHJP
【FI】
E05D15/06 125A
E05F5/00 D
E05D15/06 119
E05F15/643
(21)【出願番号】P 2018564577
(86)(22)【出願日】2018-01-23
(86)【国際出願番号】 JP2018001936
(87)【国際公開番号】W WO2018139439
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2017009941
(32)【優先日】2017-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】飯白 豊充
【審査官】芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-96268(JP,U)
【文献】実開平5-71389(JP,U)
【文献】特開2014-91928(JP,A)
【文献】実開平6-20857(JP,U)
【文献】特開平6-185596(JP,A)
【文献】特開2004-169307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00-15/58
E05F 1/00-17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉方向に沿ってドアを案内するガイドレールと、
前記ガイドレールに取り付けられたストッパであって、前記開閉方向に沿う前記ドアの動きを所定の位置で制限するよう前記ドアに接触するストッパと、を備え、
前記ドアの反対側に位置するストッパの端部のうち前記ガイドレールに接触する部分を中心軸として前記ストッパを回転させるモーメントに対抗するよう構成された外れ止め手段が設けられて
おり、
前記ストッパは、下方に突出する第1脚部及び第2脚部と、前記第1脚部と前記第2脚部との間に形成される窪み部と、を備え、
前記ガイドレールは、底部と、前記底部から上方に突出した凸形状を有し、前記窪み部に位置し、前記ストッパに接触するレール部と、を備え、
前記レール部の前記凸形状の部分は、前記窪み部に下方から接触するとともに前記第1脚部に接触しており、
前記外れ止め手段は、前記ストッパの前記第1脚部に設けられた凹部と、前記ガイドレールの前記レール部の前記凸形状の部分に設けられ、前記凹部に嵌められる凸部と、を含む、若しくは、
前記外れ止め手段は、前記ガイドレールの前記レール部の前記凸形状の部分に設けられた凹部と、前記ストッパの前記第1脚部に設けられ、前記凹部に嵌められる凸部と、を含む、自動ドア装置。
【請求項2】
前記レール部の前記凸形状の部分は、前記レール部の全長にわたって前記開閉方向に沿って延びている、請求項1に記載の自動ドア装置。
【請求項3】
前記凹部及び前記凸部は、前記開閉方向に沿って延びている、請求項
1又は2に記載の自動ドア装置。
【請求項4】
前記ストッパの前記第1脚部に前記凹部が設けられている場合、前記ストッパの前記第1脚部の前記凹部の下面と前記ガイドレールの前記凸部の上面とが鉛直方向において少なくとも部分的に重なっており、
前記ストッパの前記第1脚部に前記凸部が設けられている場合、前記ストッパの前記第1脚部の前記凸部の上面と前記ガイドレールの前記凹部の下面とが鉛直方向において少なくとも部分的に重なっている、請求項
1乃至3のいずれか一項に記載の自動ドア装置。
【請求項5】
前記外れ止め手段は、前記ストッパの重心からずれた位置で前記ストッパを前記ガイドレールに対して固定する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動ドア装置。
【請求項6】
前記外れ止め手段は、前記ガイドレールに対して前記ストッパを締結位置において締結するための締結部材を含み、
前記締結位置から前記ストッパの前記ドア側の端部までの距離は、前記締結位置から前記ストッパの前記ドアとは反対側の端部までの距離よりも短い、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の自動ドア装置。
【請求項7】
前記ドアのドア本体の上部に取り付けられ、前記ガイドレールに懸架されるドアハンガーを更に備え、
前記ドアハンガーは、貫通孔が形成された側板と、前記側板よりも前記ガイドレールの側に位置し、前記ガイドレールに沿って回転する戸車と、前記側板に固定され、前記ガイドレールの下方に少なくとも部分的に位置する踊り止め部材と、を有し、
前記踊り止め部材は、前記ガイドレールとは反対の側から前記側板の前記貫通孔に挿入されて前記ガイドレールの下方に位置することができるよう構成されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の自動ドア装置。
【請求項8】
前記踊り止め部材は、前記ガイドレールの下方に位置する移動規制部と、前記ガイドレールとは反対の側において前記側板に固定される固定部と、前記側板の前記貫通孔に挿入され、前記移動規制部と前記固定部とを接続する接続部と、を含む、請求項7に記載の自動ドア装置。
【請求項9】
前記固定部は、前記開閉方向において前記移動規制部の一側に位置し、締結具によって前記側板に固定される第1固定部と、前記開閉方向において前記移動規制部の他側に位置し、締結具によって前記側板に固定される第2固定部と、を含み、
前記開閉方向に沿って前記固定部を見た場合に、前記第1固定部と前記第2固定部とが少なくとも部分的に重なっている、請求項8に記載の自動ドア装置。
【請求項10】
前記接続部は、前記側板の前記貫通孔に挿入され、前記移動規制部よりも上方に位置する第1接続部と、前記第1接続部と前記移動規制部とを接続する第2接続部と、を含み、
前記接続部の前記第1接続部及び前記第2接続部並びに前記移動規制部が、一体的に構成されている、請求項8又は9に記載の自動ドア装置。
【請求項11】
前記ドアを駆動する駆動機構を更に備え、
前記駆動機構は、前記開閉方向において駆動源の駆動プーリから離れて位置する従動プーリと、
前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられたベルトと、
前記従動プーリを前記開閉方向において移動可能に支持するベルト張力調整部と、を有し、
前記ベルト張力調整部は、
ベース体と、
前記開閉方向において前記ベース体に対してスライド可能であるよう前記ベース体に取り付けられ、前記従動プーリを支持するプーリ支持体と、
前記ベルトの張力に対応する弾性力を前記プーリ支持体に加える弾性体と、
前記弾性体と前記ベース体とを連結する連結具と、を含み、
前記ベース体は、ベース板と、前記ベース板に接続され、前記連結具が固定される張力調整基準部を含み、
前記プーリ支持体は、前記弾性体が収容される収容部と、前記収容部と前記張力調整基準部との間に位置し、前記開閉方向において前記ベース板上をスライドするスライド部と、を含み、
前記張力調整基準部及び前記スライド部は、前記スライド部の面方向に平行であり且つ前記開閉方向に直交する幅方向に沿って見た場合に少なくとも部分的に重なり合うことが可能であるよう構成されている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の自動ドア装置。
【請求項12】
前記スライド部の前記張力調整基準部側の端部には、前記張力調整基準部が入り込むことが可能な凹部又は段部が形成されている、請求項11に記載の自動ドア装置。
【請求項13】
前記ベース体は、前記ベース板と前記張力調整基準部とを接続するとともに前記プーリ支持体の側に突出した凸形状を有する補強部分を更に含む、請求項11又は12に記載の自動ドア装置。
【請求項14】
前記ベース板、前記補強部分及び前記張力調整基準部は、一枚の板状部材を折り曲げることによって一体的に構成されており、
前記補強部分の前記凸形状は、前記板状部材の曲げ中心側に突出している、請求項13に記載の自動ドア装置。
【請求項15】
前記プーリ支持体の前記収容部は、前記開閉方向において間隔を空けて配置された一対の壁部を含み、
前記弾性体は、前記一対の壁部の間に位置し、
前記ベルト張力調整部は、前記弾性体の端部に位置する張力調整表示部を更に含み、
前記一対の壁部のうち前記張力調整基準部から遠い側に位置する壁部には、前記張力調整表示部が入り込むことが可能な開口部、凹部または段部が形成されており、
