(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】取付構造及びこれを備える歯車モータ
(51)【国際特許分類】
F16H 1/46 20060101AFI20220208BHJP
F16B 7/00 20060101ALI20220208BHJP
F16B 21/12 20060101ALI20220208BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
F16H1/46
F16B7/00 B
F16B21/12 K
H02K7/116
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017119664
(22)【出願日】2017-06-19
【審査請求日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】201610437931.7
(32)【優先日】2016-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジン ニン タ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ シン マオ
(72)【発明者】
【氏名】チウ メイ リ
(72)【発明者】
【氏名】ヂー チアン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ラン グイ シン
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-241175(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0029821(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/46
F16B 7/00
F16B 21/12
H02K 7/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ及び前記モータにモータ回転軸によって接続されてギアボックスを備える歯車モータで使用する取付構造であって、前記取付構造は、前記
ギアボックスの1つの構成部品を
前記歯車モータの別の構成部品に取り付けるように構成され、前記取付構造は、
前記1つの構成部品に形成された少なくとも1つの第1の穴と、
前記別の構成部品に形成された少なくとも1つの第2の穴であって、該第2の穴と前記第1の穴とは同軸に配置され、該第2の穴の直径は、前記第1の穴の直径よりも大きい又は小さい第2の穴と、
前記第1の穴及び前記第2の穴に係合した少なくとも1つの変形可能な拡張部材と、
を備え、
前記第1の穴及び前記第2の穴の一方での前記拡張部材の変形は、前記第1の穴及び前記第2の穴の他方でのそれよりも大きく、
前記拡張部材は、前記第1及び第2の穴の両方と締まりばめされ、前記拡張部材は、前記第1及び第2穴の他方に係合するよりも、前記第1及び第2穴の一方によりしっかり係合することを特徴とする取付構造。
【請求項2】
前記1つの構成部品は、前記第1の穴を定めた第1のリング形端部を備え、前記他方の構成部品は、前記第2の穴を定めた第2のリング形端部を備え、前記第1のリング形端部は前記第2のリング形端部に挿入され、前記第2の穴の前記直径は、前記第1の穴の前記直径よりも小さい又は大きい、請求項1に記載の取付構造。
【請求項3】
前記1つの構成部品及び前記他方の構成部品はそれぞれが前記ギアボックスの接続部材及び第1の内部リングギアであって、それぞれが前記取付構造を通して接続されており、前記接続部材は前記モータの前記モータ回転軸が通過することを許す中心穴を有する、請求項1
又は2に記載の取付構造。
【請求項4】
前記1つの構成部品及び前記他方の構成部品はそれぞれが前記ギアボックスの第1の内部リングギア及び第2の内部リングギアであり、前記第1の内部リングギア及び前記第2の内部リングギアは、前記モータの軸方向で重なり、前記第1の穴は、前記第1の内部リングギアのうち前記第2の内部リングギアと重なる区分に形成され、前記第2の穴は、前記第2の内部リングギアのうち前記第1の内部リングギアと重なる区分に形成され、前記第2の穴の直径は、前記第1の穴の直径よりも大きい又は小さい、請求項1に記載の取付構造。
【請求項5】
前記1つの構成部品及び前記他方の構成部品はそれぞれが前記ギアボックスの内部リングギア及び固定基部であり、前記固定基部は、前記モータの
