(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】投影光学系及び投影装置
(51)【国際特許分類】
G02B 13/04 20060101AFI20220208BHJP
G02B 15/20 20060101ALI20220208BHJP
G02B 13/16 20060101ALI20220208BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
G02B13/04 D
G02B15/20
G02B13/16
G02B13/18
(21)【出願番号】P 2017083758
(22)【出願日】2017-04-20
【審査請求日】2020-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増井 淳雄
(72)【発明者】
【氏名】井上 和彦
(72)【発明者】
【氏名】松浦 農
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-156982(JP,A)
【文献】特表2006-523318(JP,A)
【文献】特開平06-138386(JP,A)
【文献】国際公開第2014/045596(WO,A1)
【文献】特開2015-152764(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0244701(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示面に表示される画像を拡大投影する投影光学系であって、
拡大側から順に第1光学系と第2光学系からなる単焦点レンズ又はズームレンズであり、
前記第2光学系が前記第1光学系と第2光学系との間に前記画像の中間像を形成し、
前記第1光学系が前記中間像を拡大投影し、
前記第1光学系が、拡大側から順に第1A光学系と第1B光学系からなり、かつ、前記第1A光学系と前記第1B光学系との間に光路折り曲げ用の反射光学素子を有し、
前記第1A光学系が、拡大側から順に、最も縮小側に負レンズを有する負の前群と、正レンズのみからなる後群と、からなり、
前記後群が3枚の正レンズからなり、
前記反射光学素子による光路の折り曲げが一回のみであり、
前記単焦点レンズの場合には無限遠合焦状態において以下の条件式(1)及び(2)を満足し、
前記ズームレンズの場合には最短焦点距離状態での無限遠合焦状態において以下の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴とする投影光学系;
0.18<Ta/Tw<0.4 …(1)
1<fa/|fw|<15 …(2)
ただし、
Ta:第1A光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
Tw:投影光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
fa:第1A光学系の焦点距離、
fw:投影光学系全体の焦点距離、
である。
【請求項2】
前記単焦点レンズの場合には無限遠合焦状態において以下の条件式(3)を満足し、
前記ズームレンズの場合には最短焦点距離状態での無限遠合焦状態において以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1記載の投影光学系;
0.1<Tb/Tw<0.3 …(3)
ただし、
Tb:第1B光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
Tw:投影光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
である。
【請求項3】
前記前群に有する正レンズが1枚以下であることを特徴とする請求項
1又は2記載の投影光学系。
【請求項4】
前記単焦点レンズの場合には無限遠合焦状態において以下の条件式(4)を満足し、
前記ズームレンズの場合には最短焦点距離状態での無限遠合焦状態において以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項
1~
3のいずれか1項に記載の投影光学系;
-0.4<faf/fa<-0.05 …(4)
ただし、
faf:前群の焦点距離、
fa:第1A光学系の焦点距離、
である。
【請求項5】
前記画像表示面から投影光学系への光路における光軸と、投影光学系から拡大投影側への光路における光軸と、のなす角度が60度から120度の範囲内にあることを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の投影光学系。
【請求項6】
画像表示面に表示される画像を拡大投影する投影光学系であって、
拡大側から順に第1光学系と第2光学系からなる単焦点レンズ又はズームレンズであり、
前記第2光学系が前記第1光学系と第2光学系との間に前記画像の中間像を形成し、
前記第1光学系が前記中間像を拡大投影し、
前記第1光学系が、拡大側から順に第1A光学系と第1B光学系からなり、かつ、前記第1A光学系と前記第1B光学系との間に光路折り曲げ用の反射光学素子を有し、
前記第1A光学系が、
拡大側から順に、負レンズのみからなる
前群と、正レンズのみからなる後群と
、からなり、
前記後群が3枚の正レンズからなり、
折り曲げは1回のみで角度は90度であることを特徴とする投影光学系。
【請求項7】
前記第1A光学系がフォーカス時に移動する第1合焦部を有し、前記第1B光学系又は前記第2光学系がフォーカス時に移動する第2合焦部を有することを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の投影光学系。
【請求項8】
前記第1光学系と前記第2光学系を同一の光軸上に有することを特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載の投影光学系。
【請求項9】
前記第2光学系及び投影光学系全体が縮小側に略テレセントリックであることを特徴とする請求項1~
8のいずれか1項に記載の投影光学系。
【請求項10】
前記第2光学系の一部からなるレンズ群を光軸に沿って移動させることにより変倍を行うズームレンズであることを特徴とする請求項1~
9のいずれか1項に記載の投影光学系。
【請求項11】
前記反射光学素子が平面ミラーであることを特徴とする請求項1~
10のいずれか1項に記載の投影光学系。
【請求項12】
前記反射光学素子が三角プリズムであり、前記三角プリズムの斜辺部を反射面として光路の折り曲げが行われることを特徴とする請求項1~
10のいずれか1項に記載の投影光学系。
【請求項13】
画像表示面を有する画像表示素子と、前記画像表示面に表示される画像を拡大投影する投影光学系と、を備えた投影装置であって、
前記投影光学系が、拡大側から順に第1光学系と第2光学系からなり、
前記第2光学系が前記第1光学系と第2光学系との間に前記画像の中間像を形成し、
前記第1光学系が前記中間像を拡大投影し、
前記第1光学系が、拡大側から順に第1A光学系と第1B光学系からなり、かつ、前記第1A光学系と前記第1B光学系との間に光路折り曲げ用の反射光学素子を有し、
前記第1A光学系が、拡大側から順に、最も縮小側に負レンズを有する負の前群と、正レンズのみからなる後群と、からなり、
前記後群が3枚の正レンズからなり、
前記反射光学素子による光路の折り曲げが一回のみであることを特徴とする投影装置。
【請求項14】
前記画像表示面から投影光学系への光路における光軸と、投影光学系から拡大投影側への光路における光軸と、のなす角度が60度から120度の範囲内にあることを特徴とする請求項
13記載の投影装置。
【請求項15】
画像表示面を有する画像表示素子と、前記画像表示面に表示される画像を拡大投影する投影光学系と、を備えた投影装置であって、
前記投影光学系が、拡大側から順に第1光学系と第2光学系からなり、
前記第2光学系が前記第1光学系と第2光学系との間に前記画像の中間像を形成し、
前記第1光学系が前記中間像を拡大投影し、
前記第1光学系が、拡大側から順に第1A光学系と第1B光学系からなり、かつ、前記第1A光学系と前記第1B光学系との間に光路折り曲げ用の反射光学素子を有し、
前記第1A光学系が、
拡大側から順に、負レンズのみからなる
前群と、正レンズのみからなる後群と
、からなり、
前記後群が3枚の正レンズからなり、
折り曲げは1回のみで角度は90度であることを特徴とする投影装置。
【請求項16】
前記反射光学素子が平面ミラーであることを特徴とする請求項
13~
15のいずれか1項に記載の投影装置。
【請求項17】
前記反射光学素子が三角プリズムであり、前記三角プリズムの斜辺部を反射面として光路の折り曲げが行われることを特徴とする請求項
13~
