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特許7019689反応性ロイコ化合物および反応性ロイコ化合物を含む組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】反応性ロイコ化合物および反応性ロイコ化合物を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C09B 67/20 20060101AFI20220207BHJP
   C11D 3/40 20060101ALI20220207BHJP
   C09B 62/04 20060101ALI20220207BHJP
   C09B 62/78 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
C09B67/20 F
C11D3/40
C09B62/04 A
C09B62/78
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019522497
(86)(22)【出願日】2017-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 US2017059525
(87)【国際公開番号】W WO2018085394
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2019-05-22
(31)【優先権主張番号】62/415,834
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599060788
【氏名又は名称】ミリケン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】デイ、サンジーブ・ケー.
(72)【発明者】
【氏名】フロイント、ウェスリー・エー.
(72)【発明者】
【氏名】ミラクル、グレゴリー・エス.
【審査官】井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03232691(US,A)
【文献】特開昭54-029335(JP,A)
【文献】特開昭48-066628(JP,A)
【文献】特開2004-323844(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0196176(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の反応性ロイコ化合物を含むロイコ組成物であって、前記反応性ロイコ化合物が、ロイコ部分、および前記ロイコ部分に共有結合している少なくとも1つの反応性部分を含み、前記反応性部分が、求核性部分と反応するのに十分に求電子性であり、(前記ロイコ組成物に存在する前記反応性ロイコ化合物の量)対(前記ロイコ組成物に存在する着色形態の前記反応性ロイコ化合物の量)の比が、4:1以上であり、
前記ロイコ部分が、式(I)の構造からの1個以上の水素原子の除去によって得られる一価または多価の部分であり、
【化1】
[式中、式I対その酸化形態の比は、4:1以上であり;ここで、環A、BおよびCのそれぞれの上の個々のR および基は、水素、重水素およびRからなる群から独立して選択され;ここで、それぞれのRは、ハロゲン、ニトロ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)O、-C(O)NR、-OC(O)R、-OC(O)OR、-OC(O)NR、-S(O)、-S(O)OR、-S(O)、-S(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-NRC(O)NR、-OR、-NR、-P(O) -P(O)(OR、-P(O)(OR)Oおよび-P(O)(Oからなる群から独立して選択され;ここで、3つの環A、BまたはCの少なくとも1つの上のRおよびR基のうちの少なくとも1つは、水素であり;ここで、それぞれのRは、水素、-ORおよび-NRから独立して選択され、
Gは、水素、重水素、C~C16アルコキシド、フェノキシド、ビスフェノキシド、ニトライト、ニトリル、アルキルアミン、イミダゾール、アリールアミン、ポリアルキレンオキシド、ハロゲン、アルキルスルフィド、アリールスルフィドおよびホスフィンオキシドからなる群から独立して選択され、
、RおよびRは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリルおよびRからなる群から独立して選択され;Rは、1種以上の有機モノマーで構成される有機基であり、前記モノマー分子量は、28~500の範囲である。]
前記反応性部分が、スルホオキシエチルスルホニル部分、ビニルスルホニル部分、ハロトリアジニル部分、第四級アンモニウムトリアジニル部分、ハロピリミジニル部分、ハロピリダジニル部分、ハロキノキサリニル部分、ハロフタラジニル部分、ブロモアクリルアミジル部分、および2位に脱離基を有するベンゾチアゾリル部分からなる群から選択される
ロイコ組成物。
【請求項2】
3つの環A、BまたはCのうちの少なくとも1つの上のRおよびR基の4つすべてが、水素である、請求項1に記載のロイコ組成物。
【請求項3】
3つすべての環A、BまたはCの上のRおよびR基のすべてが、水素である、請求項に記載のロイコ組成物。
【請求項4】
3つのRがすべて、-NRである、請求項1に記載のロイコ組成物。
【請求項5】
Gが、重水素である、請求項1に記載のロイコ組成物。
【請求項6】
前記有機基が、式Iの構造に適合する1つ以上の追加のロイコ着色剤部分で置換されていてもよい、請求項1に記載のロイコ組成物。
【請求項7】
が、アルキレンオキシ、オキソアルキレンオキシ、オキソアルキレンアミン、エピクロロヒドリン、四級化エピクロロヒドリン、アルキレンアミン、ヒドロキシアルキレン、アシルオキシアルキレン、カルボキシアルキレン、カルボアルコキシアルキレン、および糖からなる群から選択される、請求項1に記載のロイコ組成物。
【請求項8】
前記好適な独立して選択される外部対イオンが、Na、K、Mg、Ca、イミニウム、アンモニウム、ホスホニウム、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ペルクロレート、硫酸水素、スルフェート、アミノスルフェート、ニトレート、リン酸二水素、リン酸水素、ホスフェート、ビカーボネート、カーボネート、メソスルフェート、エソスルフェート、シアネート、チオシアネート、テトラクロロジンケート、ボレート、テトラフルオロボレート、アセテート、クロロアセテート、シアノアセテート、ヒドロキシアセテート、アミノアセテート、メチルアミノアセテート、ジ-およびトリ-クロロアセテート、2-クロロ-プロピオネート、2-ヒドロキシプロピオネート、グリコレート、チオグリコレート、チオアセテート、フェノキシアセテート、トリメチルアセテート、バレレート、パルミテート、アクリレート、オキサレート、マロネート、クロトネート、スクシネート、シトレート、メチレン-ビス-チオグリコレート、エチレン-ビス-イミノアセテート、ニトリロトリアセテート、フマレート、マレエート、ベンゾエート、メチルベンゾエート、クロロベンゾエート、ジクロロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、アミノベンゾエート、フタレート、テレフタレート、インドリルアセテート、クロロベンゼンスルホネート、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ビフェニル-スルホネートおよびクロロトルエンスルホネートからなる群から選択される、請求項1に記載のロイコ組成物。
【請求項9】
反応性ロイコ化合物が、前記ロイコ部分に共有結合している少なくとも2つの反応性部分を含む、請求項1に記載のロイコ組成物。
【請求項10】
請求項1に記載のロイコ組成物と水との反応によって得ることができる、ロイコ組成物。
【請求項11】
前記反応性部分が、共有結合している少なくとも1つのヒドロキシ基を有する芳香族複素環部分および-SOCHCHOHからなる群から選択される部分に加水分解されている、請求項10に記載のロイコ組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、反応性ロイコ化合物、そのような反応性ロイコ化合物を含有する洗濯ケア組成物、ならびにテキスタイル物品の洗濯におけるそのような化合物および組成物の使用について記述する。これらのタイプの化合物は、安定した、実質的に無色の状態で提供され、次いで、ある特定の物理的または化学的変化への曝露、たとえば酸素への曝露、イオン添加、光への曝露などの時に、強い着色状態に転換され得る。ロイコ化合物を含有する洗濯ケア組成物は、洗濯ケア組成物で洗浄もしくは別様に処理したテキスタイル物品の明らかなもしくは視覚的に認識される白さを増強するように、またはそれらに所望の色相を付与するように、設計される。
背景
テキスタイル基材が経年するにつれて、それらの色は、基材を含む繊維の、光、空気、汚れへの曝露、および自然劣化により、褪せるまたは黄ばむ傾向がある。そのため、これらのテキスタイル基材を視覚的に増強し、色褪せおよび黄ばみに対抗するために、消費者製品を着色するためのポリマー性着色剤の使用が先行技術において周知となった。たとえば、テキスタイル用途において、光学的増白剤または青味剤の何れかの白色化剤を使用することが周知である。しかし、伝統的な白色化剤は、他の調合成分(たとえば香料など)と有害な相互反応を生じることに起因して、保存の際に有効性を喪失する傾向がある。さらに、そのような白色化剤は、テキスタイル基材上に堆積しにくいという欠点を有している場合がある。したがって、調合者は、保存の際の任意の有効性の喪失に対抗するために使用される白色化剤のレベルを増大し、かつ/またはテキスタイル基材上に堆積させるのに利用可能な白色化剤の量を増大する傾向がある。
【0002】
ロイコ染料も、具体的な化学的または物理的な誘因への曝露時に、無色またはわずかに着色した状態から着色状態への変化を呈することが、先行技術において公知である。出現する彩色の変化は、典型的には、ヒトの目に視覚的に知覚可能である。すべての既存の化合物は、可視光領域(400~750nm)において若干の吸光度を有し、故に、多かれ少なかれ、若干の色を有する。本発明において、染料は、その適用濃度および条件では顕著な色を生じさせず、その誘発された形態では顕著な色を生じさせるならば、「ロイコ染料」とみなされる。誘発時の色変化は、400~750nmの範囲内、好ましくは500~650nmの範囲内、最も好ましくは530~620nmの範囲内で、ロイコ染料分子のモル減衰係数(いくつかの文献において、モル吸光係数、モル吸収係数および/またはモル吸収率としても公知である)の変化から生じる。誘発前後におけるロイコ染料のモル減衰係数の増大は、50%より大きい、より好ましくは200%より大きい、最も好ましくは500%より大きいものとなるべきである。
【0003】
したがって、テキスタイル基材上に有効に堆積する有効な白色化剤が、依然として必要である。
【0004】
このたび、驚くべきことに、現在特許請求されている反応性ロイコ化合物は、消費者に所望の白さという利益を提供するだけでなく、これらの化合物を含有する洗濯ケア組成物(たとえば、洗剤)が、白さを増大することが分かった。さらに驚くべきことに、そのような反応性ロイコ化合物の加水分解誘導体を使用すると、反応性化合物と典型的に関連する呼吸器および/または皮膚への刺激および/または感作の危険性を低減するという見込みとともに、消費者に所望の白さという利益を付与できることが分かった。
発明の概要
第1の態様において、本発明は、少なくとも1種の反応性ロイコ化合物を含むロイコ組成物であって、反応性ロイコ化合物が、ロイコ部分、およびそのロイコ部分に共有結合している少なくとも1つの反応性部分を含む、ロイコ組成物を提供する。反応性部分は、好ましくは、アミン基、ヒドロキシ基、およびスルフヒドリル基からなる群から選択される求核性部分と反応するのに十分に求電子性である。(組成物中に存在する反応性ロイコ化合物の量)対(ロイコ組成物中に存在する着色形態の反応性ロイコ化合物の量)の比は、約1(以上):9である。
【0005】
第2の態様において、本発明は、ここで記述されている通り洗濯ケア原料およびロイコ組成物を含む洗濯ケア組成物を提供する。一側面において、本発明は、ここで記述されている通り(i)2~70重量%の界面活性剤、および(ii)0.0001~20.0重量%のロイコ組成物を含む洗濯ケア組成物を提供する。
【0006】
第3の態様において、本発明は、テキスタイルを処理する方法であって、(i)テキスタイルを、ここで記述されている通りロイコ組成物を含有する水溶液で処理する工程と、(ii)任意に、テキスタイルをリンスする工程と、(iii)テキスタイルを乾燥させる工程とを含む、方法を提供する。一側面において、本発明は、テキスタイルを処理する方法であって、(i)テキスタイルを、ここで記述されている通りロイコ組成物を含有する、10ppb~5000ppmの少なくとも1種の反応性ロイコ化合物および0.0g/L~3g/Lの界面活性剤を含む水溶液で処理する工程と、(ii)任意に、リンスする工程と、(iii)テキスタイルを乾燥させる工程とを含む、方法を提供する。
詳細な説明
定義
ここで使用される場合、用語「アルコキシ」は、繰り返し単位を有するポリオールのC~Cアルコキシおよびアルコキシ誘導体、たとえばブチレンオキシド、グリシドールオキシド、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを含むように意図されている。
【0007】
ここで使用される場合、交換可能な用語「アルキレンオキシ」および「オキシアルキレン」ならびに交換可能な用語「ポリアルキレンオキシ」および「ポリオキシアルキレン」は、概して、下記の繰り返し単位:-CO-、-CO-、-CO-、およびそれらの任意の組合せの1つ以上をそれぞれ含有する分子構造を指す。これらの基に対応する非限定的な構造は、たとえば、-CHCHO-、-CHCHCHO-、-CHCHCHCHO-、-CHCH(CH)O-および-CHCH(CHCH)O-を含む。さらに、ポリオキシアルキレン構成要素は、C2~20アルキレンオキシ基、グリシジル基、またはそれらの混合物から選択される1つ以上のモノマーからなる群から選択されていてもよい。
【0008】
用語「エチレンオキシド」、「プロピレンオキシド」および「ブチレンオキシド」は、「EO」、「PO」および「BO」というそれらの典型的な呼称によってそれぞれここで示されていてもよい。
【0009】
ここで使用される場合、用語「アルキル」および「アルキルでキャップされた」は、置換されているまたは無置換の炭化水素から水素原子を除去することによって形成された任意の一価の基を意味するように意図されている。非限定的な例は、C~C18アルキル基および一側面においてC~Cアルキル基を含む、分枝または無分枝、置換されているまたは無置換のヒドロカルビル部分を含む。
【0010】
ここで使用される場合、別段の定めがない限り、用語「アリール」は、C~C12アリール基を含むように意図されている。用語「アリール」は、炭素環式とヘテロ環式の両方のアリール基を指す。
【0011】
ここで使用される場合、用語「アルカリル」は、任意のアルキル置換アリール置換基およびアリール置換アルキル置換基を指す。より具体的に、該用語は、追加の置換基を含んでいても含んでいなくてもよい、C7~16アルキル置換アリール置換基およびC7~16アリール置換アルキル置換基を指すように意図されている。
【0012】
ここで使用される場合、用語「洗剤組成物」は、洗濯ケア組成物のサブセットであり、織物を洗濯するための製品を含むがこれに限定されないクリーニング組成物を含む。そのような組成物は、洗浄工程の前に使用するための前処理組成物であってもよいし、リンス添加組成物、ならびにクリーニング補助剤、たとえば漂白添加剤および「ステインスティック」または前処理型であってもよい。
【0013】
ここで使用される場合、用語「洗濯ケア組成物」は、別段の指示がない限り、織物を洗濯するための製品、織物柔軟組成物、織物増強組成物、織物清浄組成物ならびに織物のケアおよび維持のための他の製品を含むがこれらに限定されない、顆粒、粉末、液体、ゲル、ペースト、一回量包装、バー形態および/またはフレーク型の洗浄剤および/または織物処理組成物、ならびにそれらの組合せを含む。そのような組成物は、洗浄工程の前に使用するための前処理組成物であってもよいし、リンス添加組成物、ならびにクリーニング補助剤、たとえば漂白添加剤および/もしくは「ステインスティック」または前処理組成物もしくは基材を含んだ製品、たとえばドライヤー添加シートであってもよい。
【0014】
ここで使用される場合、用語「ロイコ」(たとえば、化合物、部分、ラジカル、染料、モノマー、フラグメントまたはポリマーに関して使用される場合)は、具体的な化学的または物理的な誘因への曝露時に、第1の色状態(たとえば、無着色または実質的に無色)から第2のより高度に着色した状態へのシフトをもたらす1つ以上の化学的および/または物理的変化を受ける、実体(たとえば、有機化合物またはその一部)を指す。好適な化学的または物理的な誘因は、酸化、pH変化、温度変化、および電磁放射線(たとえば、光)曝露における変化を含むがこれらに限定されない。ロイコ実体において出現する好適な化学的または物理的変化は、酸化および非酸化的変化、たとえば分子内環化を含むがこれらに限定されない。故に、一側面において、好適なロイコ実体は、発色団の可逆的に還元された形態であり得る。一側面において、ロイコ部分は、好ましくは、上述した化学的および/または物理的な誘因の1つ以上への曝露時に、第1および第2のπ系を組み込む、第3の合わさったコンジュゲートπ系に変換されることができる、前記第1および第2のπ系を少なくとも含む。
【0015】
ここで使用される場合、用語「ロイコ組成物」または「ロイコ着色剤組成物」は、ここでさらに詳細に記述されている通りの、独立して選択される構造を有する少なくとも2種のロイコ化合物を含む、組成物を指す。
【0016】
