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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】梯子補助脚
(51)【国際特許分類】
   E06C 7/42 20060101AFI20220207BHJP
【FI】
E06C7/42
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020002690
(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公開番号】P2021110150
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2020-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000143422
【氏名又は名称】株式会社タカコム
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】杉山 孝之
(72)【発明者】
【氏名】網谷 直峰
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 克昭
(72)【発明者】
【氏名】山田 幸嗣
(72)【発明者】
【氏名】黒田 暁
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 和良
(72)【発明者】
【氏名】久野 本善
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-144228(JP,A)
【文献】特許第5473039(JP,B2)
【文献】特開平03-166468(JP,A)
【文献】特開2005-139812(JP,A)
【文献】特開2011-102478(JP,A)
【文献】特開2016-176179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C 1/00-9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
梯子の下端に取り付けられる梯子補助脚において、
前記梯子の備える一対の支柱に対して平行であり、前記梯子の備える踏板の長手方向に対して直交方向の位置で前記梯子を支える1つ以上の補助脚と、
前記補助脚を前記梯子の有する前記一対の支柱の各下端に接続された連結棒に連結する1つ以上の連結部と、
1回の手動操作により自ら有するピンを押し上げ又は下げることで、前記連結棒に連結する前記連結部の端部と前記梯子の有する前記一対の支柱の各下端に接続された前記連結棒との連結を固定し又は固定を解除するロック部と、を備え、
前記ピンを押し上げたとき、青色の警告ラベルが表出し、前記ピンを下げたとき、青色の警告ラベルと赤色の警告ラベルが表出する梯子補助脚。
【請求項2】
前記補助脚は、
前記一対の支柱に対して平行に移動する請求項1に記載の梯子補助脚。
【請求項3】
前記補助脚と前記連結部とは、それぞれ、2つであって、
前記2つの連結部は、
前記2つの連結部が前記梯子に接続する接続端間の幅よりも、前記2つの補助脚間の幅の方が大きくなるように、前記2つの補助脚を前記梯子にそれぞれ連結する請求項1又は2に記載の梯子補助脚。
【請求項4】
前記連結部は、複数であって、
前記複数の連結部のそれぞれと結合する1つの結合部を更に備え、
前記結合部は、
前記連結部とつながった部分を中心に回転可能な構造を備える請求項1乃至3のいずれかに記載の梯子補助脚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梯子補助脚に関する。
【背景技術】
【0002】
外壁上部の保安器や架空ケーブル等といった高所の電気設備に対して保全作業を行う場合、例えば、非特許文献1の伸縮梯子が用いられる。作業員は、伸縮梯子を地面に立てて垂直に支え、伸長用ロープを引き下げることで高所の所定位置まで伸梯した後、一対の支柱の上端を外壁面に立て掛け、又は当該上端に取り付けられた一対の安全フックを架空ケーブルに引っ掛けて、保全作業を行う。
