(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】製造システムの複数の操作領域を同期させる方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20220208BHJP
【FI】
H04L67/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016202297
(22)【出願日】2016-10-14
【審査請求日】2019-08-29
(31)【優先権主張番号】10 2015 117 479.0
(32)【優先日】2015-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513267899
【氏名又は名称】キャノン プロダクション プリンティング ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Canon Production Printing Germany GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Siemensallee 2, D-85586 Poing, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ハース
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト カイヒャー
(72)【発明者】
【氏名】ノアベアト リンケル
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-033544(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0149535(US,A1)
【文献】特開2015-133040(JP,A)
【文献】特開2004-280227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造システムの複数の操作領域を同期させる方法であって、
前記製造システムは制御装置(2)を有しており、前記制御装置(2)はホストコンピュータ(10)を含んでおり、前記ホストコンピュータ(10)は、データ接続によって、1つまたは複数のクライアントコンピュータ(14,15,17)に接続されており、前記クライアントコンピュータ上で、それぞれ、ブラウザ(23a,23b)が実行され、
操作領域モジュールライブラリ(20)が前記ホストコンピュータ(10)にインストールされており、前記ホストコンピュータ(10)で実行され、前記操作領域モジュールライブラリ(20)によって、前記製造システムに対して操作領域が作成され、提供され、前記操作領域が、マークアップ言語ファイルとして、前記ホストコンピュータ(10)から各ブラウザ(23a,23b)に伝達され、前記ブラウザ(23a,23b)において、前記操作領域を表示するために実行され、
前記マークアップ言語ファイルは、前記ホストコンピュータ(10)にインストールされ、かつ、前記ホストコンピュータ(10)で実行されるウェブ・ユーザーインタフェース(21)によって、前記ホストコンピュータ(10)から、前記クライアントコンピュータ(14,15,17)のうちの1つに伝達され、
前記操作領域のうちのある操作領域が変更されるべき場合、前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、前記操作領域の変更を記述する変更情報を前記操作領域に伝達し、
前記ホストコンピュータ(10)に参照テーブルが準備され、前記参照テーブルによって、同期されるべき各操作領域が関連づけされ、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、前記変更情報の伝達時に、前記参照テーブルに基づいて、さらなる操作領域が、前記操作領域と同期されるべきか否かを検査し、同期されるべき場合には、前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は前記各変更情報を、前記さらなる操作領域にも伝達し、
前記ホストコンピュータ(10)に、各アクティブなブラウザ(23a,23b)に対して、ブラウザバッファが準備され、前記ブラウザバッファ内に既に格納されているマークアップ言語ファイルが、変更されたマークアップ言語ファイルによって上書きされ、
前記ブラウザバッファ内に格納されているマークアップ言語ファイルは、前記ブラウザバッファに割り当てられている各前記ブラウザ(23a,23b)に、セグメント化されて伝達され、
前記複数のブラウザ(23a,23b)のうちのあるブラウザへの、連続するファイルセグメントの伝達の間に中断が挟まれ、前記中断において、必要な場合に、前記複数のブラウザ(23a,23b)のうちの1つまたは複数の別のブラウザへ、マークアップ言語ファイルのファイルセグメントが伝達さ
れ、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、操作領域での変更時に、相互に同期されるべき操作領域のID、それらのユーザー、それらのセッションおよび/またはそれらのウィンドウを抽出し、前記IDに基づいて、前記操作領域のユーザーを識別し、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、前記各ユーザーに割り当てられている権限を求め、前記ユーザーに割り当てられている権限に基づいて、前記操作領域が同期されてよいか否かを検査し、同期されてよい場合にのみ、前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、変更情報を、前記同期される操作領域に伝達することによって、前記製造システムに、拡張されたユーザー権限を用いてのみ表示可能である、または、拡張されたユーザー権限を有しているユーザーによってのみ表示される操作領域を設け、当該拡張されたユーザー権限を用いてのみ表示可能である、または、拡張されたユーザー権限を有しているユーザーによってのみ表示される操作領域の表示時には、前記ユーザー権限が制限されたユーザーの操作領域の同期が阻止されるように構成されている、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記操作領域を表示する前記ブラウザ(23a,23b)は、クライアントコンピュータ(14,15,17)で、前記クライアントコンピュータ(14,15,17)と、前記ホストコンピュータ(10)と、の確立されている接続であるセッションにおいて実行され、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、前記各操作領域を識別するために、セッションIDを使用し、
前記セッションIDは、各セッションに対する一義的な識別子であり、前記参照テーブルに格納されている、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
複数のウィンドウをオープン可能なブラウザ(23a,23b)が使用され、前記ウィンドウに操作領域が表示可能であり、
ウィンドウIDが設けられており、前記ウィンドウIDは、各ブラウザウィンドウに対する識別子であり、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、ブラウザウィンドウに表示されている前記各操作領域を識別するために、前記ウィンドウIDを使用する、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記参照テーブルにおける、同期されるべき各操作領域間の関連づけは、階層的な関係として構成されており、
前記複数の操作領域のうちの1つの特定の操作領域が、同期させる操作領域として定められており、1つまたは複数の他の操作領域が、前記同期させる操作領域に同期される操作領域として定められており、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、前記同期させる操作領域の変更時に、1つまたは複数の前記同期される操作領域のみを変更する、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記変更情報は、マークアップ言語ファイルへのリファレンスを含んでいる、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記ホストコンピュータ(10)は、ある操作領域によってアクション要求を用いて要求される所定のアクションを実行することができ、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、所定のアクション要求が伝達されると、各アクション要求に応じて、アクション要求をしている前記操作領域に変更情報を伝達する、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、所定の規則に従って、1つまたは複数のセッションチケットを操作領域に与えることができ、
前記各セッションチケットは、前記操作領域に、制御アクションの要求を用いて前記製造システムの一部または全体の制御パラメータを変更する権限を与え、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、制御アクションの要求を受け取ると、要求している操作領域が、前記制御アクションの実行の権限を与える前記セッションチケットを所有しているか否かを検査し、前記セッションチケットが存在している場合にのみ、前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、前記制御アクションを実行する、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、前記操作領域の同期のための設定を行うことができ、前記設定は、前記操作領域によって、同期設定アクションの要求を用いて要求可能であり、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、各前記同期される操作領域について、要求された同期設定アクションのみを実行する、
請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
各操作領域は1つまたは複数の表示オブジェクトを有しており、
前記表示オブジェクトは、それぞれ、前記操作領域の自己完結している要素であり、前記操作領域を表示するために用いられ、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、操作領域またはその表示オブジェクトでの変更時に、相互に同期されるべき操作領域のID、それらのユーザー、それらのセッションおよび/またはそれらのウィンドウを抽出し、前記IDに基づいて、前記操作領域のユーザーを識別し、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、前記各ユーザーに割り当てられている権限を求め、前記ユーザー権限に基づいて、前記操作領域の各表示オブジェクトに対して、前記各表示オブジェクトが前記操作領域間で同期されてよいか否かを検査し、
同期されてよい場合にのみ、前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、前記各表示オブジェクトに関する変更情報を、前記同期される操作領域に伝達する、
請求項1から
8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
各操作領域は、1つまたは複数の表示オブジェクトを有しており、前記表示オブジェクトは、それぞれ、前記操作領域の自己完結している要素であり、前記操作領域を表示するために用いられ、
表示オブジェクトでの変更時に、前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、前記表示オブジェクトの変更を記述する変更情報を、同期される操作領域に伝達する、
請求項1から
9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
各操作領域は、1つまたは複数の表示オブジェクトを有しており、前記表示オブジェクトは、それぞれ、前記操作領域の自己完結している要素であり、前記操作領域を表示するために用いられ、
ある表示オブジェクトの変更時に、前記表示オブジェクトは、別の表示オブジェクトとは無関係に更新される、
請求項1から
10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
各操作領域は、1つまたは複数の表示オブジェクトを有しており、前記表示オブジェクトは、それぞれ、前記操作領域の自己完結している要素であり、前記操作領域を表示するために用いられ、
ある表示オブジェクトの変更時に、前記表示オブジェクトは、前記操作領域または前記操作領域の1つの表示オブジェクトの最後の同期から所定の待機時間が経過した後にのみ同期される、
請求項1から
11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記待機時間は、0.1秒~10秒である、
請求項
12記載の方法。
【請求項14】
前記参照テーブル内に、各操作領域に対して、前記操作領域を表示している前記ブラウザ(23a,23b)または前記操作領域を表示している、前記ブラウザ(23a,23b)のウィンドウが、前記操作領域を、前景に表示しているか否か、および/または、ブラウザ(23a,23b)またはブラウザ(23a,23b)のウィンドウがアクティブであることを印すフォーカスが、前記ブラウザ(23a,23b)または前記ブラウザ(23a,23b)のウィンドウ上にあるか否かが格納され、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、操作領域での変更時に、前景に表示される、および/または、前記フォーカスを有している、および/または、前記フォーカスを得る操作領域にのみ、前記変更情報を伝達する、
請求項1から
13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)と前記操作領域を表示する前記各ブラウザ(23a,23b)とは、複数のウェブソケット(24,25)を用いて通信し、
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)に、前記ウェブソケットうちの一方(24)が結合され、前記ブラウザ(23a,23b)に、前記ウェブソケットうちの他方(25)が結合されていることによって、前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)と前記各ブラウザ(23a,23b)との間に恒久的なデータ接続が形成されている、
請求項1から
14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記ウェブ・ユーザーインタフェース(21)による前記変更情報の伝達は、前記ブラウザ(23a,23b)へのプッシュイベントの送信として形成されており、
前記プッシュイベントの受信によって、前記ブラウザ(23a,23b)は、前記操作領域を表示するために、前記ホストコンピュータ(10)に、マークアップ言語ファイルの提供を要求し、前記マークアップ言語ファイルを受信し、実行する、
請求項1から
15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
製造システムのための制御装置であって、
前記制御装置(2)は、ホストコンピュータ(10)を含んでおり、
前記ホストコンピュータ(10)は、データ接続によって、1つまたは複数のクライアントコンピュータ(14,15,17)に接続されており、前記クライアントコンピュータ(14,15,17)では、ブラウザ(23)がインストールされており、実行可能であり、
操作領域モジュールライブラリ(20)が前記ホストコンピュータ(10)にインストールされており、前記ホストコンピュータ(10)で実行可能であり、前記操作領域モジュールライブラリ(20)によって、前記製造システムに対する操作領域が作成および提供され、
前記操作領域は、マークアップ言語ファイルとして、前記ホストコンピュータ(10)から各ブラウザ(23)へ伝達され、前記ブラウザ(23)において、前記操作領域を表示するために実行され、
