(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】遊技盤の製造方法
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
A63F7/02 310C
(21)【出願番号】P 2018073628
(22)【出願日】2018-04-06
【審査請求日】2021-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】513183164
【氏名又は名称】株式会社シャリー商事
(74)【代理人】
【識別番号】100117503
【氏名又は名称】間瀬 ▲けい▼一郎
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 立身
(72)【発明者】
【氏名】小林 幸二
【審査官】佐藤 久則
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-055988(JP,A)
【文献】特開2004-065377(JP,A)
【文献】特開平11-222698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種盤部品を組み付けるために遊技基板及び当該遊技基板にその表面から積層される化粧シートを用いた遊技盤の製造方法において、
前記遊技基板として、前記各種盤部品のうちの演出表示装置を組み付けるに要する中央開口部を有するように形成してなる透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板を予め準備し、
かつ、当該遊技基板に貼着されたと
き所定の雰囲気温度の環境にて前記貼着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性
を発揮する透明性粘着剤でもって形成してなる粘着層と、当該粘着層の表面に貼り付けられる表面側離形シートと、前記粘着層の裏面に貼り付けられる裏面側離形シートとでもって構成される粘着部材を予め準備
し、
保護フィルムを透明のベースフィルムにその表面側から貼
着する第1工程と、
前記ベースフィルムに対す
る前記保護フィルムの貼着後
、前記ベースフィルムの裏面のうちの前記遊技基板の前記中央開口部に対応する中央裏面部の少なくとも一部に
、前記各種盤部品のうちの前記演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品のための盤部品装飾用印刷パターン部を印刷し、前記ベースフィルム
の前記裏面のうちの前記中央裏面部に対する外周側裏面部に、前記遊技基板のうちの前記中央開口部に対する外周側基板部のための外周側基板部装飾用印刷パターン部を印刷することで、前記ベースフィルムを印刷ベースフィルムとして形
成する第2工程と、
前記粘着部
材から前記表面側離形シートを剥がすことで現れる前記粘着層を前記印刷ベースフィルムにその裏面側から貼
着する第3工程と、
前記粘着部材から前記表面側離形シートを剥がした後
の前記裏面側離形シー
ト、前記粘着層、前記印刷ベースフィルム及び前記保護フィルムからなる貼着積層体をその前記遊技基板の前記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、前記貼着積層体のうちの前記環状切り込み位置の内周側部位及び外周側部位をそれぞれ前記化粧シートの中央側化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形
成する第4工程と、
前記外周側化粧シート部
位のうちの前記裏面側離形シートに対する対応外周側離形シート部位
を前記外周側化粧シート部位から剥がすことで現れる前記粘着層
のうちの前記対応外周側離形シート部位に対する対応外周側粘着層部位にて、前記外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって貼
着する第5工程とを具備して、
前記第1~第5の工程を前記所定の雰囲気温度の環境内で行い、前記第5工程
後の所定の短時間内に前記外周側化粧シート部位の異常或いは前記対応外周側粘着層部位と前記外周側基板部との
間への異物の混入が発見されたとき、前記外周側化粧シート部位を前記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を前記外周側基板部に前記第1~第5の工程を経て貼着し直すことで製造するようにし、
前記中央側化粧シート部位のうちの前記盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、前記中央側化粧シート部位から切り取って、前記少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着するための装飾用シールとして保持するようにしたことを特徴とする遊技盤の製造方法。
【請求項2】
各種盤部品を組み付けるために遊技基板及び当該遊技基板にその表面から積層される化粧シートを用いた遊技盤の製造方法において、
前記遊技基板として、前記各種盤部品のうちの演出表示装置を組み付けるに要する中央開口部を有するように形成してなる透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板を予め準備し、
かつ、当該遊技基板に貼着されたと
き所定の雰囲気温度の環境にて前記貼着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性
を発揮する透明性粘着剤でもって形成してなる粘着層と、当該粘着層の表面に貼り付けられる表面側離形シートと、前記粘着層の裏面に貼り付けられる裏面側離形シートとでもって構成される粘着部材を予め準備
し、
保護フィルムを透明のベースフィルムにその表面側から貼
着する第1工程と、
前記ベースフィルムに対す
る前記保護フィルムの貼着後
、前記ベースフィルムの裏面のうちの前記遊技基板の前記中央開口部に対応する中央裏面部の少なくとも一部に
、前記各種盤部品のうちの前記演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品のための盤部品装飾用印刷パターン部を印刷し、前記ベースフィルム
の前記裏面のうちの前記中央裏面部に対する外周側裏面部に、前記遊技基板のうちの前記中央開口部に対する外周側基板部のための外周側基板部装飾用印刷パターン部を印刷することで、前記ベースフィルムを印刷ベースフィルムとして形
成する第2工程と、
前記粘着部
材から前記表面側離形シートを剥がすことで現れる前記粘着層を前記印刷ベースフィルムにその裏面側から貼
着する第3工程と、
前記粘着部材から前記表面側離形シートを剥がした後
の前記裏面側離形シー
ト、前記粘着層、前記印刷ベースフィルム及び前記保護フィルムからなる貼着積層体をその前記遊技基板の前記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、前記貼着積層体のうちの前記環状切り込み位置の内周側部位及び外周側部位をそれぞれ前記化粧シートの中央側化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形
成する第4工程と、
前記中央側化粧シート部位のうちの前記盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、前記中央側化粧シート部位から装飾用シールとして切り
取る第5工程と、
前記外周側化粧シート部
位のうちの前記裏面側離形シートに対する対応離形シート部位
を前記外周側化粧シート部位から剥がすことで現れる前記粘着層の前記対応外周側離形シート部位に対する対応外周側粘着層部位にて、前記外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって貼
着する第6工程と、
前記装飾用シー
ルのうちの前記裏面側離形シート
に対する対応裏面側離形シート部位
を前記装飾用シールのうちの前記粘着
層に対する対応粘着層部位から剥がした後、前記装飾用シールをその前記対
応粘着層部位にて前記少なくとも1つの盤部品の盤部品本体の表面に貼
着する第7工程とを具備して、
前記第1~第7の工程を前記所定の雰囲気温度の環境内で行い、前記第7工程
後の所定の短時間内に前記外周側化粧シート部位或いは前記装飾用シールの異
常または前記対応外周側粘着層部位と前記外周側基板部との間或いは前記盤部品本体と前記装飾用シールとの
間への異物の混入が発見されたとき、前記外周側化粧シート部位を前記外周側基板部から剥がし或いは前記装飾用シールを前記盤部品本体から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を前記外周側基板部に前記第1~第6の工程を経て貼着し直し、或いは前記新たな化粧シートの中央側化粧シート部位から切り取った装飾用シールを前記第7工程にて貼着し直すことで製造するようにしたことを特徴とする遊技盤の製造方法。
【請求項3】
各種盤部品を組み付けるために遊技基板及び当該遊技基板にその表面から積層される化粧シートを用いた遊技盤の製造方法において、
前記遊技基板として、前記各種盤部品のうちの演出表示装置を組み付けるに要する中央開口部を有するように形成してなる透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板を予め準備し、
第1熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなる保護フィルムロール及び透明の第2熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなるベースフィルムロールを予め準備し、
かつ、前記遊技基板の表面に貼着されたと
き所定の雰囲気温度の環境にて前記貼着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性
を発揮する透明性粘着剤を粘着素材とする粘着素材層と、当該粘着素材層の表面に沿い積層される長手状表面側離形層と、前記粘着素材層の裏面に沿い積層される長手状裏面側離形層とでもって形成してなる粘着素材ロールを予め準備
し、
前記保護フィルムロールをその裏面にて前記ベースフィルムロールに対しその表面に沿い積層して積層フィルムロール体を形
成する第1工程と、
前記積層フィルムロール体を前記遊技基板に対応する長さにて切断して保護フィルム及びベースフィルムからなる積層フィルムとして形
成する第2工程と、
前記積層フィルム
の前記ベースフィルムの裏面のうちの前記遊技基板の前記中央開口部に対応する中央裏面部の少なくとも一部に
、前記各種盤部品のうちの前記演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品のための盤部品装飾用印刷パターン部を印刷し、前記ベースフィルムの裏面のうちの前記中央裏面部に対する外周側裏面部に、前記遊技基板のうちの前記中央開口部に対する外周側基板部のための外周側基板部装飾用印刷パターン部を印刷することで、前記ベースフィルムを印刷ベースフィルムとして形
成する第3工程と、
前記粘着素材ロールにおいて前記表面側離形層を前記粘着素材層から剥がしながら当該粘着素材層をその表面にて前記積層フィルムの前記印刷ベースフィルムの裏面に沿い貼着するとともに、前記粘着素材層及び前記裏面側離形層を前記積層フィルムにあわせて粘着層及び裏面側離形シートとして切
断する第4工程と、
前記保護フィルム、前記印刷ベースフィルム、前記粘着層及び前記裏側離形シートからなる貼着積層体をその前記遊技基板の前記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、前記貼着積層体のうちの前記環状切り込み位置の内周側部位及び外周側部位をそれぞれ前記化粧シートの中央側化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形
成する第5工程と、
前記外周側化粧シート部
位のうちの前記裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位
を前記外周側化粧シート部位から剥がすことで現れる前記粘着層
のうちの前記対応裏面側離形シート部位に対する対応外周側粘着層部位にて、前記外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって貼
着する第6工程とを具備して、
前記第1~第6の工程を前記所定の雰囲気温度の環境内で行い、前記第6工程
後の所定の短時間内に前記外周側化粧シート部位の異常或い
は前記対応外周側粘着層部位と前記外周側基板部との間
への異物の混入が発見されたとき、前記外周側化粧シート部位を前記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を前記外周側基板部に前記第1~第6の工程を経て貼着し直すことで製造するように
し、
前記中央側化粧シート部位のうちの前記盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、前記中央側化粧シート部位から切り取って、前記少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着するための装飾用シールとして保持するようにしたことを特徴とする遊技盤の製造方法。
【請求項4】
各種盤部品を組み付けるために遊技基板及び当該遊技基板にその表面から貼着される化粧シートを用いた遊技盤の製造方法において、
前記遊技基板として、前記各種盤部品のうちの演出表示装置を組み付けるに要する中央開口部を有するように形成してなる透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板を予め準備し、
第1熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなる保護フィルムロール及び透明の第2熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなるベースフィルムロールを予め準備し、
かつ、前記遊技基板の表面に貼着されたと
き所定の雰囲気温度の環境にて前記貼着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性
を発揮する透明性粘着剤を粘着素材とする粘着素材層と、当該粘着素材層の表面に沿い積層してなる長手状表面側離形層と、前記粘着素材層の裏面に沿い積層してなる長手状裏面側離形層とでもって形成
してなる粘着素材ロールを予め準備
し、
前記保護フィルムロールをその裏面にて前記ベースフィルムロールに対しその表面に沿い積層して積層フィルムロール体を形
成する第1工程と、
前記積層フィルムロール体を前記遊技基板に対応する長さにて切断して保護フィルム及びベースフィルムからなる積層フィルムとして形
成する第2工程と、
前記積層フィルム
の前記ベースフィルムの裏面のうちの前記遊技基
板の前記中央開口部に対応する中央裏面部の少なくとも一部に
、前記各種盤部品のうちの前記演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品のための盤部品装飾用印刷パターン部を印刷し、前記ベースフィルムの裏面のうちの前記中央裏面部に対する外周側裏面部に、前記遊技基板のうちの前記中央開口部に対する外周側基板部のための外周側基板部装飾用印刷パターン部を印刷することで、前記ベースフィルムを印刷ベースフィルムとして形
成する第3工程と、
前記粘着素材ロールにおいて前記表面側離形層を前記粘着素材層から剥がしながら当該粘着素材層をその表面にて前記積層フィルムの前記印刷ベースフィルムの裏面に沿い貼着するとともに、前記粘着素材層及び前記裏面側離形層を前記積層フィルムにあわせて粘着層及び裏面側離形シートとして切
断する第4工程と、
前記保護フィルム、前記印刷ベースフィルム、前記粘着層及び前記
裏面側離形シートからなる貼着積層体を、その前記遊技基板の前記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、前記貼着積層体のうちの前記環状切り込み位置の内周側部位及び外周側部位をそれぞれ前記化粧シートの中央側化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形
成する第5工程と、
前記中央側化粧シート部位のうちの前記盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、前記中央側化粧シート部位から装飾用シールとして切り
取る第6工程と、
前記外周側化粧シート部
位のうちの前記裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位
を前記外周側化粧シート部位から剥がすことで現れる前記粘着層
のうちの前記対応裏面側離形シート部位に対する対応外周側粘着層部位にて、前記外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって貼
着する第7工程と、
前記装飾用シー
ルのうちの前記裏面側離形シー
トに対する対応裏面側離形シート部位
を前記装飾用シールのうちの前記粘着層の前記対応裏面側離形シート部位に対する対
応粘着層部位から剥がした後、前記装飾用シールをその前記対
応粘着層部位にて前記少なくとも1つの盤部品の盤部品本体の表面に貼
着する第8工程とを具備して、
前記第1~第8の工程を前記所定の雰囲気温度の環境内で行い、前記第8工程
後の所定の短時間内に前記外周側化粧シート部位或いは前記装飾用シールの異
常または前記対応外周側粘着層部位と前記外周側基板部との間或いは前記盤部品本体と前記装飾用シールとの
間への異物の混入が発見されたとき、前記外周側化粧シート部位を前記外周側基板部から剥がし或いは前記装飾用シールを前記盤部品本体から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を前記外周側基板部に前記第1~第7の工程を経て貼着し直し、或いは前記新たな化粧シートの中央側化粧シート部位から切り取った装飾用シールを前記第8工程にて貼着し直すことで製造するようにしたことを特徴とする遊技盤の製造方法。