前記張力調整表示部の、前記張力調整基準部から遠い側に位置する端部には、少なくとも1つの段部が形成されている、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の自動ドア装置。
【請求項16】
前記ドアを駆動する駆動機構の駆動源に連結された駆動プーリを更に備え、
前記駆動プーリは、前記駆動源の駆動軸が挿入される貫通孔が形成された金属ブッシュ部と、前記駆動軸の半径方向において外側から前記金属ブッシュ部を覆う樹脂プーリ部と、を有し、
前記金属ブッシュ部は、本体部と、前記駆動軸の軸方向において前記本体部の側面から前記樹脂プーリ部の端面よりも前記駆動源側まで突出したネック部と、を含み、
前記ネック部の外面と前記樹脂プーリ部との間には隙間が設けられている、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の自動ドア装置。
【請求項17】
前記ドアを駆動する駆動機構の駆動源に接続された配線を覆うよう前記ガイドレールに取り付けられた配線押さえを更に備え、
前記配線押さえの一部に、前記配線が通過可能な凹部又は開口部が形成されている、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の自動ドア装置。
【請求項18】
開閉方向に沿ってドアを案内するガイドレールに取り付けられるストッパであって、
前記開閉方向に沿う前記ドアの動きを所定の位置で制限するよう前記ドアに接触する接触部と、
前記接触部とは反対側に位置するストッパの端部のうち前記ガイドレールに接触する部分を中心軸として前記ストッパを回転させるモーメントに対抗するよう構成された外れ止め手段と、を備え
、
前記ストッパは、下方に突出する第1脚部及び第2脚部と、前記第1脚部と前記第2脚部との間に形成される窪み部と、を備え、
前記ガイドレールは、底部と、前記底部から上方に突出した凸形状を有し、前記窪み部に位置し、前記ストッパに接触するレール部と、を備え、
前記レール部の前記凸形状の部分は、前記窪み部に下方から接触するとともに前記第1脚部に接触しており、
前記外れ止め手段は、前記ストッパの前記第1脚部に設けられた凹部と、前記ガイドレールの前記レール部の前記凸形状の部分に設けられ、前記凹部に嵌められる凸部と、を含む、若しくは、
前記外れ止め手段は、前記ガイドレールの前記レール部の前記凸形状の部分に設けられた凹部と、前記ストッパの前記第1脚部に設けられ、前記凹部に嵌められる凸部と、を含む、ストッパ。
【請求項19】
開閉方向に沿ってドアを案内するガイドレールに
、請求項18に記載のストッパを取り付ける取付方法であって、
前記ストッパ又は前記ガイドレールの一方に設けられた凹部と、前記ストッパ又は前記ガイドレールの他方に設けられた凸部とを嵌め合わせる工程と、
前記ストッパに下方からボルトを挿入することによって前記ストッパを前記ガイドレールに固定する工程と、を備える、取付方法。
【請求項20】
前記ストッパは、前記ボルトが挿入される孔が形成され、前記ガイドレールに上方から接触するストッパ本体と、前記ボルトが挿入される貫通孔が形成され、前記ガイドレールに下方から接触する固定部材と、を有する、請求項19に記載の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドレール及びストッパを少なくとも備える自動ドア装置に関する。また、本発明は、ガイドレールに取り付けられるストッパ、及び、ガイドレールにストッパを取り付ける取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
片引きドアあるいは引分けドアを含む引きタイプの自動ドアにおいては、開閉方向におけるドアの移動範囲を制限するストッパをガイドレールに取り付けることが知られている。ストッパは、ドアが衝突することによる力を受ける。ストッパは、ドアが衝突した場合でもストッパがガイドレールから外れないように取り付けられる。
【0003】
ガイドレールに対してストッパを強固に取り付けるための工夫として、様々な提案がなされている。例えば特許第5834254号公報は、くさび形状を有する固定部材をガイドレールとストッパ本体との間に設けることにより、くさび効果によってストッパをガイドレールに強固に固定することを提案している。
【発明の開示】
【0004】
ドアの衝突によってストッパに働く力は、ストッパの重心からずれた位置で生じることがある。この場合、ストッパには、ドアの開閉方向における力だけでなく、ストッパとガイドレールとの接触部分を中心としてストッパをガイドレールに対して回転させようとするモーメントも加わる。このため、くさび効果に基づく摩擦力のみでは、ストッパの変位や脱落を十分に抑制できない可能性がある。
【0005】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る自動ドア装置、ストッパ及びストッパの取付方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、開閉方向に沿ってドアを案内するガイドレールと、前記ガイドレールに取り付けられたストッパであって、前記開閉方向に沿う前記ドアの動きを所定の位置で制限するよう前記ドアに接触するストッパと、を備え、前記ドアの反対側に位置するストッパの端部のうち前記ガイドレールに接触する部分を中心軸として前記ストッパを回転させるモーメントに対抗するよう構成された外れ止め手段が設けられている、自動ドア装置である。
【0007】
本発明による自動ドア装置において、前記外れ止め手段は、前記ストッパ又は前記ガイドレールの一方に設けられた凹部と、前記ストッパ又は前記ガイドレールの他方に設けられ、前記凹部に嵌められた凸部と、を含んでいてもよい。
【0008】
本発明による自動ドア装置において、前記凹部及び前記凸部は、前記開閉方向に沿って延びていてもよい。
【0009】
本発明による自動ドア装置において、前記ストッパに前記凹部が設けられている場合、前記ストッパの前記凹部の下面と前記ガイドレールの前記凸部の上面とが鉛直方向において少なくとも部分的に重なっていてもよい。また、前記ストッパに前記凸部が設けられている場合、前記ストッパの前記凸部の上面と前記ガイドレールの前記凹部の下面とが鉛直方向において少なくとも部分的に重なっていてもよい。
【0010】
本発明による自動ドア装置において、前記外れ止め手段は、前記ストッパの重心からずれた位置で前記ストッパを前記ガイドレールに対して固定してもよい。
【0011】
本発明による自動ドア装置において、前記外れ止め手段は、前記ガイドレールに対して前記ストッパを締結位置において締結するための締結部材を含み、前記締結位置から前記ストッパの前記ドア側の端部までの距離は、前記締結位置から前記ストッパの前記ドアとは反対側の端部までの距離よりも短くなっていてもよい。
【0012】
本発明による自動ドア装置は、ドアハンガーを更に備え、前記ドアハンガーは、貫通孔が形成された側板と、前記側板よりも前記ガイドレールの側に位置し、前記ガイドレールに沿って回転する戸車と、前記側板に固定され、前記ガイドレールの下方に少なくとも部分的に位置する踊り止め部材と、を有し、前記踊り止め部材は、前記ガイドレールとは反対の側から前記側板の前記貫通孔に挿入されて前記ガイドレールの下方に位置することができるよう構成されていてもよい。
【0013】
本発明による自動ドア装置において、前記踊り止め部材は、前記ガイドレールの下方に位置する移動規制部と、前記ガイドレールとは反対の側において前記側板に固定される固定部と、前記側板の前記貫通孔に挿入され、前記移動規制部と前記固定部とを接続する接続部と、を含んでいてもよい。
【0014】
本発明による自動ドア装置において、前記固定部は、前記開閉方向において前記移動規制部の一側に位置し、締結具によって前記側板に固定される第1固定部と、前記開閉方向において前記移動規制部の他側に位置し、締結具によって前記側板に固定される第2固定部と、を含み、前記開閉方向に沿って前記固定部を見た場合に、前記第1固定部と前記第2固定部とが少なくとも部分的に重なっていてもよい。
【0015】
本発明による自動ドア装置において、前記接続部は、前記側板の前記貫通孔に挿入され、前記移動規制部よりも上方に位置する第1接続部と、前記第1接続部と前記移動規制部とを接続する第2接続部と、を含み、前記接続部の前記第1接続部及び前記第2接続部並びに前記移動規制部が、一体的に構成されていてもよい。
