(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】生体情報検出センサ
(51)【国際特許分類】
A61B 5/318 20210101AFI20220208BHJP
A61B 5/25 20210101ALI20220208BHJP
A61B 5/276 20210101ALI20220208BHJP
【FI】
A61B5/318
A61B5/25
A61B5/276 200
(21)【出願番号】P 2017084500
(22)【出願日】2017-04-21
【審査請求日】2020-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】今野 徳人
(72)【発明者】
【氏名】細井 みのり
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第7211884(US,B1)
【文献】特表2016-527034(JP,A)
【文献】特開2010-278132(JP,A)
【文献】特開平06-038938(JP,A)
【文献】特開2014-068718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/0538
A61B 5/06-5/398
H05K 1/00-1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段配置された複数の第1基板と、
第2基板と、
前記複数の第1基板のうち隣接配置された第1基板間を電気的に接続する第1接続部と、
絶縁部材と、を備え、
前記複数の第1基板には、それぞれ、生体情報検出部が電気的に接続される耐圧抵抗が実装され、
前記第2基板には、前記生体情報検出部から前記耐圧抵抗を介して入力される心電情報を処理する回路が実装され、
前記絶縁部材は、前記複数の第1基板のうち隣接する第1基板間に配置された生体情報検出センサ。
【請求項2】
前記複数の第1基板及び前記第1接続部は、一部が前記第2基板に固定されたフレキシブル基板を少なくとも1回折り返すことで構成される請求項1に記載の生体情報検出センサ。
【請求項3】
前記複数の第1基板は、隣接する基板が互いに対向した状態で多段配置される請求項1又は2に記載の生体情報検出センサ。
【請求項4】
多段配置された第1基板及び第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続する第1接続部と、
絶縁部材と、を備え、
前記第1基板には、生体情報検出部が電気的に接続される耐圧抵抗が実装され、
前記第2基板には、前記生体情報検出部から前記耐圧抵抗及び前記第1接続部を介して入力される
心電情報を処理する回路が実装され、
前記絶縁部材は、前記第1基板と前記第2基板との間に配置された生体情報検出センサ。
【請求項5】
前記第1基板及び前記第1接続部は、一部が前記第2基板に固定されたフレキシブル基板を前記第2基板側に折り返すことで構成される請求項4に記載の生体情報検出センサ。
【請求項6】
前記第1基板及び第2基板は、互いに対向した状態で多段配置される請求項4又は5に記載の生体情報検出センサ。
【請求項7】
複数の前記第1基板を備え、
複数の前記第1基板のうち隣接配置された第2基板間を電気的に接続する第2接続部をさらに備え、
前記絶縁部材は、前記第1基板と前記第2基板との間、及び、複数の前記第1基板のうち隣接配置された第1基板間に配置された請求項4に記載の生体情報検出センサ。
【請求項8】
複数の前記第1基板、前記第1接続部、及び、前記第2接続部は、一部が前記第2基板に固定されたフレキシブル基板を前記第2基板側に少なくとも2回折り返すことで構成される請求項7に記載の生体情報検出センサ。
【請求項9】
複数の前記第1基板は、隣接する基板が互いに対向した状態で多段配置される請求項7又は8に記載の生体情報検出センサ。
【請求項10】
前記第2基板、前記フレキシブル基板、及び、前記絶縁部材を収容する筐体をさらに備え、
前記第2基板は、前記筐体に固定された状態で前記筐体に収容され、
前記フレキシブル基板は、前記第2基板と前記筐体との間に挟持された状態で前記筐体に収容される請求項8に記載の生体情報検出センサ。
【請求項11】
前記筐体は、前記生体情報検出部が電気的に接続される導電部を含み、
前記フレキシブル基板には、前記導電部に電気的に接続されるバネ接点が実装され、
前記フレキシブル基板は、前記第2基板と前記筐体との間に挟持され、かつ、前記バネ接点が前記筐体の前記導電部に電気的に接続された状態で前記筐体に収容される請求項10に記載の生体情報検出センサ。
【請求項12】
前記絶縁部材は、前記耐圧抵抗を覆った状態で前記フレキシブル基板に巻き付けられたシート状の絶縁部材である請求項
