(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】波動動力装置
(51)【国際特許分類】
F03B 13/22 20060101AFI20220207BHJP
【FI】
F03B13/22
(21)【出願番号】P 2019552333
(86)(22)【出願日】2017-12-13
(86)【国際出願番号】 DK2017050430
(87)【国際公開番号】W WO2018108220
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-11-04
(32)【優先日】2016-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】519212325
【氏名又は名称】ウェイヴピストン エイ/エス
【氏名又は名称原語表記】WAVEPISTON A/S
【住所又は居所原語表記】Kronborg 10 3000 Helsingor Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】フォン ブロウ,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】グレイボル,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ムラ,クラウス シュミット
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-018376(JP,U)
【文献】特開平01-238704(JP,A)
【文献】特表2012-503131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の波からエネルギーを取り出す波動動力装置であって、上記波動動力装置は、実質的に静止した部材(2)と、
実質的に静止した部材(2)に直接又は間接的に連結されて、波の力が作用すると実質的に静止した部材(2)に対して相対的に移動するように構成されている作動部(11)とを有し、
上記作動部(11)は、実質的に静止した部材(2)の所定の中心(19)から実質的に静止した部材(2)の長手軸(18)に対して平行に移動するように構成され、上記移動方向は互いに反対である2方向の一つであり、
波動動力装置は、さらに、実質的に静止した部材(2)の長手軸(18)に沿って各作動部(11)の周りに
対称に配置された少なくとも2つの水圧ラム(14a、14b)を有し、
少なくとも2つの水圧ラムの各々は、
ベースセクション(144)、少なくとも1つのパイプセクション(143)及び中央セクション(142)を有し、中央セクション(142)はパイプセクション(143)の内側と外側にスライドするように構成され、パイプセクション(143)はベースセクション(144)の内側と外側にスライドするように構成され、上記セクション(142、143、144)は密閉空間(20)を有し、上記セクション(142、143、144)が互いに内側と外側にスライドするとき、上記セクション(142、143、144)の容積が減少又は増加し、
水圧ラム(14a、14b)の長さ(23)が増加するとき、水圧ラム(14a、14b)内の密閉空間(20)に水を導入するためのバルブ(22)を有する入口(21)を有し、
水圧ラム(14a、14b)の長さ(23)が減少するとき、水圧ラム(14a、14b)内の密閉空間(20)から圧力水を
圧力パイプ(6)内に排出するように構成されているバルブ(25)を有する出口(24)を有し、
ベースセクション(144)又は中央セクション(142)の一方は実質的に静止した部材の所定の位置(26)に固定され、ベースセクション(144)又は中央セクション(142)の他方は作動部(11)に直接又は間接的に連結され、
作動部(11)が実質的に静止した部材に対して相対的に移動するとき、
移動する作動部(11)が水圧ラム(14a)の長さ(23)を減少するとき、少なくとも2つの水圧ラム(14a、14b)の中の少なくとも1つの水圧ラム(14a)の有効水圧面積は段階的に増加し、
移動する作動部(11)が水圧ラム(14b)の長さ(23)を増加するとき、少なくとも2つの水圧ラム(14a、14b)の中の少なくとも1つの水圧ラム(14b)の有効水圧面積は段階的に減少
し、
各水圧ラムの有効水圧面積の段階的な減少又は増加は、磁気式ロッキング手段、機械式ロッキング手段もしくは水圧式ロッキング手段又はこれらの組み合せに基づくロッキング手段(27)によってコントロールされる。
【請求項2】
各水圧ラム(14)のセクション(142、143、144)が、それぞれ入口(21)及び出口(24)以外の他の手段によって水圧ラム内に水が導入されないようにするか又は水圧ラムから水が排出されないようにすることができる密閉手段(33)を有している、請求項1に記載の波動動力装置。
【請求項3】
波の力が作動部(11)に作用するとき、作動部(11)が水平の長手軸に沿って移動するように、実質的に静止した部材は水中に水平に配置される、請求項
1又は2に記載の波動動力装置。
【請求項4】
実質的に静止した部材(2)は、
実質的に静止した部材(2)の各端部に配置された少なくとも2つの係留チェーン(4)によって静止しており、各係留チェーン(4)は錨(5)に連結されるか、実質的に静止した部材(2)の下方の底部表面に締結されるか、又は岸辺に締結される、請求項
1ないし3のいずれかに記載の波動動力装置。
【請求項5】
実質的に静止した部材(2)は、
実質的に静止した部材(2)の各端部に配置された少なくとも2つのブイ(3)によって水中に浮遊している、請求項
1ないし4のいずれかに記載の波動動力装置。
【請求項6】
実質的に静止した部材(2)は、鋼製ケーブル又は圧力パイプ(6)である、請求項
1ないし5のいずれかに記載の波動動力装置。
【請求項7】
作動部(11)は、実質的に静止した部材(2)の長手軸に対して直角をなす、水中に垂直に位置するプレートである、請求項
1ないし6のいずれかに記載の波動動力装置。
【請求項8】
作動部(11)は実質的に静止した部材(2)によって貫通されており、
作動部(11)の中心が貫通されている、請求項
1ないし7のいずれかに記載の波動動力装置。
【請求項9】
作動部(11)は、作動部(11)の移動を安定及び容易にするための作動フレーム(28a)又はワイヤ(28b)のような手段(28)にさらに連結されており、波の力が作動部(11)に作用するとき、作動部(11)が実質的に静止した部材(2)の長手軸(18)に沿って滑らかに移動するように、作動フレーム(28a)又はワイヤ(28b)は、実質的に静止した部材(2)の上を走行する車輪(28c)に連結されている、請求項
1ないし8のいずれかに記載の波動動力装置。
【請求項10】
作動部(11)の最大移動長さ(29)は、水圧ラムが完全に伸長したとき、少なくとも2つの水圧ラム(14a、14b)の少なくとも1つの水圧ラム(14a)の全長から、その水圧ラムのベースセクションの長さを引いたものである、請求項
1ないし9のいずれかに記載の波動動力装置。
【請求項11】
作動部(11)がその中心(19)にあるとき、少なくとも2つの水圧ラム(14)は部分的に圧縮され、作動部(11)をある方向に移動させるために必要とされる力は、作動部(11)をその反対方向に移動させるために必要とされる力と同じである、請求項
1ないし10のいずれかに記載の波動動力装置。
【請求項12】
