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特許7021096内部導電性素子を備えるイーベイピング装置のカートリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】内部導電性素子を備えるイーベイピング装置のカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/44 20200101AFI20220208BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20220208BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20220208BHJP
【FI】
A24F40/44
A24F40/51
A24F47/00
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2018546708
(86)(22)【出願日】2017-03-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2017055685
(87)【国際公開番号】W WO2017153579
(87)【国際公開日】2017-09-14
【審査請求日】2020-03-02
(31)【優先権主張番号】15/067,537
(32)【優先日】2016-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】スミス バリー エス
(72)【発明者】
【氏名】カデュー エド
(72)【発明者】
【氏名】コブラー パトリック
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/015431(WO,A1)
【文献】特開平09-243425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A24F 40/44
A24F 40/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イーベイピング装置のためのカートリッジであって、
プレベイパー製剤を保持するように構成された貯蔵部と、
前記貯蔵部から前記プレベイパー製剤を引き出すよう構成される分配インターフェースと、
前記分配インターフェースに結合される発熱体であって、前記分配インターフェースに引き出されたプレベイパー製剤を加熱するよう構成され、前記分配インターフェースの外部表面に沿って延在する、発熱体と、
前記分配インターフェースの内部を貫通する導電性素子と、を備え、
前記発熱体が、第1の電気抵抗率温度係数を有し、
前記導電性素子が、第2の電気抵抗率温度係数を有し、
前記第2の電気抵抗率温度係数が、前記第1の電気抵抗率温度係数より大きい、カートリッジ。
【請求項2】
前記導電性素子が、前記分配インターフェースの中心長手方向軸に沿って少なくとも部分的に延在する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記分配インターフェースが、繊維質ウィッキング材料を含み、
前記導電性素子が、前記繊維質ウィッキング材料の内部を通して織り込まれる、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記発熱体が、前記分配インターフェースの外部表面の周りに少なくとも部分的に延在するヒーターコイルワイヤを含む、請求項1、2または3のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記導電性素子が、約21℃~約327℃の温度の間で、少なくとも約1.5×10-4μΩ・m/℃の電気抵抗率温度係数を有する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記導電性素子が、約21℃~約327℃の温度の間で、少なくとも約1.5mΩ/℃の電気抵抗温度係数を有する、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記分配インターフェースに引き出されるプレベイパー製剤の量が閾値量以上の場合、前記分配インターフェースが、前記発熱体と前記導電性素子との間でブリッジ電気回路を確立するよう構成される、請求項1~6のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記導電性素子および前記発熱体とは別々に前記分配インターフェースに結合されるセンサワイヤであって、前記ブリッジ電気回路を介して伝播する電気信号を搬送するよう構成される、センサワイヤをさらに備える、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
カートリッジであって、
プレベイパー製剤を保持するよう構成される貯蔵部と、
前記貯蔵部から前記プレベイパー製剤を引き出すよう構成される分配インターフェースと、
前記分配インターフェースに結合される発熱体であって、前記分配インターフェースに引き出されたプレベイパー製剤を加熱するよう構成され、前記分配インターフェースの外部表面に沿って延在する、発熱体と、
前記分配インターフェースの内部を貫通する導電性素子と、を含み、
前記発熱体が、第1の電気抵抗率温度係数を有し、
前記導電性素子が、第2の電気抵抗率温度係数を有し、
前記第2の電気抵抗率温度係数が、前記第1の電気抵抗率温度係数より大きい、カートリッジと、
前記発熱体に電力を選択的に供給するよう構成される電源と、を備える、イーベイピング装置。
【請求項10】
前記導電性素子の電気抵抗を決定し、
前記導電性素子の前記電気抵抗に基づいて前記分配インターフェースの温度を決定し、 前記分配インターフェースの前記温度に基づいて前記発熱体に供給される前記電力を制御するよう構成される制御回路をさらに備える、請求項9に記載のイーベイピング装置。
【請求項11】
前記制御回路が、前記発熱体に供給される前記電力を制御して、前記分配インターフェースの前記温度を閾値温度より低く維持するよう構成される、請求項10に記載のイーベイピング装置。
【請求項12】
前記制御回路が、少なくとも1mΩの大きさの、前記導電性素子の前記電気抵抗の変化を検出するよう構成される、請求項10または11に記載のイーベイピング装置。
【請求項13】
前記分配インターフェースに引き出されるプレベイパー製剤の量が閾値量以上の場合、前記分配インターフェースが、前記発熱体と前記導電性素子との間にブリッジ電気回路を確立するよう構成される、請求項9~12のいずれかに記載のイーベイピング装置。
【請求項14】
前記ブリッジ電気回路が前記発熱体と前記導電性素子との間に確立されているかどうかに基づいて、カートリッジ内のプレベイパー製剤の量が閾値量以上かどうか判定するよう構成される制御回路をさらに備える、請求項13に記載のイーベイピング装置。
【請求項15】
前記ブリッジ電気回路を介して前記発熱体と前記導電性素子との間に送信されるブリッジ電気信号を受信し、
前記ブリッジ電気信号に基づいて前記ブリッジ電気回路の電気抵抗を決定し、
前記ブリッジ電気回路の決定された電気抵抗に基づいて、前記カートリッジ内のプレベイパー製剤の量を決定するよう構成される制御回路をさらに備える、請求項13または14に記載のイーベイピング装置。
【請求項16】
前記制御回路が、
前記導電性素子と前記発熱体のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を介して初期電気信号を送信し、
前記初期電気信号と前記ブリッジ電気信号の両方に基づいて、前記カートリッジ内の前記プレベイパー製剤の量を決定するよう構成される、請求項15に記載のイーベイピング装置。
【請求項17】
前記導電性素子および前記発熱体とは別々に前記分配インターフェースに結合されるセンサワイヤであって、前記ブリッジ電気信号を搬送するよう構成される、センサワイヤをさらに備え、
前記制御回路が、前記センサワイヤを介して前記ブリッジ電気信号を受信するよう構成される、請求項15または16に記載のイーベイピング装置。
【請求項18】
前記電源は充電式電池を含む、請求項9~17のいずれかに記載のイーベイピング装置。
【請求項19】
前記カートリッジおよび前記電源が互いに着脱可能に連結されるよう構成される、請求項9~18のいずれかに記載のイーベイピング装置。
【請求項20】
分配インターフェースを貯蔵部に結合して、前記貯蔵部からプレベイパー製剤を引き出すよう前記分配インターフェースを構成することと、
発熱体を前記分配インターフェースに結合することであって、
前記発熱体が、前記分配インターフェースの外部表面に沿って延在するように、かつ 前記発熱体が、前記分配インターフェースに引き出されるプレベイパー製剤を加熱するよう動作可能なように、結合することと、
導電性素子が前記分配インターフェースの部を介して前記発熱体から熱を受けるよう構成されるように、前記導電性素子を前記分配インターフェースの前記内部にあるよう構成することと、を含み、前記発熱体が、第1の電気抵抗率温度係数を有し、前記導電性素子が、第2の電気抵抗率温度係数を有し、前記第2の電気抵抗率温度係数が、前記第1の電気抵抗率温度係数より大きい、方法。
【請求項21】
制御回路を少なくとも前記導電性素子に電気的に結合することであって、前記制御回路が、
前記導電性素子の電気抵抗を決定し、
前記導電性素子の前記電気抵抗に基づいて前記分配インターフェースの温度を決定し、かつ
前記分配インターフェースの前記温度に基づいて前記発熱体に供給される電力を制御するよう構成される、結合することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
制御回路を少なくとも前記導電性素子に電気的に結合することであって、前記制御回路が、前記分配インターフェースが、前記発熱体と前記導電性素子との間にブリッジ電気回路を確立しているかどうかに基づいて、前記貯蔵部内のプレベイパー製剤の量が閾値量以上かどうかを判定するよう構成される、結合することをさらに含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
制御回路を少なくとも前記導電性素子に電気的に結合することであって、前記制御回路が、前記発熱体と前記導電性素子との間のブリッジ電気回路の電気抵抗が閾値より小さいかどうかに基づいて、前記貯蔵部内のプレベイパー製剤の量が閾値量以上かどうかを判定するよう構成される、結合することをさらに含む、請求項20~22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記導電性素子が前記分配インターフェースの前記内部を介して前記発熱体から熱だけを受けるよう構成されるように、前記導電性素子を前記分配インターフェースの前記内部にあるよう構成することをさらに含む、請求項20~23のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1つ以上の例示的な実施形態は、電子ベイピング装置すなわちイーベイピング装置およびイーベイピング装置用カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ベイピング装置(EVD)とも本明細書で呼ばれるイーベイピング装置は、携帯型ベイピング用に成人電子ベイピング使用者によって使用されうる。イーベイピング装置は、プレベイパー製剤を気化して蒸気を形成することができる。イーベイピング装置は、プレベイパー製剤を保持する貯蔵部およびプレベイパー製剤の少なくとも一部に熱を加えてプレベイパー製剤を気化する発熱体を含んでもよい。
【0003】
場合によっては、発熱体は過剰な熱を発生する場合があり、それがカートリッジの1つ以上の部分の温度の上昇をもたらしうる。発熱体は、蒸気生成用に過剰電力を受け取ることにより過剰な熱を発生する場合がある。場合によっては、過剰な熱は、カートリッジ内のプレベイパー製剤の量の減少による場合がある。過剰な熱、内部温度などは、カートリッジ内の過熱状態をもたらす可能性がある。カートリッジの過熱は、プレベイパー製剤の1つ以上の分解、蒸気に含まれると感覚的経験を減らしうる1つ以上の反応生成物の形成などをもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
一部の例示的な実施形態によれば、イーベイピング装置用のカートリッジは、プレベイパー製剤を保持するよう構成される貯蔵部、貯蔵部からプレベイパー製剤を引き出すよう構成される分配インターフェース、分配インターフェースに結合される発熱体、および分配インターフェースの内部を貫通する導電性素子を含んでもよい。発熱体は、分配インターフェースに引き出されたプレベイパー製剤を加熱するよう構成されてもよい。発熱体は、分配インターフェースの外部表面に沿って延在してもよい。
【0005】
例示的な実施形態によっては、導電性素子は、分配インターフェースの中心長手方向軸に沿って少なくとも部分的に延在してもよい。
【0006】
例示的な実施形態によっては、分配インターフェースは、繊維質ウィッキング材料を含んでもよく、導電性素子は、繊維質ウィッキング材料の内部を通して織り込まれてもよい。
【0007】
例示的な実施形態によっては、発熱体は、分配インターフェースの外部表面の周りを少なくとも部分的に延在するヒーターコイルワイヤを含んでもよい。
【0008】
例示的な実施形態によっては、発熱体は、第1の電気抵抗率温度係数を有してもよく、導電性素子は、第2の電気抵抗率温度係数を有してもよく、第2の電気抵抗率温度係数は、第1の電気抵抗率温度係数より大きくてもよい。
【0009】
例示的な実施形態によっては、導電性素子は、電気抵抗率温度係数が、約21℃~約327℃の温度の間で少なくとも約1.5×10-4μΩ・m/℃であってもよい。
【0010】
例示的な実施形態によっては、導電性素子は、電気抵抗温度係数が、約21℃~約327℃の温度の間で少なくとも約1.5mΩ/℃であってもよい。
例示的な実施形態によっては、分配インターフェースに引き出されるプレベイパー製剤の量が閾値量以上の場合、分配インターフェースは、発熱体と導電性素子との間にブリッジ電気回路を確立するよう構成されてもよい。
【0011】
例示的な実施形態によっては、カートリッジはさらに、ブリッジ電気回路を通って伝播する電気信号を搬送するよう構成される、導電性素子および発熱体とは別々に分配インターフェースに結合されるセンサワイヤを含んでもよい。
【0012】
