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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/02 20060101AFI20220208BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20220208BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
G03G15/02 103
G03G15/01 114A
G03G15/01 M
G03G15/00 303
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2017233735
(22)【出願日】2017-12-05
(65)【公開番号】P2019101297
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 國智
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 正安
(72)【発明者】
【氏名】森田 さや香
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕哉
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-021178(JP,A)
【文献】特開2007-057629(JP,A)
【文献】特開2011-133690(JP,A)
【文献】特開2006-276065(JP,A)
【文献】特開2007-279431(JP,A)
【文献】特開2006-039363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/02
G03G 15/01
G03G 15/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトナー像を媒体上で順次重ねることで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であって、
前記複数のトナー像を形成するための複数の作像ユニットを備え、
各前記作像ユニットは、
回転可能に構成され、トナー像を担持搬送するための像担持体と、
前記像担持体に接触して配置され、前記像担持体を帯電するための帯電部材と、
前記帯電部材に接触して配置され、前記帯電部材を清掃するための清掃部材とを含み、
前記画像形成装置は、前記複数の作像ユニットのうち少なくとも所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するための制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記複数の作像ユニットのうち、前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、前記所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成され
2以上の作像ユニットが前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置されており、
前記制御装置は、
前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体上の当該所定の作像ユニットによるトナーが形成されない非画像部において、前記上流側に配置される2以上の作像ユニットにより2色以上のトナーが重ね合わせられるか否かを考慮して、前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成され、
前記非画像部において前記上流側に配置される2以上の作像ユニットにより2色以上のトナーが重ね合わせられる場合の前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を、前記非画像部において前記上流側に配置される2以上の作像ユニットにより2色以上のトナーが重ね合わせられない場合の前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力よりも高くするように構成される、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、前記所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、前記媒体から前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体に逆転写された逆転写トナー量と、前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体から前記媒体に転写されなかった自色トナー量との積算値を算出し、
前記積算値に基づいて前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数のトナー像を媒体上で順次重ねることで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であって、
前記複数のトナー像を形成するための複数の作像ユニットを備え、
各前記作像ユニットは、
回転可能に構成され、トナー像を担持搬送するための像担持体と、
前記像担持体に接触して配置され、前記像担持体を帯電するための帯電部材と
前記帯電部材に接触して配置され、前記帯電部材を清掃するための清掃部材とを含み、
前記画像形成装置は、前記複数の作像ユニットのうち少なくとも所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するための制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記複数の作像ユニットのうち、前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、前記所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成され、
前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、前記所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、前記媒体から前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体に逆転写された逆転写トナー量と、前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体から前記媒体に転写されなかった自色トナー量との積算値を算出し、
前記積算値に基づいて前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成され、
2以上の作像ユニットが前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置されており、
前記制御装置は、
前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体上の当該所定の作像ユニットによるトナーが形成されない非画像部において、前記上流側に配置される2以上の作像ユニットのうち1の作像ユニットにより形成されるトナーの第1印字率と、前記非画像部において前記上流側に配置される2以上の作像ユニットのうち複数の作像ユニットにより重ね合わせられたトナーの第2印字率とを算出し、
前記第1印字率に第1係数を乗じた値と、前記第2印字率に前記第1係数よりも大きな第2係数を乗じた値とを積算して前記逆転写トナー量を算出するように構成される、画像形成装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記積算値が高いほど、前記清掃部材の清掃能力を高くするように構成される、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数のトナー像を媒体上で順次重ねることで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であって、
前記複数のトナー像を形成するための複数の作像ユニットを備え、
各前記作像ユニットは、
回転可能に構成され、トナー像を担持搬送するための像担持体と、
前記像担持体に接触して配置され、前記像担持体を帯電するための帯電部材と
前記帯電部材に接触して配置され、前記帯電部材を清掃するための清掃部材とを含み、
前記画像形成装置は、前記複数の作像ユニットのうち少なくとも所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するための制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記複数の作像ユニットのうち、前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、前記所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成され、
前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、前記所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、前記媒体から前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体に逆転写された逆転写トナー量と、前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体から前記媒体に転写されなかった自色トナー量との積算値を算出し、
前記積算値に基づいて前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成され、