【請求項5】
前記第2工程において、前記印刷ベースフィル
ムを、前記盤部品装飾用印刷パターン部及び前記外周側
基板部装飾用印刷パターン部の印刷後、ホログラム箔を転写して形成するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技盤の製造方法。
【請求項6】
前記第3工程において、前記印刷ベースフィル
ムを、前記盤部品装飾用印刷パターン部及び前記外周側
基板部装飾用印刷パターン部の印刷後、ホログラム箔を転写して形成するようにしたことを特徴とする請求項3または4に記載の遊技盤の製造方法。
【請求項7】
前記所定の雰囲気温度は、前記粘着層が前記遊技基板に対する粘着力を良好に発揮し得る範囲以内の温度であり
、また、前記所定の圧力範囲は、前記粘着層の前記遊技基板に対する粘着力を良好に確保し得る範囲以内の圧力であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の遊技盤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、回胴式遊技機等の各種遊技機に採用される遊技盤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の遊技盤としては、例えば、下記特許文献1に記載の遊技機の遊技盤が提案されている。当該遊技盤は、遊技用基盤を備えている。当該遊技用基盤は、透光性合成樹脂盤よりなる本体盤と、本体盤の前面に貼着してなる薄膜状シート材とにより構成されており、この薄膜状シート材の後面である本体盤の前面側の面には、各種の図柄が印刷されている。
【0003】
ここで、遊技用基盤には、複数の開口部が、液晶表示装置や種々の入賞装置等の複数の盤面部品を設けるように形成されている。換言すれば、薄膜状シート材が本体盤に貼着される前に、複数の開口部が、本体盤及び薄膜状シート材に、別々に、遊技用基盤の複数の開口部に対応して形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した遊技機の遊技盤において、近年、遊技用基盤の複数の開口部のうち、液晶表示装置を設ける開口部が、液晶表示装置の大型化につれて大きくなっている。このため、液晶表示装置を設ける開口部が大きいと、薄膜状シート材が構造的に折れ曲がり易くなってしまう。
【0006】
従って、薄膜状シート材を本体盤の前面に貼着するにあたり、上述のように、本体盤及び薄膜状シート材の双方に複数の開口部が予め形成されていると、薄膜状シート材の複数の開口部のうち、例えば、液晶表示装置を設ける開口部を、本体盤の複数の開口部のうちの液晶表示装置を設ける開口部に合わせて貼着しようとしても、上述のごとく、薄膜状シート材が構造上折れ曲がり易くなっているため、液晶表示装置を設ける本体盤及び薄膜状シート材の双方の各開口部の間に位置ずれが生じて当該両開口部を正しく合わせることができなかったり、薄膜状シート材に皺が発生したりする。その結果、薄膜状シート材を本体盤に良好に貼着することができないという不具合を招く。
【0007】
また、仮に薄膜状シート材が本体盤に対し良好に貼着されたとしても、例えば、ゴミが薄膜状シート材と本体盤との間に混入したり、或いは、薄膜状シート材及び本体盤の双方の一方が貼り合わせる対象として誤っていたりした場合には、薄膜状シート材を本体盤から剥がして、当該本体盤の再利用を確保しつつ、この本体盤に新たな薄膜状シート材を貼着し直したいという要請が生ずる。この場合、薄膜状シート材を本体盤に貼着した後に、薄膜状シート材を本体盤から良好に剥がすことができなければ、上述した当該本体盤の再利用は困難である。
【0008】
また、薄膜状シート材に対し上述のように複数の開口部を形成した場合、薄膜 状シート材のうちの当該複数の開口部の形成のために切除した複数の切除部位は、廃棄されていた。これでは、薄膜状シート材のうちの当該複数の切除部位が、薄膜状シート材の部位であるにもかかわらず、無駄になってしまう。
【0009】
これに対しては、上述のような各切除部位を、無駄にすることなく、有効に活用したいという要請がある。
【0010】
なお、以上のようなことは、上述のように、各複数の開口部が、それぞれ、薄膜状シート材の本体盤への貼着前に、本体盤及び薄膜状シート材の双方に互いに対応するように予め形成される場合に限らず、薄膜状シート材が本体盤に貼着された後に、各複数の開口部が本体盤及び薄膜状シート材の双方に互いに対応するように形成される場合であっても、同様である。
【0011】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、化粧シートの遊技基板に対する貼り直しが必要なときには、当該化粧シートを遊技基板から剥がした後において当該遊技基板に対する新たな化粧シートの良好な貼り直しを可能にするともに、化粧シートの無駄をできる限り少なくするようにした遊技盤の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題の解決にあたり、本発明に係る遊技盤の製造方法は、請求項1の記載によれば、
各種盤部品(R、40、50、60、70、80、90)を組み付けるために遊技基板及び当該遊技基板にその表面から積層される化粧シートを用いたものである。
【0013】
当該遊技盤の製造方法において、
遊技基板として、各種盤部品のうちの演出表示装置(60)を組み付けるに要する中央開口部(11)を有するように形成してなる透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板(10)を予め準備し、
かつ、当該遊技基板に貼着されたとき所定の雰囲気温度の環境にて上記貼着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を発揮する透明性粘着剤でもって形成してなる粘着層(30a)と、当該粘着層の表面に貼り付けられる表面側離形シート(30b)と、粘着層の裏面に貼り付けられる裏面側離形シート(30c)とでもって構成される粘着部材(30)を予め準備し、
保護フィルム(20c)を透明のベースフィルム(20c)にその表面側から貼着する第1工程と、
ベースフィルムに対する保護フィルムの貼着後、当該ベースフィルムの裏面のうちの遊技基板の上記中央開口部に対応する中央裏面部の少なくとも一部に、各種盤部品のうちの演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品のための盤部品装飾用印刷パターン部を印刷し、ベースフィルムの上記裏面のうちの上記中央裏面部に対する外周側裏面部に、遊技基板のうちの上記中央開口部に対する外周側基板部のための外周側基板部装飾用印刷パターン部を印刷することで、ベースフィルムを印刷ベースフィルムとして形成する第2工程と、
粘着部材から表面側離形シートを剥がすことで現れる粘着層を印刷ベースフィルムにその裏面側から貼着する第3工程と、
粘着部材から表面側離形シートを剥がした後の裏面側離形シート、粘着層、印刷ベースフィルム及び保護フィルムからなる貼着積層体をその遊技基板の上記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、貼着積層体のうちの上記環状切り込み位置の内周側部位及び外周側部位をそれぞれ化粧シートの中央側化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する第4工程と、
上記外周側化粧シート部位のうちの上記裏面側離形シートに対する対応外周側離形シート部位を上記外周側化粧シート部位から剥がすことで現れる粘着層のうちの上記対応外周側離形シート部位に対する対応外周側粘着層部位にて、上記外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって貼着する第5工程とを具備して、
第1~第5の工程を上記所定の雰囲気温度の環境内で行い、第5工程後の所定の短時間内に上記外周側化粧シート部位の異常或いは上記対応外周側粘着層部位と上記外周側基板部との間への異物の混入が発見されたとき、上記外周側化粧シート部位を上記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を上記外周側基板部に第1~第5の工程を経て貼着し直すことで製造するようにし、
上記中央側化粧シート部位のうちの上記盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、上記中央側化粧シート部位から切り取って、上記少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着するための装飾用シールとして保持するようにしたことを特徴とする。
このように、高価な透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板を活用して、第1~第5の工程を所定の雰囲気温度の環境内で行い、第5工程後所定の短時間内に化粧シートの異常或いは粘着層と遊技基板との間への異物の混入が発見されたとき、化粧シートを遊技基板から剥がして新たな化粧シートを遊技基板に第1~第5の工程を経て貼着し直すことで製造するようにした。
【0014】
このような製造に加えて、上記内側貼着体部位の上記装飾用部品印刷パターン部を含む部位を、当該部位に対する保護フィルムの対応フィルム部位とともに、一体的に、上記内側貼着体部位から切り取って、上記少なくとも1つの盤部品の前側表面部に貼着する部品用シールとして保持するようにした。
【0015】
このように、内側貼着体部位のうちの装飾用部品印刷パターン部を含む部位を部品用シールとして内側貼着体部位から切り取って、少なくとも1つの盤部品の前側表面部に貼着する部品用シールとして保持するようにした。従って、需要者が、当該遊技盤を入手した後に、必要に応じて部品用シールをその粘着層部にて少なくとも1つの盤部品の前側表面部に貼着し得るとともに、化粧シートをその中央部を廃棄することなく当該中央部も含めて有効に活用し得て、化粧シートの無駄を省くことができ、経済的である。
【0016】
ここで、化粧シートに対する印刷は、当該化粧シートの印刷面の全体に亘り、同一の印刷品質でもって行われる。従って、化粧シートの全ての印刷面に亘り、印刷品質において色ブレやばらつきが発生することなく、統一した良好な印刷品質が維持され得る。その結果、化粧シート、ひいては遊技盤の良好な見映えが確保され得る。
【0017】
さらに、第5工程後の所定の短時間内であれば,遊技基板に対する化粧シートの粘着力は低い。従って、化粧シートの異常或いは粘着層と遊技基板との間への異物の混入が発見されたとき、化粧シートを遊技基板からきれいに剥がすことができる。その結果、高価なポリカーボネート樹脂或いは透明性アクリル樹脂からなる遊技基板の再利用が可能となる。
【0018】
従って、新たな化粧シートを、第1~第5の工程を経て、遊技基板に良好に貼着し直すことが可能となる。このように高価な遊技基板の再利用でもって遊技基板の無駄を無くすることができ、その結果、省資源に貢献し得る。
【0019】
また、需要者が、当該遊技盤を入手した後に、部品用シールをその粘着層部にて少なくとも1つの盤部品の前側表面部に貼着する際には、部品用シールのうちの装飾用部品印刷パターン部を含む部位に対する裏面側離形シートの対応シート部位を剥がした上で、部品用シールをその粘着層部にて少なくとも1つの盤部品の前側表面部に貼着することとなる。従って、部品用シールの粘着層部は、低い粘着力特性を維持した状態にて、部品用シールの粘着層部を少なくとも1つの盤部品の前側表面部に良好に貼着することができる。
【0020】
また、本発明に係る遊技盤の製造方法は、請求項2の記載によれば、各種盤部品(R、40、50、60、70、80、90)を組み付けるために遊技基板及び当該遊技基板にその前面から貼着される化粧シートを用いたものである。
【0021】
当該遊技盤の製造方法において、
遊技基板として、各種盤部品のうちの演出表示装置(60)を組み付けるに要する中央開口部(11)を有するように形成してなる透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板(10)を予め準備し、
かつ、当該遊技基板に貼着されたとき所定の雰囲気温度の環境にて上記貼着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を発揮する透明性粘着剤でもって形成してなる粘着層(30a)と、当該粘着層の表面に貼り付けられる表面側離形シート(30b)と、粘着層の裏面に貼り付けられる裏面側離形シート(30c)とでもって構成される粘着部材(30)を予め準備し、
保護フィルム(20c)を透明のベースフィルム(20a)にその表面側から貼着する第1工程と、
ベースフィルムに対する保護フィルムの貼着後、ベースフィルムの裏面のうちの遊技基板の上記中央開口部に対応する中央裏面部の少なくとも一部に、各種盤部品のうちの演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品のための盤部品装飾用印刷パターン部を印刷し、ベースフィルムの上記裏面のうちの上記中央裏面部に対する外周側裏面部に、遊技基板のうちの上記中央開口部に対する外周側基板部のための外周側基板部装飾用印刷パターン部を印刷することで、ベースフィルムを印刷ベースフィルムとして形成する第2工程と、
粘着部材から表面側離形シートを剥がすことで現れる粘着層を印刷ベースフィルムにその裏面側から貼着する第3工程と、
粘着部材から表面側離形シートを剥がした後の裏面側離形シート、粘着層、印刷ベースフィルム及び保護フィルムからなる貼着積層体をその遊技基板の上記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、貼着積層体のうちの上記環状切り込み位置の内周側部位及び外周側部位をそれぞれ化粧シートの中央側化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する第4工程と、
上記中央側化粧シート部位のうちの上記盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、上記中央側化粧シート部位から装飾用シールとして切り取る第5工程と、
上記外周側化粧シート部位のうちの上記裏面側離形シートに対する対応離形シート部位を上記外周側化粧シート部位から剥がすことで現れる粘着層の上記対応外周側離形シート部位に対する対応外周側粘着層部位にて、上記外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって貼着する第6工程と、
装飾用シールのうちの上記裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位を装飾用シールのうちの粘着層に対する対応粘着層部位から剥がした後、装飾用シールをその上記対応粘着層部位にて上記少なくとも1つの盤部品の盤部品本体の表面に貼着する第7工程とを具備して、
第1~第7の工程を上記所定の雰囲気温度の環境内で行い、第7工程後の所定の短時間内に上記外周側化粧シート部位或いは装飾用シールの異常または上記対応外周側粘着層部位と上記外周側基板部との間或いは上記盤部品本体と装飾用シールとの間への異物の混入が発見されたとき、上記外周側化粧シート部位を上記外周側基板部から剥がし或いは装飾用シールを上記盤部品本体から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を上記外周側基板部に第1~第6の工程を経て貼着し直し、或いは新たな化粧シートの中央側化粧シート部位から切り取った装飾用シールを第7工程にて貼着し直すことで製造するようにしたことを特徴とする。
【0022】
これによれば、第2工程において、上述のごとく、ベースフィルムに対する保護フィルムの貼着後、ベースフィルムの裏面のうちの遊技基板の上記中央開口部に対応する中央裏面部の少なくとも一部に、各種盤部品のうちの演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品のための盤部品装飾用印刷パターン部を印刷し、ベースフィルムの上記裏面のうちの上記中央裏面部に対する外周側裏面部に、遊技基板のうちの上記中央開口部に対する外周側基板部のための外周側基板部装飾用印刷パターン部を印刷することで、ベースフィルムを印刷ベースフィルムとして形成する。
【0023】
そして、第3工程において、粘着部材において表面側離形シートを剥がすことで現れる粘着層を印刷ベースフィルムにその裏面側から貼着し、
第4工程において、粘着部材から表面側離形シートを剥がした後の裏面側離形シート、粘着層、印刷ベースフィルム及び保護フィルムからなる貼着積層体をその遊技基板の上記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、貼着積層体のうちの上記環状切り込み位置の内周側部位及び外周側部位をそれぞれ化粧シートの中央側化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成し、
第5工程において、上記中央側化粧シート部位のうちの上記盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、上記中央側化粧シート部位から装飾用シールとして切り取る。
ついで、第6工程において、上記外周側化粧シート部位のうちの裏面側離形シートに対する対応離形シート部位を剥がすことで現れる粘着層の上記対応外周側離形シート部位に対する対応外周側粘着層部位にて、上記外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって貼着し、
