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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】機械式駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20220208BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20220208BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
E04H6/18 601B
E04H6/42 F
H04Q9/00 301Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018207688
(22)【出願日】2018-11-02
(65)【公開番号】P2020070695
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2020-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000227043
【氏名又は名称】日精株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100208672
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 愼一
(72)【発明者】
【氏名】寺田 晃
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-044423(JP,A)
【文献】特開2018-115501(JP,A)
【文献】特開2016-003493(JP,A)
【文献】特開2018-040128(JP,A)
【文献】特開2015-108227(JP,A)
【文献】特開2003-064896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00 - 6/44
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗降室に至る出入口を開閉可能な出入口扉と、前記出入口扉の近傍に配置された操作盤と、前記操作盤の操作信号に基づいて前記出入口扉の開閉操作を行う出入口扉開閉制御部を有する機械式駐車装置において、
記操作盤またはその近傍に、駐車場利用者が所持するタブレット端末と通信可能なタブレット端末間通信部と、認証信号に基づく登録機器の照合を行う登録機器照合処理部と、複数の前記認証信号の同一性を判定する今回機器利用同一性判定処理部と、を設け、
前記タブレット端末間通信部を通して最初の認証信号と二度目の認証信号とを前記今回機器利用同一性判定処理部が判定した結果に応じて、出入口扉開閉処理アプリを起動させたとき、タブレット液晶画面表示処理部によって、前記操作盤の操作盤液晶画面の表示を前記タブレット端末のタブレット液晶画面に同期して、前記操作盤液晶画面の前記表示と同一の操作関連表示を行い、前記駐車場利用者の前記操作関連表示へのタッチ操作によってソフト上で割り付けられた信号を前記出入口扉開閉制御部へ直接送信するように構成したことを特徴とする機械式駐車装置。
【請求項2】
前記乗降室内に監視カメラが設置され、前記タブレット端末の使用状態における前記タブレット液晶画面への表示に同期して前記操作盤液晶画面の表示を切り替える液晶画面同期表示処理部によって、前記出入口扉を閉じる前における前記操作盤の前記操作盤液晶画面および前記タブレット液晶画面に前記監視カメラから取得した画像を使用して同期した安全確認画面をそれぞれ表示することを特徴とする請求項1に記載の機械式駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の入出庫時に開閉操作される出入口扉を備えた機械式駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の機械式駐車装置として、特開2015-194043号公報(特許文献1)が知られている。