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特許7020895作業機械の制御システム、方法、及び作業機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】作業機械の制御システム、方法、及び作業機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/85 20060101AFI20220208BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220208BHJP
【FI】
E02F3/85 D
G05D1/02 H
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2017239774
(22)【出願日】2017-12-14
(65)【公開番号】P2019105120
(43)【公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 志尚
(72)【発明者】
【氏名】久禮 一樹
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0153717(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0076223(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0277957(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0076222(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0180547(US,A1)
【文献】特開2001-303620(JP,A)
【文献】特開平10-088612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20-9/22
E02F 3/42-3/43
E02F 3/84-3/85
G05D 1/00-1/12
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機を有する作業機械の制御システムであって、
コントローラを備え、
前記コントローラは、
現況地形を示す現況地形データを取得し、
前記現況地形に基づいて、前記作業機の目標軌跡を示す目標設計地形を決定し、
前記目標設計地形に従って前記現況地形を掘削するように前記作業機を動作させる指令信号を生成し、
掘削された現況地形を示す掘削地形データを取得し、
前記掘削された現況地形に基づき、前記目標設計地形を上方に移動させるように前記目標設計地形を修正する、
作業機械の制御システム。
【請求項2】
前記掘削地形データは、前記掘削された現況地形の深さを示し、
前記コントローラは、
前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いかを判定し、
前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いときには、前記目標設計地形を上方に移動させるように前記目標設計地形を修正する、
請求項1に記載の作業機械の制御システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いときには、前記掘削された現況地形の深さに応じて、前記目標設計地形を上方に移動させるように前記目標設計地形を修正する、
請求項2に記載の作業機械の制御システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いときには、前記掘削された現況地形と接するように前記目標設計地形を修正する、
請求項2に記載の作業機械の制御システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いときには、前記掘削された現況地形の最下点以上の位置を通るように前記目標設計地形を修正する、
請求項2に記載の作業機械の制御システム。
【請求項6】
前記コントローラは、重力方向において、前記掘削された現況地形と前記目標設計地形との間の距離が所定の閾値以上であるときに、前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いと判定する、
請求項2に記載の作業機械の制御システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記目標設計地形の法線方向において、前記掘削された現況地形と前記目標設計地形との間の距離が所定の閾値以上であるときに、前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いと判定する、
請求項2に記載の作業機械の制御システム。
【請求項8】
前記コントローラは、今回の掘削終了位置又は前回の掘削開始位置と、前記掘削された現況地形の最下点との間で前記目標設計地形から最も離れている位置において、前記掘削された現況地形と前記目標設計地形との間の距離が所定の閾値以上であるときに、前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いと判定する、