一部の例示的な実施形態によれば、イーベイピング装置はカートリッジおよび電源を含んでもよい。カートリッジは、プレベイパー製剤を保持するよう構成される貯蔵部、貯蔵部からプレベイパー製剤を引き出すよう構成される分配インターフェース、分配インターフェースに結合される発熱体、および分配インターフェースの内部を貫通する導電性素子を含んでもよい。発熱体は、分配インターフェースに引き出されたプレベイパー製剤を加熱するよう構成されてもよい。発熱体は、分配インターフェースの外部表面に沿って延在してもよい。電源は、発熱体に電力を選択的に供給するように構成されてもよい。
【0013】
例示的な実施形態によっては、発熱体は、第1の電気抵抗率温度係数を有してもよく、導電性素子は、第2の電気抵抗率温度係数を有してもよく、第2の電気抵抗率温度係数は、第1の電気抵抗率温度係数より大きくてもよい。
【0014】
例示的な実施形態によっては、イーベイピング装置はさらに、制御回路を含んでもよい。制御回路は、導電性素子の電気抵抗を決定し、導電性素子の電気抵抗に基づいて分配インターフェースの温度を決定し、かつ分配インターフェースの温度に基づいて発熱体に供給される電力を制御するよう構成されてもよい。
【0015】
例示的な実施形態によっては、制御回路は、発熱体に供給される電力を制御して、分配インターフェースの温度を閾値温度より低く維持するよう構成されてもよい。
【0016】
例示的な実施形態によっては、制御回路は、少なくとも1mΩの大きさの、導電性素子の電気抵抗の変化を検出するよう構成されてもよい。
【0017】
例示的な実施形態によっては、分配インターフェースに引き出されるプレベイパー製剤の量が閾値量以上の場合、分配インターフェースは、発熱体と導電性素子との間にブリッジ電気回路を確立するよう構成されてもよい。
【0018】
例示的な実施形態によっては、イーベイピング装置はさらに、ブリッジ電気回路が発熱体と導電性素子との間に確立されているかどうかに基づいて、カートリッジ内のプレベイパー製剤の量が閾値量以上かどうかを判定するよう構成される制御回路を含んでもよい。
【0019】
例示的な実施形態によっては、イーベイピング装置はさらに、ブリッジ電気回路を介して発熱体と導電性素子との間で送信されるブリッジ電気信号を受信し、ブリッジ電気信号に基づいてブリッジ電気回路の電気抵抗を決定し、かつブリッジ電気回路の決定された電気抵抗に基づいてカートリッジ内のプレベイパー製剤の量を決定するよう構成される制御回路を含んでもよい。
【0020】
例示的な実施形態によっては、制御回路は、導電性素子と発熱体のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を介して初期電気信号を送信し、初期電気信号およびブリッジ電気信号の両方に基づいて、カートリッジ内のプレベイパー製剤の量を決定するよう構成されてもよい。
【0021】
例示的な実施形態によっては、イーベイピング装置はさらに、ブリッジ電気信号を搬送するよう構成される、導電性素子および発熱体とは別々に分配インターフェースに結合されるセンサワイヤを含んでもよい。制御回路は、センサワイヤを介してブリッジ電気信号を受信するよう構成されてもよい。
【0022】
例示的な実施形態によっては、電源は、充電式電池を含んでもよい。
【0023】
例示的な実施形態によっては、カートリッジおよび電源は、互いに着脱可能に連結するよう構成されてもよい。
【0024】
一部の例示的な実施形態によれば、1つの方法は、貯蔵部からプレベイパー製剤を引き出すよう分配インターフェースを構成するため分配インターフェースを貯蔵部に結合すること、分配インターフェースに引き出されたプレベイパー製剤を加熱するよう動作可能な発熱体が分配インターフェースの外部表面に沿って延在するように分配インターフェースに結合すること、かつ導電性素子が分配インターフェースの内部を通して発熱体から熱を受けるよう構成されるように導電性素子を分配インターフェースの内部にあるよう構成することを含んでもよい。
【0025】
例示的な実施形態によっては、発熱体は、第1の電気抵抗率温度係数を有してもよく、導電性素子は、第2の電気抵抗率温度係数を有してもよく、第2の電気抵抗率温度係数は、第1の電気抵抗率温度係数より大きくてもよい。
【0026】
例示的な実施形態によっては、その方法はさらに、少なくとも導電性素子に電気的に結合する制御回路を含んでもよい。制御回路は、導電性素子の電気抵抗を決定し、導電性素子の電気抵抗に基づいて分配インターフェースの温度を決定し、かつ分配インターフェースの温度に基づいて発熱体に供給される電力を制御するよう構成されてもよい。
【0027】
例示的な実施形態によっては、その方法はさらに、分配インターフェースが発熱体と導電性素子との間にブリッジ電気回路を確立しているかどうかに基づいて、貯蔵部内のプレベイパー製剤の量が閾値量以上かどうかを判定するよう構成される制御回路を、少なくとも導電性素子に電気的に結合することを含んでもよい。
【0028】
例示的な実施形態によっては、その方法はさらに、発熱体と導電性素子との間のブリッジ電気回路の電気抵抗が閾値より低いかどうかに基づいて、貯蔵部内のプレベイパー製剤の量が閾値量以上かどうかを判定するよう構成される制御回路を、少なくとも導電性素子に電気的に結合することを含んでもよい。
【0029】
例示的な実施形態によっては、その方法はさらに、導電性素子が、分配インターフェースの内部を通る発熱体からの熱だけを受け取るよう構成されるように導電性素子が分配インターフェースの内部にあるよう構成することを含んでもよい。
【0030】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討するとより明らかになる。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、請求項の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明示的に注記されていない限り、実寸に比例して描かれていると考えられるべきでない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A図1Aは、一部の例示的な実施形態によるイーベイピング装置の側面図である。
図1B図1Bは、図1Aのイーベイピング装置のIB-IB’線に沿う断面図である。
図2A図2Aは、一部の例示的な実施形態による、IIA-IIA’線に沿う分配インターフェースの断面図である。
図2B図2Bは、一部の例示的な実施形態による、IIB-IIB’線に沿う分配インターフェースの断面図である。
図3図3は、一部の例示的な実施形態による、分配インターフェースを通る信号の伝播を示すイーベイピング装置の概略図である。
図4図4は、一部の例示的な実施形態による、分配インターフェースを通る信号の伝播を示すイーベイピング装置の概略図である。
図5図5は、一部の例示的な実施形態による、分配インターフェースの導電性素子の抵抗に基づいてカートリッジの発熱体に供給される電力を制御する方法を示す流れ図である。
図6図6は、一部の例示的な実施形態による、分配インターフェースを通る信号に基づいてカートリッジのプレベイパー製剤の量を決定する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型である。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の例示的な実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0033】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示的な実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明する。ところが、当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるあらゆる修正、均等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体で同様の要素を意味する。
【0034】
要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に結合される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接ある、それに直接的に接続される、それに直接的に結合される、またはそれを直接的に覆う、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよいことが理解されるべきである。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に結合される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、明細書の全体で同様の要素を指す。
【0035】
第一の、第二の、第三のなどという用語は、様々な要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されないことを理解するべきである。これらの用語は、1つの要素、領域、層、またはセクションを別の要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。それ故、下記で考察される第一の要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0036】
空間相対的用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間相対的用語は、図に図示されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていることを理解するべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、用語「下方に」は上方および下方の両方の方向を包含する場合がある。装置は、その他の方法で(90度回転して、または他の方向で)方向付けられる場合があり、本明細書で使用される空間相対的な記述語は適宜に解釈される。
【0037】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は本明細書で使用される場合、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合はその限りではない。本明細書で使用される時、「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は述べられた特徴、整数、工程、動作、または要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0038】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態の概略図(および中間構造)である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または許容差の結果として得られた図の形状からの変化が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造に起因する形状の逸脱を含む。
【0039】
その他の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0040】
図1Aは、一部の例示的な実施形態によるイーベイピング装置60の側面図である。図1Bは、図1Aのイーベイピング装置のIB-IB’線に沿う断面図である。イーベイピング装置60は、2013年1月31日に出願されたTuckerらによる米国特許出願公開第2013/0192623号、および2013年1月14日に出願されたTuckerらによる米国特許出願公開第2013/0192619号に記載された特徴の1つ以上を含んでもよく、その内容全体は参照により本明細書に組み入れられる。本明細書で使用される「イーベイピング装置」という用語は、形態、大きさ、または形状にかかわらず、全ての種類の電子ベイピング装置を含む。
【0041】
図1Aおよび図1Bを参照すると、イーベイピング装置60は、交換可能なカートリッジ(すなわち第1セクション)70および再利用可能な電源セクション(すなわち第2セクション)72を含む。セクション70、72は、それぞれカートリッジ70および電源セクション72の相補的なインターフェース74、84で共に着脱可能に連結される。
【0042】
例示的な実施形態によっては、インターフェース74、84は、ねじ付きコネクターであってもよい。しかし、各インターフェース74、84は、滑り嵌め、戻り止め、締め金、バヨネット、および留め金のうちの少なくとも1つを含む、任意の型のコネクターであってもよいことを理解されたい。インターフェース74、84が連結される場合、インターフェース74、84の1つ以上は、カートリッジ70の1つ以上の要素を電源セクション72の1つ以上の電源12に電気的に結合する陰極コネクター、陽極コネクター、そのいくつかの組み合わせなどを含んでもよい。
【0043】
図1Aおよび図1Bに示すように、例示的な実施形態によっては、出口端インサート21がカートリッジ70の出口端に位置づけられる。出口端インサート21は、イーベイピング装置60の長手方向軸から軸ずれして配置されてもよい少なくとも1つの吹出口23を含む。少なくとも1つの吹出口23は、イーベイピング装置60の長手方向軸に対して、外側に角度付けられてもよい。ベイピング中、出口端インサート21を通して引き出される蒸気を均等に、または略均等に分散させるため、複数の吹出口23は、出口端インサート21の周囲に均等に、または略均等に配置されてもよい。したがって、蒸気は、出口端インサート21を通って引き出されると、様々な方向に移動してもよい。
【0044】
カートリッジ70は、長手方向に延在する外側ハウジング16と、外側ハウジング16の中に同軸に位置付けられた内側管(すなわち煙突)62と、を含む。電源セクション72は、長手方向に延在する外側ハウジング17を含む。例示的な実施形態によっては、外側ハウジング16は、カートリッジ70と電源セクション72の両方を収容する単一のチューブであってもよい。図1Aおよび図1Bに示す例示的な実施形態では、イーベイピング装置60全体が使い捨て式であってもよい。
【0045】
外側ハウジング16、17は、それぞれほぼ円柱状の断面を有してもよい。例示的な実施形態によっては、外側ハウジング16、17は、それぞれ、カートリッジ70と電源セクション72の1つ以上に沿ってほぼ三角形の断面を有してもよい。例示的な実施形態によっては、外側ハウジング17は、イーベイピング装置60の先端の円周または寸法が、イーベイピング装置60の出口端の外側ハウジング16の円周または寸法より大きくてもよい。
【0046】
