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特許7020915抗炎症性、増殖性、保護性及び粘膜付着性の、可溶性且つ安定な医薬組成物、粘膜部位の状態を治療するためのその使用及び取得方法、並びに医薬組成物の調製のための基本医薬組成物及びその取得方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】抗炎症性、増殖性、保護性及び粘膜付着性の、可溶性且つ安定な医薬組成物、粘膜部位の状態を治療するためのその使用及び取得方法、並びに医薬組成物の調製のための基本医薬組成物及びその取得方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/9066 20060101AFI20220208BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220208BHJP
   A61K 31/12 20060101ALI20220208BHJP
   A61K 36/28 20060101ALI20220208BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20220208BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220208BHJP
   A61K 47/60 20170101ALI20220208BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20220208BHJP
   A61P 15/02 20060101ALI20220208BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20220208BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
A61K36/9066
A61K9/08
A61K31/12
A61K36/28
A61K47/04
A61K47/10
A61K47/60
A61P1/02
A61P15/02
A61P17/02
A61P29/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017541143
(86)(22)【出願日】2014-10-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2017-11-09
(86)【国際出願番号】 BR2014050002
(87)【国際公開番号】W WO2016065442
(87)【国際公開日】2016-05-06
【審査請求日】2017-10-26
【審判番号】
【審判請求日】2020-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】517148006
【氏名又は名称】エフビーエム インダストリア ファーマシューティカ エルティディエー.
【氏名又は名称原語表記】FBM INDUSTRIA FARMACEUTICA LTDA.
【住所又は居所原語表記】Rua VP 3D,Modulo 09/21 Qd.08B,Goiania,GO,CEP.75132085 Goiania(BR)
(73)【特許権者】
【識別番号】517148017
【氏名又は名称】ユニバーシダード フェデラル デ ゴイアス-ユーエフジー
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSIDADE FEDERAL DE GOIAS-UFG
【住所又は居所原語表記】Campus II s/n,Bairro Samambaia,Goiania,GO,CEP.74001970 Goiania(BR)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボズィニス,マリゼ カンポス バラダレス
(72)【発明者】
【氏名】リマ,エリアーナ マルチンス
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ,アリーニ カルヴァーリョ
(72)【発明者】
【氏名】マレト,リカルド ネベス
(72)【発明者】
【氏名】デ メンドンサ,エリスマウロ フランシスコ
【合議体】
【審判長】前田 佳与子
【審判官】穴吹 智子
【審判官】渕野 留香
(56)【参考文献】
【文献】Carla Caroline C. Bastosa et al.,EFEITOS DA COMBINACAO MUCOADESIVA DE BIDENS PILOSA E CURCUMA LONGA NO TRATAMENTO DA MUCOSITE INTESTINAL,Revista de Biotecnologia & Ciencia,2013,Vol.2,No.1
【文献】Int. J. Colorectal Dis.,2012,Vol.27,pp.869-878
【文献】Paulo Henrique Marcelino de Avila, Acao da formulacao mucoadesiva contendo Bidens pilosa L (Asteraceae) sobre a mucosite intestinal induzida por 5-fluorouracil em camundongos ,ゴイアス州立大学大学院薬学修士論文,2013,URLは以下,https://repositorio.bc.ufg.br/tede/bitstream/tede/5059/5/Disserta%c3%a7%c3%a3o%20-%20Paulo%20Henrique%20Marcelino%20de%20%c3%81vila%20-%202013.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K36/9066
A61K36/28
A61K31/00-31/80
REGISTRY(STN)
CAPLUS(STN)
MEDLINE(STN)
BIOSIS(STN)
EMBASE(STN)
JSTPlus(JDreamIII)
JMedPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗炎症性、増殖性、保護性及び粘膜付着性の、可溶性かつ安定な医薬組成物を得るための方法であって、前記医薬組成物が15~25mg/mLまでのクルクミノイド類、40%(v/v)のコセンダングサのグリセロール抽出物、30%(v/v)のプロピレングリコール、30%(v/v)のポリエチレングリコール400、及び15%(w/v)のポロクサマー407を含み、以下の段階、
-(1)30%(v/v)のPEG400と30%(v/v)のプロピレングリコールとの混合物を調製し、この混合物を65℃にて加熱すること、
-(2)該処方に導入されるポロクサマー407の量を2つの同等な部分に分け、一方の部分を、加熱した工程(1)のプロピレングリコールとPEG400の混合物中に分散させること、
-(3)30分間の機械的撹拌下(500rpm)に、加熱を続けながら(65℃)、工程(2)の混合物に25mg/mLまでのクルクミノイド類を加えること、
