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特許7019752血液を監視するための方法およびデバイス
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  • 特許-血液を監視するための方法およびデバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】血液を監視するための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/03 20060101AFI20220207BHJP
【FI】
G01N21/03 Z
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020108389
(22)【出願日】2020-06-24
(62)【分割の表示】P 2018565858の分割
【原出願日】2016-06-15
(65)【公開番号】P2020165988
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2020-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】508230905
【氏名又は名称】ソリン・グループ・イタリア・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Sorin Group Italia S.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ガラボッティ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】トンマージ,ガブリエレ
(72)【発明者】
【氏名】シモニーニ,ジャンパオロ
(72)【発明者】
【氏名】ルッピ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ザニボーニ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】カプリアッティ,パオラ
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-131770(JP,U)
【文献】特表2008-536140(JP,A)
【文献】特開平08-035927(JP,A)
【文献】特表平09-500721(JP,A)
【文献】米国特許第04640820(US,A)
【文献】米国特許第05339375(US,A)
【文献】特表2001-513675(JP,A)
【文献】米国特許第06074607(US,A)
【文献】国際公開第03/060494(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0160500(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02110430(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/83
G01N 33/48-G01N 33/98
A61M 1/00-A61M 1/38
A61B 5/00-A61B 5/398
G01N 15/00-G01N 15/14
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のセンサ窓枠(214)を含むキュベット本体(202)と、
前記単一のセンサ窓枠(214)に位置決めされたセンサ窓(204)と、
前記センサ窓(204)を前記キュベット本体(202)に機械的に結合する窓保持具(206)と
を備え、
前記センサ窓(204)が、血液の酸素分圧に感応性のある蛍光コーティングを含み、前記蛍光コーティングは、酸素分圧の変化に応じて色又は濃淡を変化させる、キュベット(200)。
【請求項2】
前記キュベット本体(202)が、前記窓保持具(206)に機械的に結合される少なくとも2つの歯部を形成している、請求項1に記載のキュベット(200)。
【請求項3】
前記センサ窓(204)と前記センサ窓枠(214)との間に位置決めされたOリング(208)をさらに備える、請求項1に記載にキュベット(200)。
【請求項4】
前記センサ窓(204)がフッ化ポリビニリデン(PVDF)を備える、請求項1に記載のキュベット(200)。
【請求項5】
前記センサ窓(204)が、前記キュベット本体によって形成された中央ボアに面する表面上に生体適合性のフィルムコーティングを有する、請求項1に記載のキュベット(200)。