請求項2に記載の作業機械の制御システム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記掘削された現況地形の最下点と掘削終了位置との間で、前記目標設計地形よりも上方に位置する部分の前記目標設計地形に沿った距離が、所定の閾値以上であるときに、前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いと判定する、
請求項2に記載の作業機械の制御システム。
【請求項10】
作業機を有する作業機械を制御するためにコントローラによって実行される方法であって、
作業対象の現況地形を示す現況地形データを取得することと、
前記現況地形に基づいて、前記作業機の目標軌跡を示す目標設計地形を決定することと、
前記目標設計地形に従って前記現況地形を掘削するように前記作業機を動作させる指令信号を生成することと、
掘削された現況地形を示す掘削地形データを取得することと、
前記掘削された現況地形に基づき、前記目標設計地形を上方に移動させるように前記目標設計地形を修正すること、
を備える方法。
【請求項11】
前記掘削地形データは、前記掘削された現況地形の深さを示し、
前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いかを判定することと、
前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いときには、前記目標設計地形を上方に移動させるように前記目標設計地形を修正すること、
をさらに備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いときには、前記掘削された現況地形の深さに応じて、前記目標設計地形を上方に移動させるように前記目標設計地形が修正される、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いときには、前記掘削された現況地形と接するように前記目標設計地形が修正される、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いときには、前記掘削された現況地形の最下点以上の位置を通るように前記目標設計地形が修正される、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
重力方向において、前記掘削された現況地形と前記目標設計地形との間の距離が所定の閾値以上であるときに、前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いと判定される、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記目標設計地形の法線方向において、前記掘削された現況地形と前記目標設計地形との間の距離が所定の閾値以上であるときに、前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いと判定される、
請求項11に記載の方法。
【請求項17】
作業機と、
前記作業機を制御するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
作業対象の現況地形を示す現況地形データを取得し、
前記現況地形に基づいて、前記作業機の目標軌跡を示す目標設計地形を決定し、
前記目標設計地形に従って前記現況地形を掘削するように前記作業機を動作させる指令信号を生成し、
掘削された現況地形を示す掘削地形データを取得し、
前記掘削された現況地形に基づき、前記目標設計地形を上方に移動させるように前記目標設計地形を修正する、
作業機械。
【請求項18】
前記掘削地形データは、前記掘削された現況地形の深さを示し、
前記コントローラは、
前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いかを判定し、
前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いときには、前記目標設計地形を上方に移動させるように前記目標設計地形を修正する、
請求項17に記載の作業機械。
【請求項19】
前記コントローラは、前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いときには、前記掘削された現況地形の深さに応じて、前記目標設計地形を上方に移動させるように前記目標設計地形を修正する、
請求項17に記載の作業機械。
【請求項20】
前記コントローラは、前記掘削された現況地形の深さが前記目標設計地形よりも浅いときには、前記掘削された現況地形と接するように前記目標設計地形を修正する、
請求項17に記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の制御システム、方法、及び作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブルドーザ、或いはグレーダ等の作業機械において、効率的に作業するため、作業機械を自動的に制御するシステムが提案されている。例えば、特許文献1では、コントローラが、作業現場での作業機の動くべき目標プロファイルを作業サイトの地形などから予め設定し、その目標プロファイルに沿って作業機を動作させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8639393号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のシステムによれば、経験の浅いオペレータでも、効率的な作業を行うことができる。