IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブルー・インダクティヴ・ゲーエムベーハーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】多出力整流器
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20220208BHJP
   H02M 7/06 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
H02M7/12 V
H02M7/06 V
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018545829
(86)(22)【出願日】2017-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2017054572
(87)【国際公開番号】W WO2017148898
(87)【国際公開日】2017-09-08
【審査請求日】2019-11-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】16157859.6
(32)【優先日】2016-02-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518307145
【氏名又は名称】ヴィフェリオン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・トリッチラー
(72)【発明者】
【氏名】ベンリアー・ゴエルディ
【合議体】
【審判長】篠原 功一
【審判官】山澤 宏
【審判官】金子 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6014325(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0120543(US,A1)
【文献】特開2013-176173(JP,A)
【文献】特開平03-218265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00-3/44
H02M 7/00-7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC入力信号を第1の整流した出力信号および第2の整流した出力信号へと変換するための多出力整流器(10)であって、前記AC入力信号が、AC電流が第1の方向に流れる第1の部分的な期間と、前記AC電流が前記第1の方向と逆方向である第2の方向に流れる第2の部分的な期間とに分割される基本期間(T)を有し、前記多出力整流器(10)が、
コモン出力端子(16; 28)、第1の出力端子(18)、および第2の出力端子(20)を備え、前記コモン出力端子(16)、前記第1の出力端子(18)、および前記第2の出力端子(20)が互いに分離され、
その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第1の整流回路構成要素(46)と、
その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第2の整流回路構成要素(48)と、
その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすための第3の整流回路構成要素(50)と、
その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第4の整流回路構成要素(52)と
を備え、
前記第2の整流回路構成要素(48)の前記出力が、前記第1の整流回路構成要素(46)の前記入力に直列接続されて、その間に第1の中間のネットワークノード(54)を形成し、
前記第4の整流回路構成要素(52)の前記出力が、前記第3の整流回路構成要素(50)の前記入力に直列接続されて、その間に第2の中間のネットワークノード(56)を形成し、
第1の入力端子(12)が前記第1の中間のネットワークノード(54)に接続され、
第2の入力端子(14)が前記第2の中間のネットワークノード(56)に接続され、
前記第1の整流回路構成要素(46)の前記出力が前記第2の出力端子(20)に接続され、
前記第3の整流回路構成要素(50)の前記出力が前記第1の出力端子(18)に接続され、
前記第2の整流回路構成要素(48)の前記入力が前記コモン出力端子(16)に接続され、
前記第4の整流回路構成要素(52)の前記入力が前記コモン出力端子(16)に接続され、
多出力整流モードにしたがった前記第1の整流回路構成要素(46)の前記出力と前記第2の出力端子(20)との間の接続を、フルブリッジ整流モードにしたがった前記第1の整流回路構成要素(46)の前記出力と前記第1の出力端子(18)との間の接続に切り替えるように適合される、第1の切替回路構成要素(58)、および/または
フルブリッジ整流モードにしたがった前記第3の整流回路構成要素(50)の前記出力と前記第2の出力端子(20)との間の接続を、多出力整流モードにしたがった前記第3の整流回路構成要素(50)の前記出力と前記第1の出力端子(18)との間の接続に切り替えるように適合される、第2の切替回路構成要素(60)を備えることを特徴とし、
前記多出力整流モードにおける前記第1の部分的な期間の間、前記多出力整流器(10)が、前記第2の出力端子(20)から前記コモン出力端子(16)への前記第1の整流した出力信号(I1, U1)を出力するために、第1の入力端子(12)から前記第2の出力端子(20)への第1の電流経路(30, 30')を確立し、前記コモン出力端子(16)から第2の入力端子(14)への第2の電流経路(32)を確立するように適合され、
前記多出力整流モードにおける前記第2の部分的な期間の間、前記多出力整流器(10)が、前記第1の出力端子(18)から前記コモン出力端子(16)への前記第2の整流した出力信号(I1, U1)を出力するために、前記第2の入力端子(14)から前記第1の出力端子(18)への第3の電流経路(34, 34')を確立し、前記コモン出力端子(16)から前記第1の入力端子(12)への第4の電流経路(36)を確立するように適合される、多出力整流器。
【請求項2】
第2の整流回路構成要素(48)に並列に接続され、前記第2の整流回路構成要素(48)を選択的にブリッジするように適合される第3の切替回路構成要素(62)と、
第4の整流回路構成要素(52)に並列に接続され、前記第4の整流回路構成要素(52)を選択的にブリッジするように適合される第4の切替回路構成要素(64)と
を備え、
前記第3の切替回路構成要素(62)および前記第4の切替回路構成要素(64)が、前記AC入力信号の前記第1の部分的な期間の間および/または前記第2の部分的な期間の間、前記第2の整流回路構成要素(48)および前記第4の整流回路構成要素(52)を同時にブリッジするように制御可能である、請求項1に記載の多出力整流器。
【請求項3】
前記多出力整流器のエネルギー交換モード期間の動作のために、エネルギー交換のための第1の受動回路構成要素(66)と任意選択の第5の切替回路構成要素(68)の直列接続
を備え、
前記第5の切替回路構成要素(68)が、前記エネルギー交換モード期間に、第1の中間のノード(54)と前記第1の出力端子(18)との間、または前記第1の中間のノード(54)と第2の中間のノード(56)との間、または前記第2の中間のノード(56)と前記第1の出力端子(18)との間に前記受動回路構成要素(66)を接続するように適合され、
第1の整流回路構成要素(46)、第2の整流回路構成要素(48)、第3の整流回路構成要素(50)、および第4の整流回路構成要素(52)が能動切替回路構成要素として実現され、前記エネルギー交換モード期間に、4象限変換器、バック変換器、またはブースト変換器として動作するために制御可能である、請求項1または2に記載の多出力整流器。
【請求項4】
前記エネルギー交換モード期間に、第1の入力端子(12)と前記多出力整流器(10)を選択的に切り離すように適合される第6の切替回路構成要素(70)と、
前記エネルギー交換モード期間に、第2の入力端子(14)と前記多出力整流器(10)を選択的に切り離すように適合される第7の切替回路構成要素(72)と
を備える、請求項3に記載の多出力整流器。
【請求項5】
AC入力信号を第1の整流した出力信号および第2の整流した出力信号へと変換するための多出力整流器(26)であって、前記AC入力信号が、AC電流が第1の方向に流れる第1の部分的な期間と、前記AC電流が前記第1の方向と逆方向である第2の方向に流れる第2の部分的な期間とに分割される基本期間(T)を有し、前記多出力整流器(26)が、
コモン出力端子(28)、第1の出力端子(18)、および第2の出力端子(20)を備え、前記コモン出力端子(28)、前記第1の出力端子(18)、および前記第2の出力端子(20)が互いに分離され、
その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第5の整流回路構成要素(74)と、
その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第6の整流回路構成要素(76)と、
