(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造及び精製するための方法
(51)【国際特許分類】
C07C 17/386 20060101AFI20220208BHJP
C07C 21/18 20060101ALI20220208BHJP
C07C 19/08 20060101ALI20220208BHJP
C07C 17/25 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
C07C17/386
C07C21/18
C07C19/08
C07C17/25
(21)【出願番号】P 2018532063
(86)(22)【出願日】2016-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2016080952
(87)【国際公開番号】W WO2017108524
(87)【国際公開日】2017-06-29
【審査請求日】2019-11-19
(32)【優先日】2015-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ババ-アフマッド, アベデラティフ
(72)【発明者】
【氏名】コリエ, ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥール-ベール, ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】エメリー, イレーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ベンドリンガー, ローラン
【審査官】池上 佳菜子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-521275(JP,A)
【文献】国際公開第08/030440(WO,A1)
【文献】特表2014-528912(JP,A)
【文献】特表2011-513227(JP,A)
【文献】特開2016-094374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 17/20
C07C 17/25
C07C 17/383
C07C 19/08
C07C 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む第1の組成物を使用して2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを精製するための方法であって、
a)前記第1の組成物を少なくとも一の有機抽出剤と接触させて第2の組成物を形成する工程;
b)前記第2の組成物を抽出蒸留して、
i)前記有機抽出剤及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む第3の組成物;並びに
ii)2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む流れ
を形成する工程;
c)前記第3の組成物を回収及び分離して、前記有機抽出剤を含む流れと、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む流れとを形成する工程
を含む方法。
【請求項2】
工程b)で得られる2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む前記流れii)を回収する、並びに、前記流れを蒸留して、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを含む流れAと、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む流れBとを形成する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の組成物が、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一つも含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される前記化合物の少なくとも一つが、前記第2及び第3の組成物にも含有され;本方法の工程c)が、前記第3の組成物を回収及び分離し、一方に前記有機抽出剤を含む流れを、他方に、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びにクロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一つを含む流れを形成する工程であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記有機抽出剤が、ハロ炭化水素、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、ニトリル、カーボネート、チオアルキル、アミド及び複素環からなる群より選択される溶媒であるか;又は有機抽出剤がトリエチルフルオロシランであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記有機抽出剤が、1.1以上の分離係数S
1,2を有し、前記分離係数が、式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)
[式中、
γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの活量係数を表し;
P1は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの飽和蒸気圧を表し;
γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し;
P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す]
により計算されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記有機抽出剤が、1.1以上の分離係数S
1,2を有し、前記分離係数が、式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)
[式中、
γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の活量係数を表し;
P1は、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の飽和蒸気圧を表し;
γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し;
P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す]
により計算されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記有機抽出剤が、0.20以上の吸収容量C
2,Sを有し、前記吸収容量が式C
2,S=1/(γ
2,S)
[式中、
γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)からなる前記少なくとも一の化合物の活量係数を表す]
により計算されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記有機抽出剤が、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、ブタノン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、ジオキサン、1,1-ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、1,3-ジオキサン、酢酸sec-ブチル、1,2-ジアミノエタン、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、酢酸n-ブチル、2-メトキシ-1-プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む、工程b)で形成される流れii)が、回収され、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含まないことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
工程a)の前に、以下の工程:
i’)2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの沸点よりも低い沸点を有する不純物、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む組成物を含む組成物を使用する工程;
ii’)工程i)からの前記組成物を蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物を除去し、且つ、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む、蒸留塔の底部で回収される、第1の流れを形成する工程;
iii’)工程ii’)において蒸留塔の底部で回収される前記第1の流れを蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む第2の流れを、並びに、塔の底部で、重質不純物を含む流れを回収する工程
を含み、
工程ii’)で回収される前記第1の流れ又は工程iii’)で回収される前記第2の流れが、工程a)で使用される前記第1の組成物に相当することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造及び精製するための方法であって、
A)触媒の存在下で、式(I)CX(Y)
2-CX(Y)
m-CH
mXY[式中、X及びYは、独立して水素、フッ素又は塩素原子を表し、且つm=0又は1である]の化合物をフッ素化する工程;及び/又は、触媒の存在下で、式(CX
nY
3-n)CH
pX
1-pCH
mX
2-m(II)[式中、Xは、互いに独立して、Cl、F、I又はBrであり;Yは、互いに独立して、H、Cl、F、I又はBrであり;nは1、2又は3であり;且つmは0、1又は2であり;且つpは0又は1である]の化合物を触媒的にフッ素化する工程;
B)2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む流れを回収する工程;
C)工程B)で回収される流れを使用する、請求項1から11のいずれか一項に記載の2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを精製するための方法を実施する工程
を含む方法。
【請求項13】
2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)及び式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)[式中、γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの活量係数を表し、P1は、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し、P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す]により計算される1.60以上の分離係数S
1,2を有する有機抽出剤;
及び式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)[式中、γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の活量係数を表し、P1は、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の飽和蒸気圧を表し、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し、P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す]により計算される1.60以上の分離係数S
1,2を有する前記有機抽出剤
を含む、組成物
であって、
該組成物は、HFを含まない、組成物。
【請求項14】
有機抽出剤が、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、ブタノン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、ジオキサン、1,1-ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、1,3-ジオキサン、酢酸sec-ブチル、1,2-ジアミノエタン、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、酢酸n-ブチル、2-メトキシ-1-プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択されることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを精製するための方法に関する。本発明はまた、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造及び精製するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
ハイドロフルオロカーボン(HFC)、特にハイドロフルオロオレフィン(HFO)、例えば2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234yf)は、冷却剤、伝熱流体、消火器、噴射剤、発泡剤、膨張剤、ガス誘電体、重合媒体又はモノマー、支持流体、研磨剤、乾燥剤及び発電装置用流体としての特性が知られている化合物である。HFOは、その低いODP(オゾン層破壊係数)及びGWP(地球温暖化係数)の値のために、HCFCに対する望ましい代替物として同定されている。
【0003】
ハイドロフルオロオレフィンを製造するための方法の多くは、フッ素化及び/又は脱ハイドロハロゲン化反応を含む。これらのタイプの反応は、気相で行われ、目的とする用途に十分な純度の所望の化合物を得るために最終的には除去される必要のある不純物を生成する。
【0004】
例えば、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234yf)を生成する文脈においては、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)のような不純物の存在が観察される。副生成物、例えば1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロペンもまた形成される。このタイプの反応混合物の精製は、例えば、蒸留により実施されうる。しかしながら、精製される化合物が非常に近い沸点を有するとき、又は、それらが共沸若しくは共沸様組成物を形成するとき、蒸留は効率的な方法ではない。よって抽出蒸留法が記載されている。
【0005】
国際公開第03/068716号は、ヘキサフルオロプロペンの存在下での蒸留により、ペンタフルオロエタン及びクロロペンタフルオロエタンを含む混合物からペンタフルオロエタンを回収するための方法を記載している。
【0006】
国際公開第98/19982はまた、抽出蒸留により1,1-ジフルオロエタンを精製するための方法を記載している。該方法は、抽出剤を1,1-ジフルオロエタンと塩化ビニルの混合物に接触させることからなる。抽出剤は、10℃から120℃の間の沸点を有する炭化水素、アルコール及びクロロカーボンから選択される。国際公開第98/19982号で言及されるように、抽出剤の選択は、分離される生成物に応じて、複雑であることが判明しうる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの精製を可能にする。本発明は、特に、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパンと、低含有量のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む流れの製造を可能にする。本発明は、よって、改善した純度の2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの製造を可能にする。
