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特許7020731清掃業務支援プログラム、清掃業務支援サーバ及び清掃業務支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】清掃業務支援プログラム、清掃業務支援サーバ及び清掃業務支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20220208BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021066799
(22)【出願日】2021-04-09
【審査請求日】2021-04-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514086776
【氏名又は名称】株式会社グローバルゲイツ
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】梅村 真行
(72)【発明者】
【氏名】夏山 順
【審査官】岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0319807(US,A1)
【文献】特開2021-039576(JP,A)
【文献】特開2008-059523(JP,A)
【文献】特開2021-015442(JP,A)
【文献】特開2003-067509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の清掃業者による宿泊施設の客室の清掃業務を支援する処理をサーバに実行させる清掃業務支援プログラムであって、
前記サーバは、各前記清掃業者に所属する1以上の作業者の勤務予定に関する勤務予定情報を記憶したデータベースにアクセス可能であり、
前記清掃業務支援プログラムが前記サーバに実行させる前記処理は、
各前記清掃業者が清掃を担当する1以上の清掃担当エリアの客室稼働率に関する客室稼働率情報であって、1つの業務日において清掃が必要な前記清掃担当エリア内の前記客室に関する前記客室稼働率情報を取得する第1工程と、
取得した前記客室稼働率情報に基づいて、前記1つの業務日において前記清掃担当エリアの前記清掃業務に必要な前記作業者の人数を前記清掃担当エリア毎に決定する第2工程と、
前記清掃担当エリア毎に決定した前記1つの業務日における前記人数と、各前記清掃業者に所属する各前記作業者の前記勤務予定情報とに基づいて、前記1つの業務日において前記清掃業務に従事させる1以上の前記作業者を前記清掃担当エリア毎に特定する第3工程と、
1つの前記清掃業者が担当する1つの前記清掃担当エリアについて特定した前記1つの業務日における前記作業者の数が、当該1つの前記清掃担当エリアについて決定した前記1つの業務日における前記人数に対して不足する場合、他の前記清掃業者に所属する1以上の前記作業者であって、前記1つの業務日において勤務可能、かつ、前記清掃業務が割り当てられていない前記作業者である余剰作業者を、当該1つの前記清掃担当エリアの清掃作業において不足する人員に充当する第4工程とを含み、
1つの前記宿泊施設における複数の前記清掃担当エリアには、優先順位が設定されており、
当該複数の前記清掃担当エリアにおいて、前記優先順位が高い前記清掃担当エリアから順番に前記第4工程を実行させる、
清掃業務支援プログラム。
【請求項2】
前記サーバは、各前記業務日における前記余剰作業者に関する情報を記憶した余剰作業者データベースにアクセス可能であり、
前記第4工程は、前記1つの業務日における1つの前記清掃担当エリアの清掃作業において不足する人員に前記余剰作業者を充当した場合、前記1つの業務日において当該1つの前記清掃担当エリアの前記作業者に充当された前記余剰作業者の情報を前記余剰作業者データベースから削除することを含む、
請求項1に記載の清掃業務支援プログラム。
【請求項3】
前記サーバは、各前記作業者の清掃技能に関する属性情報を記憶したデータベースにアクセス可能であり、
前記第3工程は、前記1つの業務日において1つの前記清掃業者が担当する1つの前記清掃担当エリアの前記清掃業務に従事させる前記作業者を特定する場合、当該1つの前記清掃業者に所属し、かつ、前記勤務予定情報において前記1つの業務日の勤務が可能な1以上の前記作業者の中から、前記属性情報に基づいて、当該1つの前記清掃担当エリアについて決定した前記1つの業務日における前記人数分の前記作業者を選択することを含む、
請求項1又は2に記載の清掃業務支援プログラム。
【請求項4】
前記属性情報は、前記作業者の前記清掃技能のランクに関する情報を含んでおり、
前記第3工程は、前記1つの業務日において1つの前記清掃担当エリアの前記清掃業務に従事させる前記作業者を特定する場合、当該1つの前記清掃担当エリアについて決定した前記1つの業務日における前記人数に対して所定の割合以上の前記作業者が、前記属性情報において所定の前記ランクに達した前記作業者であるように、前記作業者を選択することを含む、
請求項に記載の清掃業務支援プログラム。
【請求項5】
前記サーバは、各清掃担当エリアの各前記客室の清掃に要する標準的な作業時間に関する情報を記憶したデータベースにアクセス可能であり、
前記第2工程は、1つの前記清掃担当エリアについて前記1つの業務日における前記人数を決定する場合、当該1つの前記清掃担当エリアにおける各前記客室の前記作業時間に関する情報と、当該1つの前記清掃担当エリアの清掃業務に設定された予定作業時間に関する情報と、取得した前記客室稼働率情報とに基づいて前記人数を決定する、
請求項1~請求項のいずれか一項に記載の清掃業務支援プログラム。
【請求項6】
前記サーバは、各前記清掃業者が操作する端末装置と通信可能であり、
前記第4工程は、
1つの前記清掃業者が担当する1つの前記清掃担当エリアについて特定した前記1つの業務日における前記作業者の数が、当該1つの前記清掃担当エリアについて決定した前記1つの業務日における前記人数に対して不足する場合、他の前記清掃業者が操作する前記端末装置に対して、前記余剰作業者の借り受けを求める要求を送信することと、
