(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220208BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F9/00 513
(21)【出願番号】P 2017251918
(22)【出願日】2017-12-27
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】504204926
【氏名又は名称】加賀電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西川 千津子
(72)【発明者】
【氏名】森田 浩章
(72)【発明者】
【氏名】奥山 泰介
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-186530(JP,A)
【文献】特開2005-111050(JP,A)
【文献】特開2006-087648(JP,A)
【文献】特開2016-200870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A63F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム機と情報通信可能に接続された管理装置であって、
プレイが開始された前記ゲーム機を識別する第1ゲーム機識別情報、当該プレイの開始時刻を示す第1時刻情報、および、当該プレイするために課金または入金した利用者を識別する利用者識別情報を含む開始情報と、景品の払い出しを行ったゲーム機を識別する第2ゲーム機識別情報、および、当該景品の払い出し時を示す第2時刻情報を含む景品情報と、を取得する取得部と、
取得した前記開始情報および前記景品情報を記憶する記憶部と、
所定の景品情報に含まれる第2ゲーム機識別情報と同一の前記ゲーム機を示す前記第1ゲーム機識別情報を含むとともに、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報よりも早い時刻であって当該第2時刻情報に最も近い時刻を示す前記第1時刻情報を含む前記開始情報を選択する選択部と、
選択された前記開始情報に含まれる前記第1時刻情報から、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報までの時間差が第1待ち時間以内であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部において前記第1時刻情報から前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内と判定された場合、前記選択された開始情報に含まれる前記利用者識別情報と、前記所定の景品情報とを紐付けする紐付け部と、
が設けられていることを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記紐付け部は、
前記判定部において前記第1時刻情報から前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内と判定された場合、前記選択された開始情報に前記景品の払い出しをしたこと示す取得情報を紐付けすることを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【請求項3】
前記紐付け部は、
前記開始情報に含まれる前記第1時刻情報で示される時刻から演算処理の時刻までの時間差が、前記第1待ち時間よりも長い不取得閾値以上である場合には、当該開始情報に前記景品が取得できなかったことを示す不取得情報を紐付けすることを特徴とする請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項4】
所定の第1ゲーム機識別情報および所定の第1時刻情報を含む所定の開始情報、および、他の第1ゲーム機
識別情報および他の第1時刻情報を含む他の開始情報が前記記憶部に記憶され、
前記紐付け部は、前記所定の第1ゲーム機識別情報、および、前記他の第1ゲーム機識別情報が同一の前記ゲーム機を示すとともに、前記所定の第1時刻情報は、前記他の第1時刻情報よりも早い時刻を示す場合であり、かつ、前記所定の開始情報および前記他の開始情報の間に前記景品情報が存在しない場合には、
前記所定の開始情報に前記景品が取得できなかったことを示す不取得情報を紐付けすることを特徴とする請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項5】
前記開始情報には、前記プレイするために課金または入金した金額の情報である金額情報が更に含まれ、
前記不取得情報が紐付けされた前記開始情報に含まれる前記金額情報、および、前記利用者識別情報に基づいて、前記利用者識別情報ごとに前記景品が取得できなかったプレイにおける課金または入金した金額の合計である合計額を算出する集計部と、
算出された前記合計額が、予め定められた所定金額以上か否かを比較する比較部と、
前記合計額が、前記所定金額以上の場合には通知を行う不取得通知部と、が更に設けら
れていることを特徴とする請求項3または4に記載の管理装置。
【請求項6】
所定の開始情報に含まれる前記第1ゲーム機識別情報と同一の前記ゲーム機を示す前記第2ゲーム機識別情報を含む前記景品情報であって、前記所定の開始情報に含まれる第1時刻情報で示される時刻から前記第2時刻情報で示される時刻までの時間差が前記第1待ち時間を超える場合には、
異常の発生を通知する異常通知部が更に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記利用者識別情報は、前記利用者が課金または入金に用いた電子マネー媒体から取得した当該電子マネー媒体を識別する媒体識別情報であることを特徴とする請求項1から
6のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記利用者識別情報は、前記利用者が利用する記憶媒体から取得した当該記憶媒体を識別する媒体識別情報であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項9】
ゲーム機との間を情報通信可能に接続された管理装置による管理方法であって、
プレイが開始された前記ゲーム機を識別する第1ゲーム機識別情報、当該プレイの開始時刻を示す第1時刻情報、および、当該プレイするために課金または入金した利用者を識別する利用者識別情報を含む開始情報と、景品の払い出しを行ったゲーム機を識別する第2ゲーム機識別情報、および、当該景品の払い出し時を示す第2時刻情報を含む景品情報と、を取得する取得ステップと、
取得した前記開始情報および前記景品情報を記憶する記憶ステップと、
所定の景品情報に含まれる第2ゲーム機識別情報と同一の前記ゲーム機を示す前記第1ゲーム機識別情報を含むとともに、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報よりも早い時刻であって当該第2時刻情報に最も近い時刻を示す前記第1時刻情報を含む前記開始情報を選択する選択ステップと、
