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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】モジュール式食品提供装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 42/40 20060101AFI20220208BHJP
   A47J 42/46 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
A47J42/40
A47J42/46
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2018552763
(86)(22)【出願日】2017-04-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2017058184
(87)【国際公開番号】W WO2017174697
(87)【国際公開日】2017-10-12
【審査請求日】2020-02-14
(31)【優先権主張番号】62/319,576
(32)【優先日】2016-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】1606903.1
(32)【優先日】2016-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エドワード ジェイ. ブラウン
【審査官】比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01466548(EP,A1)
【文献】国際公開第2014/207192(WO,A1)
【文献】特開2014-129099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/40
A47J 42/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式食品提供装置であって、
食品を収容および提供するように構成された食品容器と、
前記食品容器を機械的に駆動して前記食品を提供するための駆動モジュールと、
前記食品容器と前記駆動モジュールとを解放可能に接続するために前記食品容器および前記駆動モジュールの一方または両方に設けられた1つまたは複数の磁石と、を有し、
前記駆動モジュールは、前記駆動モジュールから前記食品容器へ駆動力を伝達して前記食品を提供するための機械的リンクを選択的に形成するように前記食品容器に解放可能に接続可能である、モジュール式食品提供装置。
【請求項2】
前記機械的リンクは、前記駆動モジュールから前記食品容器へトルクを伝達するように配置されている、請求項1記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項3】
前記駆動モジュールは、回転可能でありかつ前記機械的リンクにトルクを提供するように配置された駆動軸を有する、請求項1または2記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項4】
前記食品容器は、回転可能でありかつ前記機械的リンクからトルクを受け取るように配置された従動軸を有する、請求項3記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項5】
前記機械的リンクは、第1の回転可能な部分および第2の回転可能な部分を有し、前記第1の回転可能な部分の回転が前記第2の回転可能な部分の回転を生じさせるように、前記第1の回転可能な部分が前記第2の回転可能な部分と係合可能である、請求項4記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項6】
前記第1の回転可能な部分および前記第2の回転可能な部分の一方は、半径方向突出部を有し、前記第1の回転可能な部分および前記第2の回転可能な部分の他方は、前記半径方向突出部と係合するように構成された凹所を有する、請求項5記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項7】
前記半径方向突出部はスプラインを含み、前記凹所は、前記スプラインと係合するように構成された溝を含む、請求項6記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項8】
前記第1の回転可能な部分は、前記駆動軸の一部を形成しているかまたは前記駆動軸に接続されており、前記第2の回転可能な部分は、前記従動軸の一部を形成しているかまたは前記従動軸に接続されている、請求項5から7までのいずれか1項記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項9】
前記駆動モジュールは、前記駆動軸の回転を生じるように軸方向に可動な軸方向駆動部材を含む、請求項3から8までのいずれか1項記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項10】
前記軸方向駆動部材は、前記駆動モジュール内にまたは前記駆動モジュール上に配置されたプランジャを含む、請求項9記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項11】
