(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】マンコンベア
(51)【国際特許分類】
B66B 23/00 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
B66B23/00 C
(21)【出願番号】P 2017170264
(22)【出願日】2017-09-05
【審査請求日】2020-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】森 昭道
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-144337(JP,A)
【文献】実開昭62-094134(JP,U)
【文献】特開平06-255968(JP,A)
【文献】米国特許第06142286(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホールを塞ぐマンホール蓋と、
前記マンホール蓋を支持する支持装置と、
前記マンホール蓋の下方に配置され、前記マンホール蓋より軽い簡易蓋と、
前記簡易蓋を前記マンホール蓋に固定するための固定部材と、
を備え、
前記簡易蓋は、前記固定部材によって前記マンホール蓋に固定されていなければ前記支持装置に支持され、
前記簡易蓋は、伸縮することによってその幅が調節可能であり、
前記マンホール蓋が取り外されると、前記支持装置に支持された前記簡易蓋によって前記マンホールの一部のみを塞ぐこと
及び前記マンホールの全体を塞ぐことの双方が可能であるマンコンベア。
【請求項2】
前記マンホール蓋に第1ねじ孔が形成され、
前記簡易蓋に、前記第1ねじ孔の径より小さな径を有する第2ねじ孔が形成され、
前記固定部材は、ねじ部を有し、前記第1ねじ孔を貫通し、前記ねじ部が前記第2ねじ孔に噛み合う請求項1に記載のマンコンベア。
【請求項3】
前記マンホール蓋に第1ねじ孔が形成され、
前記簡易蓋に、前記第1ねじ孔の径より小さな径を有する第2ねじ孔が形成され、
前記固定部材は、前記第1ねじ孔に噛み合う第1ねじ部と前記第2ねじ孔に噛み合う第2ねじ部とを有する請求項1に記載のマンコンベア。
【請求項4】
前記マンホール蓋に貫通孔が形成され、
前記簡易蓋に、前記貫通孔の径より小さな径を有するねじ孔が形成され、
前記固定部材は、ねじ部を有し、前記貫通孔を貫通し、前記ねじ部が前記ねじ孔に噛み合う請求項1に記載のマンコンベア。
【請求項5】
前記支持装置は、
前記マンホール蓋の縁に沿うように配置されたアングルと、
前記アングルから突出する支持ボルトと、
を備え、
前記マンホール蓋は、前記支持ボルトに載せられ、
前記簡易蓋は、前記固定部材によって前記マンホール蓋に固定されていなければ前記アングルに支持される請求項1から請求項4の何れか一項に記載のマンコンベア。
【請求項6】
前記マンホール蓋が取り外されると、前記簡易蓋が前記支持装置に支持された状態で前記マンホールの内部が視認可能である請求項1から請求項5の何れか一項に記載のマンコンベア。
【請求項7】
前記簡易蓋は、
並んで配置された複数の棒状部材と、
前記棒状部材の間隔を調節するためのリンク機構と、
を備え、
前記棒状部材は、人が乗るためのステップの移動方向に沿うように配置された請求項6に記載のマンコンベア。
【請求項8】
前記簡易蓋は、前記マンホールの全体を塞ぐように広げられた状態で前記固定部材によって前記マンホール蓋に固定される請求項1から請求項7の何れか一項に記載のマンコンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マンコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、エスカレーターが記載されている。特許文献1に記載されたエスカレーターは、マンホール蓋を備える。マンホール蓋は、マンホールを塞ぐために用いられる。特許文献1に記載されたエスカレーターでは、マンホール内に、マンホール蓋を収納するための装置が設けられる。エスカレーターの保守が行われる時に、外されたマンホール蓋がマンホール内に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エスカレーターのマンホールには、制御盤等が配置される。このため、エスカレーターの保守員は、マンホールに入って保守作業を行う。
