(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】多開口撮像装置、撮像システム、および多開口撮像装置を提供する方法
(51)【国際特許分類】
G03B 19/07 20210101AFI20220207BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20220207BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220207BHJP
G03B 17/17 20210101ALI20220207BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20220207BHJP
G03B 35/10 20210101ALI20220207BHJP
G03B 37/00 20210101ALI20220207BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220207BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
G03B19/07
G03B5/00 J
G03B15/00 B
G03B15/00 W
G03B17/17
G03B30/00
G03B35/10
G03B37/00 A
H04N5/225 400
H04N5/225 800
H04N5/232 380
H04N5/232 480
(21)【出願番号】P 2019555943
(86)(22)【出願日】2018-04-12
(86)【国際出願番号】 EP2018059443
(87)【国際公開番号】W WO2018189321
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2019-12-09
(31)【優先権主張番号】102017206429.3
(32)【優先日】2017-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッパーマン,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ドゥパッレ,ジャック
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/029329(WO,A1)
【文献】特開2015-060048(JP,A)
【文献】特開2011-139167(JP,A)
【文献】国際公開第2017/029375(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 19/07
G03B 5/00
G03B 15/00
G03B 17/17
G03B 30/00
G03B 35/10
G03B 37/00
H04N 5/225
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)であって、
画像センサ(12)と、
光チャネル(16a~h)のアレイ(14)であって、各光チャネル(16a~h)が、前記画像センサ(12)の画像センサ領域(24a~h)に全視野(70)のうちの少なくとも1つの部分視野(72a~d)を投影するための光学系(64a~h)を含む、アレイ(14)と、
前記光チャネル(16a~h)の光路(26a~h)を偏向させるためのビーム偏向手段(18)と、を含み、
前記アレイ(14)の第1の光チャネル(16d)は、第1の全視野(70a)のうちの第1の部分視野(72d)を撮像するように構成され、前記アレイ(14)の第2の光チャネル(16c)は、前記第1の全視野(70a)のうちの第2の部分視野(72c)を撮像するように構成され、第3の光チャネル(16e)は、第2の全視野(70b)を完全に撮像するように構成され、
前記第2の全視野(70b)は、前記第1の全視野(70a)の不完全なセクションであ
るか、又はその逆であり、
前記多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)は、
前記第1の部分視野(72
d)の画像と前記第2の部分視野(72c)の画像とを組み合わせて前記第1の全視野(70a)の第1の全画像に提供し、前記第2の全視野(70b)の第2の全画像を提供するように構成された前記画像センサ領域を読み出す画像評価手段と、
前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)と、
前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿った前記アレイ(14)の前記第1の光チャネル(16
d)の画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)と、をさらに含
み、
前記第1および第2の光チャネル(16d、16c)の光学系(64d、64c)の焦点距離は異なり、前記ビーム偏向手段(18)の動きによって、前記画像センサ領域(24d、24c)上の投影の異なる変化が生じ、前記電子的画像安定化装置(41)は、前記第1の部分視野(72d)の画像の変化と前記第2の部分視野(72c)の画像の変化との間の差を補償するように構成される、多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)。
【請求項2】
前記光学的画像安定化装置(22)は、光学的画像安定化が前記部分視野(72a~d)の第1のものの画像に関連するように光学的画像安定化を実行するように構成され、前記電子的画像安定化装置(41)は、チャネル個別の方法で各光チャネル(16a~h)に対して画像安定化を実行するように構成される、請求項1に記載の多開口撮像装置。
【請求項3】
前記第1の光チャネル
(16d)の前記光学系
(64d)と前記第2の光チャネル
(16c)の前記光学系
(64c)の光学特性の第1の値は、最大10%の許容範囲内で同じであり、前記第3の光チャネル
(16e)の前記光学系
(64e)の前記光学特性の第2の値は、前記第1の値から少なくとも10%ずれている、請求項1
または2に記載の多開口撮像装置。
【請求項4】
前記光学特性は焦点距離である、請求項
3に記載の多開口撮像装置。
【請求項5】
前記ビーム偏向手段(18)は、複数のファセット(46a~d)を含み、前記第1の光チャネル(16d)は第1のファセット(46d)に割り当てられ、前記第2の光チャネル(16c)は第2のファセット(46c)に割り当てられ、前記第3の光チャネル(16e)は前記第1のファセット(46d)または第3のファセット(46e)に割り当てられる、請求項1から
4のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項6】
前記第3の光チャネル(16e)は前記第3のファセット(46e)に割り当てられ、
前記第1、第2、および第3のファセット(46d、46c、46e)は、それぞれ第1および第2の反射主面を含み、前記ビーム偏向手段(18)は、前記ビーム偏向手段(18)の第1の回転位置において、前記第1の
反射主面により前記光チャネル(16d、16c、16e)を第1の方向に偏向させるように構成され、前記ビーム偏向手段(18)の第2の回転位置において、前記第2の
反射主面により前記光チャネル(16d、16c、16e)を第2の方向に偏向させるように構成され、
前記第1および第2のファセット(46d、46c)の前記
反射主面は、第1の角度(δ
1)で互いに対して傾斜し、前記第3のファセット(46e)の前記
反射主面は、第2の角度(δ
2)で互いに対して傾斜している、請求項
5に記載の多開口撮像装置。
【請求項7】
前記第1の角度(δ
1)は前記第2の角度(δ
2)よりも小さいか、または前記第2の角度(δ
2)は前記第1の角度(δ
1)よりも小さい、請求項
6に記載の多開口撮像装置。
【請求項8】
前記第1の光チャネル(16d)は、前記画像センサ(12)の第1の画像センサ領域(24d)に前記第1の部分視野(72d)を投影するように構成され、前記第2の光チャネル(16c)は、前記画像センサ(12)の第2の画像センサ領域(24c)に前記第2の部分視野(72c)を投影するように構成され、前記第3の光チャネル(16e)は、第3の画像センサ領域(24e)に前記第2の全視野(70b)を投影するように構成される、請求項1から
7のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項9】
前記第3の画像センサ領域(24e)は、前記第1の画像センサ領域(24d)と少なくとも部分的に重なる、請求項
8に記載の多開口撮像装置。
【請求項10】
前記第1の相対運動(34;39a)は、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)との間の並進相対運動(34)、前記画像センサ(12)と前記ビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39a)、および前記アレイ(14)と前記ビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39a)のうちの少なくとも1つを含み、前記第2の相対運動(38;39b)は、前記ビーム偏向手段(18)の回転運動(38)、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)との間の並進相対運動、および前記アレイ(14)と前記ビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39b)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から
9のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項11】
前記電子的画像安定化装置(41)は、前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿って第1の程度まで前記第1の光チャネル(16
d)を安定化させるように構成され、前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿っ
て第2の程度まで前記アレイ(14)の異なる光チャネルの画像安定化のためにさらに構成される、請求項1から
10のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項12】
前記光学的画像安定化装置(22)は、光学的画像安定化が前記部分視野(72a~d)の第1のものの画像に関連するように前記光学的画像安定化を実行するように構成され、前記電子的画像安定化装置(41)は、前記第1の部分視野(72
d)の前記画像に関連する
前記第2の部分視野(72
c)の画像を安定化させるように構成される、請求項1から
11のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項13】
前記光学的画像安定化装置(22)は、前記第1の光チャネル(16
d)および前記第2の光チャネル(16
c)を含むグループの基準チャネルの前記撮像された部分視野(72a~d)の画像を安定化させるように構成され、前記電子的画像安定化装置(41)は、前記基準チャネルとは異なる光チャネル
に対してチャネル個別の方法で画像安定化を実行するように構成され、前記多開口撮像装置は、光学的な方法で排他的に前記基準チャネルを安定化させるように構成される、請求項1から
12のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項14】
前記電子的画像安定化装置(41)は、チャネル個別の方法で各光チャネル(16a~h)に対して画像安定化を実行するように構成される、請求項1から
13のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項15】
前記電子的画像安定化装置(41)は、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)と前記ビーム偏向手段(18)との間の前記相対運動に依存する所定の機能的関係性に従って、
前記各
光チャネル
(16a~h)で前記チャネル個別の電子的画像安定化を実行するように構成される、請求項
14に記載の多開口撮像装置。
【請求項16】
前記機能的関係性は線形関数である、請求項
15に記載の多開口撮像装置。
【請求項17】
前記光学的画像安定化装置(22)は、前記ビーム偏向手段の回転運動に基づいて前記画像方向の1つに沿って前記光学的画像安定化を提供するように構成され、前記機能的関係性は、前記画像方向に沿った前記電子的画像安定化のある範囲で前記ビーム偏向手段の回転角を投影する角度関数である、請求項
15または16に記載の多開口撮像装置。
【請求項18】
前記電子的画像安定化装置(41)は、
前記第1の部分視野(72
d)の第1
の画像および
前記第2の部分視野(72
c)の第2の画像で一致する特徴を識別して、前記第1および第2の画像内の前記特徴の動きの比較に基づいて前記電子的画像安定化を提供するように構成される、請求項
14から17のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項19】
前記電子的画像安定化装置(41)は、第1の時間および第2の時間において
前記第1の部分視野(72
d)の第1
の画像における一致する特徴を識別して、前記第1の画像内の前記特徴の動きの比較に基づいて前記電子的画像安定化を提供するように構成される、請求項
14から18のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項20】
前記第1の光チャネル(16
d)に割り当てられた第1の光学系(64
d)および前記第2の光チャネル(16
c)に割り当てられた第2の光学系(64
c)は、最大10%の許容範囲内で同じ方法で形成され、前記許容範囲の偏差により、前記光学的画像安定化装置(22)の画像安定化により、前記第1の光学系(64
d)および前記第2の光学系(64
c)によってもたらされる前記画像センサ領域(24
d、24
c)上の前記投影の異なる変化が生じる、請求項1から19のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項21】
前記光学的画像安定化装置(22)は、少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)を含み、前記少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)が直方体(55)の側面にまたがる2つの平面(52a、52b)の間に少なくとも部分的に配置されるように配置され、前記直方体の前記側面は互いに平行に、ならびに前記アレイ(14)のライン延長方向(35、65、z)および前記画像センサ(12)と前記光学系(64a~h)との間の前記光チャネル(16a~h)の前記光路の一部に平行に向けられ、前記直方体は最小の体積を有するが、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項22】
前記光学的画像安定化装置(22)は、前記平面(52a、52b)の間の領域から最大で50%まで延在する、請求項21に記載の多開口撮像装置。
【請求項23】
センサからセンサ信号を受信し、前記多開口撮像装置と対象物との間の相対的な動きに関連する情報に関して前記センサ信号を評価し、前記情報を使用して前記光学的または電子的画像安定化装置(22;41)の制御を実行するように構成される、請求項1から22のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項24】
多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)であって、
画像センサ(12)と、
光チャネル(16a~h)のアレイ(14)であって、各光チャネル(16a~h)が、前記画像センサ(12)の画像センサ領域(24a~h)に全視野(70)のうちの少なくとも1つの部分視野(72a~d)を投影するための光学系(64a~h)を含む、アレイ(14)と、
前記光チャネル(16a~h)の光路(26a~h)を偏向させるためのビーム偏向手段(18)と、を含み、
前記アレイ(14)の第1の光チャネル(16d)は、第1の全視野(70a)のうちの第1の部分視野(72d)を撮像するように構成され、前記アレイ(14)の第2の光チャネル(16c)は、前記第1の全視野(70a)のうちの第2の部分視野(72c)を撮像するように構成され、第3の光チャネル(16e)は、第2の全視野(70b)を完全に撮像するように構成され、
前記第2の全視野(70b)は、前記第1の全視野(70a)の不完全なセクションであ
るか、又はその逆であり、
前記多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)は、
前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)と、
前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿った前記アレイ(14)の前記第1の光チャネル(16
d)の画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)と、をさらに含み、
前記光学的画像安定化装置(22)は、前記第1の光チャネル(16
d)および前記第2の光チャネル(16
c)を含むグループの基準チャネルの前記撮像された部分視野(72a~d)の画像を安定化させるように構成され、前記電子的画像安定化装置(41)は、前記基準チャネルとは異なる光チャネルに対してチャネル個別の方法で画像安定化を実行するように構成され、前記多開口撮像装置は、光学的な方法で排他的に前記基準チャネルを安定化させるように構成される、多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)。
【請求項25】
多開口撮像装置(10’’)であって、
画像センサ(12)と、
光チャネル(16a~d)のアレイ(14)であって、各光チャネル(16a~d)が、前記画像センサ(12)の画像センサ領域(24a~d)に全視野(70a
、70b)のうちの部分視野(72a~d)を投影するための光学系(64a~d)を含む、アレイ(14)と、
前記光チャネル(16a~d)の光路を偏向させるためのビーム偏向手段(18)と、を含み、
光チャネルの第1のグループは、前記アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16a、16b)で第1の全視野(70a)のそれぞれ1つの部分視野(72a、72b)を撮像するように構成され、光チャネルの第2のグループは、前記アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16c、16d)で第2の全視野(70b)のそれぞれ1つの部分視野(72c、72d)を撮像するように構成され、
前記第2の全視野(70b)は、前記第1の全視野(70a)の不完全なセクションであ
るか、又はその逆であり、
前記多開口撮像装置は、
光チャネルの前記第1のグループの各画像を組み合わせて前記第1の全視野(70a)の第1の全画像に提供し、前記第2の全視野(70b)の第2の全画像を提供するように構成された前記画像センサ領域を読み出す画像評価手段と、
前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)と、
前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿った前記アレイ(14)
の前記光チャネルの前記第1のグループの画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)と、
をさらに含
み、
前記光チャネルの前記第1のグループおよび前記光チャネルの前記第2のグループの光学系の焦点距離は異なり、前記ビーム偏向手段(18)の動きによって、前記画像センサ領域(24a~d)上の投影の異なる変化が生じ、前記電子的画像安定化装置(41)は、前記光チャネルの前記第1のグループの画像の変化と前記光チャネルの前記第2のグループの画像の変化との間の差を補償する、又は前記光チャネルの前記第1のグループの各画像の変化の間の差を補償する、又は前記光チャネルの前記第2のグループの各画像の変化の間の差を補償するように構成される、多開口撮像装置(10’’)。
【請求項26】
光チャネルの前記第1のグループの光学系(64a、64b)の光学特性は、最大10%の許容範囲内の第1の値に等しく、光チャネルの前記第2のグループの光学系
(64c、64d)の光学特性の第2の値は、前記第1の値から少なくとも10%ずれている、請求項25に記載の多開口撮像装置。
【請求項27】
前記光学特性は焦点距離である、請求項26に記載の多開口撮像装置。
【請求項28】
前記ビーム偏向手段(18)は、複数のファセット(46a~e)を含み、光チャネルの前記第1のグループの各光チャネル(16a、16b)は、ファセットの第1のグループのファセット(46a、46b)に割り当てられ、光チャネルの前記第2のグループの各光チャネル(16c、16d)は、ファセットの第2のグループのファセット(46e)またはファセットの前記第1のグループのファセットに割り当てられる、請求項25から27のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項29】
光チャネルの前記第2のグループの各光チャネル(16c、16d)は、ファセットの
前記第2のグループの
前記ファセット
(46e)に割り当てられ、
光チャネルの前記第1および第2のグループの前記ファセット(46a~e)はそれぞれ第1および第2の反射主面を含み、前記ビーム偏向手段(18)は、前記ビーム偏向手段(18)の第1の回転位置において、前記第1の
反射主面により前記光チャネル(16a~d)を第1の方向に偏向させるように構成され、前記ビーム偏向手段(18)の第2の回転位置において、前記第2の
反射主面により前記光チャネル(16a~d)を前記第2の方向に偏向させるように構成され、
ファセットの前記第1のグループ
の前記
反射主面は、互いに対して第1の角度(δ
1)で傾斜し、ファセットの前記第2のグループの前記
反射主面は、互いに対して第2の角度(δ
2)で傾斜している、請求項28に記載の多開口撮像装置。
【請求項30】
前記第1の角度(δ
1)は前記第2の角度(δ
2)よりも小さいか、または前記第2の角度(δ
2)は前記第1の角度(δ
1)よりも小さい、請求項29に記載の多開口撮像装置。
【請求項31】
光チャネルの前記第1および第2のグループの各光チャネル(16a~d)は、前記光チャネル(16a~d)に割り当てられた前記画像センサ(12)の画像センサ領域(24a~d)に前記部分視野(72a~d)を投影するように構成される、請求項25から30のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項32】
光チャネルの前記第2のグループの光チャネル(16c、16d)に割り当てられた少なくとも1つの画像センサ領域は、光チャネルの前記第1のグループの光チャネル(16a、16b)に割り当てられた画像センサ領域(24a、24b)と重複する、請求項31に記載の多開口撮像装置。
【請求項33】
前記第1の相対運動(34;39a)は、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)との間の並進相対運動(34)、前記画像センサ(12)と前記ビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39a)、および前記アレイ(14)と前記ビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39a)のうちの少なくとも1つを含み、前記第2の相対運動(38;39b)は、前記ビーム偏向手段(18)の回転運動(38)、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)との間の並進相対運動、および前記アレイ(14)と前記ビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39b)のうちの少なくとも1つを含む、請求項25から32のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項34】
