(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】燃料電池用セパレータ及び燃料電池用セパレータの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/0228 20160101AFI20220208BHJP
H01M 8/0206 20160101ALI20220208BHJP
H01M 8/0221 20160101ALI20220208BHJP
H01M 8/0223 20160101ALI20220208BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20220208BHJP
【FI】
H01M8/0228
H01M8/0206
H01M8/0221
H01M8/0223
H01M8/10 101
(21)【出願番号】P 2018098726
(22)【出願日】2018-05-23
【審査請求日】2020-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】両角 英一郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆之
(72)【発明者】
【氏名】羽柴 美智
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/038165(WO,A1)
【文献】特開2000-173631(JP,A)
【文献】特開2012-227036(JP,A)
【文献】国際公開第2014/010491(WO,A1)
【文献】特開2018-056048(JP,A)
【文献】国際公開第2016/042961(WO,A1)
【文献】特表2007-505100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/0228
H01M 8/0206
H01M 8/0221
H01M 8/0223
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板材からなり、それぞれ延在する凸部及び凹部が交互に設けられた基材と、
耐食性
及び潤滑性を有する熱硬化性樹脂材料からなり、前記基材の一方の面全体に設けられた第1層と、
導電性粒子及び樹脂材料製の結合材を含み、前記第1層の表面のうち前記基材の前記凸部における頂面に対応する部分にのみ設けられた第2層と、を備え、
前記導電性粒子は第2層にのみ含まれている、
燃料電池用セパレータ。
【請求項2】
グラファイト粒子及び樹脂材料製の結合材を含み、前記第2層の表面にのみ設けられた第3層を備える、
請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
【請求項3】
金属板材からなる基材をプレス加工することにより、それぞれ延在する凸部及び凹部を前記基材に交互に形成する燃料電池用セパレータの製造方法であって、
前記基材をプレスすることにより前記凸部及び前記凹部を形成するプレス工程と、
前記基材の一方の面全体に耐食性
及び潤滑性を有する熱硬化性樹脂材料からなる第1層を形成する第1層形成工程と、
前記第1層の表面のうち前記基材の前記凸部における頂面に対応する部分にのみ、導電性粒子及び樹脂材料製の結合材を含む第2層を形成する第2層形成工程と、を備え、
前記導電性粒子は第2層にのみ含まれている、
燃料電池用セパレータの製造方法。
【請求項4】
前記第2層の表面にのみグラファイト粒子及び樹脂材料製の結合材を含む第3層を形成する第3層形成工程を備える、
請求項3に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
【請求項5】
前記プレス工程に先立ち、前記第1層形成工程を行う、
請求項3または請求項4に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用セパレータ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体高分子形燃料電池は、炭素繊維からなるガス拡散層が両面に設けられた膜電極接合体を、凹凸形状を有する一対のセパレータにより挟持してなる単セルを備えている。各セパレータと各ガス拡散層との間には、燃料ガスや酸化ガスが供給されるガス流路が形成されている。こうしたセパレータの基材におけるガス拡散層に対向する面には、耐食性及び導電性を有する塗膜が形成されており、セパレータの耐食性の向上及びセパレータとガス拡散層との接触抵抗の低減が図られている(例えば、特許文献1参照)。同文献1に記載のセパレータにおいては、基材の表面全体に第1導電性粒子及び樹脂材からなる第1層が形成されており、基材の凸部の頂面にのみ第2導電性粒子からなる第2層が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のセパレータでは、第1導電性粒子及び樹脂材からなる第1層が基材の表面全体に設けられている。この場合、第1層の表面のうち第2層が設けられていない部分には、以下の不都合が生じるおそれがある。すなわち、樹脂材の膜厚が小さい場合には、第1導電性粒子の一部が樹脂材から露出しやすく、第1導電性粒子の露出した部分が腐食することで第1層に欠陥が生じ、基材が腐食するおそれがある。