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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】木材印字装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
B41J2/01 307
B41J2/01 401
B41J2/01 109
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018142468
(22)【出願日】2018-07-30
(65)【公開番号】P2020019151
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2020-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000154624
【氏名又は名称】株式会社平安コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100139789
【氏名又は名称】町田 光信
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 曜
(72)【発明者】
【氏名】金原 義明
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-076657(JP,A)
【文献】特開2001-239660(JP,A)
【文献】特開昭62-297079(JP,A)
【文献】特開2001-301140(JP,A)
【文献】特開平09-060195(JP,A)
【文献】特開2009-211774(JP,A)
【文献】特開2001-289703(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0296757(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレカット木材(50)の印字面(50a)に部材配置情報の文字を印字する印字ヘッド(10)と、該印字ヘッド(10)を前記印字面(50a)内の垂直方向に相当するZ軸方向に移動させるZ軸移動機構(20)と、前記印字ヘッド(10)の移動および印字を制御する制御装置(40)と、前記Z軸移動機構(20)を加工機に対し固定する固定機構(30)とを備えた木材印字装置(100、200)であって、
前記印字ヘッド(10)は複数のインクカートリッジ(1,・・・,8)によって構成され、且つ
複数の前記インクカートリッジ(1,・・・,8)のインクを噴射する各印字部(1a,・・・,8a)、前記Z軸方向の矢視で前記印字面(50a)内の水平方向に相当するX軸方向に沿って連結するように隣り合うインクカートリッジは前記X軸方向または前記X軸方向前記Z軸方向の双方向にオフセットされて配設されていることを特徴とする木材印字装置。
【請求項2】
プレカット木材(50)の印字面(50a)に部材配置情報の文字を印字する印字ヘッド(10’)と、前記プレカット木材(50)を前記印字面(50a)内の水平方向に相当するX軸方向に移動させるX軸移動機構(20’)と、前記印字ヘッド(10’)の印字と該X軸移動機構(20’)の移動を制御する制御装置(40’)と、前記X軸移動機構(20’)を加工機に対し固定する固定機構(30’)とを備えた木材印字装置(300)であって、
前記印字ヘッド(10’)は複数のインクカートリッジ(1,・・・,8)によって構成され、且つ
複数の前記インクカートリッジ(1,・・・,8)のインクを噴射する各印字部(1a,・・・,8a)、前記X軸方向の矢視で前記印字面(50a)内の垂直方向に相当するZ軸方向に沿って連結するように隣り合うインクカートリッジは前記Z軸方向または前記X軸方向前記Z軸方向の双方向にオフセットされて配設されていることを特徴とする木材印字装置。
【請求項3】
請求項1に記載の木材印字装置(100、200)において、
前記制御装置(40)は、複数の前記インクカートリッジ(1,・・・,8)の内で、前記印字部の通過領域が前記部材配置情報の文字の印字領域と重複するインクカートリッジに対しその重複する印字領域の印字を担当させるように構成されていることを特徴とする木材印字装置。
【請求項4】
請求項2に記載の木材印字装置(300)において、
前記制御装置(40’)は、複数の前記インクカートリッジ(1,・・・,8)の内で、前記部材配置情報の文字の印字領域の通過領域が前記印字部と重複するインクカートリッジに対しその重複する印字領域の印字を担当させるように構成されていることを特徴とする木材印字装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の木材印字装置(100、200、300)において、
前記制御装置(40、40’)は、前記部材配置情報の端部が前記印字面(50a)から逸脱する場合、文字サイズ、文字間隔、および印字中心座標の内の一部又は全部を変更して前記部材配置情報を前記印字面に収めるように構成されていることを特徴とする木材印字装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の木材印字装置(100、200、300)において、