前記モータ回転軸が通過することを許す中心穴を有し、前記内部リングギア及び前記固定基部は前記モータの軸方向で重なり、前記第1の穴は、前記内部リングギアのうち前記固定基部に重なる区分に形成され、前記第2の穴は、前記固定基部のうち前記内部リング
ギアに重なる区分に形成され、前記第2の穴の直径は、前記第1の穴の直径よりも大きい又は小さい、請求項1に記載の取付構造。
【請求項6】
前記拡張部材は、コイル状弾力ピン又はC形ピンである、請求項1に記載の取付構造。
【請求項7】
モータ及びギアボックスを備える歯車モータであって、前記ギアボックスは、
請求項1から
6の何れかの1つに記載された取付構造と、
前記モータの
前記モータ回転軸が通過することを許す中心穴を有しかつ前記モータの外側ハウジングに取り付けた接続部材と、
前記取付構造によって前記接続部材に取り付けた第1の遊星歯車列とを備える、ことを特徴とする歯車モータ。
【請求項8】
前記第1の遊星歯車列は、第1の太陽歯車、第1の内部リングギア、第1の遊星歯車組、及び第1のキャリアを含み、前記第1の太陽歯車は、前記モータの前記モータ回転軸に取り付け、前記第1の内部リングギアは、前記取付構造によって前記接続部材に取り付け、前記第1の遊星歯車組は複数の遊星歯車を含み、前記遊星歯車は、前記第1のキャリアに取り付けかつ前記第1の太陽歯車と前記第1の内部リングギアとの間に配置されて、前記第1の太陽歯車及び前記第1の内部リングギアに駆動的に噛み合い、前記第1のキャリアは、前記遊星歯車とともに回転する、請求項
7に記載の歯車モータ。
【請求項9】
前記ギアボックスは、第2の太陽歯車、第2の内部リングギア、第2の遊星歯車組、及び第2のキャリアを備える第2の遊星歯車列をさらに含み、前記第2の太陽歯車は、前記第1のキャリアのうち前記遊星歯車の反対側の側面に取り付けて前記第1のキャリアとともに回転し、前記第2の内部リングギアは、前記第1の内部リングギアのうち前記接続部材の反対側の端部に取り付け、前記第2の遊星歯車組は複数の遊星歯車を含み、前記第2の遊星歯車組の前記遊星歯車は、前記第2のキャリアに取り付けかつ前記第2の太陽歯車と前記第2の内部リングギアとの間に配置されて、前記第2の太陽歯車及び前記第2の内部リングギアに駆動的に噛み合い、前記第2の内部リングギアは、前記第1の内部リングギアのうち前記接続部材の反対側の端部に前記取付構造によって取り付ける、請求項
8に記載の歯車モータ。
【請求項10】
前記第2のキャリアのうち前記第2の遊星歯車組の前記遊星歯車の反対側の側面から軸接続部が延びて、前記歯車モータの出力軸につながりかつ前記出力軸を駆動して回転させ、前記軸接続部は、前記歯車モータの前記出力軸の一端をロックするために中心穴を有する、請求項
9に記載の歯車モータ。
【請求項11】
前記ギアボックスは、前記軸接続部の周りに取り付けた固定基部をさらに含み、前記固定基部は、前記第2の内部リングギアのうち前記第1の内部リングギアと反対側の一端に前記取付構造によって取り付ける、請求項
10に記載の歯車モータ。
【請求項12】
前記ギアボックスは、前記軸接続部と前記固定基部との間に取り付けたスリーブをさらに含み、前記スリーブは、前記第2のキャリア及び前記固定基部の両方に当接する基部を含み、前記軸接続部の端部に停止部分が形成され、前記停止部分は、停止部材と協働して前記モータの軸方向に沿った前記スリーブの移動を制限する、請求項
11に記載の歯車モータ。
【請求項13】
前記第1の穴及び前記第2の穴の一方は貫通穴であり、前記第1の穴及び前記第2の穴の他方は止まり穴である、請求項
7に記載の歯車モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002] 本発明は、歯車モータ、特に歯車モータ、及び歯車モータの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003] 歯車モータでは、モータにギアボックスを組み付け、モータの出力速度及び出力トルクは、速度変更歯車機構によって変更されて、負荷に適応することができる。例えば、車両の後部ドア用の開閉機構は、遊星歯車モータを利用して、回転速度を低下させ、モータのトルクを増加させて後部ドアをうまく開閉する。
【0003】
