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特許7019688機械的換気内での制御及び診断のための撮像システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】機械的換気内での制御及び診断のための撮像システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20220207BHJP
【FI】
A61M16/00 340
A61M16/00 370Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019522488
(86)(22)【出願日】2017-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 EP2017077965
(87)【国際公開番号】W WO2018083121
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】62/415,659
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】トルシェル ウィリアム アンソニー
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-124126(JP,A)
【文献】特表2016-506251(JP,A)
【文献】特表2016-517726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気療法の適用中に換気を提供する、換気回路部品追跡手段を備える換気システム用装置であって、前記換気システム用装置は、
換気ガスを出力するための出力ポートを有する換気源であって、該出力ポートが換気回路内の第1複数個の換気部品を介して当該換気源と患者との間に結合される換気源と、
(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品及び(iii)前記患者のうちの少なくとも2以上のものの画像をキャプチャするカメラと、
少なくとも前記換気源と一緒に使用するために事前認可された少なくとも第2複数個の換気部品の多視点画像のデータベースと、
前記換気源、前記カメラ及び前記データベースに動作可能に結合されたコントローラであって、少なくとも(i)制御モジュール、(ii)部品認識/識別モジュール、(iii)前記カメラを介してキャプチャされる複数のリアルタイム画像内でターゲットを追跡すると共に、追跡されるターゲットの少なくとも1つの変化を検出する部品追跡モジュール、及び(iv)換気補償モジュールを含むコントローラと、
を有し、
前記制御モジュールは前記換気源の動作を、少なくとも(i)ガス組成アルゴリズムと、(ii)前記部品認識/識別モジュールの出力と、(iii)前記部品追跡モジュールの出力の関数として決定された前記換気補償モジュールの出力との関数として決定された動作パラメータにより制御し、該動作パラメータに応答して前記換気源が前記換気ガスを出力する、
換気システム用装置。
【請求項2】
前記部品認識/識別モジュールは、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)前記患者の1以上の特徴のうちの少なくとも2以上を、キャプチャされた画像内で前記データベースの前記多視点画像との少なくともテンプレートマッチングを介して認識又は識別し、該部品認識/識別モジュールの出力が、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)前記患者の1以上の特徴のうちの認識又は識別された少なくとも2以上を示すデータを含む、請求項1に記載の換気システム用装置。
【請求項3】
前記追跡されるターゲットは、(a)認識又は識別された前記換気源と、(b)前記第1複数個の換気部品のうちの認識又は識別された1以上の部品と、(c)前記患者の認識又は識別された1以上の特徴と、(d)これらの1以上の相互関係、接続又は物理的状態とのうちの2以上を含み、前記部品追跡モジュールは、前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの変化を検出し、該部品追跡モジュールの出力が、前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの検出された変化を示すデータを含む、請求項2に記載の換気システム用装置。
【請求項4】
前記換気補償モジュールが、(i)前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態の前記少なくとも1つの検出された変化に応答して、前記ガス組成アルゴリズムに対する少なくとも1つの入力を修正することであって、前記換気補償モジュールの出力が前記ガス組成アルゴリズムに対する修正された前記少なくとも1つの入力を示すデータを含むこと、及び(ii)内部警報を発生するステップであって、前記制御モジュールが該内部警報に応答して換気装置診断アルゴリズムを実施すること、からなるグループから選択される少なくとも1つを実行する、請求項3に記載の換気システム用装置。
【請求項5】
前記追跡されるターゲットは少なくとも換気ホースを含み、前記少なくとも1つの検出された変化が前記換気ホースの曲げ半径の変化を有する、請求項1に記載の換気システム用装置。
【請求項6】
前記換気ホースの曲げ半径の変化が、(i)該換気ホースが真っ直ぐであることに対応する第1曲げ半径と、(ii)該換気ホースが真っ直ぐ以外、すなわち曲げられた状態であることに対応する第2曲げ半径との間の移行を含む、請求項5に記載の換気システム用装置。
【請求項7】
前記追跡されるターゲットは、患者インターフェースに結合される換気配管のホースカフに結合される前記換気源の出力ポートと、前記患者に結合される前記患者インターフェースとの間における前記換気回路の1以上の接続部を有し、前記少なくとも1つの検出される変化が、前記1以上の接続部のうちの少なくとも1つの切断を有する、請求項1に記載の換気システム用装置。
【請求項8】
前記追跡されるターゲットは前記患者の1以上の特徴を有し、該1以上の特徴は患者の色及び患者の胸壁の動きの少なくとも一方を含み、更に、前記少なくとも1つの検出される変化が、患者の色の或る閾量を超える変化及び患者の胸壁の動きの他の閾量を超える変化の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の換気システム用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本発明は、広くは人工呼吸器に係り、更に詳細には、システムの制御及び監視を容易にするための撮像システムを斯かる呼吸器内に組み込む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 人工呼吸器(機械的換気装置)は、ガスの流れ及び圧力を発生すると共に、これらの変数を測定して処方療法の形で患者に呼吸支援を提供する。この療法は、患者に気管内チューブ若しくは気管切開チューブのように侵襲的に取り付けられ又は鼻マスク、全顔面マスク若しくは鼻カニューレのように非侵襲的に接続される種々のインターフェースを介して施される。空気的変数の測定は、患者の近くで又は患者から遠い呼吸器(換気装置)自体内で行うことができる。しばしば、斯かる変数を患者から遠い呼吸器内で測定することが有利である。何故なら、この領域は、患者の気道からの水、粘液性及び他のガス状代謝物等の患者の如何なる吐出物にも曝されないからである。これらの汚染に対する暴露は臨床における測定を信頼性の低いものにさせる。