前記駆動軸は、前記プランジャの少なくとも一部を収容するように構成されたらせん状チャネルを有し、これにより、前記プランジャが軸方向に移動したとき、前記らせん状チャネル内の前記プランジャの前記一部の係合が、前記駆動軸の回転を生じさせる、請求項0記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項12】
前記らせん状チャネルに収容可能な前記プランジャの少なくとも一部は、半径方向突出部を含む、請求項11記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項13】
前記軸方向駆動部材は、第1の軸方向位置と、該第1の軸方向位置の軸方向前方にある第2の軸方向位置との間で可動であり、前記駆動モジュールは、前記軸方向駆動部材を前記第1の軸方向位置へ軸方向に付勢するように配置された第1の付勢手段を有する、請求項9から12までのいずれか1項記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項14】
前記第1の付勢手段は、ばねを含む、請求項13記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項15】
前記食品容器は、前記食品容器に収容された食品を破壊および提供するように配置された食品処理手段を有する、請求項1から14までのいずれか1項記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項16】
前記食品処理手段は、前記従動軸によって駆動可能である、請求項4を引用する請求項15記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項17】
前記食品処理手段は、前記従動軸の一部を形成している、請求項16記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項18】
前記食品処理手段は、前記食品を粉砕するように配置された粉砕手段を含む、請求項15から17までのいずれか1項記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項19】
前記食品容器に収容された食品を含む、請求項1から18までのいずれか1項記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項20】
前記食品は、複数の食品粒子を含む、請求項19記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項21】
前記複数の食品粒子は、実質的に球状である、請求項20記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項22】
前記食品容器は、粉砕された食品が前記食品容器から提供されるが、粉砕されていない食品が前記食品容器から提供されることを防止するようなサイズを有する1つまたは複数の提供開口を有する、請求項1から21までのいずれか1項記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項23】
前記食品容器および前記駆動モジュールの両方が、1つまたは複数の磁石を有する、請求項1から22までのいずれか1項記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項24】
前記食品容器および前記駆動モジュールの一方は、1つまたは複数の磁石を有し、前記食品容器および前記駆動モジュールの他方は、前記1つまたは複数の磁石に磁気により引き付けられる磁化可能材料を有する、請求項1から22までのいずれか1項記載のモジュール式食品提供装置。
【請求項25】
請求項1から24までのいずれか1項記載のモジュール式食品提供装置と、
駆動モジュールに接続されていないときに食品容器を保持するための保持装置と、
を含むアセンブリ。
【請求項26】
前記保持装置は、第1の構成と第2の構成との間で可動であり、前記第1の構成において、前記食品容器は、1つまたは複数の磁石によって提供される磁力よりも大きな第1の保持力によって前記保持装置に保持され、前記第2の構成において、前記食品容器は、前記保持装置から前記食品容器を解放するために磁力が十分であるように、該磁力よりも小さな第2の保持力によって前記保持装置に保持される、請求項25記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記保持装置は、前記第1の構成における第1の位置と、前記第2の構成における第2の位置との間で可動な、可動なキャリッジを含む、請求項26記載のアセンブリ。
【請求項28】
前記キャリッジは、前記第1の保持力および前記第2の保持力を提供する、請求項27記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記保持装置は、前記キャリッジを前記第2の位置に向かって付勢するための第2の付勢手段を含む、請求項27または28記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記第2の付勢手段は、ばねを含む、請求項29記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記第1の保持力および前記第2の保持力の一方または両方は、前記保持装置と前記食品容器との間に作用する摩擦力である、請求項26から30までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記保持装置は、複数の食品容器を解放可能に保持するように構成されている、請求項25から31までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品提供装置に関する。特定の実施の形態において、食品提供装置は、モジュール式であり、食品容器に解放可能に接続可能な駆動モジュールを有する。