【0016】
本発明による自動ドア装置は、前記ドアを駆動する駆動機構を更に備え、前記駆動機構は、前記開閉方向において駆動源の駆動プーリから離れて位置する従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられたベルトと、前記従動プーリを前記開閉方向において移動可能に支持するベルト張力調整部と、を有し、前記ベルト張力調整部は、ベース体と、前記開閉方向において前記ベース体に対してスライド可能であるよう前記ベース体に取り付けられ、前記従動プーリを支持するプーリ支持体と、前記ベルトの張力に対応する弾性力を前記プーリ支持体に加える弾性体と、前記弾性体と前記ベース体とを連結する連結具と、を含み、前記ベース体は、ベース板と、前記ベース板に接続され、前記連結具が固定される張力調整基準部を含み、前記プーリ支持体は、前記弾性体が収容される収容部と、前記収容部と前記張力調整基準部との間に位置し、前記開閉方向において前記ベース板上をスライドするスライド部と、を含み、前記張力調整基準部及び前記スライド部は、前記スライド部の面方向に平行であり且つ前記開閉方向に直交する幅方向に沿って見た場合に少なくとも部分的に重なり合うことが可能であるよう構成されていてもよい。
【0017】
本発明による自動ドア装置において、前記スライド部の前記張力調整基準部側の端部には、前記張力調整基準部が入り込むことが可能な凹部又は段部が形成されていてもよい。
【0018】
本発明による自動ドア装置において、前記ベース体は、前記ベース板と前記張力調整基準部とを接続するとともに前記プーリ支持体の側に突出した凸形状を有する補強部分を更に含んでいてもよい。
【0019】
本発明による自動ドア装置において、前記ベース板、前記補強部分及び前記張力調整基準部は、一枚の板状部材を折り曲げることによって一体的に構成されており、
前記補強部分の前記凸形状は、前記板状部材の曲げ中心側に突出していてもよい。
【0020】
本発明による自動ドア装置において、前記プーリ支持体の前記収容部は、前記開閉方向において間隔を空けて配置された一対の壁部を含み、前記弾性体は、前記一対の壁部の間に位置し、前記ベルト張力調整部は、前記弾性体の端部に位置する張力調整表示部を更に含み、前記一対の壁部のうち前記張力調整基準部から遠い側に位置する壁部には、前記張力調整表示部が入り込むことが可能な開口部、凹部または段部が形成されており、前記張力調整表示部の、前記張力調整基準部から遠い側に位置する端部には、少なくとも1つの段部が形成されていてもよい。
【0021】
本発明による自動ドア装置は、前記ドアを駆動する駆動機構の駆動源に連結された駆動プーリを更に備え、前記駆動プーリは、前記駆動源の駆動軸が挿入される貫通孔が形成された金属ブッシュ部と、前記駆動軸の半径方向において外側から前記金属ブッシュ部を覆う樹脂プーリ部と、を有し、前記金属ブッシュ部は、本体部と、前記駆動軸の軸方向において前記本体部の側面から前記樹脂プーリ部の端面よりも前記駆動源側まで突出したネック部と、を含み、前記ネック部の外面と前記樹脂プーリ部との間には隙間が設けられていてもよい。
【0022】
本発明による自動ドア装置において、前記ドアを駆動する駆動機構の駆動源に接続された配線を覆うよう前記ガイドレールに取り付けられた配線押さえを更に備え、前記配線押さえの一部に、前記配線が通過可能な凹部又は開口部が形成されていてもよい。
【0023】
本発明は、開閉方向に沿ってドアを案内するガイドレールに取り付けられるストッパであって、前記開閉方向に沿う前記ドアの動きを所定の位置で制限するよう前記ドアに接触する接触部と、前記接触部とは反対側に位置するストッパの端部のうち前記ガイドレールに接触する部分を中心軸として前記ストッパを回転させるモーメントに対抗するよう構成された外れ止め手段と、を備える、ストッパである。
【0024】
本発明は、開閉方向に沿ってドアを案内するガイドレールにストッパを取り付ける取付方法であって、前記ストッパ又は前記ガイドレールの一方に設けられた凹部と、前記ストッパ又は前記ガイドレールの他方に設けられた凸部とを嵌め合わせる工程と、前記ストッパに下方からボルトを挿入することによって前記ストッパを前記ガイドレールに固定する工程と、を備える、取付方法である。
【0025】
本発明による取付方法において、前記ストッパは、前記ボルトが挿入される孔が形成され、前記ガイドレールに上方から接触するストッパ本体と、前記ボルトが挿入される貫通孔が形成され、前記ガイドレールに下方から接触する固定部材と、を有していてもよい。
【0026】
本発明によれば、ガイドレールに対するストッパの変位を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】一実施形態に係る自動ドア装置を示す正面図である。
【
図2】一実施形態に係るストッパを示す正面図である。
【
図4】一実施形態に係るガイドレールを示す斜視図である。
【
図5】ガイドレールのレール部を拡大して示す図である。
【
図6】組み合わされた状態のガイドレール及びストッパを示す側面図である。
【
図7】一変形例に係るガイドレールを示す斜視図である。
【
図8】一変形例に係るガイドレールを示す斜視図である。
【
図9】一変形例に係るガイドレールを示す斜視図である。
【
図10】一実施形態に係るドアハンガーを示す斜視図である。
【
図11】踊り止め部材が取り付けられていない状態のドアハンガーを示す斜視図である。
【
図14】ドアをガイドレールに懸架する工程を示す図である。
【
図15】ドアハンガーの側板に踊り止め部材を取り付ける工程を示す図である。
【
図16】一実施形態に係るベルト張力調整部を示す斜視図である。
【
図17】ベルト張力調整部のベース体を示す平面図である。
【
図18】ベルト張力調整部のプーリ支持体を示す底面図である。
【
図19】張力調整表示部及びその周辺の部材を拡大して示す図である。
【
図20】一実施形態に係る駆動プーリを示す縦断面図である。
【
図21】一実施形態に係る配線押さえを示す斜視図である。
【
図22】配線押さえの設置方法を説明する図である。
【
図23】配線押さえの設置方法を説明する図である。
【
図24】一実施形態に係る配線押さえを示す側面図である。
【
図25】ガイドレールに配線押さえを固定する工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る自動ドア装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は、説明の都合上、実際の比率とは異なる場合があり、また、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0029】
自動ドア装置
図1は、本実施の形態に係る自動ドア装置10を示す正面図である。自動ドア装置10は、例えば、建物の出入口等の開口部に設けられた無目に固定されている。
【0030】
自動ドア装置10は、ドア本体12及びドアハンガー20を有するドア11と、ドア11のドアハンガー20が懸架されるガイドレール40と、ガイドレール40に取り付けられたストッパ50と、ドア11をガイドレール40に沿って駆動する駆動機構60と、ドア11を駆動機構60に連結する連結機構30と、を備える。以下の説明において、ガイドレール40に沿うドア11の移動方向を、開閉方向D1とも称する。また、開閉方向D1及び鉛直方向(上下方向)に直交する方向を、幅方向D2とも称する。
【0031】
以下、自動ドア装置10の各構成要素について説明する。
【0032】
(ストッパ)
まず、ストッパ50について説明する。ストッパ50は、開閉方向D1に沿うドアハンガー20の動きを所定の位置で制限するようドア11の例えばドアハンガー20に接触する部材である。
【0033】
図2は、ストッパ50を示す正面図である。また、
図3は、ストッパ50を示す側面図である。ストッパ50は、ストッパ本体51、ストッパゴム55、固定部材56及びボルト57を備える。
【0034】
ストッパ本体51は、ストッパ50の主体となる部材であり、例えば、アルミニウム又はその合金などの金属によって構成されている。ストッパ本体51は、ガイドレール40の後述するレール部43に上方から取り付けられる。
【0035】