-(4)ポロクサマー407の量の残りの半分を、40%(v/v)のコセンダングサのグリセロール抽出物に加えること、
-(5)工程(4)の溶液を工程(3)の混合物に注いで、最終的な混合物を調製すること、並びに、
-(前記最終的な混合物を、温度が25℃になるまで撹拌し、前記最終的な混合物を完全に溶解させ、室温下で長時間安定にすること、
を経ることにより得られる、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、更に、0.01~1%(v/v)の、亜硫酸水素ナトリウム及びブチルヒドロキシトルエンを含有させる、方法。
【請求項3】
クルクミノイド類を15~25mg/mL;
コセンダングサのグリセロール抽出物を40%(v/v);
プロピレングリコールを30%(v/v);
ポリエチレングリコール400を30%(v/v);並びに
ポロクサマー407を15%(w/v)
を含む、請求項1記載の方法により調製される抗炎症性、増殖性、保護性及び粘膜付着性の、可溶性且つ安定な医薬組成物。
【請求項4】
異なった病因による、粘膜炎、皮膚疾患、及び口内炎の状態の治療のための薬剤を調製するための、請求項3に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘膜付着性及び徐放特性を有し、クルクミノイド含有量が5%を超えるウコン(クルクマ ロンガ;Curcuma long)抽出物又は画分と、コセンダングサ(ビデンス ピロサ;Bidens pilosa(Bd))抽出物との組み合わせを含み、放射線療法及び/又は化学療法によって誘導される粘膜炎並びにアフタ性病変部等の、口腔(口内炎)及び消化管の炎症性疾患を治療するための医薬組成物に関する。加えて、炎症性の皮膚病変部及び膣粘膜炎も、当該組成物を用いた治療法の対象である。
【背景技術】
【0002】
放射線療法及び/又は化学療法によって誘導される粘膜炎は、悪性新生物の治療における最も一般的な合併症であり、80~100%の患者がこれを発症する。粘膜炎は、癌の治療における、最も重要な急性の副作用である。線量過分割の放射線療法を行っている患者における発生率は100%、従来の放射線療法では97%であり、化学療法を併用した場合には90%である。
【0003】
化学療法のみの場合には、発生率は22%である。骨髄移植における粘膜炎の発生率は80~100%である。粘膜炎の主な臨床症状としては、紅斑、浮腫、出血、潰瘍、及び偽膜形成が挙げられる。
【0004】
潰瘍は激しい疼痛をもたらし、殆どの場合、非経口経路を通した栄養補助と鎮痛剤を必要とする。粘膜炎の強さの臨床評価及び測定は、WHOによって提唱される指数を用いて行われる。
【0005】
固体及び液体の食物の嚥下困難、発声と咀嚼の制限、体重減少、並びに非経口栄養の必要は、粘膜炎からもたらされる合併症である。粘膜炎を悪化させる他の因子は、損傷した組織に侵入して、組織を重度の感染症、更には敗血症にかかりやすい状態とし、罹患率を有意に上昇させる、日和見性の微生物による感染への感受性である。
【0006】
重症な粘膜炎に付随する痛みは、提唱される化学療法プロトコルを減らし、放射線療法を一時的又は永久的に中断する理由としては弱すぎる。
【0007】
放射線療法の中止及び化学療法の用量変更によって腫瘍の再発が増加する結果、生存率は低くなる。
【0008】
この合併症のために患者は入院することになり、治療費がかさむ。粘膜炎に用いられる治療は、対症療法的であり、且つ多様化しており、予防的治療法及び疼痛を減少させる試みが含まれる。
【0009】
粘膜炎治療の代替治療としては、アミホスチン、メラトニン、及びアロプリノールのような抗酸化剤の投与が挙げられる。
【0010】
ベンジダミンスクラルファート等の粘膜保護剤、及び麻酔薬効果のある抗炎症薬もまた用いられる。
【0011】
しかしながら、粘膜炎治療の「究極の基準」は未だ確立されておらず、癌患者及び/又は骨髄移植の行われる患者に対して有効且つ利用可能な、新しい治療用資源の開発が非常に重要である。
【0012】
癌治療に一般的に用いられる薬物療法、例えばDNA合成を阻害するメトトレキサートは、粘膜炎を起こす傾向がある。同様の影響は、しばしば消化管の悪性腫瘍の治療に用いられる、5-フルオロウラシルのようなアルキル化薬にも観察される。
【0013】
抗悪性腫瘍薬及び/又は放射線療法によって粘膜炎に観察される胃腸細胞の破壊は、絨毛萎縮、陰窩の深化を伴う細胞の増殖低下からもたらされ、この増殖低下は、吸収機能障害、下痢の原因となる、電解質、主にNa及びK分泌の変化からもたらされる。
【0014】
現在のところ、何人かの著者は、癌化学療法/放射線療法又は骨髄移植前の手順に続いて起こる、食物粘膜炎としての胃腸粘膜炎について記載しており、この胃腸粘膜炎では、消化管内に炎症、浸食及び潰瘍性の病変部が観察される。これに関連して、女性の膣粘膜炎も報告されている。
【0015】
食物粘膜炎の発生及び/又は粘膜の炎症過程の機構については、4つの相、即ち初期、復旧、炎症、回復が記載されている。初期は、トポイソメラーゼの阻害及びチミジル酸合成の阻害によってDNA合成を遮断する薬剤の作用によって起こる。リボ核酸(RNA)分子の変化と、フリーラジカルの形成もまた起こり得る。これらの変化は、有糸分裂過程を阻害し、細胞の整合性に影響を与え、炎症性細胞及び免疫細胞の流入を誘発する。
【0016】
第2相の間に、細胞分裂は数時間停止し、アポトーシスが起こる。従って、これにより陰窩内細胞の進行性の減少が誘導され、復旧過程が活性化される。この段階には、陰窩の深さ及び数の崩壊、絨毛の短縮及び杯細胞の減少がみられる。この相は、液体減少及び細菌コロニー形成によって特徴付けられる。
【0017】
最終的に、回復過程では有意な細胞増殖がみられ、陰窩及び/又は組織の機能的修復が導かれる。これにより、絨毛のような組織構造の回復、及び腸の吸収性表面の回復がみられる。
【0018】
粘膜炎におけるアポトーシス、即ちプログラム細胞死は、生理的なものであるか、又は化学療法若しくは放射線療法によって誘導された可能性がある。化学療法を受けたマウス、及び抗悪性腫瘍薬による治療を受けた腫瘍患者から得た腸生検サンプルにおいて、腸陰窩内に発生した多数のアポトーシス細胞が観察された。
【0019】
以前の研究(Sonis et al.,2004,Carl,1995,Pico et al.,1998,Kostler et al.,2001,Epstein and Schubert 2003,Sonis,et al.,2004;Armstrong and McCaffrey,2006;)は、化学療法誘導性の腸粘膜炎の発生は、小腸細胞に対する細胞傷害性薬のアポトーシス効果と関連すると考えた。
【0020】
一例として、小腸陰窩における幹細胞のアポトーシスを引き起こして、その再生を妨げることにより、幹細胞の数を不足させる細胞傷害性薬に焦点が当てられる。この不足により、腸における絨毛の萎縮と陰窩の低形成のような、形態的変化が起こる。このように、アポトーシスは、化学療法誘導性の粘膜炎において決定的な役割を果たしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【文献】国際公開WO2003/088986号公報
【非特許文献】
【0022】
【文献】Clin J Oncol Nurs. 2006;10(1):53-6.
【文献】Curr Opin Oncol. 1995;7(4):320-4.