その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすための第7の整流回路構成要素(78)と、
その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第8の整流回路構成要素(80)と
を備え、
前記第6の整流回路構成要素(76)の前記出力が、前記第5の整流回路構成要素(74)の前記入力に直列接続されて、その間に第3の中間のネットワークノード(82)を形成し、
前記第8の整流回路構成要素(80)の前記出力が、前記第7の整流回路構成要素(78)の前記入力に直列接続されて、その間に第4の中間のネットワークノード(84)を形成し、
第1の入力端子(12)が前記第3の中間のネットワークノード(82)に接続され、
第2の入力端子(14)が前記第4の中間のネットワークノード(84)に接続され、
前記第5の整流回路構成要素(74)の前記出力が前記コモン出力端子(28)に接続され、
前記第7の整流回路構成要素(78)の前記出力が前記コモン出力端子(28)に接続され、
前記第6の整流回路構成要素(76)の前記入力が前記第1の出力端子(18)に接続され、
前記第8の整流回路構成要素(80)の前記入力が前記第2の出力端子(20)に接続され、
フルブリッジ整流モードにしたがった前記第6の整流回路構成要素(76)の前記入力と前記第2の出力端子(20)との間の接続を、多出力整流モードにしたがった前記第6の整流回路構成要素(76)の前記入力と前記第1の出力端子(18)との間の接続に切り替えるように適合される、第8の切替回路構成要素(86)、および/または
多出力整流モードにしたがった前記第8の整流回路構成要素(80)の前記入力と前記第2の出力端子(20)との間の接続を、フルブリッジ整流モードにしたがった前記第8の整流回路構成要素(80)の前記入力と前記第1の出力端子(18)との間の接続に切り替えるように適合される、第9の切替回路構成要素(88)を備えることを特徴とし、
前記多出力整流モードにおける前記第1の部分的な期間の間、前記多出力整流器(26)が、前記コモン出力端子(28)から前記第2の出力端子(20)への前記第1の整流した出力信号(I1, U1)を出力するために、第1の入力端子(12)から前記コモン出力端子(28)への第5の電流経路(38)を確立し、前記第2の出力端子(20)から第2の入力端子(14)への第6の電流経路(40, 40')を確立するように適合され、
前記多出力整流モードにおける前記第2の部分的な期間の間、前記多出力整流器(26)が、前記コモン出力端子(28)から前記第1の出力端子(18)への前記第2の整流した出力信号(I2, U2)を出力するために、前記第2の入力端子(14)から前記コモン出力端子(28)への第7の電流経路(42)を確立し、前記第1の出力端子(18)から前記第1の入力端子(12)への第8の電流経路(44, 44')を確立するように適合される、多出力整流器。
【請求項6】
前記第5の整流回路構成要素(74)に並列に接続され、前記第5の整流回路構成要素(74)を選択的にブリッジするように適合される第10の切替回路構成要素(90)と、
前記第7の整流回路構成要素(78)に並列に接続され、前記第7の整流回路構成要素(78)を選択的にブリッジするように適合される第11の切替回路構成要素(92)と
を備え、
前記第10の切替回路構成要素(90)および前記第11の切替回路構成要素(92)が、前記AC入力信号の前記第1の部分的な期間の間および/または前記第2の部分的な期間の間、前記第5の整流回路構成要素(74)および前記第7の整流回路構成要素(78)を同時にブリッジするように制御可能である、請求項5に記載の多出力整流器。
【請求項7】
前記多出力整流器(26)のエネルギー交換モード期間の動作のために、第2の受動回路構成要素(94)と第12の任意選択の切替回路構成要素(96)の直列接続を備え、
第12の切替回路構成要素(96)が、前記エネルギー交換モード期間に、前記第3の中間のノード(82)と前記第1の出力端子(18)との間、前記第3の中間のノード(82)と前記第4の中間のノード(84)との間、または前記第4の中間のノード(84)と前記第2の出力端子(20)との間に前記第2の受動回路構成要素(94)を接続するように適合され、
前記第5の整流回路構成要素(74)、前記第6の整流回路構成要素(76)、前記第7の整流回路構成要素(78)、および前記第8の整流回路構成要素(80)が、能動切替回路構成要素として実現され、前記エネルギー交換モード期間に、4象限変換器、バック変換器、またはブースト変換器としてエネルギー交換動作するために制御可能である、請求項5または6に記載の多出力整流器。
【請求項8】
前記エネルギー交換モード期間に、前記第1の入力端子(12)と前記多出力整流器(26)を選択的に切り離すように適合される第13の切替回路構成要素(98)と、
前記エネルギー交換モード期間に、前記第2の入力端子(14)と前記多出力整流器(26)を選択的に切り離すように適合される第14の切替回路構成要素(100)と
を備える、請求項7に記載の多出力整流器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AC入力信号を第1の整流した出力信号および第2の整流した出力信号へと変換するための多出力整流器に関する。
【背景技術】
【0002】
整流器の典型的な用途は、ワイヤレス誘導性電力伝送の分野である。一般的に、ワイヤレス誘導性電力伝送は、電線接続されたシステムを超えるいくつかの利点を有する。技術の進歩に起因して、モバイルバッテリーへのワイヤレス誘導性電力伝送は注目を引くことが増え、自動車、消費者、および産業用途がトレンドを牽引している。
【0003】
一般的に、ワイヤレス誘導性電力伝送は、1次固定側と2次モバイル側に分けられる。1次固定側は、スイッチモード電子回路、ならびにコンデンサおよび伝送コイルからなる共振回路を有する。
【0004】
ワイヤレス電力伝送システムの2次側のさらなる詳細は、図1に示される。ここで、2次モバイル側において、共振回路の部分を形成する受電コイルで、電圧および電流が誘起される。受動または能動整流器が、バッテリーに直接、または、たとえば、DC/DC変換器およびバッテリー、スーパーキャパシタ、ウルトラキャパシタなどのエネルギー貯蔵デバイスといったいくつかの負荷からなるモバイルエネルギーシステムに電力を供給する。
【0005】
さらに、図1に示されるように、ワイヤレス誘導性電力伝達システムの2次受電側は、整流器および負荷L1、L2またはエネルギー貯蔵デバイスE1、E2を備える。通常、受電側で使用されるいくつかのエネルギーレベルがある。しかし、2つの負荷L1、L2または2つのエネルギー貯蔵デバイスE1、E2に並列に電力を供給する場合、第1の負荷L1またはエネルギー貯蔵デバイスE1を第2の負荷L2または第2のエネルギー貯蔵デバイスE2から分離するために、少なくとも1つのDC/DC変換器が必要である。
【0006】
しかし、これは、2次受電側におけるより高いコスト、重さ、および回路の複雑さをもたらす余分の回路を含意する。加えて、DC/DC変換器における損失が、システム効率の低下をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記を鑑みて、本発明の目的は、整流器の2次側に接続される複数の負荷への電力の効率的な供給をサポートする整流器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、この目的は、AC入力信号を第1の整流した出力信号および第2の整流した出力信号へと変換するための多出力整流器によって達成され、ここでAC入力信号は、AC電流が第1の方向に流れる第1の部分的な期間と、AC電流が第1の方向と逆方向である第2の方向に流れる第2の部分的な期間とに分割される基本期間を有する。
【0009】
多出力整流器は、AC入力信号の入力のため、第1の入力端子と、第1の入力端子とは異なる第2の入力端子とを備える。
【0010】
さらに、多出力整流器は、コモン出力端子と、第1の出力端子と、第2の出力端子とをさらに備える。本発明によれば、コモン出力端子と第1の出力端子と第2の出力端子とは、互いに分離される。
【0011】
実効的に、第1の部分的な期間の間、多出力整流器は、AC入力信号の極性を維持し、それを、第1の整流した出力信号として、第2の出力端子とコモン出力端子に伝達するように適合される。
【0012】
さらに実効的に、第2の部分的な期間の間、多出力整流器は、AC入力信号の極性を反転し、それを、第2の整流した出力信号として、第1の出力端子とコモン出力端子に伝達するように適合される。
【0013】
以下では、本発明の様々な態様および例が、図面を参照して説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】現況技術にしたがうワイヤレス電力伝送システムの2次側を示す図である。
図2】本発明の第1の例にしたがう多出力整流器のI/O回路トポロジーを示す図である。
図3】本発明の第2の例にしたがう多出力整流器のI/O回路トポロジーを示す図である。
図2a図2に示された本発明の第1の例の変更形態にしたがう多出力整流器のI/O回路トポロジーを示す図である。
図2b図2に示された本発明の第1の例のさらなる変更形態にしたがう多出力整流器のI/O回路トポロジーを示す図である。
図3a図3に示された本発明の第2の例の変更形態にしたがう多出力整流器のI/O回路トポロジーを示す図である。