選択された前記開始情報に含まれる前記第1時刻情報から、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定
ステップにおいて前記第1時刻情報から前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内と判定された場合、前記選択された開始情報に含まれる前記利用者識別情報を、前記所定の景品情報に紐付けする紐付けステップと、
を有することを特徴とする管理方法。
【請求項10】
ゲーム機との間を情報通信可能に接続されたコンピュータに、
プレイが開始された前記ゲーム機を識別する第1ゲーム機識別情報、当該プレイの開始時刻を示す第1時刻情報、および、当該プレイするために課金または入金した利用者を識別する利用者識別情報を含む開始情報と、景品の払い出しを行ったゲーム機を識別する第2ゲーム機識別情報、および、当該景品の払い出し時を示す第2時刻情報を含む景品情報と、を取得する取得機能と、
取得した前記開始情報および前記景品情報を記憶する記憶機能と、
所定の景品情報に含まれる第2ゲーム機識別情報と同一の前記ゲーム機を示す前記第1ゲーム機識別情報を含むとともに、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報よりも早い時刻であって当該第2時刻情報に最も近い時刻を示す前記第1時刻情報を含む前記開始情報を選択する選択機能と、
選択された前記開始情報に含まれる前記第1時刻情報から、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内であるか否かを判定する判定機能と、
前記判定
機能において前記第1時刻情報から前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内と判定された場合、前記選択された開始情報に含まれる前記利用者識別情報を、前記所定の景品情報に紐付けする紐付け機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲームに代表される景品の取得が伴うゲーム機において、ゲーム機の中の景品の在庫管理や、景品の人気度を把握する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に記載された人気景品情報取得システムでは、景品に景品情報が記憶されたRFIDを付し、ゲーム機のクレーンと景品出口のそれぞれに景品情報を読み取るRFIDリーダを設け、ゲーム機の利用者を識別する情報を送信する手段を更に設けている技術が開示されている。ゲーム機は景品情報や利用者を識別する情報をログ情報として在庫管理サーバに送信している。このログ情報により、利用者ごとのゲーム機利用状況(例えば景品取得状況)を把握することができる。
【0005】
特許文献1に記載された技術では、1つのログ情報に景品の取得に関する情報と、利用者を識別する情報とが含まれていることを前提とすることにより、利用者ごとの景品取得状況を把握している。そのため、このようなログ情報を送信できないゲーム機では、利用者ごとの景品取得状況を把握することが困難になるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、利用者ごとのゲーム機利用状況の把握を容易にすることができる管理装置、管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の第1の態様に係る管理装置は、ゲーム機と情報通信可能に接続された管理装置であって、プレイが開始された前記ゲーム機を識別する第1ゲーム機識別情報、当該プレイの開始時刻を示す第1時刻情報、および、当該プレイするために課金または入金した利用者を識別する利用者識別情報を含む開始情報と、景品の払い出しを行ったゲーム機を識別する第2ゲーム機識別情報、および、当該景品の払い出し時を示す第2時刻情報を含む景品情報と、を取得する取得部と、取得した前記開始情報および前記景品情報を記憶する記憶部と、所定の景品情報に含まれる第2ゲーム機識別情報と同一の前記ゲーム機を示す前記第1ゲーム機識別情報を含むとともに、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報よりも早い時刻であって当該第2時刻情報に最も近い時刻を示す前記第1時刻情報を含む前記開始情報を選択する選択部と、選択された前記開始情報に含まれる前記第1時刻情報から、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内であるか否かを判定する判定部と、前記判定部において前記第1時刻情報から前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内と判定された場合、前記選択された開始情報に含まれる前記利用者識別情報と、前記所定の景品情報とを紐付けする紐付け部と、が設けられていることを特徴とする。
【0008】
上記発明の第1の態様において記紐付け部は、前記判定部において前記第1時刻情報から前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内と判定された場合、前記選択された開始情報に前記景品の払い出しをしたこと示す取得情報を紐付けすることが好ましい。
【0009】
本発明の第2の態様に係る管理方法は、ゲーム機との間を情報通信可能に接続された管理装置による管理方法であって、プレイが開始された前記ゲーム機を識別する第1ゲーム機識別情報、当該プレイの開始時刻を示す第1時刻情報、および、当該プレイするために課金または入金した利用者を識別する利用者識別情報を含む開始情報と、景品の払い出しを行ったゲーム機を識別する第2ゲーム機識別情報、および、当該景品の払い出し時を示す第2時刻情報を含む景品情報と、を取得する取得ステップと、取得した前記開始情報および前記景品情報を記憶する記憶ステップと、所定の景品情報に含まれる第2ゲーム機識別情報と同一の前記ゲーム機を示す前記第1ゲーム機識別情報を含むとともに、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報よりも早い時刻であって当該第2時刻情報に最も近い時刻を示す前記第1時刻情報を含む前記開始情報を選択する選択ステップと、選択された前記開始情報に含まれる前記第1時刻情報から、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定部において前記第1時刻情報から前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内と判定された場合、前記選択された開始情報に含まれる前記利用者識別情報を、前記所定の景品情報に紐付けする紐付けステップと、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