ここで使用される場合、ロイコ着色剤の「平均分子量」は、その分子量分布によって決定される通り、重量平均分子量として報告され、それらの製造プロセスの結果として、ここで開示されているロイコ着色剤は、それらのポリマー部分に繰り返し単位の分布を含有していてもよい。
【0017】
ここで使用される場合、用語「最大吸光係数」および「最大モル吸光係数」は、400ナノメートル~750ナノメートルの範囲内の、最大吸収(ここで、最大波長とも称される)の波長におけるモル吸光係数を記述するように意図されている。
【0018】
ここで使用される場合、用語「第1の色」は、誘発前の洗濯ケア組成物の色を指すために使用され、無色および実質的に無色を含む任意の色を含むように意図されている。
【0019】
ここで使用される場合、用語「第2の色」は、誘発後の洗濯ケア組成物の色を指すために使用され、視覚的検査、または分析技術、たとえば分光光度分析の使用を介しての何れかで、洗濯ケア組成物の第1の色から識別可能な任意の色を含むように意図されている。
【0020】
ここで使用される場合、用語「変換剤」は、その公知の形態(一重項および三重項状態)の何れかにおける分子酸素以外の、当技術分野において公知である任意の酸化剤を指す。
【0021】
ここで使用される場合、用語「誘発剤」は、ロイコ組成物を、無色または実質的に無色の状態から着色状態に変換するために好適な反応物質を指す。
【0022】
ここで使用される場合、用語「白色化剤」は、白色綿において、布に、210~345の相対色相角、またはさらには240~320の相対色相角、またはさらには250~300(たとえば、250~290)の相対色相角を持つ色相を提供する場合の、染料または誘発されると染料を形成し得るロイコ着色剤を指す。
【0023】
ここで使用される場合、「セルロース系基材」は、重量で少なくとも過半数のセルロースを含む任意の基材を含むように意図されている。セルロースは、木材、綿、リネン、ジュートおよびヘンプにおいて見出すことができる。セルロース系基材は、粉末、繊維、パルプ、ならびに粉末、繊維およびパルプから形成された物品の形態であってもよい。セルロース系繊維は、限定されないが、綿、レーヨン(再生セルロース)、アセテート(セルロースアセテート)、トリアセテート(セルローストリアセテート)、およびそれらの混合物を含む。セルロース系繊維から形成された物品は、テキスタイル物品、たとえば織物を含む。パルプから形成された物品は、紙を含む。
【0024】
ここで使用される場合、冠詞、たとえば「a」および「an」は、請求項において使用される場合、特許請求されているまたは記述されているものの1つ以上を意味すると理解される。
【0025】
ここで使用される場合、用語「を含む(include/s)」および「を含む(including)」は、非限定的であることを意味する。
【0026】
ここで使用される場合、用語「固体」は、顆粒、粉末、バーおよび錠剤製品形態を含む。
【0027】
ここで使用される場合、用語「流体」は、液体、ゲル、ペーストおよびガス製品形態を含む。
【0028】
本出願の試験方法の項において開示されている試験方法は、出願人らの発明のパラメーターのそれぞれの値を決定するために使用されるべきである。
【0029】
別段の注記がない限り、すべての成分または組成物レベルは、その成分または組成物の活性部を参照しており、そのような成分または組成物の市販の供給源において存在し得る、不純物、たとえば残留溶媒または副産物を除外する。
【0030】
すべてのパーセンテージおよび比は、別段の指示がない限り、重量で算出される。すべてのパーセンテージおよび比は、別段の指示がない限り、全組成に基づいて算出される。
【0031】
一側面において、200~1,000nm(より好ましくは400~750nm)の範囲内の波長における最大吸光度での前記第2の着色状態のモル吸光係数は、第2の着色状態の最大吸光度の波長における前記第1の色状態の、好ましくは少なくとも5倍、より好ましくは10倍、さらに一層好ましくは25倍、最も好ましくは少なくとも50倍の、モル吸光係数である。好ましくは、200~1,000nm(より好ましくは400~750nm)の範囲内の波長における最大吸光度での前記第2の着色状態のモル吸光係数は、対応する波長範囲内の前記第1の色状態の、少なくとも5倍、好ましくは10倍、さらに一層好ましくは25倍、最も好ましくは少なくとも50倍の、最大モル吸光係数である。当業者は、これらの比がはるかに高くてもよいことに気付くであろう。たとえば、第1の色状態は、400~750nmの範囲内の波長で、わずか10M-1cm-1の最大モル吸光係数を有していてもよく、第2の着色状態は、400~750nmの範囲内の波長で、80,000M-1cm-1以上もの最大モル吸光係数を有していてもよく、この場合には、吸光係数の比は、8,000:1以上となるであろう。
【0032】
一側面において、400~750nmの範囲内の波長における前記第1の色状態の最大モル吸光係数は、1000M-1cm-1未満であり、400~750nmの範囲内の波長における前記第2の着色状態の最大モル吸光係数は、5,000M-1cm-1超、好ましくは10,000、25,000、50,000またはさらには100,000M-1cm-1超である。当業者は、1つを超えるロイコ部分を含むポリマーが、第1の色状態において有意に高い最大モル吸光係数を有していてもよい(たとえば、ロイコ部分の多様性の相加効果または第2の着色状態に変換された1つ以上のロイコ部分の存在により)ことを認識し、理解するであろう。1つを超えるロイコ部分が分子に結合している場合、前記第2の色状態の最大モル吸光係数は、n超×□であってもよく、ここで、nは、分子上に存在するロイコ部分プラス酸化ロイコ部分の数であり、□は、5,000M-1cm-1、好ましくは10,000、25,000、50,000またはさらには100,000M-1cm-1超から選択される。故に、2つのロイコ部分を有する分子については、前記第2の色状態の最大モル吸光係数は、10,000M-1cm-1超、好ましくは20,000、50,000、100,000またはさらには200,000M-1cm-1超であってもよい。nは、理論上はいかなる整数であってもよいが、当業者であれば、nが、典型的には、1~100、より好ましくは1~50、1~25、1~10またはさらには1~5となることを理解する。
【0033】
本発明は、テキスタイル基材を白くする青色の色相を提供するための、洗濯ケア組成物、たとえば液体洗濯洗剤において使用するために有用となり得るロイコ着色剤のクラスに関する。ロイコ着色剤は、本質的に無色または軽く着色されているだけであるが、活性化時に強い色を展開することができる化合物である。洗濯ケア組成物においてロイコ化合物を使用することの1つの利点は、そのような化合物が、活性化されるまで無色であり、洗濯ケア組成物にその独自の色を呈させることである。ロイコ着色剤は、概して、洗濯ケア組成物の原色を改変しない。故に、そのような組成物の製造業者は、添加される原料、たとえば青味剤が、組成物の最終的な明度に影響を及ぼすことを考慮せずに、消費者にとって最も魅力的である色を調合することができる。
【0034】
上述した通り、第1の態様において、本発明は、少なくとも1種の反応性ロイコ化合物を含むロイコ組成物であって、反応性ロイコ化合物が、ロイコ部分、およびそのロイコ部分に共有結合している少なくとも1つの反応性部分を含む、ロイコ組成物を提供する。
【0035】
反応性ロイコ化合物は、上記で定義した通り、任意の好適なロイコ部分を含むことができる。一側面において、ロイコ部分は、好ましくは、ジアリールメタンロイコ部分、トリアリールメタンロイコ部分、オキサジン部分、チアジン部分、ヒドロキノン部分およびアリールアミノフェノール部分、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0036】
ここで使用するための好適なジアリールメタンロイコ化合物は、ここで記述されている通り第2の着色状態を形成することができるジアリールメチレン誘導体を含むが、これらに限定されない。好適な例は、ミヒラーメタン、-OH基で置換されているジアリールメチレン(たとえば、ミヒラーヒドロール)ならびにそのエーテルおよびエステル、光開裂可能な部分、たとえば-CN基で置換されているジアリールメチレン(ビス(パラ-N,N-ジメチル)フェニル)アセトニトリル)、ならびに同様のそのような化合物を含むがこれらに限定されない。
【0037】
より特定の好ましい側面において、ロイコ部分は、以下の式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の構造:
【0038】
【化1】
【0039】
[式中、式I~V対その酸化形態の比は、少なくとも1:19、1:9または1:3、好ましくは少なくとも1:1、より好ましくは少なくとも3:1、最も好ましくは少なくとも9:1またはさらには19:1である]
からの1個以上の水素原子の除去によって得られる一価または多価の部分である。
【0040】
式(I)の構造において、環A、BおよびCのそれぞれの上の個々のR、RおよびR基は、水素、重水素およびRからなる群から独立して選択され;それぞれのRは、ハロゲン、ニトロ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、-(CH-O-R、-(CH-NR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)O、-C(O)NR、-OC(O)R、-OC(O)OR、-OC(O)NR、-S(O)、-S(O)OR、-S(O)、-S(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-NRC(O)NR、-P(O) -P(O)(OR、-P(O)(OR)Oおよび-P(O)(Oからなる群から独立して選択され、ここで、添え字nは、0~4、好ましくは0~1の整数、最も好ましくは0であり;異なるA、BおよびC環上の2つのRは、組み合わさって、5員以上の縮合環を形成していてもよく;縮合環が6員以上である場合、異なるA、BおよびC環上の2つのRは、組み合わさって、1個以上のヘテロ原子を任意に含有していてもよい有機リンカーを形成していてもよく;一態様において、異なるA、BおよびC環上の2つのRは、組み合わさって、-O-および-S-から選択されるヘテロ原子架橋を形成して、6員縮合環を作成し;同じ環上のRおよびRまたは同じ環上のRおよびRは、組み合わさって、縮合脂肪族環または縮合芳香族環を形成していてもよく、その何れかは、ヘテロ原子を含有していてもよく;3つの環A、BまたはCのうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、最も好ましくはRおよびR基の4つすべては、水素であり、好ましくは、環A、BおよびCのうちの少なくとも2つ上の4つすべてのRおよびR基は、水素であり;一部の態様において、環A、BおよびC上のすべてのRおよびR基は、水素であり;好ましくは、それぞれのRは、水素、-ORおよび-NRから独立して選択され;Rの2つ以下、好ましくは1つ以下は、水素であり、好ましくは、いずれも水素でなく;より好ましくは少なくとも1つ、好ましくは2つ、最も好ましくは3つのRはすべて、-NRであり;一部の態様において、環A、BおよびCのうちの1つまたはさらには2つは、1つ以上の独立して選択されるR基で任意に置換されていてもよい、O、SおよびNから独立して選択される1または2個のヘテロ原子を含む独立して選択されるC~Cヘテロアリール環で置き換えられていてもよく;Gは、水素、重水素、C~C16アルコキシド、フェノキシド、ビスフェノキシド、ニトライト、ニトリル、アルキルアミン、イミダゾール、アリールアミン、ポリアルキレンオキシド、ハロゲン化物、アルキルスルフィド、アリールスルフィドまたはホスフィンオキシドからなる群から独立して選択され;一側面において、Gを表す分数[(重水素)/(重水素+水素)]は、少なくとも0.20、好ましくは少なくとも0.40、さらに一層好ましくは少なくとも0.50、最も好ましくは少なくとも0.60またはさらには少なくとも0.80である。
【0041】
式(II)および(III)の構造において、eおよびfは、独立して、0~4の整数であり;それぞれのR20およびR21は、ハロゲン、ニトロ基、アルキル基、置換アルキル基、-NC(O)OR、-NC(O)SR、-(CH-O-R、および-(CH-NRからなる群から独立して選択され、添え字nは、0~4、好ましくは0~1、最も好ましくは0の整数であり;それぞれのR25は、単糖部分、二糖部分、オリゴ糖部分、および多糖部分、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRからなる群から独立して選択され;それぞれのR22およびR23は、水素、アルキル基、および置換アルキル基からなる群から独立して選択される。
【0042】
式(IV)の構造において、R30は、架橋アミン部分に対してオルトまたはパラに位置し、-OR38および-NR3637からなる群から選択され、それぞれのR36およびR37は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、R、-C(O)OR、-C(O)Rおよび-C(O)NRからなる群から独立して選択され;R38は、水素、アシル基、-C(O)OR、-C(O)Rおよび-C(O)NRからなる群から選択され;gおよびhは、独立して、0~4の整数であり;それぞれのR31およびR32は、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルカリル、置換アルカリル、-(CH-O-R、-(CH-NR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)O、-C(O)NR、-OC(O)R、-OC(O)OR、-OC(O)NR、-S(O)、-S(O)OR、-S(O)、-S(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-NRC(O)NR、-P(O) -P(O)(OR、-P(O)(OR)Oおよび-P(O)(Oからなる群から独立して選択され、ここで、添え字nは、0~4、好ましくは0~1の整数、最も好ましくは0であり;-NR3435は、架橋アミン部分に対してオルトまたはパラに位置し、R34およびR35は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリルおよびRからなる群から独立して選択され;R33は、水素、-S(O)、-C(O)N(H)R、-C(O)ORおよび-C(O)Rからなる群から独立して選択され;gが2~4である場合、任意の2つの隣接するR31基は、組み合わさって、5員以上の縮合環を形成していてもよく、ここで、縮合環中の原子の2個以下は、窒素原子であってもよい。
【0043】
式(V)の構造において、X40は、酸素原子、硫黄原子およびNR45からなる群から選択され;R45は、水素、重水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、-S(O)OH、-S(O)、-C(O)OR、-C(O)Rおよび-C(O)NRからなる群から独立して選択され;R40およびR41は、-(CH-O-R、-(CH-NRからなる群から独立して選択され、ここで、添え字nは、0~4、好ましくは0~1の整数、最も好ましくは0であり;jおよびkは、独立して、0~3の整数であり;R42およびR43は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、-S(O)、-C(O)NR、-NC(O)OR、-NC(O)SR、-C(O)OR、-C(O)R、-(CH-O-R、-(CH-NRからなる群から独立して選択され、ここで、添え字nは、0~4、好ましくは0~1の整数、最も好ましくは0であり;R44は、-C(O)R、-C(O)NRおよび-C(O)ORである。
【0044】
式(I)~(V)の構造において、先行する(preceeding)基の何れか中に存在する任意の電荷は、好適な独立して選択される内部または外部対イオンと均衡がとれている。好適な独立して選択される外部対イオンは、カチオン性であってもアニオン性であってもよい。好適なカチオンの例は、好ましくは第I族および第II族から選択される1種以上の金属を含むがこれらに限定されず、これらのうち最も好ましいのは、Na、K、MgおよびCa、または有機カチオン、たとえばイミニウム、アンモニウムおよびホスホニウムである。好適なアニオンの例は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ペルクロレート、硫酸水素、スルフェート、アミノスルフェート、ニトレート、リン酸二水素、リン酸水素、ホスフェート、ビカーボネート、カーボネート、メソスルフェート、エソスルフェート、シアネート、チオシアネート、テトラクロロジンケート、ボレート、テトラフルオロボレート、アセテート、クロロアセテート、シアノアセテート、ヒドロキシアセテート、アミノアセテート、メチルアミノアセテート、ジ-およびトリ-クロロアセテート、2-クロロ-プロピオネート、2-ヒドロキシプロピオネート、グリコレート、チオグリコレート、チオアセテート、フェノキシアセテート、トリメチルアセテート、バレレート、パルミテート、アクリレート、オキサレート、マロネート、クロトネート、スクシネート、シトレート、メチレン-ビス-チオグリコレート、エチレン-ビス-イミノアセテート、ニトリロトリアセテート、フマレート、マレエート、ベンゾエート、メチルベンゾエート、クロロベンゾエート、ジクロロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、アミノベンゾエート、フタレート、テレフタレート、インドリルアセテート、クロロベンゼンスルホネート、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ビフェニル-スルホネートおよびクロロトルエンスルホネートを含むがこれらに限定されない。当業者は、上記に記載したものの代わりに使用することができる異なる対イオンを熟知している。
【0045】
