(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】患者の生理的摂動を決定するための装置と方法
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20220207BHJP
A61B 3/11 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
A61B10/00 H
A61B3/11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019045937
(22)【出願日】2019-03-13
(62)【分割の表示】P 2016544022の分割
【原出願日】2014-09-19
【審査請求日】2019-04-05
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-12
(32)【優先日】2013-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514262417
【氏名又は名称】チルドレンズ ナショナル メディカル センター
【氏名又は名称原語表記】CHILDREN’S NATIONAL MEDICAL CENTER
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ジュリア・フィンケル
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】▲高▼見 重雄
【審判官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-283609(JP,A)
【文献】特開2002-34920(JP,A)
【文献】特開2009-282925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B3/11,10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の生理的摂動を決定するように構成された装置
の作
動方法であって、前記装置は、プロセッシング回路を有し、前記生理的摂動は薬物使用を含み、
前記
作動方法は、
前記プロセッシング回路
が、複数のビデオフレームを含む、患者の目のビデオシーケンスを獲得
するように作動し、
前記プロセッシング回路
が、前記患者のどの生理的摂動が検出されるべきかに基づき 、少なくとも、ベースライン瞳孔サイズと、瞳孔のサイズの最大変化と、前記瞳孔の収縮の平均速度と、前記瞳孔の収縮の最大速度と、前記瞳孔の収縮のレイテンシーと、前記瞳孔の再拡張の速度とを含む複数のパラメータを選択
し、前記選択された複数のパラメータに異なる重みを割り付け
するように作動し、
前記プロセッシング回路
が、前記複数のビデオフレームに基づき、前記選択された複数のパラメータに対応する測定値を決定
するように作動し、
前記プロセッシング回路
が、決定された前記測定値と、前記選択された複数のパラメータの割り付けられた前記重みに基づいて、前記患者の生理的摂動を決定
するように作動すること、を備える、
作動方法。
【請求項2】
前記プロセッシング回路
が、前記複数のフレームの中の第1のフレームにおいて、瞳孔の中心と、前記瞳孔と虹彩の境界上の2点をローカライズ
するように作動し、
前記プロセッシング回路
が、前記ローカライズすることに基づいて、前記虹彩の推定された位置に対応するマスクイメージを生成
するように作動し、前記マスクイメージは複数の画素を含み、
前記プロセッシング回路
が、生成された前記マスクイメージに基づいて、前記選択された複数のパラメータに対応する測定値を決定
するように作動すること、を更に備える、請求項1に記載の
作動方法。
【請求項3】
前記プロセッシング回路
が、前記瞳孔のサイズの前記最大変化が50%よりも大きいと決定された場合に、頭蓋内の圧力が20mmHgよりも小さいと決定
するように作動すること、を更に備える、請求項1に記載の
作動方法。
【請求項4】
前記プロセッシング回路
が、前記瞳孔のサイズの前記最大変化が10%より小さいかまたは等しいと決定された場合に、頭蓋内の圧力が20mmHgより大きいと決定
するように作動すること、を更に備える、請求項1に記載の
作動方法。
【請求項5】
前記プロセッシング回路
が、前記瞳孔のサイズの前記最大変化が10%より小さいかまたは等しいと決定された場合に、正中線偏位を決定
するように作動すること、を更に備える、請求項1に記載の
作動方法。
【請求項6】
前記プロセッシング回路
が、前記瞳孔の収縮の平均速度が0.6mm/secより小さい場合に、頭蓋内の圧力が20mmHgよりも大きいと決定
するように作動すること、を更に備える、請求項1に記載の
作動方法。
【請求項7】
患者の生理的摂動を決定するための装置であって、
前記生理的摂動は薬物使用を含み、前記装置は、プロセッシング回路を備え、
前記プロセッシング回路は、
複数のビデオフレームを含む、患者の目のビデオシーケンスを獲得することと、
前記患者のどの生理的摂動が検出されるべきかに基づき、少なくとも、ベースライン瞳孔サイズと、瞳孔のサイズの最大変化と、前記瞳孔の収縮の平均速度と、前記瞳孔の収縮の最大速度と、前記瞳孔の収縮のレイテンシーと、前記瞳孔の再拡張の速度とを含む複数のパラメータを選択し
、前記選択された複数のパラメータに異なる重みを割り付けることと、
前記複数のビデオフレームに基づき、前記選択された複数のパラメータに対応する測定値を決定することと、
決定された前記測定値と、前記選択された複数のパラメータの割り付けられた前記重みに基づいて、前記患者の前記生理的摂動を決定することと、を行うよう構成される、装置。
【請求項8】
前記プロセッシング回路は、
前記瞳孔のサイズの前記最大変化が50%より大きいと決定された場合に、頭蓋内の圧力が20mmHgより小さいと決定すること、を行うよう更に構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッシング回路は、
前記瞳孔のサイズの前記最大変化が10%より小さいかまたは等しいと決定された場合に、頭蓋内の圧力が20mmHgより大きいと決定すること、を行うよう更に構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッシング回路は、
前記瞳孔のサイズの前記最大変化が10%より小さいかまたは等しいと決定された場合に、正中線偏位を決定すること、を行うよう更に構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッシング回路は、
前記瞳孔の収縮の平均速度が0.6mm/secより小さい場合に、頭蓋内の圧力が20mmHgよりも大きいと決定すること、を行うよう更に構成される、請求項7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[0001] 本願は、2013年9月19日に出願された米国第61/879,707号に基づくとともに優先権の利益を主張し、該出願の内容の全体が参照によってこの中に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002] 目(虹彩と瞳孔を含む)のビデオイメージを獲得するよう構成されたイメージ獲得デバイスと、ビデオイメージ上の目の瞳孔と虹彩とを検出する方法と、瞳孔と虹彩の静的および動的な測定の両方を決定する方法と、瞳孔と虹彩の静的および動的な測定に基づいて患者の薬物使用または医学的状態を決定する方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 瞳孔の制御は、複数の神経経路を含む複雑な生理機能であり、瞳孔の挙動は、神経回路の完全性と機能性を反映する。瞳孔サイズの測定と光への動的応答は、代謝または中枢神経系の構成における変化または異常を反映し得る。そのような決定は、実験および臨床の環境の両方において重要である。