この特許文献1には、内蔵された電池から電力を供給され、リモコン信号を機械式駐車場設備へ送信する機械式駐車場設備の携帯型認証装置であって、本体の中央近辺に配置され、前記リモコン信号を送信するために、利用者によって操作される第1釦と、前記リモコン信号を送信するために、利用者によって操作される一つ以上の第2釦と、前記第1釦が操作された場合に利用者に視認可能な位置に配置され、前記第1釦又は前記第2釦が操作された場合に所定の表示を行う表示手段と、前記第1釦及び前記第2釦に対する操作の順番に応じた表示パターンを所定の表示時間で表示するように前記表示手段を制御する制御手段と、を備える機械式駐車場設備の携帯型認証装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-194043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の機械式駐車装置は、出入口扉を開閉操作するための操作盤と専用リモコンを併用した場合、それぞれの操作が異なるために両者の操作方法をそれぞれ習得しなければならず、利便性が失われていた。また、操作盤として、乗込室内に設置したカメラによる画像表示を操作盤の液晶画面に表示して駐車場利用者に目視させることによって乗込室内の安全確認を行う構成のものが使用されると、駐車場利用者が専用リモコンを使用した場合に、この機能を活用することができない。
【0005】
本発明の目的は、駐車場利用者が車の中にいても駐車装置の出入口扉を開閉操作することができ、また操作盤に付与されている機能も活用することができるようにして、利便性の向上を図った機械式駐車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る機械式駐車装置は、乗降室に至る出入口を開閉可能な出入口扉と、前記出入口扉の近傍に配置された操作盤と、前記操作盤の操作信号に基づいて前記出入口扉の開閉操作を行う出入口扉開閉制御部を有した機械式駐車装置において、駐車場利用者が所持している通常のタブレット液晶画面およびタブレット液晶画面表示処理部を備えたタブレット端末と、前記操作盤またはその近傍に前記タブレット端末と通信可能なタブレット端末間通信部を設け、前記タブレット端末に、出入口扉開閉処理アプリをインストールし、前記出入口扉開閉処理アプリを起動させたときの前記タブレット液晶画面には前記タブレット液晶画面表示処理部によって前記タブレット端末の所持者が視覚的に前記操作盤とほぼ同じ感覚で見ることができる操作関連表示を行い、前記操作盤からの操作と同様の操作関連表示へのタッチ操作によってソフト上で割り付けられた信号を前記出入口扉開閉制御部へ送信するように構成したことを特徴とする。
【0007】
第1態様に係る機械式駐車装置によれば、機械式駐車装置用としての専用のリモコンを使用するのではなく、駐車場利用者が日常生活の中で使用しているタブレット端末を駐車場利用時にも使用することができる。しかも、タブレット端末に元々備えられているタブレット液晶画面に、操作盤を直接見ているかのような画面表示として操作できるため、これまで使い慣れてきた操作盤の使い方を引き継ぐことができると共に、操作盤に付与されている機能も活用することができるので利便性の向上を図ることができる。
【0008】
第2態様に係る機械式駐車装置は、第1態様に係る機械式駐車装置において、前記操作盤に操作盤液晶画面を設け、前記出入口扉開閉制御部には、前記タブレット端末の使用状態における前記タブレット液晶画面への表示に同期して前記操作盤液晶画面の表示を切り替える液晶画面同期表示処理部を設けたことを特徴とする。
【0009】
第2態様に係る機械式駐車装置によれば、操作盤およびタブレット端末を並行して使用して出入口扉の開閉操作を行うことができるようになり、状況の変化に応じた利便性を向上させることができる。
【0010】
第3態様に係る機械式駐車装置は、第1態様に係る機械式駐車装置において、前記操作盤には操作者への情報を表示して提供する操作盤液晶画面を設け、前記出入口扉開閉制御部には、前記タブレット端末の使用状態における前記タブレット液晶画面への表示に同期して前記操作盤液晶画面の表示を切り替える液晶画面同期表示処理部を設け、乗込室内には監視カメラを設置し、前記液晶画面同期表示処理部によって前記出入口扉を閉じる前における前記操作盤の前記操作盤液晶画面および前記タブレット液晶画面に、前記監視カメラから取得した画像を使用して同期した安全確認画面をそれぞれ表示したことを特徴とする。
【0011】