図3に示すように、ストッパ本体51は、下方に突出する第1脚部52及び第2脚部53を有し、第1脚部52と第2脚部53との間に窪み部54が形成されている。ストッパ50をガイドレール40に取り付けた状態においては、窪み部54にガイドレール40のレール部43及び固定部材56が位置する。また、ストッパ本体51には、上下方向に延びる孔が第1脚部52と第2脚部53との間に形成されており、この孔にボルト57が下方から挿入される。更に、ストッパ本体51には、開閉方向D1に延びる孔が形成されており、この孔にストッパゴム55が挿入される。なお、図示はしないが、ストッパ本体51は、上方からボルト57が挿入されるよう構成されていてもよい。
【0036】
図3に示すように、第1脚部52の内側の(窪み部54側の)側面521には凹部522が形成されている。凹部522は、開閉方向D1に沿って延びている。また、第2脚部53の内側の(窪み部54側の)側面531は、上方に向かうにつれて内側に傾斜した傾斜面を含んでいる。
【0037】
ストッパゴム55は、ドア11がストッパ50に及ぼす衝撃力Fを軽減するためにストッパ本体51に設けられる部材である。ストッパゴム55は、ストッパ本体51のドア11側に位置する接触部551と、ストッパ本体51のドア11とは反対側に位置する係止部552と、接触部551と係止部552との間に位置し、ストッパ本体51に挿入される軸部と、を含む。ストッパゴム55などのゴム部材は、ストッパ50側でなくドア11側に設けられていてもよい。
【0038】
固定部材56は、ストッパ50をガイドレール40に取り付けた状態においてガイドレール40のレール部43とストッパ本体51の第2脚部53との間に介在される部材である。固定部材56は、レール部43の側面に接触する第1側面561と、第2脚部53の側面531に接触する第2側面562と、を含む。また、固定部材56には、ボルト57が挿入される貫通孔が形成されている。第1側面561及び第2側面562はいずれも、上方に向かうにつれて内側に(ボルト57側に)傾斜した傾斜面を含んでいる。
【0039】
好ましくは、
図2に示すように、固定部材56は、ストッパ本体51のドア11側の端部511よりもドア11側に位置する端部563を有する。これにより、開閉方向D1における固定部材56とガイドレール40との間の接触距離を増加させることができ、固定部材56とガイドレール40との間に生じる摩擦力を増加させることができる。なお、固定部材56は、接触部551のドア11側の端部よりも端部563がドア11に位置しないように構成される。
【0040】
ボルト57は、ストッパ50をガイドレール40に取り付ける際にストッパ本体51及び固定部材56に下方から挿入される部材である。ボルト57は、固定部材56の下方に位置する頭部571と、ストッパ本体51及び固定部材56に挿入される軸部572と、を含む。
【0041】
(ガイドレール)
次に、ガイドレール40について説明する。ガイドレール40は、開閉方向D1に沿ってドア11を案内するための部材である。
【0042】
図4は、ガイドレール40を示す斜視図である。ガイドレール40は、底部41、側部42、レール部43、壁部44及び突条部45を備える。
図4に示す例において、ガイドレール40は、開閉方向D1において同一の断面形状を有している。言い換えると、ガイドレール40の各構成要素はいずれも、開閉方向D1に沿って延びており、また、一体的に構成されている。
【0043】
底部41は、例えば上板411及び下板412を含む。上板411及び下板412は、上板411と下板412の間に中空部413が形成されるように連結されている。これにより、底部41の重量を低減しながら底部41の剛性を高めることができる。
【0044】
側部42は、底部41から上方に延びる部材である。側部42の内側の(レール部43側の)面には突条部45が設けられている。側部42の内側の面には、駆動機構60などの機器が、突条部45などを利用して固定される。
【0045】
レール部43は、ドアハンガー20の後述する戸車21が走行する部材である。レール部43は、底部41から上方に突出した凸形状を有する。
【0046】
図5は、レール部43を拡大して示す図である。レール部43の内側の(側部42側の)側面431には凸部432が形成されている。凸部432は、開閉方向D1に沿って延びている。凸部432は、ストッパ50をガイドレール40に取り付けた状態において、ストッパ50のストッパ本体51の凹部522に嵌め合わされている。
【0047】
壁部44は、側部42とレール部43との間において底部41から上方へ延びる部材である。後述するように、壁部44には、ガイドレール40上に配置される配線を覆う配線押さえの端部が係止される。
【0048】
次に、組み合わされた状態のガイドレール40及びストッパ50について、
図6を参照して説明する。
図6に示すように、ストッパ本体51は、ガイドレール40のレール部43に上方から接触する。一方、固定部材56は、ガイドレール40に下方から接触する。具体的には、固定部材56は、第1側面561がレール部43の外側の側面に接触し、且つ第2側面562がストッパ本体51の第2脚部53の内側の側面531に接触するよう、ストッパ本体51の窪み部54に配置される。上述のように、第1側面561及び第2側面562はいずれも、上方に向かうにつれて内側に(ボルト57側に)傾斜した傾斜面を含んでいる。また、固定部材56には、レール部43の側面及びストッパ本体51の側面531を上方へ押す力がボルト57から加えられている。これにより、固定部材56とレール部43及び第2脚部53との間に生じる摩擦力を高めることができ、従って、ガイドレール40に対してストッパ50を強固に固定することができる。
【0049】
また、
図6に示すように、ガイドレール40の凸部432は、ストッパ50の凹部522に嵌められている。ストッパ50の凹部522の下面とガイドレール40の凸部432の上面とは、鉛直方向Vにおいて少なくとも部分的に重なっている。
【0050】
ストッパ50をガイドレール40に取り付ける取付方法の一例を説明する。まず、ガイドレール40の凸部432とストッパ50の凹部522とを嵌め合わせる。続いて、ストッパ本体51の孔及び固定部材56の貫通孔に下方からボルト57を挿入する。この際、固定部材56とレール部43及び第2脚部53との間に所望の摩擦力が生じるようになるまで、ボルト57を利用して固定部材56を上方へ押し込む。なお、図示はしないが、ボルト57の軸部572のうちストッパ本体51の上方に突出した部分にナットなどを嵌合させることにより、ボルト57をストッパ本体51に対して固定してもよい。
【0051】
次に、ガイドレール40の凸部432及びストッパ50の凹部522の機能について説明する。
図2に示すように、ドア11の例えばドアハンガー20がストッパ50のストッパゴム55に衝突すると、ストッパ50には、開閉方向D1において衝撃力Fが働く。また、ストッパ50には、
図2に示すように、ストッパ50には、ドア11の反対側(接触部551の反対側)に位置するストッパ50の端部502(ストッパ本体51の端部512)のうちガイドレール40に接触する部分を中心軸C1としてストッパ50を回転させるモーメントMも働く。
【0052】
上述の固定部材56は、開閉方向D1に沿って延びている。このため、開閉方向D1における固定部材56とレール部43及び第2脚部53との間の接触距離は長い。従って、固定部材56は、開閉方向D1におけるストッパ50の変位を抑制するという点では有効に機能する。一方、鉛直方向Vにおける固定部材56とレール部43及び第2脚部53との間の接触距離は短い。
図2に示すモーメントMがストッパ50に働くと、ストッパ本体51のドア11側の端部は、ガイドレール40に対して少なくとも部分的に上方に変位しようとする。このため、モーメントMに起因するストッパ50の変位を抑制するという点では、固定部材56の機能は不十分であると考えられる。
【0053】
ここで、上述のストッパ50の凹部522及びガイドレール40の凸部432は、鉛直方向Vにおいて少なくとも部分的に重なっている。このため、モーメントMに起因してストッパ本体51のドア11側の端部が上方に変位しようとすると、ストッパ50の凹部522がガイドレール40の凸部432によって係止される。従って、ストッパ50が変位すること、及びストッパ50がガイドレール40から外れることを抑制することができる。このように、ストッパ50の凹部522及びガイドレール40の凸部432は、中心軸C1に対してストッパ50を回転させるモーメントMに対抗する外れ止め手段58として機能することができる。
