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特許7019625自動体外式除細動器のための符号化ステータスインジケータ
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  • 特許-自動体外式除細動器のための符号化ステータスインジケータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】自動体外式除細動器のための符号化ステータスインジケータ
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/39 20060101AFI20220207BHJP
【FI】
A61N1/39
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019078227
(22)【出願日】2019-04-17
(62)【分割の表示】P 2016558702の分割
【原出願日】2015-02-04
(65)【公開番号】P2019130389
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2019-04-25
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】61/971,310
(32)【優先日】2014-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】クテク ルカシュ パウエル
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】村上 聡
【審判官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3156737(JP,U)
【文献】特開平10-215491(JP,A)
【文献】実開平3-121740(JP,U)
【文献】特表2010-509014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N1/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動体外式除細動器を自動的且つ定期的にテストし、更に、レディ及び不具合を含む当該自動体外式除細動器の動作準備状況を示す基本ステータス信号、及び当該自動体外式除細動器のセルフテスト情報を示すテストステータス信号の両方を生成する、セルフテスト回路と、
前記セルフテスト回路に動作可能に接続され、前記基本ステータス信号及び前記テストステータス信号を単一の符号化ステータス信号へと合成する、エンコーダと、
前記エンコーダと通信し、前記単一の符号化ステータス信号を視覚的に表示する、符号化ステータスインジケータと、
を含む自動体外式除細動器であって、
表示された前記単一の符号化ステータス信号のうちの、前記基本ステータス信号を表す部分は、人間に知覚可能であり、
表示された前記単一の符号化ステータス信号のうちの、前記テストステータス信号を表す部分は、機械読取り可能であって人間に知覚不能である、
自動体外式除細動器。
【請求項2】
前記符号化ステータスインジケータは、
ステータスライトを発するための光源
を含み、
前記エンコーダは、前記光源によって発せられる前記ステータスライトを、前記単一の符号化ステータス信号の関数として強度変調するように前記光源を制御する、
請求項1に記載の自動体外式除細動器。
【請求項3】
前記光源は発光ダイオードである、請求項2に記載の自動体外式除細動器。
【請求項4】
前記テストステータス信号内の前記セルフテスト情報は、前記基本ステータス信号に係る前記動作準備状況に関連する、請求項1に記載の自動体外式除細動器。
【請求項5】
前記動作準備状況は不具合のステータスの場合、前記セルフテスト情報は、低バッテリの不具合、電極パッドの不具合、及び装置誤作動の不具合のうちの1つからなる、請求項4に記載の自動体外式除細動器。
【請求項6】
前記動作準備状況はレディのステータスの場合、前記セルフテスト情報は、最後にボタンが押されたことが感知されてからの経過時間、及び最後に電極パッドが設置されてからの経過時間のうちの1つからなる、請求項4に記載の自動体外式除細動器。
【請求項7】
ユーザ操作による情報ボタン
を更に含む自動体外式除細動器であって、
前記セルフテスト回路は、前記ユーザ操作による情報ボタンの作動に応じて、テストステータスを可聴的に伝える、
請求項1に記載の自動体外式除細動器。
【請求項8】
自動体外式除細動器の準備状況のステータスを示すためのディスプレイであって、
レディ及び不具合を含む前記自動体外式除細動器の動作準備状況、及びセルフテストステータスにそれぞれ関連する、第1のデータ入力及び第2のデータ入力と、
前記第1のデータ入力及び前記第2のデータ入力から、単一の符号化ステータス信号を作り出すエンコーダと、