【請求項6】
前記キュベット本体(202)が、実質的に平坦な表面を有する外表面を形成し、前記単一のセンサ窓枠(214)が、前記実質的に平坦な表面に画定されている、請求項1に記載のキュベット(200)。
【請求項7】
前記キュベット本体(202)の端部近くに位置決めされたプローブ保持構造部(236、238)をさらに備える、請求項1に記載のキュベット(200)。
【請求項8】
プローブ保持リブが孔を備える、請求項7に記載のキュベット(200)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のキュベット(200)であって、前記キュベット本体(202)が、第1のキュベット端部(210)および第2のキュベット端部(212)を有し、前記キュベット(200)は、さらに、
前記第1と第2のキュベット端部(210、212)間に位置決めされた前記センサ窓(204)、
前記第1のキュベット端部(210)近くに位置決めされた第1のプローブ保持構造部(236)、および
前記キュベット本体(202)から延在しており前記第2のキュベット端部(238)近くに位置決めされた第2のプローブ保持構造部(238)
をさらに備えるキュベット(200)と、
プローブ本体を含み、第1のプローブ端部および第2のプローブ端部を有するプローブであって、
前記第1のプローブ端部近くの、前記第1のプローブ保持構造部(236)に取り外し可能に係合することができる第1のキュベット係合構造部、および
前記第2のプローブ端部近くの、前記第2のプローブ保持構造部(238)に係合することができる第2のキュベット係合構造部
をさらに備えるプローブとを備える装置。
【請求項10】
少なくとも1つのピンを備える第1のプローブ保持構造部(236)、
少なくとも1つの孔(240)を備える第2のプローブ保持構造部(238)、
少なくとも1つの支承表面を備える第1のキュベット係合構造部、および
少なくとも1つの突出部を備える第2のキュベット係合構造部
から選択される少なくとも1つの構造部をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、全般的に、例えば心臓手術中に使用される血液監視機器に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]手術中、患者の静脈系は、一時的に心臓および肺の機能を置き換える体外回路に連結されることがある。体外血液回路(ECC)は、他の特徴の中でもとりわけ、心臓機能を置き換えるためのポンプ、および肺機能を置き換えるための酸素供給デバイスを含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、体外血液回路の一部として使用され得る血液監視装置、方法、およびデバイスに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0003]例1では、装置は、実質的に平坦な外表面を形成し、その実質的に平坦な外表面内に画定されたセンサ窓を有するキュベット本体を含むキュベットを含んでいる。キュベットはさらに、キュベット本体から延在しているプローブ保持構造部を含んでいる。装置は、プローブ本体と、プローブ保持構造部に取り外し可能に結合される突出部とを有するプローブを含んでいる。
【0005】
[0004]例2では、例1の装置において、突出部が、プローブ本体内に少なくとも部分的に位置決めされたばね荷重された組立体に結合される。
[0005]例3では、例1~例2のいずれかの装置において、キュベットが、キュベット本体から延在している少なくとも1つのピンをさらに含み、その少なくとも1つのピンがプローブに機械的に結合される。
【0006】
[0006]例4では、例1~例3のいずれかの装置において、プローブが、センサ窓に位置合わせされた状態で位置決めされたセンサをさらに含んでいる。
[0007]例5では、例4の装置において、センサが光学センサを含んでいる。
【0007】
[0008]例6では、例1~例5のいずれかの装置において、プローブ保持構造部が窪みを形成し、突出部の少なくとも一部分がその中に延在する。
[0009]例7では、例1~例6のいずれかの装置において、プローブ保持構造部が孔を形成し、突出部の少なくとも一部分がその中に延在する。
【0008】
[0010]例8では、例1の装置において、突出部がプローブ本体と一体に形成されている。
[0011]例9では、例1~例8のいずれかの装置において、プローブ保持構造部が可撓性を有する。
【0009】
[0012]例10では、例1~例9のいずれかの装置において、突出部が変形可能である。