8、10、11のいずれか1項に記載の生体情報検出センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療機器の分野においては、除細動保護用の耐圧抵抗を用いた生体情報検出センサ(医療用テレメータ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的に、生体情報検出センサにおいては、除細動保護用の耐圧抵抗を実装する場合、センサ保護等の観点から、沿面距離(例えば、4mm)及び空間距離(例えば、4mm)を確保することが求められており、その分、生体情報検出センサの小型化が難しいというという課題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、沿面距離及び空間距離を実質的に確保しつつ(すなわち、除細動保護を実現しつつ)小型化を実現することができる生体情報検出センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一つの側面は、多段配置された複数の第1基板と、第2基板と、前記複数の第1基板のうち隣接配置された第1基板間を電気的に接続する第1接続部と、絶縁部材と、を備え、前記複数の第1基板には、それぞれ、生体情報検出部が電気的に接続される耐圧抵抗が実装され、前記第2基板には、前記生体情報検出部から前記耐圧抵抗を介して入力される生体情報を処理する回路が実装され、前記絶縁部材は、前記複数の第1基板のうち隣接する第1基板間に配置された生体情報検出センサであることを特徴とする。
【0007】
この側面によれば、沿面距離及び空間距離を実質的に確保しつつ(すなわち、除細動保護を実現しつつ)小型化を実現することができる生体情報検出センサを提供することができる。
【0008】
これは、第1に、複数の第1基板を多段配置することで、複数の第1基板を多段配置しない場合と比べ、生体情報検出センサの、複数の第1基板の配置方向に直交する方向の寸法を短くしたこと、第2に、複数の第1基板のうち隣接する第1基板間に絶縁部材を配置し、空間距離を実質的に0(絶縁部材の厚み分)にすることで、生体情報検出センサの、複数の第1基板の配置方向の寸法を短くしたこと、によるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】医用テレメータシステム10の概略構成図である。
【
図2】生体情報検出センサ20の概略断面図である。
【
図3】生体情報検出センサ20等のハード構成図である。
【
図4】フレキシブル基板21とリジッド基板22との関係を説明するための平面図である。
【
図6】生体情報検出センサ20が装着された電極パッド60の概略断面図である。
【
図7】フレキシブル基板21の変形例を説明するための図である。
【
図8】フレキシブル基板21の他の変形例を説明するための図である。
【
図9】フレキシブル基板21の他の変形例を説明するための図である。
【
図10】リジッド基板22の変形例を説明するための図である。
【
図11】リジッド基板22の他の変形例を説明するための図である。
【
図12】リジッド基板22の他の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態である医用テレメータシステム10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0011】
[医用テレメータシステム10の概要]
図1は、医用テレメータシステム10の概略構成図である。
【0012】
図1に示すように、医用テレメータシステム10は、生体情報検出センサ20、受信機30、及び、生体情報表示装置40等を備える。
【0013】
生体情報検出センサ20は、生体(以下、患者50という)の胸部に貼り付けられた電極パッド60に装着されて当該患者50の生体情報(本実施形態では心電図)の測定を行い、測定した心電図(心電図データ)を受信機30に無線で送信する。
【0014】
受信機30は、例えば、スマートフォンであり、生体情報検出センサ20が無線で送信した心電図を受信し、当該受信機30が備えるディスプレイ(図示せず)に表示する。または、受信した心電図を生体情報表示装置40に無線で送信(転送)する。受信機30としてスマートフォンを例示したが、生体情報検出センサ20から無線で生体信号を受信し、生体情報表示装置40へ送信できる態様であれば、これに限られない。
【0015】
生体情報表示装置40は、受信機30が送信した心電図を受信し、当該生体情報表示装置40が備えるディスプレイ(図示せず)に表示する。
【0016】
[生体情報検出センサ]
次に、生体情報検出センサ20について説明する。
