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特許7021125たばこインサートを備えた不燃性ベイピング要素
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】たばこインサートを備えた不燃性ベイピング要素
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20220208BHJP
【FI】
A24F40/40
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018567190
(86)(22)【出願日】2017-07-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2017067170
(87)【国際公開番号】W WO2018007633
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】15/204,272
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】リ サン
(72)【発明者】
【氏名】ラグランド ベン
(72)【発明者】
【氏名】ジー ダイアン
(72)【発明者】
【氏名】オレガリオ ラケール
【審査官】山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/075749(WO,A1)
【文献】特表2015-513393(JP,A)
【文献】特表2016-538848(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0245669(US,A1)
【文献】特開平02-124082(JP,A)
【文献】特表2015-503335(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0027469(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレベイパー製剤を収容するように構成される、プレベイパー製剤タンクであって、それを通る流路を画定する、プレベイパー製剤タンクと、
前記プレベイパー製剤タンクに結合され、前記プレベイパー製剤の少なくとも一部分を加熱して蒸気にするように、かつ前記流路の第一の部分に前記蒸気を提供するように構成される、発熱体と、
前記流路の第二の部分にあり、前記蒸気を受けるように位置付けられる、たばこ要素と、を備え、前記たばこ要素が前記流路に挿入されるように構成される着脱可能なインサートであり、前記着脱可能なインサートは、たばこ風味材料と、前記たばこ風味材料の端部のフィルターと、前記フィルターと前記たばこ風味材料と重なるチッピングペーパーと、を含み、前記チッピングペーパーは、前記たばこ風味材料の外側表面領域全体を覆う、不燃性ベイピング要素。
【請求項2】
前記たばこ要素および前記発熱体が、前記流路の対向する端にある、請求項1に記載の不燃性ベイピング要素。
【請求項3】
前記チッピングペーパーが、前記フィルターの外側表面領域を覆う、請求項1または2に記載の不燃性ベイピング要素。
【請求項4】
前記着脱可能なインサートが、少なくとも一つの風味剤を保持する香味材料を含む、請求項1~3のいずれかに記載の不燃性ベイピング要素。
【請求項5】
前記プレベイパー製剤がニコチンを含む、請求項1~4のいずれかに記載の不燃性ベイピング要素。
【請求項6】
電力を供給するように構成される、電源セクションと、
前記供給された電力を受けるように構成される、不燃性ベイピング要素であって、
プレベイパー製剤を収容するように構成される、プレベイパー製剤タンクであって、それを通る流路を画定する、プレベイパー製剤タンク、
前記プレベイパー製剤タンクに結合され、前記供給された電力を用いて、前記プレベイパー製剤の少なくとも一部分を加熱して蒸気にするように構成される、発熱体であって、前記流路の第一の部分に前記蒸気を提供するように構成される、発熱体、および
前記流路の第二の部分にあり、前記蒸気を受けるように位置付けられる、たばこ要素を含む、不燃性ベイピング要素と、を備え、前記たばこ要素が、前記流路内に挿入されるように構成される着脱可能なインサートであり、前記着脱可能なインサートが、たばこ風味材料と、前記たばこ風味材料の端部のフィルターと、前記フィルターと前記たばこ風味材料に重なるチッピングペーパーと、を含み、前記チッピングペーパーが、前記たばこ風味材料の外側表面領域全体を覆う、不燃性ベイピング装置。
【請求項7】
前記たばこ要素と前記発熱体が、前記流路の対向する端にある、請求項6に記載の不燃性ベイピング装置。
【請求項8】
前記チッピングペーパーが、前記フィルターの外側表面領域を覆う、請求項6または7に記載の不燃性ベイピング装置。
【請求項9】
前記着脱可能なインサートが、少なくとも一つの風味剤を保持する香味材料を含む、請求項6~8のいずれかに記載の不燃性ベイピング装置。
【請求項10】
前記プレベイパー製剤がニコチンを含む、請求項6~9のいずれかに記載の不燃性ベイピング装置。
【請求項11】
プレベイパー製剤を収容するように構成される、プレベイパー製剤タンクであって、それを通る流路を画定する、プレベイパー製剤タンクと、
前記プレベイパー製剤タンクに結合され、前記プレベイパー製剤の少なくとも一部分を加熱して蒸気にするように、かつ前記流路の第一の部分に前記蒸気を提供するように構成される、発熱体と、
着脱可能なインサートが、前記蒸気を受けるように位置付けられるように、前記流路の第二の部分において前記流路内に挿入されるように構成される、着脱可能なインサートであって、前記着脱可能なインサートが、少なくとも一つの風味剤を保持する香味材料を含み、前記着脱可能なインサートが、前記受けた蒸気内に前記少なくとも一つの風味剤を放出するように構成される、着脱可能なインサートと、を備え、前記着脱可能なインサートが、前記香味材料の端部のフィルターと前記フィルターと前記香味材料と重なるチッピングペーパーとをさらに備え、前記チッピングペーパーが、前記香味材料の外側表面領域全体を覆う、eベイピング要素。
【請求項12】
前記プレベイパー製剤がニコチンを含む、請求項11に記載のeベイピング要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、電子ベイピング装置、eベイピング装置、および不燃性ベイピング装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