、ゲーム機との間を情報通信可能に接続されたコンピュータに、プレイが開始された前記ゲーム機を識別する第1ゲーム機識別情報、当該プレイの開始時刻を示す第1時刻情報、および、当該プレイするために課金または入金した利用者を識別する利用者識別情報を含む開始情報と、景品の払い出しを行ったゲーム機を識別する第2ゲーム機識別情報、および、当該景品の払い出し時を示す第2時刻情報を含む景品情報と、を取得する取得機能と、取得した前記開始情報および前記景品情報を記憶する記憶機能と、所定の景品情報に含まれる第2ゲーム機識別情報と同一の前記ゲーム機を示す前記第1ゲーム機識別情報を含むとともに、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報よりも早い時刻であって当該第2時刻情報に最も近い時刻を示す前記第1時刻情報を含む前記開始情報を選択する選択機能と、選択された前記開始情報に含まれる前記第1時刻情報から、前記所定の景品情報に含まれる前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内であるか否かを判定する判定機能と、前記判定部において前記第1時刻情報から前記第2時刻情報までの時間が第1待ち時間以内と判定された場合、前記選択された開始情報に含まれる前記利用者識別情報を、前記所定の景品情報に紐付けする紐付け機能と、を実現させることを特徴とする。
【0011】
本発明の第1の態様に係る管理装置、第2の態様に係る管理方法、および、第3の態様に係るプログラムによれば、同一のゲーム機の識別情報を有する開始情報および景品情報であって、景品情報に時刻的に最も近く、かつ、開始情報から景品情報までの時間が第1待ち時間以内の開始情報に含まれる利用者識別情報と景品情報とを紐付けする。そのため、管理装置に入力された景品情報に利用者識別情報が含まれていない場合であっても、景品を取得したと推定される利用者を識別する利用者識別情報と当該景品情報とを紐付けすることが可能となる。
【0012】
上記発明の第1の態様において前記紐付け部は、前記開始情報に含まれる前記第1時刻情報で示される時刻から演算処理の時刻までの時間差が、前記第1待ち時間よりも長い不取得閾値以上である場合には、当該開始情報に前記景品が取得できなかったことを示す不取得情報を紐付けする構成が好ましい。
【0013】
このように、第1時刻情報で示される時刻から演算処理の時刻までの時間差が、第1待ち時間よりも長い不取得閾値以上である場合には、当該第1時刻情報を含む開始情報に景品が取得できなかったことを示す情報が紐付けされる。そのため、開始情報に対応するプレイによって景品が取得できたか否か不明な状況の発生を抑制することができる。
【0014】
上記発明の第1の態様においては、所定の第1ゲーム機識別情報および所定の第1時刻情報を含む所定の開始情報、および、他の第1ゲーム機情報および他の第1時刻情報を含む他の開始情報が前記記憶部に記憶され、前記紐付け部は、前記所定の第1ゲーム機識別情報、および、前記他の第1ゲーム機識別情報が同一の前記ゲーム機を示すとともに、前記所定の第1時刻情報は、前記他の第1時刻情報よりも早い時刻を示す場合であり、かつ、前記所定の開始情報および前記他の開始情報の間に前記景品情報が存在しない場合には、前記所定の開始情報に前記景品が取得できなかったことを示す不取得情報を紐付けする構成が好ましい。
【0015】
このように、同じゲーム機に関する所定の開始情報および他の開始情報の間に景品情報が存在しない場合、言い換えると、所定の開始情報が取得された後、景品情報が取得される前に他の開始情報が取得された場合には、所定の開始情報に景品が取得できなかったことを示す情報が紐付けされる。そのため、開始情報に対応するプレイによって景品が取得できたか否か不明な状況の発生を抑制することができる。
【0016】
上記構成において前記開始情報には、前記プレイするために課金または入金した金額の情報である金額情報が更に含まれ、前記不取得情報が紐付けされた前記開始情報に含まれる前記金額情報、および、前記利用者識別情報に基づいて、前記利用者識別情報ごとに前記景品が取得できなかったプレイにおける課金または入金した金額の合計である合計額を算出する集計部と、算出された前記合計額が、予め定められた所定金額以上か否かを比較する比較部と、前記合計額が、前記所定金額以上の場合には通知を行う不取得通知部と、が更に設けられていることが好ましい。
【0017】
このように利用者識別情報ごとに景品が取れていないプレイに関する金額の合計が所定金額以上になった場合には、通知を行うことができる。当該通知を行うことにより、例えば、景品を取得できなかった利用者に対して景品を進呈するなどのサービスを行うことができる。また、景品が取れていないプレイの回数により上述のサービスを行う場合と比較して、利用者の納得が大きくなりやすい。
【0018】
上記発明の第1の態様において所定の開始情報に含まれる前記第1ゲーム機識別情報と同一の前記ゲーム機を示す前記第2ゲーム機識別情報を含む前記景品情報であって、前記所定の開始情報に含まれる第1時刻情報で示される時刻から前記第2時刻情報で示される時刻までの時間差が前記第1待ち時間以上の場合には、異常の発生を通知する通知部が更に設けられていることが好ましい。
【0019】
このように所定の開始情報から始まる第1待ち時間以上を経過しても、所定の開始情報と同一のゲーム機から景品の取得を示す景品情報が入力されない場合には、異常の発生が通知される。上述の場合としては、例えば、ゲーム機との間の情報通信に異常が発生した場合や、景品を不正に取得した場合等が考えられる。このような場合を検知して異常として通知することが可能となり、プレイによって景品が取得できたか否か不明な状況の発生を抑制することができる。
【0020】
上記発明の第1の態様において前記利用者識別情報は、前記利用者が課金または入金に用いた電子マネー媒体から取得した当該電子マネー媒体を識別する媒体識別情報であることが好ましい。
【0021】
このように利用者識別情報として電子マネー媒体を識別する媒体識別情報を用いることにより、例えば、電子マネー媒体を用いた課金または入金の際の処理により利用者識別情報を取得することが可能となる。
【0022】
上記発明の第1の態様において前記利用者識別情報は、前記利用者が利用する記憶媒体から取得した当該記憶媒体を識別する媒体識別情報であることが好ましい。
【0023】
このように利用者識別情報として利用者が利用する記憶媒体、例えば利用者の会員番号が記憶された記憶媒体から取得した媒体識別情報を用いることにより、例えば、現金やコインなどを用いて課金または入金する場合であっても、利用者識別情報を取得することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の管理装置、管理方法およびプログラムによれば、同一のゲーム機の識別情報を有する開始情報および景品情報であって、景品情報に時刻的に最も近く、かつ、開始情報から景品情報までの時間が第1待ち時間以内の開始情報に含まれる利用者識別情報と景品情報とを紐付けするため、利用者ごとのゲーム機利用状況の把握を容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る管理システムの構成を説明する模式図である。
