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  • 特許-片手用トイレットペーパーホルダー 図1
  • 特許-片手用トイレットペーパーホルダー 図2
  • 特許-片手用トイレットペーパーホルダー 図3
  • 特許-片手用トイレットペーパーホルダー 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】片手用トイレットペーパーホルダー
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/36 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
A47K10/36 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021068002
(22)【出願日】2021-02-24
【審査請求日】2021-04-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521156332
【氏名又は名称】小口 真侍
(72)【発明者】
【氏名】小口 真侍
【審査官】津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3198159(JP,U)
【文献】特開2009-039226(JP,A)
【文献】特開2013-169383(JP,A)
【文献】実開平02-134093(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0178298(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレットペーパーの差し込み部位と、カッター柱と、折り返し柱と、可倒式アームとをそれぞれ台座に有し、
可倒式アームはアーム本体が折り返し柱の方向に倒れることが可能なように取り付けられて、
差し込み部位から引き出したトイレットペーパーを折り返し柱で折り返してから可倒式アームに巻きつけた後、巻きつけたトイレットペーパーの先端と、折り返し柱とアーム本体間のトイレットペーパーを一緒につかみ、折り返し柱の方向に引くことで倒れたアーム本体からトイレットペーパーを抜き出す操作を繰り返して、可倒式アームと折り返し柱との距離に応じた長さで何重かに折りたたんだトイレットペーパーを、カッター柱でカットすることで、所望のとおりに折りたたんだトイレットペーパーを片手のみの操作で取り出すことができる、
トイレットペーパーホルダー。
【請求項4】
カッター柱と折り返し柱は互いに近接して取り付けられた、請求項1から3の何れかにに記載のトイレットペーパーホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレットペーパーホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来使われているトイレットペーパーホルダーは、それを使用する際に片手でトイレットペーパー(以下、「ペーパー」ともいう)を出し、もう一方の手でホルダーの蓋を押さえることでペーパーをカットしていた。しかし、このような方法は皆が両手を使える状態とは限らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-247022号公報
【文献】特開2007-98078号公報
【文献】特開2009-285123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、トイレットペーパーはトイレットペーパーホルダーに水平に挿入されていたため上から蓋を手で押さえて、引っ張るようにカットしなければならなかった。障がいや怪我によって両手を使うことが困難である人たちにとって、このような操作性を伴う従来のトイレットペーパーホルダーはバリアフリーが行き届いていなかった。
【0005】
また、これらを解消する目的で開発されたトイレットペーパーホルターは既にいくつか存在する<特許文献1~3>。しかし、カットはできても片手で何層かに巻き取るための効果を欠いていたり、特許文献2においては、思わぬ部位でペーパーがカットされてしまうという操作性の問題点が挙げられたりした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トイレットペーパーの差し込み部位と、カッター柱と、折り返し柱と、可倒式アームとをそれぞれ台座に有し、可倒式アームはアーム本体が折り返し柱の方向に倒れることが可能なように取り付けられて、差し込み部位から引き出したトイレットペーパーを折り返し柱で折り返してから可倒式アームに巻きつけた後、巻きつけたトイレットペーパーを折り返し柱の方向に引くことで倒れたアーム本体からトイレットペーパーを抜き出す操作を繰り返して、可倒式アームと折り返し柱との距離に応じた長さで何重かに折りたたんだトイレットペーパーを、カッター柱でカットすることで、所望のとおりに折りたたんだトイレットペーパーを片手のみの操作で取り出すことができる、トイレットペーパーホルダーを提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のトイレットペーパーホルダーは、誰もが片手で簡単にペーパーを巻き取りカットが可能であり、複雑な操作性を伴わないトイレットペーパーホルダーによるバリアフリー化を実現できる。発明のトイレットペーパーホルダーは、シンプルな構造であるために、製造が容易である。
【0008】
即ち、ペーパーの芯を差し込み柱(部位)に取り付け、ペーパーをカットするためのカット部位が備わっている柱、折り返しの柱の2つの柱の間にペーパーを通して、力を加えると一定の方向に倒れ、力を除くと元の垂直な状態に戻る柱(可倒式アーム)によって再び折り返すことで、片手でペーパーを折りたたみカットすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のトイレットペーパーホルダーの実施形態を示す全体斜視図である。
図2】本発明のトイレットペーパーホルダーの実施形態で用いるペーパーカッター柱においての詳細を示す斜視図である。
図3】本発明のトイレットペーパーホルダーの実施形態で用いる可倒式アームの構造を示す概念図である。