また、樹脂材の膜厚が大きい場合には、余剰の樹脂材によってバリが生じてガス流路が狭められたり、セパレータの厚みが増大することで燃料電池スタック全体の厚みが増大したりするおそれがある。こうした不都合は燃料電池の性能低下に繋がるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、燃料電池の性能低下を抑制することができる燃料電池用セパレータ及び燃料電池用セパレータの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための燃料電池用セパレータは、金属板材からなり、それぞれ延在する凸部及び凹部が交互に設けられた基材と、耐食性及び潤滑性を有する熱硬化性樹脂材料からなり、前記基材の一方の面全体に設けられた第1層と、導電性粒子及び樹脂材料製の結合材を含み、前記第1層の表面のうち前記基材の前記凸部における頂面に対応する部分にのみ設けられた第2層と、を備え、前記導電性粒子は第2層にのみ含まれている。
【0007】
同構成によれば、基材の一方の面全体に耐食性及び潤滑性を有する熱硬化性樹脂材料からなる第1層が設けられているため、同一方の面をガス拡散層に対向するようにセパレータを配置すれば、基材の一方の面がガス流路に露出しない。また、第1層には導電性粒子が含まれていない。これにより、基材の表面からの金属イオンの溶出を抑制することができる。
【0008】
また、第1層の表面のうちガス拡散層に接触する凸部の頂面に対応する部分に、上記第2層が設けられている。第2層には導電性粒子が含まれているため、導電性粒子を介してセパレータとガス拡散層との接触抵抗を低減することができる。
【0009】
したがって、燃料電池の性能低下を抑制することができる。
上記燃料電池用セパレータにおいて、グラファイト粒子及び樹脂材料製の結合材を含み、前記第2層の表面にのみ設けられた第3層を備えることが好ましい。
【0010】
同構成によれば、第2層の表面にのみ、グラファイト粒子を含有する第3層が設けられている。このため、第2層の導電性粒子と第3層のグラファイト粒子とが接触することで、基材、第1層、第2層、及び第3層を介してガス拡散層に連なる導電経路が形成されやすくなる。また、グラファイト粒子と炭素繊維からなるガス拡散層とは、同質の炭素系材料からなるため、第3層とガス拡散層との間の接触抵抗の増大を抑制することができる。
【0011】
また、上記目的を達成するための燃料電池用セパレータの製造方法は、金属板材からなる基材をプレス加工することにより、それぞれ延在する凸部及び凹部を前記基材に交互に形成する燃料電池用セパレータの製造方法であって、前記基材をプレスすることにより前記凸部及び前記凹部を形成するプレス工程と、前記基材の一方の面全体に耐食性及び潤滑性を有する熱硬化性樹脂材料からなる第1層を形成する第1層形成工程と、前記第1層の表面のうち前記基材の前記凸部における頂面に対応する部分にのみ、導電性粒子及び樹脂材料製の結合材を含む第2層を形成する第2層形成工程と、を備え、前記導電性粒子は第2層にのみ含まれている。
【0012】
上記燃料電池用セパレータの製造方法において、前記第2層の表面にのみグラファイト粒子及び樹脂材料製の結合材を含む第3層を形成する第3層形成工程を備えることが好ましい。
【0013】
これらの方法によれば、上記燃料電池用セパレータの各々による作用効果に準じた作用効果を奏することができる。
上記燃料電池用セパレータの製造方法において、前記プレス工程に先立ち、前記第1層形成工程を行うことが好ましい。
【0014】
同方法によれば、プレス工程において、一方の面に第1層が形成された基材がプレス加工される。このとき、潤滑性材料からなる第1層が成形型と基材との間に介在することとなるため、基材のプレス加工時における摩擦抵抗が低減される。したがって、プレス工程における潤滑油の使用量を低減、または潤滑油を不要とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、燃料電池の性能低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】燃料電池用セパレータの一実施形態について、セパレータを有する単セルを中心とした燃料電池スタックの拡大断面図。
【
図2】同実施形態の燃料電池用セパレータの構造を示す断面図。
【
図3】同実施形態の第1層形成工程後の基材を示す断面図。
【
図4】同実施形態のプレス工程後の基材を示す断面図。
【
図5】同実施形態の第2層形成工程及び第3層形成工程を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、
図1~
図5を参照して、一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池用セパレータは、固体高分子形燃料電池のスタック100に用いられるものである。なお、セパレータ20は、後述する一対のセパレータ21,22の総称である。
【0018】
