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  • 特許-美容用具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】美容用具
(51)【国際特許分類】
   A45D 33/34 20060101AFI20220208BHJP
   A45D 44/22 20060101ALI20220208BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
A45D33/34 Z
A45D44/22 A
A45D34/04 535Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019175266
(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2021049246
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-09-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505320414
【氏名又は名称】株式会社ビ・マジーク
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】特許業務法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 美千子
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-031003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 27/00
A45D 33/00-34/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側部と、
後側部と、
前記前側部と前記後側部とを連続させる凹部と、
を備え、
前記前側部は、前記凹部から連続する第1把持部と、前記第1把持部から連続する先端が尖った先尖部と、前記第1把持部と前記先尖部とが連続する周面の一部を切断して形成された平面部と、を有し、
前記後側部は、前記凹部から連続する第2把持部と、前記第2把持部から連続する傾斜部と、前記傾斜部に連続し後側に向けて突出したドーム型の突出部と、を有し、
ポリウレタンにより一体成型されており、水を含むことで膨張する
美容用具。
【請求項2】
前記前側部、前記凹部、及び前記後側部は、前後方向に一体に形成されており、
前記凹部は、前記前後方向に垂直な断面が円形であり、前記前側部からの切り替え位置から断面の直径が緩やかに小さくなり、略中程から断面の直径が緩やかに大きくなり、前記後側部へと連続する形状となっている
請求項1に記載の美容用具。
【請求項3】
前側部と、
後側部と、
前記前側部と前記後側部とを接続する凹部と、
を備え、
前記前側部、前記凹部、及び前記後側部は、前後方向に一体に形成されており、
前記前側部は、前記前後方向に垂直な断面が、平面部に係る切り欠けを除き円形であり前記凹部からの切り替え位置から断面の直径が緩やかに大きくなり略中程から断面の直径が緩やかに小さくなる第1把持部と、前記前後方向に垂直な断面が前記平面部に係る切り欠けを除き円形であり前記第1把持部から前側に向けて断面の直径が小さくなる先端が尖った先尖部と、前記第1把持部と前記先尖部とが連続する周面の一部を前記第1把持部及び前記先尖部とにわたり切断して形成された前記平面部と、を有し、
前記後側部は、前記前後方向に垂直な断面が円形であり前記凹部からの切り替え位置から断面の直径が緩やかに大きくなり略中程から断面の直径が緩やかに小さくなる第2把持部と、前記前後方向に垂直な断面が円形であり前記第2把持部から後側に向けて断面の直径が緩やかに小さくなる傾斜部と、前記傾斜部から連続し前記前後方向に垂直な断面が円形であり断面の直径が後側に向けて緩やかに小さくなるドーム型の突出部と、を有し、
ポリウレタンにより一体成型されており、水を含むことで膨張する
美容用具。
【請求項4】
前記凹部は、前記前後方向に垂直な断面が円形であり、前記前側部からの切り替え位置から断面の直径が緩やかに小さくなり、略中程から断面の直径が緩やかに大きくなり、前記後側部へと連続する形状となっている
