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特許7020073クレーンにおける吊り荷ワイヤロープの張設作業用補助装置及びブーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】クレーンにおける吊り荷ワイヤロープの張設作業用補助装置及びブーム
(51)【国際特許分類】
   B66C 15/00 20060101AFI20220208BHJP
   B66C 13/00 20060101ALI20220208BHJP
   B66C 23/42 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
B66C15/00 L
B66C13/00 F
B66C23/42 C
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017223033
(22)【出願日】2017-11-20
(65)【公開番号】P2019094147
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(73)【特許権者】
【識別番号】393008360
【氏名又は名称】株式会社タダノエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤松 正二
(72)【発明者】
【氏名】福本 治
(72)【発明者】
【氏名】山内 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】中田 貴宏
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0197094(US,A1)
【文献】特開昭57-048590(JP,A)
【文献】特開2000-118951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00-15/06
B66C 19/00-23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段式の伸縮ブームのうちトップブームに設けられた前方足場用支持部材に着脱自在に支持される前方足場と、
前記伸縮ブームのうちベースブームの前部の側方に設けられた側方足場用支持部材に着脱自在に支持される側方足場と、を備え、
前記前方足場と前記側方足場とは、互いに乗り移り可能程度に近接しつつ、分離されている、クレーンにおける吊り荷ワイヤロープの張設作業用補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンにおける吊り荷ワイヤロープの張設作業用補助装置及びブームに関する。
【背景技術】
【0002】
護岸工事などで、矢板を打ち込む機械(海上)に矢板を供給するクランプクレーンは、ブームが自走部と旋回体とから切り離された状態で作業現場に搬入され、作業現場で、旋回体に取り付けられる。また、作業終了後は、旋回体からブームが取り外されて、作業現場から搬出される。
【0003】
なお、クランプクレーンの他にも、ブームが旋回体から着脱可能のクレーンもある。このように、ブームを旋回体から着脱する構造のクレーンは、ブームの取り付け後に、旋回体のウインチに巻かれた吊り荷ワイヤロープ(以下、単にワイヤという。)の先端部を、ブームの基端側からそのままブームに沿ってブームの先端まで引き出し、ワイヤをブームの先端のシーブに掛け回す張設作業を行う必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-232805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
張設作業は、ブームの傍に高所作業車などで足場を設けて作業者がその足場に乗り、ワイヤを、ブームの基端側から先端側まで引き出すことが行なわれる場合がある。しかし、ブームの傍らの地上面に、高所作業車を配置するスペースが無い場合がある。
【0006】
また、作業者が、ワイヤの先端を持って、ブームの基端側からブームの先端側までブームの上面を歩いて張設作業を行う場合もある。ここで、伏した状態のブームであっても、地上面からブームの上面まではある程度の高さがあるため、ブームの先端まで到達した作業者は、ブームの傍らに足場が無い場合は、ブームの上面を歩行して基端側まで引き返す必要がある。