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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】車両用電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220208BHJP
   B60L 53/00 20190101ALI20220208BHJP
【FI】
H02J7/00 P
B60L53/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018068349
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2019180156
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2021-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】特許業務法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 友晴
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-216830(JP,A)
【文献】特開2015-159633(JP,A)
【文献】国際公開第2011/099116(WO,A1)
【文献】特開2014-143817(JP,A)
【文献】国際公開第2012/169023(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0072179(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に備えられた直流電源の充電口を介して車両外部の電源から車両内部の電源へ電力を供給する車両用電源装置であって、
前記直流電源の充電口の正極と負極との間に接続されるキャパシタと、
前記車両内部の電源と接続される電装負荷と、
前記車両内部の電源の正極と前記キャパシタとの接続経路を開閉する第一スイッチと、
前記車両内部の電源の正極と前記直流電源の充電口の正極との接続経路を開閉する第二スイッチと、
前記車両内部の電源の負極と前記キャパシタとの接続経路を開閉する第三スイッチと、
前記車両内部の電源の負極と前記直流電源の充電口の負極との接続経路を開閉する第四スイッチと、
前記第一スイッチと前記電装負荷との接続経路を開閉する第五スイッチと、
前記第三スイッチと前記電装負荷との接続経路を開閉する第六スイッチと、を備え、
前記第一スイッチと前記第五スイッチは前記第二スイッチに対して並列に接続され、
前記第三スイッチと前記第六スイッチは前記第四スイッチに対して並列に接続され、
前記キャパシタの一端は前記第一スイッチと前記第五スイッチとの接続経路に接続され、
前記キャパシタの他端は前記第三スイッチと前記第六スイッチとの接続経路に接続される車両用電源装置。
【請求項2】
前記直流電源の充電口の正極から前記電装負荷の方向に電流を流す第一ダイオードと、
前記電装負荷から前記直流電源の充電口の負極の方向に電流を流す第二ダイオードと、を備え、
前記第一ダイオードは前記直流電源の充電口の正極と前記電装負荷との接続経路に接続され、前記第二ダイオードは前記直流電源の充電口の負極と前記電装負荷との接続経路に接続される請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記第一スイッチと前記第二スイッチと前記第三スイッチと前記第四スイッチと前記第五スイッチと前記第六スイッチの開閉を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記車両外部の電源から前記直流電源の充電口を介して前記車両内部の電源を充電する際に、前記第一スイッチと前記第三スイッチと前記第五スイッチと前記第六スイッチを開状態とし、前記第二スイッチと前記第四スイッチを閉状態とする請求項1または請求項2に記載の車両用電源装置。
【請求項4】
前記第二スイッチと前記電装負荷との接続経路を開閉する第七スイッチと、
前記第四スイッチと前記電装負荷との接続経路を開閉する第八スイッチと、を備え、
前記第二スイッチと前記第七スイッチは前記第一スイッチと前記第五スイッチに対して並列に接続され、
前記第四スイッチと前記第八スイッチは前記第三スイッチと前記第六スイッチに対して並列に接続される請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項5】
