(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】学習支援装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20220208BHJP
G09B 5/06 20060101ALI20220208BHJP
G09B 7/02 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G09B5/06
G09B7/02
(21)【出願番号】P 2018241827
(22)【出願日】2018-12-25
【審査請求日】2020-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】515287055
【氏名又は名称】株式会社Avirity Information
(74)【代理人】
【識別番号】100172502
【氏名又は名称】黒瀧 眞輔
(72)【発明者】
【氏名】奥野 友美
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-099198(JP,A)
【文献】特開2012-098410(JP,A)
【文献】特開2005-250423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56
G09B 17/00-19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習用コンテンツを利用者に読み聞かせる学習支援装置であって、
前記利用者に読み聞かせる前記学習用コンテンツを選定するコンテンツ選定手段と、
前記選定した学習用コンテンツを頁毎に表示するとともに、前記頁に含まれる文章の一部又は全部を音声出力するコンテンツ読み聞かせ手段と、
所定の前記頁を表示した後に、利用者に中間設問を提示する中間設問提示手段と、
前記中間設問に対する前記利用者の回答に基づいて所定の反応を提示
し、以降の前記頁について前記コンテンツ読み聞かせ手段による読み聞かせを実行する中間設問反応手段と、
前記学習用コンテンツの表示が完了した後に、前記利用者に最終設問を提示する最終設問提示手段と、
前記最終設問に対する前記利用者の回答にもとづいて利用者の学習度合いを判定する学習度合い判定手段と、
を備え、
前記コンテンツ選定手段は、前記利用者の学習度合いに基づいて前記学習用コンテンツを選定する
ことを特徴とする、学習支援装置。
【請求項2】
前記中間設問反応手段が、前記所定の反応として、前記回答が正解であることを示す正解反応と、前記回答を肯定することを示す肯定反応と、再度回答を促す反応のいずれかの反応を提示する
ことを特徴とする、請求項1記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記学習支援装置が、さらに、前記利用者の保護者へのアンケートを提示する保護者アンケート入力手段を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記コンテンツ選定手段は、前記利用者による前記学習支援装置の初回利用時に、前記利用者の年齢層ごとにあらかじめ設定された基準学習度合いに基づいて前記学習用コンテンツを選定する
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の学習支援装置。
【請求項5】
前記コンテンツ選定手段は、前記利用者の学習度合いに加えて前記中間設問に対する前記利用者の回答に基づいて前記学習用コンテンツを選定する
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の学習支援装置。
【請求項6】
前記学習支援装置は、さらに、前記中間設問に対する利用者の回答を音声により入力する中間設問回答音声入力手段を備え、
前記中間設問提示手段は、前記中間設問を表示するとともに、前記中間設問に含まれる文章の一部又は全部を音声出力する
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の学習支援装置。
【請求項7】
前記学習支援装置は、さらに、前記最終設問に対する利用者の回答を音声により入力する最終設問回答音声入力手段を備え、
前記最終設問提示手段は、前記最終設問を表示するとともに、前記最終設問に含まれる文章の一部又は全部を音声出力する
ことを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の学習支援装置。