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【文献】J Dermatol. 2006 Oct;33(10):676-83.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
従って、本発明の目的の1つは、化学療法誘導性の腸のアポトーシスにおいて、抑制性及び/又は調節性作用を発現させる組成物を提供することである。
【0024】
化学療法によって誘導される小腸細胞のアポトーシスの機構については依然として不明確であるが、化学療法を受けた腸粘膜の病態生理学的変化から、IL-1β等の炎症誘発性因子の放出が関連していると考えられる。
【0025】
化学療法を受けたラットの腸粘膜組織において、IL-1βの発現が有意に増大していることが、研究によって示されている。IL-1β発現の増大は、化学療法を受けた動物モデルの末梢血の血清中にも観察された(Wu et al.,2011;Wu et al.,2010)。
【0026】
IL-1βは生物の炎症反応に関連するが、その他の研究により、このサイトカインが、幾つかの細胞種においてアポトーシス現象を誘導し得ることが見出された。IL-1βは、Bax及びBcl-2のような幾つかのアポトーシス関連因子の活性化に関わっていることから、様々な細胞タイプにおけるアポトーシスが誘導される(Meirovitz,et.,2010)。
【0027】
化学療法によって誘導される腸アポトーシスの過程は、小腸陰窩細胞におけるアポトーシス促進性因子(Bax、カスパーゼ-3、Bak及びP53)の調節の増大と、抗アポトーシス因子(Bcl-2及びBcl-XL)の調節の減少を伴い、これによって小腸細胞における粘膜炎の発生が引き起こされた。従って、IL-1βは、化学療法後の小腸陰窩細胞のアポトーシスに関わっている可能性がある。
【0028】
インターロイキン-1レセプターアンタゴニスト(IL-1Ra)は、IL-1に拮抗する生物学的効果を有する天然タンパク質であり、インターロイキン-1レセプター(IL-1R)への結合を通して、内皮細胞の増殖に対するIL-1の抑制性の役割に拮抗し、内皮細胞の増殖を促進し得る。幾つかの研究によってもまた、異なった実験モデルでの細胞アポトーシスにおける、IL-1Raの抑制性の役割が報告されている(wu,et a.,2011;Yoshida,et al.,2006)。
【0029】
研究により、化学療法後の体内ではIL-1βの量が非常に増えていることが、小腸細胞のアポトーシス過程の活性化に関係している可能性が示唆されている(Vissink et al.,2003;Peterson,1999;Fall-Dickson,et al.,2007;Logan,et al.,2007)。
【0030】
これに関連して、幾つかの研究(Vathsala,et al.,2012;Luer, et al.,2011)により、クルクミンの免疫調節性作用が報告されていることへの留意が重要である。これらのうち、何人かの著者らは、彼らによる重要な抗IL-1作用について報告した。
【0031】
口内炎は、口腔に発症するいずれかの炎症性過程として定義される。炎症性の病変部は、幾つかの病因、即ち感染性、自己免疫性、外傷性、腫瘍性、又は薬物反応性を有し得る。これらは分離した病変部としてみられる可能性があり、全身性疾患の局所症状であったり、又は局所から発生して、最終的には個体の全身に影響を及ぼしたりし得る。口腔病変部は、白色病変部、小水疱水疱性、アフタ性及び舌病変部としての、それらの肉眼での外観に従って分類される。
【0032】
病変部の肉眼的な状況は、その病因に関連する。例えば、白色病変部は、カンジダ症、白斑症、扁平苔癬、フォーダイス顆粒、ニコチン性口内炎、毛状白板症、第二期梅毒に付随し、小水疱水疱性病変部は、単純ヘルペス、帯状疱疹、天疱瘡、類天疱瘡、多形性紅斑、スティーブンス・ジョンソン症候群に付随し、アフタ性病変部は、反復性アトピー性口内炎、ベーチェット病、全身性エリテマトーデス、粘膜炎、化学的火傷、歯科矯正装置による外傷に関連し、舌病変部は、溝状舌、良性遊走性舌炎(地図状舌)、正中菱形舌炎、舌痛症に関連する。
【0033】
アフタ性潰瘍、アトピー性口内炎又は単に口内炎とも称される口腔潰瘍は、炎症性の背景を有する、口腔粘膜の非常に一般的な病変部で、人口の約20%にみられる。口内炎は通常、不快感以上の問題をもたらさない良性病変部であるが、更に重篤な幾つかの口腔の疾病に、非常に類似した潰瘍性病変部が現れる場合がある。初期段階の口腔癌の一例は、口唇ヘルペスに似ている可能性がある。治癒に時間のかかる口内炎は、歯又は食物と常に接触し、一日中繰り返して傷ができている部位にみられる。ある人々は、主要口内炎(major canker sores)と呼ばれる、1cmよりも大きくて深い、大きな口内炎を有する。これらは消失するまでに6週間を要し、瘢痕を残す。また、複数の小さな潰瘍が集まり大きな病変部となることによって形成される、ヘルペス状口内炎もある。これらの口内炎は、首(舌)のリンパ節、及び時おり低い発熱と倦怠感とを伴う可能性がある。
【0034】
アフタ性病変部は、免疫系の不均衡によって引き起こされると考えられる。知られている誘因には、偶発的な咬傷等の局所的外傷、心理的ストレス、短時間睡眠、胃潰瘍の原因となるヘリコバクター・ピロリ等の細菌、ラウリル硫酸ナトリウムを含有するある種の練り歯磨き、胃食道逆流、チョコレート、コーヒー、ソフトドリンク、トマト及びパイナップル等の食物、タバコ、月経周期の間のホルモン変化、ビタミンB12、ビタミンC、亜鉛、鉄又は葉酸等の、ある種のビタミン及びミネラルの欠乏、抗炎症薬、ラパマイシン、メトトレキサート、アスピリン及びアテノロールのような薬物がある。通常、全身性の疾病によって引き起こされる口腔潰瘍は、複数且つ反復性である。これらは通常、一般的な口内炎とは異なる幾つかの特徴を有し、他の症状を伴う。狼瘡の場合、口内炎はしばしば無痛であり、皮膚の病変部及び関節の疼痛、並びに低い発熱と倦怠のような全身性の症状を伴う。ベーチェット病、又は自己免疫疾患においても、アフタは複数で、反復性であり、生殖器の潰瘍も伴う。眼の傷害もまた一般的である。セリアック病及びクローン病では、口内炎は下痢及び血便のような腸の症状に伴われて起こる。血中の好中球数が減少する好中球減少症もまた、口腔潰瘍の原因となる。これは通常化学療法を受けている患者にみられるが、好中球減少症を引き起こすいずれかの疾病又は薬物によっても起こり得る。