【0003】
[0003] 換気特性を患者から遠いセンサにより測定する場合、測定位置(又は複数の位置)と当該療法が施される患者との間の患者インターフェース及び換気回路の空気的特性に関連する損失を考慮に入れるために、測定値には補償が適用されなければならない。この補償のための規則は、しばしば、換気装置アルゴリズムに組み込まれるか、又は換気回路及び患者インターフェースの手動校正を介して学習される。しばしば、換気回路及び患者インターフェースに対して正しい補正を適用するために当該換気装置を“プログラム”することは介護者の責任となる。例えば、当該換気装置が療法を調整することを可能にするために、介護者は当該換気装置の配管長、気管内チューブの直径又は加湿設定値を入力することができる。これらの方法は、限定されるものではないが、介護者が適切な構成部品を入力することを怠る又は当該換気装置を正しくない構成部品でプログラムする場合を含む種々の状況で、し損じる。他の方法も、換気装置の補償の仮定が現実と相違する場合に、し損なう。手動校正も確実なものではない。換気装置コントローラが現在の換気回路及び患者インターフェースとは関連のない以前の校正情報を記憶しているかも知れないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 従って、現状技術における問題を克服するための改善された方法及び装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 一実施態様によれば、換気アプリケーションの間に換気を行うように構成された、換気回路部品追跡手段を備える換気システム用装置は、換気源と、カメラと、データベースと、該換気源、カメラ及びデータベースに動作的に結合されたコントローラとを有する。前記換気源は、換気ガスを出力するように構成された出力ポートを有し、該出力ポートは換気回路内の第1複数個の換気部品を介して当該換気源と患者との間に結合されるように構成される。前記カメラは、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品及び(iii)前記患者のうちの少なくとも2以上のものの画像をキャプチャするように構成される。前記データベースは、少なくとも前記換気源と一緒に使用するために事前認可された少なくとも第2複数個の換気部品の多視点(マルチビュー)画像を含む。前記コントローラは、少なくとも(i)制御モジュール、(ii)部品認識/識別モジュール(部品認識及び識別モジュール)、(iii)前記カメラを介してキャプチャされる複数のリアルタイム画像内でターゲットを追跡すると共に、追跡されるターゲットの少なくとも1つの変化を検出するように構成された部品追跡モジュール、及び(iv)換気補償モジュールを含む。前記制御モジュールは、前記換気源の動作を、少なくとも(i)ガス組成アルゴリズムと、(ii)前記部品認識/識別モジュールの出力と、(iii)前記部品追跡モジュールの出力の関数として決定された前記換気補償モジュールの出力との関数として決定された動作パラメータにより制御するように構成され、該動作パラメータに応答して前記換気源は1以上の換気特性で前記換気ガスを出力する。
【0006】
[0006] 他の実施態様において、前記部品認識/識別モジュールは、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)前記患者の1以上の特徴のうちの少なくとも2以上を、キャプチャされた画像内で前記データベースの前記多視点画像との少なくともテンプレートマッチングを介して認識又は識別するように構成され、該部品認識/識別モジュールの出力は、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)前記患者の1以上の特徴のうちの認識又は識別された少なくとも2以上を示すデータを含む。
【0007】
[0007] 他の実施態様において、前記追跡されるターゲットは、(a)認識され又は識別された前記換気源、(b)前記第1複数個の換気部品のうちの認識された又は識別された1以上の部品、(c)前記患者の認識された又は識別された1以上の特徴、及び(d)これらの1以上の相互関係、接続又は物理的状態のうちの2以上を含む。加えて、前記部品追跡モジュールは、更に、前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの変化を検出するように構成される。更に、該部品追跡モジュールの出力は、前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの検出された変化を示すデータを含む。
【0008】
[0008] 当該換気システム用装置は、前記換気補償モジュールが、(i)前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態の前記少なくとも1つの検出された変化に応答して、前記ガス組成アルゴリズムに対する少なくとも1つの入力を修正するステップであって、前記換気補償モジュールの出力が前記ガス組成アルゴリズムに対する前記修正された少なくとも1つの入力を示すデータを含むステップ、及び(ii)内部警報を発生するステップであって、前記制御モジュールが更に該内部警報に応答して換気装置診断アルゴリズムを実施するように構成されるステップ、からなるグループから選択される少なくとも1つを実行するように構成された場合を更に含む。当該換気システムは、更に、前記換気補償モジュールの出力が、前記換気回路内へ出力される換気ガスのガス密度を修正するための前記ガス組成アルゴリズムに対する直接的入力である場合を含む。
【0009】
[0009] 更に他の実施態様において、前記追跡されるターゲットは少なくとも換気ホースを含み、前記少なくとも1つの検出される変化は、前記換気ホースの曲げ半径の変化を有する。前記換気ホースの曲げ半径の変化は、(i)該換気ホースが真っ直ぐであることに対応する第1曲げ半径と、(ii)該換気ホースが真っ直ぐ以外、すなわち曲げられた状態であることに対応する第2曲げ半径との間の移行を含む。他の実施態様において、前記ガス組成アルゴリズムは、前記換気ホースの向きの変化に応答して前記換気回路内で補償を行うために、前記曲げ半径に基づいた摩擦係数に関する入力を含む。
【0010】
[0010] 他の実施態様において、前記追跡されるターゲットは、患者インターフェースに結合される換気配管のホースカフ(袖口部)に結合される前記換気源の出力ポートと、前記患者に結合される前記患者インターフェースとの間における前記換気回路内の1以上の接続部を有する。前記少なくとも1つの検出される変化は、前記1以上の接続部のうちの少なくとも1つの切断(切り離し)を更に有する。他の実施態様において、前記追跡されるターゲットは、前記患者の1以上の特徴を有し、該1以上の特徴は患者の色及び患者の胸壁の動きの少なくとも一方を含み、更に、前記少なくとも1つの検出される変化は、患者の色の或る閾量を超える変化及び患者の胸壁の動きの他の閾量を超える変化の少なくとも一方を含む。
【0011】