図2は、生体情報検出センサ20の概略断面図である。
図3は、生体情報検出センサ20等のハード構成図である。
【0017】
図2に示すように、生体情報検出センサ20は、フレキシブル基板21と、リジッド基板22と、絶縁部材23と、これらを収容する筐体24と、を備える。
【0018】
筐体24は、例えば、矩形箱状の筐体である。筐体24には、電極パッド60に設けられた3つの接点61(
図3、
図5参照)にそれぞれ電気的に接続される3つの導電部25が設けられる。具体的には、3つの導電部25は、電極パッド60が装着される筐体24の底部に形成された3つの貫通穴24aにそれぞれ挿入された状態で筐体24に固定される。なお、3つの貫通穴24aは、筐体24の底部の外面と内面とを貫通している。
【0019】
次に、リジッド基板22について説明する。
【0020】
図2に示すように、リジッド基板22は、筐体24に固定された状態で筐体24に収容される。具体的には、リジッド基板22は、当該リジッド基板22と筐体24の底部とが平行(又は略平行)で、かつ、両者間にフレキシブル基板21が配置されるスペースSが形成された状態で筐体24にネジや接着剤等の公知の手段で固定される。リジッド基板22が本発明の第4基板に相当する。
【0021】
図3に示すように、リジッド基板22には、心電図測定回路22a、A/D変換器22b、CPU22c、無線通信部22dが実装されている。心電図測定回路22a、A/D変換器22b、CPU22c、無線通信部22dが本発明の回路に相当する。
【0022】
心電図測定回路22aには、電極パッド60に設けられた3つの電極63がそれぞれ3つの耐圧抵抗26を介して電気的に接続される。心電図測定回路22aは、3つの耐圧抵抗26を介して入力される信号を増幅等して心電図信号(ECG信号)として出力する。
【0023】
A/D変換器22bは、心電図測定回路22aから入力される心電図信号(アナログ信号)を所定周波数でサンプリングして心電図データ(ディジタル値)に変換する。
【0024】
CPU22cは、所定プログラムを実行することで、生体情報検出センサ20を構成する各種ハードウェア(例えば、無線通信部22d)を制御する。例えば、CPU22cは、A/D変換器22bによって変換された心電図(心電図データ)を、無線通信部22dを介して受信機30に送信する。
【0025】
無線通信部22dは、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)技術に対応できる通信モジュール(例えば、BLEモジュール)であり、アンテナ22eを介して、近距離(例えば100mm)内の他のBLE対応デバイス(例えば、受信機30)と無線通信する。
【0026】
次に、フレキシブル基板21について説明する。
【0027】
図4は、フレキシブル基板21とリジッド基板22との関係を説明するための平面図である。
【0028】
図4に示すように、フレキシブル基板21は、一部がリジッド基板22に固定され、かつ、リジッド基板22の一辺E1から当該一辺E1に対して直角(又は略直角)の方向に延びている。
【0029】
図2に示すように、フレキシブル基板21は、リジッド基板22側に蛇腹状に2回折り返され(折り畳まれ)、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2とリジッド基板22とが多段配置された状態でリジッド基板22と筐体24の底部との間に挟持される。その際、フレキシブル基板21は、第1基板部21a
1とリジッド基板22との間の空間距離L1、及び、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間の空間距離L2が実質的に0(絶縁部材23の厚み分)となるようにリジッド基板22と筐体24の底部との間に挟持される。第1基板部21a
1及び第2基板部21a
2が本発明の第3基板に相当し、リジッド基板22が本発明の第4基板に相当する。
【0030】
このように、フレキシブル基板21を蛇腹状に折り返し、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2とリジッド基板22とを多段配置したことで、フレキシブル基板21を折り返さない場合(例えば、
図4参照)と比べ、生体情報検出センサ20の
図2中X方向の寸法を短くすることができる。
【0031】
図2に示すように、フレキシブル基板21がリジッド基板22と筐体24の底部との間に挟持された状態で、第2基板部21a
2に実装された3つのバネ接点27がそれぞれ筐体24に設けられた3つの導電部25に電気的に接続される。また、第1基板部21a
1とリジッド基板22との間、及び、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間に、第1基板部21a