しかし、従来のシステムでは、作業機が必ずしも目標プロファイルに沿って動作できるとは限らない。例えば、土の硬さや、作業機械の機械能力などの影響で、作業機が目標プロファイルまで到達できないことがある。その場合、作業機によって実際に掘削された地形が、目標プロファイルから離れてしまう。そして、そのまま作業が継続されると、地形に凹凸を作り出してしまうことで、作業品質の低下を招いてしまう。或いは、作業効率が低下してしまう。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、作業機を有する作業機械の制御システムであって、コントローラを備える。コントローラは、以下の処理を実行するようにプログラムされている。コントローラは、作業対象の現況地形を示す現況地形データを取得する。コントローラは、現況地形に基づいて、目標設計地形を決定する。目標設計地形は、作業機の目標軌跡を示す。コントローラは、目標設計地形に従って現況地形を掘削するように作業機を動作させる指令信号を生成する。コントローラは、掘削された現況地形を示す掘削地形データを取得する。コントローラは、掘削された現況地形に基づき、目標設計地形を上方に移動させるように目標設計地形を修正する。
【0007】
第2の態様は、作業機を有する作業機械を制御するためにコントローラによって実行される方法であって、以下の処理を備える。第1の処理は、作業対象の現況地形を示す現況地形データを取得することである。第2の処理は、現況地形に基づいて、作業機の目標軌跡を示す目標設計地形を決定することとである。第3の処理は、目標設計地形に従って現況地形を掘削するように作業機を動作させる指令信号を生成することである。第4の処理は、掘削された現況地形を示す掘削地形データを取得することである。第5の処理は、掘削された現況地形に基づき、目標設計地形を上方に移動させるように目標設計地形を修正することである。
【0008】
第3の態様は、作業機械であって、作業機とコントローラとを備える。コントローラは、以下の処理を実行するようにプログラムされている。コントローラは、作業対象の現況地形を示す現況地形データを取得する。コントローラは、現況地形に基づいて、目標設計地形を決定する。目標設計地形は、作業機の目標軌跡を示す。コントローラは、目標設計地形に従って現況地形を掘削するように作業機を動作させる指令信号を生成する。コントローラは、掘削された現況地形を示す掘削地形データを取得する。コントローラは、掘削された現況地形に基づき、目標設計地形を上方に移動させるように目標設計地形を修正する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、掘削された現況地形に基づき、目標設計地形を上方に移動させるように目標設計地形が修正される。従って、土の硬さや、作業機械の機械能力などの影響で、作業機が、当初設定された目標設計地形まで到達できないときには、目標設計地形の位置が上方に修正される。それにより、目標設計地形に従って作業機を精度良く動作させることができる。その結果、作業品質の低下、及び、作業効率の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る作業機械を示す側面図である。
図2】作業機械の駆動系と制御システムとの構成を示すブロック図である。
図3】作業機械の構成を示す模式図である。
図4】作業機械の自動制御の処理を示すフローチャートである。
図5】最終設計地形、現況地形、及び目標設計地形の一例を示す図である。
図6】作業機械の自動制御の処理を示すフローチャートである。
図7】掘削された現況地形の判定方法の一例を示す図である。
図8】修正された目標設計地形の一例を示す図である。
図9】制御システムの第1変形例に係る構成を示すブロック図である。
図10】制御システムの第2変形例に係る構成を示すブロック図である。
図11】修正された目標設計地形の他の例を示す図である。
図12】掘削された現況地形の判定方法の第1変形例を示す図である。
図13】掘削された現況地形の判定方法の第2変形例を示す図である。
図14】掘削された現況地形の判定方法の第3変形例を示す図である。
図15】掘削された現況地形の判定方法、及び、目標設計地形の修正方法の他の例を示す図である。
図16】目標設計地形の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る作業機械について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る作業機械1を示す側面図である。本実施形態に係る作業機械1は、ブルドーザである。作業機械1は、車体11と、走行装置12と、作業機13と、を備えている。
【0012】
車体11は、運転室14とエンジン室15とを有する。運転室14には、図示しない運転席が配置されている。エンジン室15は、運転室14の前方に配置されている。走行装置12は、車体11の下部に取り付けられている。走行装置12は、左右一対の履帯16を有している。なお、図1では、左側の履帯16のみが図示されている。履帯16が回転することによって、作業機械1が走行する。
【0013】
作業機13は、車体11に取り付けられている。作業機13は、リフトフレーム17と、ブレード18と、リフトシリンダ19と、を有する。
【0014】
リフトフレーム17は、車幅方向に延びる軸線Xを中心として上下に動作可能に車体11に取り付けられている。リフトフレーム17は、ブレード18を支持している。ブレード18は、車体11の前方に配置されている。ブレード18は、リフトフレーム17の上下動に伴って上下に移動する。リフトフレーム17は、走行装置12に取り付けられてもよい。