【背景技術】
【0002】
食品を粉砕するための装置が公知である。その一般的な例は、胡椒ミルである。このような装置は、スパイスおよび調味料などの様々な食品の提供のために使用される。
【0003】
米国特許出願公開第2013/0193246号明細書は、スパイスを粉砕し粉状にするための装置および方法を記載している。記載された装置は、電気モータおよび制御システムを含む電動式ベースを有する。スパイス容器は電動式ベースに解放可能に接続可能であり、これにより、スパイスを装置から提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のある実施の形態の1つの課題は、改良された食品提供装置を提供することである。
【0005】
本発明のある実施の形態の1つの課題は、モジュール式食品提供装置の構成部材が互いに簡便にかつ有効に解放可能に接続される、モジュール式食品提供装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、食品を収容および提供するように構成された食品容器と、食品容器を機械的に駆動して食品を提供するための駆動モジュールと、食品容器と駆動モジュールとを解放可能に接続するために食品容器および駆動モジュールの一方または両方に設けられた1つまたは複数の磁石と、を有し、駆動モジュールは、駆動モジュールから食品容器へ駆動力を伝達して食品を提供するための機械的リンクを選択的に形成するように食品容器に解放可能に接続可能である、モジュール式食品提供装置が提供される。
【0007】
ある実施の形態では、機械的リンクは、駆動モジュールから食品容器へトルクを伝達するように配置されていてもよい。
【0008】
ある実施の形態では、駆動モジュールは、回転可能でありかつ機械的リンクにトルクを提供するように配置された駆動軸を有していてもよい。食品容器は、回転可能でありかつ機械的リンクからトルクを受け取るように配置された従動軸を有していてもよい。機械的リンクは、さらに、第1の回転可能な部分および第2の回転可能な部分を有していてもよく、第1の回転可能な部分の回転が第2の回転可能な部分の回転を生じさせるように、第1の回転可能な部分が第2の回転可能な部分と係合可能である。第1および第2の回転可能な部分の一方は、半径方向突出部を有していてもよく、第1および第2の回転可能な部分の他方は、半径方向突出部と係合するように構成された凹所を有する。半径方向突出部は、スプラインと、スプラインと係合するように構成された溝を含む凹所とを有していてもよい。第1の回転可能な部分は、駆動軸の一部を形成しているかまたは駆動軸に接続されていてもよく、第2の回転可能な部分は、従動軸の一部を形成しているかまたは従動軸に接続されている。
【0009】
ある実施の形態では、駆動モジュールは、駆動軸の回転を生じさせるために軸方向に可動な軸方向駆動部材を有していてもよい。軸方向駆動軸は、駆動モジュール内または駆動モジュール上に配置されたプランジャを有していてもよい。駆動軸は、プランジャの少なくとも一部を収容するように構成されたらせん状チャネルを有していてもよく、これにより、プランジャが軸方向に移動したとき、らせん状チャネルにおけるプランジャの部分の係合が、駆動軸の回転を生じさせる。らせん状チャネルに収容可能なプランジャの少なくとも一部は、半径方向突出部を有していてもよい。軸方向駆動部材は、第1の軸方向位置と、第1の軸方向位置の軸方向前方にある第2の軸方向位置との間で可動であってもよく、駆動モジュールは、軸方向駆動部材を第1の軸方向位置へ軸方向に付勢するように配置された付勢手段を有する。付勢手段は、ばねを含んでもよい。
【0010】
ある実施の形態では、食品容器は、食品容器に収容された食品を破壊しかつ提供するために配置された食品処理手段を有していてもよい。食品処理手段は、食品容器の従動軸によって駆動可能であってもよく、従動軸の一部を形成していてもよい。加えて、食品処理手段は、食品を粉砕するために配置された粉砕手段を有していてもよい。
【0011】
ある実施の形態では、モジュール式食品提供装置は、さらに、食品容器に収容された食品を含んでいてもよい。食品は、実質的に球状であってよい複数の食品粒子を含んでもよい。
【0012】
ある実施の形態では、食品容器は、粉砕された食品が食品容器から提供されるが、粉砕されていない食品が食品容器から提供されることを防止するようなサイズを有する1つまたは複数の提供開口を有していてもよい。
【0013】
ある実施の形態では、食品容器および駆動モジュールの両方が、1つまたは複数の磁石を有していてもよい。
【0014】
ある実施の形態では、食品容器および駆動モジュールの一方は、1つまたは複数の磁石を有していてもよく、食品容器および駆動モジュールの他方は、1つまたは複数の磁石に磁気により引き付けられる磁化可能材料を有している。
【0015】
第2の態様によれば、第1の態様によるモジュール式食品提供装置と、駆動モジュールに接続されていないときに食品容器を保持するための保持装置と、を含むアセンブリが提供される。
【0016】