【
図2】
図2の決済端末、収集端末および売上管理サーバの構成を説明する模式図である。
【
図3】
図2の売上管理サーバにおける売上明細データおよび景品払い出しデータの取得処理を説明するフローチャートである。
【
図4】取得された売上明細データおよび景品払い出しデータが記憶部に記憶された状態を説明する図である。
【
図5】
図2の売上管理サーバにおける紐付け処理を説明するフローチャートである。
【
図6】
図2の売上管理サーバにおける紐付け処理を説明するフローチャートである。
【
図7】景品払い出しデータとカード情報とを紐付けした状態を説明する図である。
【
図8】景品払い出しデータと不取得情報とを紐付けした状態を説明する図である。
【
図9】
図2の売上管理サーバにおける不取得処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この発明の一実施形態に係る管理システム1について、
図1から
図9を参照しながら説明する。本実施形態では、管理システム1をクレーンゲームに代表される景品の取得が伴うゲーム機10に対して用いた例に適用して説明する。
【0027】
管理システム1には、
図1に示すように、ゲーム機10と、決済端末11と、収集端末12と、外部のデータセンタなどに設置される電子マネー管理サーバ31及び売上管理サーバ(管理装置)32と、ユーザ端末41と、が主に設けられている。
【0028】
ゲーム機10は、ゲームセンタ等の店舗に複数設置されるものや、複数のゲームセンタ等に単独で設置されるものである。ゲーム機10は、収集端末12から出力されるゲーム
のプレイ開始を指示するためのパルス信号に基づいてプレイを開始するものである。また、ゲーム機10は、プレイの結果に応じて景品が払い出しされた場合には、景品の払い出しを示す払い出し信号を出力するものでもある。
【0029】
さらに、ゲーム機10には投入されたコインを識別するコインメックが設けられている。コインメックはコインが投入されたことを示すとともに、投入されたコインの種類を示すパルス信号を出力するものである。
【0030】
決済端末11は、ゲーム機10に対応付けされるものである。決済端末11は、プレイヤ(利用者)の電子マネーカード(電子マネー媒体)に記録されている当該電子マネーカードを識別可能なシリアル番号のような個体に固有な情報や、プレイヤの会員証(記憶媒体)に記憶されている当該会員証を識別可能なシリアル番号のような個体に固有な情報であるカード情報(媒体識別情報)を、非接触の無線通信により読み取るものである。
【0031】
決済端末11は、読み取ったカード情報および設定されているプレイ単価(利用単価)の情報に基づいて決済処理を行うものであり、決済処理に係る情報である決済情報を電子マネー管理サーバ31に送信するものである。決済端末11に設定されるプレイ単価は、決済端末11において管理してもよいし、売上管理サーバ32などの外部の機器により管理されてもよい。
【0032】
決済端末11は、ゲーム機10と1対1に対応付けされていてもよいし、複数のゲーム機10に対して1つの決済端末11が対応付けされていてもよいし、1つのゲーム機10に対して複数の決済端末11が対応付けされていてもよい。
【0033】
決済端末11をゲーム機10に対応付けする方法としては、決済端末11をゲーム機10に一体として設置してもよいし、決済端末11とゲーム機10とが分離して設置され、かつ、決済端末11を識別可能なシリアル番号のような個体に固有な情報と、ゲーム機10を識別可能なシリアル番号のような個体に固有な情報と、を紐付けすることにより対応付けしてもよい。
【0034】
なお、決済端末11は、上述のように決済処理を行う機能を有してもよいし、決済端末11は上述の決済処理を行わず、外部のサーバ(例えば、電子マネー管理サーバ31)が上述の決済処理を行ってもよい。
【0035】
収集端末12は、ゲーム機10に対応付けされるものである。収集端末12は、ゲーム機10に投入されたコインを選別するコインメックから出力されたパルス信号を現金決済に基づくプレイ実績データとして受信するものである。また収集端末12は、決済端末11から、電子マネーによる決済に基づくプレイ実績データを受信するものでもある。
【0036】
収集端末12は、ゲーム機10と1対1に対応付けされていてもよいし、1つのゲーム機10に対して複数の収集端末12が対応付けされていてもよいし、複数のゲーム機10に対して1つの収集端末12が対応付けされていてもよい。
【0037】
これらのプレイ実績データを受信したことに応じて、収集端末12ではゲーム機10に対してゲームのプレイ開始を指示するためのパルス信号が生成され、生成されたパルス信号は収集端末12から出力される。
【0038】
また、収集端末12は、受信して収集したプレイ実績データに基づく売上明細データを作成する。作成した売上明細データは、収集端末12から売上管理サーバ32へ送信される。
【0039】
ユーザ端末41は、売上管理サーバ32にアクセスするアプリケーションを実行することにより、ゲーム機10の登録、及びゲーム機10毎のプレイ単価の登録を行うものである。
【0040】
また、ユーザ端末41は、売上管理サーバ32により提供される売上明細データを照会するとともに、プレイ単価の履歴と対応付けて、各種の管理データを取得するものでもある。
【0041】
図2は、本実施形態に係る単価管理システム1における各装置の機能構成を示す図である。なお、この機能構成は、本実施形態の処理を実現するための機能部を示し、各装置において、他の機能ブロックの実装を制限するものではない。
【0042】
決済端末11は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAMおよび入出力インタフェース等を有する情報処理装置である。上述のROM等の記憶装置に記憶されている制御プログラムは、CPU、ROM、RAMおよび入出力インタフェース等を協働させることにより、主に、実績送信部112と、単価切替部113と、カード情報取得部114として機能させるものである。
【0043】
実績送信部112は、電子マネーの決済時に、決済時点のプレイ単価を含むプレイ実績データを作成するものであり、作成したプレイ実績データを後述する収集端末12の実績収集部121へ送信するものである。
【0044】
ここで、プレイ単価は、ゲーム機10自体に設定されているプレイ種別(利用種別)に対応して設定された単価(例えば1回100円、5回300円など)に対応付けて、複数(例えば、最大6個)設定される。プレイ実績データは、このプレイ種別に相当する情報として、例えば、ゲーム機10の投入金額の単位(例えば、100円)の何個分に相当するプレイ単価が決済されたかを示すデータ(パルス数)を含む。例えば、プレイ単価「250円」とパルス数「3」とが対応付けられている場合、電子マネーによる250円の決済により、ゲーム機10に対して300円に相当する3つのパルス信号が送信され、「5回300円」のプレイが許可される。