[0004] 今のところ、速度変更ギアボックスは、通常、取付板によってモータに取り付ける。取付板は、モータの外側ハウジングに取り付け、次いで、速度変更ギアボックスの様々な構成部品が、穴-ピン係合の形態とされた取付構造によって取付板に取り付けられる。しかしながら、既存のデザインの各係合穴はサイズが同じであり、それにより次の問題が生じ易い、すなわち係合穴同士が同軸に配置されずわずかに位置合わせ不良であれば、組立中に、ピンは簡単には穴に挿入することができず、それによりピンが変形することもあり、さらに、位置合わせ不良により、ピンは、歯車モータの使用中に穴から落下し易い。
【発明の概要】
【0004】
[0005] 1つの態様において、歯車モータで使用する取付構造が提供される。歯車モータは複数の構成部品を備える。取付構造は、歯車モータの1つの構成部品を別の構成部品に取り付けるように構成される。取付構造は、1つの構成部品に形成された少なくとも1つの第1の穴と、別の構成部品に形成された少なくとも1つの第2の穴であって、第2の穴と第1の穴とは同軸に配置され、第2の穴の直径は、第1の穴の直径よりも大きい又は小さい第2の穴と、第1の穴及び第2の穴に係合した少なくとも1つの変形可能な拡張部材と、を備える。
【0005】
[0006] 第1の穴及び第2の穴の一方での拡張部材の変形は、第1の穴及び第2の穴の他方でのそれよりも大きいことが好ましい。
【0006】
[0007] 1つの構成部品は、第1の穴を定めた第1のリング形端部を備え、他方の構成部品は、第2の穴を定めた第2のリング形端部を備え、第1のリング形の端部は、第2のリング形端部に挿入され、第2の穴の直径は、第1の穴の直径よりも小さい又は大きいことが好ましい。
【0007】
[0008] 拡張部材は、第1及び第2の穴の一方に締まりばめされ、第1及び第2穴の他方に締りばめ又は滑りばめされ、拡張部材は、第1及び第2穴の他方に係合するよりも、第1及び第2穴の一方によりしっかり係合することが好ましい。
【0008】
[0009] ギアボックスは接続部材を備え、接続部材は、モータのモータ回転軸が通過することを許す中心穴を備え、接続部材をモータのハウジングに取り付け、1つの構成部品は接続部材であり、他方の構成部品は内部リングギアであり、拡張部材は、接続部材に締まりばめされ、内部リングギアに滑りばめ又は締まりばめされることが好ましい。
【0009】
[0010] ギアボックスは、第1の内部リングギア及び第2の内部リングギアを含み、第1の内部リングギア及び第2の内部リングギアは、モータの軸方向で重なり、第1の穴は、第1の内部リングギアのうち第2の内部リングギアと重なる区分に形成され、第2の穴は、第2の内部リングギアのうち第1の内部リングギアと重なる区分に形成され、第2の穴の直径は第1の穴の直径よりも大きい又は小さいことが好ましい。
【0010】
[0011] ギアボックスは、固定基部及び内部リングギアを備え、固定基部は、モータのモータ回転軸が通過することを許す中心穴を有し、内部リングギア及び固定基部はモータの軸方向で重なり、第1の穴は、内部リングギアのうち固定基部に重なる区分に形成され、第2の穴は、固定基部のうち内部リングに重なる区分に形成され、第2の穴の直径は、第1の穴の直径よりも大きい又は小さいことが好ましい。
【0011】
[0012] 拡張部材はコイル状弾力ピンであることが好ましい。
【0012】
[0013] 拡張部材はC形ピンであることが好ましい。
【0013】
[0014] 別の態様において、モータ及びギアボックスを備える歯車モータが提供される。ギアボックスは、取付構造と、モータのモータ回転軸が通過することを許す中心穴を有しかつモータの外側ハウジングに取り付けた接続部材と、取付構造によって接続部材に取り付けた第1の遊星歯車列と、を備える。
【0014】
[0015] 第1の遊星歯車列は、第1の太陽歯車、第1の内部リングギア、第1の遊星歯車組、及び第1のキャリアを含み、第1の太陽歯車は、モータのモータ回転軸に取り付け、第1の内部リングギアは、取付構造によって接続部材に取り付け、第1の遊星歯車組は複数の遊星歯車を含み、遊星歯車は、第1のキャリアに取り付けかつ第1の太陽歯車と第1の内部リングギアとの間に配置されて、第1の太陽歯車及び第1の内部リングギアに駆動的に噛み合い、第1のキャリアは、遊星歯車とともに回転することが好ましい。
【0015】