前記第一スイッチと前記第二スイッチと前記第三スイッチと前記第四スイッチと前記第五スイッチと前記第六スイッチと前記第七スイッチと前記第八スイッチの開閉を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記車両外部の電源から前記直流電源の充電口を介して前記車両内部の電源を充電する際に、前記第一スイッチと前記第三スイッチと前記第五スイッチと前記第六スイッチを開状態とし、前記第二スイッチと前記第四スイッチと前記第七スイッチと前記第八スイッチを閉状態とする請求項4に記載の車両用電源装置。
【請求項6】
車両に備えられた直流電源の充電口を介して車両外部の電源から車両内部の電源へ電力を供給する車両用電源装置であって、
前記直流電源の充電口の正極と負極との間に接続されるキャパシタと、
前記車両内部の電源と接続される電装負荷と、
前記車両内部の電源の正極と前記キャパシタとの接続経路を開閉する第一スイッチと、
前記車両内部の電源の正極と前記直流電源の充電口の正極との接続経路を開閉する第二スイッチと、
前記車両内部の電源の負極と前記キャパシタとの接続経路を開閉する第三スイッチと、
前記車両内部の電源の負極と前記直流電源の充電口の負極との接続経路を開閉する第四スイッチと、
前記第一スイッチと前記電装負荷を接続する第一接続状態と、前記第二スイッチと前記電装負荷を接続する第二接続状態とを切替える第一切替スイッチと、
前記第三スイッチと前記電装負荷を接続する第三接続状態と、前記第四スイッチと前記電装負荷を接続する第四接続状態とを切替える第二切替スイッチと、を備え、
前記キャパシタの一端は前記第一スイッチと前記第一切替スイッチとの接続経路に接続され、
前記キャパシタの他端は前記第三スイッチと前記第二切替スイッチとの接続経路に接続される車両用電源装置。
【請求項7】
前記第一スイッチと前記第二スイッチと前記第三スイッチと前記第四スイッチの開閉と、前記第一切替スイッチと前記第二切替スイッチの接続状態と、を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記車両外部の電源から前記直流電源の充電口を介して前記車両内部の電源を充電する際に、前記第一スイッチと前記第三スイッチを開状態とし、前記第二スイッチと前記第四スイッチを閉状態とし、前記第一切替スイッチを前記第二接続状態とし、前記第二切替スイッチを前記第四接続状態とする請求項6に記載の車両用電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載回路に混入するノイズを低減可能なインバータ装置が知られている。特許文献1では、直流電源からインバータに供給される電力に含まれるノイズを低減する為に、コンデンサを含むノイズ低減の回路を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-184328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両外部に設置された充電設備の電源から充電口を介して車両内部の電源に充電する場合に、充電経路上にノイズ低減回路が設置されていると、その回路中のキャパシタへ蓄電される。万が一キャパシタから充電口及び充電設備までの経路上で地絡すると、キャパシタに蓄積された電荷がキャパシタから放電する可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、車両内部の電源と直流電源の充電口との接続経路上に設置されたキャパシタが放電することを防止することができる車両用電源装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明は、車両に備えられた直流電源の充電口を介して車両外部の電源から車両内部の電源へ電力を供給する車両用電源装置であって、前記直流電源の充電口の正極と負極との間に接続されるキャパシタと、前記車両内部の電源と接続される電装負荷と、前記車両内部の電源の正極と前記キャパシタとの接続経路を開閉する第一スイッチと、前記車両内部の電源の正極と前記直流電源の充電口の正極との接続経路を開閉する第二スイッチと、前記車両内部の電源の負極と前記キャパシタとの接続経路を開閉する第三スイッチと、前記車両内部の電源の負極と前記直流電源の充電口の負極との接続経路を開閉する第四スイッチと、前記第一スイッチと前記電装負荷との接続経路を開閉する第五スイッチと、前記第三スイッチと前記電装負荷との接続経路を開閉する第六スイッチと、を備え、前記第一スイッチと前記第五スイッチは前記第二スイッチに対して並列に接続され、前記第三スイッチと前記第六スイッチは前記第四スイッチに対して並列に接続され、前記キャパシタの一端は前記第一スイッチと前記第五スイッチとの接続経路に接続され、前記キャパシタの他端は前記第三スイッチと前記第六スイッチとの接続経路に接続されるものである。
【発明の効果】
【0007】