前記制御装置は、前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体の回転軸方向に従う複数の領域ごとに、前記積算値を算出し、前記複数の領域のうち少なくとも1の領域の積算値が第1の値を超えた場合に、前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される、画像形成装置。
【請求項6】
複数のトナー像を媒体上で順次重ねることで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であって、
前記複数のトナー像を形成するための複数の作像ユニットを備え、
各前記作像ユニットは、
回転可能に構成され、トナー像を担持搬送するための像担持体と、
前記像担持体に接触して配置され、前記像担持体を帯電するための帯電部材と
前記帯電部材に接触して配置され、前記帯電部材を清掃するための清掃部材とを含み、
前記画像形成装置は、前記複数の作像ユニットのうち少なくとも所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するための制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記複数の作像ユニットのうち、前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、前記所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成され、
前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、前記所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、前記媒体から前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体に逆転写された逆転写トナー量と、前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体から前記媒体に転写されなかった自色トナー量との積算値を算出し、
前記積算値に基づいて前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成され、
前記制御装置は、前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体の回転軸方向に従う複数の領域ごとに、前記積算値を算出し、各前記領域の積算値の最大値と最小値との差分が第2の値を超えた場合に、前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される、画像形成装置。
【請求項7】
複数のトナー像を媒体上で順次重ねることで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であって、
前記複数のトナー像を形成するための複数の作像ユニットを備え、
各前記作像ユニットは、
回転可能に構成され、トナー像を担持搬送するための像担持体と、
前記像担持体に接触して配置され、前記像担持体を帯電するための帯電部材と
前記帯電部材に接触して配置され、前記帯電部材を清掃するための清掃部材とを含み、
前記画像形成装置は、前記複数の作像ユニットのうち少なくとも所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するための制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記複数の作像ユニットのうち、前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、前記所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成され、
前記所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、前記所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、前記媒体から前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体に逆転写された逆転写トナー量と、前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体から前記媒体に転写されなかった自色トナー量との積算値を算出し、
前記積算値に基づいて前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成され、
前記制御装置は、前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体の回転軸方向に従う複数の領域ごとに、前記積算値を算出し、前記複数の領域のうち隣接する2領域の各々の積算値の差分が第3の値を超えた場合に、前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される、画像形成装置。
【請求項8】
前記所定の作像ユニットに含まれる前記帯電部材および前記清掃部材は、回転可能に構成され、
前記制御装置は、前記所定の作像ユニットに含まれる前記清掃部材の前記所定の作像ユニットに含まれる前記帯電部材に対する周速度または押圧力を調節して、前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される、請求項1~のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記所定の作像ユニットに含まれる前記清掃部材に電圧を印加するための電源をさらに備え、
前記制御装置は、前記所定の作像ユニットに含まれる前記帯電部材と前記所定の作像ユニットに含まれる前記清掃部材との電位差を調節して、前記所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される、請求項1~のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記所定の作像ユニットに含まれる前記帯電部材は、交流電圧を印加されることにより前記所定の作像ユニットに含まれる像担持体を帯電するように構成され、
前記電源は、前記所定の作像ユニットに含まれる前記清掃部材に、前記帯電部材に印加される交流電圧と略同位相の交流電圧を印加する、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記電源は、前記所定の作像ユニットに含まれる前記帯電部材の電位に対する前記所定の作像ユニットに含まれる前記清掃部材の電位の差の極性が、前記所定の作像ユニットにおいて前記媒体上に転写される前のトナーの極性と同じになるように、前記所定の作像ユニットに含まれる前記清掃部材に電圧を印加する、請求項または10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記所定の作像ユニットは、当該作像ユニットに含まれる前記清掃部材に接触して配置され、当該清掃部材の付着物を回収するための回収部材をさらに備えるように構成される、請求項1~11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記所定の作像ユニットに含まれる前記清掃部材および前記回収部材は、回転可能に構成され、
前記制御装置は、前記所定の作像ユニットに含まれる前記清掃部材の清掃能力を高くするほど、前記所定の作像ユニットに含まれる前記回収部材の前記所定の作像ユニットに含まれる前記清掃部材に対する周速度または押圧力を大きくするように構成される、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記所定の作像ユニットに含まれる前記回収部材の電圧を印加するための所定の電源をさらに備え、
前記所定の電源は、前記所定の作像ユニットに含まれる前記帯電部材と前記清掃部材との電位差が大きいほど、前記所定の作像ユニットに含まれる前記清掃部材と前記回収部材との電位差が大きくなるように、前記回収部材の電圧を印加する、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記制御装置は、前記複数の作像ユニットのうち最も上流に位置する作像ユニットに含まれる前記清掃部材の清掃能力を一定に維持する、または当該作像ユニットにおける印字率に基づいて制御する、ように構成される、請求項1~14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、画像形成装置に関し、より特定的には、電子写真方式に従う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式に従う画像形成装置は、トナー像を担持するための感光体と、当該感光体を帯電するための帯電手段と、感光体上に残留するトナーを清掃するための清掃手段とを有する。
【0003】
帯電手段として、ローラー帯電方式と、コロナ帯電方式とが知られている。近年、ローラー帯電方式の割合が増えている。その理由は、ローラー帯電方式は、コロナ帯電方式に比べ排出されるオゾン量が少ないからである。ローラー帯電方式は、感光体と帯電ローラーとが形成する微小な空隙での放電により、感光体を帯電する方式である。
【0004】
このローラー帯電方式は、帯電ローラー表面が汚染されると、感光体を一様に帯電できなくなるという課題がある。汚染の主要因は、清掃手段をすり抜けた残留トナーに含まれる外添剤(例えば、シリカ)である。この外添剤が帯電ローラー表面に堆積すると、放電の妨げとなり帯電不良が起きる。
【0005】
帯電ローラーの表面を清掃する技術に関し、例えば、特開2004-085987号公報(特許文献1)は、「前記帯電部材の表面をクリーニングする接離可能なクリーニング部材とを備えた画像形成装置において、クリーニング部材によるクリーニング動作パラメータをプリントモードに応じて可変する制御手段を備える」構成を開示している(「要約」参照)。
【0006】