式(I)~(V)の構造において、R、R、RおよびR15は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリルおよびRからなる群から独立して選択され;ここで、Rは、28~500、好ましくは43~350、さらに一層好ましくは43~250の範囲の前記モノマー分子量を持つ1種以上の有機モノマーで構成される有機基であり、ここで、有機基は、式I~Vの構造に適合する1つ以上の追加のロイコ着色剤部分で置換されていてもよい。一側面において、Rは、アルキレンオキシ(ポリエーテル)、オキソアルキレンオキシ(ポリエステル)、オキソアルキレンアミン(ポリアミド)、エピクロロヒドリン、四級化エピクロロヒドリン、アルキレンアミン、ヒドロキシアルキレン、アシルオキシアルキレン、カルボキシアルキレン、カルボアルコキシアルキレンおよび糖からなる群から選択される。任意のロイコ部分が、3つ以上の連続モノマーを持つR基を含む場合、そのロイコ部分は、ここで、「ポリマー性ロイコ部分」と定義される。当業者ならば、若干数の特徴的な属性の何れかに関する化合物の特性、たとえば溶解度、分配、堆積、除去、染色などは、その中に組み込まれているそのような連続モノマーの、位置付け、同一性および数に関係していることを知っている。したがって、当業者は、そのような連続モノマーの、位置付け、同一性および数を調整して、任意の特定の属性を多かれ少なかれ予測可能な方式で改変することができる。
【0046】
上述した通り、ロイコ組成物中に存在する反応性ロイコ化合物は、ロイコ部分に共有結合している少なくとも1つの反応性部分を含む。反応性部分は、任意の好適な求電子性部分であり得る。好適な求電子性部分は、電子の孤立電子対または負電荷が、その部分内の炭素、窒素、酸素、硫黄、またはリン原子上に残留している、共鳴構造(寄与構造)を有する有機求核性部分と反応するのに十分に求電子性である部分である。反応性部分は、反応すると、ロイコ部分と有機求核性部分を含有する化合物との間に共有結合を作成する。好ましくは、反応性部分は、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基、シアノ基、アルコキシ基、アミン基(第一級、第二級、または第三級アミン)、カルボアニオン、カルボキシル基、チオカルボキシレート基、チオレート基、およびチオシアネート基からなる群から選択される求核性部分と反応するのに十分に求電子性である。別の好ましい態様において、反応性部分は、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基、およびアミン基からなる群から選択される求核性部分と反応するのに十分に求電子性である。
【0047】
好適な反応性部分は、アミンと反応して、カルバメート、尿素、アミド、スルホンアミド、またはより高次のアミン(たとえば、アルキル化を介して、第一級アミンから第二級アミン、または第二級アミンから第三級アミン)を形成する部分を含むが、これらに限定されない。好適な反応性部分は、アルコールと反応して、カーボネート、カルバメート、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、またはエーテルを形成する部分も含むが、これらに限定されない。好適な反応性部分は、スルフヒドリル(チオール)と反応して、チオカーボネート、チオカルバメートなどを形成する部分も含むが、これらに限定されない。好適な反応性部分は、下記に例示されるものを含むが、これらに限定されない。
【0048】
【化2】
【0049】
上記の構造において、添え字nは、0または1である。nが1である場合、上記の基とアミンとの反応によってカルバメートが形成され、アルコールとの反応によってカーボネートが形成される。nが0である場合、アミンとの反応生成物は、カルボン酸アミドであり、アルコールとの反応生成物は、カルボン酸エステルである。スルホン酸エステルおよびアミドの形成に好適な同様の基は、当業者に周知である。同様に、アルキルハロゲン化物およびアルキルトシレートは、アミンと反応してより高次のアミンを形成し、またはアルコールと反応してエーテルを形成することができる反応基の代表である。
【0050】
反応性部分として使用することができる、より伝統的な従来の基に加えて、反応性染料のためのアンカー基として用いられている多くの特定の求電子性部分の何れかを、有効に用いることができる。反応性染料は、反応性部分に共有結合している染料発色団からなる。これらの反応性部分は、求核性部分(たとえば、第一級および第二級アミン)と反応して、好ましくは置換または付加反応によって共有結合を形成する。
【0051】
この種類の反応性部分は、好ましくは、複素環式反応性部分およびスルホオキシエチルスルホニル反応基(-SOCHCHOSONa)から選択される。複素環式反応性部分は、好ましくは、ハロゲンまたはアンモニウムに結合した芳香族環を含有する窒素であり、別の化合物の求核性部分(たとえば、第一級アミンおよび第二級アミン)と反応して、共有結合を形成する。これらの複素環式反応性部分は、好ましくはハロゲン、たとえば塩素またはフッ素を含有する。好ましい一態様において、反応性部分は、好ましくは、スルホオキシエチルスルホニル部分、ビニルスルホニル部分、ハロトリアジニル部分、第四級アンモニウムトリアジニル部分、ハロピリミジニル部分、ハロピリダジニル部分、ハロキノキサリニル部分、ハロフタラジニル部分、ブロモアクリルアミジル部分、およびベンゾチアゾリル部分からなる群から選択される。より好ましい複素環式反応性部分は、ジクロロトリアジニル、ジフルオロクロロピリミジン、モノフルオロトラジニル、モノフルオロクロロトラジニル、ジクロロキノキサリン、ジフルオロトリアジン、モノクロロトリアジニル、およびトリクロロピリミジンである。
【0052】
特に好ましい複素環式反応性部分は、
【0053】
【化3】
【0054】
[式中、Rは、Hまたはアルキルから選択され、好ましくはHであり;Xは、FまたはClから選択され;X=Clである場合、Zは、-Cl、-NR、-OR、-SONaから選択され;X=Fである場合、Zは、-NRから選択され、RおよびRは、H、アルキルおよびアリール基から独立して選択される]
である。アリール基は、好ましくはフェニルであり、好ましくは-SONaまたは-SOCHCHOSONaによって置換されている。アルキル基は、好ましくはメチルまたはエチルである。フェニル基は、好ましくは200未満の分子量を有する好適な非荷電有機基でさらに置換されていてもよい。好ましい基は、-CH、-C、および-OCHを含む。アルキル基は、好ましくは200未満の分子量を有する好適な非荷電有機基でさらに置換されていてもよい。好ましい基は、-CH、-C、-OH、-OCH、-OCOHを含む。最も好ましい複素環式反応性部分は、
【0055】
【化4】
【0056】
[式中、m=1または2、好ましくは1である]
から選択される。
【0057】
別の側面において、反応性部分は、
【0058】
【化5】
【0059】
[式中、Rは、-OSOX、-OSO 、または-Clである。RおよびRは、-Clおよび-Brから独立して選択され;RおよびRは、-Cl、-F、ならびに
【0060】
【化6】
【0061】
から選択されるラジカルから独立して選択され、
10は、H、-COXから選択され、Xは、水素、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のカチオン、またはアンモニウムである]
からなる群から選択される。
【0062】
反応性ロイコ化合物において、反応性部分は、ロイコ部分に直接結合することができ、またはそれら2つは、任意の好適な連結部分によって連結することができる。好適な連結部分は、酸素、アミン、およびアルカンジイル部分を含むが、これらに限定されない。好適なアルカンジイル部分は、分枝および無分枝C~Cアルカンジイル部分、より好ましくは分枝および無分枝C~Cアルカンジイル基(たとえば、エタン-1,2-ジイル部分)を含むが、これらに限定されない。
【0063】
好適な反応性ロイコ化合物は、トリアジン環上の3つの塩素原子の反応性が異なっていることから、広範な潜在的合成可能性を有する分子であるシアヌル酸クロリドの誘導体(2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン[108-77-0])を含むが、これらに限定されない。第1の塩素原子は、水中0~5℃で、第2の塩素原子は、35~40℃で、第3の塩素原子は、80~85℃で、求核試薬により交換される。したがって、反応条件を注意深く選択することによって、多種多様なトリアジニルベースのロイコ化合物を調製することができる。シアヌル酸クロリドを、アミノ基を含有するロイコ化合物(下記の構造の「ロイコ」)(アミノ基は、ロイコ化合物に直接、または架橋部分を介して連結されていてもよい)で縮合すると、高度に反応性のジクロロトリアジニル化合物1が産出される。これらの非常に反応性のロイコ化合物は、加水分解に対して高感度であり、好適な緩衝液を添加して、その安定性を増大することができる。
【0064】
【化7】
【0065】
塩素原子の2つが、たとえばアミノまたはアルコキシル基で置換されている場合、モノクロロトリアジニルロイコ化合物2が得られる(式中、X=-NR、-NHR、-OR、または-SR)。これらは、反応性がかなり低く、したがって、相対的に高温(たとえば、80℃)でのみ、セルロースまたは求核性部分(たとえば、-OH、-SHおよびアミン)を含む他の分子と反応する。
【0066】
【化8】
【0067】
モノクロロトリアジニルロイコ化合物の反応性は、塩素をフッ素で置き換えることによって増大することができ(3)、それによって、プロセスを40℃などの低温で実施可能にする。
【0068】
【化9】
【0069】
モノクロロトリアジニルロイコ化合物と第三級アミンとの反応によっても、高い反応性のロイコ化合物4が産出される。これらの化合物におけるアンモニウム基によって付与される1つの利点は、水溶性の増大である。
【0070】
【化10】
【0071】
このタイプの化合物の反応性は、第三級アミンの選択によって強い影響を受ける。ニコチン酸は、良好な脱離基として作用し、化合物を含有する組成物への匂いの導入が比較的少ないので、好ましい。またアンモニウム残基は、たとえば塩素よりも良好な脱離基であり、結合プロセスを40~60℃で実施可能にする。ハロゲン含有トリアジニルロイコ化合物とは対照的に、これらのロイコ化合物は、適用プロセスにおいてアルカリを必要としないので、結合は中性条件下で実施することができる。
【0072】
1,3,5-トリアジンに加えて、他のクラスの複素環も、反応性部分として重要である。特に注目すべきものは、ハロピリミジンベースのロイコ化合物5である。
【0073】
【化11】
【0074】
これらの化合物は、余剰炭素原子が、負電荷を安定化する環の能力を低減することから、トリアジンよりも反応性が低い。この系の反応性は、シアノ、フルオロ、またはメチルスルホニル基を含む強力な電子求引基を導入することによって増大することができる。ピリミジン環はまた、ロイコ部分と複素環との間にカルボニル基を挿入することによって活性化することができる(6)。
【0075】
【化12】
【0076】
他のジアジン部分を、反応性ロイコ化合物、たとえば7および8に組み込むこともできる。
【0077】
【化13】
【0078】
経済的に魅力的な反応性複素環式中間体の一覧は、ジクロロキノキサリン9およびジクロロフタラジン10も含む。どちらの場合も、反応性部分は、カルボニルアミノ基を介してロイコ部分に結合しており、それらの反応性は、ジクロロトリアジニルベースの化合物の反応性にほぼ対応する。
【0079】
【化14】
【0080】
複素環の2位に良好な脱離基を有するベンゾチアゾール誘導体を、反応性部分として使用することもできる。脱離基として塩素を有するそのような反応性ロイコ化合物の一例が、11である。
【0081】
【化15】
【0082】
市場に最も大きい影響を有するとされた反応性部分は、2-スルホオキシエチルスルホニル基である。この場合、アルカリを用いる処理によって硫酸が排除されて、所望の求核試薬と反応して結合をもたらすビニルスルホニル部分が形成される。これを排除-付加の順序として記述することは、ビニル中間体の介入なしに求核試薬が-炭素原子を直接攻撃する可能性を除外することを意味するものではない。反応性ビニルスルホンはまた、2-クロロエチルスルホニル誘導体から調製され、それによって、塩化水素の排除により所望の中間体が得られる。
【0083】
【化16】
【0084】
近年、エチルスルホニルおよびビニルスルホニル基の数々の誘導体も調製されており、このような誘導体も、ここに記述されている反応性ロイコ化合物に好適な反応性部分であると考えられる。
【0085】
一側面において、反応性ロイコ化合物は、2つ以上、好ましくは2つまたは3つの反応性部分を含む。そのような態様において、反応性部分は、同じであっても異なっていてもよい。複数の異なる反応性部分を含有する反応性ロイコ化合物の一例は、シアヌル酸クロリドが、2つの脂肪族2-クロロエチルスルホニル鎖を有するアミンと結合している化合物である(16)。
【0086】
【化17】
【0087】
本発明のロイコ組成物は、ロイコ組成物中に存在する着色形態の任意の反応性ロイコ化合物を含有することができる。好ましい一態様において、(ロイコ組成物中に存在する反応性ロイコ化合物の量)対(ロイコ組成物中に存在する着色形態の反応性ロイコ化合物の量)の比は、約1:9以上である。より好ましくは、(組成物中に存在する反応性ロイコ化合物の量)対(ロイコ組成物中に存在する着色形態の反応性ロイコ化合物の量)の比は、約1:4以上、約1:3以上、約3:7以上、約2:3以上、約1:1以上、約3:2以上、約7:3以上、約3:1以上、約4:1以上、または約9:1以上である。
【0088】
上記のロイコ化合物は、家庭の洗濯プロセスなどにおけるテキスタイル材料の処理において使用するのに好適であると考えられる。特に、ロイコ化合物は、ロイコ化合物の性質に起因して、テキスタイル材料の繊維上に堆積すると考えられる。さらに、ロイコ化合物は、テキスタイル材料上に堆積したら、ロイコ化合物をその着色形態に変換する好適な化学的または物理的な誘因の適用によって、着色化合物に変換され得る。たとえば、ロイコ化合物は、ロイコ化合物が酸化化合物に酸化したら、その着色形態に変換され得る。適切なロイコ部分を選択することによって、ロイコ化合物は、ロイコ化合物がその着色形態に変換すると、テキスタイル材料の所望の色相を付与するように設計され得る。たとえば、その着色形態に変換すると青色の色相を呈するロイコ化合物を使用して、普通は時間の経過および/または洗濯の繰返しに起因して生じるテキスタイル材料の黄ばみに対抗することができる。したがって、他の態様において、本発明は、上述したロイコ化合物を含む洗濯ケア組成物、およびテキスタイル材料を処理するための家庭用方法(たとえば、洗濯物品または衣類を洗浄するための方法)を提供する。
【0089】
好ましくは、ロイコ化合物は、布に、210~345の相対色相角、またはさらには240~320の相対色相角、またはさらには250~300(たとえば、250~290)の相対色相角を持つ色相を与える。相対色相角は、当技術分野において公知の通りの任意の好適な方法によって決定することができる。しかしながら、好ましくは、いかなるロイコ実体もない綿と比べた、綿へのロイコ実体の堆積に関して、ここでさらに詳細に記述されている通りに決定されていてもよい。
【0090】
一態様において、本発明は、加水分解反応性ロイコ化合物を含むロイコ組成物を提供する。加水分解反応性ロイコ化合物は、上述した反応性ロイコ化合物と水との反応によって得ることができる任意の化合物であり得る。好ましい一態様において、求電子性部分は、共有結合している少なくとも1つのヒドロキシ基を有する芳香族複素環部分および-SOCHCHOHからなる群から選択される部分に加水分解されている。
【0091】
一態様において、本発明は、上述したロイコ組成物および/または反応性ロイコ化合物と、求核性部分を含む有機化合物との反応によって生成されるロイコ組成物を提供する。好適な求核性部分は、第一級アミン基、第二級アミン基、ヒドロキシ基、およびスルフヒドリル基を含むが、これらに限定されない。有機化合物は、求核性部分を含む任意の好適な化合物であり得る。たとえば、有機化合物は、1つ以上の求核性部分を含有する、下記のポリマーまたは任意の洗濯ケア原料であり得る。ある特定の態様において、このロイコ組成物を、上述した加水分解ロイコ組成物と組み合わせて、別のロイコ組成物を産生することができる。
【0092】
本発明の洗濯ケア組成物において使用される反応性ロイコ化合物、加水分解反応性ロイコ化合物、および/または反応性ロイコ化合物と求核性部分を含む有機化合物の生成物(それらすべては、ここおよび以下の段落で、簡単に反応性ロイコ化合物と呼ばれる)の量は、本発明の目的を達成するのに好適ないかなるレベルであってもよい。一側面において、洗濯ケア組成物は、約0.0001重量%~約1.0重量%、好ましくは0.0005重量%~約0.5重量%、さらにより好ましくは約0.0008重量%~約0.2重量%、最も好ましくは0.004重量%~約0.1重量%の量の反応性ロイコ化合物を含む。
【0093】
別の側面において、洗濯ケア組成物は、0.0025~5.0ミリ当量/kg、好ましくは0.005~2.5ミリ当量/kg、さらにより好ましくは0.01~1.0ミリ当量/kg、最も好ましくは0.05~0.50ミリ当量/kgの量の反応性ロイコ化合物を含み、ここでミリ当量/kgという単位は、洗濯組成物1kg当たりのロイコ部分のミリ当量を指す。2つ以上のロイコ部分を含む反応性ロイコ化合物では、ミリ当量数は、以下の等式:(反応性ロイコ化合物のミリモル)×(ロイコ部分のミリ当量数/反応性ロイコ化合物のミリモル)=ロイコ部分のミリ当量による、反応性ロイコ化合物のミリモル数に関する。反応性ロイコ化合物1つ当たり、ただ1つのロイコ部分が存在する場合、ミリ当量数/kgは、洗濯ケア組成物1kg当たり反応性ロイコ化合物のミリモル数に等しい。
【0094】
上述した通り、第2の態様において、本発明は、ここで記述されている通り洗濯ケア原料およびロイコ組成物を含む洗濯ケア組成物を提供する。洗濯ケア組成物は、ここで記述されている通り任意の好適なロイコ組成物またはロイコ組成物の組合せを含むことができる。洗濯ケア組成物は、任意の好適な洗濯ケア原料を含むことができる。本発明における使用に好適な洗濯ケア原料は、以下に詳細に記述されている。
洗濯ケア原料
界面活性剤系