前記制御装置は、請求項1から
16までのいずれか1項記載の方法を実行するように構成されている、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項18】
請求項
17記載の制御装置と、前記制御装置に接続されている製造機器と、
を有している、
ことを特徴とする製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造システム、特に印刷システムの複数の操作領域を同期させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
独国実用新案第29720991号明細書(DE 297 20 991 U1)には、印刷機器、特に枚葉オフセット印刷機用の計算機が記載されている。ここでは、印刷機器は複数の計算機を有しており、これらの計算機は、バスを介して相互に接続されている。計算機の少なくとも1つは、表示および入力装置を有している。この1つの計算機は携帯可能な計算機であり、無線インタフェースを用いて印刷機器と接続されており、印刷機器の駆動制御に用いられる。
【0003】
独国特許発明第3614744号明細書(DE 36 14 744 C2)には、印刷機器を制御する別の装置が記載されている。ここで、電子制御ユニットは携帯可能に構成されている。信号は、携帯可能な電子制御ユニットと、印刷機器の固定された受信機との間で、暗号化されて伝達される。
【0004】
米国特許出願公開第2011/0046754号明細書(US 2011/0046754 A1)は、ヒューマン・マシンインタフェースの作成およびこれを少なくとも1つの端末装置に表示するための方法および装置を開示している。これは、ウェブベースのプラットフォームを使用して実行される。これは特に、ウェブサーバー、および、ウェブブラウザ、並びに、ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコルを使用することによって行われる。ヒューマン・マシンインタフェースを作成するサーバーは、複数の端末装置と接続可能であり、作成されたヒューマン・マシンインタフェースを、ヒューマン・マシンインタフェースを表示する複数の端末装置に伝送する。ここで、データ伝送は、サーバーと端末装置との間の継続的なデータストリームとして、または、サーバーまたは端末装置の1つによって開始された非同期のデータ伝送として行われる。
【0005】
商品名「TeamViewer」のもとで、一方のコンピュータのモニター表示を他方のコンピュータに伝送することができるソフトウェアが販売されている。従って、この他方のコンピュータで、この一方のコンピュータでの全ての変更を観察することができる。モニター表示のこのような手法の伝送若しくは反映を、複数のコンピュータで行うことも可能である。このようなソフトウェアによって、一方のコンピュータから、他のコンピュータへ、入力を伝送することも可能である。このようなソフトウェアによって、一方のコンピュータに関する完全なコントロールを他方のコンピュータにゆだねることができる。このような共通のセッションに関与している各コンピュータには、他のコンピュータへの接続を閉ループ制御する相応のプログラムがインストールされるべきである。このようなソフトウェアは、メンテナンス作業およびトレーニングを実行するのに極めて有効であることが実証されている。しかしこのソフトウェアは、制御システム内のデータを相互に交換するのには適していない。なぜなら、これによって、制御システムに関する完全なコントロールが任意の第3のコンピュータにゆだねられてしまう恐れがあるからである。これは通常、安全上の理由から、許容されない。さらに、特定のプログラム部分が各コンピュータにインストールされなければならない。これは、制御システムにおいて、通常、望まれていないものである。従ってこのようなプログラムは、製造システムの個々の機器を制御する製造システムに適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、操作領域グループを同期させることができる、多数の操作領域とともに使用可能な方法および製造システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題は、独立請求項の構成要件によって解決される。本発明の有利な構成は、各従属請求項に記載されている。
【0008】
製造システム、特に印刷システムの複数の操作領域を同期させる、本発明の方法では、製造システムは、ホストコンピュータを含んでいる制御装置を有している。このホストコンピュータは、データ接続によって、1つまたは複数のクライアントコンピュータと接続されている。これらのクライアントコンピュータでは、それぞれ1つのブラウザが実行される。ホストコンピュータには、操作領域モジュールライブラリがインストールされており、当該ホストコンピュータで実行される。この操作領域モジュールライブラリによって、製造システムに対する操作領域が作成および提供される。この操作領域は、マークアップ言語ファイルとして、ホストコンピュータから各ブラウザへ伝達され、ブラウザにおいて、操作領域を表示するために実行される。マークアップ言語ファイルは、ホストコンピュータにインストールされ、かつ、ホストコンピュータで実行されるウェブ・ユーザーインタフェースを用いて、ホストコンピュータから、クライアントコンピュータの1つへと伝達される。操作領域の1つが変化すると、ウェブ・ユーザーインタフェースは、操作領域のこの変更を記述する変更情報を、この操作領域に伝送する。ホストコンピュータには、参照テーブルが準備されている。この参照テーブルによって、同期されるべき各操作領域が関連づけされる。ウェブ・ユーザーインタフェースは、変更情報の伝達時に、この参照テーブルを用いて、さらなる操作領域がこの操作領域と同期されるべきか否かを検査する。そうである場合には、ウェブ・ユーザーインタフェースは、各変更情報を、このさらなる操作領域にも伝達する。
【0009】
この方法によって、製造システムの、ブラウザに表示される複数の操作領域が相互に同期される。
【0010】
操作領域は、コンピュータの表示装置上に表示される、製造システムを操作するためのユーザーインタフェースである。各操作領域は、1つまたは複数の表示オブジェクトを有している。各表示オブジェクトは、操作領域の自己完結した要素であり、操作領域の表示に用いられる。
【0011】
同期とは、ある操作領域で行われた変更が、別の、この操作領域と同期される操作領域にも表示されることを意味する。同期によって、異なる操作領域の、相互に同期される表示オブジェクトは、同じ情報を表示する。
【0012】
ウェブ・ユーザーインタフェースは、ある操作領域が変化すべきであるか否かを、例えば、この相応する操作領域によるアクション要求を検出することによって確認することができる。以降でこれを説明する。
【0013】
変更情報は、受信側操作領域への、操作領域の表示の変更要求を表している。このような変更情報は、操作領域での変更の実行に必要なさらなるパラメータを含み得る。
【0014】
製造システムはしばしば、特に、複数の階を有する建物をも超える大きい寸法を有する。製造システムの制御および設定若しくはパラメータ化は時に、複数の異なる操作者によって同時にマルチプルに実行される複雑な過程である。さらに、設定されたパラメータを検査するために、しばしば、製造システムの見回りが必要となる。なぜなら、定められた箇所においてのみ、製造中の特定の中間ステップを把握および評価することができるからである。設定を行う複数のユーザー、中間製品の検査をするための、製造システムでの種々の箇所、および、この際にしばしば走行されなければならない長い距離によって、種々の検査箇所での多数の操作領域およびこのための様々な操作者が必要になる。これによって、設定プロセスおよび検査プロセスを効率的、かつ、迅速に実行することが可能になる。従って、複数の操作領域を使用することによって、製造システムの操作および設定がより効率的になり、かつ格段に容易になる。
【0015】
種々の検査箇所でのユーザーの複数の操作領域の自動的な同期は、さらに、効率を上げる。なぜなら、各操作領域の情報内容が最新の表示状態に相応し、位置交換時に、作業過程が迅速に継続されるからである。
【0016】
さらに、種々のユーザーの複数の操作領域を自動的に同期させる場合には、製造システムの操作および設定は、より効率的になる。なぜなら、あるユーザーに、他のユーザーの設定過程についての情報が包括的に伝えられ、それに合わせて、ユーザーが自身の操作プロセス、若しくは、製造システムのパラメータ設定を行うことができるからである。
【0017】
操作領域の管理若しくは作成は、ホストコンピュータでまとめて行われるので、有効なユーザー安全性、生産安全性およびシステム安全性が提供され得る。
【0018】
ブラウザ若しくはブラウザ技術を使用することによって、使用されているハードウェアプラットフォームおよび/またはソフトウェアプラットフォームに関係しない操作領域を実現することができる。
【0019】
ブラウザ技術の使用のさらなる利点は、操作領域の効率的なプログラミング若しくは設定である。なぜなら既に、表示オブジェクト、ソフトウェアインタフェース、プログラム機能等は、使用のために、事前に規定されている、若しくは、容易に統合可能だからである。付加的に、種々の操作領域を、動作時間中に、製造システムの状況、製造パラメータ、各ユーザー権限、同期関係等に依存して作成することができるので、操作領域の提供は効率的に行われ、その情報内容を柔軟に構成することができる。
【0020】
操作領域表示のためにブラウザを用いることのさらなる利点は、事前に規定されたプログラムインタフェースが使用可能である、ということである。これによってブラウザは、リアルタイムで、双方向のデータ交換を行うことができる。
【0021】
製造システムの種々の箇所で複数の操作領域を表示するためにブラウザ技術を使用することによって、上述した利点が相互に組み合わせられる。
【0022】
有利には、操作領域を表示するブラウザは、相応するクライアントコンピュータで、相応するクライアントコンピュータとホストコンピュータとの確立されている接続であるセッションにおいて実行される。ウェブ・ユーザーインタフェースは、各操作領域の識別のために、セッションIDを使用する。これは、各セッションに対する一義的な識別子であり、参照テーブル内に格納されている。
【0023】
これによって、ブラウザが1つの操作領域のみを表示している場合には、表示されている操作領域と表示しているブラウザとの間の一義的な関係付けが、各セッションIDの使用を介して行われる。
【0024】
有利には、操作領域が表示可能な複数のウィンドウをオープン可能なブラウザが使用される。このような場合には、各ブラウザウィンドウに対する識別子であるウィンドウIDが設けられている。ウェブ・ユーザーインタフェースは、ブラウザウィンドウ内に表示される各操作領域を識別するために、このウィンドウIDを使用する。
【0025】
これによって、表示される操作領域と、ブラウザの種々のウィンドウ(タブ)との間に、一義的な対応関係が得られる。この場合には、セッションIDとウィンドウIDとの組み合わせを使用することによって、製造システムにおいて、ブラウザのウィンドウ内に表示された操作領域の一義的な参照が可能になる。ブラウザの種々のウィンドウ若しくはタブを、タブブラウザの様式の見出しを介して指定することができる。1つのブラウザにおいて、複数の操作領域を表示することによって、製造システムでの設定をより効率的に行うことができる。なぜなら、異なる内容および設定パラメータを有する操作領域を表示する種々のウィンドウ間の迅速な切り換えが可能になるからである。
【0026】
有利には、参照テーブルにおける、同期されるべき各操作領域間の関連づけは、階層的な関係として形成可能である。この場合には、1つの特定の操作領域が、同期させる操作領域(同期元操作領域)として設定され、1つまたは複数の他の操作領域が、この操作領域と同期される操作領域(同期先操作領域)として設定される。ウェブ・ユーザーインタフェースは、同期させる操作領域の変更時に、1つまたは複数の、同期される操作領域だけを変える。
【0027】
相互に同期されるべき操作領域を、同期させる操作領域と、同期される操作領域として設定することによって、同期されるべき操作領域が相互に同期されるべき方向が一義的に特定される。この際に、製造システムでは、1つまたは複数の、同期させる操作領域が設定され、これらはそれぞれ、1つまたは複数の、同期される操作領域を同期させる。同期されるべき操作領域間にこのような階層的な関係を設けることによって、操作領域の同期の種々の使用ケースをカバーすることができる。これらを以降で説明する。
【0028】
変更情報は、マークアップ言語ファイルへのリファレンスを含み得る。
【0029】
マークアップ言語ファイルへのこのようなリファレンスによって、操作領域は、相応するマークアップ言語ファイルを要求する、若しくは、読むことができる。このリファレンスは、ネットワークアドレス、ブラウザコネクションのID、メモリアドレス、機器アドレス、ファイルID、物理的または論理的なコネクションのID、または、これらの組み合わせのIDとして構成可能である。
【0030】
有利には、ホストコンピュータは、1つの操作領域から、アクション要求を用いて要求され得る所定のアクションを実行することができる。ウェブ・ユーザーインタフェースは、所定のアクション要求が伝達されると、各アクション要求に応じて、アクションを要求している操作領域に変更情報を伝達する。
【0031】
アクション要求によって、操作領域は、種々の複数のアクションのうちの1つをホストコンピュータに要求することができる。要求されたアクションは、ここで、製造システムの制御パラメータを変更する制御アクションと、操作領域内に表示される表示オブジェクトを変化させるメニューアクションと、操作領域間の同期特性を変更する同期設定アクションとを含む。
【0032】
有利には、ウェブ・ユーザーインタフェースは、所定の規則に従って、1つまたは複数のセッションチケットを操作領域に与えることができる。ここで、各セッションチケットは、製造システムの一部または全体に対する制御アクションの要求によって、制御パラメータを変更する権限を操作領域に与える。ウェブ・ユーザーインタフェースは、制御アクションの要求を受け取ると、要求している操作領域が、制御アクションの実行の権限を与えるセッションチケットを所有しているか否かを検査する。セッションチケットが存在している場合にのみ、ウェブ・ユーザーインタフェースは制御アクションを実行する。
【0033】
ここで、製造システムの一部は、1つまたは複数の機器、装置、設備、コンポーネントおよび/またはパラメータを含んでいる。
【0034】
製造システムの一部または全体の制御パラメータを変更する権限を操作領域に与えるセッションチケットを使用することによって、一義的に割り当てられている各操作領域のみで個々の制御パラメータが変更可能であることが保証される。これによって、種々の操作領域の制御パラメータの設定が阻止される。これは、製造システムの安全性若しくは安全な設定に役立つ。製造システムの種々の領域若しくは部分に対して種々のセッションチケットが与えられることによって、製造システムのこのような種々の領域若しくは種々の部分は、相互に無関係に、種々の操作領域で設定される。特にこれによって、種々のユーザーに、種々の製造パラメータを設定するための、相互に区分けされた権限を与えることが可能になる。
【0035】
ウェブ・ユーザーインタフェースは、操作領域から、同期設定アクション要求を用いて要求される、操作領域同期のための設定を行うことができる。ウェブ・ユーザーインタフェースは、同期される各操作領域について、要求された同期設定アクションのみを実行する。
【0036】
これによって、同期されるある操作領域で、この操作領域の同期に関する設定アクションだけが実行され、同期されるある操作領域で、要求された全ての他のアクションが阻止されることが保証される。同期設定アクションを要求することが可能であることによって、同期される操作領域が、同期されない状態にされる。従って、この操作領域の同期関係が破棄される。
【0037】