請求項3に記載の美容用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ファンデーション等の化粧料を肌に綺麗に塗布し仕上げるメイクアップ機能と、鍼灸整体の観点からスマス筋膜等のストレッチマッサージを行うマッサージ機能とを兼ね備えた美容用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファンデーション等の化粧料を肌に塗布し、或いは化粧料を落とすときには、化粧用パフ等の美容用具が用いられているが、化粧料を塗布、或いは落とす効率を向上させるべく、様々な技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、アイメイクアップ用化粧料を落とすためのクレンジング用具であって、弾性変形可能なパフ本体と、前記パフ本体に形成され、所定の基準面からの高さが略同一で互いに対向する少なくとも2面からなる、まつ毛用化粧料除去手段と、を備えるクレンジング用具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-146384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、ファンデーション等の化粧料を肌に綺麗に塗布し仕上げるメイクアップ機能と、鍼灸整体の観点からスマス筋膜等のストレッチマッサージを行うマッサージ機能とを兼ね備えていない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ファンデーション等の化粧料を肌に塗布し仕上げるメイクアップ機能と、鍼灸整体の観点からスマス筋膜等のストレッチマッサージを行うマッサージ機能とを兼ね備えた美容用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る美容用具は、前側部と、後側部と、前記前側部と前記後側部とを連続させる凹部と、を備え、前記前側部は、前記凹部から連続する第1把持部と、前記第1把持部から連続する先端が尖った先尖部と、前記第1把持部と前記先尖部とが連続する周面の一部を切断して形成された平面部とを有し、前記後側部は、前記凹部から連続する第2把持部と、前記第2把持部から連続する傾斜部と、前記傾斜部に連続し後側に向けて突出したドーム型の突出部とを有し、ポリウレタンにより一体成型されており、水を含むことで膨張する。
【0008】
この第1の態様において、前記前側部、前記凹部、及び前記後側部は、前後方向に一体に形成されており、前記凹部は、前記前後方向に垂直な断面が円形であり、前記前側部からの切り替え位置から断面の直径が緩やかに小さくなり、略中程から断面の直径が緩やかに大きくなり、前記後側部へと連続する形状となっている。
【0009】
本発明の第2の態様に係る美容用具は、前側部と、後側部と、前記前側部と前記後側部とを接続する凹部と、を備え、前記前側部、前記凹部、及び前記後側部は、前後方向に一体に形成されており、前記前側部は、前記前後方向に垂直な断面が、平面部に係る切り欠けを除き円形であり前記凹部からの切り替え位置から断面の直径が緩やかに大きくなり略中程から断面の直径が緩やかに小さくなる第1把持部と、前記前後方向に垂直な断面が前記平面部に係る切り欠けを除き円形であり前記第1把持部から前側に向けて断面の直径が小さくなる先端が尖った先尖部と、前記第1把持部と前記先尖部とが連続する周面の一部を前記第1把持部及び前記先尖部とにわたり切断して形成された前記平面部と、を有し、前記後側部は、前記前後方向に垂直な断面が円形であり前記凹部からの切り替え位置から断面の直径が緩やかに大きくなり略中程から断面の直径が緩やかに小さくなる第2把持部と、前記前後方向に垂直な断面が円形であり前記第2把持部から後側に向けて断面の直径が緩やかに小さくなる傾斜部と、前記傾斜部から連続し前記前後方向に垂直な断面が円形であり断面の直径が後側に向けて緩やかに小さくなるドーム型の突出部と、を有し、ポリウレタンにより一体成型されており、水を含むことで膨張する。
【0010】
この第2の態様において、前記凹部は、前記前後方向に垂直な断面が円形であり、前記前側部からの切り替え位置から断面の直径が緩やかに小さくなり、略中程から断面の直径が緩やかに大きくなり、前記後側部へと連続する形状となっている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ファンデーション等の化粧料を肌に塗布し仕上げるメイクアップ機能と、鍼灸整体の観点からスマス筋膜等のストレッチマッサージを行うマッサージ機能とを兼ね備えた美容用具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1(a)、図1(b)は本発明の実施形態に係る美容用具の斜視図である。