15のいずれか1項に記載の投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は投影光学系及び投影装置に関するものであり、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(digital micromirror device)やLCD(liquid crystal display)等の画像表示素子の表示画像を、100°を超える広い画角でスクリーンに拡大投影するのに適した投影光学系と、それを備えた投影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、短い投影距離で大画面投影を可能にする広画角の投影装置が求められるようになってきている。そのような広画角の投影装置を実現するためには、一度中間像を形成するリレータイプの投影光学系を採用することが有効である。しかしその場合、投影光学系の全長が伸び、それによって投影装置本体も長くなってしまうため、投影距離を短くした効果が小さくなってしまう。その対策として、投影光路の折り曲げにより投影装置本体の全長を短くした広画角の投影光学系が特許文献1,2で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2008-536175号公報
【文献】特表2006-523318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、リレータイプの投影光学系において、中間像の拡大側部分を第1光学系とし、中間像の縮小側部分を第2光学系とする。特許文献1記載の投影光学系では、第1光学系内で光路を折り曲げ、さらに第1光学系と第2光学系との間でも光路を折り曲げている。したがって、光路折り曲げ用の光学素子を多く用いることになるため、コストアップを招いてしまう。特許文献2記載の投影光学系では、第1光学系内では光路を折り曲げずに、中間像の位置で光路を折り曲げている。このため、投影光学系を投影方向に短くするには中間像をスクリーンに投影する第1光学系を短くすることが必要になり、投影の広画角化と投影像の高画質化との両立が難しくなる。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、短い投影距離で良好な画質の大画面投影が可能であるとともに、低コストで投影装置本体の投影方向長さを短くすることが可能な投影光学系と、それを備えた投影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明の投影光学系は、画像表示面に表示される画像を拡大投影する投影光学系であって、
拡大側から順に第1光学系と第2光学系からなる単焦点レンズ又はズームレンズであり、
前記第2光学系が前記第1光学系と第2光学系との間に前記画像の中間像を形成し、
前記第1光学系が前記中間像を拡大投影し、
前記第1光学系が、拡大側から順に第1A光学系と第1B光学系からなり、かつ、前記第1A光学系と前記第1B光学系との間に光路折り曲げ用の反射光学素子を有し、
前記第1A光学系が、拡大側から順に、最も縮小側に負レンズを有する負の前群と、正レンズのみからなる後群と、からなり、
前記後群が3枚の正レンズからなり、
前記反射光学素子による光路の折り曲げが一回のみであり、
前記単焦点レンズの場合には無限遠合焦状態において以下の条件式(1)及び(2)を満足し、
前記ズームレンズの場合には最短焦点距離状態での無限遠合焦状態において以下の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴とする。
0.18<Ta/Tw<0.4 …(1)
1<fa/|fw|<15 …(2)
ただし、
Ta:第1A光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
Tw:投影光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
fa:第1A光学系の焦点距離、
fw:投影光学系全体の焦点距離、
である。
【0007】
第2の発明の投影光学系は、上記第1の発明において、前記単焦点レンズの場合には無限遠合焦状態において以下の条件式(3)を満足し、
前記ズームレンズの場合には最短焦点距離状態での無限遠合焦状態において以下の条件式(3)を満足することを特徴とする。
0.1<Tb/Tw<0.3 …(3)
ただし、
Tb:第1B光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
Tw:投影光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
である。
【0009】
第3の発明の投影光学系は、上記第1又は第2の発明において、前記前群に有する正レンズが1枚以下であることを特徴とする。
【0011】
第4の発明の投影光学系は、上記第1~第3のいずれか1つの発明において、前記単焦点レンズの場合には無限遠合焦状態において以下の条件式(4)を満足し、
前記ズームレンズの場合には最短焦点距離状態での無限遠合焦状態において以下の条件式(4)を満足することを特徴とする。
-0.4<faf/fa<-0.05 …(4)
ただし、
faf:前群の焦点距離、
fa:第1A光学系の焦点距離、
である。
【0012】
第5の発明の投影光学系は、上記第1~第4のいずれか1つの発明において、前記画像表示面から投影光学系への光路における光軸と、投影光学系から拡大投影側への光路における光軸と、のなす角度が60度から120度の範囲内にあることを特徴とする。
【0013】
第6の発明の投影光学系は、画像表示面に表示される画像を拡大投影する投影光学系であって、
拡大側から順に第1光学系と第2光学系からなる単焦点レンズ又はズームレンズであり、
前記第2光学系が前記第1光学系と第2光学系との間に前記画像の中間像を形成し、
前記第1光学系が前記中間像を拡大投影し、
前記第1光学系が、拡大側から順に第1A光学系と第1B光学系からなり、かつ、前記第1A光学系と前記第1B光学系との間に光路折り曲げ用の反射光学素子を有し、
前記第1A光学系が、拡大側から順に、負レンズのみからなる前群と、正レンズのみからなる後群と、からなり、
前記後群が3枚の正レンズからなり、
折り曲げは1回のみで角度は90度であることを特徴とする。
【0014】
第7の発明の投影光学系は、上記第1~第6のいずれか1つの発明において、前記第1A光学系がフォーカス時に移動する第1合焦部を有し、前記第1B光学系又は前記第2光学系がフォーカス時に移動する第2合焦部を有することを特徴とする。
【0015】
第8の発明の投影光学系は、上記第1~第7のいずれか1つの発明において、前記第1光学系と前記第2光学系を同一の光軸上に有することを特徴とする。
【0016】
第9の発明の投影光学系は、上記第1~第8のいずれか1つの発明において、前記第2光学系及び投影光学系全体が縮小側に略テレセントリックであることを特徴とする。
【0017】
第10の発明の投影光学系は、上記第1~第9のいずれか1つの発明において、前記第2光学系の一部からなるレンズ群を光軸に沿って移動させることにより変倍を行うズームレンズであることを特徴とする。
【0018】
第11の発明の投影光学系は、上記第1~第10のいずれか1つの発明において、前記反射光学素子が平面ミラーであることを特徴とする。
【0019】
第12の発明の投影光学系は、上記第1~第10のいずれか1つの発明において、前記反射光学素子が三角プリズムであり、前記三角プリズムの斜辺部を反射面として光路の折り曲げが行われることを特徴とする。
【0020】
第13の発明の投影装置は、画像表示面を有する画像表示素子と、前記画像表示面に表示される画像を拡大投影する投影光学系と、を備えた投影装置であって、
前記投影光学系が、拡大側から順に第1光学系と第2光学系からなり、
前記第2光学系が前記第1光学系と第2光学系との間に前記画像の中間像を形成し、
前記第1光学系が前記中間像を拡大投影し、
前記第1光学系が、拡大側から順に第1A光学系と第1B光学系からなり、かつ、前記第1A光学系と前記第1B光学系との間に光路折り曲げ用の反射光学素子を有し、
前記第1A光学系が、拡大側から順に、最も縮小側に負レンズを有する負の前群と、正レンズのみからなる後群と、からなり、
前記後群が3枚の正レンズからなり、
前記反射光学素子による光路の折り曲げが一回のみであることを特徴とする。
【0021】
第14の発明の投影装置は、上記第13の発明において、前記画像表示面から投影光学系への光路における光軸と、投影光学系から拡大投影側への光路における光軸と、のなす角度が60度から120度の範囲内にあることを特徴とする。
【0022】
第15の発明の投影装置は、画像表示面を有する画像表示素子と、前記画像表示面に表示される画像を拡大投影する投影光学系と、を備えた投影装置であって、
前記投影光学系が、拡大側から順に第1光学系と第2光学系からなり、
前記第2光学系が前記第1光学系と第2光学系との間に前記画像の中間像を形成し、
前記第1光学系が前記中間像を拡大投影し、
前記第1光学系が、拡大側から順に第1A光学系と第1B光学系からなり、かつ、前記第1A光学系と前記第1B光学系との間に光路折り曲げ用の反射光学素子を有し、
前記第1A光学系が、拡大側から順に、負レンズのみからなる前群と、正レンズのみからなる後群と、からなり、
前記後群が3枚の正レンズからなり、
折り曲げは1回のみで角度は90度であることを特徴とする。
【0023】