有利には、ウェブ・ユーザーインタフェースは、操作領域の変更時に、相互に同期されるべき操作領域のID、それらのユーザー、それらのセッションおよび/またはそれらのウィンドウを抽出する。このIDに基づいて、ウェブ・ユーザーインタフェースは、操作領域のユーザーを識別し、各ユーザーに割り当てられている権限を求める。このようなユーザー権限に基づいて、ウェブ・ユーザーインタフェースは、この操作領域が同期されてよいか否かを検査する。同期されてよい場合にのみ、ウェブ・ユーザーインタフェース(21)は、変更情報を、同期される操作領域に伝達する。
【0038】
これによって、製造システムで事前に定められたユーザー権限が、操作領域の同期時に考慮される。製造システムに、拡張されたユーザー権限を用いてのみ表示可能である、若しくは、拡張されたユーザー権限を有しているユーザーによってのみ表示される操作領域を設けることができる。従って、ユーザー権限が制限された他のユーザーの他の操作領域と同期されている、このような操作領域の表示時には、ユーザー権限が制限されているユーザーの操作領域の同期は阻止される。表示のために拡張されたユーザー権限が必要である操作領域はしばしば、製造システムのパラメータに対して広範な設定能力を含んでいる。従って、ユーザー権限が制限されているユーザーに対して、このような操作領域の表示をブロックすることによって、このようなユーザーが、権限を有していない、製造システムのパラメータの設定を閲覧する、若しくは、設定を行うことが阻止される。
【0039】
同期の阻止は、次のことを意味する。すなわち、ユーザーが権限を有していない操作領域の部分が表示されない、または、相応するデータ、すなわち、各表示オブジェクトと結び付けられているデータが表示されないことを意味する。適切な権限が存在する操作領域の残りの部分は、表示される。
【0040】
同期の阻止の間、ユーザー権限が制限されているユーザーには、同期の阻止若しくは不履行を伝えるメッセージが表示される。このメッセージは、例えば、文字「非同期」であってよい。
【0041】
同期の阻止の間、同期させる操作領域が変更されて、同期される操作領域のユーザーのユーザー権限が、再び、操作領域を表示するに足りるようになると、同期の阻止が解除され、これらの操作領域が再び同期されるようになる。
【0042】
同期の阻止が、全操作領域の代わりに、操作領域の個々の表示オブジェクトまたは表示オブジェクトの一部にのみ、および/または、ユーザー権限が制限されているユーザーのユーザー権限が表示するに足りていない、相応する表示オブジェクトと関連を有しているデータにのみ関係していてもよい。
【0043】
有利には、ウェブ・ユーザーインタフェースは、操作領域またはその表示オブジェクトの変更時に、相互に同期されるべき操作領域のID、それらのユーザー、それらのセッションおよび/またはそれらのウィンドウを抽出する。このようなIDに基づいて、ウェブ・ユーザーインタフェースは、操作領域のユーザーを識別し、各ユーザーに割り当てられている権限を求める。このようなユーザー権限に基づいて、ウェブ・ユーザーインタフェースは、操作領域の各表示オブジェクトに対して、操作領域間で各表示オブジェクトが同期されてよいか否か検査する。同期されてよい場合にのみ、ウェブ・ユーザーインタフェースは、各表示オブジェクトに関する変更情報を、同期されるこの操作領域に伝達する。
【0044】
これによって、表示のために拡張されたユーザー権限を必要とする表示オブジェクトの同期が、ユーザー権限が制限されているユーザーの操作領域において、阻止される。また、同期される操作領域のユーザーが有するユーザー権限のみを必要とする操作領域の表示オブジェクトは同期される。従って、ユーザー権限が十分でない場合には、上述のように、全操作領域の同期が阻止されるのではなく、表示オブジェクトのレベルで、阻止が行われる。これは、同期される操作領域のユーザーのユーザー権限が十分でない場合には、少なくとも、ユーザー権限が表示に足りている表示オブジェクトが同期および表示される、ということを意味する。
【0045】
有利には、ウェブ・ユーザーインタフェースは、表示オブジェクトの変更時に、同期される操作領域に、変更情報を伝達する。変更情報は、このような表示オブジェクトの変更を記述する。
【0046】
これによって、同期させる操作領域の表示オブジェクトで発生した変更のみを記述する変更情報が、同期される操作領域に伝送される。これによって、伝達されるデータが低減される。
【0047】
有利には、ある表示オブジェクトの変更時に、この表示オブジェクトは、別の表示オブジェクトとは無関係に更新される。
【0048】
これによって、個々の表示オブジェクトが、変更時に更新される。これは、操作領域の表示のための、マークアップ言語ファイルの実行若しくは解釈に必要な計算時間を低減させる。
【0049】
有利には、ある表示オブジェクトの変更時に、操作領域または操作領域の1つの表示オブジェクトの最後の同期から所定の待機時間が経過した後にのみ、これが同期される。
【0050】
同期プロセス間に所定の待機時間を維持することによって、各操作領域に伝達されるデータがより少なくなる。これは、伝達されるデータ量を低減する。
【0051】
この待機時間は、0.1秒~10秒であり得る。
【0052】
有利には、ホストコンピュータで、各アクティブなブラウザに対して、ブラウザバッファが準備され、ブラウザバッファ内に既に格納されているマークアップ言語ファイルが、変更された、マークアップ言語ファイルによって上書きされる。
【0053】
これによって、次のことが保証される。すなわち、各ブラウザバッファ内に、最新のマークアップ言語ファイルのみが、割り当てられたアクティブなブラウザへの伝送のために格納されていることが保証される。これは特に、上述したように、操作領域、または、操作領域の1つの表示オブジェクトの最後の同期からの所定の待機時間が設定されている場合に、特に、合理的である。
【0054】
アクティブなブラウザとは、操作領域を表示しているブラウザ、機能可能若しくは応答可能なブラウザであり、実行される。すなわちこれは、停止されていない。
【0055】
有利には、ブラウザバッファ内に格納されているマークアップ言語ファイルは、このブラウザバッファに割り当てられている各ブラウザに、セグメント化されて伝達される。このような場合には、ブラウザのうちのあるブラウザへの連続するファイルセグメントの伝達の間に、中断が挟まれ、この中断の間に、必要な場合には、1つまたは複数の他のブラウザに、マークアップ言語ファイルのファイルセグメントが伝達される。
【0056】
間に中断を有するセグメント毎の伝達によって、多数の操作領域を有する製造システムにおいても、操作領域をリアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで更新することができる。
【0057】
有利には、参照テーブル内に、各操作領域に対して、次のことが格納される。すなわち、この操作領域を表示しているブラウザ、または、この操作領域を表示している、ブラウザのウィンドウが、この操作領域を前景に表示しているか否か、および/または、ブラウザまたはブラウザのウィンドウがアクティブであることを印すフォーカス(Focus)が、このブラウザまたはこのブラウザのウィンドウ上にあるか否かが、格納される。ウェブ・ユーザーインタフェースは、操作領域の変更時に、前景に表示される、および/または、フォーカスを有している、および/または、フォーカスを得る操作領域にのみ、変更情報を伝達する。
【0058】
さらには前景に表示される、および/または、フォーカスを有している、および/または、フォーカスを得る操作領域にのみ変更情報を伝達することによって、このような操作領域だけが同期される。これによって、伝送されるべきデータが低減される。
【0059】
有利には、ウェブ・ユーザーインタフェースと操作領域を表示している各ブラウザとは、複数のウェブソケットを用いて通信する。この場合には、ウェブ・ユーザーインタフェースにウェブソケットのうちの一方のウェブソケットが結合され、ブラウザに、ウェブソケットのうちの他方のウェブソケットが結合されている。従って、ウェブ・ユーザーインタフェースと各ブラウザとの間に恒久的なデータ接続が形成されている。
【0060】
ウェブソケットは、効率的なデータ伝送を提供する。なぜなら、これらの間に、論理的なデータ接続が恒久的に保持され、これによって、データ伝送に対して、論理的なデータ接続の形成が不必要になるからである。
【0061】
ウェブ・ユーザーインタフェースによる変更情報の伝達が、相応するブラウザへのプッシュイベントの送信として形成されているのは有利である。プッシュイベントの受信によって、相応するブラウザは、操作領域を表示するために、ホストコンピュータに、マークアップ言語ファイルの提供を要求し、これを受信し、実行する。
【0062】
本発明の別の態様では、製造システム、特に印刷システム用の制御装置は、データ接続によって、1つまたは複数のクライアントコンピュータと接続されているホストコンピュータを含んでいる。クライアントコンピュータにブラウザがインストールされており、ここで実行される。ホストコンピュータには、操作領域モジュールライブラリがインストールされており、ここで実行される。操作領域モジュールライブラリによって、製造システムのための操作領域が作成され、提供される。この操作領域は、マークアップ言語ファイルとして、ホストコンピュータから、各ブラウザに伝達され、ブラウザにおいて、操作領域の表示のために実行される。ここで制御装置は、上述したように、この方法を実行するように構成されている。
【0063】
本発明の別の態様では、製造システムに、上述した制御装置と、この制御装置と接続されている製造機器、特に印刷機器とが設けられている。
【0064】
製造システムは有利には、液体トナー印刷機器である。
【0065】
液体トナー印刷機器は、印刷されるべき記録担体上にトナー粒子が、現像液によって被着される印刷機器である。このために、電荷画像担体の静電潜像が現像液によって、電気泳動によって、インク付けされる。このようにして生じたトナー像は、間接的に転送部材を介して、または、直接的に記録担体に伝送される。現像液は、所望の割合でトナー粒子とキャリア液とを有している。キャリア液としては、有利には鉱油が使用される。トナー粒子に静電荷を付けるために、現像液に電荷制御剤が添加される。付加的に、さらなる添加剤が、例えば、現像液の所望の粘性または所望の乾燥特性を得るために加えられる。
【0066】
このようなデジタルプリンタは、例えば、独国特許出願公開第102010015985号明細書(DE 10 2010 015 985 A1)、独国特許出願公開第102008048256号明細書(DE 10 2008 048 256 A1)、独国特許出願公開第102009060334号明細書(DE 10 2009 060 334 A1)若しくは独国特許出願公開第102012111791号明細書(DE 10 2012 111 791 A1)から公知である。
【0067】
本発明を以下で、例示的に、図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】デジタルプリンタの例示的なコンフィギュレーションを有するデジタルプリンタの図
【
図2】印刷機器、制御装置、および、制御装置と接続されている機器の概略的なブロック回路図
【
図3】制御装置のホストコンピュータと、このホストコンピュータと接続されているクライアントコンピュータの概略的なブロック回路図
【
図4】制御装置若しくはクライアントコンピュータのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの概略図
【
図5】制御装置若しくはクライアントコンピュータのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの概略図
【
図6】制御装置若しくはクライアントコンピュータのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの概略図
【
図7】制御装置若しくはクライアントコンピュータのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの概略図
【
図8】制御装置若しくはクライアントコンピュータのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの概略図
【
図9】制御装置若しくはクライアントコンピュータのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの概略図
【
図10】制御装置若しくはクライアントコンピュータのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの概略図
【
図11】制御装置若しくはクライアントコンピュータのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの概略図
【
図12】制御装置若しくはクライアントコンピュータのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの概略図
【
図13】制御装置若しくはクライアントコンピュータのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの概略図
【
図14】制御装置若しくはクライアントコンピュータのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの概略図
【
図16】製造システムの操作領域の同期化のための方法のフローチャート
【
図17】製造システムの操作領域の同期化のための、拡張された方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0069】
デジタル印刷システムの実施例は、印刷機器1を含んでいる(
図1および
図2)。
【0070】
図1では、印刷機器1である、記録担体120の印刷を行うデジタルプリンタは、トナー像(印刷像)を記録担体120上に印刷する1つまたは複数の印刷機構111a-111dおよび112a-112dを有している。記録担体120として、図示のように、ウェブ状の記録担体120がロール121から繰出し器7aを用いて繰出され、第1の印刷機構111aに供給される。定着ユニット130において、印刷像が記録担体120上に定着される。続いて、記録担体120は巻取り器7bによってロール128に巻取られる。こうしたコンフィギュレーションはロール・ツー・ロールプリンタとも称される。
【0071】
図1に示されている有利なコンフィギュレーションでは、ウェブ状の記録担体120は、4つの印刷機構111a-111dによって表面がフルカラー印刷され、4つの印刷機構112a-112dによって裏面がフルカラー印刷される(いわゆる4/4コンフィギュレーションである)。このために、記録担体120は、ロール121から繰出し器7aによって繰出され、オプションである調節機構123を介して第1の印刷機構111aに供給される。調節機構123では、記録担体120が適切な材料で前処理される、または、コーティングされる。コーティング剤(プライマーとも称される)としては、有利には、ワックスまたは化学的に等価の材料が使用される。
【0072】
このような材料は、記録担体120の全面、または、後に印刷されるべき箇所にのみ被着され、これによって、記録担体120は、印刷のために準備される、および/または、印刷像の被着時の記録担体120の吸収特性が制御される。これによって、後に被着されるトナー粒子または液体トナーが過度に記録担体120内に染み込むことが阻止され、実質的に表面に残る(インクの質および画像の質がこれによって改善される)。
【0073】
続いて記録担体120は、まず、表面のみを印刷する第1の印刷機構111a-111dに順番に供給される。各印刷機構111a-111dは、記録担体120を、通常、異なる色でまたは異なるトナー材料によって印刷する。これは例えば、電磁的に読み出し可能なMICRトナーである。
【0074】
表面の印刷後、記録担体120は反転ユニット124で反転され、裏面印刷のために残りの印刷機構112a-112dに供給される。選択的に、反転ユニット124の領域に(図示されていない)別の調節機構を配置することができる。これによって、記録担体120が裏面印刷のために準備される。これは例えば、先行して印刷された表面印刷像(若しくは表面全体若しくは裏面全体)の表面定着(部分定着)若しくはその他の調節である。これによって、表面印刷像がさらなる搬送時に、後続の印刷機構によって機械的な損傷を受けることが阻止される。
【0075】