内側管62の一端では、ガスケット(すなわちシール)18のノーズ部が内側管62の端部内に嵌合されている。ガスケット18の外周は、外側ハウジング16の内部表面との実質的な液密シールを提供する。ガスケット18は、流路19を含む。流路19は、中央流路61を画定する内側管62の内部に通じている。ガスケット18の後部の空間63は、流路19と1つ以上の空気吸込み口44との間の連通を確実にする。空気は、ベイピング中に1つ以上の空気吸込み口44を通ってカートリッジ70の空間63に引き入れられてもよく、流路19は、こうした空気を中央流路61に引き込むことを可能にしてもよい。
【0047】
例示的な実施形態によっては、もう一つのガスケット14のノーズ部が内側管62のもう一つの端部内に嵌合されている。ガスケット14の外周は、外側ハウジング16の内部表面との実質的な液密シールを提供する。ガスケット14は、内側管62の中央流路61と外側ハウジング16の出口端の空間64との間に配置された流路15を含む。流路15は、蒸気を中央流路61から空間64へ移送して、出口端インサート21を介してカートリッジ70から退出させる。
【0048】
例示的な実施形態によっては、インターフェース74に隣接する外側ハウジング16内に少なくとも1つの空気吸込み口44が形成されて、成人電子ベイピング使用者の指が空気吸込み口の1つをふさぐ機会を減らす、最小化する、または減らしかつ最小化し、ベイピング中の吸引抵抗(RTD)を制御する。例示的な実施形態によっては、空気吸込み口44は、その直径が厳密に制御され、製造中にイーベイピング装置60を次から次へと複製するように、精密な工作設備を用いて、外側ハウジング16に加工されてもよい。
【0049】
さらに例示的な実施形態では、空気吸込み口44は、超硬ドリルビットまたは他の高精度工具もしくは高精度技術を用いて穿孔されてもよい。そしてさらに例示的な実施形態では、外側ハウジング16は、空気吸込み口44のサイズおよび形状が製造作業中、梱包中、ベイピング中、またはその組み合わせ中に変更できないように、金属または金属合金で形成されてもよい。したがって、空気吸込み口44は、より一定のRTDを提供することができる。さらなる例示的な実施形態では、空気吸込み口44は、イーベイピング装置60のRTDが、約60ミリメートル水柱から約150ミリメートル水柱の範囲にあるように、寸法設定および構成されてもよい。
【0050】
さらに図1Aおよび図1Bを参照すると、カートリッジ70は、貯蔵部22を含む。貯蔵部22は、1つ以上のプレベイパー製剤を保持するよう構成される。貯蔵部22は、内側管62と外側ハウジング16との間およびガスケット14とガスケット18との間の外側環状部の中に収容されてもよい。従って、貯蔵部22は、中央流路61を少なくとも部分的に囲む。貯蔵部22は、プレベイパー製剤を内部に保存するよう構成される貯蔵媒体を含んでもよい。貯蔵部22に含まれる貯蔵媒体は、カートリッジ70の一部の周りの巻かれたコットンガーゼまたは他の繊維質材料を含んでもよい。
【0051】
さらに図1Aおよび図1Bを参照すると、カートリッジ70は、貯蔵部22に結合された分配インターフェース30を含む。分配インターフェース30は、1つ以上のプレベイパー製剤を貯蔵部22から引き出すよう構成される。貯蔵部22から分配インターフェース30に引き出されたプレベイパー製剤は、分配インターフェース30の内部に引き込まれてもよい。したがって、当然のことながら、貯蔵部22から分配インターフェース30に引き出されたプレベイパー製剤は、分配インターフェース30に保持されたプレベイパー製剤を含んでもよい。
【0052】
さらに図1Aおよび図1Bを参照すると、カートリッジ70は、発熱体24を含む。発熱体24は、分配インターフェース30に結合されてもよい。例示的な実施形態によっては、発熱体24は、分配インターフェース30の外部表面に発熱体24が結合されるように分配インターフェース30に直接結合されてもよい。発熱体24は、分配インターフェース30の一部を少なくとも部分的に囲んでもよく、それにより、発熱体24が起動すると、分配インターフェース30の1つ以上のプレベイパー製剤は、発熱体24によって気化されて蒸気を形成してもよい。図1Bに示す例示的な実施形態を含む例示的な実施形態によっては、発熱体24は、分配インターフェース30を完全に囲繞する。
【0053】
図1Bに示す例示的な実施形態を含む例示的な実施形態によっては、図2Aおよび図2Bを参照してさらに示すように、発熱体24は、分配インターフェース30の外部表面の周りを延在するヒーターコイルワイヤを含む。発熱体24は、分配インターフェース30の中に保持されるプレベイパー製剤の少なくとも一部を含む、分配インターフェース30の1つ以上の部分を加熱して、分配インターフェース30の中に保持されるプレベイパー製剤の少なくとも一部を気化することができる。
【0054】
発熱体24は、熱伝導を介して分配インターフェース30の中の1つ以上のプレベイパー製剤を加熱することができる。別の方法では、発熱体24からの熱は、加熱された導電性素子によって1つ以上のプレベイパー製剤へと伝導されてもよく、または発熱体24は、ベイピング中にイーベイピング装置60を通して引き込まれ入ってくる周囲空気へと熱を伝達してもよい。加熱された周囲空気は、対流によってプレベイパー製剤を加熱することができる。
【0055】
分配インターフェース30は、プレベイパー製剤を貯蔵部22から引き出すよう構成される。貯蔵部22から分配インターフェース30に引き出されたプレベイパー製剤は、発熱体24によって生成された熱に基づいて分配インターフェース30から気化されてもよい。ベイピング中、プレベイパー製剤は、分配インターフェース30の毛管作用を通じて発熱体24に近接する貯蔵部22と貯蔵媒体のうちの少なくとも1つから移送されてもよい。
【0056】
さらに図1Aおよび図1Bを参照すると、カートリッジ70は、分配インターフェース30の内部を貫通する導電性素子31を含む。分配インターフェース30が、繊維質ウィッキング材料を含む場合、導電性素子31は、繊維質ウィッキング材料の内部を通して織り込まれてもよい。
【0057】
導電性素子31は、分配インターフェース30に保持されるプレベイパー製剤を含む分配インターフェース30の1つ以上の部分によって加熱されてもよい。分配インターフェース30およびその中に保持されるプレベイパー製剤が発熱体24によって加熱される場合、導電性素子31は、発熱体24によって生成される熱に基づいて加熱されてもよい。導電性素子31の温度は、分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の温度に基づいてもよい。例示的な実施形態によっては、導電性素子31の温度は、発熱体24の温度に基づいてもよい。
【0058】
例示的な実施形態によっては、発熱体24および導電性素子31は、別々の、それぞれの電気抵抗率温度係数を有する。発熱体24の電気抵抗率は、発熱体24の温度および発熱体24の電気抵抗率温度係数に基づいて変化してもよい。発熱体24の電気抵抗率温度係数は、第1の電気抵抗率温度係数と呼ばれてもよい。導電性素子31の電気抵抗率は、導電性素子31の温度および導電性素子31の電気抵抗率温度係数に基づいて変化してもよい。導電性素子31の電気抵抗率温度係数は、第2の電気抵抗率温度係数と呼ばれてもよい。
【0059】
例示的な実施形態によっては、導電性素子31の電気抵抗温度係数は、発熱体24の電気抵抗温度係数より大きくてもよい。例示的な実施形態によっては、導電性素子31の電気抵抗率温度係数は、発熱体24の電気抵抗率温度係数より大きくてもよい。例えば、導電性素子31の電気抵抗率温度係数は、約21℃~約327℃の温度の間で少なくとも約1.5×10-4μΩ・m/℃であってもよい。
例示的な実施形態によっては、導電性素子31の電気抵抗温度係数は、発熱体24の電気抵抗温度係数とほぼ共通であってもよい。例示的な実施形態によっては、導電性素子31の電気抵抗率温度係数は、発熱体24の電気抵抗率温度係数とほぼ共通であってもよい。
【0060】
例示的な実施形態によっては、発熱体24および導電性素子31は、別々の、それぞれの電気抵抗温度係数を有する。発熱体24の電気抵抗は、発熱体24の温度および発熱体24の電気抵抗温度係数に基づいて変化してもよい。導電性素子31の電気抵抗は、導電性素子31の温度および導電性素子31の電気抵抗温度係数に基づいて変化してもよい。例えば、導電性素子31の電気抵抗温度係数は、約21℃~約327℃の温度の間で少なくとも約1.5mΩ/℃であってもよい。
【0061】
例示的な実施形態によっては、導電性素子31はワイヤ材料を含む。ワイヤ材料は、ニクロタル42 35AWG、ニクロタル42 36AWG、インコネル825 35AWG、インコネル825 36AWG、Haynes合金556 35AWG、Haynes合金556 37AWG、ニクロタルTE 34AWG、ニクロタルTE 36AWG、ニクロタル20 35AWG、ニクロタル20 37AWG、Chronifer40B 35AWG、Chronifer40B 36AWG、インコネル718 34AWG、インコネル718 36AWG、ニクロタル60 35AWG、およびニクロタル60 36AWGのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0062】
例示的な実施形態によっては、発熱体24の電気抵抗率温度係数に対する導電性素子31の電気抵抗率温度係数が高いほど、導電性素子31を温度の範囲にわたる温度変化に対する抵抗および抵抗率の感度に対しより適切に最適化することができ、発熱体24を温度の範囲にわたり電気抵抗に対しより適切に最適化できる。その結果、温度の範囲にわたる温度変化に対する発熱体24の電気抵抗の感度は、温度の範囲にわたる温度変化に対する導電性素子31の電気抵抗の感度に対して、減少する可能性がある。
【0063】
例示的な実施形態によっては、導電性素子31の電気抵抗率温度係数(本明細書で第2の電気抵抗率温度係数とも呼ばれる)が、発熱体24の電気抵抗率温度係数(本明細書で第1の電気抵抗率温度係数とも呼ばれる)より大きい場合、導電性素子31の電気抵抗を測定することによって、導電性素子31が分配インターフェース30に保持されるプレベイパー製剤を含む分配インターフェース30の1つ以上の部分の改良された温度決定ができるよう構成されてもよい。導電性素子31の温度変化による導電性素子31の電気抵抗の変化の大きさは、発熱体24の温度変化による発熱体24の電気抵抗の変化の大きさより大きくてもよい。したがって、導電性素子31の測定された電気抵抗に基づく分配インターフェース30の温度の決定は、発熱体24の測定された電気抵抗に基づく分配インターフェース30の温度の決定より、より正確であってもよい。
【0064】
改良された正確な温度決定により、イーベイピング装置60の1つ以上の部分における改良された温度制御が可能になり、分配インターフェース30と分配インターフェース30に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の過熱の可能性を軽減することができる。プレベイパー製剤の過熱は、プレベイパー製剤の分解をもたらしうる。こうした分解は、プレベイパー製剤を伴う化学反応に基づいて生じる可能性がある。非分解プレベイパー製剤の気化に基づいて発生した蒸気は、少なくとも部分的に分解したプレベイパー製剤の気化に基づいて発生した蒸気に対して改良された感覚的経験を提供することができる。したがって、導電性素子31の電気抵抗に基づいて分配インターフェース30の温度を決定するよう構成されるイーベイピング装置60は、プレベイパー製剤の過熱の可能性を軽減することに基づいた改良した感覚的経験を提供するよう構成することができる。
【0065】
さらに図1Aおよび図1Bを参照すると、カートリッジ70は、カートリッジ70内の要素と電源セクション72内の1つ以上の要素との間の電気接続を確立するよう構成されるコネクター素子91を含む。コネクター素子91は、ピンコネクター92-1~92-Nの1つ以上のセットを含んでもよく、「N」は正の整数である。カートリッジ70の様々な要素は、ピンコネクター92-1~92-Nに結合されてもよい。例示的な実施形態によっては、コネクター素子91は、インターフェース74、84が連結されると、少なくとも1つのピンコネクター92-1~92-Nを電源セクション72の電源12に電気的に結合するよう構成される電極体を含む。
【0066】
例示的な実施形態によっては、コネクター素子91は、インターフェース74、84が連結されると、少なくとも1つのピンコネクター92-1~92-Nを電源セクション72の他の要素を介して電源12に電気的に結合するよう構成される電極体を含む。図1Bに示す例示的な実施形態では、コネクター素子91は、インターフェース74、84が連結されると、制御回路11と結合するよう構成される。制御回路11は、1つ以上の電極体を含んでもよく、それにより、インターフェース74、84が連結されると、コネクター素子91および制御回路11は、1つ以上のコネクターピンコネクター92-1~92-Nを電源12に電気的に結合することができる。
【0067】
例えば、導線26-1は、コネクター素子91のピンコネクター92-2に、導線27-1は、コネクター素子91のピンコネクター92-1にそれぞれに結合される。電極体は、陰極コネクター素子と陽極コネクター素子のうちの1つ以上であってもよい。インターフェース74、84が連結されると、図1Bに示すように、コネクター素子91は制御回路11の少なくとも一部に結合されて、制御回路11を介してピンコネクター92-1および92-2を電源12に電気的に結合することができる。
【0068】
図1Bに示す例示的な実施形態では、発熱体24は、電気導線26-1を介してピンコネクター92-2に、電気導線26-2を介してピンコネクター92-Nに結合される。さらにこれもまた示すように、導電性素子31は、電気導線27-1を介してピンコネクター92-1に、電気導線27-2を介してピンコネクター92-Nに結合される。例示的な実施形態によっては、インターフェース74、84の1つ以上は、陰極コネクター素子と陽極コネクター素子のうちの1つ以上を含む。図1Bに図示された例示的な実施形態では、例えば、電気導線26-2および27-2がインターフェース74に結合されるように、ピンコネクター92-Nがインターフェース74に結合される。さらに図1Bに示すように、電源セクション72は、電極体96をインターフェース84に結合する導線94を含む。電極体96は、導線94を電源12に結合するよう構成される。インターフェース74、84が連結されると、結合されたインターフェース74、84は、導線26-2および27-2を導線94に電気的に結合することができる。
【0069】