しかし、ブームの上面は幅が狭いため、上面を歩行する機会が多い程、作業者の安全を確保する必要がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、張設作業を容易にしつつ、作業者の安全を確保することができるクレーンにおける吊り荷ワイヤロープの張設作業用補助装置及びブームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、多段式の伸縮ブームのうちトップブームに設けられた前方足場用支持部材に着脱自在に支持される前方足場と、前記伸縮ブームのうちベースブームの前部の側方に設けられた側方足場用支持部材に着脱自在に支持される側方足場と、を備え、前記前方足場と前記側方足場とは、互いに乗り移り可能程度に近接しつつ、分離されている、クレーンにおける吊り荷ワイヤロープの張設作業用補助装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るクレーンにおける吊り荷ワイヤロープの張設作業用補助装置及びブームによれば、張設作業を容易にしつつ、作業者の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るクレーンにおける吊り荷ワイヤロープの張設作業用補助装置及びブームが適用されるクランプクレーンと、このクレーンのブームに吊り荷ワイヤロープを張設する張設作業用補助装置の一実施形態を示す側面図である。
図2図1に示したクレーン及び張設作業用補助装置の平面図である。
図3図1に示したスタンション装置の詳細を示す図であり、ブームを右側方から見た側面図である。
図4図1に示したスタンション装置の詳細を示す図であり、図3におけるA-A線に沿った断面を示す断面図である。
図5図1に示したスタンション装置の詳細を示す図であり、図4におけるB部の詳細を示す図である。
図6図1に示したスタンション装置の詳細を示す図であり、図3におけるC部の詳細を示す図である。
図7図1に示した側方足場の詳細を示す図であり、ブームを上方から見た平面図である。
図8図1に示した側方足場の詳細を示す図であり、ブームを左側方から見た側面図である。
図9図1に示した側方足場用サポート部材の詳細を示す図であり、ブームを上方から見た平面図である。
図10図1に示した側方足場用サポート部材の詳細を示す図であり、ブームを左側方から見た側面図である。
図11図1に示した側方足場用サポート部材の詳細を示す図であり、ブームを先端側(前方)から見た図である。
図12図1に示した側方足場用サポート部材の詳細を示す図であり、ブームを基端側(後方)から見た図である。
図13図1に示した前方足場の詳細を示す図であり、ブームを上方から見た平面図である。
図14A図1に示した前方足場の詳細を示す図であり、ブームを左側方から見た側面図である。
図14B図14Aに示した前方足場用サポート部材を上方から見た平面図である。
図14C図14Aに示した前方足場用サポート部材を前方から見た正面図である。
図15図1に示した前方足場の詳細を示す図であり、ブームを前方から見た正面図である。
図16】ベース部材の下部に設けられた位置決め部材を示す平面図である。
図17】位置決め部材と支柱とを固定する構造を示す図であり、位置決め部材と支柱とが固定された状態を示す。
図18】位置決め部材と支柱とを固定する構造を示す図であり、位置決め部材と支柱との固定が解除された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るクレーンにおける吊り荷ワイヤロープの張設作業用補助装置及びブームの実施形態について、以下に説明する。
【0013】
<張設作業用補助装置及びブームの全体構成>
図1は、本発明に係るクレーンにおける吊り荷ワイヤロープの張設作業用補助装置及びブームが適用されるクランプクレーン1(以下、単にクレーン1という。)と、このクレーン1のブーム100に吊り荷ワイヤロープ3(以下、単にワイヤ3という。)を張設する張設作業用補助装置の一実施形態を示す側面図、図2は、図1に示したクレーン1及び張設作業用補助装置の平面図である。
【0014】
図3~6は、図1に示したスタンション装置10の詳細を示す図であり、図3はブーム100を右側方から見た側面図、図4図3におけるA-A線に沿った断面を示す断面図、図5図4におけるB部の詳細を示す図、図6図3におけるC部の詳細を示す図である。
【0015】
図示のクランプクレーン1は、ブーム100が旋回体2から切り離された状態で作業現場に搬入され、作業現場でブーム100が旋回体2に取り付けられて使用される。また、作業終了後は、旋回体2からブーム100が取り外された状態で、作業現場から搬出される。
【0016】
そして、ブーム100を旋回体2に取り付けた後、旋回体2のウインチに巻かれたワイヤ3の先端部を、ブーム100の基端側100Aからそのままブーム100に沿ってブーム100の先端側100Bまで引き出し、ワイヤ3を先端側100Bのシーブに掛け回す張設作業が行われる。
【0017】
ブーム100は、多段式の伸縮ブームであり、本実施形態においては例えば6つのブームが組み合わされている。ブーム100は、組み合わされている5つのブームのうち最も太いベースブーム110の基端側が旋回体2に取り付けられる。
【0018】
ブーム100は、図3に示すように、第1ブーム110(以下、ベースブーム110という。)の内側に、ベースブーム110よりも細い第2ブーム120が収容され、第2ブーム120の内側に、第2ブーム120よりも細い第3ブーム130が収容され、第3ブーム130の内側に、第3ブーム130よりも細い第4ブーム140が収容され、第4ブーム140の内側に、第4ブーム140よりも細い第5ブーム150が収容され、第5ブーム150の内側に、第5ブーム150よりも細い第6ブーム160(以下、トップブーム160という。)が収容された入れ子式となっている。