このように、本発明によれば、車両内部の電源と直流電源の充電口との接続経路上に設置されたキャパシタが放電することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施例に係る車両用電源装置のブロック図である。
図2図2は、本発明の一実施例に係る車両用電源装置の回路図である。
図3図3は、本発明の一実施例に係る車両用電源装置のスイッチの変化を示すタイムチャートである。
図4図4は、本発明の一実施例の第1の他の態様に係る車両用電源装置の回路図である。
図5図5は、本発明の一実施例の第2の他の態様に係る車両用電源装置の回路図である。
図6図6は、本発明の一実施例の第2の他の態様に係る車両用電源装置のスイッチの変化を示すタイムチャートである。
図7図7は、本発明の一実施例の第3の他の態様に係る車両用電源装置の回路図である。
図8図8は、本発明の一実施例の第3の他の態様に係る車両用電源装置のスイッチの変化を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態に係る車両用電源装置は、車両に備えられた直流電源の充電口を介して車両外部の電源から車両内部の電源へ電力を供給する車両用電源装置であって、直流電源の充電口の正極と負極との間に接続されるキャパシタと、車両内部の電源と接続される電装負荷と、車両内部の電源の正極とキャパシタとの接続経路を開閉する第一スイッチと、車両内部の電源の正極と直流電源の充電口の正極との接続経路を開閉する第二スイッチと、車両内部の電源の負極とキャパシタとの接続経路を開閉する第三スイッチと、車両内部の電源の負極と直流電源の充電口の負極との接続経路を開閉する第四スイッチと、第一スイッチと電装負荷との接続経路を開閉する第五スイッチと、第三スイッチと電装負荷との接続経路を開閉する第六スイッチと、を備え、第一スイッチと第五スイッチは第二スイッチに対して並列に接続され、第三スイッチと第六スイッチは第四スイッチに対して並列に接続され、キャパシタの一端は第一スイッチと第五スイッチとの接続経路に接続され、キャパシタの他端は第三スイッチと第六スイッチとの接続経路に接続されるよう構成されている。
【0010】
これにより、車両内部の電源と直流電源の充電口との接続経路上に設置されたキャパシタが放電することを防止することができる。
【実施例
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る車両用電源装置について詳細に説明する。
【0012】
図1において、本発明の一実施例に係る車両用電源装置を搭載した車両1は、モータ2と、インバータ3と、電装負荷4と、バッテリパック5と、制御部6と、を含んで構成される。
【0013】
モータ2は、例えば、複数の永久磁石が埋め込まれたロータと、ステータコイルが巻きつけられたステータと、を備えた同期型モータで構成される。モータ2は、ステータコイルに三相交流電圧が印加されることでステータに回転磁界が形成され、この回転磁界によりロータが回転して駆動力を生成する。
【0014】
インバータ3は、制御部6の制御により三相交流電圧をモータ2に供給する。インバータ3は、制御部6から入力されるトルク指令値に基づいて三相交流電圧を生成してモータ2に出力する。
【0015】
電装負荷4は、車両1に搭載され、バッテリパック5から供給される電力で動作する各種の装置からなり、例えば、オーディオ装置、ナビゲーション装置、空調装置、計器類の表示装置及びヘッドランプなどの照明装置を含む。
【0016】
バッテリパック5は、インバータ3や電装負荷4などに電力を供給する。バッテリパック5は、例えば、ニッケル蓄電池やリチウム蓄電池等からなる電源としてのバッテリ51(図2参照)を備えている。
【0017】
バッテリパック5には、インバータ3や電装負荷4が並列に接続されている。バッテリパック5には、インバータ3や電装負荷4と並列に、充電器7が接続されている。充電器7は、交流電源の充電口としての普通充電口8に供給される交流の電力を直流の電力に変換する。
【0018】
バッテリパック5には、車両1外部に設置された充電設備の直流電源10の充電コネクタが接続されることにより、直流電源10から供給された電力によりバッテリ51(図2参照)を充電する、直流電源10の充電口としての急速充電口9が設けられている。急速充電口9は、直流電源10の充電コネクタが接続されているか否かを検出して、制御部6に通知するようになっている。
【0019】
バッテリパック5には、バッテリ51(図2参照)の電圧を検出する不図示の電圧センサ、バッテリ51の温度を検出する不図示の温度センサ、バッテリ51の充電電流及び放電電流を検出する不図示の電流センサなどが設けられている。
【0020】
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0021】