第3態様に係る機械式駐車装置によれば、出庫時においても、駐車場利用者は乗降室から出た駐車車両に乗り込んだ状態のまま、安全確認画面を見て乗降室内の安全確認を行ってから出入口扉の閉操作を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明による機械式駐車装置によれば、機械式駐車装置用としての専用のリモコンを使用するのではなく、駐車場利用者が日常生活の中で使用しているタブレット端末を駐車場利用時にも使用することができる。しかも、タブレット端末に元々備えられているタブレット液晶画面に、操作盤を直接見ているかのような画面表示として操作できるため、これまで使い慣れてきた操作盤の使い方を引き継ぐことができると共に、操作盤に付与されている機能も活用することができるので利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例による機械式駐車装置の出入口扉近傍を示す正面図である。
図2図1に示した機械式駐車装置における操作盤の拡大図である。
図3】予め登録された駐車場利用者が自分個人用として所持しているタブレット端末を示す正面図である。
図4】操作盤およびタブレット端末と連携して制御を行う機械式駐車装置の出入口扉開閉制御部の要部を示すブロック構成図である。
図5図3に示したタブレット端末におけるタブレット液晶画面の初期状態を示す正面図である。
図6図2に示した操作盤における操作盤液晶画面の初期状態を示す正面図である。
図7図1に示した出入口扉の開閉制御を行う機械式駐車装置の出入口扉開閉制御部の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の一実施例による機械式駐車装置の出入口扉近傍を示す正面図である。
【0016】
機械式駐車装置内への出入口には、上下方向に移動して開閉される出入口扉1が付設されており、その近傍の外壁面には、通常、出入口扉1の開閉操作するために使用される操作盤2が配置されている。
【0017】
図2は、図1に示した操作盤2の拡大図である。
操作盤2には、タッチパネル式の操作盤液晶画面3と、その操作を補足する音声案内を行うためのスピーカ4と、出入口扉1を開動作させるときに駐車場利用者によって操作される出入口扉開ボタン5と、出入口扉1を閉動作させるために駐車場利用者によって操作される出入口扉閉ボタン6と、緊急時に操作される緊急停止ボタン7と、駐車場利用者が予め所持しているICカードなどから情報を読み取るICカード読み取り部8などを有している。
【0018】
上述したタッチパネル式の操作盤液晶画面3は、駐車場利用者に対して特定の操作を促す表示画面や、暗証番号などの入力操作を可能にするための暗証画面入力画面や、乗降室内に設置した監視カメラの映像を表示してこれを見た駐車場利用者が安全確認を行う安全確認画面などを切り替え表示可能な機能を持つものとして操作盤2に組み込まれている。
【0019】
このような構成の制御盤2は次のように操作されて、出入口扉1を開閉動作することになる。通常、駐車車両の入庫操作を行う場合、駐車車両から降りた駐車場利用者は、図1に示した操作盤2の前に立つと、操作盤液晶画面3の初期画面によって登録者かどうかの認証のためにICカードやタグなどをICカード読み取り部8にかざすように促される。そこで、駐車場利用者は、自分が所持しているICカードをICカード読み取り部8にかざすと、図示しない制御部は登録者であることの判定処理を行った後、操作盤液晶画面3の表示を切り替えて出入口扉開ボタン5を押下操作するよう促される。この操作によって出入口扉1が自動で開状態にされた後、駐車場利用者は、駐車車両を運転して出入口扉1の奥側に形成されている乗降室に入って駐車車両を所定の位置に停車させ、機械式駐車装置側に駐車車両を預ける。
【0020】
その後、駐車場利用者は乗降室から出てきて操作盤2の前に再び立ち、入庫完了操作として出入口扉1を閉じようとすると、操作盤液晶画面3の表示が切り替えられていて乗降室内の安全確認と、再度の認証処理を行うように促される。今回の認証は、他の駐車場利用者によって誤って出入口扉閉ボタン6の閉操作が行われると、現在入庫操作中の駐車場利用者が乗込室に閉じ込められることになってしまうので、これを防止するために行うものである。その後、操作者が同一であることが確認されると、操作盤液晶画面3の表示が切り替えられて出入口扉閉ボタン6の閉操作を行うように促される。そこで、駐車場利用者は出入口扉閉ボタン6を押下操作すると、出入口扉1が元の閉状態とされる。