【0035】
様々な感染が口内炎様の口内潰瘍を引き起こし得る
HIVウイルスは、進行した段階(既にAIDSの基準が存在する時期)及びウイルス感染の急性期において口腔潰瘍を引き起こし得る。小児に非常によくみられるコクサッキーウイルスの感染症(ヘルパンギーナ)は、咽頭炎、発熱、小口腔潰瘍、並びに手のひら及び足裏の病変部をもたらし得る。第一期及び第二期両方の梅毒は、口腔潰瘍をもたらし得る。これらの潰瘍は通常複数であり、第二期には治癒までに長時間を要する。小胞としてみられる口唇ヘルペスは、破裂後に小潰瘍となり得る。外観はあまり咽頭炎のようではないが、一般人は混同し得る。口腔のある種の癌は、最初は一般的な口内炎と混同する、潰瘍として存在する可能性がある。
【0036】
炎症過程に付随する口腔の病変部に加え、幾つかの病因によって引き起こされる皮膚の病変部、例えば糖尿病性足病変は一般的であり、組織修復を促進する抗炎症性/増殖性の物質によって治療される。事実上の全ての皮膚疾患の症状のうち、皮膚の外観を変化させる、幾つかのタイプの病変部の発生が目立っている。皮膚の病変部は非常に明瞭であり、中でも、例えば斑、丘疹、組織の消失、小胞、疱疹、膿疱、痂皮がある。
【0037】
クルクミン及び関連物質(クルクミノイド類)は、黄色がかった色によって特徴付けられ、ウコン草の根茎に由来する、低分子量のフェノール化合物である。東洋医学では、ウコンのクルクミノイド類は、炎症、皮膚潰瘍、肝臓及び胆汁疾患、咳、並びに腫瘍を含む多くの疾病を治療するために代々用いられてきた。文献では、ヒトにおけるウコンの使用は安全であると報告されている(Dadhaniya,et al.,2011)。
【0038】
本発明における用語「クルクミン」は、分子式C2120で表される高純度の物質、あるいは、ウコンの根に異なる割合で存在するか、又はその他の植物種に存在する、その他のクルクミノイド類との混合物として理解される。
【0039】
同じように、本発明における用語「コセンダングサ」抽出物は、前処理の有無にかかわらず、コセンダングサ種の異なる部分又は全体に由来する調製物の全てを意味するものとして理解される。これらの抽出物は、マセレーション、浸出等の従来の抽出法から、及び特に超音波、マイクロ波、超臨界流体による抽出等の、従来にはみられない抽出法から得ることができる。様々な方法で純化した画分の、霧化した乾燥抽出物、凍結乾燥又は濃縮した抽出物の使用もまた考慮される。
【0040】
従って、本発明の別の課題は、免疫調節薬として作用するウコンを、その抗IL-1作用に照らして、組成物中に用いることである。
【0041】
コセンダングサ(Bd)は、肝疾患の治療のために、一般には茶の形態で用いられるブラジルの植物である。抗炎症性、抗酸化、抗アレルギー、抗菌、治癒及び線維芽細胞誘導作用が証明されている。
【0042】
当該技術分野の状況は、臨床試験により、Bdが粘膜病変部の回復を促進できると証明されたことを示している。これと平行して、Bdを含む含有物に対する無作為化二重盲検比較試験は、該含有物が、臨床的毒性効果のない抗アレルギー効果を有することを示した(Corren et al.,2008)。前臨床毒性試験により、Bdには遺伝毒性がないことが示された(Costa et al.,2007)。
【0043】
従って、本発明の更なる課題は、コセンダングサ(Bd)を含有し、毒性効果がなく、様々な作用を促進する調製物から作られ、皮膚及び粘膜の病変部の回復を促進するために用いられる組成物を提供することである。
【0044】
植物資源の使用は、時に異なった、作用に相補的な機構を通して作用する、異なる物質に関連した作用のため、これらの材料には独特な生物学的活性が存在し得ることから、新薬の開発に大きく関連する戦略である。これらの材料の使用は、特定の場合には、合成薬物による薬物療法に比較して安全であると考えられるであろう。
【0045】
しかしながら、天然物質の複合混合物を含有する医薬品の開発に関しては、多数の技術的挑戦がなされている。
【0046】
事実、これらの調製物の標準化、安定性及び有効性を確実にすることは、革新的な開発を必要とする複雑な課題である。
【0047】
以前の試みでは天然物質の組み合わせが用いられており、それらのうち、我々はウコン草の根茎から抽出したフェノール性抗酸化物質であるクルクミンに焦点を当てることができる。このような以前の取り組みは、2003年10月10日に公開された文書、国際公開第200388986号に記載されている可能性があり、これは、放射線療法を受けている患者の組織損傷の予防及び治療のために用いる、クルクミンと、抗酸化物質及び少なくとも1つの食用油との組み合わせに関するものである。基本的に、先行文献には、喉頭、食道、口腔、上咽頭癌の治療において放射線療法を受けた結果、照射により誘導された粘膜炎を発症した患者の組織への損傷を予防及び治療することについて記載されている。
【0048】
参考文献は、クルクミン油を、抗酸化物質と、食用油、好ましくはヒマワリ油等の植物油と組み合わせた使用を提案しており、好ましくは抗酸化物質としてビタミン「E」即ちα-トコフェロールが選択される。
【0049】
このように、先行文献は、コセンダングサの抽出物若しくは画分、又は抽出物から分離された物質の形態における、ウコンの組み合わせに基づいた調製物の使用を予想又は示唆していないことが分かる。
【課題を解決するための手段】
【0050】
予想外に、コセンダングサ(Bd)とウコンとの組み合わせが、炎症過程による粘膜及び組織の病変部の回復を促進できる、有用な薬理学的特性を有する、安全で、毒性のない薬物の産生に用いられる調製物の産生に有利に用いられ得ることが観察された。
【0051】
本発明では、調製物中でコセンダングサ(picao preto)はグリセロール抽出物として用いられ、クルクミノイド類の含有量が5%を超えるウコン抽出物の抽出物又は画分と共に処方された。
【0052】
クルクミノイド類を代表するクルクミンは、ウコンの根から抽出された植物医薬品であり、多くの治療活性、特に化学的保護、抗酸化、抗菌及び抗炎症活性を示す。
【0053】
クルクミンは、ウコンの根中に最も豊富なクルクミノイドであり、フェニル、ヒドロキシル及びメチル基が、この物質の生物作用に関連する。
【0054】
この化合物の適切な使用を確実にするためには、大きく関連する幾つかの状況を考慮しなくてはならない。本発明の植物薬剤の組み合わせを促進する組成物を得るために、当該技術分野の状況における適切な解決法が不足している関連問題は、クルクミンは、その水溶解度が、pHが酸性の溶媒中では低く、pHがアルカリの溶媒中では迅速に分解されるという事実にある。