第16の発明の投影装置は、上記第13~第15のいずれか1つの発明において、前記反射光学素子が平面ミラーであることを特徴とする。
【0024】
第17の発明の投影装置は、上記第13~第15のいずれか1つの発明において、前記反射光学素子が三角プリズムであり、前記三角プリズムの斜辺部を反射面として光路の折り曲げが行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、中間像の拡大側に位置する第1光学系の内部に光路折り曲げ用の反射光学素子を有する構成になっているため、光路折り曲げ用の光学素子を多く用いることなく、投影光学系の投影方向長さの短縮と投影の広画角化と投影像の高画質化を全て実現できる。したがって、短い投影距離で良好な画質の大画面投影が可能であるとともに、低コストで投影装置本体の投影方向長さを短くすることが可能な投影光学系と、それを備えた投影装置を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図5】第1の実施の形態(実施例1)の光学構成図。
【
図6】第2の実施の形態(実施例2)の光学構成図。
【
図7】第3の実施の形態(実施例3)の光学構成図。
【
図8】第4の実施の形態(実施例4)の光学構成図。
【
図13】投影装置の投影距離と投影方向のサイズを説明するための模式図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態に係る投影光学系,投影装置等を説明する。本発明の実施の形態に係る投影光学系は、画像表示面に表示される画像を拡大投影する投影光学系であって、拡大側から順に第1光学系と第2光学系からなる単焦点レンズ又はズームレンズであり、前記第2光学系が前記第1光学系と第2光学系との間に前記画像の中間像を形成し、前記第1光学系が前記中間像を拡大投影し、前記第1光学系が、拡大側から順に第1A光学系と第1B光学系からなり、かつ、前記第1A光学系と前記第1B光学系との間に光路折り曲げ用の反射光学素子を有するものである。
【0028】
また、本発明の実施の形態に係る投影装置は、画像表示面を有する画像表示素子と、前記画像表示面に表示される画像を拡大投影する投影光学系と、を備えた投影装置であって、前記投影光学系が、拡大側から順に第1光学系と第2光学系からなり、前記第2光学系が前記第1光学系と第2光学系との間に前記画像の中間像を形成し、前記第1光学系が前記中間像を拡大投影し、前記第1光学系が、拡大側から順に第1A光学系と第1B光学系からなり、かつ、前記第1A光学系と前記第1B光学系との間に光路折り曲げ用の反射光学素子を有するものである。
【0029】
なお、「拡大側」は拡大された光学像が投影されるスクリーン面(拡大側像面)の方向(いわゆる前側)であり、その逆方向は「縮小側」、つまり元の光学像を画像表示面(縮小側像面)に表示する画像表示素子(例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス)が配置される方向(いわゆる後側)である。
【0030】
ここで、光路の折り曲げによる効果を説明する。
図13に、3つのタイプの投影装置PU,PS,PJを模式的に示す。光路をUターンさせるタイプの投影装置PUにおいて、投影距離はS2であり、装置本体の投影方向の長さはL2であり、投影範囲の上端の高さはH2である。光路の折り曲げの無いストレートタイプの投影装置PSにおいて、投影距離はS1であり、装置本体の投影方向の長さはL3であり、投影範囲の上端の高さはH1である。光路を横方向(スクリーン面SCに対して平行方向)に折り曲げるタイプの投影装置PJにおいて、投影距離はS1であり、装置本体の投影方向の長さはL1であり、投影範囲の上端の高さはH1である。各サイズの大小関係は、S1<S2,L1<L2<L3,H1<H2である。
【0031】
光路をUターンさせるタイプの投影装置PUでは、光路が装置本体と干渉してしまうのを避けるため、高さH2まで投影位置を上方にシフトさせている。そのため、天井が低い場合には対応できず、大画面投影は困難になる。光路の折り曲げの無いストレートタイプの投影装置PSでは、投影距離S1が短くても投影光学系自体が長くなるため、装置本体のサイズL3は投影方向に長くなってしまう。光路を横方向に折り曲げるタイプの投影装置PJでは、中間像IM1よりも拡大側に位置する第1光学系内で光路を折り曲げているため、装置本体のサイズL1が投影方向に短くなっている。
【0032】
中間像を形成するリレータイプの投影光学系では、大画面投影が可能な広画角化を達成しやすくなるが、投影光学系の全長は長くなりやすい。そのような投影光学系を投影装置に使用した場合でも、拡大側に近い第1光学系内で光路を折り曲げることにより、投影光学系の投影方向の全長を短くすることができる。したがって、
図13に示す投影装置PJのように、従来の投影装置PU,PSよりも狭いスペースでの大画面投影が可能となる。
【0033】
また、実施の形態に係る投影光学系は、前記単焦点レンズの場合には無限遠合焦状態において以下の条件式(1)及び(2)を満足し、前記ズームレンズの場合には最短焦点距離状態での無限遠合焦状態において以下の条件式(1)及び(2)を満足する構成になっている。
0.18<Ta/Tw<0.4 …(1)
1<fa/|fw|<15 …(2)
ただし、
Ta:第1A光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
Tw:投影光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
fa:第1A光学系の焦点距離、
fw:投影光学系全体の焦点距離、
である。
【0034】
条件式(1)は、第1A光学系の全長Taを投影光学系の全長Twに対する比で規定している。条件式(1)の上限を上回ると、第1A光学系が長くなって、投影光学系の投影方向の長さが長くなる。条件式(1)の下限を下回ると、第1A光学系が短くなりすぎて、反射光学素子が大きくなるためコストアップを招いてしまう。また、条件式(1)の下限を下回った場合でも反射光学素子を小さくするために第1A光学系の焦点距離を短くすると、特に歪曲が発生しやすくなって投影画質が悪化することになる。したがって、条件式(1)を満たすことにより、反射光学素子のサイズを抑えながら投影光学系の投影方向長さを短くするとともに、投影像の画質を良くすることが可能になる。
【0035】
条件式(2)は、第1A光学系の焦点距離faを投影光学系の焦点距離|fw|に対する比で規定している。条件式(2)の上限を上回ると、第1A光学系の焦点距離が長くなりすぎて、広画角投影を行おうとすると反射光学素子が大きくなるためコストアップを招いてしまう。条件式(2)の下限を下回ると、第1A光学系の焦点距離が短くなりすぎて、特に歪曲が発生して投影画質が悪化することになる。したがって、条件式(2)を満たすことにより、反射光学素子のサイズを抑えながら投影光学系の投影方向長さを短くするとともに、投影像の画質を良くすることが可能になる。
【0036】
上述した特徴的構成を有する投影光学系又は投影装置では、中間像の拡大側に位置する第1光学系の内部に光路折り曲げ用の反射光学素子を有する構成になっているため、光路折り曲げ用の光学素子を多く用いることなく、投影光学系の投影方向長さの短縮と投影の広画角化と投影像の高画質化を全て実現できる。したがって、短い投影距離で良好な画質の大画面投影が可能であるとともに、低コストで投影装置本体の投影方向長さを短くすることが可能な投影光学系と、それを備えた投影装置を実現することができる。そして、投影光学系が前記条件式(1)及び(2)を満足する構成を有することにより、その効果は更に大きくなる。こういった効果をバランス良く得るとともに、更に高い光学性能,小型化等を達成するための条件等を以下に説明する。
【0037】
以下の条件式(1a)を満足することが望ましい。
0.2<Ta/Tw<0.3 …(1a)
この条件式(1a)は、前記条件式(1)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(1a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
【0038】
以下の条件式(2a)を満足することが望ましい。
2<fa/|fw|<12 …(2a)
この条件式(2a)は、前記条件式(2)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(2a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
【0039】
投影光学系が前記単焦点レンズの場合には無限遠合焦状態において以下の条件式(3)を満足し、投影光学系が前記ズームレンズの場合には最短焦点距離状態での無限遠合焦状態において以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
0.1<Tb/Tw<0.3 …(3)
ただし、
Tb:第1B光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
Tw:投影光学系において最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離、