【0005】
エスカレーターの保守作業は、マンホール以外の場所でも行われる。保守員がマンホール以外の場所で保守作業を行う場合は、マンホールを塞いでおくことが好ましい。しかし、マンホール蓋は重く、マンホールの開け閉めを頻繁に行うことは保守員にとって負担が大きいという問題があった。このような問題は、動く歩道等でも同様に発生し得る。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされた。この発明の目的は、保守作業時に、保守員がマンホールを簡単に開け閉めできるマンコンベアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るマンコンベアは、マンホールを塞ぐマンホール蓋と、マンホール蓋を支持する支持装置と、マンホール蓋の下方に配置され、マンホール蓋より軽い簡易蓋と、簡易蓋をマンホール蓋に固定するための固定部材と、を備える。簡易蓋は、固定部材によってマンホール蓋に固定されていなければ支持装置に支持される。簡易蓋は、伸縮することによってその幅が調節可能である。マンホール蓋が取り外されると、支持装置に支持された簡易蓋によってマンホールの一部のみを塞ぐこと及びマンホールの全体を塞ぐことの双方が可能である。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るマンコンベアであれば、保守作業時に、保守員がマンホールを簡単に開け閉めできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1におけるマンコンベアの例を示す断面図である。
【
図4】乗降口からマンホール蓋を取り除いた状態を示す図である。
【
図5】乗降口からマンホール蓋と簡易蓋とを取り除いた状態を示す図である。
【
図8】固定ボルトが外された状態のB-B断面を示す図である。
【
図9】マンホール蓋を取り外す手順を説明するための図である。
【
図10】工具が取り付けられた状態のB-B断面を示す図である。
【
図11】マンホールの中央部分のみを簡易蓋で塞いだ状態を示す図である。
【
図12】実施の形態1におけるマンコンベアの他の例を示す図である。
【
図13】実施の形態1におけるマンコンベアの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるマンコンベアの例を示す断面図である。
図1は、マンコンベアの一例としてエスカレーターを示す。
【0012】
エスカレーターのトラス1は、上下の階床間に掛け渡される。エスカレーターの自重及び積載荷重は、トラス1によって支持される。トラス1に、マンホール2及び3が形成される。マンホール2は、トラス1の上側の端部に形成された空間である。マンホール3は、トラス1の下側の端部に形成された空間である。マンホール2及び3は、機械室とも呼ばれる。
【0013】
図1に示すエスカレーターには、マンホール2を塞ぐための部材としてマンホール蓋4及び簡易蓋5が備えられる。マンホール蓋4は、マンホール2の上方を塞ぐ。マンホール蓋4の上方の空間が上部の乗降口6である。マンホール蓋4の上面は、乗降口6の床面を形成する。利用者は、エスカレーターを利用する際にマンホール蓋4を踏む。このため、マンホール蓋4は、金属板等で形成される。利用者がマンホール2に落ちることを防止するため、マンホール2はマンホール蓋4によって完全に塞がれる。
【0014】
マンホール蓋4は、エスカレーターの保守が行われる際に保守員によって取り外される。エスカレーターの保守が行われる間、マンホール2は、必要に応じて簡易蓋5によって塞がれる。本実施の形態に示す例では、簡易蓋5によってマンホール2の全体を塞ぐことができる。また、簡易蓋5によってマンホール2の一部のみを塞ぐことができる。簡易蓋5は、マンホール蓋4より軽い。このため、保守員は、保守作業を行う際にマンホール2を簡単に開け閉めできる。
【0015】
簡易蓋5は、マンホール蓋4の下方に配置される。マンホール2がマンホール蓋4によって塞がれていれば、乗降口6から簡易蓋5を見ることはできない。
【0016】