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む第1の組成物を使用して2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを精製するための方法であって、
a)前記第1の組成物を少なくとも一の有機抽出剤と接触させて第2の組成物を形成する工程;
b)前記第2の組成物を抽出蒸留して、
i)前記有機抽出剤及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む第3の組成物;並びに
ii)2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)(245cb)を含む流れを形成する工程
c)前記第3の組成物を回収及び分離して、前記有機抽出剤を含む流れ及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む流れを形成する工程
を含む方法を提供する。
【0009】
好ましくは、工程c)の分離は蒸留によって実施される。好ましくは、前記有機抽出剤を含む流れは工程a)にリサイクルされる。好ましくは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを含む流れは、焼却によって精製又は破壊される。
【0010】
好ましくは、工程b)で形成される2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む流れii)は回収される。流れは精製されて、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンと1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)は分離されうる。よって、好ましい実施態様によれば、本方法はまた、工程b)で得られる2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む前記流れを回収する、並びに、前記流れを蒸留して、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを含む流れAと、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む流れBを形成する工程も含む。1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む流れBは、上記の2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造及び精製するための方法の工程A)にリサイクルされうる。2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを含む流れAは、精製されて、市販の仕様を満たす、つまり、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン若しくはトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを含有しないか、又は少量のみしか含有しない純度に達しうる。
【0011】
好ましい実施態様によれば、前記第1の組成物はまた、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一つを含む。
【0012】
好ましい実施態様によれば、前記クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一つはまた、第2及び第3の組成物に含有され;本方法の工程c)は、前記第3の組成物を回収及び分離し、一方に前記有機抽出剤を含む流れを、他方に、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに前記クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一つを含む流れを分離することである。
【0013】
好ましくは、前記有機抽出剤は、10から150℃の間の沸点を有しうる。
【0014】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、ハロ炭化水素、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、ニトリル、カーボネート、チオアルキル、アミド及び複素環からなる群より選択される溶媒である;又は前記有機抽出剤はトリエチルフルオロシランである。好ましくは、有機抽出剤は、アミン、エーテル、エステル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び複素環からなる群より選択される。
【0015】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)より計算され、式中、
γ1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの活量係数を表し;
P1は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの飽和蒸気圧を表し;
γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し;
P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す。
有利には、分離係数は、1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上である。
【0016】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有し、前記有機抽出剤は式C2,S=1/(γ2,S)[式中、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)からなる前記少なくとも一の化合物の活量係数を表し;好ましくは、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)からなる前記少なくとも一の化合物の活量係数を表す]により計算され;
有利には、吸収容量C2,Sは、0.40以上、好ましくは0.60以上、より優先的には0.80以上、特に1.0以上である。
【0017】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有してもよく、前記分離係数は、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)より計算され、式中、
γ1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の活量係数を表し;
P1は、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の飽和蒸気圧を表し;
γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し;
P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す。
有利には、分離係数は、1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上である。
【0018】
好ましい実施態様によれば、前記第1の組成物は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)、並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含みうる。
【0019】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、ブタノン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、ジオキサン、1,1-ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、1,3-ジオキサン、酢酸sec-ブチル、1,2-ジアミノエタン、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、酢酸n-ブチル、2-メトキシ-1-プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択される。好ましくは、前記有機抽出剤は、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、ジオキサン、1,1-ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、1,3-ジオキサン、酢酸sec-ブチル、1,2-ジアミノエタン、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、酢酸n-ブチル、2-メトキシ-1-プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択される。
【0020】
工程b)で形成される好ましい実施態様によれば、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む流れは、回収され、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含まない。
【0021】
好ましい実施態様によれば、前記方法は、工程a)の前に、以下の工程:
i’)2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの沸点よりも低い沸点を有する不純物、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む組成物、任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)、3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物。並びに任意選択的に又はそうではなく重質不純物を含む組成物を使用する工程;
ii’)工程i)からの前記組成物を蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物を除去し、且つ、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)、任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)、3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物、並びに任意選択的に又はそうではなく、重質不純物を含む、蒸留塔の底部で回収される、第1の流れを形成する工程;
iii’)任意選択的に又はそうではなく、工程ii’)において蒸留塔の底部で回収される前記第1の流れを蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)、並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含む第2の流れを、並びに、塔の底部で、重質不純物を含む流れを回収する工程
を含み、
工程ii’)で回収される前記第1の流れ及び工程iii’)で回収される前記第2の流れは、工程a)で使用される前記第1の組成物に相当する。
【0022】
重質不純物は、例えば、1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(236fa)、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(236ea)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ca)、シス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-Z)、及び対象の組成物又は流れに存在する化合物の一つに由来するダイマー又はトリマーを含有しうる。
【0023】
第2の態様によれば、本発明は、
A)触媒の存在下で、式CX(Y)2-CX(Y)m-CHmXY(I)[式中、X及びYは、独立してH、F又はClを表し、且つm=0又は1である]の化合物を触媒的にフッ素化する工程;及び/又は、触媒の存在下で、式(CXnY3-n)CHpX1-pCHmX2-m(II)[式中、Xは、互いに独立して、Cl、F、I又はBrであり;Yは、互いに独立して、H、Cl、F、I又はBrであり;nは1、2又は3であり;且つmは0、1又は2であり;且つpは0又は1である]の化合物をフッ素化する工程;
B)2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)、並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含む流れを回収する工程;
C)工程B)で回収される流れを使用して、本発明による2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを精製するための方法を実施する工程
を含む、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造及び精製するための方法を提供する。
【0024】
別の実施態様によれば、本発明は、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)及び1.60以上の分離係数S1,2(式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)[式中、γ1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの活量係数を表し、P1は、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し、P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す]により計算される)を有する有機抽出剤;並びに、1.60以上の分離係数S1,2(式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)[式中、γ1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の活量係数を表し、P1は、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し、P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す]により計算される)を有する前記有機抽出剤を含む組成物を提供し;好ましくは、前記有機抽出剤は、0.60以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は、式C2,S=1/(γ2,S)[式中、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表す。好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、ブタノン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、ジオキサン、1,1-ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、1,3-ジオキサン、酢酸sec-ブチル、1,2-ジアミノエタン、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、酢酸n-ブチル、2-メトキシ-1-プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択される。好ましくは、前記有機抽出剤は、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、ジオキサン、1,1-ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、1,3-ジオキサン、酢酸sec-ブチル、1,2-ジアミノエタン、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、酢酸n-ブチル、2-メトキシ-1-プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択される。好ましくは、本発明のこの他の態様による前記組成物はHFを含まない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1a-cは、本発明の特定の実施態様による2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを精製するための方法を行うための装置を概略的に表す。