図3b図3に示された本発明の第2の例のさらなる変更形態にしたがう多出力整流器のI/O回路トポロジーを示す図である。
図4図2図2a、または図2bに示されたような本発明の第1の例にしたがう多出力整流器のI/O伝達機能性を示す図である。
図5図4に示されたような本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の第1の動作状況にしたがう信号フロー図である。
図6図4に示されたような本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の第2の動作状況にしたがう信号フロー図である。
図7図3図3a、または図3bに示されたような本発明の第2の例にしたがう多出力整流器のI/O伝達機能性を示す図である。
図8図6に示されたような本発明の第2の例にしたがう多出力整流器の第1の動作状況にしたがう信号フロー図である。
図9図6に示されたような本発明の第2の例にしたがう多出力整流器の第2の動作状況にしたがう信号フロー図である。
図10図5および図6に示されたような信号フローを実現する本発明の第1の例にしたがう多出力整流器を示す概略回路図である。
図11】多出力整流モードとフルブリッジ整流モードとの間で切り替える機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器に対応する概略回路図である。
図12】出力端子に送出される電力を制御する機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器に対応する概略回路図である。
図13】第1の出力端子および第1のコモン出力端子に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2の出力端子および第1のコモン出力端子に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器に対応する概略回路図である。
図14】第1の出力端子および第1のコモン出力端子に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2の出力端子および第1のコモン出力端子に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器に対応する変更した概略回路図である。
図15】第1の出力端子および第1のコモン出力端子に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2の出力端子および第1のコモン出力端子に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器に対応するさらなる変更した概略回路図である。
図16図8および図9に示されたような信号フローを実現する本発明の第2の例にしたがう多出力整流器の概略回路図である。
図17】多出力整流モードとフルブリッジ整流モードとの間で切り替える機能性を有する、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器に対応する概略回路図である。
図18】出力端子に送出される電力を制御する機能性を有する、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器に対応する概略回路図である。
図19】第2のコモン出力端子および第1の出力端子に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2のコモン出力端子および第2の出力端子に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器に対応する概略回路図である。
図20】第2のコモン出力端子および第1の出力端子に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2のコモン出力端子および第2の出力端子に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器に対応する変更した概略回路図である。
図21】第2のコモン出力端子および第1の出力端子に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2のコモン出力端子および第2の出力端子に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器のさらなる変更した概略回路図である。
図21a】多出力整流器の出力側における追加の切替機能性を実現する本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図21b】多出力整流器の出力側における追加の切替機能性を実現する本発明の第1の例にしたがう多出力整流器のさらなる特定の例を示す図である。
図21c】多出力整流器の出力側における追加の切替機能性を実現する本発明の第2の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図21d】多出力整流器の出力側における追加の切替機能性を実現する本発明の第2の例にしたがう多出力整流器のさらなる特定の例を示す図である。
図22】AC入力信号の第1の部分的な期間に対応する動作状況において、図5に示されたような信号フローを実現する本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図23】AC入力信号の第2の部分的な期間に対応する動作状況において、図6に示されたような信号フローを実現する本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図24】AC入力信号の第1の部分的な期間に対応する動作状況において、図8に示されたような信号フローを実現する本発明の第2の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図25】AC入力信号の第2の部分的な期間に対応する動作状況において、図9に示されたような信号フローを実現する本発明の第2の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図26】多出力整流モードとフルブリッジ整流モードとの間で切り替える機能性を有する、図11(i)に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図27】多出力整流モードとフルブリッジ整流モードとの間で切り替える機能性を有する、図11(ii)に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図28】多出力整流モードとフルブリッジ整流モードとの間で切り替える機能性を有する、図11(iii)に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図29】AC入力信号の第1の部分的な期間に対応する動作状況において、出力端子に送出される電力を制御する機能性を有する、図12に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図30】AC入力信号の第2の部分的な期間に対応する動作状況において、出力端子に送出される電力を制御する機能性を有する、図12に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図31】第1の出力端子および第1のコモン出力端子に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2の出力端子およびコモン出力端子に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、図14に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
図32】第1の出力端子および第1のコモン出力端子に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2の出力端子およびコモン出力端子に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、図13に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下で、本発明は、図面を参照して詳細に説明されることになる。ここで、そのような説明は、本発明の例にだけ関しており、請求項により規定されるような本発明の範囲に結びつけないことを理解されたい。特定の回路構成要素への参照が行われる限りにおいて、これが、基礎となる機能性についての例と考えるべきであり、同じ機能性が達成されるならば、回路構成要素は、明確に交換可能である。
【0016】
本発明にしたがう多出力整流器の機能性は多岐にわたる。本発明は、整流に対し複数の出力タイプ手法をサポートすることだけでなく、多出力タイプの整流とフルブリッジ整流との間で整流器トポロジーを構成することを可能にもする。多出力に加えて、本発明にしたがう整流器は、出力側における負荷へ送出される電力の量を制御し、多出力に接続されるエネルギー貯蔵器間でエネルギーの交換を実施することを可能にする。
【0017】