前記要求の送信先の前記端末装置から、前要求を容認する応答を受信した場合、当該他の前記清掃業者に所属する1以上の前記余剰作業者を、当該1つの前記清掃担当エリアの清掃作業において不足する人員に充当することとを含む、
請求項1~請求項のいずれか一項に記載の清掃業務支援プログラム。
【請求項7】
複数の清掃業者による宿泊施設の客室の清掃業務を支援する清掃業務支援サーバであって、
処理部と、
前記処理部において処理を実行させるプログラムの命令を記憶するメモリとを有し、
前記処理部は、各前記清掃業者に所属する1以上の作業者の勤務予定に関する勤務予定情報を記憶したデータベースにアクセス可能であり、
前記処理部が前記プログラムの命令に従って実行する処理は、
各前記清掃業者が清掃を担当する1以上の清掃担当エリアの客室稼働率に関する客室稼働率情報であって、1つの業務日において清掃が必要な前記清掃担当エリア内の前記客室に関する前記客室稼働率情報を取得する第1工程と、
取得した前記客室稼働率情報に基づいて、前記1つの業務日において前記清掃担当エリアの前記清掃業務に必要な前記作業者の人数を前記清掃担当エリア毎に決定する第2工程と、
前記清掃担当エリア毎に決定した前記1つの業務日における前記人数と、各前記清掃業者に所属する各前記作業者の前記勤務予定情報とに基づいて、前記1つの業務日において前記清掃業務に従事させる1以上の前記作業者を前記清掃担当エリア毎に特定する第3工程と、
1つの前記清掃業者が担当する1つの前記清掃担当エリアについて特定した前記1つの業務日における前記作業者の数が、当該1つの前記清掃担当エリアについて決定した前記1つの業務日における前記人数に対して不足する場合、他の前記清掃業者に所属する1以上の前記作業者であって、前記1つの業務日において勤務可能、かつ、前記清掃業務が割り当てられていない前記作業者である余剰作業者を、当該1つの前記清掃担当エリアの清掃作業において不足する人員に充当する第4工程とを含み、
1つの前記宿泊施設における複数の前記清掃担当エリアには、優先順位が設定されており、
当該複数の前記清掃担当エリアにおいて、前記優先順位が高い前記清掃担当エリアから順番に前記第4工程を実行させる、
清掃業務支援サーバ。
【請求項8】
サーバが、複数の清掃業者による宿泊施設の客室の清掃業務を支援する清掃業務支援方法であって、
前記サーバは、各前記清掃業者に所属する1以上の作業者の勤務予定に関する勤務予定情報を記憶したデータベースにアクセス可能であり、
各前記清掃業者が清掃を担当する1以上の清掃担当エリアの客室稼働率に関する客室稼働率情報であって、1つの業務日において清掃が必要な前記清掃担当エリア内の前記客室に関する前記客室稼働率情報を取得する第1工程と、
取得した前記客室稼働率情報に基づいて、前記1つの業務日において前記清掃担当エリアの前記清掃業務に必要な前記作業者の人数を前記清掃担当エリア毎に決定する第2工程と、
前記清掃担当エリア毎に決定した前記1つの業務日における前記人数と、各前記清掃業者に所属する各前記作業者の前記勤務予定情報とに基づいて、前記1つの業務日において前記清掃業務に従事させる1以上の前記作業者を前記清掃担当エリア毎に特定する第3工程と、
1つの前記清掃業者が担当する1つの前記清掃担当エリアについて特定した前記1つの業務日における前記作業者の数が、当該1つの前記清掃担当エリアについて決定した前記1つの業務日における前記人数に対して不足する場合、他の前記清掃業者に所属する1以上の前記作業者であって、前記1つの業務日において勤務可能、かつ、前記清掃業務が割り当てられていない前記作業者である余剰作業者を、当該1つの前記清掃担当エリアの清掃作業において不足する人員に充当する第4工程とを含み、
1つの前記宿泊施設における複数の前記清掃担当エリアには、優先順位が設定されており、
当該複数の前記清掃担当エリアにおいて、前記優先順位が高い前記清掃担当エリアから順番に前記第4工程を実行させる、
清掃業務支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃業務支援プログラム、清掃業務支援サーバ及び清掃業務支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
比較的規模の大きな宿泊施設では、施設内の複数のエリアを複数の清掃業者が分担して客室の清掃業務を行う場合がある。例えば複数のフロアを持つホテル等では、フロア単位で清掃業者が清掃業務を請け負うことが多い。清掃業務に対する対価は、一般的に、清掃を行った客室数の実績に基づいて算出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
清掃業者が一定のエリア(例えば1つのフロア)の清掃業務を請け負う場合、そのエリアの客室稼働率に応じて、清掃業務に必要な人員が変化する。この必要人員に対して作業者の数が少なすぎると、担当したエリアの客室清掃を一定の時間内に完了できなかったり、清掃の品質が低下したりする可能性がある。他方、必要人員に対して作業者の数が多すぎると、清掃業務の対価に対して人件費が高くなるため利益が減少してしまう。特に近年では、インターネットの宿泊予約システムによって宿泊の予約やキャンセルを容易に行えることから、宿泊日の直前になって客室稼働率が大きく変動することがあり、清掃業務に必要な人員の変化を予想し難くなっている。清掃業者は、雇用する作業者の数を容易に増減させることができないため、客室稼働率の変化による清掃業務の必要人員の変化は、清掃業者の経営を困難にする要因の1つとなっている。