【0003】
非特許文献2に開示されたアウトリガー付きの伸縮梯子も用いられる。アウトリガー付きの伸縮梯子には、一対の支柱の下端に、その支柱間の幅よりも広い幅を有する一対の支持脚が取り付けられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】“3連はしご”、長谷川工業株式会社、[2019年12月13日]、インターネット<URL : https://www.hasegawa-kogyo.co.jp/product/product.php?id=56>
【文献】“レンタAタイプ”、株式会社ナカオ、[2019年12月13日]、インターネット<URL : http://www.k-nakao.co.jp/renta/#page02-b>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の梯子は、梯子自体を2点で支持するため、すなわち、非特許文献1の伸縮梯子は一対の支柱で支え、非特許文献2に開示されたアウトリガー付きの伸縮梯子は一対の支持脚で支えるため、次の課題があった。
【0006】
梯子を外壁面や架空ケーブルに掛けて使用する際、作業員の昇降時に梯子と作業員との重心位置にズレが生じるので、梯子が後方(電気設備のない側、梯子を立て掛けた側とは反対側)に転倒する可能性があった。
【0007】
また、梯子自体にかなりの重量があり、例えば三連梯子は約20kgの重量があるので、伸縮梯子を垂直に支えつつ伸長用ロープを引き下げることが難しく、伸梯時に梯子を作業員の手前側又は奥側に転倒させる可能性があった。特に、男性よりも筋力の弱い女性の作業員の場合、この転倒が生じる可能性が高い。また、作業員は、伸長用ロープを真下ではなく、やや自身の方向に引き下げるため、梯子を手前側に転倒させる可能性が高い。
【0008】
これらの課題に対し、梯子の伸梯時及び使用時に作業員以外の補助者が梯子を支える方法も考えられる。しかし、応援を要請してから補助者が到着するまでに時間がかかり、作業員においては、その間作業ができず時間のロスが発生する。補助者においては、自身の作業への取り掛かりが遅くなってしまう。それ故、作業者と補助者との両者にとって作業効率が悪い。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、梯子を安全に使用可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の梯子補助脚は、梯子の下端に取り付けられる梯子補助脚において、前記梯子の備える一対の支柱に対して平行であり、前記梯子の備える踏板の長手方向に対して直交方向の位置で前記梯子を支える1つ以上の補助脚と、前記補助脚を前記梯子に連結する1つ以上の連結部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、梯子を安全に使用可能な技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】梯子補助脚の斜視図である。
図2】梯子補助脚の上面図である。
図3】梯子補助脚の側面図である。
図4】梯子補助脚の背面図である。
図5】梯子補助脚を取り付けた梯子下部の斜視図である。
図6】梯子補助脚の使用例を示す側面図である。
図7】梯子補助脚の変形例を示す上面図である。
図8】梯子補助脚の変形例(運搬時)を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施する一実施形態について図面を用いて説明する。
【0014】
[梯子補助脚の外観]
図1は、本実施形態に係る梯子補助脚1の斜視図である。図2図4は、それぞれ、図1に示した梯子補助脚1の上面図、側面図、背面図である。本実施形態では、図1図4に示した梯子補助脚1をアウトリガー付き三連梯子に取り付ける場合を例に説明する。
【0015】
[取り付け対象梯子]
図5は、梯子補助脚1を取り付けた梯子下部の斜視図である。
【0016】