1、第2基板部21a
2それぞれに実装された耐圧抵抗26を覆った状態でフレキシブル基板21に巻き付けられた耐高電圧シート(図示せず)等のシート状の絶縁部材23が配置される。
【0032】
このように、第1基板部21a
1とリジッド基板22との間、及び、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間に絶縁部材23を配置したことで、空間距離L1、L2を実質的に0(絶縁部材23の厚み分)にしても、第1基板部21a
1とリジッド基板22との間、及び、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間を絶縁することができる。その結果、空間距離L1、L2(例えば、L1=4mm及びL2=4mmの合計8mm)を設けることで、第1基板部21a
1とリジッド基板22との間、及び、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間を絶縁する場合と比べ、生体情報検出センサ20の
図2中Y方向の寸法を短くすることができる。
【0033】
第1基板部21a1とリジッド基板22は、第1屈曲部21bによって電気的に接続されている。第1基板部21a1と第2基板部21a2は、第2屈曲部21cによって電気的に接続されている。第1屈曲部21bが本発明の第2接続部に相当し、第2屈曲部21cが本発明の第3接続部に相当する。
【0034】
第1基板部21a1、第2基板部21a2、第1屈曲部21b、及び、第2屈曲部21cは、フレキシブル基板21の一部で、フレキシブル基板21をリジッド基板22側に蛇腹状に2回折り返すことで構成される。
【0035】
フレキシブル基板21には、電極パッド60に設けられた3つの電極63に対応して3つの耐圧抵抗26が実装される。具体的には、第1基板部21a
1に1つの耐圧抵抗26が実装され、第2基板部21a
2に2つの耐圧抵抗26が実装される。なお、第1基板部21a
1に2つの耐圧抵抗26を実装し、第2基板部21a
2に1つの耐圧抵抗26を実装してもよい。耐圧抵抗26は、少なくとも沿面距離L3(
図2参照。例えば、4mm)を保った状態で実装される。
【0036】
また、フレキシブル基板21(第2基板部21a
2)には、筐体24に設けられた3つの導電部25にそれぞれ電気的に接続される3つのバネ接点27が実装される。
図3に示すように、3つのバネ接点27はそれぞれ配線パターン等によって3つの耐圧抵抗26に電気的に接続されている。また、3つの耐圧抵抗26は、それぞれ配線パターン等によってリジッド基板22に実装された心電図測定回路22aに電気的に接続されている。
【0037】
[電極パッド]
次に、電極パッド60について説明する。
図5は、電極パッド60の概略断面図である。
図6は、生体情報検出センサ20が装着された電極パッド60の概略断面図である。
【0038】
図5に示すように、電極パッド60は、生体情報検出センサ20(筐体24)が装着される側の面(以下、センサ装着面60aという)と、その反対側の面(以下、粘着面60bという)と、を備える。
【0039】
センサ装着面60aには、当該センサ装着面60aに装着された生体情報検出センサ20の3つの導電部25にそれぞれ電気的に接続される3つの接点61が設けられる。
図6に示すように、生体情報検出センサ20は、3つの導電部25と3つの接点61とがそれぞれ電気的に接続された状態で電極パッド60(センサ装着面60a)に公知の手段で着脱可能に装着される。
【0040】
粘着面60bには、粘着部62、3つの電極63(3リード電極(R、L、F))が設けられる。粘着部62の作用によって、生体情報検出センサ20(及び生体情報検出センサ20が装着された電極パッド60)は、3つの電極63が患者50の胸部に接触した状態で患者50の胸部に貼り付けられる。
図3に示すように、3つの電極63はそれぞれ、配線パターン等によって3つの接点61に電気的に接続されている。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、沿面距離及び空間距離を実質的に確保しつつ(すなわち、除細動保護を実現しつつ)小型化(
図2中X方向及びY方向の小型化)を実現することができる生体情報検出センサ20を提供することができる。
【0042】
これは、第1に、複数の第1基板(第1基板部21a
1と第2基板部21a
2)を多段配置することで、複数の第1基板を多段配置しない場合と比べ、生体情報検出センサ20の、複数の第1基板の配置方向に直交する方向(
図2中X方向)の寸法を短くしたこと、第2に、第1基板部21a