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、客室稼働率の変化に伴って清掃業務に必要な人員が変化する場合でも、それぞれの清掃業者が適正に清掃業務を行うことを可能にする清掃業務支援プログラム、清掃業務支援サーバ及び清掃業務支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点に係る清掃業務支援プログラムは、複数の清掃業者による宿泊施設の客室の清掃業務を支援する処理をサーバに実行させる清掃業務支援プログラムであって、前記サーバは、各前記清掃業者に所属する1以上の作業者の勤務予定に関する勤務予定情報を記憶したデータベースにアクセス可能であり、前記清掃業務支援プログラムが前記サーバに実行させる前記処理は、各前記清掃業者が清掃を担当する1以上の清掃担当エリアの客室稼働率に関する客室稼働率情報であって、1つの業務日において清掃が必要な前記清掃担当エリア内の前記客室に関する前記客室稼働率情報を取得する第1工程と、取得した前記客室稼働率情報に基づいて、前記1つの業務日において前記清掃担当エリアの前記清掃業務に必要な前記作業者の人数を前記清掃担当エリア毎に決定する第2工程と、前記清掃担当エリア毎に決定した前記1つの業務日における前記人数と、各前記清掃業者に所属する各前記作業者の前記勤務予定情報とに基づいて、前記1つの業務日において前記清掃業務に従事させる1以上の前記作業者を前記清掃担当エリア毎に特定する第3工程と、1つの前記清掃業者が担当する1つの前記清掃担当エリアについて特定した前記1つの業務日における前記作業者の数が、当該1つの前記清掃担当エリアについて決定した前記1つの業務日における前記人数に対して不足する場合、他の前記清掃業者に所属する1以上の前記作業者であって、前記1つの業務日において勤務可能、かつ、前記清掃業務が割り当てられていない前記作業者である余剰作業者を、当該1つの前記清掃担当エリアの清掃作業において不足する人員に充当する第4工程とを含み、1つの前記宿泊施設における複数の前記清掃担当エリアには、優先順位が設定されており、当該複数の前記清掃担当エリアにおいて、前記優先順位が高い前記清掃担当エリアから順番に前記第4工程を実行させる。
【0006】
本発明の第2の観点に係る清掃業務支援サーバは、複数の清掃業者による宿泊施設の客室の清掃業務を支援する清掃業務支援サーバであって、処理部と、前記処理部において処理を実行させるプログラムの命令を記憶するメモリとを有し、前記処理部は、各前記清掃業者に所属する1以上の作業者の勤務予定に関する勤務予定情報を記憶したデータベースにアクセス可能であり、前記処理部が前記プログラムの命令に従って実行する処理は、 各前記清掃業者が清掃を担当する1以上の清掃担当エリアの客室稼働率に関する客室稼働率情報であって、1つの業務日において清掃が必要な前記清掃担当エリア内の前記客室に関する前記客室稼働率情報を取得する第1工程と、取得した前記客室稼働率情報に基づいて、前記1つの業務日において前記清掃担当エリアの前記清掃業務に必要な前記作業者の人数を前記清掃担当エリア毎に決定する第2工程と、前記清掃担当エリア毎に決定した前記1つの業務日における前記人数と、各前記清掃業者に所属する各前記作業者の前記勤務予定情報とに基づいて、前記1つの業務日において前記清掃業務に従事させる1以上の前記作業者を前記清掃担当エリア毎に特定する第3工程と、1つの前記清掃業者が担当する1つの前記清掃担当エリアについて特定した前記1つの業務日における前記作業者の数が、当該1つの前記清掃担当エリアについて決定した前記1つの業務日における前記人数に対して不足する場合、他の前記清掃業者に所属する1以上の前記作業者であって、前記1つの業務日において勤務可能、かつ、前記清掃業務が割り当てられていない前記作業者である余剰作業者を、当該1つの前記清掃担当エリアの清掃作業において不足する人員に充当する第4工程とを含み、1つの前記宿泊施設における複数の前記清掃担当エリアには、優先順位が設定されており、当該複数の前記清掃担当エリアにおいて、前記優先順位が高い前記清掃担当エリアから順番に前記第4工程を実行させる。
【0007】
本発明の第3の観点に係る清掃業務支援方法は、サーバが、複数の清掃業者による宿泊施設の客室の清掃業務を支援する清掃業務支援方法であって、前記サーバは、各前記清掃業者に所属する1以上の作業者の勤務予定に関する勤務予定情報を記憶したデータベースにアクセス可能であり、各前記清掃業者が清掃を担当する1以上の清掃担当エリアの客室稼働率に関する客室稼働率情報であって、1つの業務日において清掃が必要な前記清掃担当エリア内の前記客室に関する前記客室稼働率情報を取得する第1工程と、取得した前記客室稼働率情報に基づいて、前記1つの業務日において前記清掃担当エリアの前記清掃業務に必要な前記作業者の人数を前記清掃担当エリア毎に決定する第2工程と、前記清掃担当エリア毎に決定した前記1つの業務日における前記人数と、各前記清掃業者に所属する各前記作業者の前記勤務予定情報とに基づいて、前記1つの業務日において前記清掃業務に従事させる1以上の前記作業者を前記清掃担当エリア毎に特定する第3工程と、1つの前記清掃業者が担当する1つの前記清掃担当エリアについて特定した前記1つの業務日における前記作業者の数が、当該1つの前記清掃担当エリアについて決定した前記1つの業務日における前記人数に対して不足する場合、他の前記清掃業者に所属する1以上の前記作業者であって、前記1つの業務日において勤務可能、かつ、前記清掃業務が割り当てられていない前記作業者である余剰作業者を、当該1つの前記清掃担当エリアの清掃作業において不足する人員に充当する第4工程とを含み、1つの前記宿泊施設における複数の前記清掃担当エリアには、優先順位が設定されており、当該複数の前記清掃担当エリアにおいて、前記優先順位が高い前記清掃担当エリアから順番に前記第4工程を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、客室稼働率の変化に伴って清掃業務に必要となる人員が変化する場合でも、それぞれの清掃業者が適正に清掃業務を行うことを可能にする清掃業務支援プログラム、清掃業務支援サーバ及び清掃業務支援方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る清掃業務支援システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、データベース群に含まれるデータベースの一例を示す図である。