【0019】
図2に示す通り、ベースブーム110の先端側(前部)の左側面114には、後述する側方足場200を着脱自在に支持する側方足場用サポート部材30(側方足場用支持部材)が設けられている。またトップブーム160の先端部(前部)には、後述する前方足場300を着脱自在に支持する前方足場用サポート部材50(前方足場用支持部材)が設けられている。
【0020】
ブーム100が旋回体2に取り付けられた後、作業者により、旋回体2のウインチに巻かれたワイヤ3の先端部が、ブーム100の基端側100Aからそのままブーム100に沿ってブーム100の先端側100Bまで引き出され、ワイヤ3を先端側100Bのシーブに掛け回す張設作業が行われる。
【0021】
図示の張設作業用補助装置は、この張設作業を補助するための装置の一例である。本実施形態の張設作業用補助装置は、ベースブーム110の側方足場用サポート部材30に着脱自在に支持される側方足場200及びトップブーム160の前方足場用サポート部材50に着脱自在に支持される前方足場300である。
【0022】
<スタンション装置>
スタンション装置10は、図3~6に示すように、ベースブーム110の上面を歩行する作業者の転落を防止する目的で、ベースブーム110に対して着脱自在に設けられている。スタンション装置10は、ベース部材11、スタンションポール12、スタンションバー13、ピン14及び鋼材バンド15,16を備えている。
【0023】
スタンションバー13は、図3に示すように、ベースブーム110の上方において、ベースブーム110の長さ方向に沿って、基端側から先端側まで延びて設けられている。スタンションバー13は、ベースブーム110の上面を歩行する作業者が装着した安全帯を掛ける。
【0024】
スタンションポール12は、スタンションバー13をベースブーム110の上面111から一定の高さ位置に支持するものであり、ベースブーム110の長さ方向に、所定の間隔で、例えば5本設けられている。そして、各スタンションポール12の上端に、スタンションバー13を回動自在に支持する。
【0025】
ベース部材11は、スタンションポール12ごとに設けられている。したがって、本実施形態では、スタンションポール12と同じく5つ設けられている。ベース部材11は、図4,5に示すように、支持部11aと基部11bと、を備えている。基部11bは、ベースブーム110の上面111に、ベースブーム110の両側面113,114間を架け渡して配置されている。支持部11aは、スタンションポール12の下端を支持している。支持部11aは、スタンションポール12を、図6の実線で示した起立状態と二点鎖線で示した倒伏状態との間で姿勢を変化させるように、回転自在に支持している。
【0026】
支持部11aには、スタンションポール12の起立状態において、スタンションポール12に形成された孔(図示省略)に連通する第1孔(図示省略)と、スタンションポール12の倒伏状態において、スタンションポール12に形成された孔に連通する第2孔(図示省略)とが形成されている。そして、スタンションポール12の起立状態において、支持部11aの第1孔を貫通してスタンションポール12に形成された孔までピン14(図5,6参照)を通した状態とすることで、スタンションポール12を起立状態で保持する。
【0027】
一方、スタンションポール12の倒伏状態において、支持部11aの第2孔を貫通してスタンションポール12に形成された孔までピン14(図5,6参照)を通した状態とすることで、スタンションポール12を倒伏状態で保持する。なお、スタンションポール12を起立状態で保持する場合は、5本全てのスタンションポール12を起立状態にし、スタンションポール12を倒伏状態で保持する場合は、5本全てのスタンションポール12を倒伏状態にする。
【0028】
なお、5つのベース部材11はそれぞれ、後述する2本の鋼材バンド15,16でベースブーム110の所定位置に固定されているため、スタンションバー13、5本のスタンションポール12及びベースブーム110は、図3に示すように、はしご状のリンクを形成している。したがって、5つのベース部材11の各ピン14が全て支持部11aから抜かれている状態では、5本のスタンションポール12は、このリンクによって、起立状態と倒伏状態との間で、連動して回動する。このため、5つのベース部材11のピン14のうち、1つのベース部材11のピン14だけで、5つのスタンションポール12を、起立状態又は倒伏状態に保持することも可能である。
【0029】
鋼材バンド15と鋼材バンド16とは同じものであり、図3に示すように、1つのベース部材11に対してそれぞれ設けられている。そして、鋼材バンド15,16は、ベースブーム110の長さ方向に並んで配置されている。鋼材バンド15,16は、図6に示すように、帯状の鋼板15b,16bの両端にそれぞれねじが形成された軸15a,16aを備えている。鋼材バンド15,16は、図4,5に示すように、ベースブーム110の上面111に配置されたベース部材11の基部11bの両端部に、各軸15a,16aのねじが締結されて、基部11bを、ベースブーム110の長さ方向の所定位置に固定して保持する。