[0011] 他の実施態様によれば、換気回路部品追跡手段を備える換気システム用装置を用いて患者に換気を提供する方法は、換気ガスを出力するための出力ポートを有する換気源を準備するステップであって、前記出力ポートが、換気回路の第1複数個の換気部品を介して前記換気源と患者との間に結合されるステップと;カメラを介して、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品の1以上、及び(iii)前記患者のうちの少なくとも2以上の画像をキャプチャするステップと;少なくとも前記換気源と一緒に使用するために事前認可された第2複数個の換気部品の多視点(マルチビュー)画像を有するデータベースを準備するステップと;1以上の換気特性で前記換気ガスを出力するため動作パラメータにより前記換気源の動作を、コントローラを介して制御するステップであって、前記コントローラが前記換気源、前記カメラ及び前記データベースに動作的に結合されたステップと;を有し、前記コントローラは、少なくとも(i)制御モジュール、(ii)部品認識/識別(部品認識及び識別)モジュール、(iii)前記カメラを介してキャプチャされる複数のリアルタイム画像内でターゲットを追跡すると共に追跡されるターゲットにおける少なくとも1つの変化を検出する部品追跡モジュール、及び(iv)換気補償モジュールを含み、更に、前記動作パラメータは、少なくとも(i)ガス組成アルゴリズムと、(ii)前記部品認識/識別モジュールの出力と、(iii)前記部品追跡モジュールの出力の関数として決定された前記換気補償モジュールの出力との関数として決定される。
【0012】
[0012] 一実施態様において、当該方法は、少なくとも1つのキャプチャされた画像を前記部品認識/識別モジュールを介して分析し、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)前記患者の1以上の特徴のうちの少なくとも2つ以上を認識又は識別するステップを更に有し、前記部品認識/識別モジュールの出力は、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)前記患者の1以上の特徴のうちの認識又は識別された少なくとも2つ以上を示すデータを含む。
【0013】
[0013] 他の実施態様において、当該方法は、前記部品追跡モジュールを介して、ターゲットを追跡するステップであって、追跡される前記ターゲットは、(a)認識又は識別された前記換気源と、(b)前記第1複数個の換気部品のうちの認識又は識別された1以上の部品と、(c)前記患者の認識又は識別された1以上の特徴と、(d)これらの1以上の相互関係、接続又は物理的状態とのうちの2以上を含む、ターゲットを追跡するステップと、前記部品追跡モジュールを介して、前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの変化を更に検出するステップとを更に有し、前記部品追跡モジュールの出力は、前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの検出された変化を示すデータを含む。
【0014】
[0014] 更に他の実施態様において、当該方法は、前記換気補償/警報モジュールにより、前記追跡されるターゲットの前記相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの検出された変化に応答して、(i)前記ガス組成アルゴリズムに対する少なくとも1つの入力を、前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態における前記少なくとも1つの検出された変化に応答して修正するステップであって、前記換気補償モジュールの出力が、前記ガス組成アルゴリズムに対する前記修正された少なくとも1つの入力を示すデータを含むステップ、及び(ii)換気装置診断アルゴリズムを実施するための内部警報を発生するステップ、からなるグループから選択される少なくとも1つを実行するステップを更に有する。当該方法は、更に、前記換気補償モジュールの出力が、前記換気回路内へ出力される換気ガスのガス密度を修正するための前記ガス組成アルゴリズムに対する直接的入力である場合を含む。
【0015】
[0015] 他の実施態様においては、プロセッサにより実行された場合に該プロセッサに、換気回路部品追跡を伴って患者に換気を提供する方法を実行させるための該プロセッサにより実行可能な命令のコンピュータプログラムにより、非一時的コンピュータ読取可能な媒体が具現化される。
【0016】
[0016] 一態様によれば、前述した課題を実際に使用されている換気回路部品を識別するように構成されたリアルタイム画像認識アルゴリズムの使用により容易且つ自動的に解決する換気システム用装置が開示される。該画像認識アルゴリズムは、当該換気システム用装置が換気ガス組成アルゴリズムに対する最も正確な入力を選択することを支援するために、学習されるターゲットパターン及び特徴、単語認識、バーコードスキャン及びテンプレートマッチングを組み合わせることができる。例えば、一実施態様において、当該システム用装置は、当該装置のパネル内又は空気配管ポートの近傍に配置された低価格カメラを含み、該カメラは当該画像認識アルゴリズム内で使用するための画像を収集するために使用される。スキャンされる部品により画像認識/処理アルゴリズムを事前ロードすべく、当該換気回路内に各部品を配置する前に換気部品及び/又は患者インターフェース製造者のバーコードをスキャンするために、パッケージ化された換気回路アイテムを上記カメラの近傍に保持することもできる。
【0017】
[0017] 他の態様によれば、当該換気システム用装置及び方法は、有利にも、当該換気装置を換気回路及び患者インターフェースに関して手作業で校正する必要性を除去しながら、依然として遠位センサにより患者に対して正確な療法を施すことができる。また、該装置及び方法は、有利にも、換気装置が当該換気回路及び患者インターフェースにおいて非常に多様な回路部品を広く許容することを可能にしながら、指定された精度を維持することを可能にする。
【0018】
[0018] 更に他の利点及び利益は、当業者によれば、後述する説明を精読及び理解すれば明らかとなるであろう。
【0019】
[0019] 本開示の実施態様は、種々の構成要素及び構成要素の配置、並びに種々のステップ及びステップの配置の形態をとることができる。従って、図面は、斯かる種々の実施態様を解説する目的のものであり、実施態様を限定するものと見なされるべきではない。尚、図面において、同様の符号は同様の要素を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本開示の一実施態様による換気システム用装置の概略ブロック図である。
図2図2は、本開示の他の実施態様による換気システム用装置を用いた換気を提供する方法のフローチャートである。
図3図3は、本開示の一実施態様による部品認識及び識別のための換気アプリケーション及びテンプレートマッチングの画像ビューである。
図4図4は、本開示の一実施態様による部品認識及び識別のための換気アプリケーション及びテンプレートマッチングの他の画像ビューである。
図5図5は、本開示の他の実施態様による換気システム用装置及び方法の部品識別サブルーチンのフローチャートである。
図6図6は、本開示の一実施態様による(A)接続されて及び(B)切断されて示される追跡ターゲットの一例の概略図である。
図7図7は、本開示の他の実施態様による、(A)無限に等しい曲げ半径で真っ直ぐな、及び(B)無限より小さい曲げ半径で曲げられた又は真っ直ぐでない一部を有するように図示された追跡ターゲットの一例の概略図である。