前記電子的画像安定化装置(41)は、前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿って第1の程度まで前記第1の光チャネル(16
a)を安定化させるように構成され、前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿っ
て第2の程度まで前記アレイ(14)の異なる光チャネル
の画像安定化のためにさらに構成される、請求項25から33のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項35】
前記光学的画像安定化装置(22)は、光学的画像安定化が前記部分視野(72a~d)の第1のものの画像に関連するように前記光学的画像安定化を実行するように構成され、前記電子的画像安定化装置(41)は、
第1の部分視野
の前記画像に関連する第2の部分視野
の画像を安定化させるように構成される、請求項25から34のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項36】
前記光学的画像安定化装置(22)は、前記第1の光チャネル(16
a)および前記第2の光チャネル(16
b)を含むグループの基準チャネルの前記撮像された部分視野(72a~d)の画像を安定化させるように構成され、前記電子的画像安定化装置(41)は、前記基準チャネルとは異なる光チャネル
に対してチャネル個別の方法で画像安定化を実行するように構成され、前記多開口撮像装置は、光学的な方法で排他的に前記基準チャネルを安定化させるように構成される、請求項
25から35のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項37】
前記電子的画像安定化装置(41)は、チャネル個別の方法で各光チャネル(16a~
d)に対して画像安定化を実行するように構成される、請求項34から36のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項38】
前記電子的画像安定化装置(41)は、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)とビーム偏向手段(18)との間の前記相対運動に依存する所定の機能的関係性に従って、
前記各
光チャネル
(16a~d)で前記チャネル個別の電子的画像安定化を実行するように構成される、請求項37に記載の多開口撮像装置。
【請求項39】
前記機能的関係性は線形関数である、請求項38に記載の多開口撮像装置。
【請求項40】
前記光学的画像安定化装置(22)は、前記ビーム偏向手段の回転運動に基づいて前記画像方向の1つに沿って前記光学的画像安定化を提供するように構成され、前記機能的関係性は、前記画像方向に沿った前記電子的画像安定化のある範囲で前記ビーム偏向手段(18)の回転角を投影する角度関数である、請求項
38または39
に記載の多開口撮像装置。
【請求項41】
前記電子的画像安定化装置(41)は、第1の部分視野
の第1
の画像および第2の部分視野
の第2の画像で一致する特徴を識別して、前記第1および第2の画像内の前記特徴の動きの比較に基づいて電子的画像安定化を提供するように構成される、請求項37から40のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項42】
前記電子的画像安定化装置(41)は、第1の時間および第2の時間において第1の部分視野
の第1
の画像における一致する特徴を識別して、前記第1の画像内の前記特徴の動きの比較に基づいて前記電子的画像安定化を提供するように構成される、請求項37から41のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項43】
前記第1および第2の光チャネル(16a
、16b)の光学系(64a
、64b)の焦点距離は異なり、前記ビーム偏向手段(18)の動きによって前記画像センサ領域(24a
、24b)上の前記投影の異なる変化が生じ、前記電子的画像安定化装置(41)は、
前記光チャネルの前記第1のグループの画像の変化と前記光チャネルの前記第2のグループの画像の変化との間の差を補償するように構成される、請求項25から42のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項44】
前記第1の光チャネル
(16a)に割り当てられた第1の光学系(64a)および前記第2の光チャネル(16b)に割り当てられた第2の光学系(64b)は、最大10%の許容範囲内で同じ方法で形成され、前記許容範囲内の偏差により、前記光学的画像安定化装置(22)の画像安定化によ
って、前記第1の光学系(64a)および前記第2の光学系(64b)によってもたらされる前記画像センサ領域(24a、24b)上の前記画像または投影の異なる変化が生じる、請求項25から43のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項45】
前記光学的画像安定化装置(22)は、少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)を含み、前記少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)が直方体(55)の側面にまたがる2つの平面(52a、52b)の間に少なくとも部分的に配置されるように配置され、前記直方体の前記側面は互いに平行に、ならびに前記アレイ(14)のライン延長方向(35、65、z)および前記画像センサ(12)と前記光学系(64a~
d)との間の前記光チャネル(16a~
d)の前記光路の一部に平行に向けられ、前記直方体は最小の体積を有するが、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)を含む、請求項25から44のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項46】
前記光学的画像安定化装置(22)は、前記平面(52a、52b)の間の領域から最大で50%まで延在する、請求項45に記載の多開口撮像装置。
【請求項47】
センサからセンサ信号を受信し、前記多開口撮像装置
と対象物との間の相対的な動きに関連する情報に関して前記センサ信号を評価し、前記情報を使用して前記光学的または電子的画像安定化装置(22;41)の制御を実行するように構成される、請求項25から46のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項48】
多開口撮像装置(10’’’)であって、
画像センサ(12)と、
少なくとも第1および第2の光チャネル(16a、16b)を含むアレイ(14)であって、各光チャネル(16a
、16b)が、前記画像センサ(12)の画像センサ領域(24)に全視野(70a、70b)を投影するための光学系(64a、64b)を含む、アレイ(14)と、
前記
各光チャネル(16a
、16b)の光路を共通に偏向させるためのビーム偏向手段(18)と、を含み、
前記第1の光チャネル(16a)の前記光学系
(64a)は、前記第2の光チャネル(16b)の前記光学系
(64b)の焦点距離と少なくとも10%異なる焦点距離を含み、
前記多開口撮像装置(10’’’)は、
前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)と、
前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿った前記アレイ(14)の前記第1の光チャネル(16a)の画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)と、
をさらに含み、
前記ビーム偏向手段(18)の動きによって、前記画像センサ領域(24)上の投影の異なる変化が生じ、前記電子的画像安定化装置(41)は、一の全視野(70a)の画像の変化と前記一の全視野(70a)の画像に関連する別の全視野(70b)の画像の変化との間の差を補償するように構成される、多開口撮像装置(10’’’)。
【請求項49】
前記電子的画像安定化装置(41)は、前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿って第1の程度まで前記第1の光チャネル(16
a)を安定化させるように構成され、前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿っ
て第2の程度まで前記第2の光チャネル(16
b)の画像安定化のためにさらに構成される、請求項48に記載の多開口撮像装置。
【請求項50】
基準画像を光学的な方法で排他的に安定化させるように構成される、請求項48または49に記載の多開口撮像装置。
【請求項51】
前記電子的画像安定化装置(41)は、チャネル個別の方法で各光チャネル(16a
、16b)に対して画像安定化を実行するように構成される、請求項48から50のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項52】
前記電子的画像安定化装置(41)は、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)と前記ビーム偏向手段(18)との間の前記相対運動に依存する所定の機能的関係性に従って、
前記各
光チャネル
(16a、16b)でチャネル個別の電子的画像安定化を実行するように構成される、請求項51に記載の多開口撮像装置。
【請求項53】
前記機能的関係性は線形関数である、請求項52に記載の多開口撮像装置。
【請求項54】
前記光学的画像安定化装置(22)は、前記ビーム偏向手段の回転運動に基づいて前記画像方向の1つに沿って前記光学的画像安定化を提供するように構成され、前記機能的関係性は、前記画像方向に沿った前記電子的画像安定化のある範囲に前記ビーム偏向手段(18)の回転角を投影する角度関数である、請求項
52または53に記載の多開口撮像装置。
【請求項55】
前記第1および第2の光チャネル(16a
、16b)の光学系(64a
、64b)の焦点距離は異なり、前記ビーム偏向手段(18)の動きによって前記画像センサ領域(2
4)上の前記投影の異なる変化が生じ、前記電子的画像安定化装置(41)は、
前記一の全視野(70a)の画像の変化と前記別の全視野(70b)の画像の変化との間の差を補償するように構成される、請求項48から54のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項56】
前記光学的画像安定化装置(22)は、少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)を含み、前記少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)が直方体(55)の側面にまたがる2つの平面(52a、52b)の間に少なくとも部分的に配置されるように配置され、前記直方体の前記側面は互いに平行に、ならびに前記アレイ(14)のライン延長方向(35、65、z)および前記画像センサ(12)と前記光学系(64a
、64b)との間の前記光チャネル(16a
、16b)の前記光路の一部に平行に向けられ、前記直方体は最小の体積を有するが、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)を含む、請求項48から55のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項57】
前記光学的画像安定化装置(22)は、前記平面(52a、52b)の間の領域から最大で50%まで延在する、請求項56に記載の多開口撮像装置。
【請求項58】
センサからセンサ信号を受信し、前記多開口撮像装置と対象物との間の相対的な動きに関連する情報に関して前記センサ信号を評価し、前記情報を使用して前記光学的または電子的画像安定化装置(22;41)の制御を実行するように構成される、請求項48から57のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項59】
前記ビーム偏向手段(18)は、第1の主面(174a)および第2の主面(174b)を含み、第1の動作状態において、前記光チャネル(64a~h)の光路を前記第1の主面(174a)により前記多開口撮像装置の第1の視線方向に偏向させ、第2の動作状態において、前記光チャネル(64a~h)の前記光路を前記第2の主面(174b)により前記多開口撮像装置の第2の視線方向に偏向させるように構成される、請求項1から58のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項60】
前記第1の主面(174a)および前記第2の主面(174b)は、最大60°の角度(δ、δ
1、δ
2)で互いに対して傾斜して配置される、請求項59に記載の多開口撮像装置。
【請求項61】
回転運動(38)によって前記第1および第2の動作状態間の変化を実行するように構成され、前記回転運動中、前記第1の主面の第1の面法線(51a)と前記第2の主面の第2の面法線(51b)は、前記画像センサ(12)に向かう方向に対して常に少なくとも10°の角度(γ
1、γ
2)を有する、請求項59または60に記載の多開口撮像装置。
【請求項62】
少なくとも部分的に立体視方式で全視野(70)を取り込むように構成された、請求項1から61のいずれか一項に記載の第1および第2の多開口撮像装置(10;10’;20;30;40)を有する撮像システム(60;80)。
【請求項63】
多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)を提供する方法であって、
画像センサを提供するステップと、
各光チャネルが、前記画像センサの画像センサ領域に全視野のうちの少なくとも1つの部分視野を投影するための光学系を含むように、光チャネルのアレイを提供するステップと、
前記光チャネルの光路を偏向させるためのビーム偏向手段を配置するステップと、を含み、
前記アレイの第1の光チャネルは、第1の全視野のうちの第1の部分視野を撮像するように構成され、前記アレイの第2の光チャネルは、前記第1の全視野のうちの第2の部分視野を撮像するように構成され、第3の光チャネルは、第2の全視野を完全に撮像するように構成され、
前記第2の全視野(70b)は、前記第1の全視野(70a)の不完全なセクションであ
るか、又はその逆であり、前記方法は、
画像評価手段が、前記第1の部分視野(72
d)の画像と前記第2の部分視野(72c)の画像とを組み合わせて前記第1の全視野(70a)の第1の全画像に提供し、前記第2の全視野(70b)の第2の全画像を提供するように構成されるように、前記画像センサ領域を読み出す画像評価手段を提供するステップと、
前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)を配置するステップと、
前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿った前記アレイ(14)の前記第1の光チャネルの画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)を提供するステップと、
をさらに含
み、
前記第1および第2の光チャネルの光学系の焦点距離は異なり、前記ビーム偏向手段(18)の動きによって、前記画像センサ領域上の投影の異なる変化が生じ、前記電子的画像安定化装置(41)は、前記第1の部分視野(72d)の画像の変化と前記第2の部分視野(72c)の画像の変化との間の差を補償するように構成される、方法。
【請求項64】
多開口撮像装置(10’’)を提供する方法であって、
画像センサを提供するステップと、
各光チャネルが、前記画像センサの画像センサ領域に全視野のうちの部分視野を投影するための光学系を含むように、光チャネルのアレイを提供するステップと、
前記光チャネルの光路を偏向させるためのビーム偏向手段を配置するステップと、を含み、
光チャネルの第1のグループは、前記アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16a、16b)で第1の全視野(70a)のそれぞれ1つの部分視野(72a、72b)を撮像するように構成され、光チャネルの第2のグループは、前記アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16c、16d)で第2の全視野(70b)のそれぞれ1つの部分視野(72c、72d)を撮像するように構成され、
前記第2の全視野(70b)は、前記第1の全視野(70a)の不完全なセクションであ
るか、又はその逆であり、前記方法は、
前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)を配置するステップと、
前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿った前記アレイ(14)の第1の光チャネル(16a)の画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)を配置するステップと、をさらに含み、
前記光学的画像安定化装置(22)は、前記第1の光チャネル(16
a)および第2の光チャネル(16
b)を含むグループの基準チャネルの前記撮像された部分視野(72a~d)の画像を安定化させるように構成され、前記電子的画像安定化装置(41)は、前記基準チャネルとは異なる光チャネルに対してチャネル個別の方法で画像安定化を実行するように構成され、前記多開口撮像装置は、光学的な方法で排他的に前記基準チャネルを安定化させるように構成される、方法。
【請求項65】
多開口撮像装置(10’’)を提供する方法であって、
画像センサを提供するステップと、
各光チャネルが、前記画像センサの画像センサ領域に全視野のうちの部分視野を投影するための光学系を含むように、光チャネルのアレイを提供するステップと、
前記光チャネルの光路を偏向させるためのビーム偏向手段を配置するステップと、を含み、
光チャネルの第1のグループは、前記アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16a、16b)で第1の全視野(70a)のそれぞれ1つの部分視野(72a、72b)を撮像するように構成され、光チャネルの第2のグループは、前記アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16c、16d)で第2の全視野(70b)のそれぞれ1つの部分視野(72c、72d)を撮像するように構成され、
前記第2の全視野(70b)は、前記第1の全視野(70a)の不完全なセクションであ
るか、又はその逆であり、前記方法は、
画像評価手段が、光チャネルの前記第1のグループ
の画像を組み合わせて前記第1の全視野(70a)の第1の全画像に提供し、前記第2の全視野(70b)の第2の全画像を提供するように構成されるように、前記画像センサ領域を読み出す画像評価手段を提供するステップと、
前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)を配置するステップと、
前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿った前記アレイ(14)の
前記光チャネルの前記第1のグループの画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)を提供するステップと、
をさらに含
み、
前記光チャネルの前記第1のグループおよび前記光チャネルの前記第2のグループの光学系の焦点距離は異なり、前記ビーム偏向手段(18)の動きによって、前記画像センサ領域上の投影の異なる変化が生じ、前記電子的画像安定化装置(41)は、前記光チャネルの前記第1のグループの画像の変化と前記光チャネルの前記第2のグループの画像の変化との間の差を補償する、又は前記光チャネルの前記第1のグループの各画像の変化の間の差を補償する、又は前記光チャネルの前記第2のグループの各画像の変化の間の差を補償するように構成される、方法。
【請求項66】
多開口撮像装置(10’’’)を提供する方法(1400)であって、
画像センサを提供するステップ(1410)と、
少なくとも第1および第2の光チャネルを含むアレイを提供するステップ(1420)であって、各光チャネルが、前記画像センサの画像センサ領域に全視野を投影するための光学系を含む、ステップ(1420)と、
前記光チャネルの光路を共通に偏向するためのビーム偏向手段を配置するステップ(1430)と、を含み、
前記第1の光チャネルの前記光学系は、前記第2の光チャネルの前記光学系の焦点距離と少なくとも10%異なる焦点距離を含み、
前記方法は、
前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および前記画像センサ(12)と、前記アレイ(14)と、前記ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)を配置するステップと、
前記第1および前記第2の画像軸(28、32)に沿った前記アレイ(14)の前記第1の光チャネルの画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)を提供するステップと、をさらに含み、
前記ビーム偏向手段(18)の動きによって、前記画像センサ領域上の投影の異なる変化が生じ、前記電子的画像安定化装置(41)は、一の全視野の画像の変化と前記一の全視野の画像に関連する別の全視野の画像の変化との間の差を補償するように構成される、方法(1400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多開口撮像装置、撮像システム、および多開口撮像装置を提供する方法に関する。本発明はさらに、線形チャネル配置および小さいまたは非常に小さい設置サイズを有する多開口撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカメラは、対象物視野全体を撮像する撮像チャネルを有する。カメラは、光学的画像安定化機能を実現するために、対物レンズと画像センサとの間の相対的な横方向の2次元変位を可能にする適応可能な構成要素を有する。線形チャネル配置を有する多開口撮像システムは、それぞれが対象物の一部のみを取り込み、偏向ミラーを含むいくつかの撮像チャネルで構成されている。
【0003】
対象物領域または視野の多チャネル取り込みの、コンパクトな実現を可能にするコンセプトを有することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、コンパクトな実現を可能にする、すなわち小さな設置スペースを有する、高画質の多開口撮像装置および多開口撮像装置を提供する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。
【0006】
本発明の1つの発見は、異なる光学系を有する光学系がアレイに配置され、その結果、異なる部分視野が光学系によって取り込まれるという点で、上記の目的を解決できるという認識である。これは、全視野の単一チャネル取り込みの組み合わせと、全視野の単一チャネル取り込みと、いくつかの部分視野を取り込むことによる全視野の多チャネル取り込みの組み合わせの両方で得られる。
【0007】
一実施形態によれば、多開口撮像装置は、画像センサおよび光チャネルのアレイを含み、各光チャネルは、全視野の少なくとも1つの部分視野を画像センサの画像センサ領域に投影する光学系を含む。多開口撮像装置は、光チャネルの光路を偏向させるためのビーム偏向手段を含む。アレイの第1の光チャネルは、第1の全視野の第1の部分視野を撮像するように構成され、アレイの第2の光チャネルは、第1の全視野の第2の部分視野を撮像するように構成される。第3の光チャネルは、第2の全視野を完全に撮像するように構成される。
【0008】