[0013]例11では、キュベットは、センサ窓枠を含むキュベット本体と、センサ窓枠に位置決めされたセンサ窓と、センサ窓をキュベット本体に機械的に結合する窓保持具とを含んでいる。
【0010】
[0014]例12では、例11のキュベットにおいて、キュベット本体が、窓保持具に機械
的に結合される少なくとも2つの歯部を形成している。
[0015]例13では、例11~例12のいずれかのキュベットは、センサ窓とセンサ窓枠との間に位置決めされたOリングをさらに備える。
【0011】
[0016]例14では、例11~例13のいずれかのキュベットにおいて、センサ窓が蛍光コーティングを含んでいる。
[0017]例15では、例11~例14のいずれかのキュベットにおいて、センサ窓がフッ化ポリビニリデンを備える。
【0012】
[0018]例16では、例11~例15のいずれかのキュベットにおいて、センサ窓が、キュベット本体によって形成された中央ボアに面する表面上に生体適合性のフィルムコーティングを有する。
【0013】
[0019]例17では、例1~例16のいずれかのキュベットにおいて、キュベット本体が、実質的に平坦な外表面を含み、単一のセンサ窓枠が、実質的に平坦な表面に画定されている。
【0014】
[0020]例18では、例1~例17のいずれかのキュベットにおいて、プローブ保持構造部がキュベット本体の端部近くに位置決めされている。
[0021]例19では、例18のキュベットにおいて、プローブ保持構造部が孔を備える。
【0015】
[0022]例20では、装置は、第1のキュベット端部および第2のキュベット端部を有するキュベット本体を含むキュベットを含んでいる。キュベットはさらに、第1と第2のキュベット端部間に位置決めされた窓枠、窓枠内に位置決めされた窓、第1のキュベット端部近くに位置決めされた第1のプローブ保持構造部、およびキュベット本体から延在しており第2のキュベット端部近くに位置決めされた第2のプローブ保持構造部を含む。装置はさらに、プローブ本体、第1のプローブ端部、および第2のプローブ端部を有するプローブを含む。プローブはさらに、第1のプローブ端部近くの、第1のプローブ保持構造部に係合することができる第1のキュベット係合構造部、および第2のプローブ端部近くの、第2のプローブ保持構造部に取り外し可能に係合することができる第2のキュベット係合構造部を含む。
【0016】
[0023]例21では、例20の装置は、少なくとも1つのピンを備える第1のプローブ保持構造部、少なくとも1つの孔を備える第2のプローブ保持構造部、少なくとも1つの支承表面を備える第1のキュベット係合構造部、および少なくとも1つの突出部を備える第2のキュベット係合構造部から選択された少なくとも1つの構造部をさらに備える。
【0017】
[0024]複数の実施形態が開示されるが、本発明の例証的な実施形態を示し記述する以下の詳細な記述から、当業者には本発明のさらに他の実施形態が明らかになろう。したがって図面および詳細な記述は、例証的な性質のものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】[0025]本開示の特定の実施形態による血液監視装置の概略図である。
図2A】[0026]本開示の特定の実施形態によるキュベットの分解斜視図である。
図2B】[0027]本開示の特定の実施形態によるキュベットの断面斜視図である。
図3A】[0028]本開示の特定の実施形態によるキュベットの斜視図である。
図3B】[0029]本開示の特定の実施形態によるキュベットの断面斜視図である。
図4】[0030]本開示の特定の実施形態によるキュベットおよびプローブの斜視図である。
図5】[0031]本開示の特定の実施形態によるキュベットとプローブの組立体の部分断面図である。
図6】[0032]本開示の特定の実施形態によるキュベットとプローブの組立体の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0033]本発明は、様々な修正形態および代替的な形態に修正可能であるが、図面には例として特定の実施形態が示されており、それらが以下で詳細に記述される。しかしその意図は、本発明を特定の記述される実施形態に制限することではない。むしろ本発明は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内にあるすべての修正形態、等価物、および代替形態を包含することが意図される。
【0020】