前記部材配置情報の全体が前記印字面(50a)に収まらない場合、前記部材配置情報の一部を省略して前記部材配置情報を前記印字面に収めるように構成されていることを特徴とする木材印字装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は木材印字装置に関し、より詳細には印字ヘッドの一軸(Z軸又はX軸)のみの移動又は相対移動のみでプレカット木材の木口の所望位置及び所望方向に所定の部材配置情報を印字することが可能な木材印字装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プレカット木材の柱材への部材配置情報については、現場にて目視しやすいように木口へ印字されることが多い。そのため、図15に示されるように、部材配置情報を印字する従来の木材印字装置は、インクを噴射する印字ヘッドを水平方向(X軸)に移動させるX軸移動機構と、上下方向(Z軸)に移動させるZ軸移動機構と、前後方向(Y軸)回りに旋回させる旋回機構とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-57710号公報
【文献】特開平8-142009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の木材印字装置において部材配置情報を斜めに印字するためには、印字ヘッドをY軸回りに旋回させながら同時にX軸及びZ軸方向に移動させることが必要となる。すなわち、印字ヘッドに対する旋回制御及び二軸同時制御が必要となり、装置の機構が複雑化し、これにより製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、印字ヘッドの一軸(Z軸又はX軸)のみの移動又は相対移動のみでプレカット木材の木口の所望位置及び所望方向に所定の部材配置情報を印字することが可能な木材印字装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る木材印字装置は、プレカット木材(50)の印字面(50a)に部材配置情報の文字を印字する印字ヘッド(10)と、該印字ヘッド(10)を垂直方向に移動させるZ軸移動機構(20)と、前記印字ヘッド(10)の移動および印字を制御する制御装置(40)と、前記Z軸移動機構(20)を加工機に対し固定する固定機構(30)とを備えた木材印字装置(100、200)であって、前記印字ヘッド(10)は複数のインクカートリッジ(1,・・・,8)によって構成され、且つ複数の前記インクカートリッジ(1,・・・,8)のインクを噴射する各印字部が垂直方向矢視で水平方向に沿って連結するように隣り合うインクカートリッジは水平方向または水平方向と垂直方向の双方向にオフセットされて配設されていることを特徴とする。
【0007】
上記構成では、部材配置情報の各文字の印字領域を1又は複数のインクカートリッジに専属的に印字分担させることが可能となる。これにより、水平方向(横方向)印字の場合、インクカートリッジを水平方向に文字間隔だけ逐一移動させることが不要となる。すなわち、インクカートリッジに対してはZ軸(垂直方向)の移動機構のみで足りることになる。他方、斜め方向印字の場合、横文字の印字領域を傾斜角度だけ回転させた新たな印字領域を1又は複数のインクカートリッジに専属的に印字分担させることにより、水平方向と垂直方向に同時に移動させること、インクカートリッジを回転させることが不要となる。その結果、装置の機構が大幅に簡素化されることになる。
【0008】
また、インクを噴射する各印字部が垂直方向矢視で水平方向に沿って連結することにより、印字ヘッド(10)の印字可能範囲(TPW)が、単一の印字部の印字幅(PW)にインクカートリッジの個数(=8)を乗じた範囲(=8×PW)に拡大するようになる。
【0009】
或いは上記目的を達成するための他の木材印字装置は、プレカット木材(50)の印字面(50a)に部材配置情報の文字を印字する印字ヘッド(10’)と、前記プレカット木材(50)を水平方向に移動させるX軸移動機構(20’)と、前記印字ヘッド(10’)の印字と該X軸移動機構(20’)の移動を制御する制御装置(40’)と、前記X軸移動機構(20’)を加工機に対し固定する固定機構(30’)とを備えた木材印字装置(300)であって、前記印字ヘッド(10’)は複数のインクカートリッジ(1,・・・,8)によって構成され、且つ複数の前記インクカートリッジ(1,・・・,8)のインクを噴射する各印字部が水平方向矢視で垂直方向に沿って連結するように隣り合うインクカートリッジは垂直方向または水平方向と垂直方向の双方向にオフセットされて配設されていることを特徴とする。
【0010】
上記構成では、部材配置情報の各文字の印字領域を1又は複数のインクカートリッジに専属的に印字分担させることが可能となる。これにより、垂直方向(縦方向)印字の場合、インクカートリッジを垂直方向に文字間隔だけ逐一移動させることが不要となる。すなわち、インクカートリッジに対してはX軸(水平方向)の移動機構のみで足りることになる。他方、斜め方向印字の場合、横文字の印字領域を傾斜角度だけ回転させた新たな印字領域を1又は複数のインクカートリッジに専属的に印字分担させることにより、水平方向と垂直方向に同時に移動させること、インクカートリッジを回転させることが不要となる。その結果、装置の機構が大幅に簡素化されることになる。