【0055】
その溶解性/安定性の挙動は、特に低い水溶解度のために、この物質の効果的な投与を妨げることとなり、容易に吸収され、安定性が保証される経口投与用薬剤の開発を大きく妨害する。
【0056】
従って、治療に適した濃度であり、安定性の高い水性ベースの調製物中にクルクミンを用いることのできる、炎症性疾患、例えば粘膜炎の予防及び治療のための組成物を提供することは非常に重要であり、本発明の主要な目的である。
【0057】
同様に、固体剤形に由来するこのような物質の適切な溶解を確実なものとし、固体剤形中の薬物調製物の生物学的利用能を適切なものとすることも重要である。
【0058】
コセンダングサから得られた抽出調製物は、他の天然由来の非常に重要な物質を代表するものであり、科学コミュニティーの関心を集めてきた。これらの抽出物には、マラリア、肝炎、喉頭炎、頭痛及び胃の問題に対する対処を含む、多くの伝統的な使用がある。
【0059】
コセンダングサ(Bd)から得られた抽出物には、抗菌、抗酸化及び免疫調節性作用が証明されている。これらの活性の幾つかは、おそらくコセンダングサ抽出物中のフラボノイドの存在に関連している。
【0060】
この抽出物には、他の部類の二次代謝産物、例えばアルカロイド類、サポニン類、トリテルペン類及びポリアセチレン類もまた存在する。コセンダングサ(Bd)の生物活性は非常に有望なものであり、除草剤、抗炎症性、化粧品としての、及びメタボリック症候群の治療に対する使用を保護するための、多数の特許が出願されている。
【0061】
植物抽出物の複雑な組成、並びにクルクミンの特殊な溶解性及び安定性のため、このような薬剤を安定で有効な処方にて組み合わせるためには、本発明の主な態様の1つである革新的な技術開発が必要とされる。
【0062】
加えて、粘膜炎の治療に用いられるための処方は、治療上の成功、例えば、環境、例えば口腔内、皮膚、又は胃腸の環境における高い保持率、浸透性、及び安定性を助ける特性を有していなければならない。
【0063】
本発明は、重要な増殖及び抗炎症効果を有する、ウコン(その抽出物又は画分)とBdのグリセリン化抽出物との組み合わせを含有し、且つ5-フルオロウラシルに曝露された動物において別々に評価した際、これらの物質の効果に対して優越した結果を有する処方に関連する新規の特色を有する組成物の範囲を示した。
【0064】
粘膜炎は、萎縮性、腫大性、紅斑性で、時おり潰瘍化した、粘膜の炎症状態である。この状態は、放射線療法、及び化学療法を受けている癌患者において、全てではないが殆ど常に観察される。
【0065】
粘膜における炎症性の病変部は、患者の生活の質を劇的に低下させ、放射線療法又は化学療法の継続を阻止させ得る。加えて、特に口腔内の、日和見病原体によって潰瘍化した炎症性病変部の定着は、敗血症及び死を導き得る。
【0066】
その重要性を認識することにより、学術的及び臨床的な試みが、粘膜炎の予防及び治療を改善するために為されている。それにもかかわらず、予防及び治療戦略は非常に限られている。
【0067】
信頼できる臨床エビデンスに基づいた治療が、なお不足していると思われる。例えば骨髄移植の前処置等の細胞傷害性の化学療法によって引き起こされる粘膜炎に対しては、先行技術による幾つかの手順及び適切な臨床エビデンスを有する関連薬剤が補助的に用いられてよい。
【0068】
このために、最近、パリフェルミン(線維芽細胞増殖因子KGFF1)の使用が承認された。このような症例に対しては、寒冷療法の臨床的利点もまた示された。
【0069】
一方、粘膜炎患者の苦痛の軽減を助ける前述の薬物の存在にもかかわらず、このような状態を治癒させる、放射線療法に関連した粘膜炎を治療及び/又は予防するための特異的薬物は、なお利用可能ではない。
【0070】
診療所で用いられる調製物は、現在この目的のためには登録されておらず、且つ/又は信頼できる臨床エビデンスに基づいて使用されていない。
【0071】
更に詳細には、コセンダングサのグリセリン化抽出物と、ウコンの抽出物又は画分との組み合わせからなり、適切な水溶解度と安定性を有する、信頼できる医薬調製物は未だ開発されていないため、当該技術分野の状況には現れていない。癌の診断を受け、放射線療法及び化学療法を受けている患者の粘膜炎治療における、現在の有効性。
【0072】
これに関連して、様々な粘膜炎の予防及び/又は治療に特異的に作用する新薬開発の必要性は明らかである。
【0073】
従って、本発明の目的は、コセンダングサ抽出物とウコン抽出物(又はその画分)の組み合わせを、1:10~10:1の割合で含有し、天然若しくは合成の生体接着性成分、希釈剤、担体、結合剤、崩壊剤を、植物由来の有効薬剤の1~75重量%の濃度範囲で含有する、半固体、液体又は固体の剤形中に取り込まれた、医薬組成物を提供することである。
【0074】
本発明の目的は、取り込まれた様々な有効成分の溶解性及び安定性を確実にする、生体接着性の徐放性システムを提供することである。
【0075】
本発明の更なる目的は、このような医薬の形態/送達システムを産生するための方法を提供することである。
【0076】
本発明の目的は、ヒト生物又はその他の哺乳類の、消化管の粘膜、特に頬粘膜、及びその他の粘膜、例えば直腸、膣及び鼻の粘膜に発症する、炎症性、感染性、刺激性、潰瘍化したか、又は非潰瘍性の状態を予防及び治療するための方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1】処方PI01。クルクミノイド類からなる背景の本体を示した図である。
図2】処方PI02。ポリエチレングリコール400添加の効果を示した図である。
図3】実験に供された動物の処置スキームを示した図である。
図4】5-フルオロウラシルに曝露した動物(A)、処置していない対照動物(B)、及びクルクミノイド類を含む処方によって処置し(7.5mg/kg)、5-フルオロウラシルに曝露した動物(C)の、十二指腸部分の病理組織切片(エオシン-ヘマトキシリン)を示した図である。
図5】5-フルオロウラシルに曝露した動物(A)、処置していない対照動物(B)、及びコセンダングサのグリセリン化抽出物によって処置し(125mg/kg)、5-フルオロウラシルに曝露した動物(C)の、十二指腸部分の病理組織切片(エオシン-ヘマトキシリン)を示した図である。