[0034]図1は、体外血液回路(ECC)に組み込まれた血液監視装置100の概略図である。手術中、患者の血液は、ECCを通るように方向付けることができ、ECCは、他の機器の中でもとりわけ、血液を受け取り、血液および他の流体を患者に戻す人工心肺装置、酸素供給器、およびリザーバを特徴としてもよい(図1には示されていない)。またECCは、ECC内の1つまたは複数の位置において、血液の1つまたは複数のパラメータもしくは特性を測定するための血液監視機器を含んでもよい。血液監視機器は、血液が中を流れるキュベット(換言すれば、容器)102、キュベットに結合されたプローブ104、およびプローブと連通しているモニタ106とを含んでもよい。第1のキュベット/プローブ組立体は、(例えば患者に戻される前に酸素供給後の血液パラメータを測定するために)動脈血ラインに位置付けることができ、第2のキュベット/プローブ組立体は、(例えばECCでの処置の前に静脈血の血液パラメータを測定するために)静脈血ラインに位置付けることができる。キュベット102は、単回使用のキュベットであり、1度使用された後に廃棄される。以下でより詳細に説明するが、血液パラメータ信号を提供するためのプローブ104は、再使用可能であってもよい(例えば、プローブを再使用できるように、キュベット102に取り付け可能および取り外し可能であってもよい)。
【0021】
[0035]血液監視機器は、静脈および/または動脈血の特性を測定するための様々な感知要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、血液監視機器は、静脈血の他のパラメータの中でもとりわけ、ヘマトクリット、酸素飽和度、および温度を測定するのが望ましいことがある。そのような測定は、電子的、化学的、光学的など様々なセンサタイプを使用して行うことができる。例えば、ヘマトクリット測定は、ある範囲またはあるセットの波長の光を血液内に放射するLEDを利用することによって実行することができる。血液は、放射された光を散乱させ、散乱の特徴が光学センサによって感知され、それを使用して信号を提供することができ、その信号から、血液のヘマトクリットレベルを判定することができる。酸素飽和度も、光学センサを使用して測定することができる。血液温度は、赤外線センサを使用して測定することができ、それは、血液に接触することなく温度を測定することができる。いくつかの実施形態では、動脈血の他のパラメータの中でもとりわけ、酸素分圧および温度を測定するのが望ましいことがある。酸素分圧の測定は、以下でより詳細に記述するように、蛍光または酸素消光を使用して実行することができる。静脈血と同様に、動脈血の温度は、赤外線センサを使用して測定することができる。本開示の実施形態では、信号タイプ(例えば電子的、光学的)と構造の両方において幅広いバリエーションを提供するセンサが使用されてもよいことが、理解されるべきである。
【0022】
[0036]再び図1を参照すると、プローブ104はモニタ106と通信し、モニタ106に測定値を導くことができ、モニタ106は、人工心肺装置(HLM)108に一体化されていてもよく、または人工心肺装置などの機械に結合することができるスタンドアロン型デバイスに一体化されていてもよい。HLM108は、概略的に患者とキュベット102およびプローブ104との間に示されているが、本明細書においてより詳細に記述され
るように、プローブおよびキュベットは、HLM108と患者の間の位置を含む、血液回路に沿った様々な位置に置かれてもよい。例えば、1つのキュベット102およびプローブ104が、静脈血の特性を測定するために静脈血ラインに置かれてもよく、第2のキュベットおよびプローブが、動脈血の特性を測定するために動脈ラインに置かれてもよい。
【0023】
[0037]一実施形態では、モニタ106は、1つまたは複数のキュベット/プローブ組立体に関連付けられた様々なセンサから得られた測定値を表示することができる。モニタ106は、他の監視デバイスからの測定値も表示してよい。例えばモニタ106は、とりわけ温度、ヘマトクリット、ヘモグロビン、酸素運搬、二酸化炭素生成、体表面積、および換気などの患者、手術、および、血液測定値、ならびに計算されたパラメータを表示してもよい。
【0024】
[0038]図2Aは、キュベット本体202と、センサ窓204と、窓保持具206と、Oリング208とを有するキュベット200の分解図を示している。キュベット本体202は、第1の端部210および第2の端部212を有する中空の内側部分を有し、血液がキュベットの中央ボアを通って流れることを可能にしている。キュベット本体202の外表面は全体的に円筒形状であるが、プローブが結合され得る本体の部分に、平坦な、または実質的に平坦な表面を含んでいる。キュベット本体202は、キュベット本体の一部分にある孔の形態の単一センサ窓枠214などの、少なくとも1つのセンサ窓を画定している。組み立てられたとき、センサ窓204は単一の窓枠214内に位置決めされ、血液の漏れ、または血液が孔を通って流れるのを防止しながら、キュベットの中央ボア内の血液に対する視覚的及び/またはセンサによるアクセスを許容する。