【0011】
また、インクを噴射する各印字部が水平方向矢視で垂直方向に沿って連結することにより、印字ヘッド(10)の印字可能範囲(TPW)が、単一の印字部の印字幅(PW)にインクカートリッジの個数(=8)を乗じた範囲(=8×PW)に拡大するようになる。
【0012】
本発明に係る第3の特徴は、前記制御装置(40)は、複数の前記インクカートリッジ(1,・・・,8)の内で、印字幅(PW)の前記印字部の通過領域が前記部材配置情報の文字の印字領域と重複するインクカートリッジに対しその重複する印字領域の印字を担当させるように構成されていることである。
【0013】
上記構成では、印字を担当する1又は複数のインクカートリッジの選定、並びに印字面に対する部材配置情報の印字が容易となる。
【0014】
本発明に係る第4の特徴は、前記制御装置(40’)は、複数の前記インクカートリッジ(1,・・・,8)の内で、前記部材配置情報の文字の印字領域の通過領域が印字幅(PW)の前記印字部と重複するインクカートリッジに対しその重複する印字領域の印字を担当させるように構成されていることである。
【0015】
上記構成では、印字を担当する1又は複数のインクカートリッジの選定、並びに印字面に対する部材配置情報の印字が容易となる。
【0016】
本発明に係る第5の特徴は、前記制御装置(40)は、前記部材配置情報の端部が前記印字面(50a)から逸脱する場合、文字サイズ、文字間隔、および印字中心座標の内の一部又は全部を変更して前記部材配置情報を前記印字面に収めるように構成されていることである。
【0017】
上記構成では、印字面(50a)の傾斜角及び配置に拘わらず、部材配置情報を印字面(50a)に好適に収めることが可能となる。
【0018】
本発明に係る第6の特徴は、前記部材配置情報の全体が前記印字面(50a)に収まらない場合、前記部材配置情報の一部を省略して前記部材配置情報を前記印字面に収めるように構成されていることである。
【0019】
上記構成では、印字面(50a)の横幅に拘わらず、部材配置情報を印字面(50a)に好適に収めることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る木材印字装置によれば、印字ヘッドの一軸(Z軸又はX軸)のみの移動又は相対移動のみでプレカット木材の木口の所望位置及び所望方向に所定の部材配置情報を印字することが可能となる。これにより、装置の機構及び印字制御が簡素化され、製造コストの大幅な削減が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係る木材印字装置を示す説明図である。
図2】本発明に係る木材印字装置の加工木材の木口に対する印字形態を示す斜視図である。
図3】本発明に係る木材印字装置による横方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。
図4】本発明に係る木材印字装置による縦方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。
図5】本発明に係る木材印字装置による斜め方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。
図6】本発明に係る木材印字装置による斜め方向印字の印字プロセスを示す説明図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る木材印字装置を示す説明図である。
図8】第2実施形態に係る木材印字装置による横方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。
図9】部材配置情報が印字ヘッドの印字可能範囲を逸脱する場合の木材印字装置による横方向印字プロセスを示す説明図である。
図10】第2実施形態に係る木材印字装置による縦方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。
図11】第2実施形態に係る木材印字装置による斜め方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。
図12】部材配置情報が印字面である木口に収まらない場合の第2実施形態に係る木材印字装置による横方向印字を示す説明図である。
図13】本発明の第3実施形態に係る木材印字装置を示す説明図である。
図14】第3実施形態に係る木材印字装置による縦方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。
図15】従来の木材印字装置の加工木材の木口に対する印字形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係る木材印字装置100を示す説明図である。
【0024】