本エスカレーターには、マンホール3を塞ぐための部材としてマンホール蓋7及び簡易蓋8が備えられる。マンホール蓋7は、マンホール3の上方を塞ぐ。マンホール蓋7の上方の空間が下部の乗降口9である。マンホール蓋7の上面は、乗降口9の床面を形成する。利用者は、エスカレーターを利用する際にマンホール蓋7を踏む。このため、マンホール蓋7は、金属板等で形成される。利用者がマンホール3に落ちることを防止するため、マンホール3はマンホール蓋7によって完全に塞がれる。
【0017】
マンホール蓋7は、エスカレーターの保守が行われる際に保守員によって取り外される。エスカレーターの保守が行われる間、マンホール3は、必要に応じて簡易蓋8によって塞がれる。本実施の形態に示す例では、簡易蓋8によってマンホール3の全体を塞ぐことができる。また、簡易蓋8によってマンホール3の一部のみを塞ぐことができる。簡易蓋8は、マンホール蓋7より軽い。このため、保守員は、保守作業を行う際にマンホール3を簡単に開け閉めできる。
【0018】
簡易蓋8は、マンホール蓋7の下方に配置される。マンホール3がマンホール蓋7によって塞がれていれば、乗降口9から簡易蓋8を見ることはできない。
【0019】
マンホール2に、例えば電動機10、減速機11、及び制御盤12が設けられる。電動機10は、ステップ13を駆動するための駆動力を発生させる。ステップ13は、人を乗せて乗降口6及び乗降口9間を移動する。電動機10の動作は、制御盤12によって制御される。
図1は、制御盤12等が上側のマンホール2に設けられる例を示す。制御盤12等は、下側のマンホール3に設けられても良い。
【0020】
図2は、下部の乗降口9を示す図である。
図2は、マンホール3がマンホール蓋7によって塞がれた状態を示す。マンホール蓋7は、マンホール蓋4と同様である。簡易蓋8は、簡易蓋5と同様である。以下においては、エスカレーターの上部の構成について詳しく説明し、下部の構成についてはその説明を省略する。
【0021】
図3は、上部の乗降口6を上方から見た図である。
図4は、乗降口6からマンホール蓋4を取り除いた状態を示す図である。
図5は、乗降口6からマンホール蓋4と簡易蓋5とを取り除いた状態を示す図である。
図4及び
図5は、乗降口6の平面図である。
図6は、
図3のA-A断面を示す図である。
図7は、
図3のB-B断面を示す図である。
【0022】
マンホール蓋4は、支持装置14によって支持される。支持装置14は、トラス1に設けられる。支持装置14をトラス1の一部とみなしても良い。支持装置14は、例えばアングル15と支持ボルト16とを備える。
図4及び
図5は、支持装置14が4本のアングル15と12本の支持ボルト16とを備える例を示す。アングル15の本数及び支持ボルト16の本数は、
図4及び
図5に示す例に限定されない。
【0023】
アングル15は、断面がL字形の棒状部材である。アングル15は、例えば、マンホール蓋4の縁に沿うように枠状に配置される。以下においては、アングル15を個別に特定する場合、
図4及び
図5に示すように、アングル15a~15dと表記する。アングル15a及びアングル15cは平行に配置される。アングル15b及びアングル15dは平行に配置される。
【0024】
支持ボルト16は、アングル15に設けられる。支持ボルト16は、アングル15から上方に突出する。マンホール蓋4は、
図6に示すように、支持ボルト16に載せられて支持される。
【0025】
簡易蓋5は、支持装置14によって支持される。本実施の形態に示す例では、簡易蓋5は、伸縮門扉と同じような構造を有する。例えば、簡易蓋5は、複数の棒状部材17を備える。棒状部材17は、平行に並んで配置される。また、簡易蓋5は、棒状部材17の間隔を調節するためのリンク機構18を備える。保守員は、棒状部材17の間隔を調節することによって簡易蓋5の幅を自由に設定できる。
【0026】
図4に示す例では、棒状部材17は、ステップ13の移動方向C(
図3参照)に沿うように配置される。例えば、棒状部材17のうち
図4において一番左に配置された棒状部材を符号17aで示す。棒状部材17aは、アングル15aの上に配置され、アングル15aに載せられる。棒状部材17aは、
図6に示すように、アングル15aの立上部19とアングル15aに設けられた支持ボルト16との間に配置される。棒状部材17のうち
図4において一番右に配置された棒状部材を符号17bで示す。棒状部材17bは、アングル15cの上に配置され、アングル15cに載せられる。棒状部材17bは、アングル15cの立上部とアングル15cに設けられた支持ボルト16との間に配置される。