図3図3は、1つの業務日において1つの清掃業者が担当する清掃担当エリアの清掃作業の作業者を特定する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図4図4は、余剰作業者を不足人員に充当する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、余剰作業者を不足人員に充当する処理の一変形例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態に係る清掃業務支援システムの構成の一例を示す図である。図1の例に示す清掃業務支援システムは、清掃業務支援サーバ1と、データベース群2と、複数の清掃業者端末装置3と、1以上の宿泊施設端末装置4と、本部端末装置5と、宿泊管理サーバ6とを有する。清掃業務支援サーバ1と宿泊管理サーバ6と各端末装置(清掃業者端末装置3、宿泊施設端末装置4、本部端末装置5)は、インターネットなどの通信ネットワーク9を介して互いに通信可能である。
【0011】
清掃業者端末装置3は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置であり、宿泊施設から客室の清掃業務を請け負う清掃業者によって操作される。清掃業者端末装置3は、清掃業務支援サーバ1にアクセスして、データベース群2の各データベースに各種の情報(清掃業者の情報、作業者の情報、勤務予定の情報、勤務実績の情報、清掃業務の内容に関する情報、清掃業務の実績に関する情報など)を登録したり、後述する余剰作業者の借り受けに関する通知の送信や受信を行ったりする。
【0012】
宿泊施設端末装置4は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置であり、宿泊施設を運営する事業者によって操作される。宿泊施設端末装置4は、宿泊管理サーバ6にアクセスして、各客室の予約状況(各日の予約の有無、宿泊客の情報など)を表示したり、各客室における宿泊サービスの提供状況(チェックイン、チェックアウトなど)に関する情報を登録したりする。また宿泊施設端末装置4は、清掃業務支援サーバ1にアクセスして、各客室の清掃品質の評価に関する情報を登録したり、各客室の清掃を担当する作業者の属性(清掃技能など)に関する情報を表示したりする。
【0013】
本部端末装置5は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置であり、複数の清掃業者による宿泊施設の客室の清掃業務を支援する事業者(以下、「本部」と記す場合がある。)によって操作される。本部端末装置5は、清掃業務支援サーバ1にアクセスして、データベース群2の各データベースに各種の情報を登録したり、これらのデータベースに登録された情報を表示したりする。また、本部端末装置5は、清掃業者端末装置3との間で、清掃業務の支援に関連した通知の送受信(例えば、清掃作業に必要な人員が不足した清掃業者からのサポート依頼の受信とその応答の送信など)を行う。
【0014】
宿泊管理サーバ6は、1以上の宿泊施設における宿泊サービスの提供業務の管理に関する処理を行う装置であり、例えば通信ネットワーク9に接続された1以上のコンピュータ(クラウドコンピューティングを提供するコンピュータ群など)を含んで構成される。宿泊管理サーバ6は、例えば、各客室の予約状況に関する情報、各客室における宿泊サービスの提供状況に関する情報、宿泊客に関する情報などを記憶した1以上のデータベースにアクセス可能である。宿泊管理サーバ6は、通信ネットワーク9を介してアクセスする端末装置(宿泊施設端末装置4など)の要求に応じて、これらのデータベースから情報を読み出して端末装置に提供する処理や、端末装置に入力された情報をこれらのデータベースに書き込む処理を行う。また宿泊管理サーバ6は、清掃業務支援サーバ1からの要求に応じて、宿泊施設の客室稼働率に関する情報を清掃業務支援サーバ1に提供する処理を行う。
【0015】
清掃業務支援サーバ1は、複数の清掃業者による宿泊施設の客室の清掃業務を支援する処理を実行する装置であって、例えば通信ネットワーク9に接続された1以上のコンピュータ(クラウドコンピューティングを提供するコンピュータ群など)を含んで構成される。図1の例に示す清掃業務支援サーバ1は、通信部11と、記憶部12と、処理部13を有する。
【0016】
通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(清掃業者端末装置3、宿泊施設端末装置4、本部端末装置5、宿泊管理サーバ6など)と通信を行う。通信部11は、例えばイーサネット(登録商標)や無線LANなどの所定の通信規格に準拠して通信を行う装置(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0017】
記憶部12は、処理部13において処理を実行させる1以上のプログラムPGの命令や、処理に使用されるデータを記憶する。記憶部12は、例えばDRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSDなどの任意の記憶装置を含んでよい。記憶部12は、コンピュータのバスや他の任意の通信手段によって処理部13と接続された複数の記憶装置を含んでもよい。
【0018】
処理部13は、1以上のプログラムPGの命令に応じて処理を実行する装置であり、1以上のプロセッサ(CPU、マイクロプロセッサ、DSPなど)を含む。処理部13は、記憶部12に記憶される1以上のプログラムPGの命令に応じて処理を実行することにより、1以上のコンピュータとして機能する。なお処理部13は、一部の処理を専用のハードウェア(ASIC、FPGAなど)において実行してもよい。
【0019】