この木材印字装置100は、プレカット等の木材加工品(以下「加工木材」という。)の所定位置に部材配置情報を印字する印字ヘッド10と、印字ヘッド10をZ軸方向にスライドさせながら移動させるZ軸スライド機構20と、Z軸スライド機構20を固定するスライド機構固定台30と、印字ヘッド10の印字及び位置を制御する印字制御装置40とを具備して構成される。以下、各構成について更に説明する。
【0025】
印字ヘッド10は、X軸方向(水平方向)に沿って直列に8個接続されたインクカートリッジ1,・・・,8と、インクカートリッジ1,・・・,8を保持するカートリッジホルダー11とから構成される。なお、説明の都合上、図上左端から順に第1インクカートリッジ1と,・・・,第8インクカートリッジ8としそれぞれ区別することにする。また、複数のインクカートリッジの一まとまりを「インクカートリッジ群」と呼ぶことにする。特に、第1インクカートリッジ1から第8インクカートリッジ8の一まとまりをインクカートリッジ群9と呼ぶことにする。なお、インクカートリッジの個数については、最左端のインクカートリッジから最右端のインクカートリッジに到る横幅Wが、印字面である加工木材50の木口50a(図2図5)の横幅に等しいか又はそれ以上であれば良い。従って、インクカートリッジの個数については木口50aの横幅に応じて決定され、9個以上あるいは8個未満の場合もあり得る。
【0026】
Z軸スライド機構20は、例えばカートリッジホルダー11に一体に連結されるボールナット21と、ボールナット21と螺合する長軸ねじ22と、長軸ねじ22を回転させるモータ23と、モータ23の回転角度θを計測するエンコーダ24とから構成されている。モータ23の回転角度θとボールナット21(印字ヘッド10)のZ軸方向の変位は1対1に対応する。従って、印字制御装置40はエンコーダ24の出力値θを取り込み積算することにより、印字ヘッド10のZ軸方向位置を算出している。
【0027】
スライド機構固定台30は、Z軸スライド機構20をZ軸方向に平行に支持する。スライド機構固定台30は、例えば加工木材50が位置決めされる加工機(図示せず)の平面(図2のX-Y平面)上に取り付けられている。
【0028】
印字制御装置40は、例えばサーバ(図示せず)から送信されて来る加工木材50の加工データ(CADデータ)を受信して、印字ヘッド10を駆動して木口50a(図2図5)の所定位置に部材配置情報を印字する。なお、本実施形態において印字される部材配置情報は「は2」とする。
【0029】
図2は、本発明に係る木材印字装置100の加工木材50の木口50aに対する印字形態を示す斜視図である。なお、説明の都合上、木材印字装置100については、印字ヘッド10のインクカートリッジ群9のみによって代表させてその他の構成については省略してある。
【0030】
加工木材50は、例えば、ほぞ加工後、Y軸方向に並行に配設されたコンベア(図示せず)によって、インクカートリッジ群9の手前の所定位置まで搬送され、Y方向位置決め治具63によって停止される。この場合、加工木材50はコンベア(図示せず)の駆動力とY方向位置決め治具63によってY方向に対して変位することが出来ない状態である。さらに、X方向押出し治具60によって、加工木材50側面がX方向位置決め治具62に接するまで加工木材50は押し込まれる。この場合、加工木材50はX方向押出し治具60とX方向位置決め治具62によってX方向に変位することが出来ない状態である。さらに、Z方向押出し治具61によって、加工木材50はコンベア(図示せず)に押し付けられる。この場合、加工木材50はZ方向押出し治具61とコンベア(図示せず)によってZ方向に対し変位することが出来ない状態である。これにより、加工木材50は、加工データ(CADデータ)と同一の座標系に位置決めされた状態となる。
【0031】
印字制御装置40は、詳細については図3から図5を参照しながら後述するが、加工データ(CADデータ)より、印字面である木口50aの各頂点座標P1,P2,P3,P4、並びに印字中心座標C1,C2及び文字枠サイズa×bを取得する。これらの座標情報に基づいて、印字する1又は複数のインクカートリッジを選定する。印字制御装置40は、インクカートリッジを選定した後、印字ヘッド10(インクカートリッジ群9)をZ軸の下方から上方へ移動させることにより、選定されたインクカートリッジによって部材配置情報が木口50aの所定位置(印字中心座標C1,C2)に印字される。以下に、インクカートリッジの選定について説明する。
【0032】
図3は、本発明に係る木材印字装置100による横方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。加工データから取得すべき情報としては、木口50aの各頂点座標P1,P2,P3,P4、並びに印字中心座標C1,C2及び文字枠サイズa×bである。なお、座標PI1,PI2,PI3,PI4,・・・,PI8は、各インクカートリッジ1,・・・,8のカートリッジ中心X座標をそれぞれ表しており、固定値である。
【0033】
先ず、印字制御装置40は、木口50aが傾斜しているか否かを判定する。具体的には、印字制御装置40は、例えば座標P1のZ座標Z1と座標P2のZ座標Z2が等しいか否かをチェックする。等しい場合、印字制御装置40は木口50aは傾斜していないと判定する。等しくない場合、印字制御装置40は木口50aは傾斜していると判定する。