【請求項8】
前記学習用コンテンツが絵本であることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の学習支援装置。
【請求項9】
コンピュータを請求項1~8のいずれかに記載の学習支援装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は学習支援装置、及びプログラムに関し、具体的には学習用コンテンツを利用者に読み聞かせる学習支援装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを用いて学習の支援を行う情報システムとして、例えば特許文献1の情報端末が知られている。
【0003】
特許文献1の学習支援装置は、複数の問題を含む宿題を表示する表示手段と、利用者の操作に基づいて宿題の解答の入力を行う入力手段を備え、宿題の全ての問題に正解するか、または所定の時間以上解答の入力がなかった場合に宿題を終了したと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
教育コストが上昇する傾向にある昨今において、学習をコンピュータにより支援する従来技術のような情報システムは有用性が高いものである。
【0006】
しかしながら、教育コストが上昇するにつれ、学習塾その他による教育を開始する対象年齢も若年化する傾向にある。年齢層の低い児童に対する教育は絵本の読み聞かせ等により行われることが通常であるが、単に学習させる絵本の内容を音声出力するような技術では容易に児童の関心を失い、十分な学習効果を上げることが難しいという問題があった。
【0007】
本発明は前述の問題に鑑み、学習効果の高い学習支援装置、及びプログラム提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決することを課題としてなされた本発明に係る学習支援装置は、学習用コンテンツを利用者に読み聞かせる学習支援装置であって、前記利用者に読み聞かせる前記学習用コンテンツを選定するコンテンツ選定手段と、前記選定した学習用コンテンツを頁毎に表示するとともに、前記頁に含まれる文章の一部又は全部を音声出力するコンテンツ読み聞かせ手段と、所定の前記頁を表示した後に、利用者に中間設問を提示し、以降の前記頁について前記コンテンツ読み聞かせ手段による読み聞かせを実行する中間設問提示手段と、前記中間設問に対する前記利用者の回答に基づいて所定の反応を提示する中間設問反応手段と、前記学習用コンテンツの表示が完了した後に、前記利用者に最終設問を提示する最終設問提示手段と、前記最終設問に対する前記利用者の回答にもとづいて利用者の学習度合いを判定する学習度合い判定手段と、を備え、前記コンテンツ選定手段は、前記利用者の学習度合いに基づいて前記学習用コンテンツを選定することを特徴としている。
【0009】
本発明に係る学習支援装置は、前記中間設問反応手段が、前記所定の反応として、前記回答が正解であることを示す正解反応と、前記回答を肯定することを示す肯定反応と、再度回答を促す反応のいずれかの反応を提示するように構成してもよい。
【0010】
本発明に係る学習支援装置は、さらに、前記利用者の保護者へのアンケートを提示する保護者アンケート入力手段を備えるようにしてもよい。
【0011】
本発明に係る学習支援装置は、前記利用者による前記学習支援装置の初回利用時に、前記利用者の年齢層ごとにあらかじめ設定された基準学習度合いに基づいて前記学習用コンテンツを選定するようにしてもよい。
【0012】
本発明に係る学習支援装置は、前記利用者の学習度合いに加えて前記中間設問に対する前記利用者の回答に基づいて前記学習用コンテンツを選定するようにしてもよい。
【0013】
本発明に係る学習支援装置は、前記中間設問提示手段は、前記中間設問を表示するとともに前記中間設問に含まれる文章の一部又は全部を音声出力し、前記中間設問に対する前記利用者の回答は、前記利用者の音声により入力されるようにしてもよい。
【0014】
本発明に係る学習支援装置は、前記最終設問提示手段は、前記最終設問を表示するとともに前記最終設問に含まれる文章の一部又は全部を音声出力し、前記最終設問に対する前記利用者の回答は、前記利用者の音声により入力されるようにしてもよい。
【0015】