1以上のプログラムPGは、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体(光ディスクなどの非一時的な有形の媒体)に記録されていてもよい。処理部13は、そのような記録媒体に記録された1以上のプログラムPGの少なくとも一部を不図示の記録媒体読み取り装置(光ディスク装置など)により読み込んで、記憶部12に書き込んでもよい。あるいは処理部13は、通信ネットワーク9に接続される他の装置から通信部11により1以上のプログラムPGの少なくとも一部をダウンロードして、記憶部12に書き込んでもよい。1以上のプログラムPGは、後述する清掃業務支援処理の少なくとも一部を処理部13において実行させるためのプログラムを含む。
【0020】
データベース群2は、清掃業務支援サーバ1がアクセス可能な複数のデータベース(以下、「DB」と省略して記す場合がある。)を含む。例えばデータベース群2は、図2に示すように、清掃業者DB21と、作業者DB22と、宿泊施設DB23と、勤務管理DB24と、余剰作業者DB25と、業務管理DB26を含む。
【0021】
清掃業者DB21は、宿泊施設の客室の清掃業務を請け負う清掃業者に関する情報を検索可能に記憶する。清掃業者に関する情報には、例えば、清掃業者の識別コード、清掃業者の名称、住所、連絡先、担当者名などが含まれる。
【0022】
作業者DB22は、客室の清掃作業を行う作業者に関する情報を検索可能に記憶する。作業者に関する情報には、例えば、作業者の識別コード、作業者の氏名、性別、年齢、住所、連絡先、作業者が所属する清掃業者の情報(例えば清掃業者の識別コード)、作業者の清掃技能に関する属性情報、作業者が勤務可能な宿泊施設に関する情報(例えば宿泊施設の識別コード)などが含まれる。
【0023】
作業者DB22に記憶される清掃技能に関する属性情報には、例えば、清掃技能のランクを示す情報が含まれる。この場合、清掃技能に関する属性情報は、清掃技能の高さを表す複数のランクの何れに該当するかを示してもよい。
【0024】
宿泊施設DB23は、客室の清掃業務が実施される宿泊施設に関する情報を検索可能に記憶する。宿泊施設に関する情報には、例えば、宿泊施設の識別コード、宿泊施設の名称、住所、連絡先、担当者名、清掃担当エリア(フロア等)の識別コード、客室の識別コード、各清掃担当エリアの清掃業務を請け負う清掃業者に関する情報(例えば清掃業者の識別コード)、各客室の清掃に要する標準的な作業時間に関する情報、清掃業者による客室の清掃業務に設定された予定作業時間に関する情報などが含まれる。
【0025】
宿泊施設DB23に記憶される各客室の作業時間に関する情報は、例えば、属性情報において平均的な清掃技能を持つ作業者が清掃を行った場合の標準的な作業時間を表す。
【0026】
宿泊施設DB23に記憶される予定作業時間に関する情報は、例えば、宿泊施設において清掃作業のために設定された時間を表す。この予定作業時間は、宿泊施設の全ての客室において共通に設定されてもよいし、各清掃業者が担当する清掃担当エリア毎に設定されてもよいし、客室毎に設定されてもよい。
【0027】
勤務管理DB24は、各作業者の勤務の管理に関する情報を検索可能に記憶する。勤務の管理に関する情報には、例えば、各作業者の各業務日における勤務予定に関する情報や、勤務実績に関する情報が含まれる。
勤務予定に関する情報(勤務予定情報)には、例えば、勤務予定の有無、勤務予定の宿泊施設に関する情報(例えば宿泊施設の識別コード)が含まれる。
勤務実績に関する情報(勤務実績情報)には、例えば、勤務実績の有無、勤務した宿泊施設に関する情報(例えば宿泊施設の識別コード)、作業者が清掃した客室に関する情報(例えば客室の識別コード)が含まれる。
【0028】
余剰作業者DB25は、後述する処理(図3)において特定された余剰作業者に関する情報を検索可能に記憶する。例えば余剰作業者DB25は、各業務日における余剰作業者の識別コード、余剰作業者が勤務可能な宿泊施設に関する情報(例えば宿泊施設の識別コード)などを記憶する。
【0029】
業務管理DB26は、各清掃業者の各業務日における清掃業務を管理するための情報を検索可能に記憶する。例えば業務管理DB26は、各清掃業者の各業務日における清掃業務の内容に関する情報を記憶してもよい。清掃業務の内容に関する情報には、例えば、清掃業務を実施する宿泊施設と清掃担当エリアに関する情報(例えば宿泊施設の識別コード、清掃担当エリアの識別コード)が含まれる。
また業務管理DB26は、後述する処理(図3)において決定される清掃業務の作業者の必要人数に関する情報や、この処理で特定される不足人員の情報を記憶してもよい。
更に、業務管理DB26は、各清掃業者の各業務日における清掃業務の実績に関する情報を記憶してもよい。清掃業務の実績に関する情報には、例えば、各清掃業者が各業務日に清掃業務を行った宿泊施設及び清掃担当エリアの識別コード、清掃作業を行った人員の情報(自社の人員の情報、他の清掃業者から借り受けた余剰作業者の情報、本部から派遣された人員の情報)などが含まれる。
【0030】
ここで、図1に示す構成を有した清掃業務支援サーバ1において実行される清掃業務支援処理について、図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。
【0031】
図3は、特定の1つの業務日において特定の1つの清掃業者が担当する清掃担当エリアの清掃作業の作業者を特定する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
まず清掃業務支援サーバ1の処理部13は、特定の1つの清掃業者が担当する1つの清掃担当エリア(例えば宿泊施設の1つのフロア)を選択し(ST100)、選択した清掃担当エリアの客室稼働率に関する情報(客室稼働率情報)を取得する(ST105)。客室稼働率情報は、例えば、選択中の清掃担当エリア内(例えば1つのフロア内)において、特定の1つの業務日に清掃が必要な客室(すなわち、宿泊客によって使用された客室)に関する情報である。客室稼働率情報は、例えば、清掃が必要な客室の数を示す情報でもよいし、清掃が必要な各客室の識別コードでもよい。例えば処理部13は、1つの業務日における1つの宿泊施設の客室稼働率に関する情報(各客室の宿泊予約の有無に関する情報)を宿泊管理サーバ6に要求し、この要求に応答して宿泊管理サーバ6から受信した情報に基づいて、この1つの宿泊施設における1つの清掃担当エリアの客室稼働率情報を取得する。