ある実施の形態では、保持装置は、第1の構成と第2の構成との間で可動であってもよく、第1の構成において、食品容器は、1つまたは複数の磁石によって提供される磁力よりも大きな第1の保持力によって保持装置に保持され、第2の構成において、食品容器は、保持装置から食品容器を解放するために磁力が十分であるように、磁力よりも小さな第2の保持力によって保持装置に保持される。保持装置は、第1の構成における第1の位置と、第2の構成における第2の位置との間で可動な、可動キャリッジを有していてもよい。キャリッジは、第1および第2の保持力を提供してもよい。保持装置は、さらに、キャリッジを第2の位置に向かって付勢するための付勢手段を有していてもよく、付勢手段は、ばねを含んでもよい。第1および第2の保持力の一方または両方は、保持装置と食品容器との間に作用する摩擦力であってもよい。
【0017】
ある実施の形態では、保持装置は、複数の食品容器を解放可能に保持するように構成されていてもよい。
【0018】
第3の態様によれば、食品を収容するように構成された食品容器と、駆動アセンブリであって、食品を食品容器から提供させるように構成された駆動軸と、駆動軸の回転を生じさせるように軸方向に可動な軸方向駆動部材とを有する駆動アセンブリと、を含む食品提供装置が提供される。
【0019】
ある実施の形態では、軸方向駆動軸は、駆動アセンブリ内または駆動アセンブリ上に配置されたプランジャを有していてもよい。
【0020】
ある実施の形態では、駆動軸は、プランジャの少なくとも一部を収容するように構成されたらせん状チャネルを有していてもよく、これにより、プランジャが軸方向に移動したとき、らせん状チャネルにおけるプランジャの部分の係合が、駆動軸の回転を生じさせる。らせん状チャネルに収容可能なプランジャの少なくとも一部は、半径方向突出部を有していてもよい。
【0021】
ある実施の形態では、軸方向駆動部材は、第1の軸方向位置と、第1の軸方向位置の軸方向前方にある第2の軸方向位置との間で可動であってもよく、駆動アセンブリは、軸方向駆動部材を第1の軸方向位置へ軸方向に付勢するように配置された付勢手段を有する。付勢手段は、ばねを含んでもよい。
【0022】
ある実施の形態では、食品容器は、食品容器に収容された食品を破壊しかつ提供するために配置された食品処理手段を有していてもよい。食品処理手段は、食品を粉砕するために配置された粉砕手段を有していてもよい。
【0023】
ある実施の形態では、食品提供装置は、さらに、食品容器に収容された食品を含んでいてもよい。食品は、実質的に球状であってよい複数の食品粒子を含んでもよい。
【0024】
ある実施の形態では、食品容器は、粉砕された食品が食品容器から提供されるが、粉砕されていない食品が食品容器から提供されることを防止するようなサイズを有する1つまたは複数の提供開口を有していてもよい。
【0025】
ある実施の形態では、駆動アセンブリから食品容器へ駆動力を伝達して食品を提供するための機械的リンクを選択的に形成するために、駆動アセンブリが食品容器に解放可能に接続可能であってもよい。機械的リンクは、駆動モジュールから食品容器へトルクを伝達するように配置されていてもよい。駆動モジュールは、回転可能でありかつ機械的リンクにトルクを提供するように配置された駆動軸を有していてもよい。食品容器は、回転可能でありかつ機械的リンクからトルクを受け取るように配置された従動軸を有していてもよい。機械的リンクは、さらに、第1の回転可能な部分および第2の回転可能な部分を有していてもよく、第1の回転可能な部分の回転が第2の回転可能な部分の回転を生じさせるように、第1の回転可能な部分が第2の回転可能な部分と係合可能である。第1および第2の回転可能な部分の一方は、半径方向突出部を有していてもよく、第1および第2の回転可能な部分の他方は、半径方向突出部と係合するように構成された凹所を有している。半径方向突出部は、スプラインと、スプラインと係合するように構成された溝を含む凹所とを有していてもよい。第1の回転可能な部分は、駆動軸の一部を形成しているかまたは駆動軸に接続されていてもよく、第2の回転可能な部分は、従動軸の一部を形成しているかまたは従動軸に接続されている。食品提供装置は、食品容器と駆動アセンブリとを解放可能に接続するために、食品容器および駆動アセンブリの一方または両方に設けられた1つまたは複数の磁石を有していてもよい。食品容器および駆動アセンブリの両方が1つまたは複数の磁石を有していてもよいし、または食品容器および駆動アセンブリの一方が1つまたは複数の磁石を有していてもよく、駆動アセンブリは、1つまたは複数の磁石に磁気により引き付けられる磁化可能材料を有する。
【0026】
第4の態様によれば、上記の実施の形態によるモジュール式食品提供装置と、駆動アセンブリに接続されていないときに食品容器を保持するための保持装置と、を含むアセンブリが提供される。
【0027】
ある実施の形態では、保持装置は、第1の構成と第2の構成との間で可動であってもよく、第1の構成において、食品容器は、1つまたは複数の磁石によって提供される磁力よりも大きな第1の保持力によって保持装置に保持され、第2の構成において、食品容器は、保持装置から食品容器を解放するために磁力が十分であるように、磁力よりも小さな第2の保持力によって保持装置に保持される。保持装置は、第1の構成における第1の位置と、第2の構成における第2の位置との間で可動な、可動キャリッジを有していてもよい。キャリッジは、第1および第2の保持力を提供してもよい。保持装置は、キャリッジを第2の位置に向かって付勢するための付勢手段を有していてもよく、付勢手段は、ばねを含んでもよい。第1および第2の保持力の一方または両方は、保持装置と食品容器との間に作用する摩擦力であってもよい。
【0028】
ある実施の形態では、保持装置は、複数の食品容器を解放可能に保持するように構成されていてもよい。