作動部(11)がその中心(19)にあるとき、少なくとも2つの水圧ラム(14)が圧縮されて、水圧ラムの長さ(23)が全長の半分になる、請求項
1ないし11のいずれかに記載の波動動力装置。
【請求項13】
作動部(11)が移動するとき、各水圧ラム(14)は圧力水を受け入れるように構成されている圧力パイプ(6)に連結されている、請求項
1ないし12のいずれかに記載の波動動力装置。
【請求項14】
圧力パイプ(6)は、圧力水を電気エネルギーのようなエネルギーに変換することができるタービン(8)に連結されている、請求項
1ないし13のいずれかに記載の波動動力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水表面、特に、水表面の波が風や他の環境条件によって生成される海洋、湖又は他の水資源の表面の波からエネルギーを取り出すための波動動力装置に関する。本発明は、また、水の波から動力を取り出す方法及び波動動力装置を有する波動動力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
永年、エネルギーを生成するための環境に優しい方法、特に、風及び水の波からエネルギーを取り出すことによって環境に優しいエネルギーの生成方法が大きく注目されてきた。一般的な概念とは異なり、波によって生じる水の動きは垂直的な動作ではなく、むしろ、垂直成分とともに水平成分を含む円運動である。このように、水面下の垂直プレートと水面下の水平プレートは同様の大きさの力にさらされ、等しく波動からエネルギーを取り出すことができる。
【0003】
波動からエネルギーを生成するための従来のシステム及び方法の多くは、水の波の垂直的な動作を利用する方法に基づいている。すなわち、従来のシステムは、波頭と波の谷の部分のあいだの高さの差を利用する浮動する作動部を備えている。
【0004】
例えば、米国特許第870706号明細書は、上下に移動する多くの浮動する作動部を備え、波の表面のレベルの変化によって駆動される装置を記載している。この上下の運動はモータを駆動するために使用される。
【0005】
水ポンプとして使用される類似のシステムが、ポンプで水を汲み上げるための工場の形態として欧州特許第1045138号明細書に記載されている。その工場は、2つの相互に作用する吸引/力チャンバーを有するシリンダ/ピストンの作動を駆動する浮動する作動部を備えている。各チャンバーは、海から水を汲み上げる吸引パイプと、ポンプでくみ上げた水を消費者に供給する送給パイプを備えている。
【0006】
他の例は、米国特許第4698969号明細書と米国特許第4931662号明細書に開示されている。両方の特許は1つ以上の浮動する作動部を備えた装置を記載している。その浮動する作動部は波頭と波の谷の部分のあいだの波によって移動し、それによってエネルギーを取り出す。
【0007】
従来の技術は、また、波のエネルギーの水平成分がエネルギーの取り出しのために利用されるシステムも有している。
【0008】
1つの例は米国特許第875950号明細書に見い出すことができる。その特許では、循環する波動の水平成分のために、多くの作動部は前後方向の力を受ける。米国特許第875950号明細書による作動部は、その運動が1つ以上の水圧ラムによって減衰されるので、自由に振動しない。1つ以上の水圧ラムは、圧力下にある海水を作動部の移動によって集合パイプに押し込む。この集合パイプはタービンに通じており、圧力下にある海水がタービンを動かすために使用される。
【0009】
さらに、波の水平成分が使用される例は、WO98/17911号パンフレットに記載されている。同パンフレットは、エネルギーを取り出すために波の前方に垂直方向に配置された長方形の平面形状の作動部を備えた振動スルースバルブを有する海水発電機について記載している。その作動部は海底にヒンジによって繋がれている。
【0010】
さらに、米国特許第8484965号明細書は、波動の水平成分を使用して海の波のエネルギーを変換するための装置について記載している。その装置は、少なくとも1つの細長い支持構造と3つ以上の独立した可動作動モジュールを有し、各可動作動モジュールは作動部を伴い、作動部は波の運動によって前後に動く。支持構造及び作動部に取り付けられた動力取り出しシステムは、支持構造に対する相対的な作動部の動きによって動力を得、このようにして有用なエネルギーを生成する。有用なエネルギーは、圧力流体、圧力流体の混合物又は電力のいずれかである。
【0011】
米国特許第8484965号明細書に記載された作動部は、限られた作動長さを有するだけである。この作動長さは、動力取り出しシステムの最大ストロークによって大きく限定される。動力取り出しシステムの最大ストロークの長さは、必要性と経済性のあいだの妥協である。最適性能を果たすためには、その最大ストロークは作動中に予想される最大のストロークよりも大きくすべきである。しかし、ストロークの長さがより長くなれば、システムはより重くなり、コストはより高くなる。それゆえ、ストロークの長さは、いつもコストと実用性能のあいだの妥協である。
【0012】
波動の水平成分からエネルギーを取り出すための装置を使用するとき、作動部のドリフトが技術上の問題として浮上する。不規則な波の動きは対称ではない。それゆえ、ドリフト、すなわち、中心から1つの先端への作動部の連続的な移動が作動中に起こる。これは大きな技術上の問題である。作動部はすでに最大作動範囲の一端に向けて偏倚しているので、作動範囲の端部に達する前に短い距離を移動するだけである。最大作動長さに達すると、エネルギーの生成は終わる。さらに、作動部の自由な移動が阻止されると、移動する波の不連続な流れによって大きな力が作動部に発生する。
【0013】
いままで、調心システムを得るために唯一知られている解決手段は、システムに波の負荷が及ぼさない間は作動部を中心に向けるように、移動する作動部に機械式のスプリングを設けることであった。しかし、このシステムを実行するには、波の力を利用するように、作動スプリングによって起こされる、戻ろうとする力に対抗しなければならないので、単調で且つコストが高くつく。さらに、装着されるスプリングは高濃度の塩分を含有する海水中で使用され、疲労破壊に至るような何百万回もの荷重サイクルにさらされる。このように、作動部の調心方法を簡単かつ容易に実行し、エネルギーの生成を最適化し、望まない力の中断による大きな負荷を避けるシステムを構築するという緊急の技術上の要求がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、水の波の水平成分からエネルギーを取り出すことができる波動動力装置を提案することである。この装置の作動部は、設計限界を超えるところまで作動部が強いられる可能性を低くする調心機構を備えているので、この波動動力装置は高い波による損傷に抵抗する充分な余裕がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一面において、本発明は、水の波からエネルギーを取り出す波動動力装置に関する。この波動動力装置は、実質的に静止した部材と、実質的に静止した部材に直接又は間接的に連結されて、波の力が作用すると実質的に静止した部材に対して相対的に移動するように構成されている作動部とを有し、上記作動部は、実質的に静止した部材の所定の中心から実質的に静止した部材の長手軸に対して平行に移動するように構成され、上記移動方向は互いに反対である2方向の一つである。
【0016】