第7工程において、装飾用シールのうちの裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位を装飾用シールのうちの粘着層に対する対応粘着層部位から剥がした後、装飾用シールをその上記対応粘着層部位にて上記少なくとも1つの盤部品の盤部品本体の表面に貼着するようにした。
【0024】
これによれば、上記中央側化粧シート部位のうちの上記盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、上記中央側化粧シート部位から装飾用シールとして切り取り、装飾用シールのうちの裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位を装飾用シールのうちの粘着層に対する対応粘着層部位から剥がした後、装飾用シールをその対応粘着層部位にて少なくとも1つの盤部品の盤部品本体の表面に貼着するので、化粧シートをその中央部を廃棄することなく当該中央部も含めて有効に活用し得る。その結果、化粧シートの無駄を省くことができ、経済的である。
【0025】
ここで、化粧シートに対する印刷は、当該化粧シートの印刷面の全体に亘り、同一の印刷品質でもって行われる。従って、化粧シートの全ての印刷面に亘り、印刷品質において色ブレやばらつきが発生せず統一した良好な印刷品質が維持され得るので、化粧シート、ひいては遊技盤の良好な見映えが確保され得る。
【0026】
さらに、第7工程後所定の短時間内であれば,遊技基板に対する化粧シートや装飾用シールの粘着力は低い。従って、化粧シートや装飾用シールの異常或いは粘着層と遊技基板との間や装飾用シールと盤部品の盤部品本体の表面との間に異物の混入が発見されたとき、化粧シートや装飾用シールを遊技基板や盤部品本体からきれいに剥がすことができる。これに伴い、高価なポリカーボネート樹脂或いは透明性アクリル樹脂からなる遊技基板の再利用が可能となる。
【0027】
従って、新たな化粧シートを、新たな装飾用シールをも含めて、遊技基板に第1~第7の工程を経て良好に貼着し直すことが可能となる。このように、新たな化粧シートの無駄を無くしつつ高価な遊技基板の再利用を可能にして省資源に貢献し得る。その他の作用効果は、請求項1に記載の発明と実質的に同様である。
【0028】
また、本発明に係る遊技盤の製造方法は、請求項3の記載によれば、各種盤部品を組み付けるために遊技基板及び当該遊技基板にその前面から貼着される化粧シートを用いたものである。
【0029】
当該遊技盤の製造方法において、
遊技基板として、各種盤部品のうちの演出表示装置を組み付けるに要する中央開口部を有するように形成してなる透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板を予め準備し、
第1熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなる保護フィルムロール及び透明の第2熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなるベースフィルムロールを予め準備し、
かつ、遊技基板の表面に貼着されたとき所定の雰囲気温度の環境にて貼着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を発揮する透明性粘着剤を粘着素材とする粘着素材層と、当該粘着素材層の表面に沿い積層される長手状表面側離形層と、粘着素材層の裏面に沿い積層される長手状裏面側離形層とでもって形成してなる粘着素材ロールを予め準備し、
保護フィルムロールをその裏面にてベースフィルムロールに対しその表面に沿い積層して積層フィルムロール体を形成する第1工程と、
積層フィルムロール体を遊技基板に対応する長さにて切断して保護フィルム及びベースフィルムからなる積層フィルムとして形成する第2工程と、
積層フィルムのベースフィルムの裏面のうちの遊技基板の上記中央開口部に対応する中央裏面部の少なくとも一部に、各種盤部品のうちの演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品のための盤部品装飾用印刷パターン部を印刷し、ベースフィルムの裏面のうちの上記中央裏面部に対する外周側裏面部に、遊技基板のうちの上記中央開口部に対する外周側基板部のための外周側基板部装飾用印刷パターン部を印刷することで、ベースフィルムを印刷ベースフィルムとして形成する第3工程と、
粘着素材ロールにおいて表面側離形層を粘着素材層から剥がしながら当該粘着素材層をその表面にて積層フィルムの印刷ベースフィルムの裏面に沿い貼着するとともに、粘着素材層及び裏面側離形層を積層フィルムにあわせて粘着層及び裏面側離形シートとして切断する第4工程と、
保護フィルム、印刷ベースフィルム、粘着層及び裏側離形シートからなる貼着積層体をその遊技基板の上記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、貼着積層体のうちの上記環状切り込み位置の内周側部位及び外周側部位をそれぞれ化粧シートの中央側化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する第5工程と、
外周側化粧シート部位のうちの裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位を外周側化粧シート部位から剥がすことで現れる粘着層のうちの上記対応裏面側離形シート部位に対する対応外周側粘着層部位にて、上記外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって貼着する第6工程とを具備して、
第1~第6の工程を上記所定の雰囲気温度の環境内で行い、第6工程後の所定の短時間内に上記外周側化粧シート部位の異常或いは上記対応外周側粘着層部位と前記外周側基板部との間への異物の混入が発見されたとき、上記外周側化粧シート部位を上記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を上記外周側基板部に第1~第6の工程を経て貼着し直すことで製造するようにし、
上記中央側化粧シート部位のうちの上記盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、上記中央側化粧シート部位から切り取って、上記少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着するための装飾用シールとして保持するようにしたことを特徴とする。
【0030】
このように、高価なポリカーボネート樹脂製或いは透明性アクリル樹脂製の遊技基板を活用して、第1~第6の工程を所定の雰囲気温度の環境内で行い、第6工程後所定の短時間内に化粧シートの異常或いは粘着層と遊技基板との間への異物の混入が発見されたとき、化粧シートを遊技基板から剥がして新たな化粧シートを遊技基板に第1~第6の工程を経て貼着し直すことで製造するようにした。
【0031】
また、中央側化粧シート部位のうちの盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、中央側化粧シート部位から切り取って、少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着するための装飾用シールとして保持するようにした。
【0032】
これにより、需要者が、当該遊技盤を入手した後に、装飾用シールをその粘着層部にて少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着することができるとともに、化粧シートをその中央部を廃棄することなく当該中央部も含めて有効に活用し得て、化粧シートの無駄を省くことができ、経済的である。
【0033】
ここで、化粧シートに対する印刷は、当該化粧シートの印刷面の全体に亘り、同一の印刷品質でもって行われる。従って、化粧シートの全ての印刷面に亘り、印刷品質において色ブレやばらつきが発生せず統一した良好な印刷品質が維持され得るので、化粧シート、ひいては遊技盤の良好な見映えが確保され得る。
【0034】
さらに、第6工程後所定の短時間内であれば,遊技基板に対する化粧シートの粘着力は低い。従って、化粧シートの異常或いは粘着層と遊技基板との間への異物の混入が発見されたとき、化粧シートを遊技基板からきれいに剥がすことができる。これに伴い、高価なポリカーボネート樹脂或いは透明性アクリル樹脂からなる遊技基板の再利用が可能となる。
【0035】
従って、新たな化粧シートを遊技基板に第1~第6の工程を経て良好に貼着し直すことが可能となる。このように、高価な遊技基板の再利用でもって無駄を無くすることで、省資源に貢献し得る。
【0036】
また、需要者が、上述のように、当該遊技盤を入手した後に、装飾用シールをその粘着層部にて少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着する際には、装飾用シールのうちの装飾用印刷パターン部を含む部位に対する保護フィルムの対応フィルム部位を剥がした上で、装飾用シールをその粘着層部にて少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着することとなる。従って、装飾用シールの粘着層部は、低い粘着力特性を維持した状態にて、部品用シールの粘着層部を少なくとも1つの盤部品の前側表面部に良好に貼着することができる。
【0037】
また、本発明に係る遊技盤の製造方法は、請求項4の記載によれば、各種盤部品を組み付けるために遊技基板及び当該遊技基板にその表面から貼着される化粧シートを用いたものである。
【0038】
当該遊技盤の製造方法において、
遊技基板として、各種盤部品のうちの演出表示装置を組み付けるに要する中央開口部を有するように形成してなる透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板を予め準備し、
第1熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなる保護フィルムロール及び透明の第2熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなるベースフィルムロールを予め準備し、
かつ、遊技基板の表面に貼着されたとき所定の雰囲気温度の環境にて上記貼着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を発揮する透明性粘着剤を粘着素材とする粘着素材層と、当該粘着素材層の表面に沿い積層してなる長手状表面側離形層と、粘着素材層の裏面に沿い積層してなる長手状裏面側離形層とでもって形成したなる粘着素材ロールを予め準備し、
保護フィルムロールをその裏面にてベースフィルムロールに対しその表面に沿い積層して積層フィルムロール体を形成する第1工程と、
積層フィルムロール体を遊技基板に対応する長さにて切断して保護フィルム及びベースフィルムからなる積層フィルムとして形成する第2工程と、
積層フィルムのベースフィルムの裏面のうちの遊技基板の上記中央開口部に対応する中央裏面部の少なくとも一部に、各種盤部品のうちの演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品のための盤部品装飾用印刷パターン部を印刷し、ベースフィルムの裏面のうちの上記中央裏面部に対する外周側裏面部に、遊技基板のうちの上記中央開口部に対する外周側基板部のための外周側基板部装飾用印刷パターン部を印刷することで、ベースフィルムを印刷ベースフィルムとして形成する第3工程と、
粘着素材ロールにおいて表面側離形層を粘着素材層から剥がしながら当該粘着素材層をその表面にて積層フィルムの印刷ベースフィルムの裏面に沿い貼着するとともに、粘着素材層及び裏面側離形層を積層フィルムにあわせて粘着層及び裏面側離形シートとして切断する第4工程と、
保護フィルム、印刷ベースフィルム、粘着層及び裏面側離形シートからなる貼着積層体を、その遊技基板の上記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、貼着積層体のうちの上記環状切り込み位置の内周側部位及び外周側部位をそれぞれ化粧シートの中央側化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する第5工程と、
中央側化粧シート部位のうちの盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、上記中央側化粧シート部位から装飾用シールとして切り取る第6工程と、
上記外周側化粧シート部位のうちの裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位を上記外周側化粧シート部位から剥がすことで現れる粘着層のうちの上記対応裏面側離形シート部位に対する対応外周側粘着層部位にて、上記外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって貼着する第7工程と、
装飾用シールのうちの裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位を装飾用シールのうちの粘着層の上記対応裏面側離形シート部位に対する対応粘着層部位から剥がした後、装飾用シールをその上記対応粘着層部位にて上記少なくとも1つの盤部品の盤部品本体の表面に貼着する第8工程とを具備して、
第1~第8の工程を上記所定の雰囲気温度の環境内で行い、第8工程後の所定の短時間内に上記外周側化粧シート部位或いは装飾用シールの異常または上記対応外周側粘着層部位と上記外周側基板部との間或いは盤部品本体と装飾用シールとの間への異物の混入が発見されたとき、上記外周側化粧シート部位を上記外周側基板部から剥がし或いは装飾用シールを盤部品本体から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を上記外周側基板部に第1~第7の工程を経て貼着し直し、或いは新たな化粧シートの中央側化粧シート部位から切り取った装飾用シールを第8工程にて貼着し直すことで製造するようにしたことを特徴とする。
【0039】
このように、高価なポリカーボネート樹脂製或いは透明性アクリル樹脂製の遊技基板を活用して、第1~第8の工程を所定の雰囲気温度の環境内で行い、第8工程後所定の短時間内に化粧シートの異常或いは粘着層と遊技基板との間への異物の混入が発見されたとき、化粧シートを遊技基板から剥がして新たな化粧シートを遊技基板に第1~第8の工程を経て貼着し直すことで製造するようにした。
【0040】
また、中央側化粧シート部位のうちの上記盤部品装飾用印刷パターン部を含む部位を、上記中央側化粧シート部位から装飾用シールとして切り取り、装飾用シールのうちの裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位を装飾用シールのうちの粘着層に対する対応粘着層部位から剥がした後、装飾用シールをその対応シール側粘着層部位にて少なくとも1つの盤部品の盤部品本体の表面に貼着するようにした。
【0041】
これにより、需要者が、当該遊技盤を入手した後に、装飾用シールをその粘着層部にて少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着することができるとともに、化粧シートをその中央部を廃棄することなく当該中央部も含めて有効に活用し得る。その結果、化粧シートの無駄を省くことができ、経済的である。
【0042】
ここで、化粧シートに対する印刷は、当該化粧シートの印刷面の全体に亘り、同一の印刷品質でもって行われる。従って、化粧シートの全ての印刷面に亘り、印刷品質において色ブレやばらつきが発生せず統一した良好な印刷品質が維持され得るので、化粧シート、ひいては遊技盤の良好な見映えが確保され得る。
【0043】
さらに、第8工程後所定の短時間内であれば,遊技基板に対する化粧シートの粘着力は低い。従って、化粧シートの異常或いは粘着層と遊技基板との間に異物の混入が発見されたとき、化粧シートを遊技基板からきれいに剥がすことができる。これに伴い、高価なポリカーボネート樹脂或いは透明性アクリル樹脂からなる遊技基板の再利用が可能となる。
【0044】
従って、新たな化粧シートを遊技基板に第1~第8の工程を経て良好に貼着し直すことが可能となる。このように、高価な遊技基板の再利用でもって無駄を無くすることで、省資源に貢献し得る。
【0045】
また、需要者が、上述のように、当該遊技盤を入手した後に、装飾用シールをその粘着層部にて少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着する際には、装飾用シールのうちの装飾用印刷パターン部を含む部位に対する保護フィルムの対応フィルム部位を剥がした上で、装飾用シールをその粘着層部にて少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着することとなる。従って、装飾用シールの粘着層部は、低い粘着力特性を維持した状態にて、部品用シールの粘着層部を少なくとも1つの盤部品の前側表面部に良好に貼着することができる。
【0046】
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項1または2に記載の遊技盤の製造方法では、
第2工程において、印刷ベースフィルムを、上記盤部品装飾用印刷パターン部及び上記外周側基板部装飾用印刷パターン部の印刷後、ホログラム箔を転写して形成するようにしたことを特徴とする。
【0047】
これによれば、印刷ベースフィルム層を、盤部品装飾用印刷パターン部及び外周側基板部装飾用印刷パターン部の印刷後、ホログラム箔を転写して形成することで、印刷パターンの絵柄がホログラム箔を介して浮き出るといった新しい斬新な加飾による見映えのさらなる向上を図りつつ、請求項1または2の発明による化粧シートの無駄を省く作用効果その他の作用効果を達成することができる。
【0048】
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項3または4に記載の遊技盤の製造方法では、