図8図8は、本開示の他の実施態様による、換気回路部品追跡手段を備えた換気システム用装置を用いて患者に換気を施す方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0028] 本開示の実施態様並びに該実施態様の種々のフィーチャ及び有利な細部は、図面に記載及び/又は図示されると共に以下の説明において詳述される限定するものでない例を参照して一層詳細に説明される。図面に示されたフィーチャは必ずしも実寸で描かれているものではなく、或る実施態様のフィーチャは、本明細書に明示的に述べられない限り、当業者が認識するように他の実施態様で採用することができる。良く知られた構成部品及び処理技術の説明は、本開示の実施態様を不必要に不明瞭にすることのないように省略することができる。本明細書で用いられる例は、本開示の実施態様を実施することができる方法の理解を容易にすると共に、当業者が該実施態様を実施することを可能にすることを単に意図するものである。従って、本明細書における例は、本開示の実施態様の範囲を限定するものとみなしてはならず、斯かる範囲は添付請求項及び適応可能な法律によってのみ定義されるものである。
【0022】
[0029] 本開示の実施態様は、これらは変化し得るものであるから、本明細書に記載された特定の方法、プロトコル、デバイス、装置、材料、アプリケーション等に限定されるものではないと理解される。また、本明細書で使用される用語は特定の実施態様を説明する目的でのみ使用されており、請求項に記載される実施態様の範囲を限定しようとするものではないと理解されるべきである。本明細書及び添付請求項において使用される場合、前後関係が明らかにそうでないと示さない限り、単数形は複数の参照を含むものであることに注意すべきである。
【0023】
[0030] そうでないと定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示の実施態様が属する分野の当業者により普通に理解されるのと同一の意味を有する。好ましい方法、装置及び材料が記載されるが、本明細書に記載されるものと同様又は等価な如何なる方法及び材料も、斯かる実施態様の実施及び試験において使用することができる。
【0024】
[0031] 人工呼吸器(機械的換気装置)における患者に供給される圧力の制御は、しばしば、当該人工呼吸器内において遠位で圧力を制御すると共に、換気回路及び患者インターフェースにおける既知の又は校正された部品に補償を適用することにより実施される。今日の健康管理消費者は、消費者/ユーザが換気装置と接続する際に患者の必要性に最良に適合させるための非常に多数の製造者からの非常に種々の回路部品を有している。換気装置が、これらの多様性の全てを予測すると共に当該範囲にわたって正確な治療を施すことは負担が大きい。一実施態様によれば、医療換気装置上に配置されたカメラが、どの回路部品が換気回路及び患者インターフェース内に配置されているかを認識するようにプログラムされる。画像認識ソフトウェアの使用により、コントローラは、当該換気装置に指令し、換気回路及び患者インターフェースにおける種々の部品を考慮するために適切な補償を行うよう構成される。結果として、該換気装置は、校正の必要性無しに又は換気回路及び患者インターフェースを補償するためにユーザが該換気装置をプログラミングする必要性無しに自動的に正確な療法を施す。
【0025】
[0032] ここで、図1を参照すると、本開示の一実施態様による換気システム用装置10の概略ブロック図が示されている。換気システム用装置10は、換気源12、カメラ14、データベース16、ユーザインターフェース18、並びに換気源12、カメラ14、データベース16及びユーザインターフェース18に動作的に結合されたコントローラ20を含んでいる。換気源12は、換気ガスを出力するように構成された出力ポート52を有する任意の好適な換気装置を有することができる。出力ポート52は、換気源12と患者40との間の換気回路34における第1複数個の換気部品を介して結合されるように構成される。カメラ14は、(i)換気源12、換気回路34における第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)患者40のうちの少なくとも2つ以上の画像をキャプチャするように構成された任意の適切なカメラを有することができる。一実施態様において、カメラ14はビデオカメラを有する。
【0026】
[0033] 換気システム用装置10は、複数の種々の換気回路部品を有し得る換気回路34と共に使用するように構成されている。該種々の換気回路部品は、換気ホース又は導管36及び患者インターフェース38の少なくとも1以上を含む。患者インターフェース38は、換気療法を受ける間に患者40に取り付けられるべき種々の患者インターフェースの少なくとも1つを有することができる。患者インターフェース38は、患者に対して、気管内チューブ若しくは気管切開チューブのように侵襲的に取り付けることができ、又は鼻マスク、全面マスク若しくは鼻カニューレのように非侵襲的に接続することができる。介護者又は操作者42は、当該換気システム用装置10の初期設定の間に居合わせることができ、及び/又は患者40に対する換気療法の適用の間において、必要なら、支援することができる。上記換気回路部品は、1以上の換気部品(例えば、加湿器、加熱器、噴霧器等)、1以上のセンサ(例えば、温度センサ、流量センサ等)及び1以上の弁48を含むこともできる。一実施態様において、換気ホース36は、換気源12の出力ポート52に結合されるように構成された、該ホースの端部のホースカフ(袖口部)を含む。
【0027】
[0034] 依然として図1を参照すると、データベース又は記憶部16は、情報を電子的に記憶する電子記憶媒体を有する。データベース記憶部16の該電子記憶媒体は、システム10と一体的に(即ち、実質的に取外し不能に)設けられるシステム記憶部及び例えばポート(例えば、USBポート、ファイヤワイヤポート等)若しくはドライブ(例えば、ディスクドライブ等)を介してシステム10に取外し可能に接続することができる取外し可能な記憶部の一方又は両方を含むことができる。データベース又は記憶部16は、光学的に読み取り可能な記憶媒体(例えば、光ディスク等)、磁気的に読み取り可能な記憶媒体(例えば、磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピードライブ等)、電荷ベースの記憶媒体(例えば、EPROM、EEPROM、RAM等)、固体記憶媒体(例えば、フラッシュドライブ等)及び他の電子的に読み取り可能な記憶媒体の1以上を含むことができる。データベース又は記憶部16は、ソフトウェアアルゴリズム、コントローラ20により決定された情報、ユーザインターフェース18を介して入力された情報及び/又はシステム10が適切に機能することを可能にする他の情報を記憶することができる。例えば、データベース又は記憶部16は、少なくとも当該換気源12と共に使用することを事前認可された少なくとも第2複数個の換気部品の多視点画像(本明細書の何処かで説明されるような)及び/又は他の情報を記録又は記憶することができる。データベース又は記憶部16はシステム10における別個の部品とすることができ、又は該データベース記憶部16はシステム10の1以上の他の部品(例えば、コントローラ20)と一体的に設けることができる。更に、データベース又は記憶部16は、理想的には、ネットワークサーバ上に含まれ且つ維持(更新)され、共有コンピュータであり、インターネットベースであり、又は第3者のデータセンタ内に含まれ、当該システム10が該データに通信プロトコルを介して(例えば、該第3者データセンタとの有線若しくは無線通信接続を介して)アクセスすることができるものとする。
【0028】