である。
【0040】
条件式(3)は、第1B光学系の全長Tbを投影光学系の全長Twに対する比で規定している。条件式(3)の下限を下回ると、第1B光学系が短すぎて、第1B光学系で軸外収差、特に像面湾曲を補正することが難しくなる。そのため、広い画角で良好な光学性能を得るには第1A光学系を大きくすることが必要になり、投影光学系全体の大型化を招くおそれがある。条件式(3)の上限を上回るということは、第1B光学系が長くなることを意味する。それに対応するには、第1A光学系のバックフォーカスを長く取る必要があるが、その場合、後述のように第1A光学系の後群の屈折力を大きく取る必要がある。結果として、反射光学素子付近の軸外光線通過高さが高くなり、反射光学素子を大きくすることが必要になるため、コストアップを招くおそれがある。したがって、この条件式(3)の範囲内が望ましく、条件式(3)を満たすことにより、反射光学素子のサイズを抑えながら投影光学系の小型化と高性能化とをバランス良く達成することが可能になる。
【0041】
以下の条件式(3a)を満足することが望ましい。
0.15<Tb/Tw<0.25 …(3a)
この条件式(3a)は、前記条件式(3)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(3a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
【0042】
前記第1A光学系が、拡大側から順に、最も縮小側に負レンズを有する負の前群と、正レンズのみからなる後群と、からなることが望ましい。つまり、拡大側の負レンズと縮小側の正レンズとで挟まれた間隔で第1A光学系を2つの群に分割して、拡大側を負の前群とし、縮小側を正レンズのみからなる後群とするのが望ましい。この構成によると、第1A光学系がレトロフォーカスタイプの屈折力配置になるため、第1A光学系のバックフォーカスを長く取ることができる。したがって、第1A光学系の縮小側に反射光学素子を挿入するスペースを容易に確保することができる。
【0043】
前記前群に有する正レンズが1枚以下であることが望ましい。この構成によると、広画角を実現するために第1A光学系において大きくなりがちな前群を小さくすることが可能となる。したがって、投影装置本体の投影方向長さをより効果的に短くすることができる。
【0044】
前記後群が3枚の正レンズからなることが望ましい。この構成によると、第1A光学系において後群の正の屈折力を最小限のレンズ枚数で大きくすることができるため、第1A光学系の全長を長くすることなく反射光学素子を挿入するスペースを更に確保しやすくすることができる。
【0045】
投影光学系が前記単焦点レンズの場合には無限遠合焦状態において以下の条件式(4)を満足し、投影光学系が前記ズームレンズの場合には最短焦点距離状態での無限遠合焦状態において以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
-0.4<faf/fa<-0.05 …(4)
ただし、
faf:前群の焦点距離、
fa:第1A光学系の焦点距離、
である。
【0046】
条件式(4)は、第1A光学系に対する前群の屈折力比を規定している。条件式(4)の下限を下回った場合、第1A光学系における前群の屈折力が小さくなりすぎて、第1A光学系において前群が大型化する傾向となる。加えて、第1A光学系のバックフォーカスが短くなるため、反射光学素子を挿入するスペースを確保するには第1B光学系を短くすることが必要になり、軸外収差、特に像面湾曲を小さくすることが難しくなる。また、条件式(4)の上限を上回った場合、第1A光学系における前群の屈折力が大きくなりすぎて、前群で特に歪曲収差が大きくなり、投影画質の悪化を招くおそれがある。したがって、この条件式(4)の範囲内が望ましく、条件式(4)を満たすことにより、反射光学素子のサイズを抑えながら投影光学系の小型化と高性能化とをバランス良く達成することが可能になる。
【0047】
前記第1A光学系がフォーカス時に移動する第1合焦部を有し、前記第1B光学系又は前記第2光学系がフォーカス時に移動する第2合焦部を有することが望ましい。第1A光学系内で合焦を行った場合、軸上光線と軸外光線とが離れているために製造誤差等の原因により合焦位置に誤差が生じると像面湾曲等の収差劣化が発生しやすい。その場合は第1合焦部での補正は行わず、軸上光線と軸外光線とが近い位置を通る第1B光学系又は第2光学系の内部に第2合焦部を設け、製造誤差等によるフォーカスズレを第2合焦部で補正すれば、軸外収差の劣化を防ぎ、良好な投影画質を維持することができる。しかし、第1合焦部を使用せずに第2合焦部のみでフォーカスを行った場合、一般にフォーカスによる収差劣化の少ない箇所ではフォーカスによる移動量も大きくなる傾向があるため、投影光学系全体が大型化しやすくなる。そのため、フォーカスは主に第1合焦部の移動によって行うとともに、第2合焦部でのフォーカスは微調整にとどめるようにすれば、良好な投影画質を維持しながら投影光学系の大型化を効果的に防ぐことができる。
【0048】
前記第1光学系と前記第2光学系を同一の光軸上に有することが望ましい。この構成によると、投影光学系よりも上側に投影した場合も下側に投影した場合も安定した画質を得ることが可能となり、投影光学系の設置場所の選択肢を増やすことができる。
【0049】
前記第2光学系及び投影光学系全体が縮小側に略テレセントリックであることが望ましい。この構成によると、照明光取り込み時の効率を上げることができ、画質の劣化を防ぐことができる。
【0050】
投影光学系は、前記第2光学系の一部からなるレンズ群を光軸に沿って移動させることにより変倍を行うズームレンズであることが望ましい。この構成によると、状況に応じて画面サイズを調整することが可能となり、設置の自由度を更に上げることができる。また、第2光学系のみで変倍を行うことにより、折り曲げのための間隔を容易に維持できるようになるため、投影装置の投影方向長さを常に小さくしたままにしておくことが可能となる。
【0051】
前記画像表示面から投影光学系への光路における光軸と、投影光学系から拡大投影側への光路における光軸と、のなす角度が60度から120度の範囲内にあることが望ましい。下限の60度を下回ると、投影装置本体側に光路を折り返して投影するタイプ(
図13の投影装置PU)となる。この場合、光路が装置本体と干渉してしまうのを避けて投影する必要があるため、高い位置に投影することしかできず、天井の低い部屋での大画面投影が難しくなる。上限の120度を上回ると、光路の折り曲げを行わないタイプ(
図13の投影装置PS)に近くなり、光路の折り曲げによる投影方向長さを小さくできず、狭いスペースでの大画面投影が難しくなる。したがって、上記角度範囲の条件を満たせば、よりコンパクトな投影構成で大画面投影を行うことが可能になる。このような観点から、前記画像表示面から投影光学系への光路における光軸と、投影光学系から拡大投影側への光路における光軸と、のなす角度が80度から100度の範囲内にあることが更に望ましい。
【0052】
前記反射光学素子による光路の折り曲げが一回のみであることが望ましい。この構成によると、光路折り曲げのためのスペースが1箇所で済み、投影レンズの大型化を防ぐことができる。
【0053】
前記反射光学素子が平面ミラーであることが望ましい。この構成によると、光路折り曲げ用の反射光学素子によるコストアップを最小限にすることができる。
【0054】
前記反射光学素子が三角プリズムであり、前記三角プリズムの斜辺部を反射面として光路の折り曲げが行われることが望ましい。この構成によると、折り曲げのためのスペースをガラスで埋めることができ、小さい空気間隔しかとれなくても光路を折り曲げることができ、レンズの大型化を防ぐことができる。
【0055】
次に、第1~第4の実施の形態を挙げて、投影光学系LNの具体的な光学構成を説明する。
図1,
図2,
図4は、第1,第2,第4の実施の形態を構成する投影光学系LNにそれぞれ対応する光路図であり、
図5,
図6,
図8は、第1,第2,第4の実施の形態を構成する投影光学系LNにそれぞれ対応する光学構成図(展開図)である。これらの光路図及び光学構成図は、単焦点レンズである投影光学系LNのレンズ断面形状,レンズ配置等を光学断面で示している。
図3は、第3の実施の形態を構成する投影光学系LNに対応する光路図であり、
図7は、第3の実施の形態を構成する投影光学系LNに対応する光学構成図(展開図)である。これらの光路図及び光学構成図は、ズームレンズである投影光学系LNのレンズ断面形状,レンズ配置等を、広角端(W)と望遠端(T)のそれぞれについて光学断面で示している。なお、投影光学系LNの縮小側には、プリズムPR(例えば、TIR(Total Internal Reflection)プリズム,色分解合成プリズム等)、及び画像表示素子のカバーガラスCGが位置している。
【0056】
第1~第4の実施の形態の投影光学系LNは、
図1~