ところで、特開2008-009427号公報(特許文献2)は、感光体上に残留するトナーを回収する技術に関し、「上流側から2番目以降の少なくとも1つの画像形成ステーションに設けられ、該少なくとも1つの画像形成ステーションの該感光体に付着したトナーを回収するために、逆転写トナーを選択的に回収する逆転写トナー回収モードと、転写残留トナーを選択的に回収する転写残留トナー回収モードとを切替え実行可能なトナー回収部」を備える画像形成装置を開示している(「要約」参照)。
【0007】
また、感光体上に残留するトナーを回収する技術に関し、特開2005-250290号公報(特許文献3)は、「(感光体を清掃する)クリーニングロールの印加電圧、および累積ピクセル数(感光体に付着するトナー使用量と相関する値)に基づき、(クリーニングロールを用いた)クリーニングモードを行なうインターバル枚数を選択する」画像形成装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2004-085987号公報
【文献】特開2008-009427号公報
【文献】特開2005-250290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
画像形成装置が帯電ローラーの表面を清掃する清掃部材を有する構成において、当該清掃部材による帯電ローラーの清掃能力が高いほど、帯電ローラーが清掃部材によって傷つけられる可能性が高くなる。傷つけられた帯電ローラーは、感光体を均一に帯電させることができなくなる。
【0010】
一方、清掃部材による帯電ローラーの清掃能力が低いと、帯電ローラー付着する外添剤を十分に清掃できない可能性がある。したがって、清掃部材の清掃能力を最適に設定するための技術が必要とされている。
【0011】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、電子写真方式に従う画像形成装置において、像担持体を帯電する帯電部材を清掃するための清掃部材における清掃能力を最適に設定するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ある実施形態に従うと、複数のトナー像を媒体上で順次重ねることで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が提供入される。この画像形成装置は、複数のトナー像を形成するための複数の作像ユニットを備える。各作像ユニットは、回転可能に構成され、トナー像を担持搬送するための像担持体と、像担持体に接触して配置され、像担持体を帯電するための帯電部材と、帯電部材に接触して配置され、帯電部材を清掃するための清掃部材とを含む。画像形成装置は、複数の作像ユニットのうち少なくとも所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するための制御装置をさらに備える。制御装置は、複数の作像ユニットのうち、所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される。
【0013】
好ましくは、制御装置は、所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、所定の作像ユニットにおける印字率と、媒体上における、少なくとも1の作像ユニットにより形成されるトナーと所定の作像ユニットにより形成されるトナーとの重なりとに基づいて、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される。
【0014】
好ましくは、2以上の作像ユニットが所定の作像ユニットよりも上流側に配置される。制御装置は、所定の作像ユニットに含まれる像担持体上の当該所定の作像ユニットによるトナーが形成されない非画像部において、上流側に配置される2以上の作像ユニットにより2色以上のトナーが重ね合わせられるか否かを考慮して、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される。
【0015】
さらに好ましくは、制御装置は、非画像部において上流側に配置される2以上の作像ユニットにより2色以上のトナーが重ね合わせられる場合の所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を、非画像部において上流側に配置される2以上の作像ユニットにより2色以上のトナーが重ね合わせられない場合の所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力よりも高くするように構成される。
【0016】
好ましくは、制御装置は、所定の作像ユニットよりも上流側に配置される1以上の作像ユニットのうち少なくとも1の作像ユニットにおける印字率と、所定の作像ユニットにおける印字率とに基づいて、媒体から所定の作像ユニットに含まれる像担持体に逆転写された逆転写トナー量と、所定の作像ユニットに含まれる像担持体から媒体に転写されなかった自色トナー量との積算値を算出し、積算値に基づいて所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される。
【0017】
さらに好ましくは、2以上の作像ユニットが所定の作像ユニットよりも上流側に配置される。制御装置は、所定の作像ユニットに含まれる像担持体上の当該所定の作像ユニットによるトナーが形成されない非画像部において、上流側に配置される2以上の作像ユニットのうち1の作像ユニットにより形成されるトナーの第1印字率と、非画像部において上流側に配置される2以上の作像ユニットのうち複数の作像ユニットにより重ね合わせられたトナーの第2印字率とを算出する。制御装置は、第1印字率に第1係数を乗じた値と、第2印字率に第1係数よりも大きな第2係数を乗じた値とを積算して逆転写トナー量を算出するように構成される。
【0018】
さらに好ましくは、制御装置は、積算値が高いほど、清掃部材の清掃能力を高くするように構成される。
【0019】
好ましくは、制御装置は、所定の作像ユニットに含まれる像担持体の回転軸方向に従う複数の領域ごとに、積算値を算出し、複数の領域のうち少なくとも1の領域の積算値が第1の値を超えた場合に、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される。
【0020】
好ましくは、制御装置は、所定の作像ユニットに含まれる像担持体の回転軸方向に従う複数の領域ごとに、積算値を算出し、各領域の積算値の最大値と最小値との差分が第2の値を超えた場合に、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される。
【0021】
好ましくは、制御装置は、所定の作像ユニットに含まれる像担持体の回転軸方向に従う複数の領域ごとに、積算値を算出し、複数の領域のうち隣接する2領域の各々の積算値の差分が第3の値を超えた場合に、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される。
【0022】
好ましくは、所定の作像ユニットに含まれる帯電部材および清掃部材は、回転可能に構成される。制御装置は、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の所定の作像ユニットに含まれる帯電部材に対する周速度または押圧力を調節して、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される。
【0023】
好ましくは、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材に電圧を印加するための電源をさらに備える。制御装置は、所定の作像ユニットに含まれる帯電部材と所定の作像ユニットに含まれる清掃部材との電位差を調節して、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するように構成される。
【0024】
さらに好ましくは、所定の作像ユニットに含まれる帯電部材は、交流電圧を印加されることにより所定の作像ユニットに含まれる像担持体を帯電するように構成される。電源は、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材に、帯電部材に印加される交流電圧と略同位相の交流電圧を印加する。
【0025】
好ましくは、電源は、所定の作像ユニットに含まれる帯電部材の電位に対する所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の電位の差の極性が、所定の作像ユニットにおいて媒体上に転写される前のトナーの極性と同じになるように、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材に電圧を印加する。
【0026】
好ましくは、所定の作像ユニットは、当該作像ユニットに含まれる清掃部材に接触して配置され、当該清掃部材の付着物を回収するための回収部材をさらに備えるように構成される。
【0027】
さらに好ましくは、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材および回収部材は、回転可能に構成される。制御装置は、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を高くするほど、所定の作像ユニットに含まれる回収部材の所定の作像ユニットに含まれる清掃部材に対する周速度または押圧力を大きくするように構成される。
【0028】
さらに好ましくは、所定の作像ユニットに含まれる回収部材の電圧を印加するための所定の電源をさらに備える。所定の電源は、所定の作像ユニットに含まれる帯電部材と清掃部材との電位差が大きいほど、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材と回収部材との電位差が大きくなるように、回収部材の電圧を印加する。
【0029】
好ましくは、制御装置は、複数の作像ユニットのうち最も上流に位置する作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を一定に維持する、または当該作像ユニットにおける印字率に基づいて制御する、ように構成される。
【発明の効果】
【0030】
