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  • 特許-半導体装置の製造方法 図1
  • 特許-半導体装置の製造方法 図2
  • 特許-半導体装置の製造方法 図3
  • 特許-半導体装置の製造方法 図4
  • 特許-半導体装置の製造方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/417 20060101AFI20220208BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20220208BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20220208BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20220208BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20220208BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20220208BHJP
   H01L 21/338 20060101ALN20220208BHJP
   H01L 29/778 20060101ALN20220208BHJP
   H01L 29/812 20060101ALN20220208BHJP
【FI】
H01L29/50 J
H01L21/28 E
H01L21/28 301R
H01L21/88 R
H01L21/88 T
H01L29/80 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018109653
(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2019212840
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2020-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000154325
【氏名又は名称】住友電工デバイス・イノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100186761
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 勇太
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健一
【審査官】早川 朋一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-089992(JP,A)
【文献】特開2016-028410(JP,A)
【文献】特開2002-184763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205-21/3215
H01L 21/60-21/607
H01L 21/768
H01L 23/48-23/50
H01L 23/52-23/538
H01L 21/28-21/288
H01L 21/44-21/445
H01L 29/40-29/51
H01L 21/335-21/338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にAlを含むオーミック電極を形成する工程と、
前記オーミック電極を覆うSiN膜を形成する工程と、
前記SiN膜上に、前記オーミック電極に重なる開口パターンを有する第1のフォトレジストを形成する工程と、
前記第1のフォトレジストを紫外線硬化する工程と、
前記開口パターンから露出する前記SiN膜に開口を形成し、当該開口内にて前記オーミック電極の表面を露出する工程と、
前記第1のフォトレジスト上、及び、前記開口から露出する前記オーミック電極上にバリア金属層を形成する工程と、
前記開口パターン内に第2のフォトレジストを形成する工程と、
前記第2のフォトレジストを熱処理し、前記開口に重なる前記バリア金属層を前記第2のフォトレジストにて覆う工程と、
前記第2のフォトレジストを用いて前記バリア金属層をエッチングする工程と、
を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1のフォトレジストを紫外線硬化する前に、前記第1のフォトレジストを熱処理する工程をさらに備える、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記バリア金属層は、互いに積層されるTi層とTiWN層とTiW層とを有する、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記SiN膜の厚さは、30nm~50nmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2のフォトレジストは、紫外線レジストであり、
前記第2のフォトレジストに対する熱処理は、140℃以上にて実施される、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性等の観点から、半導体装置の配線及びオーミック電極にAl(アルミニウム)が用いられることがある。例えば下記特許文献1には、Al膜あるいはAlを主成分とする合金膜からなる第1の層を、半導体基板における拡散層の表面上に設ける旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-162531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Alを含む配線及びオーミック電極には、半導体装置の製造中にヒロックが発生する傾向にある。例えば、Alを含むオーミック電極上のバリアメタル膜と、当該配線を覆う絶縁膜との間等に隙間が生じている場合、当該隙間に上記ヒロックが生じてしまう。このようなヒロックの発生は、配線あるいは電極の短絡の原因になり得るため望ましくない。