図4】本発明のトイレットペーパーホルダーの実施形態の使用時の状態を示す模式図である。可倒式アームの構造は簡略化して示している。(a)はペーパーを可倒式アームに巻きつける状態を、(b)は可倒式アームを倒してペーパーを抜き取る状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を一つの実施形態に沿って説明する。
【0011】
トイレットペーパーホルダーは、図1に示すように、台座(6)の上に、トイレットペーパーの芯を差し込む柱(1)と、ペーパーをカットするためのカッター柱(3)と、折り返し柱(2)と、可倒式アーム(4)を有する。それぞれの材料は木製、プラスチック製、金属製などにすることができる。これらは共通の台座(6)にすべてを有していても良いが、(1)、(2)、(3)、(4)のいずれかが異なる台座や壁に設置してあるように、共通の台座に有している必要はない。
【0012】
芯の差し込み柱(1)は、トイレットペーパーのロールが回転するように芯の直径よりも少し小さいもので、そこで芯が回転するために円柱状の柱が適している。
【0013】
図2に示すように、カッター柱(3)にはペーパーをカットするためののこぎり状の刃が高さ方向に沿って取り付けられたカット部位(9)が設けられている。これは、ペーパーをカットしやすいようなギザギザ等の部位を有しているものが適している。また、カッター柱(3)の側面の一部には、カットする際のペーパーの滑り止めが取り付けられている。その素材は、ペーパーのすべり止めに適している素材(ゴムやスポンジ)が適している。滑り止めにより、カット部位(9)でカットする際に、回転しやすいペーパーの芯がまわりづらくなることで容易にペーパーをカットすることができる。これにより、引っ張る操作でペーパーを片手でカットしやすくなる。
【0014】
折り返し柱(2)は、ペーパーを折り返すための柱であり、図1の簡略図では台座(6)上でカッター柱(3)に近接して取り付けられている。近接して取り付ける場合、折り返し柱(2)とカッター柱(3)との距離は、例えば約5cmから約10cmの範囲で設定することができるが、近接している必要はない。なお、差し込み柱(1)と折り返し柱(2)との距離も特に制限されないが、例えば約15cmから約20cmの範囲で設定することができる。折り返し柱(2)は、図1では平板状であるが折り返すことができれば、特に形状や材料は問わない。
【0015】
可倒式アーム(4)は、通常は台座(6)の上で垂直に立ち上がった状態であるが、台座の平面内の一定方向に力を加えるとその方向へ倒れ、力を取り除くと、元の立ち上がった状態に戻る動作をする。この機能を持つように、おもりによる重力やゴム、バネ等による仕組みが適している。可倒式アーム(4)は、丸い柱状のものが好ましい。この動作を実現するために、可倒式アーム(4)は、図3に示すように、柱状のアーム本体(12)と、本体の中心と直交するようにアーム本体を貫通する回転軸(11)と、回転軸を回転可能に支持する軸受け板(5)とを有する。軸受け板は、図1に示すように台座の裏面側に延びるように取り付けられているが、アーム本体が折り返し柱の方向に回転可能なような配置で取り付けられている。アーム本体の底には、おもり(10)が取り付けられており、アーム本体は回転軸を中心として回転可能であるが、力がかからない状態ではおもりにより鉛直方向を向くようになっている。可倒式アーム(4)は、台座(6)上で折り返し柱(2)との間に、重ね合わせるペーパーの長さに応じた距離を隔てて取り付けられている。なお、図1では、アーム本体が折り返し柱の方向と逆の方向に倒れないようにするために、ストッパー(7)を付けている。
【0016】
なお、本発明のトイレットペーパーホルダーでは、台座が水平になっている必要はなく、従来通り壁に面して設置することも可能である。
【0017】
図1に示すトイレットペーパーホルダーの動作及び使用方法を、図4を参照しながら説明する。図4ではペーパーの動きを白矢印で示す。
【0018】
最初に、トイレットペーパー差し込み部位(1)にトイレットペーパーの芯部分をはめる。ペーパーの先端を引っ張り出しながら折り返し柱(2)とカッター柱(3)の間を通過させた後に折り返し柱(2)でペーパーを折り返す。次に、可倒式アーム(4)までペーパーを引っ張り出し、可倒式アーム(4)においてペーパーを折り返す。ペーパーの先端を再び折り返し柱(2)に向かって伸ばすため、余裕をもってペーパーを引っ張り出しておく。このような操作で、折り返し柱(2)と可倒式アーム(4)の間で2層のペーパーが出来上がる(図4(a))。
【0019】
次に、引っ張ってきたペーパーの先端と、折り返し柱(2)とカッター柱(3)の間から出てきているペーパー部分を一緒につまみ、アーム本体(12)が倒れる方向に引っ張れば、倒れたアーム本体(12)がペーパーから外れて2層のペーパーが完成する(図4(b))。この操作を繰り返すことで、片手でペーパーを何層にも折りたたむことが出来る。最後に、ペーパーをカッター柱(3)のカット部位(9)に押し付けることでカットすることができる。カット部位(9)に押し付ける際に、カッター柱には滑り止めが取り付けられているので、ペーパーとカッター柱の間に摩擦が生じやすくなり、もう片方の手を用いず容易にカットすることができる。よって、このようなシンプルな操作により、ペーパーを片手で何層にもすることができ、カットすることも可能になる。
【符号の説明】
【0020】
1.トイレットペーパーの差し込み部位
2.折り返し柱
3.ペーパーカッター柱
4.可倒式アーム
5.軸受け板
6.台座
7.ストッパー
8.すべり止め
9.カット部位
10.おもり
11.回転軸
12.アーム本体
【要約】
【課題】 両手を使うことが困難である人たちにとって、従来のトイレットペーパーホルダーはバリアフリーが行き届いていなかった。
【解決手段】 トイレットペーパーの差し込み部位と、カッター柱と、折り返し柱と、可倒式アームとをそれぞれ台座に有し、可倒式アームはアーム本体が折り返し柱の方向に倒れることが可能なように取り付けられて、差し込み部位から引き出したトイレットペーパーを折り返し柱で折り返してから可倒式アームに巻きつけた後、巻きつけたトイレットペーパーを折り返し柱の方向に引くことで倒れたアーム本体からトイレットペーパーを抜き出す操作を繰り返して、可倒式アームと折り返し柱との距離に応じた長さで何重かに折りたたんだトイレットペーパーを、カッター柱でカットすることで、所望のとおりに折りたたんだトイレットペーパーを片手のみの操作で取り出すことができる、トイレットペーパーホルダーを提供する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4