【0029】
以下に添付の図面を参照して実施の形態をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の1つの実施の形態によるモジュール式食品提供装置を示している。
図2図1の食品提供装置の駆動モジュールの分解図である。
図3図1の食品提供装置の食品容器の分解図である。
図4図1の食品提供装置の断面図である。
図5】使用構成における図1の食品提供装置の断面図である。
図6】本発明の1つの実施の形態による1つまたは複数の食品容器を解放可能に保持するためのラックの分解図である。
図7A】駆動モジュールおよびラックを保持するスタンドを示している。
図7B】食品容器のうちの1つへの駆動モジュールの取付け中の図7Aのスタンドを示している。
図7C】駆動モジュールによる食品容器のうちの1つの取出し後の図7Aおよび図7Bのスタンドを示している。
図8A】ラックにおける食品容器の交換の様々な段階を断面図で示している。
図8B】ラックにおける食品容器の交換の様々な段階を断面図で示している。
図8C】ラックにおける食品容器の交換の様々な段階を断面図で示している。
図8D】ラックにおける食品容器の交換の様々な段階を断面図で示している。
図8E】ラックにおける食品容器の交換の様々な段階を断面図で示している。
図8F】ラックにおける食品容器の交換の様々な段階を断面図で示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の1つの実施の形態によるモジュール式食品提供装置10が、図1に示されている。モジュール式食品提供装置10は、食品を収容および提供するように構成された食品容器14と、食品容器14を駆動しかつ食品容器14から食品を提供するように構成された駆動モジュール12とを有する。図1は、非接続構成、すなわち、駆動モジュール12が食品容器14に接続されてない構成における食品提供装置10を示している。
【0032】
図2は、駆動モジュール12の分解詳細図を示している。駆動モジュール12は、ほぼ長手方向軸線100に沿って延びている。駆動モジュール12は、プランジャ18が収容された本体16を有し、プランジャ18は、本体16に対して軸方向に可動(すなわち、長手方向軸線100に対して平行な方向に可動)である。プランジャ18は、プランジャボディ18aと、プランジャボディ18aから軸方向に延びるプランジャロッド18bとを有する。プランジャロッド18bは、プランジャロッド18bから半径方向外方へ延びる複数の駆動タブ18cを有する。同様の形式において、プランジャボディ18aは、プランジャボディ18aから半径方向外方へ延びる複数の整列タブ18dを有する。駆動モジュール12が組み立てられると、整列タブ18dは、本体16の内面における整列溝16a内に位置し、整列溝16aは、整列溝16a内での整列タブ18dの軸方向移動のみを許容するように、したがって、本体16に対するプランジャ18の軸方向移動のみを許容するように構成されている。すなわち、タブ18dと整列溝16aとの係合は、長手方向軸線100を中心とする本体16に対するプランジャ18のあらゆる回転運動を制限または阻止する。
【0033】
駆動モジュール12は、加えて、駆動軸24と、保持ボス26とを有し、保持ボス26は、駆動軸24が、部分的に保持ボス26内でかつ保持ボス26に対して長手方向軸線100に対して回転することができるように配置されている。使用時、保持ボス26は、本体16内において軸方向および回転方向で静止したままである。図示した実施の形態では、保持ボス26は雄ねじ山26aを有し、雄ねじ山26aは、本体16の内面におけるねじ山(図示せず)に螺合可能である。プランジャ18は、駆動軸24から離れるように付勢手段によって付勢されている。特に、プランジャ18は、第1の軸方向位置と、第1の軸方向位置の軸方向前方にある第2の軸方向位置との間で駆動軸24に対して軸方向に可動であり、付勢手段は、プランジャ18を第1の軸方向位置に向かって付勢している。図示した実施の形態において、付勢手段はばね20を含む。図示された非制限的な実施の形態では、ばね20が作用する反応面を提供するために、ばねワッシャ22が付加的に設けられている。代替的な実施の形態では、他の付勢部材または機構が付勢手段を提供してもよい。
【0034】
装置10が組み立てられると(すなわち、駆動モジュール12が食品容器14に接続されると)、プランジャロッド18bが駆動軸24のボア内へ延びる。駆動軸24のボアは、駆動タブ18cのうちの1つまたは複数を収容するらせん状チャネル24a(図4に示されている)を有する。第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間を移動するとき、プランジャ18は、駆動タブ18cとらせん状チャネル24aとの係合により、長手方向軸線100を中心にして、駆動軸24を回転させる。その他の実施の形態では、らせん状チャネル24aに少なくとも部分的に収容されるあらゆる適切な半径方向突出部が、駆動タブ18cの代わりに利用されてもよい。プランジャ18を第1の軸方向位置の軸方向前方へ移動させる軸方向力が除去されると、ばね20がプランジャ18を第1の軸方向位置へ戻す。その際、駆動軸24は、駆動タブ18bとらせん状チャネル24aとの係合により長手方向軸線100を中心に(反対方向へ)回転される。代替的な実施の形態では、ここに記載されたプランジャ18の代わりに、駆動軸24の回転を生じさせるためにあらゆる適切な軸方向駆動部材が軸方向へ移動されてもよい。
【0035】