波動動力装置は、実質的に静止した部材2の長手軸に沿って各作動部11の周りに好ましくは対称に配置された少なくとも2つの水圧ラムを有し、少なくとも2つの水圧ラムの各々は、
ベースセクション、少なくとも1つのパイプセクション及び中央セクションを有し、中央セクションはパイプセクションの内側と外側にスライドするように構成され、パイプセクションはベースセクションの内側と外側にスライドするように構成され、上記セクションは密閉空間を有し、上記セクションが互いに内側と外側にスライドするとき、上記セクションの容積が減少又は増加し、
水圧ラムの長さが増加するとき、水圧ラム内の密閉空間に水を導入するためのバルブを有する入口を有し、
水圧ラムの長さが減少するとき、水圧ラム内の密閉空間から圧力水を好ましくは圧力パイプ内に排出するように構成されているバルブを有する出口を有し、
ベースセクション又は中央セクションの一方は実質的に静止した部材の所定の位置に固定され、ベースセクション又は中央セクションの他方は作動部に直接又は間接的に連結され、
作動部が実質的に静止した部材に対して相対的に移動するとき、
移動する作動部が水圧ラムの長さを減少するとき、少なくとも2つの水圧ラムの少なくとも1つの水圧ラムの有効水圧面積は段階的に増加し、
移動する作動部が水圧ラムの長さを増加するとき、少なくとも2つの水圧ラムの少なくとも1つの水圧ラムの有効水圧面積は段階的に減少する。
【0017】
実質的に静止した部材
実質的に静止した部材は、WO2010/031405号パンフレットに記載されている。実質的に静止した部材は、好ましくは実質的に真っ直ぐである。しかし、少なくともある距離にわたって作動部が実質的に静止した部材の長手軸に沿って移動することができるように作動部が装着されているものは、多少曲線部を備えることができる。ある作動条件,例えば、強い交差流において、実質的に静止した部材は、僅かに曲線形状となる。
【0018】
用語“実質的に静止した部材”は、複数の作動部が実質的に静止した部材の長手軸に沿って相対的に移動するとき、実質的に静止した部材が実質的に静止したままであることを意味する。
【0019】
実質的に静止した部材の長手軸は、実質的に静止した部材の長さ方向に実質的に平行である軸を意味する。
【0020】
実質的に静止した部材は、参照構造を備えた波動動力装置を提供することを主な目的とする。実質的に静止した部材は、それゆえ、一実施形態において、実質的に剛性である。一実施形態において、実質的に静止した部材は、僅かに屈曲可能及び/又は、例えばアコーディオンのような折り畳み構造を有することによって、長さ方向に伸びたり、折り畳まれることが可能である。一実施形態において、実質的に静止した部材は、配置する前に機械的に連結することができるモジュールからなる。好ましい実施形態において、実質的に静止した部材は、搬送が容易なように折り畳み可能か又は巻き取り可能である1つ又は複数の部材から作製される。
【0021】
いくらかの実施形態において、実質的に静止した部材は水中に水平に配置される。そこで、波の力が作動部に作用するとき、作動部は水平の長手軸に沿って移動する。いくらかの実施形態において、実質的に静止した部材は、圧力パイプ又は鋼ケーブルのようなパイプである。
【0022】
いくらかの実施形態において、実質的に静止した部材は、好ましくは実質的に静止した部材の各端部に配置された少なくとも2つのブイによって、水中に浮遊する。いくらかの実施形態において、実質的に静止した部材は、好ましくは実質的に静止した部材の各端部に配置された少なくとも2つの係留チェーンによって静止したままである。各係留チェーンは、錨に連結されるか若しくは実質的に静止した部材の下方の底部表面に締結されるか又は岸辺に締結される。しかし、実質的に静止した部材は、当業者が考えることができる、いずれの手段によっても水中に静止することができる。
【0023】
作動部
本発明による作動部は、米国特許第875950号明細書、WO98/17911号パンフレット及びWO2010/031405号パンフレットに記載されており、実質的に静止した部材の長手軸に沿って移動するように強制される。作動部は実質的に垂直であり、波による水の動きの水平成分による影響が支配的である。作動部は、実質的に静止した部材の長手軸に対して直角をなす実質的に対称である対称平面を伴うことが好ましい。このように作動部を配置することによって、実質的に静止した部材に及ぼす作動部によるトルクは最少にされ、実質的に静止した部材を軽く、安価にする。いくらかの実施形態において、作動部は、実質的に静止した部材の長手軸に対して直角をなす、水中に垂直に配置されたプレートである。
【0024】
好ましい実施形態において、波動動力装置は複数の作動部を有する。波動動力装置は、原則的に、好ましくは多くの作動部を有する。一般的に、波動動力装置に付加される合計力が比較的小さくなるように、作動部の数量及び配置を選択するのが好ましい。波動動力装置が使用されるとき、3つ以上の作動部を配置することによって、作動部によって引き起こされる相互に振動する力は互いに同調しない。それゆえ、係留に影響を及ぼす合計力を低く維持することが可能である。
【0025】
1つ以上の作動部の抵抗表面面積を変えるという選択とともに、損傷に至る外力又は過度の摩耗を避けるために、合計力はさらに調整される。多数の作動部を選択するとき、作動部が互いにあまり接近しているならば作動部の要素が効率的に働かないので、波動動力装置の利用可能な空間について考慮すべきである。
【0026】
しかし、本願における教示及び波についての一般的な知識に基づいて、当業者は任意の適用条件において作動する数量を選択することができる。一実施形態において、波動動力装置は、少なくとも3つの作動部、少なくとも6つの作動部、少なくとも10の作動部、少なくとも12の作動部、少なくとも24の作動部を有する。いくらかの実施形態において、実質的に静止した部材が作動部を貫通しており、好ましくは作動部の中心を貫通している。このように、作動部は実質的に静止した部材によって貫通された孔を有する。
【0027】
いくらかの実施形態において、作動部は、作動フレーム及び実質的に静止した部材上を走行するように適合された車輪のような作動部の移動を安定及び容易にするための手段に連結されている。そこで、波の力が作動部に作用するとき、作動部は実質的に静止した部材の長手軸に沿って滑らかに移動する。いくらかの実施形態において、作動部及び作動フレームは実質的に静止した部材に連結された作動モジュールに装着されている。
【0028】
各作動部は、実質的に静止した部材の長手軸に沿って最大移動長さを有するように構成されている。上記最大移動長さは、作動部が中心にあるとき、作動部のまわりに対称に配置された少なくとも2つの水圧ラムのストロ-ク長さと、上記少なくとも2つの対称な水圧ラムの圧縮のレベルによって定めることができる。いくらかの実施形態において、作動部の最大移動長さは、水圧ラムが完全に伸長したとき、少なくとも2つの水圧ラムの中の少なくとも1つの水圧ラムの長さからその水圧ラムのベースセクションの長さを引いたものである。システムの設計によって、作動部は、同じか又は異なる最大移動距離を有する。作動部が実質的に静止した部材の長手軸に沿って最大移動長さを有するという事実は、それぞれの作動部は、必要とされる量の力を備えているならば、最大移動長さを移動することができることであると解すべきである。しかし、作動中の実際の移動長さは実際の波の条件に依存し、作動部が、圧力水を生成する、最大移動長さの全長にわたって移動することは必要でない。