本発明に係る学習支援装置は、前記学習用コンテンツが絵本であると好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構成によれば、頁単位で読み聞かせる学習用コンテンツの所定の頁を表示した後に中間設問を提示する中間設問提示手段と、学習用コンテンツの表示が完了した後に最終設問を提示する最終設問提示手段を備えていることにより、利用者の学習用コンテンツに対する関心を高め、高い学習効果を発揮することができる。さらに、読み聞かせる学習用コンテンツを選定するコンテンツ選定手段が、最終設問に対する利用者の回答に基づいて判定した学習度合いにより学習用コンテンツを選定する構成により、利用者にとって最適な学習用コンテンツを読み聞かせることができるので、より高い学習効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る実施形態の一例における学習支援装置のハードウェア構成を示した図である。
【
図2】同実施形態の一例における、学習支援装置の機能構成を示した図である。
【
図3】同実施形態の一例における、データベースの主要な論理構成を示したER図である。
【
図4】同実施形態の一例における、登録処理の流れを示したフロー図である。
【
図5】同実施形態の一例における、読み聞かせの処理の流れを示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の一例に係る学習支援装置100のハードウェア構成を示した構成図である。
図1で示すように、本実施形態の一例に係る学習支援装置100は、CPU101と、メモリ102と、表示装置104と、操作入力装置105と、音声出力装置106と、音声入力装置107と、二次記憶装置108がバス103により接続されている。
【0020】
本実施形態の一例では、タブレット型のコンピュータを用いて学習支援装置100を構成している。すなわち、二次記憶装置108に予め記録されたプログラムがメモリ102にロードされ、CPU101が処理を実行することにより、コンピュータを学習支援装置100として機能させるものである。
【0021】
表示装置104は、画像、文字、その他を表示するデバイスである。本実施形態の一例における表示装置104は、学習支援装置100として用いるタブレット型コンピュータが備えるタッチパネルディスプレイであり、後述する操作入力装置105としても機能するデバイスである。
【0022】
操作入力装置105は、学習支援装置100を利用者が操作するためのデバイスである。本実施形態の一例における操作入力装置105は、学習支援装置100として用いるタブレット型コンピュータが備えるタッチパネルディスプレイである。
【0023】
音声出力装置106は、音声を出力するデバイスであり、本実施形態の一例においては、学習支援装置100として用いるタブレット型コンピュータが備えるスピーカーである。
【0024】
音声入力装置107は、音声を入力するデバイスであり、本実施形態の一例においては、学習支援装置100として用いるタブレット型コンピュータが備えるマイクロフォンである。
【0025】
二次記憶装置108は、任意の情報を記憶するデバイスであり、本実施形態の一例においては、学習支援装置100として用いるタブレット型コンピュータが備える不揮発性メモリデバイスである。なお、不揮発性メモリデバイスとしてはハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SDD)、フラッシュメモリ、その他の周知の不揮発性メモリを任意に選択してよい。
【0026】
以上が学習支援装置100のハードウェア構成である。本実施形態の一例では、学習支援装置100を一台のコンピュータにより構成する、いわゆるスタンドアロン方式の装置として構成しているが、学習支援装置100を複数のコンピュータにより構成してもよく、例えば利用者が使用するクライアント端末と、当該クライアント端末とネットワークを介して接続されたサーバからなるいわゆるクライアント・サーバ方式で構成してもよい。
【0027】
また、学習支援装置100として用いるコンピュータはタブレット型コンピュータに限られるものではなく、例えばより小型のスマートフォンその他の携帯端末でもよいし、据え置き型のパーソナル・コンピュータや、ラップトップ型コンピュータを用いてもよい。本実施形態の一例では、学習支援装置100の機能をソフトウェアにより構成しているが、これをハードウェアにより構成し、汎用のコンピュータを用いずに専用の装置として構成してもよい。
【0028】
次いで、本実施形態の一例における学習支援装置100の機能について説明する。
図2は、本実施形態における学習支援装置100の機能を概念的に示した図であり、