ある実施形態に従う画像形成装置は、像担持体を帯電する帯電部材を清掃するための清掃部材における清掃能力を最適に設定できる。
【0031】
開示された技術的特徴の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本開示に従う技術思想を説明するための図である。
図2】画像形成装置の構造の一例を表す。
図3】作像ユニットの構成の一例を表す。
図4】実施形態1に従う画像形成装置の電気的な構成の一例を表す図である。
図5】印字される画像を説明するための図である。
図6】このような画像を印字した場合の、感光体上の各位置における残留トナー量を表す。
図7】帯電ローラーに対する清掃ブラシの押圧力を調整するための構成の一例を表す図である。
図8】電源が帯電ローラーに印加する帯電バイアス電圧と、電源が清掃ブラシに印加するバイアス電圧とを表す図である。
図9】自色トナーおよび逆転写トナーの極性を説明するための図である。
図10】他の局面に従う、電源が帯電ローラーに印加する帯電バイアス電圧と、電源が清掃ブラシに印加するバイアス電圧とを表す図である。
図11】清掃ブラシの清掃能力を制御する処理を表すフローチャートである。
図12】色画像を感光体の軸方向に分解する処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、この技術的思想の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0034】
[技術思想]
図1は、本開示に従う技術思想を説明するための図である。実施形態1に従う画像形成装置は、中間転写ベルト1を有する。中間転写ベルト1に接触して、感光体3Y(イエロー),3M(マゼンタ),3C(シアン),3K(ブラック)が配置されている。感光体3Y,3M,3C,3Kには、中間転写ベルト1を挟んで1次転写ローラー7Y,7M,7C,7Kがそれぞれ配置されている。
【0035】
各感光体3Y,3M,3C,3Kの周囲には、帯電ローラー41Y,41M,41C,41Kが対応する感光体に接触するようにそれぞれ配置されている。各帯電ローラー41Y,41M,41C,41Kの周囲には、清掃ブラシ42Y,42M,42C,42Kが対応する帯電ローラーに接触するようにそれぞれ配置されている。
【0036】
各帯電ローラー41Y,41M,41C,41Kは、図示しない電源から帯電バイアスを印加されることにより、対応する感光体3Y,3M,3C,3Kを帯電する。より具体的には、各帯電ローラー41Y,41M,41C,41Kは、帯電バイアスを印加されることにより、対応する感光体3Y,3M,3C,3Kとの間に形成される微小な空隙で放電を発生させる。これにより、感光体3Y,3M,3C,3Kは、所定の電位に帯電される。
【0037】
各感光体3Y,3M,3C,3Kに形成されたトナー像は、対応する1次転写ローラーの作用により中間転写ベルト1に転写される。このとき、トナーの一部が中間転写ベルト1に転写されずに感光体3Y,3M,3C,3K上に残留する。
【0038】
中間転写ベルト1に転写されなかったトナーは、帯電ローラー41Y,41M,41C,41Kに付着する。清掃ブラシ42Y,42M,42C,42Kは、対応する帯電ローラー41Y,41M,41C,41Kに付着したトナー(に含まれる外添剤)を清掃する。
【0039】
実施形態に従う画像形成装置は、清掃ブラシ42M,42C,42Kのうち少なくとも1つの清掃ローラーにおける清掃能力を制御可能に構成される。図1に示される例において、制御装置70は、清掃ブラシ42Mの帯電ローラー41Mに対する清掃能力を制御可能に構成される。
【0040】
一例として、制御装置70は、清掃ブラシ42Mの帯電ローラー41Mに対する相対的な周速度を調整することにより、清掃ブラシ42Mの清掃能力を制御する。周速度が大きくなるほど、清掃ブラシ42Mの清掃能力は高くなる。
【0041】
実施形態に従う制御装置70は、帯電ローラー41M上に堆積する残留トナーが多いほど、清掃ブラシ42Mの清掃能力を高くする。
【0042】
帯電ローラー41M上に堆積するトナー(に含まれる外添剤)は、感光体3M上に形成されたトナー像TMのうち中間転写ベルト1に転写されなかったトナーだけでなく、感光体3Mよりも上流側に位置する感光体3Yに形成されたトナー像TYの一部を含む。その理由は、中間転写ベルト1上に転写されたトナー像TYの一部が感光体3Mに逆転写されるためである。
【0043】
図1において、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の順にトナー像が中間転写ベルト1に転写されている。そのため、下流に位置する感光体には、中間転写ベルト1に形成された上流側のトナーの一部が転写される。この現象を「逆転写」という。
【0044】
帯電ローラー41Mに堆積するトナー量は、感光体3M上に形成されるトナー像TMのトナー量と、感光体3Yに形成されたトナー像TYのトナー量とに依存する。より具体的には、トナー像TMのトナー量が多いほど、および感光体3Yに形成されたトナー像TYのトナー量が多いほど、帯電ローラー41Mに堆積するトナー量は多くなる。
【0045】
感光体3M上に形成されるトナー像TMのトナー量は、感光体3M上に形成されるトナー画像の印字率(以下、「M印字率」とも言う)に比例する。また、感光体3Yに形成されたトナー像TYのトナー量は、感光体3Y上に形成されるトナー画像の印字率(以下、「Y印字率」とも言う)に比例する。
【0046】
そこで、実施形態に従う制御装置は、清掃ブラシ42Mに対応する色のM印字率と、清掃ブラシ42Mよりも上流側に配置される感光体3Yに対応する色のY印字率とに基づいて、清掃ブラシ42Mの清掃能力を決定する。より具体的には、制御装置70は、M印字率およびY印字率の積算値が高いほど、清掃ブラシ42Mの清掃能力を高くする。
【0047】
当該構成によれば、実施形態に従う画像形成装置は、所定の清掃部材の清掃能力を、当該清掃部材を含む作像ユニットに対応する印字率と、当該清掃部材よりも上流側に配置される作像ユニットに対応する印字率とに基づいて、適切に調整することができる。つまり、実施形態に従う画像形成装置は、所定の清掃部材の清掃対象(当該清掃部材に対応する帯電ローラー上に付着するトナー)の量が多い場合には清掃能力を高く設定し、清掃対象の量が少ないほど清掃能力を低く設定できる。その結果、実施形態に従う画像形成装置は、清掃部材の清掃対象が少ない場合に清掃部材の清掃能力を高く設定することにより帯電ローラーが傷つくことを抑制できる。また、実施形態に従う画像形成装置は、清掃部材の清掃対象が多い場合に清掃部材の清掃能力を低く設定することにより帯電ローラーの堆積物が多くなってしまうことを抑制できる。これにより、実施形態に従う画像形成装置は、画像不良を抑制できる。以下、この画像形成装置の詳細な構成および処理について説明する。
【0048】
[実施形態1]
(画像形成装置の構造)
図2は、画像形成装置200の構造の一例を表す。画像形成装置200は、レーザプリンタやLEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置である。図2に示されるように、画像形成装置200は、内部の略中央部にベルト部材として中間転写ベルト1を備えている。中間転写ベルト1の下部水平部の下には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色にそれぞれ対応する4つの作像ユニット2Y,2M,2C,2Kが中間転写ベルト1に沿って並んで配置される。作像ユニット2Y,2M,2C,2Kの具体的な構成は、図3で後述する。
【0049】
作像ユニット2Y,2M,2C,2Kの周囲には、露光装置5Y,5M,5C,5Kと、中間転写ベルト1を挟んで1次転写ローラー7Y,7M,7C,7Kがそれぞれ配置されている。
【0050】
中間転写ベルト1の中間転写ベルト駆動ローラー10で支持された部分には、2次転写ローラー11が圧接されている。2次転写ローラー11と中間転写ベルト駆動ローラー10とが接する領域において2次転写が行なわれる。2次転写領域後方の搬送経路R1の下流位置には、定着ローラー21と加圧ローラー22とを含む定着装置20が配置されている。
【0051】
画像形成装置200の下部には、給紙カセット30が着脱可能に配置されている。給紙カセット30内に積載収容された用紙Pは、給紙ローラー31の回転によって最上部の用紙から1枚ずつ搬送経路R1に送り出されることになる。
【0052】
また、画像形成装置200の上部には、操作パネル80が配置されている。操作パネル80は、一例として、タッチパネルとディスプレイとが互いに重ね合わせられた画面と、物理ボタンとから構成される。
【0053】
なお、上記の例において画像形成装置200は、タンデム式の中間転写方式を採用しているがこれに限定されるものではなく、電子写真方式に従う複数の作像ユニットを含み、各作像ユニットで形成されたトナー像を順次重ね合わせて画像を形成するように構成されていればよい。
【0054】
(画像形成装置の概略動作)
次に、以上の構成からなる画像形成装置200の概略動作について説明する。画像形成装置200は、画像形成装置200の制御装置として機能するCPU70を有する。ある局面において、外部装置(たとえば、パソコン、スキャナー等)からCPU70に画像信号が入力される。CPU70は、この画像信号をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成する。また、CPU70は、作成したデジタル信号に基づいて、各作像ユニット2Y,2M,2C,2Kでトナー像を形成する。
【0055】
各色のトナー画像は、各1次転写ローラー7Y,7M,7C,7Kの作用により、図3中の矢印A方向に移動する中間転写ベルト1上に順次重ね合わせて1次転写される。
【0056】
このようにして中間転写ベルト1上に形成されたトナー画像は、2次転写ローラー11の作用により、用紙Pに一括して2次転写される。用紙Pに2次転写されたトナー画像は、定着装置20に達する。トナー画像は、加熱された定着ローラー21、および加圧ローラー22の作用により用紙Pに定着される。トナー画像が定着された用紙Pは、排紙ローラー50を介して排紙トレイ60に排出される。