本発明の製品は、約0.00重量%~、より典型的には約0.10~80重量%の界面活性剤を含んでいてもよい。一側面において、そのような組成物は、約5~50重量%の界面活性剤を含んでいてもよい。利用される界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、両性、両性電解質性、両性イオン性もしくはカチオン性タイプのものであることができ、またはこれらのタイプの相溶性混合物を含むことができる。アニオン性および非イオン性界面活性剤は、典型的には、織物ケア製品が洗濯洗剤である場合に使用される。他方で、カチオン性界面活性剤は、典型的には、織物ケア製品が織物柔軟剤である場合に使用される。
アニオン性界面活性剤
有用なアニオン性界面活性剤は、それら自体がいくつかの異なるタイプのものであることができる。たとえば、高級脂肪酸の水溶性塩、すなわち「石鹸」は、ここでの組成物において有用なアニオン性界面活性剤である。これは、アルカリ金属石鹸、たとえば、約8~約24個の炭素原子またはさらには約12~約18個の炭素原子を含有する高級脂肪酸の、ナトリウム、カリウム、アンモニウムおよびアルキロールアンモニウム塩を含む。石鹸は、脂肪および油の直接鹸化によってまたは遊離脂肪酸の中和によって作製することができる。特に有用なのは、ココナツ油および獣脂に由来する脂肪酸の混合物のナトリウムおよびカリウム塩、すなわち、ナトリウムまたはカリウム獣脂およびココナツ石鹸である。
【0095】
好ましいアルキル硫酸塩は、C8~18アルキルアルコキシル化硫酸塩、好ましくはC12~15アルキルまたはヒドロキシアルキルアルコキシル化硫酸塩である。好ましくは、アルコキシル化基は、エトキシル化基である。典型的には、アルキルアルコキシル化硫酸塩は、0.5~30もしくは20、または0.5~10の平均アルコキシル化度を有する。アルキル基は、分枝であっても直鎖状であってもよい。アルコキシル化アルキル硫酸塩界面活性剤は、アルコキシル化アルキル硫酸塩の混合物であってもよく、該混合物は、約12~約30個の炭素原子の範囲内の平均(算術平均)炭素鎖長、または約12~約15個の炭素原子の平均炭素鎖長、およびエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはそれらの混合物の、約1モル~約4モルの平均(算術平均)アルコキシル化度、またはエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはそれらの混合物の、約1.8モルの平均(算術平均)アルコキシル化度を有する。アルコキシル化アルキル硫酸塩界面活性剤は、約10個の炭素原子~約18個の炭素原子の炭素鎖長、およびエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはそれらの混合物の、約0.1~約6モルのアルコキシル化度を有していてもよい。アルコキシル化アルキル硫酸塩は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはそれらの混合物でアルコキシル化されていてもよい。アルキルエーテル硫酸塩界面活性剤は、ピークに達したエトキシレート分布を含有していてもよい。具体例は、Shell製のNEODOL(登録商標)アルコールに由来する、C12~C15 EO 2.5スルフェート、C14~C15 EO 2.5スルフェートおよびC12~C15 EO 1.5スルフェート、ならびにHuntsman製の天然アルコールに由来する、C12~C14 EO3スルフェート、C12~C16 EO3スルフェート、C12~C14 EO2スルフェートおよびC12~C14 EO1スルフェートを含む。AESは、直鎖状、分枝、またはそれらの組合せであってもよい。アルキル基は、合成もしくは天然アルコール、たとえばShell製の商標名Neodol(登録商標)、Sasol製のSafol(登録商標)、Lial(登録商標)およびIsalchem(登録商標)によって供給されるもの、または植物油、たとえばココナツおよびパーム核に由来するミッドカットアルコールに由来していてもよい。別の好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、C10~C26直鎖状または分枝、好ましくはC10~C20直鎖状、最も好ましくはC16~C18直鎖状アルキルアルコールおよび2~20、好ましくは7~13、より好ましくは8~12、最も好ましくは9.5~10.5のエトキシレートを含む、アルキルエーテルカルボキシレートである。酸形態または塩形態、たとえばナトリウムもしくはアンモニウム塩が使用されていてもよく、アルキル鎖は、1つのシスまたはトランス二重結合を含有していてもよい。アルキルエーテルカルボン酸は、花王株式会社(Akypo(登録商標))、Huntsman(Empicol(登録商標))およびClariant(Emulsogen(登録商標))から入手可能である。
【0096】
他の有用なアニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネートのアルカリ金属塩を含むことができ、ここで、アルキル基は、直鎖(直鎖状)または分枝鎖立体配置中に、約9~約15個の炭素原子を含有する。一部の例において、アルキル基は、直鎖状である。そのような直鎖状アルキルベンゼンスルホネートは、「LAS」として公知である。他の例において、直鎖状アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中、約11~14の平均炭素原子数を有していてもよい。具体例において、直鎖状直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中、約11.8個の炭素原子の平均炭素原子数を有していてもよく、これは、C11.8LASと略記されていてもよい。好ましいスルホネートは、C10~13アルキルベンゼンスルホネートである。好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖状アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって取得されていてもよく、好適なLABは、低2-フェニルLAB、たとえば商標名Isochem(登録商標)でSasolによって供給されるものまたは商標名Petrelab(登録商標)でPetresaによって供給されるものを含み、他の好適なLABは、高2-フェニルLAB、たとえば商標名Hyblene(登録商標)でSasolによって供給されるものを含む。好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、DETAL触媒プロセスによって取得されるアルキルベンゼンスルホネートであるが、他の合成ルート、たとえばHFも好適となり得る。一側面において、LASのマグネシウム塩が使用される。ここで使用するための好適なアニオン性スルホネート界面活性剤は、C8~C18アルキルまたはヒドロキシアルキルスルホネート;WO99/05243、WO99/05242、WO99/05244、WO99/05082、WO99/05084、WO99/05241、WO99/07656、WO00/23549およびWO00/23548において論じられている通りの、C11~C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、修飾アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);ならびにアルファ-オレフィンスルホネート(AOS)の、水溶性塩を含む。それらはまた、10~20個の炭素原子のパラフィンをスルホン化することによって取得されるモノスルホネートおよび/またはジスルホネートであってもよいパラフィンスルホネートを含む。スルホネート界面活性剤は、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤を含んでいてもよい。
【0097】
本発明のアニオン性界面活性剤は、酸形態であってもよく、前記酸形態を中和して、本発明の洗剤組成物において使用するために望ましい界面活性剤塩を形成していてもよい。中和のための典型的な作用物質は、金属対イオン塩基、たとえば水酸化物、たとえばNaOHまたはKOHを含む。本発明のアニオン性界面活性剤およびそれらの酸形態における補助アニオン性界面活性剤または共界面活性剤を中和するためのさらなる好ましい作用物質は、アンモニア、アミンまたはアルカノールアミンを含む。アルカノールアミンが好ましい。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、および当技術分野で公知である他の直鎖状または分枝アルカノールアミンを含む好適な非限定的な例、たとえば、非常に好ましいアルカノールアミンは、2-アミノ-1-プロパノール、1-アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミンまたは1-アミノ-3-プロパノールを含む。
非イオン性界面活性剤
好ましくは、組成物は、非イオン性洗浄性界面活性剤を含む。好適な非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化脂肪アルコールを含む。非イオン性界面活性剤は、式R(OC2H4),OHのエトキシル化アルコールおよびエトキシル化アルキルフェノールから選択されていてもよく、式中、Rは、約8~約15個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル、およびアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、ここで、アルキル基は、約8~約12個の炭素原子を含有し、nの平均値は、約5~約15である。ここで有用な非イオン性界面活性剤の他の非限定的な例は、C8~C18アルキルエトキシレート、たとえばShell製のNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤;C6~C12アルキルフェノールアルコキシレート(ここで、アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、またはそれらの混合物であってもよい);エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーを持つC12~C18アルコールおよびC6~C12アルキルフェノール凝縮物、たとえばBASF製のPluronic(登録商標);C14~C22中鎖分枝アルコール、BA;C14~C22中鎖分枝アルキルアルコキシレート、BAE(ここで、xは、1~30である);アルキル多糖;具体的にアルキルポリグルコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;ならびにエーテルでキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤を含む。具体例は、Shell製のC12~C15 EO7およびC14~C15 EO7 NEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤、Huntsman製のC12~C14 EO7およびC12~C14 EO9 Surfonic(登録商標)非イオン性界面活性剤を含む。
【0098】
非常に好ましい非イオン性界面活性剤は、アルコール1モル当たり2~18、好ましくは2~15、より好ましくは5~9モルのエチレンオキシドを持つ、ゲルベアルコールの縮合生成物である。好適な非イオン性界面活性剤は、BASF製の商標名Lutensol(登録商標)を持つものを含む。Lutensol XP-50は、平均約5つのエトキシ基を含有するゲルベエトキシレートである。Lutensol XP-80および平均約8つのエトキシ基を含有すること。ここで使用するための他の好適な非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルポリグルコシドおよび脂肪酸グルカミド、ゲルベアルコールに基づくアルキルポリグルコシドを含む。
両性界面活性剤
界面活性剤系は、両性界面活性剤、たとえばアミンオキシドを含んでいてもよい。好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシドまたはアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、とりわけココジメチルアミノオキシドである。アミンオキシドは、直鎖状または中分枝(mid-branched)アルキル部分を有していてもよい。
両性電解質性界面活性剤
界面活性剤系は、両性電解質性界面活性剤を含んでいてもよい。両性電解質性界面活性剤の具体的な非限定的な例は、第二級もしくは第三級アミンの脂肪族誘導体、またはヘテロ環式第二級および第三級アミンの脂肪族誘導体を含み、ここで、脂肪族ラジカルは、直鎖または分枝鎖であり得る。脂肪族置換基の1つは、少なくとも約8個の炭素原子、たとえば約8~約18個の炭素原子を含有していてもよく、少なくとも1つは、アニオン性水溶性基、たとえばカルボキシ、スルホネート、スルフェートを含有している。たとえば、両性電解質性界面活性剤の好適な例については、米国特許第3,929,678号、19段、18~35行を参照されたい。
両性イオン性界面活性剤
両性イオン性界面活性剤は、当技術分野において公知であり、概して、全体的に中性に荷電しているが、少なくとも1個の正に荷電した原子/基および少なくとも1個の負に荷電した原子/基を有する、界面活性剤を含む。両性イオン性界面活性剤の例は、第二級および第三級アミンの誘導体、ヘテロ環式第二級および第三級アミンの誘導体、または第四級アンモニウム、第四級ホスホニウムもしくは第三級スルホニウム化合物の誘導体を含む。両性イオン性界面活性剤;アルキルジメチルベタインおよびココジメチルアミドプロピルベタイン、C~C18(たとえば、C12~C18)アミンオキシドならびにスルホおよびヒドロキシベタイン、たとえば、アルキル基が、C~C18、ある特定の態様において、C10~C14であり得る場合、N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネートを含む、ベタインの例については、米国特許第3,929,678号、19段、38行~22段、48行を参照されたい。本発明において使用するための好ましい両性イオン性界面活性剤は、ココアミドプロピルベタインである。
カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤の例は、第四級アンモニウム界面活性剤を含み、これは、具体的には最大26個の炭素原子を有し得る。追加の例は、a)米国特許第6,136,769号において論じられている通りのアルコキシレート第四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;b)米国特許第6,004,922号において論じられている通りのジメチルヒドロキシエチル第四級アンモニウム;c)参照によりここに組み込まれる、WO98/35002、WO98/35003、WO98/35004、WO98/35005およびWO98/35006において論じられている通りのポリアミンカチオン性界面活性剤;d)参照によりここに組み込まれる、米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号および米国特許第6,022,844号において論じられている通りのカチオン性エステル界面活性剤、ならびに、e)参照によりここに組み込まれる米国特許第6,221,825号およびWO00/47708において論じられている通りのアミノ界面活性剤、ならびに具体的にアミドプロピルジメチルアミン(APA)を含む。有用なカチオン性界面活性剤は、米国特許第4,222,905号、Cockrell、1980年9月16日発行において、および米国特許第4,239,659号、Murphy、1980年12月16日発行において記述されているものも含み、それらの両方とも、参照によりここに組み込まれる。第四級アンモニウム化合物は、織物増強組成物、たとえば織物柔軟剤中に存在していてもよく、構造NR の正に荷電した多原子イオンである第四級アンモニウムカチオンを含んでいてもよく、ここで、Rは、アルキル基またはアリール基である。
補助クリーニング添加剤
本発明のクリーニング組成物は、補助クリーニング添加剤を含有していてもよい。クリーニング補助添加剤の正確な性質およびその組み込みのレベルは、クリーニング組成物の物理的形態、およびそれが使用されることになっているクリーニング操作の正確な性質によって決まることになる。
【0099】
補助クリーニング添加剤は、ビルダー、構造化剤または増粘剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー性汚れ放出剤、ポリマー性分散剤、ポリマー性グリースクリーニング剤、酵素、酵素安定化系、漂白化合物、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、増白剤、染料、色相付与剤、染料移行阻害剤、キレート化剤、泡抑制剤、柔軟剤および香料からなる群から選択されていてもよい。補助クリーニング添加剤のこの一覧は、例示的なものに過ぎず、使用され得る補助クリーニング添加剤のタイプを限定するものとしてではない。原理上、当技術分野において公知のあらゆる補助クリーニング添加剤が本発明において使用されていてもよい。
ポリマー
組成物は、1種以上のポリマーを含んでいてもよい。非限定的な例は、そのすべてが任意に修飾されていてもよく、WO2016/041676において記述されている通り、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリカルボキシレートまたはアルコキシル化置換フェノール(ASP)を含む。ASP分散剤の例は、Clariantから入手可能なHOSTAPAL BV CONC S1000を含むがこれに限定されない。
【0100】