【0004】
[0004] 瞳孔の評価は、第一対応者から集中治療室に至るまで、様々な環境において用いられる、医療ケアでのルーチンプラクティスである。現在、瞳孔の評価は、ほとんどの場合、ペンライトを用いて行われる。これは簡単な評価方法であるが、結果は主観的で、オペレータの専門的知識によって変動する。ペンライトによって生じる情報は、光反射の有りまたは無しや瞳孔のサイズや対称性の評価等、大まかな瞳孔の特徴に限られる。微妙な変化が評価されることができず、これらは、脳外傷や心拍または肺の停止に続く生存能等の臨床状態を追跡するための重要なツールである。正確な瞳孔測定は、また、薬物使用や乱用、耐性、およびオピオイド痛覚過敏をモニタするためにも用いられ得る。
【0005】
[0005] この中で与えられる「背景技術」の記載は、開示の文脈を概括的に示す目的のためにある。この背景技術の項に書かれている範囲において、現在名前が出されている発明者の仕事、並びに、その他の点で出願の時点での先行技術にあたらない記載の態様は、明示的にも暗黙的にも、本発明に対する先行技術として認められない。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本開示の例示の実施形態は、スマートホンへのチャンバアタッチメントに含まれた赤外線カメラ(例えば、PupilCam)と、臨床環境における瞳孔サイズと動的な挙動の客観的な測定を可能にするアプリケーションとを組み合わせる装置(スマートホンベースの瞳孔計デバイス)を記載する。赤外線カメラアタッチメントは、ユビキタスデバイスによる正確な瞳孔評価を容易にするために、患者の顔にフィットするよう適合可能である。デバイスはスクリーニングツールであり、特定のアプリケーションは、異なる臨床状況に対処するために開発されたアルゴリズム/方法を含む。
【0007】
[0007] 例示の実施形態に従ったデバイスは、スマートホンのためのアプリケーションとハードウェア(患者の顔にスマートホンを適合させるためのチャンバ)の両方である。瞳孔計は、瞳孔の大きさと反応性を評価するために、眼科および多くの他の医療領域で用いられている。現在利用可能なデバイスは、それらが、解釈無しで未加工のデータを提供する、高価で、スタンドアロンなデバイスであり、それ故、それらが、読み取ったものを評価し、情報を統合し、適切な介在をガイドするためにトレーニングされた専門性を必要とするので、より広い臨床上の使用を得ていない。
【0008】
[0008] 例示の実施形態に従った方法と装置は、臨床医や医療専門家が、正確かつ客観的に、瞳孔の動的な測定を評価し、異なる臨床状況に特有な異なるアルゴリズムを用いて、時間上でこれらのパラメータを比較することを可能にする。スマートホン上のアプリケーションファーマットは、また、比較による情報の客観的な生成が、生成されたデータの理解を容易にすることを可能にする。デバイスは、また、更なる医療の介在の必要性を決定するために、専門家でない人による、ある限られた評価を可能にする。
【0009】
[0009] 例示の実施形態に従った装置と方法は、臨床状況における瞳孔応答性の客観的な測定を提供する。例示の実施形態に従った装置と方法は、不正確で主観的なペンライトと、法外に高価であり、その客観的な測定が、結果を統合し、解釈するのにトレーニングされた専門性を必要とする既存の臨床瞳孔計デバイスとの両方の現在の評価ツールを置き換える。
【0010】
[0010] 例示の実施形態に従った装置と方法は、患者の顔に調整可能なチャンバ(以下で、マウントインターフェースと記載される)を、集められた情報のプロセッサとしてのスマートホンと統合する、異なる臨床状況における重要なツールであるデータへの即座のアクセスを提供する。特定のアルゴリズムは、データを解釈し、異なる臨床状況に合わせ、異なる医療専門家や専門でない人による幅広い使用とアクセスを可能にする。
【0011】
[0011] 複数のアプリケーションの中で、オピオイド使用に適応される瞳孔ダイナミクスの評価は、瞳孔計のより広い使用のための最も大きな機会の一つを提供する。オピオイドは、瞳孔の副交感神経の神経支配の励起によって瞳孔の収縮を引き起こす。従って、オピオイド関連の瞳孔収縮は、ミュー受容体仲介の効能の最も感受性の高い指標になると考えられる。瞳孔収縮は、様々なオピオイドで、厳密に服用量依存性があることが示されており、オピオイドを受けていることにおける「針先大」瞳孔が通常生じることを説明する。加えて、血漿におけるオピオイドの濃度と瞳孔の直径との間に関連性が示されている。これらの既知の相関があるので、例示の実施形態に従った装置と方法は、オピオイド療法の開始における患者を評価し、服薬遵守、耐性、乱用、および、痛覚過敏の状態を評価する治療の進展を追跡するための重要なツールである。
【0012】
[0012] オピオイドの使用に関連した他の重要な応用は、全身麻酔下での手術の間の侵害性刺激や無痛覚の瞳孔の評価である。オピオイドの慢性的な使用について、瞳孔の評価は、他の臨床的な特徴もある中で、患者、または、オピオイドを使用している母親からの新生児における離脱禁断症候群をモニタおよび診断するためにも用いられ得る。
【0013】
[0013] 開示された実施形態とその付帯する利点の多くのより完全な理解が、以下の詳細な説明が添付の図面と関連して考慮されて参照されることによってそれらがよりよく理解されるようになるので、容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】[0014]
図1は、例示の実施形態に従って、目の虹彩と瞳孔を検出する方法の大要を示す。
【
図2】[0015]
図2は、例示の実施形態に従った、瞳孔と虹彩を検出する方法を図示する。
【
図3】[0016]
図3は、例示の実施形態に従った、スマートホンデバイスと統合されたマウントインターフェースのデザインを示す。
【
図4】[0017]
図4は、例示の実施形態に従った、モバイルデバイス上で、ビデオを獲得して処理し、コンピュータ臨床パラメータを表示するアプリケーションデザインを示す。
【
図5】[0018] 例示の実施形態に従った、イメージフレーム上にオーバーレイされた瞳孔と虹彩の検出を示す。
【
図6】[0019]
図6は例示のコンピューティングシステムを示す。
【詳細な説明】
【0015】
本実施形態は、患者の生理的摂動(physiologic perturbation)を決定する方法に関連する。方法は、複数のビデオフレームを含む、患者の目のビデオシーケンスを獲得し、ベースライン瞳孔サイズと、瞳孔のサイズの最大変化と、瞳孔の収縮の平均速度と、瞳孔の収縮の最大速度と、瞳孔の収縮のレイテンシーと瞳孔の再拡張の速度とを含む複数のパラメータの少なくとも1つのパラメータを選択し、プロセッシング回路を用い、および、複数のビデオフレームに基づき、複数のパラメータの選択された少なくとも1つのパラメータを決定し、決定された少なくとも1つのパラメータに基づいて患者の生理的摂動を決定するステップを含み、複数のパラメータの少なくとも1つのパラメータは、患者のどの生理的摂動が決定されるべきかに基づいて選択される。
【0016】
[0020] 方法は、更に、複数のフレームの第1のフレームにおいて、瞳孔の中心と、瞳孔と虹彩の境界上の2点をローカライズし、プロセッシング回路を用い、前記ローカライズすることに基づいて虹彩の予期された位置に対応するマスクイメージを生成し、前記マスクイメージは複数の画素を含み、生成されたマスクイメージに基づいて、少なくとも1つのパラメータを決定することを備える。