【0032】
次に処理部13は、ステップST105において取得した客室稼働率情報に基づいて、1つの業務日において1つの清掃担当エリア(選択中の清掃担当エリア)の清掃業務に必要な作業者の人数(以下、「必要人数」と記す場合がある。)を決定する(ST110)。
【0033】
例えば処理部13は、1つの清掃担当エリアについて1つの業務日における作業者の必要人数を決定する場合、当該1つの清掃担当エリアにおける各客室の標準的な作業時間に関する情報(宿泊施設DB23)と、当該1つの清掃担当エリアの清掃業務に設定された予定作業時間に関する情報(宿泊施設DB23)と、ステップST105で取得した客室稼働率情報とに基づいて必要人数を決定する。この場合、例えば処理部13は、客室稼働率情報が示す清掃が必要な客室の標準的な作業時間を合算し、この合算した作業時間(一人の作業者が全ての客室を清掃したと仮定した場合の所要時間)を予定作業時間で除した結果に基づいて、必要人数を算出する。
【0034】
なお、1つの清掃担当エリアにおける全ての客室の標準的な作業時間が全て同じである場合、宿泊施設DB23は、当該1つの清掃担当エリアにおける全客室を予定作業時間内に清掃するために必要な作業者の人数(最大必要人数)を記憶していてもよい。この場合、処理部13は、客室稼働率情報が示す客室稼働率(全客室数に対する清掃が必要な客室数の割合)を最大必要人数に乗じた結果に基づいて、必要人数を算出してもよい。
【0035】
ステップST110において1つの業務日における1つの清掃担当エリアの必要人数を決定すると、次に処理部13は、決定した1つの業務日における必要人数と、1つの清掃業者に所属する各作業者の勤務予定情報(勤務管理DB24)とに基づいて、1つの業務日において清掃業務に従事させる1以上の作業者を特定する(ST115)。
例えば処理部13は、1つの業務日において1つの清掃業者が担当する1つの清掃担当エリアの清掃業務に従事させる作業者を特定する場合、当該1つの清掃業者に所属し、かつ、勤務予定情報(勤務管理DB24)において当該1つの業務日の勤務が可能な1以上の作業者の中から、当該1つの清掃担当エリアについて決定した当該1つの業務日における必要人数分の作業者を選択する。
【0036】
また処理部13は、ステップST115において1以上の作業者の中から必要人数分の作業者を選択する場合、清掃技能に関する属性情報(作業者DB22)に基づいて、作業者の選択を行ってもよい。すなわち、処理部13は、当該1つの業務日において勤務可能な作業者の中から、属性情報に基づく所定の条件を満たすように、必要人数分の作業者を選択してもよい。これにより、清掃技能を加味して作業者を選択することが可能となり、適切な清掃の品質を保ち易くなる。
【0037】
更に処理部13は、属性情報に基づく作業者の選択を行う場合、清掃技能のランクに応じた選択を行ってもよい。すなわち、処理部13は、1つの業務日において1つの清掃担当エリアの清掃業務に従事させる作業者を特定する場合、当該1つの清掃担当エリアについて決定した当該1つの業務日における必要人数(ステップST110で決定した必要人数)に対して所定の割合以上の作業者が、属性情報において所定のランクに達した作業者であるように、作業者の選択を行ってもよい。
一例として、清掃技能の高い方から順番に「A」,「B」,「C」の3ランクが設定されており、清掃技能に関する属性情報が、この3ランクの何れに該当するかを示すものとする。また一例として、処理部13は、ステップST110で決定した必要人数に対して1割以上の作業者がAランクであるように、作業者の選択を行うものとする。この例によれば、処理部13は、仮に必要人数が20人である場合において、Aランクの作業者が2人以上含まれるように作業者の選択を行う。これにより、清掃技能の高い作業者が一定割合以上含まれるようになるため、清掃の品質を保持し易くなる。
【0038】
なお、処理部13は、清掃技能のランクが等しい複数の作業者の中から一部を選択する場合、各作業者の勤務の頻度が概ね均一となるように(勤務の頻度のばらつきが抑制されるように)選択を行なってもよい。例えば、処理部13は、清掃技能のランクが等しい複数の作業者に対して巡回的な所定の順番を割り当てておき、この順番に従って作業者を均等に選択するようにしてもよい。あるいは、処理部13は、清掃技能のランクが等しい複数の作業者の中からランダムに一部の作業者を選択するようにしてもよい。
【0039】
ステップST115において清掃業務に従事させる作業者を特定した後、処理部13は、作業者の人員が不足しているか否か判定する(ST120)。すなわち、処理部13は、1つの清掃業者が担当する1つの清掃担当エリアについて特定した1つの業務日における作業者の数(ステップST115で特定した作業者の数)が、当該1つの清掃担当エリアについて決定した1つの業務日における必要人数(ステップST110で決定した必要人数)に対して不足するか否か判定する。作業者の人員が不足していると判定した場合(ST120のYES)、処理部13は、不足した人員に関する情報を業務管理DB26に登録する(ST125)。この不足した人員に関する情報は、例えば、属性情報が示す清掃技能のランク毎に不足した人員を示す情報でもよい。
【0040】
ステップST105~ST125の処理の後、処理部13は、このステップST105~ST125の処理を未だ行っていない他の清掃担当エリアがあるならば(ST130のYES)、当該他の清掃担当エリアを選択して(ST135)、ステップST105~ST125の処理を繰り返す。
【0041】