【0030】
具体的には、図4に示すように鋼材バンド15,16の各一端の軸15a,16aのねじが、基部11bの、ベースブーム110の右側面113に対応する側の部分と、ナットで締結され、鋼材バンド15,16の本体(帯状の鋼板15b,16b)が、ベースブーム110の右側面113から半円状の下面112、左側面114に亘ってベースブーム110の外面に巻き付けられ、鋼材バンド15,16の各他端の軸15a,16aのねじが、基部11bの、ベースブーム110の左側面114に対応する側の部分と、ナットで締結される。各軸15a,16aのねじとナットとを強固に締結することにより、各基部11bは、ベースブーム110に固定される。
【0031】
以上のように構成されたスタンション装置10によれば、ワイヤ3の張設作業のために、作業者がベースブーム110の上面111を歩行するに際して、スタンションポール12を起立状態に保持することで、上面111から所定の高さ位置に保持されたスタンションバー13に、上面111を歩行する作業者が装着した安全帯を掛けることができる。
【0032】
この結果、作業者は、安全を確保してベースブーム110の上面111を歩行してのワイヤ3の張設作業を行うことができ、ベースブーム110の上面111を歩行せずに、ブーム100の側方に仮設された足場を使ってワイヤ3の張設作業を行う場合に比べて、張設作業を容易にすることができる。
【0033】
また、スタンション装置10がブーム100に取り付けられている状態では、ブーム100の側方に足場を仮設する十分なスペースが無い場合にも、ワイヤ3の張設作業を安全に行うことができる。
【0034】
また、スタンション装置10は、鋼材バンド15,16の軸15a,16aのねじと、ベース部材11を介したナットとの締結により、鋼材バンド15,16及びベース部材11をベースブーム110に固定しているため、既存のベースブーム110に、後付けでスタンション装置10を取り付けることができる。この結果、ベースブーム110に対して、後から溶接で取り付けられるスタンション装置に比べて、取り付けが容易になる。
【0035】
すなわち、ブーム100は高張力鋼板が用いられるのが一般的であり、高張力鋼板にスタンション装置を溶接するには、通常の鋼材に溶接する設備とは異なる特別な設備が必要である。したがって、本実施形態のスタンション装置10は、特別な溶接設備を用意することなく、ブーム100に後付けすることができる。
【0036】
また、ベースブームにスタンション装置を、直接、ねじ止めするものは、ベースブームに予めねじ孔を開けておく必要がある。したがって、本実施形態のスタンション装置10は、ベースブームの強度を低下させることなく、ブーム100に後付けすることができる。
【0037】
本実施形態のスタンション装置10は、鋼材バンド15,16の軸15a,16aのねじと、ベース部材11を介したナットとの締結を解除することで、鋼材バンド15,16及びベース部材11をベースブーム110から取り外すことができる。つまり、本実施形態のスタンション装置10は、ブーム100に対して着脱自在である。したがって、スタンション装置10は、ワイヤ3の張設作業の前にブーム100に取り付け、ワイヤ3の張設作業が終了した後は、ブーム100から取り外すことで、ワイヤ3の張設作業後のクレーン作業時に、ブーム100の外面から突出したスタンション装置10が邪魔になるのを防止することもできる。
【0038】
なお、スタンション装置10は、ベース部材11がスタンションポール12を倒伏状態に切り替えて保持することもできるため、スタンションポール12を倒伏状態で保持することにより、起立状態の場合よりも、ブーム100の外面からの突出量を少なくすることができ、スタンション装置10を取り外さなくても、クレーン作業時の支障を低減することができる。
【0039】
また、各スタンションポール12を支持している各ベース部材11は、ベースブーム110の長さ方向に並んで配置された2本の鋼材バンド15,16と締結されているため、ベース部材11の姿勢を安定させることができる。
【0040】
<側方足場>
図7,8は、図1に示した側方足場200の詳細を示す図であり、図7はブーム100を上方から見た平面図、図8はブーム100を左側方から見た側面図である。
【0041】
図示の側方足場200は、図2に示すように、ベースブーム110の先端側(前部)の左側面114に配置され、図1,2に示すように、ベースブーム110に設けられた側方足場用サポート部材30に着脱自在に支持される。側方足場200は、足場部260と、手すり部270と、はしご部280と、被支持部210,220と、を備えている。
【0042】
足場部260は、作業者が乗る部分であり、金網で形成され、下方を透かして見ることができる。手すり部270は、足場部260の周囲に立設して形成され、足場部260に乗った作業者の周囲を囲む。手すり部270のうち、クレーン1の前方に対応する先端側の手すり部271は、開閉自在に形成されていて、閉じた状態と開いた状態とにそれぞれ保持することができるようになっている。