【0025】
[0039]一実施形態では、窓204は、フッ化ポリビニリデン(PVDF)などの光学的に透過性のポリマーから作られてもよく、蛍光コーティングまたはペイントが施されてもよい。蛍光コーティングは、酸素分圧の変化に応じてペイントが色または濃淡を変化させるように、血液の酸素分圧に感応性のある種類のものとすることができる。いくつかの実施形態では、窓全体が、光学的に透過性の、生体適合性のポリマーから作られてもよく、生体適合性のための追加のコーティングが不要であってもよい。図2Aの窓204および窓枠214は円形形状を有するものであるが、他の形状が容易に採用されてもよいことが理解されよう。一実施形態では、図2Aおよび図2Bのキュベット200は、動脈ラインのキュベットとして使用されてもよい。
【0026】
[0040]図2Aの組み立てられたキュベットの断面図である図2Bに示されているように、窓204は、保持具206によってキュベット本体202に固定される。窓204は、窓枠214の孔の中に延在する厚さを有するものとして示されている。いくつかの実施形態では、Oリング208などの封止要素は、窓の中央部分から径方向に延在する窓枠214の表面上に位置決めされる。Oリング208は、血液が枠を通って漏れないように、窓枠214を封止する。
【0027】
[0041]図2Aに示されている窓保持具206は、U字形状であり、様々な孔を画定する。窓保持具206の表面218に形成された円形孔216は、窓204と位置合わせされるように構成され、キュベット内の血液に光および/またはセンサが届くようにしている。孔216は、円形形状として示されているが、出願人によって他の形状が企図される。脚部220は、表面218に全体的に垂直に延在しており、保持具206をキュベット本体202に結合するのを補助する孔222、224を形成する。
【0028】
[0042]図2Bには、組み立てられたときに、窓保持具孔222、224に係合するように形成されて窓保持具206とキュベット本体202とを結合する歯部226~232のセットが示されている。第1の歯部226、228は、キュベット本体202の両側に位
置決めされる。これらの歯部は、キュベット本体202から直接延在しており、本体から突出した三角形状として示されているが、他の形状が容易に採用されてもよいことが理解されよう。また、本体から、1つまたは複数のL字もしくはU字形状の構成要素234、235が延在しており、その構成要素234、235は、キュベット本体202に向かって突出した、形状が同じく三角の歯部230、232を有しているが、他の形状が使用されてもよい。図2Bに示されるように、窓保持具206は、歯部が保持具の孔222、224内に延在して保持具206(ならびに窓204およびOリング208)をキュベット本体202に固定するように、歯部226~232上で滑動する。保持具206は、金属またはプラスチックなどの様々な適切な材料から形成されてもよい。
【0029】
[0043]図2Aを再び参照すると、入口210の近くで本体の両側にある、キュベット本体202から延在しているものとして示されているピン236などの第1のプローブ保持構造部が、プローブをキュベットに機械的に結合するのを補助するために設けられてもよい。本体からは、フランジ238などの第2のプローブ保持構造部も延在しており、第2のプローブ保持構造部も、プローブをキュベット200に機械的に結合するのを支援することができる。フランジ238は、出口212近くのキュベット本体のチューブ状部分から径方向に延在している。第1のプローブ保持構造部(例えばピン236)は、入口210の近くに位置決めされたものとして記述されており、第2のプローブ保持構造部(例えばフランジ238)は、出口212の近くに位置決めされたものとして記述されているが、プローブ保持構造部の位置は逆にすることも、変更することもできる。図2Aの実施形態では、第2のプローブ保持構造部は、孔240または同様の特徴部を含んでおり、その中にプローブの一部分が延在して、プローブをキュベット200に機械的に結合するのを補助してもよい。以下でより詳細に記述されるように、第1および第2のプローブ保持構造部236および238は、プローブがキュベット200に結合されたときに、空気がキュベットとプローブとの間で発生せず、血液パラメータ測定に干渉しないように、互いに対して位置決めされる。