図2図2(a)は本発明の実施形態に係る美容用具の前面図、図2(b)は同美容用具の後面図である。
図3図3(a)、図3(b)は本発明の実施形態に係る美容用具の側面図である。
図4】同美容用具の実際の製品の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
【0015】
本発明の実施形態に係る美容用具は、ファンデーション等の化粧料を肌に綺麗に塗布してメイクを仕上げるメイクアップ機能と、鍼灸整体師によるスマス筋膜等のストレッチマッサージを実現するマッサージ機能とを兼ね備えている。
【0016】
一般に、スマス筋膜は可塑性があり、その部分に留まろうとする性質があるが、日常的にストレッチマッサージしてスマス筋膜を引き上げることで、顔をリフトアップすることができる。しかし、日常的に鍼灸整体師による施術を受けることは難しい。
【0017】
そこで、本実施形態に係る美容用具では、日常的にファンデーション等の化粧料等を肌に塗布しながら、併せて顔のストレッチマッサージ、更にはツボの押圧を行うことを可能とした。本実施形態に係る美容器具では、世界で活躍する鍼灸師の手技を一般のユーザが日常的に且つ簡易に実施できるように、その形状に工夫を施している。以下、詳述する。
【0018】
図1(a)、図1(b)には本発明の一実施形態に係る美容用具の前面、後面からの斜視図をそれぞれ示し、図2(a)には同美容用具の前面図を示し、図2(b)には同美容用具の後面図を示し、図3(a)、図3(b)には同美容用具の側面図を示し、説明する。
【0019】
これらの図に示されるように、本実施形態に係る美容用具10は、前側部1と、後側部2とが、凹部3を介して連続した構成となっている。これらは、ポリウレタン等の樹脂により一体成型されている。
【0020】
前側部1は、凹部3から連続する第1把持部1aと、当該第1把持部1aから連続する周面が丸みを帯びており先端が尖った先尖部1bと、これら第1把持部1aと先尖部1bとが連続する周面の一部を切断して形成された平面部1cとからなる。
【0021】
より詳細には、前側部1は、美容用具10の長手方向(前後方向)に垂直な断面が平面部1cに係る一部の切欠きを除き円形であり、凹部3からの切り替え位置から断面の直径が緩やかに大きくなり、略中程から断面の直径が緩やかに小さくなる第1把持部1aと、当該第1把持部1aから前側に向けて美容用具10の長手方向(前後方向)に垂直な断面が平面部1cに係る一部の切欠きを除き円形であり、先端に向けて断面の直径が小さくなる先端が尖った先尖部1bと、第1把持部1aと先尖部1bとが連続する周面の一部を第1把持部1a及び先尖部1bにわたり切断して形成された平面部1cとからなる。
【0022】
一方、後側部2は、凹部3から連続する第2把持部2aと、当該第2把持部2aから連続する傾斜部2bと、当該傾斜部2bに連続し後側に向けて突出した所謂ドーム型の突出部1cとからなる。
【0023】
より詳細には、後側部2は、美容用具10の長手方向(前後方向)に垂直な断面が円形であり、凹部3からの切り替え位置から断面の直径が緩やかに大きくなり、略中程から断面の直径が緩やかに小さくなる第2把持部2aと、当該第2把持部2aから後側に向けて美容用具10の長手方向(前後方向)に垂直な断面が円形であり、後方に向けて断面の直径が緩やかに小さくなる傾斜部2bと、当該傾斜部2bから連続し、美容用具10の長手方向(前後方向)に垂直な断面が円形であり、後方に向けて断面の直径が緩やかに小さくなる、所謂ドーム型の突出部1cとからなる。
【0024】
凹部3は、美容用具10の長手方向(前後方向)に垂直な断面が円形であり、前側部1からの切り替え位置から当該円形の直径が緩やかに小さくなり、略中程から、当該円形の直径が緩やかに大きくなり、後側部2へと連続する形状となっている。その周面は、凹んだ形状を呈しつつ、前側部1及び後側部2にそれぞれ連続している。
【0025】