インターフェース74、84が連結されると、カートリッジ70および電源セクション72を通る1つ以上の電気回路が確立されうる。確立された電気回路は、少なくとも発熱体24、導電性素子31、制御回路11、および電源12を含んでもよい。電気回路は、導線26-1および26-2、導線27-1および27-2、導線94、ならびにインターフェース74、84を含んでもよい。
【0070】
図1Bに示す例示的な実施形態では、コネクター素子91は、独立した電極体93、95を含む。コネクター素子91はさらに、独立したピンコネクター92-1および92-2それぞれ、ならびに電極体93、95にそれぞれに結合された、独立した電気経路99-1および92ー2を含む。コネクター素子91は、経路99-1と99-2が交差することを制限してもよい。したがって、経路99ー1と99ー2は、別々の、独立した電気回路であってもよい。インターフェース74、84が連結されると、コネクター素子91は、経路99-2を通じてピンコネクター92-2を制御回路11に結合することができ、電極体93を少なくとも部分的に貫通する経路99-1を通じてピンコネクター92-1を制御回路11に結合することができる。制御回路11は、電極体93、95のうちの別々の電極体に結合するよう構成される別々の電極体を含んでもよい。
【0071】
さらに以下に説明される、制御回路11は、電源12に結合されるよう構成され、それにより制御回路11は、電源12からカートリッジ70の1つ以上の構成要素への電力の供給を制御することができる。制御回路11は、確立された電気回路を制御することに基づいて構成要素への電力の供給を制御することができる。例えば、制御回路11は、電気回路を選択的に開閉する、回路を通る電流を調整可能に制御するなど、を行うことができる。
【0072】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、制御回路11を介する電源12から別々の電極体93、95への電力の供給を制御して、別々の電極体93、94に結合された別々の構成要素への電力の供給を制限するよう構成される。例えば、図1Bに示す例示的な実施形態では、制御回路11は、電極体93への電力供給を制御して、電極体93への電力供給を制御することができる。実施例によっては、制御回路11は、電極体95への電力供給を制御して、発熱体24への電力供給を制御することができる。
【0073】
例示的な実施形態によっては、電気導線27-2は、発熱体24の電気導線26-2としてコネクター素子91の共通のピンコネクターに結合される。例えば、図1Bに示すように、電気導線27-2および26-2は、共通のピンコネクター92-Nに結合される。ピンコネクター92-Nが接地ピンである場合、電気導線27-2および26-2は、ピンコネクター92-Nに結合されて、導電性素子31と発熱体24をそれぞれアースに電気的に結合してもよい。
【0074】
さらに図1Aおよび図1Bを参照すると、電源セクション72は、イーベイピング装置60、電源12、および制御回路11の自由端または先端に隣接する空気吸込み口44aを介して電源セクション72に引き込まれる空気に反応するセンサ13を含む。図1Bに示す例示的な実施形態を含む例示的な実施形態によっては、センサ13は、導線98を介して制御回路11に結合することができる。例示的な実施形態によっては、センサ13は、電極体96および電源12を介して制御回路11に結合することができる。電源12は充電式電池を含みうる。センサ13は、圧力センサ、微小電気機械システム(MEMS)センサなどのうちの1つ以上であってもよい。
【0075】
例示的な実施形態によっては、電源12は、陽極が陰極の下流となるようにイーベイピング装置60内に配置された電池を含む。コネクター素子91は電池の下流端部に接触する。発熱体24は、コネクター素子91の別々のピンコネクター92-2~92-Nに結合される2つの離間した電気導線26-1および26ー2によって電源12に接続される。例示的な実施形態によっては、ピンコネクター92-Nは、接地ピンであり、その結果、ピンコネクター92-Nに結合される電気導線26-2は、発熱体24をアースに電気的に結合する。例示的な実施形態によっては、ピンコネクター92-2は、コネクター素子91を介して電源12に電気的に結合され、それにより、ピンコネクター92-2に結合される電気導線26-1は、発熱体24を電源12に電気的に結合する。
【0076】
電源12は、リチウム-イオン電池またはその別形のうちの1つ、例えばリチウム-イオンポリマー電池でもよい。あるいは、電源12は、ニッケル・水素電池、ニッケル・カドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウム・コバルト電池、または燃料電池でもよい。イーベイピング装置60は、電源12のエネルギーが消耗するまで、またはリチウムポリマー電池の場合、最小電圧カットオフレベルに到達するまで、使用可能であってもよい。
【0077】
さらに、電源12は再充電可能であってもよく、外部充電装置による電池の充電を可能にするよう構成される回路を含んでもよい。イーベイピング装置60を再充電するため、ユニバーサルシリアルバス(USB)充電器または他の適切な充電器アセンブリが使用されてもよい。
【0078】
さらに図1Aおよび図1Bを参照すると、カートリッジ70と電源セクション72との間の接続を完了すると、電源12は、センサ13の起動後にカートリッジ70の発熱体24と電気的に接続されてもよい。空気が、1つ以上の空気吸込み口44を通って、最初にカートリッジ70に引き込まれる。1つ以上の空気吸込み口44は、外側ハウジング16に沿って位置してもよい、またはインターフェース74、84のうちの1つ以上に位置してもよい。
【0079】
カートリッジ70と電源セクション72との間の接続を完了すると、センサ13の起動後に、制御回路11は、少なくとも1つの電源12を少なくともピンコネクター92-2を介して、カートリッジ70の発熱体24と電気的に接続することができる。空気が、1つ以上の空気吸込み口44を通って、最初にカートリッジ70に引き込まれる。1つ以上の空気吸込み口44は、カートリッジ70および電源セクション72の外側ハウジング16、17に沿って位置してもよい、または結合されたインターフェース74、84に位置してもよい。カートリッジ70と電源セクション72との間の接続を完了すると、制御回路11は、少なくとも1つの電源12を少なくともピンコネクター92-1を介してカートリッジ70の導電性素子31と電気的に接続することができる。制御回路11は、図1Bに示す別々の独立した経路99-1および99-2を含む別々の独立した電気回路を介して少なくとも1つの電源12を発熱体24および導電性素子31に電気的に結合することができる。
【0080】
センサ13は、空気圧力の降下を感知し、電源12から発熱体24への電圧の印加を開始するように構成可能である。図1Bに図示した例示的な実施形態に示すように、電源セクション72の一部の例示的な実施形態は、発熱体24が起動する場合、光るよう構成されるヒーター作動灯48を含む。ヒーター作動灯48は、発光ダイオード(LED)を含んでもよい。さらに、ヒーター作動灯48は、ベイピング中に成人電子ベイピング装置使用者から見えるように配置することができる。加えて、ヒーター作動灯48は、イーベイピングシステムの診断または再充電が進行中であることを示すために利用することができる。ヒーター作動灯48を、成人イーベイパー装置使用者がプライバシーのためにヒーター作動灯48を作動する、作動停止する、または作動および作動停止するようにも構成することもできる。図1Aおよび図1Bに示すように、ヒーター作動灯48は、イーベイピング装置60の先端に位置してもよい。例示的な実施形態によっては、ヒーター作動灯48は、外側ハウジング17の側部に位置してもよい。
【0081】
加えて、少なくとも1つの空気吸込み口44aは、センサ13に隣接して配置され、そのためセンサ13は、成人ベイピング装置使用者がベイピングを開始したことを意味する気流を感知し、電源12およびヒーター作動灯48を起動して発熱体24が稼動していることを示すことができる。
【0082】
さらに、制御回路11は、センサ13に反応して発熱体24への電力供給を制御してもよい。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、発熱体24へ供給される電力を調整可能に制御するよう構成される。電力供給を調整可能に制御することは、供給される電力が、調整可能な決定された1組の特性を有するように電力供給を制御することを含んでもよい。電力供給を調整可能に制御するため、制御回路11は、制御回路11によって決定される1つ以上の特性を有する電力が、発熱体24に供給されるように、電力供給を制御することができる。こうした1つ以上の選択された特性は、電力のうちの電圧と電流のうちの1つ以上を含んでもよい。こうした1つ以上の選択された特性は、電力の大きさを含んでもよい。電力供給を調整可能に制御することは、1組の電力の特性を決定することおよび発熱体24に供給される電力が、決定された1組の特性を有するように電力供給を制御することを含んでもよいことが理解されよう。
【0083】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、最大の時限リミッターを含んでもよい。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、成人電子ベイピング使用者がベイピングを開始するための手動で操作可能なスイッチを含んでもよい。発熱体24への電流供給の時間は、気化したいと考えるプレベイパー製剤の量に応じて(例えば、発熱体24への電力供給を制御する前に)、所定であってもよい、または別の方法では予め設定されてもよい。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、センサ13が圧力降下を検出する限り、発熱体24への電力供給を制御することができる。
【0084】
発熱体24への電力供給を制御するため、制御回路11は、コンピュータ実行可能プログラムコードの1つ以上のインスタンスを実行してもよい。制御回路11は、プロセッサおよびメモリを含んでもよい。メモリは、コンピュータ実行可能コードを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0085】
制御回路11は、プロセッサ、中央処理装置(CPU)、コントローラ、算術論理演算装置(ALU)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、プログラマブル論理装置、マイクロプロセッサ、または規定の方法で、命令に応答し実行可能な任意の他の装置を含むがそれに限定されない、処理回路を含んでもよい。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、特定用途向け集積回路(ASIC)とASICチップのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0086】
制御回路11は、記憶装置に記憶されたコンピュータ可読プログラムコードを実行することにより専用機械として構成されてもよい。プログラムコードは、上述の制御回路のうちの1つ以上などの1つ以上のハードウェア装置により実装可能なプログラムまたはコンピュータ可読命令、ソフトウェア構成要素、ソフトウェアモジュール、データファイル、データ構造などのうちの少なくとも1つを含んでもよい。プログラムコードの例として、コンパイラによって作成される機械コードおよびインタープリタを使用して実行される高水準プログラムコードの両方が挙げられる。
【0087】
制御回路11は、1つ以上の電子記憶装置を含んでもよい。1つ以上の記憶装置は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、恒久的大容量記憶装置(ディスクドライブなど)、ソリッドステート(例えば、NANDフラッシュ)装置、ならびにデータの記憶および記録が可能なデータ記憶機構のような任意の他のもののうちの少なくとも1つなどの有形または非一時的コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。1つ以上の記憶装置は、1つ以上のオペレーティングシステム用、本明細書に説明する例示的な実施形態の実施用、またはその両方用にコンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせを記憶するよう構成されてもよい。コンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせはまた、ドライブ機構を使用して、独立したコンピュータ可読記憶媒体から1つ以上の記憶装置、1つ以上のコンピュータ処理装置、またはその両方にロードされてもよい。こうした独立したコンピュータ可読記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、メモリスティック、ブルーレイ/DVD/CD-ROMドライブ、メモリカード、およびその他のコンピュータ可読記憶媒体のようなもののうち少なくとも1つを含んでもよい。コンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせは、ローカルのコンピュータ可読記憶媒体よりネットワークインターフェースを介してリモートデータ記憶装置から1つ以上の記憶装置、1つ以上のコンピュータ処理装置、またはその両方に、ロードされてもよい。その上、コンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせは、ネットワークを通じてコンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせを伝送、配布、または伝送および配布するよう構成されるリモートコンピューティングシステムから、1つ以上の記憶装置、1つ以上のプロセッサ、またはその両方に、ロードされてもよい。リモートコンピューティングシステムは、コンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせを、有線インターフェース、無線インターフェース、およびその他の媒体のようなもののうちの少なくとも1つを介して伝送、配布、または伝送および配布してもよい。
【0088】
制御回路11は、コンピュータ実行可能コードを実行して発熱体24への電力供給を制御するよう構成される専用機械であってもよい。例示的な実施形態によっては、コンピュータ実行可能コードのインスタンスは、制御回路11によって実行されると、制御回路11に起動シーケンスにしたがって、発熱体24への電力供給を制御させる。発熱体24への電力供給を制御することは、1つ以上の発熱体24を起動することと同じ意味で本明細書で使用されてもよい。