【0029】
最適な使用のためには、実質的にすべてが抵抗要素である、作動部の約半分のような少なくとも2つの作動部の最大移動長さは、少なくとも約1mであり、少なくとも約5mであり、少なくとも約10mであることが好ましい。しかし、原則的に、最大移動長さの上限はない。もし、最大移動長さが非常に大きいならば、取り出されるエネルギーを増加することなく、単にコストの上昇を招く。
【0030】
水圧ラム
断面が変化する水圧ラムの組み合せも本発明の範囲に含まれる。好ましい実施形態において、個数が1、2、3、4又は5の水圧ラムであるとき、作動部は2個の水圧ラムに直接又は間接的に対称に連結され、好ましくは、作動部が中心位置、例えば平衡位置にあるとき、作動部に及ぼす荷重が中心の周りに対称であるように、作動部は自動調心である。好ましい実施形態において、作動部が中心位置にあるとき、少なくとも2つの水圧ラムは部分的に圧縮される。ある方向に作動部を移動させるために必要とされる力は、その反対方向に作動部を移動させるために必要とされる力と同じである。いくらかの実施形態において、作動部が中心位置にあるとき、少なくとも2つの水圧ラムは圧縮されて、水圧ラムの長さはその全長の半分になる。
【0031】
水圧ラムは、ベースセクション、少なくとも1つのパイプセクション及び中央セクションを有している。いくらかの実施形態において、ベースセクション、少なくとも1つのパイプセクション及び中央セクションはシリンダである。用語シリンダは、本願において一般的な用語として使用され、円形断面を有するものに限定されない。それゆえ、本願において、シリンダは、楕円形、多面形、三角形、正方形、六角形を含む、いかなる断面でもよい。
【0032】
ベースセクション及び中央セクションは、それぞれ開放端および閉鎖端を有している。一方、少なくとも1つのパイプセクションは2つの開放端を有している。中央セクションは金属の中実の棒又は他の形状であり、水圧ラムに組み込んだときに最少のクリアランスを有するパイプセクションにぴったりとはまる。
【0033】
いくらかの実施形態において、少なくとも2つの水圧ラムは、1つより多くのパイプセクション、2つのパイプセクション、3つのパイプセクション、4つのパイプセクション、5つのパイプセクション、6つのパイプセクション、7つのパイプセクション、8つのパイプセクション、9つのパイプセクション又は10のパイプセクションを有する。理論的に水圧ラムはいかなる数量のパイプセクションを有することができるけれども、水圧ラムに含まれるパイプセクションの数量は、実際上の理由によって、好ましくは1から10までである。いくらかの実施形態において、少なくとも2つの水圧ラムは伸縮自在の水圧ラムである。
【0034】
実質的に静止した部材に対する水圧ラムの機械的な連結は、水圧ラムのベースセクション又は中央セクションに配置された1つ以上の連結点においてされる。作動部及び静止した部材は水圧ラムを通して部分的又は完全に相互に作用する。いくらかの実施形態において、水圧ラムの一端は静止した部材の長手軸に沿ったある点に機械的に固定される。一方、作動部に直接又は間接的に連結される水圧ラムの他端の位置は作動部の位置によって定められる。水圧ラムを実質的に静止した部材に固定するためにブラケットを使用することができる。
【0035】
各セクションが互いに内側にスライドするとき、水圧ラムの長さ及び内側の容積は減少する。これは水圧ラムの圧縮中に起こる。各セクションが互いに外側にスライドするとき、水圧ラムの長さ及び内側の容積は増加する。これは水圧ラムの伸長中に起こる。
【0036】
水圧ラムの圧縮時に、最小の水圧断面を備えたセクション、例えば、中央セクションがまず作動し、完全に圧縮されるまで作動状態にある。その後、2番目に小さい断面、例えば、パイプセクションが圧縮し、水圧ラムが完全に圧縮されるまで続く。もし水圧ラムが圧力に抗して作動すれば、その作動の結果、水圧ラムによって生成される力は圧縮シーケンスを通して徐々に大きくなる。
【0037】
水圧ラムが完全に伸長し、圧縮力が中央セクションの中心軸に沿って作用するとき、その圧縮力は中央セクションから水圧ラム内の流体に伝達され、水圧ラム内側の圧力が増す。もし水圧ラム内の圧力が排出圧力を超えれば、中央セクションはアセンブリの最小パイプ内への移動を始める。中央セクションが最少パイプ内に完全に圧縮されると、中央セクションと最少パイプを有するアセンブリは、アセンブリの次のパイプ内への移動を始める。中央セクションの水圧面積に最少のパイプの水圧面積を加えたものは中央セクションのみの水圧面積よりも大きいので、もし水圧シリンダ内の圧力が一定であれば、力を増加することが必要とされる。このように、水圧ラムの有効水圧面積は、圧縮を受けながら段階的に増加する。この特徴は本発明において利用され、水圧ラムが圧縮されるとき、すなわち、作動部が一端に向けて押し付けられるとき、水圧ラムによってもたらされる力は大きくなる。
【0038】
もし水圧ラムが完全に圧縮され、中心軸に沿って引張力が付加されれば、ラムは伸張する。一般的に、ラムの水圧流体と周囲のあいだのシール部の摩擦及び差圧が伸長シーケンスを定めるので、伸長シーケンスは圧縮シーケンスに比べて充分に限定される。
【0039】
いくらかの実施形態において、2以上の水圧ラム、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の水圧ラムが各作動部のまわりに配置される。このように、水圧ラムを圧縮又は伸長するために必要とされる力は、水圧ラムの大きさを変化させずに増加される。各作動部に直接又は間接的に連結される水圧ラムの数量又は全容積は、局所的な海の条件に非常に依存する。もし水深が非常に浅ければ、水の粒子の円形運動に岸部に向かう漂流物が伴われる。そのような条件のもとで、水圧ラムの実用的な配置は、岸部に向かって水圧ラムを移動させるために必要とされる力が、反対方向に水圧ラムを移動させるために必要とされる力よりも大きいようなものである。例えば、2つの水圧ラムのようないくらかの水圧ラムが作動部の第一の側に配置され、3つの水圧ラムのような別のいくらかの水圧ラムが作動部の第二の側に配置されるような場合、3つの水圧ラムを圧縮するために必要とされる力は2つの水圧ラムを圧縮するために必要とされる力よりも大きい。そのような配置は、水粒子の支配的な方向を伴う水、例えば、岸部に近い波において有利である。
【0040】
密閉手段及びロッキング手段
水圧ラムは、密閉手段及び/又はロッキング手段を有する。いくらかの実施形態において、各水圧ラムのセクションは密閉手段を有する。その密閉手段があることによって、水圧ラムの入口及び出口以外の手段では水圧ラム内に水が浸入せず、また、水圧ラムから水が排出されない。
【0041】
いくらかの実施形態において、各水圧ラムの有効水圧面積の段階的な減少及び/又は増加は、磁気式ロッキング手段、機械式ロッキング手段、水圧式ロッキング手段又はこれらの組み合せのようなロッキング手段によってコントロールされる。
【0042】
伸長中に最大有効面積がいつも作動するように、水圧ラムの圧縮及び/又は伸長がプログラムされることを保証するロッキング手段が水圧ラムに取り付けられている。この伸長をコントロールするための手段は、摩擦方式、機械式ロッキング、電気機械式ロッキング、電磁式ロッキング、磁気式ロッキング又は水圧手段を含むが、これらに限定されない。
【0043】