【0034】
次に、印字制御装置40は木口50aが縦長か横長かを判定する。具体的には、印字制御装置40は、例えば座標P1のZ座標Z1と座標P4のZ座標Z4との差Z1-Z4と、座標P2のX座標X2と座標P1のX座標X1との差X2-X1との大小を比較する。X2-X1が、Z1-Z4より大きい場合、印字制御装置40は木口50aが横長であると判定する。一方、Z1-Z4が、X2-X1より大きい場合、印字制御装置40は木口50aが縦長であると判定する。
【0035】
次に、印字制御装置40は、印字を担当するインクカートリッジを選定する。「は」について、具体的には、印字制御装置40は、第1インクカートリッジ1から順にカートリッジ中心X座標と、印字中心座標C1のX座標との差の絶対値の大小を比較する。そして、印字制御装置40は差の絶対値が一番小さくなるときのインクカートリッジを選定する。この場合、第4インクカートリッジ4が選定される。「2」についても、同様に印字制御装置40が差の絶対値の大小を比較することにより、第5インクカートリッジ5が選定される。
【0036】
そして、印字制御装置40は、印字ヘッド10を下方から上方にZ軸に沿って移動させることにより、木口50aの印字中心座標C1及びC2に、幅a[mm]及び高さb[mm]の文字枠サイズをそれぞれ有する部材配置情報「は2」が、第4インクカートリッジ4及び第5インクカートリッジ5によって横方向にそれぞれ印字されることになる。
【0037】
図4は、本発明に係る木材印字装置100による縦方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。横方向の印字と同様に、印字制御装置40は第1インクカートリッジ1から順にカートリッジ中心X座標と、印字中心座標C1のX座標との差の絶対値の大小を比較する。そして、印字制御装置40は差の絶対値が一番小さくなるときのインクカートリッジを選定する。この場合、第7インクカートリッジ7が選定される。縦方向の印字の場合、「は」及び「2」は同一の第7インクカートリッジ7によって印字される。
【0038】
そして、印字制御装置40は、印字ヘッド10を下方から上方にZ軸に沿って移動させることにより、木口50aの印字中心座標C1及びC2に、幅a[mm]及び高さb[mm]の文字サイズをそれぞれ有する部材配置情報「は2」が、第7インクカートリッジ7によって縦方向にそれぞれ印字されることになる。
【0039】
図5は、本発明に係る木材印字装置100による斜め方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。印字制御装置40は、例えば座標P1のZ座標Z1と座標P2のZ座標Z2が等しくない場合、木口50aは傾斜していると判定する。傾斜角φについては、例えば、座標P3と座標P4を使用して、傾斜角φ=tan-1{(Z3-Z4)/(X3-X4)}、と印字制御装置40は算出する。
【0040】
次に、印字制御装置40は、印字を担当するインクカートリッジを選定する。「は」について、具体的には、印字制御装置40は、第1インクカートリッジ1から順にカートリッジ中心X座標と、印字中心座標C1のX座標との差の絶対値の大小を比較する。そして、印字制御装置40は差の絶対値が一番小さくなるときのインクカートリッジを選定する。この場合、第4インクカートリッジ4が選定される。「2」についても、同様に印字制御装置40が差の絶対値の大小を比較することにより、第5インクカートリッジ5が選定される。以下に、斜め方向印字の印字プロセスについて説明する。
【0041】
図6は、本発明に係る木材印字装置100による斜め方向印字の印字プロセスを示す説明図である。図6(a)は基準となる横方向印字のインク噴射領域IZ4,IZ5を表し、図6(b)は斜め方向印字のインク噴射領域IZ4',IZ5'を表している。なお、ここで言う「インク噴射領域」とは、インクが噴射されるインクカートリッジ上の領域を意味している。また、説明の都合上、インクを噴射しているインクカートリッジは実線にて、インクを噴射していないインクカートリッジは点線にてそれぞれ表されている。例えば、図6(b)において第4インクカートリッジ4が「は」を印字している間、第5インクカートリッジ5は印字していない。また、インク噴射領域はインクカートリッジの後面からの矢視とする。
【0042】
図6(b)に示されるように、斜め方向の「は」のインク噴射領域IZ4’は、印字中心座標C1を中心に横方向のインク噴射領域IZ4を木口50aの傾斜角φだけ回転させたインク噴射領域となる。同様に、斜め方向の「2」のインク噴射領域IZ5’は、印字中心座標C2’を中心に横方向のインク噴射領域IZ5を木口50aの傾斜角φだけ回転させたインク噴射領域となる。なお、印字中心座標C2’は、横方向の印字中心座標C2に対しΔX(=d×(1-cosφ))左方に変位し、且つΔZ(=d×sinφ)上方に変位している。また、文字間隔dは、インクカートリッジ中心X座標PI4,PI5から、d=PI5-PI4、と算出され一定に保持される。これにより、印字制御装置40が印字ヘッド10を下方から上方にZ軸に沿って移動させることにより、木口50aに中心座標C1及びC2’に、幅a[mm]及び高さb[mm]の文字サイズをそれぞれ有する部材配置情報「は2」が、第4インクカートリッジ4及び第5インクカートリッジ5によって斜め方向にそれぞれ印字されることになる。