[0016] ギアボックスは、第2の太陽歯車、第2の内部リングギア、第2の遊星歯車組、及び第2のキャリアを備える第2の遊星歯車列をさらに含み、第2の太陽歯車は、第1のキャリアのうち遊星歯車の反対側の側面に取り付けて第1のキャリアとともに回転し、第2の内部リングギアは、第1の内部リングギアのうち接続部材の反対側の端部に取り付け、第2の遊星歯車組は複数の遊星歯車を含み、第2の遊星歯車組の遊星歯車は、第2のキャリアに取り付けかつ第2の太陽歯車と第2の内部リングギアとの間に配置されて、第2の太陽歯車及び第2の内部リングギアに駆動的に噛み合い、第2の内部リングギアは、第1の内部リングギアのうち接続部材の反対側の端部に取付構造によって取り付けることが好ましい。
【0016】
[0017] 第2のキャリアのうち第2の遊星歯車組の遊星歯車の反対側の側面から軸接続部が延びて、歯車モータの出力軸につながりかつ出力軸を駆動して回転させ、軸接続部は、歯車モータの出力軸の一端をロックするために中心穴を有することが好ましい。
【0017】
[0018] ギアボックスは、軸接続部の周りに取り付けた固定基部をさらに含み、固定基部は、第2の内部リングギアのうち第1の内部リングギアと反対側の一端に取付構造によって取り付けることが好ましい。
【0018】
[0019] ギアボックスは、軸接続部と固定基部との間に取り付けたスリーブをさらに含み、スリーブは、第2のキャリア及び固定基部の両方に当接する基部を含むことが好ましい。
【0019】
[0020] 軸接続部の端部に停止部分が形成され、停止部分は、停止部材と協働してモータの軸方向に沿ったスリーブの移動を制限することが好ましい。
【0020】
[0021] 第1の穴及び第2の穴の一方は貫通穴であり、第1の穴及び第2の穴の他方は止まり穴であることが好ましい。
【0021】
[0022] 本発明の好ましい実施形態による歯車モータにおいて、第1及び第2の穴は直径が異なり、第1の穴及び第2の穴の一方での拡張部材の変形は、第1の穴及び第2の穴の他方でのそれよりも大きい。拡張部材は、第1及び第2の穴の一方に締まりばめされ、第1及び第2の穴の他方に締まりばめ又は滑りばめされ、拡張部材は、第1及び第2の穴の他方に係合するよりも第1及び第2の穴の一方によりしっかり係合する。この種の配列は、拡張部材の組付け時に、第1の穴及び第2の穴の同軸性を改善することができる。さらに、この種の配列により、歯車モータの組立中及び作動中に拡張部材が落下することを有効に防止できるだけでなく、組立プロセス中に、歯車モータ100の組付けの困難性並びに拡張部材の変形を小さくすることができる。
【0022】
[0023] 以下、本発明が、図面及び実施形態を参照してより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の1つの実施形態による歯車モータの斜視図である。
【
図3】
図1の歯車モータの、別の角度から見た分解組立図である。
【
図4】
図1の歯車モータをその線IV-IVに沿って取り出した断面図である。
【
図5】
図4の歯車モータの取付構造の拡大図である。
【
図6】別の実施形態による
図4の歯車モータの取付構造の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0030] 以下、本発明の実施形態が、図面を参照してより詳しく説明される。同様の構造又は機能を持つ要素は、説明の目的のために各図を通じて類似の参照数字で全般に表わす。各図は、限定ではなく例示であることに注目されたい。各図は、縮尺通りではなく、記載された実施形態のあらゆる態様を示すとは限らず、本開示の範囲を限定しない。
【0025】
[0031] ある構成部品が別の構成部品に「固定した」又は「取り付けた」又は「組み付けた」と説明するとき、それは、別の構成部品に直接固定することができ、又は中間の構成部品があっても良いことに注意されたい。ある構成部品が別の構成部品に「接続した」と説明するとき、それは、別の構成部品に直接接続することができ、又は中間の構成部品があっても良い。ある構成部品が別の構成部品に「配置した」と説明するとき、それは、別の構成部品に直接配置することができ、又は中間の構成部品があっても良い。
【0026】
[0032]
図1から