第3工程において、印刷ベースフィルムを、上記盤部品装飾用印刷パターン部及び上記外周側基板部装飾用印刷パターン部の印刷後、ホログラム箔を転写して形成するようにしたことを特徴とする。
【0049】
これによれば、印刷ベースフィルム層を、盤部品装飾用印刷パターン部及び外周側基板部装飾用印刷パターン部の印刷後、ホログラム箔を転写して形成することで、印刷パターンの絵柄がホログラム箔を介して浮き出るといった新しい斬新な加飾による見映えのさらなる向上を図りつつ、請求項3または4の発明による化粧シートの無駄を省く作用効果その他の作用効果を達成することができる。
【0050】
また、本発明は、請求項7の記載のように、請求項1~6のいずれか1つに記載の遊技盤の製造方法において、上記所定の雰囲気温度は、粘着層が遊技基板に対する粘着力を良好に発揮し得る範囲以内の温度であり、また、上記所定の圧力範囲は、粘着層の遊技基板に対する粘着力を良好に確保し得る範囲以内の圧力であるようにしてもよい。
【0051】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】本発明が適用されるパチンコ遊技機の第1実施形態を示す部分破断前面図である。
【
図2】
図1にて2-2線に沿うパチンコ遊技機の断面図である。
【
図3】
図2の遊技盤及び裏ユニットの組み付け構造を示す側面図である。
【
図4】
図3の遊技盤及び裏ユニットを示す分解斜視図である。
【
図5】
図3の遊技基板及び当該遊技基板に貼着してなる化粧シートを示す断面図である。
【
図6】
図5の加飾フィルム部材、粘着層及び遊技基板を示す分解斜視図である。
【
図7】上記実施形態における粘着部材の断面図である。
【
図8】
図4のセンターフレーム部材を示す拡大斜視図である。
【
図9】
図4の液晶パネルカバーを示す拡大前面図である。
【
図10】
図4の左右両側サイドランプ部材、スタートチャッカー部材及びアタッカー部材の蓋体を示す拡大斜視図である。
【
図11】
図2の遊技盤の製造工程を示す工程図である。
【
図12】
図11の保護フィルムロール貼着工程における保護フィルムロールとベースフィルムロールとの貼着過程を示す斜視図である。
【
図13】
図11の保護フィルムロール積層工程における保護フィルムロールとベースフィルムロールとの積層後の積層フィルムロール体を示す斜視図である。
【
図14】
図11の切断工程における積層フィルムロール体の切断後の積層フィルムを示す部分破断裏面図である。
【
図15】
図11の印刷工程において
図14の積層フィルムの裏面に所定の印刷パターンを印刷してなる印刷フィルムの裏面図である。
【
図16】
図14の印刷フィルムにその裏面側からベースフィルム及び保護フィルムを積層してなる部分破断裏面図である。
【
図17】
図11の粘着素材層貼着工程における粘着素材ロールの貼着印刷フィルムとの貼着過程を示す模式的側面図である。
【
図19】
図11の粘着素材層貼着工程における粘着素材ロールの貼着印刷フィル
ムとの貼着後の5層貼着体を示す断面図である。
【
図20】
図11の切り込み工程において
図19の5層貼着体に対する切り込みを示す模式的断面図である。
【
図21】
図11の切り込み工程における切り込み後の切り込み済み5層貼着体を外周側貼着体部位及び内周側貼着体部位に分解した状態にて示す分解側面図である。
【
図22】
図11の遊技基板への貼着工程において切り込み済み5層貼着体を遊技基板に貼着する過程を示す断面図である。
【
図23】
図11のシール貼り付け工程においてセンターフレームの下フレーム部に左側フレームシールを貼着する過程を示す部分拡大斜視図である。
【
図24】
図11のシール貼り付け工程において液晶パネルカバーの上枠部の左側部位及び左側枠部に左上側カバーシール及び左横側カバーシールを貼着する過程を示す部分拡大斜視図である。
【
図25】
図11のシール貼り付け工程において左側サイドランプにランプシールを貼着する過程を示す部分拡大斜視図である。
【
図26】
図11のシール貼り付け工程においてスタートチャッカーにチャッカーシールを貼着する過程を示す部分拡大斜視図である。
【
図27】
図11のシール貼り付け工程においてアタッカー部材の蓋体にアタッカーシールを貼着する過程を示す部分拡大斜視図である。
【
図28】本発明の第2実施形態の要部を示す印刷フィルムの裏面図である。
【
図29】本発明の第3実施形態の要部を示す印刷工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
【0054】
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用してなるパチンコ遊技機(以下、遊技機ともいう)の第1実施形態を示している。当該遊技機は、パチンコホール内の島に立設されるもので、この遊技機は、
図1及び
図2のいずれかにて示すごとく、外枠F、遊技機本体B及び前扉Dにより構成されている。
【0055】
遊技機本体Bは、外枠Fに対し、前後方向に開閉可能に支持されており、当該遊技機本体Bは、
図2にて示すごとく、遊技盤P及び裏ユニットUを備えている。
【0056】
遊技盤Pは、前扉Dの透明板Db(後述する)の裏面側に位置するように、遊技機本体Bに設けられている。当該遊技盤Pは、
図1~
図4のいずれかにて示すごとく、遊技基板10及び化粧シートSを備えている。
【0057】
遊技基板10は、ポリカーボネート樹脂(以下、PC樹脂ともいう)でもって、所定の板厚範囲以内の板厚にて、平板状に形成されている。本第1実施形態において、上記PC樹脂は、熱可塑性樹脂のうちのポリエステルの一種であって、高い剛性を有するとともに、無色透明である。
【0058】
当該遊技基板10は、
図4にて示すごとく、液晶パネルカバー50を介し液晶パネル60を取り付けるための中央開口部11、左右両側サイドランプ70を取り付けるための左右両側長手状開口部12、スタートチャッカー80を取り付けるための開口部13を有している。
【0059】
ここで、中央開口部11は、遊技基板10の中央部に形成されている。左右両側長手状開口部12は、中央開口部11の左右両側下方にて遊技基板10に形成されている。また、開口部13は、左右両側長手状開口部12の間において、遊技基板10に形成されている。なお、本第1実施形態では、遊技基板10の面外形形状は、
図4及び
図6のいずれかから分かるように、幅W×高さHからなる矩形形状となっている。
【0060】
化粧シートSは、その裏面(後述する粘着層30aの裏面)にて、後述するごとく、遊技基板10の表面に貼着されている。なお、化粧シートSの表面は、遊技盤Pの盤面を構成する。
【0061】
化粧シートSは、
図5~
図7のいずれか1つにて示すごとく、加飾フィルム部材20と、粘着部材30とによって構成されている。加飾フィルム部材20は、ベースフィルム20a及び印刷フィルム20bを有しており、ベースフィルム20aは、ポリエステルの一種である無色透明のポリエチレンテレフタレート(以下、PETともいう)でもって、所定の厚さ範囲以内の厚さにて、遊技基板10の面外形形状と同一の面外形形状を有するように形成されている。このことは、加飾フィルム部材20が、その表面にて、遊技基板10の面外形形状と同一の面外形形状を有することを意味する。
【0062】
印刷フィルム20bは、無色透明のPETからなるフィルムの表面に所定の印刷パターン(後述する)を印刷して構成されている。しかして、当該印刷フィルム20bは、その表面にて、ベースフィルム20aの裏面に貼着されている(
図5参照)。ここで、ベースフィルム20aは無色透明であるから、遊技者は、ベースフィルム20aを通してその表面側から印刷フィルム20bの上
記所定の印刷パターンを視認することができる。なお、
図4では、印刷フィルム20bの表面
の上記所定の印刷パターンが、センターフレーム部材40(後述する)側からベースフィルム20aを通して視認され得る状態にある。
【0063】
しかして、このように印刷フィルム20bをベースフィルム20aに貼着してなる加飾フィルム部材20においては、ベースフィルム20a及び印刷フィルム20bの双方には、各中央開口部21a、22aが、遊技基板10の中央開口部11に対応するように形成されている(
図5或いは
図6参照)。なお、本第1実施形態において、印刷フィルム20bのフィルムは、PETに限ることなく、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂でもって形成するようにしてもよい。
【0064】
粘着部材30は、
図7にて示すごとく、粘着層30aと、当該粘着層30aの表面に貼り付けられる表面側離形シート30bと、当該粘着層30aの裏面に貼り付けられる裏面側離形シート30cとによって構成されている。
【0065】
粘着層30aは、所定の粘着剤でもって、所定の厚さ範囲以内の厚さ(例えば、50(μm))にて、遊技基板10の面外形形状と同一の面外形形状を有するように層状に形成されている。本第1実施形態において、粘着層30aの上記所定の厚さ範囲は、25(μm)~70(μm)である。
【0066】
ここで、当該所定の厚さ範囲の下限を25(μm)としたのは、粘着層30aが25(μm)よりも薄すぎると、破れ易く取り扱いにも不便であるのは勿論のこと、粘着層30aの遊技基板10に対する定着が甘く、遊技釘の打ち込み時の衝撃に耐えられないためである。また、当該所定の厚さ範囲の上限を70(μm)としたのは、粘着層30aが70(μm)よりも厚すぎると、柔軟性に欠け取り扱いにも不便であるためである。なお、上記所定の厚さ範囲は、より好ましくは、40(μm)~50(μm)としてもよい。
【0067】
しかして、当該粘着部材30は、後述のごとく、表面側離形シート30bを剥がした上で、粘着層30aにて、その表面でもって、化粧シートSの印刷フィルム20bの裏面に貼着されており、この粘着層30は、後述のごとく、裏面側離形シート30cを剥がした上で、粘着層30aにて、その裏面でもって、遊技基板10の表面に貼着されている(
図5参照)。なお、粘着層30aには、中央開口部31(
図5参照)が遊技基板10の中央開口部11に対応して形成されているが、当該中央開口部31は、
図6では、便宜上、省略されている。また、表面側離形シート30b及び裏面側離形シート30cにも、粘着層30aの中央開口部31の形成の際に、中央開口部31に対応して各中央開口部(図示しない)が形成される。
【0068】
本第1実施形態において、上記所定の粘着剤としては、日栄化工株式会社製のWF-D804型アクリル系粘着剤が採用されており、このWF-D804型アクリル系粘着剤は、所定の粘着力特性を有する。
【0069】
ここで、当該アクリル系粘着剤の粘着力特性を雰囲気温度との関係において測定してみた。測定方法は次の通りである。
【0070】
WF-D804型アクリル系粘着剤からなる粘着層の剥離面を25(μm)の厚さのPETで裏打ちした後25(mm)×150(mm)の大きさに切断して粘着試料として複数準備した。このように準備した各粘着試料を、複数の所定の雰囲気温度の各々の環境において互いに異なる4種類の被着体の各々に貼り合わせてそれぞれ貼り合わせ試料とした。
【0071】
ここで、上述の所定の雰囲気温度は、0(℃)、10(℃)及び常温(20(℃))とした。これに伴い、上述した互いに異なる被着体毎に、粘着試料を3つずつ準備した。また、上述の4種類の被着体は、例えば、ステンレス鋼(厚さ360(mm)で研磨済み)からなるシート(以下、ステンレスシートともいう)、ポリカーボネート樹脂からなるシート(以下、PCシートともいう)、アクリル樹脂からなるシート(以下、アクリルシートともいう)及びPETならなるシート(以下、PETシートともいう)をいう。なお、上記各貼り合わせ試料のうち、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート及びPETシートをそれぞれ貼り合わせた各試料を、それぞれ、ステンレス試料、PC試料、アクリル試料及びPET試料ともいう。
【0072】
しかして、以上のように準備した貼り合わせ試料毎に、当該貼り合わせ試料を、2(kg)のゴムローラでもって、一往復により、所定の基台上において圧着した。その後、当該各貼り合わせ試料を、引っ張り試験機でもって、引っ張り試験を施して粘着力を測定した。なお、このような貼り合わせ試料毎の上記ゴムローラによる圧着及び引っ張り試験機による引っ張り試験は、上述した貼り合わせ試料毎の雰囲気温度の環境において、上述のゴムローラによる圧着後、20(分)の経過時及び24(時間)の経過時間の経過時に行うようにした。但し、剥離条件は、剥離角度180°及び剥離速度300(mm/分)とした。
【0073】
以上の試験によれば、その試験結果は、次の表-1の通りである。
【0074】
【表-1】
この表-1において、試験項目である粘着力は、ステンレス試料、PC試料、アクリル試料及びPET試料の各々の粘着力をいい、当該各粘着力は、ステンレス試料、PC試料、アクリル試料及びPET試料の各々においてステンレスシート、PCシート、アクリルシート及びPETシートの上記所定の基台からの剥離強度に対応する。経過時間は、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートの上記所定の基台に対する貼着時からの経過時間をいう。また、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)は、それぞれ、ステンレス試料、PC試料、アクリル試料及びPET試料の作成及び粘着力の測定を行う雰囲気温度をいう。
【0075】
しかして、表-1によれば、ステンレス試料の粘着力は、20(分)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、2.2(N/25mm)、4.3(N/25mm)及び15.4(N/25mm)であった。
【0076】
これによれば、当該ステンレス試料の粘着力は、20(分)の経過時には、雰囲気温度0(℃)及び10(℃)にて、2.2(N/25mm)、4.3(N/25mm)と非常に低く、雰囲気温度20(℃)では、15.4と高い値となっている。
【0077】
また、当該ステンレス試料の粘着力は、24(時間)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、23.1(N/25mm)、23.2(N/25mm)及び24.2(N/25mm)であった。
【0078】
これによれば、当該ステンレス試料の粘着力は、24(時間)の経過時には、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)のいずれにても、相互に殆ど変らないものの、経過時間20(分)の場合に比べ、非常に高い値或いはかなり高い値となっている。
【0079】
また、PC試料の粘着力は、20(分)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、2.7(N/25mm)、15.0(N/25mm)及び16.7(N/25mm)であった。
【0080】
これによれば、当該PC試料の粘着力は、20(分)の経過時には、雰囲気温度0(℃)において、ステンレス試料の場合と同様に非常に低く、雰囲気温度10(℃)において、ステンレス試料の場合よりも非常に高く、また、雰囲気温度20(℃)において、ステンレス試料の場合と殆ど変らない。
【0081】
また、当該PC試料の粘着力は、24(時間)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、22.3(N/25mm)、22.5(N/25mm)及び23.4(N/25mm)であった。
【0082】
これによれば、当該PC試料の粘着力は、24(時間)の経過時には、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)のいずれにても、相互に殆ど変らないものの、ステンレス試料の場合とほぼ同様に高い値となっている。
【0083】
また、アクリル試料の粘着力は、20(分)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、2.8(N/25mm)、14.0(N/25mm)及び15.7(N/25mm)であった。
【0084】
これによれば、当該アクリル試料の粘着力は、20(分)の経過時には、雰囲気温度0(℃)において、ステンレス試料及びPC試料の双方の場合と同様に非常に低く、雰囲気温度10(℃)及び20(℃)において、PC試料の場合と殆ど変らないが、10(℃)では、ステンレス試料の場合よりもかなり高くなっている。
【0085】
また、当該アクリル試料の粘着力は、24(時間)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、18.9(N/25mm)、19.6(N/25mm)及び19.8(N/25mm)であった。
【0086】
これによれば、当該アクリル試料の粘着力は、24(時間)の経過時には、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)のいずれにても、相互に殆ど変らないが、ステンレス試料の場合よりも幾分低いものの、ほぼ同様に高い値となっている。
【0087】
また、PET試料の粘着力は、20(分)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、1.8(N/25mm)、5.0(N/25mm)及び14.6(N/25mm)であった。
【0088】
これによれば、当該PET試料の粘着力は、20(分)の経過時には、雰囲気温度0(℃)では、ステンレス試料、PC試料及びアクリル試料の場合と殆ど変らず、非常に低く、雰囲気温度10(℃)では、ステンレス試料の場合と同様に非常に低く、また、雰囲気温度20(℃)では、ステンレス試料、PC試料及びアクリル試料の場合と殆ど変らない。
【0089】