【0017】
[0021] 方法は、更に、瞳孔のサイズの最大変化が50%よりも大きいと決定されたとき、プロセッシング回路を用いて、頭蓋内の圧力が20mmHgより小さいと決定し、瞳孔のサイズの最大変化が10%より小さいかまたは等しいと決定されたとき、プロセッシング回路を用いて、頭蓋内の圧力が20mmHgより大きいと決定し、瞳孔のサイズの最大変化が10%より小さいかまたは等しいと決定されたとき、プロセッシング回路を用いて、正中線偏位を決定し、瞳孔の収縮の平均速度が .6mm/secより小さいとき、プロセッシング回路を用いて、頭蓋内の圧力が20mmHgより大きいと決定することを備える。
【0018】
方法は、更に、患者が背臥位にある間に、患者の目の第1のビデオシーケンスを獲得し、プロセッシング回路を用いて、および、第1のビデオシーケンスに基づいて、複数のパラメータの選択された少なくとも1つのパラメータの第1のバージョンを決定し、患者が立位にある間に、患者の目の第2のビデオシーケンスを獲得し、プロセッシング回路を用いて、および、第2のビデオシーケンスに基づいて、複数のパラメータの選択された少なくとも1つのパラメータの第2のバージョンを決定し、複数のパラメータの選択された少なくとも1つのパラメータの第1と第2のバージョンの比較に基づいて、プロセッシング回路を用いて、患者が体位性起立性頻拍症候群(postural orthostatic tachycardia syndrome (POTS))を有しているかどうかを決定することを備え、第2のビデオシーケンスは、患者が背臥位から立位になった所定の時間量の後に獲得される。
【0019】
[0022] 方法は、更に、背臥位で測定された患者の最大瞳孔直径が、立位で測定された患者の最大瞳孔直径よりも2.5%大きいとき、プロセッシング回路を用いて、患者はPOTSを有していると決定すること、または、背臥位で測定された患者の最小瞳孔直径が、立位で測定された患者の最小瞳孔直径よりも6.7%大きいとき、プロセッシング回路を用いて、患者がPOTSを有していると決定すること、を備える。
【0020】
[0023] 方法は、更に、患者の瞳孔のサイズの第1の変化が、瞳孔のサイズの第2の変化よりも8.5%小さいとき、プロセッシング回路を用いて、患者がPOTSを有していると決定すること、または、患者の瞳孔の収縮の第1の平均速度が、瞳孔の収縮の第2の平均速度よりも7.3%小さいとき、プロセッシング回路を用いて、患者がPOTSを有していると決定すること、を備え、モバイルデバイスにはめ込まれたフラッシュが、拡張および収縮の程度を測定するために目を刺激するために用いられる。
【0021】
本実施形態は、また、患者の生理的摂動を決定するための装置に関する。装置は、複数のビデオフレームを含む、患者の目のビデオシーケンス獲得し、ベースライン瞳孔サイズと、瞳孔のサイズの最大変化と、瞳孔の収縮の平均速度と、瞳孔の収縮の最大速度と、瞳孔の収縮のレイテンシーと瞳孔の再拡張の速度とを含む複数のパラメータの少なくとも1つのパラメータを選択し、プロセッシング回路を用い、および、複数のビデオフレームに基づき、複数のパラメータの選択された少なくとも1つのパラメータを決定し、決定された少なくとも1つのパラメータに基づいて患者の生理的摂動を決定する、ようプログラムされ、または、構成され、複数のパラメータの少なくとも1つのパラメータは、患者のどの生理的摂動が決定されるべきかに基づいて選択される。
【0022】
[0024] 装置は、瞳孔サイズの最大変化が50%より大きいと決定されたとき、頭蓋内の圧力が20mmHgよりも小さいと決定し、瞳孔のサイズの最大変化が10%より小さいか等しいと決定されたとき、頭蓋内の圧力が20mmHgより大きいと決定し、瞳孔のサイズの最大変化が10%より小さいか等しいと決定されたとき、正中線偏位を決定し、瞳孔の収縮の平均速度が .6mm/secより小さいとき、頭蓋内の圧力が20mmHgより大きいと決定するよう構成される回路を含む。
【0023】
装置は、患者が背臥位にある間に、患者の目の第1のビデオシーケンスを獲得し、プロセッシング回路を用いて、および、第1のビデオシーケンスに基づいて、複数のパラメータの選択された少なくとも1つのパラメータの第1のバージョンを決定し、患者が立位にある間に患者の目の第2のビデオシーケンスを獲得し、プロセッシング回路を用いて、および、第2のビデオシーケンスに基づいて、複数のパラメータの選択された少なくとも1つのパラメータの第2のバージョンを決定し、複数のパラメータの選択された少なくとも1つのパラメータの第1と第2のバージョンの比較に基づいて、プロセッシング回路を用いて、患者が体位性起立性頻拍症候群(postural orthostatic tachycardia syndrome (POTS))を有するかどうかを決定するよう構成される回路を含み、第2のビデオシーケンスは、患者が背臥位から立位になった所定の時間量の後に獲得される。
【0024】
[0025] 装置は、背臥位で測定された患者の最大瞳孔直径が、立位で測定された患者の最大瞳孔直径より2.5%大きいとき、患者がPOTSを有していると決定するように、または、背臥位で測定された患者の最小瞳孔直径が、立位で測定された患者の最小瞳孔直径よりも6.7%大きいとき、患者がPOTSを有していると決定するように構成される回路を含む。
【0025】
[0026] 装置は、患者の瞳孔のサイズの第1の変化が、瞳孔のサイズの第2の変化よりも8.5%小さいとき、患者はPOTSを有していると決定するように、または、患者の瞳孔の収縮の第1の平均速度が、瞳孔の収縮の第2の平均速度より7.3%小さいとき、患者がPOTSを有していると決定するように構成される回路を含む。
【0026】
[0027]
図1は、例示の実施形態に従って、目の虹彩と瞳孔を検出する方法の大要を示す。虹彩に対して高いコントラストで瞳孔の収縮と拡張を映すために、安全なレベルの範囲内で赤外線(infra-red (IR))光を用いることが必要である。残念なことに、現在のスマートホンにおけるモバイルカメラは、イメージ品質を向上させるために、可視光を通すが、IR光をブロックする。従って、本実施形態は、既存のモバイルデバイス上に低価格のIR感光性のCMOSカメラを接続するために、簡易マウントインターフェースを含むよう設計される(既存のモバイルデバイス上へのマウントインターフェースのデザインは、
図3に関して更に詳細に記載される)。既存のモバイルデバイスは、IR光に感光性があり得るか、IR光に感光性があるように改変され得る。
【0027】
[0028] ステップ101において、闇の中でライトアップするために6個の高出力赤外線LEDを有する高性能のRGB CMOSカメラモジュールが、標準画質解像度で鮮明なRGBビデオを獲得するよう構成される(高品質RGB CMOSカメラモジュールは、完全に暗い環境の中でさえも、鮮明なRGBビデオを獲得することができる)。ステップ102において、カメラモジュールは、獲得されたビデオのRCAアナログ信号をビデオ獲得デバイスに送る。ビデオ獲得デバイスは、カメラモジュールからアナログ信号を受けるマウントインターフェースの一部である。カメラモジュールは、既存のモバイルデバイス上に容易にマウント可能であり、12V仕様の近くで電力供給されるべきである。カメラモジュールの4.3mmの焦点距離と2.0の口径は、24-100mmの視野を与える。スマートホンデバイスにはめ込まれたフラッシュは、瞳孔の拡張や収縮の程度を測定するために目を刺激するため用いられ得る。加えて、モジュール式の光源も、視覚の刺激のために用いられ得る。本実施形態の方法は、瞳孔の変化をグラスゴー・コーマ・スケール(Glasgow Coma Scale (GCS))に結びつけるために用いられ得る。
【0028】