前記自動体外式除細動器の前記動作準備状況及び前記セルフテストステータスの両方を示すパターンで変調されたフラッシュするライトを含む、前記符号化ステータス信号の視覚的表示とを含み、
表示された前記単一の符号化ステータス信号のうちの、前記動作準備状況を表す部分は、人間に知覚可能であり、
表示された前記単一の符号化ステータス信号のうちの、前記セルフテストステータスを表す部分は、機械読取り可能であって人間に知覚不能である、
ディスプレイ。
【請求項9】
前記符号化ステータス信号は、前記動作準備状況のパターンとの順次の出力である前記セルフテストステータスのパターンを含む、請求項に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記符号化ステータス信号は、前記動作準備状況のパターンと同時の出力である前記セルフテストステータスのパターンを含む、請求項に記載のディスプレイ。
【請求項11】
自動体外式除細動器と、技術者装置と、を含むシステムであって、
前記自動体外式除細動器は、
前記自動体外式除細動器を自動的にテストするためのセルフテスト回路であって、レディ及び不具合を含む前記自動体外式除細動器の動作準備状況を示す基本ステータス信号、及び前記自動体外式除細動器のセルフテスト情報を示すテストステータス信号を生成する、当該セルフテスト回路と、
前記基本ステータス信号及び前記テストステータス信号の両方の視覚的インジケーションを同時に表示するために前記セルフテスト回路と通信する、符号化ステータスインジケータと、
を含み、
前記基本ステータス信号の前記視覚的インジケーションは、人間の目に知覚可能であり、
前記テストステータス信号の前記視覚的インジケーションは、人間の目に知覚不能であり、
前記技術者装置は、
前記テストステータス信号の前記視覚的インジケーションを検出する、光検出器
を含む、
システム。
【請求項12】
前記技術者装置は、
前記テストステータス信号を復号化するために前記光検出器と通信する、デコーダ
を更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記技術者装置は、
復号化された前記テストステータス信号を視覚的に表示するために前記デコーダと通信する、ディスプレイ
を更に含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記技術者装置は、
復号化された前記テストステータス信号を可聴的に伝えるために前記デコーダと通信する、スピーカ
を更に含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
自動体外式除細動器のステータスを表示するための方法であって、
前記自動体外式除細動器内にセルフテスト回路を設けるステップと、
レディ及び不具合を含む前記自動体外式除細動器の動作準備状況を示す基本ステータス信号、及び前記自動体外式除細動器のセルフテスト情報を示すテストステータス信号の両方を自動的に生成するステップと、
単一のディスプレイ上に、前記基本ステータス信号及び前記テストステータス信号の両方を同時に視覚的に示すために、前記自動体外式除細動器の符号化ステータスインジケータを動作させるステップと、
を含み、
前記基本ステータス信号の視覚的インジケーションは、人間の目に知覚可能であり、
前記テストステータス信号の視覚的インジケーションは、人間の目に知覚不能である、
方法。
【請求項16】
ユーザ操作による情報ボタンをアクティブにするステップと、
前記アクティブにするステップに応じて、前記セルフテスト情報を可聴的に示すステップと、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、自動体外式除細動器(「AED」)に関する。本発明は、具体的には、自動体外式除細動器の動作の準備状況(レディネス)に係る基本ステータス、及び自動体外式除細動器のセルフテスト情報に係るテストステータスを含む、符号化ステータスライトを発するステータスインジケータに関する。
【背景技術】
【0002】
特に、従来技術で知られているように、AEDは、当該AEDの動作準備状況に係る視覚的インジケーションを発するために、例えば緑色の発光ダイオード(LED)といったレディ・ライトを使用する(すなわち、AEDの視覚的な基本ステータス)。例えばレディ・ライトは、AEDのスタンバイモードを視覚的に示すために点滅し、これによりAEDが使用可能であるか、AEDが動作に係るある使用モードにあることを視覚的に示すために、ある単色であるか、又は(例えば動作不良、温度の問題、不適切なパッドカートリッジの取付け、又は低バッテリ電力といったように)AEDがセルフテストにフェイルし、注意が必要とされることを視覚的に示すために、別の色及び速さで点滅する。また、レディ・ライトは、AEDの完全な故障を示すために、完全にオフにされる。
【0003】