ポリアミンは、グリース、微粒子除去または染み除去に使用されていてもよい。多種多様なアミンおよびポリアルキレンイミンを種々の程度にアルコキシル化して、疎水性または親水性クリーニングを達成することができる。そのような化合物は、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、およびそれらの硫酸化バージョンを含んでいてもよいがこれらに限定されない。そのようなポリマーの有用な例は、BASFから入手可能なHP20、または下記の一般的な構造を有するポリマー:
ビス((CO)(CO))(CH)-N+-C2x-N+-(CH)-ビス((CO)(CO))[式中、n=20~30であり、x=3~8である]、またはその硫酸化もしくはスルホン化バリアントである。より優れたグリース除去および乳化を達成するために、ポリプロポキシル化-ポリエトキシル化両親媒性ポリエチレンイミン誘導体も含まれていてもよい。これらは、好ましくは内側ポリエチレンオキシドブロックおよび外側ポリプロピレンオキシドブロックを有する、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでいてもよい。洗剤組成物は、増強された飲料の染み除去に有用な、修飾されていないポリエチレンイミンを含有していてもよい。種々の分子量のPEIは、商標名Lupasol(登録商標)で、BASF Corporationから市販されている。好適なPEIの例は、Lupasol FG(登録商標)、Lupasol G-35(登録商標)を含むがこれらに限定されない。
【0101】
組成物は、ポリマー性分散剤として有用な、1種以上のカルボキシレートポリマー、たとえばマレエート/アクリレートランダムコポリマーまたはポリアクリレートホモポリマーを含んでいてもよい。アルコキシル化ポリカルボキシレート、たとえばポリアクリレートから調製されたものも、粘土分散性を提供するために有用である。そのような材料は、WO91/08281において記述されている。化学的に、これらの材料は、7~8つのアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式-(CHCHO)(CHCHのものであり、式中、mは、2~3であり、nは、6~12である。側鎖は、ポリアクリレート「主鎖」とエステルまたはエーテル結合して、「コーム」ポリマー型構造を提供する。
【0102】
好ましい両親媒性グラフトコポリマーは、(i)ポリエチレングリコール主鎖;ならびに(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分を含む。両親媒性グラフトコポリマーの例は、BASFから供給されるSokalan HP22である。
【0103】
WO2016/041676において記述されている通りのアルコキシル化置換フェノールも、粘土分散性を提供するポリマーの好適な例である。Clariantから入手可能なHostapal BV Conc S1000は、ASP分散剤の1つの非限定的な例である。
【0104】
好ましくは、組成物は、1種以上の汚れ放出ポリマーを含む。好適な汚れ放出ポリマーは、ポリエステル汚れ放出ポリマー、たとえばRhodiaによって供給される、Repel-o-tex SF、SF-2およびSRP6を含む、Repel-o-texポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Clariantによって供給される、Texcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN260、SRN300およびSRN325を含む、Texcareポリマーを含む。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Marloquestポリマー、たとえばSasolによって供給される、Marloquest SL、HSCB、L235M、B、G82である。他の好適な汚れ放出ポリマーは、US9,365,806において記述されている通りの、メチルでキャップされたエトキシル化プロポキシル化汚れ放出ポリマーを含む。
【0105】
好ましくは、組成物は、カルボキシメチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、スルホエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルキシログルカン、カルボキシメチルキシラン、スルホエチルガラクトマンナン、カルボキシメチルガラクトマンナン、ヒドロキシエチルガラクトマンナン、スルホエチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、およびそれらの混合物から特に選択されていてもよい、1種以上の多糖を含む。本発明において使用するのに好適な他の多糖は、グルカンである。好ましいグルカンは、グリコシド結合(すなわち、グルコシド結合)によって一緒に結合しているグルコースモノマー単位を含むポリマーであるポリアルファ-1,3-グルカンであり、ここで、グリコシド結合の少なくとも約50%は、アルファ-1,3-グリコシド結合である。ポリアルファ-1,3-グルカンは、多糖の一種である。ポリアルファ-1,3-グルカンは、1種以上のグルコシルトランスフェラーゼ酵素を使用してスクロースから酵素的に生成することができ、たとえば米国特許第7,000,000号ならびに米国特許出願公開第2013/0244288号および同第2013/0244287号(これらのすべては参照によりここに組み込まれる)において記述されている。
【0106】
組成物において使用するための他の好適な多糖は、カチオン性多糖である。カチオン性多糖の例は、カチオン性グアーガム誘導体、第四級窒素含有セルロースエーテル、ならびにエーテル化セルロース、グアーおよびデンプンのコポリマーである合成ポリマーを含む。使用する場合、ここでのカチオン性ポリマーは、組成物に可溶性であるか、または以上で記述したカチオン性ポリマーならびにアニオン性、両性および/もしくは両性イオン性界面活性剤成分によって形成された組成物中の複合コアセルベート相に可溶性であるかの何れかである。好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、同第3,958,581号、および米国公開第2007/0207109A1号において記述されている。
【0107】
ポリマーは、他の洗剤原材料のための堆積助剤としても機能することができる。好ましい堆積助剤は、カチオン性および非イオン性ポリマーからなる群から選択される。好適なポリマーは、カチオン性デンプン、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルホルムアルデヒド、ローカストビーンガム、マンナン、キシログルカン、タマリンドガム、ポリエチレンテレフタレート、およびジメチルアミノエチルメタクリレートを含有するポリマーを含み、アクリル酸およびアクリルアミドを含む群から選択される1種以上のモノマーを任意に含有していてもよい。
追加のアミン
ポリアミンは、グリース除去を改良することが公知である。性能が好ましい環式および直鎖状アミンは、1,3-ビス(メチルアミン)-シクロヘキサン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン(BASFによって供給されるBaxxodur ECX 210)、1,3プロパンジアミン、1,6ヘキサンジアミン、1,3ペンタンジアミン(Invistaによって供給されるDytek EP)、2-メチル1,5ペンタンジアミン(Invistaによって供給されるDytek A)である。US6710023は、少なくとも3つのプロトン化可能なアミンを含有する前記ジアミンおよびポリアミンを含有する食器手洗い組成物を開示している。本発明に従うポリアミンは、洗浄pHを上回る少なくとも1pkaおよび約6より大きく洗浄pHを下回る少なくとも2pkaを有する。好ましいポリアミンは、Dow、BASFおよびHuntmanから市販されている、テトラエチレンペンタミン、ヘキサエチルヘキサミン、ヘプタエチルヘプタミン、オクタエチルオクタミン、ノネチルノナミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。とりわけ好ましいポリエーテルアミンは、US9752101、US9487739、US9631163において記述されている通り、親油性修飾されている。
染料移行阻害剤(DTI)
組成物は、1種以上の染料移行阻害剤を含んでいてもよい。本発明の一態様において、本発明者らは、驚くべきことに、指定された染料に加えてポリマー性染料移行阻害剤を含む組成物が、性能の改良を与えることを見出した。これは、これらのポリマーが染料堆積を防止することから、驚くべきことである。好適な染料移行阻害剤は、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンおよびN-ビニルイミダゾール、ポリビニルオキサゾリドンおよびポリビニルイミダゾールのコポリマーまたはそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。好適な例は、Ashland Aqualon製の、PVP-K15、PVP-K30、ChromaBond S-400、ChromaBond S-403EおよびChromabond S-100、ならびに、BASF製の、Sokalan HP165、Sokalan HP50、Sokalan HP53、Sokalan HP59、Sokalan(登録商標)HP56K、Sokalan(登録商標)HP66を含む。他の好適なDTIは、WO2012/004134において記述されている通りである。主題組成物中に存在する場合、染料移行阻害剤は、重量で組成物の約0.0001%~約10%、約0.01%~約5%またはさらには約0.1%~約3%のレベルで存在していてもよい。
酵素
酵素は、基材からの、タンパク質ベース、炭水化物ベースまたはトリグリセリドベースの染みの除去、織物洗濯における浮遊染料移動の防止のためおよび織物修復のためを含む多様な目的のために、クリーニング組成物に含まれていてもよい。好適な酵素は、任意の好適な起源、たとえば植物、動物、細菌、真菌および酵母起源の、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、マンナナーゼ、およびそれらの混合物を含む。ここで記述されているクリーニング組成物において使用されていてもよい他の酵素は、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、アミラーゼ、グルコ-アミラーゼ、キシラナーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、もしくはそれらの混合物、エステラーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ならびにまたはそれらの混合物を含む。他の好適な酵素は、ヌクレアーゼ酵素を含む。組成物は、ヌクレアーゼ酵素を含んでいてもよい。ヌクレアーゼ酵素は、核酸のヌクレオチドサブユニット間のホスホジエステル結合を開裂することができる酵素である。ここでのヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、デオキシリボヌクレアーゼもしくはリボヌクレアーゼ酵素またはその機能的フラグメントである。酵素選択は、要因、たとえばpH活性および/または安定性の最適条件、熱安定性、ならびに活性洗剤、ビルダーなどに対する安定性によって影響を受ける。
【0108】
酵素は、クリーニング組成物に、クリーニング組成物の0.0001~5重量%の活性酵素のレベルで組み込まれていてもよい。酵素は、別個の単一原料として、または2種以上の酵素の混合物として、添加され得る。
【0109】
一部の態様において、リパーゼが使用されていてもよい。リパーゼは、Novozymes(Denmark)から商標名Lipexで購入することができる。アミラーゼ(Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Stainzyme Plus(登録商標))は、Novozymes、Bagsvaerd、Denmarkによって供給されていてもよい。プロテアーゼは、Genencor International、Palo Alto、Calif.、USA(たとえば、Purafect Prime(登録商標))によって、またはNovozymes、Bagsvaerd、Denmark(たとえば、Liquanase(登録商標)、Coronase(登録商標)、Savinase(登録商標))によって供給されていてもよい。他の好ましい酵素は、ペクチン酸リアーゼ、好ましくは商標名Pectawash(登録商標)、Xpect(登録商標)、Pectaway(登録商標)で販売されているもの、ならびに商標名Mannaway(登録商標)(すべてNovozymes A/S、Bagsvaerd、Denmark製)およびPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.、Palo Alto、California)で販売されているマンナナーゼを含む。様々な酵素材料および合成クリーニング組成物へのそれらの組み込みのための手段は、WO9307263A、WO9307260A、WO8908694A、米国特許第3,553,139号、同第4,101,457号および米国特許第4,507,219号において開示されている。液体クリーニング組成物に有用な酵素材料およびそのような組成物へのそれらの組み込みは、米国特許第4,261,868号において開示されている。
酵素安定化系
ここで記述されている酵素含有組成物は、重量で組成物の約0.001%~約10%、一部の例において、約0.005%~約8%、他の例において、約0.01%~約6%の酵素安定化系を任意に含んでいてもよい。酵素安定化系は、洗浄性酵素と相溶性の任意の安定化系であることができる。そのような系は、他の調合活性物質によって生得的に提供されていてもよく、たとえば調合者によってまたは洗剤用の酵素の製造業者によって、別個に添加されていてもよい。そのような安定化系は、たとえば、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロン酸、塩素系漂白剤スカベンジャーおよびそれらの混合物を含むことができ、クリーニング組成物のタイプおよび物理的形態に応じて、異なる安定化の問題に対処するように設計されている。ボレート安定剤の総説については、米国特許第4,537,706号を参照されたい。
キレート化剤
好ましくは、組成物は、キレート化剤および/または結晶成長阻害剤を含む。好適な分子は、銅、鉄および/またはマンガンキレート化剤ならびにそれらの混合物を含む。好適な分子は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、スクシネート、それらの塩、およびそれらの混合物を含む。ここで使用するために好適なキレート剤の非限定的な例は、エチレンジアミン四酢酸、N-(ヒドロキシエチル)-エチレン-ジアミン-トリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレン-テトラアミン-ヘキサアセテート、ジエチレントリアミン-ペンタアセテート、エタノールジグリシン、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、エチレンジアミンジスクシネート(EDDS)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸(HEDP)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)および1,2-ジヒドロキシベンゼン-3,5-ジスルホン酸(タイロン)、それらの塩、ならびにそれらの混合物を含む。タイロンおよび他のスルホン化カテコールも、有効な重金属キレート剤として使用されていてもよい。本発明における使用のキレート剤の他の非限定的な例は、米国特許第7445644号、同第7585376号および2009/0176684A1において見られる。ここで使用するための他の好適なキレート化剤は、市販のDEQUESTシリーズ、ならびにMonsanto、DuPontおよびNalco Inc製のキレート剤である。
増白剤
光学的増白剤または他の増白剤もしくは白色化剤が、組成物の約0.01~約1.2重量%のレベルで、ここで記述されているクリーニング組成物に組み込まれていてもよい。ここで使用されていてもよい市販の光学的増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン-5,5-ジオキシド、アゾール、5および6員環のヘテロ環の誘導体、ならびに他の種々雑多な作用物質を含むが必ずしもこれらに限定されるとは限らない、下位群に分類され得る。そのような増白剤の例は、「The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents」、M.Zahradnik、John Wiley&Sons、New York(1982)において開示されている。本発明の組成物において有用となり得る光学的増白剤の具体的な非限定的な例は、米国特許第4,790,856号および米国特許第3,646,015号において同定されているものである。非常に好ましい増白剤は、ジナトリウム4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホネート、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホネート、ジナトリウム4,4”-ビス[(4,6-ジ-アニリノ-s-トリアジン-2-イル)-アミノ]-2,2’-スチルベンジスルホネートおよびジナトリウム4,4’-ビス-(2-スルホスチリル)ビフェニルを含む。
漂白剤
組成物は、1種以上の漂白剤を含むことが好ましい場合がある。好適な漂白剤は、光漂白剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、予め形成された過酸およびそれらの混合物を含む。
【0110】
(1)光漂白剤、たとえばスルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料およびそれらの混合物、