また、当該PET試料の粘着力は、24(時間)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、16.2(N/25mm)、16.5(N/25mm)及び16.9(N/25mm)であった。
【0090】
これによれば、当該PET試料の粘着力は、24(時間)の経過時には、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)のいずれにても、相互に殆ど変らないが、アクリル試料の場合よりも幾分低いものの、ほぼ同様に高い値となっている。
【0091】
以上によれば、ステンレス試料、PC試料、アクリル試料及びPET試料は、それぞれ、固有の粘着力特性を有するものの、各々の粘着力は、時間の経過に伴い高くなる傾向を有するものの、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートの上記所定の基台に対する貼り合わせ直後において高くなることはない。換言すれば、WF-D804型アクリル系粘着剤の粘着力特性は、上記貼り合わせ直後には非常に低く時間の経過に伴い緩やかに高くなる傾向を有する。
【0092】
本第1実施形態においては、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートの上記所定の基台に対する貼着時の直後(後述する所定の短時間以内、例えば、貼着後少なくとも20(分)以内)の粘着力は、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)のいずれであっても、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートを上記所定の基台から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低い粘着力であると認められる。
【0093】
例えば、PCシートでは、上記粘着力は、16.7(N/25mm)程度であれば、上述した基台から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低い粘着力に相当する。また、上記アクリルシートでは、上記粘着力は、15.7(N/25mm)程度であれば、上述した基台から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低い粘着力に相当する。
【0094】
また、上記粘着力が、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートを上記所定の基台から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低い粘着力であれば、上述した貼着後少なくとも20(分)以内に限ることなく、20(分)を、例えば5(分)程度、超えてもよい。なお、20(分)未満であれば、上述した低い粘着力という条件を満たすことは容易に理解できる。
【0095】
また、上述した雰囲気温度の範囲は、0(℃)、10(℃)及び20(℃)に限ることなく、0(℃)~20(℃)の範囲以内であってもよく、また、20(℃)よりも高くても、上記粘着力が、上述した貼着時の直後において、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートを上記所定の基台から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低く、かつ、上記貼着時の後、例えば、24(時間)経過した時点において、良好な値を確保し得る温度の範囲であればよいことは確認済みである。
【0096】
換言すれば、本第1実施形態における遊技基板10の形成材料は、上述のごとく、PC樹脂であることから、上述のPC試料の粘着力特性と同様の粘着力特性を有する。従って、遊技基板10と化粧シートSとの貼り合わせ直後の粘着力は、化粧シートSを遊技基板10から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低い粘着力であると認められる。なお、この点については、実際に、化粧シートSを遊技基板10から剥がしてみることで、化粧シートSを遊技基板10から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得るは確認済みである。
【0097】
また、当該遊技盤Pは、
図1~
図4のいずれかにて示すごとく、ガイドレールR、センターフレーム部材40、液晶パネルカバー部材50、液晶パネル60、並びに左右両側サイドランプ部材70、スタートチャッカー部材80及びアタッカー部材90等の各種の盤部品を備えている。
【0098】
ガイドレールRは、
図1から分かるように、化粧シートSを介し遊技基板10の外周部に沿い設けられており、当該ガイドレールRの内周側には、遊
技盤Pの化粧シート
Sに遊技領域が形成されている(
図1参照)。このことは、ガイドレールRが、その内周側にて、遊技盤Pの盤
面(化粧シートSの表面)に遊技領域を形成することを意味する。
【0099】
センターフレーム部材40は、装飾用環状構造体であって、
図8にて示すごとく、センターフレーム40a及び左右両側フレームシール40bを備えている。センターフレーム40aは、
図8にて示すような環状フレームからなるもので、当該センターフレーム40aは、その中空部41にて遊技基板10の中央開口部11に対応するように、化粧シートSを介し中央開口部11の外周縁部に装着されている。
【0100】
左右両側フレームシール40bは、それぞれ、長手状のもので、当該左右両側フレームシール40bは、
図8にて示すごとく、センターフレーム40aの下フレーム部の左右両側部位に沿い貼着されている。本第1実施形態では、当該左右両側フレームシール40bは、後述のごとく、化粧シートSの中央部(遊技基板10の中央開口部11に対応)から切り取り形成されるものである。このことは、当該左右両側フレームシール40bは、それぞれ、化粧シートSの形成材料と同一の材料でもって形成されていることを意味する。
【0101】
具体的には、当該左右両側フレームシール40bは、それぞれ、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部を積層してなるもので、左側フレームシール40bのベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部、並びに右側フレームシール40bのベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部は、それぞれ、化粧シートSのベースフィルム20a、印刷フィルム20b及び粘着層30aの各中央部(化粧シートSの中央部に対応)から一体に切り取り形成されたものである。本第1実施形態では、左右両側フレームシール40bは、上述のように化粧シートSから切り取られた段階では、保護フィルム部及び裏側離形シート部を有しているが、当該保護フィルム部及び裏側離形シート部は、左右両側フレームシール40bをセンターフレーム40aの下フレーム部の左右両側部位に貼着する前に粘着層部から剥がされるようになっている。従って、左右両側フレームシール40bは、それぞれ、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部からなる構成と把握してもよく、また、当該構成に上述した保護フィルム部及び裏側離形シート部をも加えた構成として把握してもよい。
【0102】
ここで、上記印刷フィルム部の表面には、上記所定の印刷パターンのうちの左側フレームシール40bに対する対
応印刷パターン
部(以下、対応左側フレームシール印刷パターン部ともいう)が、緑色部位A1、桃色部位A2、スカイブルー部位A3及び赤色部位A4からなるように
図8にて示すごとく配色して印刷され
ている。一方、上
記所定の印刷パターンのうちの右側フレームシール40bに対する対
応印刷パターン
部(以下、対応右側フレームシール印刷パターン部ともいう)が、桃色部位B1、スカイブルー部位B2、緑色部位B3、スカイブルー部位B4及び橙色部位B5からなるように
図8にて示すごとく配色して印刷されている。なお、上述の対応左側フレームシール印刷パターン部及び対応右側フレームシール印刷パターン部は、各対応のベースフィルム部を通して視認可能となっている。
【0103】
上述した液晶パネルカバー部材50は、
図4及び
図9のいずれかにて示すごとく、液晶パネルカバー50a、左右両上側カバーシール50b及び左右両横側カバーシール50cを備えている。
【0104】
液晶パネルカバー50aは、矩形環状板からなるもので、当該液晶パネルカバー50aは、その矩形状中空部51を遊技基板10の中央開口部11に対応させるように、当該中央開口部11の外周縁部にその裏面側から装着されている。なお、液晶パネル60が、その表示面にて、液晶パネルカバー50aの矩形状中空部51に対応するように、当該液晶パネルカバー50aに取り付けられている。
【0105】
左右両上側カバーシール50bは、
図9にて示す長手形状のもので、当該左右両上側カバーシール50bは、液晶パネルカバー50aの上枠部の左右両側部位にその表面側から貼着されている。本第1実施形態では、当該左右両上側カバーシール50bは、後述のごとく化粧シートSの中央部(遊技基板10の中央開口部11に対応)から切り取り形成されるものである。このことは、当該左右上両側カバーシール50bは、それぞれ、化粧シートSの形成材料と同一の材料でもって形成されていることを意味する。
【0106】
具体的には、当該左右両上側カバーシール50bは、それぞれ、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部からなるもので、左上側カバーシール50bのベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部、並びに右上側カバーシール50bのベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部は,それぞれ、化粧シートSのベースフィルム20a、印刷フィルム20b及び粘着層30の各中央部(化粧シートSの中央部に対応)から一体に切り取り形成されたものである。本第1実施形態では、左右両上側カバーシール50bは、上述のように化粧シートSから切り取られる段階では、それぞれ、保護フィルム部及び裏側離形シート部を有しているが、当該保護フィルム部及び裏側離形シート部は、左右両上側カバーシール50bを液晶パネルカバー50aの上枠部の左右両側部位に貼着する前に各粘着層部から剥がされるようになっている。従って、左右両上側カバーシール50bは、それぞれ、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部からなる構成と把握してもよく、また、当該構成に上記各裏側離形シート部及び各保護フィルム部をも加えた構成として把握してもよい。
【0107】
ここで、左上側カバーシール50bの印刷フィルム部の表面には、上
記所定の印刷パターンのうちの左上側カバーシール50bに対する対
応印刷パターン
部(以下、対応左上側カバーシール印刷パターン部ともいう)が、青色部位C1及び複数の楔状黄色部位C2からなるように
図9に示すごとく配色して印刷され
ている。一方、上
記所定の印刷パターンのうちの右上側カバーシール50bに対する対
応印刷パターン
部(以下、対応右上側カバーシール印刷パターン部ともいう)が、青色部位D1及び白色部位D2からなるように
図9に示すごとく配色して印刷されている。なお、上述の対応左上側カバーシール印刷パターン部及び対応右上側カバーシール印刷パターン部は、各対応のベースフィルム部を通して視認可能となっている。
【0108】
左右両横側カバーシール50cは、
図9にて図示形状を有するもので、当該左右両横側カバーシール50cは、液晶パネルカバー50aの左右両側枠部にその表面側から貼着されている。本第1実施形態では、当該左右両横側カバーシール50cは、後述のごとく化粧シートSの中央部(遊技基板10の中央開口部11に対応)から切り取り形成されるものである。このことは、当該左右両横側カバーシール50cは、それぞれ、化粧シートSの形成材料と同一の材料でもって形成されていることを意味する。
【0109】
具体的には、当該左右両横側カバーシール50cは、それぞれ、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部からなるもので、左横側カバーシール50cのベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部、並びに右横側カバーシール50cのベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部は、化粧シートSのベースフィルム20a、印刷フィルム20b及び粘着層30の各中央部(化粧シートSの中央部に対応)から一体に切り取り形成されたものである。本第1実施形態では、左右両横側カバーシール50cは、上述のように化粧シートSから切り取られる段階では、それぞれ、保護フィルム部及び裏側離形シート部を有しているが、当該保護フィルム部及び裏側離形シート部は、左右両横側カバーシール50cを液晶パネルカバー50aの左右両側枠部に貼着する前に各粘着層部から剥がされるようになっている。従って、左右両横側カバーシール50cは、それぞれ、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部からなる構成と把握してもよく、また、当該構成に上記各裏側離形シート部及び各保護フィルム部をも加えた構成として把握してもよい。
【0110】
ここで、左横側カバーシール50cの上記印刷フィルム部の表面には、上
記所定の印刷パターンのうちの左横側カバーシール50cに対する対
応印刷パターン
部(以下、対応左横側印刷パターン部ともいう)が、青色部位E1、白色部位E2、茶色部位E3及び黄色部位カバーシールE4からなるように
図9にて示すごとく配色して印刷され
ている。一方、上
記所定の印刷パターンのうちの右横側カバーシール50cに対する対
応印刷パターン
部(以下、対応右横側カバーシール印刷パターン部ともいう)が、青色部位F1、橙色部位F2、濃橙色部位F3及び緑色部位F4からなるように
図9にて示すごとく配色して印刷されている。なお、上述の対応左横側カバーシール印刷パターン部及び対応右横側カバーシール印刷パターン部は、各対応のベースフィルム部を通して視認可能となっている。
【0111】
液晶パネル60は、
図4から分かるように、液晶パネルカバー部材50を介して遊技基板10の中央開口部11にその裏面側から取り付けられており、当該液晶パネル60は、その表示面にて、液晶パネルカバー部材50の液晶パネルカバー50aの矩形状中空部51(
図9参照)、遊技基板10の中央開口部11及びセンターフレーム40aの中空部41を通して視認されるようになっている。なお、液晶パネル60は、当該遊技機による遊技に伴い、種々の演出表示を行う。
【0112】
左右両側サイドランプ部材70は、
図1にて示すごとく、遊技基板10の表面のうちセンターフレーム40の逆八の字状下枠部の左右両側部位の直下にて化粧シートSを介し遊技基板10に配設されている。
【0113】
当該左右両側サイドランプ部材70のうち、左側サイドランプ部材70は、左側サイドランプ70aと、当該左側サイドランプ70aの表面に貼着される左側ランプシール70bとにより構成されており、一方、右側サイドランプ部材70は、右側サイドランプ70aと、当該右側サイドランプ70aの表面に貼着される右側ランプシール70bとにより構成されている(
図10参照)。なお、左側サイドランプ70a及び右側サイドランプ70aは、それぞれ、当該遊技機による遊技に伴い演出点灯するようになっている。
【0114】
左右両側サイドランプ部材70において、左右両側サイドランプ70aは、
図10にて示すような互いに対称的な湾曲長手形状に形成されており、当該左右両側サイドランプ70aは、化粧シートSを介し、遊技基板10の左右両側開口部12に嵌着されている。なお、化粧シートSのうち左右両側開口部12に対する対応左右両側部位は、左右両側開口部12と同一の開口形状を有するように切り取られることで、当該左右両側サイドランプ70aの左右両側開口部12への嵌着がなされる。
【0115】
また、左右両側ランプシール70bは、後述のごとく化粧シートSの中央部(遊技基板10の中央開口部11に対応)から切り取り形成されるものである。このことは、当該左右両側ランプシール70bは、それぞれ、化粧シートSの形成材料と同一の材料でもって形成されていることを意味する。
【0116】
具体的には、当該左右両側ランプシール70bは、それぞれ、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部からなるもので、左側ランプシール70bのベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部、並びに右側ランプシール70bのベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部は、それぞれ、化粧シートSのベースフィルム20a、印刷フィルム20b及び粘着部材30の粘着層30aの各中央部(化粧シートSの中央部に対応)から一体に切り出し形成されたものである。本第1実施形態では、左右両側ランプシール70bは、上述のように化粧シートSから切り取られる段階では、それぞれ、保護フィルム部及び裏側離形シート部を有しているが、当該保護フィルム部及び裏側離形シート部は、左右両側ランプシール70bを左右両側サイドランプ70aに貼着する前に各粘着層部から剥がされるようになっている。従って、左右両側ランプシール70bは、それぞれ、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部からなる構成と把握してもよく、また、当該構成に上記各裏側離形シート部及び各保護フィルム部をも加えた構成として把握してもよい。
【0117】
ここで、左側ランプシール70bの上記印刷フィルム部の表面には、上