【0089】
さらに図1Aおよび図1Bを参照すると、起動すると、発熱体24は、約10秒より短い間、発熱体24が囲む分配インターフェース30の一部を加熱することができる。したがって、電力サイクル(または最大の吸煙長さ)は、約2秒間~約10秒間(例えば、約3秒間~約9秒間、約4秒間~約8秒間、または約5秒間~約7秒間)の範囲とすることができる。
【0090】
例示的な実施形態によっては、発熱体24と導電性素子31のうちの1つ以上は、制御回路11に電気的に結合される。制御回路11は、発熱体24への電力供給を調整可能に制御して、発熱体24により生成される熱量を制御することができる。制御回路11は、発熱体24によって供給される電力の量(大きさ)と熱量との間の関係に基づいて電力供給を調整可能に制御することができる。
【0091】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、発熱体24への電力供給を調整可能に制御して、分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の温度を制御するよう構成される。制御回路11は、供給される電力量と分配インターフェース30とその中に含まれるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の温度との間の関係に基づいて発熱体24への電力供給を調整可能に制御することができる。
【0092】
例示的な実施形態によっては、発熱体24に供給される電力量と分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の測定された温度との間の関係は、ルックアップテーブル(「LUT」)内に記憶することができる。LUTは、温度値および関連付けられた電力値の配列を含んでもよい。例えば、LUTは、1組の温度を含んでもよく、その配列は、それぞれの別々の温度値を別々の電力値と関連付けることができる。
【0093】
配列中の温度の別々の値それぞれに対応する別々の電力値は、実験によって決定することができる。例えば、発熱体24に供給される電力量は、分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の温度を測定すると同時に測定することができる。同時に測定された温度および電力量は、LUTの配列に入力することができる。
【0094】
制御回路11は、LUTにアクセスして、分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の測定された温度と関連付けられた電力値を決定することができる。制御回路11は、決定された電力値にしたがって、発熱体24への電力供給を制御することができる。例えば、制御回路11は、導電性素子31、導電性素子31の決定された電気抵抗、導電性素子31の決定された電気抵抗率、その一部の組み合わせなどと関連付けられた信号のうちの少なくとも1つに基づいて、分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の測定された温度値を決定することができる。制御回路11は、LUTにアクセスして、配列内の測定された温度値と関連付けられた電力値を探すことができる。関連付けられた電力値を識別すると、制御回路11は、発熱体24に供給される電力量が識別された電力値であるように発熱体24への電力供給を制御することができる。
【0095】
LUTは、記憶装置に記憶することができる。記憶装置は、制御回路11に含まれてもよい。例示的な実施形態によっては、記憶装置は、カートリッジ70内に含まれる。制御回路11は、分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の測定された温度値を決定することに基づいて、LUTにアクセスすることができる。
【0096】
制御回路11は、分配インターフェース30の内部を貫通する導電性素子31の一部の温度の決定に基づいて、分配インターフェース30の温度を決定するよう構成することができる。導電性素子31の一部の温度は、分配インターフェース30の内部の温度と関連付けられてもよい。導電性素子31の一部の温度は、分配インターフェース30内に保持されるプレベイパー製剤の温度と関連付けられてもよい。
【0097】
例示的な実施形態によっては、導電性素子31の温度は、分配インターフェース30の平均温度と関連付けることができ、制御回路11は、発熱体24への電力供給を制御して、分配インターフェース30の平均温度を制御するよう構成することができる。
【0098】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、導電性素子31の決定された電気抵抗に基づいて、導電性素子31の温度を決定するよう構成することができる。制御回路11は、導電性素子31を介して電流を誘発し、導電性素子31の両端の電流と電圧のうちの1つ以上に基づいて、導電性素子31の電気抵抗を測定することができる。制御回路11は、導電性素子31の電気抵抗と導電性素子31の温度との間の決定された関係に基づいて、導電性素子31の温度を決定するよう構成することができる。こうした関係は、導電性素子31の電気抵抗率温度係数と電気抵抗温度係数のうちの1つ以上に基づくことができる。
【0099】
制御回路11は、導電性素子31の電気抵抗と分配インターフェース30の1つ以上の部分の温度との間の決定された関係に基づいて、分配インターフェース30に保持されるプレベイパー製剤を含む分配インターフェース30の1つ以上の部分の温度を決定するよう構成することができる。こうした関係は、導電性素子31の電気抵抗率温度係数と電気抵抗温度係数のうちの1つ以上に基づくことができる。
【0100】
例示的な実施形態によっては、導電性素子31の電気抵抗と分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の測定された温度との間の関係は、ルックアップテーブル(「LUT」)内に記憶することができる。LUTは、電力値を温度値と関連付ける、上述のLUTとは別であってもよい。例示的な実施形態によっては、電気抵抗値と温度値を関連付けるLUTは、温度値を電力値とも関連付けるLUTと同じであってもよい。
【0101】
LUTは、電気抵抗値と関連付けられた温度値の配列を含むことができる。例えば、LUTは、1組の電気抵抗値を含んでもよく、その配列は、それぞれの別々の電気抵抗値を別々の温度値と関連付けることができる。
【0102】
配列中の電気抵抗の別々の値それぞれに対応する別々の温度値は、実験によって決定することができる。例えば、導電性素子31の電気抵抗は、分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の温度を測定すると同時に測定されてもよい。同時に測定された温度および電気抵抗値は、LUTの配列に入力することができる。
【0103】
制御回路11は、LUTにアクセスして、導電性素子31の決定された電気抵抗と関連付けられた温度値を決定することができる。制御回路11はしたがって、導電性素子31の決定された電気抵抗に基づいて、分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の温度を決定することができる。
【0104】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、3~4℃の正確さで少なくとも1mΩの電気抵抗の変化を検出するよう構成される。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、1mΩより小さい電気抵抗の変化を検出するよう構成される。例えば、制御回路11は、少なくとも0.1mΩ(100μΩ)の電気抵抗の変化を検出するよう構成することができる。
【0105】
図1Aおよび図1Bを参照して上述したように、導電性素子31の電気抵抗率温度係数(本明細書では第2の電気抵抗率温度係数とも呼ばれる)は、発熱体24の電気抵抗率温度係数(本明細書では、第1の電気抵抗率温度係数とも呼ばれる)より大きい。したがって、制御回路11は、発熱体24を含む分配インターフェース30の外側に位置する構成要素によって生成される電気抵抗データを含むセンサデータを処理することに関連する導電性素子31の抵抗を決定することに基づいて、より正確により精密に、分配インターフェース30に保持されるプレベイパー製剤を含む分配インターフェース30の1つ以上の部分の温度を決定することができる。
【0106】
制御回路11により温度決定の正確さと精密さが向上したことで、分配インターフェース30および分配インターフェース30に保持されるプレベイパー製剤の温度の制御を向上させることができてもよい。さらに、制御回路11は、分配インターフェース30と分配インターフェース30に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の過熱の可能性の軽減を向上するよう構成されてもよい。プレベイパー製剤の過熱は、プレベイパー製剤の分解をもたらしうる。こうした分解は、プレベイパー製剤を伴う化学反応に基づいて生じる可能性がある。
【0107】
非分解プレベイパー製剤の気化に基づいて生成される蒸気は、少なくとも部分的に分解したプレベイパー製剤の気化に基づいて生成された蒸気に対して、改良された感覚的経験を提供することができる。したがって、導電性素子31の電気抵抗を測定することによって分配インターフェース30の温度を決定するよう構成される制御回路11は、発熱体24への電力供給を制御して、改良された感覚的経験を提供するよう構成することができる。
【0108】
例示的な実施形態によっては、導電性素子31が分配インターフェース30の内部を貫通するため、分配インターフェース30と分配インターフェース30に保持されるプレベイパー製剤を含む材料のうちの1つ以上の温度は、導電性素子31の決定された温度に基づいて決定されてもよい。したがって、制御回路11は、分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤を含む材料のうちの1つ以上の決定された温度に基づいて、発熱体24への電力供給を調整可能に制御するよう構成することができる。
【0109】
制御回路11は、発熱体24への電力供給を調整可能に制御して、分配インターフェース30と、閾値温度でまたは閾値温度より低くその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の温度を維持するよう構成可能である。閾値温度値は、プレベイパー製剤または分配インターフェース30に含まれる1つ以上の材料のうちの1つ以上を過熱するより高い温度と関連付けることができる。過熱は、プレベイパー製剤の分解をもたらしうる。結果として、導電性素子31の測定された電気抵抗に基づいて発熱体24への電力供給を調整可能に制御することによって、制御回路11は、分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の過熱の可能性を軽減することができる。こうした軽減により、分配インターフェース30に保持されるプレベイパー製剤の気化を通じて生成される蒸気によって提供される感覚的経験を改良することができる。
【0110】
制御回路11は、別々の温度値を別々の電力値と関連付けるルックアップテーブル(「LUT」)にしたがって電力供給を制御することに基づいて、閾値温度値でまたは閾値温度値未満で分配インターフェース30とその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の温度を維持するよう構成可能である。LUTは、閾値温度値でまたは閾値温度値超で、別々の温度値と関連付けられる電力値を含んでもよい。これらの電力値はそれぞれ、発熱体24に供給される場合、分配インターフェース30と閾値温度値以下の温度に冷却するその中に保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上をもたらす電力量であってもよい。
【0111】
LUTの入力に含まれる電力値は、実験によって決定されてもよい。例えば、発熱体24に供給される電力量は、分配インターフェース30とそこに保持されるプレベイパー製剤のうちの1つ以上の温度を測定すると同時に測定されてもよい。閾値温度値を超える温度値と関連付けられる電力値は、特定のマージンで閾値温度より低い測定された温度と一致するよう実験によって決定される電力量であってもよい。マージンの値は、一定の値であってもよい。例示的な実施形態によっては、LUTにしたがって発熱体24への電力供給を制限することに基づいて、制御回路11は、供給される電力量を調整して、閾値にまたは閾値より低く測定される温度を維持することができる。
【0112】
例示的な実施形態によっては、貯蔵部22は、異なるプレベイパー製剤を保持するよう構成される。例えば、貯蔵部22は、1組以上の貯蔵媒体が異なるプレベイパー製剤を保持するよう構成される、1組以上の貯蔵媒体を含んでもよい。
【0113】
例示的な実施形態によっては、分配インターフェース30は、発熱体24と流体連通するよう配置される吸収材を含む。吸収材は、細長い形状を有し、貯蔵部22と流体連通するよう配置されるウィックを含んでもよい。ウィックは、ウィッキング材料を含んでもよい。ウィッキング材料は、繊維質ウィッキング材料であってもよい。ウィッキング材料は、貯蔵部22の中へ延在してもよい。
【0114】
本明細書で説明するように、プレベイパー製剤は、蒸気に変換されうる材料または材料の組み合わせである。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然または人工の香料、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのプレベイパー製剤、ならびにそれらの組み合わせを含むがこれに限定されない、液体、固体またはゲル製剤のうちの少なくとも1つであってもよい。異なるプレベイパー製剤は、異なる要素を含んでもよい。異なるプレベイパー製剤は、異なる特性を有してもよい。例えば、異なるプレベイパー製剤は、共通の温度の場合、異なる粘度であってもよい。プレベイパー製剤の1つ以上は、2014年7月16日に出願されたLipowiczらによる米国特許出願公開第2015/0020823号、および2015年1月21日に出願されたAndersonらによる米国特許出願公開第2015/0313275号に記載されたものを含んでもよく、それぞれの内容全体は参照により本明細書に組み入れられる。
【0115】
プレベイパー製剤は、ニコチンを含んでもよく、またはニコチンを含まなくてもよい。プレベイパー製剤は、1つ以上のたばこ風味を含んでもよい。プレベイパー製剤は、1つ以上のたばこ風味とは別の1つ以上の風味を含んでもよい。