【0015】
リフトシリンダ19は、車体11とリフトフレーム17とに連結されている。リフトシリンダ19が伸縮することによって、リフトフレーム17は、軸線Xを中心として上下に回転する。
【0016】
図2は、作業機械1の駆動系2と制御システム3との構成を示すブロック図である。図2に示すように、駆動系2は、エンジン22と、油圧ポンプ23と、動力伝達装置24と、を備えている。
【0017】
油圧ポンプ23は、エンジン22によって駆動され、作動油を吐出する。油圧ポンプ23から吐出された作動油は、リフトシリンダ19に供給される。なお、図2では、1つの油圧ポンプ23が図示されているが、複数の油圧ポンプが設けられてもよい。
【0018】
動力伝達装置24は、エンジン22の駆動力を走行装置12に伝達する。動力伝達装置24は、例えば、HST(Hydro Static Transmission)であってもよい。或いは、動力伝達装置24は、例えば、トルクコンバーター、或いは複数の変速ギアを有するトランスミッションであってもよい。
【0019】
制御システム3は、入力装置25と、コントローラ26と、記憶装置28と、制御弁27とを備える。入力装置25は、運転室14に配置されている。入力装置25は、後述する作業機械1の自動制御の設定を行うための装置である。入力装置25は、オペレータによる操作を受け付け、操作に応じた操作信号を出力する。入力装置25の操作信号は、コントローラ26に出力される。入力装置25は、例えば、タッチパネル式のディスプレイを含む。ただし、入力装置25は、タッチパネルに限らず、ハードウェアキーを含んでもよい。入力装置25は、作業機械1から離れた場所(例えば、コントロールセンタ)に配置されてもよい。オペレータは、コントロールセンタにある入力装置25から無線通信を介して作業機械1を操作してもよい。
【0020】
コントローラ26は、取得したデータに基づいて作業機械1を制御するようにプログラムされている。コントローラ26は、例えばCPU等の処理装置(プロセッサ)を含む。コントローラ26は、入力装置25から操作信号を取得する。なお、コントローラ26は、一体に限らず、複数のコントローラに分かれていてもよい。コントローラ26は、走行装置12、或いは動力伝達装置24を制御することで、作業機械1を走行させる。コントローラ26は、制御弁27を制御することで、ブレード18を上下に移動させる。
【0021】
制御弁27は、比例制御弁であり、コントローラ26からの指令信号によって制御される。制御弁27は、リフトシリンダ19などの油圧アクチュエータと、油圧ポンプ23との間に配置される。制御弁27は、油圧ポンプ23からリフトシリンダ19に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ26は、ブレード18が動作するように、制御弁27への指令信号を生成する。これにより、リフトシリンダ19が制御される。なお、制御弁27は、圧力比例制御弁であってもよい。或いは、制御弁27は、電磁比例制御弁であってもよい。
【0022】
制御システム3は、作業機センサ29を備える。作業機センサ29は、作業機の位置を検出し、作業機の位置を示す作業機位置信号を出力する。作業機センサ29は、作業機13の変位を検出する変位センサであってもよい。詳細には、作業機センサ29は、リフトシリンダ19のストローク長さ(以下、「リフトシリンダ長L」という。)を検出する。図3に示すように、コントローラ26は、リフトシリンダ長Lに基づいてブレード18のリフト角θliftを算出する。図3は、作業機械1の構成を示す模式図である。作業機センサ29は、作業機13の回転角度を直接検出する回転センサであってもよい。
【0023】
図3では、作業機13の基準位置が二点鎖線で示されている。作業機13の基準位置は、水平な地面上でブレード18の刃先が地面に接触した状態でのブレード18の位置である。リフト角θliftは、作業機13の基準位置からの角度である。
【0024】
図2に示すように、制御システム3は、位置センサ31を備えている。位置センサ31は、作業機械1の位置を測定する。位置センサ31は、GNSS(Global Navigation Satellite System)レシーバ32と、IMU(Inertial Measurement Unit) 33と、を備える。GNSSレシーバ32は、例えばGPS(Global Positioning System)用の受信機である。例えばGNSSレシーバ32のアンテナは、運転室14上に配置される。GNSSレシーバ32は、衛星より測位信号を受信し、測位信号によりアンテナの位置を演算して車体位置データを生成する。コントローラ26は、GNSSレシーバ32から車体位置データを取得する。コントローラ26は、車体位置データにより、作業機械1の進行方向と車速とを得る。車体位置データは、アンテナ位置のデータでなくてもよい。車体位置データは、作業機械1内、或いは、作業機械1の周辺において、アンテナとの位置関係が固定されている任意の場所の位置を示すデータであってもよい。
【0025】
IMU 33は、慣性計測装置(Inertial Measurement Unit)である。IMU 33は、車体傾斜角データを取得する。車体傾斜角データは、車両前後方向の水平に対する角度(ピッチ角)、および車両横方向の水平に対する角度(ロール角)を含む。コントローラ26は、IMU 33から車体傾斜角データを取得する。
【0026】