[0035] ユーザインターフェース18は、システム10とユーザ(例えば、操作者42、患者又は被検者40、介護者、療法決定者等)との間のインターフェースを提供するように構成され、該インターフェースを介してユーザはシステム10に情報を供給し、該システム10から情報を受信することができる。ユーザインターフェース18は、データ、結果、及び/又は命令及び何らかの他の通信項目の1以上(集合的に、“情報”と称する)がユーザとシステム10との間で通信されることを可能にする。患者40又はユーザ42に伝達することができる情報の一例は、呼吸数、1回換気量及び当該患者40が(呼吸)療法を受けている全期間にわたり印加される圧力等の患者の呼吸パターンにおける動向を詳述するレポートである。患者40及び/又はユーザ42により伝達することができる情報の他の例は、システム10により検出される警報又は危険な状態である。ユーザインターフェース18に含めるのに適したインターフェース装置の例は、キーパッド、釦、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、表示スクリーン、タッチスクリーン、スピーカ、マイクロフォン、インジケータ、可聴警報及びプリンタを含む。情報は患者40に対しユーザインターフェース18により、聴覚信号、視覚信号、触覚信号及び/又は他の感覚信号の形態で供給することができる。一実施態様において、ユーザインターフェース18は、データベース又は記憶部16により提供される取外し可能な記憶インターフェースと統合することができる。このような例において、情報はシステム10に取外し可能な記憶部(例えば、スマートカード、フラッシュドライブ、取外し可能なディスク等)からロードされ、該情報はユーザがシステム10の構成をカスタマイズすることを可能にする。システム10と情報を通信するための他の技術も、ユーザインターフェース18として考えられる。
【0029】
[0036] 前述したように、コントローラ20は換気源12、カメラ14、データベース16及びユーザインターフェース18に動作的に結合されている。コントローラ20は、本明細書で更に説明するように、少なくとも制御モジュール22、部品認識及び識別モジュール(部品認識/識別モジュール)24、前記カメラを介してキャプチャされた複数のリアルタイム画像内のターゲットを追跡すると共に該追跡されるターゲットにおける少なくとも1つの変化を検出するように構成された部品追跡モジュール26、並びに換気補償及び警報モジュール(換気補償/警報モジュール)28を含む1以上のモジュールを有する。一実施態様において、モジュール28は、警報無しの換気補償モジュールとして構成される。更に、コントローラ20は、例えば符号312により示されるように、遠隔装置又はネットワークと有線若しくは無線通信接続するように構成することもできる。
【0030】
[0037] 一実施態様において、コントローラ20は、本明細書で説明される種々の機能を果たすために、更には所与の換気システム用装置の構成及び/又はアプリケーションの要件に従って、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、集積回路、個別アナログ若しくはデジタル回路部品、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウエア又はこれらの何らかの組み合わせの1以上を有する。コントローラ20は、本明細書で説明する種々のモジュールの1以上を更に有することができる。該コントローラ20に関する更なる詳細は、以下に、図面を参照して示される。更に、モジュール22~28は、本明細書で説明される種々の機能を果たすために、更には所与の換気システム用装置の構成及び/又はアプリケーションの要件に従って、集積回路、個別アナログ若しくはデジタル回路部品、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウエア又はこれらの何らかの組み合わせの1以上を有することができる。更に、モジュール22~28の1以上は、該種々のモジュールの1以上の種々の組み合わせを更に有することができる。
【0031】
[0038] コントローラ20の制御モジュール22は、換気源12の動作を、少なくとも(i)ガス組成アルゴリズム、(ii)部品認識/識別モジュール24の出力、及び(iii)部品追跡モジュール26の出力の関数として決定された換気補償モジュール28の出力の関数として決定された動作パラメータで制御するように構成される。更に、前記種々のモジュールの出力は、換気回路のコンプライアンスを推定するために、従って回路補償精度を高めるために有利に用いることができる。回路コンプライアンスの改善された精度は、流量、1回換気量、及び呼吸仕事量(WOB)、筋圧(Pmus)、圧力時間積(PTP)、内因性呼気終末陽圧(PEEPi)等の呼吸パラメータの改善された推定につながる。これらのパラメータは、しばしば、患者の状態を評価するために使用され、又は閉ループ換気制御に対する入力として採用される。各部品はカタログ上のコンプライアンスを有し得るか、又はコンプライアンスは当該部品の内部のガスの体積(即ち、空間)によりガスの圧縮性及び該部品の寸法の推定値に従って推定することができる。回路コンプライアンスは、遠位測定値を当該患者に対して参照される各近位値に補正するために使用される。遠位測定値は、コンプライアンス損失を含む当該回路による損失に関して補正された場合に、一層正確となる。回路コンプライアンスに関し、本明細書で広く使用される語句“回路補償”とは、補正措置のための回路コンプライアンスの使用を示す。言い換えると、換気源12は制御モジュール22を介して供給される1以上の動作パラメータに応答して換気ガスを1以上の換気特性で出力するよう構成され、かくして、改善された閉ループ換気制御において改善された患者パラメータ監視及びフィードバックを提供する。該改善された閉ループ換気制御は、カメラ14からの入力(及び/又は該入力から導出されるデータ)の、患者の流量及び圧力を推定するためのパラメータとしての使用を含むこともできる。
【0032】
[0039] 部品認識/識別モジュール24は、キャプチャされた画像内で、少なくとも前記データベースにおける多視点画像とのテンプレートマッチングにより、(i)換気源12、(ii)該換気源12と患者40との間の換気回路34における前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)患者40の1以上の特徴のうちの少なくとも2つ以上を認識又は識別するように構成される。一実施態様において、該部品認識/識別モジュールは、以下のように複数のテンプレート及び/又は画像マッチングステップを実行するように構成され、その場合において、斯かるテンプレート及び/又は画像マッチング技術は当業技術において既知であり、従って、ここでは簡単にしか説明しない。先ず、該モジュール24は当該キャプチャされた画像において全ての可能性のある部品領域のリストを作成するために物体候補法(objectness proposal method)を使用する。物体検出は、主に、当該キャプチャされた画像におけるエッジの豊富さに基づくものである。豊富な物体エッジを持つ領域の周辺において、当該モジュールは多数のスライドする窓を可能性のある部品領域としてランダムに配置することができる。次いで、各々の可能性のある部品領域は、一定のサイズに正規化され、データベース16における全ての部品の多視点画像の全てと突き合わされる(照合される)。当該可能性のある部品領域との最高の照合類似性を有する部品は、検出された領域の本性であるとして割り当てられる。その後、当該モジュールは検出された領域を僅かにずらし、同一の画像マッチングを実行して、その位置を改善する。処理速度を上げるために、当該マッチングは各画像対の全ピクセルの相関に基づくものとする。強力な計算資源が利用可能なら、各画像は、ディープラーニングベースの表現等の強力な特徴量ベクトル(feature vector)に先ず変換され、次いで、該モジュールは該変換された特徴量空間でマッチングを実行する。モジュール24は、部品認識及び識別のための上述したものとは別の、又は上述したものに加えた1以上のステップを実施することもできる。該部品認識/識別モジュール24の出力は、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)当該患者の1以上の特徴のうちの認識又は識別された少なくとも2以上を示すデータを含む。