【0021】
このように出入口扉1の開閉操作は通常、操作盤2から行われるが、本機械式駐車装置では出入口扉1の開閉操作を行う第二の手段が追加されている。図2に示した操作盤2またはその近傍には、この第二の手段の構成のために、詳細については後述するタブレット端末と通信を行うタブレット端末間通信部9が設けられている。次に、第二の手段のための他の構成について説明する。
【0022】
図3は、予め登録された駐車場利用者が自分個人用として所持しているタブレット端末を示す正面図である。
タブレットまたは携帯電話機などのタブレット端末10は、予め登録された駐車場利用者が自分個人用として日常生活の中で通常使用しているもので、機械式駐車装置としての専用機ではない。タブレット端末10には、出入口扉開閉処理アプリが予めインストールされており、タブレット液晶表示部11には、出入口扉開閉処理アプリを起動させたときタブレット端末間通信部9との間での通信を行いながら、タブレット端末10の所持者が視覚的に操作盤2とほぼ同じ感覚で見て操作を行うことができるように表示または切り替え表示が行われる。
【0023】
図4は、操作盤2およびタブレット端末10と連携して制御を行う機械式駐車装置の出入口扉開閉制御部の要部を示すブロック構成図である。
【0024】
この出入口扉開閉制御装置12は、操作盤2の操作盤液晶画面3の切り替え表示や各部の操作信号を取り込んで機械式駐車装置側を制御する通常構成部13の他に、タブレット端末10から操作盤2に追加されたタブレット端末間通信部9を通して最初の認証のための信号を受信したとき登録機器の照合を行う登録機器照合処理部14と、タブレット端末間通信部9を通して二度目の認証のための信号を受信したとき、二度目の認証信号と最初の認証信号を比較して同一性を判定する今回機器利用同一性判定処理部15と、タブレット端末10からタブレット端末間通信部9を通して取り込んだ各種信号に基づいて操作盤2の操作盤液晶画面3の表示を、タブレット端末10のタブレット液晶表示部11の表示に同期させる液晶画面同期表示処理部16を有している。
【0025】
タブレット端末10は、図3に示したようにタブレット液晶画面11を備えており、その制御系としては、図4に示すように信号の送受信を行う信号送受信部17と、タブレット端末10全体の制御部18と、各種の操作信号に基づいてタブレット液晶画面の表示を制御するタブレット液晶画面表示処理部19を備えている。
【0026】
このタブレット端末10において、専用ソフトである出入口扉開閉処理アプリを起動させると、タブレット液晶画面表示処理部19によってタブレット液晶画面11にはタブレット端末10の所持者が視覚的に操作盤2とほぼ同じ感覚で見ることができる表示と、その表示の切り替えが行われる。しかも、タブレット液晶画面11における表示には、操作盤2の操作盤液晶画面3の表示と同様に、ハードスイッチがソフト上に設けられており、また、操作盤2に設けられた出入口扉開ボタン5および出入口扉閉ボタン6に対応するタッチスイッチもソフト上に設けられており、駐車場利用者が操作盤2で操作できることはタブレット端末10側でも全てできるようにされている。
【0027】
図1に示した出入口扉1の手前における所定位置に駐車車両を停止させると、タブレット端末10は操作盤2のタブレット端末間通信部9との間で通信可能な状態となる。運転手である駐車場利用者は、タブレット端末10を使用して出入口扉開閉処理アプリを起動させると、タブレット液晶画面表示処理部19によってタブレット液晶画面11には操作盤2の初期画面と同じ画面が表示される。
【0028】
図5および図6は、タブレット端末10におけるタブレット液晶画面11および操作盤2における操作盤液晶画面3の初期状態をそれぞれ示す正面図である。
【0029】
例えば、タブレット液晶画面11および操作盤液晶画面3はほぼ同じ認証画面表示となっており、駐車場利用者が所持しているICカードをICカード読み取り部8にかざすように促している。タブレット液晶画面11および操作盤液晶画面3にはテンキー表示20A,20Bがそれぞれ割り付けられており、このテンキー表示20A,20Bがタッチ操作されると、それぞれの液晶画面表示処理部によってタブレット液晶画面11および操作盤液晶画面3が暗証番号認証画面に切り替えられる。