図4に示すように、拡大側から順に、第1光学系LN1(第1面から中間像面IM1の前まで)と、第2光学系LN2(中間像面IM1の後から最終レンズ面まで)とからなり、画像表示素子の画像表示面IM2に表示される画像(縮小側像面)の中間像IM1を第2光学系LN2が形成し、その中間像IM1を第1光学系LN1が拡大投影する縮小側に略テレセントリックな構成になっている。また投影光学系LNは、第1光学系LN1と第2光学系LN2を同一の光軸AX1,AX2上に有しており、画像表示面IM2から投影光学系LNへの光路における光軸AX2と、投影光学系LN1から拡大投影側への光路における光軸AX1と、のなす角度が90度になっている。なお、開口絞りSTは第2光学系LN2の中央付近(例えば第3の実施の形態では、第2cレンズ群Gr2cにおける最も拡大側)に位置している。
【0057】
第1光学系LN1は、拡大側から順に第1A光学系LAと第1B光学系LBからなり、かつ、第1A光学系LAと第1B光学系LBとの間に平面ミラーM1又は三角プリズムP1を光路折り曲げ用の反射光学素子として有している。また、第1A光学系LAは、拡大側から順に、最も縮小側に負レンズを有する負の前群LFと、正レンズのみからなる後群LRと、からなっており(レトロフォーカスタイプ)、
図5~
図8に示すように、フォーカス時に移動する第1合焦部F1又は第1合焦部F11及びF12を有し、第1B光学系LB又は第2光学系LN2がフォーカス時に移動する第2合焦部F2を有する構成になっている。
【0058】
第1の実施の形態(
図1,
図5)は、全体で30枚のレンズ成分で構成された単焦点レンズであり、拡大側19枚が中間像IM1の拡大投影を行う第1光学系LN1であり、縮小側11枚が中間像IM1を形成する第2光学系LN2である。第1光学系LN1のうち、拡大側8枚が第1A光学系LAであり、縮小側11枚が第1B光学系LBである。第1光学系LN1は、第1A光学系LAと第1B光学系LBとの間に、光路折り曲げ用の反射光学素子として平面ミラーM1を有している。第1の実施の形態では、平面ミラーM1で光路を90度折り曲げることにより、投影光学系LNの投影方向の長さを短くし、投影装置PJ(
図13)の設置の自由度の向上を実現している。
【0059】
第1の実施の形態(
図1,
図5)において、第1A光学系LAの縮小側5枚が第1合焦部F1であり、無限から近接へのフォーカスで矢印m1に示すように縮小側へ移動する。また、第1B光学系LBの縮小側から2枚目の単レンズが第2合焦部F2であり、製造誤差等により第1合焦部F1のフォーカス位置に誤差が生じた場合に第2合焦部F2で微調整を行う。矢印m2は、そのときの無限から近接へのフォーカスにおける拡大側への移動を示している。後述する実施例1では、第1合焦部F1の駆動により1.4mの投影距離まで近距離投影が可能であり、そのときの第1合焦部F1の移動量は0.5162mmである。
【0060】
第2,第4の実施の形態(
図2,
図6;
図4,
図8)は、全体で30枚のレンズ成分で構成された単焦点レンズであり、拡大側19枚が中間像IM1の拡大投影を行う第1光学系LN1であり、縮小側11枚が中間像IM1を形成する第2光学系LN2である。第1光学系LN1のうち、拡大側8枚が第1A光学系LAであり、縮小側11枚が第1B光学系LBである。第1光学系LN1は、第1A光学系LAと第1B光学系LBとの間に、光路折り曲げ用の反射光学素子として斜面を反射面とした三角プリズムP1を有している。第2,第4の実施の形態では、三角プリズムP1で光路を90度折り曲げることにより、投影光学系LNの投影方向の長さを短くし、投影装置PJ(
図13)の設置の自由度の向上を実現している。
【0061】
第2,第4の実施の形態(
図2,
図6;
図4,
図8)において、第1A光学系LAの縮小側5枚が第1合焦部F1であり、無限から近接へのフォーカスで矢印m1に示すように縮小側へ移動する。また、第1B光学系LBの縮小側から2枚目の単レンズが第2合焦部F2であり、製造誤差等により第1合焦部F1のフォーカス位置に誤差が生じた場合に第2合焦部F2で微調整を行う。矢印m2は、そのときの無限から近接へのフォーカスにおける拡大側への移動を示している。後述する実施例2,4では、第1合焦部F1の駆動により1.4mの投影距離まで近距離投影が可能であり、そのときの第1合焦部F1の移動量は0.5669mm(実施例2),0.4364mm(実施例4)である。
【0062】
第3の実施の形態(
図3,
図7)は、全体で31枚のレンズ成分で構成された非球面を含まない球面レンズ系であり、拡大側18枚が中間像IM1の拡大投影を行う第1光学系LN1であり、縮小側13枚が中間像IM1を形成する第2光学系LN2である。第1光学系LN1は全体として正の第1レンズ群Gr1からなり、第2光学系LN2は拡大側から順に正正正正の第2aレンズ群Gr2a,第2bレンズ群Gr2b,第2cレンズ群Gr2c及び第2dレンズ群Gr2dからなり、ズーミングにおける中間像IM1の位置を固定として第2光学系LN2のみで変倍が行われる(正正正正正の5群ズーム構成)。
【0063】
図1中の矢印m1x,m2a,m2b,m2c,m2dは、広角端(W)から望遠端(T)へのズーミングにおける第1レンズ群Gr1,第2a~第2dレンズ群Gr2a~Gr2dの移動又は固定をそれぞれ模式的に示している。つまり、第1レンズ群Gr1及び第2dレンズ群Gr2dが固定群、第2a~第2cレンズ群Gr2a~Gr2cが移動群となっており、第2a~第2cレンズ群Gr2a~Gr2cをそれぞれ光軸AXに沿って移動させることによりズーミングを行う構成になっている。その広角端(W)から望遠端(T)への変倍において、第2aレンズ群Gr2aと第2bレンズ群Gr2bと第2cレンズ群Gr2cがそれぞれ拡大側へ単調に移動する。
【0064】
第3の実施の形態(
図3,
図7)では、第1光学系LN1のうち、拡大側9枚が第1A光学系LAであり、縮小側9枚が第1B光学系LBである。第1光学系LN1は、第1A光学系LAと第1B光学系LBとの間に、光路折り曲げ用の反射光学素子として斜面を反射面とした三角プリズムP1を有している。第3の実施の形態では、三角プリズムP1で光路を90度折り曲げることにより、投影光学系LNの投影方向の長さを短くし、投影装置PJ(
図13)の設置の自由度の向上を実現している。
【0065】
第3の実施の形態(
図3,
図7)において、第1A光学系LAの縮小側4枚が第1合焦部F11,F12であり、拡大側1枚からなる第1合焦部F11と縮小側3枚からなる第1合焦部F12とが、矢印m11,m12に示すように独立して縮小側へ移動することにより、無限から近接へのフォーカシングを行う。また、第2光学系LN2の最も縮小側の単レンズが第2合焦部F2であり、製造誤差等により第1合焦部F1のフォーカス位置に誤差が生じた場合に第2合焦部F2で微調整を行う。矢印m2は、そのときの無限から近接へのフォーカスにおける拡大側への移動を示している。後述する実施例3では、第1合焦部F1の駆動により2.8mの投影距離まで近距離投影が可能であり、そのときの拡大側の第1合焦部F11の移動量は0.2275mmであり,縮小側の第1合焦部F12の移動量は0.2781mmである。
【0066】
上記のように第3の実施の形態では、投影光学系LNが移動群を画像表示面IM2に対して相対的に移動させて軸上での各群間隔を変化させることにより、広角端(W)から望遠端(T)までの変倍(すなわちズーミング)を行う構成になっている。第1レンズ群Gr1及び第2dレンズ群Gr2dのズーム位置が固定になっているので、変倍による光学系全長の変化がなく、移動部品が減少するため、変倍機構を簡素化することができる。なお、第2dレンズ群Gr2dの縮小側に位置するプリズムPR及びカバーガラスCGのズーム位置も固定である。
【0067】
中間像IM1を形成するリレータイプの投影光学系では、レンズ系が長くなりやすいので、各実施の形態のように、第1光学系LN1中に平面ミラーM1や三角プリズムP1を配置することにより投影光学系LNをL字型の屈曲光学系にすると、投影光学系LN全体のコンパクト化を効果的に達成することができる。そして、前記条件式(1)及び(2)を満たすように第1A光学系LAの全長及び焦点距離を設定すると、反射光学素子のサイズを抑えながら投影光学系LNの投影方向長さを短くするとともに、投影像IM2の画質を良くすることが可能になる。
【0068】
次に、上記投影光学系LNを備えた投影装置の一実施の形態を説明する。
図14に、投影装置PJの概略構成例を示す。この投影装置PJは、光源1,照明光学系2,反射ミラー3,プリズムPR,画像表示素子(画像形成素子)4,制御部5,アクチュエーター6,投影光学系LN等を備えている。制御部5は、投影装置PJの全体制御を司る部分である。画像表示素子4は、光を変調して画像を生成する画像変調素子(例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス)であり、画像を表示する画像表示面IM2を有しており、その画像表示面IM2上にはカバーガラスCGが設けられている。
【0069】
光源1(例えば、キセノンランプ等の白色光源,レーザー光源)から出射した光は、照明光学系2,反射ミラー3及びプリズムPRで画像表示素子4に導かれて、画像表示素子4では画像光が形成される。プリズムPRは、例えばTIRプリズム(他に色分離合成プリズム等)からなり、照明光と投影光との分離等を行う。画像表示素子4で形成された画像光は、投影光学系LNでスクリーン面SCに向けて拡大投射される。つまり、画像表示素子4に表示された画像IM2は、第2光学系LN2で中間像IM1となった後、第1光学系LN1でスクリーン面SCに拡大投影される。