図6】5-フルオロウラシルに曝露した動物(A)、処置していない対照動物(B)、粘膜付着性処方並びにクルクミノイド類(7.5mg/kg)及びコセンダングサ(125mg/kg)によって処置し、5-フルオロウラシルに曝露した動物(C)の、十二指腸部分の病理組織切片(エオシン-ヘマトキシリン)を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
本発明の出発液体処方は、様々な医薬又は化粧品の形態の調製物、例えば、特に内服用又は外用の、洗口液、洗口液、ドロップ剤、シロップ剤、エリキシル剤のための基本要素を構成する。
【0079】
本発明の第1の実施形態によれば、液体基本処方が調製され、それから得られた医薬形態において、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、ポロクサマー407、又はポロクサマー188から選択されるブロック共重合体が、その粘膜付着性及び可溶性のために用いられた。
【0080】
別の態様によれば、本発明は、1~50重量%の濃度のクルクミンを含有する、マルチパーティクルポリマーシステムの調製物に関する。このようなシステムは、少なくとも1つの生体接着性天然ポリマーから構成される。これらにはまた、粘膜表面において長時間にわたり有効成分を放出できる、重合体又は脂質成分も含まれる。
【0081】
蒸留水、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコール400等の溶媒が、担体及び可溶化剤として用いられた。
【0082】
ブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、及びメタ重亜硫酸ナトリウム等の抗酸化物質が、処方の酸化安定性を最大にするため、通常、処方の0.01~1%v/vの量で用いられた。
【実施例
【0083】
液体処方の開発
本発明の液体基本処方の調製物に関連する以下の記載は、本発明の新規要素を構成する処方を表すと共に、不満足な結果であった工程も含み、本発明者らによって成功裏に開発された対象物の、実際の有効性を実証する。
【0084】
最初に、蒸留水又は水及びプロピレングリコール(1:1、v/v)の混合物を含有する処方を、室温にて、機械的撹拌(500rpm)によって調製した。
【0085】
これらの処方へのクルクミノイド類の添加は、一定の機械的撹拌下で行い、このようにして得た溶液の濃度は2.5mg/mL未満であった。この混合物へのポロクサマーの添加により、クルクミノイド類の溶解は大きく増大した。15%(w/v)のこのポリマーを、水:プロピレングリコール(1:1)混合物へ取り込ませることによって、調製物中のクルクミノイド類の可溶化は改善された。
【0086】
一方で、15%(w/v)のポロクサマーを取り込ませた後に得られた溶液は、なお2.5mg/mL未満の濃度のクルクミノイド類を含んでいたことから、この手順はまだ満足なものではないことが示された。プロピレングリコールに直接ポロクサマーを添加することによって、この調製物が意図した医薬品としての目的には使用できない、粗い分散が起こった。
【0087】
従って、様々な医薬又は化粧品の形態の調製物、例えば、特に内服用又は外用の、洗口液、洗口液、ドロップ剤、シロップ剤、エリキシル剤のための液体基本処方を調製するための方法における第1工程として、クルクミノイド類の基本は、
-第1段階-蒸留水又は蒸留水及びプロピレングリコールの1:1v/vの混合物を含有する処方の、室温における機械的撹拌下(500rpm)による調製、
-第2段階-クルクミノイド類を一定の機械的撹拌下で添加し、クルクミノイド類の濃度が2.5mg/mL未満である溶液を得ること、
-第3段階-水と、プロピレングリコールと、クルクミノイドとの混合物にポロクサマーを添加すること、
から構成される。
【0088】
ポロクサマーを混合物中に取り込ませるための手順は、その総質量を2つの同等な部分に分け、続いてそれらを水とプロピレングリコールとに添加することを含んだ。ポロクサマーを分散させた後、機械的撹拌下で画分を混合させると、得られた処方は良好な物理的外観を示したが、上で述べたように、クルクミノイド類を完全に溶解することはできなかった(処方PI01、図01を参照)。
【0089】
-第4段階-水、プロピレングリコール、クルクミノイド、及びポロクサマーの混合物に、共溶媒を添加すること、溶解するクルクミノイド類の量を増やすため、処方に別の共溶媒(ポリエチレングリコール400、PEG400)を添加した(処方PI02)。
【0090】
この新規処方において、PEG400の濃度は20%(v/v)であり、これを取り込ませるために処方中の水の量を減らした(全量の50%から30%)。
【0091】
図2は、この成分の添加による改善を示す。このような、ポロクサマー(15%)を含有する、水:PEG400:プロピレングリコール(30:20:50、v/v/v)の三元混合物は、添加したクルクミノイド類(2.5mg/ML)の質量の殆どを可溶化する。しかしながら、肉眼による検査では、少量の沈殿物質の存在が確認された(図02、処方PI02)。
【0092】
-第4段階の溶媒系の修正-
処方中のクルクミノイド類の溶解度を更に増大させるため、溶媒系の組成に、PEG400を大量に含む(30%、v v)別の改変を加えた。この量の増加により、調製物中の水の量を20%に減らした(v/v)(処方PI03)。この新しい変更により、添加したクルクミノイド類の質量のすべてが可溶化され、2.5mg/mlのクルクミノイド類を含む溶液が得られた。
この基本処方における好ましい溶媒系は以下のように表される:
-(1)45%~55%、好ましくは50%のプロピレングリコール、
-(2)25%~35%、好ましくは30%のポリエチレングリコール400、
-(3)15%~25%、好ましくは20%の精製水。
【0093】
上記の手順に従い、ポロクサマー重合体の界面活性剤を、15%(w/v)の濃度にて加えた。
【0094】
以下に記載するように、PI03処方は、高濃度のクルクミノイド類を含む溶液、及びクルクミノイド類とコセンダングサ抽出物とを含む溶液の開発の開始点を表すものであった。
【0095】
従って、本発明の好ましい処方は、以下から構成される。
クルクミノイド類-2.5mg/mL、及び、好ましくは
溶媒-プロピレングリコール 50%v/v
共溶媒-ポリエチレングリコール400 30%v/v
界面活性剤-ポロクサマー 15%w/v
担体-精製水 20%v/v
からなる溶媒系。
【0096】
クルクミノイド類及びコセンダングサを含有する処方の開発