以下で、本発明は、保護範囲の制限を回避するため、一般的な用語法を使用して説明することになる。ここで、整流器回路構成要素は、たとえば、ダイオードまたはリレー、MOSFET、IGBT、もしくは任意の他のスイッチングタイプの半導体デバイスのような能動スイッチといった、電流弁機能性を有する任意の好適なタイプの回路であってよい。
【0018】
図2は、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10のI/O回路トポロジーを示す。
【0019】
図2に示されるように、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、電流IINおよび電圧UINを有するAC入力信号の入力のために、第1の入力端子12と第1の入力端子とは異なる第2の入力端子14とを有する。
【0020】
図2に示されるように、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、第1のコモン出力端子16、第1の出力端子18、および第2の出力端子20が互いに分離されるような、I/O回路トポロジーを有する。
【0021】
図2に示されるように、実効的に、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、第1の負荷22を第1の出力端子18および第1のコモン出力端子16に、また第2の負荷24を第2の出力端子20および第1のコモン出力端子16に、同時、並列、および直接的に接続することを可能にする。
【0022】
本発明によれば、負荷という用語は、限定または束縛するように解釈できないことを理解されたい。ここで、負荷は、電気エネルギーの貯蔵のための任意のデバイス、または電気エネルギーの任意の消費物であってよい。
【0023】
実効的に、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、第1の負荷22の直接接続、および第1の負荷22への整流した信号の関連する供給をサポートする。同時に、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、第2の負荷24の並列な直接接続、および第2の負荷24への整流した信号の関連する供給をサポートする。
【0024】
こうして、本発明によれば、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、異なる負荷22、24へ整流した信号の出力を可能にし、それによって、従来技術でのようなたとえばDC/DC変換器といった追加回路を設けることなく、両方の負荷22、24に、並列に電力を提供する。
【0025】
図3は、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26のI/O回路トポロジーを示す。
【0026】
図3に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10とは、コモン出力端子の配置が異なる。第1の例によれば第1のコモン出力端子16は下側出力端子であるが、第2の例によれば第2のコモン出力端子28は上側出力端子である。
【0027】
図3に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、電流IINおよび電圧UINを有するAC入力信号の入力のために、第1の入力端子12と第1の入力端子12とは異なる第2の入力端子14とを有する。
【0028】
図3に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、第2のコモン出力端子28、第2の出力端子20、および第1の出力端子18が互いに、たとえば直流分離によって分離されるような、I/O回路トポロジーを有する。
【0029】
図3に示されるように、実効的に、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、第1の負荷22を第2のコモン出力端子28および第1の出力端子18に、また第2の負荷24を第2のコモン出力端子28および第2の出力端子20に、同時、並列、および直接的に接続することを可能にする。
【0030】
実効的に、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、第1の負荷22の直接接続、および第1の負荷22への整流した信号の関連する供給をサポートする。同時に、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、第2の負荷24の並列な直接接続、および第2の負荷24への整流した信号の供給をサポートする。
【0031】
こうして、本発明によれば、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、第1の負荷22および第2の負荷24へ整流した信号の出力を可能にし、それによって、従来技術でのようなたとえばDC/DC変換器といった追加回路を設けることなく、両方の負荷22、24に、並列に電力を提供する。
【0032】
図2aは、図2に示された本発明の第1の例の変更形態にしたがう多出力整流器10のI/O回路トポロジーを示す。
【0033】
図2aに示されるように、本発明の第1の例の変更形態にしたがう多出力整流器は、フルブリッジ動作モードにしたがって、第2の出力20と整流器10との間の接続を開にして第1の出力18を接続するように構成される、第1の切替回路構成要素19を備える。
【0034】
図2aに示されるように、第1の切替回路構成要素19は、多出力整流器10と、それぞれ、第2の出力端子20と、また第1の出力端子18との間に設けられる。
【0035】
実効的に、第1の切替回路構成要素19は、多出力動作モードからフルブリッジ動作モードへ多出力整流器10の動作モードを変え、その逆も同様であるように適合される。
【0036】
図2bは、図2に示された本発明の第1の例のさらなる変更形態にしたがう多出力整流器10のI/O回路トポロジーを示す。
【0037】
図2bに示されるさらなる変更形態は、第1の切替回路構成要素19が、それぞれ、第2の出力端子20、また第1の出力端子18に続くように設けられる点で、図2aに示されるものと異なる。
【0038】
さらに、図2aおよび図2bには、第1の切替回路構成要素19が、多出力整流器10と第2の出力端子20を接続する上側分岐に設けられる例が示されていることに留意されたい。さらなる代替実施形態として、第1の切替回路構成要素19が、多出力整流器10と第1の出力端子18を接続する下側分岐に設けられてよい。
【0039】
図3aは、図3に示された本発明の第2の例の変更形態にしたがう多出力整流器26のI/O回路トポロジーを示す。
【0040】
図3aに示されるように、本発明の第2の例の変更形態にしたがう多出力整流器26は、第1の出力端子18と第2の出力端子20との間に設けられる第1の切替回路構成要素19を備える。
【0041】
図3aに示されるように、第1の切替回路構成要素19は、多出力整流器26と、それぞれ、第2の出力端子20と、また第1の出力端子18との間に設けられる。
【0042】
実効的に、第1の切替回路構成要素19は、フルブリッジ動作モードにしたがって、第2の出力端子20と多出力整流器26との間の接続を開にして第1の出力端子18を接続するように適合される。
【0043】
図3bは、図3に示された本発明の第2の例のさらなる変更形態にしたがう多出力整流器26のI/O回路トポロジーを示す。
【0044】
図3bに示されるさらなる変更形態は、第1の切替回路構成要素19が、それぞれ、第2の出力端子20、また第1の出力端子18に続くように設けられる点で、図3aに示されるものと異なる。
【0045】
さらに、図3aおよび図3bには、第1の切替回路構成要素19が、多出力整流器26と第2の出力端子20を接続する上側分岐に設けられる例が示されていることに留意されたい。さらなる代替実施形態として、第1の切替回路構成要素19が、多出力整流器26と第1の出力端子18を接続する下側分岐に設けられてよい。
【0046】
本発明によれば、多出力動作モードとフルブリッジ動作モードとの間およびその逆の切替によって、整流動作期間のフレキシビリティを高めることが実現される。切替要素19によって、負荷L1およびL2の各々の負荷電流を制御することができる。多出力動作モードでは、負荷電流は、たとえば負荷L1とL2との間で等しく分配されるというように、切替のデューティサイクルに依存して、負荷L1とL2との間で分配される。そうでない場合、フルブリッジ動作モードでは、全ての負荷電流が、2つの負荷L1とL2のうちのただ一方に供給される。
【0047】
図4は、図2に示されたような本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10のI/O伝達機能性を示す。
【0048】
ここで、図4に示されていないが、多出力動作モードからフルブリッジ動作モードへ変え、その逆も同様である第1の切替回路構成要素19は、図2aおよび図2bに対して上で概説された意味で、多出力整流器10の出力側に設けることができる。その場合、その機能は、図2aおよび図2bに対して説明されたものと同様であり、それに関する説明はここでは繰り返さない。
【0049】