1つの業務日に1の清掃業者が担当する全ての清掃担当エリアについてステップST105~ST125の処理を行った場合(ST130のNO)、処理部13は、当該1つの業務日において勤務可能、かつ、清掃業務が割り当てられていない作業者である余剰作業者が存在するか判定する(ST140)。余剰作業者が存在する場合(ST140のYES)、処理部13は、その余剰作業者に関する情報(余剰作業者の識別コード、余剰作業者が勤務可能な宿泊施設の識別コードなど)を余剰作業者DB25に登録する。
【0042】
図4は、余剰作業者を不足人員に充当する処理の一例を説明するためのフローチャートであり、上述した図3に示す処理によって判明した1つの業務日の不足人員に対して余剰人員を充当する処理の例を示す。
まず清掃業務支援サーバ1の処理部13は、特定の1つの清掃業者が担当する清掃担当エリアの1つを選択し(ST200)、選択した清掃担当エリアについて業務管理DB26に登録された特定の1つの業務日における情報を取得する。処理部13は、業務管理DB26から取得した情報に基づいて、この清掃担当エリアにおける人員が不足しているか否か判定する(ST205)。人員の不足がないと判定した場合(ST205のNO)、処理部13は後述するステップST250へ移行する。他方、人員の不足があると判定した場合(ST205のYES)、処理部13は、次に述べるステップST210へ移行する。
【0043】
ステップST210に移行すると、処理部13は、人員が不足した1つの業務日において余剰作業者の借り受けが可能な他の清掃業者を特定する(ST210)。例えば処理部13は、余剰作業者DB25に登録された当該1つの業務日における余剰作業者の中から、選択中の清掃担当エリアに該当する宿泊施設への勤務可能な余剰作業者を検索し、検索により見つかった余剰作業者の清掃業者を特定する。ステップST210において余剰作業者の借り受けが可能な他の清掃業者を特定できなかった場合(ST215のNO)、処理部13は、後述するステップST245へ移行する。他方、ステップST210において他の清掃業者を特定できた場合(ステップST215のYES)、処理部13は、次に述べるステップST220に移行する。
【0044】
ステップST220に移行すると、処理部13は、ステップST210で特定した清掃業者が操作する清掃業者端末装置3に対して、余剰作業者の借り受けを求める要求を送信する(ST220)。例えば処理部13は、清掃業務支援サーバ1にログイン中の清掃業者端末装置3に対してプッシュ通知を行なったり、電子メールなどの他の通信手段を利用したりすることによって、他の清掃業者の清掃業者端末装置3に余剰作業者の借り受け要求を送信する。
【0045】
余剰作業者の借り受けの要求を送信した後、処理部13は、この要求に対する応答を他の清掃業者の清掃業者端末装置3から受信する。他の清掃業者の清掃業者端末装置3から受余剰作業者の借り受け要求を容認する応答を受信した場合(ST225のYES)、処理部13は、借り受け要求を容認した他の清掃業者に所属する1以上の余剰作業者を、ステップST205において判定した不足の人員に充当する(ST230)。例えば処理部13は、他の清掃業者によって1つの業務日における借り受けを容認された1以上の余剰作業者が、当該1つの業務日において不足すると判定された1つの清掃担当エリアの人員に充当されるように、勤務管理DB24の勤務予定情報を更新する。また、処理部13は、当該1つの業務日において当該1つの清掃担当エリアの作業者に充当された余剰作業者の情報を、余剰作業者DB25から削除する。
【0046】
ステップST225において余剰作業者の借り受け要求を拒否する応答を受信した場合や(ST225のNO)、ステップST230の後も未だ人員が不足している場合(ST235のNO)、処理部13は、ステップST240に移行する。ステップST240に移行すると、処理部13は、ステップST210で特定した清掃業者の中に未だ借り受け要求を送信していない他の清掃業者の清掃業者端末装置3があるならば(ST240のYES)、再びステップST220に戻って、当該他の清掃業者に対する借り受け要求の送信を行う。
【0047】
ステップST210で特定した全ての清掃業者から借り受け要求への拒否を示す応答を受信した場合や(ST240のNO)、ステップST210において余剰作業者の借り受け可能な清掃業者を特定できなかった場合(ST215のNO)、処理部13は、本部端末装置5に対して清掃作業のサポートを依頼する通知を送信する(ST245)。例えば処理部13は、プッシュ通知や電子メールなどによってサポート依頼の通知を本部端末装置5に送信する。清掃業者端末装置3のサポート依頼の通知を本部端末装置5が受信すると、この通知を確認した本部の担当者は、本部に所属する作業者の中から不足分の人員を充当する措置を講じる。
【0048】
ステップST235において不足人員の全てが余剰作業者により充当されたと判定された場合や(ST235のYES)、ステップST245において清掃作業のサポート依頼の通知が本部端末装置5に送信された場合、処理部13は、ステップST250に移行する。ステップST250に移行すると、処理部13は、上述したステップST205~ST245の処理を未だ行っていない他の清掃担当エリアがあるならば(ST250のYES)、当該他の清掃担当エリアを選択して(ST255)、ステップST205~ST245の処理を繰り返す。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、1つの業務日において清掃が必要な清掃担当エリア内の客室に関する客室稼働率情報に基づいて、当該1つの業務日において清掃担当エリアの清掃業務に必要な作業者の必要人数が決定される。
また、決定された当該1つの業務日における作業者の必要人数と、各清掃業者に所属する各作業者の勤務予定情報とに基づいて、当該1つの業務日において清掃業務に従事させる1以上の作業者が特定される。
そして、1つの清掃業者が担当する1つの清掃担当エリアについて特定された1つの業務日における作業者の数が、当該1つの清掃担当エリアについて決定された当該1つの業務日における作業者の必要人数に対して不足する場合、他の清掃業者に所属する1以上の余剰作業者(当該1つの業務日において勤務可能、かつ、清掃業務が割り当てられていない作業者)が、当該1つの清掃担当エリアの清掃作業において不足する人員に充当される。