【0027】
棒状部材17のうち棒状部材17a及び17b以外の部材は、一方の端部がアングル15bの上に配置され、アングル15bに載せられる。また、他方の端部が、アングル15dの上に配置され、アングル15dに載せられる。
【0028】
本エスカレーターには、簡易蓋5をマンホール蓋4に固定するための部材が備えられる。
図7は、上記固定するための部材が段付きの固定ボルト20である例を示す。エスカレーターにおいて通常運転が行われている間、簡易蓋5は、固定ボルト20によってマンホール蓋4に固定される。固定ボルト20は、例えばねじ部20a及びねじ部20bを有する。ねじ部20bは、ねじ部20aより固定ボルト20の先端側に形成される。ねじ部20aは、ねじ部20bの径より大きな径を有する。
【0029】
マンホール蓋4にねじ孔21が形成される。ねじ孔21は、保守員がマンホール蓋4を取り外す際に使用するためのねじ孔である。本実施の形態では、マンホール蓋4に2つのねじ孔21が形成される例を示す。マンホール蓋4に、ねじ孔21が1つだけ形成されても良い。マンホール蓋4に、3つ以上のねじ孔21が形成されても良い。
【0030】
簡易蓋5にねじ孔22が形成される。ねじ孔22は、棒状部材17に形成されても良いし、リンク機構18に形成されても良い。棒状部材17或いはリンク機構18に他の部材を固定し、その部材にねじ孔22を形成しても良い。ねじ孔22は、ねじ孔21の径より小さな径を有する。ねじ孔22は、ねじ孔21の直下に配置される。固定ボルト20は、マンホール蓋4の上方からねじ孔21に差し込まれる。簡易蓋5がマンホール蓋4に固定されると、ねじ部20aがねじ孔21に噛み合う。また、ねじ部20bはねじ孔22に噛み合う。
【0031】
次に、エスカレーターの保守員が保守作業を行う時の作業手順について説明する。エスカレーターの通常運転が行われている時、マンホール2はマンホール蓋4によって塞がれる。また、簡易蓋5はマンホール蓋4の下方に配置され、固定ボルト20によってマンホール蓋4に固定される。
【0032】
保守員は、先ず、固定ボルト20を簡易蓋5及びマンホール蓋4から外す。
図8は、固定ボルト20が外された状態のB-B断面を示す図である。固定ボルト20が外されると、簡易蓋5はマンホール蓋4から離れる。簡易蓋5は、固定ボルト20によってマンホール蓋4に固定されていなければ、全体が支持装置14に支持される。例えば、簡易蓋5はアングル15に支持される。保守員は、固定ボルト20を外すと、マンホール蓋4を取り外す。固定ボルト20が外されていれば、マンホール蓋4が取り外されても簡易蓋5は支持装置14に支持されたままである。即ち、マンホール2は簡易蓋5によって塞がれている。
【0033】
図9は、マンホール蓋4を取り外す手順を説明するための図である。マンホール蓋4を取り外す際に、専用の工具23が用いられる。工具23は、マンホール蓋4に形成されたねじ孔21に噛み合うねじ部23aを備える。
図9は、ねじ部23aをねじ孔21にねじ込み、工具23をマンホール蓋4に取り付けた状態を示す。
図10は、工具23が取り付けられた状態のB-B断面を示す図である。ねじ部23aの径は、簡易蓋5に形成されたねじ孔22の径より大きい。このため、工具23のねじ部23aは、ねじ孔22に進入できない。
【0034】
保守員は、工具23をマンホール蓋4に取り付けると、工具23を利用してマンホール蓋4を取り外す。上述したように、
図4は、乗降口6からマンホール蓋4を取り除いた状態を示す。簡易蓋5は、マンホール蓋4より軽量である。このため、保守員は、保守作業時に簡易蓋5によってマンホール2を簡単に開け閉めできる。保守員は、
図5に示すように簡易蓋5を完全に取り除いて保守作業を行っても良い。
【0035】
本実施の形態に示す例では、簡易蓋5に多数の開口が形成されている。このため、マンホール蓋4が取り外されると、保守員は、簡易蓋5が支持装置14に支持された状態でもマンホール2の内部を見ることができる。例えば、本実施の形態に示す例のように棒状部材17がステップ13の移動方向Cに沿うように配置されていれば、簡易蓋5が支持装置14に支持された状態でも上方からステップ13を確認することができる。
【0036】