[0029] ステップ103において、カメラモジュールから出力されるRCAアナログ信号は、ビデオ獲得デバイスによってMPEG4フォーマットに変換される。ビデオ獲得デバイスは、RCAアナログ信号を任意のオーディオ/ビデオフォーマットに変換してよく、現在の実施形態はMPEG4フォーマットに制限されない。ステップ104において、MPEG4フォーマットは、アプリケーションソフトウェアがインストールされるスマートホンデバイスおよび/またはタブレットの任意のものを含むモバイルデバイスへ、Bluetooth(登録商標)またはmicro/mini USB等の組み込みユニバーサルデータI/Oインターフェースを介して入力される。MPEG4フォーマットが、Bluetoothまたはmicro/mini USB等の組み込みユニバーサルデータI/Oインターフェースを介する入力であるとして記載されるが、任意の無線/有線通信が用いられ得、本実施形態が任意の特定の無線/有線通信に制限されないことが理解されるべきである。
【0029】
[0030] データがモバイルデバイスに転送されると、ステップ105において、モバイルデバイスの内部プロセッサ(プロセッシング回路)を用いて処理され得る。データの処理は、
図2について記載される。更に、ステップ106において、ユーザは、モバイルデバイスの内部プロセッサによって処理されているデータを視覚化し得る。ユーザは、また、カメラモジュールとビデオ獲得デバイスから受けられた未処理のデータを視覚化してもよい。カメラモジュールによって獲得されたRGBイメージとIRイメージは、ユーザによって見られるためにオーバーレイされ得る。本実施形態は、ローカルでの処理に限定されない。データを遠隔のサーバに送り、遠隔での処理から結果を戻してもらうことも、また、利用されてもよい。
【0030】
[0031] カメラモジュールは、使い捨て可能や再利用可能であることが注記される。更に、カメラモジュールは、また、モバイルデバイスに恒久的に搭載され得る。ビデオイメージは、上述され、以下でも検討されるが、カメラモジュールは、ライブビデオストリームと静止画イメージの両方を獲得し得ることが理解されるべきである。
【0031】
[0032]
図2は、瞳孔と虹彩を検出する方法を示す。
図2に関して以下に記載されるステップの全ては、スマートホンデバイスのプロセッサ(プロセッシング回路)または任意の外部のプロセッシングデバイスによって実行され得る。複数のフレームを含むビデオイメージが、ステップ201で受け取られる。
図1に関して上述されたように、ビデオイメージはカメラモジュールによって獲得され、ビデオ獲得デバイスによってMPEG4フォーマットに変換されている。M個のフレームをもったビデオフレームが与えられたとすると、ビデオシーケンスの各フレームが、瞳孔の中心と半径を検出するために処理される。フレーム1(ビデオシーケンスの複数のフレームの中の最初のフレーム)において、ユーザは、初期化ステップ(ステップ202)として、瞳孔と虹彩の境界上の任意の2点と中心とを位置付けるよう求められる。ユーザは、ディスプレイ(スマートホンデバイスのディスプレイまたはRGB CMOSカメラに接続された任意のディスプレイ)上で第1のフレームを見て、瞳孔と虹彩の境界上の2点と中心点とを選択することができる。この情報に基づいて、虹彩の推定された位置をカバーするためのマスクイメージが、関係しない領域における計算を省くために生成される(ステップ202)。以下のステップは、ビデオシーケンスの他のフレームを処理することについても同じである。ステップ203において、必要ならば、計算時間を省くために、イメージビデオフレームのダウンサンプリングが行われる。ステップ203において、RGBイメージフレーム(ビデオイメージフレーム)が、0から1の範囲のダブルデータタイプでグレイスケールに変換される。ステップ204において、光源によって引き起こされた鏡面反射の明るいゾーンが存在し得るから、明るい画素を周囲の暗い画素で埋めることによって、アーチファクトを除く追加のステップがある。明るいゾーンは、マスクイメージから除かれ得る。マスクイメージの中の全ての画素は、瞳孔の中心点を決めるための候補とみなされる(ステップ205)。例えば、マスクイメージがN個の画素を含んでいる場合、N個の画素の全てが、瞳孔と虹彩の中心点を決定することにおける候補とみなされる。以下に定義されたような適合度関数(good-of-fit function)fが、瞳孔と虹彩の中心点と半径を決定するために用いられる。
【0032】
【0033】
ここで、nは、考慮される、極変数(polar variable)θの離散値の数を示し、gθ,rは、半径方向におけるイメージ強度の方向微分(directional derivative)を示す。第1項は、境界を横切る勾配の加重加算された強度を獲得し、第2項は境界に沿った勾配の一様性を獲得し、最終項は境界内部のより暗い領域についての僅かな特恵(slight preference)を獲得する。ひとつのビデオフレームにおける各n点について、その点からの[Rmin,Rmax]の距離で関数fの線積分が計算され(ステップ206)、平均値フィルタリングの後、瞳孔と虹彩の各々に対応する2つの極大値が獲得される。適合度測定値は、2つのピーク値の合計として定義される(ステップ207)。適合度測定値と対応する複数のRがメモリに記憶される(ステップ208)。これらの手順が、マスクイメージにおける残りの(N-1)点で繰り返される。特定される瞳孔の中心と半径は、N点の全てについて適合度測定値を最大化するものである(ステップ209)。次の(k+1)番目のフレームの処理のために、k番目のフレームについて計算された値を用いて、マスクイメージが更新される。言い換えると、k番目のフレームのために計算された瞳孔と虹彩の中心と半径が更新されたマスクイメージを生成するために用いられ、ステップ202から209がビデオシーケンスの各追加のフレームについて繰り返される。
【0034】
[0033]
図3は、スマートホンデバイス320と統合されたマウントインターフェースのデザインを示す。
図1について上述したように、マウントインターフェースは、スマートホンデバイス320に接続された低価格のIR感光性CMOSカメラ301を含む。CMOSカメラ301は、闇の中でライトアップする6個の高出力赤外線LED302を有する。
図3は6個の高出力赤外線LED306を図示しているが、任意の個数の高出力赤外線LEDが用いられ得ることが理解されるべきである。
【0035】
[0034] CMOSカメラ301は、更に、人間の目が高出力赤外線LED302を用いてビデオイメージとしてとらえられ得るように、人間の目が位置付けられる部分303を含む。マウントインターフェース300は、更に、マウントインターフェース300をスマートホンデバイス320に取り付けるために用いられるアタッチメント304を含む。マウントインターフェース300は、また、
図3に示されたように、CMOSカメラ301とアタッチメント304の両方に結合される介在結合デバイス305を含む。マウントインターフェース300とスマートホンデバイス320との組み合わせは、瞳孔の動的パラメータを測定するためのハンドヘルドデバイスとして有用である。
【0036】
[0035]
図1について上述したように、CMOSカメラ301(高出力の赤外線LED302を用いる)は、標準画質で、鮮明なRGBビデオを獲得することができる。