【0057】
以下では、上述の各色ごとに設けられた構成要素からイエロー「Y」、マゼンタ「M」、シアン「C」、およびブラック「K」の符号を省略する場合がある。そのような構成要素は、4色の各構成要素の総称を表す。例えば、作像ユニット2は、作像ユニット2Y、2M、2C、2Kの総称を表す。
【0058】
(作像ユニットの構成)
図3は、作像ユニット2の構成の一例を表す。作像ユニット2は、感光体3と、帯電装置4と、現像装置6と、潤滑剤供給部材8と、ブレード9とを含む。感光体3は、回転可能に構成され、トナー像を担持搬送するための像担持体として機能する。
【0059】
帯電装置4は、帯電ローラー41と、清掃ブラシ42と、回収ローラー43と、ブレード44とを含む。帯電ローラー41は、後述する電源440から帯電バイアスを印加されることにより、感光体3と帯電ローラー41との間に形成される微小な空隙で放電を発生させる。これにより、感光体3は、所定の電位に帯電される。
【0060】
帯電ローラー41は、金属製のシャフトに導電性ゴム弾性層が設けられた構成をしている。導電性ゴム弾性層は、例えば、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム等の弾性材料に、ケッチェンブラックやアセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、金属粉、導電性金属酸化物、イオン導電剤等の導電剤を混入したもので構成された弾性層の表面に、所定の表面粗さを付与するために、数μm~数十μmの平均粒子径となる有機微粒子または無機微粒子を含有する樹脂よりなる表面層を備えている。
【0061】
露光装置5は、CPU70から入力された画像信号に従い、感光体3を露光して、感光体3上に静電的な潜像を形成する。
【0062】
現像装置6は、現像ローラー6Rを含み、図示しない電源から現像ローラー6Rに対して現像バイアスを印加されることにより、帯電された感光体3の表面電位と、現像ローラー6Rの表面電位との電位差に従い、トナーを潜像に供給する。これにより、感光体3上に形成された潜像が現像される。
【0063】
1次転写ローラー7は、図示しない電源から転写バイアスを印加されることにより、感光体3上に形成されたトナー像を中間転写ベルト1に転写する。
【0064】
潤滑剤供給部材8は、1次転写ローラー7とブレード9との間に感光体3に接触するように配置される。潤滑剤供給部材8は、感光体3との回転摩擦に従い感光体3に潤滑剤を供給する。用いられる潤滑剤は、特に限定されるものではなく、脂肪酸金属塩、シリコーンオイル、フッ素系樹脂等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。脂肪酸としては、直鎖状の炭化水素が好ましく、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。金属としては、リチウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、セリウム、チタン、鉄などが挙げられる。これらの中で、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸鉄などが用いられ得る。
【0065】
なお、他の実施形態において、潤滑剤供給部材8は、ブレード9の下流側(例えば、ブレード9と帯電装置4との間)に配置されていてもよい。さらに他の実施形態において、画像形成装置は、潤滑剤供給部材8を設ける代わりに、現像剤に潤滑剤を外添してもよい。さらに他の実施形態において、画像形成装置は、潤滑剤を感光体3に供給しなくともよい。
【0066】
ブレード9は、感光体3に接触して配置され、感光体3上に残留するトナー(以下、「残留トナー」とも言う)を回収する。感光体3上に残留するトナーは、当該感光体3に形成されたトナー像のうち中間転写ベルト1に転写されなかったトナー(以下、「自色トナー」とも言う)と、当該作像ユニット2よりも上流側に配置される作像ユニット2で中間転写ベルト1に転写されたトナーの一部(以下、「逆転写トナー」とも言う)とを含む。
【0067】
ブレード9は、一例として、平板形状の弾性体により構成される。ブレード9の反発弾性は、温度25℃において10~80%に設定され得る。また日本工業規格に定められるゴム硬度(JISA硬度)は、20~90°に設定され得る。ゴム硬度が20°より小さい場合には、ブレード9が柔らかすぎて、感光体3との摩擦により捲れやすくなる。一方、ゴム硬度が90°より大きい場合には、感光体3のわずかな凹凸において接触しない面が生じ、残留トナーを十分に回収できなくなる。
【0068】
ブレード9は感光体3上の残留トナーをすべて回収できない。ブレード9をすり抜けた残留トナーは帯電ローラー41上に堆積する。ブレード9に突入する残留トナーの量が多いほど、ブレード9をすり抜ける残留トナーの量は多くなる。
【0069】
清掃ブラシ42は、帯電ローラー41に接触して配置され、帯電ローラー41上に堆積した残留トナーを回収する。換言すれば、清掃ブラシ42は帯電ローラー41を清掃する。なお、帯電ローラー41を清掃するための清掃部材としては、必ずしもブラシでなくともよく、例えば、スポンジが用いられてもよい。
【0070】
回収ローラー43は、清掃ブラシ42に接触して配置され、清掃ブラシ42上に堆積した残留トナーを回収する。ブレード44は、回収ローラー43に接触して配置され、回収ローラー43上に堆積した残留トナーを図示しない回収ボックスに回収する。なお、他の実施形態において画像形成装置200は、回収ローラー43を有さず、ブレード44が直接清掃ブラシ42を清掃するように構成されてもよい。さらに他の実施形態において、画像形成装置200は、回収ローラー43およびブレード44を有さなくともよい。さらに他の実施形態において、画像形成装置200のハウジングの一部が清掃ブラシ42に食い込みことにより清掃ブラシ42を清掃するように構成されてもよい。
【0071】
(画像形成装置の電気的な接続関係)
図4は、実施形態1に従う画像形成装置200の電気的な構成の一例を表す図である。画像形成装置200は、画像形成装置200の制御装置として機能するCPU(Central Processing Unit)70を有する。CPU70は、RAM(Random Access Memory)410と、ROM(Read Only Memory)420と、記憶装置430と、電源440,450,460と、モーター445,455,465と、操作パネル80と、環境センサー470とにそれぞれ電気的に接続されている。CPU70は、ROM420に格納される制御プログラム422を読み込んで実行することにより、接続される各デバイスの動作を制御する。
【0072】
RAM410は、CPU70が制御プログラム422を実行するためのワーキングメモリーとして機能する。記憶装置430は、ハードディスクドライブなどの不揮発性メモリーによって実現される。記憶装置430は、履歴情報431と、係数テーブル432と、使用量テーブル433と、設定テーブル434と、対応関係435とを記憶している。
【0073】
履歴情報431は、印字に使用された画像情報を保持する。CPU70は、外部装置から画像情報が入力されると、当該画像情報をY,M,C,Kの各色の画像に色分解し、当該色分解された画像の情報を、色ごとに履歴情報431に格納する。履歴情報431は、所定量の画像情報を保持するように構成されてもよい。例えば、所定量は、所定枚数分(例えば100枚)の画像情報であってもよいし、所定期間(例えば1週間)の画像情報であってもよい。
【0074】
係数テーブル432は、後述する清掃ブラシ42の清掃能力を決定する処理に使用される係数を保持する。使用量テーブル433は、各感光体3Y,3M,3C,3Kの使用量を記憶する。使用量は、例えば、感光体3を用いて印字された累計印字枚数、感光体3の回転数、回転時間、走行距離などを含む。使用量テーブル433に格納される各色ごとの使用量は、感光体3が使用(駆動)されるごとにCPU70によって更新される。
【0075】
設定テーブル434は、清掃ブラシ42の清掃能力(に対応するパラメータ)を含む、作像条件を保持する。対応関係435の詳細は後述する。
【0076】
電源440は、CPU70から入力される制御信号に従い、帯電ローラー41に帯電バイアスを印加する。モーター445は、CPU70から入力される制御信号に従い、帯電ローラー41を回転駆動する。
【0077】
電源450は、CPU70から入力される制御信号に従い、清掃ブラシ42にバイアス電圧を印加することにより、清掃ブラシ42を帯電させる。モーター455は、CPU70から入力される制御信号に従い、清掃ブラシ42を回転駆動する。
【0078】
電源460は、CPU70から入力される制御信号に従い、回収ローラー43にバイアス電圧を印加することにより、回収ローラー43を帯電させる。モーター465は、CPU70から入力される制御信号に従い、回収ローラー43を回転駆動する。
【0079】
なお、ある実施形態において、画像形成装置200は、電源450および電源460のうち少なくとも一方を有さないように構成されてもよい。
【0080】
操作パネル80は、ユーザーから受け付けた操作内容(例えばタッチパネルにおける座標位置)をCPU70に出力する。
【0081】
環境センサー470は、画像形成装置200の機内の温度および湿度を測定し、測定結果をCPU70に出力する。
【0082】
(残留トナー量)
次に、感光体3Y,3M,3C,3Kのうち、トナー像を中間転写ベルト1に転写される順番が2番目以降の感光体(つまり、感光体3M,3C,3K)における残留トナーについて説明する。以下では一例として、図5および図6を用いて、最も下流側に配置される感光体3Kにおける残留トナーについて説明する。
【0083】
図5は、印字される画像を説明するための図である。図6は、図5に示される画像を印字した場合の、感光体3K上の残留トナーの量を説明するための図である。
【0084】