1とリジッド基板22との間、及び、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間に絶縁部材23を配置し、空間距離L1、L2を実質的に0(絶縁部材23の厚み分)にすることで、生体情報検出センサ20の、複数の第1基板(第1基板部21a
1と第2基板部21a
2)の配置方向(
図2中Y方向)の寸法を短くしたこと、によるものである。
【0043】
具体的には、本実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
【0044】
第1に、フレキシブル基板21を蛇腹状に折り返し、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2とリジッド基板22とを多段配置したことで、フレキシブル基板21を折り返さない場合(例えば、
図4参照)と比べ、生体情報検出センサ20の
図2中X方向の寸法を短くすることができる。
【0045】
第2に、第1基板部21a
1とリジッド基板22との間、及び、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間に絶縁部材23を配置したことで、空間距離L1、L2を実質的に0(絶縁部材23の厚み分)にしても、第1基板部21a
1とリジッド基板22との間、及び、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間を絶縁することができる。その結果、空間距離L1、L2(例えば、L1=4mm及びL2=4mmの合計8mm)を設けることで、第1基板部21a
1とリジッド基板22との間、及び、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間を絶縁する場合と比べ、生体情報検出センサ20の
図2中Y方向の寸法を短くすることができる。
【0046】
次に、変形例について説明する。
【0047】
まず、フレキシブル基板21の変形例について説明する。
図7は、フレキシブル基板21の変形例を説明するための図である。なお、
図7中、筐体24、バネ接点27等は省略されている。
【0048】
図7に示すように、本変形例のフレキシブル基板21Aは、リジッド基板22側に1回折り返され、第1基板部21a
1とリジッド基板22とが多段配置された状態でリジッド基板22と筐体24の底部との間に挟持される。その際、フレキシブル基板21Aは、第1基板部21a
1とリジッド基板22との間の空間距離L1が実質的に0(絶縁部材23の厚み分)となるようにリジッド基板22と筐体24の底部との間に挟持される。第1基板部21a
1には、3つの耐圧抵抗26が実装される。
【0049】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0050】
次に、フレキシブル基板21の他の変形例について説明する。
図8は、フレキシブル基板21の他の変形例を説明するための図である。なお、
図8中、筐体24、バネ接点27等は省略されている。
【0051】
図8に示すように、本変形例のフレキシブル基板21Bは、リジッド基板22側に3回折り返され、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2と第3基板部21a
3とリジッド基板22とが多段配置された状態でリジッド基板22と筐体24の底部との間に挟持される。その際、フレキシブル基板21Bは、第1基板部21a
1とリジッド基板22との間の空間距離L1、及び、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間の空間距離L2(さらに、第2基板部21a
2と第3基板部21a
3との間の空間距離L4)が実質的に0(絶縁部材23の厚み分)となるようにリジッド基板22と筐体24の底部との間に挟持される。第1基板部21a
1~第3基板部21a
3には、それぞれ、1つの耐圧抵抗26が実装される。
【0052】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0053】
次に、フレキシブル基板21の他の変形例について説明する。
図9は、フレキシブル基板21の他の変形例を説明するための図である。なお、
図9中、筐体24、バネ接点27等は省略されている。
【0054】
図9に示すように、本変形例のフレキシブル基板21Cは、蛇腹状に2回折り返され、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2と第3基板部21a
3とが多段配置された状態でリジッド基板22に隣接した位置に配置されている。その際、フレキシブル基板21Cは、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間の空間距離L5、及び、第2基板部21a