さらなる実施形態によれば、多開口撮像装置は、画像センサと、少なくとも第1および第2の光チャネルを含むアレイとを含む。各光チャネルは、画像センサの画像センサ領域に全視野を投影するための光学系を含む。ビーム偏向手段は、光チャネルの光路を共通に偏向させるように構成されている。第1の光チャネルの光学系は、第2の光チャネルの光学系の焦点距離と少なくとも10%異なる焦点距離を含む。
【0009】
両方の実施形態による多開口撮像装置は、光チャネルを用いて全視野を完全に取り込み、単一チャネルまたは多チャネル方式でさらなる全視野を取り込むように構成される。これに使用される光チャネルは同じアレイに配置され、同じビーム偏向手段によって偏向される。これにより、すべてのチャネルに共通に作用して視線方向を切り替えるビーム偏向手段と組み合わせて、異なる全視野を撮像するための多開口撮像装置の使用が可能になり、構成要素の多重配置を防ぐことができ、省スペースの実現が可能になる。同時に、1つのアレイに光チャネルを配置することにより、チャネルの正確な調整と高品質の画像を可能にする。
【0010】
さらなる実施形態は、撮像システムおよび多開口撮像装置を提供する方法に関する。
【0011】
さらに有利な実施態様は、従属特許請求項の主題である。
【0012】
続いて、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1a】一実施形態による多開口撮像装置の概略斜視図である。
【
図1b】
図1aによる多開口撮像装置によって取り込まれ得る2つの全視野の比較を示す図である。
【
図1c】
図1aの多開口撮像装置と比較して、
図1bによる全視野を時間的に交互に取り込むように構成された一実施形態による多開口撮像装置の概略斜視図である。
【
図1d】グループ内の全視野をそれぞれ完全に撮像するための光チャネルの2つのグループを含む一実施形態による多開口撮像装置の概略斜視図である。
【
図1e】
図1dによる多開口撮像装置によって取り込まれた全視野の概略図である。
【
図1f】共通のビーム偏向手段によって2つの全視野を取り込むように構成された一実施形態による多開口撮像装置の概略斜視図である。
【
図1g】
図1fによる多開口撮像装置によって取り込まれた全視野の概略図である。
【
図2a】一実施形態による多開口撮像装置の概略図である。
【
図2b】一実施形態による多開口撮像装置の概略図であり、アクチュエータが画像センサに接続されている。
【
図3a】一実施形態によるさらなる多開口撮像装置の概略側面断面図である。
【
図3b】図
3aの多開口撮像装置の概略側面断面図である。
【
図4】一実施形態による、ビーム偏向手段が様々なビーム偏向要素を含む、多開口撮像装置の概略上面図である。
【
図5a】一実施形態による、単一ライン方式で配置された光チャネルを有する多開口撮像装置の概略斜視図である。
【
図5b】
図5aの多開口撮像装置の概略斜視図であり、光学的画像安定化と電子的画像安定化の組み合わせの有利な実施態様を説明するための基礎として使用される。
【
図6a】一実施形態によるファセットのアレイとして形成されたビーム偏向手段の概略図である。
【
図6b】一実施形態によるビーム偏向手段の概略図であり、
図6aの図と比較すると、ファセットは異なるソートを含む。
【
図7a】実施形態によるビーム偏向手段の有利な実施態様を示す図である。
【
図7b】実施形態によるビーム偏向手段の有利な実施態様を示す図である。
【
図7c】実施形態によるビーム偏向手段の有利な実施態様を示す図である。
【
図7d】実施形態によるビーム偏向手段の有利な実施態様を示す図である。
【
図7e】実施形態によるビーム偏向手段の有利な実施態様を示す図である。
【
図7f】実施形態によるビーム偏向手段の有利な実施態様を示す図である。
【
図7g】実施形態によるビーム偏向手段の有利な実施態様を示す図である。
【
図7h】実施形態によるビーム偏向手段の有利な実施態様を示す図である。
【
図8】一実施形態による撮像システムの概略斜視図である。
【
図9】一実施形態による、2つの多開口撮像装置を含む携帯装置の概略斜視図である。
【
図10】共通の画像センサ、共通のアレイ、および共通のビーム偏向ユニットを有する第1の多開口撮像装置および第2の多開口撮像装置を含む概略構造を示す図である。
【
図11a】一実施形態による電子的画像安定化装置の実施態様の概略図である。
【
図11b】一実施形態による電子的画像安定化装置の実施態様の概略図である。
【
図11c】一実施形態による電子的画像安定化装置の実施態様の概略図である。
【
図11d】一実施形態による電子的画像安定化装置の実施態様の概略図である。
【
図11e】一実施形態による電子的画像安定化装置の実施態様の概略図である。
【
図12】一実施形態による多開口撮像装置を提供する方法の概略図である。
【
図13】さらなる実施形態による多開口撮像装置を提供する方法の概略流れ図である。
【
図14】さらなる実施形態による多開口撮像装置を提供する方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する前に、異なる実施形態におけるこれらの要素の説明が交換可能および/または相互に適用できるように、同一であり、機能的に同一であって、かつ等しい要素、対象物、および/または構造には、異なる図面で同一の符号が付けられていることを指摘しておく。
【0015】
図1aは、一実施形態による多開口撮像装置10の概略斜視図を示す。多開口撮像装置は、画像センサ12および光チャネル16a~eのアレイ14を含む。各光チャネル16a~eは、画像センサ12の画像センサ領域24a~eに全視野の少なくとも1つの部分視野を投影するための光学系64a~eを含む。少なくとも1つの部分視野とは、
図1bに基づいて説明するように、光学系によって全視野も撮像できることを意味する。アレイ14の光チャネル16a~dは、例えば、それぞれ第1の全視野の1つの部分視野を撮像するように構成され、さらなる光チャネル16eは、第1の部分視野とは異なる第2の全視野を完全に撮像するように構成される。全視野は互いに異なるが、部分的にまたは完全に重複することができる。全視野は、例えば、完全にオーバーラップすることができるが、サイズは異なる。さらなる実施形態によれば、全視野はまた、部分的に重複しないか、ばらばらでさえあり得る。
【0016】
光チャネルは、一連の光路として理解することができる。光路は、例えば散乱またはコリメーションなど、アレイ14に配置された光学系64a~hによって影響を受ける可能性がある。個々の光チャネルはそれぞれ完全な撮像光学系を形成し、屈折、回折またはハイブリッドレンズなどの少なくとも1つの光学部品又は光学系を含むことができ、多開口撮像装置で完全に取り込まれた対象物全体のセクションを撮像することができる。これは、光学系64a~hの1つ、いくつか、またはすべてが光学素子の組み合わせであってもよいことを意味する。開口部ダイヤフラムは、光チャネルの1つ、いくつか、またはすべてに対して配置されてもよい。
【0017】
多開口撮像装置10は、光チャネル16a~eの光路を偏向させるためのビーム偏向手段18を含む。多開口撮像装置10は、ビーム偏向手段18の1つの位置で2つの全視野を取り込むように構成される。一実施形態では、ビーム偏向手段18は、修正された位置で光路を異なる方向に偏向するために並進または回転移動され、修正された位置で異なる全視野が取り込まれる。4つの光チャネル16a~dを使用して全視野を一緒に撮像するが、別の数、例えば2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも10、少なくとも20、またはさらに高い値も使用することができる。アレイ14は、すべての光チャネルが単一のラインに配置されるように示されているが、他の実施形態によれば、多ラインの配置も実施することができる。
【0018】
図1bは、多開口撮像装置10によって取り込まれ得る2つの全視野70a、70bの概略図を示す。以下では、例えば、
図1aによる光チャネル16a~dの光学系64a~dは、全視野70aの部分視野72a~dを撮像するように構成され、別の割り当てまたは別の数のチャネルが可能である。アレイ14の光チャネル16
eの上方に配置された光チャネル16
eの光学系64eは、
図1bに示す全視野70bを完全に撮像するように構成される。多チャネル方式で撮像される全視野70aと比較して、すなわち、多数のまたは複数の部分視野により一枚一枚撮像されるのに対して、全視野70bは単一の光チャネルにより撮像される。
図1bに示すように、全視野70bは、全視野70aと少なくとも部分的にまたは完全に重なり合うことができる。あるいは、全視野70a、70bが少なくとも部分的に異なることも可能である。全視野70bは全視野70aの一部であってもよく、これは、第2の全視野が第1の全視野の不完全な部分であってもよいし、またはその逆であってもよいことを意味する。全視野70aと比較して、全視野は、好ましくは、全視野70bの対象物領域の撮像された部分が全視野70aと比較して小さくなるという効果を有することができるより小さい開口角を含む。これは、視野70aの開口角ε
1が全視野70bの開口角ε
2よりも大きいことを意味し、その角度は光学の焦点距離などの光学特性に直接関係し得る。視野70aの開口角ε
1は、視野70bの開口角ε
2よりも少なくとも10%、少なくとも20%、または少なくとも50%大きくすることができる。開口角を大きくすると、焦点距離が短くなり、光学系の構成を薄くすることができ、および/または光学系の直径を小さくすることができる。全視野70aを取り込むための光学系16a~dの組み合わせと比較して、および第2の全視野70bが第1の全視野70aの不完全なセクションであり得るという事実と組み合わせ、全視野70bを取り込むための光学系16eは、望遠レンズまたはズームレンズを表すことができ、または少なくともそれぞれの機能を提供することができるが、逆に、光学系16eと比較した光学系16a~dの組み合わせは、広角レンズを表すことができ、または少なくともそれぞれの機能を提供することができる。
【0019】
ビーム偏向手段18の独立のビーム偏向領域46eは、光チャネル16eに割り当てることができ、これは、光チャネル16a~16dに割り当てられたビーム偏向領域46a~dとは異なる。これにより、例えば、全視野70a、70bを同時に取り込み、したがって2つの画像を取得することが可能になる。さらに、全視野70a、70bの重複領域について、ステレオまたは3D情報を取得することができる。ビーム偏向領域は、ミラーなどの大面積要素の領域である可能性があり、他のビーム偏向領域から区切られなくてもよい。あるいは、ビーム偏向領域は、例えばビーム偏向領域がファセットとして形成されるという点で、互いに視覚的または機械的に区切ることもできる。
【0020】
アレイ14は、意図的に異なる光学特性を有する光学系64a~d、64eを含む。光学系64a~dは、例えば、製造公差内で同じ方法で形成されるが、光学系64eは、製造公差によって生じる尺度を超える光学系64a~dに関する偏差を含む。光学系64eは、例えば、光学系64a~dに関して意図的に異なる焦点距離および/または意図的に異なる開口角を含み、これは、光学系64eの光学系64a~dに対する光学特性が少なくとも10%、少なくとも20%、または少なくとも30%異なるが、例えば少なくとも50%、さらには100%、またはそれ以上も異なることを意味する。
【0021】
多開口撮像装置10は、可能な光学的画像安定化により得られる異なる変化を、または構成要素12、14、18の間の相対運動により画像内で少なくとも部分的に補償するために、オプションの電子的画像安定化装置41を含むことができる。
【0022】
全画像を提供し、多開口撮像装置10の画像センサ領域24a~eを読み出す画像評価手段は、多開口撮像装置10の一部であってもよく、例えば、例えばステッチングにより、部分視野72a~dの画像を全視野70aの第1の全画像に結合し、および/または画像センサ領域24eの読み出しに基づいて全視野70bの第2の全画像を提供するように構成される。
【0023】
図1cは、多開口撮像装置10と比較して、全視野70a、70bを交互に取り込むように構成された多開口撮像装置10’の概略斜視図を示し、これは時間的に交互することを意味する。これにより、構成要素の相乗的な使用が可能になり、さらに低減された設置スペースが必要であり、および/またはより低い範囲の個々の要素を提供することができる。そのようにして、ビーム偏向
領域46eを使用して光チャネル16d、16eの光路を交互に偏向させることができ、
図1aのビーム偏向領域
46dの配置を省略することができる。このため、ビーム偏向領域46eは、例えば、全視野70bを撮像する光チャネル16eを偏向させるのに十分なサイズを有することができ、ビーム偏向領域46eの点線で示されるように、比較的小さな部分視野72dを撮像するために使用される光チャネル16dの偏向も問題なく可能である。代わりにまたはさらに、画像センサ領域24eを使用して、全視野70bと部分視野72dを交互に取り込むことができる。画像センサ領域24eは、画像センサ領域24dと少なくとも部分的に重なり合うことができ、または画像センサ領域24dを含むことさえでき、画像センサ領域24dは重なり合う領域に別個に配置される必要がなく、場合によっては省略できる。
【0024】
交互に切り替えるために、多開口撮像装置10’は、画像センサ12とアレイ14とビーム偏向手段18との間に相対運動を提供するように構成されたスイッチングユニット67を含むことができ、全視野70bを取り込むために、光チャネル16eは、光学系64eにより画像センサ領域24e上に全視野70bを投影し、部分視野72dを取り込むために、光チャネル16dは、光学系64dによって部分視野72dを画像センサ、すなわち画像センサ領域24dまたは24eに投影する。このため、スイッチングユニットは1つまたは複数のアクチュエータを含むことができる。多開口撮像装置10’は、光学的画像安定化装置を含むことができる。これにより、光学的画像安定化装置のアクチュエータシステムをスイッチングユニット67として、またはその逆に相乗的に使用することができる。
【0025】
上記の説明は、ビーム偏向領域46eを光チャネル64dの偏向にも使用できるので、ビーム偏向領域46dを省略することができ、および/または画像センサ領域24eを部分視野72bの撮像にも使用することができるので、画像センサ領域24dを省略することができることを示している。両方の省略は一緒に実施することができるが、個別に互いに独立させることもできる。
【0026】
上記の説明の代替として、
図1aに示されている他のビーム偏向領域46a~cの別の1つを使用して、2つの光チャネルの光路を交互に偏向することができる。光学系64eは、アレイ14の線の縁部にあるように示されているが、線に沿った任意の位置または別の線内に配置することができる。上記の説明の代替として、
図1aに示す他の画像センサ領域24a~cの1つを使用して、全視野70bと部分視野72a~dを交互に撮像することができる。
【0027】
電子的画像安定化装置を使用して、光チャネル間の様々に変化する画像変化を補償する、本明細書に記載の態様、ならびに異なるサイズを有する2つの全視野70a、70bが多開口撮像装置により、すなわち、共通の画像センサ12、共通のアレイ14、および共通の偏向手段18のうちの少なくとも1つを使用することにより、取り込まれる、さらなる態様は、互いに独立して実施することも、組み合わせて実施することもできるので、電子的画像安定化の態様は、異なるサイズを有する全視野の態様の有利なさらなる発展を表す。
【0028】
図1dは、一実施形態による多開口撮像装置10’’の概略斜視図を示す。多開口撮像装置10と比較して、多開口撮像装置10’’は、光チャネル16a、16bと比較して異なる光学特性を有する2つの光チャネル16c、16dを含む。これは、例えば、多開口撮像装置10’’の光チャネル
16cと比較することができる多開口撮像装置10の光チャネル16eに加えて、さらなる光チャネル64dが多開口撮像装置10’’に配置され、光チャネル64c、64dが光チャネルのグループを形成するような、同等の光学特性を有するように理解され得る。光チャネル16c、16dの光学特性は、最大10%の許容範囲内で同じであり得る。また、光チャネル16a、16bの光学特性は、そのような許容範囲内で同じであり得る。異なるグループの光チャネル間では、光学系の光学特性が他のグループの光学特性の最初の値から少なくとも±10%(または1/1.1)、少なくとも±20%(または1/1.2)、または少なくとも±30%(または1/1.3)、さらに、少なくとも±50%(または1/1.5)またはさらに±100%(または1/2)以上などずれることがあり得る。チャネルの光学特性は、特に、それぞれのチャネルに存在する光学系で得られる焦点距離であり得る。上記の望遠レンズと広角レンズの割り当ては、説明した光チャネルのグループにも適用することができるので、例えばチャネル16c、16dを含む光チャネルのグループはグループ16a、16bに対するズームレンズであり、逆に、光チャネル16a、16bは光チャネル16c、16d用の広角レンズである。
【0029】
光チャネル16a、16bは、光チャネルの第1のグループを形成することができる。光チャネル16c、16dは、光チャネルの第2のグループを形成することができる。各グループは、全視野70a、70bの一方を取り込むように構成することができる。簡単に言えば、多開口撮像装置10に関して、
図1eに基づいて示されるように、全視野70bを分割することもできる。例えば、光チャネル16aは、全視野70aの部分視野72aを取り込むように構成することができる。光チャネル16bは、全視野70aの部分視野72bを取り込むように構成することができる。光チャネル16cは、全視野70bの部分視野72cを取り込むように構成することができる。光チャネル16dは、全視野70bの部分視野72dを取り込むように構成することができる。光チャネルのグループ16a/16b、16c/16dの各々は、割り当てられた全視野70a、70bをそれぞれ完全に取り込むように構成することができる。全視野70bは、全視野70aの不完全な部分であり得る。言い換えれば、全視野70aは全視野70bを含むことができる。言い換えれば、全視野70bは全視野70aと完全に重なり合うことができるが、全視野70aは、例えば、全視野70bと不完全にのみ重なり合うことができる。
【0030】
各グループはそれぞれ2つの光チャネル16a、16b、光チャネル16c、16dを含むだけであるが、2つのグループの一方または両方のグループは、3、4、5またはそれ以上などの別のより多くの数の光チャネルも含むことができる。グループはまた、異なる数の光チャネルによる異なる全視野の取り込みを記述する多開口撮像装置10、10’に対応する、異なる数の光チャネルを含むことができる。
【0031】
実施形態によれば、光チャネルの2つのグループのみが説明されているが、3、4、5またはそれ以上などのより多くの全視野を取り込むために、光チャネルを備えた別のより多くのグループも配置することができる。
【0032】
したがって、多開口撮像装置10’’の実施形態によれば、画像センサ12およびアレイ14を配置することができる。各光チャネル16a~dは、全視野70aまたは70bの部分視野72a~dを画像センサ12の画像センサ領域24dに投影するための光学系64a~dを含むことができる。アレイ14の各光チャネルは、光チャネル16a~dに割り当てられた画像センサの画像センサ領域24a~dに部分視野を投影するように構成することができ、多開口撮像装置10’’は、
図1cの文脈で説明したように、光チャネルの第2のグループの光チャネル16cまたは16dに割り当てられた少なくとも1つの画像センサ領域が、光チャネルの第1のグループの光チャネル16aまたは16bに割り当てられた画像センサ領域24aまたは24bと重なり合うように構成することができる。
【0033】
ビーム偏向手段18は、光チャネル16a~dの光路26a~dを偏向させるように配置することができる。アレイ14の少なくとも2つの光チャネル16a、16bを有する光チャネルの第1のグループは、それぞれ全視野70aの1つの部分視野72a、72bを撮像するように構成される。アレイ14の少なくとも2つの光チャネル16c、16dを有する光チャネルの第2のグループは、それぞれ全視野70bの1つの部分視野72c、72dを撮像するように構成される。
【0034】
多開口撮像装置10、10’’の他の詳細は、特に、後述するビーム偏向手段18またはその一部の構成を制限することなく、多開口撮像装置10’’に適用することができる。代わりにまたはさらに、本明細書に記載の光学的および/または電子的画像安定化装置も配置することができる。
【0035】
図1fは、一実施形態による多開口撮像装置10’’’の概略斜視図を示し、アレイ14は、全視野70aまたは70bを1つの光チャネルで完全に交互に取り込むために、ビーム偏向手段18と画像センサ12との間に相互に導入される第1の光学系64aおよび第2の光学系64bを含む。光学系64a、64bは、例えば、製造公差を超える上記の異なる焦点距離を含む。このため、画像センサ12は、別個の画像センサ領域24aを含むことができる。あるいは、例えば、視野70a、70bの全視野を同時に取り込むために、少なくとも1つのさらなるオプションの画像センサ領域24bを設けることもできる。言い換えると、さらなる実施形態によれば、多開口撮像装置10’’
’は、画像センサ12と、少なくとも第1の光チャネル16aおよび第2の光チャネル16bを含むアレイ14と、を含む。各光チャネル16a、16bは、それぞれ、全視野70a、70bをそれぞれ画像センサ12の画像センサ領域24に投影するための光学系64a、64bを含む。ビーム偏向手段18は、光チャネル16a、16bの光路を共通に偏向させるように構成される。第1の光チャネル16aの光学系64aは、第2の光チャネル16bの光学系64bの焦点距離と少なくとも10%異なる焦点距離を含む。あるいは、個別に割り当てられた画像センサ領域または画像センサ領域24上にさらなる全視野を投影するためのさらなる光学系も配置することができる。少なくとも1つの全視野70a、70bまたはさらなる全視野は、
図1a~eの文脈で説明するように、それぞれいくつかの光チャネルによって部分的に取り込むことができる。多開口撮像装置10’’
’は、上述のように光学的画像安定化装置を含むことができ、および/または電子的画像安定化装置41をオプションとして含むことができる。
【0036】
図1gは、多開口撮像装置10’’
’によって取り込まれ得る全視野70a、70bの概略図を示す。全視野70aは、多開口撮像装置10による構成を取得するために、部分視野に細分することにより取り込むこともできる。加えて、全視野70bは、部分視野に細分することにより取り込むこともできる。
【0037】
図2aは、一実施形態による多開口撮像装置20の概略図を示す。多開口撮像装置20は、例えば多開口撮像装置10、10’、10’’および/または10’’’で使用できるように、画像センサ12、光チャネル16a~hのアレイ14、ビーム偏向手段18、および光学的画像安定化装置22を含む。各光チャネル16a~hは、画像センサ12の画像センサ領域24a~h上に全視野の部分視野を投影するための光学系64a~hを含む。多開口撮像装置10と比較して、4を超える光チャネルを使用して、光チャネル16a~e、16g、16hまたは他のようないくつかの部分視野を有する全視野を取り込むことができるが、光チャネル16fは、例えば、全視野70bを取り込むように構成される。あるいは、光チャネル16a~e、16d、または16hの少なくとも1つは、さらなる、すなわち第3のまたはより大きい番号の全視野を取り込むように構成することもできる。
【0038】
例えば、画像センサ領域24a~hはそれぞれ、対応するピクセルアレイを含むチップで形成されてもよく、画像センサ領域は、相互基板、あるいは相互回路基板または相互フレックス基板などの相互回路キャリアに搭載されてもよい。あるいは、明らかに、画像センサ領域24a~hはそれぞれ、画像センサ領域24a~hにわたって連続的に延在する相互ピクセルアレイの一部から形成されてもよく、相互ピクセルアレイは、例えば、シングルチップ上に形成される。例えば、相互ピクセルアレイのピクセル値のみが画像センサ領域24a~hで読み出される。これらの代替案の様々な組み合わせも明らかに可能であり、例えば、2つ以上のチャネル用のチップと、他のチャネル用のさらなるチップなどが存在する。例えば、画像センサ12のいくつかのチップの場合、これらは、1つまたはいくつかの回路基板または回路キャリアに、例えば、すべて一緒にまたはグループなどで搭載することができる。さらに、複数の独立のピクセルフィールドを含む単一のチップを使用する解決策も可能である。代替的な実施形態は、独立のピクセルフィールドを順に含むいくつかのチップを含む。