最初に、液体基本処方と、ウコン抽出物及びコセンダングサ抽出物との組み合わせを含有する相乗的混合物から調製された液体組成物の調製のため、高濃度のクルクミノイド類(7.5mg/ML)をPI03処方に添加することによって、大量の沈殿物の形成が観察された。これによって、以下に示すように、本発明の組成物の調製技術を変更することとなった。
-(1)PEG400とプロピレングリコールとの混合物を調製し、65℃に維持したホットプレートを用いて、この混合物を加熱した、
-(2)該処方のポロクサマー質量を2つの同等な部分に分け、その部分の1つを、加熱したプロピレングリコールとPEG-400の混合物中に分散させた-段階I、
-(3)次に、30分間の機械的撹拌下(500rpm)に、加熱を続けながら(65℃)、該混合物にクルクミノイド類を加えた、
-(4)ポロクサマー質量の残りの半分を、室温にて水相に加えた-段階II、
-(5)完全に分散させた後、第II相の溶液を、プロピレングリコールとPEG400とを含有する段階Iの混合物中に注いだ。段階III、
-(6)最終的な混合物を、温度が25℃になるまで撹拌した(おおよそ30分間)。
【0097】
この新規手順の適用により、調製物中にクルクミノイド類を25mg/mLまで溶解させ、室温で長時間物理的安定性を保たせることが可能となった。これを処方PI04と命名した。
【0098】
PI04処方中へのコセンダングサ抽出物の取り込みは、蒸留水の全質量及び20%プロピレングリコールの質量を、グリセリン化植物抽出物で置き換えることによって行った-段階IV。
【0099】
従って、CBdと称されるこの処方は、以下を含有する:
(1)プロピレングリコール、30%(v/v)、
(2)ポリエチレングリコール400、30%(v/v)、
(3)コセンダングサのグリセリン化抽出物、40%(v/v)。
【0100】
これらの液体成分に加え、該処方は、重合体の粘膜付着性薬剤(ポロクサマー、15%、w/v)、並びに通常の濃度の亜硫酸水素ナトリウム及びブチルヒドロキシトルエンを含有する。CBd処方の調製法は、上記のPI04処方に対する調製法と同じであった。
【0101】
本発明の有効成分は、CBd処方にうまく適合している。沈殿、混濁、塊の形成、ゲル化、又はその他のいずれかの、有効成分間の不適合の徴候は観察されなかった。加えて、生体接着性成分は、コセンダングサ抽出物成分の存在にうまく取り入れられた。
【0102】
これらの処方の安定性は、安定性を促進させるプロトコルを用いて証明され、クルクミノイド類及び総ポリフェノール類の濃度の減少は、法的に確立された範囲内であることが示された。180日後の試験時には、最初の含有量に比較して、残存していたクルクミノイド類のパーセンテージは92.25%であり、総ポリフェノール類のパーセンテージは96.20%であった。
【0103】
クルクミノイド類及びコセンダングサを含有する半固体処方の調製
半固体処方の開発は、油相を、油性成分の総処方の10~14.75%w/wの範囲で含有し、以下の成分の優先的な量:
-(1)液体ワセリン(5%、w/w)、
-(2)ステアリン酸(3%、w/w)、
-(3)セチルアルコール(0.4%、w/w)、
-(4)セトステアリルアルコール(0.35%、w/w)、
-(5)モノステアリン酸グリセリン(3%、w/w)、
-(6)ミリスチン酸イソプロピル(1%、w/w)、
を含有する、クリームジェルタイプの基剤の調製を目的として行った。
【0104】
この相に、ポロクサマー(15%、w/w)及びプロピレングリコール(6%、w/w)を添加した。防腐剤として、メチルパラベン(0.1%、w/w)、プロピルパラベン(0.05%、w/w)、及びブチルヒドロキシトルエン(0.05%、w/w)を用いた。油相の全ての成分をジャケット容器に加え、混合物の温度を75℃に上昇させた。混合物が、固体の完全な融解に必要な温度に達した後、クルクミノイド類を、最終濃度が25mg/mLになるように添加した。この添加の後、新たに機械的撹拌(500rpm)を、クルクミノイド類の全質量が油性基剤中に溶解するまで行った。
【0105】
第2のジャケット容器内で、コセンダングサのグリコール抽出物(65%、w/w)を75℃の温度まで加熱した。次に水性抽出物を、一定の機械的撹拌下(500rpm)で油相に注いだ。混合が完了し、加熱を終了した後、得られた産物が室温(約25℃)に達するまで撹拌を続けた。
【0106】
クルクミノイド類及びコセンダングサを含有する固体処方の調製
錠剤、錠剤、又はカプセル剤、更に好ましくは錠剤の形態である固体処方を、希釈剤としてマンニトール、及び粘膜付着性薬剤としてポロクサマーを用いて開発した。使用した造粒液は、35~45%w/vの比率の、コセンダングサ抽出物自体であった。混合物の各成分の質量を以下のように表す:(1)クルクミノイド類(1錠剤あたり25~200mg)、マンニトール(1錠剤あたり250~350mg)、ポロクサマー(1錠剤あたり100~140mg)、結晶セルロース(200~400mg)、メタ重亜硫酸ナトリウム(5~15mg)、及びクエン酸(20~40mg)。
【0107】
混合及び造粒操作を行うため、上記混合物の930gを、流動床装置の加工容器内に挿入した。
【0108】
粉末の混合工程は、熱風(45~65℃)を、1時間あたり15~25mの流速にて、10~15分間注入することによって開始した。混合工程後、3工程において造粒液を添加した。各造粒工程の間に、乾燥工程を行った(液体を添加することなく流動化状態を維持した)。混合操作を行う前に、ステンレス鋼ふるい(隙間が250マイクロメートルのメッシュ)を用いて、全ての粉末を篩過した。
【0109】
顆粒を、8組の穿孔器(処方により、13~15の数)を含む台を備えた回転式圧縮機中で圧縮した。加工の間に、錠剤の硬度を決定した。
【0110】
クルクミノイド類、Bdを含有する粘膜付着性処方、及びそれらの組み合わせの、インビトロ(in vitro)における評価
本発明者らによって行った試験により、クルクミノイド類含有量が5%を超えるウコン画分と、Bdのグリセリン化抽出物との組み合わせは、5-フルオロウラシルに曝露された動物を別々に評価した際、これらの物質による効果よりも優れた、重要な過剰増殖性及び抗炎症性効果を示したことが実証された。5-フルオロウラシル(5-FU)誘導性粘膜炎に対する防御効果は、クルクミノイド類又はBdに対して別々に評価した防御効果よりも、予防的及び治療的両方において優れていることが観察された。
【0111】