図4に示されるように、本発明によれば、入力信号は、AC電流IINが第1の方向に流れる第1の部分的な期間と、AC電流IINが第1の方向と逆方向である第2の方向に流れる第2の部分的な期間とに分割される基本期間を有するAC入力信号である。AC入力信号は、たとえば、正弦波信号、台形信号、または鋸歯状信号といった、特定のタイプの信号に限定されないことに留意されたい。
【0050】
図4に示されるように、第1の動作状況では、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、AC入力信号の極性を維持し、それを第1の部分的な期間の間、第1の整流した出力信号I1、U1として、第2の出力端子20と第1のコモン出力端子16に伝達するように適合される。
【0051】
図4に示されるように、第2の動作状況では、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、AC入力信号の極性を反転し、それを第2の部分的な期間の間、第2の整流した出力信号I2、U2として、第1の出力端子18と第1のコモン出力端子16に伝達するように適合される。
【0052】
図5は、図4に示されたような本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10の第1の動作状況にしたがう信号フロー図を示す。
【0053】
図5に示されるように、第1の動作状況では、第1の部分的な期間の間、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、第2の出力端子20から第1のコモン出力端子16への第1の整流した出力信号U1、I1を出力するために、第1の入力端子12から第2の出力端子20への第1の電流経路30を確立し、第1のコモン出力端子16から第2の入力端子14への第2の電流経路32を確立するように適合される。
【0054】
第1の出力端子18と第2の出力端子20についての特定の順序が、本発明の保護の範囲に対して束縛するものでないことに留意されたい。図5に示されるように、この順序の反転の際には、鎖線で示される変更した第1の電流経路30'が適用可能となる。
【0055】
図6は、図4に示されたような本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10の第2の動作状況にしたがう信号フロー図を示す。
【0056】
図6に示されるように、第2の動作状況では、第2の部分的な期間の間、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、第1の出力端子18から第1のコモン出力端子16への第2の整流した出力信号U2、I2を出力するために、第2の入力端子14から第1の出力端子18への第3の電流経路34を確立し、第1のコモン出力端子16から第1の入力端子12への第4の電流経路36を確立するように適合される。
【0057】
第1の出力端子18と第2の出力端子20についての特定の順序が、本発明の保護の範囲に対して束縛するものでないことに留意されたい。図6に示されるように、この順序の反転の際には、鎖線で示される変更した第3の電流経路34'が適用可能となる。
【0058】
図7は、図3に示されたような本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26のI/O伝達機能性を示す。
【0059】
ここで、図7に示されていないが、多出力動作モードからフルブリッジ動作モードへ変え、その逆も同様である第1の切替回路構成要素19は、図3aおよび図3bに対して上で概説された意味で、多出力整流器26の出力側に設けることができる。その場合、その機能は、図3aおよび図3bに対して説明されたものと同様であり、それに関する説明はここでは繰り返さない。
【0060】
AC入力信号に関して、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10に関して上で与えられたのと同じ説明および図4がやはり適用され、したがって、ここでは繰り返さない。
【0061】
図7に示されるように、第1の動作状況では、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、AC入力信号の極性を維持し、それを第1の部分的な期間の間、第1の整流した出力信号I1、U1として、第2のコモン出力端子28と第2の出力端子20に伝達するように適合される。
【0062】
図7に示されるように、第2の動作状況では、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、AC入力信号の極性を反転し、それを第2の部分的な期間の間、第2の整流した出力信号I2、U2として、第2のコモン出力端子28と第1の出力端子18に伝達するように適合される。
【0063】
図8は、図3に示されたような本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26の第1の動作状況にしたがう信号フロー図を示す。
【0064】
図8に示されるように、第1の動作状況では、第1の部分的な期間の間、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、第2のコモン出力端子28から第2の出力端子20への第1の整流した出力信号U1、I1を出力するために、第1の入力端子12から第2のコモン出力端子28への第5の電流経路38を確立し、第2の出力端子20から第2の入力端子14への第6の電流経路40を確立するように適合される。
【0065】
第1の出力端子18と第2の出力端子20についての特定の順序が、本発明の保護の範囲に対して束縛するものでないことに留意されたい。図8に示されるように、この順序の反転の際には、鎖線で示される変更した第6の電流経路40'が適用可能となる。
【0066】
図9は、図3に示されたような本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26の第2の動作状況にしたがう信号フロー図を示す。
【0067】
図9に示されるように、第2の動作状況では、第2の部分的な期間の間、本発明の整流器の第2の例にしたがう多出力整流器26は、第2のコモン出力端子28から第1の出力端子18への第2の整流した出力信号I2、U2を出力するために、第2の入力端子14から第2のコモン出力端子28への第7の電流経路42を確立し、第1の出力端子18から第1の入力端子12への第8の電流経路44を確立するように適合される。
【0068】
第1の出力端子18と第2の出力端子20についての特定の順序が、本発明の保護の範囲に対して束縛するものでないことに留意されたい。図9に示されるように、この順序の反転の際には、鎖線で示される変更した第8の電流経路44'が適用可能となる。
【0069】
図10は、図5および図6に示されたような信号フローを実現する本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10の概略回路図を示す。
【0070】
図10に示されるように、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第1の整流回路構成要素46と、その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第2の整流回路構成要素48と、その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第3の整流回路構成要素50と、その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第4の整流回路構成要素52とを備える。
【0071】
図10に示されるように、第2の整流回路構成要素48の出力は、第1の整流回路構成要素46の入力に直列接続されて、第1の中間のネットワークノード54を形成する。第4の整流回路構成要素52の出力は、第3の整流回路構成要素50の入力に直列接続されて、第2の中間のネットワークノード56を形成する。
【0072】
図10に示されるように、第1の入力端子12は、第1の中間のネットワークノード54に接続される。第2の入力端子14は、第2の中間のネットワークノード56に接続される。第1の整流回路構成要素46の出力は、第2の出力端子20に接続される。第3の整流回路構成要素50の出力は、第1の出力端子18に接続される。第2の整流回路構成要素48の入力は、第1のコモン出力端子16に接続される。第4の整流回路構成要素52の入力は、第1のコモン出力端子16に接続される。
【0073】
実効的に、図10(b)に示されるように、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、AC入力信号の第1の部分的な期間に対応する第1の動作状況で、第1の入力端子12から第2の出力端子20へと第1の整流回路構成要素46を介した第1の電流経路を構成する。また、第1のコモン出力端子16から第2の入力端子14への第2の電流経路は、第4の整流回路構成要素52を通過するように構成される。
【0074】
さらに、実効的に、図10(c)に示されるように、AC入力信号の第2の部分的な期間の間、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、第2の整流回路構成要素48および第4の整流回路構成要素50への電流の流れを反転して、図6に関して説明された第3の電流経路および第4の電流経路を確立する。