【0045】
単価切替部113は、ゲーム機10と直接接続する機器連動モードなどの所定の動作モードにおいて、ゲーム機10から、予め設定されている初期プレイ単価(ゲーム開始のための課金額)を受信するものである。この機器連動モードでは、決済端末11は、ゲーム開始のための課金の他、ゲーム内でのアイテム課金など様々な課金に対応できる。
【0046】
また、この機器連動モードの場合、実績送信部112は、電子マネーの決済時に、決済時点のプレイ単価を含むプレイ実績データを作成し、作成したプレイ実績データを収集端末12へ送信すると共に、決済の結果をゲーム機10に通知する。
【0047】
カード情報取得部114は、電子マネーの媒体として用いられるカード(例えば、Edy(登録商標)や交通系ICカード等のプリペイド型電子マネーサービスに用いられるICカード)の1枚ごとに付与された個体識別情報である媒体情報や、プレイヤの会員証(記憶媒体)に記憶されているカード情報などを取得するものである。取得された媒体情報は、明細送信部122を介して後述する実績収集部121を介して明細送信部122へ送られ、明細送信部122で作成される売上明細データに含まれる。
【0048】
本実施形態では、媒体情報が実績送信部112を介して送られる際に、媒体情報が決済に関連する他の情報と紐付けされた状態でプレイ実績データに含まれている例に適用して
説明する。なお、プレイ実績データに媒体情報が含まれない場合には、明細送信部122において売上明細データが作成される際に、媒体情報と決済に関連する他の情報と紐付けが行われる。
【0049】
このように媒体情報を決済に関連する他の情報と紐付けされて売上明細データに含ませることにより、プレイ単価の変更履歴に応じたゲーム機毎のプレイ実績の変動をより精緻に解析することが可能となる。つまり媒体情報を利用することにより、その電子マネーのカードを所有する個人についてのプレイ実績を選択することが可能となる。これにより、例えば、プレイ単価を変更したことによる、個人がプレイするゲーム機の傾向の変化も解析することが可能となる。
【0050】
なお、電子マネーの媒体として用いられるカードは、交通機関を利用する際に用いられるものであっても良いし、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等での支払いに用いられるものであって良いし、特定の店舗でのみ利用可能なものであっても良い。更に、電子マネーの媒体として用いられるものは上述のカードに限られるものではなく、種々の公知の形状に形成されたものであっても良いし、携帯電話などの他の機器に組み込まれたものであっても良い。また、クレジットカードを含むプリペイド型電子マネーサービス以外の後払い型の電子マネーサービスに用いられる媒体であっても良い。なお、電子マネーには、法定通貨の他に仮想通貨が含まれていてもよい。
【0051】
なお、電子マネーの媒体として用いられるカードからの情報取得に用いられる端末(図示せず。)、言い換えると、決済の際にカードが近づけられる端末としては公知のものを用いることができる。また、この端末は、決済端末11の内部に一体となるように配置されていても良いし、決済端末11の外部に別体となるように配置されていても良い。
【0052】
収集端末12は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAMおよび入出力インタフェース等を有する情報処理装置である。上述のROM等の記憶装置に記憶されている制御プログラムは、CPU、ROM、RAMおよび入出力インタフェース等を協働させることにより、実績収集部121と、明細送信部122として機能させるものである。
【0053】
実績収集部121は、決済端末11との間で送受信を行うことによりからプレイ実績データを受信して収集するものである。また、実績収集部121は、ゲーム機10との間で送受信を行うことにより、投入されたコインに基づくプレイ実績データを受信して収集するものでもある。更に、実績収集部121は、ゲーム機10において景品の払い出しを行ったことを示す払い出し信号を受信して収集するものでもある。
【0054】
実績収集部121は、プレイ実績データを受信すると、ゲーム機10へ決済結果としてプレイ種別に相当するパルス信号を送信するものである。送信したパルス信号は、受信したゲーム機10においてパルス数に対応したプレイ種別のゲームを開始させるものである。なお、前述の機器連動モードの場合、決済結果は決済端末11からゲーム機10へ送信されているため、収集端末12からゲーム機10へは送信されない。
【0055】
明細送信部122は、受信したプレイ実績データに、決済に用いられた現金や電子マネーの種類などの手段を識別するマネー種別、電子マネーによる決済またはコインの投入による決済の日時情報(第1時刻情報)、当該決済に関するカード情報、当該決済に関する金額情報、及び、当該決済に基づいてプレイを開始したゲーム機10の識別情報(第1ゲーム機識別情報)などを付加した売上明細データ(開始情報)を作成するものである。なお、ゲーム機10の識別情報は、個々のゲーム機10を識別する情報であってもよいし、1台のゲーム機10に複数のブース(本実施形態の場合にはクレーンゲームを行える区画)が設けられている場合には、個々のブースまで識別する情報であってもよい。
【0056】
本実施形態では、電子マネーによる決済またはコインの投入による決済の日時情報を、ゲーム機10におけるプレイ開始の日時情報として扱う例に適用して説明する。なお、ゲーム機10からプレイ開始を示す開始信号を取得できる場合には、当該開始信号に時刻情報が含まれている場合には当該時刻情報が示す時刻をプレイ開始の日時情報として扱ってもよいし、実績収集部121が開始信号を取得した時刻をプレイ開始日時情報として扱ってもよい。
【0057】
また本実施形態では、決済端末11が電子マネーカードから取得したカード情報や、会員証から取得したカード情報を、決済を行ったプレイヤを識別する利用者識別情報として扱う例に適用して説明する。
【0058】
明細送信部122は、受信した払い出し信号に、景品の払い出しを行った日時情報(第2時刻情報)、景品の払い出しを行ったゲーム機10の識別情報(第2ゲーム機識別情報)、及び、払い出した景品の数を示す情報などを付加した景品払い出しデータ(景品情報)を作成するものでもある。なお景品の払い出しを行った日時情報は、払い出し信号に払い出しを行った時刻情報が含まれている場合には当該時刻情報が示す時刻を、払い出しを行った日時情報として扱ってもよいし、実績収集部121が払い出し信号を受信した時刻を、払い出しを行った日時情報として扱ってもよい。
【0059】
明細送信部122により作成された売上明細データや景品払い出しデータは、明細送信部122から売上管理サーバ32へ作成した売上明細データを送信される。