これにより、客室稼働率の変化に伴って清掃業務に必要な作業者の必要人数が変化する場合でも、それぞれの清掃業者が客室稼働率に応じて決定された適切な人員を安定的に確保することが可能となり、それぞれの清掃業者が適正に清掃業務を行うことができる。すなわち、雇用する作業者の数が多い清掃業者にあっては、余剰作業者を他の清掃業者の清掃担当エリアに作業者として派遣できるため、人件費の増大による利益の減少を抑制できる。また、雇用する作業者の数が少ない清掃業者にあっては、適切な人員を確保できないことによる予定作業時間の超過のリスクを回避できるとともに、清掃品質の低下を抑制できる。
【0050】
また、本実施形態によれば、1つの業務日において1つの清掃業者が担当する1つの清掃担当エリアの清掃業務に従事させる作業者を特定する場合、当該1つの清掃業者に所属し、かつ、勤務予定情報において当該1つの業務日の勤務が可能な1以上の作業者の中から、清掃技能に関する属性情報に基づいて、当該1つの清掃担当エリアについて決定した当該1つの業務日における必要人数分の作業者が選択される。
これにより、各作業者が持つ清掃技能を加味した上で、勤務可能な作業者の中から清掃作業に従事させる作業者を選択することが可能になるため、清掃の品質を適切なレベルに保つことができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、1つの清掃業者が担当する1つの清掃担当エリアについて特定された1つの業務日における作業者の数が、当該1つの清掃担当エリアについて決定された当該1つの業務日における作業者の必要人数に対して不足する場合に、他の清掃業者が操作する清掃業者端末装置3に対して、余剰作業者の借り受けを求める要求が送信される。そして、要求の送信先の清掃業者端末装置3から、要求を容認する応答が受信された場合、当該他の清掃業者に所属する1以上の余剰作業者が、当該1つの清掃担当エリアの清掃作業において不足する人員に充当される。
これにより、異なる清掃業者の間において余剰作業者の借り受けを円滑に行うことが可能になる。
【0052】
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0053】
上述した図4のフローチャートに示す処理では、1つの清掃業者が担当する複数の清掃担当エリアにおいて、順番に1つの清掃担当エリアが選択されて、余剰作業者による不足人員の充当が行われる。余剰作業者が少ない場合、不足人員の充当を行う順番が早い清掃担当エリアほど、不足人員に対して余剰作業者が適切に充当され易くなる。他方、複数のフロアを持つ宿泊施設においては、上の階のフロアほど客室稼働率が高くなる場合や、清掃の品質を要求される場合がある。そのような場合には、上の階のフロアほど、不足人員に対して余剰作業者が適切に充当されるようにすることが望ましい。また、宿泊施設の方針によって、フロアの階数とは無関係に、複数のフロアの間で客室稼働率の傾向が異なる場合もある。そのような宿泊施設については、フロア毎の客室稼働率の傾向に応じて、客室稼働率の高いフロアほど不足人員に対して余剰作業者が適切に充当されるようにすることが望ましい。
【0054】
そこで、図5のフローチャートに示す変形例の処理では、1つの宿泊施設における複数の清掃担当エリア(例えば複数のフロア)に優先順位が設定される。例えば、客室稼働率が高いフロアに対応する清掃担当エリアほど高い優先順位が設定される。そして、優先順位が高い清掃担当エリアから順番に、余剰作業者による不足人員の充当が行なわれる。
【0055】
図5に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートにおけるステップST200、ST250、ST255を、それぞれステップST200A、ST250A、ST255Aに置き換えたものである。
ステップST200Aにおいて、処理部13は、特定の1つの宿泊施設における複数の清掃担当エリアの中で、優先順位が最も高い清掃担当エリアを選択する。ステップST200Aにおいて清掃担当エリアを選択した後、処理部13は、この選択した清掃担当エリアに対して、上述したステップST205~ST245の処理を行う。選択中の清掃担当エリアに対してステップST205~ST245の処理を行った後、処理部13は、選択中の清掃担当エリアより優先順位が下位の清掃担当エリアがあるならば(ST250AのYES)、下位にある次の順位の清掃担当エリアを選択して(ST255A)、ステップST205~ST245の処理を繰り返す。
上述した図5に示す処理によれば、優先順位が高い清掃担当エリアから順番に不足人員の充当が行われるため、優先順位が高い清掃担当エリアの不足人員に対して余剰作業者が適切に充当され易くすることができる。
【符号の説明】
【0056】
1…清掃業務支援サーバ、11…通信部、12…記憶部、13…処理部、2…データベース群、21…清掃業者DB、22…作業者DB、23…宿泊施設DB、24…勤務予定DB、25…余剰作業者DB、26…業務管理DB、3…清掃業者端末装置、4…宿泊施設端末装置、5…本部端末装置、6…宿泊管理サーバ、9…通信ネットワーク
【要約】
【課題】客室稼働率の変化に伴って清掃業務に必要な人員が変化する場合でも、それぞれの清掃業者が適正に清掃業務を行うことを可能にする方法を提供する。
【解決手段】1つの清掃業者が担当する1つの清掃担当エリアについて特定した当該1つの業務日における作業者の数が、当該1つの清掃担当エリアについて決定した当該1つの業務日における清掃業務に必要な人数に対して不足する場合、他の清掃業者に所属する1以上の余剰作業者(当該1つの業務日において勤務可能、かつ、清掃業務が割り当てられていない作業者)を、当該1つの清掃担当エリアの清掃作業において不足する人員に充当する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5