【
図2】
図2は、本発明の特定の実施態様による2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造するための方法を行うための装置を概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書で使用される用語「炭化水素」とは、直鎖状又は分岐状のC1-C20アルカン、C3-C20シクロアルカン、C2-C20アルケン、C3-C20シクロアルケン又はC6-C18アレーン化合物を指す。例えば、用語「アルカン」とは、nが1から20の間である式CnH2n+2の化合物を指す。用語「C1-C20アルカン」は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン及びデカン、又はそれらの異性体を含む。用語「C2-C20アルケン」とは、一又は複数の炭素-炭素二重結合を含み、2から20の炭素原子を含む炭化水素ベースの化合物を指す。用語「C3-C20シクロアルカン」とは、3から20の炭素原子を含む飽和した炭化水素ベースの環を指す。用語「C6-C18アリール」とは、6から18の炭素原子を含む環状又は芳香族の炭化水素ベースの化合物を指す。用語「C3-C20シクロアルケン」とは、3から20の炭素原子を含み、且つ、一又は複数の炭素-炭素二重結合を含む環状又は芳香族の炭化水素ベースの化合物を指す。
【0027】
用語「アルキル」とは、1から20の炭素原子を含む、直鎖状又は分岐状アルカンに由来する一価のラジカルを意味する。用語「シクロアルキル」とは、3から20の炭素原子を含む、シクロアルカンに由来する一価のラジカルを意味する。用語「アリール」とは、6から18の炭素原子を含む、アレーンに由来する一価のラジカルを意味する。用語「アルケニル」とは、2から20の炭素原子及び少なくとも一の炭素-炭素二重結合の一価のラジカルを意味する。用語「アルキニル」とは、2から20の炭素原子及び少なくとも一の炭素-炭素三重結合の一価のラジカルを意味する。用語「ハロゲン」とは、-F、-Cl、-Br又は-I基を指す。用語「シクロアルケニル」とは、3から20の炭素原子を含む、シクロアルケンに由来する一価のラジカルを意味する。C1-C20アルキル、C2-C20アルケニル、C2-C20アルキニル、C3-C20シクロアルキル、C3-C20シクロアルケニル及びC6-C18アリール置換基は、一又は複数の-OH、ハロゲン、-NRaC(O)Rb、-C(O)NRaRb-CN、-NO2、-NRaRb、-ORa、-SRa、-CO2Ra、-OC(O)ORa、-OC(O)Ra、-C(O)H又は-C(O)Ra置換基で任意選択的に置換されてもよく、ここで、Ra及びRbは、互いに独立して、水素、非置換C1-C20アルキル、非置換C2-C20アルケニル、非置換C2-C20アルキニル、非置換C3-C20シクロアルキル、非置換C3-C20シクロアルケニル又は非置換C6-C18アリールである。置換基-NRaRb、-NRaC(O)Rb、-C(O)NRaRb、Ra及びRbは、それらが結合する窒素原子又は官能基と共に、飽和又は不飽和で、芳香族又は非芳香族の、4から10員の複素環を形成しうる。
【0028】
用語「ハロ炭化水素」とは、RaがC1-C20アルキル、C2-C20アルケニル、C2-C20アルキニル、C3-C20シクロアルキル、C3-C20シクロアルケニル及びC6-C18アリールから選択され、且つ、Xが塩素、フッ素、臭素又はヨウ素原子を表す、式RaXの化合物を指す。C1-C20アルキル、C2-C20アルケニル、C2-C20アルキニル、C3-C20シクロアルキル、C3-C20シクロアルケニル及びC6-C18アリール置換基は、任意選択的に、Ra及びRbが上記の通りである、一又は複数の-OH、ハロゲン、-NRaC(O)Rb、-C(O)NRaRb-CN、-NO2、-NRaRb、-ORa、-SRa、-CO2Ra、-OC(O)ORa、-OC(O)Ra、-C(O)H又は-C(O)Ra置換基で置換されていてもよい。
【0029】
用語「アルコール」とは、少なくとも一の水素原子がヒドロキシル基-OHで置き換えられている、上記の炭化水素又はハロ炭化水素を指す。
【0030】
用語「ケトン」とは、少なくとも一又は複数のカルボニル官能基Rc-C(O)-Rd[式中、Rc及びRdは、互いに独立して、C1-C20アルキル、C2-C20アルケニル、C2-C20アルキニル、C3-C20シクロアルキル、C3-C20シクロアルケニル又はC6-C18アリールであり、且つ、Ra及びRbが上記の通りであり、Rc及びRdが、場合により、一緒に結合して、それが結合するカルボニル基と共に、4から10員の、好ましくは4から7員の環状ケトンを形成する、一又は複数の-OH、ハロゲン、-NRaC(O)Rb、-C(O)NRaRb-CN、-NO2、-NRaRb、-ORa、-SRa、-CO2Ra、-OC(O)ORa、-OC(O)Ra、-C(O)H又は-C(O)Ra置換基で任意選択的に置換されてもよい]を含む炭化水素を指す。環状ケトンはまた、一又は複数の炭素-炭素二重結合を含みうる。環状ケトンはまた、任意選択的に、上記の一又は複数の置換基で置換されていてもよい。
【0031】
用語「アミン」とは、Rc及びRdが上記の通りである、少なくとも一又は複数のアミン官能基-NRcRdを含む炭化水素を指し、Rc及びRdは、場合によっては、一緒に結合して、それらが結合する窒素原子と共に、4から10員の芳香族又は非芳香族の複素環を形成する。
【0032】
用語「エステル」とは、Rc及びRdが上記の通りである、式Rc-C(O)-O-Rdの化合物を指し、Rc及びRdは、場合によっては、一緒に結合して、エステル基と共に、4から20の炭素原子を含む環を形成する。
【0033】
用語「エーテル」とは、Rc及びRdが上記の通りである、式Rc-O-Rdの化合物を指し、Rc及びRdは、場合によっては、一緒に結合して、それらが結合する酸素原子と共に、4から20の炭素原子を含む複素環を形成する。
【0034】
用語「アルデヒド」とは、少なくとも一又は複数の-C(O)-H官能基を含む化合物を指す。
【0035】
用語「ニトリル」とは、少なくとも一又は複数の-CN官能基を含む化合物を指す。
【0036】
用語「カーボネート」とは、Rc及びRdが上記の通りである、式Rc-O-C(O)-O-Rdの化合物を指す。
【0037】
用語「チオアルキル」とは、Rc及びRdが上記の通りである、式RcSRdの化合物である。
【0038】
用語「アミド」は、Rc及びRdが上記の通りである、式RcC(O)NReRdの化合物に関し、Reは、Rcを定義するものと同一の置換基によって定義され、Rc及びRdは、場合によっては、一緒に結合して、それらが結合するアミド基-C(O)N-と共に、4から10員の、好ましくは4から7員の環状アミドを形成する。環状アミドはまた、一又は複数の炭素-炭素二重結合を含みうる。環状アミドはまた、任意選択的に、上記の一又は複数の置換基で置換されていてもよい。
【0039】
用語「複素環」とは、4から10員の炭素ベースの環を表し、その少なくとも一の環員は、O、S、P及びNから選択されるヘテロ原子である。環は、一若しくは複数の炭素-炭素二重結合又は一若しくは複数の炭素-ヘテロ原子二重結合又は一若しくは複数のヘテロ原子-ヘテロ原子二重結合を含みうる。好ましくは、複素環は、上記のような1、2、3、4又は5のヘテロ原子を含みうる。特に、複素環は、酸素、窒素及び硫黄から選択される1、2又は3のヘテロ原子を含みうる。好ましくは、複素環は、4から6員の炭素ベースの環であってもよく、その1、2又は3の環員は、O及びNから選択されるヘテロ原子である。複素環は、任意選択的に、Ra及びRbが以下の通りである、-OH、ハロゲン、-NRaC(O)Rb、-C(O)NRaRb-CN、-NO2、-NRaRb、-ORa、-SRa、-CO2Ra、-OC(O)ORa、-OC(O)Ra、-C(O)H及び-C(O)Raから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい。
【0040】
用語「有機抽出剤」とは、少なくとも一の炭素原子を含む化合物を指す。
【0041】
第1の態様によれば、本発明は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを精製するための方法に関する。精製方法は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む第1の組成物を使用して実施される。
【0042】
好ましくは、前記方法は以下の工程:
a)前記第1の組成物を少なくとも一の有機抽出剤と接触させて第2の組成物を形成する工程;
b)前記第2の組成物を抽出蒸留して、
i)前記有機抽出剤及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む第3の組成物;並びに
ii)2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)(245cb)を含む流れ
を形成する工程
c)前記第3の組成物を回収及び分離して、前記有機抽出剤を含む流れ及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む流れを形成する工程
を含む。
【0043】
好ましくは、前記有機抽出剤を含む流れは工程a)にリサイクルされる。好ましくは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む流れは、焼却によって精製又は破壊される。
【0044】
好ましくは、前記方法はまた、工程b)で得られる2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む前記流れを回収する、並びに、前記流れを蒸留して、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを含む流れAと、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む流れBを形成する工程も含む。
【0045】
前記第1の組成物は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)、並びにクロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含みうる。好ましくは、第1の組成物は、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも二、少なくとも三、少なくとも四、少なくとも五、少なくとも六又は全てを含みうる。
【0046】
前記第1の組成物が、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一を含有するとき、この又はこれらの化合物は、前記第2及び第3の組成物中に含有される。
【0047】
本発明の方法の工程c)は、よって、前記第3の組成物を回収することと、一方に前記有機抽出剤を、他方にトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びにクロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一を分離することからなりうる。
【0048】
前記第1の組成物は、第1の組成物の総重量に対して、重量で、50%から99%の間の2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、50%から95%の間、好ましくは55%から90%の間、特に60%から80%の間の2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを含みうる。
【0049】
前記第1の組成物は、同一のものを含有するとき、第1の組成物の総重量に対して、重量で、0.1%から50%の間の1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、0.1%から49.9%の間、好ましくは1%から45重量%の間、より好ましくは2%から40重量%の間、特に5%から40重量%の間1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含みうる。
【0050】
前記第1の組成物は、同一のものを含有するとき、第1の組成物の総重量に対して、重量で、0.1%から50%の間のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、0.1%から49.9%の間、好ましくは0.5%から40%の間、より優先的には1%から30重量%の間、特に5%から25%の間のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含みうる。
【0051】
前記第1の組成物は、同一のものを含有するとき、第1の組成物の総重量に対して、重量で、1%未満のクロロメタン(40)、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、1から5000ppmの間、好ましくは5から2000ppmの間、特に10から1000ppmの間のクロロメタン(40)を含みうる。
【0052】
前記第1の組成物は、同一のものを含有するとき、第1の組成物の総重量に対して、重量で、2000ppm未満の1,1-ジフルオロエタン(152a)、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、1から1000ppmの間、好ましくは5から500ppmの間、特に10から250ppmの間の1,1-ジフルオロエタン(152a)を含みうる。
【0053】
前記第1の組成物は、同一のものを含有するとき、第1の組成物の総重量に対して、重量で、2000ppm未満のクロロペンタフルオロエタン(115)、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、1から1000ppmの間、好ましくは5から500ppmの間、特に10から250ppmの間のクロロペンタフルオロエタン(115)を含みうる。
【0054】
前記第1の組成物は、同一のものを含有するとき、第1の組成物の総重量に対して、重量で、2000ppm未満の1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、1から1000ppmの間、好ましくは5から500ppmの間、特に10から250ppmの間の1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)を含みうる。
【0055】