図2で示すように、学習支援装置100はコンテンツ選定手段201と、コンテンツ読み聞かせ手段202と、中間設問提示手段203と、中間設問反応手段204と、最終設問提示手段205と、学習度合い判定手段206と、保護者アンケート入力手段207を備えている。
【0029】
なお、本実施形態の一例において、学習支援装置100が読み聞かせる学習用コンテンツは絵本であるが、読み聞かせるコンテンツの内容は絵本以外の周知のコンテンツとしてもよい。
【0030】
コンテンツ選定手段201は、学習支援装置100により読み聞かせを行う学習用コンテンツを選定する。本実施形態の一例では、利用者の学習度合いに基づいて、或いは、利用者が学習支援装置100を最初に利用する際には利用者が属する年齢層に基づいた基準学習度合いに基づいて学習用コンテンツを選定する。
【0031】
コンテンツ読み聞かせ手段202は、前述のコンテンツ選定手段201が選定した学習用コンテンツを頁毎に利用者に読み聞かせる。具体的には、選定した学習用コンテンツに属する頁を頁毎に表示装置104に表示するとともに、当該頁に含まれる文章の一部又は全部を音声により音声出力装置106に出力する。
【0032】
中間設問提示手段203は、所定の頁を読み聞かせた後に中間設問を利用者に提示する。本実施形態の一例では、中間設問を表示装置104に表示するとともに、当該表示した中間設問の文章の一部又は全部を音声により音声出力装置106に出力する。
【0033】
中間設問反応手段204は、前述の中間設問提示手段203が提示した中間設問に利用者が音声入力装置107により音声入力した回答に基づいて所定の反応を提示する。本実施形態の一例では、所定の反応は音声により音声出力装置106に出力する。
【0034】
最終設問提示手段205は、コンテンツ読み聞かせ手段202により学習用コンテンツのすべての頁の表示が完了した後に、利用者に最終設問を提示する。本実施形態の一例では、最終設問を表示装置104に表示するとともに、当該表示した最終設問の文章の一部又は全部を音声により音声出力装置106に出力する。また、本実施形態の一例において、最終設問は選択形式の設問であるが、例えば音声入力装置107を使用して音声により回答させるようにしてもよい。
【0035】
学習度合い判定手段206は、前述の最終設問提示手段205が提示した最終設問に対する利用者の回答に基づいて、利用者の学習度合いを判定する。本実施形態の一例では、前述のように、最終設問は選択形式の設問として構成されており、利用者が操作入力部107により一の選択肢を選択すると、当該選択肢が正解か否かを判定するとともに、後述する判定方法により利用者の学習度合いを判定する。
【0036】
保護者アンケート入力手段207は、利用者の保護者によるアンケートを入力する手段である。本実施形態の一例では、利用者が所定の回数、学習支援装置100による学習用コンテンツの読み聞かせを行った後に、保護者へのアンケートを求める画面を表示装置104に表示する。利用者の保護者が入力したアンケート内容は、二次記憶装置108に記録される。
【0037】
以上が本実施形態の一例における学習支援装置100の機能の構成である。
【0038】
次いで、学習支援装置100が扱う情報の論理的な構成について説明する。本実施形態の一例に係る学習支援装置100は、二次記憶装置108上にデータベース(図示しない)が構築されている。
図3は、本実施形態の一例に係る学習支援装置100におけるデータベースの主要な論理構成をIE記法により示したエンティティ・リレーション図(ER図)である。
図3で示すように、本実施形態の一例におけるデータベースは、主要なエンティティとして、コンテンツエンティティE100と、頁エンティティE200と、利用者エンティティE300と、学習度合いエンティティE400と、年齢層エンティティE500と、中間設問エンティティE600と、最終設問エンティティE700を備えている。
【0039】
コンテンツエンティティE100は学習用コンテンツのメタデータを表すエンティティであり、主要な属性として、コンテンツを一意に識別するコンテンツID E101と、属する学習度合いの学習度合いID E102と、タイトルE103と、著者E104と、頁数E105を備えている。
【0040】
本実施形態の一例では、学習支援装置100は学習用コンテンツを頁単位で読み聞かせる。当該頁を表すエンティティが頁エンティティE200であり、主要な属性として、頁を一意に識別する頁ID E201と、属する学習用コンテンツのコンテンツID E202と、頁の表示順E203と、画像E204と、文章E205と、中間設問ID E206を備えている。