【0054】
好ましくは、外れ止め手段は、ストッパ50の重心からずれた位置でストッパ50をガイドレール40に対して固定する。これにより、モーメントMによってストッパ50が回転してしまうことを効果的に抑制することができる。
【0055】
(外れ止め手段の凹部及び凸部の変形例)
なお、中心軸C1に対してストッパ50を回転させるモーメントMに対抗することができる限りにおいて、外れ止め手段58として機能する凹部及び凸部の構成は特には限定されない。
【0056】
例えば、ストッパ50のストッパ本体51に凸部を設け、ガイドレール40に、ストッパ本体51の凸部が嵌められる凹部を設けてもよい。この場合、ストッパ50の凸部の上面とガイドレール40の凹部の下面とが、鉛直方向Vにおいて少なくとも部分的に重なっている。このため、ストッパ本体51に凸部及びガイドレール40の凹部は、中心軸C1に対してストッパ50を回転させるモーメントMに対抗する外れ止め手段58として機能することができる。
【0057】
また、ガイドレール40及びストッパ50に設けられる凸部及び凹部の数は、特には限られない。例えば、ガイドレール40及びストッパ50の一方に、開閉方向D1に延びる複数の凹部を設け、ガイドレール40及びストッパ50の他方に、対応する凹部に嵌められるとともに開閉方向D1に延びる複数の凸部を設けてもよい。
【0058】
また、ガイドレール40及びストッパ50に設けられる凸部及び凹部は、開閉方向D1に沿って連続的に延びていなくてもよい。例えば、ガイドレール40及びストッパ50の一方に、開閉方向D1に並ぶ複数の凹部を設け、ガイドレール40及びストッパ50の他方に、対応する凹部に嵌められるとともに開閉方向D1に並ぶ複数の凸部を設けてもよい。
【0059】
凸部及び凹部の形状は任意である。例えば、凸部の形状として、円柱、三角柱、四角柱、多角柱、円錐、三角錐、四角錐、多角錐などを採用することができる。また、凹部の断面形状として、円形、矩形、多角形などを採用することができる。
【0060】
ストッパ50がガイドレール40に取り付けられた状態において、凸部及び凹部が互いに接触していてもよく、若しくは、凸部と凹部との間に隙間が存在していてもよい。隙間は、ストッパ50がガイドレール40に対して回転してガイドレール40から外れるよりも前に凸部と凹部とが接触するように設定される。
【0061】
ガイドレール40及びストッパ50に設けられる凸部及び凹部の位置も、特には限られない。例えば、ストッパ本体51の第1脚部52の外側の面(ガイドレール40の側部42側の面)に凹部又は凸部を設け、ガイドレール40の側部42とレール部43との間に、ストッパ本体51の凹部又は凸部に嵌め合わされる凸部又は凹部を設けてもよい。
【0062】
(外れ止め手段が締結部材を含む例)
また、ガイドレール40及びストッパ50に一体的に凸部及び凹部を設けるという方法以外の方法によって、外れ止め手段58を構成してもよい。例えば、外れ止め手段58は、ガイドレール40に対してストッパ50を開閉方向D1の所定の締結位置において締結するための締結部材を含んでいてもよい。なお、外れ止め手段58は、ガイドレール40及びストッパ本体51に一体的に設けられた上述の凹部及び凸部に加えて、締結部材を更に含んでいてもよい。
【0063】
好ましくは、締結部材は、締結位置からストッパ50のドア11側の端部までの距離が、締結位置からストッパ50のドア11とは反対側の端部までの距離よりも短くなるよう、ストッパ50に締結される。言い換えると、締結部材は、ストッパ50の重心よりもドア11側の位置でストッパ50をガイドレール40に対して締結する。これにより、モーメントMによってストッパ50が回転してしまうことを効果的に抑制することができる。
【0064】
締結部材の第1形態として、一端がガイドレール40に固定され、他端がストッパ50のストッパ本体51を上方から押圧するように構成された、剛性を有する剛性部材を挙げることができる。この場合、剛性部材の他端がストッパ本体51に上方から接触する位置が、締結位置となる。剛性部材は、例えば、L字状の部分を含み、L字状の部分の端部がストッパ本体51に上方から接触している。
【0065】
また、締結部材の第2形態として、一端がガイドレール40に固定され、他端がストッパ50のストッパ本体51に固定されたワイヤを挙げることができる。この場合、例えば、ストッパ本体51に一体的に形成されたフックの他端にワイヤが固定されてもよい。この場合、フックの位置が締結位置となる。フックは、例えば、ストッパ本体51のガイドレール40側の側面に設けられる。ガイドレール40側も同様に、ガイドレール40に一体的に形成されたフックにワイヤの一端が固定されてもよい。ワイヤの長さは、ストッパ50がガイドレール40に対して回転してガイドレール40から外れるよりも前にワイヤに十分な張力が加わり、ワイヤからの張力によってストッパ50の回転が抑制されるよう、設定される。
【0066】
また、締結部材の第3形態として、一端がガイドレール40に固定され、他端がストッパ50のストッパ本体51に固定されたバネなどの弾性体を挙げることができる。弾性体の他端は、ワイヤの場合と同様に、例えば、ストッパ本体51に一体的に形成されたフックに固定され得る。また、弾性体の一端は、ガイドレール40に一体的に形成されたフックに固定され得る。弾性体の長さ及び弾性係数は、ストッパ50がガイドレール40に対して回転してガイドレール40から外れるよりも前に弾性体に十分な張力が加わり、弾性体からの張力によってストッパ50の回転が抑制されるよう、設定される。
【0067】
(ガイドレールの変形例)
次に、ガイドレール40の変形例について説明する。
【0068】
図7に示すように、ガイドレール40は、突条部45よりも下方に位置し、側部42から壁部44側へ突出する係止部46を更に備えていてもよい。係止部46には、例えば後述する配線押さえ90の端部が係止され得る。
【0069】
また、
図8に示すように、レール部43よりも外側にまで延びる頂部47や、頂部47から下方に延びる壁部48を備えていてもよい。言い換えると、レール部43が頂部47の端部よりも側部42側に位置するようにガイドレール40が構成されていてもよい。この場合、配線押さえ90の一端が係止される係止部46が側部42に設けられ、配線押さえ90の他端が係止される係止部49が頂部47に設けられていてもよい。配線などをガイドレール40の上側に配置することにより、ガイドレール40の下側に必要な空間を削減することができ、これにより、底部41の幅を短くすることができる。
【0070】
また、
図9に示すように、ガイドレール40が、自動ドア装置10のフロントカバーの一部を兼ねるように構成されていてもよい。
【0071】
(ドアハンガー)
次に、ドアハンガー20について説明する。ドアハンガー20は、
図1に示すように、ドア本体12の上部に取り付けられ、ガイドレール40に懸架される部材である。
【0072】
図10は、ドアハンガー20を示す斜視図である。ドアハンガー20は、少なくとも側板221を有する支持部22と、側板221よりもガイドレール40の側に位置し、ガイドレール40のレール部43に沿って回転可能に支持部22によって支持された戸車21と、支持部22の下部に接続され、ドア本体12の上部に取り付けられる底板23と、を備える。支持部22及び底板23は、一体的に構成されていてもよい。なお、
図10に示す例においては、ドアハンガー20が2個の戸車21を有しているが、ドアハンガー20に含まれる戸車21の数は任意である。例えば、ドアハンガー20に含まれる戸車21の数は1でもよい。
【0073】
また、ドアハンガー20は、側板221に固定された踊り止め部材24と、踊り止め部材24を側板221に固定する締結具29と、を更に有する。踊り止め部材24は、少なくとも部分的にガイドレール40のレール部43の下方に位置するよう、側板221に固定される。踊り止め部材24は、ドア本体12が上方に跳ね上がった場合などにガイドレール40に接触する。このため、上下方向におけるドア11の可動範囲を制限することができる。このことにより、ドア11がガイドレール40から外れてしまうことを抑制することができる。
【0074】