更に、従来技術で知られているように、AEDは、当該AEDの詳細なセルフテスト情報に係る視覚的インジケーションを入手するために、情報ボタンを使用する(すなわち、AEDの視覚的なテストステータス)。例えばAEDは、当該AEDの故障修理をする必要性に係る可聴的インジケーションとオプションで併せて、AEDの情報ボタンをフラッシュさせ、これにより、フラッシュしている情報ボタンが押されることで、AEDのための詳細な故障修理の指示及び推奨を表示する。
【0004】
他の従来技術のAEDは、準備状況のステータスを示すために、LEDではなく液晶ディスプレイ(LCD)を利用する。斯様なLCDディスプレイの1つが、「External defibrillator with automatic self-testing prior to use」と名称が付けられ、参照により本明細書に組み込まれる、共同譲渡された米国特許第5,879,374号によって教示される。AEDは、準備状況の情報を伝達するために、斯様なLCDディスプレイを制御して、グラフィックを作成するか、背面グラフィックの一部を不明瞭にするか、又はLCDバックライトを操作する。斯様なAEDは、たとえ電力の完全な喪失の結果においてさえ、フェイルのインジケーションが背面グラフィック上に示される点で、フェイルセーフな表示を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術のAEDの1つの問題点は、準備状況の表示が、AEDの動作ステータスについての限られた情報しか伝達せず、また、ディスプレイの視覚範囲内の観察者にしか伝達しないことである。一部のAEDは、ディスプレイと同時に無線の代替手段によって準備状況のステータスを送信するが、斯様な特徴はAEDに費用及び複雑さを加え、また、AEDのバッテリ寿命を低減させる。必要とされるものは、追加の費用又は電力使用を伴わずにAEDの準備状況のステータスを送信する、より単純な手段である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ディスプレイにおける、AEDの基本の動作準備状況及びセルフテスト情報だけでなく、同じディスプレイの内部に符号化された、より詳細の機械読取り可能なステータス情報も同時に伝えるように動作するAEDを用いて、従来技術の問題点を解決する。したがって、より多くの情報が、単一のステータスインジケータから伝達され得る。一実施形態では、本発明は、AEDの基本ステータス及びテストステータスを、それぞれオペレータ/技術者に、及び(例えば任意のタイプのスマート手持式コンピュータ又は携帯装置といった)技術者装置に、同時に視覚的に示すように、符号化ステータスライトの強度変調を提供する。
【0007】
本発明の一形態は、セルフテスト回路と、(例えばエンコーダ及び好ましくは発光ダイオードの形式の光源といった)符号化ステータスインジケータとを使用する自動体外式除細動器である。動作の際、セルフテスト回路は、自動体外式除細動器を自動的にテストし、テストの結果に依存して、自動体外式除細動器の動作準備状況を示す基本ステータス、及び自動体外式除細動器のセルフテスト情報を示すテストステータスの両方を生成する。符号化ステータスインジケータは、基本ステータス及びテストステータスの両方を同時に視覚的に示し、基本ステータスに係る視覚的インジケーションは、人間の目に知覚可能であり、テストステータスに係る視覚的インジケーションは、人間の目に知覚不能な形式である。
【0008】
本発明の第2の形態は、前述の自動体外式除細動器を使用し、更に、符号化されたテストステータス情報を視覚的に検出するように動作可能な光検出器を有する(例えばスマート手持式コンピュータ又は携帯装置といった)技術者装置を使用するシステムである。技術者装置は更に、符号化されたテストステータス情報を解釈し、情報を表示し、オプションで無線伝送を介して情報を遠隔地に伝達する。
【0009】
本発明の前述の形態及び他の形態、並びに本発明の様々な特徴及び利点は、添付の図面と併せて読まれる本発明の様々な実施形態の以下の詳細な説明から更に明らかになるであろう。詳細な説明及び図面は、限定するよりむしろ本発明の単なる例示にすぎず、本発明の範囲は、添付の請求項及びその均等物によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による除細動器の例示的な実施形態を示す。
図2A図1に示される符号化ステータスインジケータのいくつかの例示的な強度変調の形式を示す。
図2B図1に示される符号化ステータスインジケータのいくつかの例示的な強度変調の形式を示す。
図2C図1に示される符号化ステータスインジケータのいくつかの例示的な強度変調の形式を示す。
図2D図1に示される符号化ステータスインジケータのいくつかの例示的な強度変調の形式を示す。