アウトリガー付き三連梯子3は、全体が金属で形成されている。アウトリガー付き三連梯子3は、紙面の垂直方向(Z軸方向)に伸梯及び逆伸梯可能な三連梯子31を備える。アウトリガー付き三連梯子3は、三連梯子31の備える複数の踏板32の長手方向(X軸方向)の位置で三連梯子31を支え、三連梯子31の備える一対の支柱33a,33bの支柱間の幅よりも広い幅を有する一対の支持脚34a,34bを備える。
【0017】
一対の支持脚34a,34bは、1本の連結棒35で連結されている。また、連結棒35は、一対の支柱33a,33bの各下端に接続されている。
【0018】
[梯子補助脚の構成]
図5に示したアウトリガー付き三連梯子3に対し、図1図5に示した梯子補助脚1が取り付けられる。本実施形態に係る梯子補助脚1は、金属部材等で形成されており、例えば、2つの補助脚11a,11bと、2つの連結部12a,12bと、1つの結合部13と、を備える。
【0019】
[補助脚]
2つの補助脚11a,11bは、それぞれ、一対の支柱33a,33bに対して平行であり、踏板32の長手方向に対して直交方向(Y軸方向)の位置で三連梯子31を支える補助脚である。
【0020】
例えば、円筒形の金属パイプや金属棒等を所定長にカットし、当該金属パイプの外側面にネジ山及びネジ溝を形成する。ネジ山及びネジ溝が予め形成された金属パイプを用いてもよい。そして、所定長の金属パイプの上端に樹脂性の回転ハンドル111a,111bを取り付けて固定し、下端に金属製の着地板112a,112bを取り付ける。着地板112a,112bの取り付けには、角度が自由に変化する自在継手を用いる。
【0021】
回転ハンドル111a,111bの各上面には、それぞれ、右回転の矢印及び「のびる」の文字と左回転の矢印及び「ちぢむ」の文字が印刷されたシールを貼り付ける。また、着地板112a,112bの各底面には、それぞれ、自身の形状と同一形状を有するゴム板を接着する。
【0022】
このように形成した2つの補助脚11a,11bを、それぞれ、一対の支柱33a,33bに対して平行に、踏板32の長手方向に対して直交方向の位置に設ける。アウトリガー付き三連梯子3の備える一対の支持脚34a,34bが、踏板32の長手方向と同方向の位置で三連梯子31を支えることで、三連梯子31の左右方向への傾斜を防止するのに対し、2つの補助脚11a,11bは、踏板32の長手方向に対して直交方向の位置で三連梯子31を支えるので、三連梯子31の前後方向への傾斜を防止する。
【0023】
[連結部]
2つの連結部12a,12bは、それぞれ、2つの補助脚11a,11bをアウトリガー付き三連梯子3に連結する連結部である。
【0024】
例えば、第1の金属板を矩形(三角形、六角形等でも可)に折り曲げて第1の連結材121a,121bを形成し、当該第1の連結材121a,121bの各一端に、補助脚11a,11bの径よりも一回り大きい径を有し、内側面にネジ山及びネジ溝が形成された円筒形のパイプ122a,122bを接合する。
【0025】
また、第2の金属板の一部を、第1の連結材121a,121bよりも一回り小さい同一形状に折り曲げて第2の連結材123a,123bを形成し、当該第2の連結材123a,123bの各一端に、コ型の形状を有する金属板124a,124bを接合する。
【0026】
そして、第2の連結材123a,123bの各他端を第1の連結材121a,121bの各他端にそれぞれ挿入し、重なり合った側面の所定位置に貫通孔を形成して、当該貫通孔にボルト125a,125bをそれぞれ挿入してナット126a,126bで固定する。
【0027】
このようにして形成した2つの連結部12a,12bの各パイプ122a,122bに、2つの補助脚11a,11bをそれぞれ右回転させながら挿入し、着地板112a,112bをそれぞれ取り付ける。
【0028】
また、コ型の形状を有する金属板124a,124bの底部に、それぞれ、連結固定用のロック部を取り付ける。当該ロック部は、その全体が山型の形状を有しており、ユーザが把持する底部の把持部14a,14bと、連結棒35を錠止するための棒状のピン141a,141bと、を備える。当該ロック部は、連結部12a,12bとアウトリガー付き三連梯子3との連結を固定し、又は固定を解除する構造、機能を持つ。