制御部6のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットを制御部6として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、制御部6として機能する。
【0022】
制御部6の入力ポートには、上述の急速充電口9と、電圧センサと、温度センサと、電流センサとを含む各種センサ類が接続されている。一方、制御部6の出力ポートには、インバータ3と、電装負荷4と、バッテリパック5とを含む各種制御対象類が接続されている。
【0023】
図2において、インバータ3には、インバータ3に供給される電力に含まれるノイズを低減するために、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33を含むノイズ低減回路が設けられている。
【0024】
バッテリ51の正極とインバータ3との接続経路には、この接続経路を開閉する第一スイッチ11が接続されている。バッテリ51の正極と急速充電口9の正極との接続経路には、この接続経路を開閉する第二スイッチ12が接続されている。
【0025】
バッテリ51の負極とインバータ3との接続経路には、この接続経路を開閉する第三スイッチ13が接続されている。バッテリ51の負極と急速充電口9の負極との接続経路には、この接続経路を開閉する第四スイッチ14が接続されている。
【0026】
第一スイッチ11と電装負荷4との接続経路には、この接続経路を開閉する第五スイッチ15が接続されている。第三スイッチ13と電装負荷4との接続経路には、この接続経路を開閉する第六スイッチ16が接続されている。
【0027】
第一スイッチ11と第五スイッチ15は、第二スイッチ12に対して並列に接続されている。第三スイッチ13と第六スイッチ16は、第四スイッチ14に対して並列に接続されている。
【0028】
インバータ3の一端は、第一スイッチ11と第五スイッチ15との接続経路に接続されている。インバータ3の他端は、第三スイッチ13と第六スイッチ16との接続経路に接続されている。
【0029】
充電器7の正極は、第五スイッチ15と電装負荷4との間に接続され、充電器7の負極は、第六スイッチ16と電装負荷4との間に接続されている。
【0030】
第一スイッチ11、第二スイッチ12、第三スイッチ13、第四スイッチ14、第五スイッチ15、第六スイッチ16は、制御部6によりオン(閉状態)オフ(開状態)される。
【0031】
制御部6は、急速充電口9に車両1外部の直流電源10の充電コネクタが接続されたことを検出すると、第一スイッチ11と第三スイッチ13と第五スイッチ15と第六スイッチ16を開状態とする。
【0032】
制御部6は、急速充電口9に車両1外部の直流電源10の充電コネクタが接続されたことを検出すると、第二スイッチ12と第四スイッチ14を閉状態とする。
【0033】
このようにすることで、急速充電口9からの充電中に、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33を充電経路から切り離すことができ、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33から放電することを防止することができる。キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33からの放電を防止することにより、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33から車両1の急速充電口9及び直流電源10の充電設備までの経路上での漏電を防止することができる。
【0034】
また、急速充電口9からの充電中に、電装負荷4へ電力を供給することができ、エアコンやヒーター等の電装品を使用しながら充電を行なえる。
【0035】
以上のように構成された本実施例に係る車両用電源装置による動作について図3を参照して説明する。
【0036】
図3において、時刻t1でイグニッションスイッチがオフされると、第一スイッチ11と第三スイッチ13と第五スイッチ15と第六スイッチ16がオフされる。
【0037】
時刻t2において、車両1外部の直流電源10の充電コネクタが急速充電口9に接続され、充電開始の操作が完了すると、給電状態がオンにされる。
【0038】
給電状態がオンにされると、時刻t3において、第二スイッチ12と第四スイッチ14がオンされる。
【0039】
時刻t4において、充電が完了すると、給電状態がオフにされる。給電状態がオフにされると、時刻t5において、充電経路のスイッチが全てオフされる。
【0040】
時刻t6において、イグニッションスイッチがオンされると、第一スイッチ11と第三スイッチ13と第五スイッチ15と第六スイッチ16がオンされ、バッテリ51からインバータ3、電装負荷4へ電力が供給される。