【0030】
[0044]図3Aは、キュベット300の斜視図を示しており、図3Bは、キュベット300の断面斜視図を示している。図3Aおよび3Bに示されるキュベット300は、静脈キュベットとして使用するのに好適であり得る。キュベット300は、第1の端部304および第2の端部306を有する中空の内側部分を有するキュベット本体302を有し、血液がキュベットの中央ボアを通って流れることを可能にしている。キュベット本体308の外表面は主に円筒形状であるが、プローブが置かれ得る本体の部分に、平らな、または実質的に平らな表面310を含んでいる。図3Bに示されるように、内側部分は、平面310に対して実質的に平行な平面312を含んでいる。静脈血回路内のキュベットは、酸素分圧を測定する必要がない場合があるので、いくつかの実施形態では、キュベット300は、図2Aおよび図2Bで特徴とされたような窓および窓枠を特徴としていない。キュベット300は、キュベット本体302から両側に延在している保持ピン314などの、第1のプローブ保持構造部を含んでいる。ピン314は、プローブをキュベットに機械的に結合するのを補助する。本体からは、キュベット本体302の一部分から延在しているフランジ316などの第2のプローブ保持構造部も延在している。フランジ316は、孔318または同様の特徴部を画定しており、その中にプローブの一部分が延在して、例えば静脈プローブをキュベット300に機械的に結合するのを補助してもよい。
【0031】
[0045]図4は、プローブ本体404が部分的に結合された状態のキュベット400およびプローブ402を示している。キュベット400は、キュベット400をプローブ402の第1のキュベット係合構造部416に機械的に結合するピン406を備える第1のプローブ保持構造部を含んでいる。第1のキュベット係合構造部416は支承表面414を含んでもよく、支承表面414は、キュベット400上の第1のプローブ保持構造部(例えばピン406)にプローブ402が枢動可能に接触できるようにする図4に示されてい
るU字形状チャネルの一部分を備えることができる。キュベット400は、キュベット400から延在するフランジ408を含む第2の保持構造部も含む。フランジ408は、プローブ402から延在しているボスまたは突出部410などの第2のキュベット係合構造部を受けるための孔、窪みなどを含んでもよい。第1および第2のプローブ保持構造部406および408は、キュベット400を、プローブ402上の対応した第1および第2のキュベット係合構造部416および410に機械的に結合するのを補助する。
【0032】
[0046]プローブ402は、血液を監視するための上述した様々なセンサ、構成要素、および関連回路を含んでもよい。例えばプローブ402は、LED、光学センサ、および赤外線センサのうちの1つまたは複数を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プローブは、キュベット400に結合され蛍光コーティングまたはペイントで覆われた窓の色変化を検出する光学センサを含んでおり、蛍光コーティングまたはペイントは、血液酸素分圧に対して感応性があり、酸素分圧の変化に応答して色または濃淡を変化させることができる。プローブ402は、プローブ402と、例えばモニタ、および/または処理機器とを(例えば電気的にもしくはワイヤレス接続によって)通信可能に結合することができる通信ポート412を含む。
【0033】
[0047]図5は、ともに結合されたキュベット500およびプローブ502の部分断面図を示している。キュベット500は、キュベット500から延在しているピン506のセットを含むことができる第1のプローブ保持構造部と、プローブの第2のキュベット係合構造部(例えばボスまたは突出部510)の一部分が中に延在する孔508を含む第2のプローブ保持構造部(例えばフランジ504)とを含む。突出部510は、プローブ502内に部分的に位置決めされた球形として示されているが、他の形状が使用されてもよいことが理解されよう。突出部510は、プローブ502内に位置決めされたばね組立体512に結合され、ばね組立体512は、キュベット500上の第2の保持構造部(例えばフランジ504の孔508)に係合するように突出部を付勢するばね力を、突出部510に対して提供ように構成されている。
【0034】