好ましい実施形態において、ロッキング手段は磁気カップリングである。最も強いカップリングは、水圧アセンブリの中央セクションと最少パイプの間である。さらに、その次に強い磁気カップリングは、第一パイプ要素と第二パイプ要素の間などである。同様に、好ましい実施形態において、ロッキング手段は、正確な離脱シーケンスが確保されるように強度を変えることができるか又は幾何学的にインターロックされる機械式ロッキングである。同様に、好ましい実施形態において、ロッキング手段は、水圧ラムアセンブリ内において密閉された容積のあいだの圧力差によって起こされる力に基づいている。ロッキング手段は、水圧ラムにおけるパイプセクション、好ましくはすべてのパイプセクションに適用することができる。すべてのパイプセクションは、同じロッキング手段を使用してロックすることができる。また、異なるロッキング手段を、同じ水圧ラムに使用することができる。
【0044】
少なくとも2つの水圧ラムは、作動部が移動するとき、バルブを有する出口を通って押し出される圧力水を圧力パイプ内に導入するように構成されている。いくらかの実施形態において、各水圧ラムの出口は、作動部が移動するとき、圧力水を受け入れるように構成されている圧力パイプに連結されている。いくらかの実施形態において、圧力パイプは、すべての水圧ラムのような多くの水圧ラムの出口に連結されている。いくらかの実施形態において、圧力パイプは、圧力水を電気エネルギーのようなエネルギーに変換することができるタービンに連結されている。いくらかの実施形態において、圧力パイプは逆浸透フィルターに連結されており、このように、圧力水から淡水を製造することができる。圧力パイプは、作動部を貫通することができる。
【0045】
本発明は、本明細書に記載した波動動力装置を使用して、水の波からエネルギーを取り出すための方法に関する。本発明は、さらに、本明細書に記載した波動動力装置を有する、水の波からエネルギーを取り出すためのシステムに関する。
【0046】
本発明の波動動力装置は、水の波から大量のエネルギーを取り出すが、力を停止することによって装置への意図しない負荷がかかるのを最少にするか又は避けることができる、新規な方法を提供する。それによって、使用される装置の寿命を長くすることができる。さらに、そのシステムは、戻りばねを使用しなくてよいので、それらのばねを支持するための構造及び戻りばねを必要としなくなる。
【0047】
本発明まで、エネルギーを生成するために水の波の水平成分を使用するときの障害は、不規則な波に伴われる水平方向の力が大きく変化することによって作動部が絶え間なく動くことにあった。それゆえ、エネルギーを生成するために水の波の水平成分を使用する波動動力装置は、作動部を中央位置に押し込むためのパッシブスプリングを伴うものであった。上記パッシブスプリングは、システムの損傷の危険性を増加するとともに実質的にコストを高くし、複雑さを付加するものであった。本発明によって、戻りバネを除くことができる。それによって、システムをより軽量にし、より安価にし、同時に疲労破壊に対してより強くなる。さらに、本発明による動力取り出しシステムは、作動部の位置に応じた力を作動部に及ぼすので、本発明は小さい波のエネルギーをより効果的に取り入れることができる。
【0048】
詳細な説明と具体的な実施例は本発明を説明するためだけのものであり、本発明の趣旨及ぶ範囲内における様々な変形及び修正は、詳細な説明から当業者に明らかであることは理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本発明の波動動力装置の実施形態について、添付図面とともにより詳細に記載する。図面は、特許請求の範囲内に含まれる限り、他の可能な実施形態を制限するものではないと解すべきである。
【0050】
図1は、本発明の一実施形態の波動動力装置の概略図である。
【0051】
図2は、多数の実質的に静止した部材2及び複数の作動部11を有する波工場の上面の概略図である。
【0052】
図3は、本発明の好ましい実施形態の波動動力装置の概略図である。
【0053】
図4(a)は本発明の一実施形態の水圧ラムを分解した概略側面図であり、
図4(b)は本発明の一実施形態の水圧ラムを組み立てた概略側面図である。
【0054】
図5は、水圧ラムの入口と出口の異なる実施形態の概略図である。
【0055】
図6は、本発明の一実施形態の水圧ラムが完全に伸長した状態及び部分的に圧縮した異なる状態(b、c、d、e)を示す概略図である。
【0056】
図7(a)(b)(c)は本発明の水圧ラムが完全に伸長した状態の異なる実施形態を三次元的に示す概略図である。
【0057】
図8(a)(b)(c)は本発明の作動部の異なる実施形態を三次元的に示す概略図である。
【0058】
図9(a)(b)(c)は本発明の水圧ラムを使用することができるロッキング手段の異なる実施形態の概略図である。
【0059】
図10は、水圧ラムが異なる圧縮位置にある、本発明の波動動力装置の概略図である。
【0060】
図11(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)(h)は、本発明の波動動力装置の実質的に静止した部材に対する作動部及び水圧ラムの異なる相対的な配置を示す概略図である。
【0061】
図12(a)(b)は本発明の波動動力装置の2つの実施形態の概略図であり、作動部は、作動部の移動を安定及び容易にするための手段28に連結されている。
【0062】
図13(a)(b)は本発明の波動動力装置の一実施形態の概略図であり、作動部は直接又は間接的に2つの実質的に静止した部材に連結されている。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、本発明の一実施形態の波動動力装置の概略図である。実質的に静止した部材は、2つのブイ3、2つの係留チェーン4及び2つの錨5によって水中に静止している。実質的に静止した部材2には4つの作動モジュール1が取り付けられている。各作動モジュールは、作動部11、実質的に静止した部材2の長手軸に沿って作動部の移動を安定及び容易にするための手段28、及び各作動部の周りに対称に配置された2つの水圧ラム14a、14bを有している。
【0064】
作動部11は板状構造であり、波の動きの振動によって前後に押される。作動部を前後に押す力の他に、作動部は波の動きの非一様性による非対称の負荷を受ける。非対称の負荷を処理するために、作動部11は、実質的に静止した部材2の上を走行する車輪28c(
図3参照)を含む作動フレーム28aに装着されている。作動部の移動から有用なエネルギーを取り出すために、各作動部の端部は水圧ラム14の一端に直接又は間接的に連結されており、水圧ラム自身の他端は実質的に静止した部材2に固定されている。
【0065】
使用時において、作動部11は前後に動き、作動部11に働く力は静止した構造上の水圧ラムに伝達される。作動部が静止した構造の長手軸に沿って移動するとき、ある水圧ラムが圧縮され、別の水圧ラムは伸張される。水圧ラムの圧縮のあいだ、圧力水は水圧ラム14内で生成され、その圧力水は各水圧ラム14の出口24から圧力パイプ6に移送され、図示しないタービンに供給される。そのタービンは圧力水を電気エネルギーのようなエネルギーに変換することができる。
【0066】