【0043】
はしご部280は、ベースブーム110に近接した部分から上方に延びて形成され、ベースブーム110の上面111の前部から足場部260に乗り降り可能に、作業者が足を掛ける部分である。被支持部210,220は、ベースブーム110の側方足場用サポート部材30と係合して側方足場200をベースブーム110の先端側の左側方に着脱自在に支持させる。被支持部210,220は、はしご部280の両側に形成されている。
【0044】
<側方足場用サポート部材>
図9~12は、図1に示した側方足場用サポート部材30の詳細を示す図であり、図9はブーム100を上方から見た平面図、図10はブーム100を左側方から見た側面図、図11はブーム100を先端側(前方)から見た図、図12はブーム100を基端側(後方)から見た図である。
【0045】
側方足場用サポート部材30は、図9~12に示すように、ベース部材31と、2つのガイド部材32,33と、を備えている。ベース部材31は、図11に示すように、ベースブーム110の左側面114に、溶接又はねじ止めで固定されている。ガイド部材32,33は、鉛直方向に延びた姿勢で、ベースブーム110の長手方向において所定の間隔を以て平行に配置されて、それぞれベース部材31に締結されている。
【0046】
ガイド部材32,33は、図7,9に示すように、いずれも長手方向に直交する断面が、角張ったU字状(カップ状)の輪郭を有し、ガイド部材32,33の断面におけるU字の開口部が互いに向き合って状態で配置されている。また、各ガイド部材32,33の上端は鉛直方向に開口しているが、図10に示すように、下端は鉛直方向に閉じるように底板32a,33aを備えている。
【0047】
また、ガイド部材32には、ガタ止め用のガタ止め部材36が、鉛直方向の上部と下部にそれぞれ1つずつ設けられている。同様に、ガイド部材33には、ガタ止め用のガタ止め部材37が、鉛直方向の上部と下部にそれぞれ1つずつ設けられている。ガタ止め部材36は板状体であり、鉛直方向の上部のボルト36aと下部のボルト36bとによって、ガイド部材32に固定されている。ガタ止め部材37もガタ止め部材36と同様に板状体であり、鉛直方向の上部のボルト37aと下部のボルト37bとによって、ガイド部材33に固定されている。
【0048】
ここで、各ガタ止め部材36の板状体の、下側のボルト36bが貫通する孔は、上側のボルト36aを中心とする円弧状に形成されていて、ボルト36bを緩めた状態では、ガタ止め部材36の板状体は、ボルト36aを中心に、円弧状の孔の範囲で回動可能になっている。そして、この回動可能の範囲で回動された状態で、ボルト36bを閉めることにより、板状体を傾けた状態に保持することができる。
【0049】
各ガタ止め部材37についても同様であり、ガタ止め部材37の板状体の、下側のボルト37bが貫通する孔は、上側のボルト37aを中心とする円弧状に形成されていて、ボルト37bを緩めた状態では、ガタ止め部材37の板状体は、ボルト37aを中心に、円弧状の孔の範囲で回動可能になっている。そして、この回動可能の範囲で回動された状態で、ボルト37bを閉めることにより、板状体を傾けた状態に保持することができる。
【0050】
側方足場200を上方に引き上げ、側方足場200の被支持部210が、上方から、ガイド部材32の上端の開口を通ってガイド部材32の内側に通されるように、かつ側方足場200の被支持部220が、上方から、ガイド部材33の上端の開口からガイド部材33の内側に通されるように側方足場200を下すことにより、側方足場200は、ベースブーム110に対して、ベースブーム110の左右方向及び長さ方向について拘束される。
【0051】
側方足場200の被支持部210をガイド部材32に沿って降下させるとともに、被支持部220をガイド部材33に沿って降下させると、被支持部210の下端がガイド部材32の底板32aに上方から突き当たった状態となり、被支持部220の下端がガイド部材33の底板33aに上方から突き当たった状態となって、側方足場200は、ベースブーム110に対して、ベースブーム110の鉛直方向に拘束されて支持される。なお、側方足場200は、前後方向2つの被支持部210,220で支持されるため、前後方向の高さは揃った状態となる。
【0052】
反対に、側方足場200を上昇させて、被支持部210をガイド部材32から抜き、被支持部220をガイド部材33から抜くことにより、側方足場200をベースブーム110から取り外すことができる。
【0053】
ここで、被支持部210と被支持部220との両端縁間の長さは、ガイド部材32の内面とガイド部材33の内面との間の長さよりも、わずかに短く形成されているため、被支持部210がガイド部材32の内側に配置され、被支持部220がガイド部材33の内側に配置された状態で、被支持部210,220は、ガイド部材32,33に対して、ベースブーム110の長さ方向について僅かに遊びがあり、側方足場200は、ベースブーム110に対してガタがある。
【0054】