【0116】
例示的な実施形態によっては、ニコチンを含むプレベイパー製剤は、1つ以上の酸味も含んでよい。1つ以上の酸は、ピルビン酸、ギ酸、シュウ酸、グリコール酸、酢酸、イソ吉草酸、吉草酸、プロピオン酸、オクタン酸、乳酸、レブリン酸、ソルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、オレイン酸、アコニット酸、酪酸、ケイ皮酸、デカン酸、3、7-ジメチル-6-オクテン酸、1-グルタミン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、3-ヘキサン酸、トランス-2-ヘキサン酸、イソ酪酸、ラウリン酸、2-メチル酪酸、2-メチル吉草酸、ミリスチン酸、ノナン酸、パルミチン酸、4-ペンテン酸、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、塩酸、リン酸、硫酸およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上であってもよい。
【0117】
1つ以上の貯蔵部22の貯蔵媒体は、綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む繊維質材料であってもよい。繊維は、約6ミクロン~約15ミクロン(例えば、約8ミクロン~約12ミクロン、または約9ミクロン~約11ミクロン)のサイズの範囲である直径を有してもよい。貯蔵媒体は、焼結材料、多孔性材料、または発泡性材料であってもよい。また、繊維は吸入できないようにサイズ設定されてもよく、またY字形状、十字形状、クローバー形状、または任意の他の好適な形状の断面を有することができる。例示的な実施形態によっては、1つ以上の貯蔵部22は、貯蔵媒体が不足しているプレベイパー製剤だけを含有する充填されたタンクを含んでもよい。
【0118】
さらに図1Aおよび図1Bを参照すると、貯蔵部22は、イーベイピング装置60が少なくとも約200秒間ベイピングするために構成可能なように十分なプレベイパー製剤を保持するよう構成されてもよい。イーベイピング装置60は、各ベイピングが最大約5秒継続できるよう構成されてもよい。
【0119】
分配インターフェース30は、1つ以上のプレベイパー製剤を引き出すための容量を有するフィラメント(または糸)を含むウィッキング材料を含んでもよい。例えば、分配インターフェース30は、巻かれたガラスフィラメントの一群などを含む1束のガラス(セラミック)フィラメントであってもよく、その全ての配置により、プレベイパー製剤をフィラメントの間の隙間間隔により毛管作用を介して引き出すことができてもよい。フィラメントは、イーベイピング装置60の長手方向に対して垂直方向に(横方向)にまたは略垂直方向に全体として整列されてもよい。例示的な実施形態によっては、分配インターフェース30は、1~8本のフィラメントの撚糸を含んでもよく、各撚糸が撚り合わせた複数のガラスフィラメントを含んでもよい。分配インターフェース30の端部は、可撓性で、1つ以上の貯蔵部22の境界内に折り畳むことができる。フィラメントは、概して十字型、クローバー型、Y字型、または任意の他の好適な形状の断面を有してもよい。
【0120】
分配インターフェース30は、任意の好適な材料またはウィッキング材料とも本明細書で呼ばれる材料の組み合わせを含んでもよい。好適な材料の例として、ガラス、セラミック系、黒鉛系材料を挙げることができるが、それに限定されない。分配インターフェース30は、密度、粘性、表面張力および蒸気圧といった異なる物理特性を有するプレベイパー製剤に適応するように、適切な任意の毛細管引き出し作用を有する場合がある。
【0121】
例示的な実施形態によっては、発熱体24は、分配インターフェース30を少なくとも部分的に囲繞するワイヤコイルを含んでもよい。ワイヤコイルは、加熱コイルワイヤと呼ばれてもよい。加熱コイルワイヤは、金属ワイヤであってもよい。加熱コイルワイヤは、分配インターフェース30の長さに沿って全体的にまたは部分的に延在しうる。加熱コイルワイヤはさらに、分配インターフェース30の周囲に全体的または部分的に延在しうる。例示的な実施形態によっては、加熱コイルワイヤは、分配インターフェース30の外部表面30aと接触してもしなくてもよい。
【0122】
発熱体24は、任意の好適な電気抵抗性材料で形成することができる。好適な電気抵抗性材料の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族由来の金属が挙げられるが、それに限定されない。好適な合金の実施例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム-チタン-ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル系、鉄系、コバルト系、およびステンレス鋼系の超合金が挙げられるがそれに限定されない。例えば、発熱体24は、ニッケルアルミナイド、表面上にアルミナの層をもつ材料、鉄アルミナイドおよび他の複合材料で形成されてもよく、電気抵抗性の材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料に埋め込み、封入、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。発熱体24は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケル-クロム合金、超合金、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つの材料を含んでもよい。例示的な実施形態によっては、発熱体24は、ニッケルクロム合金または鉄クロム合金で形成されてもよい。例示的な実施形態によっては、発熱体24は、その外側表面上に電気的抵抗性層を有するセラミックヒーターであってもよい。
【0123】
分配インターフェース30は、貯蔵部22の対向する部分との間の中央流路61を横切って横方向に延在してもよい。例示的な実施形態によっては、分配インターフェース30は、中央流路61の長手方向軸に平行にまたは略平行に延在してもよい。図1Bに示す例示的な実施形態を含む例示的な実施形態によっては、分配インターフェース30は、中央流路61の長手方向軸に直交または略直交して延在してもよい。
【0124】
例示的な実施形態によっては、発熱体24は、比較的速く発熱可能な比較的高い電気抵抗を有する材料で形成される抵抗加熱ヒーターを組み込む多孔質材である。
【0125】
例示的な実施形態によっては、カートリッジ70は、交換可能であってもよい。言い換えると、カートリッジ70のプレベイパー製剤が消耗すると、カートリッジ70だけを交換すればよい。例示的な実施形態によっては、イーベイピング装置60全体は、貯蔵部22が消耗すると、廃棄可能である。
【0126】
例示的な実施形態では、イーベイピング装置60は、約80ミリメートル~約110ミリメートルの長さおよび約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径としうる。例えば、イーベイピング装置60は、約84ミリメートルの長さであって、約7.8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0127】
図2Aは、一部の例示的な実施形態による、IIA-IIA’線に沿う分配インターフェースの断面図である。図2Bは、一部の例示的な実施形態による、IIB-IIB’線に沿う分配インターフェースの断面図である。図2Aおよび2Bに示す分配インターフェース30は、図1Bに示す分配インターフェース30であってもよい。
【0128】
図2Aおよび図2Bに示すように、発熱体24は、分配インターフェース30の外部表面30aに沿って延在してもよい。これもまた示すように、例示的な実施形態によっては、発熱体24は、外部表面30aの周りを延在する加熱コイルワイヤを含んでもよい。発熱体24は、分配インターフェース30の外部表面30aと接触(例えば、直に接触)して延在してもよい。例示的な実施形態によっては、発熱体24の1つ以上の部分は外部表面30aに近接して延在し、隙間を介して(図2Aおよび図2Bに示さず)外部表面30aとの直の接触を絶たれる(すなわち、分離される)。
【0129】
図2Aおよび図2Bに示すように、発熱体24は、発熱体24によって搬送される電力に基づいて発熱することができる。図2Aおよび図2Bの矢印200によって示すように、熱は、発熱体24から分配インターフェース30の内部30bまで伝導しうる。例示的な実施形態によっては、分配インターフェース30は、プレベイパー製剤202を分配インターフェース30の内部30bに保持する。結果として、発熱体24により生成された伝導される200熱は、内部30bに保持されるプレベイパー製剤202によって吸収され、プレベイパー製剤202の温度を上昇させうる。
【0130】
図2Aおよび図2Bに示すように、導電性素子31は、分配インターフェース30の内部30bを貫通する。導電性素子31の少なくとも一部は、ワイヤであってもよい。導電性素子31の少なくとも一部は、図2Aおよび図2Bに示すように、分配インターフェース30の長手方向軸に沿って延在してもよい。例示的な実施形態によっては、導電性素子31の少なくとも一部は、コイルであってもよい。
【0131】
図2Aおよび図2Bに示すように、発熱体24によって生成され、分配インターフェース30の内部30bを通って伝導する200熱は、導電性素子31によって吸収されうる。例示的な実施形態によっては、導電性素子31は、分配インターフェース30の内部30bの一部によって加熱することができる。例えば、導電性素子31は、分配インターフェース30およびプレベイパー製剤202に含まれる材料の1つ以上によって加熱することができる。例示的な実施形態によっては、導電性素子31は、分配インターフェース30およびプレベイパー製剤202に含まれる材料の1つ以上の温度に基づく温度に加熱することができる。結果として、分配インターフェース30およびプレベイパー製剤202に含まれる材料の1つ以上の温度は、導電性素子31の温度に基づいて決定することができる。
【0132】
導電性素子31の温度が、プレベイパー製剤202の温度に少なくとも一部基づく場合、プレベイパー製剤202の過剰な温度は、より速やかに検出可能で、発熱体24に供給される電力の調整可能な制御を介して緩和可能である。
【0133】
図3は、一部の例示的な実施形態による分配インターフェース30を通る信号伝播を示すイーベイピング装置に概略図である。
【0134】
例示的な実施形態によっては、イーベイピング装置60内の分配インターフェース30は、分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤の量に基づいて、分配インターフェース30の内部30bを通るブリッジ電気回路306を確立することができる。ブリッジ電気回路306は、発熱体24と導電性素子31に間に確立することができる。例示的な実施形態によっては、分配インターフェース30の内部30bを通るブリッジ電気回路306は、電気的短絡である。
【0135】
分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤202の量が、プレベイパー製剤の閾値量以上である場合、ブリッジ電気回路306は、確立しうる。例示的な実施形態によっては、プレベイパー製剤の閾値量は、プレベイパー製剤の閾値容量であってもよい。プレベイパー製剤の閾値容量は、分配インターフェース30の内部30bに保持することができるプレベイパー製剤の容量の閾値比であってもよい。分配インターフェース30の内部30bに保持することができるプレベイパー製剤の容量は、本明細書で分配インターフェース30の「充填容量」と呼ばれてもよい。閾値比は、分配インターフェース30の充填容量の10%であってもよい。分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤202の量は、その間の関係にしたがって、イーベイピング装置60のカートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量と関連付けることができる。
【0136】
例示的な実施形態によっては、分配インターフェース30の内部30bを通るブリッジ電気回路306は、電気抵抗を有してもよい。ブリッジ電気回路306の電気抵抗の大きさは、分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤202の量に基づいてもよい。したがって、ブリッジ電気回路306の電気抵抗の大きさは、関係にしたがって、イーベイピング装置60のカートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量と関連付けることができる。
【0137】
例示的な実施形態によっては、分配インターフェース30の内部30bを通る発熱体24と導電性素子31との間のブリッジ電気回路306の電気抵抗の大きさは、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量に反比例してもよい。例示的な実施形態によっては、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量は、ブリッジ電気回路306が分配インターフェース30の内部30bを通って確立されるかどうかを判定することとブリッジ電気回路306の電気抵抗の大きさを決定することのうちの少なくとも1つに基づいて決定されてもよい。
【0138】
例示的な実施形態によっては、イーベイピング装置60は、ブリッジ電気信号用の電気導線26-1~26-2、27-1~27-2および94のうちの1つを監視することに基づいて分配インターフェース30を通るブリッジ電気回路306を検出するよう構成される制御回路11を含む。ブリッジ電気回路306が、信号がブリッジ電気回路306を介して伝播するように確立される場合、ブリッジ電気信号を発生することができる。制御回路11は、ブリッジ電気回路306が確立されているかどうかに基づいて、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量が閾値量以上かどうか判定することができる。
【0139】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、発熱体24に結合される電気導線26-1を介してカートリッジ70に初期電気信号302を送信することができる。当然のことながら、例示的な実施形態によっては、初期電気信号302は、導電性素子31に結合される電気導線27-1で送信されてもよい。