コントローラ26は、リフトシリンダ長Lと、車体位置データと、車体傾斜角データとから、刃先位置P0を演算する。図3に示すように、コントローラ26は、車体位置データに基づいて、GNSSレシーバ32のグローバル座標を算出する。コントローラ26は、リフトシリンダ長Lに基づいて、リフト角θliftを算出する。コントローラ26は、リフト角θliftと車体寸法データに基づいて、GNSSレシーバ32に対する刃先位置P0のローカル座標を算出する。車体寸法データは、記憶装置28に記憶されており、GNSSレシーバ32に対する作業機13の位置を示す。コントローラ26は、GNSSレシーバ32のグローバル座標と刃先位置P0のローカル座標と車体傾斜角データとに基づいて、刃先位置P0のグローバル座標を算出する。コントローラ26は、刃先位置P0のグローバル座標を刃先位置データとして取得する。
【0027】
制御システム3は、動力伝達装置24の出力を計測する出力センサ34を備える。動力伝達装置24が油圧モータを含むHSTの場合には、出力センサ34は、油圧モータの駆動油圧を検出する圧力センサであってもよい。出力センサ34は、油圧モータの出力回転速度を検出する回転センサであってもよい。動力伝達装置24がトルクコンバーターを有する場合には、出力センサ34は、トルクコンバーターの出力回転速度を検出する回転センサであってもよい。出力センサ34の検出値を示す検出信号は、コントローラ26に出力される。
【0028】
記憶装置28は、例えばメモリーと補助記憶装置とを含む。記憶装置28は、例えば、RAM、或いはROMなどであってもよい。記憶装置28は、半導体メモリ、或いはハードディスクなどであってもよい。記憶装置28は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置28は、プロセッサによって実行可能であり作業機械1を制御するためのコンピュータ指令を記録している。
【0029】
記憶装置28は、設計地形データと作業現場地形データとを記憶している。設計地形データは、最終設計地形を示す。最終設計地形は、作業現場の表面の最終的な目標形状である。設計地形データは、例えば、三次元データ形式の土木施工図である。作業現場地形データは、作業現場の広域の地形を示す。作業現場地形データは、例えば、三次元データ形式の現況地形測量図である。作業現場地形データは、例えば、航空レーザ測量で得ることができる。
【0030】
コントローラ26は、現況地形データを取得する。現況地形データは、作業現場の現況地形を示す。作業現場の現況地形は、作業機械1の進行方向に沿う領域の地形である。現況地形データは、作業現場地形データと上述の位置センサ31から得られる作業機械1の位置と進行方向とからコントローラ26での演算により取得される。
【0031】
コントローラ26は、現況地形データと、設計地形データと、刃先位置データとに基づいて、作業機13を自動的に制御する。なお、作業機13の自動制御は、オペレータによる手動操作と合わせて行われる半自動制御であってもよい。或いは、作業機13の自動制御は、オペレータによる手動操作無しで行われる完全自動制御であってもよい。作業機械1の走行は、コントローラによって自動的に制御されてもよい。例えば、作業機械1の走行制御は、オペレータによる手動操作無しで行われる完全自動制御であってもよい。或いは、走行制御は、オペレータによる手動操作と合わせて行われる半自動制御であってもよい。或いは、作業機械1の走行は、オペレータによる手動操作によって行われてもよい。
【0032】
以下、コントローラ26によって実行される、掘削における作業機械1の自動制御について説明する。図4及び図6は、自動制御の処理を示すフローチャートである。
【0033】
図4に示すように、ステップS101では、コントローラ26は、現在位置データを取得する。ここでは、コントローラ26は、上述したように、ブレード18の現在の刃先位置P0を取得する。
【0034】
ステップS102では、コントローラ26は、設計地形データを取得する。図5に示すように、設計地形データは、作業機械1の進行方向において、複数の参照点Pn(n=0,1,2,3,...,A)での最終設計地形60の高さZdesignを含む。複数の参照点Pnは、作業機械1の進行方向に沿う所定間隔ごとの複数地点を示す。複数の参照点Pnは、ブレード18の進行パス上にある。なお、図5では、最終設計地形60は、水平方向に平行な平坦な形状であるが、これと異なる形状であってもよい。
【0035】
ステップS103では、コントローラ26は、現況地形データを取得する。コントローラ26は、記憶装置28より得られる作業現場地形データと、位置センサ31より得られる車体の位置データ及び進行方向データから演算により、現況地形データを取得する。
【0036】
現況地形データは、作業機械1の進行方向に位置する地形を示す情報である。図5は、現況地形50の断面を示す。なお、図5において、縦軸は、地形の高さを示しており、横軸は、作業機械1の進行方向における現在位置からの距離を示している。
【0037】
詳細には、現況地形データは、作業機械1の進行方向において、現在位置から所定の地形認識距離dAまでの複数の参照点Pnでの現況地形50の高さZnを含む。本実施形態において、現在位置は、作業機械1の現在の刃先位置P0に基づいて定められる位置である。ただし、現在位置は、作業機械1の他の部分の現在位置に基づいて定められてもよい。複数の参照点は、所定間隔、例えば1mごとに並んでいる。
【0038】