記所定の印刷パターンのうちの左側ランプシール70bに対する対
応印刷パターン
部(以下、対応左側ランプシール印刷パターン部ともいう)が、緑色部位G1、赤色部位G2及び濃茶色部位G3からなるように
図10にて示すごとく配色して印刷され
ている。一方、上
記所定の印刷パターンのうちの右側ランプシール70bに対する対
応印刷パターン
部(以下、対応右側ランプシール印刷パターン部ともいう)は、緑色部位H1、薄紫色部位H2及び濃紫色部位H3からなるように
図10にて示すごとく配色して印刷されている。なお、上述の対応左側ランプシール印刷パターン部及び対応右側印刷パターン部は、各対応のベースフィルム部ランプシールを通して視認可能となっている。
【0118】
スタートチャッカー部材80は、当該遊技機による遊技に伴い遊技盤Pの盤面に沿い下方へ転動する遊技球が入賞するとき大当たり抽選の機会を与える始動入賞口装置であり、当該スタートチャッカー部材80は、
図1にて示すごとく、センターフレーム40の直下における左右両側サイドランプ部材70の間に位置するように、化粧シートSを介し遊技基板10に取り付けられている。
【0119】
スタートチャッカー部材80は、
図10にて示すごとく、スタートチャッカー80aと、当該スタートチャッカー80aの表面に貼着されるチャッカーシール80bとにより構成されている。スタートチャッカー80aは、化粧シートSを介し遊技基板10の開口部13(
図4参照)に嵌着されている。なお、化粧シートSの開口部13に対する対応部位は、開口部13と同一の開口形状に切り取られることで、スタートチャッカー80aの開口部13への嵌着が可能となっている。
【0120】
チャッカーシール80bは、化粧シートSの中央部から切り取られるものである。このことは、当該チャッカーシール80bは、化粧シートSの形成材料と同一の材料でもって形成されていることを意味する。
【0121】
具体的には、当該チャッカーシール80bは、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部からなるものである。本第1実施形態では、チャッカーシール80bは、上述のように化粧シートSから切り取られる段階では、それぞれ、保護フィルム部及び裏側離形シート部を有しているが、当該保護フィルム部及び裏側離形シート部は、チャッカーシール80bをスタートチャッカー80aに貼着する前に粘着層部から剥がされるようになっている。従って、チャッカーシール80bは、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部からなる構成と把握してもよく、また、当該構成に上記裏側離形シート部及び保護フィルム部をも加えた構成として把握してもよい。
【0122】
ここで、上
記所定の印刷パターンのうちのチャッカーシール80b
に対する対応印刷パターン
部(以下、チャッカーシール印刷パターン部ともいう)は、緑色部位I1及び橙色部位I2からなるように
図10にて示すごとく配色して印刷されている。なお、上述のチャッカーシール印刷パターン部は、対応のベースフィルム部を通して視認可能となっている。
【0123】
アタッカー部材90は、上述の大当たり抽選の結果が大当たりになるとき、遊技盤Pの盤面に沿い下方へ転動する遊技球を多数入賞させ得る大入賞口装置であり、当該アタッカー部材90は、
図1にて示すごとく、スタートチャッカー部材80の直下にて化粧シートSを介し遊技基板10に取り付けられている。
【0124】
当該アタッカー部材90は、アタッカー本体(図示しない)と、当該アタッカー本体を開閉する横長状の蓋体90a(
図10参照)と、当該蓋体90aの表面に貼着されるアタッカーシール90bとより構成されている。当該アタッカーシール90bは、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部からなるもので、当該ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部は、化粧シートSのベースフィルム20a、印刷フィルム20b及び粘着部材30の粘着層30aの各中央部(化粧シートSの中央部に対応)から一体に切り取り形成されたものである。なお、アタッカー部材90は、蓋体90aを上記アタッカー本体から開くことで、当該アタッカー本体内に遊技盤の盤面に沿い転動してくる遊技球を多数入賞させ、また、この入賞を蓋体90aにより上記アタッカー本体を閉じることで遮断するようになっている。また、本第1実施形態では、アタッカー部材90は、上述のように化粧シートSから切り取られる段階では、保護フィルム部及び裏側離形シート部を有しているが、当該保護フィルム部及び裏側離形シート部は、アタッカーシール90bを蓋体90aに貼着する前に粘着層部から剥がされるようになっている。従って、アタッカーシール90bは、ベースフィルム部、印刷フィルム部及び粘着層部からなる構成と把握してもよく、また、当該構成に上記裏側離形シート部及び保護フィルム部をも加えた構成として把握してもよい。
【0125】
ここで、上記所定の印刷パターンのうちのアタッカーシール90bに対応する印刷パターン
部(以下、アタッカーシール印刷パターン部ともいう)は、緑色部位J1及び濃緑色部位L2からなるように
図10にて示すごとく配色して印刷されている。なお、上述のアタッカーシール印刷パターン部は、対応のベースフィルム部を通して視認可能となっている。
【0126】
前扉Dは、
図1にて示すごとく、環状の前枠Daと、当該前枠Daの開口部に組み付けてなる透明板Dbとにより構成されており、当該前扉Dは、前枠Daにて、遊技機本体Bに開閉可能に支持されている。なお、
図1に符号Hdは、ハンドルを示している。当該ハンドルHdは、球発射装置(図示しない)の一構成部材として、遊技機本体Bの右側下部にその前面側から支持されており、このハンドルHdは、その回動操作のもと、上記球発射装置に供給される遊技球を上記遊技盤の遊技領域内に向け発射するようになっている。
【0127】
次に、以上のように構成した本第1実施形態の遊技機において、その遊技盤Pの製造方法について
図11を参照して説明する。積層フィルムロール体形成工程S1においては、まず、ベースフィルムロール100及び保護フィルムロール110を準備する(
図12参照)。なお、当該積層フィルムロール体形成工程S1からシール貼着工程S8までの処理は、10(℃)の雰囲気温度の環境にてなされる。
【0128】
ここで、ベースフィルムロール100は、複数のベースフィルム20aとして切断形成する前のPET製長手状フィルム体をベースフィルム用フィルム体としてロール状に巻いたものである。また、保護フィルムロール110は、後述のごと
く、ベースフィルム20aを保護する保護フィルム20c(
図14参照)を複数切断形成する前の他のPET製長手状フィルム体を保護フィルム用フィルム体としてロール状に巻いたものである。なお、ベースフィルムロール100は、上述したベースフィルム20aと同様の厚さを有する。また、保護フィルムロール110は、20(μm)~50(μm)の範囲以内の厚さを有する。50(μm)の厚
さを上限値としたのは、当該50(μm)よりも厚いと、保護フィルムロール110が曲げにくく作業性の悪化を招くためである。一方、20(μm
)の厚さを下限値としたのは、当該20(μm)よりも薄いと、保護フィルムロール110から後述のように形成される保護フィルムを粘着層から剥がすときに破れ易いためである。なお、保護フィルムロール110の形成材料は、PETに限ることなく、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンであってもよい。
【0129】
しかして、このように準備した保護フィルムロール110を、
図12にて示すごとく、ベースフィルムロール100上にその長手方向に沿うように貼着により積層して、積層フィルムロール体120(
図13参照)として形成する。なお、保護フィルムロール110は、その裏面にて、ベースフィルムロール100の表面に貼着される。
【0130】
然る後、切断工程S2において、積層フィルムロール体120を、
図13にて破線により示すごとく、順次、所定の切断間隔にて切断して、積層フィルム120a(
図13及び
図14参照)として形成する。本第1実施形態では、上述の所定の切断間隔は、遊技基板10の高さHに相当する。また、積層フィルム120aは、保護フィルム20c及びベースフィルム20aを貼着により積層した構成となり、保護フィルム20cは、その裏面にて、ベースフィルム20aの表面に貼着されている(
図14参照)。
【0131】
このように複数の積層フィルム120aが切断形成されると、次の印刷フィルム形成工程S3において、上述のように、所定の印刷パターンを透明のPETからなるフィルムの表面に印刷して印刷フィルム20b(
図15参照)として形成するとともに当該印刷フィルム20bを複数準備する。
【0132】
本第1実施形態において、印刷フィルム20bは、遊技基板10の中央開口部11に対応する中央側フィルム部Cfと、遊技基板10の中央開口部11の外周側部に対応する外周側フィルム部Sfとにより構成されている(
図15参照)。
【0133】
中央側フィルム部Cfの表面には、複数のシール用印刷部1~6が互いに分離して印刷されている。ここで、両シール用印刷部1(上述した左側フレームシール印刷パターン部及び右側フレームシール印刷パターン部に相当)は、センターフレーム40の左右両側センターフレームシール40bに対応し、両シール用印刷部2(上述した左上側カバーシール印刷パターン部及び右上側カバーシール印刷パターン部に相当)は、液晶パネルカバー50の左右上側カバーシール50bに対応し、両シール用印刷部3(上述した左横側カバーシール印刷パターン部及び右横側カバーシール印刷パターン部に相当)は、液晶パネルカバー50の左右横側カバーシール50cに対応し、両シール用印刷部4(上述した左側ランプシール印刷パターン部及び右側ランプシール印刷パターン部に相当)は、左右両側サイドランプシート70bに対応し、シール用印刷部5(上述したチャッカーシール印刷パターン部に相当)は、スタートチャッカーシール80bに対応し、シール用印刷部6(上述したアタッカーシール印刷パターン部に相当)は、アタッカーシール90bに対応する。
【0134】
換言すれば、両シール用印刷部1は、これに対する印刷フィルム20bの対応部位とともにセンターフレーム40の左右両側センターフレームシール40bを構成し、両シール用印刷部2は、これに対する印刷フィルム20bの対応部位とともに液晶パネルカバー50の左右上側カバーシール50bを構成し、両シール用印刷部3は、これに対する印刷フィルム20bの対応部位とともに液晶パネルカバー50の左右横側カバーシール50cを構成し、両シール用印刷部4は、これに対する印刷フィルム20bの対応部位とともに左右両側サイドランプシート70bを構成し、シール用印刷部6は、これに対する印刷フィルム20bの対応部位とともにアタッカーシール90bを構成する(
図16参照)。
【0135】
また、外周側フィルム部Sfは、その表面にて、下から上に向けて薄緑色からスカイブルーに徐々に変化する背景色の中に、
図15にて示すごとく、太陽、3つの雲、5つの草花が、
図15にて相互に分散した位置にて印刷されている。
【0136】
ついで、複数の印刷フィルム20bを、それぞれ、各対応の積層フィルム120aのベースフィルム20aにその裏面側から貼着により積層して、積層フィルム層120aと印刷フィルム20bとの積層印刷フィルム130(
図16参照)として複数形成する。なお、積層印刷フィルム130は、印刷フィルム20bと、積層フィルム120aであるベースフィルム20a及び保護フィルム20cとの3層の積層構成を有する。
【0137】
然る後、次の粘着素材層貼着工程S4における処理を行う。この処理にあたり、粘着素材ロール140(
図17及び
図18参照)を準備する。この粘着素材ロール140は、
図17或いは
図18にて示すごとく、粘着素材層141、表面側離形層142及び裏面側離形層143を備えている。
【0138】
当該粘着素材ロール140において、粘着素材層141は、上述した日栄化工株式会社製のWF-D804型アクリル系粘着剤でもって、所定の厚さ50(μm)にて、長手状に形成されている。
【0139】
表面側離形層142は、所定の厚さ25(μm)を有するようにPETでもって形成されており、当該表面側離形層142は、その裏面にて、粘着素材層141に沿いその表面にて貼着されている。裏面側離形層143は、所定の厚さ75(μm)を有するようにPETでもって形成されており、当該裏面側離形層143は、その表面にて、粘着素材層141に沿いその裏面にて貼着されている。なお、表面側離形層142及び裏面側離形層143は、PETに限ることなく、ポリエステルであればよく、また、ポリプロピレンを含む熱可塑性樹脂であってもよい。
【0140】
しかして、このように準備した粘着素材ロール140を、ラミネータ150により、次のようにして、積層印刷フィルム130に貼着する。ここで、ラミネータ150は、
図17にて示すごとく、基台151、移動プレート152、支持ローラ153、捲き取りローラ154及び押圧ローラ155を備えている。
【0141】
移動プレート152は、基台151の上面上に
図17にて図示左右方向へ移動可能に載置されている。なお、当該移動プレート152は、図示しない駆動機構により、左方向或いは右方向に移動するように駆動される。
【0142】
支持ローラ153は、その軸にて、移動プレート152の直上において、
図17にて紙面に直角な方向に沿うように支持されており、当該支持ローラ153は、
図17にて図示反時計方向に回転する。
【0143】
捲き取りローラ154は、その軸にて、
図17の支持ローラ153の図示右側下方にて、支持ローラ153の軸に平行となるように、移動プレート152の直上にて支持されており、当該捲き取りローラ154は、
図17にて図示反時計方向に回転するように、回転機構(図示しない)により駆動される。また、押圧ローラ155は、その軸にて、支持ローラ153及び捲き取りローラ154の間において、捲き取りローラ154よりも下方に位置するように、移動プレート152の直上に支持されており、当該押圧ローラ155は、
図17にて図示時計方向に回転するようになっている。
【0144】
このような前提のもと、印刷フィルム形成工程S3において印刷形成した積層印刷フィル
ム130を、
図17にて示すごとく、ラミネータ150の移動プレート152上に載置する。この載置は、積層印刷フィルム130を移動プレート152と押圧ローラ83との間にて移動プレート152の
図17にて図示右側から左側への移動に伴い移動させるように行う。
【0145】
このようなラミネータ150の構成のもと、粘着素材ロール140を
図17にて示すごとく支持ローラ153に同軸的に支持する。そして、当該粘着素材ロール140の表面側離形層142の先端部を粘着素材層141の先端部から分離した後、当該裏面側離形層142をその先端部から捲き取りローラ154に
図17にて反時計方向巻きに捲き付ける。
【0146】
一方、粘着素材ロール140の粘着素材層141及び裏面側離形層143をその各先端部から押圧ローラ155と積層印刷フィルム130との間に押し込む。このとき、裏面側離形層143は、その先端部にて、粘着素材層141の先端部の上側に位置し、粘着素材層141は、その先端部にて、積層印刷フィルム130の印刷フィルム20b上に位置する。従って、積層印刷フィルム130は、その保護フィルム20cにて、移動プレート152上に載置されている。
【0147】
しかして、ラミネータ150が作動状態におかれると、移動プレート152が、基台151の上面に沿い
図17にて図示左方へ移動する。また、捲き取りローラ154が
図17にて図示反時計方向に回転すると、粘着素材ロール140においては、表面側離形層142が、粘着素材層141から順次剥がされつつ捲き取りローラ154により巻き取られるとともに、粘着素材層141が、表面側離形層142から剥がされつつ、裏面側離形層143と共に、移動プレート152の移動に伴い、押圧ローラ155の外表面との摩擦接触のもと当該押圧ローラ155を
図9にて図示時計方向に回転させながら、当該押圧ローラ155と積層印刷フィルム130との間にて押圧されて積層印刷フィルム130と共に左側へ移動していく。
【0148】
このとき、このような移動過程において、粘着素材層141が、押圧ローラ155により、積層印刷フィルム130の印刷フィルム20bにその上側から押圧されて貼着されていく(
図17参照)。これにより、粘着素材層141が、印刷フィルム20bに押圧により貼着されつつ、印刷フィルム20bと一体となって、移動プレート152の左方への移動に応じて、積層印刷フィルム130と共に移動されていく。
【0149】
このような過程において、粘着素材層141が、その印刷フィルム20bの右端部に対する対応部位にて、当該印刷フィルム20bの右端部に押圧により貼着されると、粘着素材ロール140が、裏面側離形層143及び粘着素材層141の印刷フィルム20bの右端部に対する対応部位にて、ラミネータ150によりそのカッター(図示しない)でもって切断される。
【0150】
このとき、粘着素材層141が粘着層30aとして切断され、裏面側離形層143が、裏面側離形シート143a(裏面側離形シート30cに対応)として切断される(
図19参照)。しかして、上述のような粘着素材ロール140の切断でもって、裏面側離形シート143a、粘着層30a並びに積層印刷フィルム130の印刷フィルム20b、ベースフィルム20a及び保護フィルム20cからなる5層貼着体160(
図19参照)が形成される。
【0151】
上述のような切断は、新たな積層印刷フィルム130毎になされて、対応の積層印刷フィルム130と共に、5層貼着体160(
図19参照)として形成される。
【0152】
然る後、次の切り込み工程S5の処理がなされる。この処理では、5層貼着体160が、次のようにして、トムソン抜き型170でもって、切り込まれる。
【0153】
トムソン抜き型170は、