【0140】
図3に示すように、初期電気信号302は、電気導線26-1に沿って発熱体24に進む。分配インターフェース30を通るブリッジ電気回路306が無い場合、分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤の量が閾値より少ないことに基づいて、戻り電気信号304は、電気導線26-2、インターフェース74、84、導線94、および電源12を通って発熱体24から制御回路11に進むことができる。制御回路11は、電気導線26-2で搬送される戻り電気信号304を検出することができる。
【0141】
図3に示す例示的な実施形態を含む例示的な実施形態によっては、制御回路11が導線26-2と27-2のうちの少なくとも1つからインターフェース84で受信される戻り電気信号304を検出するよう構成されるように、制御回路11はインターフェース84に電気的に結合310されてもよい。図3に示すように、制御回路11は、少なくとも電源12と独立にインターフェース84に電気的に結合310することができる。図3に示す例示的な実施形態を含む例示的な実施形態によっては、制御回路11は、少なくとも導線94と独立にインターフェース84に電気的に結合310することができる。当然のことながら、電気信号の検出は、明示的に述べられることなく、電気接続を介して電気信号を受信することを含みうる。例えば、制御回路11は、制御回路11をインターフェース84に電気的に結合310する電気経路を介してインターフェース84から制御回路11へ進む電気信号304に基づいて、インターフェース84で受信された戻り電気信号304を検出することができる。
【0142】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、電気導線27-1で搬送される電気信号の不在を決定することに少なくとも一部基づいて、分配インターフェース30を通るブリッジ電気回路306が無いと決定してもよい。
【0143】
制御回路11は、戻り電気信号304の大きさが閾値レベルより大きいとの決定に基づいて、分配インターフェース30を通るブリッジ電気回路306が無いと決定してもよい。例えば、戻り電気信号304の大きさの閾値レベルは、1ミリアンペアであってもよい。閾値レベルは、初期電気信号302の大きさの割合であってもよい。初期電気信号302に対する戻り電気信号304の大きさの喪失は、発熱体24および電気導線26-1から26-2を通る抵抗損に基づくことができる。戻り電気信号304の大きさが閾値レベルより大きい場合、初期電気信号302に対する戻り電気信号304の大きさの減少は、分配インターフェース30の内部30bを通るブリッジ電気回路306ではなく、抵抗損に起因する可能性がある。
【0144】
図3に示すように、分配インターフェース30の内部30bを通るブリッジ電気回路306が確立されている場合、初期電気信号302の少なくとも一部は、ブリッジ電気回路306を介して伝播してもよい。図3に示すように、初期電気信号302がブリッジ電気回路306を介して発熱体24から導電性素子31へ伝播する場合、導電性素子31は、ブリッジ電気信号308を搬送する。
【0145】
例示的な実施形態によっては、ブリッジ電気信号308は、導電性素子31に結合される導線27-1および導線27-2のうちの1つによって搬送されてもよい。例えば、図3に示す例示的な実施形態では、ブリッジ電気信号308は、少なくとも導線27-1を介して導電性素子31から制御回路11へ搬送される。例示的な実施形態によっては、ブリッジ電気信号308は、少なくとも導線27-2を介して導電性素子31から制御回路11へ搬送される。
【0146】
制御回路11は、ブリッジ電気信号308を検出することができる。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、信号を搬送する電気導線を有する1つ以上の電気接続を介して電気信号を受信することに基づいて電気信号を検出する。例えば、図3に示すように、制御回路11は、導線27-1およびコネクター素子91を介してブリッジ電気信号308を受信することに基づいて、ブリッジ電気信号308を検出することができる。
【0147】
制御回路11は、ブリッジ電気信号308の検出に基づいて、分配インターフェース30を通るブリッジ電気回路306が確立されていると決定することができる。したがって、制御回路11は、少なくともプレベイパー製剤の閾値量がカートリッジ70内に保持されていると決定することができる。制御回路11は、ブリッジ電気信号308を処理することに基づいて、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量を決定することができる。こうした処理は、別々のブリッジ電気信号308の値を別々のそれぞれのプレベイパー製剤量と関連付ける配列を含むルックアップテーブル(「LUT」)にアクセスすることを含んでもよい。
【0148】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、ブリッジ電気回路306の電気抵抗が閾値電気抵抗以上であると決定することに基づいて、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量が閾値より少ないと決定することができる。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、ブリッジ電気回路306の電気抵抗が閾値電気抵抗より小さいと決定することに基づいて、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量が閾値量以上かどうか決定することができる。閾値電気抵抗は、プレベイパー製剤202の閾値量と関連付けられる。例示的な実施形態によっては、閾値電気抵抗は、1mΩであってもよい。例示的な実施形態によっては、閾値電気抵抗は、1mΩより小さい大きさであってもよい。例えば、閾値電気抵抗は、0.1mΩであってもよい。
【0149】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、ブリッジ電気回路306の電気抵抗の大きさが閾値の大きさ以上であると判定することに基づいて、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量が閾値より少ないと判定することができる。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、ブリッジ電気回路306の電気抵抗の大きさが閾値の大きさより小さいと判定することに基づいて、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量が閾値量以上かどうか判定することができる。閾値の大きさは、プレベイパー製剤202の閾値量と関連付けられる。例示的な実施形態によっては、閾値の大きさは、1mΩであってもよい。例示的な実施形態によっては、閾値の大きさは、1mΩより小さくてもよい。例えば、閾値の大きさは、0.1mΩであってもよい。
【0150】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、カートリッジ70内のプレベイパー製剤の量を示す情報を提供することができる。その情報は、イーベイピング装置60のインターフェースを介して提供することができる。こうしたインターフェースは、起動灯類のうちの1つ以上、および1つ以上の起動灯の色などに基づいたカートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量を示すよう構成される表示インターフェースを含んでもよい。
【0151】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の決定された量に基づいて発熱体24への電力供給を制御することができる。例えば、制御回路11は、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量が閾値より少ないと決定される場合、発熱体24へ電力供給がなされないようにすることができる。こうした無効化は、第1セクションに保持される、残っているプレベイパー製剤の分解の可能性を軽減することができる。
【0152】
図4は、一部の例示的な実施形態による分配インターフェース30を通る信号伝播を示すイーベイピング装置の概略図である。
【0153】
例示的な実施形態によっては、イーベイピング装置60は、センサワイヤ400を含む。センサワイヤ400は、導電性素子31および発熱体24と独立に分配インターフェース30に結合されてもよい。センサワイヤ400は、制御回路11が、カートリッジ70と電源セクション72の間の1つ以上の電気接続を介してセンサワイヤ400に電気的に結合されるように電源セクション72に電気的に結合されてもよい。
【0154】
例示的な実施形態によっては、センサワイヤ400は、分配インターフェース30の内部30bを通るブリッジ電気回路306を含む分配インターフェース30の内部30bを通って送信される電気信号を搬送するよう構成される。制御回路11は、センサワイヤ400がブリッジ電気信号408を搬送しているかどうか、およびブリッジ電気回路306の測定された電気抵抗を持っているかどうかの判定のうちの1つに基づいて、分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤202の量が閾値量以上かどうかを判定することができる。分配インターフェース30の内部30bを通るブリッジ電気回路306が無い場合、センサワイヤ400で搬送される電気信号は、無い可能性がある。例示的な実施形態によっては、センサワイヤ400は、分配インターフェース30の外部に結合される。例示的な実施形態によっては、センサワイヤ400は、分配インターフェース30の内部30bの少なくとも一部分を貫通する。
【0155】
図4に示すように、初期電気信号302は、電気導線26-1と27ー1のうちの1つに沿って送信可能である。
【0156】
分配インターフェース30を通るブリッジ電気回路306が無い場合、分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤の量が閾値より少ないことに基づいて、戻り電気信号304は、電気導線26-2および少なくともインターフェース74、84を通って発熱体24から制御回路11に進んでもよい。制御回路11は、センサワイヤ400で搬送される電気信号が無いと決定することに少なくとも一部基づいて、分配インターフェース30を通るブリッジ電気回路306が無いと決定してもよい。制御回路11は、電気導線26-2で搬送される戻り電気信号304を検出することができる。当然のことながら、電気信号の検出は、明示的に述べられることなく、電気接続を介して電気信号を受信することを含みうる。
【0157】
制御回路11は、戻り電気信号304の検出に少なくとも一部基づいて、分配インターフェース30を通るブリッジ電気回路306が無いと判定してもよい。制御回路11は、戻り電気信号304の大きさが閾値レベル以上であるとの判定に基づいて、分配インターフェース30を通るブリッジ電気回路306が無いと判定してもよい。閾値レベルは、初期電気信号302の大きさの割合であってもよい。初期電気信号302に対する戻り電気信号304の大きさの喪失は、発熱体24および電気導線26-1から26-2を通る抵抗損に基づいてもよい。戻り電気信号304の大きさが閾値レベル以上である場合、初期電気信号302に対する戻り電気信号304の大きさの減少は、分配インターフェース30を通るブリッジ電気回路306ではなく、抵抗損に起因する可能性がある。
【0158】
ブリッジ電気回路306が分配インターフェース30の内部30bを通って確立される場合、初期電気信号302は、センサワイヤ400でブリッジ電気信号408として搬送されるようブリッジ電気回路306を介して伝播することができる。制御回路11は、センサワイヤ400への電気接続を介して制御回路11でブリッジ電気信号408を受信することに基づいて、ブリッジ電気信号408を検出することができる。制御回路11は、センサワイヤ400でのブリッジ電気信号408の検出に基づいて、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の閾値量を決定することができる。例示的な実施形態によっては、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の閾値量は、5ミリリットルである。例示的な実施形態によっては、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の閾値量は、プレベイパー製剤の閾値容量である。プレベイパー製剤の閾値容量は、カートリッジ70の貯蔵部22に保持可能なプレベイパー製剤の容量の閾値比であってもよい。貯蔵部22に保持することができるプレベイパー製剤の容量は、本明細書でカートリッジ70の「充填容量」と呼ばれてもよい。閾値比は、カートリッジ70の充填容量の20%とすることができる。制御回路11は、ブリッジ電気信号408を処理することに基づいて、カートリッジ70内のプレベイパー製剤の量を決定することができる。制御回路11は、ブリッジ電気信号408に基づいて、カートリッジ70内のプレベイパー製剤の量が閾値量以上かどうか判定することができる。
【0159】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、初期電気信号302の送信を制御して、初期電気信号302をセンサワイヤ400で送信させることができる。制御回路11は、発熱体24または導電性素子31に結合された電気導線のうちの少なくとも1つでのブリッジ電気信号408の検出に基づいて、プレベイパー製剤の少なくとも閾値量が、カートリッジ70に保持されていると決定することができる。
【0160】
図5は、一部の例示的な実施形態による、分配インターフェースの導電性素子の抵抗に基づいて、カートリッジ内の発熱体に供給される電力を制御する方法を示す流れ図である。制御することは、本明細書に記載されるカートリッジの任意の例示的な実施形態に関して実施されてもよい。制御することは、本明細書に含まれるイーベイピング装置60の任意の例示的な実施形態に含まれる制御回路11によって実施されてもよい。
【0161】
図5を参照すると、502で、制御回路11は、カートリッジ70中の発熱体24への電力供給を制御する。制御回路11は、1つ以上の電力の特性を決定することができる。制御回路11は、供給された電力が1つ以上の決定された特性を有するように電力供給を制御することができる。
【0162】