駆動モジュール12は、加えて、複数の永久磁石28を有し、その目的は以下でより詳しく説明される。図示した非制限的な実施の形態では、永久磁石28は保持ボス内の凹所に設けられている。その他の実施の形態では、永久磁石28(存在するならば)は他のところに設けられてもよい。
【0036】
図3は、食品容器14の分解された詳細図を示している。食品容器14は、長手方向軸線200に沿って延びており、本体40と、従動軸44と、従動軸44を本体40内に保持するためのキャップ46とを有する。図示した実施の形態では、キャップ46は、相補的なねじ山46a,40bの係合によって本体40上に被せられている。その他の実施の形態では、キャップ46を本体40に接続するために、その他の固定機構が利用されてもよい。
【0037】
食品容器14は、加えて、永久磁石28に磁気によって引き付けられる引付けプレート42の形式の磁化可能な材料を有する。その結果、駆動モジュール12は、永久磁石28と引付けプレート42との間の磁気引力によって食品容器14に解放可能に接続可能であってもよい。代替的な実施の形態では、磁化可能材料は、引付けプレート42以外の形式で設けられてもよい。ある実施の形態では、永久磁石28(1つを含むあらゆる数が設けられてよい)が食品容器14の一部を形成してもよく、磁化可能材料が駆動モジュール12の一部を形成してもよい。ある実施の形態では、2つの永久磁石(すなわち、駆動モジュール12および食品容器14のそれぞれにおける少なくとも2つの永久磁石)の間の磁気引力が、駆動モジュール12と食品容器14との間の解放可能な接続を提供してもよい。図示したように、食品容器14の一部は、駆動モジュール12の一部に接続されたとき、駆動モジュール12の一部に収容されてもよく、これにより、食品容器14の一部と駆動モジュール12の一部との間の磁気接続の周囲にさらなる機械的安全性を提供する。もちろん、その他の実施の形態では、駆動モジュール12の一部が食品容器14の一部に収容可能であってもよく、または食品容器14または駆動モジュール12のいずれも他方へ収容可能でなくてもよい。
【0038】
従動軸44は、本体40内で長手方向軸線200を中心に回転可能である。従動軸44は、軸方向前端部における、複数の半径方向に延びるパドル44aと、パドル44aの軸方向前方における複数の開口とを有する。本体40の内面は、一連の軸方向に延びるリッジ40cを有し、その目的を以下に説明する。
【0039】
食品容器14は、食品を収容および提供するように構成されている。例えば、本体40は、従動軸44の周囲に配置された食品を収容してもよい。食品は、球体、ブロックまたはその他の規則的または不規則な形状などの粒子の形態であってもよい。その他の実施の形態では、食品はその他の形態であってもよい。長手方向軸線200を中心とする従動軸44の回転は、回転するパドル44aによって食品をリッジ40cに対して押し付け、より小さな断片に破壊してもよい。開口44bを通過するのに十分に小さな断片は、次いで、(例えば、重力の影響を受けて)開口44bを通過し、装置10から提供されてもよい。
【0040】
図4に示したように)駆動モジュール12が食品容器14に接続されると、駆動軸24が従動軸44と機械的リンクを形成し、これにより、駆動力が駆動モジュール12から食品容器14へ伝達されてもよい。特に、機械的リンクは、駆動モジュール12から食品容器14への、特に、駆動軸24から従動軸44へのトルクの伝達を可能にする。図示した実施の形態では、トルクは、駆動軸24の雄型端部24bと従動軸44の雌型ソケット44cとの間の係合によって、駆動軸24から従動軸44へ伝達される。係合は、スプライン係合であってもよい。代替的に、雄型端部24bは、六角形またはその他の多角形の断面を有していてもよく、雌型ソケット44cは、駆動軸24の回転が従動軸44の回転を生じるように相補的な形状を有していてもよい。代替的な実施の形態では、駆動軸24が雌型ソケットを有していてもよく、従動軸44が、雌型ソケットに収容される雄型端部を有していてもよい。その他の実施の形態では、駆動軸24および/または従動軸は、駆動軸24から従動軸44へトルクを伝達することができる1つまたは複数の構成部材に接続されてもよい。駆動モジュール12と食品容器14との間に形成された機械的リンクは、回転可能な部材の一方の回転が回転可能な部材の他方の回転を生じるように、互いに係合可能なあらゆる2つ以上の回転可能な部材を有していてもよい。回転可能な部材の間の係合は、半径方向突出部(例えば、スプライン)と、半径方向突出部と係合するように構成された凹所(例えば、溝)との間の係合を含んでもよい。
【0041】
図4および図5は、駆動モジュール12が食品容器14に接続されている組み立てられた構成における食品提供装置10を示している。図5に示したように、駆動モジュール12および食品容器14は、互いに接続されたとき、共通の長手方向軸線300を共有する。図4は、球状粒子の形式の食品48が従動軸44の周囲で食品容器14に収容されている、使用前状態における装置10を示している。使用者が食品48を装置10から提供したいとき、力F(図5に示されている)が、プランジャ18を駆動モジュール12の本体16に対して軸方向前方へ移動させるように加えられる。上述のように、プランジャ18の軸方向移動は、駆動タブ18cとらせん状チャネル24aとの係合により、駆動軸24の回転(図5に矢印R1によって示されている)を生じる。駆動軸24の回転は、上述のように、駆動軸24と従動軸44との係合により、(図5に矢印R2によって示したように)従動軸44の回転を生じる。従動軸44の回転は、パドル44aとリッジ40cとの機械的作用によって食品48をより小さな断片へ破壊させ、より小さな断片48aは、次いで、従動軸44における開口44bを通過し、装置10から提供することができる。力Fを除去すると、プランジャ18はばね20の作用を受けて軸方向後方へ移動し、図4に示した構成へ装置を戻す。