フルカラー印刷を達成するには、少なくとも4色(つまり、少なくとも4つの印刷機構111、112)、特には例えば基本色YMCK(イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック)が必要である。特別色(例えば顧客の指定した色、または、印刷可能な色空間を拡張するための付加的な基本色)を備えた別の印刷機構111、112をさらに使用することも可能である。
【0076】
印刷機構112dの後方には、見当合わせユニット125が配置されている。この、見当合わせユニット125によって、記録担体120上に、印刷像とは無関係に(特には印刷像の外側に)印刷されたレジストレーションマークが評価される。これにより、横レジスタマークおよび縦レジスタマーク(色点を形成する基本色点が上下にまたは空間的に相互にきわめて近い位置に配置される;これは色レジスタマーク若しくは4色レジスタマークとも称される)と見当合わせ(表面および裏面の位置が正確に一致しなければならない)とが調整され、これにより質的に良好な印刷像が得られる。
【0077】
見当合わせユニット125の後方には定着ユニット130が配置されており、この定着ユニット130によって印刷像が記録担体120上に定着される。電気泳動方式のデジタルプリンタでは、定着ユニット130として、有利には、トナー粒子のみが記録担体120上に残るよう、キャリア液をほぼ蒸発させるサーモドライヤが使用される。これは、熱の作用で行われる。ここで、トナー粒子が熱作用によって溶融可能な材料、例えば樹脂から製造されている場合には、トナー粒子が記録担体120上で溶融されてもよい。
【0078】
定着ユニット130の後方には、記録担体120を全ての印刷機構111a-112dと定着ユニット130とを通して牽引するトラクション機構126が配置されており、当該領域に別の駆動部は配置されていない。というのは、記録担体120に対する摩擦駆動部を設けると、まだ定着されていない印刷像が消失するおそれが生じるからである。
【0079】
トラクション機構126は、記録担体120を巻取り器7bへ供給し、この巻取り器7bは印刷された記録担体120を巻取る。
【0080】
印刷機構111、112および定着ユニット130の中央には、デジタルプリンタ1に対する全体的な管理装置群、例えば、空調モジュール140、エネルギー供給部150、制御装置2(コントローラ)、および、液体管理部170のモジュールが配置されている。液体管理部170は例えば、種々の液体の液体制御ユニット171および保管容器172などである。液体として、特には、純粋なキャリア液、高濃度の現像液(キャリア液に比べてトナー粒子の割合の高い液体)、および、セラム(現像液に電荷制御剤を加えたもの)が、デジタルプリンタ1を管理するために必要とされ、さらに、汚染物除去されるべき液体用の排出容器または洗浄液用の容器が必要とされる。
【0081】
デジタルプリンタ1は、自身の同じ構造の印刷機構111、112によってモジュラー状に構成されている。印刷機構111、112は機械的には同じであり、内部で使用される現像液(トナーの色若しくはトナーの種類)の点のみ異なる。
【0082】
こうした印刷機構111、112は電子写真方式をベースとしており、ここでは帯電したトナー粒子を含む現像液を用いて、電子写真画像担体にインク付けを行い、生じた画像が記録担体120へ移行される。
【0083】
印刷機構111、112は、主として、電子写真ステーションと、現像ステーションと、転写ステーションと、から成る。
【0084】
このような高性能デジタルプリンタは、モデルおよびコンフィギュレーションに応じて、長さ10m~30mにわたって延在する。従って、有利には複数の操作領域が設けられるべきである。この操作領域によって、複数の人間が同時に、デジタルプリンタのデータを読み、操作領域の複数の箇所で、目視による検査をすることができる。
【0085】
印刷機器1は、制御装置2と印刷ユニット3とを有している。制御装置2は、印刷ユニット3によって印刷可能であるように印刷タスクを処理するように構成されている。ここでは、印刷データ言語で存在する印刷タスクが、ラスタライズされたデータに変換されなければならない。これは通常、特に、印刷データのラスタライズを含む複数の中間ステップにおいて実行される。
【0086】
印刷ユニット3は、内部の制御装置を有している。これは、1つの印刷機器制御部4と複数の印刷機構制御部5(BDB:bar-driving-board)とを有している(
図2)。印刷機構制御部5は、ラスタライズされた印刷データを、相当する印刷機構6に伝達する。これらの、ラスタライズされた印刷データは、多くの場合、二値の印刷データであり、各ビットは、1つの印刷点(ドット)を表す。このビットが設定されている場合には、相応する印刷点が印刷される。このビットが設定されていない場合には、相応する印刷点は印刷されない。
【0087】
印刷機器制御部4は、印刷ユニット3のメインモジュール、紙搬送を制御し、印刷機構6に関する一般的な制御タスクを実行する。印刷機器制御部4は、前処理機器および後処理機器に対するインタフェースを有している。これらは、特に、繰出し器7aおよび巻取り器7bを含んでいる。さらなる前処理機器および後処理機器、例えば切断機、封函機等が接続されていてよい。
【0088】
制御装置2は、印刷サーバー8から制御装置2に伝達された印刷タスクを処理するために用いられる。このような印刷タスク若しくは印刷ジョブは、通常、印刷データとジョブチケットとから成る。印刷データは、印刷データ言語、例えばIPDS、AFP、PCL、PSで存在し、印刷データストリームとして、印刷機器1の制御装置2に伝達される。ジョブチケットは、印刷データがどのように処理されるべきかの指示を含んでいる。制御装置2は複数のコンピュータユニットを有しており、これらのコンピュータユニットは、内部LAN9を介して相互に接続されている。LAN9は、例えば、イーサーネットまたはインフィニバンドとして形成可能である。コンピュータユニットは、ホストコンピュータ10と複数のラスタコンピュータ11と複数のインタフェースコンピュータ12とを含んでいる。
【0089】
ホストコンピュータ10は、印刷タスクを受け取り、印刷タスクの各部分を、印刷データをラスタライズする複数のラスタコンピュータ11に分配する。ホストコンピュータ10は、この際に、ラスタコンピュータ11に、できるだけ均等に負荷がかかるよう、試みる。
【0090】
ラスタコンピュータ11は、印刷データを、印刷機構6を駆動制御するのに適した、ラスタライズされた印刷データに変換する。ラスタライズされたこの印刷データは、ラスタコンピュータ11からインタフェースコンピュータ12に、内部LAN9を介して転送される。
【0091】
インタフェースコンピュータ12では、ラスタライズされた印刷データが、緩衝記憶装置内に緩衝記憶される。各インタフェースコンピュータ12はそれぞれ、光ファイバー13によって、複数の印刷機構制御部5のうちの1つと接続されており、光ファイバー13を介して、ラスタライズされた印刷データを、特定の色を印刷する、相応する印刷機構制御部5に伝送する。従ってインタフェースコンピュータ12では、印刷データは、各印刷機構6の色分解版の形態で存在する。
【0092】
印刷機器制御部4は、制御装置2の内部LAN9の外部のインタフェースに接続されており、制御装置2のホストコンピュータ10から、印刷機器および前処理機器および後処理機器を駆動制御するための制御命令を受け取る。
【0093】
制御装置2の内部LAN9は、1つまたは複数の操作領域コンピュータ14および/または1つまたは複数のサービスコンピュータ15と接続するための、さらなる外部のインタフェースを有していてよい。
【0094】
さらに、制御装置2はルーター16を有しており、このルーターに、WANを介して、サービスコンピュータ17が接続可能である。
【0095】
プリンタ操作領域コンピュータ18は、SPO-LAN(Service Panel Operator-LAN)を介して、直接的に、制御装置2のホストコンピュータ10と接続されている。プリンタ操作領域コンピュータ18は、印刷データをコントロールする、および、制御するために用いられる。このプリンタ操作領域コンピュータ18は、典型的に、オペレーターによって使用される。このオペレーターは、印刷システムでの種々の印刷過程のフローを制御する。これに対して、操作領域コンピュータ14若しくはサービスコンピュータ15は、印刷システム自体の継続的な動作に対して責任を有するオペレーターまたはサービス技術者によって使用される。
【0096】
印刷システムは複数の操作領域コンピュータ14および/または複数のサービスコンピュータ15を有し得る。これは、複数のプリンタ操作領域コンピュータ18と接続されていてもよい。
【0097】
サービスコンピュータ15、17は、操作領域コンピュータ14と、そのアクセス権限において異なっている。ここでこのサービスコンピュータ15、17は、操作領域コンピュータ14と比べて、印刷システムでのより多くの設定を行ってよい。これを、以降で説明する。サービスコンピュータでは、例えば、印刷システムで、ソフトウェアコンポーネントのインストールも行うことができる。これは、操作領域コンピュータ14では不可能である。
【0098】
制御装置2は、遠隔保守モジュール(PCI:Power Control Interface)19を有している。この遠隔保守モジュール19によって、制御装置2は、遠隔制御されて、起動若しくは停止される。さらに、この遠隔保守モジュール19は、制御装置2を遠隔制御するさらなる機能を提供する。
【0099】
この印刷システムでは、複数の操作領域が、コンピュータ14、15、17、18に設けられている。
【0100】
制御装置2のホストコンピュータ10には、操作領域モジュールライブラリ20が設けられている。これは複数の操作領域モジュールを含んでおり、これによって、印刷機器1に対する操作領域が、コンピュータディスプレイに表示可能になる(
図3)。操作領域モジュールは、コンピュータディスプレイに表示された操作領域を介した印刷機器1の制御も可能にする。
【0101】
プリンタ操作領域コンピュータ18は、SPO-LANを介して、操作領域モジュールライブラリ20と接続されている。プリンタ操作領域コンピュータ18には、クライアントプログラムが設けられており、これによって操作領域が表示され、相応の制御機能が実行される。
【0102】
操作領域モジュールライブラリ20は、ウェブサーバーであるウェブ・ユーザーインタフェース21と接続されている。これによって、操作領域モジュールライブラリ20の操作領域モジュールがブラウザ内で使用可能になる。この実施例では、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、アパッチトムキャットサーバーによって実現されている。基本的に、ここでは別のウェブサーバーも適している。
【0103】
このウェブ・ユーザーインタフェース21は、直接的に、同じコンピュータ上に設けられているブラウザ22と通信することができる。ここで、この通信はウェブソケット24、25を介して実行される。別のコンピュータ14、15上に設けられている「外部の」ブラウザ23との通信のために、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、それぞれ1つの別のウェブソケット24と結合されている。ウェブソケット24、25はソフトウェアモジュールであり、これはインタフェースを形成する。このインタフェースは、恒久的な論理的なインターネット接続を、ブラウザに対して形成することができる。このブラウザは、データ接続を介して、コンピュータと接続されており、このコンピュータにウェブソケット24、25が配置されている。ここでは、このデータ接続は例えばデータネットワークである。
【0104】
従って、ホストコンピュータ10のブラウザ22およびコンピュータ14、15のブラウザ23には、恒久的に、ウェブ・ユーザーインタフェース21の情報が供給される、若しくは、常に、情報、特にメッセージを、ウェブ・ユーザーインタフェース21に伝達する。ブラウザ22、23はこのために、それぞれ1つの、対応するウェブソケット25を有している。
【0105】
以下で、種々のコンピュータに設けられている個々のソフトウェアモジュールを詳細に説明する。
【0106】
ホストコンピュータ10には、上述した操作領域モジュールライブラリ20、ウェブ・ユーザーインタフェース21およびブラウザ22の他に、動作システム26、ファンクションコード27、ハードウェアに対するインタフェースのためのインフラストラクチャマネージャ28、ウェブユーザーインタフェースデータバンク29、ウェブユーザーインタフェースプラグイン30、トレースモジュール31およびページビューモジュール70が設けられている(
図4)。
【0107】
トレースモジュール31は、制御装置2および/または印刷ユニット3内で実行される全てのソフトウェアコンポーネントおよび/または他のコンピュータ8、14、15、16、17、18上で実行される「外部の」全てのソフトウェアコンポーネントのエラープロトコールを記録するために設けられている。
【0108】
ファンクションコード27は、特に、印刷に関するソフトウェアルーチンを実行するように構成されている。これは例えば、ホストコンピュータ10による、ラスタコンピュータ11への印刷データの負荷分配、印刷データのラスタライズのためのラスタコンピュータ11上でのラスタ計算、インタフェースコンピュータ12上でのラスタライズされた印刷データの緩衝記憶(キャッシング)の制御および操作領域上での、ラスタライズされた印刷データの表示の制御である。このファンクションコード27によって、詳細な印刷タスクが次のように処理される。すなわちこの印刷タスクが、印刷ユニット3でプリントアウト可能であるように処理される。
【0109】
ファンクションコード27は、ホストコンピュータ10に、印刷ジョブを得た際に、ジョブチケットを緩衝記憶し、ラスタコンピュータ11への印刷ジョブの分配時に、各印刷ジョブのラスタライズされるべき一部分に対する、ラスタコンピュータ11の割り当てに関する割り当て情報を緩衝記憶する。
【0110】
さらにファンクションコード27は、ホストコンピュータ10で、インタフェースコンピュータ12での印刷のための、ラスタライズされた印刷データの分配時に、各インタフェースコンピュータ12に緩衝記憶された、ラスタライズされた印刷データに関する分配情報を記憶する。
【0111】
ウェブユーザーインタフェースデータバンク29は、ウェブ・ユーザーインタフェース21を動作させるための全ての永続的なデータを含んでいる。これは例えば、長時間データ、ユーザーコンフィギュレーションのためのデータ、例えばセンサのための設定、初期化データ、以降で説明するコントロール構造のためのデータ、並びに、ウェブ・ユーザーインタフェース21を動作させるのに必要なさらなるデータである。
【0112】
ウェブユーザーインタフェースプラグイン30は、局部的なまたは別の外部のコンピュータとの通信のために用いられる。このコンピュータでは、対応するウェブユーザーインタフェースプラグインが設けられている。ウェブユーザーインタフェースプラグイン30には、所定のタスク若しくはアプリケーションが格納されている。
【0113】
操作領域モジュールライブラリ20は、多数の操作領域モジュールを含んでいる。これらを以降で、より詳細に説明する(
図5)。
【0114】
DEエージェント(Device Agent)32は、操作領域と印刷システムとの間の通信のためのデータ接続を確立し、操作領域と印刷システムとの間の接続要素である。さらに、DEエージェント32は、プリンタ状況を提供するために、規格化されたインタフェースを提供する。
【0115】
RMIサーバー(Remote Method Invocation Server)33は、外部コンピュータによって呼び出し可能であり、コンピュータ上で実行される機能を有している。このコンピュータ上で、例えば、イベントのさらなる処理のためにRMIサーバーが実現される。さらに、これは、このような遠隔アクセスを容易にする、若しくは、可能にする機能を提供する。
【0116】
ORSエージェント(OCE Remote Service Agent)34は、ハードウェアデータおよびソフトウェアイベントのデータを収集し、これらのデータをホストコンピュータ10からサービスセンターのコンピュータ(図示されていない)にWAN(Wide Area Network)を介して伝達する。