(2)予め形成された過酸:好適な予め形成された過酸は、予め形成されたペルオキシ酸からなる群から選択される化合物、またはそれらの塩、典型的には、過カルボン酸および塩、過炭酸および塩、過イミド酸および塩、ペルオキシモノスルホン酸および塩、たとえば、Oxone(登録商標)、ならびにそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。好適な例は、ペルオキシカルボン酸もしくはその塩、またはペルオキシスルホン酸もしくはその塩を含む。特に好ましいペルオキシ酸は、フタルイミド-ペルオキシ-アルカン酸、特にε-フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)である。好ましくは、過酸またはその塩は、30℃~60℃の範囲内の融点を有する。
【0111】
(3)過酸化水素の供給源、たとえば、アルカリ金属塩、たとえば過ホウ酸塩(通常は一または四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩およびそれらの混合物のナトリウム塩を含む、無機過酸化水素化物塩。
織物シェーディング染料(shading dye)
織物シェーディング染料(時に、色相付与剤、青味剤または白色化剤と称される)は、典型的には、青色または紫色のシェーディングを織物に提供する。そのような染料は、当技術分野において周知であり、色相付与の具体的なシェーディングを作成するためおよび/または異なる織物タイプをシェーディングするために、単独でまたは組み合わせての何れかで使用されていてもよい。織物シェーディング染料は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、アゾ(たとえば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン、ベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ、ニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテンおよびそれらの混合物を含むがこれらに限定されない、当技術分野において公知の通りの任意の化学クラスの染料から選択されていてもよい。本発明の洗濯ケア組成物中に存在する補助織物シェーディング染料の量は、典型的には、全クリーニング組成物に基づき、0.0001~0.05重量%、好ましくは0.0001~0.005重量%である。洗浄液に基づき、織物シェーディング染料の濃度は、典型的には、1ppb~5ppm、好ましくは10ppb~500ppbである。
【0112】
好適な織物シェーディング染料は、小分子染料、ポリマー性染料および染料-粘土コンジュゲートを含む。好ましい織物シェーディング染料は、小分子染料およびポリマー性染料から選択される。好適な小分子染料は、酸、直接、塩基性、反応性、溶媒または分散染料のカラーインデックス(Colour Index)(C.I.、英国染料染色学会(Society of Dyers and Colourists)、Bradford、UK)分類に入る染料からなる群から選択されていてもよい。
【0113】
好適なポリマー性染料は、共有結合した(時に、コンジュゲートとも称される)クロモゲン(染料-ポリマーコンジュゲートとしても公知である)を含有するポリマー、たとえばポリマーの主鎖にクロモゲンモノマーが共重合されたポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される染料を含む。好ましいポリマー性染料は、任意に置換されていてもよいアルコキシル化染料、たとえばアルコキシル化トリフェニル-メタンポリマー性着色剤、アルコキシル化チオフェンポリマー性着色剤を含むアルコキシル化炭素環式およびアルコキシル化ヘテロ環式アゾ着色剤、ならびにそれらの混合物、たとえばLiquitint(登録商標)の名称で販売されている織物に実質的な着色剤(Milliken、Spartanburg、South Carolina、USA)を含む。
【0114】
好適な染料粘土コンジュゲートは、少なくとも1種のカチオン性/塩基性染料およびスメクタイト粘土を含む群から選択される染料粘土コンジュゲートを含み;好ましい粘土は、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土およびそれらの混合物からなる群から選択されていてもよい。
【0115】
顔料は、当技術分野において周知であり、ここでの洗濯ケア組成物において使用されていてもよい。好適な顔料は、C.I.ピグメントブルー15~20、とりわけ15および/または16、C.I.ピグメントブルー29、C.I.ピグメントバイオレット15、モナストラルブルーならびにそれらの混合物を含む。
ビルダー
本発明のクリーニング組成物は、ビルダーを任意に含んでいてもよい。アルミノシリケートおよびシリケートから選択されるビルダーは、洗浄水中での鉱物硬度を制御することを補助する、または表面からの粒子状の汚れの除去を補助するためのものである。好適なビルダーは、ホスフェートポリホスフェート、とりわけそのナトリウム塩;カーボネート、ビカーボネート、セスキカーボネート、および炭酸ナトリウムまたはセスキカーボネート以外の炭酸塩鉱物;有機モノ-、ジ-、トリ-およびテトラカルボキシレート、とりわけ酸、ナトリウム、カリウムまたはアルカノールアンモニウム塩形態の水溶性非界面活性剤カルボキシレート、ならびに脂肪族および芳香族タイプを含むオリゴマー性または水溶性低分子量ポリマーカルボキシレート;ならびにフィチン酸からなる群から選択されていてもよい。これらは、ボレートによって、たとえばpH緩衝目的のために、またはスルフェート、とりわけ硫酸ナトリウムならびに安定な界面活性剤および/もしくはビルダー含有クリーニング組成物のエンジニアリングに重要となり得る任意の他の賦形剤もしくは担体によって、補完されていてもよい。
pH緩衝液系
組成物は、pH緩衝液系を含んでいてもよい。ここでのクリーニング組成物は、水性クリーニング操作で使用中、洗浄水が、約6.0乃至約12、一部の例において、約7.0乃至11のpHを有するように調合されていてもよい。pHを推奨される使用レベルに制御するための技術は、緩衝液、アルカリまたは酸の使用を含み、当業者に周知である。これらは、炭酸ナトリウム、クエン酸またはクエン酸ナトリウム、モノエタノールアミンまたは他のアミン、ホウ酸またはボレート、および当技術分野において周知である他のpH調整化合物の使用を含むがこれらに限定されない。ここでのクリーニング組成物は、クエン酸の放出を遅延させることにより、動的な洗浄中pHプロファイルを含んでいてもよい。
構造化剤/増粘剤
構造化された液体は、内部的に構造化され、それにより、構造が主原料(たとえば、界面活性剤材料)によって形成され得るか、かつ/または副原料(たとえば、ポリマー、粘土および/またはシリケート材料)を使用して三次元マトリックス構造を提供することによって外部的に構造化され得る。組成物は、組成物の約0.01~約5重量%の構造化剤、一部の例において、組成物の約0.1~約2.0重量%の構造化剤を含んでいてもよい。構造化剤は、ジグリセリドおよびトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶性セルロース、セルロースベースの材料、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ゲランガム、ならびにそれらの混合物からなる群から選択されていてもよい。一部の例において、好適な構造化剤は、水素化ヒマシ油、およびその非エトキシル化誘導体を含む。他の好適な構造化剤は、米国特許第6,855,680号において開示されている。そのような構造化剤は、様々なアスペクト比を有する糸状構造システムを有する。さらなる好適な構造化剤およびそれらを作製するための方法は、WO2010/034736において記述されている。
泡抑制剤
泡の形成を低減させるまたは抑制するための化合物を、ここで記述されているクリーニング組成物に組み込むことができる。泡抑制は、米国特許第4,489,455号、同第4,489,574号において記述されている通りのいわゆる「高濃度クリーニング方法」において、およびフロントローディング式洗濯機において、特に重要となり得る。
【0116】
多種多様な材料が泡抑制剤として使用されていてもよく、泡抑制剤は、当業者に周知である。たとえば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第7巻、430~447頁(John Wiley&Sons,Inc.、1979)を参照されたい。泡抑制剤の例は、モノカルボン脂肪酸、およびその中の可溶性塩、高分子量炭化水素、たとえばパラフィン、脂肪酸エステル(たとえば、脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18~C40ケトン(たとえば、ステアロン)、N-アルキル化アミノトリアジン、好ましくは約100℃未満の融点を有するワックス状炭化水素、シリコーン泡抑制剤、ならびに第二級アルコールを含む。泡抑制剤は、米国特許第2,954,347号、同第4,075,118号、同第4,265,779号、同第4,265,779号、同第3,455,839号、同第3,933,672号、同第4,652,392号、同第4,978,471号、同第4,983,316号、同第5,288,431号、同第4,639,489号、同第4,749,740号および同第4,798,679号において記述されている。
【0117】
ここでのクリーニング組成物は、組成物の0~約10重量%の泡抑制剤を含んでいてもよい。泡抑制剤として利用される場合、モノカルボン脂肪酸およびその塩は、クリーニング組成物の最大約5重量%の量で存在していてもよく、一部の例において、クリーニング組成物の約0.5~約3重量%であってもよい。シリコーン泡抑制剤は、クリーニング組成物の最大約2.0重量%の量で利用されていてもよいが、より高い量が使用されていてもよい。モノステアリルホスフェート泡抑制剤は、クリーニング組成物の約0.1~約2重量%の範囲の量で利用されていてもよい。炭化水素泡抑制剤は、クリーニング組成物の約0.01~約5.0重量%の範囲の量で利用されていてもよいが、より高いレベルを使用することができる。アルコール泡抑制剤は、クリーニング組成物の約0.2~約3重量%で使用されていてもよい。
泡ブースター
高い泡立ちが所望される場合、泡ブースター、たとえばC10~C16アルカノールアミドを、クリーニング組成物中に、クリーニング組成物の約1~約10重量%で組み込んでいてもよい。一部の例は、C10~C14モノエタノールおよびジエタノールアミドを含む。所望ならば、水溶性マグネシウムおよび/またはカルシウム塩、たとえばMgCl、MgSO、CaCl、CaSOなどを、クリーニング組成物の約0.1~約2重量%のレベルで添加して、追加の泡を提供し、グリース除去性能を増強していてもよい。
賦形剤および担体
賦形剤および担体が、ここで記述されているクリーニング組成物において使用されていてもよい。ここで使用される場合、用語「賦形剤」および「担体」は、同じ意味を有し、交換可能に使用され得る。液体クリーニング組成物、および液体成分を含むクリーニング組成物の他の形態(たとえば液体含有一回量包装クリーニング組成物)は、水または他の溶媒を賦形剤または担体として含有していてもよい。メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびフェノキシエタノールによって例示される、低分子量第一級または第二級アルコールが好適である。一価アルコールは、一部の例において、界面活性剤、ならびにポリオール、たとえば2~約6個の炭素原子および2~約6つのヒドロキシ基(たとえば、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、エチレングリコールおよびグリセリンが使用されていてもよい)を含有するものを、可溶化するために使用されていてもよい。アミン含有溶媒が使用されていてもよい。
使用方法
本発明は、織物を白くするための方法を含む。消費者への販売に好適なコンパクトな流体洗剤組成物は、洗濯前処理用途、洗濯クリーニング用途およびホームケア用途において使用するのに適している。そのような方法は、未希釈形態または洗浄液中で希釈した洗剤組成物を、汚れていてもいなくてもよい織物の少なくとも一部と接触させる工程、次いで、織物を任意にリンスする工程を含むがこれらに限定されない。織物材料は、洗浄工程の後、任意選択のリンスする工程に供されていてもよい。機械洗濯方法は、有効量の本発明に従う機械洗濯洗剤組成物が溶解または分注された洗濯機内、汚れた洗濯物を洗浄水溶液で処理することを含んでいてもよい。洗剤組成物の「有効量」は、約5L~約65Lの体積の洗浄溶液中に溶解または分注された約20g~約300gの製品を意味する。水温は、約5℃~約100℃の範囲であってもよい。水対汚れた材料(たとえば、織物)の比は、約1:1~約30:1であってもよい。組成物は、溶液中約500ppm~約15,000ppmの濃度で使用されていてもよい。織物洗濯組成物の文脈において、使用レベルは、汚れおよび染みのタイプおよび重大度だけではなく、洗浄水温度、洗浄水の体積、および洗濯機のタイプ(たとえば、トップローディング式、フロントローディング式、垂直軸日本型自動洗濯機)に応じて変動していてもよい。
【0118】
ここでの洗剤組成物は、低減させた洗浄温度での織物の洗濯に使用されていてもよい。織物を洗濯するこれらの方法は、洗濯洗剤組成物を水に送達して洗浄液を形成する工程と、洗濯する織物を前記洗浄液に添加する工程とを含み、ここで、洗浄液は、約0℃~約20℃、または約0℃~約15℃、または約0℃~約9℃の温度を有する。織物は、洗濯洗剤組成物を水と接触させる前に、または後に、またはそれと同時に、水と接触させられていてもよい。別の方法は、洗剤組成物を含浸させた不織布基材を、汚れた材料と接触させることを含む。ここで使用される場合、「不織布基材」は、好適な基本重量、キャリパー(厚さ)、吸収性および強度特性を有する、任意の従来のように作られた不織布シートまたはウェブを含むことができる。好適な市販の不織布基材の非限定的な例は、DuPontにより商標名SONTARA(登録商標)およびJames River CorpによりPOLY WEB(登録商標)で市販されているものを含む。
【0119】
手洗い/浸漬方法、および半自動洗濯機を用いる複合手洗いも含まれる。
組成物用の包装
ここで記述されているクリーニング組成物は、紙、ボール紙、プラスチック材料および任意の好適な積層板から構成されているものを含む、任意の好適な容器内に包装され得る。任意選択の包装タイプは、欧州出願第94921505.7号において記述されている。
マルチコンパートメントポーチ
ここで記述されているクリーニング組成物は、マルチコンパートメントクリーニング組成物として包装されていてもよい。
他の補助原料
たとえば、他の活性原料、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、染料または顔料、液体調合物用の溶媒、固体または他の液体賦形剤、エリスロシン、コロイダルシリカ、ワックス、プロバイオティクス、サーファクチン、アミノセルロースポリマー、リシノール酸亜鉛、香料マイクロカプセル、ラムノ脂質、ソホロ脂質、糖ペプチド、メチルエステルエトキシレート、スルホン化エストリド、開裂可能な界面活性剤、バイオポリマー、シリコーン、変性シリコーン、アミノシリコーン、堆積助剤、ヒドロトロープ(とりわけクメン-スルホン酸塩、トルエン-スルホン酸塩、キシレン-スルホン酸塩およびナフタレン塩)、PVA粒子カプセル化染料または香料、真珠光沢剤、発泡剤、変色系、シリコーンポリウレタン、乳白剤、錠剤崩壊剤、バイオマス賦形剤、速乾性シリコーン、グリコールジステアレート、デンプン香水カプセル化物;炭化水素油、ポリオレフィンおよび脂肪エステルを含む乳化油、ビスフェノール酸化防止剤、微小繊維状セルロース構造化剤、プロ香料、スチレン/アクリレートポリマー、トリアジン、石鹸、スーパーオキシドディスムターゼ、ベンゾフェノンプロテアーゼ阻害剤、官能化TiO2、リン酸ジブチル、シリカ香料カプセル、ならびに他の補助原料、コリンオキシダーゼ、トリアリールメタンブルーおよびバイオレット塩基性染料、メチンブルーおよびバイオレット塩基性染料、アントラキノンブルーおよびバイオレット塩基性染料、アゾ染料ベーシックブルー16、ベーシックブルー65、ベーシックブルー66、ベーシックブルー67、ベーシックブルー71、ベーシックブルー159、ベーシックバイオレット19、ベーシックバイオレット35、ベーシックバイオレット38、ベーシックバイオレット48、オキサジン染料、ベーシックブルー3、ベーシックブルー75、ベーシックブルー95、ベーシックブルー122、ベーシックブルー124、ベーシックブルー141、ナイルブルーAおよびキサンテン染料ベーシックバイオレット10、アルコキシル化トリフェニルメタンポリマー性着色剤;アルコキシル化チオフェン、ポリマー性着色剤;チアゾリウム染料、雲母、二酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ならびに他の活性物質を含む、多種多様な他の原料が、ここでのクリーニング組成物において使用されていてもよい。
【0120】
酸化防止剤:組成物は、組成物中に約0.001~約2重量%で存在する酸化防止剤を任意に含有していてもよい。好ましくは、酸化防止剤は、0.01~0.08重量%の範囲内の濃度で存在する。酸化防止剤の混合物が使用されていてもよい。
【0121】
本発明において使用される酸化防止剤の1つのクラスは、アルキル化フェノールである。ヒンダードフェノール系化合物は、この式を有する好ましいタイプのアルキル化フェノールである。好ましいこのタイプのヒンダードフェノール系化合物は、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)である。
【0122】
さらに、組成物において使用される酸化防止剤は、α-、β-、γ-、δ-トコフェロール、エトキシキン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキシアニソール、リグノスルホン酸およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物からなる群から選択されていてもよい。