ある局面において、画像形成装置200は、図5に示される画像を印字する。この画像は、通紙方向(用紙が搬送される方向)と直交する方向(つまり、主走査方向)における位置510~550に、トナー像515~555がそれぞれ形成されている。位置510に対応するトナー像515は、マゼンタ(M)のトナーの上にシアン(C)のトナーが重畳されて形成されている。位置520に対応するトナー像525は、シアンのトナーにより形成されている。位置530に対応するトナー像535は、ブラック(K)のトナーにより形成されている。位置540に対応するトナー像545は、マゼンタのトナーの上にブラックのトナーが重畳されて形成されている。位置550に対応するトナー像555は、シアンのトナーの上にブラックのトナーが重畳されて形成されている。
【0085】
図6は、このような画像を印字した場合の、感光体3K上の位置510~550の各位置における残留トナー量を表す。
【0086】
感光体3K上の位置510および位置520には自色(つまりブラック)トナーが形成されておらず、位置530~550には自色トナーが形成されている。つまり、位置510および位置520の残留トナーは、自色トナーを含まないが、位置530~550の残留トナーは、自色トナーを含む。
【0087】
自色トナーが形成された位置(画像部)は、自色トナーが形成されていない位置(非画像部)に比べて、逆転写トナー(つまり、ブラックよりも上流側のイエロー、マゼンタ、シアンのトナー)の量が少なくなる。その理由は、自色トナーが形成された位置では、感光体3Kから中間転写ベルト1に自色トナーが転写されるため、自色トナーが中間転写ベルト1から感光体3Kへの逆転写トナーの移動を阻害するためである。
【0088】
そのため、感光体3Kの位置530の残留トナー(つまり、自色トナー)の量と、感光体3Kの位置540および位置550の残留トナー(自色トナーと上流側の色のトナー)の量とは、略同じである。
【0089】
感光体3Kの位置510における残留トナーは、シアンの逆転写トナーである。その理由は、中間転写ベルト1の位置510には、マゼンタのトナーの上にシアンのトナーが重畳されており、感光体3Kと接するのはシアンのトナーだからである。感光体3Kの位置520における残留トナーは、シアンの逆転写トナーである。
【0090】
逆転写されるトナー量は、中間転写ベルト1に形成されているトナー量が多いほど多くなる。そのため、位置520における逆転写トナーの量よりも位置510における逆転写トナーの量の方が多い。そのため、ある局面において、CPU70は、所定の作像ユニットに含まれる清掃部材の清掃能力を制御するにあたり、所定の作像ユニットに含まれる感光体の非画像部において2色以上の上流色トナーが重ね合わせられるか否かを考慮する。より具体的には、CPU70は、非画像部において2色以上の上流色トナーが重ね合わせられる場合の上記清掃能力を、非画像部において2色以上の上流色トナーが重ね合わせられれない場合の清掃能力よりも高く設定する。
【0091】
上記のように、残留トナー量は、形成される画像に応じて変化する。そこで、係数テーブル432は、形成されるトナーと、残留トナー量を表す係数との対応関係を複数保持する。一例として、形成されるトナーが自色トナーを含む場合(自色トナーと上流色トナーとを含む場合を含む)、および1種類の上流色トナーのみである場合の係数が「1」に設定され、形成されるトナーが2種類の上流色トナーのみである場合の係数が「2.5」に設定される。上流色トナーとは、自色トナーよりも上流側で中間転写ベルト1に転写されるトナーを表す。なお、係数テーブル432は、形成されるトナーが3種類の上流色トナーのみである場合の係数(2.5よりも大きい係数)が設定されていてもよい。
【0092】
ある局面において、CPU70は、1枚の画像情報から感光体3の残留トナー量を算出する。一例として、1枚の画像情報に対応する感光体3Cの残留トナー量を算出する。
【0093】
CPU70は、画像情報を4色の色画像に変換する。このうち、感光体3Cの残留トナーに影響を与えるのは、イエロー、マゼンタ、シアンの色画像のみである。次に、CPU70は、これら3色の色画像から、次の4通りの印字率を算出する。印字率は、トナー画像が形成され得る領域に対して実際にトナー画像が形成された領域の割合を表す。
【0094】
(1)シアン(自色)の印字率(C印字率)
(2)イエローのみの印字率(OY印字率)
(3)マゼンタのみの印字率(OM印字率)
(4)イエローおよびマゼンタのみの印字率(OYM印字率)
CPU70は、シアンの色画像の印字率をC印字率として算出する(1)。CPU70は、イエローとマゼンタの色画像に基づいて、画像全体の面積(ピクセル数)におけるイエローとマゼンタとが重畳された面積(ピクセル数)の割合をOYM印字率として算出する(4)。CPU70は、OYM印字率の算出方法と同様にして、イエローとシアンのみの印字率(OYC印字率)と、マゼンタとシアンのみの印字率(OMC印字率)と、イエローとマゼンタとシアンとが重畳された印字率(YMC印字率)とを算出する。
【0095】
CPU70は、イエローの印字率(Y印字率)から、OYM印字率とOYC印字率とを差し引いて、YMC印字率を足し合わせて、OY印字率を算出する(2)。CPU70は、マゼンタの印字率(M印字率)から、OYM印字率とOMC印字率とを差し引いて、YMC印字率を足し合わせて、OM印字率を算出する(3)。
【0096】
CPU70は、算出されたC印字率、OY印字率、およびOM印字率に対し、係数テーブル432を参照して係数「1」を乗じる。また、CPU70は、OYM印字率に対して、係数テーブル432を参照して係数「2.5」を乗じる。CPU70は、これら算出結果の積算値を、感光体3Cの残留トナー量として取得する。
【0097】
上記のように、実施形態1に従うCPU70は、所定の作像ユニット2に含まれる清掃ブラシ42の清掃能力制御するにあたり、複数のトナー像を順次重ねられる中間転写ベルト1上における、所定の作像ユニット2よりも上流側に配置される1以上の作像ユニット2のうち少なくとも1の作像ユニット2により形成されるトナーと、所定の作像ユニット2により形成されるトナーとの重なり(色重ね)を考慮する。これにより、CPU70は、より適切な清掃ブラシ42の清掃能力を設定し得る。
【0098】
他の局面において、CPU70は、さらに、各作像ユニット2ごとの現像量と転写効率を考慮して、上記の計算を行なってもよい。現像量は、現像装置6により感光体3に形成されたトナー像における、単位面積あたりのトナー量(g/m^2)を表す。転写効率は、感光体3に形成されたトナーのうち、中間転写ベルト1に転写されるトナーの割合を表す。転写効率は、周囲の環境(温度および湿度)、1次転写ローラーに印加される転写バイアスの大きさ、1次転写に関わる部材の劣化等に応じて変化する。CPU70は、これらのパラメータを考慮することにより、より正確に感光体3の残留トナー量を算出できる。
【0099】
(帯電ローラー41に到達する残留トナー)
感光体3上の残留トナーの一部は、ブレード9をすり抜けて帯電ローラー41に到達する。ブレード9をすり抜ける残留トナー(に含まれる外添剤)の割合は、周囲の環境(温度および湿度)、感光体3の使用量、ブレード9を感光体3に押し当てる押圧力、および潤滑剤量に応じて変化する。感光体3の使用量が多くなるほど、ブレード9および感光体3が摩耗する結果、ブレード9に対する感光体3の押圧力が低くなる。CPU70は、環境センサー470の測定結果、使用量テーブル433に保持される感光体3の使用量、設定テーブル434に保持される感光体3に対するブレード9の押圧力、および潤滑剤量の少なくとも1つのパラメータに基づいて、ブレード9をすり抜ける残留トナーの割合(以下、「すり抜け率」とも言う)を算出する。
【0100】
CPU70は、残留トナー量とすり抜け率とを乗じた結果を、帯電ローラー41に到達する残留トナー量(以下、「到達トナー量」とも言う)として取得する。
【0101】
なお、他の実施形態において、画像形成装置200は、1次転写ローラー7とブレード9との間に、感光体3を補助的に清掃する清掃ブラシをさらに有するように構成されてもよい。係る場合、CPU70は、当該清掃ブラシに到達するトナー量に対する、当該清掃ブラシによって回収されたトナー量の割合(ブラシ回収率)を、残留トナー量とすり抜け率とを乗じた結果にさらに乗じて、到達トナー量を算出してもよい。
【0102】
(清掃力の制御)
実施形態1に従うCPU70は、感光体3上の到達トナー量が多いほど、当該感光体3に対応する清掃ブラシ42の清掃能力が高くなるように制御する。なお、他の局面においおて、CPU70は、感光体3上の残留トナー量が多いほど、清掃ブラシ42の清掃能力が高くなるように制御してもよい。一例として、CPU70は、記憶装置430に格納される対応関係435と、到達トナー量とに基づいて、清掃ブラシ42の清掃能力を制御してもよい。
【0103】
対応関係435は、到達トナー量と、清掃ブラシ42の清掃能力(例えば、後述する帯電ローラー41に対する清掃ブラシ42の相対的な周速度)とを複数保持する。CPU70は、対応関係435を参照して、算出された到達トナー量に対応する清掃ブラシ42の清掃能力を特定する。以下、清掃ブラシ42の清掃能力の制御方法について説明する。
【0104】
<相対的な周速度>
ある局面において、画像形成装置200は、帯電ローラー41に対する清掃ブラシ42の相対的な周速度を調整することにより、清掃ブラシ42の清掃能力を制御する。より具体的には、CPU70は、モーター445を制御して、所定方向に従い帯電ローラー41を所定速度で回転させている。CPU70は、感光体3上の到達トナー量に基づいて、この帯電ローラー41の回転速度に対する相対的な回転速度(相対的な周速度)を決定し、モーター455に制御信号を出力する。これにより、清掃ブラシ42は、モーター455によって上記決定された相対的な周速度で回転する。
【0105】
例えば、CPU70は、帯電ローラー41と清掃ブラシ42との接点において、帯電ローラー41と清掃ブラシ42とを同じ方向に回転させる制御から、当該接点においてこれらを互いに逆方向に回転させる制御に変更することにより、相対的な周速度を大きくしてもよい。
【0106】
<清掃ブラシの帯電ローラーに対する押圧力>
他の局面において、画像形成装置200は、帯電ローラー41に対する清掃ブラシ42の押圧力を調整することにより、清掃ブラシ42の清掃能力を制御する。帯電ローラー41に対する清掃ブラシ42の押圧力が大きくなるほど、清掃ブラシ42の清掃能力は高くなる。