【0117】
トレースエージェント35は、他のモジュールのトレースデータの記録若しくはロギングおよびこのデータの処理を可能にする。
【0118】
ウェブサーバー36は、ホストコンピュータ10からコンピュータ14へのプログラムライブラリのダウンロードを可能にする。これは例えば、Javaプログラムライブラリのダウンロードである。これによって操作領域をこのコンピュータ14上に表示し、制御することが可能になる。さらに、ウェブサーバー36は、ウェブスタート機能を準備する。これは例えば、Javaウェブスタート機能である。これによって操作領域をコンピュータ14上で初期化することができる。この実施例では、ウェブサーバー36は、アパッチトムキャットサーバーによって実現されている。基本的にはこれに、それぞれ別のウェブサーバー、それぞれ別のプログラムライブラリおよび/またはそれぞれ別のウェブスタート機能も適している。
【0119】
システムパラメータマネージャ37(SPマネージャ)は、モジュール間のデータ分配のために用いられる。
【0120】
SEAエージェント(Service Eventlog Agent)38は、プロトコール若しくは発生したイベントのログファイルを導く。
【0121】
OPマスター39は、ネットワークインタフェースを提供する。これは例えば、パラメータを印刷装置3に伝送する、および、印刷装置3から伝送するためのSNMPゲートウェイである。
【0122】
UICエージェント(User Interface Controller Agent)40は、ホストコンピュータ10と接続されている印刷システムの特定の状態の所定のフローの制御若しくは設定を可能にする。例えば、これによって印刷装置3の起動が、自動的に行われる。
【0123】
TRファイルコレクタ41は、トレースエージェント35にして付加的なエージェントとして、第三者メーカーによって提供された、ホストコンピュータ10上で実行されるプログラムのトレースデータを収集し、処理する。
【0124】
Ops-PAC(Ops Privileged Access Service)42は、特権(アドミニストレーター権限)を、特定の機能を実行する他のエージェント若しくはアプリケーションに割り当てるために用いられる。この特権は一時的に、エージェント若しくはアプリケーションに所望の作用を与えるために必要である。
【0125】
RDPエージェント(Remote Diagnosis Prozess Agent)43は、内部のサービスインタフェースを提供する。
【0126】
エラーエージェント44は、エラーを設定する、収集する、分配する、表示するおよびリセットするために用いられる。
【0127】
CDCエージェント45は、他のエージェント若しくはモジュールの印刷パラメータの、他の印刷装置3の他の制御装置2への、規格化された転送のために用いられる。これらの印刷パラメータは、例えば紙の幅、色等である。
【0128】
ウェブ・ユーザーインタフェース21は、多数のウェブユーザーインタフェースモジュールを含んでいる。これを以下で詳細に説明する(
図6)。
【0129】
ウェブサーバーモジュール46、例えば、アパッチトムキャットは、ウェブ・ユーザーインタフェース21の上述したウェブサーバー機能を提供する。ウェブサーバーモジュール46および上述したウェブサーバー36を、ウェブサーバー内にまとめることもできる。これは、ホストコンピュータ10上で実行可能である、若しくは、実行される。
【0130】
ウェブサーバー46上には、フレームワーク47が位置する。これは、特に、操作領域を記述するデータオブジェクトに関する、ウェブサーバーモジュール46の制御に対する調整、方法、機能、クラスおよび/または構造を準備する。この実施例では、フレームワーク47は、グレイルズフレームワークである。基本的に、ここでは、他のフレームワークも適している。
【0131】
ウェブサーバーモジュール46若しくはウェブ・ユーザーインタフェース21の制御のプログラミングは、プログラムコード48を用いて行われる。さらに、プログラムコード48の一部であるプログラムルーチンが、必要に応じて、ブラウザ22、23に、実行のために伝達される。ここでこれらの、伝達されたプログラムルーチンによって、ブラウザ22、23が制御される。これは有利には、以降で説明するように操作領域ファイルにある。プログラムコード48は、1つまたは複数の(スクリプト)プログラム言語で作成されている。この実施例では、使用されている(スクリプト)プログラム言語はJavaおよびGroovyである。基本的にここでは他のプログラム言語またはスクリプトプログラム言語も適している。プログラムコード48は、プリンタ固有のプログラム、プログラムルーチン、方法、機能、クラス、構造および/または拡張を含んでいる。
【0132】
外部のプラグイン49および外部のライブラリ50は、ウェブ・ユーザーインタフェース21のプログラミングおよび/または制御のためのさらなる機能を提供するために用いられる。
【0133】
ウェブサーバーサービス51は、ウェブ・ユーザーインタフェース21によって、外部の通信パートナーに提供される。ここで外部の通信パートナーは、ウェブ・ユーザーインタフェース外にあり、ウェブ・ユーザーインタフェース21と通信する、機器、設備、装置、または、ソフトウェアモジュールである。ウェブサーバーサービス51は、外部の通信パートナーによって開始され、ウェブ・ユーザーインタフェース21内で機能を実行する。
【0134】
ビュー52によって、操作領域上の表示のためにデータが処理される。
【0135】
コントロール構造53は、ウェブ・ユーザーインタフェース21内のコントロール機能を担い、表示されるべきデータを内容的に処理し、機能およびデータを提供する。ここでは特に、ブラウザ22、23の問い合わせに応じて、表示されるべきデータが、ビュー52に提供される。
【0136】
ウェブサーバーサービス51は、多数のサービスコンポーネントを含んでいる。これを以下で説明する(
図7)。
【0137】
IsMaサービス(Infrastrukturmanager Dienst)54は、プラグインを呼び出すことを可能にし、「外部の」システム、例えば他のコンピュータ11、12上の他のIsMaサービス28と通信するために用いられる。
【0138】
メニューサービス55を介して、メニュー構造が作製され、管理される。例えば「外部の」システム上に、メニューを動的にリロードすることができる。
【0139】
プッシュヘルパーサービス56は、負荷分配、および、「外部の」システムへの、コントロールされた、時間的に段階的に行われるデータ伝送を可能にする。
【0140】
RMIサービス57は、操作領域モジュールライブラリ20のウェブ・ユーザーインタフェース21とRMIサービス33との間の通信を可能にする。
【0141】
スケジューラーサービス58は、ソフトウェアイベントに反応し、時間的に事前に計画されたタスクを履行する。これは例えば、データバンクの整理である。
【0142】
ブラウザ22、23は、種々のブラウザコンポーネントを含んでいる。これらを以降で説明する(
図8)。
【0143】
(スクリプト)プログラム言語モジュール59は、ブラウザ22、23の制御のために、および、ウェブ・ユーザーインタフェース21によるその通信の制御のために用いられる。(スクリプト)プログラム言語モジュール59は、スクリプトプログラム言語またはプログラム言語のためのインタープリターまたはコンパイラである。この実施例では、Javaスクリプトが、スクリプトプログラム言語として用いられる。基本的には、ここでは他の(スクリプト)プログラム言語も適している。
【0144】
マークアップ言語モジュール60は、ブラウザ22、23に伝達されたマークアップ言語ファイルの解釈および表示を可能にする。ここで、このマークアップ言語は、上述したように、デジタルコンテンツ、例えばテキスト、画像およびハイパーリンクを電子ドキュメントに構造化するために用いられる。この実施例では、マークアップ言語は、規格「HTML(英語:Hypertext Markup Language)5」に従って実現されている。これは、今のところ、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアムによって作成されている。基本的にここでは、他のマークアップ言語も適している。
【0145】
ドキュメントアクセスインタフェース61は、ブラウザ22、23に伝送されたマークアップ言語ファイル等の、構造化された電子ドキュメントへのアクセスを可能にするインタフェースである。ここでそのデータ構造は、ツリー構造の形態で表示される。この実施例では、ドキュメントアクセスインタフェースは、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアムによって規定された規格「DOM(英語:Document Object Model)Level 3」に従って使用される。基本的に、ここでは、他のドキュメントアクセスインタフェースも適している。
【0146】
設計言語モジュール62は、フォーマッティングのためのテキストベースの設計言語若しくは構造化された電子ドキュメントのスタイルシートのための宣言型プログラム言語を提供する。この設計言語モジュール62によって、ブラウザ22、23に伝達されたマークアップ言語ファイルの表示がフォーマッティングされる。この実施例では、設計言語は、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアムによって規定された規格「CSS(英語:Cascading Style Sheets)3」に従って実現されている。基本的にはここでは、他の設計言語も適している。
【0147】
ラスタコンピュータ11は、それぞれ異なる複数のソフトウェアコンポーネントを含んでいる(
図9)。この実施例では、これらのソフトウェアコンポーネントは、上述した、動作システム26、ファンクションコード27、インフラストラクチャマネージャ28およびウェブユーザーインタフェースプラグイン30である。
【0148】
インタフェースコンピュータ12は、それぞれ異なる複数のソフトウェアコンポーネントを有している(
図10)。この実施例では、これらのソフトウェアコンポーネントは、上述した、動作システム26、ファンクションコード27、インフラストラクチャマネージャ28およびウェブユーザーインタフェースプラグイン30である。これらのソフトウェアコンポーネントに対して付加的に、さらに、印刷機構制御部ドライバ63が設けられている。これは、印刷機構制御部5のインタフェースコンピュータ12に印刷データを伝達することを可能にする。印刷機構制御部ドライバ63は、ホストコンピュータ10のファンクションコード27に、さらに、各インタフェースコンピュータ12で印刷されるトナーインクに関する情報を提供する。
【0149】
印刷機器制御部4は、種々の複数のソフトウェアコンポーネント(
図11)を含んでいる。これらを以降で説明する。
【0150】
メインモジュール64は、印刷機器制御部4の更なるソフトウェアコンポーネントを制御および監視するために用いられる。
【0151】
紙搬送モジュール65は、印刷機器1の紙搬送を制御する。これは、紙搬送モジュール65が、繰出し器7a、巻取り器7bおよび印刷ユニット3内のさらなる駆動ロール(図示されていない)を駆動制御することによって行われる。
【0152】
印刷ユニットモジュール66は、センサ(図示されていない)を介して、印刷ユニット3の種々のパラメータを検出する。これは例えば、温度、湿気、紙が存在するか否か等であり、これらは印刷能力および/または印刷の質に直接的または間接的に影響を与える。検出されたセンサデータから、印刷ユニットモジュール66は、プリンタ状況を特定する。これは印刷ユニットモジュールが、検出されたこれらのパラメータを評価することによって行われる。この評価は、印刷ユニット3の通常動作を規定するパラメータ値が所定の値範囲内にあるか否かを検査することによって行われる。このプリンタ状況は、ホストコンピュータ10に伝達される。
【0153】
遠隔保守モジュール19は、ソフトウェアコンポーネントとして、動作システム26とSNMP(Simple Network Management Protocol)サービス67とを含んでいる(
図12)。SNMPサービス67は、遠隔保守モジュール19と制御装置2の他の装置との、簡単なネットワーク通信のために用いられる。
【0154】
操作領域コンピュータ14は、ソフトウェアモジュールとして、動作システム26、ブラウザ23および操作領域ユーザーインタフェース68を含んでいる(
図13)。操作領域ユーザーインタフェース68は、次のことを可能にする。すなわち、制御装置2および/または印刷ユニット3を操作するための操作領域を操作領域コンピュータ14上に表示し、これらにおける設定を行うことを可能にする。操作領域ユーザーインタフェース68は、上述したように、ウェブサーバー36から操作領域コンピュータ14上にダウンロードされたJavaプログラムライブラリおよびJavaウェブスタート機能によって初期化され、表示され、制御される。
【0155】
サービスコンピュータ15、17は、ソフトウェアコンポーネントとして動作システム26、ブラウザ23およびサービスモジュール(CoDi:Configuration and Diagnostics)69を含んでいる(
図14)。サービスモジュール69によって、制御装置2および/または印刷ユニット3のコンフィギュレーションが変えられ、これと並んで、制御装置2または印刷ユニット3によって、ソフトウェア診断および/またはハードウェア診断のための情報が受信される。
【0156】
本実施例(
図2)は、種々のコンピュータ14、15、17、18、19を有している。これらのコンピュータを介して、各操作領域を用いて、設定タスクが、印刷機器1および/または制御装置2で行われ、印刷機器1および/または制御装置2が監視される。特に、この目的のために、多数の操作領域コンピュータ14および/またはサービスコンピュータ15、17が、制御装置2に接続され得る。
【0157】
ホストコンピュータ10は、接続されているコンピュータ14、15、17、18、19に対して操作領域を、ホストコンピュータ10で実行される操作領域モジュールライブラリ20を用いて作成するように構成されている。各操作領域は、パラメータと命令とのセットによって規定される。これらは、コンピュータ18、19に伝達され、コンピュータ18、19で、特別なクライアントプログラムによって、操作領域に変換される。コンピュータ14、15、17に対して、各コンピュータ14、15、17の操作領域を規定するパラメータと命令とのこのセットは、以降で説明する別の情報とともに、操作領域構造として、ウェブ・ユーザーインタフェース21によって受信され、操作領域ファイルに変換される。ここで操作領域ファイルへのこの変換は、所定のマークアップ言語に従って行われる。この実施例では、マークアップ言語としてHTML5が使用され、ドキュメントアクセスインタフェース61によって、操作領域ファイルがアクセスされる。さらに、操作領域ファイルは、この実施例において、Javaスクリプトで作成されたプログラムコード48を含み、設計言語モジュール62を用いて、この規則に従って、フォーマット化される。操作領域ファイルは、その後、確立されているデータ接続を介して、各コンピュータ14、15、17に伝達される。
【0158】
各ブラウザ22、23は、操作領域ファイルを解釈することができる。これによって、操作領域が、各コンピュータ14、15、17のユーザーインタフェース(英語でGUI:graphical user interface)に表示される。各操作領域は、少なくとも1つの表示オブジェクトを有する。特定のパラメータ、値、または、操作サーフェスの一部、例えばメニュー構造の一部を表示するために用いられるこのような表示オブジェクトは、操作領域の一部であり、この操作領域の、自己完結している要素である。1つの操作領域の複数の表示オブジェクトは相互に無関係であり、従って、相互に無関係に伝送若しくは更新される。典型的な表示オブジェクトはGUI要素であり、これらは、例えば、リスト領域、ボタン、チェックボックス、プログレスバー、値領域等の表示オブジェクトタイプに相当する。表示オブジェクトは特性を有し得る、および/または、データ源の値、例えば温度、スイッチ状態、テキスト、グラフィック、リスト等を表示し得る。特性は、表示オブジェクトが読み出されるだけか(英語:read-only)または書き込み可能であるか(英語:writeable)等の表示オブジェクトの基本特性、および、値固有の特性、例えば境界値、閾値等を含む。