スタック100は、複数の単セル10が積層された構造を有している。単セル10は、凹凸形状を有する一対のセパレータ21,22により挟持された膜電極接合体11と、膜電極接合体11と各セパレータ21,22との間に介設された炭素繊維からなるガス拡散層14とを備えている。膜電極接合体11は、イオン交換膜である電解質膜12と、電解質膜12を挟持する一対の触媒電極層13とを備えている。
【0019】
一方のセパレータ21には、第1凸部21a及び第1凹部21bが交互に並設されている。また、他方のセパレータ22には、第2凸部22a及び第2凹部22bが交互に並設されている。なお、
図1においては、各凸部21a,22a及び各凹部21b,22bは、同図の紙面に直交する方向に沿ってそれぞれ延在している。各セパレータ21,22の各凸部21a,22aの頂面は、ガス拡散層14に対向している。膜電極接合体11を挟持する一対のセパレータ20のうち、一方のセパレータ21の第1凹部21bとガス拡散層14とで区画される部分は、水素などの燃料ガスが流通されるガス流路とされている。他方のセパレータ22の第2凹部22bとガス拡散層14とで区画される部分は、空気などの酸化ガスが流通されるガス流路とされている。
【0020】
また、一方のセパレータ21における第1凹部21bの底部と、同セパレータ21に隣り合う他方のセパレータ22の第2凹部22bの底部とは当接されている。一方のセパレータ21の第1凸部21aの裏面と、他方のセパレータ22における第2凸部22aとで区画される部分は、冷却水が流通する冷却流路とされている。
【0021】
図2に示すように、セパレータ20は、例えば、ステンレス鋼などの金属板材からなり、凸部31及び凹部32が交互に設けられた基材を有している。凸部31は、一対のセパレータ21,21の凸部21a,22aに対応している。また、凹部32は、一対のセパレータ21,22の凹部21b,22bに対応している。基材30の一方の面(同図の上面)全体には第1層40が設けられており、第1層40の表面のうち凸部31の頂面に対応する部分には導電層60が設けられている。
【0022】
第1層40は、例えば、耐食性及び潤滑性を有する熱硬化性樹脂材料からなる薄膜層である。なお、本実施形態の第1層40は、フェノール樹脂であり、その厚さは、例えば1μmである。
【0023】
導電層60は、第1層40の表面に設けられた第2層50と、第2層50上に設けられた第3層55とからなる。なお、本実施形態の導電層60の厚さは、例えば、20~25μmである。
【0024】
第2層50は、窒化チタンからなる導電性粒子51と、エポキシ樹脂からなる第1結合材52とを有している。なお、第1層40の厚さは、導電性粒子51の最大凝集粒子径よりも小さくされている。ここで、最大凝集粒子とは、複数の導電性粒子51が溶剤や樹脂を介さずに互いに接触して塊状になったものの最大径を指す。
【0025】
第3層55は、グラファイト粒子56と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂からなる第2結合材57とを有している。
導電性粒子51は、基材30の表面に設けられた第1層40を貫通して基材30に接触している。また、導電性粒子51とグラファイト粒子56とは互いに接触している。なお、ポリフッ化ビニリデンは熱可塑性樹脂であり、エポキシ樹脂は熱硬化性樹脂である。また、エポキシ樹脂の熱硬化温度は、ポリフッ化ビニリデン樹脂の融点よりも低い。
【0026】
次に、燃料電池用セパレータの製造方法について説明する。
まず、
図3に示すように、基材30の一方の面全体に、塗工装置を用いてフェノール樹脂を塗布することにより第1層40を形成する(第1層形成工程)。
【0027】
次に、
図4に示すように、第1層40が設けられた基材30を成形型(図示略)によりプレスすることにより、凸部31及び凹部32が交互に並んだ形状に成形する(プレス工程)。
【0028】
次に、
図5に示すように、熱転写装置80の固定型81上に、第1層40が上を向くようにして基材30を載置する。そして、基材30の凸部31上に熱転写フィルム70を載置する。熱転写フィルム70は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどからなるベースフィルム71と、ベースフィルム71の一方の面に塗布された導電層60とにより構成されている。
【0029】
次に、固定型81と可動型85とにより基材30及び熱転写フィルム70を加圧する。これにより、第2層50の導電性粒子51が第1層40を貫通して基材30に接触するようになる(
図2参照)。
【0030】
次に、固定型81及び可動型85にそれぞれ設けられた電熱線82,86に通電することにより、エポキシ樹脂の熱硬化温度よりも高い所定の温度まで基材30を加熱する。これにより、導電層60が基材30の凸部31に熱転写される(第2層形成工程及び第3層形成工程)。
【0031】
こうしてセパレータ20が製造される。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)セパレータ20は、金属板材からなり、それぞれ延在する凸部31及び凹部32が交互に設けられた基材30と、耐食性材料からなり、基材30の一方の面全体に設けられた第1層40を備える。また、導電性粒子51及び樹脂材料製の第1結合材52を含み、第1層40の表面のうち基材30の凸部31における頂面に対応する部分にのみ設けられた第2層50を備える。導電性粒子51は第2層50にのみ含まれている。グラファイト粒子56及び樹脂材料製の第2結合材57を含む第3層55が、第2層50の表面にのみ設けられている。