【0041】
本実施例の第1の他の態様としては、図4に示すように急速充電口9の正極から電装負荷4の方向に電流を流す第一ダイオード21と、電装負荷4から急速充電口9の負極の方向に電流を流す第二ダイオード22と、を備えるようにする。
【0042】
第一ダイオード21は、急速充電口9の正極と電装負荷4との接続経路に接続されている。第二ダイオード22は、急速充電口9の負極と電装負荷4との接続経路に接続されている。
【0043】
制御部6は、上述の実施例と同様に、急速充電口9に車両1外部の直流電源10の充電コネクタが接続されたことを検出すると、第一スイッチ11と第三スイッチ13と第五スイッチ15と第六スイッチ16を開状態とする。
【0044】
制御部6は、急速充電口9に車両1外部の直流電源10の充電コネクタが接続されたことを検出すると、第二スイッチ12と第四スイッチ14を閉状態とする。
【0045】
このように、第一ダイオード21と第二ダイオード22を設けることで、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33からの逆流を防止することができる。
【0046】
以上のように構成された、本第1の他の態様に係る車両用電源装置による動作については、図3と同様の動作となる。
【0047】
本実施例の第2の他の態様としては、図5に示すように第二スイッチ12と電装負荷4との接続経路を開閉する第七スイッチ17と、第四スイッチ14と電装負荷4との接続経路を開閉する第八スイッチ18と、を備えるようにする。
【0048】
第二スイッチ12と第七スイッチ17は、第一スイッチ11と第五スイッチ15に対して並列に接続されている。第四スイッチ14と第八スイッチ18は、第三スイッチ13と第六スイッチ16に対して並列に接続されている。
【0049】
第七スイッチ17、第八スイッチ18は、制御部6によりオン(閉状態)オフ(開状態)される。
【0050】
制御部6は、急速充電口9に車両1外部の直流電源10の充電コネクタが接続されたことを検出すると、第一スイッチ11と第三スイッチ13と第五スイッチ15と第六スイッチ16を開状態とする。
【0051】
制御部6は、急速充電口9に車両1外部の直流電源10の充電コネクタが接続されたことを検出すると、第二スイッチ12と第四スイッチ14と第七スイッチ17と第八スイッチ18を閉状態とする。
【0052】
このようにすることで、急速充電口9からの充電中に、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33を充電経路から切り離すことができ、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33から放電することを防止することができる。キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33からの放電を防止することにより、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33から車両1の急速充電口9及び直流電源10の充電設備までの経路上での漏電を防止することができる。
【0053】
また、急速充電口9からの充電中以外の場合にも、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33から放電することを防止することができる。このため、ドライバーが急速充電口9と車両1外部の充電設備の直流電源10との接続または切断操作を行なう過程において、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33から車両1の急速充電口9及び直流電源10の充電設備までの経路上での漏電を防止することができる。
【0054】
また、急速充電口9からの充電中に、電装負荷4へ電力を供給することができ、エアコンやヒーター等の電装品を使用しながら充電を行なえる。
【0055】
以上のように構成された、本第2の他の態様に係る車両用電源装置による動作について図6を参照して説明する。
【0056】
図6において、時刻t1でイグニッションスイッチがオフされると、第一スイッチ11と第三スイッチ13と第五スイッチ15と第六スイッチ16がオフされる。
【0057】
時刻t2において、車両1外部の直流電源10の充電コネクタが急速充電口9に接続され、充電開始の操作が完了すると、給電状態がオンにされる。
【0058】
給電状態がオンにされると、時刻t3において、第二スイッチ12と第四スイッチ14と第七スイッチ17と第八スイッチ18がオンされる。
【0059】
時刻t4において、充電が完了すると、給電状態がオフにされる。給電状態がオフにされると、時刻t5において、充電経路のスイッチが全てオフされる。