そして、獲得されたRGBビデオは、RCAアナログ信号としてビデオ獲得デバイスに送られる。CMOSカメラ301から出力されるRCAアナログ信号は、ビデオ獲得デバイスによってMPEG4フォーマットに変換される。ビデオ獲得デバイスは、RCAアナログ信号を任意のビデオフォーマットに変換し得、現在の実施形態は、MPEG4フォーマットに制限されない。最後に、ビデオのMPEG4フォーマットは、Bluetoothまたはmicro/mini USB等の組込みユニバーサルデータI/Oインターフェースを介して、アプリケーションソフトウェアがインストールされるスマートホンデバイスおよび/またはタブレットの任意のものを含むモバイルデバイスに入力される。MPEG4フォーマットが、Bluetoothまたはmicro/miniUSB等の組込みユニバーサルデータI/Oインターフェースを介して入力されるものとして記載されるが、任意の無線/有線通信が用いられ得、本実施形態は任意の特定の無線/有線に制限されないことが理解されるべきである。
【0037】
[0036] 獲得されたビデオイメージは、スマートホンデバイスの中のプロセッサによって処理される。
図3にはスマートホンデバイスが示されているが、また、外部プロセッサ(図示されず)が獲得されたビデオイメージを処理するために用いられ得ることが、理解されるべきである。
【0038】
[0037] 瞳孔の光反射(pupillary light reflex:PLR)は、亢進した副交感神経性緊張の結果として光のフラッシュに応答して起こる収縮または縮瞳、および、亢進した交感神経性緊張を反映する拡張または散瞳でもって、自律神経系の完全性を反映する。光のフラッシュは、スマートホンデバイスのフラッシュライトによって与えられ得る。例えば、薬物の使用または健康状態等の生理的摂動を決定することができるアルゴリズムの生成において用いられる少なくとも6つの瞳孔測定がある。2つの静的な測定は、収縮の大きさ(constriction amplitude:CON)を生成するために、ベースライン瞳孔サイズと最大に収縮されたサイズを含む。ベースライン瞳孔サイズは、光のフラッシュの前に見出され、最大に収縮されたサイズは、光のフラッシュの後に決定される。収縮の速度(平均収縮速度(average constriction velocity:ACV)と最大収縮速度(maximum constriction velocity:MCV)を含む光のフラッシュへの動的な応答、収縮のレイテンシー(latency of constriction:LAT)、および、再拡張の速度(velocity of re-dilation)が、他の瞳孔測定である。PLRの様々なパラメータが、様々な薬物と健康状態により、予測できるような方法でインパクトを与えられる。少なくとも6つの測定が、測定の応用に基づいて選択され得る。薬物使用の検出または健康状態の検出等の異なる応用は、異なる瞳孔測定や、瞳孔測定における処理の重み付けの量または異なる方法を考慮に入れ得る。
【0039】
[0038] ヒューリスティックモデルがアルゴリズムの開発において用いられる。特定のシナリオの予測であるパターンについて、量子化されたデータがアップロードされ、分析される。少なくとも6つの瞳孔測定は、RGB CMOSカメラによって獲得されたビデオイメージに基づいて、スマートホンのプロセッサ(プロセッシング回路)または任意の他のデバイスを用いて計算され得る。
【0040】
[0039] 収縮の大きさ(constriction amplitude:CON)と平均収縮速度(average constriction velocity:ACV)との両方は、頭蓋内の圧力(intracranial pressure:ICP)における重大な変化の予測であると決定されている。CONが50%より大きい(または等しい)と測定された場合、そのような測定値は、ICPが20mmHg(水銀柱のミリメートル)より小さいことを示す。更に、CONが10%より小さい(または等しい)と測定された場合、そのような測定値は、ICPが20mmHgより大きいことを示すか、または、脳の正中線偏位を示す(両者とも即時の注意を要する)。最後に、ACVが .6mm/secより小さいと測定された場合、そのような測定値は、また、ICPが20mmHgより大きいことを示し得る。
【0041】
[0040] オピオイドに関しては、全てのパラメータは、急性投与でのオピオイド服用量に逆方向に関連付けられる。慢性投与では、静的測定値とAVCへのインパクトは逆転し、耐性の特定を可能にする。これらのパラメータへのインパクトが実際にベースラインから増加する場合、これは、オピオイド誘発性痛覚過敏、神経興奮状態の指標である。
【0042】
[0041] 痛みの強さについて、最大収縮速度(maximum constriction velocity:MCV)は、主観的なレポートと相関していることが示されている。MCVは、10点のビジュアルアナログスケールにおける点毎の増加に対して、0.11mm/sだけ増加する。
【0043】
[0042] 本方法は、また、糖尿病性神経障害や体位性起立性頻拍症候群(postural orthostatic tachycardia syndrome:POTS)を含む様々な状態を含む自律神経失調症を検出し、モニタするために用いられ得る。
【0044】
[0043] 例えば、体位性起立性頻拍症候群(POTS)は、直立の姿勢をとる5-30分の中で少なくとも30拍/分の心拍数増加を伴う、少なくとも6か月の間の起立性調節障害の症状の存在として定義される。これは、通常、起立性低血圧(血圧の低下>20/10mmHg)の不在下で起こる。POTSは、自律神経失調を反映し、肉体的、社会的、職務的な機能を含む生活の質の複数の領域にわたる制限を引き起こす重大な機能的障害と関連付けられ得る。
【0045】
[0044] POTSを評価するために、患者は、まず、ベースライン値(例えば、ベースライン瞳孔サイズ)を得るために、暗順応され、背臥位におかれる。10分またはその程度後に、読取りが、各目において行われる。患者が10分間立った後で、他の読取りが行われる。この中で、読取りとは、目のビデオイメージを獲得することと、ビデオイメージを処理することと、上述の少なくとも6つの瞳孔メトリック測定の値を計算することを言う。以下の結果が、POTSの評価について各目において取られた読取りに基づいて得られた。
【0046】
[0045] POTS患者の中で、ベースラインでの瞳孔測定は、瞳孔直径のその最大から最小直径への変化のパーセント(CON)が、健康者の対照に比較して有意により小さくなっていることを明らかにし、収縮速度も(ACV)も同様であることが観察された。加えて、刺激を与えた後の瞳孔の応答時間であるレイテンシー(latency:LAT)が、健康者の対照よりもPOTS患者においてより高くなっていることが判った。これらの違いの大きさは、表1に見られ得る。
【0047】
【0048】
[0046] p値は、帰無仮説が真であると仮定して、試験の統計上の結果を、実際に観察された結果に対して、少なくとも極端なものとして、または、近いものとして得られる確率である。
【0049】
[0047] 起立性のストレスの元で、POTS患者は、最大瞳孔直径で2.5%、最小瞳孔直径で6.7%の減少を経験したことが判った。収縮率は8.5%増加することが判明し、また、平均収縮速度は7.3%増加した。これらのパーセント値は、背臥位と立位における測定の間の比較である。従って、様々な治療の介在のインパクトが、これらのパラメータへのインパクトを決定することによる診断の後、客観的にモニタされ得る。
【0050】
[0048] 糖尿病性神経障害は、瞳孔対虹彩の比における有意な減少、および/または、レイテンシーにおける有意な増加がある場合に検出され得る。
【0051】
[0049]
図4は、スマートホンデバイス上で、ビデオを獲得して処理し、コンピュータ臨床パラメータを表示するアプリケーションデザインを示す。例えば、スマートホンデバイスは、虹彩と瞳孔を含む目のビデオイメージを獲得するために、瞳孔計(マウントインターフェースと上述した少なくとも6つの瞳孔メトリック測定値を処理するためのアプリケーション)を用いることをユーザに可能にする、アプリケーションデザインの第1のスクリーン401を表示する。更に、スマートホンデバイス400上の第1のスクリーン401は、また、それまでに記憶されたビデオイメージ(未処理のイメージと、
