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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】バーナ
(51)【国際特許分類】
   F23N 5/12 20060101AFI20220208BHJP
   F23D 14/16 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
F23N5/12 Z
F23D14/16 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017148204
(22)【出願日】2017-07-31
(65)【公開番号】P2019027693
(43)【公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴大
【審査官】長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-034436(JP,U)
【文献】特開2014-009840(JP,A)
【文献】実開昭57-183449(JP,U)
【文献】実開平01-088112(JP,U)
【文献】実開昭62-024256(JP,U)
【文献】特開2013-050245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 5/12
F23D 14/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合気が噴出する燃焼板部と、燃焼板部の一部に対向するフレームロッドとを備えるバーナであって、燃焼板部は、額縁状のバーナ枠と、バーナ枠で囲われる開口部を覆う金属繊維製ニットと、バーナ枠との間に金属繊維製ニットを挟む、多数の分布孔が形成された分布板とで構成され、混合気が分布孔と金属繊維製ニットとを介して開口部から噴出するようにしたものにおいて、
バーナ枠の一部に、混合気が噴出する炎孔が形成され、バーナ枠の炎孔が形成された部分に対向するようにフレームロッドが配置され、
バーナ枠の炎孔が形成された部分に重なる金属繊維製ニットの部分に切欠き部が形成されることを特徴とするバーナ。
【請求項2】
混合気が噴出する燃焼板部と、燃焼板部の一部に対向するフレームロッドとを備えるバーナであって、燃焼板部は、額縁状のバーナ枠と、バーナ枠で囲われる開口部を覆う金属繊維製ニットと、バーナ枠との間に金属繊維製ニットを挟む、多数の分布孔が形成された分布板とで構成され、混合気が分布孔と金属繊維製ニットとを介して開口部から噴出するようにしたものにおいて、
バーナ枠の一部に、開口部内に張出す張出し部が設けられ、この張出し部に混合気が噴出する炎孔が形成され、バーナ枠の炎孔が形成された部分である張出し部の炎孔が形成された部分に対向するようにフレームロッドが配置されることを特徴とするバーナ。
【請求項3】
請求項2記載のバーナであって、前記バーナ枠に取付けられるバーナ枠とは別部品で前記張出し部を構成することを特徴とするバーナ。
【請求項4】
前記フレームロッドに、前記バーナ枠の前記炎孔が形成された部分に対向する本体部分と、本体部分から前記開口部の内方にのびる延長部分とが設けられ、延長部分は、本体部分よりも前記燃焼板部から離れていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項記載のバーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合気が噴出する燃焼板部と、燃焼板部の一部に対向するフレームロッドとを備えるバーナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のバーナにおいて、燃焼板部を、額縁状のバーナ枠と、バーナ枠で囲われる開口部を覆う金属繊維製ニットと、バーナ枠との間に金属繊維製ニットを挟む、多数の分布孔が形成された分布板とで構成し、混合気が分布孔と金属繊維製ニットとを介して開口部から噴出するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、フレームロッドは、バーナ枠で囲われる開口部の一部、即ち、金属繊維製ニットの一部に対向するように配置されている。
【0003】
ここで、フレームロッドを金属繊維製ニットに近付けた場合、金属繊維製ニットのほつれた繊維がフレームロッドに触れて、火炎の誤検知を生ずる可能性がある。そこで、フレームロッドは、金属繊維製ニットからある程度離して配置している。然し、これでは、弱燃焼で火炎長がかなり短くなった場合、火炎がフレームロッドに触れず、失火したと誤判断されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-9839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、フレームロッドを燃焼板部に近付けて、火炎の検知精度を向上できるようにしたバーナを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、混合気が噴出する燃焼板部と、燃焼板部の一部に対向するフレームロッドとを備えるバーナであって、燃焼板部は、額縁状のバーナ枠と、バーナ枠で囲われる開口部を覆う金属繊維製ニットと、バーナ枠との間に金属繊維製ニットを挟む、多数の分布孔が形成された分布板とで構成され、混合気が分布孔と金属繊維製ニットとを介して開口部から噴出するようにしたものにおいて、バーナ枠の一部に、混合気が噴出する炎孔が形成され、バーナ枠の炎孔が形成された部分に対向するようにフレームロッドが配置され、バーナ枠の炎孔が形成された部分に重なる金属繊維製ニットの部分に切欠き部が形成されることを第1の特徴とし、また、バーナ枠の一部に、開口部内に張出す張出し部が設けられ、この張出し部に混合気が噴出する炎孔が形成され、バーナ枠の炎孔が形成された部分である張出し部の炎孔が形成された部分に対向するようにフレームロッドが配置されることを第2の特徴とする。
【0007】
本発明によれば、フレームロッドに対向する燃焼板部の部分がバーナ枠になるため、フレームロッドを燃焼板部にかなり近付けても、金属繊維製ニットのほつれ繊維がフレームロッドに触れることはない。従って、弱燃焼で火炎長が短くなっても、バーナ枠に形成した炎孔上に形成される火炎がフレームロッドに触れ、火炎の検知精度を向上させることができる。
【0009】