このような構成において、前側部1の先尖部1bの先端は、マッサージ機能の観点からは、鍼灸整体師の指先をイメージした形状となっているので、ユーザの目の周りの細かい部分のツボ押しをすることが可能となる。また、メイクアップ機能の観点からは、ユーザの小鼻の脇、目の周り等の細かい部分にファンデーション等の化粧料を伸ばすことが可能となる。前側部1の先尖部1bの周面は、マッサージ機能の観点からは、鍼灸整体師の人差し指から小指までの指の腹第2関節までをイメージした形状となっているので、ユーザの額を引き上げるようにストレッチマッサージすることが可能となる。また、メイクアップ機能の観点からは、ユーザの額部分にファンデーション等の化粧料を綺麗になじませることが可能となる。
【0026】
前側部1の平面部1cは、マッサージ機能の観点からは、鍼灸整体師の手のひら全体をイメージした形状となっているので、ユーザの顎から頬にわたる部分を内側から外側にストレッチするようにマッサージすることが可能となる。また、メイクアップ機能の観点からは、ファンデーション等の化粧料をユーザの顎から頬にわたる広い領域に綺麗に伸ばしつつ、最後に軽く叩くことで、ファンデーション等の化粧料を毛穴まで綺麗に塗布することが可能となる。
【0027】
凹部3は、マッサージ機能の観点からは、その周面が、鍼灸整体師の人差し指と中指の間をイメージした形状となっているので、ユーザのフェイスラインを挟み、顎から耳に向かって引き上げるようにマッサージすることが可能となる。また、メイクアップ機能の観点からは、ユーザのフェイスラインにファンデーション等の化粧料を綺麗になじませることが可能となる。
【0028】
後側部2の所謂ドーム型の突出部2cは、マッサージ機能の観点からは、鍼灸整体師の指の腹をイメージした形状となっているので、ユーザの眉、及びこめかみ等のツボ押しを行うことが可能となる。また、メイクアップ機能の観点からは、シミななど気になる部分にファンデーションやコンシーラ等の化粧料を軽く叩くように使用し、気になる部分への塗布を強化することが可能となる。
【0029】
このような使用に際しては、第1把持部1aや第2把持部2aを指先等で把持することで安定的なマッサージ、メイクアップ作業を行うことが可能である。
【0030】
ここで、実際の製品の様子は、図4に示される通りである。
【0031】
本実施形態に係る美容用具10は、ポリウレタン等の樹脂を成型したものであることから、水に濡らすと大きくなり、ファンデーション等の化粧料の仕上げに濡らした状態で使用すると、みずみずしく仕上がり、乾いたままで使うとサラっとすべすべに仕上がる。そして、メイクアップの仕上げでは、好みに合わせて濡らした状態又は乾いた状態を選択して使用することができる。
【0032】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、メイクアップ機能と、マッサージ機能とを実現することが可能となる。
【0033】
マッサージ機能については、マッサージの手技で使う
・指先
・手の平
・中指と薬指の間(フェイスラインを挟む)
・指の腹
・手根部 (手首の上)
の形状をイメージして各部を構成しているので、鍼灸整体師による施術を日常的に簡易にユーザ自身による美容活動に導入することが可能となる。
【0034】
なお、本実施形態に係る美容用具10のサイズは、例えば、長手方向の幅が60-70mm、短手方向の最大幅が40-50mmであり、平面部の径は30-40mmとなっているが、これに限定されるものではない。
【0035】
また、本実施形態に係る美容用具10は、ポリウレタン等の合成樹脂を発砲成型して生成される。また、一般的なメイクスポンジは柔らかく、ツボ押し等ができないが、本実施形態に係る美容用具10は、ポリウレタン等の樹脂の発砲、寝かせ、成型の手順により生産されており、色についても試行錯誤の結果、黒の色素の染料を用いることで、鍼灸師の手(手根部より上)のマッサージの圧と同じになる固さを実現している。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0037】
例えば、上記実施形態では、前側部に平面部を設ける構成を例示したが、これに限定されることなく、後側部にも、前側部に設けられた平面部とは傾斜角の異なる別の平面部を設けるようにしてもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
1…前側部
1a…第1把持部
1b…先尖部
1c…平面部
2…後側部
2a…第2把持部
2b…傾斜部
2c…突出部
3…凹部
10…美容用具。
図1
図2
図3
図4