【0060】
なお、売上明細データには、電子マネーによる決済またはコインの投入による決済を含む現金による決済が機器連動モードにおいて行われたか、それ以外のモードにおいて行われたかを識別する情報も含まれている。売上明細データに決済が機器連動モードにおいて行われたか、それ以外のモードにおいて行われたかを識別する情報を含めることにより、ゲーム機10の利用状況が更に詳細に把握することが可能となり、利用実績の解析精度を向上させやすくなる。
【0061】
ここで、ゲーム機10の識別情報は、例えば、ゲーム機10に設置された収集端末12のIDであってもよい。この場合、売上管理サーバ32において、IDとゲーム機10の識別情報とが紐付けて管理される。
【0062】
売上管理サーバ32は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAMおよび入出力インタフェース等を有する情報処理装置である。上述のROM等の記憶装置に記憶されている制御プログラムは、CPU、ROM、RAMおよび入出力インタフェース等を協働させることにより、明細受信部(取得部)321と、記憶部322と、選択部323と、判定部324と、紐付け部325と、異常通知部326と、集計部327と、比較部328と、不取得通知部329として機能させるものである。なお、売上管理サーバ32により管理される売上明細データ等は、顧客分析に用いることもできる。
【0063】
明細受信部321は、明細送信部122から送信された売上明細データや景品払い出しデータを受信するものである。
記憶部322は、取得した売上明細データおよび景品払い出しデータを記憶するものである。
【0064】
選択部323は、通し番号nに紐付けされたゲーム機10の識別情報を含む売上明細データおよび景品払い出しデータを選択するものである。また、所定の景品払い出しデータとの間で所定の選択条件を満たす売上明細データを選択するものである。上述の所定の選
択条件等については後述する。
【0065】
判定部324は、売上明細データと(仮)不取得情報との紐付け可否を判定するものであり、カード情報と紐付けされていない景品払い出しデータの有無を判定するものである。また、選択部323により選択された売上明細データが、所定の景品払い出しデータとの間で所定の時間条件を満たすか否かを判定するものである。上述の所定の時間条件等については後述する。
【0066】
紐付け部325は、選択部323により選択された売上明細データと、所定の景品払い出しデータとの間で所定の時間条件が満たされる場合に、選択された売上明細データに含まれるカード情報と、所定の景品払い出しデータとを紐付けするものである。また、所定の条件を満たした売上明細データに不取得情報を紐付けするものでもある。
【0067】
異常通知部326は、ゲーム機10の管理を行う運営者に異常の発生を知らせる処理を行うものである。異常を知らせる方法としては、売上管理サーバ32のモニタに異常発生を示す表示を行う方法や、異常発生を示す音を発する方法や、運営者が携帯する情報端末に異常発生を知らせるメールなどの情報を発信する方法など、種々の方法を用いることができる。
【0068】
集計部327は、カード情報(利用者識別情報)ごとに景品が取得できなかったプレイにおける課金または入金した金額の合計である合計額を算出するものである。さらに合計額は、ゲーム機10の識別情報ごとに集計されてもよいし、連続する景品が取得できなかったプレイごとに集計されてもよいし、これらを組み合わせた集計であってもよい。本実施形態では、カード情報、ゲーム機10の識別情報、連続する景品が取得できなかったプレイの組み合わせた集計である例に適用して説明する。集計処理の詳細については後述する。
【0069】
比較部328は、集計部327により算出された合計額が、予め定められた所定金額以上か否かを比較するものである。所定金額は、ゲーム機10の管理を行う運営者が任意に設定することができる金額である。また、運営者により変更可能な金額でもある。
【0070】
不取得通知部329は、合計額が所定金額以上の場合に、ゲーム機10の管理を行う運営者に通知を行うものである。言い換えると、カード情報に紐付けされているプレイヤが、複数回プレイしても景品を取得できていないことを通知するものである。通知する方法としては、売上管理サーバ32のモニタに通知内容を示す表示を行う方法や、運営者が携帯する情報端末にメールなどにより通知内容を発信する方法など、種々の方法を用いることができる。
【0071】
次に、上記の構成からなる管理システム1における管理方法に関する演算処理内容について説明する。管理システム1の売上管理サーバ32は、所定の間隔でまたは連続して売上明細データや景品払い出しデータを取得する処理を実行する。
【0072】
その一方で、売上管理サーバ32は、上述の売上明細データ等を取得する取得処理とは別の処理として、景品払い出しとカード情報(利用者識別情報)とを紐付ける処理、および、売上明細データと景品払い出しとを紐付ける処理を繰り返し実行する。当該紐付け処理を行う間隔は、取得処理が所定の間隔で実行される場合には当該間隔と同じであってもよいし、長くてもよい。
【0073】
さらに、売上管理サーバ32は、上述の取得処理および紐付ける処理とは別の処理として、景品が取得できなかったプレイにおける課金または入金した金額の合計である合計額
を算出して通知する不取得処理を繰り返し実行する。当該不取得処理を行う間隔は、上述の取得処理および紐付ける処理と同じであってもよいし、短くても長くてもよい。
【0074】
まず、
図3および
図4を参照しながら取得処理について説明する。
売上管理サーバ32の明細受信部321は、予め定められた所定の間隔または連続して明細送信部122から送信された売上明細データや景品払い出しデータを受信する処理を行う(S11:取得ステップ)。売上明細データや景品払い出しデータを送受信する際の通信プロトコルなどの通信方法は、公知の通信方法を用いることができ、特に限定するものではない。
【0075】
売上明細データ等が受信されると、売上管理サーバ32の記憶部322は、取得した売上明細データおよび景品払い出しデータを記憶する処理を行う(S12:記憶ステップ)。記憶部322には、
図4に示すように取得された順に売上明細データおよび景品払い出しデータが記憶されている。
【0076】
図4では、No.1からNo.3までが売上明細データであり、No.4が景品払い出しデータである場合が示されている。この段階での売上明細データでは、景品の払い出し有無を示す払い出し情報が空欄となっている。また景品払い出しデータでは、カード情報が空欄となっている。
【0077】
所定の間隔を開けて取得処理が実行される場合、売上管理サーバ32は次の取得処理を実行するタイミングまで待機した後、S11に戻り上述の処理を実行する。連続して取得処理を実行する場合には、S12の処理を実行した後、待機することなくS11に戻り上述の処理を実行する。
【0078】
次に、
図5および