また、本実施の形態に示す例では、簡易蓋5の幅を任意に調節できる。このため、マンホール蓋4が取り外されると、保守員は、支持装置14に支持された簡易蓋5によってマンホール2の一部のみを塞ぐことができる。
図11は、マンホール2の中央部分のみを簡易蓋5で塞いだ状態を示す図である。例えば、保守員は、電動機10の上方を開けて、電動機10の保守を行うことができる。保守員は、制御盤12の上方を開けて、保守端末24を制御盤12に接続することができる。
【0037】
保守員は、保守作業が終了すると、上記と逆の手順によってマンホール2を閉じる。例えば、保守員は、簡易蓋5によってマンホール2の全体が塞がれるように簡易蓋5を広げて配置する。これにより、簡易蓋5に形成されたねじ孔22が、予め設定された位置に配置される。
【0038】
次に、保守員は、マンホール蓋4を簡易蓋5の上方に配置し、支持装置14にマンホール蓋4を支持させる。マンホール蓋4が簡易蓋5の上に配置されると、ねじ孔21がねじ孔22の直上に配置される。保守員は、工具23をねじ孔21から外すと、固定ボルト20をマンホール蓋4と簡易蓋5とにねじ込む。これにより、固定ボルト20のねじ部20aがねじ孔21に噛み合う。また、ねじ部20bがねじ孔22に噛み合う。即ち、簡易蓋5がマンホール蓋4に固定される。
【0039】
本実施の形態に示す例では、例えばエスカレーターの通常運転が行われる間は、簡易蓋5がマンホール蓋4に固定される。このため、簡易蓋5が振動することによって発生する騒音を抑制できる。トラス1の内部に風が入りやすい場所にエスカレーターが設置されている場合でも、騒音を抑制することができる。
【0040】
図12は、実施の形態1におけるマンコンベアの他の例を示す図である。
図12は、
図3のB-B断面に相当する図である。
図12に示す例では、固定ボルト20は、簡易蓋5のねじ孔22に噛み合うねじ部20bのみを有する。固定ボルト20は、マンホール蓋4のねじ孔21に噛み合うねじ部20aを有していない。
【0041】
ねじ部20bの径は、ねじ孔21の径より小さい。このため、固定ボルト20は、マンホール蓋4に形成されたねじ孔21を貫通する。固定ボルト20は、ねじ部20bがマンホール蓋4の下方でねじ孔22に噛み合う。
図12に示す例では、簡易蓋5が符号5´に示す位置に達するまで、即ち簡易蓋5がマンホール蓋4に接触するまで固定ボルト20を締め続けることができる。
図12に示す例であれば、マンホール蓋4に形成されたねじ孔21の数が少ない場合でも、簡易蓋5をマンホール蓋4に強固に固定することができる。
【0042】
図13は、実施の形態1におけるマンコンベアの他の例を示す図である。
図7及び
図12は、マンホール蓋4に形成されたねじ孔21を利用して、簡易蓋5をマンホール蓋4に固定する例を示した。
図13に示す例では、マンホール蓋4に、簡易蓋5を取り付けるための貫通孔25が形成される。即ち、マンホール蓋4には、工具23を取り付けるためのねじ孔21の他に、貫通孔25が形成される。
【0043】
また、簡易蓋5にねじ孔26が形成される。ねじ孔26は、貫通孔25の径より小さな径を有する。ねじ孔26は、貫通孔25の直下に配置される。固定ボルト20は、マンホール蓋4の上方から貫通孔25に差し込まれる。簡易蓋5がマンホール蓋4に固定されると、固定ボルト20は貫通孔25を貫通し、ねじ部20bがねじ孔26に噛み合う。なお、固定ボルト20は、ねじ部20bの径より大きな径のねじ部20aを有していない。また、簡易蓋5には、マンホール蓋4のねじ孔21の直下にねじ孔22を形成する必要はない。例えばエスカレーターの通常運転が行われる間、マンホール蓋4のねじ孔21には、ねじ孔21を塞ぐための部材(図示せず)が取り付けられる。
【0044】
本実施の形態では、エスカレーターの例について具体的な説明を行った。本実施の形態に示す例を動く歩道に適用しても良い。
【符号の説明】
【0045】
1 トラス、 2 マンホール、 3 マンホール、 4 マンホール蓋、 5 簡易蓋、 6 乗降口、 7 マンホール蓋、 8 簡易蓋、 9 乗降口、 10 電動機、 11 減速機、 12 制御盤、 13 ステップ、 14 支持装置、 15 アングル、 16 支持ボルト、 17 棒状部材、 18 リンク機構、 19 立上部、 20 固定ボルト、 20a ねじ部、 20b ねじ部、 21 ねじ孔、 22 ねじ孔、 23 工具、 23a ねじ部、 24 保守端末、 25 貫通孔、 26 ねじ孔