【0107】
図7は、帯電ローラー41に対する清掃ブラシ42の押圧力を調整するための構成の一例を表す図である。帯電装置4に含まれる回収ローラー43は、その軸方向に偏心シャフト700を有する。画像形成装置200は、回収ローラー43の回転中心位置に対する偏心シャフト700の位置を調節することにより、清掃ブラシ42の帯電ローラー41に対する押圧力を調整する。
【0108】
<帯電ローラー41と清掃ブラシ42との間の電位差>
さらに他の局面において、画像形成装置200は、帯電ローラー41と清掃ブラシ42との間の電位差を調整することにより、清掃ブラシ42の清掃能力を制御する。当該電位差が大きくなると、清掃ブラシ42の清掃能力は高くなる。図8図10を用いてより具体的に説明する。
【0109】
図8は、電源440が帯電ローラー41に印加する帯電バイアス電圧と、電源450が清掃ブラシ42に印加するバイアス電圧とを表す図である。
【0110】
図8に示されるように、電源440は、帯電ローラー41に対して交流の帯電バイアス電圧を印加する。この場合、CPU70は、電源440の出力信号に基づいて、帯電バイアス電圧と略同位相のバイアス電圧を清掃ブラシ42に印加するように、電源450に対して制御信号を出力する。その理由は、帯電バイアス電圧の位相と、電源450から出力されるバイアス電圧の位相とがずれていた場合、帯電ローラー41と感光体3との間の電界の周期性が不均一となり、感光体3が一様に帯電されなくなるためである。
【0111】
CPU70は、帯電ローラー41に印加される帯電バイアス電圧のピーク値と、清掃ブラシ42に印加されるバイアス電圧のピーク値との差分を、帯電ローラー41と清掃ブラシ42との間の電位差として調節する。
【0112】
なお、帯電ローラー41と清掃ブラシ42との間の電位差が大きすぎると、帯電ローラー41による感光体3の一様な帯電が阻害される可能性があるため、CPU70は、当該電位差が所定値未満になるように制御する。
【0113】
図9は、自色トナーおよび逆転写トナーの極性を説明するための図である。図9の横軸は残留トナーの帯電量を、縦軸はトナーの個数をそれぞれ表す。図9に示される実線は、図5の画像を印字した場合における感光体3K上の位置530の残留トナー(つまり、自色トナー)の帯電量およびトナーの個数を表す。破線は、図5の画像を印字した場合における感光体3K上の位置520の残留トナー(つまり、逆転写トナー)の帯電量およびトナーの個数を表す。
【0114】
図9に示されるように、自色トナーは凡そ負極性に帯電しているのに対し、逆転写トナーは凡そ正極性に帯電している。トナー本来の極性、つまり、中間転写ベルト1に転写される前のトナーの極性は負極性である。逆転写トナーは、1次転写ローラー7から転写バイアスを印加されることにより、負極性から正極性に反転し得る。
【0115】
帯電ローラー41には、負極性の直流電圧が印加されている。そのため、正極性に帯電している逆転写トナーは、負極性に帯電している自色トナーよりも、帯電ローラー41との静電的な付着力が強い。そのため、逆転写トナー(に含まれる外添剤)に対して要求される清掃能力は、自色トナーに対して要求される清掃能力よりも高い。
【0116】
そこで、CPU70は、帯電ローラー41に対する清掃ブラシ42の電位差を、トナー本来の極性と同極性(つまり、負極性)にする。これにより、帯電ローラー41上に付着した逆転写トナーに対して、帯電ローラー41から清掃ブラシ42の方向に従う静電的吸引力が働く。
【0117】
図10は、他の局面に従う、電源440が帯電ローラー41に印加する帯電バイアス電圧と、電源450が清掃ブラシ42に印加するバイアス電圧とを表す図である。図10に示される例において、CPU70は、清掃ブラシ42に印加される電圧の直流成分を制御することによって、帯電ローラー41に対する清掃ブラシ42の電位差を、トナー本来の極性と同極性にする。
【0118】
(制御構造)
図11は、清掃ブラシ42の清掃能力を制御する処理を表すフローチャートである。図11に示される処理は、CPU70が制御プログラム422を実行することにより実現される。
【0119】
ステップS1110にて、CPU70は、所定のタイミングに達したか否かを判断する。所定のタイミングは、例えば、使用量テーブル433に記憶されている感光体3を用いて印字された累計印字枚数が所定枚数(例えば1000枚毎)、画像形成装置200に電源が投入されたタイミング、操作パネル80を介してユーザーから所定操作を受け付けたタイミングなどを含み得る。CPU70は、所定のタイミングに到達したと判断した場合、ステップS1115の処理を実行する。
【0120】
ステップS1115にて、CPU70は、設定テーブル434に記憶されている帯電ローラー41の清掃能力(直近用いられていた帯電ローラー41の清掃条件)を読み込む。清掃能力は、例えば、帯電ローラー41に対する清掃ブラシ42の相対的な周速度、帯電ローラー41に対する清掃ブラシ42の押圧力、帯電ローラー41と清掃ブラシ42との電位差を含む。
【0121】
ステップS1120にて、CPU70は、設定テーブル434に記憶されている感光体3上の残留トナーを清掃する条件(直近用いられていた感光体3の清掃条件)を読み込む。感光体3の清掃条件は、例えば、ブレード9の感光体3に対する押圧力、および使用量テーブル433に記憶されている感光体3の使用量を含む。
【0122】
ステップS1125にて、CPU70は、実行予定のジョブ(待機中のジョブ)が入力されているか否かを判断する。CPU70は、実行予定のジョブが入力されていると判断した場合(ステップS1125でYES)、ステップS1130の処理を実行する。そうでない場合(ステップS1125でNO)、CPU70は、ステップS1135の処理を実行する。
【0123】
ステップS1130にて、CPU70は、履歴情報431に保持される所定量の画像情報と、実行予定のジョブに対応する画像情報とを読み込む。所定量の画像情報は、前回の所定のタイミングから今回の所定のタイミング(ステップS1110)にわたる期間の画像情報を含み得るステップS1135にて、CPU70は、履歴情報431に保持される所定量の画像情報を読み込む。ステップS1130およびステップS1135にて、CPU70は、制御対象の清掃ブラシ42(の色)に対応する色画像と、当該清掃ブラシ42よりも上流側に配置される作像ユニット2に対応する色画像とを読み込む。
【0124】
ステップS1140にて、CPU70は、読み込んだ画像情報に基づいて、感光体3上の残留トナー量(つまり、自色トナー量と逆転写トナー量との積算値)を算出する。一例として、CPU70は、自色(制御対象の清掃ブラシ42に対応する色)の印字率と、上流色のみの印字率とを算出する。CPU70は、それぞれの印字率に対応する係数を係数テーブル432から特定する。CPU70は、算出された印字率と特定された係数とを乗じた結果の積算値を残留トナー量として算出する。
【0125】
ステップS1142にて、CPU70は、ステップS1115で読み込んだ感光体3の清掃条件に基づいて、すり抜け率を算出する。CPU70は、算出されたすり抜け率と、残留トナー量とを乗じて、到達トナー量を算出する。
【0126】
ステップS1145にて、CPU70は、対応関係435を参照して、算出された到達トナー量に対応する清掃ブラシ42の清掃能力を特定する。
【0127】
ステップS1150にて、CPU70は、特定された清掃能力と、ステップS1115で読み込んだ清掃能力とが同じであるか否かを判断する。CPU70は、特定された清掃能力と読み込んだ清掃能力とが異なると判断した場合(ステップS1150でYES)、当該特定された清掃能力を設定テーブル434に上書き保存する(ステップS1155)。一方、CPU70は、特定された清掃能力と読み込んだ清掃能力とが同じであると判断した場合(ステップS1150でNO)、一連の処理を終了する。
【0128】
当該構成によれば、実施形態1に従う画像形成装置200は、清掃ブラシ42の清掃能力を、当該清掃ブラシ42を含む作像ユニット2に対応する印字率と、当該作像ユニット2よりも上流側に配置される作像ユニット2に対応する印字率とに基づいて、適切に調整することができる。つまり、実施形態1に従う画像形成装置200は、清掃ブラシ42の清掃対象の量(つまり、到達トナー量)が多い場合には清掃能力を高く設定し、清掃対象の量が少ない場合には清掃能力を低く設定できる。その結果、実施形態1に従う画像形成装置200は、清掃ブラシ42の清掃対象が少ない場合に清掃ブラシ42の清掃能力を高く設定することにより帯電ローラー41が傷つくこと、および、清掃ブラシ42の清掃対象が多い場合に清掃ブラシ42の清掃能力を低く設定することにより帯電ローラー41上の堆積物(外添剤)が多くなってしまうこと、を抑制できるため、画像不良を抑制できる。
【0129】
また、ユーザーは、残留トナー(に含まれる外添剤)がある程度帯電ローラー41に堆積してはじめて、帯電不良に起因する画像不良を視認できる。そこで、上記のように、画像形成装置200は、所定のタイミングで清掃ブラシ42の清掃能力を制御することにより、図11に示される処理を行なう回数を減らすことができ、当該処理を行なうことによる生産性の低下を抑制できる。
【0130】
加えて、実施形態1に従う画像形成装置200は、ステップS1130~S1135において、実行予定のジョブがある場合に、当該実行予定のジョブに対応する画像情報も考慮した上で、到達トナー量を算出し、清掃ブラシ42の清掃能力を決定するように構成されている。そのため、画像形成装置200は、実行予定のジョブの実行中に、到達トナー量が多くなって、画像不良を引き起こすことを抑制し得る。
【0131】
上記の例において、CPU70は、到達トナー量に基づいて清掃ブラシ42の清掃能力を決定するように構成されている。この到達トナー量は、残留トナー量に基づいて算出されている。換言すれば、図11に示される一連の処理は、残留トナー量に基づく清掃ブラシ42の清掃能力を決定するための処理、とも言える。
【0132】
(回収ローラー43における回収能力の制御)