【0159】
データ源(図示されていない)は、データを検出若しくは伝達するように構成されている装置または設備であり、例えば、印刷機器1または制御装置2のセンサ(温度センサ、回転数センサ、光学式センサ等)、スイッチングコンタクト、データバンク等である。データ源は、ある時点で、厳密に1つの値(例えば3℃)をパラメータ(例えば温度)に伝達する。データ源は、表示オブジェクトと結合されている、若しくは、表示オブジェクトに割り当てられている。すなわち、表示オブジェクトは、データ源の値を表示するように構成されている。
【0160】
各ブラウザ23は、コンピュータ14、15、17上で、セッションにおいて実行される。セッションは、基本的に、クライアントコンピュータとサーバーコンピュータとの間の確立されている接続を表している。ここで、用語「セッション」は、クライアントコンピュータ14、15、17で、ブラウザ23において、操作領域を規定するマークアップ言語ファイルが実行される、という意で使用される。
【0161】
ブラウザ22も、ホストコンピュータ10上で、セッションにおいて実行される。ここでも、用語「セッション」は、ホストコンピュータ10で、ブラウザ22において、操作領域を規定するマークアップ言語ファイルが実行される、という意で使用される。
【0162】
基本的に、データは、印刷機器1または制御装置2内に、データオブジェクトとして格納される。これらのデータオブジェクトは、相互に関係を有する。データオブジェクト間のこのような関係は、リレーション(Relationen)として格納される。具象的な説明のために、以降で、このような抽象的なリレーションを説明する代わりに、テーブルが使用される。
【0163】
各セッションには、外部のプラグイン49による、ホストコンピュータ10へのコンピュータ14、15、17の最初の接続要求時に、一義的なセッションIDが割り当てられる。このセッションIDは、ウェブ・ユーザーインタフェース21で、相応する参照テーブル(
図15)に格納され、ホストコンピュータ10からコンピュータ14、15、17に伝達される。このセッションIDによって、ホストコンピュータ10のウェブ・ユーザーインタフェース21と、コンピュータ14、15、17のブラウザ23との間の通信が制御される。参照テーブルは、以下で詳細に説明される。
【0164】
ブラウザは、複数のウィンドウ若しくはタブを有する表示をブラウザ内に有し得る。ウェブ・ユーザーインタフェース21は基本的に、セッションIDしか知らないので、ブラウザ23のウィンドウ若しくはタブにおいて、操作領域の最初の呼び出し時に、呼び出し時に伝達された、ブラウザ23におけるプログラムコード48によって、ウェブ・ユーザーインタフェース21におけるウィンドウID(英語:tab-id)の作成が開始され、ホストコンピュータ10上で、参照テーブル内に格納される。このウィンドウIDによって、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、各ブラウザ23の各ウィンドウを一義的に識別することができる。ウェブ・ユーザーインタフェース21は各コンピュータ14、15、17にウィンドウIDを伝達するので、これらは各コンピュータ14、15、17で、格納することによって各ウィンドウに継続的に割り当てられる。
【0165】
各表示オブジェクトは、一義的な表示オブジェクトIDを有しており、これによって、表示オブジェクトが一義的に識別される。表示オブジェクトIDは、操作領域モジュールライブラリ20によって、各表示オブジェクトの初期化時に表示のために、すなわち、操作領域の作成時に作成され、ホストコンピュータ10の参照テーブル内に格納される。従って参照テーブルは、目下、全てのブラウザ23において表示されている全ての表示オブジェクトを含む。
【0166】
表示オブジェクトIDは、表示をしているブラウザ23に、操作領域を規定する操作領域ファイルで、確立されているデータ接続を介して提供されるので、ブラウザ23は、表示オブジェクトIDを同様に、コンピュータ14、15、17の局部的なデータ構造に格納し、各表示オブジェクトに割り当てることができる。
【0167】
各データ源はデータ源IDを有する。このデータ源IDを介して、各データ源は、一義的に識別される。データ源IDは、ホストコンピュータ10のコンフィギュレーションに、各データ源のインストール時に格納される。しかしこれが、印刷機器1および/または制御装置2の初期化時に、動的に作成されてもよい。これは、接続されているデータ源が求められ、これに自動的に、データ源IDが割り当てられることによって行われる。
【0168】
多数のコンピュータ14、15、17によって、相応するデータ接続の帯域幅需要と応答時間とが増大する。従って、ブラウザ23に表示される表示オブジェクト、表示オブジェクト特性および値を表す、コンピュータ14、15、17に伝達されるデータの低減、並びに、個々のコンピュータ14、15、17上の使用可能な接続容量の分配が望ましい。
【0169】
伝送されるべきデータ量を低減させるために、値を表示する表示オブジェクトは、表示されるべきこの値を供するデータ源と、次のように結合される。すなわち、表示オブジェクトに表示される値の変更時に、この値を含む全ての表示オブジェクトが伝達されるのではなく、変更された値のみを伝送することが可能であるように、結合される。
【0170】
このために、ホストコンピュータ10上に、ブラウザウィンドウ内のセッションの、データ源の値を表示する表示オブジェクトと、この値の源であるデータ源とを関連づける参照テーブルとが、準備され、更新される。この参照テーブルによって、ウェブ・ユーザーインタフェース21には常に、目下、各ブラウザ23において表示されている表示オブジェクトに関して、特に、データ源の値を表示している表示オブジェクトに関して、情報が伝えられる。
【0171】
参照テーブルは、表示オブジェクトID、セッションID、ウィンドウID、ユーザーIDおよびデータ源IDを、入力として含む。ここでは、表示される表示オブジェクトに関する情報がセッションIDと結合され、表示オブジェクトを表示しているブラウザ23のウィンドウIDが、このブラウザ23を操作しているユーザーのユーザーIDと結合される。表示オブジェクトがデータ源と結合されている場合には、付加的に、表示オブジェクトと結合されているデータ源が特定される。
【0172】
セッションIDとともに、参照テーブル内には、各ウェブソケット24のウェブソケットIDが、結び付けられて格納される。従って、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、どのウェブソケット24を介してどのセッションと通信可能であるのかを求めることができる。
【0173】
図15に示された参照テーブルは、個々の入力間の関係を記述するデータ構造の実施例である。データ構造の構成が異なっていてもよい。特に、1つのテーブルの代わりに、相互に関係している複数の部分テーブルが設けられていてもよい。
【0174】
データ源の値が変化すると、各データ源によって、変化した値とデータ源IDとを有する値変化イベントが作成され、これは、ホストコンピュータ10に送信される。ホストコンピュータ10は、DEエージェント32において、この値変化イベントを受信し、これを、RMIサーバー33に転送する。RMIサーバー33は、この値変化イベントを、ウェブ・ユーザーインタフェース21のウェブサーバーサービス51に転送する。ウェブサーバーサービス51は、次に、この参照テーブルから、このデータ源IDと結合されている全ての表示オブジェクトIDと、属するセッションIDと、ウィンドウIDと、を求める。その後、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、求められたセッションのブラウザ23のみに、変更された値とともに、各ウィンドウID(複数)と、各表示オブジェクトID(複数)と、を送信する。次に、アドレッシングされた各ブラウザ23は、相応する表示オブジェクトにおける相応するウィンドウにおいて、変更された値を表示する。この値は、ここでは、数字、テキスト、表示オブジェクトの特性、グラフィック等であり得る。
【0175】
ブラウザ23において、ユーザーアクションが発生すると常に、GUI変更イベントがトリガされる。ここでこのユーザーアクションは、各コンピュータ14、15、17のユーザーインタフェースでの変更を生じさせ、例えばメニュー呼出し、ウェブサイト呼出し、フォーカスの変更、表示オブジェクト内へのパラメータ値の入力等である。GUI変更イベントは、ブラウザ23から、ウェブ・ユーザーインタフェース21へ、アクション要求として送出され、セッションID、ウィンドウID、ブラウザ23内で実行されるアクションの様式、この変更と関連している表示オブジェクトの表示オブジェクトID、および、この表示オブジェクトに関係するさらなる情報、例えば、表示オブジェクトの特性等を含む。
【0176】
ウェブ・ユーザーインタフェース21が、GUI変更イベントを受信すると、ウェブ・ユーザーインタフェース21はこのGUI変更イベントを操作領域モジュールライブラリ20に転送する。操作領域モジュールライブラリ20は、GUI変更イベントから、各コンピュータ14、15、17に伝送されるべき表示オブジェクト、その表示オブジェクトID、その表示オブジェクトタイプ、その特性、並びに、それと結合されているデータ源を求め、これによって、操作領域の表示が更新される、若しくは、変更される。操作領域モジュールライブラリ20は、この情報を、セッションID、ウィンドウIDおよびさらなるパラメータおよび命令とともに、操作領域構造として、ウェブ・ユーザーインタフェース21に提供する。このウェブ・ユーザーインタフェース21はここから、上述したように、操作領域ファイルを作成する。ウェブ・ユーザーインタフェース21は、提供された表示オブジェクトを検査し、参照テーブルを相応に更新する。この際に、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、ブラウザ23のウィンドウ内にもはや表示されていない表示オブジェクトを参照テーブルから除去する。これは、このブラウザ23のセッションIDおよびウィンドウIDに割り当てられている、表示オブジェクトの全ての入力を消去することによって行われる。次に、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、参照テーブルに、ブラウザ23のウィンドウ内に新たに表示されるべき表示オブジェクトを加える。
【0177】
次に、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、作成された操作領域ファイルを、GUI変更が発生している、相応するセッションのウィンドウに伝送し、受信したブラウザ23は、特性および値を有する表示オブジェクトを表示する。例えば、ホストコンピュータ10は、メニュー呼出し時に、メニュー入力とその特性設定とともにメニューを相応するブラウザ23に伝達する。
【0178】
ブラウザ23の表示オブジェクトにおいて、ユーザーによって制御アクションが行われると、すなわち、値が変更される、または、印刷機器1または制御装置2に作用する設定が行われると、アクション要求がウェブ・ユーザーインタフェース21に伝達され、これによって、ウェブ・ユーザーインタフェース21は相当に反応することができる。
【0179】
ブラウザ23が、種々の操作領域によって複数のウィンドウを表示するように構成されていない場合、または、ブラウザ23がコンピュータ14、15、17上に多重に、構成されず、複数の種々の操作領域を表示しない場合には、参照テーブル内のウィンドウIDを省くこともできる。この場合には、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、各セッションの個々の操作領域にのみ、変更された値を伝送する。
【0180】
選択的に、ホストコンピュータ10上の参照テーブルは、これに加えて付加的な情報を含み得る。この情報とは、各ブラウザ23のどのウィンドウがアクティブであるか、若しくは、フォーカスを有しているか、すなわち、前景に表示され、操作可能であるかという情報である。ホストコンピュータ10は、このために、クライアントコンピュータ14、15、17から、どのウィンドウがアクティブであるかに関して情報を得る。これは例えば、制御アクションまたはGUI変更イベントとともに、GUI変更または制御アクションが行われるウィンドウのウィンドウIDが伝達されることによって行われる、または、ユーザーがウィンドウを前景に呼び寄せることによって、ユーザーが各ブラウザ23のウィンドウ上でフォーカスを変更する場合に行われる。ウェブ・ユーザーインタフェース21は、値変更イベントにおいて、参照テーブルから、セッション、ウィンドウおよび値が伝送されるべき表示オブジェクトを求める際に、フォーカス情報を考慮する。アクティブなウィンドウに表示されるデータ源と結合されている表示オブジェクトにのみ、変更された値が伝送される。これによって、伝送されるべきデータがさらに低減される。
【0181】
ホストコンピュータ10と、ホストコンピュータ10に接続されている別のコンピュータ14、15、17と、の間の、提供されている接続容量を効果的に利用するために、データはまとめられて、個々のコンピュータ14、15、17に、所定の時点で伝送される。
【0182】
所定の時点でのデータの伝送は、伝送後の待機時間によって実現される。すなわち、セッションのブラウザ23への各データ伝送後に、待機時間が発生する。待機時間が経過した後にはじめて、データが、同じブラウザ23に再び伝送される。待機時間の間に値が複数回変化した場合、この値は、複数回、ブラウザ23に伝送されるのではなく、待機時間の経過後に一度だけ伝送される。これは、伝送されるべきデータを低減させる。この待機時間によって、別のブラウザ23では、待機時間の間に伝送が実行可能であることも保証される。待機時間はタイマーによって設けられる。
【0183】
印刷機器1若しくは制御装置2が1つの操作領域によってのみ操作される、若しくは、設定されることを保証するために、いわゆる「アクセスチケット」が使用される。アクセスチケットを所有しているユーザーだけが、設定を行ってよい。このアクセスチケットは、ホストコンピュータ10内に、一度だけ存在する。
【0184】
アクセスチケットは、RMIサーバー33によって管理される。アクセスチケットは、ウェブ・ユーザーインタフェース21、RMIサーバー33、または、ブラウザによってサポートされずに操作領域が表示される、接続されているコンピュータ18、19に割り当てられる。アクセスチケットは、1つの時間に、これらのコンポーネントのうちの1つにのみ、割り当て可能である。
【0185】
製造を行う要素、例えば印刷機構がスイッチオフされているが、特定の制御要素がまだ動作しているスタンバイモードに印刷機器1が、あるときにのみ、操作領域を用いて制御装置2にアクセスすることができる。この際に、アクセスチケットが存在している必要はない。
【0186】
ホストコンピュータ10とウェブ・ユーザーインタフェース21は接続されている。このウェブ・ユーザーインタフェース21は、アクセスチケットを所有してよく、印刷機器1若しくは制御装置2の操作に対する機能性を、ブラウザ23を介して提供する。セッションにおいて、それぞれ1つまたは複数の操作領域を表示することができる複数のブラウザ23が、ウェブ・ユーザーインタフェース21に接続されているので、対立を回避するために、「セッションチケット」が設けられている。
【0187】
1つまたは複数のセッションチケットが、製造システムに存在していてよい。セッションチケットは、製造システム全体または製造システムの一部(機器、装置、設備、コンポーネント、パラメータ)に論理的に割り当てられており、所有時に、論理的に割り当てられている製造システム全体または製造システムの各部分での設定を行う権限を操作領域に与える。複数のセッションチケットが、製造システムの種々の部分に対して設けられている場合には、これらのセッションチケットは、一義的に、製造システムの各部分に論理的に割り当てられている。すなわち、特定の設定を行うためには、特定のセッションチケットを所有していることが必要である。
【0188】