【0123】
ここで記述されているクリーニング組成物は、ビタミンおよびアミノ酸、たとえば、水溶性ビタミンおよびそれらの誘導体、水溶性アミノ酸およびそれらの塩および/または誘導体、非水溶性アミノ酸粘度調節剤、染料、不揮発性溶媒または希釈剤(水溶性および非水溶性)、真珠光沢助剤、殺シラミ剤、pH調整剤、保存剤、皮膚活性剤、サンスクリーン剤、UV吸収剤、ナイアシンアミド、カフェインおよびミノキシジルを含有していてもよい。
【0124】
本発明のクリーニング組成物は、顔料材料、たとえばニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロテノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物性、および水溶性成分、たとえばC.I.名を有するものを含む天然色を含有していてもよい。
【0125】
本発明のクリーニング組成物は、抗菌剤を含有していてもよい。カチオン性活性原料は、無機または有機対イオン、たとえば臭素、カーボネート、またはジアルキルジメチルアンモニウムカーボネートを含む他の部分を持つ、第四級種、たとえば塩化ベンゼトニウムおよび第四級アンモニウム化合物も含む、n-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチル第四級アンモニウム化合物、たとえばジデシルジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ジデシル-Nメチル-ポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート、ジオクチルジデシルアンモニウムクロリド、ならびに、抗菌アミン、たとえばグルコン酸クロルヘキシジン、PHMB(ポリヘキサメチレンビグアニド)、ビグアニドの塩、置換ビグアニド誘導体、第四級アンモニウム含有化合物の有機塩もしくは第四級アンモニウム含有化合物の無機塩またはそれらの混合物を含んでいてもよいがこれらに限定されない。
【0126】
一側面において、そのような方法は、前記表面または織物を任意に洗浄するおよび/またはリンスする工程を含み、前記表面または織物を、本明細書において開示されている任意の組成物と接触させ、次いで、前記表面または織物を任意に洗浄するおよび/またはリンスすることが、任意選択の乾燥工程とともに開示されている。
【0127】
そのような表面または織物の乾燥は、家庭用または工業用の何れかの設定において使用される一般的手段の何れか1つによって遂行され得る。普通の消費者または制度的使用条件で洗濯されることができる任意の織物を含んでいてもよく、本発明は、セルロース系基材に好適であり、一部の側面において、合成テキスタイル、たとえばポリエステルおよびナイロンならびに合成およびセルロース系織物および/または繊維を含む混合織物および/または繊維の処理にも好適である。合成織物の例としては、ポリエステル、ナイロンであり、これらは、セルロース系繊維との混合物、たとえば、ポリ綿織物で存在していてもよい。溶液は、典型的には、7~11、より通常は8~10.5のpHを有する。組成物は、典型的には、溶液中500ppm~5,000ppmの濃度で使用される。水温は、典型的には、約5℃~約90℃の範囲である。水対織物の比は、典型的には、約1:1~約30:1である。
【0128】
したがって、第3の態様において、本発明は、テキスタイルを処理する方法を提供する。この方法は、好ましくは、(i)テキスタイルを、ここで記述されている通りロイコ組成物を含有する水溶液で処理する工程と、(ii)任意に、テキスタイルをリンスする工程と、(iii)テキスタイルを乾燥させる工程とを含む。一側面において、本発明は、テキスタイルを処理する方法であって、(i)テキスタイルを、ここで記述されている通りロイコ組成物を含有する、10ppb~5000ppmの少なくとも1種の反応性ロイコ化合物および0.0g/L~3g/Lの界面活性剤を含む水溶液で処理する工程と、(ii)任意に、リンスする工程と、(iii)テキスタイルを乾燥させる工程とを含む、方法を提供する。この方法で利用されるロイコ組成物および/または反応性ロイコ着色剤は、ここで記述されているロイコ組成物および反応性ロイコ着色剤の何れかであり得る。さらに、この方法で利用される水溶液は、ロイコ組成物を水性媒体に直接添加することによって、またはロイコ組成物を含有する洗濯ケア組成物を水性媒体に添加することによって作成することができる。
【0129】
[実施例]
ロイコモノマーの調製
【0130】
【化18】
【0131】
ロイコアルコール3:メタノール(25mL)中の、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドロール(1)(0.27g、1.0mmol)、2-(メチルフェニルアミノ)エタノール(2)(0.18g、1.2mmol)およびp-トルエンスルホン酸(pTSA)一水和物(0.76g、4mmol)の溶液を、ディーンスタークトラップで9時間にわたって撹拌還流する。混合物を塩化メチレンで希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液で3回洗浄する。有機層を無水MgSOで乾燥させ、濾過する。濾液を真空で濃縮して、残留物を得て、これを、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、ロイコアルコール中間体3を産出する。
反応性ロイコ化合物の調製
【0132】
【化19】
【0133】
反応性ロイコ4:乾燥トルエン(10mL)およびジホスゲン(0.4g、2.0mmol)の溶液を、氷浴で0~5℃に冷却する。中間体3(1.05g、2.55mmol)およびトリエチルアミン(0.77g、7.65mmol)の乾燥トルエン(15mL)溶液を、温度を5℃未満に保ちながらジホスゲン溶液に15分間にわたって滴下添加する。反応混合物を0~5℃で4時間にわたって反応させ、次に室温にして一晩温める。トルエンをロータリーエバポレーターで除去して、乾燥させて、反応性ロイコ4を産出する。
【0134】
【化20】
【0135】
反応性ロイコ5:中間体3(5.0g、12.4mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、0~5℃でトリエチルアミン(1.25g、12.4mmol)を添加した後、p-トルエンスルホニルクロリド(2.4g、12.6mmol)をゆっくり添加する。反応混合物を室温にして一晩温める。反応の進行を、TLC(2:1 EtOAc/MeOH)によってモニターする。反応が完了したら、反応混合物を水(50mL)で希釈し、次に10%重炭酸ナトリウム溶液(50mL)を添加する。層を分離し、水性層を1,2-ジクロロエタンで2回抽出する。合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、反応性ロイコ5を産出する。
【0136】
【化21】
【0137】
反応性ロイコ6:撹拌器、温度プローブ、滴下漏斗およびN出口を装着した250mLの4つ口フラスコに入れたアセトン80mLに、シアヌル酸クロリド(6.35g、0.035モル)を充填した。溶液混合物を、70℃で45分間にわたって加熱して溶解させ、その後0~10℃に冷却した。3の溶液(10.0g、アセトン40mL中0.025モル)を、反応混合物に滴下添加した。添加後、反応物を室温で4時間にわたって撹拌し、次に1時間にわたって還流させ、室温で一晩静置した。TLCによって、生成物の形成が示された。反応混合物を濾過し、固体を収集した。生成物は、NMRおよび質量分析の550および551におけるm/zピークによって特徴付けられた。
【0138】
【化22】
【0139】
反応性ロイコ7:化合物3(10.0g、0.025モル)を、撹拌器、温度プローブ、およびN出口を装着した150mLの3つ口フラスコに入れたアセトニトリル(60mL)およびTHF(10mL)に添加した。反応フラスコに、スルファミン酸(5.05g、0.052モル)を添加し、反応混合物を70℃で10時間にわたって加熱した。反応混合物を濾過し、過剰の溶媒を、ロータリーエバポレーターで除去した。生成物は、NMRおよび質量分析の483におけるm/zを用いて特徴付けられた。
適用例
【0140】
【化23】
【0141】
反応性ロイコ化合物6および7を、それぞれの加水分解形態とともに(それぞれ上述した構造8および構造3)、以下の変更を加えて下記の方法Iに記述されている通り、白さという利益の増加をもたらす能力について試験した。(a)フラスコ1つ当たり、MultiFiber Fabricの2種の見本(MFF41、TestFabrics、Inc.West Pittston、PA)を使用した;(b)ベースの洗浄溶液にロイコ化合物ストックを投入して、5.0×10-6モル/Lの濃度の洗浄溶液を達成する;(c)MFF41織物見本の綿、ナイロンおよびポリエステル切片に関するL、a、bおよび白色度(WI CIE)値を、色分光光度計(X-rite Color i7)を反射モード(UV光除外)で使用して、乾燥手順の24時間後、乾燥見本上で測定した。24時間目におけるδΔWI CIEの算出値を、3種の織物のそれぞれについて下記の表に示す。
【0142】
【表1】
【0143】
データは、それぞれのロイコ材料が、ロイコを含まない対照と比較して、綿およびポリエステルのWI CIE値を改善することを示している。さらに、ナイロンでも一部の試料について利益が観測される。
試験方法
ここでの試験方法において使用される織物見本は、Testfabrics,Inc.West Pittston、PAから取得し、100%綿、Style 403(2”×2”に切断)および/またはStyle 464(4”×6”に切断)ならびに増白されていない多繊維織物、具体的にはStyle 41(5cm×10cm)である。
【0144】
乾燥した織物見本に関する、L、a、b、K/S、および白色度(WI CIE)値を含むすべての反射スペクトルおよび色測定は、4つの分光光度計:(1)Konica-Minolta 3610d反射分光光度計(Konica Minolta Sensing Americas,Inc.、Ramsey、NJ、USA;D65照明、10°観察者、UV光除外)、(2)LabScan XE反射分光光度計(HunterLabs、Reston、VA;D65照明、10°観察者、UV光除外)、(3)Color-Eye(登録商標)7000A(GretagMacbeth、New Windsor、NY、USA;D65光、UV除外)、または(4)Color i7分光光度計(X-rite,Inc.、Grand Rapids、MI、USA;D65光、UV除外)のうちの1つを使用して作製する。
【0145】
織物を照射する場合、別段の指示がない限り、乾燥後の指定された織物を、タイプSボロシリケート内側(品番20277300)および外側(品番20279600)フィルターを備え、37℃の最大キャビネット温度、57℃の最大ブラックパネル温度(BPTブラックパネル形状)および35%のRH(相対湿度)に設定された、Atlas Xenon退色試験機Ci3000+(Atlas Material Testing Technology、Mount Prospect、Illinois、USA)で、420nmにおいて0.77W/mの放射照度を持つ模擬太陽光に曝露する。別段の指示がない限り、照射は、決まった期間にわたって連続的である。
I.洗浄溶液からロイコ化合物効率を決定するための方法
綿見本(Style 403)を、重質液体洗濯洗剤無増白剤(水溶液中1.55g/L)で、49℃にて2回洗浄することにより、使用前に色抜きする。試験するそれぞれのロイコ化合物の濃縮ストック溶液を、エタノールまたは50:50 エタノール:水から選択される溶媒、好ましくはエタノール中で調製する。
【0146】
ベースの洗浄溶液は、重質液体洗濯洗剤無増白剤(5.23g/1.0L)を脱イオン水に溶解することによって調製する。4つの色抜きした綿見本を一緒に秤量し、2つの10mmのガラス玉とともに250mLの三角フラスコに入れる。合計3つのそのようなフラスコを、試験するそれぞれの洗浄溶液について調製する。ベースの洗浄溶液にロイコ化合物ストックを投入して、所望の1.0ppm洗浄濃度のロイコ化合物を持つ洗浄溶液を達成する。
【0147】
10.0:1.0 液体:織物(w/w)比を提供するために十分なこの洗浄溶液のアリコートを、3つの250mLの三角フラスコのそれぞれに入れる。それぞれのフラスコに、1000gpgのストック硬度溶液を投入して、6gpg(3:1 Ca:Mg)の最終洗浄硬度を達成する。
【0148】
フラスコを、モデル75リストアクションシェーカー(Burrell Scientific,Inc.、Pittsburg、PA)に置き、最大設定で12分間にわたってかき混ぜ、その後、洗浄溶液を吸引によって除去し、使用される洗浄溶液の量と同等の体積のリンス水(0gpg)を添加する。それぞれのフラスコに、1000gpgのストック硬度溶液を投入して、6gpg(3:1 Ca:Mg)の最終リンス硬度を達成した後、さらに4分かき混ぜる。リンスを吸引によって除去し、織物見本を1分間にわたって遠心脱水(Mini Countertop Spin Dryer、The Laundry Alternative Inc.、Nashua、NH)し、次いで、135°Fに設定した食品脱水機に入れて、暗所で2時間にわたって乾燥させる。
A.乾燥後のダーク条件
綿織物についてのL、a、bおよび白色度(WI CIE)値は、LabScan XE反射分光光度計を使用して、乾燥手順の48時間後、乾燥した見本上で測定する。それぞれのロイコ化合物について生成された12の見本(3つのフラスコにそれぞれ4つの見本)のL、aおよびb値を平均し、それぞれのロイコ化合物のロイコ化合物効率(LCE:leuco compound efficiency)を、下記の方程式:
LCE=DE=[(L -L +(a -a +(b -b 1/2
を使用して算出し、式中、下付き文字cおよびsは、対照、すなわち、ロイコ化合物のない洗剤中で洗浄された織物、およびサンプル、すなわち、ロイコ化合物を含有する洗剤中で洗浄された織物をそれぞれ指す。
【0149】
それぞれの洗浄溶液について生成された12の見本(3つのフラスコにそれぞれ4つの見本)のWI CIE値を平均し、洗浄時における白色度の変化を、下記の方程式:
ΔWI=WI CIE(洗浄後)-WI CIE(洗浄前)
を使用して算出する。
B.乾燥後の光条件
消費者性向は世界中で大きく異なるため、使用される方法は、様々な条件にわたってロイコ化合物の利益を測定する可能性を考慮に入れなくてはならない。1つのそのような条件は、乾燥後の光への曝露である。一部のロイコ化合物は、ダークストレージ下では、光ストレージ下ほど大きい利益を呈さないため、最適な利益を決定するために、それぞれのロイコ化合物を両方の条件のセット下で試験しなくてはならない。したがって、方法Iは、測定が行われる前に、種々の時間増分にわたる乾燥させた織物の模擬太陽光への曝露を含み、LCE値は、後述する曝露時間のセットから取得された最大値に設定される。
【0150】
乾燥後の指定された綿織物を、模擬太陽光に、15分間、30分間、45分間、60分間、75分間、90分間、120分間、および240分間にわたって曝露する。綿織物についての、L、a、bおよび白色度(WI CIE)値を、LabScan XE反射分光光度計を使用して、それぞれの曝露期間後、見本上で測定する。それぞれの曝露時点におけるLCEおよびΔWI値の算出は、上記の方法I.A.において記述されている通りであり、ロイコ化合物についてのLCE値およびΔWI値は、記載されている曝露時間のセットから取得された最大値に設定する。
II.相対色相角を決定するための方法(対無ロイコ化合物)
上述した方法Iに従って処理される綿織物に、ロイコ化合物によって送達される相対色相角は、次の通りに決定される。
【0151】
a)それぞれの溶液からの12の見本のaおよびb値を平均し、ΔaおよびΔbを決定するために下記の式:
Δa=a -a およびΔb=b -b
を使用し、式中、下付き文字cおよびsは、ロイコ化合物のない洗剤中で洗浄された織物およびロイコ化合物を含有する洗剤中で洗浄された織物をそれぞれ指す。
【0152】
b)ΔaとΔbの両方の絶対値が0.25より小さい場合、相対色相角(RHA)は算出されない。ΔaまたはΔbの何れかの絶対値が0.25以上である場合、RHAは、下記の式:
Δb≧0では、RHA=ATAN2(Δa,Δb
Δb<0では、RHA=360+ATAN2(Δa,Δb
の一方を使用して決定される。
【0153】
相対色相角は、乾燥後のダークまたは乾燥後の光評価の何れかにおいてデータが収集されたそれぞれの時点について算出することができる。これらの点の何れかを使用して、請求項の要件を満たすことができる。
III.洗濯ケア調合物についての白色度における変化を決定するための方法
綿見本(Style 403)を、重質液体洗濯洗剤無増白剤(水溶液中1.55g/L)で、49℃にて2回洗浄することにより、使用前に色抜きする。
【0154】
ベースの洗浄溶液は、洗濯ケア調合物(5.23g/1.0L)を脱イオン水に溶解することによって調製する。4つの色抜きした綿見本を一緒に秤量し、2つの10mmのガラス玉とともに250mLの三角フラスコに入れる。合計3つのそのようなフラスコを調製する。
【0155】
10.0:1.0 液体:織物(w/w)比を提供するために十分なこの洗浄溶液のアリコートを、3つの250mLの三角フラスコのそれぞれに入れる。それぞれのフラスコに、1000gpgのストック硬度溶液を投入して、6gpg(3:1 Ca:Mg)の最終洗浄硬度を達成する。
【0156】
フラスコを、モデル75リストアクションシェーカー(Burrell Scientific,Inc.、Pittsburg、PA)に置き、最大設定で12分間にわたってかき混ぜ、その後、洗浄溶液を吸引によって除去し、使用される洗浄溶液の量と同等の体積のリンス水(0gpg)を添加する。それぞれのフラスコに、1000gpgのストック硬度溶液を投入して、6gpg(3:1 Ca:Mg)の最終リンス硬度を達成した後、さらに4分かき混ぜる。リンスを吸引によって除去し、織物見本を1分間にわたって遠心脱水(Mini Countertop Spin Dryer、The Laundry Alternative Inc.、Nashua、NH)し、次いで、135°Fに設定した食品脱水機に入れて、暗所で2時間にわたって乾燥させる。