【0033】
[0040] 前述したように、部品追跡モジュール26は、カメラ14によりキャプチャされた複数のリアルタイム画像内でターゲットを追跡すると共に、追跡されるターゲットにおける少なくとも1つの変化を検出するように構成される。一実施態様において、追跡されるターゲットは、(a)認識された又は識別された換気源12、(b)換気回路34における前記第1複数個の換気部品のうちの認識された又は識別された1以上の部品、(c)患者40の認識された又は識別された1以上の特徴、及び(d)これらの1以上の相互関係、接続又は物理的状態、のうちの2以上を含む。相互関係の幾つかの例は以下のものを含むことができる。患者マスクの位置に関して、該位置は鼻の上であるか?当該マスクは口及び鼻を覆っているか?当該マスクはストーマに接続されているか?更なる相互関係も考えられる。一実施態様において、部品追跡モジュール26は以下のような複数のステップを実行するように構成される。認識された各部品に関して、モジュール26は当該部品の外観(見え方)を時間にわたり連続して追跡する。該追跡は、(1)当該ターゲットを該ターゲットの前の位置の周辺で僅かにずらし、(2)該ずらされた位置における外観と以前の外観の1以上との間の類似性を測定することにより実行される。最高の類似性に対応するずらされた位置は、当該追跡されるターゲットの現位置として見付けられる。簡略化のため、当該類似性は画像外観の相関に直接基づくものとする。強力な計算資源が利用可能な場合、画像外観の一層強力な特徴構造に基づく類似性尺度を用いることもできる。突然の照明/環境変化の場合、当該追跡は失敗し得る。これが生じた場合、モジュール26の動作は終了し、認識/識別モジュール24は再始動される。部品追跡モジュール26は、更に、追跡されるターゲットの1以上の相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの変化を検出するように構成される。相互関係の変化の幾つかの例は、以下のものを含むことができる。患者のマスクが患者の顔から離れ、切り離されたことを示すか?気管切開チューブがシーンに現れ、抜管を示すか?相互関係の他の変化もあり得る。一実施態様において、当該モジュールの追跡される各ターゲット又は複数のターゲットの連続した追跡の間において、該モジュールは、追跡されるターゲットの現在の外観と少なくとも1つの以前の外観との間の差を連続して比較している。所与の時点において、外観の差が大きくなった(即ち、閾量を超えて)場合、或る変化が生じたことが極めてありそうである。この場合、当該システムは、変化が検出されたことを示す警報を送出することができる。しかしながら、照明/環境変化が大きな外観の差を生じさせる場合、誤警報が生じ得る。このことは、現在のキャプチャされた画像のカラーヒストグラムを、1以上の以前にキャプチャされた画像のものと比較することにより軽減することができる。斯かるヒストグラムが同様に(例えば、所与の閾許容範囲内に)留まる場合、このことは、照明/環境が変更されないままであることを示す。かくして、追跡されるターゲットの変化が生じたことを示す警報を送出することが安全である。モジュール26は、部品追跡及び追跡されるターゲットの変化の検出のための上述したステップ以外の、又は斯かるステップに加えて、1以上のステップを実施することもできる。部品追跡モジュール26の出力は、追跡されるターゲットの1以上の相互関係、接続又は物理的状態における少なくとも1つの検出された変化を示すデータを含む。
【0034】
[0041] 換気補償モジュール28は、前記ガス組成アルゴリズムに対する少なくとも1つの入力を、追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態における少なくとも1つの検出された変化に応答して修正するように構成される。例えば、前記回路に接続された加湿器の検出は、当該ガス補償アルゴリズムが水蒸気を含まなければならないことを意味する。噴霧器の検出は、エアロゾル化された医薬が当該回路内で追加され、漏れ補償アルゴリズムの正味の漏れを低減することを示す。後者の事例において、当該回路に噴霧された流れが追加された場合、これは負の漏れとして現れる。当該回路に導入された負の漏れが存在することを知ることは、適切な補償が適用されることを可能にする。換気補償モジュール28の出力は、前記ガス組成アルゴリズムに対する修正された少なくとも1つの入力を示すデータを含む。一実施態様において、換気補償モジュール28の出力は、換気回路34内への換気ガス出力のガス密度を修正するためのガス組成アルゴリズムに対する直接入力である。他の実施態様において、換気補償モジュール28の出力は、前記制御モジュールが患者並びに機械的換気において良く知られた流れ供給及び圧力補償等の機械的換気における他の必要性と同期させることを可能にする漏れ補償アルゴリズムに対する入力である。換気補償モジュール28は内部警報を発生するように構成することもでき、その場合、制御モジュール22は更に該内部警報に応答して換気装置診断アルゴリズムを実施するように構成される。例えば、患者の胸壁運動の欠如の検出は、妨害又は切断を示し得る。他の例において、患者の色を監視することができ、患者が青色に変化した(即ち、チアノーゼ)場合、換気補償モジュール28は低SpO2警報を発することができる。
【0035】
[0042] ここで図2を参照すると、本開示の他の実施態様による換気システム用装置を用いて換気を提供する方法のフローチャート100が示されている。最初に患者に対して当該換気システムを設定した後、ステップ102において、当該換気システムの初期シーンの画像がカメラ14を介してキャプチャされる。該初期のキャプチャされたシーンの画像は、ステップ104において、部品認識/識別モジュール24により多視点画像のデータベースに対し、換気源12と共に使用することが事前認可された全ての換気部品のデータベース(例えば、データベース16)を利用して(符号106に示される)調査される。ステップ108において、初期シーン画像における換気部品及びこれらの間の関係が部品認識/識別モジュール24により識別される。一実施態様において、換気部品の識別は、例えば符号110に示されるように、テンプレートマッチング又は他の好適なアルゴリズムを介して達成される。当該換気回路の換気源、換気部品及び患者インターフェース並びに当該シーン内の患者を認識又は識別した後、当該処理は次のステップに進む。ステップ112においては、識別された部品の画像の1以上が、前記カメラによりキャプチャされる画像の時間系列において、当該部品の当該シーンにおける1以上の他の部品に対する関係又は複数の関係(位置及び向きを含む)と一緒に、ターゲット追跡される。ターゲット追跡は部品追跡モジュール26により実行される。ステップ114において、警報及び/又は干渉状況が生じたかに関する質問が、1以上の追跡されるターゲットの相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの検出された変化に基づいて実行される。警報及び/又は干渉状況が発生していない場合、当該処理はターゲットを追跡するステップ(ステップ112)に戻る。一方、警報及び/又は干渉状況が発生したら、当該処理はステップ116に進む。ステップ116において、当該方法は、例えばユーザインターフェース18において警報を発生する動作、及び/又は換気補償及び/又は補正を1以上の追跡されるターゲットの相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの検出された変化に基づいて実行する動作を含む。