各セッションチケットは、ウェブ・ユーザーインタフェース21によってのみ与えられ、かつ、セッションにおけるコンピュータ14、15、17の1つのブラウザ23にのみ割り当て可能であり、このブラウザ23が実行される各セッションに結び付けられている。
【0189】
ウェブ・ユーザーインタフェース21は、ブラウザ23を介してそれが要求された場合にのみアクセスチケットを得る。ウェブ・ユーザーインタフェース21がアクセスチケットを得ると、要求しているブラウザ23はセッションチケットを得る。これによって、一義的に、ウェブ・ユーザーインタフェース21を介して、印刷機器1若しくは制御装置2または印刷機器1または制御装置2の相応する部分を設定若しくは操作することができるブラウザ23が識別される。ウェブ・ユーザーインタフェース21がアクセスチケットを所有している限り、ブラウザのうちの1つのブラウザ23はセッションチケットを所有し、このセッションチケットを、この1つのブラウザ23から取りあげ、別のブラウザ23に割り当てることが可能である。従って、異なるブラウザ上の操作領域間の対立を回避するために、1つ若しくは複数の下位のセッションチケットと、上位のアクセスチケットとを備えた階層的な構造を有するチケット管理が提供される。ウェブ・ユーザーインタフェース21にアクセスチケットが割り当てられているということは、ウェブ・ユーザーインタフェース21が、1つ若しくは複数のセッションチケットを与えることができる、ということの前提条件である。これの唯一の例外は、アクセスチケットが与えられるのではなく、1つ若しくは複数のセッションチケットが与えられる、スタンバイモードに印刷機器1がある、という場合である。
【0190】
上述したように、ブラウザは、ブラウザ内に複数のウィンドウ若しくはタブを備えた表示を有し得る。ウェブソケット24、25、および、初期化の後、すなわち、操作領域の最初の表示後に、セッション、ひいてはブラウザ23も識別可能であるが、ブラウザ23内にオープンされる個々のウィンドウは識別可能ではないので、これは問題である。この問題を解決するために、個々のウィンドウには、それぞれ1つの一義的なウィンドウIDが割り当てられる。この場合には、セッションチケットが、セッションのウィンドウに割り当てられる。
【0191】
ブラウザ23内でのウィンドウの使用時に、次のような問題が生じる。すなわち、ウィンドウが閉じられている、または、もはや応答不可能である場合、例えば組み込まれているコードが停止されている場合、一義的なウィンドウIDを有するウィンドウがもはや存在していないことがウェブ・ユーザーインタフェース21に伝えられなければならない、という問題である。ここでこのウィンドウにはこのときにセッションチケットが割り当てられている可能性もある。
【0192】
このような問題は次のことによって解決される。すなわち、ウェブ・ユーザーインタフェース21が、参照テーブル内に事前に格納されている一義的なウィンドウIDに基づいて、周期的に、ウィンドウがまだオープンされているか否か、および、応答することができるか否かを検査することによって解決される。このために、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、全てのブラウザ23において、全てのセッションにおいて、ウェブ・ユーザーインタフェース21に公知である、ブラウザ23の全てのウィンドウの組み込まれているプログラムコード48に、応答するように要求を送る(Ping)。ウェブ・ユーザーインタフェース21は、応答として、ウィンドウの一義的なウィンドウIDを伴う、ブラウザ23の各ウィンドウにおいて実行される、組み込まれているプログラムコード48のエコーを待つ。所定の待機時間の後に、一義的なウィンドウIDを伴う、このような応答が戻ってこない場合には、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、この一義的なウィンドウIDを参照テーブルから削除する。これによって、閉じられている、または、もはや応答しないウィンドウが参照テーブルから除去されることが保証される。
【0193】
もはやオープンされていない、または、応答しないウィンドウが、セッションチケットを所有していた場合、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、どのように進めるべきかを判断することができる。これに対しては、以降で説明する複数の可能性がある。
【0194】
1.このブラウザ23が相応するセッションにおいてアクティブであり、印刷機器1または制御装置2に対する操作領域を表示している場合、ここで解放されたセッションチケットが自動的に、それまでセッションチケットを有していたブラウザと同じブラウザ23の別のウィンドウに与えられる(同じユーザー、同じセッション、同じブラウザ23)。
【0195】
2.別のブラウザ23が相応するセッションにおいてアクティブであり、操作領域を表示している場合、ここで解放されたセッションチケットが、それまでセッションチケットを有していたユーザーの別のブラウザ23に与えられる(同じユーザー、同じセッション、別のブラウザ23)。
【0196】
3.この種のブラウザ23が別のセッションにおいてアクティブであり、操作領域を表示している場合、ここで解放されたセッションチケットが、セッションチケットを有していたユーザーと同じユーザーの別のブラウザ23に与えられる。ここでこのブラウザ23は別のセッションで実行される(同じユーザー、別のセッション、別のブラウザ23)。
【0197】
4.ここで解放されたセッションチケットが、場合によって、ユーザー優先順位に従って選択された別のユーザーに与えられる。ユーザーは、例えば、いつ、セッションチケットに対する要求を送出したかに基づいて優先順位付けされ、ここで、最も新しい要求または最も古い要求が、より高い優先順位を有し得る(別のユーザー、別のセッション、別のブラウザ23)。
【0198】
5.ここで解放されたセッションチケットが、セッションチケットの新たな要求のために、待機領域若しくは待機プールに入れられ、これによって、ウェブ・ユーザーインタフェース21に戻される。
【0199】
1つのウィンドウしか許容しないブラウザが使用される場合には、ウィンドウIDは不必要である。この場合には、ウィンドウIDの代わりに、セッションIDが周期的に監視される。ここで、ブラウザがもはやオープンされていない場合、または、ブラウザがもはや応答しない場合、セッションチケットは、上述したのと同様に与えられる、若しくは、手放されない。
【0200】
ホストコンピュータでは、有利には、各アクティブなブラウザに対して、ブラウザバッファが準備される。このブラウザバッファは、各ブラウザ23若しくはそのウィンドウに与えられるべきデータを緩衝記憶するために用いられる。これは例えば、マークアップ言語ファイル、表示オブジェクトデータ、値等であり、かつ、このブラウザバッファは、セッションIDを用いて、および、場合によっては、ウィンドウIDを用いて、厳密に1つのブラウザ23に割り当てられている。
【0201】
製造システムの操作領域を相互に同期させることを可能にするために、参照テーブルは、上述した入力に加えて付加的に、さらなる入力、例えば操作領域IDおよび同期情報の分だけ拡張される。これを以降で説明する(
図15)。
【0202】
操作領域IDは、ブラウザ23若しくはブラウザ23のウィンドウ内にオープンされている操作領域の一義的なIDである。操作領域IDは、特に、ブラウザ23がウィンドウを有している場合に、操作領域の同期化のために各操作領域を参照することを容易にする。なぜなら、各ウィンドウはこの場合に、2つの識別子、すなわち、セッションIDとウィンドウIDとの組み合わせを介して参照されるからである。使用されているブラウザ23がウィンドウを有していない場合、ブラウザ23内に表示されている操作領域が、択一的に、セッションIDを介して一義的に参照されてもよく、従って、操作領域IDを省くこともできる。
【0203】
操作領域に割り当てられている同期情報は、以下のような情報を提供する。すなわち、
操作領域が
・独立した操作領域である(動作様式「シングル」)か否か、すなわち、同期に関与していないか、
・別の操作領域に同期される操作領域である(動作様式「同期される」)か否か、または、
・同期させる操作領域である(動作様式「同期させる」)か否か、すなわち、少なくとも1つの別の操作領域を同期させるか
という情報を提供する。
【0204】
各操作領域が動作様式「シングル」にある場合、相応する同期情報に対する入力は空である。
【0205】
各操作領域が動作様式「同期される」にある場合、相応する同期情報は、同期されるこの操作領域が同期されている操作領域の操作領域IDを含む。
【0206】
従って、この同期情報内に格納されている操作領域IDは、「それに同期されている」と解釈される。
【0207】
操作領域が動作様式「同期される」にある場合、この操作領域が同期されている別の操作領域、若しくは、その表示オブジェクトの変更が、この操作領域に伝達される。この動作様式は、同期に対する最も簡単な動作様式である。なぜなら、ここでは、ユーザーが、一方の操作領域の表示オブジェクトで実行した変更が、さらなるパラメータを検査せずに、容易に、この一方の操作領域から、これと同期される、他方の操作領域に伝送されるからである。変更のこのような伝送は、ここで、相互に同期される操作領域間で、各方向において行われる。
【0208】
各操作領域が動作様式「同期させる」にある場合、相応する同期情報に対する入力は空であり得る、または、この操作領域が同期させる操作領域であることを示すダミーを含み得る。入力が空であるのにも係わらず、操作領域間の同期関係は、参照テーブル内での同期させる操作領域の場合の空の入力によって表される。なぜなら、同期される操作領域の場合には、どの同期させる操作領域に、各同期される操作領域が同期されているのかが、入力されているからである。同期情報における、同期させる操作領域の場合における、ダミーの入力は、参照テーブルにおいて、同期させる操作領域を迅速に見つけることを可能にする。
【0209】
各同期させる操作領域の同期情報における空の入力またはダミー値の入力によって、同期させる操作領域と、この同期させる動作領域に同期される1つまたは複数の同期される操作領域との間に、階層的な関係が構築される。これによって、操作領域間の同期方向が一義的に設定される。
【0210】
ここで、同期させる操作領域を表示するブラウザ23は同期させるブラウザ23aと称され、同期される操作領域を表示するブラウザ23は同期されるブラウザ23bと称される。同期させるブラウザ23aの操作領域の変更のみが、ウェブ・ユーザーインタフェース21から、同期されるブラウザ23bに伝達され、これによって、同期方向が確定される。
【0211】
上述したように、同期情報内に格納されている操作領域IDは「それに同期されている」と解釈されるので、同期方向の設定がされずに、若しくは、階層的な関係が無く相互に同期される操作領域もこれと同期される。このために、各操作領域の同期情報内には、別の操作領域の操作領域IDが記入される。2つの操作領域のうちの一方の操作領域の変更は、自動的に、他方の操作領域で同期される。
【0212】
従って、操作領域IDと同期情報とを含んでいる上述した参照テーブルを使用することによって、同期させる操作領域と、1つまたは複数の、この操作領域と同期される操作領域との間に1:Nの関係が表され、相互に同期される2つの操作領域間に1:1の関係が表される。
【0213】
種々の操作領域間の同期は、以下の動作状況に対して使用可能である。
・例えば、製造結果の検査および/または製造システムのパラメータ化のために、複数の操作領域が設けられている製造システムの種々の箇所に滞在するユーザーが、このユーザーによって使用されている種々の操作領域で、常に、同じ、最新の操作領域を見出す。
・製造システムでのパラメータ設定の権限を有し、この種の設定を行う複数のユーザーが設定されている場合、同期される操作領域の表示に対して、相応するユーザー権限を所有している場合、これらのユーザーの各々に、他のユーザーの操作領域が同期して表示される。これによって、他のユーザーの設定プロセスに関する情報が、このユーザーに伝えられる(製造システムで複数のセッションチケットが、製造システムの個々の部分に対して存在する場合に、これが有効である)。
・製造システムでのトレーニング措置において、教員の役割を担っているユーザーが、生徒の役割を担っている他のユーザーに、製造システムでの操作過程を提示することができる。これは、同期させる操作領域である教員の操作領域が、同期される操作領域である生徒の操作領域を同期させることによって行われる。
【0214】
操作領域によって要求されるアクションは、操作領域の表面を換えることができるメニューアクションおよび/または操作領域に対する同期設定を変更することができる同期設定アクションおよび/または製造システムでの設定を変更することができる制御アクションを含む。
【0215】
以降で説明する方法は、上述のように、ホストコンピュータ10上に参照テーブルが準備され、更新され、ブラウザバッファが、1つ若しくは複数のアクティブなブラウザへのデータ伝送のために設けられていることを前提としている。
【0216】
以降で説明する方法は、ブラウザ23a、23bにおいて表示される操作領域に対して説明される。しかしこの方法は、この種のブラウザ23a、23bのウィンドウに表示される操作領域および/または表示された操作領域内に表示される個々の表示オブジェクトの同期に対しても実行される。
【0217】
以降では、製造システム、特に印刷システムの複数の操作領域の同期のための方法の実施例を説明する(
図16)。
【0218】
この方法はステップS1で始まる。ステップS2では、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、アクティブなブラウザ23の1つの操作領域からアクション要求を得たか否かを検査する。操作領域をウェブ・ユーザーインタフェース21に伝達する各アクション要求は、要求している操作領域若しくは要求しているブラウザ23を識別する情報を含んでいる。このような識別を保証するために、セッションID、ウィンドウID、ウェブソケットID、表示オブジェクトID、操作領域IDまたはこれらの識別子の組み合わせが使用される。
【0219】
ステップS2において、ウェブ・ユーザーインタフェース21が、アクション要求を、アクティブなブラウザ23の1つの操作領域から得ていた場合には、ステップS3が実行される。ここではウェブ・ユーザーインタフェース21は、次のことを検査する。すなわち、アクションを要求している操作領域が、同期させる操作領域であるか否かを検査する。同期させる操作領域は、少なくとも1つの別の操作領域が、それに同期される操作領域である。要求している操作領域が同期させる操作領域であるか否かを検査するために、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、参照テーブル内の同期情報にアクセスする。同期情報は、操作領域が同期される操作領域であるか否かを示す。これは、同期させる操作領域の操作領域IDまたは各操作領域を識別する他の印が入力されていることによって行われる。上述したように、付加的に、同期情報内に、各操作領域が同期させる操作領域であるか否かが入力されてもよい。
【0220】
ウェブ・ユーザーインタフェース21が、ステップS3において、要求している操作領域が同期させる操作領域であることを確認すると、この方法は、ステップS4の実行に続く。ここではウェブ・ユーザーインタフェース21は、この同期させる操作領域に属している、すなわち、この同期させる操作領域に同期されるべき、同期される操作領域を求める。ウェブ・ユーザーインタフェース21はこれを、参照テーブル内の同期情報に基づいて確認する。
【0221】
次に、ステップS5が実行される。ここでは、このような、同期される操作領域に対して、新たなマークアップ言語ファイルが作成される。これは、同期させる操作領域において生じた変化を有している。このマークアップ言語ファイルは、ホストコンピュータ10のブラウザバッファに格納される。このブラウザバッファは、属する、同期される操作領域を表示する各同期されるブラウザ23bに割り当てられている。
【0222】
次に、ステップS6が実施される。ここでは、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、変更情報であるプッシュイベントを各同期されるブラウザ23bに伝達する。プッシュイベントを受け取ると、この同期されるブラウザ23bは、マークアップ言語ファイルを、自身に割り当てられているブラウザバッファから読み出し、これを、操作領域の表示のために実行する。