前記第1の組成物は、同一のものを含有するとき、第1の組成物の総重量に対して、重量で、2000ppm未満のトランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、1から1000ppmの間、好ましくは5から500ppmの間、特に10から250ppmの間のトランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)を含みうる。
【0056】
前記第1の組成物は、同一のものを含有するとき、第1の組成物の総重量に対して、重量で、2000ppm未満のシス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、1から1000ppmの間、好ましくは5から500ppmの間、特に10から250ppmの間のシス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)を含みうる。
【0057】
前記第1の組成物は、同一のものを含有するとき、第1の組成物の総重量に対して、重量で、2000ppm未満の3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、1から1000ppmの間、好ましくは5から2000ppmの間、特に10から1500ppmの間の3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)を含みうる。
【0058】
特定の実施態様によれば、前記有機抽出剤は、ハロ炭化水素、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、ニトリル、カーボネート、チオアルキル、アミド及び複素環からなる群より選択される溶媒であってもよいか;又は前記有機抽出剤はトリエチルフルオロシランである。好ましくは、有機抽出剤は、アミン、エーテル、エステル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び複素環からなる群より選択される。
【0059】
好ましくは、ハロ炭化水素は、ブロモフルオロメタン、1-ブロモ-1,2-ジフルオロエチレン、1,1,1-トリフルオロ-2-ブロモエタン、2-クロロプロパン、ブロモエタン、ヨードメタン、2-クロロ-2-メチルプロパン、2-ブロモプロパン、クロロブロモメタン、3-ブロモプロペン、1-ブロモプロパン、ヨードエタン、2-ブロモ-2-メチルプロパン、1-クロロ-3-フルオロプロパン、2-クロロ-2-メチルブタン、1,2-ジクロロエタン、2-ヨードプロパン、ジクロロブロモメタン、2-ブロモブタン、1,2-ジクロロプロパン、トリクロロアセトアルデヒド、1-クロロ-4-フルオロブタン、1-ブロモ-3-フルオロプロパン、1-ブロモブタン、1-ヨードプロパン、シス-1,3-ジクロロプロペン、ブロモトリクロロメタン、1-ブロモ-2-クロロエタン、2-ブロモ-2-メチルブタン、トランス-1,3-ジクロロプロペン、1,1,2-トリクロロエタン、2-ブロモペンタン、2,3-ジクロロブタン、1-ブロモ-3-メチルブタン、1,3-ジクロロ-トランス-2-ブテン、1,3-ジクロロプロパン、1,2-ジブロモ-1-フルオロエタン、1,2,2-トリクロロプロパン、2,3-ジクロロ-2-メチルブタン、1-ブロモペンタン、1,2-ジクロロ-2-ブテン、1-ヨードブタン、1,2-ジブロモエタン、1,1,2-トリクロロプロパン、1,3-ジクロロブタン、1,2-ジブロモプロパン、1,2,3-トリクロロプロペン、1-クロロ-3-ブロモプロパン及びトリブロモメタンからなる群より選択される。
【0060】
好ましくは、アルコールは、メタノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール、エタノール、2-プロパノール、tert-ブタノール、2,2-ジフルオロエタノール、プロパノール、2-アリルオキシエタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、イソブタノール、2,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロパノール、2,2-ジメチル-1-プロパノール、3-ペンタノール、1-ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-(ジメチルアミノ)-2-プロパノール、3-メチル-3-ペンタノール、1-クロロ-2-メチル-2-プロパノール、4,4,4-トリフルオロブタノール、3-フルオロプロパノール、2-クロロエタノール、2-メトキシ-1-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、4-メチル-2-ペンタノール、1,2-オクタンジオール、2-クロロ-1-プロパノール、2-(ジメチルアミノ)エタノール、3-ヘキサノール、2-ヘキサノール、2-エトキシ-1-プロパノール、1-ペンタノール、2,3-ジメチルブタノール、2-エチル-1-ブタノール、2-メチル-1-ペンタノール及び2-プロポキシエタノールからなる群より選択される。
【0061】
好ましくは、ケトンは、1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノン、プロパノン、ブタノン、3-ペンタノン、2-ペンタノン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、4-メチル-2-ペンタノン、2-ヘキサノン、5-ヘキセン-2-オン及び4-メチル-2-ヘキサノンからなる群より選択される。
【0062】
好ましくは、アミンは、エチルアミン、イソプロピルアミン、エチルメチルアミン、2-アミノ-2-メチルプロパン、n-プロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジエチルアミン、2-ブタンアミン、n-メチルプロピルアミン、1-ブチルアミン、ジイソプロピルアミン、3-メチル-2-ブタンアミン、3-ペンチルアミン、n-メチルブチルアミン、1-メトキシ-2-プロパンアミン、2-メトキシエタンアミン、2-メトキシ-1-プロパンアミン、n-ペンチルアミン、n-メチルヒドロキシルアミン、ジプロピルアミン、2-エトキシエタンアミン、n-メチル-1,2-エタンジアミン、ピリジン、1,2-ジアミノエタン、1,2-プロパンジアミン、2-エチルブチルアミン、n-エチルエチレンジアミン、1,1-ジエトキシ-n,n-ジメチルメタンアミン、2-メチルピリジン、4-メチル-2-ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n-エチル-2-ジメチルアミノエチルアミン、1,3-プロパンジアミン、2-ヘプタンアミン、n,n-ジエチルエチレンジアミン、2,6-ジメチルピリジン、4-メチルピリジン及びn,n’-ジエチル-1,2-エタンジアミンからなる群より選択される。
【0063】
好ましくは、エステルは、ギ酸メチル、酢酸メチル、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ギ酸n-プロピル、ギ酸イソプロピル、tert-ブチルアセテート、プロピオン酸エチル、sec-ブチルアセテート、炭酸ジエチル、n-ブチルアセテート、ブロモ酢酸メチルエステル及びヘキサン酸メチルからなる群より選択される。
【0064】
好ましくは、エーテルは、2,2,2-トリフルオロエチルメチルエーテル、2-メトキシ-1-プロペン、ジエチルエーテル、エトキシエタン、ジメトキシメタン、メチルシクロプロピルエーテル、2-エトキシプロパン、メチルt-ブチルエーテル、クロロメトキシメタン、ジイソプロピルエーテル、2-エトキシ-2-メチルプロパン、2-エトキシブタン、1-メトキシ-2-メチルブタン、2,2-ジメトキシプロパン、1-エトキシ-2-メチルプロパン、1,2-ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、ジ-n-プロピルエーテル、1-エトキシブタン、1-メトキシペンタン、1,2-ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1,1-ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、2,2-ジエトキシプロパン、イソブチルtert-ブチルエーテル、sec-ブチルtert-ブチルエーテル、1,1-ジエトキシプロパン、2-メトキシエタノール、2-クロロ-1,1-ジメトキシエタン、メトキシシクロヘキサン、エトキシエタノール、ジ-n-ブチルエーテル、1-エトキシヘキサン、1,1,1-トリエトキシエタン及び1-メトキシ-2-アセトキシプロパンからなる群より選択される。
【0065】
好ましくは、アルデヒドは、アセトアルデヒド、エタンジアール、イソブタノール、メチルグリオキサール、2-メチルブタナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール及びヘキサナールからなる群より選択される。
【0066】
好ましくは、ニトリルは、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル及び(メチレンアミノ)アセトニトリルからなる群より選択される。
【0067】
好ましくは、カーボネートは炭酸ジエチルである。
【0068】
好ましくは、アミドはエタンチオアミドである。
【0069】
好ましくは、チオアルキルは、エタンチオール、硫化ジメチル、2-プロパンチオール、4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオール、tert-ブチルチオール、1-プロパンチオール、2-ブタンチオール、2-メチル-1-プロパンチオール、硫化ジエチル、ブタンチオール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール、テトラヒドロチオフェン及び1-ペンタンチオールからなる群より選択される。
【0070】
好ましくは、複素環は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3-ジオキサン、1,3,5-トリオキサン、n-メチルモルホリン、2-メチルピラジン、n-エチルモルホリン、1-メチルピペラジン、1,2-エポキシプロパン、ピペリジン、3-フルフラール及び2,6-ジメチルモルホリンからなる群より選択される。
【0071】
前記有機抽出剤は、エチルアミン、ブロモフルオロメタン、1-ブロモ-1,2-ジフルオロエチレン、アセトアルデヒド、1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノン、1,1,1-トリフルオロ-2-ブロモエタン、2,2,2-トリフルオロエチルメチルエーテル、イソプロピルアミン、ギ酸メチル、2-メトキシ-1-プロペン、ジエチルエーテル、1,2-エポキシプロパン、エタンチオール、エトキシエテン、エチルメチルアミン、硫化ジメチル、2-クロロプロパン、ブロモエタン、ジメトキシメタン、ヨードメタン、2-アミノ-2-メチルプロパン、メチルシクロプロピルエーテル、n-プロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、エタンジアール、2-クロロ-2-メチルプロパン、2-プロパンチオール、2-エトキシプロパン、メチルt-ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオール、2-ブロモプロパン、クロロメトキシメタン、2-ブタンアミン、n-メチルプロピルアミン、tert-ブチルチオール、イソブタナール、メタノール、テトラヒドロフラン、1-プロパンチオール、クロロブロモメタン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、3-ブロモプロペン、1-ブロモプロパン、メチルグリオキサール、ヨードエタン、2-エトキシ-2-メチルプロパン、2-ブロモ-2-メチルプロパン、2,2,2-トリフルオロエタノール、1-クロロ-3-フルオロプロパン、1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール、1-ブチルアミン、酢酸エチル、エタノール、ブタノン、ギ酸n-プロピル、2-エトキシブタン、2-プロパノール、アセトニトリル、tert-ブタノール、1-メトキシ-2-メチルブタン、2,2-ジメトキシプロパン、2-クロロ-2-メチルブタン、1,2-ジクロロエタン、1-エトキシ-2-メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、2-ブタンチオール、1,2-ジメトキシエタン、3-メチル-2-ブタンアミン、ジエトキシメタン、2-メチル-1-プロパンチオール、酢酸イソプロピル、2-ヨードプロパン、ジ-n-プロピルエーテル、3-ペンチルアミン、n-メチルブチルアミン、2-ブロモブタン、硫化ジエチル、1-エトキシブタン、1-メトキシ-2-プロパンアミン、2-メチルブタナール、2-メトキシエタンアミン、2,2-ジフルオロエタノール、1,2-ジクロロプロパン、プロパノール、酢酸tert-ブチル、プロピオニトリル、トリクロロアセトアルデヒド、2-アリルオキシエタノール、ブタンチオール、1-メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、2-ブタノール、1,2-ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1-クロロ-4-フルオロブタン、1-ブロモ-3-フルオロプロパン、ジオキサン、1-ブロモブタン、3-ペンタノン、1,1-ジエトキシエタン、2-ペンタノン、2-メチル-2-ブタノール、1-ヨードプロパン、2-メトキシ-1-プロパンアミン、トリメトキシメタン、シス-1,3-ジクロロプロペン、n-ペンチルアミン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、1-ブロモ-2-クロロエタン、イソブタノール、2-ブロモ-2-メチルブタン、ジプロピルアミン、2,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロパノール、2-エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、酢酸sec-ブチル、トランス-1,3-ジクロロプロペン、2,2-ジメチル-1-プロパノール、n-メチル-1,2-エタンジアミン、2,2-ジエトキシプロパン、1,3,5-トリオキサン、ピリジン、n-メチルモルホリン、3-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノン、1,2-ジアミノエタン、イソブチルtert-ブチルエーテル、2-ブロモペンタン、ブチロニトリル、1-ブタノール、2,3-ジクロロブタン、sec-ブチルtert-ブチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、1-ブロモ-3-メチルブタン、1,3-ジクロロ-トランス-2-ブテン、1,3-ジクロロプロパン、1-(ジメチルアミノ)-2-プロパノール、テトラヒドロチオフェン、3-メチル-3-ペンタノール、1,2-ジブロモ-1-フルオロエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,2,2-トリクロロプロパン、1-クロロ-2-メチル-2-プロパノール、2-メトキシエタノール、4,4,4-トリフルオロブタノール、2-エチルブチルアミン、炭酸ジエチル、酢酸n-ブチル、1-ペンタンチオール、2-クロロ-1,1-ジメトキシエタン、2-ヘキサノン、n-エチルエチレンジアミン、3-フルオロプロパノール、5-ヘキセン-2-オン、2,3-ジクロロ-2-メチルブタン、1,1-ジエトキシ-n,n-ジメチルメタンアミン、2-メチルピリジン、1-ブロモペンタン、2-メトキシ-1-プロパノール、1,2-ジクロロ-2-ブテン、1-ヨードブタン、ヘキサナール、1-エトキシ-2-プロパノール、1,2-ジブロモエタン、4-メチル-2-ペンタノール、ブロモ酢酸メチルエステル、1,1,2-トリクロロプロパン、1,2-オクタンジオール、4-メチル-2-ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、2-クロロ-1-プロパノール、メトキシシクロヘキサン、2-(ジメチルアミノ)エタノール、1,3-ジクロロブタン、シクロヘキシルアミン、n-エチル-2-ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3-ヘキサノール、2-ヘキサノール、2-メチルピラジン、2-エトキシ-1-プロパノール、1-ペンタノール、n-エチルモルホリン、1-メチルピペラジン、1,3-プロパンジアミン、ジ-n-ブチル エーテル、バレロニトリル,(メチレンアミノ)アセトニトリル、1,2-ジブロモプロパン、1,2,3-トリクロロプロペン、2-ヘプタンアミン、2,3-ジメチルブタノール、1-エトキシヘキサン、1-クロロ-3-ブロモプロパン、n,n-ジエチルエチレンジアミン、3-フルフラール、2,6-ジメチルピリジン、4-メチル-2-ヘキサノン、1,1,1-トリエトキシエタン、1-メトキシ-2-アセトキシプロパン、4-メチルピリジン、n,n’-ジエチル-1,2-エタンジアミン、2,6-ジメチルモルホリン、2-エチル-1-ブタノール、2-メチル-1-ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2-プロポキシエタノール、1-プロポキシ-2-プロパノール又はジメチルエタノールアミンでありうる。