2と第3基板部21a
3との間の空間距離L6が実質的に0(絶縁部材23の厚み分)となるように所定手段で保持される。第1基板部21a
1~第3基板部21a
3には、それぞれ、1つの耐圧抵抗26が実装される。
図9中、第1基板部21a
1と第2基板部21a
2と第3基板部21a
3とが本発明の複数の第1基板に相当し、第2屈曲部21cが本発明の第1接続部に相当する。
【0055】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、沿面距離及び空間距離を実質的に確保しつつ(すなわち、除細動保護を実現しつつ)小型化を実現することができる生体情報検出センサを提供することができる。
【0056】
これは、第1に、複数の第1基板(第1基板部21a
1と第2基板部21a
2と第3基板部21a
3)を多段配置することで、複数の第1基板を多段配置しない場合と比べ、生体情報検出センサ20の、複数の第1基板の配置方向に直交する方向(
図9中X方向)の寸法を短くしたこと、第2に、複数の第1基板のうち隣接する第1基板間(第1基板部21a
1と第2基板部21a
2との間、及び、第2基板部21a
2と第3基板部21a
3との間)に絶縁部材23を配置し、空間距離L5、L6を実質的に0(絶縁部材23の厚み分)にすることで、生体情報検出センサ20の、複数の第1基板の配置方向(
図9中Y方向)の寸法を短くしたこと、によるものである。
【0057】
次に、リジッド基板22の変形例について説明する。
図10は、リジッド基板22の変形例を説明するための図である。なお、
図10中、筐体24、バネ接点27等は省略されている。
【0058】
図10に示すように、本変形例のリジッド基板22は、多段配置された3枚のリジッド基板、具体的には、アナログ回路が実装された第1リジッド基板22A、電極63から耐圧抵抗26を介して生体情報が入力される入力部が実装された第2リジッド基板22B、デジタル回路が実装された第3リジッド基板22Cを備える。
【0059】
第2リジッド基板22Bには、アンテナからの電波が遮断されるのを抑制するため、第3リジッド基板22Cに実装されたアンテナに対応する箇所に切り欠き部22B1が設けられる。
【0060】
フレキシブル基板21は、一部が第2リジッド基板22Bに固定され、かつ、第2リジッド基板22Bの一辺から当該一辺に対して平行(又は略平行)の方向に延びている。
【0061】
また、フレキシブル基板21は、蛇腹状に2回折り返され、第1基板部21a1と第2基板部21a2と第3基板部21a3とが多段配置された状態でリジッド基板22(22A~22C)に隣接した位置に配置されている。
【0062】
第1基板部21a1には1つの耐圧抵抗26が実装され、第2基板部21a2には2つの耐圧抵抗26が実装され、第3基板部21a3には2つの耐圧抵抗26が実装される。なお、本変形例では、上記実施形態で説明した3つの耐圧抵抗26に加え、インピーダンス呼吸用に2つの耐圧抵抗26が追加されている。なお、上記実施形態においても、インピーダンス呼吸用に2つの耐圧抵抗26を追加してもよい。
【0063】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0064】
次に、リジッド基板22の他の変形例について説明する。
図11は、リジッド基板22の他の変形例を説明するための図である。なお、
図11中、筐体24、バネ接点27等は省略されている。
【0065】
図11に示すように、本変形例のリジッド基板22は、多段配置された3枚のリジッド基板、具体的には、アナログ回路が実装された第1リジッド基板22D、電極63から耐圧抵抗26を介して生体情報が入力される入力部が実装された第2リジッド基板22E、デジタル回路が実装された第3リジッド基板22Fを備える。
【0066】
第2リジッド基板22Eには、アンテナからの電波が遮断されるのを抑制するため、第3リジッド基板22Fに実装されたアンテナに対応する箇所に切り欠き部22E1が設けられる。また、第2リジッド基板22Eには、切り欠き部22E1の対角の箇所に切り欠き部22E2が設けられる。
【0067】
また、第1リジッド基板22Dには、第2リジッド基板22Eに設けられた切り欠き部22E2に対応する箇所に切り欠き部22D1が設けられる。これにより、第1リジッド基板22Dに設けられた切り欠き部22D1と第2リジッド基板22Eに設けられた切り欠き部22E2とは重なって、フレキシブル基板21の設置スペースを構成する。
【0068】