システムを装着するとき、錨5が配置された後、まず、各チェーン4の一端を錨5に取り付け、各チェーン4の他端をブイ3に取り付ける。その後、実質的に静止した部材2をブイ3の間にたるみなく張りつけて、張力を付加した状態にし、実質的に静止した部材2をその位置に固定する。それから、圧力パイプ6をその構造に取り付け、各水圧ラム14の出口に連結することによって作動モジュールへの装着を容易にする。実質的に静止した部材2を固定した後、作動モジュールを取り付ける。いくらかの使用条件のもとで、作動モジュールの取り替えは作動フレーム28aの離脱だけでなく、装着点からの水圧ラム14の離脱も必要とするので、装着手段はやっかいである。作動モジュールをより簡単に取り替えて修理するために、作動部11、作動フレーム28a及び水圧ラム14を作動モジュール1に装着することは都合がよく、その装着と離脱を簡単に効率的にする。
【0067】
図2は、実質的に静止した部材の各々に沿って作用する複数の作動部11を有する多数の実質的に静止した部材2を有する波工場の上面を示す。圧力パイプ6a、6b、6cは、圧力水を同じ圧力パイプ7に供給し、圧力パイプ7は圧力水を集めてタービン8に移送する。
図2には、局部的な海洋条件又は他の作動条件が影響するとき、交差流を処理するための補助的な錨5bが示されている。
【0068】
図3は、実質的に静止した部材2及び実質的に静止した部材2が貫通する板状の作動部11を有する波動動力装置を示している。板状の作動部11は、波の力が作動部11に作用するとき、実質的に静止した部材2に対して相対的に移動するように構成されている。具体的には、作動部11は、実質的に静止した部材2上の所定の中心19から、実質的に静止した部材2の長手軸18に対して移動する2つの方向が互いに反対になるように、長手軸18に対して平行に移動するように構成されている。
【0069】
波動動力装置は、実質的に静止した部材2の長手軸18に沿って作動部11のまわりに対称に配置された2つの水圧ラム14a、14bを有する。
【0070】
図3に示す2つの水圧ラム14a、14bは、各々5つのセクションを有している。5つのセクションは、ベースセクション144、3つのパイプセクション143a、143b、143c及び中央セクション142である。水圧ラム14a、14bの長さ23が増加するとき(入口及びバルブは図示せず)、水圧ラム14a、14b内の囲まれた空間20内に水を導入するために、2つの水圧ラム14a、14bは、各々バルブ22を有する入口21を有する。水圧ラム14a、14bの長さ23が減少するとき(バルブは図示せず)、水圧ラム14a、14b内の囲まれた空間20から圧力水を排出するために、2つの水圧ラム14a、14bは、各々バルブ25を有する出口24を有する。
【0071】
水圧ラムのベースセクション144は、実質的に静止した部材2上の所定の位置26に固定されている。中央セクション142は、車輪28cを有する作動フレーム28aを経て板状の作動部11に間接的に連結されている。作動フレーム28aの作用は、作動部11を安定化することである。車輪28cの作用は、実質的に静止した部材2に沿って作動部11の移動を容易にすることである。水圧ラム14の長さ23が全長の半分からベースセクション144の長さを引いた分になるように、2つの水圧ラム14は圧縮され、作動部11はその中心19にある。このように、作動部11をある方向に移動させるために必要とされる力は、作動部11を反対方向に移動させるために必要とされる力と同じである。波の力が作動部11に作用するとき、作動部11は実質的に静止した部材2に対して相対的に移動する。
【0072】
図4(a)は本発明の一実施形態の水圧ラム14を分解した概略側面図であり、
図4(b)は本発明の一実施形態の水圧ラム14を組み立てた概略側面図である。
【0073】
本発明の水圧ラム14は、ベースセクション144、パイプセクション143及び中央セクション142を含む少なくとも3つのセクションを有している。水圧ラム14は、2つから10のあいだの2つ以上のパイプセクション143を有する。理論的には、本発明の水圧ラム14は、10超のパイプセクション143を有する。水圧ラムが2以上のパイプセクション143を有するとき、最大のパイプセクションは第一パイプセクション143aと呼ばれ、二番目に大きいパイプセクションは第二パイプセクション143bと呼ばれる。
【0074】
図4(a)において、分解された水圧ラム14は、5つのセクション144、143、142を有しており、5つのセクションは、ベースセクション144、3つのパイプセクション143a、143b、143c、及び中央セクション142である。ベースセクション144は1つの閉鎖端31と1つの開放端30(点線で示す)を有しており、パイプセクション143は2つの開放端30を有しており、中央セクション142は1つの開放端30と1つの閉鎖端31を有している。
【0075】
水圧ラム14のセクション144、143、142は密閉手段33を有している。密閉手段33は組み立てた水圧ラム14内の空間20を密閉して、水圧ラムの入口及び出口を通してのみ、水圧ラム14内に水を導入したり、水圧ラム14から水を排出することができる。密閉手段33は各セクションを固定して、セクションが組み立てられれば、スライドして離れるのを防止する。そのような密閉手段33は
図4(a)に示されているが、また当業者は他の形式の密閉手段33を想起することもできる。
【0076】
ベースセクション144は第一パイプセクション143aを受け入れるように構成されており、第一パイプセクション143aはベースセクション144内にスライドしたり、ベースセクション144外にスライドするように構成されている。同じように、第一パイプセクション143aは第二パイプセクション143bを受け入れるように構成されており、第二パイプセクション143bは第一パイプセクション143a内にスライドしたり、第一パイプセクション143a外にスライドするように構成されている。第二パイプセクション143bは第三パイプセクション143cを受け入れるように構成されており、第三パイプセクション143cは第二パイプセクション143b内にスライドしたり、第二パイプセクション143b外にスライドするように構成されている。第三パイプセクション143cは中央セクション142を受け入れるように構成されており、中央セクション142は第三パイプセクション143c内にスライドしたり、第三パイプセクション143c外にスライドするように構成されている。
【0077】
ベースセクションは、さらに、入口21と出口24を有している。入口21は、バルブ22を有している。バルブ22は、水圧ラム14の長さが増加するとき、水圧ラム14内に水を導入するように構成されている。出口24は、バルブ25を有している。バルブ25は、水圧ラム14の長さが減少するとき、水圧ラム14から水を排出するように構成されている。理論的に、いずれのセクションも入口21及び/又は出口24を有することができる。
【0078】
図4(b)は、
図4(a)に示すセクション144、143a、143b、143c、142を組み立てた水圧ラムを示している。水圧ラム14が組み立てられるとき、セクション144、143a、143b、143c、142は、いっしょになって、ある容積を有する密閉空間20を囲む。入口21を通して水圧ラム14内に水を導入したり、出口24を通して水圧ラム14から水を排出したりする。
【0079】
図5は、水圧ラムのベースセクションの入口21と出口24の異なる実施形態を示す。外側のバルブが使用されれば、入口と出口は組み合される。詳しくは、本発明のすべての水圧ラム14は入口21及び/又は出口24を備えている。
【0080】
図6は、水圧ラムが完全に伸長した状態(a)及び部分的に圧縮した異なる状態(b、c、d、e)を示す。