そこで、ガイド部材32のガタ止め部材36の各板状体を前述した方法により傾けて、板状体の下部の角部をそれぞれ、被支持部210に形成された突き当て部(図示省略)に突き当てた状態で固定するとともに、ガイド部材33のガタ止め部材37の各板状体を前述した方法により傾けて、板状体の下部の角部をそれぞれ、被支持部220に形成された突き当て部(図示省略)に突き当てた状態で固定することにより、側方足場200は、ガタがなくなった状態で、足場部260が略水平状態で、ベースブーム110に支持される。
【0055】
<前方足場>
図13~15は、図1に示した前方足場300の詳細を示す図であり、図13はブーム100を上方から見た平面図、図14Aはブーム100を左側方から見た側面図、図14B図14Aに示した前方足場用サポート部材50を上方から見た平面図、図14C図14Aに示した前方足場用サポート部材50を前方から見た正面図、図15はブーム100を前方から見た正面図である。
【0056】
図示の前方足場300は、トップブーム160の先端側(前部)の前方に配置され、トップブーム160に設けられた前方足場用サポート部材50に着脱自在に支持される。前方足場300は、トップブーム160に支持された状態で、その左側の部分が、図2,13に示すように、ベースブーム110の左側面114に支持された側方足場200の前方に、乗り移り可能程度に近接して配置される。前方足場300は、トップブーム160に支持された状態においても、側方足場200とは分離していて結合しない。
【0057】
前方足場300は、足場部360と、手すり部370と、被支持部310,320と、を備えている。足場部360は、作業者が乗る部分であり、金網で形成され、下方を透かして見ることができる。足場部360は、図13に示すように、平面視でC字状に形成されていて、ブーム100の先端に設けられたシーブ170の右側方、前方及び左側方を囲むように、平面視で略C字状に形成されている。また、足場部360は、図14Aに示すように、側方足場200及び前方足場300がブーム100に支持された状態で、高さ方向において、側方足場200の足場部260よりも低い位置となるように形成されている。
【0058】
手すり部370は、足場部360の周囲に、立設して形成され、足場部360に乗った作業者の周囲を囲む。なお、前方足場300のうち、ブーム100の左側方の後端側、すなわち、側方足場200における開閉自在の手すり部271に対向する部分には、手すり部370が設けられていない。
【0059】
被支持部310,320は、トップブーム160の前方足場用サポート部材50と係合して前方足場300をトップブーム160の前方に着脱自在に支持させる。被支持部310は、前方足場300の骨格部分から上方に延びた支柱330の上端に設けられていて、後方に向けて突出したフック状に形成されている。被支持部320は、前方足場300の骨格部分から上方に延びた支柱340の上端に設けられていて、後方に向けて突出したフック状に形成されている。被支持部310と被支持部320とは、トップブーム160の先端に設けられたブームヘッド161を幅方向に挟む配置となっている。
【0060】
<前方足場用サポート部材>
前方足場用サポート部材50は、図14Aに示すように、2つのベース部材51,52と、2つベース部材51,52の間に架け渡されて水平に延びた円柱状の支持バー55と、支持バー55よりも上方に延びた支持部材56,57と、を備えている。図14Bに示すように、支持部材56はブームヘッド161の右側面に、支持部材57はブームヘッド161の左側面に、それぞれ、ピン56a,57aによって結合され、各ピン56a,57aは割ピン56b,57bにより抜け止めされている。これにより、前方足場用サポート部材50の上部がブームヘッド161に固定されている。
【0061】
また、図14Cに示すように、ベース部材51の下端部において、ブームヘッド161の右側面から右方に突出したシーブ170の軸161aに、エンドプレート51aをボルト51bで締結し、ブームヘッド161の左側面から左方に突出したシーブ170の軸161aに、エンドプレート52aをボルト52bで締結することにより、前方足場用サポート部材50の下部がブームヘッド161に固定されている。
【0062】
そして、前方足場300を上方に引き上げ、前方足場300の被支持部310が、上方から、ブームヘッド161の右側方において支持バー55に引っ掛けられるように、かつ前方足場300の被支持部320が、上方から、ブームヘッド161の左側方において支持バー55に引っ掛けられるように、前方足場300を下すことにより、前方足場300は、トップブーム160に対して、支持バー55回りに回転自在の状態で拘束される。なお、前方足場300は、左右方向2つの被支持部310,320で支持されるため、左右方向の高さは揃った状態となる。
【0063】
反対に、前方足場300を上昇させて、被支持部310を支持バー55から離し、被支持部320を支持バー55から離すことにより、前方足場300をトップブーム160から取り外すことができる。
【0064】