フレキシブル基板21は、一部が第2リジッド基板22Eに固定され、かつ、第2リジッド基板22Eの一辺(切り欠き部22E2を構成する一辺22E3)から当該一辺22E3に対して平行(又は略平行)の方向に延びている。
【0069】
また、フレキシブル基板21は、蛇腹状に2回折り返され、第1基板部21a1と第2基板部21a2と第3基板部21a3とが多段配置された状態で、上記フレキシブル基板21の設置スペースに配置されている。
【0070】
第1基板部21a1には1つの耐圧抵抗26が実装され、第2基板部21a2には2つの耐圧抵抗26が実装され、第3基板部21a3には2つの耐圧抵抗26が実装される。なお、本変形例では、上記実施形態で説明した3つの耐圧抵抗26に加え、インピーダンス呼吸用に2つの耐圧抵抗26が追加されている。
【0071】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0072】
次に、リジッド基板22の他の変形例について説明する。
図12は、リジッド基板22の他の変形例を説明するための図である。なお、
図12中、筐体24、バネ接点27等は省略されている。
【0073】
図12に示すように、本変形例のリジッド基板22は、多段配置された2枚のリジッド基板、具体的には、電極63から耐圧抵抗26を介して生体情報が入力される入力部が実装された第1リジッド基板22G、アナログ回路及びデジタル回路が実装された第2リジッド基板22Hを備える。
【0074】
第1リジッド基板22Gには、アンテナからの電波が遮断されるのを抑制するため、第2リジッド基板22Hに実装されたアンテナに対応する箇所に切り欠き部22H1が設けられる。
【0075】
フレキシブル基板21は、一部が第1リジッド基板22Gに固定され、かつ、第1リジッド基板22Gの一辺から当該一辺に対して直角(又は略平行)の方向に延びている。
【0076】
また、フレキシブル基板21は、蛇腹状に2回折り返され、第1基板部21a1と第2基板部21a2と第3基板部21a3とが多段配置された状態でリジッド基板22(22G~22H)に隣接した位置に配置されている。
【0077】
第1基板部21a1には1つの耐圧抵抗26が実装され、第2基板部21a2には2つの耐圧抵抗26が実装され、第3基板部21a3には2つの耐圧抵抗26が実装される。なお、本変形例では、上記実施形態で説明した3つの耐圧抵抗26に加え、インピーダンス呼吸用に2つの耐圧抵抗26が追加されている。
【0078】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0079】
上記実施形態では、第1接続部及び第3接続部としての屈曲部21c、並びに、第2接続部としての屈曲部21bとして、フレキシブル基板21の一部を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、屈曲部21c及び屈曲部21bに代えて、リード線やジャンパ線等の配線を用いてもよい。この場合、第1基板部21a1、第2基板部21a2、第3基板部21a3として、フレキシブル基板21に代えて、リジッド基板を用いてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、絶縁部材23として、フレキシブル基板21に巻き付けられた耐高電圧シートを用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、絶縁性のあるビニールテープであってもよいし、絶縁性のある固体(例えば、絶縁板又は絶縁プレート)であってもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、耐圧抵抗26が電気的に接続され、かつ、電極パッド60に設けられた接点61に電気的に接続される接点として、バネ接点27を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、耐圧抵抗26が電気的に接続され、かつ、電極パッド60に設けられた接点61に電気的に接続される接点として、バネ接点27以外の通常の接点を用いてもよい。また、耐圧抵抗26と導電部25とを、バネ接点27によることなく、リード線等の配線を用いて電気的に接続してもよい。
【0082】
上記実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0083】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0084】
10…医用テレメータシステム、20…生体情報検出センサ、21、21A~21C…フレキシブル基板、22、22A~22H…リジッド基板、23…絶縁部材、24…筐体、25…導電部、26…耐圧抵抗、27…バネ接点、50…患者、L1、L2、L4~L6…空間距離、L3…沿面距離