試験は、空気調節された部屋で、24℃の一定温度及び明暗サイクルが12:12時間の周囲条件にて維持された、10~14週齢の、雄のスイスマウスにおいて行った。
【0112】
食餌は伝統的な市販の標準飼料を用い、水は自由に摂取させた。4、5、及び6日目に、200mg/kg/日の単回用量の5-FUを腹腔内(i.p.)注射することによって、腸粘膜炎を誘導した。0~8日目に、毎日の下痢スコアによって疾病の程度を評価した。
【0113】
各動物を1日に2回検査した。下痢の重症度は、以下のスケールを用いて分類した。0、正常(正常又は糞便なし);1、軽度(少し湿った軟便);2、中程度(中程度の肛門周囲の炎症及び毛色の変化を伴う、湿った便)、並びに重度の糞便による3(重度の肛門周囲の炎症及び毛色の変化を伴う水様便)。
【0114】
下痢の重症度を評価するため、下痢の平均値を用いた(1群あたりn=5)。
【0115】
3つの独立した試験を行った。
a)クルクミノイド類による防御効果の評価、
b)Bdによる防御効果の評価、
c)クルクミノイド類とBDとの組み合わせによる防御効果の評価。
【0116】
3つの試験における処置は、図3に示すスキームに従って行った。
【0117】
各群に対する試験物質の投与は経口的に(胃管栄養法)6日間行い、5-FUの用量は、4日目から6日目に腹腔内投与した。
【0118】
最初の試験は、クルクミノイド類のみを含有する処方を評価するものであった。従って、処置群(n=5/群)は以下のように分配した。
群I:3.7mg/kgのクルクミノイド+5-FU、
群II:7.5mg/kgのクルクミノイド+5-FU、
群III:15mg/kgのクルクミノイド+5-FU、
群IV:陽性対照(5-FU)、
群V:陰性対照(水)。
【0119】
群I、II、又はIIIは、クルクミノイド類を含有する処方による予防的処置を受け、4、5、及び6日目の処置後4時間目に5-FUの注射を受け、処置後24時間目に安楽死させた。各動物の十二指腸部位を摘出した後、パラフィンブロック(58~60℃)を作成し、ヘマトキシリン及びエオシン技術を用いて染色した後、顕微鏡像を得た。加えて、粘膜の増殖効果を、サイクリンDマーカーを用いた免疫組織化学によって評価した。
【0120】
この試験における結果は、クルクミノイド類処方によって処置された動物が、5-FUのみに曝露された群と比較した際、用量依存性に、下痢を伴うか又は伴わない衰弱の低下をみせたことを示した。7.5mg/kgの用量によって、更に良い結果が得られた。
【0121】
病理組織学的試験(図4)により、5-FUを用いたプロトコルに曝露された動物には、大きな炎症性浸潤物の存在がみられる、上皮層の完全性の喪失、水疱形成、陰窩の短縮、及び絨毛の短縮を伴う粘膜炎の外観が誘導されることが示された(図4A)。
【0122】
一方で、図4B及び4Cにみられるように、クルクミノイド類の処方、特に7.5mg/kgの用量を用いた処置では、通常の対照と比較して、上皮、陰窩、及び絨毛の完全性が保持されていた。本発明者らはまた、絨毛の大きさが増大する傾向も観察したことから、細胞増殖の刺激効果が示唆される。
【0123】
第2の試験は、Bdのグリセリン化抽出物のみを含有する処方を、3つの異なる用量(75、100、及び125mg/kg)にて用いて行った。従って、処置群(n=5/群)は以下のように分配した。
群I:75mg/kgのBd+5-FU、
群II:100mg/kgのBd+5-FU、
群III:125mg/kgのBd+5-FU、
群IV:陽性対照(5-FU)、
群V:陰性対照(水)。
【0124】
本試験で得られた結果により、Bdのグリセリン化抽出物は、5-FUによる粘膜炎の誘導に対する防御に、用量依存性に効果があることが示された。図5に示す病理組織学的試験は、以前に記載したように、5-FUへの曝露によって重度の粘膜炎が誘導されることを示した。一方で、Bdのグリセリン化抽出物による処置では、特に125mg/kgの用量において、通常の対照と比較した際に、上皮、陰窩、及び絨毛の完全性が保持されていた(図5B及び5C)。
【0125】
第3の試験は、クルクミノイド類(75mg/kg)とBd(125mg/kg)との組み合わせ(CBd)による処方の評価を探求した。従って、処置群(n=5/群)は以下のように分配した。
群I:CBd+5-FU、
群II:CBd+5-FU、
群III:CBd+5-FU、
群IV:陽性対照(5-FU)、
群V:陰性対照(水)。
【0126】
この試験の結果は、物質単独による処置について報告した上の結果に加え、細胞特性の上昇を伴う炎症性浸潤物の劇的な減少を示したこと、即ち、この組み合わせは、粘膜炎に対して、クルクミノイド類及びBdの別々の効果よりも優れた防御効果を促進したことが示された。
【0127】
病理組織の切り出しにより、この組み合わせによって処置した動物における、陰窩及び絨毛の増大によって実証される、局所性の炎症の減少及び細胞の過剰増殖が示された(図6C)。
【0128】
これらの動物から、後眼窩穿刺によって末梢血サンプルを採取した。IL-1β測定のためのELISAキットを製造者の指示に従って用い、血清IL-1β濃度を分析した。
【0129】
この結果は、5-FUに曝露された動物における粘膜炎の誘導が、対照動物においてIL-1βの産生を有意に増大させることを示した。しかしながら、クルクミノイド類(7.5mg/kg)とBd(125mg/kg)との組み合わせ(CBd)を含有する処方によって処置された動物では、IL-1βの濃度は、対照動物において観察された濃度と同様であった。クルクミンのみを含有するか、又はBdのみを含有する処方を用いて行った試験でも、IL-1βの濃度は減少していたが、効果はかなり低かった。これにより、組み合わせによる利点の優れた効果が示唆された。この結果は更に、薬物によって誘導された上皮細胞のアポトーシスの減少を示唆している。加えて、CBd処方によって処置された動物では、粘膜炎の重症度は、対照群に比較して低かった。
【0130】
本発明は、粘膜の疾病、例えば放射線療法及び/又は化学療法によって誘導される消化管の粘膜炎を治療するための、医学診療所で用いられる治療に対する、更なる予防及び/又は治療の選択肢を提供する、粘膜付着性、放出制御性を有する医薬品処方に基づいた、ウコン由来のクルクミノイド類とコセンダングサとの組み合わせを含有する処方の使用に向けられる。
【0131】
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図6