【0039】
ビーム偏向手段18は、光チャネル16a~hの光路26を偏向させるように構成される。光学的画像安定化装置22は、画像センサ12とアレイ14と偏向手段18との間の相対運動に基づいて、第1の画像軸28および第2の画像軸32に沿った光学的画像安定化を可能にするように構成される。第1の画像軸28および第2の画像軸32は、画像センサ領域24a~hおよび/または画像センサ12の配置または向きによって影響を受ける場合がある。一実施形態によれば、画像軸28、32は、互いに垂直に配置され、かつ/または画像センサ領域24a~dのピクセルの延在方向と一致する。代わりにまたはさらに、画像軸28、32は、部分視野または全視野がサンプリングまたは取り込まれる方向を示してもよい。簡単に言えば、画像軸28、32は、多開口撮像装置20によって取り込まれた画像のそれぞれ第1および第2の方向であってもよい。例えば、画像軸28、32は、互いに対して≠0°の角度を含み、例えば、空間内で互いに垂直に配置される。
【0040】
光学的画像安定化は、部分視野または全視野が取り込まれる取り込みプロセス中に、視野が取り込まれる対象物領域に対して多開口撮像装置20が移動する場合に有利であり得る。光学的画像安定化装置22は、画像の揺れを低減または防止するために、この動きを少なくとも部分的に打ち消すように構成されてもよい。画像軸28に沿った光学的画像安定化のために、光学的画像安定化装置22は、画像センサ12とアレイ14とビーム偏向手段18との間に第1の相対運動34を生成するように構成することができる。画像軸32に沿った光学的画像安定化のために、光学的画像安定化装置22は、画像センサ12とアレイ14とビーム偏向手段18との間に第2の相対運動を生成するように構成される。第1の相対運動34に対して、光学的画像安定化装置22は、アレイ14および/または画像センサ12を画像軸28に沿って変位させることにより相対運動34を生成するアクチュエータ36および/またはアクチュエータ37を含むことができる。言い換えれば、アクチュエータ36は、アレイ14を並進的に変位または移動させるように示されているが、さらなる実施形態によれば、アクチュエータ36は、代わりにまたはさらに画像センサ12に接続され、画像センサ12をアレイ14に対して移動させるように構成されてもよい。代わりにまたはさらに、光学的画像安定化装置は、画像軸28に沿ってビーム偏向手段18の並進運動39aを生成するように構成されたアクチュエータ42を含むことができる。この場合、光学的画像安定化装置22は、画像センサ12とアレイ14とビーム偏向手段18との間に相対運動34が生成されるように、アクチュエータ36、37および/または42の運動を実行するように構成される。これは、
図2aでは、相対運動34がアレイ14に示されているが、代わりにまたはさらに、他の構成要素を移動させることができることを意味する。相対運動34は、ライン延長方向35に平行に、かつ光路26に垂直に実行されてもよい。しかしながら、例えば、さらなる構成要素に関して、画像センサ12の電気的相互接続にかかる機械的なストレスを可能な限り少なく、またはまったくないようにするために、並進的に画像センサ12に対して移動するようにアレイ14を設定することが有利であり得る。
【0041】
第2の相対運動を生成するために、光学的画像安定化装置22は、ビーム偏向手段18の回転運動38を生成もしくは可能にするように、かつ/あるいは画像軸32に沿った画像センサ12とアレイ14との間の並進相対運動、および/またはアレイ14とビーム偏向手段18との間の並進相対運動を提供するように構成することができ、アクチュエータ36、37および/または42は、この目的のために配置されてもよい。回転運動38を生成するために、光学的画像安定化装置22は、例えば、回転運動38を生成するように構成されたアクチュエータ42を含むことができる。あるいは、光学的画像安定化装置22は、アクチュエータ42を使用して画像軸32に沿った並進運動39bを生成するように構成されてもよい。第1の相対運動34および/または39aに基づいて、それに平行な画像方向に沿って、例えば画像軸28に沿ってまたは反対に、光学的画像安定化を得ることができる。第2の相対運動38および/または39bに基づいて、画像センサ12の主面内の回転運動38の回転軸44に垂直に配置された画像方向に沿って、例えば画像軸32に沿って、光学的画像安定化を得ることができる。主面は、他の面と比較して大きなまたは最大の寸法を含む面であると理解することができる。代わりにまたはさらに、
図4に関連して説明するような、多開口撮像装置の焦点を変更するように構成された集束手段を配置することができる。並進相対運動として第1および第2の相対運動を制御するように光学的
画像安定化装置22を実装することは、光学画像安定化を得るために可能であるが、回転運動38として第2の相対運動を実施することは、この場合、第2の画像軸32に沿った構成要素の並進運動が回避され得るので有利であり得る。この方向は、いくつかの実施形態によれば、可能な限り小さく保たれるべき多開口撮像装置20の厚さ方向に平行であってもよい。そのような目的は、回転運動によって達成され得る。
【0042】
簡単に言えば、相対運動34に垂直な並進運動の代わりに、回転運動38を使用して、第2の画像軸32に沿った光学的画像安定化を得ることができる。これにより、相対運動34に垂直な並進相対運動を可能にするための設置スペースを節約することができる。例えば、並進相対運動は、装置が薄い厚さで、すなわち、薄くなるように実装され得るように、装置の厚さ方向に対して垂直に配置され得る。フラットハウジングで実装できるので、これは携帯装置の分野で特に有利である。
【0043】
多開口撮像装置20は、画像センサ領域24a~h上に投影される部分画像を電子的に安定化させるように、すなわち画像データを操作するように構成された電子的画像安定化装置41を含む。この目的のために、例えば、電子振動低減(e-VR)、Coolpix S4、Anti-Shake-DSPおよび/またはAdvanced Shake Reduction(ASR)など、様々な方法を個別にまたは組み合わせて使用することができる。電子的画像安定化装置41は、アレイ14の第1の光チャネル16a~hの画像センサ領域24a~hの第1の部分画像を第1の範囲まで安定化させるように構成される。さらに、電子的画像安定化装置41は、アレイ14の異なる光チャネル16a~hの画像センサ領域24a~hの第2の部分画像を、第1の範囲とは異なる第2の範囲、すなわち、チャネルごとにさらに安定化させるように構成することができる。異なる光チャネルは、同じまたは同等の光学特性を有する光チャネル、またはそれとは異なる光学特性、特に焦点距離を有する光チャネルであり得る。この場合、その範囲は、第1および第2の画像軸28、32に沿って実行される画像補正に関するものであり、この場合、画像軸などの周りの回転も含まれる。
【0044】
実施態様では、電子的画像安定化装置41は、各光チャネルに対して、すなわち、画像センサ領域24a~hの部分画像のそれぞれに対して、チャネルごとに電子的画像安定化を実行するように構成される。これにより、第1および第2の光チャネル16a~hについて、異なる収差またはチャネルに固有の収差さえも補正することができる。
【0045】
光チャネルの光学系64a~hは、それぞれ異なる光学特性を備えてもよい。例えば、製造公差により異なる光学特性が得られるため、光学系64a~hは、焦点距離、視野角、光学直径などの1つまたはいくつかの光学特性に関して、最大±10%、最大±5%、または最大±3%の公差範囲内で互いに異なっている。
【0046】
光学系64a~hの光学特性が製造に関連して異なる関係性において、画像センサ12と、それぞれの光チャネルの光学系64a~hと、ビーム偏向手段18との間の相対運動による光学的画像安定化は、画像センサ領域24a~d内の画像が異なるように変化するという事実につながることが認識されている。これは、少なくとも部分的には、すべての光チャネルに対して同じ方法で、つまりチャネル全体で実行される光学的画像安定化を達成するための機械的運動が、光学系64a~hを通る光路の異なる変化をもたらすという事実によるものである。ここで、異なる光学特性は、画像センサ領域24a~hの画像に異なる影響を及ぼし、チャネルごとにさえ影響を与える。換言すれば、すべてのチャネルに同じように影響するビーム偏向ユニットおよび/またはアレイおよび/または画像センサの間の相対運動におけるチャネルごとの異なる画像変位は、特にチャネルの異なる焦点距離に起因する。これは、光学的画像安定化と組み合わされた電子的画像安定化により低減、すなわち、少なくとも部分的にバランスが取れるか、または補償され得る。これは、焦点距離の光学特性に基づいて強調される。同じ全視野に向けられた光学系の光学焦点距離の2つの異なる値により、光学的画像安定化のコンテキストでの相対的な動きは、光チャネルの視線軸および/または視線方向が同様に変更されるという事実につながる。しかしながら、光学系64a~hの焦点距離が異なるため、画像センサ領域24a~hの部分画像は異なって移動し、部分画像を結合するとき、すなわちステッチを実行するときに、高い計算努力または収差さえももたらし得る。
【0047】
例えば、アレイ14は、光チャネル16a~hが延在するキャリア47を含むことができる。このために、例えば、キャリア47は不透明になるように構成されてもよく、光チャネル16a~hのための透明領域を含んでもよい。透明領域の内側またはそれに隣接して、および/または透明領域の端部領域に、光チャネル16a~hの光学系64a~hを配置することができる。代わりにまたはさらに、キャリア47は透明になるように形成されてもよく、例えば、ポリマー材料および/またはガラス材料を含んでもよい。画像センサのそれぞれの画像センサ領域24a~h上の全視野のそれぞれの部分視野の投影に影響を与える光学系(レンズ)64a~hは、キャリア47の表面に配置することができる。
【0048】
例えば、アクチュエータ36および/または42は、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、圧電アクチュエータ、直流モータ、ステッピングモータ、熱作動アクチュエータ、静電アクチュエータ、電歪アクチュエータ、磁歪アクチュエータまたは可動コイルドライブとして形成されてもよい。
【0049】
例えば、ビーム偏向手段18は、少なくとも領域で反射するように形成されてもよい。例えば、ビーム偏向手段18は、偏向された光路が異なる角度を含み、全視野の異なる部分視野を取り込むように光路26を偏向させるように構成された領域またはビーム偏向要素46a~dを含むことができる。異なる角度は、ビーム偏向手段18および/または光チャネル16a~hの光学系64a~hによって生成され得る。例えば、領域46a~dは、ファセットミラーのファセットとして形成され得る。ファセットは、アレイ14に対して異なる傾斜を含んでもよい。これにより、異なるように配置された部分視野に向けて光路26を偏向、影響、駆動、および/または散乱させることができる。あるいは、ビーム偏向手段18は、片側または両側で反射するように構成された表面、例えば鏡として構成されてもよい。この表面は、平面になるように、または部分もしくは平面が連続的に湾曲するように、および/または部分もしくは平面が不連続に湾曲するように形成されてもよい。光路26の偏向は、代わりにまたはさらに、光チャネル16a~hの光学系64a~hによって得ることができる。
【0050】
言い換えれば、光学的画像安定化のための相対運動は、多開口カメラのすべてのチャネルで同じ機械的偏向を引き起こす。しかし、光学的画像安定化の実際の作用メカニズムを定義する取得画像の変位は、各チャネルの撮像光学系の焦点距離にさらに依存する。したがって、同じ方法ですべてのチャネルに対してグローバルに実行される光学的画像安定化に加えて、チャネルごとの電子的画像安定化が導入されることは認識の1つである。ビーム偏向手段は、視線方向の偏向と光学的画像安定化の両方に使用することができる。
【0051】
ビーム偏向手段は、すべてのチャネルの領域を横切る平面であってもよく、連続または不連続なプロファイルを含んでもよく、および/または部分的に平面であってもよく、すなわち、ファセットされてもよく、収差を低減し、および/または構造の硬化を可能にして、運動によって誘発される収差および/または熱的に誘発される収差を最小限に抑えるために、個々の連続または不連続なプロファイル間の移行は、反射率を低減するための局所マスキングをさらに含んでもよいし、機械的構造を含んでもよい。
【0052】
ビーム偏向手段の第1の位置と第2の位置との間の切り替えは、回転軸の周りの回転方式で、および/または並進方式で回転軸44に沿って起こり得る。回転軸44に沿った並進運動は、連続的または非連続的な方法、例えば、双安定または多安定な方法で実行されてもよい。例えば、これは、ビーム偏向手段18がその間で移動する位置離散位置として理解することができる。例えば、単安定、双安定、または多安定の位置は、アクチュエータ42または別のアクチュエータをステッピングモータとして実装することにより得られてもよい。例えば、ビーム偏向手段18が2つの位置の間で前後に移動するように構成されている場合、例えば、位置の1つはアクチュエータのアイドル位置であってもよく、またはそれに基づいてもよい。例えば、アクチュエータは、それぞれの他の位置に到達すると反力を加えるばね力に関して並進運動を実行するように構成され、アクチュエータの力を除去するとビーム偏向手段をその開始位置に戻す。これは、局所的な力の最小値を含まない力線図の領域でも安定した位置が得られることを意味する。例えば、これは最大の力であってもよい。代わりにまたはさらに、ビーム偏向手段18と隣接するハウジングまたは基板との間の磁力または機械的力に基づいて、安定した位置を得ることができる。これは、アクチュエータ42または他のアクチュエータが、ビーム偏向手段を双安定または多安定位置に移動させるために、ビーム偏向手段を並進移動するように構成され得ることを意味する。あるいは、位置の双安定配置のために単純な機械的停止が提供されてもよく、それは、定義された端位置で位置切り替えが行われる2つの端位置を定義する。
【0053】
電子的画像安定化装置41は、光学的画像安定化装置22と組み合わせて、しかしそれとは独立して、多開口撮像装置10で使用することができる。光学的画像安定化装置22との組み合わせは、特に、共通の全視野に割り当てられた、および/または同じ方法で構成されるが実際にはわずかな差がある光学系の光学特性の差を補償するための利点を提供する。あるいは、電子的画像安定化装置41は、光チャネル16a~dに対して光チャネル16eを補正するために、またはその逆に、光学的画像安定化装置なしで多開口撮像装置10において使用することもできる。光学系間の差異は、機能的関係性として電子的画像安定化装置41に格納することができる。
【0054】
図2bは、一実施形態による多開口撮像装置20’の概略図を示す。多開口撮像装置20に関して、多開口撮像装置20’は、アクチュエータ36が画像センサ12に機械的に接続され、画像センサ12をアレイ14に対して移動させるように構成される点で変更されている。相対運動34は、ライン延長方向35に平行に、かつ光路26に垂直に実行されてもよい。
【0055】
図3aは、一実施形態による多開口撮像装置30の概略側面断面図を示す。例えば、多開口撮像装置30は、直方体55の側面53a、53bがまたがる2つの平面52a、52bの間に少なくとも部分的に配置されるように、アクチュエータ36および/または42が配置されるという点で多開口撮像装置20を変更してもよい。直方体55の側面53a、53bは、互いに平行に、およびアレイのライン延長方向および画像センサとビーム偏向手段との間の光チャネルの光路の一部の方向に平行に向けられてもよい。直方体55の体積は最小限であり、画像センサ12、アレイ14、およびビーム偏向手段18、ならびにそれらの動作上の動きを依然として含む。アレイ14の光チャネルは、各光チャネルに対して同じになるように形成されてもよく、または異なっていてもよい光学系64を含む。
【0056】
多開口撮像装置の体積は、平面52aと平面52bとの間の低いまたは最小の設置スペースを含むことができる。多開口撮像装置の設置スペースは、平面52aおよび/または52bの側面または延長方向に沿って大きくてもよいし、任意に大きくてもよい。例えば、仮想直方体の体積は、画像センサ12、単一ラインアレイ14およびビーム偏向手段の配置によって影響を受け、平面に垂直な方向に沿ったこれらの構成要素の設置スペース、したがって、平面52aと平面52bとの間の距離が低くなるか最小になるように、本明細書に記載の実施形態によるこれらの構成要素の配置を実行することができる。特に、携帯電話やタブレットなどのモバイル用途の分野では、多開口撮像装置を可能な限り薄く実装することが望まれる。構成要素の他の配置に関して、仮想直方体の他の側面の体積および/または距離を増加させることができる。
【0057】
仮想直方体55は点線で示されている。平面52a、52bは、仮想直方体55の2つの側面を含むことができ、またはそれによって広がることができる。多開口撮像装置30の厚さ方向57は、平面52aおよび/または52bに垂直であり、かつ/またはy方向に平行であるように配置されてもよい。
【0058】
画像センサ12、アレイ14、およびビーム偏向手段18は、厚さ方向57に沿った平面52aと平面52bとの間の垂直距離が最小になるように配置されてもよく、これは、単純化の理由で直方体の高さと呼ばれる場合があるが限定する効果はなく、体積の小型化、つまり直方体の他の寸法は省略してもよい。方向57に沿った直方体55の拡張は最小であり、撮像チャネルの光学部品、すなわちアレイ14、画像センサ12およびビーム偏向手段18の方向57に沿った拡張により本質的に予め定義することができる。
【0059】
多開口撮像装置の体積は、平面52aと平面52bとの間の低いまたは最小の設置スペースを含むことができる。多開口撮像装置の設置スペースは、平面52aおよび/または52bの側面または延長方向に沿って大きくてもよいし、任意に大きくてもよい。例えば、仮想直方体の体積は、画像センサ12、単一ラインアレイ14およびビーム偏向手段の配置によって影響を受け、平面に垂直な方向に沿ったこれらの構成要素の設置スペース、したがって、平面52aと平面52bとの間の距離が低くなるか最小になるように、本明細書に記載の実施形態によるこれらの構成要素の配置を実行することができる。構成要素の他の配置に関して、仮想直方体の他の側面の体積および/または距離を増加させることができる。
【0060】
多開口撮像装置のアクチュエータ、例えば、アクチュエータ36および/または42は、方向57に平行な寸法または拡張を含んでもよい。アクチュエータの寸法の50%以下、30%以下、または10%以下の割合が、平面52aと平面52bとの間の領域から始まり、平面52aおよび/または52bを超えて延在してもよく、または領域外に延在してもよい。これは、アクチュエータが平面52aおよび/または52bをわずかに超えて延在することを意味する。実施形態によれば、アクチュエータは、平面52a、52bを越えて延在しない。この場合、厚さ方向または方向57に沿った多開口撮像装置10の拡張がアクチュエータによって増加しないことが有利である。
【0061】
画像安定化装置22および/またはアクチュエータ36および/または42は、厚さ方向57に平行な寸法または拡張を含むことができる。寸法の50%以下、30%以下、または10%以下の割合は、平面52aと平面52bとの間の領域から始まり、平面52aおよび/または平面52bを超えて延在してもよく、または領域外に延在してもよく、例えば、アクチュエータ42のオフセット配置を示すアクチュエータ42’で示される。これは、アクチュエータ36および/または42が平面52aおよび/または52bをわずかに超えて延在することを意味する。実施形態によれば、アクチュエータ36および/または42は、平面52a、52bを越えて延在しない。この場合、厚さ方向57に沿った多開口撮像装置30の拡張は、アクチュエータ36および/または42によって増加しないことが有利である。
【0062】
より明確にするために、本明細書では上、下、左、右、前または後などの用語を使用しているが、これらは限定的な効果を有することを意図していない。これらの用語は、空間内の回転または傾斜に基づいて相互に交換可能であることが理解される。例えば、画像センサ12からビーム偏向手段18に向かって、x方向は前部または前方であると理解することができる。例えば、正のy方向は上方にあると理解することができる。画像センサ12、アレイ14、および/またはビーム偏向手段18から離れたまたは離間した正または負のz方向に沿った領域は、それぞれの構成要素の隣にあると理解することができる。簡単に言えば、画像安定化装置は、少なくとも1つのアクチュエータ36および/または42を含むことができる。少なくとも1つのアクチュエータ36および/または42は、それぞれ平面48内または平面52aと平面52bとの間に配置されてもよい。
【0063】
言い換えれば、アクチュエータ36および/または42は、画像センサ12、アレイ14および/またはビーム偏向手段18の前、後または隣に配置されてもよい。実施形態によれば、アクチュエータ36、42は、平面52aと平面52bとの間の領域の外側に配置され、最大範囲は50%、30%または10%である。これは、平面48に垂直な厚さ方向57に沿った少なくとも1つのアクチュエータ36および/または画像安定化装置22が、平面または最大寸法52a~52bの間の領域から、厚さ方向57に沿った画像安定化装置のアクチュエータ36および/または42の寸法の50%以下延在することを意味する。これにより、厚さ方向57に沿った多開口撮像装置30の小さな寸法が可能になる。
【0064】
図3bは、多開口撮像装置30の概略側断面図を示し、光路26、26’は、多開口撮像装置30の異なる視線方向を示す。多開口撮像装置は、ビーム偏向手段18の異なる主面が交互にアレイ14に面して配置されるように、角度αだけビーム偏向手段の傾斜を変更するように構成されてもよい。これは、既に述べたように、ビーム偏向手段18の回転運動に基づいて異なる視線方向が得られることを意味する。多開口撮像装置30は、回転軸44の周りにビーム偏向手段18を傾けるように構成されたアクチュエータを含むことができる。例えば、アクチュエータは、ビーム偏向手段18がアレイ14の光チャネルの光路26を正のy方向に偏向させる第1の位置にビーム偏向手段18を移動させるように構成することができる。このために、第1の位置では、ビーム偏向手段18は、例えば、>0°かつ<90°、少なくとも10°でかつ80°以下、または少なくとも30°でかつ50°以下、例えば45°の角度αを含むことができる。アクチュエータは、ビーム偏向手段18がアレイ14の光チャネルの光路を負のy方向に偏向するように、回転軸44の周りの方法で第2の位置でビーム偏向手段を偏向するように構成されてもよく、これは、光路26’およびビーム偏向手段18の点線図によって示されている。例えば、ビーム偏向手段18は、第1の位置で第1の光路26または26’がそれぞれ偏向または反射されるように、両側で反射するように構成されてもよい。有利な実施態様によれば、多開口撮像装置30は、第1の位置と第2の位置との間の切り替えを実行するように構成されるので、2つの位置の間で、補助面がアレイ14に関連付けられるが、主面がアレイ14に完全に面する向きは回避される。これはまた、回転運動による第1および第2の動作状態または位置の間の切り替え中に、第1の主面の表面法線51aおよび第2の主面の第2の表面法線51bは、各時点において画像センサに向かう方向に対して少なくとも10°の角度γ
1およびγ
2を含み、適用可能であれば、画像センサ12の表面法線に平行であるというように理解することができる。このようにして、角度γ
1、γ
2の一方が0°または180°であることを回避することができ、これは、厚さ方向に沿ったビーム偏向手段18の大きなまたはほぼ最大の拡張を示すことができる。
【0065】