【0081】
5つのセクションを備えた水圧ラム14が完全に伸長した状態(a)の圧縮は、4つのステップ(aからb、bからc、cからd及びdからe)を有する。第一圧縮ステップ(aからb)において、中央セクション142が第三パイプセクション143c内にスライドするが、他のセクションは移動しないので、水圧ラム内の容積は減少する。中央セクション142が第三パイプセクション143内にさらにスライドできないとき、第二圧縮ステップ(bからc)が始まり、第三パイプセクション143cが第二パイプセクション143b内にスライドする。第二圧縮ステップにおいて必要とされる力は、有効水圧面積が増加するので、第一圧縮ステップにおいて必要とされる力よりも大きい。第三パイプセクション143cが第二パイプセクション143b内にさらにスライドできないとき、第三圧縮ステップ(cからd)が始まり、第二パイプセクション143bが第一パイプセクション143a内にスライドする。第三圧縮ステップにおいて必要とされる力は、有効水圧面積が増加するので、第二圧縮ステップにおいて必要とされる力よりも大きい。第二パイプセクション143bが第一パイプセクション143a内にさらにスライドできないとき、第四圧縮ステップ(dからe)が始まり、第一パイプセクション143aがベースセクション144内にスライドする。第四圧縮ステップにおいて必要とされる力は、有効水圧面積が増加するので、第三圧縮ステップにおいて必要とされる力よりも大きい。水圧ラムを圧縮するために必要とされる力は、作動部に作用する波の力によって提供される。
【0082】
同じように、水圧ラムが完全に圧縮した状態(e)の完全な伸長は、4つのステップ(eからd、dからc、cからb及びbからa)を有する。水圧ラムを伸長するために必要とされる力は、水圧ラムが圧縮されるときに作動部に作用する波の力と反対方向の波の力が作動部に作用することによって提供される。水圧ラムを
図6に記載したステップに従って伸長するために、水圧ラム14はさらにロッキング手段27を有する。
【0083】
図7(a)(b)(c)は本発明の水圧ラム14が完全に伸長した状態の異なる実施形態を三次元的に示す。
【0084】
図7(a)に示す水圧ラム14は、5つのセクション144、143a、143b、143c、142を有している。各セクションは、ある長さとある断面を有するシリンダである。
図7(a)に示すシリンダは、円形断面を有している。しかし、本発明の水圧ラム14のシリンダは、正方形断面又は六角形断面のような多角形断面を有してもよい。
図7(b)は、ベースセクション144、2つのパイプセクション143a、143b及び中央セクション142からなる4つのセクションを有する水圧ラム14を三次元的に示す。これらすべてのセクションは六角形断面を有している。
図7(c)は、ベースセクション144、パイプセクション143及び中央セクション142からなる3つのセクションを有する水圧ラム14を三次元的に示す。これらすべてのセクションは正方形断面を有している。水圧ラム14が完全に伸長した状態の容積は、セクションの長さ及び直径とともにセクションの数量によるが、これら長さ、直径及び数量は望まれる使用態様に応じて変化する。
【0085】
図8(a)(b)(c)は本発明の作動部11の異なる実施形態を三次元的に示す。
図8(a)は、正方形の板状構造を有する作動部11の実施形態を示す。しかし、作動部は、円形又は六角形のような多角形を含む他の形を有してもよい。重要なことは、波が作動部11を移動させるために十分な力を発揮することが可能な表面積を作動部11が有することである。
図8(b)は、実質的に静止した部材2が貫通するように構成されている作動部11の実施形態を示す。作動部11は六角形の板状構造であり、作動部の中心に、作動部11を貫通する孔34を有している。このように、波の力が作動部11に作用するとき、糸を通した真珠のように、作動部11は実質的に静止した部材2に対して相対的に移動することができる。
図8(c)は、本発明の作動部11の側面図である。この側面図は、作動部11を説明するために、全図において使用される。
【0086】
図9(a)(b)(c)は本発明の水圧ラム14とともに使用することができるロッキング手段27を示す。このロッキング手段27は、磁気式ロッキング手段(
図9(a))、水圧式ロッキング手段(
図9(b))、機械式ロッキング手段(
図9(c))又はそれらの組み合せからなる。
図9(a)は、磁気式ロッキング手段27を有する水圧ラムの伸長シーケンスを示す。磁気式ロッキング手段の利点は、次のセクションが始まる前に、最大有効パイプセクションがいつも完全に伸長されるように、伸長セクションをコントロールできることである。
図9(b)は水圧式ロッキング手段が使用されているが、
図9(a)に示すシーケンスと類似する伸長シーケンスが示されている。
図9(b)において、パイプセクションが隔壁を備えており、隔壁の中心に孔があいていることに注目すべきである。さらに、中央セクション142は、隔壁の孔にフィットするように伸長する。水圧ラムが完全に圧縮されるとき、中央セクション142は伸張して隔壁の孔を閉塞し、図示された容積Vが密閉される。中央セクション142がベースセクション144から引き離されるとき、その運動によって容積Vを僅かに拡大し、それによって容積V内の圧力を減少し、結果として隔壁に圧力差を生じる。この圧力差は隔壁に対して力を及ぼし、隔壁を押すので、パイプセクション143の全体を中央セクション142の方に押しやる。これによって、中央セクション142がパイプセクション143を有効にロックする。パイプセクション143及び中央セクション142は、パイプセクション143が最大限伸長するまで、ともに移動する。中央セクション142が隔壁の孔から押し出され、パイプセクション143が最大限伸長するまで中央セクション142は移動し、容積V内の圧力は開放される。隔壁の孔又は中央セクションの押し出し部は、シール、ゴムリップ又は弾性コーティングのような密封性を改善するための手段を有している。図に示す水圧式ロッキング手段は単一の孔及び単一の押し出し部に基づいているけれども、好ましくは、多数の孔及び複数の押し出し部が使用できる。密封システムの有効性及び特徴に応じて、隔壁には1つ以上の一方向バルブを装着することができ、水圧ラムの圧縮中における容積V内の過度の圧力を開放することができる。
【0087】
図9(c)は機械式ロッキング手段が使用されているが、
図9(a)及び(b)に示すシーケンスと類似する伸長シーケンスが示されている。
【0088】
図10は、2つの水圧ラムが異なる圧縮位置にある、本発明の波動動力装置の一実施形態を示す。
図10a)、b)、c)、d)及びe)に示す波動動力装置は、実質的に静止した部材2及び実質的に静止した部材2が貫通している作動部11を有している。作動部11は作動部11の周りに対称に配置された、2つの水圧ラム14a及び14bに直接連結されている。各水圧ラムは、ベースセクション144、3つのパイプセクション143a、143b、143c及び中央セクション142からなる5つのセクションを有している。ベースセクションは入口及び出口(図示せず)を有している。作動部11は、各水圧ラム14a、14bの中央セクション144に直接連結されており、ベースセクションは、実質的に静止した部材2上の所定の位置26に固定されている。
【0089】