[0048]第1のキュベット係合構造部518は、キュベット500上の第1のプローブ保持構造部(例えばピン506)にプローブが係合できるようにする支承表面514を含む。プローブ502がピン506周りに支承表面514上で枢動すると、突出部510は、第2のプローブ保持構造部504の一部分516に接触し、突出部510が少なくとも部分的にプローブ502内に引っ込むようにばね組立体512を圧縮させる。突出部510が孔508に位置合わせされると、ばね組立体512は圧縮解除され、突出部510を孔508内に付勢して、キュベット500とプローブ502を結合させる。他の実施形態では、キュベット500上の第2のプローブ保持構造部(例えばフランジ504)は、プローブ502上の第2のキュベット係合構造部との係合を容易にするための、孔ではなく窪みなどの他の特徴部を備えてもよい。ばね組立体512は、係合したときにプローブ502とキュベット500の間の結合を維持するのに十分なばね力を提供するが、必要に応じてプローブ502を係合解除することも可能にする。プローブ502およびその特徴部、第1のプローブ保持構造部(例えばピン506)およびその特徴部、および第2のプローブ保持構造部(例えばフランジ504)は、プローブ502がキュベット500に結合されたときに、血液パラメータ測定を不正確なものにする恐れのある空気が、血液パラメータ測定に干渉しないように、互いに対して位置決めされる。
【0035】
[0049]図6は、ともに結合されたキュベット600およびプローブ602を示している。キュベット600は、ピン606のセットを備える第1のプローブ保持構造部と、キュベット600から延在しているフランジ604を含む第2のプローブ保持構造部とを含む。第2のプローブ保持構造部604は、プローブの第2のキュベット係合構造部の一部分が中に延在する孔608を含む。第2のキュベット係合構造部は、図6においてボスまた
は突出部610として描かれているが、他の構造部を採用することもできる。支承表面612を含む第1のキュベット係合構造部616が、プローブ602に設けられて、キュベット600とプローブ602の結合を補助するためのキュベットの第1のプローブ保持構造部を備えるピン606に枢動可能に係合する。図6に示されている突出部610は、ばね組立体には結合されておらず、したがって、プローブ602に出入りするように設計されなくてもよい。特定の実施形態では、プローブ602は、突出部610が孔608に係合するまで、プローブ602を支承表面612でキュベットのピン606に当てて枢動させることによって、キュベット600に結合されてもよい。図6の実施形態では、第2のプローブ保持構造部604は、突出部610が第2のプローブ保持構造部の一部分614に接触したときに、加えられた力が第2のプローブ保持構造部604を曲げて突出部610が孔608内に入ることを可能にするような可撓度を有する。図6に示されるように、第2のプローブ保持構造部604の一部分614は、プローブの第2のキュベット係合構造体(例えば突出部610)に対するカム作用を提供して、孔608に向かって一部分614に沿って突出部610を滑らせるのを補助するための傾斜表面を含む。いくつかの実施形態では、ボスもしくは突出部610それ自体(またはボスもしくは突出部の少なくとも一部分)は可撓度を有しており、ボスもしくは突出部が孔608に向かって保持構造部に沿って動くときに一時的に変形してもよい。変形可能なボスまたは突出部610が孔608に位置合わせされると、突出部610は、その元の形状に戻り、少なくとも部分的に孔608内に延在してキュベット600とプローブ602を機械的に結合することができる。いくつかの実施形態では、キュベットは、プローブにより形成された窪み、孔、または同様の特徴部内に延在するボス、突出部、または同様の構造部を含んでもよい。上述した実施形態と同様に、キュベットの第2のプローブ保持構造部(例えばフランジ604)は、プローブの第2のキュベット係合構造部(例えば突出部610)が滑って窪みまたは孔に入りキュベットとプローブがともに結合されるときに、構造部が曲がることを可能にする可撓度を有してもよい。その代わりに、またはそれに加えて、プローブの一部分には、ボスまたは突出部が滑り、次いで窪みまたは孔内に延在するのを可能にする可撓性があってもよい。
【0036】
[0050]本発明の範囲から逸脱することなく、議論された例示的な実施形態に様々な修正および追加を行うことができる。例えば、上述された実施形態は、特定の特徴部に言及しているが、本発明の範囲は、特徴部の異なる組合せを有する実施形態、および記述された特徴部のすべてを含んでいるわけではない実施形態も含んでいる。したがって、本発明の範囲は、すべてのそのような代替形態、修正形態、および変形形態を、特許請求の範囲内にあるものとして、それらの等価物とともに包含することが意図される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6