図6を参照しながら紐付け処理について説明する。
売上管理サーバ32は、紐付け処理を開始するタイミングになると、記憶部322から記憶されている売上明細データおよび景品払い出しデータを取得する処理を行う(S21)。
【0079】
売上明細データおよび景品払い出しデータを取得すると売上管理サーバ32は、売上明細データおよび景品払い出しデータに含まれるゲーム機10の識別情報を抽出し、リスト化する処理を行う(S22)。当該リストは、抽出されたゲーム機10の識別情報において重複を排除したものである。言い換えると、抽出されたゲーム機10の識別情報の種類をリスト化したものである。リスト化されたゲーム機10の識別情報には、通し番号nが紐付けされる。
【0080】
ゲーム機10の識別情報のリスト化を行うと売上管理サーバ32は、通し番号nの初期化、言い換えると通し番号nに1を格納する処理を行う(S23)。その後、売上管理サーバ32の選択部323は、通し番号nに紐付けされたゲーム機10の識別情報を含む売上明細データおよび景品払い出しデータを選択する処理を行う(S24:選択ステップ)。
【0081】
S24において売上明細データおよび景品払い出しデータの選択が行われると、売上管理サーバ32の判定部324は、選択した売上明細データが、(仮)不取得情報を紐付けする売上明細データであるか否かを判定する演算処理を行う(S25)。
【0082】
具体的には、選択された売上明細データのうち景品の払い出し有無を示す払出し情報が空欄となっている売上明細データを選択する処理を行う。次いで、選択された売上明細データのそれぞれについて、当該売上明細データに含まれる日時情報で示される時刻から演
算処理を行っている時刻までの時間差を求める処理を行う。その後、当該時間差が、予め定められた不取得閾値以上であるか否かを判定する処理を行う。なお、不取得閾値は、後述するように売上明細データに(仮)不取得情報を紐付けするのに適切な値であればよく、少なくとも後述する第1待ち時間以上の値であればよい。
【0083】
当該時間差が不取得閾値以上であれば(YESの場合)、売上明細データが、(仮)不取得情報を紐付けする売上明細データと判定される。この場合、売上管理サーバ32の紐付け部325は、当該売上明細データに(仮)不取得情報を紐付けする処理を行う(S26)。その一方で、当該時間差が不取得閾値未満であれば(NOの場合)、売上明細データが、(仮)不取得情報を紐付けする売上明細データではないと判定される。
【0084】
S26の処理が行われると、または、S25でNOと判定されると、売上管理サーバ32の判定部324は、S24で選択した景品払い出しデータのなかにカード情報と紐付けされていない景品払い出しデータがあるか否かを判定する処理を行う(S27)。
【0085】
カード情報と紐付けされていない景品払い出しデータ(以降「所定の景品払い出しデータ」とも表記する。)があると判定された場合(YESの場合)、選択部323は、複数の売上明細データのそれぞれと所定の景品払い出しデータとの時間差を求め、求められた複数の時間差から所定の時間差を抽出し、抽出した時間差が求められた複数の時間差の中で最小であるか否かを判定する処理を実行する(S28:選択ステップ)。判定の対象となる売上明細データは、S24で選択された売上明細データであり、かつ、所定の景品払い出しデータに含まれる景品の払い出しを行った日時情報が示す時刻よりも早い時刻を示す日時情報と紐付けされたものである。なお、売上明細データが1つの場合は、当該売上明細データに関する時間差が最小として扱う。
【0086】
S28の判定処理において時間差が最小(YES)と判定された売上明細データに対して、売上管理サーバ32の判定部324は、当該売上明細データが、所定の景品払い出しデータとの間で所定の時間条件を満たすか否かを判定する処理を実行する(S29:判定ステップ)。
図4の場合では、No.3の売上明細データについて判定処理が行われる。
【0087】
所定の時間条件は、当該売上明細データに含まれる決済の日時情報が示す時刻から、所定の景品払い出しデータに含まれる景品の払い出しを行った日時情報が示す時刻までの時間差(時間)が第1待ち時間以内か否かである。
【0088】
第1待ち時間は予め定められる時間であって、例えば、判定の対象となるゲーム機10ごとに異なる値とすることもできる。第1待ち時間としては、決済が行われてからゲーム機10におけるプレイが終了するまでの時間に基づいて定めた時間を例示することができる。また第1待ち時間は予め定められた時間から変更することもできる。
【0089】
S29において所定の時間条件が満たされると判定(YES)された売上明細データに対して、売上管理サーバ32の紐付け部325は、当該売上明細データに含まれるカード情報と、所定の景品払い出しデータとを紐付けする処理を実行する(S30:紐付けステップ)。
【0090】
当該処理には、
図7に示すように、カード情報と、所定の景品払い出しデータと紐付けを記憶部322に記憶させる処理も含まれる。さらに、当該売上明細データの払い出し情報の欄に、払い出しを示す取得情報(○)を紐付ける処理が行われてもよい。
【0091】
S29において、所定の時間条件が満たされないと判定(NO)された売上明細データに対して、売上管理サーバ32の判定部324は、上述の時間差が第2待ち時間を超えて
いるか否かを判定する処理を実行する(S31)。
【0092】
第2待ち時間は予め定められる時間であって、第1待ち時間以上の長い時間である。第2待ち時間は、判定の対象となるゲーム機10ごとに異なる値としてもよいし、予め定められた時間から変更可能としてもよい。
【0093】
S31の判定処理において、時間差が第2待ち時間を超えていると判定(YES)されると、売上管理サーバ32の異常通知部326は、ゲーム機10の管理を行う運営者に異常の発生を知らせる処理を行う(S32)。時間差が第2待ち時間を超えていると判定された売上明細データに(仮)不取得情報が紐付けされていても、異常の発生を知らせる処理は行われる。
【0094】
例えば、第2待ち時間が3分である場合に、
図8に示すように、No.3の売上明細データ時刻とNo.4払い出しデータ時刻との差が6分であると、異常通知部326は異常の発生を知らせる処理を行う。
【0095】
S31の判定処理において、時刻差が第2待ち時間以下と判定(NO)されると、当該時間差に係る売上明細データの払い出し情報を空欄とした状態が維持され、当該時間差に係る景品払い出しデータのカード情報を空欄とした状態が維持される。
【0096】
S28の判定処理において時間差が最小ではない(NO)と判定された売上明細データに対して、売上管理サーバ32の紐付け部325は、当該売上明細データに景品を取得できなかったことを示す(本)不取得情報を紐付けする処理を行う(S33)。
【0097】
当該売上明細データに(仮)不取得情報が紐付けされている場合には、(本)不取得情報との紐付けに置き換えが行われる。当該紐付け処理には、
図8のNo.1に示すように、不取得情報と売上明細データとの紐付けを記憶部322に記憶させる処理も含まれる。