図20にて示すごとく、板状型本体171、環状切りこみ刃172及び環状切断刃173を備えている。環状切りこみ刃172は、所定の環形状、即ち、遊技基板10の中央開口部11の内周面に沿う環形状でもって、裏面側離形シート143aから保護フィルム20cにかけて切り込むように、板状型本体171の下面から下方へ突出して形成されている。
【0154】
ここで、当該環状切りこみ刃172の縦断面形状は、
図20にて示すごとく、板状型本体171の下面からくさび状にて鋭く末すぼまり状に立ち下がる形状となっている。なお、当該切りこみ刃172は、その外周面にて板状型本体171の下面から下方へ垂直状に立ち下がっており、当該切り込み刃172の内周面は、板状型本体171の下面から下方へかつ切りこみ刃172の外周面に達するように傾斜状に立ち下がることで、上記末すぼまり状の立ち下がり形状となっている。
【0155】
また、環状切断刃173は、所定の環形状、即ち、化粧シートSの外周面形状に対応する環形状でもって、環状切りこみ刃172の外周側にて、裏面側離形シート143aから保護フィルム20cにかけて切り込むように、板状型本体171の下面から下方へ突出して形成されている。
【0156】
ここで、当該環状切断刃173の縦断面形状は、
図20にて示すごとく、板状型本体171の下面からくさび状にて鋭く末すぼまり状に立ち下がる形状となっている。ただし、環状切断刃173の板状型本体171の下面からの突出長さは、環状切りこみ刃172の板状型本体171の下面からの突出長さと同様になっている(
図20参照)。
【0157】
なお、当該環状切断刃173は、その内周面にて板状型本体171の下面から下方へ垂直状に立ち下がっており、当該切り込み刃172の外周面は、板状型本体171の下面から下方へかつ環状切断刃173の内周面に達するように傾斜状に立ち下がることで、上記末すぼまり状の立ち下がり形状となっている。
【0158】
しかして、このようなトムソン抜き型170の構成のもと、5層貼着体160が、その保護フィルム20cから、作業台L(
図20参照)の上面上に載置される。ついで、トムソン抜き型170が、その切りこみ刃172の先端部にて、5層貼着体160を介し、遊技基板10の中央開口部11に同心的に対応して位置するように、5層貼着体160の裏面側離形シート143a上に載置される。
【0159】
然る後、トムソン抜き型170が、その板状型本体171にて、プレス機(図示しない)により、下方(
図20の図示矢印方向)に沿い作業台Lの上面に向けて押圧される。これに伴い、トムソン抜き型170が、その環状切断刃173にて、5層貼着体160を、化粧シートSの外周面形状に対応するように裏面側離形シート143aから保護フィルム20cにかけて切断するとともに、環状切りこみ刃172にて、5層貼着体160を、遊技基板10の中央開口部11の内周面形状に対応するように裏面側離形シート143aから保護フィルム20cにかけて、順次、切り込む。
【0160】
これにより、5層貼着体160は、その化粧シートSの外周に対する対応外側環状切り込み位置にて、環状切断刃173により切り込まれるとともに、遊技基板10の中央開口部11の内周に対する環状内側切り込み位置にて、環状切り込み刃172により切り込まれる(
図20参照)。このように切り込まれた5層貼着体160(以下、切り込み済み5層貼着体160aともいう)は、
図21にて示すごとく、上記環状内側切り込み位置の内周側貼着体部位161及び上記環状内側切り込み位置と上記環状外側切り込み位置との間の貼着体部位162(上記内周側貼着体部位に対する外周側貼着体部位162)の双方に分離形成される。本実施形態では、5層貼着体160aの内周側貼着体部位161及び外周側貼着体部位162が、それぞれ、化粧シートSの中央側化粧シート部位及び外周側化粧シート部位に対応する。このとき、切りこみ刃172による切り込み形状は、遊技基板10の中央開口部11の内周面に対応する環状形状となっており、また、環状切断刃173による切断形状は、化粧シートSの外周面形状となっている。
【0161】
然る後、シール切り取り工程S6において、5層貼着体160aの内周側貼着体部位161から左右両側フレームシール40b、左右上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b及びアタッカーシール90bを切り取る。
【0162】
ついで、遊技基板への貼着工程S7においては、切り込み済み5層貼着体160aが、その外周側貼着体部位162にて、次のようにして、ビックラダー株式会社製専用貼り機180でもって、遊技基板10に貼り合わされる。
【0163】
ここで、専用貼り機180は、
図22にて示すごとく、基台181と、L字板状移動部材182と、ベルト駆動機構183と、押圧ローラ184とを備えている。L字板状移動部材182は、その板状脚部182aにて、基台181にその上面から下方に向け凹状に形成された凹所(図示しない)に沿い、ベルト駆動機構183による駆動に応じて、
図22にて図示左右方向に移動可能に支持されて上方へ延出している。
【0164】
また、L字板状移動部材182の板状腕部182bは、板状脚部182aの延出端部から
図22にて図示左方へL字状に折れ曲がって延出しており、当該板状腕部182bの延出端部には、押圧ローラ184が、その軸にて、
図22にて紙面の手前から奥に向くように支持されている。ここで、当該押圧ローラ184が、その外周面にて、後述のように基台181上に載置される遊技基板10の表面に沿い当接して回転するように、板状腕部182bの基台181の上面からの延出高さが設定されている。
【0165】
このような専用貼り機180の構成のもと、遊技基板10を、
図22にて示すごとく、L字板状移動部材182の左側に位置するように、基台10の上面上に載置する。このとき、遊技基板10が、その
図22にて図示右端部にて、押圧ローラ184の下端部直下近傍に位置するように、載置される。
【0166】
然る後、切り込み済み5層貼着体160aが、その外周側貼着体部位162にて、裏面側離形シート143aを、把持して、
図22にて示すごとく、剥がしながら、残りの保護フィルム20c、ベースフィルム20a、印刷フィルム20b及び粘着層3
0aを、その各右端部にて、遊技基板10の表面の右端部と押圧ローラ184の下端部との間に押し付ける。
【0167】
ついで、L字板状移動部材182が基台181に沿い左方へ移動するようにベルト駆動機構183でもって駆動される。すると、L字板状移動部材182の左方への移動に伴い、保護フィルム20c、ベースフィルム20a、印刷フィルム20b及び粘着層30aが、共に、遊技基板10の表面に、押圧ローラ184により所定の圧力範囲内の圧力でもって押圧される。
【0168】
本第1実施形態において、上記所定の圧力範囲は、粘着層30aの遊技基板10に対する粘着力を良好に確保し得る範囲以内の圧力であればよく、本第1実施形態では、例えば、3(kg/cm2)~4.7(kg/cm2)をいう。なお、当該圧力の上限は、4.7(kg/cm2)に限ることなく、高い程好ましいが、粘着層30aの遊技基板10に対する押圧後その開放の際に粘着層30aの外形形状を原形状に復帰させ得る程度に設定するとよい。また、当該圧力の下限は、3(kg/cm2)に限らないが、粘着層30aの遊技基板10に対する粘着力を良好に確保し得るように設定するとよい。
【0169】
これにより、外周側貼着体部位162が、粘着層30aにて、その粘着作用により、遊技基板10の表面に粘着される。このことは、保護フィルム20c、ベースフィルム20a及び印刷フィルム20bが、粘着層30aでもって、遊技基板10の表面に貼着されることを意味する。このとき、外周側貼着体部位162が、その中空部にて、遊技基板10の中央開口部11の中空部に対応する。
【0170】
ついで、シー
ル貼着工程S8において、左右両側フレームシール40b、左右上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b及びアタッカーシール90bを、
図23~
図27にて示すごとく、
貼着する。
【0171】
具体的には、左右両側フレームシール40bが、その粘着層部にて、
図23にて示すごとく、センターフレーム40aの下フレーム部の左右両側部位に沿い貼着される。なお、
図23では、左側左右両側フレームシール40bが、上記下フレーム部の左側部位に貼着される例を示す。
【0172】
左右上側カバーシール50bが、その各粘着層部にて、
図24にて示すごとく、液晶パネルカバー50aの上枠部の左右両側部位の各表面に貼着されるとともに、左右横側カバーシール50cが、その各粘着層部にて、
図24にて示すごとく、液晶パネルカバー50aの左右両側枠部の各表面に貼着される。なお、
図24では、左上側カバーシール50b及び左横側カバーシール50cが、液晶パネルカバー50aの上枠部の左側部位及び左側枠部の各表面に貼着される例を示す。
【0173】
左右両側ランプシール70bは、その粘着層部にて、
図25にて例示するごとく、その各粘着層部にて、左右両側サイドランプ70aの各表面に貼着されている。なお、
図25は、左側ランプシール70bが、左側サイドランプ70aの表面に貼着される例を示す。
【0174】
スタートチャッカーシール80bは、その粘着層部にて、
図26にて示すごとく、スタートチャッカー80aの表面に貼着される。
【0175】
また、アタッカーシール90bが、その粘着層部にて、アタッカー90aの表面に貼着される。
【0176】
然る後、化粧シートSが、
図1にて示すごとく遊技基板10に貼着されて、当該遊技基板10と共に、遊技盤Pとして製造される。
【0177】
以上説明したように、本第1実施形態では、化粧シートSにおいて、左右両側フレームシール40b、左右上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b及びアタッカーシール90bが、上述のように切り出された切り込み対応部位161(内周側貼着体部位161)から切り取られるので、化粧シートSをその中央部を廃棄することなく当該中央部も含めて有効に活用し得て、化粧シートSの無駄を省き経済的である。
【0178】
ここで、化粧シートSに対する印刷は、当該化粧シートSの印刷面の全体に亘り、同一の印刷品質でもって行われる。つまり、切り込み対応部位161の各印刷パターン部、即ち、左右両側フレームシール40b、左右上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b及びアタッカーシール90bの印刷は、化粧シートSのうちの切り込み対応部位161を除く部位の印刷と同一の印刷品質でもって同時に印刷される。
【0179】
従って、切り込み対応部位161と化粧シートSのうち切り込み対応部位161を除く部位の印刷との間には印刷品質において色ブレやばらつきが発生せず統一した良好な印刷品質が維持され得るので、化粧シートS、ひいては遊技盤Pの良好な見映えが確保され得る。
【0180】
また、上述のような遊技盤Pの製造直後は、化粧シートSの遊技基板10に対する貼着の直後に対応する。このような段階にて、検査によって、例えば、皺が、左右両側フレームシール40b、左右両上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b、アタッカーシール90bを含め化粧シートSに発生していることが発見されたり、或いは、ゴミが、左右両側フレームシール40b、左右両上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b、アタッカーシール90bを含め化粧シートSと遊技基板10との間に混入していることが発見されたりすると、製造された遊技盤は、従来は、品質不良であるとして廃棄処分の対象となるのが原則である。
【0181】
しかしながら、上述のように製造された遊技盤において用いられている遊技基板10は、従来の廉価なベニヤからなるものではなく、PC樹脂からなる高価な遊技基板である。従って、このような高価な遊技基板が、製造された遊技盤における上述のような理由のために、品質不良として廃棄されてしまうのは、経済性に欠けるのは勿論のこと、省資源の観点からも好ましくない。このため、当該遊技基板の再利用を可能にすることが要請される。
【0182】
然るに、上述したごとく、遊技基板10と化粧シートSとの貼り合わせ直後の粘着力は、化粧シートSを遊技基板10から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低い粘着力であることから、上記貼り合わせ直後において、化粧シートSを遊技基板10から剥がすことで、当該遊技基板10が再利用可能となる。このようなことは、左右両側フレームシール40b、左右両上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b、アタッカーシール90bについても同様である。
【0183】
ここで、上述した遊技基板10と化粧シートSとの貼り合わせ直後とは、当該遊技基板10と化粧シートSとの貼り合わせの後の所定の短時間(例えば、20(分))以内をいう。これは、表ー1にて示すごとく、雰囲気温度10(℃)では、粘着力が、20(分)以内においては、化粧シートSを遊技基板10から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低いことに基づく。
【0184】
そこで、このように再利用可能となった遊技基板10を再び用いて、上述のような製造工程を経て、新たな化粧シートSを、その左右両側フレームシール40b、左右両上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b、アタッカーシール90bをも含め、上述と同様に遊技基板10に適正に貼り直すことで、遊技基板10の中央開口部11の開口面積が広くても、新たな化粧シートSを遊技基板10に良好に貼り直すことができる。これにより、良好な遊技盤を新たに製造し得る。
【0185】
このように、遊技基板を再利用することで当該遊技基板の無駄を無くすることができ、その結果、省資源に貢献するとともに、遊技盤としての製造コストの不必要な増大をも防止し得る。
【0186】
また、新たな化粧シートSにおいても、左右両側フレームシール40b、左右上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b及びアタッカーシール90bが、上述と同様に切り込まれた切り込み対応部位161から切り取られるので、新たな化粧シートSにおいてもその中央部をも含めて有効に活用し得て、無駄を省くことができ、経済的である。
【0187】
また、上述のように新たに製造した遊技盤は、上記常温の雰囲気温度環境の中で、そのまま、24(時間)放置しておけば、粘着層30の粘着力が上述の通り強くなり、新たな化粧シートSを遊技基板10に対し硬く貼着することができる。
【0188】
なお、上述したごとく、遊技基板10、ベースフィルム20a及び粘着層30aの各形成材料は、透明であることから、遊技盤の前側から遊技盤の裏面側を、当該遊技盤を通して視認可能であることはいうまでもない。
【0189】
(第2実施形態)
図28は、本発明の第2実施形態の要部を示している。当該第2実施形態においては、上記第1実施形態にて述べた印刷フィルム形成工程S3において、上記第1実施形態にて述べた印刷フィルム20bに代えて、印刷フィルム20dが採用されている。
【0190】
当該印刷フィルム20dは、
図28にて示すごとく、
図15にて示す印刷フィルム20bよりも、広い外形形状を有するように形成されている。ここで、印刷フィルム20dは、印刷フィルム20bの上下両側端部及び左右両側端部に上下両側縁部J及び左右両側縁部Kを付加して形成されている。
【0191】
これに伴い、本第2実施形態では、上述した積層フィルムロール体形成工程S1において準備されるベースフィルムロール100及び保護フィルムロール110は、それぞれ、印刷フィルム20dの幅に合わせるように、印刷フィルム20bの幅よりも広い幅を有する幅広のベースフィルムロール100及び保護フィルムロール110となっている。
【0192】
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた切断工程S2における積層フィルムロール体120は、印刷フィルム20dの長さに合わせるように、印刷フィルム20bよりも長くなるように切断されている。
【0193】
しかして、本第2実施形態においては、複数のシール用印刷部1~6が、上記第1実施形態にて述べた印刷フィルム20bとは異なり、印刷フィルム20dの上下両側縁部Jに分散して印刷されている。
【0194】
即ち、シール用印刷部1、2及び6が、印刷フィルム20dの下側縁部Jに、
図28にて示すごとく、分散して印刷されており、残りのシール用印刷部3、4及び5が、印刷フィルム20dの上側縁部Jに、
図28にて示すごとく、分散して印刷されている。
【0195】
これに伴い、本第2実施形態では、複数の印刷フィルム20dが、上記第1実施形態にて述べた複数の印刷フィルム20bに代えて、各対応の積層フィルム120aのベースフィルム20aにその裏面側から貼着して、上記第1実施形態と実質的にどうように、積層フィルム120aと印刷フィルム20bとの積層印刷フィルム130として複数形成する。
【0196】
然る後、上記第1実施形態と同様に粘着素材層貼着工程S4の処理を行う。ついで、上記第1実施形態と実質的に同様に切り込み工程S5の処理がなされる。ここでは、上記第1実施形態と同様に形成される5層貼着体160が、上記第1実施形態にて述べた化粧シートSの外周形状(上記第1実施形態にて述べた印刷フィルム20bの外周形状)に当該化粧シートSの中央部とともに切断される。
【0197】
これに伴い、保護フィルム20c、ベースフィルム20a、印刷フィルム20d、粘着層30a、裏面側離形シート143aが、遊技基板10の外周部を基準に切断される。これにより、印刷フィルム20dの上下両側縁部J及び左右両側縁部Kが分離形成される。また、これと同時に、保護フィルム20cを除き、ベースフィルム20a、印刷フィルム20d、粘着層30a及び裏面側離形シート143aのうち遊技基板10の中央開口部11に対する各対応部位、即ち、化粧シートSの中央部にて、切り込まれる。