図3図1に示される除細動器の例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の目的のために、構造上の用語の「セルフテスト回路」、「ステータスインジケータ」、「エンコーダ」、「光源」、「光検出器」、「デコーダ」、「ディスプレイ」、「スピーカ」、「電極パッド/パドル」、「心電図(「ECG」)モニタ」、「除細動コントローラ」、「ショック源」、及び「バッテリ」、並びに同義語及び関連用語は、本発明に係る従来技術で知られているように、広く解釈されるべきである。
【0012】
本発明の理解を容易にするために、AEDの基本ステータス及びテストステータスを同時に視覚的に示すための符号化ステータスインジケータの様々な強度変調を対象とする、本発明の例示的な実施形態が、本明細書において提供される。
【0013】
図1を参照すると、本発明のAED10は、当該AED10がスタンバイ状態にある間に、AEDの重要な構成要素を自動的且つ定期的にテストするように好ましくは動作するセルフテスト回路11を含む。セルフテストプロトコルが完了すると、セルフテスト回路11は、AEDの動作準備状況を示す基本ステータス信号110を発する。動作準備状況の一例は、「レディ」すなわち使用可能であり、この場合、全ての重要なサブシステムがシステムのテストにパスしている。動作準備状況の別の例は「注意」及び「不具合」であり、「注意」はすなわち使用できるが検査されるべきであり、「不具合」はすなわち修理又は保守のためにサービスから外されるべきである。動作準備状況の別の例である「不具合」はすなわち、AEDは不具合が修正されるまで使用されるべきではない。
【0014】
また、セルフテストプロトコルが完了すると、セルフテスト回路11は、AED10の更なるセルフテスト情報を示す、テストステータス信号120を発する。セルフテスト情報は好ましくは、より詳細な情報であり、また好ましくは、動作準備状況の情報と何らかの態様で関連する。例えば、「レディ」の動作ステータス信号と共に発せられるセルフテスト情報は、例えばAEDのボタンが最後に押されたときか、又は電極若しくはバッテリが最後に取り替えられたときといった、AEDが最後に取り扱われてからの日数における経過時間等の、過去の使用に関する日常的なデータである。「注意」の動作ステータスと共に発せられるセルフテスト情報は、装置の明細を上回るか又は下回る環境温度に対して発せられる。また、「不具合」の動作ステータスと共に発せられるセルフテスト情報は、低バッテリ状態や電極パッドの不具合、又は装置システムの誤作動等の不具合のタイプである。
【0015】
セルフテスト回路11は、基本ステータス信号110及びテストステータス信号120の両方を同時に生成する。信号は次に、エンコーダ13によってデータ入力として受信される。エンコーダ13は、基本ステータス信号110及びテストステータス信号120を、単一の符号化ステータス信号130へと合成する。単一の符号化ステータス信号130の実施形態は、以下でより詳細に説明される。
【0016】
AED10は、単一の符号化ステータス信号130を視覚的に表示する、符号化ステータスインジケータを更に含む。図1の実施形態では、符号化ステータスインジケータは、発光ダイオード(LED)等の光源14を含む。エンコーダ又は符号化ステータスインジケータは、単一の符号化ステータス信号の関数であって単一の符号化ステータス信号を示すパターンで、光源14の強度を変調する。単一の符号化ステータス信号は、2つの部分を含む。第1の部分は、動作準備状況を示す基本ステータス信号110の視覚的インジケーション21である。第2の部分は、セルフテスト情報を示すテストステータス信号120の視覚的インジケーション22である。
【0017】
視覚的インジケーション21は、観察者40によって動作ステータス信号110として知覚され得るパターンでアレンジされる。好ましくは、視覚的インジケーション21は、従来技術で「レディ」、「注意」、又は「不具合」を示すものとして知られているパターンで点滅するか又はフラッシュするライトとして見える。斯様な点滅は、動作ステータスをより明確に区別するために、別の色のLEDライトから生成されてもよい。
【0018】
視覚的インジケーション22は、好ましくは、概ね視覚的インジケーション21の単一の点滅又はフラッシュの時間内に最大の情報を伝達するように最適化されたパターンでアレンジされる。この点で、光源14は、観察者に知覚不能な程度に高い速度で変調される。例えば、視覚的インジケーション21が1ミリ秒のパルス長で容易に知覚され得る一方で、視覚的インジケーション22は、人間に知覚不能な50ミリ秒の周波数で変調される。視覚的インジケーション21の1ミリ秒の周期内に視覚的インジケーション22によって取得可能な、例えば20個の候補イベントといったフラッシュのパターンは、テストステータス信号に関連する故障コード又は他の情報を伝達するのに十分である。更に多くの情報が伝達されることとなる場合、視覚的インジケーション22は、視覚的インジケーション21の複数の隣接する時間周期の間に解析される。
【0019】