図11は、側板221から踊り止め部材24及び締結具29を外した状態を示す図である。側板221には、踊り止め部材24が挿入される貫通孔223が形成されている。また、側板221には、締結具29が挿入される孔224が形成されていてもよい。踊り止め部材24は、ガイドレール40とは反対の側から貫通孔223に挿入されてガイドレール40の下方に位置することができるよう構成されている。
【0075】
図10及び
図11に示すように、側板221のうち貫通孔223が形成されている部分の幅は、側板221のうち水平方向において戸車21と重なる部分の幅よりも小さくなっていてもよい。
【0076】
次に、
図12及び
図13を参照して、踊り止め部材24について詳細に説明する。
図12は、踊り止め部材24を示す斜視図であり、
図13は、踊り止め部材24を示す側面図である。踊り止め部材24は、移動規制部25、固定部26及び接続部27を有する。移動規制部25、固定部26及び接続部27は、金属などから一体的に構成されている。例えば、移動規制部25、固定部26及び接続部27は、金属板を折り曲げて加工することによって作製され得る。
【0077】
移動規制部25は、ガイドレール40の下方に位置する部分である。移動規制部25は、例えば水平方向に延びている。移動規制部25の上面には、樹脂を含む緩衝部28が設けられていてもよい。この場合、ドア本体12が上方に跳ね上がった場合などに緩衝部28がガイドレール40に接触するので、移動規制部25がガイドレール40に接触する場合に比べて衝撃力を和らげることができる。
【0078】
固定部26は、側板221に対してガイドレール40とは反対の側において側板221に固定される部分である。すなわち、移動規制部25と固定部26との間には側板221が存在する。固定部26は、例えば、側板221に平行に延びている。
【0079】
図12に示すように、固定部26は、開閉方向D1において移動規制部25の一側に位置し、締結具29によって側板221に固定される第1固定部261と、開閉方向D1において移動規制部25の他側に位置し、締結具29によって側板221に固定される第2固定部262と、を含んでいてもよい。
図13に示すように、開閉方向D1に沿って固定部26を見た場合、第1固定部261と第2固定部262とが少なくとも部分的に重なっている。
【0080】
接続部27は、側板221の貫通孔223に挿入され、移動規制部25と固定部26とを接続する部分である。移動規制部25及び接続部27の幅は、側板221の貫通孔223の幅よりも小さい。また、移動規制部25及び接続部27の組み合わせ体の高さは、側板221の貫通孔223の高さよりも小さい。
【0081】
図12に示すように、接続部27は、側板221の貫通孔223に挿入され、移動規制部25よりも上方に位置する第1接続部271と、第1接続部271と移動規制部25とを接続する第2接続部272と、を含んでいてもよい。第1接続部271は、例えば水平方向に延びる。また、第2接続部272は、例えば、第1接続部271から移動規制部25に向かうにつれて所定の角度で下方に傾斜する傾斜面を含む。このような第1接続部271及び第2接続部272を用いて接続部27を構成することにより、側板221に対して踊り止め部材24を容易に位置決めすることができる。
【0082】
次に、上述のように構成された踊り止め部材24を備えるドアハンガー20を用いてドア11をガイドレール40に懸架する方法について、
図14及び
図15を参照して説明する。
【0083】
まず、ドア本体12と、ドア本体12の上部に取り付けられたドアハンガー20と、を備えるドア11を準備する。このとき、ドアハンガー20の支持部22の側板221には未だ踊り止め部材24が固定されていない。続いて、
図14に示すように、ドア11のドアハンガー20をガイドレール40に懸架する。その後、
図15に示すように、ガイドレール40とは反対の側から側板221の貫通孔223に踊り止め部材24の移動規制部25及び接続部27を挿入し、移動規制部25をガイドレール40の下方に位置付ける。また、ガイドレール40とは反対の側から側板221の孔224及び踊り止め部材24の固定部26の孔に締結具29を挿入して、固定部26を側板221に固定する。
【0084】
本実施の形態においては、ドアハンガー20をガイドレール40に懸架した後に支持部22の側板221に踊り止め部材24を固定するので、懸架作業の際に踊り止め部材24がガイドレール40と干渉することがない。このため、上下方向における戸車21と底板23との間の隙間Sが小さい場合であっても、懸架作業を実施可能である。従って、懸架作業の際に既に踊り止め部材24が側板221に固定されている場合(例えば特開平6-33664号参照)に比べて、隙間Sを小さくすることができ、これにより、上下方向におけるドアハンガー20全体の寸法を小さくすることができる。このことにより、上下方向における寸法が限られた場所においても自動ドア装置10を容易に設置することができる。
【0085】
(ドアハンガーの変形例)
なお、図示はしないが、固定部26は、1つの締結具29のみによって側板221に固定されるよう構成されていてもよい。
【0086】
また、図示はしないが、複数の移動規制部25が、対応する複数の接続部27を介して固定部26に接続されていてもよい。この場合、側板221には、複数の接続部27に対応する複数の貫通孔223が形成されていてもよい。
【0087】
(駆動機構)
次に、駆動機構60について説明する。
図1に示すように、駆動機構60は、モータなどを含む駆動源61と、駆動源61によって駆動される駆動プーリ62と、開閉方向D1において駆動プーリ62から離れて位置する従動プーリ66と、駆動プーリ62及び従動プーリ66に巻き掛けられたベルト68と、従動プーリ66を開閉方向D1において移動可能に支持するベルト張力調整部70と、を有する。ベルト68には、ドアハンガー20に取り付けられた連結機構30が連結されている。連結機構30は、例えば、ドアハンガー20に取り付けられた連結金具31と、連結金具31に固定されるとともにベルト68を把持するグリップ32と、を含む。
【0088】
(ベルト張力調整部)
次に、駆動機構60のベルト張力調整部70について詳細に説明する。
図16は、ベルト張力調整部70を示す斜視図である。ベルト張力調整部70は、従動プーリ66を支持するプーリ支持体76と、開閉方向D1においてスライド可能であるようにプーリ支持体76を支持するベース体71と、プーリ支持体76に弾性力を加えるバネなどの弾性体82と、ベース体71と弾性体82とを連結する連結具80と、を備える。
【0089】
プーリ支持体76によって支持されている従動プーリ66には、ベルト68が巻き掛けられている。この場合、プーリ支持体76は、従動プーリ66を介して従動プーリ66からプーリ支持体76に加わる張力と、弾性体82からプーリ支持体76に加わる弾性力とが釣り合う位置において、ベース体71に対して静止する。連結具80は、ベース体71に対するプーリ支持体76の位置を調整可能に構成されている。このため、連結具80を利用してプーリ支持体76を開閉方向D1においてベース体71に対してスライドさせることにより、ベルト68の張力を調整することができる。
【0090】
以下、ベルト張力調整部70の各構成要素について詳細に説明する。
【0091】
図17は、ベース体71を示す平面図である。
図16及び
図17に示すように、ベース体71は、ベース板72と、ベース板72に接続された張力調整基準部73と、を有する。張力調整基準部73は、ベース板72に対して所定の角度を成すよう、例えば90°を成すようベース板72に接続された部材である。張力調整基準部73は、ベース板72よりも小さい幅を有していてもよい。
【0092】
ベース板72には、ベルト張力調整部70をガイドレール40などの部材に固定するための固定具が挿入される第1貫通孔711が形成されていてもよい。更に、ベース板72には、開閉方向D1においてスライド可能にプーリ支持体76をベース板72に連結する連結具792が挿入される第2貫通孔712が形成されていてもよい。この場合、
図17に示すように、ベース板72のうち第2貫通孔712が形成される部分は、ベース板72のうち第1貫通孔711が形成される部分に比べて76側へ盛り上がった形状を有していてもよい。これにより、第2貫通孔712に挿入される連結具792がガイドレール40などの部材に干渉してしまうことを抑制することができる。
【0093】