【0157】
綿織物についての、L、a、bおよび白色度(WI CIE)値は、LabScan XE反射分光光度計を使用し、上記の方法I.A.および/またはI.B.に従って、乾燥した見本上で測定する。洗濯ケア調合物について生成された12の見本(3つのフラスコにそれぞれ4つの見本)のWI CIE値を平均し、洗浄時における白色度の変化を、下記の方程式:
ΔWI=WI CIE(洗浄後)-WI CIE(洗浄前)
を使用して算出する。
調合物例
下記は、本開示に従うクリーニング組成物の例証的な例であり、限定を意図するものではない。
【0158】
例1~7
重質液体洗濯洗剤組成物
【0159】
【表2-1】
【0160】
【表2-2】
【0161】
例8~18
一回量包装組成物
これらの例は、一回量包装洗濯洗剤用の種々の調合物を提供する。組成物8~12は、単一の一回量包装コンパートメントを含む。組成物をカプセル化するために使用される膜は、ポリビニル-アルコールベースの膜である。
【0162】
【表3】
【0163】
下記の例において、一回量包装は3つのコンパートメントを有するが、同様の組成物は、2つ、4つまたは5つのコンパートメントで作製され得る。コンパートメントをカプセル化するために使用される膜は、ポリビニルアルコールである。
【0164】
【表4】
【0165】
【表5】
【0166】
AE1.8Sは、C12~15アルキルエトキシ(1.8)スルフェートである
AE3Sは、C12~15アルキルエトキシ(3)スルフェートである
AE7は、7の平均エトキシル化度を持つC12~13アルコールエトキシレートである
AE8は、8の平均エトキシル化度を持つC12~13アルコールエトキシレートである
AE9は、9の平均エトキシル化度を持つC12~13アルコールエトキシレートである
アミラーゼ1は、Novozymesによって供給されるStainzyme(登録商標)、15mg活性物質/gである
アミラーゼ2は、Novozymesによって供給されるNatalase(登録商標)、29mg活性物質/gである
キシログルカナーゼは、Novozymesによって供給されるWhitezyme(登録商標)、20mg活性物質/gである
キレート剤1は、ジエチレントリアミンペンタアセテート酸である
キレート剤2は、1-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸である
ディスパーシンBは、1000mg活性物質/gとして報告されるグリコシドヒドロラーゼである
DTIは、ポリ(4-ビニルピリジン-1-オキシド)(たとえばChromabond S-403E(登録商標))またはポリ(1-ビニルピロリドン-コ-1-ビニルイミダゾール)(たとえばSokalan HP56(登録商標))の何れかである。
【0167】
染料制御剤 本発明に従う染料制御剤、たとえば、Suparex(登録商標)O.IN(M1)、Nylofixan(登録商標)P(M2)、Nylofixan(登録商標)PM(M3)またはNylofixan(登録商標)HF(M4)
HSASは、US6,020,303およびUS6,060,443において開示されている通りの中分枝アルキルスルフェートである
LASは、平均脂肪族炭素鎖長C~C15を有する直鎖状アルキルベンゼンスルホネートである(HLASは、酸形態である)。
【0168】
ロイコ着色剤 本発明に従う任意の好適なロイコ着色剤またはそれらの混合物。
【0169】
リパーゼは、Novozymesによって供給されるLipex(登録商標)、18mg活性物質/gである
Liquitint(登録商標)V200は、Millikenによって提供されるチオフェンアゾ染料である
マンナナーゼは、Novozymesによって供給されるMannaway(登録商標)、25mg活性物質/gである
ヌクレアーゼは、1000mg活性物質/gとして報告されるホスホジエステラーゼ配列番号1である
光学的増白剤1は、ジナトリウム4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホネートである
光学的増白剤2は、ジナトリウム4,4’-ビス-(2-スルホスチリル)ビフェニル(ナトリウム塩)である
光学的増白剤3は、3V Sigma製のOptiblanc SPL10(登録商標)である
香水カプセル化物は、コア-シェルメラミンホルムアルデヒド香水マイクロカプセルである。
【0170】
研磨酵素は、1000mg活性物質/gとして報告されるパラ-ニトロベンジルエステラーゼである
ポリマー1は、ビス((CO)(CO)n)(CH)-N-C2x-N-(CH)-ビス((CO)(CO)n)[ここで、n=20~30、x=3~8である]またはその硫酸化もしくはスルホン化バリアントである
ポリマー2は、エトキシル化(EO15)テトラエチレンペンタミンである
ポリマー3は、エトキシル化ポリエチレンイミンである
ポリマー4は、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンである
ポリマー5は、Rohm&Haasによって提供されるAcusol 305である
ポリマー6は、BASFによって提供される、酢酸ビニル側鎖でグラフト化したポリエチレングリコールポリマーである。
【0171】
プロテアーゼは、DuPontによって供給されるPurafect Prime(登録商標)、40.6mg活性物質/gである
構造化剤は、水素化ヒマシ油である
ここで開示される寸法および値は、列挙されている正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。それどころか、別段の定めがない限り、それぞれのそのような寸法は、列挙されている値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するように意図されている。たとえば、「40mm」として開示されている寸法は、「約40mm」を意味するように意図されている。
【0172】
あらゆる相互参照または関連特許または出願および本出願がその優先権または利益を主張するあらゆる特許出願または特許を含む、ここで引用されているすべての文書は、明示的に除外または別段限定されない限り、参照によりその全体がここに組み込まれる。任意の文書の引用は、それがここで開示されているまたは特許請求されている任意の発明に関わる先行技術であること、あるいはそれが単独でまたは任意の他の参考文献との任意の組合せで、任意のそのような発明を、教示する、示唆するまたは開示することの承認ではない。さらに、本文書における用語の任意の意味または定義が、参照により組み込まれる文書における同じ用語の任意の意味または定義と矛盾する限りでは、本文書においてその用語に割り当てられた意味または定義が優先するものとする。
【0173】
本発明の特定の態様を例証し記述してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の他の変更および修正が為され得ることが当業者には明らかであろう。したがって、添付の請求項において、本発明の範囲内であるすべてのそのような変更および修正を網羅することが意図されている。
以下に、本願発明の実施態様を付記する。
1.少なくとも1種の反応性ロイコ化合物を含むロイコ組成物であって、前記反応性ロイコ化合物が、ロイコ部分、および前記ロイコ部分に共有結合している少なくとも1つの反応性部分を含み、前記反応性部分が、求核性部分と反応するのに十分に求電子性であり、(前記ロイコ組成物に存在する前記反応性ロイコ化合物の量)対(前記ロイコ組成物に存在する着色形態の前記反応性ロイコ化合物の量)の比が、約1:9以上である、ロイコ組成物。
2.前記ロイコ部分が、ジアリールメタンロイコ部分、トリアリールメタンロイコ部分、オキサジン部分、チアジン部分、ヒドロキノン部分およびアリールアミノフェノール部分からなる群から選択される、1に記載のロイコ組成物。
3.前記ロイコ部分が、式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の構造からの1個以上の水素原子の除去によって得られる一価または多価の部分である、1または2に記載のロイコ組成物。
【化24】
[式中、式I~V対その酸化形態の比は、少なくとも1:3であり;ここで、環A、BおよびCのそれぞれの上の個々のR 、R およびR 基は、水素、重水素およびR からなる群から独立して選択され;ここで、それぞれのR は、ハロゲン、ニトロ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)O 、-C(O)NR 、-OC(O)R 、-OC(O)OR 、-OC(O)NR 、-S(O) 、-S(O) OR 、-S(O) 、-S(O) NR 、-NR C(O)R 、-NR C(O)OR 、-NR C(O)SR 、-NR C(O)NR 、-OR 、-NR 、-P(O) -P(O)(OR 、-P(O)(OR )O および-P(O)(O からなる群から独立して選択され;ここで、3つの環A、BまたはCの少なくとも1つの上のR およびR 基のうちの少なくとも1つは、水素であり;それぞれのR は、水素、-OR および-NR から独立して選択され、
Gは、水素、重水素、C ~C 16 アルコキシド、フェノキシド、ビスフェノキシド、ニトライト、ニトリル、アルキルアミン、イミダゾール、アリールアミン、ポリアルキレンオキシド、ハロゲン化物、アルキルスルフィド、アリールスルフィドおよびホスフィンオキシドからなる群から独立して選択され、
、R およびR は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリルおよびR からなる群から独立して選択され;R は、1種以上の有機モノマーで構成される有機基であり、前記モノマー分子量は、28~500の範囲であり、
eおよびfは、独立して、0~4の整数であり、
それぞれのR 20 およびR 21 は、ハロゲン、ニトロ基、アルキル基、置換アルキル基、-NC(O)OR 、-NC(O)SR 、-OR および-NR からなる群から独立して選択され、
それぞれのR 25 は、単糖部分、二糖部分、オリゴ糖部分、多糖部分、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)NR からなる群から独立して選択され、
それぞれのR 22 およびR 23 は、水素、アルキル基および置換アルキル基からなる群から独立して選択され、
30 は、架橋アミン部分に対してオルトまたはパラに位置し、-OR 38 および-NR 36 37 からなる群から選択され、ここで、それぞれのR 36 およびR 37 は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、R 、-C(O)OR 、-C(O)R および-C(O)NR からなる群から独立して選択され、
38 は、水素、アシル基、-C(O)OR 、-C(O)R および-C(O)NR からなる群から選択され、
gおよびhは、独立して、0~4の整数であり、
それぞれのR 31 およびR 32 は、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルカリル、置換アルカリル、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)O 、-C(O)NR 、-OC(O)R 、-OC(O)OR 、-OC(O)NR 、-S(O) 、-S(O) OR 、-S(O) 、-S(O) NR 、-NR C(O)R 、-NR C(O)OR 、-NR C(O)SR 、-NR C(O)NR 、-OR 、-NR 、-P(O) 、-P(O)(OR 、-P(O)(OR )O および-P(O)(O からなる群から独立して選択され、
-NR 34 35 は、架橋アミン部分に対してオルトまたはパラに位置し、R 34 およびR 35 は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリルおよびR からなる群から独立して選択され、
33 は、水素、-S(O) 、-C(O)N(H)R 、-C(O)OR および-C(O)R からなる群から独立して選択され;ここで、gが2~4である場合、任意の2つの隣接するR 31 基は、組み合わさって、5員以上の縮合環を形成していてもよく、前記縮合環中の原子の2個以下は、窒素原子であってもよく、
40 は、酸素原子、硫黄原子およびNR 45 からなる群から選択され;ここで、R 45 は、水素、重水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、-S(O) OH、-S(O) 、-C(O)OR 、-C(O)R および-C(O)NR からなる群から独立して選択され、
40 およびR 41 は、-OR および-NR からなる群から独立して選択され、
jおよびkは、独立して、0~3の整数であり、
42 およびR 43 は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、-S(O) 、-C(O)NR 、-NC(O)OR 、-NC(O)SR 、-C(O)OR 、-C(O)R 、-OR 、-NR からなる群から独立して選択され、
44 は、-C(O)R 、-C(O)NR および-C(O)OR であり、
前記化合物の何れか中に存在する任意の電荷は、好適な独立して選択される内部または外部対イオンと均衡がとれている]
4.前記ロイコ部分が、式(I)の構造に適合する、3に記載のロイコ組成物。
5.異なるA、BおよびC環上の2つのR 基が、組み合わさって、5員以上の縮合環を形成する、4に記載のロイコ組成物。
6.前記縮合環が、6員以上であり、異なるA、BおよびC環上の2つのR 基が、組み合わさって、1個以上のヘテロ原子を含有する有機リンカーを形成する、5に記載のロイコ組成物。
7.異なるA、BおよびC環上の2つのR が、組み合わさって、-O-および-S-から選択されるヘテロ原子架橋を形成して、6員縮合環を作成する、6に記載のロイコ組成物。
8.同じ環上のR およびR または同じ環上のR およびR の何れかが、組み合わさって、縮合脂肪族環または縮合芳香族環を形成する、4に記載のロイコ組成物。
9.3つの環A、BまたはCのうちの少なくとも1つの上のR およびR 基の4つすべてが、水素である、4に記載のロイコ組成物。
10.3つすべての環A、BまたはCの上のR およびR 基のすべてが、水素である、9に記載のロイコ組成物。
11. 3つのR がすべて、-NR である、4に記載のロイコ組成物。
12.Gが、重水素である、4に記載のロイコ組成物。
13.前記有機基が、式Iの構造に適合する1つ以上の追加のロイコ着色剤部分で置換されていてもよい、請求項に記載のロイコ組成物。
14.R が、アルキレンオキシ、オキソアルキレンオキシ、オキソアルキレンアミン、エピクロロヒドリン、四級化エピクロロヒドリン、アルキレンアミン、ヒドロキシアルキレン、アシルオキシアルキレン、カルボキシアルキレン、カルボアルコキシアルキレン、および糖からなる群から選択される、3に記載のロイコ組成物。
15. 前記好適な独立して選択される外部対イオンが、Na、K、Mg、Ca、イミニウム、アンモニウム、ホスホニウム、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ペルクロレート、硫酸水素、スルフェート、アミノスルフェート、ニトレート、リン酸二水素、リン酸水素、ホスフェート、ビカーボネート、カーボネート、メソスルフェート、エソスルフェート、シアネート、チオシアネート、テトラクロロジンケート、ボレート、テトラフルオロボレート、アセテート、クロロアセテート、シアノアセテート、ヒドロキシアセテート、アミノアセテート、メチルアミノアセテート、ジ-およびトリ-クロロアセテート、2-クロロ-プロピオネート、2-ヒドロキシプロピオネート、グリコレート、チオグリコレート、チオアセテート、フェノキシアセテート、トリメチルアセテート、バレレート、パルミテート、アクリレート、オキサレート、マロネート、クロトネート、スクシネート、シトレート、メチレン-ビス-チオグリコレート、エチレン-ビス-イミノアセテート、ニトリロトリアセテート、フマレート、マレエート、ベンゾエート、メチルベンゾエート、クロロベンゾエート、ジクロロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、アミノベンゾエート、フタレート、テレフタレート、インドリルアセテート、クロロベンゼンスルホネート、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ビフェニル-スルホネートおよびクロロトルエンスルホネートからなる群から選択される、3に記載のロイコ組成物。
16.前記反応性部分が、スルホオキシエチルスルホニル部分、ビニルスルホニル部分、ハロトリアジニル部分、第四級アンモニウムトリアジニル部分、ハロピリミジニル部分、ハロピリダジニル部分、ハロキノキサリニル部分、ハロフタラジニル部分、ブロモアクリルアミジル部分、およびベンゾチアゾリル部分からなる群から選択される、先行する何れかに記載のロイコ組成物。
17.反応性ロイコ化合物が、前記ロイコ部分に共有結合している少なくとも2つの反応性部分を含む、先行する何れかに記載のロイコ組成物。
18.先行する何れか1に記載のロイコ組成物と水との反応によって得ることができる、ロイコ組成物。
19.前記反応性部分が、共有結合している少なくとも1つのヒドロキシ基を有する芳香族複素環部分および-SO CH CH OHからなる群から選択される部分に加水分解されている、18に記載のロイコ組成物。
20.1~17の何れかに記載のロイコ組成物と、求核性部分を含む有機化合物との反応によって得ることができる、ロイコ組成物。
21.(i)1~17の何れか1に記載のロイコ組成物および水の反応によって得ることができる第1のロイコ組成物、ならびに
(ii)1~17の何れか1に記載のロイコ組成物、および求核性部分を含む有機化合物の反応によって得ることができる第2のロイコ組成物
を含む、ロイコ組成物。