視覚的変調の速度が非常に高いので、視覚的インジケーション22は、好ましくは機械読取り可能であるようにアレンジされる。図1は更に、本発明に特有のソフトウェアアプリケーションを有するスタンドアロン装置又は市販の携帯スマートフォン若しくは手持式コンピュータである技術者装置30を示す。技術者装置30は、テストステータス信号120の視覚的インジケーション22を検出し、信号を電気的形式へと変換するように動作可能な光検出器31を含む。技術者装置30は、光検出器31と通信するデコーダ32であって、テストステータス信号120を復号化し、ユーザに出力を受け渡す当該デコーダ32を更に含む。出力は、好ましくは、復号化されたテストステータス信号120を表示するためのディスプレイ33である。オプションで、復号化されたテストステータス信号120を可聴化するために、スピーカ34が使用される。また、技術者装置30は、テストステータス信号120に関するデータを、遠隔の保守の場所に無線で送信するようにアレンジされてもよい。
【0020】
今度は図2A乃至図2Dを参照すると、単一の符号化ステータス信号に関するパターンの例示的な実施形態が示される。これらの実施形態の各々において、AED10は、人間に知覚可能な動作ステータスのパターンが、目に知覚不能な周波数でフラッシュするテストステータスのパターンと合成される態様でステータスライト20を発するように、光源14を強度変調する。高周波且つ短期間のフラッシュのパターンは、技術者装置30によって検出可能であるようにアレンジされる。
【0021】
図2Aは、テストステータスの視覚的インジケーション22aが、視覚的インジケーション21の絶え間ないオン状態の範囲内で変調される実施形態を示す。この実施形態では、テストステータスのパターン22aは、特定のテストステータスを示すように予め決定される。したがって、図2Aの実施形態は、単一の中断されないストリームにおいて、テストステータスデータのセット全体を提供するように変調され得る。
【0022】
図2Bは第2の実施例を示し、視覚的インジケーション21は、点滅状態21bにある。この実施形態では、テストステータス22bは全体として、知覚可能な視覚的インジケーション21の点滅状態21bの「オン」サイクル全体を提供する。オプションで、視覚的インジケーション21の長さがテストステータス22bの全てのデータを伝達するのに短すぎる場合、残りのデータは、視覚的インジケーション21の次のフラッシュ上に変調されてもよい。
【0023】
変調信号22a及び22bは特定のデータパターンを示さないが、様々なタイプの情報を伝達するために、光データ通信の従来技術で知られているパターンが使用され得ることを理解されたい。
【0024】
第2の実施例の代替であり、図2Cに示される第3の実施例では、視覚的インジケーション21のパターン21cは、観察者40の目によって知覚可能な「オン」サイクルを有する。波形21cの「オフ」サイクルの始めに、視覚的インジケーション22のパターンパルス22cは、技術者装置30によってのみ検出可能な周波数の光源14からの出力である。したがって、観察者は、視覚的インジケーション21だけを知覚する。
【0025】
図2Dに示される視覚的インジケーション21のオフ状態21dに対する第4の実施例では、視覚的インジケーション22のパルス22dは、技術者装置30によってのみ検出可能な周波数の波形21dの「オフ」サイクルの間の出力である。
【0026】
図3を参照すると、本発明のAED60は、電極パッド又はパドルのペア61a、61bと、オプションのECGリード61cと、(内部又は外部の)ECGモニタ62と、除細動コントローラ63と、ショック源64と、オペレータボタン65と、バッテリ66と、セルフテスト回路67と、エンコーダ68と、光源69とを使用する。
【0027】
電極パッド/パドル61a及び61bは、図3に示される前胸部‐心尖部の配置で患者50に導電的に付与されるか、又は(示されていない)前胸部‐後背部の配置で患者50に導電的に付与されるように、従来技術で知られているように構造的に構成される。電極パッド/パドル61a及び61bは、ショック源64から患者50の心臓51に除細動ショックを伝導し、患者50の心臓51の電気的活動を表すECG信号(示されていない)をECGモニタ62に伝導する。代替的に又は同時に、従来技術で知られているように、ECG信号をECGモニタ62に伝導するために、ECGリード61cが患者50に接続される。
【0028】
ECGモニタ62は、患者50が整った心拍状態を経験しているか、又は不整の心拍状態を経験している指標としての患者50の心臓51の電気的活動を測定するためのECG信号を処理するために、従来技術で知られているように構造的に構成される。整った心拍状態を示すECG信号の例は、血液をポンピングすることのできる患者50の心臓51の心室の整った収縮を表すECG波形70aである。不整の心拍状態を示すECG信号の例は、患者50の心臓51の心室細動を表すECG波形70bである。
【0029】