【0041】
本実施形態の一例は前述のとおり学習用コンテンツである絵本を頁単位で読み上げるものであり、一の学習用コンテンツが一又は二以上の頁を備える構成である。当該構成を表すべく、本実施形態の一例では頁エンティティE200のコンテンツID E202がコンテンツエンティティE100のコンテンツID E101を参照する属性として構成されており、コンテンツエンティティE100と頁エンティティE200が1対1~Nの関係で紐付けられている。
【0042】
利用者エンティティE300は利用者を表すエンティティであり、主要な属性として、利用者を一意に識別する利用者ID E301と、利用者の氏名E302と、利用者の年齢E303と、学習度合いID E304を備えている。
【0043】
学習度合いエンティティE400は学習度合いを表すエンティティであり、主要な属性として、学習度合いを一意に識別する学習度合いID E401と、学習度合い名称E402と、下位学習度合いID E403と、上位学習度合いID E404を備えている。
【0044】
前述のように、本実施形態の一例では、利用者の学習度合いに基づいて学習用コンテンツを選定する。これを実現するために、利用者エンティティE300の学習度合いID E304は、利用者の現在の学習度合いを示す学習度合いエンティティE400の学習度合いID E401を参照する。この構成により、利用者エンティティE300と学習度合いエンティティE400は0~N対1の関係で紐付けられている。
【0045】
また、前述のように、本実施形態の一例において、学習用コンテンツは利用者の学習度合いに基づいて選定される。これを実現するために、本実施形態の一例ではコンテンツエンティティE100の学習度合いID E102が学習度合いエンティティE400の学習度合いID E401を参照するよう構成されており、コンテンツエンティティE100と学習度合いエンティティE400が1~N対1の関係で紐付けられている。
【0046】
また、本実施形態の一例において、学習度合いエンティティE400は属性として下位学習度合いID E403と上位学習度合いID E404を備えており、それぞれ下位の学習度合いとなる学習度合いID E401と、上位の学習度合いとなる学習度合いID E401を参照する。
【0047】
本実施形態の一例では、利用者の年齢層ごとに基準となる学習度合いをあらかじめ設定する。当該設定を構成するエンティティが年齢層エンティティE500であり、年齢層エンティティE500は主要な属性として、年齢層を一意に識別する年齢層ID E501と、基準学習度合いID E502と、年齢下限E503と、年齢上限E504を備えている。
【0048】
年齢層エンティティE500の基準学習度合いID E502は、学習度合いエンティティE400の学習度合いID E401を参照する属性であり、年齢層エンティティE500と学習度合いエンティティE400は0~1対1の関係で紐付けられている。すなわち、一の年齢層エンティティE500には必ず基準学習度合いとして一の学習度合いエンティティE400が紐付けられているが、いずれの年齢層の基準学習度合いにも設定されていない学習度合いエンティティE400には年齢層エンティティE500が紐づかないように構成されている。
【0049】
本実施形態の一例では、コンテンツ読み聞かせ手段202により所定の頁が表示された後、中間設問提示手段205により中間設問が提示される。当該提示する中間設問を表すエンティティが中間設問エンティティE600である。
【0050】
中間設問エンティティE600は主要な属性として、中間設問を一意に識別する中間設問ID E601と、中間設問画像E602と、中間設問文章E603と、正解キーワードE604を備えている。前述のように、本実施形態の一例における中間設問は表示装置104に表示する画像と、音声出力装置106に出力する文章から構成されており、中間設問エンティティの中間設問画像E602及び中間設問文章E603は当該構成を表すものである。
【0051】