図4を参照して、本発明の1つの実施形態による歯車モータ100は、モータ1及びギアボックスを含む。例示した実施形態では、ギアボックスは遊星減速ギアボックス2である。遊星減速ギアボックス2は、モータ1の肩部分に締付けねじ3によって取り付けて遊星減速ギアボックス2をモータ1に取り付ける、接続部材21を含む。特に、例示した実施形態では、接続部材21のうちモータ1の肩部分と反対側の側面からボス211が延びている。ボス211を通って接続部材211の反対側の側面まで中心穴212が延びている。中心穴212は、モータ1のモータ回転軸11がそこを通過することを許す。中心穴212を取り囲んで複数の貫通穴213が配列される。貫通穴213は、モータ1の肩部分にある多数の穴と整列し、ねじボルトがそこを貫通し、モータ1の肩部分に接続されることを許す。代替実施形態では、接続部材21はボスを含まなくても良い。
【0027】
[0033] 遊星減速ギアボックス2は第1の遊星歯車列22及び第2の遊星歯車列23をさらに含む。第1の遊星歯車列22は、第1の太陽歯車221、第1の内部リングギア222、第1の遊星組223、及び第1のキャリア224を含む。第1の太陽歯車221は、モータ回転軸11に取り付け、接続部材21から突出し、モータ回転軸11とともに回転する。第1の内部リングギア222は、接続部材21に接続され、例示した実施形態では接続部材21と協働して、歯車モータ100の外側ハウジングの構成部品を形成する。特に、例示した実施形態では、第1の内部リングギア222のハウジングの一端は、接続部材21のボス211と軸方向で重なり、第1の内部リングギア222のハウジング及びボス211の両方は、円周方向で整列し、半径方向で互いに整列した複数の穴を定め、穴を拡張部材4aが貫通して、第1の内部リングギア222を接続部材21に取り付ける。より具体的には、例示した実施形態では、内部リングギア222の一端は、接続部材21のボス211の周りに取り付け、第1の内部リングギア222の端部の外周に沿って複数の貫通穴2221が定まり、貫通穴2221に対応してボス211の外周に沿って複数の穴2111が定まり、拡張部材4aは、貫通穴2221を通ってボス211の穴2111へ延び、貫通穴2221又は穴2111に締まりばめされる。代替実施形態では、接続部材21の一端は、第1の内部リングギア222の一端に配置され、接続部材21の端部及び第1の内部リングギア222の端部に対応する穴が形成され、拡張部材4aは、対応する穴へ挿入されて、接続部材21を第1の内部リングギア222に固定する。さらに別の実施形態では、接続部材21の一端及び第1の内部リングギア222の一端から複数の対応する突起が突出し、突起に穴が形成され、拡張部材4aは、対応する穴に挿入されて、接続部材21を第1の内部リングギア222に固定する。例示した実施形態では、拡張部材4aは、弾力ピンであり、より具体的にはコイル状ピンである。代替実施形態では、拡張部材4aは、鋼板から巻いたC形ピンとしても良い。従って、拡張部材4aは変形可能である。
【0028】
[0034] 第1の遊星歯車組223は、第1のキャリア224に取り付け、複数の遊星歯車2231を含む。例示した実施形態では、第1のキャリア224の側面から複数の車軸2241が延び、モータ1の軸方向と平行な方向でモータ1に対面する。各遊星歯車2231は、車軸2241の周りにそれぞれ取り付ける。遊星歯車2231は、第1の太陽歯車221と第1の内部リングギア222との間に収容され、第1の太陽歯車221及び第1の内部リングギア222の歯に各々噛み合っている。第1の遊星歯車列22は、らせん形の円筒歯車伝動装置を与えるように、すなわち第1の太陽歯車221、第1の内部リングギア222、及び遊星歯車2231の各々がはすば歯車であるように設計される。歯は、はすば歯車伝動装置内で徐々に係合し及び離脱し、それにより第1の遊星歯車列22の滑らかで安定した伝動が可能になり、しかも第1の遊星歯車列22によって作動中に発生する騒音が低下する。さらに、接続部材21及び遊星歯車2231の端面間に弾力ガスケット5aが配置され、それにより遊星歯車2231と接続部材21との間の摩擦が減り、ひいては第1の遊星歯車列22が作動中に発生する騒音が下がることができる。
【0029】
[0035] 第2の遊星歯車列23は、第2の太陽歯車231、第2の内部リングギア232、第2の遊星組233、及び第2のキャリア234を含む。第2の太陽歯車231は、第1のキャリア224のうち遊星歯車2231の反対側に取り付ける。特に、第1のキャ組リア224のうち遊星歯車2231の反対側の側面から車軸2242が延びている。第2の太陽歯車231は、車軸2242に取り付け、第1のキャリア224とともに回転する。第2の内部リングギア232は、第1の内部リングギア222に取り付け、例示した実施形態では、歯車モータ100の外側ハウジングの一部を形成する。