【0198】
ついで、上記第1実施形態と同様にシール切り取り工程S6の処理なされる。ここでは、上記第1実施形態とは異なり、印刷フィルム20dの上下両側縁部Jからシール用印刷部1~6に対応する左右両側フレームシール40b、左右上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b及びアタッカーシール90bを切り取る。
【0199】
然る後、上記第1実施形態と実質的に同様に遊技基板への貼着工程S7及びシール貼着工程S8の処理を行い、左右両側フレームシール40b、左右上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b及びアタッカーシール90bを上記第1実施形態と同様にあ貼り付ける。なお、化粧シートSを遊技基板10に貼着することで、遊技盤Pが製造される。
【0200】
以上説明したように、本第2実施形態では、化粧シートSにおいて、左右両側フレームシール40b、左右上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b及びアタッカーシール90bが、上記第1実施形態とは異なり、印刷フィルム20dの上下両側縁部Jから切り取られるが、これによっても、化粧シートSをその外周部を廃棄することなく当該外周部も含めて有効に活用し得て、化粧シートSの無駄を省き経済的である。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
【0201】
(第3実施形態)
図29は、本発明の第3実施形態の要部を示している。当該第3実施形態においては、上記第1実施形態にて述べた印刷フィルム形成工程S3が、
図29にて示す工程に変更されている。
【0202】
上記第1実施形態と同様に複数の貼着フィルム層60aが切断形成されると、印刷フィルム形成工程S3において、貼着フィルム層60aの裏面、即ち、加飾フィルム部材20の裏面に、所定の印刷パターン(上記第1実施形態にて述べた所定の印刷パターン)を印刷し、さらにそれに重ねて所定の位置にホログラム箔を転写する。ホログラム箔は、通常、単一の光彩を放つ金属箔の表面に、レーザー光線の光の干渉現象を利用して立体的な輝きを表現する技術を要した特殊箔の一つである。本第3実施形態では、新しい加飾をホログラム箔により行うようになっている。
【0203】
印刷フィルム形成工程S3は、
図29にて示すごとく、複数の工程S3a~S3cによって構成されている。まず、基本図柄の印刷フィルム形成工程S3aにおいて、オフセット印刷にて上記所定の印刷パターンを印刷する。なお、印刷手法は、オフセット印刷に限らず、シルク印刷であってもよい。さらに、印刷手法ではなく他の手法、例えば、ホットスタンプやフィルム貼り合わせなどを用いてもよい。
【0204】
ついで、ホログラム箔を付ける糊の印刷フィルム形成工程S3bにおいて、シルク印刷にて、ホログラム箔を付着させるインク(糊)を印刷する。このインクとして、本第3実施形態では、透明なUV硬化型インク(樹脂)を用いている。
【0205】
次に、ホログラム箔の転写工程S3cにおいて、ホログラム箔を転写する。ホログラム箔は、ラミネータ(図示しない)により、転写される。
【0206】
以上のように、印刷フィルム形成工程S3が終了すると、次の粘着層貼着工程S4以降の工程の処理が上記第1実施形態と同様に行われ、ホログラム箔を有する化粧シートが形成され、上記第1実施形態と実質的に同様に遊技基板10に貼着されることで、ホログラム箔を有する遊技盤Pが製造される。
【0207】
以上説明したように、本第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べた化粧シートが、上記第1実施形態にて述べた化粧シートSにホログラム箔を付加形成した構成となっていることで、加飾フィルム部材20には、新しい加飾、具体的には、レーザー光線がホログラム箔に照射され、印刷パターンの絵柄がホログラム箔を介して浮き出るといった新しい斬新な加飾による見映えのさらなる向上を図りつつ、上記第1実施形態にて述べたと同様に、化粧シートの無駄を省く作用効果その他の作用効果を達成することができる。
【0208】
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
【0209】
(1)本発明の実施にあたり、上記各実施形態にて述べた製造工程の処理は、常温の10(℃)の環境で行うことに代えて、10(℃)以外の温度、例えば、0(℃)以上20(℃)未満の環境で行なうようにしてもよい。
【0210】
(2)本発明の実施にあたり、上記各実施形態のように複数の遊技盤を製造するのではなく、単一の遊技盤を製造するにあたり本発明を適用してもよい。
【0211】
(3)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べた粘着層30の形成材料は、日栄化工株式会社製のWF-D804型アクリル系粘着剤に限ることなく、当該日栄化工株式会社製のD-8048048型アクリル系粘着剤、或いは上記WF-D804型アクリル系粘着剤と類似する粘着力特性を有する粘着剤であってもよい。
【0212】
(4)本発明の実施にあたり、上記各実施形態にて述べた化粧シートは、対応の各遊技基板にその裏面側から貼着するようにしてもよい。
【0213】
(5)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べたベースフィルム20aは、PETに限ることなく、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、キャブロイド(登録商標)や塩化ビニル樹脂で形成してもよく、また、上記第2実施形態にて述べた保護フィルムは、PETに限ることなく、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニルでもって形成するようにしてもよい。
【0214】
また、上記各実施形態にて述べたベースフィルムロール100は、PETに限らず、一般的には、ポリエステル系樹脂でもって形成するようにしてもよく、また、上記各実施形態にて述べた保護フィルムロール110は、PETに限らず、一般的にはポリエステル系樹脂でもって形成するようにしてもよい。また、ベースフィルムロール100や保護フィルムロール110は、ポリエステル系樹脂に限ることなく、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂或いはキャブロイド(登録商標)等のセルロース系樹脂その他の熱可塑性樹脂でもって形成するようにしてもよい。
【0215】
(6)また、本発明の実施にあたり、遊技基板として、上記各実施形態とは異なり、透明性アクリル樹脂製遊技基板を採用してもよい。
【0216】
(7)本発明の実施にあたり、遊技基板、粘着層及びベースフィルムの各形成材料は、無色透明に限らず、有色透明であってもよく、要するに透光性を有すればよい。
【0217】
(8)本発明の実施にあたり、化粧シートは、上記各実施形態とは異なり、遊技基板の裏面に貼着するようにしてもよい。
【0218】
(9)本発明の実施にあたり、上記各実施形態において、印刷フィルムに代えて、ベースフィルムの裏面に所定の印刷パターンを印刷形成して、印刷フィルムを廃止してもよい。この場合、保護フィルムに対するベースフィルムの貼着後において、当該ベースフィルムの裏面に所定の印刷パターンを印刷形成する。
【0219】
(10)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた専用貼り機120は、ビックラダー株式会社製に限ることなく、例えば、クライムプロダクツ株式会社製シール方式精密枚葉貼り合わせ機であってもよい。
【0220】
(11)また、本発明の実施にあたり、上記実施形態においては、粘着素材層の形成材料として、日栄化工株式会社製のWF-D804型アクリル系粘着剤を採用した例について説明したが、これに限ることなく、粘着素材層の形成材料としては、日栄化工株式会社製のD-8048048型アクリル系粘着剤、或いは上記WF-D804型アクリル系粘着剤と類似する粘着力特性を有する粘着剤を採用してもよく、また、日栄化工株式会社製のWF-D501(25)型アクリル系粘着剤を採用してもよい。
【0221】
また、上述したD-8048048型アクリル系粘着剤に代えて、日栄化工株式会社製のX-20028型アクリル系粘着剤を採用してもよい。当該X-20028型アクリル系粘着剤は、低温の温度環境下における粘着力において、D-8048048型アクリル系粘着剤よりもより一層剥がれにくい粘着力を発揮するという粘着力特性を有する。
【0222】
当該X-20028型アクリル系粘着剤の粘着力特性については、複数の試料を準備して、D-8048048型アクリル系粘着剤との対比において、上記実施形態にて述べた引張り試験機により粘着力を測定することで調べてみた。なお、測定条件は、低温雰囲気内で、例えば、雰囲気温度5(℃)にて、複数の試料の各々を形成した後24(時間)経過した時点における粘着力を測定することとした。
【0223】
ここで、複数の試料としては、ステンレス試料及びPET試料を準備した。ステンレス試料としては、ステンレス試料1、2を準備した。ステンレス試料1は、D-8048048型アクリル系粘着剤(以下、第1接着剤という)からなる粘着層の剥離面を25(μm)の厚さのPETで裏打ちした後25(mm)×150(mm)の大きさに切断して粘着試料1とし、当該粘着試料1をステンレス鋼(厚さ360(mm)で研磨済み)からなるシートに貼り合わせて形成した。一方、ステンレス試料2は、X-20028型アクリル系粘着剤(以下、第2接着剤という)からなる粘着層の剥離面を25(μm)の厚さのPETで裏打ちした後25(mm)×150(mm)の大きさに切断して粘着試料2とし、当該粘着試料2をステンレス鋼(厚さ360(mm)で研磨済み)からなるシートに貼り合わせて形成した。
【0224】
また、PET試料としては、PET試料11、PET試料12、PET試料21、PET試料22及びPET試料31、PET試料32を準備した。PET試料11は、粘着試料1を無印刷のPETからなるシートに貼り合わせて形成し、一方、PET試料12は、粘着試料2を無印刷のPETからなるシートに貼り合わせて形成した。
【0225】
PET試料21は、粘着試料1を無印刷のPETからなるシートに貼り合わせて形成し、一方、PET試料22は、粘着試料2を無印刷のPETからなるシートに貼り合わせて形成した。
【0226】
PET試料31は、粘着試料1をホロ印刷済みのPETからなるシートに貼り合わせて形成し、一方、PET試料22は、粘着試料2をホロ印刷済みのPETからなるシートに貼り合わせて形成した。
【0227】
しかして、上記第1実施形態と同様の引っ張り試験を行ったところ、ステンレス試料1、2は、その形成後、雰囲気温度5(℃)にて24(時間)の経過時において、共に、27.5(N/25(mm))の粘着力を発揮することが分かった。
【0228】
また、PET試料11、12において、雰囲気温度5(℃)にて24(時間)の経過時において、PET試料11は、14.5(N/25(mm))の粘着力を発揮するものの、PET試料12は、PET試料11よりも強い粘着力である18.6(N/25(mm))粘着力を発揮することが分かった。
【0229】
また、PET試料21、22において、雰囲気温度5(℃)にて24(時間)の経過時において、PET試料21は、21.5(N/25(mm))の粘着力を発揮するものの、PET試料22は、PET試料21よりも強い粘着力である23.5(N/25(mm))の粘着力を発揮することが分かった。
【0230】
また、PET試料31、32において、雰囲気温度5(℃)にて24(時間)の経過時において、PET試料31は、7.0(N/25(mm))の粘着力を発揮するものの、PET試料32は、PET試料31よりも強い粘着力である17.8(N/25(mm))の粘着力を発揮することが分かった。
【0231】
以上のように、5(℃)の雰囲気内における24(時間)経過時において、ステンレス試料2は、ステンレス試料1と同様の粘着力を発揮するにすぎず、従って、第2接着剤は、第1接着剤と同様の粘着力しか発揮しない。
【0232】
しかし、5(℃)の雰囲気内における24(時間)経過時において、各PET試料12、22、32は、それぞれ、各PET試料11、21、31よりも強い粘着力を発揮しており、第2接着剤は、第1接着剤よりも強い粘着力を発揮し得る。
【0233】
よって、5(℃)の雰囲気内における24(時間)経過時においては、第2接着剤であるX-20028型アクリル系粘着剤は、第1接着剤であるD-8048048型アクリル系粘着剤に比べて、より一層強い粘着力を発揮し得る。
【0234】
このようなことは、雰囲気温度を種々変えて粘着力を測定することにより、5(℃)の雰囲気内に限らず、9(℃)以下の低温雰囲気内において、成立することも分かった。
【0235】
その結果、X-20028型アクリル系粘着剤を粘着剤として利用すれば、D-8048048型アクリル系粘着剤を利用する場合に比べて、低温雰囲気内において、化粧シートSの遊技基板10からの剥がれをより一層良好に抑制し得る。なお、常温(例えば、10(℃)以上の雰囲気温度内においては、X-20028型アクリル系粘着剤は、D-8048048型アクリル系粘着剤とほ同様の粘着力特性を発揮する。
【0236】
(12)本発明の実施にあたり、裏面側離形シート143aは、離形フィルムや離形紙等の他側離形シートとして把握してもよい。これにあわせて、表面側離形層142のうち裏面側離形シート143aに対応する部位を、離形フィルムや離形紙等の一側離形シートとして把握してもよい。従って、上記実施形態において、ラミネータ150の作動のもと、粘着素材層141から分離される粘着素材ロール140の表面側離形層143が、一連の一側離形シートの集まりと把握してもよい。
【0237】
(13)また、本発明の実施にあたり、両シール用印刷部1センターフレーム40の左右両側センターフレームシール40b(両シール用印刷部1)、液晶パネルカバー50の左右上側カバーシール50b(両シール用印刷部2)、液晶パネルカバー50の左右横側カバーシール50c(両シール用印刷部3)、左右両側サイドランプシート70b(両シール用印刷部4)、スタートチャッカーシール80b(シール用印刷部5)及びアタッカーシート90b(シール用印刷部6)は、それぞれ、予備用のものを含めて、複数(例えば、2つずつ)、中央側フィルム部Cfに印刷するようにしてもよい。
【0238】
(14)また、本発明の実施にあたり、上記第2実施形態における印刷フィルム20bの遊技基板10の中央開口部11に対する対応部位(上記第1実施形態にいう中央側フィルム部Cfに対応)において、上記第1実施形態にて述べた左右両側センターフレームシール40b(両シール用印刷部1)、左右上側カバーシール50b(両シール用印刷部2)、左右横側カバーシール50c(両シール用印刷部3)、左右両側サイドランプシート70b(両シール用印刷部4)、スタートチャッカーシール80b(シール用印刷部5)及びアタッカーシート90b(シール用印刷部6)を、それぞれ、予備用として印刷するようにしてもよく、また、センターフレーム、液晶パネルカバー、左右両側サイドランプ、スタートチャッカーやアタッカーとは異なる盤部品用のシールを印刷するようにしてもよい。
【0239】
(15)また、本発明の実施にあたり、上記第1実施形態とは異なり、シール貼り付け工程S8(
図11参照保持)の処理に代えて、左右両側フレームシール40b、左右上側カバーシール50b、左右両横側カバーシール50c、左右両側ランプシール70b、スタートチャッカーシール80b及びアタッカーシール90bを、センターフレーム40aの下フレーム部の左右両側部位、液晶パネルカバー50aの上枠部の左右両側部位、左右両側枠部、左右両側サイドランプ70a、スタートチャッカー80a及びアタッカー90aに貼り付けることなく、保持するようにしてもよい。この場合、シール切り取り工程S6の処理は、遊技基板への貼着工程S7の処理後に行うようにしてもよい。
【0240】
以上によれば、需要者が、当該遊技盤を入手した後に、必要に応じて部品用シールをその粘着層部にて少なくとも1つの盤部品の前側表面部に貼着することができるとともに、化粧シートをその中央部を廃棄することなく当該中央部も含めて有効に活用し得て、化粧シートの無駄を省き経済的である。
【0241】
(16)また、本発明の実施にあたり、上記第1実施形態とは異なり、シール切り取り工程S6(
図11参照)は、切り込み工程S5及び遊技基板への貼着工程 S7との間にて処理するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0242】
R…ガイドレール、10…遊技基板、11…中央開口部、
20a…ベースフィルム、20b、20d…印刷フィルム、20c…保護フィルム、30…粘着部材、30a…粘着層、30b…表面側離形シート、
30c…裏面側離形シート、40…センターフレーム部材、
40b…フレームシール、50…液晶パネルカバー部材、
50b…上側カバーシール、50c…横側カバーシール、60…液晶パネル、
70…サイドランプ部材、80…スタートチャッカー部材、
80a…スタートチャッカー、80b…チャッカーシール90…アタッカー部材、
100…ベースフィルムロール、110…保護フィルムロール、
120…積層フィルムロール体、120a…積層フィルム、
140…粘着素材ロール、141…粘着素材層、142…表面側離形層、
143…裏面側離形層、160…5層貼着体、
100a…切り込み済み5層貼着体、S1…積層フィルムロール体形成工程、
S2…切断工程、S3…印刷フィルム形成工程S3、S4…粘着素材層貼着工程、
S5…切り込み工程、S6…シール切り取り工程、S7…遊技基板への貼着工程、
S8…シール貼着工程。