【0072】
有利には、前記有機抽出剤は、エチルアミン、ブロモフルオロメタン,アセトアルデヒド、イソプロピルアミン、ギ酸メチル、2-メトキシ-1-プロペン、ジエチルエーテル、1,2-エポキシプロパン、エタンチオール、エトキシエテン、エチルメチルアミン、硫化ジメチル、ブロモエタン、ジメトキシメタン、2-アミノ-2-メチルプロパン、メチルシクロプロピルエーテル、n-プロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、2-プロパンチオール、2-エトキシプロパン、メチルt-ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオール、2-ブロモプロパン、2-ブタンアミン、n-メチルプロピルアミン、tert-ブチルチオール、イソブタナール、テトラヒドロフラン、1-プロパンチオール、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、1-ブロモプロパン、メチルグリオキサール、2-エトキシ-2-メチルプロパン、2-ブロモ-2-メチルプロパン、1-ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n-プロピル、2-エトキシブタン、2-プロパノール、tert-ブタノール、1-メトキシ-2-メチルブタン、2,2-ジメトキシプロパン、1-エトキシ-2-メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、2-ブタンチオール、1,2-ジメトキシエタン、3-メチル-2-ブタンアミン、ジエトキシメタン、2-メチル-1-プロパンチオール、酢酸イソプロピル、2-ヨードプロパン、ジ-n-プロピルエーテル、3-ペンチルアミン、n-メチルブチルアミン、2-ブロモブタン、硫化ジエチル、1-エトキシブタン、1-メトキシ-2-プロパンアミン、2-メチルブタナール、2-メトキシエタンアミン、プロパノール、酢酸tert-ブチル、プロピオニトリル、2-アリルオキシエタノール、ブタンチオール、1-メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、2-ブタノール、1,2-ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1-ブロモ-3-フルオロプロパン、ジオキサン、1-ブロモブタン、3-ペンタノン、1,1-ジエトキシエタン、2-ペンタノン、2-メチル-2-ブタノール、2-メトキシ-1-プロパンアミン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、イソブタノール、2-ブロモ-2-メチルブタン、ジプロピルアミン、2-エトキシエタンアミン、酢酸sec-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロパノール、n-メチル-1,2-エタンジアミン、2,2-ジエトキシプロパン、1,3,5-トリオキサン、ピリジン、n-メチルモルホリン、3-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノン、1,2-ジアミノエタン、イソブチルtert-ブチルエーテル、2-ブロモペンタン、ブチロニトリル、1-ブタノール、sec-ブチルtert-ブチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、1-ブロモ-3-メチルブタン、1-(ジメチルアミノ)-2-プロパノール、テトラヒドロチオフェン、3-メチル-3-ペンタノール、1,1-ジエトキシプロパン、2-メトキシエタノール、2-エチルブチルアミン、炭酸ジエチル、酢酸n-ブチル、1-ペンタンチオール、2-クロロ-1,1-ジメトキシエタン、2-ヘキサノン、n-エチルエチレンジアミン、5-ヘキセン-2-オン、1,1-ジエトキシ-n,n-ジメチルメタンアミン、2-メチルピリジン、1-ブロモペンタン、2-メトキシ-1-プロパノール、ヘキサナール、1-エトキシ-2-プロパノール、4-メチル-2-ペンタノール、1,2-オクタンジオール、4-メチル-2-ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2-(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n-エチル-2-ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3-ヘキサノール、2-ヘキサノール、2-メチルピラジン、2-エトキシ-1-プロパノール、1-ペンタノール、n-エチルモルホリン、1-メチルピペラジン、1,3-プロパンジアミン、ジ-n-ブチル-エーテル、バレロニトリル,(メチレンアミノ)アセトニトリル、2-ヘプタンアミン、2,3-ジメチルブタノール、1-エトキシヘキサン、n,n-ジエチルエチレンジアミン、3-フルフラール、2,6-ジメチルピリジン、4-メチル-2-ヘキサノン、1,1,1-トリエトキシエタン、1-メトキシ-2-アセトキシプロパン、4-メチルピリジン、n,n’-ジエチル-1,2-エタンジアミン、2,6-ジメチルモルホリン、2-エチル-1-ブタノール、2-メチル-1-ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2-プロポキシエタノール、1-プロポキシ-2-プロパノール又はジメチルエタノールアミンでありうる。
【0073】
好ましくは、前記有機抽出剤は、エチルアミン、アセトアルデヒド、イソプロピルアミン、ギ酸メチル、ジエチルエーテル、1,2-エポキシプロパン、エチルメチルアミン、ジメトキシメタン、2-アミノ-2-メチルプロパン、メチルシクロプロピルエーテル、n-プロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、2-エトキシプロパン、メチルt-ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオール、2-ブタンアミン、n-メチルプロピルアミン、イソブタナール、テトラヒドロフラン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、2-エトキシ-2-メチルプロパン、1-ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n-プロピル、2-エトキシブタン、1-メトキシ-2-メチルブタン、2,2-ジメトキシプロパン、1-エトキシ-2-メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、1,2-ジメトキシエタン、3-メチル-2-ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、ジ-n-プロピルエーテル、3-ペンチルアミン、n-メチルブチルアミン、硫化ジエチル、1-エトキシブタン、1-メトキシ-2-プロパンアミン、2-メチルブタナール、2-メトキシエタンアミン、tert-ブチルアセテート、プロピオニトリル、2-アリルオキシエタノール、1-メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、1,2-ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、ジオキサン、3-ペンタノン、1,1-ジエトキシエタン、2-ペンタノン、2-メトキシ-1-プロパンアミン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、ジプロピルアミン、2-エトキシエタンアミン、sec-ブチルアセテート、n-メチル-1,2-エタンジアミン、2,2-ジエトキシプロパン、ピリジン、n-メチルモルホリン、4-メチル-2-ペンタノン、1,2-ジアミノエタン、イソブチルtert-ブチルエーテル、ブチロニトリル、sec-ブチルtert-ブチルエーテル、1-メトキシ2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、1-(ジメチルアミノ)-2-プロパノール、3-メチル-3-ペンタノール、1,1-ジエトキシプロパン、2-エチルブチルアミン、炭酸ジエチル、n-ブチルアセテート、2-ヘキサノン、n-エチルエチレンジアミン、5-ヘキセン-2-オン、1,1-ジエトキシ-n,n-ジメチルメタンアミン、2-メチルピリジン、2-メトキシ-1-プロパノール、ヘキサナール、1-エトキシ-2-プロパノール、4-メチル-2-ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2-(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n-エチル-2-ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、2-メチルピラジン、2-エトキシ-1-プロパノール、n-エチルモルホリン、1-メチルピペラジン、1,3-プロパンジアミン、ジ-n-ブチルエーテル、バレロニトリル、2-ヘプタンアミン、1-エトキシヘキサン、n,n-ジエチルエチレンジアミン、2,6-ジメチルピリジン、4-メチル-2-ヘキサノン、1,1,1-トリエトキシエタン、1-メトキシ-2-アセトキシプロパン、4-メチルピリジン、n,n’-ジエチル-1,2-エタンジアミン、2,6-ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2-プロポキシエタノール又は1-プロポキシ-2-プロパノールでありうる。
【0074】
特に、前記有機抽出剤は、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、エチルメチルアミン、2-アミノ-2-メチルプロパン、n-プロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、2-エトキシプロパン、メチルt-ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、2-ブタンアミン、n-メチルプロピルアミン、イソブタナール、テトラヒドロフラン、1-ブチルアミン、ブタノン、ギ酸n-プロピル、2,2-ジメトキシプロパン、1-エトキシ-2-メチルプロパン、1,2-ジメトキシエタン、3-メチル-2-ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、n-メチルブチルアミン、1-エトキシブタン、1-メトキシ-2-プロパンアミン、2-メトキシエタンアミン、tert-ブチルアセテート、1-メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、1,2-ジメトキシプロパン、ジオキサン、3-ペンタノン、1,1-ジエトキシエタン、2-ペンタノン、2-メトキシ-1-プロパンアミン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、2-エトキシエタンアミン、sec-ブチルアセテート、n-メチル-1,2-エタンジアミン、2,2-ジエトキシプロパン、4-メチル-2-ペンタノン、1,2-ジアミノエタン、ブチロニトリル、1-メトキシ2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、1-(ジメチルアミノ)-2-プロパノール、1,1-ジエトキシプロパン、2-エチルブチルアミン、炭酸ジエチル、n-ブチルアセテート、2-ヘキサノン、n-エチルエチレンジアミン、5-ヘキセン-2-オン、2-メチルピリジン、2-メトキシ-1-プロパノール、ヘキサナール、1-エトキシ-2-プロパノール、4-メチル-2-ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2-(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n-エチル-2-ジメチルアミノエチルアミン、2-メチルピラジン、2-エトキシ-1-プロパノール、1-メチルピペラジン、1,3-プロパンジアミン、ジ-n-ブチルエーテル、バレロニトリル、2-ヘプタンアミン、1-エトキシヘキサン、n,n-ジエチルエチレンジアミン、2,6-ジメチルピリジン、4-メチル-2-ヘキサノン、1,1,1-トリエトキシエタン、1-メトキシ-2-アセトキシプロパン、4-メチルピリジン、n,n’-ジエチル-1,2-エタンジアミン、2,6-ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2-プロポキシエタノール又は1-プロポキシ-2-プロパノールでありうる。
【0075】
使用される有機抽出剤は、前記第1の組成物中に存在する化合物の機能として選択されうる。よって、有機抽出剤は、特定の組成物について確立された分離係数及び吸収容量の機能として選択されうる。これら二つの基準の他に、有機抽出剤の選択は、任意選択的に、他の商業又は環境基準、例えば有機抽出剤の費用、市場でのその利用可能性、及びその毒性又は燃焼特性に基づきうる。さらに、特定の実施態様によれば、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを精製するための本方法の工程b)及びc)で使用される蒸留塔の機能を最適化するために、有機抽出剤の沸点は、0℃から200℃、有利には10℃から190℃、好ましくは10℃から180℃、特に10℃から170℃、優先的には10℃から160℃、より優先的には10℃から150℃でありうる。
【0076】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)より計算され、式中、
γ1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)の活量係数を表し;
P1は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)の飽和蒸気圧を表し;
γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し;
P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す。
【0077】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)より計算され、式中、
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の活量係数を表し;
P1は、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の飽和蒸気圧を表し;
γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し;
P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す。
【0078】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出は、
- 1.1以上の分離係数S1,2、前記分離係数は、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)により計算される。
[式中、
γ1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)の活量係数を表し;
P1は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)の飽和蒸気圧を表し;
γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し;
P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す]
及び、
- 1.1以上の分離係数S1,2、前記分離係数は、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)により計算される
[式中、
γ1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の活量係数を表し;
P1は、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の飽和蒸気圧を表し;
γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表し;
P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の飽和蒸気圧を表す]
を有する。
【0079】
有利には、二つの場合において、分離係数S1,2は、1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上でありうる。
【0080】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、式C2,S=1/(γ2,S)[式中、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の活量係数を表す]により計算される0.20以上の吸収容量C2,Sを有しうる。有利には、吸収容量C2,Sは、0.40以上、好ましくは0.60以上、より優先的には0.80以上、特に1.0以上である。
【0081】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上の分離係数S1,2を有し;0.20以上、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、より優先的には0.80以上、特に1.0以上の吸収容量C2,Sを有する。
【0082】
トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)は、除去される主な不純物の一つであるため、分離係数及び前記吸収容量は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンとトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)及び/又は1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)からなる特定のバイナリーカップル(binary couple)に関して計算されうる。分離係数S1,2は、有機抽出剤の能力を決定して、二以上の化合物を分離することを可能にする。吸収容量C2,Sは、使用される溶媒の量を決定して、検討中の化合物間の分離を得ることを可能にする。
【0083】
前記有機抽出剤は、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)[式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤に対する2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの活量係数を表し、P1は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの活量係数を表し、P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの飽和蒸気圧を表す]により計算される、1.4以上の分離係数S1,2を有してもよく、且つ/又は、前記有機抽出剤は、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)[式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤に対する1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の活量係数を表し、P1は、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの活量係数を表し、P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの飽和蒸気圧を表す]により計算される1.4以上の分離係数S1,2を有してもよく;好ましくは、前記有機抽出剤は、式C2,S=1/(γ2,S)[式中、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの活量係数を表す]により計算される0.60以上の吸収容量C2,Sを有してもよく;よって、前記有機抽出剤は、エチルアミン、アセトアルデヒド、イソプロピルアミン、ギ酸メチル、ジエチルエーテル、1,2-エポキシプロパン、エチルメチルアミン、ジメトキシメタン、2-アミノ-2-メチルプロパン、メチルシクロプロピルエーテル、n-プロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、2-エトキシプロパン、メチルt-ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオール、2-ブタンアミン、n-メチルプロピルアミン、イソブタナール、テトラヒドロフラン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、2-エトキシ-2-メチルプロパン、1-ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n-プロピル、2-エトキシブタン、1-メトキシ-2-メチルブタン、2,2-ジメトキシプロパン、1-エトキシ-2-メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、1,2-ジメトキシエタン、3-メチル-2-ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、ジ-n-プロピルエーテル、3-ペンチルアミン、n-メチルブチルアミン、硫化ジエチル、1-エトキシブタン、1-メトキシ-2-プロパンアミン、2-メチルブタナール、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、プロピオニトリル、2-アリルオキシエタノール、1-メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、1,2-ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、ジオキサン、3-ペンタノン、1,1-ジエトキシエタン、2-ペンタノン、2-メトキシ-1-プロパンアミン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、ジプロピルアミン、2-エトキシエタンアミン、酢酸sec-ブチル、n-メチル-1,2-エタンジアミン、2,2-ジエトキシプロパン、ピリジン、n-メチルモルホリン、4-メチル-2-ペンタノン、1,2-ジアミノエタン、イソブチルtert-ブチルエーテル、ブチロニトリル、sec-ブチルtert-ブチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、1-(ジメチルアミノ)-2-プロパノール、3-メチル-3-ペンタノール、1,1-ジエトキシプロパン、2-エチルブチルアミン、炭酸ジエチル、酢酸n-ブチル、2-ヘキサノン、n-エチルエチレンジアミン、5-ヘキセン-2-オン、1,1-ジエトキシ-n,n-ジメチルメタンアミン、2-メチルピリジン、2-メトキシ-1-プロパノール、ヘキサナール、1-エトキシ-2-プロパノール、4-メチル-2-ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2-(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n-エチル-2-ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、2-メチルピラジン、2-エトキシ-1-プロパノール、n-エチルモルホリン、1-メチルピペラジン、1,3-プロパンジアミン、ジ-n-ブチルエーテル、バレロニトリル、2-ヘプタンアミン、1-エトキシヘキサン、n,n-ジエチルエチレンジアミン、2,6-ジメチルピリジン、4-メチル-2-ヘキサノン、1,1,1-トリエトキシエタン、1-メトキシ-2-アセトキシプロパン、4-メチルピリジン、n,n’-ジエチル-1,2-エタンジアミン、2,6-ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2-プロポキシエタノール又は1-プロポキシ-2-プロパノールであってもよい。
【0084】
前記有機抽出剤は、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)[式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤に対する2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの活量係数を表し、P1は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの活量係数を表し、P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの飽和蒸気圧を表す]により計算される、1.6以上の分離係数S1,2を有してもよく、且つ/又は、前記有機抽出剤は、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)[式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤に対する1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の活量係数を表し、P1は、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)の飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの活量係数を表し、P2は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの飽和蒸気圧を表す]により計算される1.6以上の分離係数S1,2を有してもよく;好ましくは、前記有機抽出剤は、式C2,S=1/(γ2,S)[式中、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの活量係数を表す]により計算される0.80以上の吸収容量C2,Sを有してもよく;よって、前記有機抽出剤は、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、エチルメチルアミン、2-アミノ-2-メチルプロパン、n-プロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、2-エトキシプロパン、メチルt-ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、2-ブタンアミン、n-メチルプロピルアミン、イソブタナール、テトラヒドロフラン、1-ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n-プロピル、2,2-ジメトキシプロパン、1-エトキシ-2-メチルプロパン、1,2-ジメトキシエタン、3-メチル-2-ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、n-メチルブチルアミン、1-エトキシブタン、1-メトキシ-2-プロパンアミン、2-メチルブタナール、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、1-メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、1,2-ジメトキシプロパン、ジオキサン、3-ペンタノン、1,1-ジエトキシエタン、2-ペンタノン、2-メトキシ-1-プロパンアミン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、2-エトキシエタンアミン、酢酸sec-ブチル、n-メチル-1,2-エタンジアミン、2,2-ジエトキシプロパン、4-メチル-2-ペンタノン、1,2-ジアミノエタン、ブチロニトリル、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、1-(ジメチルアミノ)-2-プロパノール、1,1-ジエトキシプロパン、2-エチルブチルアミン、炭酸ジエチル、酢酸n-ブチル、2-ヘキサノン、n-エチルエチレンジアミン、5-ヘキセン-2-オン、2-メチルピリジン、2-メトキシ-1-プロパノール、ヘキサナール、1-エトキシ-2-プロパノール、4-メチル-2-ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2-(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n-エチル-2-ジメチルアミノエチルアミン、2-メチルピラジン、2-エトキシ-1-プロパノール、1-メチルピペラジン、1,3-プロパンジアミン、ジ-n-ブチルエーテル、バレロニトリル、2-ヘプタンアミン、1-エトキシヘキサン、n,n-ジエチルエチレンジアミン、2,6-ジメチルピリジン、4-メチル-2-ヘキサノン、1,1,1-トリエトキシエタン、1-メトキシ-2-アセトキシプロパン、4-メチルピリジン、n,n’-ジエチル-1,2-エタンジアミン、2,6-ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2-プロポキシエタノール又は1-プロポキシ-2-プロパノールであってもよい。
【0085】