本実施形態の一例において、中間設問は学習用コンテンツの所定の頁を表示した後に利用者に提示される。当該構成を実現すべく、頁エンティティE200は属性として前述の中間設問ID E206を備えており、所定の頁を表す頁エンティティE200の中間設問ID E206が中間設問エンティティE200の中間設問ID E201を参照する。この構成により、頁エンティティE200と中間設問エンティティE600は0~N対0~1の関係で紐付けられている。すなわち、頁エンティティE200には、中間設問エンティティE600に紐づくエンティティと、中間設問エンティティE600に紐づかないエンティティが存在し得るよう構成され、一方、中間設問エンティティE600は、紐づく頁エンティティE200が存在しないエンティティと、一又は二以上の頁エンティティE200に紐づくエンティティが存在し得るよう構成されている。
【0052】
本実施形態の一例では、コンテンツ読み聞かせ手段202により学習用コンテンツのすべての頁を読み聞かせた後に最終設問提示手段205により最終設問を利用者に提示する。当該提示する最終設問を表すエンティティが最終設問エンティティE700である。
【0053】
最終設問エンティティE700は主要な属性として、最終設問を一意に識別する最終設問ID701と、コンテンツID E702と、最終設問画像E703と、最終設問文章E704と、選択肢E705~E708と、正解E709を備えている。
【0054】
本実施形態の一例における最終設問エンティティE700のコンテンツID E702は、コンテンツエンティティE100のコンテンツID E101を参照する属性である。この構成により、コンテンツエンティティE100と最終設問エンティティE700は1対1~Nの関係により紐づけられており、一の学習用エンティティに対して一又は二以上の最終設問が設定される構成となっている。
【0055】
以上が本実施形態の一例におけるデータベースの主要な構成についての説明である。なお、データベースは周知のリレーショナル・データベース・マネージメント・システム(RDBMS)を用いてもよい。また、データベースの構築は任意であり、二次記憶装置108のディレクトリ空間等を用いて扱う情報を整理するようにしてもよい。
【0056】
次いで、本実施形態の一例に係る学習支援装置100の処理の流れを説明する。
【0057】
本実施形態の一例は、利用者が学習を行うに先だって学習支援装置100に利用者登録を行う。
図4は、本実施形態の一例における利用者登録の処理の流れを示したフロー図である。
【0058】
利用者登録を開始すると、学習支援装置100が表示装置104に利用者登録画面を表示する(ステップS101)。利用者登録画面には利用者を示す利用者情報として、利用者の氏名及び年齢を入力するフォームと、利用者登録を開始する登録ボタンが表示され、利用者が当該フォームに利用者の氏名及び年齢を入力して登録ボタンを押下すると(ステップS102)、学習支援装置100が当該入力した内容に基づいて利用者情報を利用者エンティティE300として生成する(ステップS103)。
【0059】
次いで、学習支援装置100は前記入力された内容に基づいて、初回利用時に学習用コンテンツを選定するための学習度合いを決定する。具体的には、生成した利用者エンティティE300の年齢E303に基づいて、当該年齢E303が年齢下限E503以上であり、かつ、年齢上限E504以下となる年齢層エンティティE500を取得する(ステップS104)。年齢層エンティティE500を取得した後、学習支援装置100は当該取得した年齢層エンティティE500の基準学習度合いID E502が参照する学習度合いエンティティE400の学習度合いID E401により、利用者エンティティE300の学習度合いID E304を更新する(ステップS105)。
【0060】
前述のステップS104及びS105が完了すると、学習支援装置100は生成した利用者エンティティE300をデータベースに登録し(ステップS106)、利用者登録処理は完了する。
【0061】
利用者登録が完了すると、又は、既に利用者登録が完了している利用者が学習支援装置100による学習を開始すると、学習支援装置100による学習支援が開始される。
図5は、本実施形態の一例に係る学習支援装置100を利用した学習を行う際の処理の流れを示したフロー図である。
【0062】
学習支援装置100による学習支援が開始されると、学習支援装置100のコンテンツ選定手段201により、利用者が学習する学習用コンテンツの選定が行われる(ステップS201)。本実施形態の一例では、コンテンツ選定手段201が利用者の学習度合いに基づいて学習用コンテンツを選定する。具体的には、利用者を表す利用者エンティティE300が参照する学習度合いエンティティE400から、当該エンティティE400を参照するコンテンツエンティティE100の一を選定する。選定の方法は任意の方法を用いてよく、例えば乱数を用いた選定をしてもよいし、予め設定した順序に従って選定してもよい。また、すでに学習済みのコンテンツは選定しないようにしてもよい。