【0075】
図10に示されるように、整流回路構成要素が能動スイッチである場合、制御信号(i)、(ii)、(iii)、および(iv)が、それぞれ、整流回路構成要素46、48、50、および52に適用される。
【0076】
図11は、多出力整流モードとフルブリッジ整流モードとの間で切り替える機能性を有し、出力端子に送出される電力を制御する機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10に対応する概略回路図を示す。
【0077】
図11(i)に示されるように、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、好ましくは、多出力動作モードにしたがった第1の整流回路構成要素46の出力と第2の出力端子20との間の接続を、フルブリッジ動作モードにしたがった第1の整流回路構成要素46の出力と第1の出力端子12との間の接続に切り替えるように適合される第1の切替回路構成要素58を備える。
【0078】
図11(ii)に示されるように、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、好ましくは、フルブリッジ動作モードにしたがった第3の整流回路構成要素50の出力と第2の出力端子20との間の接続を、多出力動作モードにしたがった第3の整流回路構成要素50の出力と第1の出力端子18との間の接続に切り替えるように適合される第2の切替回路構成要素60を備える。
【0079】
図11(iii)に示されるように、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、好ましくは、第1の切替回路構成要素58と第2の切替回路構成要素60を一緒に備える。
【0080】
実効的に、異なる切替の型は、以下の整流の型をもたらす。
【0081】
【表1】
【0082】
図12は、出力端子に送出される電力を制御する機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10に対応する概略回路図を示す。
【0083】
図12に示されるように、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、好ましくは、第2の整流回路構成要素48に並列に接続され、第2の整流回路構成要素48を選択的にブリッジするように適合される第3の切替回路構成要素62を備える。
【0084】
図12に示されるように、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、好ましくは、第4の整流回路構成要素52に並列に接続され、第4の整流回路構成要素52を選択的にブリッジするように適合される第4の切替回路構成要素64を備える。
【0085】
実効的に、第3の切替回路構成要素62および第4の切替回路構成要素64は、AC入力信号の第1の部分的な期間の間および/または第2の部分的な期間の間、第2の整流回路構成要素48および第4の整流回路構成要素52を同時にブリッジするように制御される。このことによって、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10の入力側に電流ループを確立し、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10の出力側における電力送出を制御することが可能になる。
【0086】
図13は、第1の出力端子18および第1のコモン出力端子16に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2の出力端子20および第1のコモン出力端子16に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10に対応する概略回路図を示す。
【0087】
図13に示されるように、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、好ましくは、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10のエネルギー交換モード期間の動作のために、エネルギー交換のための第1の受動回路構成要素66と任意選択の第5の切替回路構成要素68の直列接続を備える。
【0088】
実効的に、第5の切替回路構成要素68は、エネルギー交換モード期間に、第1の中間のノード54と第1の出力端子18との間に受動回路構成要素66を接続するように適合される。
【0089】
実効的に、エネルギー交換モードで、第1の整流回路構成要素46、第2の整流回路構成要素48、第3の整流回路構成要素50、および第4の整流回路構成要素52は、能動切替回路構成要素として実現され、エネルギー交換モード期間に、4象限変換器、バック変換器、またはブースト変換器として動作するために制御される。
【0090】
図13に示されるように、好ましくは、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、エネルギー交換モード期間に、本発明の第1の例にしたがって、第1の入力端子12と多出力整流器10を選択的に切り離すように適合される第6の切替回路構成要素70を好ましくは備える。さらに、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10は、エネルギー交換モード期間に、本発明の第1の例にしたがって、第2の入力端子14と多出力整流器10を選択的に切り離すように適合される第7の切替回路構成要素72を備える。
【0091】
図14は、第1の出力端子18および第1のコモン出力端子16に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2の出力端子20および第1のコモン出力端子16に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10に対応する変更した概略回路図を示す。
【0092】
図14に示されるように、修正形態によれば、第5の切替回路構成要素68は、第1の中間のノード54と第2の中間のノード56との間に受動回路構成要素66を接続するように適合される。
【0093】
図15は、第1の出力端子および第1のコモン出力端子16に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2の出力端子および第1のコモン出力端子16に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10のさらなる変更した概略回路図を示す。
【0094】
図15に示されるように、さらなる修正形態によれば、第5の切替回路構成要素68は、エネルギー交換モード期間に、第2の中間のノード56と第2の出力端子20との間に第1の受動回路構成要素66を接続するように適合される。
【0095】
図16は、図8および図9に示されたような信号フローを実現する本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26の概略回路図を示す。
【0096】
図16に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第5の整流回路構成要素74と、その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第6の整流回路構成要素76と、その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第7の整流回路構成要素78と、その入力からその出力の方向の電流弁の役割を果たすように適合される第8の整流回路構成要素80とを備える。
【0097】
図16に示されるように、第6の整流回路構成要素76の出力は、第5の整流回路構成要素74の入力に直列接続されて、第3の中間のネットワークノード82を形成する。第8の整流回路構成要素80の出力は、第7の整流回路構成要素78の入力に直列接続されて、第4の中間のネットワークノード84を形成する。
【0098】
図16に示されるように、第1の入力端子12は、第3の中間のネットワークノード82に接続される。第2の入力端子14は、第4の中間のネットワークノード84に接続される。第5の整流回路構成要素74の出力は、第2のコモン出力端子28に接続される。第7の整流回路構成要素78の出力は、コモン出力端子28に接続される。第6の整流回路構成要素76の入力は、第1の出力端子18に接続される。第8の整流回路構成要素80の入力は、第2の出力端子20に接続される。
【0099】
実効的に、図16(b)に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、AC入力信号の第1の部分的な期間に対応する第1の動作状況で、第1の入力端子12から第2のコモン出力端子28へと第5の整流回路構成要素74を介した第5の電流経路を構成する。また、第2の出力端子20から第2の入力端子14への第6の電流経路は、第8の整流回路構成要素80を通過するように構成される。
【0100】
さらに、実効的に、図16(c)に示されるように、AC入力信号の第2の部分的な期間の間、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、第6の整流回路構成要素76および第7の整流回路構成要素78への電流の流れを反転して、図9に関して説明された第7の電流経路および第8の電流経路を確立する。