【0005】
本発明の一側面は、Alを含むオーミック電極のヒロック発生を抑制可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上にAlを含むオーミック電極を形成する工程と、オーミック電極を覆うSiN膜を形成する工程と、SiN膜上に、オーミック電極に重なる開口パターンを有する第1のフォトレジストを形成する工程と、第1のフォトレジストを紫外線硬化する工程と、開口パターンから露出するSiN膜に開口を形成し、当該開口内にてオーミック電極の表面を露出する工程と、第1のフォトレジスト上、及び、開口から露出するオーミック電極上にバリア金属層を形成する工程と、開口パターン内に第2のフォトレジストを形成する工程と、第2のフォトレジストを熱処理し、開口に重なるバリア金属層を第2のフォトレジストにて覆う工程と、第2のフォトレジストを用いてバリア金属層をエッチングする工程と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一側面によれば、Alを含む電極のヒロック発生を抑制可能な半導体装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る製造方法によって製造される半導体装置の一例を示す断面図である。
図2図2(a)~(c)は、実施形態に係る半導体装置の一部の製造方法を説明する図である。
図3図3(a)~(c)は、実施形態に係る半導体装置の一部の製造方法を説明する図である。
図4図4(a),(b)は、実施形態に係る半導体装置の一部の製造方法を説明する図である。
図5図5(a)~(c)は、実施形態に係る半導体装置の一部の製造方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る製造方法によって製造される半導体装置を示す断面図である。図1に示されるように、半導体装置1は、例えば基板2上に設けられる電界効果トランジスタである。基板2は、結晶成長用の基板である。基板2として、例えばSiC基板、GaN基板等の半導体基板、もしくはサファイア(Al)基板が挙げられる。本実施形態では、基板2は、半導体基板である。
【0011】
半導体装置1は、半導体積層体11、絶縁膜12,21、ソース電極13、ドレイン電極14、ゲート電極15、及びバリア導電層16,17を備える。
【0012】
半導体積層体11は、基板2上にエピタキシャル成長した半導体層の積層体である。半導体積層体11は、例えば、基板2の表面から順に、バッファ層、チャネル層、及びバリア層を含む。本実施形態の半導体装置1は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)であり、チャネル層とバリア層との界面のチャネル層側に2次元電子ガス(2DEG:Two Dimensional Electron Gas)が生じることにより、チャネル層内にチャネル領域が形成される。バッファ層は例えばAlN層であり、チャネル層は例えばGaN層であり、バリア層は例えばAlGaN層である。半導体積層体11は、バリア層上に位置するキャップ層を有してもよい。キャップ層は、例えばGaN層である。
【0013】
絶縁膜21は、半導体積層体11の表面を保護するパッシベーション膜であり、半導体積層体11上に設けられる。絶縁膜12は、ソース電極13、ドレイン電極14、及びゲート電極15を保護する保護膜である。絶縁膜12には、開口12a,12bが設けられる。開口12aはソース電極13の一部を露出し、開口12bはドレイン電極14の一部を露出する。また、絶縁膜21におけるゲート電極15に対応する箇所には開口21aが設けられる。ゲート電極15は、この開口21aを介して半導体積層体11に接触する。絶縁膜21は減圧CVD法にて形成される窒化ケイ素(SiN)膜であり、絶縁膜12は、プラズマCVD法によって形成されるSiN膜である。
【0014】
ソース電極13及びドレイン電極14のそれぞれは、半導体積層体11のバリア層に接触する。ソース電極13及びドレイン電極14は、アルミニウム(Al)を含むオーミック電極であり、例えば、タンタル(Ta)層とAl層とTa層の積層構造を例えば500℃~800℃の温度で合金化したものである。また、チタン(Ti)層をTa層に代えて採用することもできる。加えて、上記積層構造上に金(Au)層が形成されてもよい。ソース電極13及びドレイン電極14の表面の一部は、絶縁膜12によって覆われる。
【0015】
ゲート電極15は、ソース電極13とドレイン電極14との間に設けられる。ゲート電極15は、例えば半導体積層体11のキャップ層に対してショットキ接触する金属を含み、例えばニッケル(Ni)層と金(Au)層との積層構造を有する。この場合、Ni層がキャップ層にショットキ接触する。
【0016】
バリア導電層16は、ソース電極13を保護する導電層であり、開口12a内に設けられる。バリア導電層16は、例えば互いに積層されるTi層とTiWN層とTiW層とを有する。また、バリア導電層17は、ドレイン電極14を保護する導電層であり、開口12b内に設けられる。バリア導電層16,17の構成は、互いに同一である。
【0017】