【0029】
ロック部は、内部にバネやネジ等で構成された押圧機構を備える。例えば、2つのバネがピン141a,141bにそれぞれ挿通されている。把持部14a,14bを引き下げると、把持部14a,14bの各中心にそれぞれ位置し固定されたピン141a,141bがコの外側へ引き下げられる。このとき、バネは縮んだ状態になる。そして、把持部14a,14bを右方向又は左方向に90°回転させると、当該把持部14a,14bの一部の縁でZ軸の上方向に折り曲げられたツメが、コ型の形状を有する金属板124a,124bの底部の下外側に設けられた凸部に干渉し、その引き下げた状態が維持される。このとき、コの内側に当該内側の奥まで連結棒35を挿入する。その後、把持部14a,14bを右方向又は左方向に90°回転させると、上記干渉がなくなり、ピン141a,141bがバネ力によりコの内側へ押し上げられ、その押し上げた状態が維持される。これにより、連結棒35は、金属板124a,124bのコの内部に収容され、ピン141a,141bにより、外側に外れないように錠止される。
【0030】
このとき、ロック部によってアウトリガー付き三連梯子3が固定されているか否かを一目で把握できるようにするため、青色と赤色の2種類の警告ラベルを上記凸部の側面に貼り付ける。このとき、青色の警告ラベルを上段、赤色の警告ラベルを下段に平行に貼り付ける。ピン141a,141bがコの内側へ押し上げられている状態の場合、把持部14a,14bの上記ツメにより赤色の警告ラベルが隠れ、上段の青色の警告ラベル142a,142bのみが表出する。一方、ピン141a,141bがコの外側へ引き下げられている状態の場合、上段の青色の警告ラベル142a,142bと下段の赤色の警告ラベルが共に表出する。
【0031】
このような、ロック部をそれぞれ備えた金属板124a,124bを、アウトリガー付き三連梯子3の連結棒35に嵌め込み、ピン止めにより固定する。把持部14a,14bを右回転又は左回転させるといった、1回の手動操作でピン141a,141bを押し上げ又は押し下げるので、梯子補助脚1をワンタッチで脱着可能となり、梯子補助脚1を使用したいときにのみ取り付けることができる。
【0032】
[結合部]
1つの結合部13は、2つの連結部12a,12bをそれぞれ回転可能に一体に結合する結合部である。例えば、1本の金属板を、三連梯子31の備える複数の踏板32の長手方向の長さよりも短い長さにカットし、両端に孔を開けて形成する。2つの連結部12a,12bの各金属板124a,124bにも、当該孔の径と同一径の孔をそれぞれ形成する。そして、結合部13の各孔と金属板124a,124bの各孔とをそれぞれ1つの埋没型ボルト131a,131bで遊びを持たせて連結する。ワッシャーやベアリング等を用いてもよい。
【0033】
このようにして形成した結合部13は、2つの連結部12a,12bをそれぞれ回転可能に一体に結合するので、梯子補助脚1を小さく折り畳むことができ、梯子補助脚1を容易に持ち運ぶことができる。
【0034】
[梯子補助脚の使用方法]
[梯子補助脚の取り付け時]
作業員は、アウトリガー付き三連梯子3を横に倒し、かつ、青色と赤色の2つの警告ラベルが共に表れている状態(把持部14a,14bのツメが金属板124a,124bの凸部に干渉している状態)で、2つの連結部12a,12bの金属板124a,124bを、アウトリガー付き三連梯子3の備える連結棒35に垂直にそれぞれ嵌め込み、把持部14a,14bをそれぞれ右方向又は左方向に90°回転する。これにより、上記干渉状態がなくなり、ピン141a,141bがバネ力によりコの内側に押し上げられ、赤色の警告ラベルが隠れ、青色の警告ラベル142a,142bのみが表出する。その結果、連結棒35が金属板124a,124bのコの内部に収容され、連結棒35のオープン側面(金属板124a,124bとの非対向側面)がピン141a,141bによりロックされ、梯子補助脚1がアウトリガー付き三連梯子3に取り付けられる。
【0035】
[梯子の伸梯時]