【0030】
このようにICカードを使用したり暗証番号を入力して登録機器と一致するかの認証処理を開始させると、予めプログラムされた一連の処理が開始され、認証処理開始信号に基づいてタブレット液晶画面11および操作盤液晶画面3は次の処理を促す画面表示などに切り替えられる。このとき、タブレット端末10だけが使用されたとしても、タブレット端末10からの各種信号を出入口扉開閉制御装置12が検出すると、図4に示した液晶画面同期表示処理部16により操作盤2における操作盤液晶画面3もタブレット端末10におけるタブレット液晶画面11に同期して画面表示が切り替えられる。
【0031】
図7は、操作盤2およびタブレット端末10と連携して出入口扉1の開閉制御を行う機械式駐車装置の出入口扉開閉制御部12の処理動作を示すフローチャートである。
【0032】
上述したように図1に示した出入口扉1の前における所定位置に駐車車両を停止させ、運転手である駐車場利用者は、駐車車両に乗ったままタブレット端末10を使用して出入口扉開閉処理アプリを起動させると、タブレット液晶画面表示処理部19によってタブレット液晶画面11には操作盤2の初期画面と同じ画面が表示される。
【0033】
そこで、駐車場利用者は、出入口扉開閉処理アプリに基づいてタブレット端末10から通信を行うと、登録機器照合処理部14はステップS1で、照合処理を開始信号かどうかを判定する。その結果、認証処理開始信号であれば、登録機器照合処理部14はステップS2で認証処理を開始する。
【0034】
認証できないときはステップS3で、通信によってタブレット液晶画面表示処理部19からタブレット液晶画面11にエラー表示が行われる。しかし、認証できたとき登録機器照合処理部14はステップS4で、認証許可コード送信処理を行う。これを受けたタブレット端末10のタブレット液晶画面表示処理部19はステップS5で、タブレット液晶画面11を切り替えて次の処理を促し、一連の処理を行う。このとき、図4に示した液晶画面同期表示処理部16により操作盤2における操作盤液晶画面3もタブレット端末10におけるタブレット液晶画面11に同期して画面表示が切り替えられる。
【0035】
詳細な説明は省略しているが、一連の処理の中には出入口扉1の開操作があり、駐車場利用者が駐車車両に乗ったままの状態でタブレット端末10を使用して出入口扉1が開かれたとき、駐車場利用者は駐車車両を運転して乗込室内に乗り込み、所定の位置に駐車車両を停止させる。次いで、駐車車両から降りた駐車場利用者は、乗込室を出て通信を継続できる範囲内に止まっていれば、タブレット端末10におけるタブレット液晶画面11を利用して出入口扉1を閉じるための処理を継続して行うことができる。
【0036】
出入口扉1の閉操作を行う時点では、タブレット液晶画面11の表示が切り替えられていて乗降室内の安全確認と、再度の認証処理を行うように促される。今回の認証は、他の駐車場利用者によって誤って出入口扉閉ボタン6の閉操作が行われると、現在入庫操作中の駐車場利用者が乗込室に閉じ込められることになってしまうので、これを防止するために行うものである。そこで、駐車場利用者はICカードをかざすか暗証番号の入力を行う。すると、図4に示した出入口扉開閉制御部12における今回機器利用同一性判定処理部15は、この信号を受けて、今回機器がこれまでの一連の処理を行っている機器と同一であるかどうかを判定する。
【0037】
今回機器利用同一性判定処理部15が同一性を判定すると、タブレット液晶画面11の表示が切り替えられて出入口扉閉ボタン6の閉操作を促す表示となる。そこで、駐車場利用者は出入口扉閉ボタン6の閉操作に相当する操作を行うと、出入口扉1が元の閉状態とされる。
【0038】
その後、駐車場利用者が出入口扉開閉処理アプリを終了させるか、またはタブレット端末間通信部9からタブレット端末10が所定距離だけ離れると、自動的にタブレット端末10とタブレット端末間通信部9間の接続が解除される。
【0039】
上述したように図4に示した液晶画面同期表示処理部16により操作盤2における操作盤液晶画面3もタブレット端末10におけるタブレット液晶画面11に同期して画面表示が切り替えられているため、この出入口扉1の閉操作は、操作盤2の前に立った駐車場利用者が操作盤2から安全確認と二度目の認証を行った後、操作盤2における操作盤液晶画面3の表示に従って出入口扉閉ボタン6を直接押下しても良い。