ベース板72及び張力調整基準部73は、例えば、一枚の板状部材を折り曲げることによって一体的に構成される。この場合、ベース板72と張力調整基準部73との間には、所定の曲率半径で湾曲した湾曲部分742を含む接続部74が存在していてもよい。
【0094】
図16に示すように、張力調整基準部73には連結具80の一端が固定される。この場合、張力調整基準部73には、弾性体82からの弾性力が連結具80を介して加えられる。このため、張力調整基準部73及び接続部74には、弾性力に耐え得る程度の剛性が求められる。
【0095】
剛性を確保する方法の1つとして、張力調整基準部73の厚みを大きくすることが考えられる(例えば実開平6-87588号参照)。しかしながら、張力調整基準部73の厚みを大きくすると、開閉方向D1におけるベルト張力調整部70の寸法が大きくなり、ベルト張力調整部70の設置場所の制約が大きくなってしまう。
【0096】
このような課題を考慮し、
図16及び
図17に示すように、接続部74は、湾曲部分742に比べてプーリ支持体76の側に突出した凸形状を有する補強部分741を含んでいてもよい。補強部分741は、板状部材を折り曲げる際の曲げ中心側(湾曲部分742の曲率を画定する円の中心側)に突出している。補強部分741は、例えば、幅方向D2における接続部74の中央領域に位置する。このような補強部分741を設けることにより、連結具80を介して弾性体82から加えられる弾性力に基づいて張力調整基準部73及び接続部74が変形することを抑制することができる。このため、従来に比べて張力調整基準部73の厚みを小さくすることができる。このことにより、開閉方向D1におけるベルト張力調整部70の寸法を低減することができる。
【0097】
次に、プーリ支持体76について説明する。プーリ支持体76は、従動プーリ66を支持するとともに、開閉方向D1においてベース体71のベース板72に対してスライド可能であるよう構成された部材である。
【0098】
図18は、プーリ支持体76を示す平面図である。
図16及び
図18に示すように、プーリ支持体76は、弾性体82が収容される収容部77と、収容部77と張力調整基準部73との間に位置し、開閉方向D1においてベース板72上をスライドするスライド部78と、収容部77に対してスライド部78とは反対側に位置し、開閉方向D1においてベース板72上をスライドする固定部79と、を含む。固定部79には、開閉方向D1においてスライド可能にプーリ支持体76をベース板72に連結する連結具792が挿入される貫通孔791が形成されている。
【0099】
プーリ支持体76のスライド部78及びベース体71の張力調整基準部73は、好ましくは、幅方向D2に沿って見た場合に少なくとも部分的に重なり合うことが可能であるよう構成されている。例えば、スライド部78の端部のうち張力調整基準部73側の端部には、
図18に示すように、張力調整基準部73が入り込むことが可能な凹部781が形成されている。このため、スライド部78は、幅方向D2に沿って見た場合にスライド部78と張力調整基準部73とが重なる位置まで開閉方向D1においてスライドすることができる。なお、幅方向D2は、スライド部78の面方向に平行であり且つ開閉方向D1に直交している。
【0100】
幅方向D2に沿って見た場合にスライド部78と張力調整基準部73とが重なることが可能であることにより、開閉方向D1におけるスライド部78の移動可能範囲を張力調整基準部73に拡大することができる。このため、開閉方向D1におけるスライド部78の移動可能範囲を十分に確保しながら、開閉方向D1におけるベース板72の寸法を従来よりも低減することができる。このことにより、開閉方向D1におけるベルト張力調整部70の寸法を低減することができる。
【0101】
なお、幅方向D2に沿って見た場合にスライド部78と張力調整基準部73とが重なることが可能である限りにおいて、スライド部78の張力調整基準部73側の端部に形成される構造が凹部781に限られることはない。例えば、凹部781ではなく段部がスライド部78の張力調整基準部73側の端部に形成され、この段部に張力調整基準部73が入り込んでもよい。
【0102】
次に、収容部77について詳細に説明する。
図16及び
図18に示すように、収容部77は、例えば、開閉方向D1において所定の間隔を空けて配置された一対の壁部と、一対の壁部に接続され、従動プーリ66が取り付けられた天板774と、を含む。一対の壁部は、張力調整基準部73側に位置する第1壁部771と、張力調整基準部73から遠い側に位置する第2壁部772と、からなる。弾性体82は、第1壁部771と第2壁部772との間に位置する。具体的には、弾性体82の一端は、
図16に示すように、第1壁部771に固定されている。
【0103】
一方、弾性体82の他端は、連結具80に連結されている。例えば、連結具80は、開閉方向D1に延びるボルト801と、ボルト801の一端に設けられ、張力調整基準部73に係止される頭部802と、ボルト801の他端に設けられ、弾性体82の他端に第2壁部772側から接触するナット803と、を有する。開閉方向D1におけるナット803の位置を変化させることにより、弾性体82に生じる弾性力を変化させることができ、これにより、ベルト68の張力を調整することができる。
【0104】
以下、ベルト68の張力の調整方法の一例を説明する。上述のように、弾性体82の一端は第1壁部771に固定されている。また、第1壁部771と第2壁部772との間の間隔は一定である。このため、弾性体82に生じる弾性力は、弾性体82の他端と第2壁部772との間の距離に一対一で対応する。従って、弾性体82の他端と第2壁部772との間の距離に基づいて、弾性体82に生じる弾性力を、ひいてはベルト68の張力を調整することができる。
【0105】
図16に示すように、弾性体82の他端に位置するナット803には、張力調整表示部81が設けられていてもよい。また、第2壁部772には、張力調整表示部81が入り込むことが可能な開口部773が形成されていてもよい。張力調整表示部81は、第2壁部772と張力調整表示部81との位置関係に基づいて弾性体82の弾性力を算出可能なように構成された部材である。張力調整表示部81は、ナット803と一体的に構成されていてもよく、若しくは、ナット803とは別の部材であってもよい。
【0106】
図19は、一実施形態に係る張力調整表示部81及びその周辺の部材を拡大して示す図である。
図19に示すように、張力調整表示部81の、張力調整基準部73から遠い側に位置する端部には、少なくとも1つの段部811が形成されていてもよい。言い換えると、張力調整表示部81の、張力調整基準部73から遠い側に位置する端部は、開閉方向D1における位置が異なる少なくとも2つの端面(第1端面812及び第2端面813)を含んでいてもよい。第1端面812は、第2端面813よりも張力調整基準部73から遠い側に位置する。
【0107】
上述のように、第1壁部771と第2壁部772との間の間隔は一定である。このため、張力調整表示部81の第1端面812と第2壁部772の外面とが一致するように連結具80を調整した場合に弾性体82に生じる弾性力Tは、所定の第1弾性力になる。また、張力調整表示部81の第2端面813と第2壁部772の外面とが一致するように連結具80を調整した場合に弾性体82に生じる弾性力Tは、第1弾性力よりも小さい所定の第2弾性力になる。
図19に示す例によれば、第1端面812又は第2端面813が第2壁部772の外面に一致するように目視で確認しながら連結具80を調整することにより、弾性体82に生じる弾性力T、ひいてはベルト68の張力を容易に調整することができる。
【0108】
張力調整表示部81に設けられる段部811の数や端面の数は任意である。段部811の数や端面の数を増加させることにより、目視で調整可能な弾性体82の弾性力Tの分解能を高めることができる。
【0109】
なお、張力調整表示部81が入り込むことが可能である限りにおいて、第2壁部772に形成される構造が開口部773に限られることはない。例えば、第2壁部772には、張力調整表示部81が入り込むことが可能な凹部や段部が形成されていてもよい。この場合も、第2壁部772の外面と張力調整表示部81との位置関係に基づいて、弾性体82の弾性力を算出することができる。
【0110】
(駆動プーリ)
次に、駆動機構60の駆動源61に駆動軸611を介して連結された駆動プーリ62について詳細に説明する。