504で、制御回路11は、分配インターフェース30の内部30bを貫通する導電性素子31の抵抗を測定する。制御回路11が502で電力供給を制御する発熱体24は、分配インターフェース30に結合されてもよい。発熱体24は、供給された電力に基づいて発熱することができ、発生した熱を、発熱体24から分配インターフェース30へ伝導することができる。導電性素子31が分配インターフェース30の内部30bを貫通すると、導電性素子31は、発熱体24の分配インターフェース30を介して伝導する熱によって、少なくとも部分的に加熱されてもよい。プレベイパー製剤202が分配インターフェース30の内部30bに保持される場合、導電性素子31は、分配インターフェース30および発熱体によって加熱されるプレベイパー製剤202に含まれる材料のうちの少なくとも1つによって加熱されてもよい。
【0163】
導電性素子31は、分配インターフェース30の内部30bのプレベイパー製剤202の温度に関連付けられる温度に加熱されてもよい。導電性素子31が過熱されると、導電性素子31の電気抵抗は、導電性素子31の温度によって変化してもよい。制御回路11は、導電性素子31の電気抵抗を測定することができる。制御回路11は、測定された電気抵抗に基づいて分配インターフェース30を貫通する導電性素子31の少なくとも一部の温度を決定することができる。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、導電性素子31の選択された電圧または選択された電流を誘発することにより、導電性素子31の抵抗を測定することができる。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、導電性素子31と制御回路11の間の1つ以上の電気接続での電圧の大きさ、電流の大きさ、および信号の大きさのうちの1つ以上を測定することにより導電性素子31の抵抗を測定することができる。例えば、制御回路11は、制御回路11と電極体93、95および電源12のうちの少なくとも1つとの間に向けられた電力の電圧と電流のうちの1つ以上を監視することができる。
【0164】
506で、制御回路11は、導電性素子31の測定された電気抵抗に基づいて、分配インターフェース30と分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤202とのうちの少なくとも1つの温度を決定する。制御回路11は、導電性素子31の決定された温度に基づいて、分配インターフェース30とプレベイパー製剤202のうちの少なくとも1つの温度を決定することができる。制御回路11は、導電性素子31の測定された電気抵抗に基づいて、導電性素子31の温度を決定することができる。制御回路11は、ルックアップテーブル(「LUT」)にアクセスすることおよびLUT内の測定された電気抵抗値に関連付けられた温度値を識別することに基づいて、導電性素子31の温度を決定することができる。
【0165】
508で、制御回路11は、決定された温度に基づいて発熱体24への電力供給を調整可能に制御する。決定された温度は、導電性素子31、分配インターフェース30、およびプレベイパー製剤202のうちの少なくとも1つの決定された温度であってもよい。制御回路11は、発熱体の電力と導電性素子31、分配インターフェース30、およびプレベイパー製剤202のうちの1つ以上の決定された温度との間の関係に基づいて、電力供給を調整可能に制御することができる。制御回路11は、ルックアップテーブル(「LUT」)にアクセスすることおよびLUT内の温度値に関連付けられる電力の大きさ値を識別することに基づいて、電力供給を調整可能に制御することができる。
【0166】
制御回路11は、電力供給を制御して、特定の温度の範囲内で決定された温度を維持することができる。例示的な実施形態によっては、制御回路11が導電性素子31の測定された電気抵抗に基づいて、分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤202の温度を決定する場合、制御回路11は、発熱体24への電力供給を制御して、プレベイパー製剤202の温度を閾値温度値より低く維持することができる。プレベイパー製剤202の閾値温度は、プレベイパー製剤202と関連付けられる化学反応、および分解などの可能性が閾値可能性値に到達するより高い温度に関連付けられてもよい。例示的な実施形態によっては、閾値温度はカ氏300度である。
【0167】
例示的な実施形態によっては、制御回路11が導電性素子31の測定された電気抵抗に基づいて、分配インターフェース30の温度を決定する場合、制御回路11は、発熱体24への電力供給を制御して、分配インターフェース30の温度を閾値温度値より低く維持することができる。例えば、閾値温度値は、プレベイパー製剤が分解反応を受ける可能性がある温度であってもよい。実施例によっては、閾値温度値は、プレベイパー製剤がカートリッジ70の1つ以上の構成要素などと反応する可能性がある温度であってもよい。
【0168】
図6は、一部の例示的な実施形態による、分配インターフェース30を通る信号に基づいて、カートリッジ内のプレベイパー製剤の量を決定する方法を示す流れ図である。決定することは、本明細書に記載されるカートリッジの任意の例示的な実施形態に関して実施されてもよい。決定することは、本明細書に含まれるイーベイピング装置60の任意の例示的な実施形態に含まれる制御回路11によって実施されてもよい。
【0169】
図6を参照すると、602で、制御回路11は、カートリッジ70へ初期電気信号を送信する。初期電気信号は、制御回路11と発熱体24に結合された電気導線、導電性素子31に結合された電気導線、およびセンサワイヤ400のうちの1つ以上との間で電気接続を介して送信されてもよい。
【0170】
604で、制御回路11は、ブリッジ電気信号が、制御回路11と発熱体24に結合された電気導線、導電性素子31に結合された電気導線、およびセンサワイヤ400のうちの1つ以上との間の電気接続を介して検出されるかどうかを判定する。ブリッジ電気信号は、ブリッジ電気回路306を介して発熱体24と導電性素子31の間で分配インターフェース30の内部30bを通って少なくとも部分的に伝播する初期電気信号に基づいて発生してもよい。例えば、制御回路11が電気導線26-1との電気接続を介して発熱体24へ初期電気信号を送信する場合、ブリッジ電気信号は、分配インターフェース30を通って発熱体24から導電性素子31へ伝播する初期電気信号に基づいて発生してもよい。こうした実施例では、制御回路11は、導電性素子31に結合される電気導線27-2への電気接続を介してブリッジ電気信号を受信することに基づいて、ブリッジ電気信号が検出されると決定することができる。
【0171】
導電性素子31に結合された電気導線27-2への電気接続が、発熱体24に結合された電気導線26-2への電気接続と分かれている場合、初期電気信号が電気導線26-1への電気接続を介して送信されると、制御回路11は、電気導線27-2への電気接続を介してブリッジ電気信号を受信することに基づいて、ブリッジ電気信号が検出されると決定することができる。実施例によっては、初期電気信号が、導電性素子31に結合される電気導線27-1への電気接続を介して送信されると、制御回路11は、発熱体24に結合される電気導線26-2への電気接続を介してブリッジ電気信号を受信することに基づいて、ブリッジ電気信号の受信を決定することができる。
【0172】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、導電性素子31および発熱体24と独立に分配インターフェース30に直接結合されるセンサワイヤ400に電気的に結合される。信号が、分配インターフェース30を介して伝播する場合、センサワイヤ400は、ブリッジ電気信号を搬送することができる。したがって、制御回路11は、センサワイヤ400への電気接続を介してブリッジ電気信号を受信することができる。
【0173】
例示的な実施形態によっては、初期電気信号は除外され、分配インターフェース30の内部を通って少なくとも部分的に伝播する発熱体24に供給された電力に基づいて、制御回路11は604で、ブリッジ電気信号が発生したかどうか判定する。制御回路11は、ブリッジ電気信号が制御回路11で受信されたかどうか判定することに基づいて、ブリッジ電気信号が発生したかどうかを判定することができる。例えば、制御回路11は、少なくともインターフェース74、84を介してブリッジ電気信号を受信することに基づいて、ブリッジ電気信号が発生したと決定してもよい。
【0174】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、602で信号を送信することと無関係に604でブリッジ電気回路306の兆候のために発熱体24を監視してもよい。例えば、制御回路11は、発熱体24に結合される電気導線26-1と電気導線26-2のうちの1つ以上によって搬送される電力を監視することに基づいて、分配インターフェース30を介してブリッジ電気回路306を検出することができる。制御回路11は、カートリッジ70内の接地ピンコネクター92-Nに結合された電気導線26-2の後端で搬送される電流の低下を検出することに基づいて、分配インターフェース30を介してブリッジ電気回路306の存在を決定することができる。
【0175】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、602で信号を送信することと無関係に604でブリッジ電気回路306の兆候のために導電性素子31を監視してもよい。例えば、制御回路11は、導電性素子31に結合される電気導線27-1と電気導線27-2のうちの1つ以上によって搬送される電力を監視することに基づいて、分配インターフェース30を介してブリッジ電気回路306を検出することができる。制御回路11は、カートリッジ70内の接地ピンコネクター92-Nに結合された電気導線27-2の後端で搬送される電流の上昇を検出することに基づいて、分配インターフェース30を介してブリッジ電気回路306の存在を決定することができる。
【0176】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、602で信号を送信することと無関係に604でブリッジ電気回路306の兆候のためにセンサワイヤ400を監視してもよい。例えば、制御回路11は、分配インターフェース30の材料からセンサワイヤ400によって搬送される電力を監視することに基づいて、分配インターフェース30の両端間のブリッジ電気回路306を検出することができる。制御回路11は、センサワイヤ400で搬送される電流を検出することに基づいて、分配インターフェース30を介してブリッジ電気回路306の存在を決定することができる。
【0177】
606で、ブリッジ電気信号を御回路11で受信しない場合、制御回路11は、カートリッジ70内のプレベイパー製剤の量は閾値より少ないと決定される。例示的な実施形態によっては、プレベイパー製剤により、ブリッジ電気回路306が分配インターフェース30を通過することができる。カートリッジ70内のプレベイパー製剤の量が、閾値より少ない場合、分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤202の量は、発熱体24と導電性素子31との間の分配インターフェース30を介してブリッジ電気回路306を確立するのに十分でない可能性がある。
【0178】
607で、制御回路11は、カートリッジ70内のプレベイパー製剤の量が閾値より少ないと決定することに基づいて、発熱体24への電力供給を少なくとも部分的に抑制することができる。
【0179】
604に戻ると、ブリッジ電気信号を制御回路11で受信しない場合、608で制御回路11は、カートリッジ内のプレベイパー製剤の量は少なくとも閾値であると決定してもよい。閾値は、ベイピングを支援することに関連するプレベイパー製剤の最小量であってもよい。例示的な実施形態によっては、閾値は、プレベイパー製剤を気化することに基づく蒸気生成の最低速度と関連するプレベイパー製剤の最小量である。
【0180】
610で制御回路11は、ブリッジ電気信号に対するブリッジ電気回路306の電気抵抗を測定する。制御回路11は、初期電気信号とブリッジ電気信号を比較して、分配インターフェース30の抵抗を決定することができる。例えば、発熱体24への電気導線の接続部の電圧を導電性素子31への電気導線の接続部の電圧と比較することに基づいて、制御回路11は、ブリッジ電気回路306の電気抵抗を決定することができる。
【0181】
612で制御回路11は、ブリッジ電気信号306の測定された電気抵抗に基づいて、カートリッジ70内のプレベイパー製剤の量を決定することができる。その抵抗は、分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤202の量に関連付けられてもよい。例えば、ブリッジ電気回路306の電気抵抗は、プレベイパー製剤202の量と電気抵抗との間の反比例の関係を含む特定の関係によって分配インターフェースのプレベイパー製剤202の量に関係付けられてもよい。分配インターフェース30の内部30bに保持されるプレベイパー製剤202の量は、カートリッジ70に保持されるプレベイパー製剤の量と関連付けられてもよい。例えば、カートリッジ70内のプレベイパー製剤の量は、カートリッジ70のプレベイパー製剤の量と分配インターフェースのプレベイパー製剤202の量との間の正比例の関係を含む特定の関係によって、分配インターフェース30の内部30bのプレベイパー製剤202の量に関連付けられてもよい。
【0182】
例示的な実施形態によっては、制御回路11は、ブリッジ電気回路306の決定された電気抵抗に基づいて、カートリッジ70内のプレベイパー製剤の量が閾値より少ないと決定する。カートリッジ70内のプレベイパー製剤の量が、閾値より少ない場合、ブリッジ電気回路306の電気抵抗は、少なくとも閾値であってもよい。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、カートリッジ70内のプレベイパー製剤の量が閾値より少ないと決定することに基づいて、発熱体24への電力供給を少なくとも部分的に抑制することができる。
【0183】
数多くの例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、他の変形物が可能でありうることを理解するべきである。こうした変形は、本開示の範囲を逸脱するものと見なされず、当業者にとって明らかであろうすべての変更は、以下の請求項の範囲内に含まれることが意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6