ステップS104では、コントローラ26は、目標設計地形データを決定する。目標設計地形データは、図5に破線で記載された目標設計地形70を示す。目標設計地形70は、作業におけるブレード18の刃先の望まれる軌跡を示す。目標設計地形70は、作業対象である地形の目標プロファイルであり、掘削作業の結果として望まれる形状を示す。
【0039】
図5に示すように、コントローラ26は、少なくとも一部が、現況地形50よりも下方に位置する目標設計地形70を決定する。例えば、コントローラ26は、水平方向に対して所定角度で傾斜した目標設計地形70を決定する。所定角度は、オペレータによって設定されてもよい。或いは、コントローラ26が、所定角度を自動的に決定してもよい。
【0040】
なお、コントローラ26は、最終設計地形60を下方に越えないように、目標設計地形70を決定する。従って、コントローラ26は、掘削作業時には、最終設計地形60以上、且つ、現況地形50より下方に位置する目標設計地形70を決定する。
【0041】
ステップS105では、コントローラ26は、目標設計地形70に向ってブレード18を制御する。ここでは、コントローラ26は、ステップS104で作成した目標設計地形70に向ってブレード18の刃先位置が移動するように、作業機13への指令信号を生成する。生成された指令信号は、制御弁27に入力される。それにより、作業機13の刃先位置P0が目標設計地形70に向かって移動する。
【0042】
ステップS106では、コントローラ26は、作業現場地形データを更新する。コントローラ26は、刃先位置P0の最新の軌跡を示す位置データによって作業現場地形データを更新する。或いは、コントローラ26は、車体位置データと車体寸法データとから履帯16の底面の位置を算出し、履帯16の底面の軌跡を示す位置データによって作業現場地形データを更新してもよい。この場合、作業現場地形データの更新は即時に行うことができる。
【0043】
或いは、作業現場地形データは、作業機械1の外部の測量装置によって計測された測量データから生成されてもよい。外部の測量装置として、例えば、航空レーザ測量を用いてよい。或いは、カメラによって現況地形50を撮影し、カメラによって得られた画像データから作業現場地形データが生成されてもよい。例えば、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)による空撮測量を用いてよい。外部の測量装置又はカメラの場合、作業現場地形データの更新は、所定周期ごと、あるいは随時に行われてもよい。
【0044】
図6に示すように、ステップS107では、コントローラ26は、掘削された現況地形50の深さを取得する。掘削された現況地形50の深さは、掘削された現況地形50を示す掘削地形データの一例である。コントローラ26は、ステップS108において更新された作業現場地形データから、掘削された現況地形50の深さを取得する。言い換えれば、コントローラ26は、更新された現況地形データから掘削された現況地形50の深さを取得する。
【0045】
ステップS108では、コントローラ26は、掘削された現況地形50の深さが目標設計地形70よりも浅いかを判定する。例えば、図7に示すように、コントローラ26は、重力方向において、掘削された現況地形50aと目標設計地形70との間の距離D1が所定の閾値以上であるときに、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いと判定する。すなわち、コントローラ26は、重力方向において、掘削された現況地形50aの底(最下点B1)と目標設計地形70との間の距離D1が所定の閾値以上であるときに、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いと判定する。
【0046】
所定の閾値は、記憶装置28に保存されており、掘削された現況地形50aが目標設計地形70から離れていると見なせる程度の値が予め設定されている。所定の閾値は、固定値であってもよい。或いは、所定の閾値は、変更可能であってもよい。
【0047】
ステップS108において、コントローラ26が、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いと判定したときには、処理はステップS109に進む。ステップS109では、コントローラ26は、目標設計地形70を上方に移動させるように、目標設計地形70を修正する。コントローラ26は、掘削された現況地形50aの深さに応じて、目標設計地形70を上方に移動させるように目標設計地形70を修正する。
【0048】
詳細には、図8に示すように、コントローラ26は、掘削された現況地形50aと接するように目標設計地形70を修正する。図8において、「70’」は修正前の目標設計地形70を示し、「70」は修正後の目標設計地形70を示している。なお、コントローラ26は、目標設計地形70を重力方向に移動させることで、目標設計地形70を修正してもよい。或いは、コントローラ26は、目標設計地形70を目標設計地形70の法線方向に移動させることで、目標設計地形70を修正してもよい。
【0049】
目標設計地形70が修正されると、コントローラ26は、修正された目標設計地形70に従ってブレード18を制御する。その後、処理はステップS101に戻る。コントローラ26は、更新された作業現場地形データを基に現況地形50を更新し、更新された現況地形50に基づいて、目標設計地形70を新たに決定する。そして、コントローラ26は、新たに決定された目標設計地形70に沿って、ブレード18を制御する。このような処理が繰り返されることにより、現況地形50が最終設計地形60に近づくように、掘削が行われる。