図2および3について議論されたパラメータを含む処理されたイメージとの両方)を検索することをユーザに可能にする。スマートホンデバイス上の第2のスクリーン402は、目の捕捉と、最小直径と最大直径も示す。最小直径と最大直径は、瞳孔または虹彩のいずれかであり得る。最小直径および最大直径のみが第2のスクリーン402上に示されているが、虹彩と瞳孔の他の測定値(例えば、上述の少なくとも6つの瞳孔メトリック測定値)が第2のスクリーン402上に表示し得ることが理解されるべきである。加えて、第2のスクリーン402は、また、瞳孔/虹彩における%変化を示す。%変化は、また、瞳孔の収縮と拡張速度における変化に対応し得る。最後に、第2のスクリーン402は、瞳孔の収縮と拡張の現在の速度に対応する速度を示す。
【0052】
[0050] スマートホンデバイス上の第3のスクリーン403は、患者に関する情報を保存するためのステップを示し、第4のスクリーン404は、患者の情報を検索するための検索態様を示す。全ての患者の情報は、個別の電子的データベース(図示されず)に記憶され得る。
【0053】
[0051]
図5は、イメージフレーム501にオーバーレイされた瞳孔と虹彩の検出を示す。円502は虹彩の推定を表し、円503は瞳孔の推定を表す。円502と503は、それぞれ、
図2のステップを用いて計算された虹彩と瞳孔の推定を表す。
【0054】
[0052] 本実施形態は、様々な瞳孔の色とコントラストパレットを通して安定した性能のための特徴を提供する。加えて、本実施形態は、目の任意の可能な動き(まばたき、並進運動、等)を扱うことに左右されない。最後に、本実施形態は、また、ビデオや抽出された測定値を表示するため、および、臨床における利便性を向上させるために、ユーザフレンドリーなグラフィカルインターフェースを提供する。本実施形態は、便利で、安定した、かつ、コスト効果のあるプラットホームを提供する。
【0055】
[0053] 本実施形態の他の利点は、本実施形態が、オピオイドを用いている患者のトラッキングを可能にすることである。従って、本実施形態の適用をして、オピオイド療法とオピオイド使用からの可能性のある乱用との患者を特定することが可能である。即ち、本実施形態は、患者が、処方された服用量を超えた服用量を使用しているかを検出するために用いられ得る。
【0056】
[0054] 本実施形態は、また、オピオイド耐性とオピオイド誘発性痛覚過敏の検出を可能にする。本実施形態は、また、患者がオピオイド療法への応答性を検出するために用いられ得る。チトクローム酵素のいくつかの異なる遺伝子型は、プロドラッグを活性代謝物に変換し、適切なオピオイド代謝を可能にしない。チトクロームP450代謝酵素は、オピオイド薬物の代謝において関係しており、これらの酵素の異型、特に、CYP2D6は、オピオイドの毒性と治療上の効き目に結び付けられている。オピオイドの効き目のトラッキングのための本実施形態の方法は、瞳孔の変化に基づいて特定の表現型を特定し、治療法を個別化することを可能にする。
【0057】
[0055] 本実施形態は、また、瞳孔の変化に基づいてオピオイド禁断症状を検出するため、禁断症状の治療の効き目を検出するため、妊娠中に母親がオピオイドまたはヘロインにさらされていた場合の新生児禁断症候群を検出するため、および、麻酔をかけられた患者における局所麻酔の効果を評価する無痛覚/痛覚分析をサポートするために用いられ得る。
【0058】
[0056] 本実施形態の方法は、また、メタドン使用の管理のために使用され得る。メタドン服用量の管理は、臨床医の判断に基づく主観的なものである。本実施形態の方法は、瞳孔の客観的な測定に基づくモルヒネまたは任意の他のオピオイドからメタドンへの移行を可能にし、安全性と効き目を増加させる。加えて、本実施形態の方法は、心肺蘇生法(cardiopulmonary resuscitation:CPR)の間の瞳孔反応性、瞳孔の光反射、および、CPRの間の瞳孔の動的な変化の大きさを、心拍停止後の神経学的回復を予測するための客観的な測定値として評価するために用いられ得る。
【0059】
[0057] 本実施形態の方法は、鎮静剤を投与されて鎮静状態の、または、全身麻酔下の患者における瞳孔のパラメータをトラッキングする侵害性刺激への応答の大きさを評価するため、認知活動の指標として用いられる瞳孔のパラメータにおける非常に微細な変化を評価する(覚醒のための評価と認知状態評価を提供する)ため、スポーツの分野における振盪のひどさを評価するため、および、外傷性脳損傷(traumatic brain injury:TBI)後の頭蓋内の圧力(intracranial pressure:ICP)における変化を評価するために用いられ得る。瞳孔のパラメータは、ICP変化の感受性の高い指標である。本実施形態の方法は、ヘルスケア提供者が手術または伝統的な臨床治療を示すことを可能にする。このツールは、前兆となる指標として働き得、第一対応者によって、および、戦場で、並びに、救急部門や集中治療室(intensive care unit:ICU)において用いられ得る。
【0060】
[0058] 本実施形態の方法は、向精神性薬物の使用と過剰服用と、瞳孔の変化と瞳孔の変化に基づく薬物過剰服用からの結果との間の関連付けを定義するために用いられ得る。加えて、本実施形態の方法は、また、カルバミン酸やオルガノフォスフォレート(organophosphorate)等のコリン作用性の毒の摂取の後の瞳孔の変化に基づく結果を定義するために用いられ得る。この方法は、治療の前と間の瞳孔の変化を追跡し、治療をガイドするためにデザインされ得る。
【0061】
[0059] この方法は、アルコールまたは規制薬物の影響下にあると疑われるドライバーにおけるトリアージテストとして働くよう開発され得る。テストの間に何らかの異常な瞳孔反応があった場合、ドライバーは、他のテストに付託される。
【0062】
[0060] 更に、本実施形態の方法は、幼児や大人の服毒の後の薬物の特定と治療の効き目を助けるため(瞳孔の変化は、治療が効果的かを特定し得、どの毒が用いられたかを決める助けとなる)、眼感染症、頭部外傷、および、腫瘍等の目の病気や状態に関連した異常性のためのスクリーニングツールとして機能するように右と左の瞳孔を比較するため(瞳孔不同は多くの異なる臨床状況において危険信号であり得、この方法は、この状態の大きさを検出し、重大な臨床上の混乱を避ける助けとなり得る)、および、嘘を検出するためにインタビューの間の瞳孔の変化を検出するために用いられ得る。
【0063】
[0061] 次に、例示の実施形態に従った、デバイス(例えば、スマートホンデバイス)のハードウェア記述が、
図6を参照して記載される。
図6において、デバイスは、上述したプロセスを実行するCPU600を含む。プロセスのデータと命令は、メモリ602に記憶され得る。これらのプロセスと命令は、また、ハードドライブ(hard drive:HDD)等の記憶媒体体ディスクまたはポータブル記憶媒体に記憶され得、または、遠隔に記憶されてもよい。更に、クレームされている進歩は、発明のプロセスの命令が記憶されるコンピュータ読出し可能な媒体の形式によって限定されない。例えば、命令は、CD、DVD、フラッシュメモリ、RAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM(登録商標)、ハードディスク、または、サーバまたはコンピュータ等のデバイスが通信する任意の他の情報処理デバイス上に記憶され得る。
【0064】