また、上述した本発明の第2の特徴である、開口部内に張出す張出し部は、かなり高温になる。そのため、バーナ枠に取付けられるバーナ枠とは別部品で張出し部を構成することが望ましい。これによれば、バーナ枠全体を耐熱性の高い材料で形成しなくても、張出し部を構成する別部品のみを耐熱性の高い材料で形成して、コストダウンを図ることができる。
【0010】
また、フレームロッドに、バーナ枠の炎孔が形成された部分に対向する本体部分と、本体部分から開口部の内方にのびる延長部分とが設けられ、延長部分は、本体部分よりも燃焼板部から離れていることが望ましい。これによれば、強燃焼時に、バーナ枠の炎孔上に形成される火炎がリフトしてフレームロッドの本体部分に触れなくなっても、開口部内の金属繊維製ニット上に形成される火炎がフレームロッドの延長部分に触れ、火炎の検知精度を確保できる。尚、フレームロッドの延長部分は、燃焼板部、即ち、金属繊維製ニットから比較的大きく離れるため、ほつれ繊維が延長部分に触れることはない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態のバーナの燃焼板部を示す平面図。
図2図1のII-II線で切断した断面図。
図3図1の燃焼板部の分解状態の斜視図。
図4】第2実施形態のバーナの燃焼板部を示す平面図。
図5図4のV-V線で切断した断面図。
図6】第3実施形態のバーナの燃焼板部を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態のバーナは、混合気が供給される図示省略した上向きに開口する箱形のバーナボディの上面を覆う図1乃至図3に示す燃焼板部1を備えている。この燃焼板部1は、額縁状のバーナ枠2と、バーナ枠2で囲われる開口部3を下方から覆う金属繊維製ニット4と、バーナ枠2との間に金属繊維製ニット4を挟む、スリット状の分布孔51が多数形成された分布板5とで構成されている。また、燃焼板部1の一部に対向するようにフレームロッド6が配置されている。尚、開口部3は、前後方向(図1の上下方向)に沿う断面形状が円弧状に湾曲しており、同様に金属繊維製ニット4及び分布板5も前後方向に沿う断面形状が円弧状に湾曲している。
【0013】
バーナ枠2は、開口部3と同一面上に位置する開口周縁部21と、開口周縁部21から下方に屈曲した側板部22と、側板部22の下端から外方に張出すフランジ部23とを有している。そして、バーナ枠2をフランジ部23においてバーナボディの上面外周部に固定する。また、金属繊維製ニット4の下に分布板5を重ねた状態で金属繊維製ニット4及び分布板5の周縁部を開口周縁部21にスポット溶接で固定している。
【0014】
バーナ枠2の開口周縁部21の一部には、混合気が噴出する炎孔24が形成されている。フレームロッド6は、開口周縁部21の炎孔24が形成された部分に対向するように配置されている。また、開口周縁部21の炎孔24が形成された部分に重なる金属繊維製ニット4の部分には切欠き部41が形成されている。そのため、混合気は、金属繊維製ニット4を介することなく、炎孔24から噴出する。尚、切欠き部41を省略して、混合気が金属繊維製ニット4を介して炎孔24から噴出するようにしてもよい。
【0015】
また、本実施形態では、フレームロッド6に、バーナ枠2の炎孔24が形成された部分に対向する本体部分61と、本体部分61から開口部3の内方にのびて金属繊維製ニット4に対向する延長部分62とが設けられている。延長部分62は、本体部分61よりも燃焼板部1から離れている。
【0016】
以上の構成によれば、フレームロッド6に対向する燃焼板部1の部分がバーナ枠2になるため、本体部分61を燃焼板部1にかなり近付けても、金属繊維製ニット4のほつれ繊維が本体部分61に触れることはない。従って、弱燃焼で火炎長が短くなっても、炎孔24上に形成される火炎が本体部分61に触れ、火炎の検知精度を向上させることができる。
【0017】
また、強燃焼時に、炎孔24上に形成される火炎がリフトしてフレームロッド6の本体部分61に触れなくなっても、開口部3内の金属繊維製ニット4上に形成される火炎がフレームロッド6の延長部分62に触れ、火炎の検知精度を確保できる。尚、延長部分62は、燃焼板部1、即ち、金属繊維製ニット4から比較的大きく離れるため、ほつれ繊維が延長部分62に触れることはない。
【0018】
次に、図4図5に示す第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、バーナ枠2の直線状にのびる開口周縁部21の部分に炎孔24を形成しているが、第2実施形態では、開口周縁部21の一部に、開口部3内に張出す張出し部25を設けて、この張出し部25に炎孔24を形成している。そして、炎孔24を形成した部分である張出し部25に対向するようにフレームロッド6を配置している。フレームロッド6には、張出し部25に対向する本体部分61と、本体部分61から上方にオフセットして開口部3の内方にのびる延長部分62とが設けられている。第2実施形態のものでも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0019】
尚、第2実施形態では、張出し部25をバーナ枠2に一体成形しているが、図6に示す第3実施形態の如く、バーナ枠2に取付けられるバーナ枠2とは別部品26で張出し部25を構成してもよい。ここで、張出し部25は、開口部3内に張出す関係で、かなり高温になる。第2実施形態のものでは、張出し部25の耐熱性を確保するために、バーナ枠2全体を耐熱性の高い材料で形成することが必要になり、コストが高くなる。これに対し、第3実施形態のものでは、張出し部25を構成する別部品26のみを耐熱性の高い材料で形成すれば済み、コストダウンを図ることができる。
【0020】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、フレームロッド6は、上記実施形態の延長部分62を有しないものであってもよい。また、上記実施形態では、燃焼板部1を混合気が上方に噴出するように上向きとしているが、燃焼板部を下向きや横向きとするバーナにも同様に本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0021】
1…燃焼板部、2…バーナ枠、24…炎孔、25…張出し部、26…別部品、3…開口部、4…金属繊維製ニット、5…分布板、51…分布孔、6…フレームロッド、61…本体部分、62…延長部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6