図4は、一実施形態による多開口撮像装置40の概略上面図を示す。上記の多開口撮像装置と比較して、多開口撮像装置40が多開口撮像装置40の焦点を変更するように構成された集束手段54を含むように、多開口撮像装置40が変更されてもよい。これは、距離56’によって示されるように、画像センサ12とアレイ14との間の可変距離56に基づいて実行され得る。
【0066】
集束手段54は、作動時に、変形されるように、および/または画像センサ12とアレイ14との間に相対運動を提供するように構成されるアクチュエータ58を含むことができる。これは、アクチュエータ58が画像センサ12に対して正および/または負のx方向に沿ってアレイ14を変位させるように構成されるように、多開口撮像装置40について例示的に示されている。例えば、アレイ14は、アクチュエータ58の作動に基づいて、正または負のx方向に沿って移動し、本質的に正および/または負のz方向に沿って動かないままであるように片側で支持され得る。例えば、アクチュエータ36の作動に基づいて、光学的画像安定化のための正および/または負のz方向に沿ったさらなる運動が得られてもよい。さらなる実施形態によれば、アクチュエータ58および/または集束手段54は、アレイ14に対する画像センサ12の並進変位に基づいて、x軸に沿った画像センサ12とアレイ14との間の相対運動を得るように構成される。さらなる実施形態によれば、画像センサ12およびアレイ14を移動させることができる。さらなる実施形態によれば、集束手段54は、少なくとも1つのさらなるアクチュエータを含んでもよい。例えば、アクチュエータの作動時に、可動アレイ14(画像センサ12の代わりにまたはそれに加えて)を支持する必要性が低減されるように、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータがアレイ14の2つの対向する領域に配置されてもよい。さらに、アクチュエータ58またはさらなるアクチュエータは、単一ラインアレイ14とビーム偏向手段18との間の距離を本質的に、またはさらなるアクチュエータを使用しない場合でも、正確に一定に保つように、すなわち、ビーム偏向手段18を単一ラインアレイ14のような範囲まで移動させるように、構成することができる。集束手段54は、画像センサ12の表面法線に沿った画像センサ12とアレイ14との間の相対的並進運動(集束運動)によるオートフォーカス機能を可能にするように構成することができる。この場合、ビーム偏向手段18は、対応する建設的実施態様またはアクチュエータ42もしくはさらなるアクチュエータの使用により、集束運動と同時に移動することができる。これは、アレイ14とビーム偏向手段との間の距離が変わらないままであり、かつ/またはビーム偏向手段18が、集束運動と同じまたは同等の程度に同時または時間オフセット方式で移動するので、その結果、少なくとも多開口撮像装置によって視野を取り込む時点で、焦点を変更する前の距離と比較して距離が変化しないことを意味する。これは、ビーム偏向手段18がアクチュエータ42と一緒に、すなわち同時に移動し、アレイ14とビーム偏向手段との間の距離が一定のままであるか、または補償されるように実行され得る。これは、アレイ14とビーム偏向手段18との間の距離が変わらないままであり、かつ/またはビーム偏向手段18が、集束運動と同じまたは同等の程度に同時または時間オフセット方式で移動し得るので、その結果、少なくとも多開口撮像装置によって視野を取り込む時点で、焦点を変更する前の距離と比較してアレイ14とビーム偏向手段18との間の距離が変化しないことを意味する。あるいは、ビーム偏向手段18は、アイドル状態であってもよく、オートフォーカス動作から除外されてもよい。
【0067】
例えば、アクチュエータ58は、屈曲バー(例えば、バイモルフ、トリモルフなど)などの圧電アクチュエータとして実施されてもよい。代わりにまたはさらに、集束手段54は、可動コイルドライブ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、直流モータ、ステッピングモータ、熱的に作動させることができるアクチュエータまたは屈曲バー、静電アクチュエータ、形状記憶合金を備えたアクチュエータ、電歪および/または磁歪ドライブを含んでもよい。
【0068】
画像安定化装置および平面48および/または平面52aと平面52bとの間の領域におけるその配置に関連して説明したように、集束手段54の少なくとも1つのアクチュエータ58は、平面52aと平面52bとの間に少なくとも部分的に配置され得る。代わりにまたはさらに、少なくとも1つのアクチュエータ58が、画像センサ12、アレイ14およびビーム偏向手段18が配置される平面に配置されてもよい。例えば、画像センサ12、アレイ14およびビーム偏向手段18が配置される平面48に垂直な厚さ方向57に沿った集束手段54のアクチュエータ58は、厚さ方向57に沿って、集束手段54のアクチュエータ58の寸法の50%以下だけ、平面52aと平面52bとの間の領域から延在することができる。実施形態によれば、アクチュエータは、平面52aと平面52bとの間の領域から30%以下だけ延在する。別の実施形態によれば、アクチュエータ
58は、10%以下だけその領域から延在するか、またはその領域の完全に内側に位置する。これは、厚さ方向57に沿って、集束手段54のための追加の設置スペースが不要であることを意味し、これは有利である。例えば、アレイ14が、レンズ64a~dが配置された透明基板(キャリア)62を含む場合には、厚さ方向57に沿ったアレイ14の寸法、および該当する場合、多開口撮像装置40の寸法は小さくてもよく、または最小であってもよい。
図3aを参照すると、これは、直方体55が方向57に沿って小さな厚さを含むこと、または厚さが基板62の影響を受けないことを示すことができる。基板62は、個々の光チャネルでの撮像に使用される光路を通過させることができる。多開口撮像装置の光チャネルは、ビーム偏向手段18と画像センサ12との間で基板62を横断してもよい。
【0069】
例えば、レンズ64a~dは液体レンズであってもよく、すなわち、アクチュエータはレンズ64a~dを駆動するように構成されてもよい。液体レンズは、屈折力、したがって局所的長さと画像位置をチャネルごとに個別に調整し変更するように構成することができる。
【0070】
図5aは、一実施形態による多開口撮像装置50の概略斜視図を示す。例えば、多開口撮像装置20と比較して、アレイ14は、多開口撮像装置10のように単一ライン方式で構成され、これは、すべての光チャネル16a~dが単一ラインのアレイ14のライン延長方向に沿って配置され得ることを意味する。単一ラインという用語は、さらなるラインがないことを示す場合もある。アレイ14の単一ライン実施態様により、厚さ方向57に沿ったアレイの、そしておそらく、多開口撮像装置50の小さな寸法が可能になる。光学的画像安定化装置は、共にアクチュエータ36を形成するアクチュエータ36a、36bを含み、これは、本明細書に記載のアクチュエータがいくつかのアクチュエータまたは制御要素によって実施されてもよく、および/またはいくつかのアクチュエータが相互アクチュエータに組み合わされてもよいことを意味する。
【0071】
多開口撮像装置50は、ビーム偏向手段18に基づいて、異なる方向の視野を取り込むように構成されてもよい。例えば、ビーム偏向手段は、第1の位置Pos1および第2の位置Pos2を含むことができる。並進運動または回転運動に基づいて、ビーム偏向手段は、第1の位置Pos1と第2の位置Pos2との間で切り替え可能であってもよい。例えば、ビーム偏向手段18は、例えば並進運動66によって示されるように、並進方式で単一ラインアレイ14のライン延長方向zに沿って移動することができる。例えば、並進運動66は、アレイ14の少なくとも1つのラインが配置されるライン延長方向65に本質的に平行に配置されてもよい。例えば、並進運動は、多開口撮像装置50の異なる視野方向を得るために、光チャネル16a~dの光学系の前に異なるファセットを配置するために使用されてもよい。ビーム偏向手段18は、第1の位置Pos1において、光路26a~dを第1の方向、例えば少なくとも部分的に正のy方向に偏向させるように構成することができる。ビーム偏向手段18は、第2の位置Pos2において、光路26a~d、すなわち、各光チャネル16a~dの光路を異なる方向、例えば少なくとも部分的に負のy方向に沿って導くように構成することができる。例えば、アクチュエータ42は、運動方向66に沿ったビーム偏向手段18の運動に基づいて、ビーム偏向手段18を第1の位置Pos1から第2の位置Pos2に移動させるように構成することができる。アクチュエータ42は、運動方向66に沿った並進運動を回転運動38と重ね合わせるように構成することができる。あるいは、多開口撮像装置50は、移動方向66に沿ってまたはそれに反対にビーム偏向手段を移動させるように構成されたさらなるアクチュエータを含んでもよい。
【0072】
図3bに関連して説明するように、アクチュエータ42は、ビーム偏向手段18の回転に基づいてビーム偏向手段18の第1および/または第2の位置を取得するように構成することができる。第1の位置Pos1と第2の位置Pos2との間の運動は、位置を切り替えるための回転運動と、方向66に沿った並進運動と、の両方のために回転運動38と重ね合わされてもよい。
【0073】
2つの全視野70a、70bの概略図を示す
図1bを参照すると、例えば、前述のように多開口撮像装置、例えば多開口撮像装置10、10’’、10’’’、20、20’、30、40および/または50で取り込まれる可能性があるため、例えば、多開口撮像装置20は、全視野70aをより多くのまたはより少ない部分視野72a~dに細分することができる。多開口撮像装置の光チャネルの光路は、異なる部分視野72a~dに向けられてもよく、部分視野72a~dは各光チャネルに関連付けられてもよい。例えば、個々の部分画像を全画像に結合できるようにするために、部分視野72a~dは互いに重なり合う。多開口撮像装置が4つとは異なるいくつかの光チャネルを含む場合、全視野70は4つとは異なるいくつかの部分視野を含むことができる。代わりにまたはさらに、3次元対象物データを取り込めるようにするためのステレオカメラ、トリオカメラ、カルテットカメラを実装するために、少なくとも1つの部分視野72a~dは、より多くのモジュール(多開口撮像装置)の第2のまたはより多くの光チャネルによって取り込まれてもよい。モジュールは、個別にまたはリンクされたシステムとして実装されてもよく、多開口撮像装置のハウジング内の任意の場所に配置されてもよい。ステレオカメラ、トリオカメラ、カルテットカメラを一緒に形成する様々なモジュールの画像は、ピクセルの端数だけずらされ、超解像の方法を実施するように構成される。光チャネルの数および/または多開口撮像装置の数および/または部分視野の数は、例えば任意であり、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも10、少なくとも20、またはそれ以上の値の数を含んでもよい。さらなるラインの光チャネルはまた、それぞれの重なり合う部分領域を取り込み、全視野を共にカバーしてもよい。これにより、部分的に重なり合い、部分的なグループ化で全視野をカバーするチャネルで構成されるアレイカメラのステレオ構造、トリオ構造、カルテット構造などを得ることができる。
【0074】
図5bは、多開口撮像装置50の概略斜視図であり、これに基づいて、光学的画像安定化と電子的画像安定化の組み合わせの有利な実施が説明される。光学的画像安定化装置22はアクチュエータ36a、36b、42を含み、アクチュエータ36a、36bは、アレイ14をライン延長方向65に沿って変位させることにより、画像センサ領域24a~24dの部分視野の画像の光学的画像安定化を得るように構成される。さらに、例えば、光学的画像安定化装置は、回転運動38によって画像軸32に沿って光学的画像安定化を得るように構成される。例えば、アレイ14の光学系64a~dは、10%以下、5%以下または3%以下の許容範囲内で互いに異なる焦点距離f
1~f
4を含み、光学系64eは、多開口撮像装置10の光学系64eについて説明したように少なくとも10%異なる焦点距離f
5を含む。異なる焦点距離f
5、f
1~f
4、ならびに場合によっては異なる焦点距離f
1~f
4を伴うチャネル全体回転運動38は、画像センサ領域24a~eの画像の異なる変位69
1~69
5をもたらす。これは、光学的画像安定化装置22が、少なくとも1つの、いくつかの、またはすべての画像が理論的な収差のない状態から逸脱するように、チャネル全体の回転運動38により画像に異なる効果をもたらすことを意味する。しかし、光学的画像安定化装置22は、すべての画像の偏差を全体的に最小化するように構成することができるが、これは、画像のそれぞれに収差が生じるという事実につながる場合がある。あるいは、光学的画像安定化装置22は、画像センサ領域
24a~eの1つで基準画像を選択し、基準画像または基準チャネルの画像が可能な限り正確になるようにアクチュエータ42の制御を実行するように構成することができ、これは収差なしとも呼ばれる。これは、チャネル全体の光学的画像安定化により、影響を受ける画像の方向に対してチャネルを収差のない状態に保ち、他のチャネルは異なる焦点距離f
1~f
5のためにこの基準画像から逸脱することを意味する。異なる光チャネルは、同一または同等の光学特性を有する少なくとも1つの光チャネルおよび/または異なる光学特性を有する少なくとも1つの光チャネルであってもよく、光学特性は特に焦点距離であってもよい。言い換えると、機械的に実現された光学的画像安定化装置を使用してチャネルを補正し、これはすべてのチャネルに対して同じ効果を有するが、すべてのチャネルを安定に保つわけではない。これらの追加チャネルは、電子的画像安定化装置でさらに修正される。
【0075】
電子的画像安定化装置41は、画像センサ12とアレイ14とビーム偏向手段18との間の相対運動に依存する決定された機能的接続に従って、各チャネルでチャネル個別の電子的画像安定化を実行するように構成することができる。電子的画像安定化装置41は、各画像を個別に安定化させるように構成されてもよい。このため、電子的画像安定化装置41は、画像の光学的品質を向上させるために、グローバル値、例えばカメラの動きなどを使用してもよい。電子的画像安定化装置41が光学的画像安定化装置22の基準画像から開始する電子的画像補正を実行するように構成されている場合には、特に有利である。異なる焦点距離は、光学的画像安定化による画像の異なる変化の間の機能的接続を、好ましくは線形の形式で、例えば、次の形式で提供することができる:
収差=f(fi,相対運動)、
これは、収差は、焦点距離もしくは焦点距離の差および視線方向の変更もしくは光学的画像安定化のために実行された相対運動の関数として、全体的にまたは基準チャネルに対して示され得ることを意味する。電子的画像安定化装置41は、実行される電子画像安定化に関する信頼できる情報を取得するため、ならびに機能的な接続を作成および/またはそれを使用するために、画像センサ12とアレイ14とビーム偏向手段18との間の範囲または相対運動を、焦点距離f1~f4、f5または基準チャネルに対する焦点距離の差とリンクさせることができる。光学特性および/または機能的接続の必要なデータは、較正中に取得することができる。別の画像に対する1つの画像の変位を決定するための互いに対する画像の位置合わせは、部分視野の画像内の一致する特徴、例えば縁部の進行、対象物のサイズなどを決定することによって行うこともできる。例えば、これは、第1および第2の画像における特徴の動きの比較に基づいて電子的画像安定化を提供するようにさらに構成され得る電子的画像安定化装置41によって識別することができる。したがって、チャネルごとの電子的画像安定化は、画像の詳細の動きのチャネルごとの画像評価によって実行することができる。
【0076】
異なる画像での比較の代わりに、またはそれに加えて、特に時間的に離れた2つの取り込まれた画像またはフレームに関して、同じ画像で特徴の比較を実行することもできる。電子的画像安定化装置41は、第1の時点およびある時点で対応する部分画像内の一致する特徴を識別し、第1の画像の特徴の動きの比較に基づいて電子的画像安定化を提供するように構成することができる。例えば、比較は、相対運動によって特徴が変位され、少なくとも部分的に収差を補正するために画像が後方に変位される変位を示してもよい。
【0077】
光学的画像安定化装置は、画像センサ領域24a内の画像などの基準チャネルの撮像された部分視野の画像を安定化させるために使用されてもよい。例えば、電子的画像安定化装置41は、チャネルごとに画像センサ領域24b、24c、24d、24eに投影する基準チャネルとは異なる光チャネルに対して画像安定化を実行するように構成される。多開口撮像装置は、光学的に排他的に基準チャネルを安定化させるように構成されてもよい。これは、実装において、機械的に達成された光学的画像安定化のみを使用することにより、基準チャネルで十分に良好な画像安定化が達成され得ることを意味する。他のチャネルについては、焦点距離の違いによる不十分な光学的画像安定化の上述の効果を部分的または全体的に補償するために、電子的画像安定化がさらに実行され、電子的安定化は各チャネルで個別に実行される。
【0078】
さらなる実施形態によれば、多開口撮像装置の各チャネルが個別の電子的画像安定化を含むことがさらに可能である。多開口撮像装置の各チャネルに対して個別に実行される電子的画像安定化は、個々のチャネルで実現される画像変位間の決定された機能的接続が使用されるように実行されてもよい。例えば、チャネルの方向32に沿った変位は、別の画像の方向32に沿った変位の1.1倍、1.007倍、1.3倍または2倍または5倍である。さらに、このチャネルごとの機能的接続は、ビーム偏向ユニットおよび/またはアレイおよび/または画像センサ間の相対運動に依存する場合があり、これは線形であってもよいし、あるいは画像方向に沿った電子的画像安定化の範囲にビーム偏向手段の回転角を投影する角度関数に対応してもよい。同じ値または異なる値を使用して、方向28に対して同一の接続を実現することができる。
【0079】
すべての実施形態について、実現された相対運動は、ジャイロスコープなどの対応する追加のセンサによって取り込まれてもよいし、あるいは1つの、いくつかの、またはすべてのチャネルの取り込まれた画像データから導出されてもよい。このデータまたは情報は、光学的および/または電子的画像安定化に使用されてもよく、これは、例えば、多開口撮像装置がセンサからセンサ信号を受信し、多開口撮像装置と対象物との間の相対運動に関連する情報に関してセンサ信号を評価し、この情報を使用して光学的および/または電子的画像安定化装置の制御を実行するように構成されることを意味する。
【0080】
光学的画像安定化装置は、方向28に沿った安定化のための様々な構成要素、例えばアレイ14の移動、および方向32に沿った安定化のためのビーム偏向手段の回転運動38によって画像軸28、32に沿った光学的画像安定化を得るように構成することができる。どちらの場合でも、光学系64a~dと64eの違い、そしておそらく光学系64a~d内の違いが影響を及ぼす。電子的画像安定化に関する以前の議論は、両方の相対運動に対して実施されてもよい。特に、方向28、32を別々に見ることにより、方向28、32に沿った光学系64a~e間の様々な偏差を考慮することが可能になる。
【0081】
本明細書で説明する実施形態は、画像センサ領域24a~e内の部分画像に相互画像軸28および/または32を使用することができる。あるいは、方向が異なってもよく、相互に変換されてもよい。
【0082】
図6aは、ファセット46a~hのアレイとして形成されるビーム偏向手段18の概略図を示す。例えば、ビーム偏向手段18が第1の位置に配置される場合、それぞれ番号1、2、3および4で示されるファセット46a~dは、4つの光チャネルの光路を第1の方向に偏向させることができる。ビーム偏向手段18が第2の位置を含む場合、各光チャネルの光路は、それぞれ番号1’、2’、3’および4’で示されるように、ファセット46e~hに基づいて第2の方向に偏向され得る。例えば、ファセット46a~d、46e~hは、ブロックに配置されていると呼ばれる場合がある。ライン延長方向65に沿った光チャネルの数の延長長さに本質的に対応する距離88は、並進方向66に沿ったビーム偏向手段18の並進運動のためにカバーされ得る。図
6aの実施形態によれば、例えば、これは、ライン延長方向65に沿った4つの光チャネルの拡張である。さらなる実施形態によれば、ビーム偏向要素の数は、複数の光チャネルと異なっていてもよい。少なくとも2つの光チャネルの光路を偏向するために、少なくとも1つのビーム偏向要素をビーム偏向手段の位置に構成または配置することができる。
【0083】
図6bは、ビーム偏向手段18の概略図を示し、ファセット46a~
hは、
図6aの図と比較して異なる順序を含む。
図6bに示すビーム偏向手段は、順序1、1’、2、2’、3、3’、4および4’で示されるように、各光チャネルに対して光チャネル
の交互配置を含む。これにより、ビーム偏向手段18が第1の位置と第2の位置との間で切り替えられるためにそれに沿って移動される距離88’が可能になる。
図6aの距離88と比較して、距離88’は小さくてもよい。例えば、距離88’は、アレイ14の2つの隣接する光チャネル間の距離に本質的に対応することができる。例えば、2つの光チャネルは、移動方向65に沿ったファセットの寸法に少なくとも本質的に対応する互いに対する距離またはギャップを含むことができる。距離88’は、例えば、少なくとも2つの光チャネルの光路を偏向するためにビーム偏向要素がビーム偏向手段の位置に構成または配置される場合には、これとは異なってもよい。
【0084】
ビーム偏向手段18の有利な実施態様は、
図7a~hに基づいて説明される。この実施態様は、個別にまたは任意の組み合わせで実行できる多くの利点を示すが、これらは限定的な効果を有することを意図したものではない。
【0085】
図7aは、本明細書に記載のビーム偏向手段のビーム偏向領域46の1つとして使用され得るビーム偏向要素172の概略側面断面図を示す。ビーム偏向要素172は、光チャネル16a~dの1つ、複数、またはすべてに対して動作可能であってもよく、多角形のチェーン状の断面を含んでもよい。三角形の断面が示されているが、他の任意の多角形でもよい。代わりにまたはさらに、断面は少なくとも1つの曲面を備えてもよく、収差を回避するために、特に反射面において少なくとも部分的に平面構成が有利であり得る。2つの主面174a、174bは、角度δだけ互いに向かって傾斜してもよい。角度δは、1°~89°の値を含むことができ、好ましくは5°~60°の値を含み、特に好ましくは10°~30°の値を含む。したがって、主面174a、174bは、好ましくは、60°以下の角度で互いに対して傾斜するように配置される。
【0086】
例えば、ビーム偏向要素172は、第1の側面174a、第2の側面174b、および第3の側面174cを含む。側面174a、174bなどの少なくとも2つの側面が反射するように構成されるので、ビーム偏向要素172は2つの側面で反射するように構成される。側面174a、174bは、ビーム偏向要素172の主面、すなわち側面174cよりも大きい表面を有する側面であってもよい。
【0087】
言い換えれば、ビーム偏向要素172は、くさび形であり、2つの側面で反射するように形成されてもよい。しかしながら、表面174cよりも実質的に小さいさらなる表面は、表面174cの反対側、すなわち表面174aと表面174bとの間に配置されてもよい。言い換えれば、表面174a、174b、174cによって形成されるくさびは、任意に先細になることはなく、尖った側に表面が設けられ、したがって鈍い。
【0088】
図7bは、ビーム偏向要素172の概略側面断面図を示し、ビーム偏向要素172のサスペンションまたは変位軸176が記載されている。ビーム偏向要素172が回転および/または並進方式でビーム偏向手段18内で可動であり得る変位軸176は、断面の表面重心178に対して偏心的に変位され得る。あるいは、表面重心は、厚さ方向182およびそれに垂直な方向184に沿ったビーム偏向要素172の寸法の半分を表す点でもあり得る。
【0089】
主面174aは表面法線175aを含むことができ、一方、主面174bは表面法線175bを含むことができる。ビーム偏向手段の第1の位置と第2の位置を切り替えるために、変位軸176の周りの回転運動が使用される場合には、ビーム偏向手段の回転運動は、