好ましくは、前記有機抽出剤は、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、エチルメチルアミン、2-アミノ-2-メチルプロパン、n-プロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、2-エトキシプロパン、メチルt-ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、2-ブタンアミン、n-メチルプロピルアミン、イソブタナール、テトラヒドロフラン、1-ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n-プロピル、2,2-ジメトキシプロパン、1-エトキシ-2-メチルプロパン、1,2-ジメトキシエタン、3-メチル-2-ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、n-メチルブチルアミン、1-エトキシブタン、1-メトキシ-2-プロパンアミン、2-メチルブタナール、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、1-メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、1,2-ジメトキシプロパン、ジオキサン、3-ペンタノン、1,1-ジエトキシエタン、2-ペンタノン、2-メトキシ-1-プロパンアミン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、2-エトキシエタンアミン、酢酸sec-ブチル、n-メチル-1,2-エタンジアミン、2,2-ジエトキシプロパン、4-メチル-2-ペンタノン、1,2-ジアミノエタン、ブチロニトリル、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、1-(ジメチルアミノ)-2-プロパノール、1,1-ジエトキシプロパン、2-エチルブチルアミン、炭酸ジエチル、酢酸n-ブチル、2-ヘキサノン、n-エチルエチレンジアミン、5-ヘキセン-2-オン、2-メチルピリジン、2-メトキシ-1-プロパノール又はヘキサナールでありうる。特に、前記有機抽出剤は、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、エチルメチルアミン、2-アミノ-2-メチルプロパン、n-プロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、2-エトキシプロパン、ジエチルアミン、2-ブタンアミン、n-メチルプロピルアミン、1-ブチルアミン、ギ酸n-プロピル、2,2-ジメトキシプロパン、1-エトキシ-2-メチルプロパン、3-メチル-2-ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、n-メチルブチルアミン、1-エトキシブタン、1-メトキシ-2-プロパンアミン、2-メチルブタナール、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、1-メトキシペンタン、1,2-ジメトキシプロパン、ジオキサン、1-ジエトキシエタン、2-メトキシ-1-プロパンアミン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、2-エトキシエタンアミン、酢酸sec-ブチル、n-メチル-1,2-エタンジアミン、2,2-ジエトキシプロパン、1,2-ジアミノエタン、ブチロニトリル、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、1-(ジメチルアミノ)-2-プロパノール、1,1-ジエトキシプロパン、2-エチルブチルアミン、酢酸n-ブチル、n-エチルエチレンジアミン、5-ヘキセン-2-オン、2-メチルピリジン、2-メトキシ-1-プロパノール又はヘキサナールでありうる。
【0086】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、ブタノン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、ジオキサン、1,1-ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、1,3-ジオキサン、酢酸sec-ブチル、1,2-ジアミノエタン、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、酢酸n-ブチル、2-メトキシ-1-プロパノール又はヘキサナールでありうる。特に、前記有機抽出剤は、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3-ペンチルアミン、2-メトキシエタンアミン、酢酸tert-ブチル、ジオキサン、1,1-ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、n-ペンチルアミン、1,3-ジオキサン、酢酸sec-ブチル、1,2-ジアミノエタン、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジアミン、酢酸n-ブチル、2-メトキシ-1-プロパノール又はヘキサナールでありうる。
【0087】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む前記第3の組成物;好ましくは、前記有機抽出剤及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一つを含む第3の組成物は;蒸留を施されて、有機抽出剤とトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)とに分離され;好ましくは、一方に有機抽出剤を、他方にトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一つを分離する。よって、前記有機抽出剤は、精製方法の工程a)にリサイクルされる。トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一つを含む流れは、一又は複数の後続の精製工程を施されてもよく、又は焼却により破壊されてもよい。
【0088】
よって、本発明の方法は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)を精製することを可能にする。有利には、本発明の精製方法の工程b)で得られる、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む流れ中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の含有量は、前記第1の組成物中のその含有量未満である。好ましくは、本精製方法の工程b)で得られる2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む流れ中のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の含有量並びに/又はクロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一つの含有量は、前記第1の組成物中のその含有量未満である。
【0089】
例えば、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の含有量又はクロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物のいずれかの含有量は、50%、有利には75%、好ましくは90%、特に95%、より具体的には98%減少されうる。有利には、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも二、少なくとも三、少なくとも四、少なくとも五、少なくとも六又は全ての含有量は、50%、有利には75%、好ましくは90%、特に95%、より具体的には98%減少されうる。好ましくは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)の含有量は、50%、有利には75%、好ましくは90%、特に95%、より具体的には98%減少されうる。
【0090】
好ましくは、本発明の精製方法の工程b)で得られる2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパンを含む流れは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含まなくてもよい。特に、本精製方法の工程b)で得られる2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパンを含む流れは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに/又は任意選択的にクロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも二、少なくとも三、少なくとも四、少なくとも五、少なくとも六若しくは全てを、これらのコ化合物が前記第1の組成物中に存在するときは、含まなくてもよい。用語「を含まない(free of)」とは、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234yf)を含む流れが、流れの総重量に対して、50ppm未満、有利には20ppm未満、好ましくは10ppm未満の検討中の化合物を含むことを意味する。含有量は、重量ベースで表される。
【0091】
好ましい実施態様によれば、本発明の精製方法の工程a)で使用される前記第1の組成物は、使用前に精製されうる。特に、前記第1の組成物が、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物及び任意選択的に重質不純物を含む場合、該方法は、工程a)の前に、以下の工程:
i’)2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの沸点よりも低い沸点を有する不純物、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む組成物、任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)、3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物。並びに任意選択的に又はそうではなく重質不純物を含む組成物を使用する工程;
ii’)工程i)からの前記組成物を蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物を除去し、且つ、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)、任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)、3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物、並びに任意選択的に又はそうではなく、重質不純物を含む、蒸留塔の底部で回収される、第1の流れを形成する工程;
iii’)任意選択的に又はそうではなく、工程ii’)において蒸留塔の底部で回収される前記第1の流れを蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)、並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含む第2の流れを、並びに、塔の底部で、重質不純物を含む流れを回収する工程
を含み、
工程ii’)で回収される前記第1の流れ及び工程iii’)で回収される前記第2の流れは、工程a)で使用される前記第1の組成物に相当する。
【0092】
第2の態様によれば、本発明は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造するための方法を提供する。加えて、この方法は、その精製を含みうる。よって、本発明は、
A)触媒の存在下で、式CX(Y)2-CX(Y)m-CHmXY(I)[式中、X及びYは、独立して水素、フッ素又は塩素原子を表し、且つm=0又は1である]の化合物をフッ素化する工程;及び/又は、触媒の存在下で、式(CXnY3-n)CHpX1-pCHmX2-m(II)[式中、Xは、互いに独立して、Cl、F、I又はBrであり;Yは、互いに独立して、H、Cl、F、I又はBrであり;nは1、2又は3であり;且つmは0、1又は2であり;且つpは0又は1である]の化合物を触媒的にフッ素化する工程;
B)2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)、並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含む流れを回収する工程;
C)工程B)で回収される流れを使用して、本発明による2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを精製するための方法を実施する工程
を含む、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造するための方法を提供する。
【0093】
好ましい実施態様によれば、
A)触媒の存在下で、式CX(Y)2-CX(Y)m-CHmXY(I)[式中、X及びYは、独立して水素、フッ素又は塩素原子を表し、且つm=0又は1である]の化合物をフッ素化する工程;及び/又は、触媒の存在下で、式(CXnY3-n)CHpX1-pCHmX2-m(II)[式中、Xは、互いに独立して、Cl、F、I又はBrであり;Yは、互いに独立して、H、Cl、F、I又はBrであり;nは1、2又は3であり;且つmは0、1又は2であり;且つpは0又は1である]の化合物を触媒的にフッ素化する工程;
B)2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)、並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含む流れを回収する工程;
C)工程B)で回収される流れを使用して、
a)工程B)で回収される流れを少なくとも一の有機抽出剤と接触させて第2の組成物を形成する工程;
b)前記第2の組成物を抽出蒸留して、
i)前記有機抽出剤、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される前記少なくとも一の化合物を含む第3の組成物;並びに
ii)2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパンを含む流れ
を形成する工程
c)前記第3の組成物を回収及び分離して、一方に前記有機抽出剤を含む流れを、他方にトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含む流れを形成する工程
を含む、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを精製するための方法を実行する工程
を含む、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造するための方法が提供される。
【0094】
好ましくは、前記有機抽出剤を含む流れは工程a)にリサイクルされうる。好ましくは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含む流れは、精製され又は焼却により破壊されうる。
【0095】
特定の実施態様によれば、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造するための方法の工程B)で回収される流れは、フッ化水素酸を含みうる。この場合、工程C)の前に、工程B)で回収される流れは、予備蒸留B1’)されて蒸留塔の底部のHFを除去しうる。2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含む流れは、蒸留塔の上部で回収される。蒸留塔の上部で回収される後者の流れは、その後、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造するための方法の工程C)を施される。
【0096】
特定の実施態様によれば、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造するための方法の工程B)で回収される流れは、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物を含みうる。この場合、工程C)の前に、工程B)で回収される流れは、工程B1’)に続いて予備蒸留B2’)を施されて、蒸留塔の上部で、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの沸点より低い沸点を有する前記不純物を除去して、蒸留塔の底部で回収される、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含む第1の流れを形成する。蒸留塔の底部で回収される後者の流れは、その後、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造するための方法の工程C)を施される。