【0101】
図16に示されるように、整流回路構成要素が能動スイッチである場合、制御信号(i)、(ii)、(iii)、および(iv)が、それぞれ、整流回路構成要素に適用される。
【0102】
図17は、多出力整流モードとフルブリッジ整流モードとの間で切り替える機能性を有する、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26に対応する概略回路図を示す。
【0103】
図17(i)に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、好ましくは、フルブリッジ動作モードにしたがった第6の整流回路構成要素76の入力と第2の出力端子20との間の接続を、多出力動作モードにしたがった第6の整流回路構成要素76の入力と第1の出力端子18との間の接続に切り替えるように適合される第8の切替回路構成要素86を備える。
【0104】
図17(ii)に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、好ましくは、多出力動作モードにしたがった第8の整流回路構成要素80の入力と第2の出力端子20との間の接続を、フルブリッジ動作モードにしたがった第8の整流回路構成要素80の入力と第1の出力端子18との間の接続に切り替えるように適合される第9の切替回路構成要素88を備える。
【0105】
図17(iii)に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、好ましくは、第8の切替回路構成要素86と第9の切替回路構成要素88を一緒に備える。
【0106】
実効的に、異なる切替の型は、以下の整流の型をもたらす。
【0107】
【表2】
【0108】
図18は、出力端子に送出される電力を制御する機能性を有する、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26に対応する概略回路図を示す。
【0109】
図18に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、好ましくは、第5の整流回路構成要素74に並列に接続され、第5の整流回路構成要素74を選択的にブリッジするように適合される第10の切替回路構成要素90を備える。
【0110】
図18に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、好ましくは、第7の整流回路構成要素78に並列に接続され、第7の整流回路構成要素78を選択的にブリッジするように適合される第11の切替回路構成要素92を備える。
【0111】
実効的に、第10の切替回路構成要素90および第11の切替回路構成要素92は、AC入力信号の第1の部分的な期間の間および/または第2の部分的な期間の間、第5の整流回路構成要素74および第7の整流回路構成要素78を同時にブリッジするように制御可能である。このことによって、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26の入力側に電流ループを確立し、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26の出力側における電力送出を制御することが可能になる。
【0112】
図19は、第2のコモン出力端子28および第1の出力端子18に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2のコモン出力端子28および第2の出力端子20に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26に対応する概略回路図を示す。
【0113】
図19に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、好ましくは、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26のエネルギー交換モード期間の動作のために、第2の受動回路構成要素94と第12の切替回路構成要素96の直列接続を備える。
【0114】
図19に示されるように、第12の切替回路構成要素96は、エネルギー交換モード期間に、第3の中間のノード82と第2の出力端子20との間に第2の受動回路構成要素94を接続するように適合される。
【0115】
実効的に、第5の整流回路構成要素74、第6の整流回路構成要素76、第7の整流回路構成要素78、および第8の整流回路構成要素80は、能動切替回路構成要素として実現され、エネルギー交換モード期間に、4象限変換器、バック変換器、またはブースト変換器としてエネルギー交換動作するために制御可能である。
【0116】
図19に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、エネルギー交換モード期間に、第1の入力端子12と本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26を選択的に切り離すように適合される第13の切替回路構成要素98を好ましくは備える。
【0117】
図19に示されるように、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26は、エネルギー交換モード期間に、第2の入力端子14と本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26を選択的に切り離すように適合される第14の切替回路構成要素100を好ましくは備える。
【0118】
図20は、第2のコモン出力端子28および第1の出力端子18に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2のコモン出力端子28および第2の出力端子20に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明にしたがう多出力整流器26に対応する変更した概略回路図を示す。
【0119】
図20に示されるように、修正形態によれば、第12の切替回路構成要素は、エネルギー交換モード期間に、第3の中間のノード82と第4の中間のノード84との間に受動回路構成要素94を接続するように適合される。
【0120】
図21は、第2のコモン出力端子28および第1の出力端子18に接続される第1のエネルギー貯蔵器から第2のコモン出力端子および第2の出力端子20に接続される第2のエネルギー貯蔵器にエネルギーを交換し、その逆も同様である機能性を有する、本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26を示すさらなる変更した概略回路図を示す。
【0121】
図21に示されるように、さらなる修正形態によれば、第12の切替回路構成要素96は、エネルギー交換モード期間に、第4の中間のノード84と第1の出力端子18との間に第2の受動回路構成要素94を接続するように適合される。
【0122】
図21aは、多出力整流器10の出力側における追加の切替機能性を実現する本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10の特定の例を示す。
【0123】
図21aに示されるように、多出力整流器10の第2の出力端子20において、1:Nスイッチ102を設けることができ、ここで、N≧2である。
【0124】
図21bは、多出力整流器10の出力側における追加の切替機能性を実現する本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10のさらなる特定の例を示す。
【0125】
図21bに示されるように、多出力整流器10の第1の出力端子18において、1:Mスイッチ104を設けることができ、ここで、M≧2である。
【0126】
図21bに示される1:Mスイッチ104が、図21aに示される1:Nスイッチ102と組み合わせて使用することもできることに留意されたい。
【0127】
図21cは、多出力整流器26の出力側における追加の切替機能性を実現する本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26の特定の例を示す。
【0128】
図21cに示されるように、多出力整流器26の第2の出力端子20において、1:Nスイッチ106を設けることができ、ここで、N≧2である。
【0129】
図21dは、多出力整流器26の出力側における追加の切替機能性を実現する本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26のさらなる特定の例を示す。
【0130】
図21dに示されるように、多出力整流器26の第1の出力端子18において、1:Mスイッチ108を設けることができ、ここで、M≧2である。
【0131】
図21dに示される1:Mスイッチ108が、図21cに示される1:Nスイッチ106と組み合わせて使用することもできることに留意されたい。
【0132】
図21a図21dに示されるような多出力整流器10、26の回路構成のいずれかで、多出力整流器10、26の出力側における異なる負荷シナリオに対処するフレキシビリティを高めることが可能であることに留意されたい。