【0050】
以上説明した、本実施形態に係る作業機械1の制御システム3によれば、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いときには、目標設計地形70を上方に移動させるように目標設計地形70が修正される。従って、土の硬さや、作業機械1の機械能力などの影響で、作業機13が、当初設定された目標設計地形70まで到達できないときには、目標設計地形70の位置が上方に修正される。それにより、目標設計地形70に従って作業機13を精度良く動作させることができる。その結果、作業品質の低下、及び、作業効率の低下を抑えることができる。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0052】
作業機械1は、ブルドーザに限らず、ホイールローダ、モータグレーダ、油圧ショベル等の他の作業機械であってもよい。
【0053】
作業機械1は、遠隔操縦可能であってもよい。その場合、制御システム3の一部は、作業機械1の外部に配置されてもよい。例えば、コントローラ26は、作業機械1の外部に配置されてもよい。コントローラ26は、作業現場から離れたコントロールセンタ内に配置されてもよい。その場合、作業機械1は、運転室14を備えない作業機械であってもよい。
【0054】
作業機械1は、電動モータで駆動される作業機械であってもよい。その場合、電源は作業機械1の外部に配置されてもよい。電源が外部から供給される作業機械1は、内燃エンジン22及びエンジン室を備えない作業機械であってよい。
【0055】
コントローラ26は、互いに別体の複数のコントローラ26を有してもよい。例えば、図9に示すように、コントローラ26は、作業機械1の外部に配置されるリモートコントローラ261と、作業機械1に搭載される車載コントローラ262とを含んでもよい。リモートコントローラ261と車載コントローラ262とは通信装置38,39を介して無線により通信可能であってもよい。そして、上述したコントローラ26の機能の一部がリモートコントローラ261によって実行され、残りの機能が車載コントローラ262によって実行されてもよい。例えば、目標設計地形70を決定する処理がリモートコントローラ261によって実行され、作業機13への指令信号を出力する処理が車載コントローラ262によって実行されてもよい。
【0056】
入力装置25は、作業機械1の外部に配置されてもよい。その場合、運転室は、作業機械1から省略されてもよい。或いは、入力装置25が作業機械1から省略されてもよい。入力装置25は、走行装置12及び/又は作業機13を操作するための操作レバー、ペダル、或いはスイッチ等の操作子を含んでもよい。入力装置25の操作に応じて、作業機械1の前進及び後進などの走行が制御されてもよい。入力装置25の操作に応じて、作業機13の上昇及び下降などの動作が制御されてもよい。
【0057】
現況地形50は、上述した位置センサ31に限らず、他の装置によって取得されてもよい。例えば、図10に示すように、外部の装置からのデータを受け付けるインターフェ-ス装置37によって現況地形50が取得されてもよい。インターフェ-ス装置37は、外部の計測装置41が計測した現況地形50データを無線によって受信してもよい。或いは、インターフェ-ス装置37は、記録媒体の読み取り装置であって、外部の計測装置41が計測した現況地形50データを記録媒体を介して受け付けてもよい。
【0058】
目標設計地形70の修正方法は、上記の実施形態のものに限らず変更されてもよい。例えば、図11に示すように、コントローラ26は、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いときに、掘削された現況地形50aの最下点B1以上の位置を通るように目標設計地形70を修正してもよい。図11では、掘削された現況地形50aの最下点B1より上方の位置を通るように目標設計地形70が修正されている。しかし、掘削された現況地形50aの最下点B1と同じ高さを通るように目標設計地形70が修正されてもよい。すなわち、掘削された現況地形50aの最下点B1を通るように目標設計地形70が修正されてもよい。
【0059】
なお、最下点B1は、図11に示すように、重力方向において掘削された現況地形50aの最も下方に位置する地点であってもよい。或いは、最下点B1は、目標設計地形70の法線方向において、掘削された現況地形50aの最も近くに位置する地点(図8の接点B2)であってもよい。
【0060】
上記の実施形態では、コントローラ26は、重力方向において掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いかを判定している。しかし、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いと判定するための方法は、上記の実施形態のものに限らず変更されてもよい。
【0061】
例えば、図12は、判定方法の第1変形例を示す図である。図12に示すように、コントローラ26は、目標設計地形70の法線方向において、掘削された現況地形50aと目標設計地形70との間の距離D2が所定の閾値以上であるときに、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いと判定してもよい。
【0062】