【0097】
特定の実施態様によれば、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造するための方法の工程B)で回収される流れは、重質不純物を含みうる。この場合、工程C)の前に、工程B)で回収される流れは、工程B1’)及び/又はB2’)に続いて予備蒸留B3’)を施されて、蒸留塔の底部で、前記重質不純物を除去して、蒸留塔の上部で回収される、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含む第1の流れを形成する。蒸留塔の上部で回収される後者の流れは、その後、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造するための方法の工程C)を施される。
【0098】
特定の実施態様によれば、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを製造するための方法の工程B)で回収される流れはまた、HClも含みうる。塩酸は、該方法の他の工程から独立して、工程B1’の前又は後に、蒸留によって回収されうる。
【0099】
より具体的には、工程A)は、1,1,2,3-テトラクロロプロペン、2,3,3,3,-テトラクロロプロペン、1,1,3,3-テトラクロロプロペン、1,3,3,3-テトラクロロプロペン、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン、1,1,2,2,3-ペンタクロロプロパン、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン、2-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン、1-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロパン及び1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパンを使用して、好ましくは1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン、1,1,2,3,テトラクロロプロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン及び/又は2-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペンを使用して;特に1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(240db)を使用して行われる。
【0100】
図1は、本発明の特定の実施態様による2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパンを精製するための方法を実施するための装置の簡潔なスキームを表す。触媒、本発明で定義される式(I)CX(Y)
2-CX(Y)
m-CH
mXYの化合物の存在下、フッ素化反応由来の;及び/又は、触媒、本発明で定義される式(II)(CX
nY
3-n)CH
pX
1-p=CH
mX
2-mの化合物の存在下、触媒フッ素化由来の混合物が1で得られる。この特定の実施態様において、混合物は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)及び2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物を含む。混合物は、パイプ3を介して蒸留塔2へ移される。2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物は、蒸留塔2の上部で回収され、パイプ5を介して、焼却炉又は精製装置15へ運ばれる。蒸留塔の底部で得られ、混合物の他の構成要素を含む残留物は、パイプ4を介して第2の抽出蒸留塔6へ運ばれる。6で実施される抽出蒸留は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を混合物の他の構成要素から分離することを目的とする。抽出蒸留塔6には、有機抽出剤10が供給される。2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含む流れは、蒸留塔6の上部で回収され、パイプ7を介して蒸留塔12へ運ばれる。有機抽出剤10及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)は、蒸留塔6の底部で回収され、それらが分離される蒸留塔9へ運ばれる。有機抽出剤は、蒸留装置9の底部で回収され、パイプ11を介して抽出蒸留塔6へリサイクルされる。トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンは、蒸留塔9の上部で回収され、焼却炉又は精製装置15へ運ばれる。蒸留塔12は、蒸留塔13の上部で回収される2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンと、蒸留塔14の底部で回収される1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパンとの分離を可能にする。1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパンは、以下の
図2に記載される反応器23にリサイクルされうる。
【0101】
1で提供される混合物は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンより低い沸点を有する不純物を含まないことがある。この場合、
図1bに示されるように、混合物1は、パイプ3を介して抽出蒸留塔6へ運ばれて、
図1aに関して上で説明されるように処理される。
図1cに説明される別の工程の実施態様において、混合物1は重質不純物を含みうる。この場合、蒸留は、蒸留塔2の底部で得られる流れを使用して実施されうる。よって、この流れは、パイプ4を介して蒸留塔16へ運ばれる。重質不純物は蒸留塔17の底部で回収される。蒸留塔16の上部で回収される流れは、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む。この流れは、パイプ18を介して抽出蒸留塔6へ移されて、そこで、
図1aに関して上で説明されるように処理される。1で得られる混合物はまた、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物の少なくとも一つを含む。これらの化合物は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)と同じ流れで見られる。よって、それらは、抽出蒸留6の間に有機抽出剤によって吸収されて、蒸留塔9へ運ばれ、そこで、それらは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)と共に蒸留塔の上部で回収されて、15で焼却又は精製される。
【0102】
図2は、本発明の特定の実施態様による2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造するための方法を行うための装置を概略的に示す。フッ化水素酸21は、反応器23中で1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(240db)22と接触する。反応器23には、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を含み、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)を精製するための方法をリサイクルすることに由来する流れ14も供給されうる。2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)並びに任意選択的に又はそうではなく、クロロメタン(40)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-E)、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(1225ye-Z)及び3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を含む、得られる混合物は、反応器の出口で回収され、パイプ24を介して蒸留塔25へ運ばれる。混合物はまた、HCl、HF及び重質不純物又は2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンより低い沸点を有する不純物を含みうる。HF及び任意選択的に重質不純物を含む蒸留塔の底部で得られた流れは、パイプ26を介して精製装置27へ運ばれて、23で任意選択的にリサイクルされるHFを精製する。混合物の他の構成要素は、パイプ28を介して、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパンを精製するための装置29へ運ばれる。精製装置29は、
図1a~1cで説明される装置のいずれかである。
【0103】
2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造するための本方法で使用される触媒は、例えば、遷移金属酸化物又はこのような金属の誘導体又はハロゲン化物又はオキシハライドに基づきうる。例えば、FeCl3、オキシフッ化クロム、クロム酸化物(随意でフッ素化処理を施す)、及びフッ化クロム並びにこれらの混合物を挙げることができる。他の可能な触媒は、炭素上に支持された触媒、アンチモン系触媒、及びアルミニウム系触媒(例えばAlF3及びAl2O3、アルミニウムオキシフルオリド及びフッ化アルミニウム)である。
【0104】
一般に、オキシフッ化クロム、フッ化アルミニウム又はオキシフルオリド、又はCr、Ni、Fe、Zn、Ti、V、Zr、Mo、Ge、Sn、Pb、Mg若しくはSbといった金属を含有する任意選択的に担持された触媒を使用することができる。
【0105】
この点については、国際公開第2007/079431号(第7ページ、第1~5及び第28~32行)及びEP939071(段落[0022])、国際公開第2008/054781号(第9ページ、第22行から第10ページ、第34行)及び国際公開第2008/040969号(請求項1)を参照することができ、これらは参照が明示的になされている。
【0106】
触媒は、特に好ましくはクロムベースの、特にクロムを含む混合触媒を主成分とする。
【0107】
一実施態様によれば、クロムとニッケルを含む混合触媒が使用される。Cr/Niのモル比(金属元素に基づく)は、通常、0.5~5、例えば0.7~2、例えば約1である。触媒は、重量で、0.5%から20%のニッケルを含有しうる。
【0108】
金属は、金属形態又は誘導体形態で、例えば酸化物、ハロゲン化物又はオキシハライドとして存在するができる。このような誘導体は、好ましくは触媒金属の活性化により得られる。
【0109】
担体は、好ましくは、アルミニウム、例えば米国特許第4902838記載された又は上述の活性化方法により得られた、ハロゲン化アルミニウム及びアルミニウムオキシハライドといった、アルミナ、活性アルミナ、アルミニウム誘導体により構成される。
【0110】
触媒は、任意選択的に活性化している担体上において、活性化又は非活性化形態のクロム及びニッケルを含みうる。
【0111】
国際公開第2009/118628号(特に、第4ページ、第30行から第7ページ、第16行)が参照され、本明細書中で明記されている。
【0112】
別の好ましい実施態様は、クロムとMg及びZnから選ばれた少なくとも一つの元素とを含む混合触媒に基づいている。Mg又はZn/Crの原子比は、好ましくは0.01から5である。
【0113】
触媒は、好ましくは、使用前に空気、酸素、又は塩素及び/又はHFで活性化される。
【0114】
触媒は、好ましくは、空気又は酸素及びHFを用いて、100~500℃、好ましくは250~500℃、特に300~400℃の温度で活性化される。活性化の時間は、好ましくは、1~200時間、特に1~50時間である。
【0115】
この活性化に続いて、酸化剤、HF及び有機化合物の存在下における最終的なフッ素化活性化工程が行われうる。
【0116】
HF/有機化合物のモル比は、好ましくは2~40であり、酸化剤/有機化合物のモル比は、好ましくは0.04~25である。最終的な活性化の温度は、好ましくは300~400℃であり、その継続時間は、好ましくは6~100時間である。
【0117】
気相フッ素化反応は、
- 3:1から150:1、好ましくは4:1から125:1、特に好ましくは5:1から100:1の式(I)及び/又は(II)のモル比のHF/化合物で;
- 3から100秒、好ましくは4から75秒、特に5から50秒の接触時間で(触媒の体積を流入する流れ全体で除し、運転温度及び運転圧に合わせて調整する);
- 大気圧から20バール、好ましくは2から18バール、より具体的には3から15バールの範囲の圧力で;
- 200~450℃、好ましくは250~400℃、及び特に280~380℃の温度(触媒床の温度)で
で行われうる。
【0118】
反応工程の持続時間は、典型的には10から8000時間、好ましくは50から5000時間、特により好ましくは70から1000時間である。
【0119】
酸化剤、好ましくは酸素は、フッ素化反応中に任意選択的に添加されてもよい。酸素/有機化合物のモル比は、0.005から2、好ましくは0.01から1.5でありうる。酸素は、純粋な形態で、又は空気若しくは酸素/窒素混合物の形態で導入されうる。酸素は塩素と置き換えられてもよい。
【0120】
有機抽出剤を選択するための方法
有機抽出剤の選択は、COSMOTHERMソフトウェアで実行されるCosmo-RSモデルを使用して決定される。この選択されたバイナリーカップルに関して、分離係数は、以下の等式を介して、研究された溶媒のそれぞれについて計算される:
S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)
[式中、
γ1,Sは、無限希釈の検討中の有機抽出剤中の第1の化合物の活量係数を表し;
P1は、第1の化合物の飽和蒸気圧を表し;
γ2,Sは、無限希釈の検討中の有機抽出剤中のバイナリーカップルの第2の化合物の活量係数を表し;
P2は、第2の化合物の飽和蒸気圧を表す]。
【0121】
吸収容量はまた、研究された溶媒のそれぞれに関して、及び検討中のバイナリーカップル(1,2)に関しても計算される。吸収容量は、式C2,S=1/(γ2,S)[式中、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の検討中のバイナリーカップルの第2の化合物の活量係数を表す]を介して計算される。
計算は、研究された各有機抽出剤について繰り返される。最小の分離係数及び吸収容量の値は、検討中のバイナリーカップル(1,2)の第1の化合物と第2の化合物との十分な分離を可能にするように同定される。飽和蒸気圧は、25℃の温度で考慮される。
【実施例】
【0122】
2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンを精製するために、バイナリーカップル2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン/トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を有機抽出剤を選択するのに考慮する(表1を参照)。精製される混合物は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(1234ze-E)を含む。