次に、図2図5を参照しながら本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を説明する。図2(a)~(c)、図3(a)~(c)、図4(a),(b)、及び図5(a)~(c)は、本実施形態に係る半導体装置1の一部の製造方法を説明する図である。以下では、半導体装置1に含まれるオーミック電極であるソース電極13と、ソース電極13上に設けられるバリア導電層16との製造方法を詳細に説明する。
【0018】
まず、図2(a)に示されるように、基板2上に絶縁膜21を形成する。まず、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;MOCVD)にて、基板2上に半導体積層体11を成長する。続いて、半導体積層体11上に絶縁膜21を形成する。絶縁膜21は、例えば減圧CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition;LPCVD)法によって形成されるSiN膜である。LPCVD法は、成膜圧力を下げ、成膜温度を高くすることによって、緻密な膜を形成する方法である。絶縁膜21の厚さは、例えば10nm以上30nm以下である。絶縁膜21の成膜温度は例えば800℃以上900℃以下であり、成膜圧力は例えば10Pa以上100Pa以下である。
【0019】
次に、図2(b)に示されるように、基板2上にAlを含むオーミック電極であるソース電極13を形成する。まず、絶縁膜21に開口21bを形成する。続いて、順に積層されるTa層と、Al層と、Ta層とを有するソース金属を、開口21b内に堆積する。下側のTa層の厚さは例えば5nm以上10nm以下であり、Al層の厚さは例えば200nm以上400nm以下であり、上側のTa層の厚さは例えば5nm以上10nm以下である。続いてソース金属を500℃~800℃にて加熱することにより、ソース金属を合金化してソース電極13を形成する。図示はしないが、ソース電極13の形成時にドレイン電極14(図1を参照)も形成する。ソース金属は、例えばレジストパターン(不図示)を用い、蒸着法及びリフトオフによって形成される。このレジストパターンは、開口21bの形成にも用いられてもよい。
【0020】
次に、図2(c)に示されるように、絶縁膜21及びソース電極13を覆う絶縁膜12を形成する。本実施形態では、絶縁膜12は、プラズマCVD法によって形成されるSiN膜である。絶縁膜12の成膜温度は、例えば300℃以上320℃以下である。絶縁膜12の厚さは、例えば30nm以上50nm以下である。
【0021】
次に、図3(a)に示されるように、絶縁膜12上に、ソース電極13に重なる開口パターン31aを有する第1のフォトレジスト31を形成する。まず、絶縁膜12上に第1のフォトレジスト31を塗布する。続いて、第1のフォトレジスト31に対してリソグラフィを実施することによって、第1のフォトレジスト31に開口パターン31aを形成する。開口パターン31aは、第1のフォトレジスト31のソース電極13に重なる位置に設けられる。開口パターン31a内には、絶縁膜12の一部が露出する。第1のフォトレジスト31は、例えば紫外線レジストである。第1のフォトレジスト31の厚さは、例えば1μm以上2μm以下である。
【0022】
次に、第1のフォトレジスト31を熱処理する。例えば120℃以上にて第1のフォトレジスト31を加熱(ベーキング)する。このベーキングによって第1のフォトレジスト31の流動性が上昇する。これにより、図3(b)に示されるように、開口パターン31aを形成する第1のフォトレジスト31の端部が鈍る。なお、第1のフォトレジスト31の表面張力によって、第1のフォトレジスト31のソース電極13上への流動は妨げられる。続いて、第1のフォトレジスト31を紫外線硬化する。この工程では、第1のフォトレジスト31に対して紫外線Uを照射する。これにより、第1のフォトレジスト31が硬化するので、第1のフォトレジスト31に膨張等が発生しにくくなる。また、開口パターン31aの形状変化も発生しにくくなる。紫外線Uは、例えば波長365nm前後の水銀ランプから得られる紫外線を用いることができる。
【0023】
次いで、絶縁膜12の第1のフォトレジスト31から露出する部分を、フッ素系ガスを用いてドライエッチングする。これにより図3(c)に示されるように、開口12a内にソース電極13の表面の一部が露出する。具体的には、ソース電極13の頂面13aの開口12aと重なる部分が露出する。ドライエッチングは、例えば反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)である。フッ素系ガスとしては、例えば、SF,CF,CHF,C,及びCからなる群から1つ以上が選択される。RIE装置は、誘導結合型(Inductive Coupled Plasma;ICP)のものであってもよい。
【0024】
次に、図4(a)に示されるように、第1のフォトレジスト31上、及び、絶縁膜12の開口12aから露出するソース電極13上にバリア金属層41を形成する。例えばスパッタリング法によって、互いに積層されるTi層とTiWN層とTiW層とを有するバリア金属層41を形成する。バリア金属層41の一部は、開口12a内でソース電極13と接触する。なお、Ti層の厚さは例えば5nmであり、TiWN層の厚さは例えば300nmであり、TiW層の厚さは例えば6nmである。バリア金属層41は、平面に堆積した時の厚さは上記各層の厚みの和程度になるが、例えば第1のフォトレジスト31の側壁あるいは、絶縁膜12の開口12aの側壁に堆積した時の厚さはこの厚さよりも相当に薄くなる。本実施形態では、第1のフォトレジスト31の側壁上での厚さは100nm以下である。
【0025】