【0223】
これに続くステップS7で、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、同期させる操作領域に属している、さらなる、同期される操作領域が存在しているか否かを検査する。そうである場合には、この方法は、このさらなる操作領域のために、ステップS5に続く。
【0224】
ステップS7において、ウェブ・ユーザーインタフェース21が、同期させる操作領域に属している、さらなる、同期される操作領域が存在していないことを確認すると、ステップS8が実行される。
【0225】
ステップS8では、相応するブラウザ23において表示されるべきアクション要求をしている操作領域に対してマークアップ言語ファイルが作成される。このマークアップ言語ファイルは、アクション要求に従った、アクション要求をしている操作領域の変更を有している。マークアップ言語ファイルは、アクション要求をしている操作領域を表示するブラウザ23に割り当てられているブラウザバッファ内に格納される。
【0226】
次に、ステップS9が実行される。ここでは、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、変更情報であるプッシュイベントを、アクション要求をしている操作領域を表示するブラウザ23に伝達する。プッシュイベントを受け取ると、このブラウザ23は、マークアップ言語ファイルを、自身に割り当てられているブラウザバッファから読み出し、操作領域の表示のために、これを実行する。
【0227】
次に、ステップS10が実行される。ここでは、動作が続けられるべきか否かが検査される。動作が続けられるべきでない場合、ステップS11が続き、ここで、この方法が終了する。しかし、動作が続けられるべき場合、この方法は、ステップS10の実行後に、ステップS2に移行する。
【0228】
ステップS2において、アクション要求を操作領域から得ていないことが確認されると、この方法は直接的にステップS10に続く。
【0229】
ステップS3において、アクション要求をしている操作領域が同期させる操作領域でないことが確認されると、この方法は、直接的に、ステップS8に移行する。同期させる操作領域でない、アクション要求をしている操作領域は、同期される操作領域か、または、同期される操作領域でも、同期させる操作領域でもない操作領域、すなわち、同期関係に関与していない操作領域である。
【0230】
択一的に、ステップS3において、アクション要求をしている操作領域が同期させる操作領域でないことが確認された後に、ステップS12が実行される。ここでは、ウェブ・ユーザーインタフェース21は、アクション要求をしている操作領域が同期される操作領域であるか否かを検査する。そうである場合、この方法は、ステップS10に移行する。
【0231】
択一的なステップS12において、アクション要求をしている操作領域が同期される操作領域でないこと、すなわち、同期関係に関与していない操作領域であることが確認されると、ステップS8の実行が続く。
【0232】
択一的なステップS12によって、同期される操作領域からのアクション要求、および、これと結び付いている、この操作領域での変更が阻止される。従って、同期させる操作領域または同期関係に関与していない操作領域からのアクション要求のみが処理される。
【0233】
上述した、製造システム、特に印刷システムの複数の操作領域を同期させる方法によって、操作領域からのアクション要求時に、各操作領域が変更され、アクション要求をしている操作領域と同期されている別の操作領域も同様に変更される。これによって、操作領域が相互に同期状態に保たれる。
【0234】
以降では、製造システム、特に印刷システムの複数の操作領域を同期させる、拡張された方法を説明する(
図17)。拡張されたこの方法では、前述した方法に対して、実質的に、要求されるアクションが分別される。
【0235】
この方法は、ステップS20で始まる。ステップS21では、アクション要求を、操作領域から得たか否かが検査される。
【0236】
そうである場合、ステップS22が実行され、ここで、同期設定アクションがアクション要求をしている操作領域によって要求されたか否かが検査される。同期設定アクションによって、各操作領域の同期のための設定が行われる。
【0237】
要求されたアクションが、同期設定アクションでない場合、ステップS23が実行される。ここでは、要求されたアクションが制御アクションであるか否かが検査される。制御アクションによって、製造システムの一部または製造システム全体に対する制御パラメータの変更が行われる。
【0238】
ステップ23において、制御アクションが要求されたことが確認されると、ステップS24が実行される。ここでは、アクション要求をしている操作領域が、相応するセッションチケットを所有しているか否かが検査される。セッションチケットを所有していることによって、この操作領域は、製造システムの一部または製造システム全体の制御パラメータを変える権限を有する。同期されない操作領域にのみセッションチケットを与えることによって、同期させる操作領域または同期関係に関与していない操作領域の制御アクションのみが処理されることが保証される。
【0239】
ステップS24において、アクション要求をしている操作領域が、相応するセッションチケットを所有していることが確認されると、ステップS25が実行され、ホストコンピュータ10において、操作領域によって要求された制御アクションが実行される。
【0240】
後続のステップS26では、要求している操作領域を表示するブラウザ23に対して、変更されたマークアップ言語ファイルが作成され、このマークアップ言語ファイルは、ホストコンピュータ10で、このブラウザ23に割り当てられているブラウザバッファ内に格納され、このブラウザ23に、変更情報であるプッシュイベントを伝達する。プッシュイベントを得ると、ブラウザ23は、自身に割り当てられているブラウザバッファから、マークアップ言語ファイルを読み出し、アクション要求をしている操作領域を表示するために、これを実行する。変更されたマークアップ言語ファイルは、アクション要求をしている操作領域で実行されるべき変更を有している。ステップS26において実行されたこのアクションは、上述した方法のステップS8およびS9において実行されたアクションに相当する。
【0241】
次に、ステップS27が実行される。ここでは、アクション要求をする操作領域が、同期させる操作領域であるか否かが検査される。これは、上述したように、参照テーブル内の同期情報に基づいて求められる。
【0242】
ステップS27において、アクション要求をしている操作領域が、同期させる操作領域であることが確認されると、ステップS28が実行される。ここでは、この同期させる操作領域に属する、同期される操作領域が求められ、属する、この同期される操作領域に対する変更されたマークアップ言語ファイルが作成され、ホストコンピュータ10で、同期される操作領域を表示する、各同期されるブラウザ23bに割り当てられている相応するブラウザバッファに格納され、変更情報として相応するプッシュイベントがこのブラウザ23bに伝達される。ステップS28において実行されたこれらのアクションは、上述した方法のステップS4からS7において実行されたアクションに相当する。
【0243】
次に、ステップS29が実行される。ここでは、動作が続けられるべきか否かが検査される。動作が続けられるべきでない場合、ステップS30が続き、ここで、この方法が終了する。しかし、動作が続けられるべき場合、この方法は、ステップS29の実行後に、ステップS21に移行する。
【0244】
ステップS21において、アクション要求を操作領域から得ていないことが確認されると、この方法は直接的にステップS29に続く。
【0245】
ステップS22において、要求されているアクションが同期設定アクションであることが確認されると、ステップS31が実行される。ステップS31では、ホストコンピュータ10で同期設定アクションが、要求している操作領域に対して実行される。これは、同期設定アクション全体が、要求している操作領域の種類とは無関係に実行されることを意味している。
【0246】
ステップS31の実行後に、ステップS32が実行される。ここではマークアップ言語ファイルが、自身の同期設定において変更された操作領域に対して作成され、この、変更されたマークアップ言語ファイルがブラウザバッファ内に格納される。このブラウザバッファは、この操作領域を表示する各ブラウザ23に割り当てられている。また、相応するプッシュイベントが、各ブラウザ23に伝達される。
【0247】
ステップS32を実行した後、この方法は、ステップS29に続く。
【0248】
ステップS23において、要求されているアクションが制御アクションでないことが確認されると、すなわち、要求されているアクションが、操作領域の表面を変えることができるメニューアクションであることが確認されると、ステップS33が実行される。ここでは、メニューアクションを要求している操作領域が同期される操作領域であるか否かが検査される。
【0249】
ステップS33において、メニューアクションを要求している操作領域が、同期される操作領域であることが確認されると、この方法は直接、ステップS29に移行する。これによって、同期される操作領域のメニューアクションの実行が阻止される。
【0250】
ステップS33において、メニューアクションを要求している操作領域が、同期される操作領域でないことが確認されると、ステップS34が実行される。ここでは、要求されたメニューアクションがホストコンピュータ10で実行される。これによって、同期させる操作領域または同期関係に関与していない操作領域のメニューアクションのみが処理されることが保証される。
【0251】
ステップS34を実行した後、この方法は、ステップS26に続く。
【0252】
ステップS24において、制御アクションを要求している操作領域がセッションチケットを所有していないことが確認されると、この方法は、直接的にステップS29に移行する。これによって、制御アクションを要求する操作領域が、制御アクションを要求する権限を与えるセッションチケットを所有していることが保証される。
【0253】
ステップS27において、アクション要求をしている操作領域が、同期させる操作領域でないことが確認されると、この方法は直接的にステップS29に移行する。これによって、次のことが保証される。すなわち、アクション要求をしている操作領域が、同期させる操作領域である場合にのみ、属する同期されるブラウザ23bに対してマークアップ言語ファイルが作成され、相応する変更情報がこのブラウザ23bに伝達されることが保証される。
【0254】
択一的に、ステップS24において付加的に、制御アクションを要求している操作領域が、同期される操作領域でないかが検査され、同期される操作領域でない場合には、ステップS25が実行され、その他の場合には、この方法は、直接的にステップS29に移行する。
【0255】
上述した、製造システム、特に印刷システムの複数の操作領域を同期させる、拡張された方法によって、複数の操作領域は、自身がホストコンピュータ10に要求したアクションに基づいて変更され、参照テーブルに入力された同期情報を考慮して相互に同期される。
【0256】
択一的に、製造システムの複数の操作領域を同期させる、上述した方法は次のことによって拡張される。すなわち、ウェブ・ユーザーインタフェース21が、GUI変更イベントとともに伝送されたフォーカス情報を参照テーブル内に格納し、各ブラウザ23の操作領域の同期時に、これを考慮することによって拡張される。参照テーブル内へのこの格納は、例えば、次のことによって行われる。すなわち、ウェブ・ユーザーインタフェース21が、フォーカスを有している、若しくは、前景に表示される表示オブジェクトのフォーカス情報において、「真」を入力し、全ての他の表示オブジェクト、すなわち、フォーカスを有していない、若しくは、前景に表示されない全ての表示オブジェクトに対して、フォーカス情報において、「偽」を入力することによって行われる。同期時のフォーカス情報の考慮は、特に、同期される操作領域または同期されるブラウザ23bがフォーカスを有していない、若しくは、前景に存在していない場合の、同期される操作領域を表示するブラウザ23bにおいて有利である。このような場合には、操作領域の同期は行われない。操作領域がフォーカスを得て、若しくは、操作領域が前景に移動してはじめて、操作領域が再び同期される。これによって、伝達されるデータ量が、さらに低減される。
【0257】
上述した実施例では、データ構造としてテーブルが使用される。このテーブルは、一例である。テーブルが他の構造を有していてもよい。ここでテーブルは、複数のテーブルに分けられている、または、複数のテーブルが、1つの共通のテーブルにまとめられている、または、特定のパラメータセットが、別のテーブルに格納されている。本発明にとって重要なのは、実施例において使用されているパラメータ相互の関係若しくはリレーションである。テーブルの代わりに、任意の他のデータ構造、例えば、データバンク、リストまたは階層的なデータ構造、例えば、ツリー構造を、このために使用することができる。
【0258】
基本的に、ブラウザ23に対して、若しくはブラウザ23を用いてこれまでに説明された全てのステップは、ホストコンピュータ10のブラウザ22に対して、若しくは、ブラウザ22を用いても実行可能である。
【0259】
基本的に、上述した方法は、ブラウザ23のウィンドウ内に表示される複数の操作領域、および/または、表示された操作領域内に表示された個々の表示オブジェクトの同期のために実行可能である。
【符号の説明】
【0260】
1 印刷機器、 2 制御装置、 3 印刷ユニット、 4 印刷機器制御部、 5 印刷機構制御部、 6 印刷機構、 7a 繰出し器、 7b 巻取り器、 8 印刷サーバー、 9 内部LAN(スイッチ)、 10 ホストコンピュータ、 11 ラスタコンピュータ、 12 インタフェースコンピュータ、 13 光ファイバー、 14 操作領域コンピュータ、 15 サービスコンピュータ、 16 ルーター、 17 サービスコンピュータ、 18 プリンタ操作領域コンピュータ、 19 遠隔制御モジュール、 20 操作領域モジュールライブラリ、 21 ウェブ・ユーザーインタフェース、 22 ブラウザ、 23 ブラウザ、 24 ウェブソケット、 25 ウェブソケット、 26 動作システム、 27 ファンクションコード、 28 インフラストラクチャマネージャ、 29 ウェブユーザーインタフェースデータバンク、 30 ウェブユーザーインタフェースプラグイン、 31 トレースモジュール、 32 DEエージェント、 33 RMIサーバー、 34 ORSエージェント、 35 トレースエージェント、 36 ウェブサーバーモジュール、 37 システムパラメータマネージャ、 38 SEAエージェント、 39 OPマスター、 40 UICエージェント、 41 TRファイルコレクタ、 42 Ops-PAC、 43 RDPエージェント、 44 エラーエージェント、 45 CDCエージェント、 46 ウェブサーバー、 47 フレームワーク、 48 プログラムコード、 49 外部プラグイン、 50 外部ライブラリ、 51 ウェブサーバーサービス、 52 ビュー、 53 コントロール構造、 54 IsMaサービス、 55 メニューサービス、 56 プッシュヘルパーサービス、 57 RMIサービス、 58 スケジューラーサービス、 59 (スクリプト)プログラム言語モジュール、 60 マークアップ言語モジュール、 61 ドキュメントアクセスインタフェース、 62 設計言語モジュール、 63 印刷機構制御部ドライバ、 64 メインモジュール、 65 紙搬送モジュール、 66 印刷ユニットモジュール、 67 SNMPサービス、 68 操作領域ユーザーインタフェース、 69 サービスモジュール、 111、111a-111d 印刷機構(表面)、 112、112a-112d 印刷機構(裏面)、 120 記録担体、 121 ロール(入力)、 123 調節機構、 124 反転ユニット、 125 見当合わせユニット、 126 トラクション機構、 128 ロール(出力)、 130 定着ユニット、 140 空調モジュール、 150 エネルギー供給部、 170 液体管理部、 171 液体制御ユニット、 172 保管容器