【0133】
たとえば、1:Nスイッチ102、106および/または1:Mスイッチ104、108を使用することによって、第1の出力端子18および/または第2の出力端子20のいずれかに対し、多出力整流器10、26の出力側で異なる負荷を多重化することが可能である。
【0134】
さらに、多出力整流器10、26に対する異なる負荷の接続時間を適切に制御することによって、異なる負荷に供給されるエネルギーの量を制御することが可能である。
【0135】
またさらに、複数の切替方式を適用することによって、たとえば、第1の状況で全ての切替位置を使用し、第2の状況で切替位置のうちの1つまたは複数をスキップすることによって、異なる負荷トポロジーを並列でサポートすることが可能である。
【0136】
図22は、図5および図6に示されたような信号フローを実現する本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10の特定の例を示す。
【0137】
図22に示されるように、ここでは、整流回路構成要素は、非常に費用効率的な解決策をもたらすダイオードである。電流がD1およびD4を経由して順方向に流れるとき、ダイオードD2およびD3は非導通である。こうして、整流ダイオードは、AC入力信号の異なる部分的な期間の間、第1の負荷またはエネルギー貯蔵器を第2の負荷またはエネルギー貯蔵器から切り離す。
【0138】
より詳細には、AC入力信号の正の半波の期間、第1の負荷またはエネルギー貯蔵器がエネルギーを供給され、第2の負荷またはエネルギー貯蔵器は、D3により分離される。
【0139】
直列-直列補償型ワイヤレス電力伝送システムでは、2次側電流IINは、システムの共振周波数で駆動される場合、電流源の特徴を有する。このことは、2次側電流の基本波が、整流器の2次電圧、および負荷における電圧U1、U2とは独立であることを意味する。これによって、第1の負荷における電圧と第2の負荷における電圧が異なるレベルを有することができる環境がもたらされる。
【0140】
図23は、AC入力信号の第2の部分的な期間に対応する動作状況において、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10の特定の例を示す。
【0141】
図23は、入力信号の負の半波に関する。図23に示されるように、負の半波の期間、第2の負荷またはエネルギー貯蔵器がエネルギーを供給され、第1の負荷またはエネルギー貯蔵器は、ダイオードD1により分離される。
【0142】
図24は、図8および図9に示されたような信号フローを実現する本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26の特定の例を示す。
【0143】
図24に示されるように、正の半波の期間に、エネルギーが第2の負荷またはエネルギー貯蔵器に、図示された経路に沿って供給される。
【0144】
図25は、AC入力信号の第2の部分的な期間に対応する動作状況において、図24に示される本発明の第2の例にしたがう多出力整流器26の特定の例を示す。
【0145】
図25に示されるように、負の半波の期間に、エネルギーが第1の負荷またはエネルギー貯蔵器に、図示された経路に沿って供給される。
【0146】
図26は、多出力整流モードとフルブリッジ整流モードとの間で切り替える機能性を有する、図11(i)に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す。
【0147】
図27は、多出力整流モードとフルブリッジ整流モードとの間で切り替える機能性を有する、図11(ii)に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す。
【0148】
図28は、多出力整流モードとフルブリッジ整流モードとの間で切り替える機能性を有する、図11(iii)に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す。
【0149】
図29は、AC入力信号の第1の部分的な期間に対応する動作状況において、出力端子に送出される電力を制御する機能性を有する、図12に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す。
【0150】
図29に示されるように、本発明にしたがって電力を制御するために、第2の負荷またはエネルギー貯蔵器に送出される電力を減らすため正の半波、回路短絡することが提案される。
【0151】
図29に示されるように、これは、ダイオードD1~D4の代わりに、またはダイオードD1~D4に並列に1つまたは複数の能動スイッチを使用することによって達成される。ここで、1または複数個の半波の期間、電流は、共振回路中でフリーホイールさせられる。各負荷または貯蔵デバイスに伝達された電力は、こうして個別に制御することができる。
【0152】
図30は、負の半期間の動作状況における、図29に示される本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10の特定の例を示す。
【0153】
図30に示されるように、AC入力信号の負の半波の期間も、第1の負荷またはエネルギー貯蔵器に送出される電力を減らすため、この信号を回路短絡することができる。
【0154】
図31は、エネルギーを交換する機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器10の特定の例を示す。
【0155】
上で説明したように、能動スイッチは、4象限変換器、バック変換器、またはブースト変換器として動作するように制御される。入力側における追加スイッチが、ダイオードまたはMOSFETブリッジからの共振回路または受信器コイルの切り離しを可能にする。
【0156】
図32は、エネルギーを交換する機能性を有する、本発明の第1の例にしたがう多出力整流器の特定の例を示す。
【0157】
図32に示される例は、受動回路構成要素の接続が、図31中の例と異なる。
【0158】
本発明は著しい改善を可能にする。本発明は、2つの負荷またはエネルギー貯蔵器を有する直列-直列補償型ワイヤレス電力伝送システムで有用であるが、この領域に限定されない。本発明は、2次整流器構成を有する任意の他のスイッチモード電力供給に使用することができる。
【0159】
さらに、本発明によれば、2つの独立した負荷またはエネルギー貯蔵器の充電電流を異なる電圧レベルで別個に制御することが可能である。追加のDC/DC変換器は必要ない。このことによって、半導体、受動構成要素、コスト、空間を節約し、さらにDC/DC変換器内部で損失が生じないために、より高い効率がもたらされる。このことによって、より小さい放熱器要件ももたらされる。
【0160】
さらに、ワイヤレス電力伝達期間に、両方の負荷またはエネルギー貯蔵器にエネルギーを供給することができ、ワイヤレス電力供給なしで、エネルギーを2つのエネルギー貯蔵器間で交換することができる。
【符号の説明】
【0161】
10 多出力整流器
12 第1の入力端子
14 第2の入力端子
16 コモン出力端子
18 第1の出力端子
19 切替回路構成要素、第1の切替回路構成要素、第8の切替回路構成要素
20 第2の出力端子
22 第1の負荷
24 第2の負荷
26 多出力整流器
28 コモン出力端子
30 第1の電流経路
30' 第1の電流経路
32 第2の電流経路
34 第3の電流経路
34' 第3の電流経路
36 第4の電流経路
38 第5の電流経路
40 第6の電流経路
40' 第6の電流経路
42 第7の電流経路
44 第8の電流経路
44' 第8の電流経路
46 第1の整流回路構成要素
48 第2の整流回路構成要素
50 第3の整流回路構成要素
52 第4の整流回路構成要素
54 第1の中間のネットワークノード、第1の中間のノード
56 第2の中間のネットワークノード、第2の中間のノード
58 第1の切替回路構成要素
60 第2の切替回路構成要素
62 第3の切替回路構成要素
64 第4の切替回路構成要素
66 第1の受動回路構成要素
67 第4の切替回路構成要素
68 第5の切替回路構成要素
70 第6の切替回路構成要素
72 第7の切替回路構成要素
74 第5の整流回路構成要素
76 第6の整流回路構成要素
78 第7の整流回路構成要素
80 第8の整流回路構成要素
82 第3の中間のネットワークノード、第3の中間のノード
84 第4の中間のネットワークノード、第4の中間のノード
86 第8の切替回路構成要素
88 第9の切替回路構成要素
90 第10の切替回路構成要素
92 第11の切替回路構成要素
94 第2の受動回路構成要素
96 切替回路構成要素、第12の切替回路構成要素
98 第13の切替回路構成要素
100 第14の切替回路構成要素
102 1:Nスイッチ
104 1:Mスイッチ
106 1:Nスイッチ
108 1:Mスイッチ
図1
図2
図2a
図2b
図3
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10(a)】
図10(b)】
図10(c)】
図11
図12
図13
図14
図15
図16(a)】
図16(b)】
図16(c)】
図17
図18
図19
図20
図21
図21a
図21b
図21c
図21d
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32