図3bに関連して説明したように、2つの位置の間で主面174a、174bの一方がアレイ14に完全に面するような配向が回避されるように実行することができる。これはまた、回転運動による第1および第2の動作状態または位置間の変化中に、表面法線175aおよび第2の主面の表面法線175bが、各時点で、画像センサに向かう方向に対して、さらに該当する場合には画像センサの表面法線と平行に、少なくとも10°の角度γ
1およびγ
2として
図3bに示す角度を含むことができるように理解することができる。これにより、角度の1つが0°または180°であることが回避される可能性があり、これは厚さ方向に沿ったビーム偏向手段の大きなまたはほぼ最大の拡張を表すことができる。
【0090】
例えば、変位軸176は、厚さ方向182に沿って不変であってもよく、それに垂直な方向にオフセットを含んでもよい。あるいは、厚さ方向182に沿ったオフセットも考えられる。例えば、変位は、変位軸176の周りのビーム偏向要素172の回転時に、表面重心178の周りの回転の場合よりも大きなアクチュエータ移動が得られるように実行することができる。このように、変位軸176の変位により、回転時に側面174aと側面174bとの間の縁部が移動する距離は、表面重心178の周りの回転と比較して同じ回転角度で増加することができる。好ましくは、ビーム偏向要素172は、縁部、すなわち、側面174aと側面174bとの間のくさび形断面の尖った側面が画像センサに面するように配置される。したがって、小さな回転運動により、異なる側面174aまたは174bはそれぞれ、光チャネルの光路を偏向させることができる。これにより、主面が画像センサに対して垂直になるようなビーム偏向要素172の動きは必要ないので、厚さ方向182に沿ってビーム偏向手段のスペース要件が小さくなるように回転を実行できることが明らかになる。
【0091】
側面174cは、二次側面または後側面と呼ばれる場合がある。いくつかのビーム偏向要素は、接続要素が側面174cに配置されるか、ビーム偏向要素の断面を通って延在するように、すなわち、ビーム偏向要素の内部、例えば変位軸176の領域に配置されるように、互いに接続されてもよい。特に、保持要素は、方向182に沿ってビーム偏向要素172を超えて延在しないように、またはほんの少しだけ、すなわち、50%以下、30%以下、または10%以下だけ延在するように配置されてもよく、したがって、保持要素は、方向182に沿った構造全体の拡張を増加または決定しない。あるいは、厚さ方向182の拡張は、光チャネルのレンズによって決定されてもよく、すなわち、これは、厚さの最小値を定義する寸法を含む。
【0092】
ビーム偏向要素172は、ガラス、セラミック、ガラスセラミック、プラスチック、金属、またはこれらの材料および/またはさらなる材料の任意の組み合わせで形成されてもよい。
【0093】
言い換えれば、ビーム偏向要素172は、先端部、すなわち主面174aと主面174bとの間の縁部が画像センサに向くように配置されてもよい。ビーム偏向要素の保持は、ビーム偏向要素の背面または内部でのみ実行されるように、すなわち、主面が覆われないように実行されてもよい。相互保持または接続要素は、後側面174cを横切って延在してもよい。ビーム偏向要素172の回転軸は、偏心して配置されてもよい。
【0094】
図7cは、画像センサ12と、互いに隣接して配置された光チャネル16a~dの単一ラインアレイ14と、を含む多開口撮像装置190の概略斜視図を示し、例えば、全視野を撮像するために、光チャネル16dの光学系は光チャネル16a~cの光学系とは異なっている。ビーム偏向手段18は、光チャネルの数に対応し得る多数のビーム偏向要素172a~dを含む。あるいは、例えば、少なくとも1つのビーム偏向要素が2つの光チャネルによって使用される場合には、より少ない数のビーム偏向要素が配置されてもよい。あるいは、例えば、
図6aおよび
図6bに関連して説明したように、ビーム偏向手段18の偏向方向の切り替えが並進運動によって行われる場合には、より多くの数を配置することもできる。各ビーム偏向要素172a~dは、光チャネル16a~dに関連付けられてもよい。ビーム偏向要素172a~dは、多数の要素172として形成されてもよい。あるいは、少なくとも2つの、いくつかの、またはすべてのビーム偏向要素172a~dが互いに一体に形成されてもよい。
【0095】
図7dは、自由曲面として形成された断面を有するビーム偏向要素172の概略側面断面図を示す。このように、側面174cは、保持要素の固定を可能にする凹部186を含んでもよく、凹部186はまた、突出要素、例えば舌ばねシステムのばねとして形成されてもよい。断面は、主面174a、174bよりも小さな表面拡張を含み、それを互いに接続する第4の側面174dをさらに含む。
【0096】
図7eは、第1のビーム偏向要素172aと、図面方向に前者の後方に位置する第2のビーム偏向要素172bの概略側面断面図を示す。凹部186a、186bは、凹部内に接続要素を配置することができるように、これらが本質的に一致するように配置されてもよい。
【0097】
図7fは、例えば、接続要素188で接続された4つのビーム偏向要素172a~dを含むビーム偏向手段18の概略斜視図を示す。接続要素は、アクチュエータにより並進および/または回転方式で移動可能にするために使用可能であってもよい。接続要素188は、一体に構成することができ、ビーム偏向要素172a~172dでまたはその中の延長方向、例えばy方向にわたって延在することができる。あるいは、例えば、ビーム偏向要素172a~dが一体に形成される場合には、接続要素188は、ビーム偏向手段18の少なくとも1つの側面のみに接続されてもよい。あるいは、アクチュエータへの接続および/またはビーム偏向要素172a~dの接続は、他の任意の方法、例えば、接着、ブラストまたははんだ付けによっても実行することができる。
【0098】
図7gは、本明細書に記載のビーム偏向手段の異なるファセットを例示するために、互いに以下に例示される多開口撮像装置の部分の概略側面断面図を示す。ファセットは、本明細書で説明されている任意の多開口撮像装置に配置することができ、例えば、
図1aの多開口撮像装置10、または例えば、全視野70aを2つの部分視野72a、72bで完全に撮像するように構成される別の多開口撮像装置の一部とすることができる。ファセット46aおよび/または46bの主面は、例えば、等しい角度δ
1で互いに対して傾斜して配置することができ、一方、ファセット46eの主面は、それとは異なる角度δ
2で互いに対して傾斜して配置することができる。ビーム偏向手段は、多開口撮像装置10’’の視野取り込みを可能にするためにファセット46aと同様に形成されたさらなるファセットなどのさらなるファセットも含むことができる。
【0099】
接続要素188の回転などによる共通回転軸44の周りのファセット46a、46b、46eの回転は、異なる角度δ1、δ2と共に、回転運動による異なる方向偏向を可能にすることができるので、第1と第2の位置の間を変更するための回転により、部分視野および/または全視野の互いに等しいまたは同等の相対位置が維持される。異なる角度φ1~φ6によって、部分視野または全視野の異なる位置決めを取得することができ、ファセット46a、46b、46eの主面は、割り当てられた画像センサ領域24a、24b、または24eおよびそれぞれ光チャネル16a、16b、16eの光学系に関するそれぞれの位置に含まれる。図示するように、角度δ2は角度δ1より小さくてもよい。
【0100】
図7hは、互いに以下に示されている多開口撮像装置の部分の概略側面断面図を示し、角度δ
2が角度δ
1よりも大きい。
【0101】
異なる光学特性を有する光チャネルのファセットの主面は、例えば全視野が交互に取り込まれ、したがって、異なる光チャネルのファセットの一般的な使用が可能である場合、等しい角度δで互いに対して傾斜することができるが、
図7gおよび
図7hは、異なる光学特性を有する光チャネルに割り当てられたファセットが、個々にまたはグループで、光学特性に割り当てられた角度δ
1またはδ
2で傾斜した主面を含むことができることを示す。多数の異なる角度δも可能になるように、第3の焦点距離またはそれ以上の数など、光チャネルのさらなるグループまたは光学特性の値を多開口撮像装置で実現することができる。
【0102】
図8は、一実施形態による撮像システム60の概略斜視図を示す。撮像システム60は、多開口撮像装置10を含む。さらなる実施形態によれば、多開口撮像装置10の代わりに、またはそれに加えて、撮像システム60は、少なくとも1つの多開口撮像装置10’、10’’、10’’’、20、20’、30、40、および/または50を含む。撮像システム60は、平坦なハウジング92を含む。平坦なハウジング92は、第1のハウジング方向aに沿った第1の拡張部94aを含む。平坦なハウジング92は、第2のハウジング方向bに沿った第2の拡張部94bと、第3のハウジング方向cに沿った第3の拡張部94cと、をさらに含む。例えば、ハウジング方向aは、空間内の厚さ方向57と平行に配置されてもよい。ハウジング方向aに沿った平坦なハウジング92の拡張部94aは、平坦なハウジング92の最小寸法として理解され得る。最小の拡張と比較して、それぞれ他のハウジング方向b、cに沿った他の拡張部94bおよび/または94cは、ハウジング方向aに沿った拡張部94aと比較して、少なくとも3倍のサイズ、少なくとも5倍のサイズ、または少なくとも7倍のサイズを含むことができる。簡単に言えば、拡張部94aは、それぞれ他のハウジング方向b、cに沿った他の拡張部94b、94cよりも小さいか、著しく小さいか、または該当する場合は極めて小さくてもよい。
【0103】
平坦なハウジング92は、例えば、多開口撮像装置10のビーム偏向手段に基づいて、光路26および/または26’を偏向させることができる1つまたはいくつかのダイヤフラム96a~bを含むことができる。例えば、ダイヤフラムは、エレクトロクロミックダイヤフラムであってもよく、および/またはディスプレイの領域に配置されてもよい。
【0104】
撮像システム60は、携帯装置として構成されてもよい。例えば、撮像システム60は、携帯電話または所謂スマートフォンなどの携帯通信手段、タブレットコンピュータ、または携帯音楽再生装置であってもよい。撮像システム60は、例えばナビゲーションシステム、マルチメディアシステムまたはテレビシステムで使用されるスクリーンとして実施されてもよい。代わりにまたはさらに、撮像システム60は、ミラーなどの反射面の背後に配置されてもよい。
【0105】
移動通信装置の分野では、長いハウジング側面94bおよび/または94cに沿った構成要素の配置に基づいて、ハウジング方向aに沿った多開口撮像装置の拡張部94aは小さく、撮像システム60は小さな拡張部94aを含むので、多開口撮像装置10’、10’’、10’’’、20、20’、30、40、および/または50の配置が有利な場合がある。言い換えると、従来のシステムでの視野の2次元の角度変化を引き起こす(スキャンに対応する)画像センサと対物レンズの相対的な2次元の横方向の動きを視線方向の1次元変化と回転運動に置き換えることができる。回転方向に支持されたミラーを別の方向に持ってくることにより、撮像チャネルの光軸(ライン延長方向)に対するミラー(ビーム偏向手段)の方向を変えることにより、視線方向の一次元の変更を行うことができ、ミラーの回転軸は、撮像チャネルの光軸に対して垂直および/またはほぼ垂直に延在してもよい。視線方向を上記の方向に垂直に適合させるために、画像センサおよび/またはアレイ対物レンズ(光チャネルのアレイ)を互いに向かって横方向に移動させることができる。両方の動きの相互作用により、2次元の光学的画像安定化が達成される。
【0106】
設置高さを小さくするために、構成要素(アクチュエータなど)と、動きを実現するために配置された画像プロセッサなどのサブシステムと、は、該当する場合、もっぱら、撮像光路によって定義される設置スペースの隣、前、および/または後に配置することができる、すなわち、平面52aと平面52bとの間に配置され、実施形態によれば、平面52a、52bの上または下に配置されなくてもよい。これにより、光学式画像安定化のために、移動ユニット(アクチュエータ)を空間的に分離することができる。これにより、必要な構成要素の数を減らすことができ、したがって、カメラシステムの製造価格が低くなり、従来の構造と比較して設置高さの大幅な減少を実現することができる。
図3aを参照すると、公知のシステムとの違いは、光チャネルのレンズ(光学系)の直径が、平面52aと平面52bとの間の距離を本質的に規定し得るという事実であり得る。これにより、装置の設置高さを小さくすることができ、有利である。従来のシステムでは、レンズの主平面は平面52a、52bに平行であるが、アレイの光学系の主平面はそれに垂直に配置されている。
【0107】
図9は、ハウジング72と、ハウジング72内に配置された第1の多開口撮像装置10aおよび第2の多開口撮像装置10bと、を含む装置80の概略斜視図を示す。装置80は、例えば、取り込み領域の重なり合う領域において、多開口撮像装置を用いて立体的に全視野70a、70bを少なくとも部分的に取り込むように構成される。例えば、全視野70a、70bは、ハウジングの主面74bに配置されており、主面74bは主面74aから離れるように向いている。例えば、多開口撮像装置10a、10bは、主面74bに配置されたダイヤフラム78a、78cが少なくとも部分的に透明である透明領域68a、68cを通してそれぞれ全視野70を取り込むことができる。主面74aに配置されたダイヤフラム78b、78dは、それぞれ、少なくとも部分的に光学的に透明領域68b、68dを閉じ、その結果、多開口撮像装置10aおよび/または10bの撮像画像を改ざんするおそれがある、主面74aに面する側面からの迷光の範囲が少なくとも低減される。多開口撮像装置10a、10bは、互いに空間的に離間して配置されるように示されているが、多開口撮像装置10a、10bは、空間的に隣接するか、または組み合わされるように配置されてもよい。例えば、撮像装置10a、10bの単一ラインアレイは、互いに隣接して、または互いに平行に配置されてもよい。単一ラインアレイは、互いに対してラインを形成することができ、各多開口撮像装置10a、10bは、単一ラインアレイを含む。撮像装置10a、10bは、相互ビーム偏向手段および/または相互キャリア62および/または相互画像センサ12を含んでもよい。多開口撮像装置10aおよび/または10bの代わりに、またはそれに加えて、少なくとも多開口撮像装置10’、10’’、10’’’、20、20’、30、40、および/または50が配置されてもよい。そのような相互要素、例えばビーム偏向手段またはアレイは、例えば、ビーム偏向手段の動きがいくつかのモジュールの光チャネルの光学的画像安定化として機能し得るため、相互光学的画像安定化装置によって使用され得る。したがって、光学的画像安定化装置は、いくつかのモジュールに対して相互に実装されてもよく、および/またはいくつかのモジュールに対して相互基準チャネルが使用されてもよい。
【0108】
透明領域68a~68dは、光学的構造体が使用されない場合に光学的構造体を覆う切り替え可能なダイヤフラム78a~78dをさらに含むことができる。ダイヤフラム78a~78dは、機械的に動く部分を含むことができる。機械的に動く部分の移動は、例えば、アクチュエータ36、45について説明されているように、アクチュエータを使用することによって実行され得る。代わりにまたはさらに、ダイヤフラム78a~dは電気駆動可能であってもよく、エレクトロクロミック層またはエレクトロクロミック層シリーズを含んでもよく、すなわち、エレクトロクロミックダイヤフラムとして形成されてもよい。
【0109】
図10は、例えば、撮像システム80に配置され得るような、第1の多開口撮像装置190aおよび第2の多開口撮像装置190bを含む概略構造を示す。アレイ14a、14bは、単一ライン方式で形成され、相互ラインを形成する。画像センサ12a、12bは、相互基板および/または相互回路基板もしくは相互フレックス基板などの相互回路キャリアに取り付けられてもよい。あるいは、画像センサ12a、12bは、互いに異なる基板を含んでもよい。明らかに、これらの代替物の様々な組み合わせも可能であり、例えば、相互画像センサ、相互アレイおよび/または相互ビーム偏向手段18を含む多開口撮像装置、ならびに別個の構成要素を含むさらなる多開口撮像装置も可能である。相互画像センサ、相互アレイ、および/または相互ビーム偏向手段は、より少ない数のアクチュエータを駆動することにより、それぞれの構成要素の動きが高精度で得られ、アクチュエータ間の同期を低減または回避することができるという点で有利である。さらに、高い熱安定性を得ることができる。代わりにまたはさらに、他のおよび/または異なる多開口撮像装置10’、10’’、10’’’、20、20’、30、40および/または50は、相互アレイ、相互画像センサおよび/または相互ビーム偏向手段を含むことができる。
【0110】
図11a~eに基づいて、電子的画像安定化装置41によって提供され得る電子的画像安定化の概略的な流れを説明する。光チャネルの光学系の光学特性のわずかな違いにより、画像シフトは、光学系64a~dと光学系64eとの間の光学特性の違いと比較してわずかに異なる。多開口撮像装置10の光チャネル64e内の共通ビーム偏向手段18の動きによって引き起こされる画像の変化はより大きくなり得るが、このチャネルにおける電子的画像安定化は同様に機能する。他の画像から独立してチャネル16
eで電子的画像安定化を実行することで十分であり得る。あるいは、多開口撮像装置の機能的関係性が既知であるため、すべての光チャネルの共通基準チャネルを使用することができる。
【0111】
図11aは、例えば、本明細書に記載の撮像システムによって得られるような電子的画像安定化の実施の初期状況の概略図であり、電子的画像安定化に関する実施態様は、限定的な効果を有することなく個々の多開口撮像装置を指す場合もある。説明した実施形態では、撮像システムは、相互光学的画像安定化装置と相互電子的画像安定化装置を使用する。例示的に、各モジュールは、対象物71で全視野を撮像するために、2つの光チャネル16a、16b、ならびに16c、16dをそれぞれ含む。限定的な効果を有することなく、関連する画像センサ領域内の光チャネル16a、16bの画像73a、73bは、左画像75aと呼ばれ、また、光チャネル16c、16dの画像73c、73dは、対象物71の立体撮影の右画像と呼ばれる。
【0112】
図11aは、画像73a~dを取得するために対象物71が画像センサ領域に投影される収差のない状態を示す。画像73a、73bは、例えば、ステッチングによって、多開口撮像装置によって左の全画像77aに結合され得る。画像73c、73dは、多開口撮像装置によって右の全画像77bに同様の方法で結合され、2つの全画像
77a、
77bを通じて対象物71に関する立体情報を決定することができる。
【0113】
ここで、
図11bは、
図11aの場合を示しており、対象物71に対する撮像システムの相対運動は、対象物71’によって示される対象物71の変化した相対位置をもたらす。例えば、これは、対象物71の動きおよび/または撮像システムの揺れであってもよい。画像補正を無視すると、相対運動により、画像センサ領域内の対象物71の画像の画像位置が変更され、これは画像73’a~dの点線で示されている。
【0114】
ここで、
図11aに示されている画像77a、77b、すなわち、収差が補償された画像を取得することが努力されている。揺れの補正、すなわち可能な限り最良の画像安定化が、努力されているものである。この考慮では、光チャネルの光学系の偏差は考慮されない。
【0115】
図11cは、同一の光学パラメータを含む、すなわち、同一の焦点距離を含むことにより、可能な限り最良の画像安定化がもたらされるすべての光チャネルの純粋な光学画像安定化という不変の仮定の下での画像における光学的画像安定化の基礎を示す。対象物71の変位は、正の方向28および負の方向32を指す矢印79によって示されている。光学的画像安定化装置により、画像センサとアレイとビーム偏向手段との間の相対運動を生成することにより、画像73’a~d、したがって、全画像77a、77bは、それぞれ反対方向82a~dおよび84a~bに沿って変位することが達成され、動作中、
図11bによる対象物の変位および
図11cによる補償は、図示したオフセットの生成を回避するために適時に実行される。矢印84a~d、77a~bによって表される方向は、空間内の矢印79とは反対に、例えばそれぞれの部分画像の重要な点、例えば目または口の角、例えば画像の縁部を示すように配置される。
【0116】
ここで、
図11dは、光学的画像安定化後に、光学特性の実際の偏差を考慮した、取得された部分画像73’’~dを示す。例えば、光学的画像安定化は、画像73aが可能な限り最良の方法で補正されるように実行され、これは、少なくとも光学的画像安定化装置の可能性を示す許容範囲において、光学的に安定化された画像73’’aが収差のない画像73aに対応することを意味する。
【0117】
光学特性の偏差により、光チャネル16aの画像安定化は、チャネル16b~dで異なる効果を有し、これは、光学特性の偏差が、例えば、光学的安定化に基づく画像の変位を示す矢印82a~dが長さおよび/または方向に関して異なる場合があることを意味する。
【0118】
これは、修正画像73’aと73’b、および73’cと73’dからそれぞれ形成された結合画像77で顕著である。光学的画像安定化による変位の発散は、部分画像がばらばらになるという事実につながり、ステッチ時にエラーを引き起こす可能性がある。例えば、これは、全画像77bに関連する分離された部分画像73’c、73’d、または全画像77aの部分画像73’bによって示され、これは部分画像73’’aから離れており、正しく安定化されている。言い換えると、すべてのチャネルに完全に補償されていない画像位置があるため、画像を結合するときに収差が発生する。
【0119】
チャネル16b~
dの画像において、
図11eは、基準チャネル16aに対して実行される画像73’’’b~dによって示される光学的画像安定化を示す。チャネル16aから離れたチャネル16b~dでの電子的画像安定化により、光チャネル16aにおける光学的画像安定化に関するそれらの偏差は、少なくとも部分的に補償されるので、それぞれ画像77a、77bに対応し得る収差が低減された、または収差のない画像77’’’a、77’’’bが得られる。これは、部分的に補正された画像位置が光学的画像安定化を通じて取得され、補償された画像位置が追加の電子的画像安定化を通じて取得されることを意味する。電子的画像安定化の範囲は、光チャネル16a~d間の機能的接続を使用して、電子的画像安定化装置によって実行され得る。代わりにまたはさらに、電子的画像安定化装置、例えば画像安定化装置41は、例えば、互いに時間的に異なる、または互いに連続する2つのフレームの一致する特徴を検討する場合に、画像の変位の程度を決定するように構成することができる。基準チャネルは、光チャネル16eであってもよいことに留意されたい。
【0120】
図12は、一実施形態による多開口撮像装置を提供する方法1200の概略流れ図を示す。ステップ1210では、画像センサが提供される。ステップ1220では、光チャネルのアレイが提供され、各光チャネルが、画像センサの画像センサ領域に全視野のうちの少なくとも1つの部分視野を投影するための光学系を含み、アレイの第1の光チャネルは、第1の全視野のうちの第1の部分視野を撮像するように構成され、アレイの第2の光チャネルは、第1の全視野のうちの第2の部分視野を撮像するように構成され、第3の光チャネルは、第2の全視野を完全に撮像するように構成され、第2の全視野は、第1の全視野の不完全なセクションである。ステップ1230では、光チャネルの光路を偏向するためのビーム偏向手段が配置される。
【0121】
図13は、多開口撮像装置10’’などの一実施形態による多開口撮像装置を提供する方法1300の概略流れ図を示す。ステップ1310では、画像センサが提供される。ステップ1320では、光チャネルのアレイが提供され、各光チャネルは、画像センサの画像センサ領域に全視野の少なくとも1つの部分視野を投影するための光学系を含み、
光チャネルの第1のグループは第1の全視野のそれぞれ1つの部分視野を撮像するためにアレイの少なくとも2つの光チャネルで構成され、光チャネルの第2のグループは第2の全視野のそれぞれ1つの部分視野を投影するためにアレイの少なくとも2つの光チャネルで構成され、第2の全視野は、第1の全視野の不完全なセクションである。