[0062] 更に、クレームされている進歩は、CPU600と、Microsoft Windows(登録商標)7、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX(登録商標)、Apple MAC-OS、及び、当業者に知られた他のシステム等のオペレーティングシステムと組み合わせて実行する、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、または、オペレーティングシステムのコンポーネント、または、それらの組み合わせとして提供され得る。
【0065】
[0063] CPU600は、アメリカのIntel社からのXenonまたはCoreプロセッサ、または、アメリカのAMD社からのOpteronプロセッサであってよく、または、当業者によって認識されるであろう他のプロセッサタイプであってもよい。代替的に、当業者が理解するであろうように、CPU600は、FPGA、ASIC、PLD上に、または、個別論理回路を用いて実装されてよい。更に、CPU600は、上述の発明のプロセスの命令を実行するために並列で協働して動作する複数のプロセッサとして実装されてもよい。
【0066】
[0064]
図6におけるデバイスは、また、ネットワーク66とのインターフェースとして、アメリカのIntel社からのIntel Ethernet(登録商標) PROネットワークインターフェースカード等のネットワークコントローラ606を含む。理解され得るように、ネットワーク66は、Internet等の公衆ネットワーク、LANまたはWANネットワーク等の個別ネットワーク、または、それらの組み合わせであり得、また、PSTNまたはISDNサブネットワークを含み得る。ネットワーク66は、また、Ethernetネットワーク等の有線であり得、または、EDGE、3Gおよび4G無線セルラシステムを含むセルラネットワーク等の無線であり得る。無線ネットワークは、また、WiFi、Bluetooth、既知の通信の任意の他の無線形態であり得る。
【0067】
[0065] デバイスは、更に、Hewlett Packard HPL2445w LCDモニタ等のディスプレイ610とのインターフェースとして、アメリカのNVIDIA社からのNVIDIA GeForce GTXまたはQuadroグラフィックスアダプタ等のディスプレイコントローラ608を含む。汎用I/Oインターフェース612が、キーボードおよび/またはマウス614、並びに、ディスプレイ610上またはディスプレイ610とは別個のタッチスクリーンパネル616とインターフェースする。汎用I/Oインターフェースは、また、Hewlett Packard社からのOfficeJetまたはDeskJet等のプリンターとスキャナを含む様々な周辺機器618に接続される。
【0068】
[0066] また、スピーカ/マイクロホン622とインターフェースするために、Creative社からのSound Blaster X-Fi Titanium等のサウンドコントローラ620がデバイスに与えられ、それによって、音および/または音楽を出す。
【0069】
[0067] 汎用のストレージコントローラ624が、デバイスのコンポーネントの全てを内部接続するためのISA、EISA、VESA、PCI等であってよい通信バス626と記憶媒体ディスク604とを接続する。ディスプレイ610、キーボードおよび/またはマウス614、並びに、ディスプレイコントローラ608、ストレージコントローラ624、ネットワークコントローラ606、サウンドコントローラ620、および、汎用I/Oインターフェース612の一般的な特徴と機能の記載は、これらの特徴が既知であるので、簡潔さのために、この中では省略される。
【0070】
[0068] 明らかなことには、上記教示の観点から、本開示の多くの改変や多様化が可能である。従って、添付の特許請求の範囲の範囲内で、実施形態は、この中で特に記載されたものと別な方法で実施され得る。例えば、開示された技法のステップが異なる順序で実行されたとしたら、開示されたシステムにおけるコンポーネントが異なる方法で結合されたとしたら、コンポーネントが他のコンポーネントと置き換えられ、または、補足されるとしたら、利益のある結果が達成されてもよい。この中に記載された機能、プロセス、および、アルゴリズムは、ハードウェア、または、この中に記載された機能やプロセスやアルゴリズムを実行するためのプログラムコードおよび/またはコンピュータ命令を実行するよう構成されたコンピュータプロセッサおよび/またはプログラマブルプロセッシング回路を含むハードウェアによって実行されるソフトウェアにおいて実行され得る。プロセッシング回路は、プロセッサが回路を含むように、プログラムされたプロセッサを含む。プロセッシング回路は、また、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)等のデバイスや記載された機能を実行するよう構成された通常の回路コンポーネントを含む。
【0071】
[0069] この中に記載された機能や態様は、また、システムの様々な分散されたコンポーネントによって実行されてもよい。例えば、1つまたはそれより多くのプロセッサがこれらのシステム機能を実行し得、プロセッサは、ネットワークの中で通信する複数のコンポーネントにわたって分散される。分散されたコンポーネントは、様々なヒューマンインターフェースおよび/または通信デバイス(例えば、ディスプレイモニタ、スマートホン、タブレット、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA))に加えて、1つまたはそれより多くのクライアントおよび/またはサーバマシンを含み得る。ネットワークは、LANまたはWAN等の個別ネットワークであってよく、または、Internet等の公衆ネットワークであってもよい。システムへの入力は、直接のユーザ入力を介して受け取られるか、および/または、リアルタイムで、または、バッチ処理としてのいずれかで遠隔的に受け取られ得る。加えて、いくつかの実装形態は、記載されたものと同じではないモジュールまたはハードウェア上で実行され得る。従って、請求項に記載され得る範囲の中に他の実装形態がある。
【0072】
[0070] 明細書や添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形の「a」、「an」、および、「the」は、文脈が明瞭にその他のことを規定しない限り、複数の対象を含むことが注記されなければならない。
【0073】
[0071] ある実施形態が記載されているが、例としてのみで提示されており、発明の範囲を限定することが意図されていない。実際、この中で記載された新規な方法、装置、および、システムが様々な他の形態に具体化され得、この中に記載された方法、装置、および、システムの形態における様々な省略、代替、および、変更が、発明の真意から逸脱することなくなされることができる。添付の特許請求の範囲とそれらの均等の範囲は、発明の範囲や真意の中に入るであろうような形態または変更をカバーするよう意図される。
以下、本願出願当初の特許請求の範囲に記載の発明を付記する。
[C1]
患者の生理的摂動を決定する方法であって、
前記方法は、
複数のビデオフレームを含む、患者の目のビデオシーケンスを獲得することと、
ベースライン瞳孔サイズと、瞳孔のサイズの最大変化と、前記瞳孔の収縮の平均速度と、前記瞳孔の収縮の最大速度と、前記瞳孔の収縮のレイテンシーと、前記瞳孔の再拡張の速度とを含む複数のパラメータの少なくとも1つのパラメータを選択することと、
プロセッシング回路を用い、および、前記複数のビデオフレームに基づき、前記複数のパラメータの選択された前記少なくとも1つのパラメータを決定することと、