【0040】
出庫時についての説明は省略するが、タブレット端末10にインストールされた出入口扉開閉処理アプリを使用して同様に行うことができる。このため、特に出庫時においては乗降室内で自分の駐車車両に乗り込んで乗降室を出た駐車場利用者が、従来のように駐車車両から降りて操作盤2の前に立って操作する必要がなくなり、引き続き駐車車両に乗り込んだ状態のままタブレット端末10を使用して出入口扉1の閉操作を行うことができる。しかも、出入口扉1の閉操作を行う前に乗降室内の安全確認が求められたとしても、タブレット端末10におけるタブレット液晶画面11に、操作盤2における操作盤液晶画面3の場合と同様にカメラによって乗降室内を映し出されたものを見て安全確認ができる。
【0041】
尚、本発明は上述した実施例に限らず、他の構成の操作盤2を使用し、この操作盤の操作方法に合わせた出入口扉開閉処理アプリをタブレット端末10で使用することもできる。また、出入口扉1を開状態にした後、自動運転機能を有する駐車車両を自動運転によって乗降室内の所定位置に停止させることを組み込むこともできる。
【0042】
以上説明したように本発明は、乗降室に至る出入口を開閉可能な出入口扉1と、出入口扉1の近傍に配置された操作盤2と、操作盤2の操作信号に基づいて出入口扉1の開閉操作を行う出入口扉開閉制御部12を有した機械式駐車装置において、駐車場利用者が所持している通常のタブレット液晶画面11およびタブレット液晶画面表示処理部18を備えたタブレット端末10と、操作盤2またはその近傍にタブレット端末10と通信可能なタブレット端末間通信部9を設け、タブレット端末10に、出入口扉開閉処理アプリをインストールし、出入口扉開閉処理アプリを起動させたときのタブレット液晶画面11にはタブレット液晶画面表示処理部によってタブレット端末10の所持者が視覚的に操作盤2とほぼ同じ感覚で見ることができる操作関連表示を行い、操作盤2からの操作と同様の操作関連表示へのタッチ操作によってソフト上で割り付けられた信号を出入口扉開閉制御部12へ送信するように構成したことを特徴とする。
【0043】
このような構成によれば、機械式駐車装置用としての専用のリモコンを使用するのではなく、駐車場利用者が日常生活の中で使用しているタブレット端末10を駐車場利用時にも使用することができる。しかも、タブレット端末10に元々備えられているタブレット液晶画面11に、操作盤2を直接見ているかのような画面表示として操作できるため、これまで使い慣れてきた操作盤2の使い方を引き継ぐことができると共に、操作盤2に付与されている機能も活用することができるので利便性の向上を図ることができる。
【0044】
また本発明は上述の構成に加えて、操作盤2に操作者への情報を表示して提供する操作盤液晶画面3を設け、出入口扉開閉制御部12には、タブレット端末10の使用状態におけるタブレット液晶画面11への表示に同期して操作盤液晶画面3の表示を切り替える液晶画面同期表示処理部15を設けたことを特徴とする。
【0045】
このような構成によれば、操作盤2およびタブレット端末10を並行して使用して出入口扉1の開閉操作を行うことができるようになり、状況の変化に応じた利便性を向上させることができる。
【0046】
また本発明は上述の構成に加えて、操作盤2には操作盤液晶画面3を設け、出入口扉開閉制御部12には、タブレット端末10の使用状態におけるタブレット液晶画面11への表示に同期して操作盤液晶画面3の表示を切り替える液晶画面同期表示処理部15を設け、乗込室内には監視カメラを設置し、液晶画面同期表示処理部15によって出入口扉1を閉じる前における操作盤液晶画面3およびタブレット液晶画面11に、監視カメラから取得した画像を使用して同期した安全確認画面をそれぞれ表示したことを特徴とする。
【0047】
このような構成によれば、出庫時においても、駐車場利用者は乗降室から出た駐車車両に乗り込んだ状態のまま、安全確認画面を見て乗降室内の安全確認を行ってから出入口扉1の閉操作を行うことができる。
【符号の説明】
【0048】
1 出入口扉
2 操作盤
3 操作盤液晶画面
5 出入口扉開ボタン
6 出入口扉閉ボタン
9 タブレット端末間通信部
10 タブレット端末
11 タブレット液晶画面
12 出入口扉開閉制御部
15 液晶画面同期表示処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7