【0070】
投影装置PJは、上記のように、画像を表示する画像表示素子4と、光源1と、その光源1からの光を画像表示素子4に導く照明光学系2と、画像表示素子4に表示された画像をスクリーン面SCに拡大投影する投影光学系LNと、を備えているが、投影光学系LNが適用可能な投影装置はこれに限らない。例えば、画像表示面IM2自身の発光により画像を表示する画像表示素子を用いれば、照明を不要にすることも可能であり、その場合、光源1や照明光学系2を用いずに投影装置を構成することが可能である。
【0071】
投影光学系LNにおいてズーミングやフォーカシングのために移動するレンズ群には、それぞれ光軸AXに沿って拡大側又は縮小側に移動させるアクチュエーター6が接続されている。そしてアクチュエーター6には、移動群の移動制御を行うための制御部5が接続されている。なお、制御部5及びアクチュエーター6については、これを使わず手動でレンズ群を移動させてもよい。
【実施例】
【0072】
以下、本発明を実施した投影光学系の構成等を、実施例のコンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1~4(EX1~4)は、前述した第1~第4の実施の形態にそれぞれ対応する数値実施例であり、第1~第4の実施の形態を表す光路図(
図1~
図4)及び光学構成図(
図5~
図8)は、対応する実施例1~4のレンズ断面形状,レンズ配置等をそれぞれ示している。
【0073】
各実施例のコンストラクションデータでは、面データとして、左側の欄から順に、面番号i,近軸における曲率半径r(mm),軸上面間隔d(mm),d線(波長587.56nm)に関する屈折率nd,及びd線に関するアッベ数vdを示す。なお、SCはスクリーン面、STは開口絞り、IM1は中間像面、IM2は画像表示面をそれぞれ示している。
【0074】
面番号iに*が付された面は非球面であり、その面形状は面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(AS)で定義される。非球面データとして、非球面係数等を示す。なお、各実施例の非球面データにおいて表記の無い項の係数は0であり、すべてのデータに関してe-n=×10-nである。
z=(c・h2)/[1+√{1-(1+K)・c2・h2}]+Σ(Aj・hj) …(AS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
z:高さhの位置での光軸AX方向のサグ量(面頂点基準)、
c:面頂点での曲率(曲率半径rの逆数)、
K:円錐定数、
Aj:j次の非球面係数、
である。
【0075】
実施例1,2,4の各種データとして、全系の焦点距離(Fl,mm),Fナンバー(Fno.),半画角(ω,°),像高(ymax,mm),レンズ全長(TL,mm),及びバックフォーカス(BF,mm)を示す。また、実施例3の各種データとして、ズーム比(zoom ratio,変倍比)を示し、さらに各焦点距離状態W(Wide),M(Middle),T(Tele)について、全系の焦点距離(Fl,mm),Fナンバー(Fno.),半画角(ω,°),像高(ymax,mm),レンズ全長(TL,mm),バックフォーカス(BF,mm),及び可変面間隔(di,i:面番号,mm)を示し、ズームレンズ群データとして、各レンズ群の焦点距離(mm)を示す。ただし、バックフォーカスBFは、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算長により表記しており、レンズ全長TLは、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離TwにバックフォーカスBFを加えたものである。また、像高ymaxは画像表示面IM2の対角長の半分に相当する。なお、広角端(W)でのTL-BFは軸上距離Twに相当する。
【0076】
表1に、条件式対応値,その関連データ等を各実施例について示す。条件式関連データは、投影光学系LNが単焦点レンズの場合には無限遠合焦状態におけるデータであり、投影光学系LNがズームレンズの場合には最短焦点距離状態での無限遠合焦状態におけるデータである。なお、投影光学系LNのみの投影方向長さL1に関しては最近接合焦状態におけるデータである。
【0077】
例えば、第1A光学系LAにおいて最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離(Ta,mm)、第1B光学系LBにおいて最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離(Tb,mm)、投影光学系LNにおいて最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの軸上距離(Tw,mm)、第1A光学系LAの焦点距離(fa,mm)、第1B光学系LBの焦点距離(fb,mm)、投影光学系LN全体の焦点距離(fw,mm)、前群LFの焦点距離(faf,mm)、後群LRの焦点距離(far,mm)、投影光学系LNのみの投影方向長さ(L1,最近接フォーカス時,mm)である。
【0078】
図9,
図10,
図12は、実施例1,2,4(EX1,2,4)に対応する収差図(無限遠合焦状態での縦収差図)であり、(A)は球面収差図、(B)は非点収差図、(C)は歪曲収差図である。
図11は、実施例3(EX3)に対応する収差図(無限遠合焦状態での縦収差図)であり、(A)~(C)は広角端W、(D)~(F)は中間焦点距離状態M、(G)~(I)は望遠端Tにおける諸収差をそれぞれ示している。また、
図11において、(A),(D),(G)は球面収差図、(B),(E),(H)は非点収差図、(C),(F),(I)は歪曲収差図である。
【0079】
球面収差図は、実線で示すd線(波長587.56nm)に対する球面収差量、一点鎖線で示すC線(波長656.28nm)に対する球面収差量、破線で示すg線(波長435.84nm)に対する球面収差量を、それぞれ近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(単位:mm)で表しており、縦軸は瞳への入射高さをその最大高さで規格化した値(すなわち相対瞳高さ)を表している。非点収差図において、破線Tはd線に対するタンジェンシャル像面、実線Sはd線に対するサジタル像面を、近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(単位:mm)で表しており、縦軸は像高(IMG HT,単位:mm)を表している。歪曲収差図において、横軸はd線に対する歪曲(単位:%)を表しており、縦軸は像高(IMG HT,単位:mm)を表している。
【0080】
なお、各実施例を投影光学系LNとして投影装置(例えば液晶投影装置)PJに用いる場合(
図14)、本来はスクリーン面(被投影面)SCが像面であり画像表示面IM2(例えば液晶パネル面)が物体面であるが、各実施例では光学設計上それぞれ縮小系とし、スクリーン面SCを物体面(object)とみなして像面(image)に相当する画像表示面(縮小側像面)IM2で光学性能を評価している。そして、得られた光学性能から分かるように、各実施例の投影光学系LNは投影装置用の投影レンズとしてだけでなく、撮像装置(例えばビデオカメラ,デジタルカメラ)用の撮像レンズとしても好適に使用可能である。
【0081】
実施例1
単位:mm
面データ
i r d nd vd
object(SC) infinity infinity
1 110.211 7.900 1.70154 41.15
2 61.662 14.014
3 91.619 5.700 1.83400 37.34
4 43.595 13.724
5* 178.863 9.000 1.83404 37.30
6 36.274 17.627
7 1408.262 2.900 1.83400 37.34
8 47.851 19.837
9 -32.235 3.088 1.84666 23.78
10 -152.555 9.253
11 -62.063 9.318 1.91082 35.25
12 -48.672 0.954
13 -277.852 14.450 1.90366 31.31
14 -66.419 0.386
15 143.440 8.354 1.83400 37.34
16 4952.704 88.748
17 216.730 1.800 1.60342 38.01
18 38.511 3.315
19 50.863 8.215 1.43700 95.10
20 -71.433 0.300
21 52.185 7.106 1.43700 95.10
22 -254.535 6.549
23 83.868 2.229 1.80610 33.27
24 32.475 5.924
25 51.515 13.472 1.43700 95.10
26 -34.405 0.821