特に、例示した実施形態では、第2の内部リングギア232のハウジングの一端は、第1の内部リングギア222のうち接続部材21の反対側の別の端部と軸方向で重なり、第2の内部リングギア232及び第1の内部リングギア222の両端が、円周方向に配列されかつ半径方向で互いに整列する複数の穴を定め、穴を拡張部材4bが貫通して、第2の内部リングギア232を第1の内部リングギア222に取り付ける。より具体的には、例示した実施形態では、第1の内部リングギア222の一端は、第2の内部リングギア232の一端の周りに取り付け、第1の内部リングギア222の端部の外周面に沿って、複数の貫通穴2222が定まり、貫通穴2222に対応して、第2の内部リングギア232端部の外側の円周に沿って、複数の穴2321が定まり、拡張部材4bは、貫通穴2222を通って穴2321内に延び、貫通穴2222又は穴2321に締まりばめされる。代替実施形態では、第2の内部リングギア232の一端は、第1の内部リングギア222のうち接続部材21と反対側の端部の周りに取り付けることができ、拡張部材は対応する穴に挿入されて、第1の内部リングギア222を第2の内部リングギア232に固定する。さらに別の実施形態では、複数の対応する突起が、第2の内部リングギア232の一端、及び第1の内部リングギア222のうち接続部材21と反対側の一端から突出し、突起に穴が形成され、拡張部材4bは、対応する穴に挿入されて、第1の内部リングギア222を第2の内部リングギア232に固定する。
【0030】
[0036] 第2の遊星歯車組233は、第2のキャリア234に取り付けられ、複数の遊星歯車2331を含む。例示した実施形態では、第2のキャリア234のうちモータ1と対面する側面から、複数の車軸2341がモータ1の軸方向と平行な方向に延びている。遊星歯車2331をそれぞれ車軸2341の周りに取り付ける。遊星歯車2331は、第2の太陽歯車231と第2の内部リングギア232との間に収容され、第2の太陽歯車231及び第2の内部リングギア232の歯に各々噛み合う。第2の遊星歯車列23は、平円筒歯車伝動装置を与えるように設計される。さらに、第1のキャリア224及び遊星歯車2331の端面間に弾力ガスケット5bが配置され、それにより遊星歯車2331と第1のキャリア224との間の摩擦が減り、ひいては第2の遊星歯車列によって作動中に発生する騒音が下がることができる。
【0031】
[0037] 第2のキャリア234のうち遊星歯車2331と反対側の側面から軸接続部2342が延び、歯車モータ100の出力軸(図示しない)につながる。例示した実施形態では、軸接続部2342は、中心穴2343を有する管状構造である。中心穴2343に内部リングギア2344が形成される。歯車モータ100の出力軸の一端は、内部リングギア2344と噛み合って第2のキャリア234とともに回転する。軸接続部2342の周りにスリーブ6を取り付け、スリーブ6の基部61と第2のキャリア234との間に弾力ガスケット5cを配置する。スリーブ6の周りに固定基部7をさらに取り付ける。固定基部7は、歯車モータ100の出力軸が通過することを許すために、中心穴71を有する。固定基部7は、第2の内部リングギア232に取り付け、例示した実施形態では、歯車モータ100のハウジングの一部を形成する。特に、例示した実施形態では、固定基部7の一端が、第2の内部リングギア232のうち第1の内部リングギア222の反対側の一端と軸方向で重なり、固定基部7及び第2の内部リングギア232の両端が、円周方向に配列されかつ互いに整列した複数の穴を定め、穴を拡張部材4cが貫通し、固定基部7を第2の内部リングギア232に取り付ける。より具体的には、例示した実施形態では、固定基部7の一端が第2の内部リングギア232に挿入されてスリーブ6の基部61に当接し、固定基部7の端部の外周面に沿って複数の穴72が定まり、穴72に対応して第2の内部リングギア232の端部の外周面に沿って複数の穴2322が定まり、拡張部材4cは、貫通穴2322を通って穴72に延び、貫通穴2322又は穴72に締まりばめされる。代替実施形態では、第2の内部リングギア232の一端は固定基部7に挿入することができ、固定基部7は、その内部に、スリーブ6の基部61に当接する段部を形成し、拡張部材4cは、対応する穴に挿入され、固定基部7を第2の内部リングギア232に固定する。さらに別の実施形態では、固定基部7の一端、及び第2の内部リングギア232のうち第1の内部リングギア222の反対側の一端から複数の対応する突起が突出し、突起に穴が形成され、拡張部材4cは、対応する穴に挿入されて固定基部7を第2の内部リングギア232に固定する。例示した実施形態では、軸接続部2342の遠位端の外周面に沿って停止部分2245が形成される。停止部分2245は、停止部材8と協働して歯車モータ100の軸方向に沿ったスリーブ6の移動を制限する。停止部材8とスリーブ6との間に弾力ガスケット5dがさらに配置される。