【0043】
以上の通り、本発明の木材印字措置100によれば、印字ヘッド10のZ軸の移動のみで加工木材50の木口50aの所望位置及び所望方向に所定の部材配置情報を印字することが可能となる。このように、印字ヘッド10の移動機構としては、Z軸方向のみの移動機構で足りることになるため、装置の機構及び制御が大幅に簡素化され、製造コストが大幅に削減されることになる。
【0044】
以上、図面を参照しながら本発明の木材印字装置100について説明してきたが、本発明は上記実施形態だけに限定されない。すなわち、本発明の技術的特徴の範囲内において種々の変更・修正を加えることが可能である。例えば、一文字の横サイズが一つのインクカートリッジの印字噴射領域を超える場合、一文字を2つのインクカートリッジで印字分担しても良い。
【0045】
また、Z軸スライド機構20については、ボールネット21、長軸ねじ22及びモータ23によって構成されているが、長軸ロッドとリニアモータ等によって構成しても良い。
【0046】
また、図3から図5において、加工データ(CADデータ)に印字中心座標C1,C2及び文字枠サイズa×b等の印字情報が予め付加されているが、付加されていなくても良い。印字情報が付加されていない場合、印字制御装置40は、木口50aの横方向長さ及び縦方向長さをそれぞれ算出し、木口50aの中央近傍に木口50aの範囲内に印字するように構成しても良い。
【0047】
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係る木材印字装置200を示す説明図である。この木材印字装置200は、各インクカートリッジ1,・・・,8の印字幅PWの各印字部(インク噴射部)1a,・・・,8aがZ軸方向(垂直方向)矢視でX軸方向(水平方向)に沿って密に連続するように、隣り合う2つのインクカートリッジがX軸方向にΔX2及びZ軸方向にΔZ2だけオフセットした形態で、各インクカートリッジ1,・・・,8がZ軸方向に沿って階段状に配設されている。従って、印字ヘッド10の印字可能範囲TPWは、各インクカートリッジ1,・・・,8の印字幅PWの8倍に等しくなる。従って、印字制御装置40が印字ヘッド10を下方から上方にZ軸に沿って移動させることにより、木口50aの所定位置に所定の部材配置情報が選定されたインクカートリッジによって所定方向(横方向、縦方向、斜め方向)にそれぞれ印字されることになる。なお、印字ヘッド10及びそれを収容するカートリッジホルダー11以外の構成については上記木材印字装置100とほとんど同じである。
【0048】
図8は、第2実施形態に係る木材印字装置200による横方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。なお、木口50aに印字される部材配置情報は「1Fは又3」とする。また、印字ヘッド10については各インクカートリッジ1,・・・,8の各印字部1a,・・・,8aのみによって表されている。
【0049】
印字制御装置40は、部材配置情報の各文字の印字について、第1インクカートリッジ1から第8インクカートリッジ8の内で、印字幅PWの印字部の通過領域が文字の印字領域と重複しているインクカートリッジに、その重複する印字領域の印字を担当させる。ここで言う「印字幅PWの印字部の通過領域」とは、インクカートリッジをZ軸方向に沿って変位させたときの、印字部が通過する軌跡を意味している。例えば、印字幅PWの第1印字部1aの通過領域とは、X=TPW_LとX=M1によって囲まれた領域である。「TPW_L」とは第1インクカートリッジ1の第1印字部1aの左端X座標を意味している。因みに「TPW_R」とは第8インクカートリッジ8の第8印字部8aの右端X座標を意味している。「M1」とは第1インクカートリッジ1と第2インクカートリッジ2との接点のX座標を意味し、M1=(PI1+PI2)/2という関係式が成立している。その他のインクカートリッジについても同様である。
【0050】
従って、第1文字「1」の印字領域(黒色部分)は、第3インクカートリッジ3の印字幅PWの通過領域のみが印字領域と重複しているため、印字制御装置40は第1文字「1」の印字は第3インクカートリッジ3に担当させる。
【0051】
第2文字「F」の印字領域(黒色部分)は、第3インクカートリッジ3の通過領域と第4インクカートリッジ4の通過領域が印字領域とそれぞれ重複している。従って、印字制御装置40は第2文字「F」の印字は第3インクカートリッジ3と第4インクカートリッジ4に担当させる。
【0052】
より詳細には、印字制御装置40は、第1インクカートリッジ1から順にカートリッジ中心X座標と、印字中心座標C2のX座標との差の絶対値の大小を比較する。そして、印字制御装置40は、差の絶対値が一番小さくなるときのインクカートリッジと、差の絶対値が二番目に小さくなるときのインクカートリッジをそれぞれ選定する。この場合、差の絶対値が一番小さいインクカートリッジとして第4インクカートリッジ4が選定され、差の絶対値が二番目に小さいインクカートリッジとして第3インクカートリッジ3が選定される。