作業員は、アウトリガー付き三連梯子3を横に倒した状態で、回転ハンドル111a,111bを右回転又は左回転して補助脚11a,11bをそれぞれ左右に移動させ、各着地板112a,112bの前後の位置を、一対の支持脚34a,34bの下端の位置に合わせる。その後、作業員は、アウトリガー付き三連梯子3を地面に立てる。このとき、アウトリガー付き三連梯子3は、地面に対して垂直になり、補助脚11a,11bも垂直になる。一対の支持脚34a,34b及び補助脚11a,11bの4点で三連梯子31を支えるので、作業員は、三連梯子31が安定した状態で伸長用ロープを引き下げることができ、伸梯時に三連梯子31を作業員の手前側又は奥側に転倒させる可能性を低減できる。
【0036】
[梯子の使用時]
作業員は、一対の支柱33a,33bの上端を外壁面に立て掛け、又は当該上端に取り付けられた一対の安全フックを架空ケーブルに引っ掛ける。このとき、作業員は、図6に示すように、回転ハンドル111a,111bを右回転してパイプ122a,122bの位置を上側にそれぞれ移動させ、着地板112a,112bを地面に接地させる。すなわち、アウトリガー付き三連梯子3を傾斜させたときに、補助脚11a,11bを一対の支柱33a,33bに対して平行に移動させて接地させる。つまり、補助脚11a,11bが移動するので、立て掛け角度や段差があっても三連梯子31を支えることができ、三連梯子31が後方(電気設備のない側,梯子を立て掛けた側とは反対側)に転倒する可能性を低減できる。
【0037】
[梯子補助脚の運搬時]
作業員は、2つの連結部12a,12bをそれぞれ結合部13に重なり合うように折り畳む。これにより、梯子補助脚1がコンパクトとなり、作業員は、梯子補助脚1を容易に持ち運ぶことができる。
【0038】
[効果]
本実施形態によれば、梯子補助脚1は、三連梯子31の備える一対の支柱33a,33bに対して平行であり、三連梯子31の備える複数の踏板32の長手方向に対して直交方向の位置で三連梯子31を支える2つ補助脚11a,11bと、2つの補助脚11a,11bを連結棒35にそれぞれ連結する2つの連結部12a,12bと、を備えるので、三連梯子31を4点で支持可能となり、三連梯子31の前後方向及び左右方向への傾斜を防止できる。作業員は、三連梯子31が安定した状態で伸長用ロープを引き下げることができ、作業員の昇降時に梯子と作業員との重心位置にズレが生じても、伸梯時に梯子を作業員の手前側又は奥側に転倒させる可能性を低減できる。その結果、三連梯子31を安全に使用可能となる。
【0039】
また、本実施形態によれば、2つの補助脚11a,11bは、一対の支柱33a,33bに対してそれぞれ平行に移動するので、三連梯子31を立て掛けた際に角度や段差があっても三連梯子31を確実に支持可能となり、三連梯子31が後方(電気設備のない側,梯子を立て掛けた側とは反対側)に転倒する可能性を低減できる。その結果、三連梯子31を安全に使用可能となる。
【0040】
また、本実施形態によれば、2つの連結部12a,12bをそれぞれ回転可能に一体に結合する結合部13を備えるので、梯子補助脚1がコンパクトとなり、梯子補助脚1を容易に運搬できる。
【0041】
また、本実施形態によれば、1回の手動操作によりピンを押し上げ又は下げることで、2つの連結部12a,12bと連結棒35との連結を固定し又は固定を解除するロック部を備えるので、梯子補助脚1をワンタッチで脱着可能となり、梯子補助脚1を使用したいときにのみ取り付けることができる。
【0042】
以上より、本実施形態によれば、電気設備の保全時に壁面作業を行う場合であっても、補助者を有することなく安全に梯子を昇降し壁面作業を実施可能であり、かつ、女性であっても一人で梯子を伸縮可能である、梯子補助脚を提供できる。
【0043】
[変形例1]
本実施形態では、2つの連結部12a,12bを、連結棒35に対してそれぞれ垂直に接続した場合を例に説明した。その他、2つの連結部12a,12bの両方又は一方を、連結棒35に対して非垂直に接続してもよい。
【0044】
具体的には、図7に示すように、2つの連結部12a,12bは、2つの連結部12a,12bが連結棒35に接続する接続端間の幅W1よりも、2つの補助脚11a,11b間の幅W2の方が大きくなるように、2つの補助脚11a,11bを連結棒35にそれぞれ連結する。