清掃ブラシ42に残留トナーが堆積すると、清掃ブラシ42から帯電ローラー41に対して残留トナーが移動し得る。そのため、ある局面において、画像形成装置200は、清掃ブラシ42の清掃能力に併せて、回収ローラー43の清掃ブラシ42上の堆積物を回収する能力(回収能力)を制御する。より具体的には、画像形成装置200は、清掃ブラシ42の清掃能力が高くなるほど、回収ローラー43の回収能力を高くする。
【0133】
画像形成装置200は、回収ローラー43の回収能力を上述の清掃能力の制御方法と同様の方法で制御し得る。一例として、CPU70は、モーター455,465を制御して、清掃ブラシ42に対する回収ローラー43の相対的な周速度を調節することにより、回収ローラー43の回収能力を制御する。他の例として、CPU70は、清掃ブラシ42に対する回収ローラー43の押圧力を調節することにより、回収ローラー43の回収能力を制御する。さらに他の例として、CPU70は、電源450,460を制御して、清掃ブラシ42と回収ローラー43との間の電位差を調節することにより、回収ローラー43の回収能力を制御する。
【0134】
(最も上流に位置する清掃ブラシ42)
最も上流に位置する作像ユニット2Yに含まれる帯電ローラー41Yには、自色トナーのみが付着し得る。そのため、CPU70は、作像ユニット2Yにおける印字率(つまり、Y印字率)に基づいて、清掃ブラシ42Yの清掃能力を制御し得る。他の局面において、CPU70は、清掃ブラシ42Yの清掃能力を予め定められた所定値に維持するように構成されてもよい。
【0135】
[実施形態2]
実施形態1に従う画像形成装置200は、画像情報に基づく巨視的な残留トナー量(または到達トナー量)に基づいて、清掃ブラシの清掃能力を制御するように構成されている。実施形態2に従う画像形成装置200は、画像情報に基づく領域ごとの残留トナー量(または到達トナー量)に基づいて、清掃ブラシの清掃能力を制御するように構成される。なお、実施形態2に従う画像形成装置200のハードウェア構成は、実施形態1に従う画像形成装置200のハードウェア構成と同じであるため、その構成については繰り返し説明しない。
【0136】
ブレード9をすり抜けるトナー量(到達トナー量)は、感光体3の軸方向(主走査方向)において一定ではない。例えば、感光体3の軸方向に従う第1位置における印字率が高い場合、第1位置における残留トナー量および到達トナー量が多くなる。一方、感光体3の軸方向に従う第2位置における印字率が低い場合、第2位置における残留トナー量および到達トナー量が少なくなる。係る場合、帯電ローラー41の第1位置に堆積するトナー(外添剤)の量と、第2位置に堆積するトナー(外添剤)の量とが大きく異なる。その結果、帯電ローラー41により帯電された後の感光体3の第1位置における表面電位と、第2位置における表面電位とが大きく異なり、画像ムラを生じ得る。以下、このような画像ムラを抑制するための実施形態2に従う画像形成装置200の処理について説明する。
【0137】
実施形態2に従うCPU70は、入力された画像情報を各色の色画像に分解した後、色画像を感光体3の軸方向(主走査方向)に従い、複数の領域に分解する。図12は、色画像を感光体3の軸方向に分解する処理を説明するための図である。
【0138】
図12に示される画像において、ハッチングされている部分は、トナーが形成される画像部を表す。CPU70は、図12に示される色画像を、主走査方向に従い、n個(nは2以上の自然数)の領域L1~Lnに分解する。領域Li~領域Ljにおける印字率は100%であって、他の領域における印字率は50%である。CPU70は、各領域の残留トナー量を上述の方法に従い算出する。なお、他の局面において、CPU70は、各領域の到達トナー量を算出するように構成されてもよい。
【0139】
実施形態2に従うCPU70は、図11のステップS1130において、所定量の画像情報と、実行予定のジョブに対応する画像情報とに基づいて、領域L1~Lnの各領域の残留トナー量を算出する。また、CPU70は、ステップS1135において、所定量の画像情報に基づいて領域L1~Lnの各々の残留トナー量を算出する。以下、各領域L1~Lnの残留トナー量に基づいて清掃ブラシ42の清掃能力を制御する処理の例を説明する。
【0140】
(第1の処理)
ある局面において、CPU70は、各領域L1~Lnの残留トナー量のうち少なくとも1の領域の残留トナー量が、第1の値を超えた場合に、清掃ブラシ42の清掃能力を図11のステップS1115で読み込んだ清掃能力よりも高く設定する。
【0141】
当該構成によれば、実施形態2に従う画像形成装置200は、帯電ローラー41の各領域上に堆積されるトナー(外添剤)量を、第1の値で規定される量以下に抑えることができる。その結果、画像形成装置200は、帯電ローラー41における局所的な帯電不良を抑制できるため、画像不良を抑制し得る。実施形態1に従う画像形成装置200は、各領域L1~Lnの残留トナー量の積算値に基づく制御を行なっているため、場合によっては、帯電ローラー41における局所的な帯電不良を抑制できない場合がある。
【0142】
(第2の処理)
ある局面において、CPU70は、各領域L1~Lnの残留トナー量のうち最大値と最小値との差分が第2の値を超えた場合に、清掃ブラシ42の清掃能力を図11のステップS1115で読み込んだ清掃能力よりも高く設定する。
【0143】
上述のように、各領域L1~Lnの残留トナー量の最大値と最小値との差分が大きくなると、感光体3の回転軸方向における表面電位のムラが大きくなる。感光体3の回転軸方向における表面電位の差分が大きくなると、画像ムラが生じる。
【0144】
そこで、実施形態2に従う画像形成装置200は、各領域L1~Lnの残留トナー量のうち最大値と最小値との差分を第2の値以下に抑えることによって、ユーザーが視認し得る画像ムラを抑制し得る。
【0145】
(第3の処理)
ある局面において、CPU70は、複数の領域L1~Lnのうち、隣接する2領域の各々の残留トナー量の差分が第3の値を超えた場合に、清掃ブラシ42の清掃能力を図11のステップS1115で読み込んだ清掃能力よりも高く設定する。図12に示される例において、領域L2に隣接する領域は、領域L1と領域L3である。なお、第2の値と第3の値とは同じ値に設定されてもよい。
【0146】
上述の第2の処理において、印字された画像の離れた2点の位置におけるトナー濃度が異なる場合、ユーザーは、この2点間のトナー濃度ムラ(画像ムラ)を視認しにくい。
【0147】
そこで、実施形態2に従う画像形成装置200は、隣接する領域の残留トナー量の差分を第3の値以下に抑えることによって、ユーザーが視認し得る画像ムラを抑制し得る。
【0148】
(小括)
実施形態2に従う画像形成装置200は、主走査方向に従う複数の領域ごとに算出される残留トナー量に基づいて、清掃ブラシ42の清掃能力を制御するように構成されている。これにより、画像形成装置200は、感光体3における局所的な帯電不良、および、感光体3における帯電ムラを抑制できるため、良好な画像を得ることができる。言い換えれば、画像形成装置200は、印字される画像パターンに起因する画像ムラを抑制できる。
【0149】
画像形成装置200は、上記の第1~第3の処理を適宜組み合わせて実行してもよい。また、画像形成装置200は、実施形態1で説明した処理と実施形態2で説明した処理とを適宜組み合わせて実行してもよい。
【0150】
上記において、CPU70は、複数の作像ユニット2のうち少なくとも所定の作像ユニット2に含まれる清掃ブラシ42の清掃能力を制御するための制御装置として機能する。CPU70は、複数の作像ユニット2のうち、所定の作像ユニット2よりも上流側に配置される1以上の作像ユニット2のうち少なくとも1の作像ユニット2における印字率と、所定の作像ユニット2における印字率とに基づいて、所定の作像ユニット2に含まれる清掃ブラシ42の清掃能力を制御する。
【0151】
上記説明した各種の処理は、1つのCPU70によって実現されるものとしてあるが、これに限られない。これらの各種機能は、少なくとも1つのプロセッサのような半導体集積回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのDSP(Digital Signal Processor)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、および/またはその他の演算機能を有する回路によって実装され得る。
【0152】
これらの回路は、有形の読取可能な少なくとも1つの媒体から、1以上の命令を読み出すことにより上記の各種処理を実行しうる。
【0153】
このような媒体は、磁気媒体(たとえば、ハードディスク)、光学媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、DVD)、揮発性メモリー、不揮発性メモリーの任意のタイプのメモリーなどの形態をとるが、これらの形態に限定されるものではない。
【0154】
揮発性メモリーはDRAM(Dynamic Random Access Memory)およびSRAM(Static Random Access Memory)を含み得る。不揮発性メモリーは、ROM、NVRAMを含み得る。
【0155】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0156】
1 中間転写ベルト、2,2C,2K,2M,2Y 作像ユニット、3,3C,3K,3M,3Y 感光体、4 帯電装置、5 露光装置、6 現像装置、6R 現像ローラー、7 1次転写ローラー、8 潤滑剤供給部材、9,44 ブレード、10 中間転写ベルト駆動ローラー、11 2次転写ローラー、41,41C,41K,41M,41Y 帯電ローラー、42,42C,42K,42M,42Y 清掃ブラシ、43 回収ローラー、70 CPU、80 操作パネル、200 画像形成装置、420 ROM、422 制御プログラム、430 記憶装置、431 履歴情報、432 係数テーブル、433 使用量テーブル、434 設定テーブル、435 対応関係、440,450,460 電源、445,455,465 モーター、470 環境センサー、510,520,530,540,550 位置、515,525,535,545,555 トナー像、700 偏心シャフト。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12