【0042】
代替的な実施の形態では、食品48は、パドル44aおよびリッジ40c以外のものによってより小さな断片48aに破壊されてもよい。実際には、あらゆる適切な機構(例えば、回転可能に駆動されてもよい)が使用されてもよい。その他の実施の形態では、食品容器14は、上述のもの以外の他の方法で食品を処理するための手段を有していてもよい。例えば、食品容器14は、食品を粉砕する、挽く、すりつぶす、より分ける、破砕する、破壊するおよび/またはスライスするための1つまたは複数の機構を有していてもよい。
【0043】
図6は、本発明の1つの実施の形態によるラック70の分解図を示している。ラック70は、食品容器14が駆動モジュール12に接続されていないとき、1つまたは複数の食品容器14を保持するための保持装置として働く。この形式では、ラック70は、複数の食品容器14を保持してもよく、各食品容器14は、異なる食品(例えば、異なるスパイスまたは調味料)を有していてもよい。
【0044】
ラック70は、個々の後側ハウジングユニット72aを形成する後側ハウジング72を有する。各後側ハウジングユニット72aは、捕捉ばね76と、捕捉ハウジング78とを収容している。前側ハウジング80は、それぞれ後側ハウジングユニット72aに収容された個々の前側ハウジングユニット80aを形成している。外側ハウジング82は、後側ハウジング72に被さっており、ラック70に外観用カバーを提供している。外側ハウジング82は、後側ハウジングユニット72aに収容される構成部材へのアクセスを可能にする開口として形成された、個々の外側ハウジングユニット82aを形成している。図6に示した実施の形態では、外側ハウジング82は、その側面のうちの1つから突出したリブ84を有する。付加的なリブ84および溝86が、図6のラック70の2つの見えない側面に設けられていてもよい。リブ84および溝86の配置は、代替的な実施の形態において外側ハウジング82にその他の形式で設けられてもよい。リブ84および溝86は、複数のラック70のインターロック接続を可能にしてもよく、その場合、1つのラック70のリブ84は別のラック70の相補的な溝86に収容される。複数のラック70を互いに組み立てるために、代替的な実施の形態において、その他のインターロック特徴が使用されてもよい。
【0045】
図7A図7Cおよび図8A図8Fを参照して、ラック70の操作を以下により詳しく説明する。
【0046】
図7A図7Cは、ラック70の操作の複数の段階を示している。図7A図7Bに示した配置では、ラック70は、使用していないときに駆動モジュール12を収容するためにも働くスタンド88に配置されている。1つの実施の形態では、スタンド88は、スタンド88にラック70を保持するためにラック70の相補的なリブ84または溝86と係合してもよいリブまたは溝を有していてもよい。図7Aにおいて、駆動モジュール12およびラック70はスタンド88に配置されており、ラック70は複数の食品容器14を有する。図7Bは、ラック70によって保持された食品容器14のうちの1つと接続するプロセスにおける、スタンド88から取り外された駆動モジュール12を示している。図7Cは、互いに接続された駆動モジュール12と、食品容器14のうちの1つとを示しており、接続された食品容器14は、駆動モジュール12によってラック70から引き出されている。
【0047】
図8A図8Fは、駆動モジュール12を用いた、ラック70における食品容器14の交換の様々な段階を断面図で示している。図8A図8Fのそれぞれにおいて、(1つの食品容器14を収容するための)1つのラックユニット70aを有するラック70の一部が示されている。
【0048】
図8Aは、駆動モジュール12が食品容器14に接続された食品提供装置10を示している。図8Aに示したラックユニット70aは、最初は空であり、食品容器14を収容するのに適している。空のラックユニット70aにおいて、捕捉ハウジング78は、前側ハウジングユニット80aの内側(すなわち、半径方向内側)に位置している。前側ハウジングユニット80aはラック70内に固定されたままであり、捕捉ハウジング78が可動キャリッジとして働き、ラックユニット70aの長手方向軸線400に沿って前側ハウジングユニット80aに対して可動である。特に、捕捉ハウジング78は、付勢手段として働く捕捉ばね76に逆らって長手方向軸線400に沿って軸方向に可動である。これにより、捕捉ハウジング78は、捕捉ばね76が圧縮されていない第1の軸方向位置から、捕捉ばね76が少なくとも部分的に圧縮されている第2の軸方向位置へ軸方向に移動してもよい。(少なくとも部分的に)圧縮された捕捉ばね76は、捕捉ハウジング78を付勢して第1の軸方向位置へ戻すように捕捉ハウジング78に対して作用する。代替的な実施の形態では、ここに記載された捕捉ばね76の代わりに、その他の付勢部材または機構が付勢手段を提供してもよい。
【0049】