次に、図4(b)に示されるように、第1のフォトレジスト31の開口パターン31a内に第2のフォトレジスト51を形成する。バリア金属層41の開口12aと重なる部分41aの上に、第2のフォトレジスト51を形成する。図4(b)に示されるように、バリア金属層41のソース電極13上に存在する部分41aの一部が第2のフォトレジスト51から露出してもよい。第2のフォトレジスト51は、例えば第1のフォトレジスト31と同様に、紫外線レジストである。第2のフォトレジスト51の厚さは、例えば1μm以上2μm以下である。
【0026】
次に、図5(a)に示されるように、第2のフォトレジスト51を熱処理し、絶縁膜12の開口12aに重なるバリア金属層41を第2のフォトレジスト51にて覆う。例えば140℃以上にて第2のフォトレジスト51を加熱(ベーキング)する。ベーク温度は、第1のフォトレジスト31のベーク温度より高いことが好ましい。バリア金属層41のソース電極13と重なる部分41aを第2のフォトレジスト51で覆うためである。これにより、第2のフォトレジスト51が流動し、バリア金属層41の部分41aが第2のフォトレジスト51によって覆われる。一方、第1のフォトレジスト31の流動は発生しない、あるいは実質的に発生しない。加えて、第1のフォトレジスト31の膨張等も発生しない、あるいは実質的に発生しない。これは、第1のフォトレジスト31は、既にベーキングされ、且つ、紫外線Uによって硬化されているからである。
【0027】
次に、図5(b)に示されるように、第2のフォトレジスト51を用いてバリア金属層41をエッチングする。バリア金属層41の第2のフォトレジスト51から露出する部分を、フッ素系ガスを用いてドライエッチングする。これにより、ソース電極13の頂面13aを覆い、絶縁膜12の開口12aから露出したソース電極13を覆うバリア導電層16を形成する。この際、バリア金属層41のソース電極13上の部分41aのうち、第2のフォトレジスト51の端から絶縁膜12の開口12aの縁までの間で、バリア金属層41の厚み程度の幅でソース電極13の表面が露出する。バリア金属層41の第1のフォトレジスト31の側壁部での厚さは100nm以下であるので、このソース電極13が露出するギャップの幅は100nm以下に抑えられる。
【0028】
次に、図5(c)に示されるように、第1のフォトレジスト31及び第2のフォトレジスト51を除去する。第1のフォトレジスト31上にバリア金属層41の一部が残存している場合、当該一部をリフトオフによって第1のフォトレジスト31と共に除去できる。以上に説明した工程を実施することによって、ソース電極13及びバリア導電層16を形成す。
【0029】
以上の工程を経て、本実施形態に係る半導体装置1が形成される。半導体装置1を形成後、当該半導体装置1を覆う層間絶縁膜の形成、当該層間絶縁膜を貫通しバリア導電層を露出するビアホールの形成、当該ビアホールに埋め込むAu配線層が形成されてもよい。
【0030】
以上に説明した本実施形態に係る半導体装置1の製造方法によれば、上記工程を実施することによって、バリア金属層41の開口12aに重なる部分41aを、流動した第2のフォトレジスト51によって覆うことができる。そして第2のフォトレジスト51から露出したバリア金属層41を除去することによって、Alを含むオーミック電極であるソース電極13の頂面13aを覆うことができるだけでなく、絶縁膜12とバリア導電層16との間のギャップを極めて小さな幅に抑えることができる。これにより、半導体装置1を製造する過程で熱処理がこの後に実施された場合であっても、あるいは、半導体装置1を覆う層間絶縁膜を形成することによって、ソース電極13に対して応力を生じたとしても、ソース電極13に含まれるAlに起因するヒロックの発生を防止できる。
【0031】
一般に、金属層で覆われたフォトレジストに対してベーキングを実施すると、フォトレジストが膨張して金属層を突き破ってしまう。しかしながら本実施形態では、第1のフォトレジスト31は、第2のフォトレジスト51に対する再度のベーキング前に、一旦ベーキングが実施され、且つ、紫外線Uによって硬化されている。このため、再度のベーキングにおいても、第1のフォトレジスト31の膨張が発生しない、あるいは実質的に発生しないこれは、再度のベーキング温度が第1のベーキング温度よりも高い場合で該当する。
【0032】
本実施形態に係る半導体装置1の製造方法は、第1のフォトレジスト31を紫外線硬化する前に、第1のフォトレジスト31を熱処理する工程を備える。この場合、第1のフォトレジスト31の角が丸められるので、図4(a)に示す、バリア金属層41を形成する際に、第1のフォトレジスト31および絶縁膜12の側面を確実に覆うことができる。側面を覆っていない状態で図5(a)に示すバリア金属層41のエッチングを行うと、ソース電極13の表面を露出するギャップの幅が拡大してしまう。
【0033】
本実施形態では、バリア金属層41は、互いに積層されるTi層とTiWN層とTiW層とを有する。この場合、バリア導電層16,17のバリア性能が良好に示される。
【0034】
本発明による半導体装置の製造方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、HEMTに本発明を適用した例について説明しているが、本発明の製造方法は、HEMT以外の様々な電界効果トランジスタに適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1…半導体装置、2…基板、11…半導体積層体、12…絶縁膜、12a,12b…開口、13…ソース電極、13a…頂面、14…ドレイン電極、15…ゲート電極、16,17…バリア導電層、21…絶縁膜、21a,21b…開口、31…第1のフォトレジスト、31a…開口パターン、41…バリア金属層、41a…部分、51…第2のフォトレジスト。
図1
図2
図3
図4
図5