なお、ステップ1320では、アレイの第1の光チャネルは、第1の全視野のうちの第1の部分視野を撮像するように構成され、アレイの第2の光チャネルは、第1の全視野のうちの第2の部分視野を撮像するように構成され、第3の光チャネルは、第2の全視野を完全に撮像するように構成されてもよい。ステップ1330では、光チャネルの光路を偏向するためのビーム偏向手段が配置される。
【0122】
図14は、さらなる実施形態によるさらなる多開口撮像装置を提供する方法1400の概略流れ図を示す。ステップ1410では、画像センサが提供される。ステップ1420では、少なくとも第1および第2の光チャネルを含むアレイが提供され、各光チャネルは、画像センサの画像センサ領域に全視野を投影するための光学系を含み、第1の光チャネルの光学系は、第2の光チャネルの光学系の焦点距離と少なくとも10%異なる焦点距離を含む。ステップ1430では、光チャネルの光路を共通に偏向するためのビーム偏向手段が配置される。
【0123】
電子的画像安定化装置、および光学的画像安定化装置と電子的画像安定化装置の組み合わせの文脈でそれぞれ成され、かつ多開口撮像装置10について説明された記述は、本明細書で説明する他の多開口撮像装置、特に多開口撮像装置10’’、10’’’にも当てはまる。共通ビーム偏向手段および共通アレイと組み合わせた光学系の様々な光学特性は、チャネル固有の電子的画像安定化を介して、おそらく少なくとも1つの他の光チャネルに関してリンクされている基準チャネルを決定することにより補償することができる。電子的安定化が残りのチャネルで実行されるように、チャネルの最適または最高の可能な光学的安定化を得るために、おそらく配置された光学的画像安定化装置を構成することができる。代わりに、光学的画像安定化装置は、すべての画像にわたって画像全体の誤差を減らすように構成でき、電子的画像安定化装置は、すべてのチャネルで電子的安定化を実行するように構成することができる。光学的画像安定化装置は、光学的画像安定化が基準画像に関して第1および第2の全視野のうちの1つであるように光学的画像安定化を実行するように構成することができる。電子的画像安定化装置は、基準画像に関して異なる全視野の画像を安定化させるように構成される。ここで、多開口撮像装置は、光学的に排他的に基準画像を安定化させるように構成することもできる。さらに、電子的画像安定化装置は、
図5bで説明したように、画像センサとアレイとビーム偏向手段との間の相対運動に依存する定義された機能的関係性に従って、各チャネルでチャネルごとの画像安定化を実行するように構成することができる。
【0124】
本明細書で説明される実施形態は、線形チャネル配置、すなわち、ライン延長方向に沿った単一ラインまたは複数のラインを有し、画像センサと撮像光学系との間の単一軸並進運動、およびビーム偏向ミラーアレイの単一軸回転運動を使用した光学的画像安定化を有する多開口撮像システムを可能にする。
【0125】
上述の実施形態では、多数の4つの光チャネルまたはその多数が配置されるように説明してきたが、さらなる実施形態による多開口撮像装置は、任意の数の光チャネルを含むことができ、例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも10またはそれ以上の数の光チャネルが配置されてもよい。
【0126】
光学的画像安定化装置22がアクチュエータ36およびアクチュエータ42を含むように上述の実施形態を説明したが、さらなる実施形態によれば、アクチュエータ36、42は相互アクチュエータとして構成することもできる。例えば、アクチュエータによって生成された動きは、それぞれの動きを得るために、力変換器および/または距離変換器(伝達)によって、画像センサ12、光学アレイ14、および/またはビーム偏向手段18に向けることができる。代わりにまたはさらに、例えば多開口撮像装置50に関連して説明したように、1つまたはいくつかの構成要素をいくつかのアクチュエータによって移動させることもできる。
【0127】
例えば、画像センサは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)またはそれとは異なる技術として構成されてもよい。それぞれのアレイの光チャネルは、それぞれの画像センサ領域に向けられる光路が光学的に変更される領域を定義するように理解されてもよい。したがって、画像センサ領域に関連付けられた光路は、アレイの光チャネルを通過することができる。
【0128】
上記で指摘したように、光路および/または光軸は、ビーム偏向手段から出発して、異なる方向に向けられてもよい。これは、ビーム偏向手段での偏向中に、および/または光学系によって、互いに対して平行性から逸脱する方法で光路を向けることにより得ることができる。光路および/または光軸は、ビーム偏向の前におよび/またはビーム偏向せずに平行性から逸脱する場合がある。以下では、この事実は、チャネルに一種の事前発散を提供できるという点で説明されている。この光軸の事前発散により、例えば、ビーム偏向手段のファセットのすべてのファセットの傾斜が互いに異なるわけではないが、いくつかのチャネルのグループは、例えば、同じ傾斜を有するファセットを有するか、またはそれに向けられる可能性がある。後者は、単一のピースとして、および/または互いに連続的に融合するように、すなわち、ライン延長方向に隣接するチャネルのこのグループに割り当てられるファセットとして形成されてもよい。これらのチャネルの光学軸の発散は、光チャネルの光学系の光学中心とチャネルの画像センサ領域との間の横方向のオフセットによって得られるため、これらの光学軸の発散から生じる可能性がある。例えば、事前発散は1つの平面に制限できる。例えば、光軸は、ビーム偏向の前におよび/またはビーム偏向せずに共通の平面内で延在することができるが、この平面内で発散するように延在し、ファセットは他の横断面でさらなる発散のみを生じさせる、すなわち、ファセットはすべてライン延長方向に平行に傾斜して、上記の光軸の相互平面に対して異なっており、例えば、ビーム偏向の前におよび/またはビーム偏向せずに光軸の上記の相互平面内のペアで、いくつかのファセットは同じ傾斜を有することができ、および/または光軸が既に異なっているチャネルのグループと相互に関連付けられ得る。簡単に言えば、光学系は、第1の(画像)方向に沿った光路の(事前)発散を可能にし、ビーム偏向手段は、第2の(画像)方向に沿った光路の発散を可能にする。
【0129】
例えば、上記のおそらく存在する事前発散は、光学系の光学中心をライン延長方向に沿った直線上に置くことにより実現することができ、画像中心領域の中心は、画像センサ領域の平面の法線に沿った光学中心の投影から、例えば、ライン延長方向に沿ったチャネルごとに画像センサ平面内の上記の直線上の点から逸脱する点において、および/またはライン延長方向と画像センサ法線の両方に垂直な方向に沿って、画像センサ平面の直線上の点へずれるように配置されている。あるいは、画像センサの中心をライン延長方向に沿って直線上に配置することにより事前発散を実現することができ、光学系の中心は、光学系の光学中心の平面の法線に沿った光学センサの光学中心の投影から、例えば、ライン延長方向に沿ってチャネルごとに光学中心面の上記直線上の点から逸脱した点において、および/またはライン延長方向と光学中心面の法線との両方に垂直な方向に沿って、光学中心面の直線上の点へずれるように配置されている。それぞれの投影からの上述のチャネルごとの偏差がライン延長方向にのみ延在する、すなわち、光軸が相互平面にのみ位置し、事前発散が提供されることが好ましい。その場合、光学中心と画像センサ領域中心はそれぞれ、ライン延長方向に平行な直線上に配置されるが、異なる中間距離を有する。対照的に、ライン延長方向に垂直な横方向におけるレンズと画像センサとの間の横方向オフセットは、設置高さの増加をもたらした。ライン延長方向の純粋な面内オフセットは、設置高さを変更しないが、その結果、ファセットが少なくなる可能性があり、かつ/またはファセットが角度方向の傾斜のみを含む可能性があり、構造を簡素化する。したがって、例えば、隣接する光チャネルはそれぞれ、同じ平面内に延在する光軸を含むことができ、各光軸は互いに対して傾斜している、すなわち、事前発散が提供されている。ファセットは、光チャネルのグループに対して配置されてもよく、ある方向にのみ傾斜していてもよく、ライン延長方向に平行であってもよい。
【0130】
さらに、いくつかの光チャネルは、例えば超解像の目的で、またはこれらのチャネルによって対応する部分視野がスキャンされる解像度を高めるために、同じ部分視野に関連付けられることが提供され得る。ビーム偏向の前に、そのようなグループの光チャネルは平行に延在し、部分視野上でファセットによって偏向される。有利には、グループのチャネルの画像センサのピクセル画像は、このグループの異なるチャネルの画像センサのピクセルの画像間の中間位置に配置されるであろう。
【0131】
例えば、超解像を目的とせずに、立体視のみを目的とする場合には、ライン延長方向に隣接するチャネルのグループが部分視野により全視野を完全にカバーし、隣接するチャネルのさらなるグループがそれらの部分の全視野を完全にカバーする実施態様も考えられる。
【0132】
したがって、上記の実施形態は、多開口撮像装置および/またはそのような多開口撮像装置を含む撮像システムの形態で、すなわち、各チャネルが全視野の部分視野を送信し、部分視野が部分的に重なり合う、単一ラインチャネル構成で実現することができる。3D画像を取り込むために、ステレオ構造、トリオ構造、カルテット構造などのためのいくつかのそのような多開口撮像装置を有する構造が可能である。複数のモジュールは、結合されたラインとして実装されてもよい。結合されたラインは、同一のアクチュエータおよび相互ビーム偏向要素を使用することができる。光路に存在する可能性のある1つまたは複数の増幅基板は、ステレオ構造、トリオ構造、クワトロ構造を形成し得るライン全体にわたって延在することができる。複数のチャネルが同じ部分画像領域を撮像する超解像の方法を使用することができる。また、光軸がビーム偏向装置を使用せずに発散して延在するので、ビーム偏向ユニットに必要なファセットが少なくなる。次に、ファセットは、有利には、1つの角度成分のみを含む。画像センサは単一のピースであってもよく、ただ1つの結合されたピクセルマトリックス、またはいくつかの不連続なピクセルマトリックスを含んでもよい。画像センサは、例えば、回路基板上で互いに隣り合って配置される多くの部分的なセンサで構成されてもよい。オートフォーカスドライブは、ビーム偏向要素が光学系と同期して移動するように、または光学素子がアイドル状態になるように実施することができる。
【0133】
以下では、個別にまたは本明細書に記載される特徴および機能性および詳細のいずれかと組み合わせて使用できる本発明の追加の実施形態および態様を説明する。
【0134】
1.多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)であって、
画像センサ(12)と、
光チャネル(16a~h)のアレイ(14)であって、各光チャネル(16a~h)が、画像センサ(12)の画像センサ領域(24a~h)に全視野(70)のうちの少なくとも1つの部分視野(72a~d)を投影するための光学系(64a~h)を含む、アレイ(14)と、
光チャネル(16a~h)の光路(26a~h)を偏向させるためのビーム偏向手段(18)と、を含み、
アレイ(14)の第1の光チャネル(16d)は、第1の全視野(70a)のうちの第1の部分視野(72d)を撮像するように構成され、アレイ(14)の第2の光チャネル(16c)は、第1の全視野(70a)のうちの第2の部分視野(72c)を撮像するように構成され、第3の光チャネル(16e)は、第2の全視野(70b)を完全に撮像するように構成され、
第2の全視野(70b)は、第1の全視野(70a)の不完全なセクションであり、
多開口撮像装置は、
第1の部分視野(72a)の画像と第2の部分視野(72c)の画像とを組み合わせて第1の全視野(70a)の第1の全画像に提供し、第2の全視野(70b)の第2の全画像を提供するように構成された画像センサ領域を読み出す画像評価手段をさらに含む、多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)。
【0135】
2.第1の光チャネルの光学系と第2の光チャネルの光学系の光学特性の第1の値は、最大10%の許容範囲内で同じであり、第3の光チャネルの光学系の光学特性の第2の値は、第1の値から少なくとも10%ずれている、態様1に記載の多開口撮像装置。
【0136】
3.光学特性は焦点距離である、態様2に記載の多開口撮像装置。
【0137】
4.ビーム偏向手段(18)は、複数のファセット(46a~d)を含み、第1の光チャネル(16d)は第1のファセット(46d)に割り当てられ、第2の光チャネル(16c)は第2のファセット(46c)に割り当てられ、第3の光チャネル(16e)は第1のファセット(46d)または第3のファセット(46e)に割り当てられる、態様1から3のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0138】
5.第3の光チャネル(16e)は第3のファセット(46e)に割り当てられ、
第1、第2、および第3のファセット(46d、46c、46e)は、それぞれ第1および第2の反射主面を含み、ビーム偏向手段(18)は、ビーム偏向手段(18)の第1の回転位置において、第1の主面により光チャネル(16d、16c、16e)を第1の方向に偏向させるように構成され、ビーム偏向手段(18)の第2の回転位置において、第2の主面により光チャネル(16d、16c、16e)を第2の方向に偏向させるように構成され、
第1および第2のファセット(46d、46c)の主面は、第1の角度(δ
1
)で互いに対して傾斜し、第3のファセット(46e)の主面は、第2の角度(δ
2
)で互いに対して傾斜している、態様4に記載の多開口撮像装置。
【0139】
6.第1の角度(δ
1
)は第2の角度(δ
2
)よりも小さいか、または第2の角度(δ
2
)は第1の角度(δ
1
)よりも小さい、態様5に記載の多開口撮像装置。
【0140】
7.第1の光チャネル(16d)は、画像センサ(12)の第1の画像センサ領域(24d)に第1の部分視野(72d)を投影するように構成され、第2の光チャネル(16c)は、画像センサ(12)の第2の画像センサ領域(24c)に第2の部分視野(72c)を投影するように構成され、第3の光チャネル(16e)は、第3の画像センサ領域(24e)に第2の全視野(70b)を投影するように構成される、態様1から6のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0141】
8.第3の画像センサ領域(24e)は、第1の画像センサ領域(24d)と少なくとも部分的に重なる、態様7に記載の多開口撮像装置。
【0142】
9.画像センサ(12)と、アレイ(14)と、ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および画像センサ(12)と、アレイ(14)と、ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)と、
第1および第2の画像軸(28、32)に沿ったアレイ(14)の第1の光チャネル(16d)の画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)と、
をさらに含む、態様1から8のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0143】
10.第1の相対運動(34;39a)は、画像センサ(12)とアレイ(14)との間の並進相対運動(34)、画像センサ(12)とビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39a)、およびアレイ(14)とビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39a)のうちの少なくとも1つを含み、第2の相対運動(38;39b)は、ビーム偏向手段(18)の回転運動(38)、画像センサ(12)とアレイ(14)との間の並進相対運動、およびアレイ(14)とビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39b)のうちの少なくとも1つを含む、態様9に記載の多開口撮像装置。
【0144】
11.電子的画像安定化装置(41)は、第1および第2の画像軸(28、32)に沿って第1の程度まで第1の光チャネル(16a~h)を安定化させるように構成され、第1および第2の画像軸(28、32)に沿った第2の範囲までのアレイ(14)の異なる光チャネル(16a~h)の画像安定化のためにさらに構成される、態様9または10に記載の多開口撮像装置。
【0145】
12.光学的画像安定化装置(22)は、光学的画像安定化が部分視野(72a~d)の第1のものの画像に関連するように光学的画像安定化を実行するように構成され、電子的画像安定化装置(41)は、第1の部分視野(72a~d)の画像に関連する第2の部分視野(72a~d)の画像を安定化させるように構成される、態様9から11のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0146】
13.光学的画像安定化装置(22)は、第1の光チャネル(16a~h)および第2の光チャネル(16a~h)を含むグループの基準チャネルの撮像された部分視野(72a~d)の画像を安定化させるように構成され、電子的画像安定化装置(41)は、基準チャネルとは異なる光チャネル(16a~h)に対してチャネル個別の方法で画像安定化を実行するように構成され、多開口撮像装置は、光学的な方法で排他的に基準チャネルを安定化させるように構成される、態様9から12のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0147】
14.電子的画像安定化装置(41)は、チャネル個別の方法で各光チャネル(16a~h)に対して画像安定化を実行するように構成される、態様9から13のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0148】
15.電子的画像安定化装置(41)は、画像センサ(12)とアレイ(14)とビーム偏向手段(18)との間の相対運動に依存する所定の機能的関係性に従って、各チャネルでチャネル個別の電子的画像安定化を実行するように構成される、態様14に記載の多開口撮像装置。
【0149】
16.機能的関係性は線形関数である、態様15に記載の多開口撮像装置。
【0150】
17.光学的画像安定化装置(22)は、ビーム偏向手段の回転運動に基づいて画像方向の1つに沿って光学的画像安定化を提供するように構成され、機能的関係性は、画像方向に沿った電子的画像安定化のある範囲でビーム偏向手段の回転角を投影する角度関数である、態様14から16のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0151】
18.電子的画像安定化装置(41)は、第1の部分視野(72a~d)の第1の部分画像および第2の部分視野(72a~d)の第2の画像で一致する特徴を識別して、第1および第2の画像内の特徴の動きの比較に基づいて電子的画像安定化を提供するように構成される、態様14から17のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0152】
19.電子的画像安定化装置(41)は、第1の時間および第2の時間において第1の部分視野(72a~d)の第1の部分画像における一致する特徴を識別して、第1の画像内の特徴の動きの比較に基づいて電子的画像安定化を提供するように構成される、態様14から18のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0153】
20.第1および第2の光チャネル(16a~h)の光学系(64a~d)の焦点距離は異なり、ビーム偏向手段(18)の動きによって、画像センサ領域(24a~h)上の投影の異なる変化が生じ、電子的画像安定化装置(41)は、画像の異なる変化間の差を補償するように構成される、態様9から19のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0154】
21.第1の光チャネル(16a)に割り当てられた第1の光学系(64a)および第2の光チャネル(16b)に割り当てられた第2の光学系(64b)は、最大10%の許容範囲内で同じ方法で形成され、許容範囲の偏差により、光学的画像安定化装置(22)の画像安定化により、第1の光学系(64a)および第2の光学系(64b)によってもたらされる画像センサ領域(24a、24b)上の投影の異なる変化が生じる、態様9から20のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0155】
22.光学的画像安定化装置(22)は、少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)を含み、少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)が直方体(55)の側面にまたがる2つの平面(52a、52b)の間に少なくとも部分的に配置されるように配置され、直方体の側面は互いに平行に、ならびにアレイ(14)のライン延長方向(35、65、z)および画像センサ(12)と光学系(64a~h)との間の光チャネル(16a~h)の光路の一部に平行に向けられ、直方体は最小の体積を有するが、画像センサ(12)とアレイ(14)を含む、態様9から21のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0156】
23.光学的画像安定化装置(22)は、平面(52a、52b)の間の領域から最大で50%まで延在する、態様22に記載の多開口撮像装置。
【0157】
24.センサからセンサ信号を受信し、多開口撮像装置と対象物との間の相対的な動きに関連する情報に関してセンサ信号を評価し、情報を使用して光学的または電子的画像安定化装置(22;41)の制御を実行するように構成される、態様9から23のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0158】
25.多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)であって、
画像センサ(12)と、
光チャネル(16a~h)のアレイ(14)であって、各光チャネル(16a~h)が、画像センサ(12)の画像センサ領域(24a~h)に全視野(70)のうちの少なくとも1つの部分視野(72a~d)を投影するための光学系(64a~h)を含む、アレイ(14)と、
光チャネル(16a~h)の光路(26a~h)を偏向させるためのビーム偏向手段(18)と、を含み、
アレイ(14)の第1の光チャネル(16d)は、第1の全視野(70a)のうちの第1の部分視野(72d)を撮像するように構成され、アレイ(14)の第2の光チャネル(16c)は、第1の全視野(70a)のうちの第2の部分視野(72c)を撮像するように構成され、第3の光チャネル(16e)は、第2の全視野(70b)を完全に撮像するように構成され、
第2の全視野(70b)は、第1の全視野(70a)の不完全なセクションであり、
多開口撮像装置は、
画像センサ(12)と、アレイ(14)と、ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および画像センサ(12)と、アレイ(14)と、ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)と、
第1および第2の画像軸(28、32)に沿ったアレイ(14)の第1の光チャネル(16a)の画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)と、をさらに含み、
光学的画像安定化装置(22)は、第1の光チャネル(16a~h)および第2の光チャネル(16a~h)を含むグループの基準チャネルの撮像された部分視野(72a~d)の画像を安定化させるように構成され、電子的画像安定化装置(41)は、基準チャネルとは異なる光チャネル(16a~h)に対してチャネル個別の方法で画像安定化を実行するように構成され、多開口撮像装置は、光学的な方法で排他的に基準チャネルを安定化させるように構成される、多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)。