【0032】
こうした構成によれば、基材30の一方の面全体に耐食性材料からなる第1層40が設けられているため、同一方の面をガス拡散層14に対向するようにセパレータ20を配置すれば、基材30の一方の面がガス流路に露出しない。また、第1層40には導電性粒子51が含まれていない。これにより、基材30の表面からの金属イオンの溶出を抑制することができる。
【0033】
また、第1層40の表面のうちガス拡散層14に接触する凸部31の頂面に対応する部分に、第2層50が設けられており、第2層50の表面には、第3層55が設けられている。第2層50には導電性粒子51が含まれているため、導電性粒子51が基材30及びグラファイト粒子56と接触することで、基材30、第1層40、第2層50、及び第3層55を介してガス拡散層14に連なる導電経路が形成されやすくなる。これにより、セパレータ20とガス拡散層14との接触抵抗を低減することができる。また、第3層55のグラファイト粒子56と炭素繊維からなるガス拡散層14とは、同質の炭素系材料からなるため、第3層55とガス拡散層14との接触抵抗の増大を抑制することができる。したがって、燃料電池の性能低下を抑制することができる。
【0034】
(2)第1層40の厚さは、導電性粒子51の最大凝集粒子径よりも小さい。
こうした構成によれば、第2層50が形成されるに際して、導電性粒子51の一部が第1層40を貫通して基材30に到達するとともに、別の一部が第1層40から露出してグラファイト粒子56と接触しやすくなる。このため、導電性粒子51を介して、基材30と第3層55のグラファイト粒子56との間における導電経路が形成されやすくなる。
【0035】
(3)セパレータ20の製造方法は、基材30をプレスすることにより凸部31及び凹部32を形成するプレス工程と、基材30の一方の面全体に耐食性材料からなる第1層40を形成する第1層形成工程を備える。また、第1層40の表面のうち基材30の凸部31における頂面に対応する部分にのみ、導電性粒子51及び樹脂材料製の第1結合材52を含む第2層50を形成する第2層形成工程を備える。導電性粒子51は第2層50にのみ含まれている。また、第2層50の表面にグラファイト粒子56及び樹脂材料製の第2結合材57を含む第3層55を形成する第3層形成工程を備える。
【0036】
こうした方法によれば、上記作用効果(1)と同様な作用効果を奏することができる。
(4)潤滑性材料からなる第1層40が設けられた基材30に対してプレス工程を行うようにした。
【0037】
こうした方法によれば、プレス工程において、一方の面に第1層40が形成された基材30がプレス加工される。このとき、潤滑性材料からなる第1層40が成形型と基材30との間に介在することとなるため、基材30のプレス加工時における摩擦抵抗が低減される。したがって、プレス工程における潤滑油の使用量を低減、または潤滑油を不要とすることができる。
【0038】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態では、プレス工程に先立ち、第1層形成工程を行うようにしたが、プレス工程の後に第1層形成工程を行うようにしてもよい。この場合、例えばスプレー塗装により基材30に第1層40を形成すればよい。
【0039】
・第3層55において、グラファイト粒子56に加えて、あるいは、これに代えて、カーボンブラックなどの他の導電性粒子を用いることもできる。
・第2層50の導電性粒子51の窒化チタンに代えて、炭化チタンや硼化チタンなどの他の導電性粒子を用いることもできる。
【0040】
・基材30の両面に対して第1層40、第2層50、及び第3層55を形成することもできる。
・第1層40の材料は、フェノール樹脂に限定されない。他に例えば、第2層50の第1結合材52と同一のエポキシ樹脂であってもよいし、その他の熱硬化性樹脂であってもよい。また、ポリエチレンテレフタレートやポリテトラフルオロエチレンなどの熱可塑性樹脂材料を採用することもできる。また、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなるカーボン層や導電性を有するセラミック層などを第1層とすることもできる。
【0041】
・基材30の材料をステンレス鋼以外の他の金属材料に変更することもできる。こうした金属材料としては、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金などが挙げられる。
【符号の説明】
【0042】
10…単セル、11…膜電極接合体、12…電解質膜、13…触媒電極層、14…ガス拡散層、20…セパレータ、21…セパレータ、21a…第1凸部、21b…第1凹部、22…セパレータ、22a…第2凸部、22b…第2凹部、30…基材、31…凸部、32…凹部、40…第1層、50…第2層、51…導電性粒子、52…第1結合材、55…第3層、56…グラファイト粒子、57…第2結合材、60…導電層、70…熱転写フィルム、71…ベースフィルム、80…熱転写装置、81…固定型、82…電熱線、85…可動型、86…電熱線、100…スタック。