【0045】
例えば、図7に示すように、第2の連結材123a,123bを長手方向で外側に約30°折り曲げ、第1の連結材121a,121bがそれぞれ三連梯子31の外側に向くように、2つの連結部12a,12bを形成する。
【0046】
これにより、2つの連結部12a,12bの連結部間の幅が、上記本実施形態の場合よりも広くなるので、三連梯子31を支える4点の面積が大きくなり、三連梯子31をより安全に使用可能となる。
【0047】
変形例1において、2つの連結部12a,12bをそれぞれ結合部13に重なり合うように折り畳んだ状態を図8に示す。第2の連結材123a,123bを長手方向で外側に約30°折り曲げたことにより、第1の連結材121a,121bをそれぞれより内側に畳み込むことが可能となる。その結果、梯子補助脚1をより容易に運搬できる。
【0048】
[変形例2]
本実施形態では、2つの補助脚11a,11bを用いた場合を例に説明した。補助脚11の数は、1つであっても、3つ以上であってもよい。補助脚11の数が増加するに伴い三連梯子31の支持強度も増加する。その反面、梯子補助脚1の重量も増加するので、運搬時及び使用時の利便性が低下することから、補助脚11の数は2つであることが好ましい。
【0049】
[変形例3]
本実施形態では、2つの補助脚11a,11bにそれぞれ対応するように、2つの連結部12a,12bを用いた場合を例に説明した。一方、補助脚11を三連梯子31に連結可能であれば、連結部12の数を補助脚11の数に必ずしも合わせる必要はない。例えば、Y字の形状を有する1つの連結部12を用いてもよい。これにより、梯子補助脚1を軽量化できる可能性がある。
【0050】
[変形例4]
本実施形態では、2つの連結部12a,12bの長手方向の長さが固定である場合を例に説明した。一方、その長さを調整する構造を備えてもよい。例えば、連結部12を構成している第1の連結材121a,121bと第2の連結材123a,123bの各側面に複数の貫通孔を1列に形成し、所望の長さで第1の連結材121a,121bと第2の連結材123a,123bを連結する。これにより、三連梯子31の設置領域が狭い場合でも、梯子補助脚1を取り付け可能となり、三連梯子31を安全に使用できる。また、三連梯子31の設置領域を十分に確保できる場合には、各連結部12a,12bの長さを長くすることで、三連梯子31を支える4点の面積が更に大きくなり、三連梯子31をより安全に使用できる。
【0051】
[変形例5]
本実施形態では、金属板124a,124bがコ型の形状を有する場合を例に説明した。一方、金属板124の形状は、連結棒35の断面形状に合う形状であればよい。例えば、連結棒35の断面形状が三角形であれば、金属板124の形状を∠型の形状にしてもよい。
【0052】
[変形例6]
本実施形態では、2つの補助脚11a,11bを、アウトリガー付き三連梯子3の連結棒35に接続した場合を例に説明した。その他、2つの補助脚11a,11bを一対の支柱33a,33bに直接取り付けてもよい。つまり、梯子補助脚1は、アウトリガー付き三連梯子3に限らず、アウトリガーが具備されていない梯子にも適用可能である。
【0053】
[変形例7]
本実施形態では、アウトリガー付き三連梯子3を用いて説明した。その他、梯子補助脚1は、アウトリガーの有無、伸縮の有無に関わらず、任意のあらゆる梯子に適用可能である。例えば、3つの踏板を備える三段梯子、2つの梯子を伸梯及び逆伸梯可能な三連梯子等にも適用できる。
【符号の説明】
【0054】
1…梯子補助脚
11…補助脚
111…回転ハンドル
112…着地板
12…連結部
121…第1の連結材
122…円筒形のパイプ
123…第2の連結材
124…コ型の形状を有する金属板
125…ボルト
126…ナット
13…結合部
131…埋没型ボルト
14…把持部
141…ピン
142…青色の警告ラベル
3…アウトリガー付き三連梯子
31…三連梯子
32…踏板
33…支柱
34…支持脚
35…連結棒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8