【0063】
学習用コンテンツが選定されると、次いで、学習支援装置100のコンテンツ読み聞かせ手段202により、当該選定した学習用コンテンツの読み聞かせが行われる(ステップS202)。前述のとおり、本実施形態の一例では、学習用コンテンツの読み聞かせを頁単位で行う。具体的には、前述のステップS201で選定したコンテンツエンティティE100に紐づく頁エンティティE100を表示順E203の順に取得し、画像E204を表示装置104に表示するとともに、文章E205を音声により音声出力装置106に出力する。なお、音声により出力する文章は、文章E205の全部であってもよいし、一部であってもよい。また、音声出力する文章E205の全部又は一部を、画像E204とともに表示装置104に表示するようにしてもよい。
【0064】
読み聞かせを行う頁が中間設問を提示する所定の頁の場合は、学習支援装置100の中間設問提示手段203により、中間設問が利用者に提示される(ステップS203)。本実施形態の一例では、前述の通り、頁エンティティE200と中間設問エンティティE600が0~N対0~1の関係で紐付けられており、中間設問エンティティE600との紐づきが存在する頁エンティティE200が、前述の所定の頁を表す頁エンティティE200である。中間設問提示手段203は、当該頁エンティティE200と紐付けられた中間設問エンティティE600を取得し、設問画像E602を表示装置104に表示するとともに、設問文章E603を音声により音声出力装置106に出力する。なお、音声により出力する文章は、設問文章E603の全部であってもよいし、一部であってもよい。また、音声出力する設問文章E603の全部又は一部を、設問画像E602とともに表示装置104に表示するようにしてもよい。
【0065】
次いで、学習支援装置100は、前述のステップS203により中間設問が提示された場合に、中間設問反応手段204により利用者の中間設問に対する回答に反応を提示する処理を行う(ステップS204)。本実施形態の一例では、中間設問に対する回答は音声により行われる。利用者が音声入力装置107により中間設問に対する回答を入力すると、中間設問反応手段204が当該回答に基づいて所定の反応を提示する。本実施形態の一例では、所定の反応として、回答が正解であることを示す正解反応と、前記回答を肯定することを示す肯定反応と、再度回答を促す反応を示す文章を音声により音声出力装置106に出力する。回答の判定方法は任意の方法を用いてよいが、本実施形態の一例では、入力された回答を音声解析し、中間設問エンティティE600の正解キーワードE604が含まれる場合には正解反応を提示し、正解キーワードE604が含まれない場合は肯定反応を提示し、回答が入力されないその他の理由により音声解析ができない場合には再度回答を促す反応を提示する。
【0066】
なお、本実施形態の一例では中間設問を音声出力し、利用者の回答を音声入力する構成としているが、中間設問の提示及び回答の入力に音声を用いるか否かは任意に選択してよい。また、中間設問に対する利用者の回答は任意とし、回答をスキップできる構成としてもよい。
【0067】
前述のステップS202~S204は、読み聞かせる学習コンテンツの頁全てについて繰り返し実行され、全ての頁の読み聞かせが完了すると学習支援装置100の最終問題提示手段205による最終問題の提示が行われる(ステップS205)。前述の通り、本実施形態の一例では、一の学習用コンテンツに対して一又は二以上の最終設問が紐づけられる構成となっている。ステップS205では、読み聞かせを行ったコンテンツエンティティE100に紐づく最終設問エンティティE700を取得し、最終設問エンティティE700毎に、設問画像E702及び選択肢E705~E708を表示装置104に表示するとともに、設問文章E704を音声により音声出力装置106に出力する。なお、音声により出力する文章は設問文章E704の全部であってもよいし、一部であってもよい。また、音声出力する設問文章E704を設問画像E702とともに表示装置104に表示するようにしてもよい。
【0068】