【0060】
時刻t6において、イグニッションスイッチがオンされると、第一スイッチ11と第三スイッチ13と第五スイッチ15と第六スイッチ16がオンされ、バッテリ51からインバータ3、電装負荷4へ電力が供給される。
【0061】
本実施例の第3の他の態様としては、図7に示すように第一スイッチ11と電装負荷4を接続する第一接続状態と、第二スイッチ12と電装負荷4を接続する第二接続状態とを切替える第一切替スイッチ41と、第三スイッチ13と電装負荷4を接続する第三接続状態と、第四スイッチ14と電装負荷4を接続する第四接続状態とを切替える第二切替スイッチ42と、を備えるようにする。
【0062】
第一切替スイッチ41、第二切替スイッチ42は、制御部6により接続状態を切替えられる。
【0063】
制御部6は、急速充電口9に車両1外部の直流電源10の充電コネクタが接続されたことを検出すると、第一スイッチ11と第三スイッチ13を開状態とする。
【0064】
制御部6は、急速充電口9に車両1外部の直流電源10の充電コネクタが接続されたことを検出すると、第二スイッチ12と第四スイッチ14を閉状態とする。
【0065】
制御部6は、急速充電口9に車両1外部の直流電源10の充電コネクタが接続されたことを検出すると、第一切替スイッチ41を第二接続状態とし、第二切替スイッチ42を第四接続状態とする。
【0066】
このようにすることで、急速充電口9からの充電中に、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33を充電経路から切り離すことができ、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33から放電することを防止することができる。キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33からの放電を防止することにより、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33から車両1の急速充電口9及び直流電源10の充電設備までの経路上での漏電を防止することができる。
【0067】
また、急速充電口9からの充電中以外の場合にも、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33から放電することを防止することができる。このため、ドライバーが急速充電口9と車両1外部の充電設備の直流電源10との接続または切断操作を行なう過程において、キャパシタ31、キャパシタ32、キャパシタ33から車両1の急速充電口9及び直流電源10の充電設備までの経路上での漏電を防止することができる。
【0068】
また、急速充電口9からの充電中に、電装負荷4へ電力を供給することができ、エアコンやヒーター等の電装品を使用しながら充電を行なえる。
【0069】
以上のように構成された、本第3の他の態様に係る車両用電源装置による動作について図8を参照して説明する。
【0070】
図8において、時刻t1でイグニッションスイッチがオフされると、第一スイッチ11と第三スイッチ13がオフされ、第一切替スイッチ41が第二接続状態とされ、第二切替スイッチ42が第四接続状態とされる。
【0071】
時刻t2において、車両1外部の直流電源10の充電コネクタが急速充電口9に接続され、充電開始の操作が完了すると、給電状態がオンにされる。
【0072】
給電状態がオンにされると、時刻t3において、第二スイッチ12と第四スイッチ14がオンされる。
【0073】
時刻t4において、充電が完了すると、給電状態がオフにされる。給電状態がオフにされると、時刻t5において、充電経路のスイッチが全てオフされる。
【0074】
時刻t6において、イグニッションスイッチがオンされると、第一スイッチ11と第三スイッチ13がオンされ、第一切替スイッチ41が第一接続状態とされ、第二切替スイッチ42が第三接続状態とされ、バッテリ51からインバータ3、電装負荷4へ電力が供給される。
【0075】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0076】
1 車両
4 電装負荷
6 制御部
7 充電器
8 普通充電口(交流電源の充電口)
9 急速充電口(直流電源の充電口)
10 直流電源
11 第一スイッチ
12 第二スイッチ
13 第三スイッチ
14 第四スイッチ
15 第五スイッチ
16 第六スイッチ
17 第七スイッチ
18 第八スイッチ
21 第一ダイオード
22 第二ダイオード
31、32、33 キャパシタ
41 第一切替スイッチ
42 第二切替スイッチ
51 バッテリ(電源)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8