図20は、駆動プーリ62を示す縦断面図である。駆動プーリ62は、金属ブッシュ部63及び樹脂プーリ部64を有する。金属ブッシュ部63は、駆動源61の駆動軸611が挿入される貫通孔が形成された、金属製の部材である。樹脂プーリ部64は、駆動軸611の半径方向において外側から金属ブッシュ部63を覆う、樹脂製の部材である。
【0111】
図20に示すように、金属ブッシュ部63は、本体部631と、駆動軸611の軸方向において本体部631の側面から駆動源61側へ突出したネック部632と、を有する。ネック部632は、本体部631よりも小さい半径を有する。
【0112】
駆動軸611の半径方向における金属ブッシュ部63の本体部631の端面は、樹脂プーリ部64によって覆われている。このような金属ブッシュ部63及び樹脂プーリ部64を備える駆動プーリ62は、インサート成形法によって作製され得る。
【0113】
好ましくは、
図20に示すように、ネック部632の外面633と樹脂プーリ部64の駆動軸611側の端面との間には、隙間642が設けられている。隙間642は、樹脂プーリ部64の熱収縮が生じた場合であっても樹脂プーリ部64がネック部632に接触しないよう、設定されている。以下、このような隙間642を形成することの利点について説明する。
【0114】
駆動プーリ62を作製するためのインサート成形時の温度は高く、例えば300℃である。この場合、駆動プーリ62が常温に戻ると、金属ブッシュ部63及び樹脂プーリ部64に熱収縮が生じる。樹脂の熱収縮率は、金属の熱収縮率よりも高い。このため、常温に戻った駆動プーリ62においては、熱収縮率の差に基づいて、樹脂プーリ部64が金属ブッシュ部63を圧縮することがある。
【0115】
従来の駆動プーリ62においては、例えば特開2008-267553号に開示されているように、樹脂プーリ部64が金属ブッシュ部63のネック部632に接触している。また、樹脂プーリ部64のうちネック部632に接触している部分は、その他の樹脂プーリ部64の部分に比べて、駆動源61側へ突出している。この場合、樹脂プーリ部64のうちネック部632に接触している部分が、金属ブッシュ部63からの反力に基づいて破損してしまい、この結果、放射状に広がるクラックが樹脂プーリ部64に形成されてしまうことが考えられる。
【0116】
これに対して、
図20に示す駆動プーリ62においては、上述の隙間642を設けることにより、樹脂プーリ部64とネック部632との間に圧縮力が生じることを防ぐことができる。これにより、樹脂プーリ部64にクラックなどの破損が生じることを抑制することができる。
【0117】
(配線押さえ)
自動ドア装置10は、ドア11を駆動する駆動機構60の駆動源61に接続された配線を覆うようガイドレール40に取り付けられた配線押さえ90を更に備えていてもよい。
図21は、配線押さえ90を示す斜視図である。配線押さえ90は、開閉方向D1に沿って延びる形状を有する。
【0118】
好ましくは、配線押さえ90には、
図21に示すように、配線が通過可能な凹部91が形成されている。以下、配線押さえ90に凹部91を形成することの利点について、
図22及び
図23を参照して説明する。
図22及び
図23は、配線押さえ90の設置方法の一例を説明する図である。
【0119】
まず、
図22に示すように、ガイドレール40に配線96を配置する。駆動機構60がガイドレール40の上側部分に取り付けられる場合、
図22に示すように、ガイドレール40上において配線96の一部が上下方向に延びることがある。従来のL字状やU字状の配線押さえ(例えば特開2004-169307号参照)を用いる場合、配線96の上下方向に延びる部分を覆うことができない。
【0120】
ここで本実施の形態においては、配線押さえ90に凹部91が形成されている。このため、
図23に示すように、上下方向に延びる配線96が凹部91を通過するように配線押さえ90をガイドレール40に設置することができる。従って、配線96の上下方向に延びる部分を覆うことができる。また、ガイドレール40に配線96が配置された後に配線押さえ90を設置することができる。
【0121】
以下、配線押さえ90の構造について詳細に説明する。
図24は、配線押さえ90を示す側面図である。
図21及び
図24に示すように、配線押さえ90は、第1部分92、第2部分93及び第3部分94を有していてもよい。第1部分92、第2部分93及び第3部分94はいずれも、開閉方向D1に延びている。
図24に示すように、第2部分93は、第1部分92に対して第1角度θ1を成すよう第1部分92に接続されている。第3部分94は、第1部分92に対して第2角度θ2を成すよう第1部分92に接続されている。第2部分93が、幅方向D2における配線押さえ90の第1端部901を構成し、第3部分94が、幅方向D2における配線押さえ90の第2端部902を構成している。上述の凹部91は、第1端部901から第1部分92に至るよう形成されている。
【0122】
好ましくは、第1角度θ1と第2角度θ2とが異なるよう配線押さえ90が構成されている。例えば、第2角度θ2は、第1角度θ1よりも大きく、且つ鈍角となっている。この場合、第2部分93に比べて第3部分94の方が、第1部分92に対して変位し易くなる。これにより、ガイドレール40に配線押さえ90を固定する工程を容易化することができる。
【0123】
図25は、ガイドレール40に配線押さえ90を固定する工程の一例を示す図である。
図25に示す例においては、まず、配線押さえ90の第1端部901をガイドレール40の側部42に対して固定する。例えば、
図25に示すように、配線押さえ90の第1端部901を突条部45の下方に嵌め込む。続いて、図示はしないが、配線押さえ90の第2端部902を壁部44に係止させる。ここで本実施の形態によれば、第2部分93に比べて第3部分94の方が、第1部分92に対して変位し易くなっている。このため、第2端部902を構成する第3部分94を容易に壁部44に係止させることができる。
【0124】
なお、配線押さえ90をガイドレール40に固定する工程が、
図25に示す例に限られることはない。例えば、まず配線押さえ90の第2端部902を壁部44に係止し、続いて、配線押さえ90の第1端部901をガイドレール40の側部42の係止部46などに係止してもよい。
【0125】
なお、自動ドア装置10の各構成要素(ストッパ50、ガイドレール40、ドアハンガー20、ベルト張力調整部70、駆動プーリ62及び配線押さえ90)についてそれぞれ説明したが、自動ドア装置10が各構成要素を上述の形態で備える必要はない。言い換えると、上述の形態の各構成要素を任意に組み合わせることにより、自動ドア装置10を構成することができる。
【0126】
10 自動ドア装置
11 ドア
12 ドア本体
20 ドアハンガー
21 戸車
22 支持部
221 側板
223 開口部
224 孔
23 底板
24 踊り止め部材
25 移動規制部
26 固定部
261 第1固定部
262 第2固定部
263 孔
27 接続部
271 第1接続部
272 第2接続部
28 緩衝部
29 締結具
30 連結機構
31 連結金具
32 グリップ
40 ガイドレール
41 底部
411 上板
412 下板
413 中空部
42 側部
43 レール部
431 側面
432 凸部
44 壁部
45 突条部
46 係止部
47 頂部
48 壁部
50 ストッパ
51 ストッパ本体
52 第1脚部
521 側面
522 凹部
53 第2脚部
531 側面
54 窪み部
55 ストッパゴム
551 接触部
552 係止部
56 固定部材
561 第1側面
562 第2側面
57 ボルト
571 頭部
572 軸部
58 外れ止め手段
60 駆動機構
61 駆動源
611 駆動軸
62 駆動プーリ
63 金属ブッシュ部
631 本体部
632 ネック部
633 外面
64 樹脂プーリ部
641 下面
642 隙間
66 従動プーリ
68 ベルト
70 ベルト張力調整部
71 ベース体
72 ベース板
73 張力調整基準部
74 接続部
741 補強部分
76 プーリ支持体
77 収容部
771 第1壁部
772 第2壁部
773 開口部
774 天板
78 スライド部
781 凹部
79 固定部
791 貫通孔
792 連結具
80 連結具
801 ボルト
802 頭部
803 ナット
81 張力調整表示部
82 弾性体
90 配線押さえ
901 第1端部
902 第2端部
91 凹部
92 第1部分
93 第2部分
94 第3部分
96 配線
D1 開閉方向