提示されたすべての最終設問に対して利用者操作入力装置105を操作して任意の選択肢を選択すると、学習支援装置100の学習度合い判定手段206により利用者の学習度合いを判定する(ステップS206)。本実施形態の一例では、前述の通り、学習度合いエンティティE400が上位の学習度合いエンティティE400及び上位の学習度合いエンティティE400を参照する構成となっており、ステップS206では、所定の基準により利用者の学習度合いを下位又は上位に変更させるか、或いは変更させないかを判定する。判定の結果、利用者の学習度合いが変更した場合には、利用者エンティティE300の学習度合いID E304が変更した新たな学習度合いを表す学習度合いエンティティE400の学習度合いID E401を参照するように更新される。更新された利用者エンティティE300と学習度合いエンティティE400の紐付けは次回の学習において、ステップS201で学習用コンテンツの選定に使用される。この構成により、本実施形態の一例では、最終設問に対する利用者の回答に基づいて学習度合いを判定し、当該判定した学習度合いに基づいて学習用コンテンツが選定される。
【0069】
利用者の学習度合いを判定する基準は任意に選択してよいが、本実施形態の一例では、同一学習度合いに紐づく二の学習用コンテンツにおいて提示した全ての最終設問に正解すると学習度合いを上位に変更し、同一学習度合いに紐づく学習用コンテンツ群において連続して30門の最終設問に正解しなかった場合に、利用者の学習度合いを下位に変更する。
【0070】
なお、本実施形態の一例では最終設問を音声出力し、最終設問に対する回答を選択肢により選択させる構成としているが、例えば最終設問を文章によって利用者に提示するようにしてもよいし、最終設問に対する回答を音声により入力させるようにしてもよい。
【0071】
次いで、学習支援装置100は、保護者アンケート入力手段207により、利用者の保護者によるアンケートを入力して(ステップS207)、学習支援装置100による学習用コンテンツの読み聞かせ処理は完了する。アンケートの入力方法は任意に選択してよく、例えば表示装置104にアンケート入力フォームを表示して保護者に入力させるようにしてもよいし、或いは、アンケートの入力を促す文章を音声により音声出力装置106に出力し、保護者が音声入力装置107によりアンケートを音声入力するようにしてもよい。入力されたアンケートは学習支援装置100の二次記憶装置108に記録される。
【0072】
なお、本実施形態の一例では、一の学習用コンテンツの読み聞かせが終わる毎にステップS207において保護者アンケートの入力を求めるが、例えば、所定の回数読み聞かせが完了した後に保護者アンケートを求めるように構成してもよい。また、保護者アンケートに加えて、利用者自身に対してアンケートを求めるように構成してもよく、その場合には、ステップS206による判定基準として利用者に求めたアンケートの内容を加味するようにしてもよい。例えば、前述の学習度合いを下位に変更する条件として、さらに、アンケートの結果利用者が学習用コンテンツに関心を示していないことを加えてもよい。また、学習度合いを上位に変更する条件として、さらに、アンケートの結果利用者が学習用コンテンツに高い関心を示していることを加えてもよい。
【0073】
以上が学習支援装置100による学習支援の処理の流れである。本実施形態の一例に係る学習支援装置100は、所定の頁を読み聞かせた後に中間設問を提示する中間設問提示手段203と、学習用コンテンツの全ての頁を読み聞かせた後に最終設問を提示する最終設問提示手段205を備えていることにより、利用者の学習用コンテンツに対する関心を高め、高い学習効果を発揮することができる。さらに、コンテンツ選定手段201が最終設問に対する利用者の回答に基づいて判定した学習度合いにより学習用コンテンツを選定するので、利用者にとって最適な学習用コンテンツを読み聞かせることができ、より高い学習効果を発揮することができる。
【0074】
本実施形態の一例の説明は以上であるが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、前述のように、本実施形態の一例では、一台のタブレット型コンピュータにより学習支援装置100を構成しているが、二台以上のコンピュータにより構成するようにしてもよい。
【0075】
その他の具体的な構成も本実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
100 学習支援装置
101 CPU
102 メモリ
103 バス
104 表示装置
105 操作入力装置
106 音声出力装置
107 音声入力装置
108 二次記憶装置
201 コンテンツ選定手段
202 コンテンツ読み聞かせ手段
203 中間設問提示手段
204 中間設問反応手段
205 最終設問提示手段
206 学習度合い判定手段
207 保護者アンケート入力手段