図10(c)において、作動部11は実質的に静止した部材2上の中心19にある。2つの水圧ラム14a、14bは圧縮されて、その長さは全長の半分の長さからベースセクションの長さを引いた分になる。このように、作動部11をある方向に移動させるために必要とされる力は、作動部11を反対方向に移動させるために必要とされる力と同じである。波の力が作動部11に対してある方向に作用するとき、作動部11は実質的に静止した部材2に対して相対的に移動する。作動部がある方向に移動するとき(
図10c)から
図10d)及び
図10d)から
図10e)、作動部は左に移動する)、2つの水圧ラム14a、14bの一方の水圧ラム14aの有効水圧面積は、移動する作動部11が水圧ラム14aの長さを減少するので、段階的に増加する。2つの水圧ラム14a、14bの他方の水圧ラム14bの有効水圧面積は、移動する作動部11が水圧ラム14bの長さを増加するので、段階的に減少する。作動部が反対方向に移動するとき(
図10c)から
図10b)及び
図10b)から
図10a)、作動部は右に移動する)、2つの水圧ラム14a、14bの一方の水圧ラム14bの有効水圧面積は、移動する作動部11が水圧ラム14bの長さを減少するので、段階的に増加する。2つの水圧ラム14a、14bの他方の水圧ラム14aの有効水圧面積は、移動する作動部11が水圧ラム14aの長さを増加するので、段階的に減少する。
【0090】
このように、作動部を移動させるために必要とされる力は、水圧ラムを伸長して圧縮するために十分に強いことが必要である。少なくとも2つの水圧ラムは、他方の水圧ラムの有効水圧面積が段階的に減少するとき、一方の水圧ラムの有効水圧面積が段階的に増加するように変化する有効水圧面積を有している。水圧ラム14を中心19から端部位置まで移動させるために必要とされる力は、水圧ラム14が一方の端部位置まで移動するとき増加し、作動部11を反対方向(中心19に向かって)に移動させるために必要とされる力は、作動部11が中心に戻るまで段階的に減少する。もし力が反対方向に付加されれば、同じことが起こる。このように、本発明の波動動力装置は、作動部11に及ぼされる力がその中心、例えば、中心19の周りに対称であるように、作動部11が中心に戻ることを容易にする。
【0091】
作動部11の最大移動長さ29は、水圧ラムが完全に伸長したとき、2つの水圧ラム14a、14bの一方の水圧ラムの長さから、その水圧ラムのベースセクションの長さを引いたものである。作動部が移動するとき、2つの水圧ラム14a、14bの一方の水圧ラムは圧縮されて、その水圧ラムの内側に圧力水を生成する。この圧力水は出口24のバルブ25を押して圧力パイプ6内に排出される。この圧力水はタービンに供給され、圧力水は電気エネルギー(図示せず)のようなエネルギーに変換される。
【0092】
図11(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)(h)は、本発明の波動動力装置の実質的に静止した部材2に対する作動部11及び水圧ラム14の異なる相対な配置を示す。
【0093】
いくらかの実施形態において、作動部11は少なくとも2つの水圧ラムの中央セクション142に直接連結されている(
図11(a)、(b)、(c))。
【0094】
いくらかの実施形態において、作動部11は、実質的に静止した部材2によって貫通されるように、好ましくは作動部11の真ん中が貫通されるように(
図11(a)、(c)、(e)、(f)、(g))、実質的に静止した部材2に直接連結されている。いくらかの実施形態において、作動部11は、2つの水圧ラム14を介して、実質的に静止した部材2に間接的に連結されている(
図11(b))。いくらかの実施形態において、剛性部材を介して作動部と2つの水圧ラム14a、14bを連結するように、作動部11は実質的に静止した部材及び2つの水圧ラムに対して間接的に連結されている(
図11(d)、(h))。
【0095】
いくらかの実施形態において、2つの水圧ラムのベースセクション144は、作動部11に直接又は間接的に連結されており、一方、中央セクション142は実質的に静止した部材2上のある点に固定されている(
図11(e))。いくらかの実施形態において、波動動力装置は2つより多くの水圧ラムを有している(
図11(f)、(g))。いくらかの実施形態において、1つより多くの作動部11が2つの水圧ラムに間接的に連結されている(
図11(h))。いくらかの実施形態において、実質的に静止した部材2は、鋼製ケーブルに取り付けられた支持フレームに取り付けられている(
図11(c))。労力を節約するために、支持フレームの利用は、鋼製ケーブルに対する横方向の負荷及びトルクを最少にするという構造上の観点から好ましい。
【0096】
一般的に、如何なる水圧面積の水圧ラムと波動動力装置の組み合せも、作動部が中心から他の位置に移動するとき、板状の作動部に及ぼす力が大きくなるように水圧ラムが作用するものである限り、本発明において使用することができる。
【0097】
図12(a)(b)は本発明の波動動力装置の2つの実施形態を示す。作動部は、作動部の移動を安定及び容易にするための手段28に連結されている。一実施形態において、
図12(a)に示すように、作動部の移動を安定及び容易にするための手段28は、車輪28cを有する要素と作動部11を連結する剛性の金属ワイヤ28bを有する。
図12(b)に示す別の実施形態において、作動部の移動を安定及び容易にするための手段28は、作動フレーム28a及び車輪28cを有する。
【0098】
図13(a)(b)は本発明の波動動力装置の一実施形態を示す。作動部11は直接又は作動フレーム28aを介して間接的に、2つの実質的に静止した部材2に連結されている。
【0099】
多くの図面において、水圧ラム14は対称的な配置のものに限定され、作動部2によって画定される対称線のまわりに2つの水圧ラムが対称に装着されるように、作動部が取り付けられている。しかし、他の多くの配置が本発明に等しく有効である。
【0100】
本発明を特定の実施形態に関連して記載したけれども、本発明は本実施形態に限定されると解すべきではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載されている。特許請求の範囲において、“有する”とは他の可能な要素またはステップを除外するものではない。さらに、“ある”という記載は複数を除外するものではない。図に記載された要素に関する、特許請求の範囲に記載された括弧付きの参照番号は、本発明の範囲を限定するものと解すべきではない。さらに、異なる請求項に記載された個々の特徴は、組み合わせることも可能であり、異なる請求項に記載された特徴への言及は、特徴の組み合せが有利であることを除外するものではない。
【符号の説明】
【0101】
1 作動モジュール
2 実質的に静止した部材
3 ブイ
4 係留チェーン
5 錨
6 圧力パイプ
7 圧力パイプ
8 タービン
11 作動部
12 作動フレーム
13 車輪
14 水圧ラム
142 中央セクション
143 パイプセクション
144 ベースセクション
18 実質的に静止した部材の長手軸
19 実質的に静止した部材の中心
20 水圧ラム内の密閉空間
21 水圧ラムの入口
22 水圧ラムの入口バルブ
24 水圧ラムの出口
25 水圧ラムの出バルブ
26 ベースセクションが固定される、実質的に静止した部材上の位置
27 ロッキング手段
28 作動部の移動を安定及び容易にするための手段
28a 作動フレーム
28b ワイヤ
28c 車輪
29 最大移動長さ
30 水圧ラムの開放端
31 水圧ラムの閉鎖端
33 密閉手段
34 作動部を貫通する孔