【0159】
26.多開口撮像装置(10’’)であって、
画像センサ(12)と、
光チャネル(16a~d)のアレイ(14)であって、各光チャネル(16a~d)が、画像センサ(12)の画像センサ領域(24a~d)に全視野(70a~b)のうちの部分視野(72a~d)を投影するための光学系(64a~d)を含む、アレイ(14)と、
光チャネル(16a~d)の光路を偏向させるためのビーム偏向手段(18)と、を含み、
光チャネルの第1のグループは、アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16a、16b)で第1の全視野(70a)のそれぞれ1つの部分視野(72a、72b)を撮像するように構成され、光チャネルの第2のグループは、アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16c、16d)で第2の全視野(70b)のそれぞれ1つの部分視野(72c、72d)を撮像するように構成され、
第2の全視野(70b)は、第1の全視野(70a)の不完全なセクションであり、
多開口撮像装置は、
第1の部分視野(72a)の画像と第2の部分視野(72c)の画像とを組み合わせて第1の全視野(70a)の第1の全画像に提供し、第2の全視野(70b)の第2の全画像を提供するように構成された画像センサ領域を読み出す画像評価手段をさらに含む、多開口撮像装置(10’’)。
【0160】
27.光チャネルの第1のグループの光学系(64a、64b)の光学特性は、最大10%の許容範囲内の第1の値に等しく、光チャネルの第2のグループの光学系の光学特性の第2の値は、第1の値から少なくとも10%ずれている、態様26に記載の多開口撮像装置。
【0161】
28.光学特性は焦点距離である、態様27に記載の多開口撮像装置。
【0162】
29.ビーム偏向手段(18)は、複数のファセット(46a~e)を含み、光チャネルの第1のグループの各光チャネル(16a、16b)は、ファセットの第1のグループのファセット(46a、46b)に割り当てられ、光チャネルの第2のグループの各光チャネル(16c、16d)は、ファセットの第2のグループのファセット(46e)またはファセットの第1のグループのファセットに割り当てられる、態様26から28のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0163】
30.光チャネルの第2のグループの各光チャネル(16c、16d)は、ファセットの第2のグループのファセットに割り当てられ、
光チャネルの第1および第2のグループのファセット(46a~e)はそれぞれ第1および第2の反射主面を含み、ビーム偏向手段(18)は、ビーム偏向手段(18)の第1の回転位置において、第1の主面により光チャネル(16a~d)を第1の方向に偏向させるように構成され、ビーム偏向手段(18)の第2の回転位置において、第2の主面により光チャネル(16a~d)を第2の方向に偏向させるように構成され、
ファセットの第1のグループ(46a、46b)の主面は、互いに対して第1の角度(δ
1
)で傾斜し、ファセットの第2のグループの主面は、互いに対して第2の角度(δ
2
)で傾斜している、態様29に記載の多開口撮像装置。
【0164】
31.第1の角度(δ
1
)は第2の角度(δ
2
)よりも小さいか、または第2の角度(δ
2
)は第1の角度(δ
1
)よりも小さい、態様30に記載の多開口撮像装置。
【0165】
32.光チャネルの第1および第2のグループの各光チャネル(16a~d)は、光チャネル(16a~d)に割り当てられた画像センサ(12)の画像センサ領域(24a~d)に部分視野(72a~d)を投影するように構成される、態様26から31のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0166】
33.光チャネルの第2のグループの光チャネル(16c、16d)に割り当てられた少なくとも1つの画像センサ領域は、光チャネルの第1のグループの光チャネル(16a、16b)に割り当てられた画像センサ領域(24a、24b)と重複する、態様32に記載の多開口撮像装置。
【0167】
34.画像センサ(12)と、アレイ(14)と、ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および画像センサ(12)と、アレイ(14)と、ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)と、
第1および第2の画像軸(28、32)に沿ったアレイ(14)の第1の光チャネル(16a)の画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)と、
をさらに含む、態様26から33のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0168】
35.第1の相対運動(34;39a)は、画像センサ(12)とアレイ(14)との間の並進相対運動(34)、画像センサ(12)とビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39a)、およびアレイ(14)とビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39a)のうちの少なくとも1つを含み、第2の相対運動(38;39b)は、ビーム偏向手段(18)の回転運動(38)、画像センサ(12)とアレイ(14)との間の並進相対運動、およびアレイ(14)とビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動(39b)のうちの少なくとも1つを含む、態様34に記載の多開口撮像装置。
【0169】
36.電子的画像安定化装置(41)は、第1および第2の画像軸(28、32)に沿って第1の程度まで第1の光チャネル(16a~h)を安定化させるように構成され、第1および第2の画像軸(28、32)に沿った第2の範囲までのアレイ(14)の異なる光チャネル(16a~h)の画像安定化のためにさらに構成される、態様34または35に記載の多開口撮像装置。
【0170】
37.光学的画像安定化装置(22)は、光学的画像安定化が部分視野(72a~d)の第1のものの画像に関連するように光学的画像安定化を実行するように構成され、電子的画像安定化装置(41)は、第1の部分視野(72a~d)の画像に関連する第2の部分視野(72a~d)の画像を安定化させるように構成される、態様34から36のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0171】
38.光学的画像安定化装置(22)は、第1の光チャネル(16a~h)および第2の光チャネル(16a~h)を含むグループの基準チャネルの撮像された部分視野(72a~d)の画像を安定化させるように構成され、電子的画像安定化装置(41)は、基準チャネルとは異なる光チャネル(16a~h)に対してチャネル個別の方法で画像安定化を実行するように構成され、多開口撮像装置は、光学的な方法で排他的に基準チャネルを安定化させるように構成される、態様34から37のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0172】
39.電子的画像安定化装置(41)は、チャネル個別の方法で各光チャネル(16a~h)に対して画像安定化を実行するように構成される、態様34から38のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0173】
40.電子的画像安定化装置(41)は、画像センサ(12)とアレイ(14)とビーム偏向手段(18)との間の相対運動に依存する所定の機能的関係性に従って、各チャネルでチャネル個別の電子的画像安定化を実行するように構成される、態様39に記載の多開口撮像装置。
【0174】
41.機能的関係性は線形関数である、態様40に記載の多開口撮像装置。
【0175】
42.光学的画像安定化装置(22)は、ビーム偏向手段の回転運動に基づいて画像方向の1つに沿って光学的画像安定化を提供するように構成され、機能的関係性は、画像方向に沿った電子的画像安定化のある範囲でビーム偏向手段(18)の回転角を投影する角度関数である、態様39から41のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0176】
43.電子的画像安定化装置(41)は、第1の部分視野(72a~d)の第1の部分画像および第2の部分視野(72a~d)の第2の画像で一致する特徴を識別して、第1および第2の画像内の特徴の動きの比較に基づいて電子的画像安定化を提供するように構成される、態様39から42のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0177】
44.電子的画像安定化装置(41)は、第1の時間および第2の時間において第1の部分視野(72a~d)の第1の部分画像における一致する特徴を識別して、第1の画像内の特徴の動きの比較に基づいて電子的画像安定化を提供するように構成される、態様39から43のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0178】
45.第1および第2の光チャネル(16a~h)の光学系(64a~d)の焦点距離は異なり、ビーム偏向手段(18)の動きによって画像センサ領域(24a~h)上の投影の異なる変化が生じ、電子的画像安定化装置(41)は、画像の異なる変化間の差を補償するように構成される、態様34から44のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0179】
46.第1の光チャネルに割り当てられた第1の光学系(64a)および第2の光チャネル(16b)に割り当てられた第2の光学系(64b)は、最大10%の許容範囲内で同じ方法で形成され、許容範囲内の偏差により、光学的画像安定化装置(22)の画像安定化により、第1の光学系(64a)および第2の光学系(64b)によってもたらされる画像センサ領域(24a、24b)上の画像または投影の異なる変化が生じる、態様34から45のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0180】
47.光学的画像安定化装置(22)は、少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)を含み、少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)が直方体(55)の側面にまたがる2つの平面(52a、52b)の間に少なくとも部分的に配置されるように配置され、直方体の側面は互いに平行に、ならびにアレイ(14)のライン延長方向(35、65、z)および画像センサ(12)と光学系(64a~h)との間の光チャネル(16a~h)の光路の一部に平行に向けられ、直方体は最小の体積を有するが、画像センサ(12)とアレイ(14)を含む、態様34から46のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0181】
48.光学的画像安定化装置(22)は、平面(52a、52b)の間の領域から最大で50%まで延在する、態様47に記載の多開口撮像装置。
【0182】
49.センサからセンサ信号を受信し、多開口撮像装置と対象物との間の相対的な動きに関連する情報に関してセンサ信号を評価し、情報を使用して光学的または電子的画像安定化装置(22;41)の制御を実行するように構成される、態様34から48のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0183】
50.多開口撮像装置(10’’’)であって、
画像センサ(12)と、
少なくとも第1および第2の光チャネル(16a、16b)を含むアレイ(14)であって、各光チャネル(16a~b)が、画像センサ(12)の画像センサ領域(24)に全視野(70a、70b)を投影するための光学系(64a、64b)を含む、アレイ(14)と、
光チャネル(16a~b)の光路を共通に偏向させるためのビーム偏向手段(18)と、を含み、
第1の光チャネル(16a)の光学系は、第2の光チャネル(16b)の光学系の焦点距離と少なくとも10%異なる焦点距離を含む、多開口撮像装置(10’’’)。
【0184】
51.画像センサ(12)と、アレイ(14)と、ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および画像センサ(12)と、アレイ(14)と、ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)と、
第1および第2の画像軸(28、32)に沿ったアレイ(14)の第1の光チャネル(16a)の画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)と、
をさらに含む、態様50に記載の多開口撮像装置。
【0185】
52.電子的画像安定化装置(41)は、第1および第2の画像軸(28、32)に沿って第1の程度まで第1の光チャネル(16a~b)を安定化させるように構成され、第1および第2の画像軸(28、32)に沿った第2の範囲までの第2の光チャネル(16a~b)の画像安定化のためにさらに構成される、態様51に記載の多開口撮像装置。
【0186】
53.光学的画像安定化装置(22)は、光学的画像安定化が第1および第2の全視野(70a)のうちの1つの基準画像に関連するように光学的画像安定化を実行するように構成され、電子的画像安定化装置(41)は、基準画像に関連する別の全視野(70b)の画像を安定化させるように構成される、態様51または52に記載の多開口撮像装置。
【0187】
54.基準画像を光学的な方法で排他的に安定化させるように構成される、態様53に記載の多開口撮像装置。
【0188】
55.電子的画像安定化装置(41)は、チャネル個別の方法で各光チャネル(16a~b)に対して画像安定化を実行するように構成される、態様51から54のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0189】
56.電子的画像安定化装置(41)は、画像センサ(12)とアレイ(14)とビーム偏向手段(18)との間の相対運動に依存する所定の機能的関係性に従って、各チャネルでチャネル個別の電子的画像安定化を実行するように構成される、態様55に記載の多開口撮像装置。
【0190】
57.機能的関係性は線形関数である、態様55に記載の多開口撮像装置。
【0191】
58.光学的画像安定化装置(22)は、ビーム偏向手段の回転運動に基づいて画像方向の1つに沿って光学的画像安定化を提供するように構成され、機能的関係性は、画像方向に沿った電子的画像安定化のある範囲にビーム偏向手段(18)の回転角を投影する角度関数である、態様56または57に記載の多開口撮像装置。
【0192】
59.第1および第2の光チャネル(16a~b)の光学系(64a~b)の焦点距離は異なり、ビーム偏向手段(18)の動きによって画像センサ領域(24a~h)上の投影の異なる変化が生じ、電子的画像安定化装置(41)は、画像の異なる変化間の差を補償するように構成される、態様51から58のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0193】
60.光学的画像安定化装置(22)は、少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)を含み、少なくとも1つのアクチュエータ(36、37、42)が直方体(55)の側面にまたがる2つの平面(52a、52b)の間に少なくとも部分的に配置されるように配置され、直方体の側面は互いに平行に、ならびにアレイ(14)のライン延長方向(35、65、z)および画像センサ(12)と光学系(64a~b)との間の光チャネル(16a~b)の光路の一部に平行に向けられ、直方体は最小の体積を有するが、画像センサ(12)とアレイ(14)を含む、態様51から59のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0194】
61.光学的画像安定化装置(22)は、平面(52a、52b)の間の領域から最大で50%まで延在する、態様60に記載の多開口撮像装置。
【0195】
62.センサからセンサ信号を受信し、多開口撮像装置と対象物との間の相対的な動きに関連する情報に関してセンサ信号を評価し、情報を使用して光学的または電子的画像安定化装置(22;41)の制御を実行するように構成される、態様51から61のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0196】
63.ビーム偏向手段(18)は、第1の主面(174a)および第2の主面(174b)を含み、第1の動作状態において、光チャネル(64a~h)の光路を第1の主面(174a)により多開口撮像装置の第1の視線方向に偏向させ、第2の動作状態において、光チャネル(64a~h)の光路を第2の主面(174b)により多開口撮像装置の第2の視線方向に偏向させるように構成される、態様1から62のいずれか1つに記載の多開口撮像装置。
【0197】
64.第1の主面(174a)および第2の主面(174b)は、最大60°の角度(δ、δ
1
、δ
2
)で互いに対して傾斜して配置される、態様63に記載の多開口撮像装置。
【0198】
65.回転運動(38)によって第1および第2の動作状態間の変化を実行するように構成され、回転運動中、第1の主面の第1の面法線(51a)と第2の主面の第2の面法線(51b)は、画像センサ(12)に向かう方向に対して常に少なくとも10°の角度(γ
1
、γ
2
)を有する、態様63または64に記載の多開口撮像装置。
【0199】
66.少なくとも部分的に立体視方式で全視野(70)を取り込むように構成された、態様1から65のいずれか1つに記載の第1および第2の多開口撮像装置(10;10’;20;30;40)を有する撮像システム(60;80)。
【0200】
67.多開口撮像装置(10;10’;10’’;10’’’;20;30;40)を提供する方法であって、
画像センサを提供するステップと、
各光チャネルが、画像センサの画像センサ領域に全視野のうちの少なくとも1つの部分視野を投影するための光学系を含むように、光チャネルのアレイを提供するステップと、
光チャネルの光路を偏向させるためのビーム偏向手段を配置するステップと、を含み、
アレイの第1の光チャネルは、第1の全視野のうちの第1の部分視野を撮像するように構成され、アレイの第2の光チャネルは、第1の全視野のうちの第2の部分視野を撮像するように構成され、第3の光チャネルは、第2の全視野を完全に撮像するように構成され、
第2の全視野(70b)は、第1の全視野(70a)の不完全なセクションであり、方法は、
画像評価手段が、第1の部分視野(72a)の画像と第2の部分視野(72c)の画像とを組み合わせて第1の全視野(70a)の第1の全画像に提供し、第2の全視野(70b)の第2の全画像を提供するように構成されるように、画像センサ領域を読み出す画像評価手段を提供するステップをさらに含む方法。
【0201】
68.多開口撮像装置(10’’)を提供する方法であって、
画像センサを提供するステップと、
各光チャネルが、画像センサの画像センサ領域に全視野のうちの部分視野を投影するための光学系を含むように、光チャネルのアレイを提供するステップと、
光チャネルの光路を偏向させるためのビーム偏向手段を配置するステップと、を含み、
光チャネルの第1のグループは、アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16a、16b)で第1の全視野(70a)のそれぞれ1つの部分視野(72a、72b)を撮像するように構成され、光チャネルの第2のグループは、アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16c、16d)で第2の全視野(70b)のそれぞれ1つの部分視野(72c、72d)を撮像するように構成され、
第2の全視野(70b)は、第1の全視野(70a)の不完全なセクションであり、方法は、
画像センサ(12)と、アレイ(14)と、ビーム偏向手段(18)との間に第1の相対運動(34;39a)を生成することにより、第1の画像軸(28)に沿った画像安定化のための、および画像センサ(12)と、アレイ(14)と、ビーム偏向手段(18)との間に第2の相対運動(38;39b)を生成することにより、第2の画像軸(32)に沿った画像安定化のための、光学的画像安定化装置(22)を配置するステップと、
第1および第2の画像軸(28、32)に沿ったアレイ(14)の第1の光チャネル(16a)の画像安定化のための電子的画像安定化装置(41)を配置するステップと、をさらに含み、
光学的画像安定化装置(22)は、第1の光チャネル(16a~h)および第2の光チャネル(16a~h)を含むグループの基準チャネルの撮像された部分視野(72a~d)の画像を安定化させるように構成され、電子的画像安定化装置(41)は、基準チャネルとは異なる光チャネル(16a~h)に対してチャネル個別の方法で画像安定化を実行するように構成され、多開口撮像装置は、光学的な方法で排他的に基準チャネルを安定化させるように構成される、方法。
【0202】
69.多開口撮像装置(10’’)を提供する方法であって、
画像センサを提供するステップと、
各光チャネルが、画像センサの画像センサ領域に全視野のうちの部分視野を投影するための光学系を含むように、光チャネルのアレイを提供するステップと、
光チャネルの光路を偏向させるためのビーム偏向手段を配置するステップと、を含み、
光チャネルの第1のグループは、アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16a、16b)で第1の全視野(70a)のそれぞれ1つの部分視野(72a、72b)を撮像するように構成され、光チャネルの第2のグループは、アレイ(14)の少なくとも2つの光チャネル(16c、16d)で第2の全視野(70b)のそれぞれ1つの部分視野(72c、72d)を撮像するように構成され、
第2の全視野(70b)は、第1の全視野(70a)の不完全なセクションであり、方法は、
画像評価手段が、第1の部分視野(72a)の画像と第2の部分視野(72c)の画像とを組み合わせて第1の全視野(70a)の第1の全画像に提供し、第2の全視野(70b)の第2の全画像を提供するように構成されるように、画像センサ領域を読み出す画像評価手段を提供するステップをさらに含む方法。
【0203】
70.多開口撮像装置(10’’’)を提供する方法(1400)であって、
画像センサを提供するステップ(1410)と、
少なくとも第1および第2の光チャネルを含むアレイを提供するステップ(1420)であって、各光チャネルが、画像センサの画像センサ領域に全視野を投影するための光学系を含む、ステップ(1420)と、
光チャネルの光路を共通に偏向するためのビーム偏向手段を配置するステップ(1430)と、を含み、
第1の光チャネルの光学系は、第2の光チャネルの光学系の焦点距離と少なくとも10%異なる焦点距離を含む、方法(1400)。
【0204】
装置の文脈内でいくつかの態様が説明されたが、前記態様は対応する方法の説明も表すことが理解され、したがって、装置のブロックまたは構造構成要素も、対応する方法ステップまたは方法ステップの特徴として理解されるべきである。それと同様に、方法ステップの文脈内でまたは方法ステップとして説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたは詳細または機能の説明を表す。
【0205】
上述の実施形態は、単に本発明の原理の例示を表しているにすぎない。当業者は、本明細書に記載の配置および詳細の修正および変形を理解するであろうことが理解される。これが、本発明が実施形態の説明および議論によって本明細書に提示された特定の詳細によってではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される理由である。