【0036】
[0043] ここで図3を参照すると、本開示の一実施態様による部品の認識及び識別のためのテンプレートマッチング及び換気アプリケーションの画像ビュー120が示されている。該画像ビュー120のシーンにおいて、患者40は、介護者42が該患者を観察しながら換気療法を受けている。ここで説明されるように、部品認識/識別モジュール24(図1)はキャプチャされた画像120内で、少なくともデータベース16(図1)の多視点画像によるテンプレートマッチングにより、(i)換気源12、(ii)第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)患者40の1以上の特徴のうちの少なくとも2以上を認識又は識別するように構成される。画像ビュー120には、換気源12、圧力センサ配管接続部122(即ち、換気源に隣接していなければならない)、換気源に対する吸気枝接続部124、呼気枝126、患者40、気管内チューブアダプタ128(即ち、患者に隣接していなければならない)、及び呼吸数計算のための患者の胸壁130が含まれている。画像ビュー120には示されていないが、もし示されているならば、気管内チューブは意図せぬ又は突発的抜管の切断状態を示すかも知れず、これによれば、当該換気システム用装置は、例えばユーザインターフェース18において警報を発するであろう。部品認識/識別モジュール24の出力は、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)当該患者の1以上の特徴のうちの認識又は識別された少なくとも2つ以上を示すデータを含む。
【0037】
[0044] 同様に、ここで図4を参照すると、本開示の一実施態様による部品の認識及び識別のためのテンプレートマッチング及び換気アプリケーションの他の画像ビュー132が示されている。画像ビュー132には、換気源12、換気源12を吸入枝に接続する細菌フィルタ134、圧力感知ライン接続部136、患者の胸壁130(例えば、呼吸数計算のための)、患者の顔面40(例えば、心拍数計算のための)、認可された全顔面マスク138、患者接続部の近端側圧力感知ライン140、及び波付22mm内径(ID)クリア配管142が含まれている。これに応じて、他の実施態様では、追跡されるターゲットは患者の1以上の特徴を有し、該1以上の特徴は患者の色及び患者の胸壁の動きの少なくとも一方を含み、更に、前記少なくとも1つの検出される変化は、患者の色の或る閾量を超える変化及び患者の胸壁の動きの他の閾量を超える変化の少なくとも一方を含む。
【0038】
[0045] ここで図5を参照すると、本開示の他の実施態様による換気システム用装置及び方法の部品識別サブルーチン150のフローチャートが示されている。ステップ152は該部品識別サブルーチンの開始である。識別された部品が特定の換気源12と一緒に使用するために認可された部品であるかを判定するための質問がなされる(ステップ154)。当該部品が当該特定の換気源と一緒に使用するために認可されていないことに応答して、該サブルーチンはステップ156に進む。ステップ156において、当該識別された部品は認可されていないものとタグ付けされる。識別された部品を認可されていないものとしてタグ付けすることは、後の処理において、例えば、該認可されていない部品に対してデフォルトの構成設定を、又は所与の換気療法適用のための要件に従って何らかの他のデフォルト動作を実行するために使用することができる。当該部品が当該特定の換気源と一緒に使用するために認可されていることに応答して、当該サブルーチンはステップ158に進み、該サブルーチンが呼び出された主処理に戻る。
【0039】
[0046] ここで図6を参照すると、本開示の一実施態様による、(a)接続されて及び(b)切断されて示された追跡ターゲットの一例の概略図が示されている。この例において、該追跡されるターゲットは(i)換気源12の出力ポート52と、(ii)換気回路34の換気ホース又は導管36のカフ50との間の接続部を表している。部品追跡モジュール26(図1)は、追跡されるターゲットの接続における少なくとも1つの変化を検出するように構成される。該部品追跡モジュールの出力は、追跡ターゲットの接続における少なくとも1つの検出された変化を示すデータを含む。図6の(A)の図示の場合、該部品追跡モジュールの出力は接続を示すデータを有する一方、図6の(B)の図示の場合、該部品追跡モジュールの出力は切断(即ち、追跡ターゲットの接続から切断への変化)を示すデータを有するであろう。従って、一実施態様において、追跡されるターゲットは、当該換気回路における換気装置配管のホースのカフに結合される換気源の出力ポート、患者インターフェースに結合される換気装置配管、及び患者に結合される患者インターフェースの間の1以上の接続部を有する一方、前記少なくとも1つの検出される変化は斯かる1以上の接続部のうちの少なくとも1つの切断(切り離し)を有する。
【0040】
[0047] 次に図7に注目すると、本開示の他の実施態様による、(A)無限に等しい曲げ半径を持つ真っ直ぐな、及び(B)無限より小さい曲げ半径で曲げられた、すなわち直線状以外の部分を有するものとして図示された追跡ターゲットの一例の概略図が示されている。この例において、該追跡ターゲットは、換気回路34の換気ホース又は導管36における、例えば両端における2つのカフ50の間の選択された部分の物理的状態を表している。部品追跡モジュール26(図1)は、追跡されるターゲットの物理的状態の少なくとも1つの変化を検出するように構成される。該部品追跡モジュールの出力は、追跡されるターゲットの物理的状態の少なくとも1つの検出された変化を示すデータを含む。図7の(A)の図示の場合、当該部品追跡モジュールの出力は真っ直ぐな状態(即ち、曲げ半径=∞)を示すデータを有する一方、図7の(B)の図示の場合、当該部品追跡モジュールの出力は曲げられた状態(即ち、追跡ターゲットの真っ直ぐな状態から曲げられた状態への変化)を示すデータを有するであろう。追跡ターゲットの変化は、曲げられた状態から真っ直ぐな状態へ等を含むこともできる。
【0041】
[0048] 従って、一実施態様において、当該追跡ターゲットは少なくとも換気ホース36を含み、前記少なくとも1つの検出される変化は該換気ホース36の曲げ半径の変化を有する。換気ホース36の曲げ半径の変化は、(i)該換気ホースが真っ直ぐである(図7の(A))ことに対応する第1曲げ半径と、(ii)該換気ホースが真っ直ぐ以外、すなわち曲げられた状態である(図7の(B))ことに対応する第2曲げ半径との間の移行を含む。当該換気ホースの曲げ半径の検出される変化は、真っ直ぐから曲げ状態へ又は曲げ状態から真っ直ぐへ等を含むことができる。更に、前記ガス組成アルゴリズムは、当該換気ホースの向きの変化に応答して当該換気回路内で補償を行うために、曲げ半径に基づいた摩擦係数に関する入力を更に含むことができる。
【0042】