図16は、ベース部材51,52の下部に設けられた位置決め部材53,54を示す平面図である。ベース部材51の下部には、図16に示すように、前方に向けて二股に分岐し、全体として略Y字状に形成された位置決め部材53が設けられている。また、ベース部材52の下部にも同様に、図16に示すように、前方に向けて二股に分岐し、全体として略Y字状に形成された位置決め部材54が設けられている。
【0065】
位置決め部材53,54の二股に分かれた部分の間には、前方足場300の支柱330,340の下部が前方から進入可能となっている。そして、支柱330,340がその二股に分かれた付け根の部分に突き当たった状態で、支持バー55回りに回転自在の前方足場300は、その回転方向の位置を拘束される。
【0066】
このとき、位置決め部材53,54の各二股に分かれた部分の内側輪郭縁は、支柱330,340の外周輪郭縁を、左右方向に関して案内しながら付け根の部分に導く。したがって、位置決め部材53,54の二股の付け根に突き当たった前方足場300は、回転方向が拘束されると同時に左右方向に関して位置決めされた状態となる。これにより、前方足場300は、足場部360が略水平状態で、トップブーム160に支持される。
【0067】
図17,18は、位置決め部材54と支柱340とを固定する構造を示す図であり、図17は位置決め部材54と支柱340とが固定された状態、図18は位置決め部材54と支柱340との固定が解除された状態をそれぞれ示す。位置決め部材54には、図16に示すように、二股に分かれた部分の左側に、ピン孔54aが形成されている。位置決め部材53にも同様に前述したようにピン孔53aが形成されているが、位置決め部材53のピン孔53aは、二股に分かれた部分の右側に形成されている。
【0068】
前方足場300は、前述したように、位置決め部材53,54の前方から浸入して後方に向けて突き当たるが、前方への動きに対しては拘束されてない。ここで、支柱340には、図16に示すように支柱340が位置決め部材54の二股の付け根に突き当たった状態で、図17,18に示すように、位置決め部材54のピン孔54aと上下方向に対向するピン孔341aが形成されたブラケット341が設けられている。支柱330にも同様に、位置決め部材53のピン孔53aと上下方向に対向するピン孔331aが形成されたブラケット331(図14参照)が設けられている。
【0069】
そして、支柱340が位置決め部材54の二股の付け根に突き当たった状態で、図17に示すように、上下方向に対向する位置決め部材54のピン孔54aと支柱340のピン孔341aとに共通して、ピン58の貫通部58aを通した状態とすることで、支柱340を位置決め部材54に対して水平面内で拘束し、位置決め部材53のピン孔53aと支柱330のピン孔331aとに共通して、ピン58の貫通部58aを通した状態とすることで、支柱330を位置決め部材53に対して水平面内で拘束する。これにより、前方足場300の前方への動きを拘束することができる。
【0070】
なお、ピン58は、貫通部58aの上端側に、貫通部58aに対して直交する方向に延びて形成された操作部58bが形成されていて、貫通部58aが、ピン孔54a及びピン孔341aを貫通した状態(ピン孔53a及びピン孔331aを貫通した状態)で、ピン58自体が下方に落下するのを防止している。
【0071】
また、ブラケット341,331には、ピン孔341a,331aよりも上方の位置に、引っ掛け溝341b,331bが形成されている。この引っ掛け溝341bは、図18に示すように、作業者が操作部58bを持ってピン58を上方に引き上げて貫通部58aを位置決め部材54のピン孔54aから引き抜いた状態で、操作部58bを貫通部58aの軸回りの回転させたとき、操作部58bが挿入される部分である。操作部58bが引っ掛け溝341bに挿入された状態では、ピン58は下方に落下することがなく、貫通部58aを、位置決め部材54のピン孔54aから引き抜かれた状態で保持する。
【0072】
したがって、支柱340は位置決め部材54に対して、前方への動きが許容された状態となる。引っ掛け溝331bについても、引っ掛け溝341bと同様である。なお、引っ掛け溝341b,331bの端部には、凹んだ部分が形成されていて、操作部58bがこの凹んだ部分に配置されることで、振動等によって、操作部58bが引っ掛け溝331b,341bから意図せずに脱落するのを防止している。この凹んだ部分に操作部58bが配置されている状態においても、貫通部58aが位置決め部材53,54のピン孔53a,54aから引き抜かれた状態であることはいうまでもない。
【0073】
以上のように構成された側方足場200及び前方足場300からなる張設作業用補助装置によれば、ワイヤ3の張設作業のために、例えば、スタンション装置10を用いてベースブーム110の上面111を基端側からワイヤ3を持って先端側まで歩行した作業者が、ベースブーム110の上面111の先端部から、ベースブーム110の先端側の側方に配置された側方足場200に、はしご部280を使って安全に降りることができる。
【0074】
同様に、作業者がベースブーム110の上面111の先端部に乗る際も、ベースブーム110の先端側の側方に配置された側方足場200から、はしご部280を使って安全に上ることができる。したがって、ワイヤ3の張設作業を容易にしつつ、作業者の安全を確保することができる。