27 -44.313 2.400 1.80610 33.27
28 -126.151 0.457
29 51.144 13.192 1.43700 95.10
30 -41.124 1.018
31 -47.580 2.463 1.62004 36.30
32 32.480 10.724
33 208.808 8.688 1.80860 40.42
34* -43.010 3.000
35 101.251 6.240 1.85478 24.80
36 -463.622 3.000
37 55.234 5.912 1.80518 25.46
38 138.546 7.721
39(IM1) infinity 21.016
40 -33.329 4.636 1.51680 64.20
41 -25.612 2.512
42 -24.532 2.000 1.80610 33.27
43 204.292 8.796
44 -42.719 7.130 1.91082 35.25
45 -28.775 11.631
46 -4887.657 10.348 1.58913 61.25
47 -43.443 53.755
48(ST) infinity 13.131
49 -3424.192 5.460 1.43700 95.10
50 -44.090 10.337
51 -30.823 1.800 1.80610 33.27
52 89.752 1.492
53 53.171 9.361 1.43700 95.10
54 -37.488 0.300
55 106.711 6.776 1.59282 68.62
56 -64.780 11.881
57 -28.070 2.200 1.80610 40.73
58 211.052 3.078
59 1371.941 13.642 1.55032 75.50
60 -34.666 1.216
61 -3409.579 8.075 1.80518 25.46
62 -71.309 16.128
63 infinity 85.000 1.51680 64.20
64 infinity 4.000
65 infinity 3.000 1.48749 70.44
66 infinity 1.500
image(IM2) infinity
【0082】
非球面データ
i K A4 A6 A8
5 5.9118e+000 3.0980e-006 -1.0995e-009 4.9448e-013
i A10 A12 A14 A16
5 -1.7938e-017 0.0000e+000 0.0000e+000 0.0000e+000
【0083】
非球面データ
i K A4 A6 A8
34 0.0000e+000 1.8692e-005 -2.9757e-008 4.1597e-011
i A10 A12 A14 A16
34 -4.1096e-014 1.7008e-017 0.0000e+000 0.0000e+000
【0084】
各種データ
Fl -7.967
Fno. 2.494
ω 66.360
ymax 18.200
TL 630.062
BF 79.690
【0085】
実施例2
単位:mm
面データ
i r d nd vd
object(SC) infinity infinity
1 127.246 7.900 1.70154 41.15
2 58.561 11.368
3 76.058 5.700 1.83400 37.34
4 37.299 13.571
5* 111.747 9.000 1.83404 37.30
6 32.610 17.943
7 337.299 2.900 1.83400 37.34
8 49.585 16.900
9 -31.194 3.000 1.84666 23.78
10 -172.867 9.900
11 -69.138 9.702 1.91082 35.25
12 -49.543 1.558
13 -293.390 14.071 1.90366 31.31
14 -65.725 0.300
15 91.438 8.758 1.83400 37.34
16 273.355 40.470
17 infinity 50.000 1.51680 64.20
18 infinity 2.804
19 -136.156 1.800 1.60342 38.01
20 38.009 2.465
21 51.865 9.041 1.43700 95.10
22 -55.273 0.300
23 43.509 9.987 1.43700 95.10
24 -112.447 1.315
25 88.298 2.200 1.80610 33.27
26 32.146 6.853
27 55.875 15.616 1.43700 95.10
28 -31.575 0.329
29 -35.898 2.300 1.80610 33.27
30 -70.078 0.300
31 42.131 13.558 1.43700 95.10
32 -69.422 1.448
33 -147.625 2.400 1.62004 36.30
34 28.974 11.077
35 -110.325 4.931 1.80860 40.42
36* -41.146 3.000
37 82.753 6.520 1.85478 24.80
38 -1029.192 3.000
39 45.402 7.079 1.80518 25.46
40 123.932 8.023
41(IM1) infinity 21.319
42 -33.915 5.835 1.51680 64.20
43 -26.220 1.810
44 -25.677 1.900 1.80610 33.27
45 352.708 8.385
46 -39.914 8.492 1.91082 35.25
47 -29.045 14.298
48 854.653 10.443 1.58913 61.25
49 -48.613 59.995
50(ST) infinity 13.100
51 356.232 5.631 1.43700 95.10
52 -44.256 2.058
53 -41.295 1.700 1.80610 33.27
54 64.873 0.726
55 40.765 8.585 1.43700 95.10
56 -44.784 4.602
57 76.791 5.395 1.59282 68.62
58 -228.176 10.304
59 -27.272 2.239 1.80610 40.73
60 341.173 2.892
61 -702.129 12.707 1.55032 75.50
62 -33.767 0.300
63 363.481 8.397 1.80518 25.46
64 -78.776 16.000
65 infinity 85.000 1.51680 64.20
66 infinity 4.000
67 infinity 3.000 1.48749 70.44
68 infinity 1.500
image(IM2) infinity
【0086】
非球面データ
i K A4 A6 A8
5 8.1195e+000 3.2138e-006 -1.1472e-009 5.9904e-013
i A10 A12 A14 A16
5 3.5475e-017 0.0000e+000 0.0000e+000 0.0000e+000
【0087】
非球面データ
i K A4 A6 A8
36 0.0000e+000 1.4756e-005 -1.8601e-008 2.8475e-011
i A10 A12 A14 A16
36 -3.3065e-014 1.7008e-017 0.0000e+000 0.0000e+000
【0088】
各種データ
Fl -7.967
Fno. 2.500
ω 66.359
ymax 18.200
TL 630.056
BF 79.556
【0089】
実施例3
単位:mm
面データ
i r d nd vd
object(SC) infinity infinity
1 103.168 7.900 1.69680 55.46
2 70.921 11.157
3 85.761 6.600 1.80518 25.46
4 60.220 14.259
5 85.647 16.232 1.83400 37.34
6 292.247 2.192
7 51.982 3.900 1.90366 31.31
8 28.000 10.025
9 60.655 2.900 1.84666 23.78
10 25.616 16.427
11 -32.708 1.900 1.91082 35.25
12 243.416 13.954
13 -77.913 5.785 1.72916 54.67
14 -46.983 0.300
15 3061.669 10.903 1.43700 95.10
16 -41.355 11.379
17 79.183 6.988 1.78472 25.72
18 -217.019 8.411
19 infinity 40.000 1.51680 64.20
20 infinity 5.588
21 -36.083 2.000 1.90366 31.31
22 96.444 3.837