[0049] 他の実施態様によれば、図8に示される換気回路部品追跡手段を備える換気システム用装置を用いて患者に換気を提供する方法160は、ステップ162において換気ガスを出力するための出力ポートを有する換気源を用意するステップを含む。該出力ポートは、換気回路の第1複数個の換気部品を介して上記換気源と患者との間に結合されるように構成される。当該方法は、更に、ステップ164においてカメラを介して、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品の1以上、及び(iii)当該患者のうちの少なくとも2以上の画像をキャプチャするステップと;ステップ166において、少なくとも前記換気源と一緒に使用するために事前認可された第2複数個の換気部品の多視点画像を有するデータベースを準備するステップと;ステップ168において、1以上の換気特性で前記換気ガスを出力するため動作パラメータにより前記換気源の動作を、コントローラを介して制御するステップであって、該コントローラが前記換気源、前記カメラ及び前記データベースに動作的に結合されたステップと;を含む。
【0043】
[0050] 当該方法を実施するために、前記コントローラは少なくとも、(i)制御モジュール、(ii)部品認識/識別モジュール、(iii)前記カメラを介してキャプチャされた複数のリアルタイム画像内でターゲットを追跡すると共に、追跡されるターゲットの少なくとも1つの変化を検出するように構成された部品追跡モジュール、及び(iv)換気補償モジュールを含む。前記動作パラメータは、少なくとも(i)ガス組成アルゴリズムと、(ii)前記部品認識/識別モジュールの出力と、(iii)前記部品追跡モジュールの出力の関数として決定された前記換気補償モジュールの出力との関数として決定される。
【0044】
[0051] 当該方法は、更に、ステップ170において、少なくとも1つのキャプチャされた画像を前記部品認識/識別モジュールを介して分析し、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)当該患者の1以上の特徴のうちの少なくとも2つ以上を認識又は識別するステップを有する。該部品認識/識別モジュールの出力は、(i)前記換気源、(ii)前記第1複数個の換気部品のうちの1以上の部品、及び(iii)当該患者の1以上の特徴のうちの認識又は識別された少なくとも2つ以上を示すデータを含む。
【0045】
[0052] 当該方法は、更に、ステップ172において、前記部品追跡モジュールを介してターゲットを追跡するステップを有し、その場合において、追跡されるターゲットは(a)認識された又は識別された換気源、(b)前記第1複数個の換気部品のうちの認識された又は識別された1以上の部品、(c)前記患者の認識された又は識別された1以上の特徴、及び(d)これらの1以上の相互関係、接続又は物理的状態、のうちの2以上を含む。更に、当該方法は更に、前記部品追跡モジュールを介して、前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの変化を検出するステップを含む。該部品追跡モジュールの出力は、前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態の少なくとも1つの検出された変化を示すデータを含む。
【0046】
[0053] 更に、当該方法は、ステップ174において、前記換気補償/警報モジュールにより、前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態の前記少なくとも1つの検出された変化に応答して、(i)前記ガス組成アルゴリズムに対する少なくとも1つの入力を、前記追跡されるターゲットの前記1以上の相互関係、接続又は物理的状態における前記少なくとも1つの検出された変化に応答して修正するステップ、及び(ii)換気装置診断アルゴリズムを実施するための内部警報を発生するステップからなるグループから選択される少なくとも1つを実行するステップを有する。一実施態様において、前記換気補償モジュールの出力は、前記ガス組成アルゴリズムに対する前記修正された少なくとも1つの入力を示すデータを含む。他の実施態様において、該換気補償モジュールの出力は、前記ガス組成アルゴリズムに対する、前記換気回路内へ出力される換気ガスのガス密度を修正するための直接的入力である。
【0047】
[0054] 他の実施態様において、前記追跡されるターゲットは少なくとも換気ホースを含み、前記少なくとも1つの検出される変化は該換気ホースの曲げ半径の変化を有する。該換気ホースの曲げ半径の変化は、(i)該換気ホースが真っ直ぐであることに対応する第1曲げ半径と、(ii)該換気ホースが真っ直ぐ以外、すなわち曲げられた状態であることに対応する第2曲げ半径との間の移行を含む。他の実施態様において、前記ガス組成アルゴリズムは、前記換気ホースの曲げ半径の検出された変化に応答した当該換気回路内での摩擦係数補償のための入力を更に含む。
【0048】
[0055] 更に他の実施態様によれば、当該方法は、前記追跡されるターゲットが、患者インターフェースに結合される換気配管のホースカフ(袖口部)に結合される前記換気源の出力ポートと、当該患者に結合される該患者インターフェースとの間における当該換気回路の1以上の接続部を有する場合を含む。更に、前記検出される変化は、前記1以上の接続部のうちの少なくとも1つの切断、又は当該患者の1以上の特徴を有する。該1以上の特徴は、患者の色及び患者の胸壁の動きの少なくとも一方を含むことができる。更に、前記少なくとも1つの検出される変化は、患者の色の閾量を超える変化及び患者の胸壁の動きの他の閾量を超える変化の少なくとも一方を含むことができる。
【0049】
[0056] 本明細書に記載されるモジュールは、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体においてレンダリングされるコンピュータプログラムモジュールとすることもできることが理解される。言い換えると、本開示の他の実施態様は、プロセッサにより実行された場合に該プロセッサに、本明細書に記載されたような換気回路部品追跡を伴う患者に換気を提供する方法を実行させるための該プロセッサにより実行可能な命令のコンピュータプログラムにより具現化される非一時的コンピュータ読取可能な媒体を有する。
【0050】
[0057] 上記には少数の例示的実施態様しか詳細に記載されていないが、当業者であれば、斯かる例示的実施態様において本開示の実施態様の新規な教示及び利点から実質的に外れることなく多数の変更が可能であることを容易に理解するであろう。例えば、本開示の実施態様は睡眠時無呼吸用装置のアプリケーションにおいても有利に使用することができる。従って、全ての斯様な変更が添付請求項に記載された本開示の実施態様の範囲内に含まれることを意図するものである。尚、請求項において、手段プラス機能文は、記載された機能を実行するものとして記載された構造及び構造的均等物のみならず等価な構造もカバーすることを意図するものである。
【0051】
[0058] 更に、1以上の請求項において括弧内に記載された如何なる符号も、当該請求項を限定するものと見なしてはならない。“有する”等の文言は、如何なる請求項又は全体としての明細書に掲載されたもの以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。単数形の要素は、複数の斯様な要素を排除するものではなく、その逆でもない。前記実施態様の1以上は、幾つかの個別の要素を有するハードウェアにより、及び/又は適切にプログラムされたコンピュータにより実施化することができる。幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、これらの手段の幾つかは、1つの同一の品目のハードウェアにより具現化することができる。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。
図1
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図8