【0075】
なお、側方足場200はブーム100に支持されているため、ブーム100の側方の地上面に、足場を配置するスペースが無くても支障がない。
【0076】
また、ブーム100には、側方足場用サポート部材30が形成されているため、側方足場200をブーム100に簡単に支持させることができる。
【0077】
また、この張設作業用補助装置によれば、前方足場300が側方足場200に近接して配置されているため、側方足場200に降りた作業者が、側方足場200の手すり部271を開いて、前方足場300に容易に乗り移ることができる。これにより、前方足場300に乗った状態で、ワイヤ3の張設作業の際のワイヤ3を、ブームヘッド161に設けられたシーブ170に掛け回す作業等、ブーム100の前方での作業を、容易にかつ安全に行うことができる。
【0078】
なお、前方足場300はブーム100に支持されているため、ブーム100の前方の地上面に、足場を配置するスペースが無くても支障がない。
【0079】
また、ブーム100には、前方足場用サポート部材50が形成されているため、前方足場300をブーム100に簡単に支持させることができる。
【0080】
本実施形態の張設作業用補助装置は、側方足場200と前方足場300とによって構成されるが、仮に、側方足場200が無い構成では、以下の問題が生じる。すなわち、入れ子方式の伸縮するブーム100は、縮めた状態において、ベースブーム110の先端側において、入れ子状態の6つのブーム110,120,130,140,150,160の先端部が連なって大きな段差が形成される。
【0081】
したがって、ベースブーム110の上面111の先端側にいる作業者は、この大きな段差を通過して、先端側の前方に設けられた前方足場300に乗り移ることが要求される。特に、ワイヤ3の張設作業では、作業者はワイヤ3を持っているため、この大きな段差を超えて前方足場300に乗り込むのは容易ではない。
【0082】
しかし、本実施形態においては、前方足場300に加えて側方足場200が存在するため、作業者は、上述した大きな段差を通過することなく、はしご部280を使って側方足場200に乗り込むことができる。そして、乗りこんだ側方足場200から前方足場300に直接乗り移ることができるため、作業の安全性を向上させることができる。そして、引き続き、前方足場300において、ワイヤ3をシーブ170に掛け回す作業を行うことができるため、作業を効率的に行うことができる。
【0083】
また、本実施形態の前方足場300と側方足場200は、分離していて結合していないため、前方足場300と側方足場200との配置の誤差があっても、前方足場300と側方足場200との支持に影響を与えることがない。
【0084】
すなわち、側方足場200はベースブーム110の左側面114に支持され、前方足場300はトップブーム160に支持されるが、伸縮するブーム100は、トップブーム160とベースブーム110との収縮時の長さの誤差や自然の伸びなどにより、ブーム100に形成された前方足場用サポート部材50と側方足場用サポート部材30との間に長さに誤差が生じ得る。ここで、仮に、前方足場300と側方足場200とが分離しておらずに結合していると、前方足場300又は側方足場200をブーム100に支持させるのが困難になり得る。
【0085】
しかし、本実施形態の張設作業用補助装置は、前方足場300と側方足場200とが分離しているため、上述したトップブーム160とベースブーム110との収縮時の長さの誤差や自然の伸びなどがあっても、前方足場300及び側方足場200の両方をブーム100に適切に支持させることができる。
【0086】
また、本実施形態の張設作業用補助装置は、前方足場300及び側方足場200がいずれも、ブーム100に対して着脱自在であるため、ワイヤ3の張設作業の前に前方足場300及び側方足場200をブーム100に支持させ、ワイヤ3の張設作業が終了した後は、前方足場300及び側方足場200をブーム100から取り外すことで、ワイヤ3の張設作業後のクレーン作業時に、前方足場300及び側方足場200が邪魔になるのを防止することができる。
【0087】
本実施形態は、クランプクレーン1におけるワイヤ3の張設作業用補助装置(側方足場200及び前方足場300)及びブーム100の例であるが、本発明に係るクレーンにおける吊り荷ワイヤロープの張設作業用補助装置及びブームは、クランプクレーンに適用されるものに限定されず、ブームが旋回体から着脱可能のクレーンで吊り荷ワイヤロープの張設作業を要するクレーンに対して適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 クランプクレーン
3 吊り荷ワイヤロープ
30 側方足場用サポート部材
50 前方足場用サポート部材
100 ブーム
110 第1ブーム(ベースブーム)
114 左側面
160 第6ブーム(トップブーム)
200 側方足場
210,220、310,320 被支持部
300 前方足場
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18