【0053】
次に、印字制御装置40は、差の絶対値が二番目に小さい第3インクカートリッジ3に印字を担当させるか否かを判定する。具体的には、第2文字「F」の左最大X座標E2Lと、第3インクカートリッジ3と第4インクカートリッジ4との接点のX座標M3(=(PI3+PI4)/2)との大小を比較する。そして、「F」の左最大X座標E2Lが、第3インクカートリッジ3と第4インクカートリッジ4との接点のX座標M3より小さい場合、印字制御装置40は第3インクカートリッジ3に印字を担当させる。左最大X座標E2Lが接点のX座標M3より大きい場合、印字制御装置40は第3インクカートリッジ3に印字を担当させない。従って、第2文字「F」については第3インクカートリッジ3と第4インクカートリッジ4とによって印字されることになる。
【0054】
他方、第1文字「1」のように、差の絶対値が一番小さいインクカートリッジとして第3インクカートリッジ3が選定され、差の絶対値が二番目に小さいインクカートリッジとして第2インクカートリッジ2が選定されるが、第1文字「1」の左最大X座標E1Lが接点のX座標M2(=(PI2+PI3)/2)より大きいため、印字制御装置40は第2インクカートリッジ2に印字を担当させない。従って、第1文字「1」については第3インクカートリッジ3のみによって印字されることになる。以下に、部材配置情報が印字ヘッド10の印字可能範囲TPWを逸脱する場合の印字プロセスについて説明する。
【0055】
図9は、部材配置情報が印字ヘッド10の印字可能範囲TPWを逸脱する場合の木材印字装置200による横方向印字プロセスを示す説明図である。
印字制御装置40は、部材配置情報の両端に位置する第1文字「1」の左最大X座標E1Lと第5文字「3」の右最大X座標E5Rが印字ヘッド10の印字可能範囲TPWに包含されているか否かをチェックする。具体的には、第1文字「1」の左最大X座標E1Lについては、第1インクカートリッジ1の第1印字部1aの左端X座標TPW_Lとの大小を比較すると共に、第5文字「3」の右最大X座標E5Rについては、第8インクカートリッジ8の第8印字部8aの右端X座標TPW_Rとの大小を比較する。図9の場合、第1文字「1」の左最大X座標E1Lは、印字ヘッド10の印字可能範囲TPWに包含されているのに対し、第5文字「3」の右最大X座標E5Rは、印字ヘッド10の印字可能範囲TPWから逸脱している。
【0056】
従って、印字制御措置40は、部材配置情報の各印字中心座標C1,C2,C3,C4,C5をX軸左方に逸脱量ΔX3(=E5R-TPW_R)だけ平行移動させて、部材配置情報を印字可能範囲TPWに入るようにする。或いは各文字サイズを縮小して部材配置情報を印字可能範囲TPWに入るようにする。或いは各文字間隔d1,d2,d3,d4をそれぞれ短縮して部材配置情報を印字可能範囲TPWに入るようにする。なお、部材配置情報を印字可能範囲TPWに入れた後のインクカートリッジの選定については、上記図8と同様に、印字幅PWの印字部の通過領域が文字の印字領域と重複しているインクカートリッジが、その重複する印字領域の印字を担当することになる。
【0057】
図10は、第2実施形態に係る木材印字装置200による縦方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。縦方向印字の場合も、横方向印字の場合と同様に、印字幅PWの印字部の通過領域が、文字の印字領域と重複しているインクカートリッジがその重複する印字領域の印字を担当する。この場合、第2インクカートリッジ2と第3インクカートリッジ3が印字を担当する。以下に斜め方向印字のインクカートリッジの選定について説明する。
【0058】
図11は、第2実施形態に係る木材印字装置200による斜め方向印字のインクカートリッジの選定を示す説明図である。斜め方向の第1文字「1」の印字領域は、同じ文字サイズの横方向文字「1」を印字中心座標C1を中心に傾斜角度φだけ時計方向に回転させた印字領域に相当する。同第2文字「F」の印字領域は、同じサイズの横方向文字「F」を『印字中心座標C1からd1×cosφだけX軸方向右方に、且つd1×sinφだけZ軸下方に変位した』印字中心座標C2を中心に傾斜角度φだけ時計方向に回転させた印字に相当する。同第3文字「は」の印字領域は、同じサイズの横方向文字「は」を『印字中心座標C2からd2×cosφだけX軸方向右方に、且つd2×sinφだけZ軸下方に変位した』印字中心座標C3を中心に傾斜角度φだけ時計方向に回転させた印字領域に相当する。同第4文字「又」の印字領域は、同じサイズの横方向文字「又」を『印字中心座標C3からd3×cosφだけX軸方向右方に、且つd3×sinφだけZ軸下方に変位した』印字中心座標C4を中心に傾斜角度φだけ時計方向に回転させた印字領域に相当する。同第5文字「3」の印字領域は、同じサイズの横方向文字「3」を『印字中心座標C4からd4×cosφだけX軸方向右方に、且つd4×sinφだけZ軸下方に変位した』印字中心座標C5を中心に傾斜角度φだけ回転させた印字領域に相当する。
【0059】