図13は、判定方法の第2変形例を示す図である。図13に示すように、コントローラ26は、今回の掘削終了位置又は前回の掘削開始位置と、掘削された現況地形50aの最下点B1との間で目標設計地形70から最も離れている位置において、掘削された現況地形50aと目標設計地形70との間の距離D3が所定の閾値以上であるときに、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いと判定してもよい。
【0063】
掘削開始位置、及び/又は、掘削終了位置は、入力装置25によって設定されてもよい。掘削開始位置、及び/又は、掘削終了位置は、コントローラ26によって自動的に決定されてもよい。例えば、掘削開始位置、及び/又は、掘削終了位置は、作業機械1の機械性能に応じて決定されてもよい。或いは、掘削開始位置は、入力装置25によって設定された掘削終了位置から、所定距離、離れた位置であってもよい。或いは、掘削開始位置は、入力装置25によって設定された掘削開始位置から、所定距離、離れた位置であってもよい。
【0064】
図14は、判定方法の第3変形例を示す図である。図14に示すように、コントローラ26は、今回の掘削終了位置又は前回の掘削開始位置と、掘削された現況地形50aの最下点B1との間で、目標設計地形70よりも上方に位置する部分の目標設計地形70に沿った距離D4が、所定の閾値以上であるときに、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いと判定してもよい。
【0065】
上記の実施形態では、重力方向、或いは目標設計地形70の法線方向において、コントローラ26は、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いかを判定している。しかし、コントローラは、図15に示すように、掘削前の現況地形50の近似直線80の法線方向において、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いかを判定してもよい。また、コントローラは、掘削前の現況地形50の近似直線80の法線方向に目標設計地形70を移動させることで、目標設計地形70を修正してもよい。
【0066】
目標設計地形70は、上記の実施形態のように、水平方向に対して傾斜したものに限らず、変更されてもよい。例えば、目標設計地形70は、現況地形50を鉛直方向に所定距離、変位させたものであってもよい。図16に示すように、目標設計地形70は、水平方向に対して平行であってもよい。
【0067】
なお、図16では、コントローラ26は、重力方向において、掘削された現況地形50aの底(最下点B1)と当初の目標設計地形70’との間の距離D5が所定の閾値以上であるときに、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いと判定する。コントローラ26は、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いと判定したときには、当初の目標設計地形70’を上方に移動させるように、目標設計地形70を修正する。
【0068】
上記の実施形態では、掘削地形データは、掘削された現況地形50の深さを示しているが、掘削された現況地形50を示す他のパラメータを示すデータであってもよい。例えば、掘削地形データは、掘削された現況地形50の形状を示すデータであってもよい。コントローラ26は、掘削前の現況地形50と掘削された現況地形50との差を演算して、その差から、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いかを判定してもよい。或いは、コントローラ26は、掘削された現況地形50aの深さが目標設計地形70よりも浅いかを判定しなくてもよい。例えば、コントローラ26は、掘削された現況地形50に合うように、目標設計地形70を修正してもよい。
【0069】
コントローラ26は、上述した目標設計面に従った作業機13の制御と並行して、負荷制御を実行してもよい。負荷制御では、コントローラ26は、作業機13の負荷が所定の負荷閾値以上であるかを判定する。コントローラ26は、作業機13の負荷が所定の負荷閾値以上となったときに、作業機13を上昇させる。詳細には、コントローラ26は、作業機械の牽引力を取得し、牽引力を作業機13の負荷と見なして、判定を行う。
【0070】
コントローラ26は、出力センサ34の検出値から牽引力を算出する。作業機械1の動力伝達装置24がHSTの場合、コントローラ26は、油圧モータの駆動油圧と油圧モータの回転速度とから牽引力を算出することができる。
【0071】
動力伝達装置24がトルクコンバーターとトランスミッションとを有する場合には、コントローラ26は、トルクコンバーターの出力回転速度から牽引力を算出することができる。詳細には、コントローラ26は、以下の(1)式から牽引力を算出する。
F=k×T×R/(L×Z) (1)
ここで、Fは牽引力、kは定数、Tはトランスミッション入力トルク、Rは減速比、Lは履帯リンクピッチ、Zはスプロケット歯数を示す。入力トルクTは、トルクコンバーターの出力回転速度を基に演算される。ただし、牽引力の検出方法は上述したものに限らず、他の方法により検出されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によれば、目標設計地形に従って作業機を精度良く動作させることができる。それにより、作業品質の低下、及び、作業効率の低下を抑えることができる。
【符号の説明】
【0073】
3 制御システム
13 作業機
26 コントローラ
50 現況地形
70 目標設計地形
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16