23 115.687 9.233 1.43700 95.10
24 -31.913 0.300
25 49.975 9.487 1.43700 95.10
26 -89.701 1.738
27 190.681 2.778 1.90366 31.31
28 41.106 2.094
29 38.798 11.968 1.43700 95.10
30 -80.011 0.300
31 69.463 7.994 1.49700 81.61
32 -131.816 6.386
33 -38.983 2.700 1.60342 38.01
34 50.024 13.890
35 125.932 10.450 1.80518 25.46
36 -102.854 30.797
37 60.912 7.290 1.80809 22.76
38 94.527 8.948
39(IM1) infinity variable
40 -166.927 7.706 1.90366 31.31
41 -67.220 28.584
42 -42.827 2.500 1.65844 50.85
43 -144.938 3.817
44 -65.266 6.607 1.69680 55.46
45 -40.277 variable
46 947.335 4.924 1.91082 35.25
47 -95.757 11.662
48 -43.641 1.900 1.80518 25.46
49 -80.170 1.478
50 -143.575 4.667 1.48749 70.44
51 -43.655 variable
52(ST) infinity 8.568
53 -38.795 1.500 1.72916 54.67
54 68.421 12.003
55 62.681 8.842 1.43700 95.10
56 -44.175 2.395
57 462.303 7.386 1.49700 81.61
58 -54.545 8.797
59 -33.648 2.200 1.69680 55.46
60 112.375 3.781
61 440.881 8.115 1.49700 81.61
62 -55.250 0.712
63 465.977 9.862 1.49700 81.61
64 -51.998 variable
65 111.804 7.483 1.49700 81.61
66 -510.777 15.376
67 infinity 85.000 1.51680 64.20
68 infinity 5.000
69 infinity 3.000 1.48749 70.44
70 infinity 1.500
image(IM2) infinity
【0090】
各種データ
zoom ratio 1.31
Wide(W) Middle(M) Tele(T)
Fl -13.898 -16.035 -18.172
Fno. 2.444 2.500 2.565
ω 50.349 46.318 42.729
ymax 16.700 16.700 16.700
TL 658.124 658.129 658.124
BF 79.953 79.958 79.953
d39 58.812 54.091 52.248
d45 27.797 15.546 2.000
d51 3.083 11.600 17.275
d64 4.000 12.455 22.169
【0091】
ズームレンズ群データ
群 (面 i) 焦点距離
Gr1 ( 1- 39) 24.536
Gr2a ( 40- 45) 176.362
Gr2b ( 46- 51) 100.417
Gr2c ( 52- 64) 132.500
Gr2d ( 65- 70) 185.299
【0092】
実施例4
単位:mm
面データ
i r d nd vd
object(SC) infinity infinity
1 89.112 7.900 1.70154 41.15
2 43.804 29.561
3 130.651 5.700 1.83400 37.34
4 39.769 8.976
5* 125.558 9.000 1.83404 37.30
6 36.363 15.989
7 279.730 2.900 1.83400 37.34
8 52.127 18.257
9 -32.080 3.100 1.84666 23.78
10 -141.499 8.808
11 -68.384 10.115 1.91082 35.25
12 -51.302 0.475
13 -246.942 16.259 1.90366 31.31
14 -68.128 4.015
15 92.259 13.086 1.83400 37.34
16 541.440 39.548
17 infinity 50.000 1.51680 64.20
18 infinity 3.733
19 -73.815 1.800 1.60342 38.01
20 41.160 2.464
21 57.269 8.836 1.43700 95.10
22 -52.700 0.300
23 42.870 10.194 1.43700 95.10
24 -108.726 0.300
25 64.778 2.200 1.80610 33.27
26 29.789 2.717
27 35.096 14.696 1.43700 95.10
28 -38.697 0.720
29 -46.455 2.300 1.80610 33.27
30 -122.121 0.300
31 42.960 11.002 1.43700 95.10
32 -60.090 1.029
33 -78.059 2.400 1.62004 36.30
34 26.796 12.039
35 -41.411 5.038 1.80860 40.42
36* -25.425 3.000
37 178.536 6.668 1.85478 24.80
38 -102.167 3.000
39 39.256 7.007 1.80518 25.46
40 91.921 8.403
41(IM1) infinity 21.199
42 -30.878 4.677 1.51680 64.20
43 -24.301 2.304
44 -22.518 1.900 1.80610 33.27
45 1605.845 6.495
46 -41.742 7.695 1.91082 35.25
47 -27.309 9.364
48 1508.773 10.612 1.58913 61.25
49 -42.530 53.300
50(ST) infinity 13.100
51 234.415 5.693 1.43700 95.10
52 -45.001 2.049
53 -42.064 1.700 1.80610 33.27
54 58.563 1.078
55 42.918 8.945 1.43700 95.10
56 -38.922 2.849
57 83.030 5.650 1.59282 68.62
58 -185.037 10.742
59 -26.025 2.200 1.80610 40.73
60 1271.718 2.931
61 -343.902 13.374 1.55032 75.50
62 -32.154 0.300
63 4109.328 8.508 1.80518 25.46
64 -72.118 16.000
65 infinity 85.000 1.51680 64.20
66 infinity 4.000
67 infinity 3.000 1.48749 70.44
68 infinity 1.500
image(IM2) infinity
【0093】
非球面データ
i K A4 A6 A8
5 1.0976e+001 4.2149e-006 -1.4362e-009 8.7441e-013
i A10 A12 A14 A16
5 8.8780e-017 0.0000e+000 0.0000e+000 0.0000e+000
【0094】
非球面データ
i K A4 A6 A8
36 0.0000e+000 1.9713e-005 -1.0138e-008 2.4708e-011
i A10 A12 A14 A16
36 -1.5376e-014 1.7008e-017 0.0000e+000 0.0000e+000
【0095】
各種データ
Fl -7.967
Fno. 2.500
ω 66.358
ymax 18.200
TL 630.056
BF 79.556
【0096】
【符号の説明】
【0097】
LN 投影光学系
LN1 第1光学系
LN2 第2光学系
LA 第1A光学系
LB 第1B光学系
LF 前群
LR 後群
F1,F11,F12 第1合焦部
F2 第2合焦部
Gr1 第1レンズ群
Gr2a 第2aレンズ群
Gr2b 第2bレンズ群
Gr2c 第2cレンズ群
Gr2d 第2dレンズ群
ST 開口絞り
IM1 中間像(中間像面)
IM2 画像表示面(縮小側像面)
M1 平面ミラー(反射光学素子)
P1 三角プリズム(反射光学素子)
PJ 投影装置
PR プリズム
SC スクリーン面(拡大側像面)
1 光源
2 照明光学系
3 反射ミラー
4 画像表示素子
5 制御部
6 アクチュエーター
AX 光軸