【0098】
S27の判定処理において、カード情報と紐付けされていない景品払い出しデータがないと判定された場合(NOの場合)、S30の紐付け処理が終了した後、S32の異常通知処理が終了した後、および、S33の紐付け処理が終了した後、売上管理サーバ32は、通し番号nが最大値N以上か否かを判定する処理を行う(S34)。
【0099】
最大値Nは、S22のリスト化処理において付与された通し番号nの最大値である。言い換えると、S21の処理で取得された売上明細データおよび景品払い出しデータに含まれるゲーム機10の識別情報の種類の数と等しい値である。
【0100】
通し番号nが最大値N未満と判定された場合(NOの場合)には、売上管理サーバ32は、通し番号nに格納されている数を1つ増やす処理(インクリメント処理)を行う(S35)。インクリメント処理が行われると、売上管理サーバ32は、
図5のS24に戻り、上述の処理を繰り返し行う。通し番号nが最大値N以上と判定された場合(YESの場合)には、売上管理サーバ32は一連の紐付け処理を終了する。
【0101】
次に、
図9を参照しながら不取得処理について説明する。
売上管理サーバ32は、不取得処理を開始するタイミングになると、記憶部322に記憶されている売上明細データおよび景品払い出しデータを取得する処理を行う(S41)。
【0102】
取得する売上明細データおよび景品払い出しデータの範囲としては、取得処理を行う時刻から予め定められた所定の時刻だけ過去に遡る範囲を例示することができる。所定の時
刻は運営者が任意に設定することができ、また、運営者が変更することができるものである。
【0103】
売上明細データおよび景品払い出しデータを取得する処理が行われると、売上管理サーバ32の集計部327は、景品が取得できなかったプレイにおける課金または入金した金額の合計である合計額を算出する処理を行う(S42)。
【0104】
具体的には、集計部327は、取得した売上明細データから不取得情報が紐付けされた売上明細データを抽出する処理を行う。その後、抽出した売上明細データを、カード情報およびゲーム機10の識別情報ごとに分類する処理を行う。
【0105】
分類する処理が行われると、集計部327は、売上明細データに含まれる時刻情報および景品払い出しデータに基づいて、分類された売上明細データを更に一連の連続する売上明細データの集合にまとめる処理を行う。一連の連続する売上明細データの集合とは、同じプレイヤが同じゲーム機10で連続してプレイしたと推定される売上明細データの集合である。
【0106】
具体的には、同一のカード情報およびゲーム機10の識別情報を含む売上明細データの集合から、隣接する売上明細データの時刻情報の時間差が所定値以内となる売上明細データの集合を抽出してまとめる処理が行われる。
【0107】
一連の連続する売上明細データの集合にまとめる処理を行った後、集計部327は、まとめた売上明細データごとに、プレイにおける課金または入金した金額の合計である合計額を算出する処理を行う。
【0108】
合計額が算出されると、比較部328は、合計額が予め定められた所定金額以上か否かを比較する処理を行う(S43)。合計額が所定金額未満である場合(NOの場合)には、売上管理サーバ32は不取得処理を終了する。
【0109】
合計額が所定金額以上である場合(YESの場合)、不取得通知部329は、ゲーム機10の管理を行う運営者に通知を行う処理を行う(S43)。通知の内容としては、合計額が所定金額以上となった一連の連続する売上明細データに含まれるカード情報、ゲーム機10の識別情報、合計額などを例示することができる。
【0110】
さらに、当該カード情報と紐付けされたプレイヤに対して景品の進呈を指示する内容が含まれていてもよい。また、当該ゲーム機10の識別情報に基づいて、当該ゲーム機10における景品取得の難易度の調整を指示する内容が含まれていてもよい。
【0111】
上記の構成の売上管理サーバ32によれば、同一のゲーム機10の識別情報を有する売上明細データおよび景品払い出しデータであって、景品払い出しデータに時刻的に最も近く、かつ、売上明細データから景品払い出しデータまでの時間が第1待ち時間以内の売上明細データに含まれるカード情報と、景品払い出しデータとを紐付けする。そのため、売上管理サーバ32に入力された景品払い出しデータにカード情報が含まれていない場合であっても、景品を取得したと推定されるプレイヤを識別するカード情報と当該景品払い出しデータとを紐付けすることが可能となる。そのため、プレイヤごとのゲーム機利用状況の把握が容易になる。
【0112】
所定の売上明細データから始まる第2待ち時間の間に、所定の売上明細データと同一のゲーム機10から景品の取得を示す景品払い出しデータが入力されない場合には、異常の発生が通知される。上述の場合としては、例えば、ゲーム機10との間の情報通信に異常
が発生した場合や、景品を不正に取得した場合等が考えられる。このような場合を検知して異常として通知することが可能となり、プレイによって景品が取得できたか否か不明な状況の発生を抑制することができる。
【0113】
同じゲーム機10に関する所定の売上明細データおよび他の売上明細データの間に景品払い出しデータが存在しない場合、言い換えると、所定の売上明細データが取得された後、景品払い出しデータが取得される前に他の売上明細データが取得された場合には、所定の売上明細データに景品が取得できなかったことを示す情報が紐付けすることができる。そのため、売上明細データに対応するプレイによって景品が取得できたか否か不明な状況の発生を抑制することができる。
【0114】
利用者識別情報として電子マネー媒体を識別する媒体識別情報であるカード情報を用いることにより、例えば、電子マネー媒体を用いた課金または入金の際の処理により利用者識別情報を取得することが可能となる。
【0115】
また、利用者識別情報としてプレイヤが利用する記憶媒体、例えばプレイヤの会員番号が記憶された記憶媒体から取得した媒体識別情報であるカード情報を用いることにより、例えば、現金やコインなどを用いて課金または入金する場合であっても、利用者識別情報を取得することが可能となる。
【0116】
カード情報ごとに景品が取れていないプレイに関する金額の合計が所定金額以上になった場合に通知を行うことにより、例えば、景品を取得できなかったプレイヤに対して景品を進呈するなどのサービスを行うことができる。また、景品が取れていないプレイの回数により上述のサービスを行う場合と比較して、プレイヤの納得が大きくなりやすい。
【0117】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0118】
32…売上管理サーバ(管理装置)、321…明細受信部(取得部)、322…記憶部、323…選択部、324…判定部、325…紐付け部、326…異常通知部、327…集計部、328…比較部、329…不取得通知部、S11…取得ステップ、S12…記憶ステップ、S24…選択ステップ、S28…選択ステップ、S29…判定ステップ、S30…紐付けステップ