決定された前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記患者の生理的摂動を決定することと、
を備え、
前記複数のパラメータの前記少なくとも1つのパラメータは、前記患者のどの生理的摂動が決定されるべきかに基づいて選択される、方法。
[C2]
前記複数のフレームの中の第1のフレームにおいて、瞳孔の中心と、瞳孔と虹彩の境界上の2点をローカライズすることと、
前記プロセッシング回路を用い、前記ローカライズすることに基づいて、虹彩の推定された位置に対応するマスクイメージを生成することと、前記マスクイメージは複数の画素を含む、
生成された前記マスクイメージに基づいて、前記少なくとも1つのパラメータを決定することと、
を更に備える、[C1]に記載の方法。
[C3]
前記瞳孔のサイズの前記最大変化が50%よりも大きいと決定されたとき、前記プロセッシング回路を用いて、頭蓋内の圧力が20mmHgよりも小さいと決定すること、
を更に備える、[C1]に記載の方法。
[C4]
前記瞳孔のサイズの前記最大変化が10%より小さいかまたは等しいと決定されたとき、前記プロセッシング回路を用いて、頭蓋内の圧力が20mmHgより大きいと決定すること、
を更に備える、[C1]に記載の方法。
[C5]
前記瞳孔のサイズの前記最大変化が10%より小さいかまたは等しいと決定されたとき、前記プロセッシング回路を用いて、正中線偏位を決定すること、
を更に備える、[C1]に記載の方法。
[C6]
前記瞳孔の収縮の平均速度が .6mm/secより小さいとき、前記プロセッシング回路を用いて、頭蓋内の圧力が20mmHgよりも大きいと決定すること、
を更に備える、[C1]に記載の方法。
[C7]
前記患者が背臥位にある間に、前記患者の前記目の第1のビデオシーケンスを獲得することと、
前記プロセッシング回路を用いて、および、前記第1のビデオシーケンスに基づいて、前記複数のパラメータの選択された前記少なくとも1つのパラメータの第1のバージョンを決定することと、
前記患者が立位にある間に、前記患者の前記目の第2のビデオシーケンスを獲得することと、
前記プロセッシング回路を用いて、および、前記第2のビデオシーケンスに基づいて、前記複数のパラメータの選択された前記少なくとも1つのパラメータの第2のバージョンを決定することと、
前記複数のパラメータの選択された前記少なくとも1つのパラメータの前記第1のバージョンと前記第2のバージョンの比較に基づいて、前記プロセッシング回路を用いて、前記患者が体位性起立性頻拍症候群(POTS)を有しているかどうかを決定することと、を更に備える、[C1]に記載の方法。
[C8]
前記第2のビデオシーケンスは、前記患者が前記背臥位から前記立位になった所定の時間量の後に獲得される、[C7]に記載の方法。
[C9]
前記背臥位で測定された前記患者の最大瞳孔直径が、前記立位で測定された前記患者の最大瞳孔直径より2.5%大きいとき、前記プロセッシング回路を用いて、前記患者がPOTSを有していると決定すること、または、
前記背臥位で測定された前記患者の最小瞳孔直径が、前記立位で測定された前記患者の最小瞳孔直径よりも6.7%大きいとき、前記プロセッシング回路を用いて、前記患者がPOTSを有していると決定すること、
を更に備える、[C7]に記載の方法。
[C10]
前記患者の瞳孔のサイズの第1の変化が、前記瞳孔のサイズの第2の変化よりも8.5%小さいとき、前記プロセッシング回路を用いて、前記患者がPOTSを有していると決定すること、または、
前記患者の前記瞳孔の収縮の第1の平均速度が、前記瞳孔の収縮の第2の平均速度より7.3%小さいとき、前記プロセッシング回路を用いて、前記患者がPOTSを有していると決定すること、
を更に備える、[C7]に記載の方法。
[C11]
前記生理的摂動は、薬物使用または医学的状態の一方を含む、[C1]に記載の方法。[C12]
患者の生理的摂動を決定するための装置であって、前記装置は、
複数のビデオフレームを含む、患者の目のビデオシーケンスを獲得することと、
ベースライン瞳孔サイズと、瞳孔のサイズの最大変化と、前記瞳孔の収縮の平均速度と、前記瞳孔の収縮の最大速度と、前記瞳孔の収縮のレイテンシーと、前記瞳孔の再拡張の速度とを含む複数のパラメータの少なくとも1つのパラメータを選択することと、
プロセッシング回路を用い、および、前記複数のビデオフレームに基づき、前記複数のパラメータの選択された前記少なくとも1つのパラメータを決定することと、
決定された前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記患者の前記生理的摂動を決定することと、
を行うよう構成された回路を備え、
前記複数のパラメータの前記少なくとも1つのパラメータは、患者のどの生理的摂動が決定されるべきかに基づいて選択される、装置。
[C13]
前記回路は、
前記瞳孔のサイズの最大変化が50%より大きいと決定されたとき、頭蓋内の圧力が20mmHgより小さいと決定すること、
を行うよう更に構成される、[C12]に記載の装置。
[C14]
前記回路は、
前記瞳孔のサイズの前記最大変化が10%より小さいかまたは等しいと決定されたとき、頭蓋内の圧力が20mmHgより大きいと決定すること、
を行うよう更に構成される、[C12]に記載の装置。
[C15]
前記回路は、
前記瞳孔のサイズの前記最大変化が10%より小さいかまたは等しいと決定されたとき、正中線偏位を決定すること、
を行うよう更に構成される、[C12]に記載の装置。
[C16]
前記回路は、
前記瞳孔の収縮の平均速度が .6mm/secより小さいとき、頭蓋内の圧力が20mmHgよりも大きいと決定すること、
を行うよう更に構成される、[C12]に記載の装置。
[C17]
前記回路は、
前記患者が背臥位にある間に、前記患者の前記目の第1のビデオシーケンスを獲得することと、
前記プロセッシング回路を用いて、および、前記第1のビデオシーケンスに基づいて、前記複数のパラメータの選択された前記少なくとも1つのパラメータの第1のバージョンを決定することと、
前記患者が立位にある間に、前記患者の前記目の第2のビデオシーケンスを獲得することと、
前記プロセッシング回路を用いて、および、前記第2のビデオシーケンスに基づいて、前記複数のパラメータの選択された前記少なくとも1つのパラメータの第2のバージョンを決定することと、
前記複数のパラメータの選択された前記少なくとも1つのパラメータの前記第1のバージョンと前記第2のバージョンとの比較に基づいて、前記プロセッシング回路を用いて、前記患者が体位性起立性頻拍症候群(POTS)を有しているかどうかを決定することと、
を行うよう更に構成される、[C12]に記載の装置。
[C18]
前記第2のビデオシーケンスは、前記患者が前記背臥位から前記立位になった所定の時間量の後に獲得される、[C17]に記載の装置。
[C19]
前記回路は、
前記背臥位で測定された前記患者の最大瞳孔直径が、前記立位で測定された前記患者の最大瞳孔直径より2.5%大きいとき、前記患者がPOTSを有していると決定すること、または、
前記背臥位で測定された前記患者の最小瞳孔直径が、前記立位で測定された前記患者の最小瞳孔直径よりも6.7%大きいとき、前記患者がPOTSを有していると決定すること、
を行うよう更に構成される、[C17]に記載の装置。
[C20]
前記回路は、
前記患者の瞳孔のサイズの第1の変化が、前記瞳孔のサイズの第2の変化よりも8.5%小さいとき、前記患者がPOTSを有していると決定すること、または、
前記患者の前記瞳孔の収縮の第1の平均速度が、前記瞳孔の収縮の第2の平均速度より7.3%小さいとき、前記患者がPOTSを有していると決定すること、
を行うよう更に構成される、[C17]に記載の装置。
[C21]
前記生理的摂動は、薬物使用または医学的状態の一方を含む、[C17]に記載の装置。