図8Bは、食品容器14がラックユニット70aに収容されるようにラックユニット70aに部分的に挿入された食品提供装置10を示している。ラックユニットへ食品容器14を挿入すると、食品容器14が捕捉ハウジング78に接触し、摩擦係合によって、捕捉ばね76を圧縮しながら長手方向軸線400に沿った捕捉ハウジング78の軸方向移動が生じる。前側ハウジングユニット80aは、その直径が長手方向軸線に対して平行な方向で減少するようにテーパした輪郭を有している。加えて、捕捉ハウジング78は、半径方向に撓むように構成されている。このような半径方向の可撓性は、捕捉ハウジング78に軸方向スロットが存在することによって提供されてもよく、軸方向スロットは、半径方向に可撓性のフィンガまたはパネルを形成している。その他の実施の形態では、捕捉ハウジング78の半径方向可撓性は、捕捉ハウジング78の構成および/または材料を含むその他の手段によって提供されてもよい。前側ハウジングユニット80aのテーパした輪郭および捕捉ハウジング78の半径方向可撓性の結果、捕捉ハウジング78は、ラックユニット70a内へ軸方向に移動しながら半径方向内方へ撓まされる。これにより、捕捉ハウジング78と食品容器14との摩擦係合が増大する。食品容器14がラックユニット70a内へ軸方向にさらに移動すると、捕捉ハウジング78と食品容器14との係合がさらに大きくなる。捕捉ばね76が完全に圧縮され、捕捉ハウジング78がラックユニット70a内へ軸方向にさらに移動することができなくなると、食品容器14は、実質的に固定された捕捉ハウジング78に対して軸方向に移動することによって、ラックユニット70a内へ軸方向にさらに前進させられてもよい。図8Cは、図8Bに示した構成に対して、ラックユニット70a内でさらに前進した軸方向位置における食品容器14を示しており、図8Dは、図8Cに示した構成に対して、ラックユニット70a内でより前進した軸方向位置における食品容器14を示している。捕捉ハウジング78は、図8B図8Cおよび図8Dにおいて同じ(「第2の」)軸方向位置にある。
【0050】
図8Dに示した構成では、食品容器14は、ラックユニット70a内へ完全に挿入されており、前側ハウジングユニット80aと当接することにより、ラックユニット70a内へそれ以上移動することができない。図8Dに示した構成では、捕捉ハウジング78と食品容器14との間の摩擦力は、駆動モジュール12と食品容器14とを一緒に保持する磁力よりも大きな第1の保持力を提供する。これにより、図8Eに示した矢印Wの方向でユーザによって駆動モジュール12に加えられた力は、駆動モジュール12を食品容器14から離脱させ、食品容器14がラックユニット70aに保持されたままにする。ユーザによって軸方向の力が食品容器14にもはや加えられなくなると、捕捉ハウジング78は、捕捉ばね76の作用を受けて第2の軸方向位置から第1の軸方向位置へ自由に移動する。第1の軸方向位置では、捕捉ハウジング78は、図8Fに示したように食品容器14をラックユニット70a内に保持することができるままである。しかしながら、食品容器14をラックユニット70a内に保持する摩擦力(「第2の保持力」を提供する)は、駆動モジュール12を食品容器14に接続することができる磁力よりも小さい。これにより、駆動モジュール12を、のちに、磁気接続が確立されるように食品容器14の近傍へ配置することができ、これにより、食品容器14を、完全に組み立てられた食品提供装置10の一部としてラックユニット70aから取り出すことができる。この形式において、それぞれが異なる食品を含んでもよい複数の食品容器14に1つの駆動モジュール12が容易に選択的に接続可能であってもよい。食品容器14が必要とされないとき、食品容器14はそれぞれラック70のラックユニット70aに保持されてもよい。同様に、駆動モジュール12が使用されないとき、駆動モジュール12はスタンド88に保管されてもよい。
【0051】
この明細書の説明および請求項を通じて、「有する」および「含む」という単語およびそれらの変化形は、「含むが、限定されない」という意味であり、その他の部分、付加、構成部分、整数またはステップを排除することは意図されていない(かつ排除しない)。この明細書の説明および請求項を通じて、単数形は、文脈が別段の要求をしていない限り、複数を包含する。特に、不定冠詞が使用されている場合、明細書は、文脈が別段の要求をしていない限り、複数および単数を想定していると理解されるべきである。
【0052】
ここに提供された特定の態様、実施の形態または実施例に関連して説明された特徴、整数、特性、化合物、化学的一部分またはグループは、不適合でない限り、ここに説明されたあらゆるその他の態様、実施の形態または実施例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書(あらゆる添付の請求項、要約書および図面を含む)に開示された全ての特徴および/またはそのように開示されたあらゆる方法またはプロセスの全てのステップは、このような特徴および/またはステップのうちの少なくとも幾つかが相互に排他的である組合せを除き、あらゆる組合せで組み合わされてよい。本発明は、あらゆる前述の実施の形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(あらゆる添付の請求項、要約書および図面を含む)に開示された特徴のうちのあらゆる新規の1つまたはあらゆる新規の組合せ、またはそのように開示されたあらゆる方法またはプロセスのステップのうちのあらゆる新規の1つまたはあらゆる新規の組合せに拡張される。
【0053】
読者の注意は、本願に関連して本明細書と同時にまたは本明細書の前に出願され、本明細書と共に公衆の閲覧に開示された全ての書面および文書に向けられ、全てのこのような書面および文書の内容は、参照により本明細書に援用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F