ショック源64は、除細動コントローラ63によって制御される、電極パッド/パドル61a及び61bを介した患者50の心臓51への除細動ショック71の送達のための電気エネルギを蓄積するように、従来技術で知られているように構造的に構成される。実用において、除細動ショック71は、従来技術で知られている任意の波形を有する。斯様な波形の例は、図3に示される単相性正弦波形(正の正弦波)71a及び二相性切断波形71bを含むがこれらに限定されない。
【0030】
一実施形態では、ショック源64は、オプションの充電ボタン65bを押すと、高電圧充電器や電源を介して高電圧を蓄積するための、高電圧キャパシタバンク(示されていない)を使用する。ショック源64は更に、除細動コントローラ63によって制御されるとおり、高電圧キャパシタバンクからの電気エネルギ充電の特定の波形を、電極パッド/パドル61a及び61bに選択的に付与するための、スイッチング/絶縁回路(示されていない)を使用する。
【0031】
除細動コントローラ63は、ショックボタン65cを介した手動の電気的除細動、及び/又は自動の電気的除細動を実行するように、従来技術で知られているように構造的に構成される。実用において、除細動コントローラ63は、当該除細動コントローラ63内部にソフトウェア/ファームウェアとしてインストールされた手動及び/又は自動の電気的除細動を実行するためのハードウェア/回路(例えば1以上のプロセッサ、メモリ等)を使用する。
【0032】
使い捨てのバッテリ66は、従来技術で知られている、示されているAED60の充電の様々な構成要素や、(例えば電源といった)示されていないAED60の充電の様々な構成要素として、構造的に構成される。
【0033】
セルフテスト回路67は、AED60の様々な構成要素、特に、電極パッド/パドル61a及び61b、ECGリード61c、ECGモニタ62、除細動コントローラ63、ショック源64、並びにバッテリ66の動作のテストを実行するように、従来技術で知られているように構造的に構成される。
【0034】
オプションの実施形態では、AED60は、ユーザ操作による情報ボタン65を含む。セルフテスト回路67は、セルフテストステータスの情報が生成されるとき、情報ボタン65をアクティブ化する。アクティブ化は、情報が利用可能であることを示すための別のフラッシュするライト又はアナンシエータを伴ってもよい。次いでユーザが情報ボタン65を押すとき、セルフテスト回路67は、スピーカ(示されていない)を介してテストステータスを可聴的に伝える。
【0035】
エンコーダ68は、本明細書で前述されたAED60の基本ステータス及びテストステータスを同時に視覚的に示すためのAED60のインジケーションプロトコルに従って、光源69(例えば発光ダイオード)によって発せられるステータスライトの強度変調を実行するように、当業者によって理解されるように構造的に構成される。
【0036】
図1乃至図3を参照すると、当業者は、AEDの動作準備状況を示すためのレディ・ライト、及びAEDのセルフテスト情報を示すための別個の情報ボタンの利用に対する代替的な方法を含むがこれらに限定されない、本明細書の多数の便益を理解するであろう。例えば、AEDの動作準備状況及びセルフテスト情報を同時に視覚的に示すために、レディ・ライトが本発明により符号化されてもよい。斯様な特徴は、セルフテスト情報のための別個の回路及びインジケータを不要とする。また、2つの信号を、より多くの「オフ」時間を有する単一の信号へと符号化することによって、本発明は、より低いデューティサイクルを提供する。したがって、インジケータは、より電力効率がよく、バッテリの寿命を延ばす。
【0037】
また、実用において、当業者は、人間の目に知覚可能な符号化ステータスライト、及び人間の目に知覚不能な、より高い周波数範囲の符号化ステータスライトの周波数範囲を理解するであろう。
【0038】
更に、符号化ステータスインジケータは、LEDではなく液晶ディスプレイ(LCD)を使用してもよいことが理解される。この実施形態では、LCDは、同様のテスト信号情報を観察者によって知覚可能な周波数よりも高い周波数であるが、技術者装置30には知覚可能である周波数で伝達するパターンで動作される。LCDの1以上のパターンは、LCDシャッタ内にではなく、LCDバックライト内に配置されてもよい。
【0039】
本発明の様々な実施形態が例示され説明されたが、当業者によって、本明細書において説明された本発明の実施形態は例示であり、本発明の真の範囲を逸脱することなく、様々な変更及び修正が加えられ、均等物が本発明の要素と置き換えられ得ることが理解されるであろう。更に、本発明の主要な範囲を逸脱することなく、多くの修正が本発明の教示に適合するように加えられ得る。したがって、本発明は本発明を実施するために考えられるベストモードとして開示される特定の実施形態に限定されるのではなく、本発明は、添付の請求項の範囲内にある全ての実施を含むことが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3