【0032】
[0038] 以上ではギアボックスは二段の速度減速機構、即ち第1の遊星歯車列22及び第2の遊星歯車列23を含むとして例示したが、本発明の実施形態のギアボックスは、より多い又はより少ない段の速度変更機構をさらに含んでも良いことを理解されたい。例えば、単段の速度変更機構の場合には、軸接続部は、歯車モータ10の出力軸につながるために第1のキャリア224のうちモータ1の反対側の側面から延びることができる。三段の速度変更機構の場合には、第3段の速度変更機構の歯車又は他の部品を取り付けるために、第2のキャリア234のうちモータ1と反対側の側面から車軸が延びることができる。
【0033】
[0039]
図5は、第1の内部リングギア222と接続部材21との間で使用される取付構造の拡大図である。貫通穴2221は、第1の内部リングギア222の端部の円周面に沿って定まる。穴2111は、接続部材21のボス211の外周面に沿って定まり、貫通穴2221に対応する。穴2111は、貫通穴又は止まり穴とすることができ、例示する実施形態では止まり穴である。貫通穴2221と穴2111とは同軸に配列され、貫通穴2221は、直径が穴2111よりも大きく、拡張部材4aは、穴2111に締まりばめされ、貫通穴2221に滑りばめされる。
図6を参照して、別の実施形態では、穴2111は、直径が貫通穴2221よりも大きく、拡張部材4aは、貫通穴2221に締まりばめされ、穴2111に滑りばめされる。上記穴に拡張部材4aを挿入する際、拡張部材42は変形し、穴2111及び2221の一方内での拡張部材の変形は、穴2111及び2221の他方内でのそれよりも大きい。1つのタイプの穴は、拡張部材4aと堅く締まりばめするように設計される一方、別のタイプの穴は、拡張部材4aとわずかに締まりばめ又は滑りばめするように設計される。この種の配置は、穴2111及び2221の同軸性を改善することができる。さらに、この種の配列により、歯車モータ100の組立中及び作動中に拡張部材4aが落下することを有効に防止できるだけでなく、組立プロセス中に、歯車モータ100の組付けの困難性並びに拡張部材4aの変形を小さくすることができる。
【0034】
[0040] 穴2111、2321、72は第1の穴と呼ぶことができる一方、穴2221、2222、2322は第2の穴と呼ぶことができる。代わりに、穴2111、2321、72は第2の穴と呼ぶことができる一方、穴2221、2222、2322は第1の穴と呼ぶことができる。
【0035】
[0041] 以上では、第1の内部リングギア222と接続部材21との間の取付構造だけが詳細に説明されるが、第1の内部リングギア222と第2の内部リングギア232との間、及び第2の内部リングギア232と固定基部7との間に、同じ又は同様の取付構造を使用できることを理解されたい。異なる又は同様でない取付構造を使用することができ、本発明は、取付構造をいかなる特定の形態に制限することも意図しないこともさらに理解されたい。
【0036】
[0042] 本発明が1つ以上の実施形態を参照して説明されるが、実施形態の上記説明は、当業者が本発明を実施又は使用可能とするためだけに用いる。本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、当業者によって様々な修正が可能であることを認識されたい。本明細書に例示した実施形態は、本発明の制限として解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、以下に続く請求項を参照することによって決定される。
【符号の説明】
【0037】
1 モータ
2 ギアボックス
3 締付けねじ
6 スリーブ
7 固定基部
8 停止部材
11 回転軸
21 接続部材
22 第1の遊星歯車列
23 第2の遊星歯車列
100 歯車モータ
221 第1の太陽歯車
222 第1の内部リングギア
224 第1のキャリア
231 第2の態様歯車
232 第2の内部リングギア
234 第2のキャリア
2231 遊星歯車
2242 車軸
2331 遊星歯車
2342 軸接続部