斜め方向印字の場合、横方向印字および縦方向印字の場合と同様に、印字幅PWの印字部の通過領域が斜め方向文字の印字領域と重複しているインクカートリッジが、その重複する文字の印字領域の印字を担当する。この場合、第1文字「1」については第1インクカートリッジ1によって印字される。第2文字「F」については第2インクカートリッジ2によって印字される。第3文字「は」については第2インクカートリッジ2と第3インクカートリッジ3によって印字される。第4文字「又」については第3インクカートリッジ3と第4インクカートリッジ4によって印字される。第5文字「3」については第4インクカートリッジ4と第5インクカートリッジ5によって印字される。
【0060】
なお、上記実施形態では、部材配置情報(「1Fは又3」)が印字面である木口50aに収まるように、各文字のサイズ、文字間隔及び印字中心座標が予め設定されている場合であった。この場合とは異なり、文字サイズ及び文字間隔の縮小等によっても部材配置情報が印字面である木口50aに収まらない場合(図12)は、印字制御装置40は省略可能な文字(例えば「1F」)を省略し、且つ各文字のサイズ及び文字間隔を縮小して印字面である木口50aに収まるようにする。つまり、印字制御装置40は省略可能な文字についての情報が予めデータとして与えられている。
【0061】
また、上記実施形態では、木口形成面50bの横幅が印字ヘッド10の印字可能範囲TPWより大きい場合の、木材印字装置100,200による部材配置情報の木口50aへの印字であった。この場合と異なり、木口形成面50bの横幅が印字ヘッド10の印字可能範囲TPWより小さい場合であっても、木材印字装置100,200は印字面である木口50aに部材配置情報を印字することは可能である。
【0062】
(第3実施形態)
図13は、第3実施形態に係る木材印字装置300を示す説明図である。上記実施形態では、加工木材50が固定された状態で印字ヘッド10がZ軸方向に沿って移動することにより、所定の部材配置情報が印字面である木口50aに印字される構成であった。それに対しこの木材印字装置300では印字ヘッド10’が固定され加工木材50がX軸方向に沿って移動することにより、所定の部材配置情報が印字面である木口50aに印字される構成である。
【0063】
従って、上記木材印字装置100,200と異なり、木材加工材50はX軸スライド機構20’によって各インクカートリッジ1,・・・8の各印字部1a,・・・,8aの前面を通過するように構成されている。なお、印字ヘッド10’は、上記印字ヘッド10(図7)を90°回転させた形態で、支持部材(図示せず)によって姿勢を安定に固定されている。
【0064】
従って、図14に示されるように、印字を担当するインクカートリッジの選定については、各文字の印字領域の通過領域が各印字部1a,・・・,8aに重複するインクカートリッジが、その重複する文字の印字領域の印字を担当することになる。
【0065】
なお、印字ヘッド10’については、図1に示される印字ヘッド10を90°回転させたZ軸方向のみにオフセットさせたタイプでも良い。
【0066】
また、木材印字装置300でも上記木材印字装置100,200と同様に、部材配置情報が印字ヘッド10’の印字可能範囲TPWを逸脱する場合、印字制御装置40’は部材配置情報の各印字中心座標C1,C2,C3,C4,C5をZ軸左方に逸脱量だけ平行移動させて、部材配置情報を印字可能範囲TPWに入るようにする。或いは各文字サイズを縮小して部材配置情報を印字可能範囲TPWに入るようにする。或いは各文字間隔d1,d2,d3,d4をそれぞれ短縮して部材配置情報を印字可能範囲TPWに入るようにする。
【0067】
また、木材印字装置300でも上記木材印字装置100,200と同様に、文字サイズ及び文字間隔の縮小等によっても部材配置情報が印字面である木口50aに収まらない場合(図12)は、印字制御装置40’は省略可能な文字(例えば「1F」)を省略し、且つ各文字のサイズ及び文字間隔を縮小して印字面である木口50aに収まるようにする。つまり、印字制御装置40’は省略可能な文字についての情報が予めデータとして与えられている。
【0068】
また、木口形成面50bの高さ(Z軸方向の長さ)が印字ヘッド10の印字可能範囲TPWより大きい場合であっても、木材印字装置300は印字面である木口50aに部材配置情報を印字することは可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 第1インクカートリッジ
2 第2インクカートリッジ
3 第3インクカートリッジ
4 第4インクカートリッジ
5 第5インクカートリッジ
6 第6インクカートリッジ
7 第7インクカートリッジ
8 第8インクカートリッジ
9 インクカートリッジ群
10、10’ 印字ヘッド
11 カートリッジホルダー
20 Z軸スライド機構
20’ X軸スライド機構
21 ボールナット
22 長軸ねじ
23 モータ
24 エンコーダ
30、30’ スライド機構固定台
40、40’ 印字制御装置
50 加工木材
50a 木口
50b 木口形成面
60 X方向押出し治具
61 Y方向押出し治具
62 X方向位置決め治具
63 Y方向位置決め治具
PW 印字幅
TPW 全印字可能範囲
100,200、300 木材印字装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15