電子ベイピング装置(EVD)としても本明細書で言及するeベイピング装置は、携帯型ベイピング用に成人電子ベイピング使用者によって使用され得る。eベイピング装置内の香味付きの蒸気は、eベイピング装置によって生成されうる蒸気とともに香味を送達するように用いられ得る。香味付きの蒸気は、香味システムを介して、送達され得る。
【0003】
eベイピング装置は、プレベイパー製剤を蒸発させて蒸気を生成するヒーターを含む。eベイピング装置は、電源と、カートリッジまたはヒーターを含むeベイピングタンクと、加えてプレベイパー製剤を保持することができる貯蔵部とを含むいくつかのeベイピング要素を含み得る。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの例示的な実施形態によると、不燃性ベイピング要素は、プレベイパー製剤タンクと、プレベイパー製剤タンクに結合される発熱体と、たばこ要素と、を含み得る。プレベイパー製剤タンクは、プレベイパー製剤を収容するように構成され得る。プレベイパー製剤タンクは、それを通る流路を画定し得る。発熱体は、プレベイパー製剤タンクに結合されてもよく、プレベイパー製剤の少なくとも一部分を加熱して蒸気にするように、かつ流路の第一の部分に蒸気を提供するように構成されてもよい。たばこ要素は、流路の第二の部分にあり、蒸気を受けるように位置付けられてもよい。
【0005】
たばこ要素と発熱体は、流路の対向する端にあり得る。
【0006】
たばこ要素は、流路内に挿入されるように構成される着脱可能なインサートであってもよく、着脱可能なインサートは、たばこ風味材料を含む。
【0007】
着脱可能なインサートは、たばこ風味材料の端にフィルターを含み得る。
【0008】
着脱可能なインサートは、フィルターおよびたばこ風味材料を覆うチッピングペーパーを含み得る。
【0009】
チッピングペーパーは、フィルターおよびたばこ風味材料の外側表面領域を覆い得る。
【0010】
チッピングペーパーは、たばこ風味材料の外側表面領域全体を覆ってもよい。
【0011】
着脱可能なインサートは、香味材料を含み得る。香味材料は、少なくとも一つの風味剤を保持し得る。
【0012】
プレベイパー製剤は、ニコチンを含んでもよい。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態によると、不燃性ベイピング装置は、電力を供給するように構成される電源セクションと、供給される電力を受けるように構成される不燃性ベイピング要素と、を含み得る。不燃性ベイピング要素は、プレベイパー製剤を収容するように構成されるプレベイパー製剤タンクと、プレベイパー製剤タンクに結合される発熱体と、たばこ要素と、を含み得る。プレベイパー製剤タンクは、それを通る流路を画定し得る。発熱体は、供給された電力を用いて、プレベイパー製剤の少なくとも一部分を加熱して蒸気にするように構成され得る。発熱体は、流路の第一の部分に蒸気を供給するように構成され得る。たばこ要素は、流路の第二の部分にあってもよく、蒸気を受けるように位置付けられてもよい。
【0014】
たばこ要素と発熱体は、流路の対向する端にあり得る。
【0015】
たばこ要素は、流路内に挿入されるように構成される着脱可能なインサートであり得る。着脱可能なインサートは、たばこ風味材料を含み得る。
【0016】
着脱可能なインサートは、たばこ風味材料の端にフィルターを含み得る。
【0017】
着脱可能なインサートは、フィルターおよびたばこ風味材料を覆うチッピングペーパーを含み得る。
【0018】
チッピングペーパーは、フィルターおよびたばこ風味材料の外側表面領域を覆い得る。
【0019】
チッピングペーパーは、たばこ風味材料の外側表面領域全体を覆ってもよい。
【0020】
着脱可能なインサートは、香味材料を含み得る。香味材料は、少なくとも一つの風味剤を保持し得る。
【0021】
プレベイパー製剤は、ニコチンを含んでもよい。
【0022】
いくつかの例示的な実施形態によると、ベイピング要素は、プレベイパー製剤を収容するように構成されるプレベイパー製剤タンクと、プレベイパー製剤タンクに結合される発熱体と、着脱可能なインサートと、を含み得る。プレベイパー製剤タンクは、プレベイパー製剤を収容するように構成され得る。プレベイパー製剤タンクは、それを通る流路を画定し得る。発熱体は、プレベイパー製剤の少なくとも一部分を加熱して蒸気にするように、かつ流路の第一の部分に蒸気を提供するように構成されてもよい。着脱可能なインサートは、着脱可能なインサートが蒸気を受けるように位置付けられるように、流路の第二の部分において流路内に挿入されるように構成され得る。着脱可能なインサートは、少なくとも一つの風味剤を保持する香味材料を含み得る。着脱可能なインサートは、受けた蒸気内に少なくとも一つの風味剤を放出するように構成され得る。
【0023】
プレベイパー製剤は、ニコチンを含んでもよい。
【0024】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、請求項の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明示的に注記されていない限り、実寸に比例して描かれていると考えられるべきでない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A図1Aは、一部の例示的な実施形態によるeベイピング装置の側面図である。
図1B図1Bは、図1Aの、線IB-IB’に沿ったeベイピング装置の断面図である。
図1C図1Cは、いくつかの例示的な実施形態によるeベイピング装置の分解組立図である。
図2A図2Aは、いくつかの例示的な実施形態によるプレベイパー製剤タンクセクションの断面図である。
図2B図2Bは、いくつかの例示的な実施形態によるプレベイパー製剤タンクセクションの断面図である。
図3図3A図3B図3Cおよび図3Dは、いくつかの例示的な実施形態による香味インサートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型である。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0027】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明する。ところが、当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるあらゆる修正、均等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体で同様の要素を意味する。
【0028】
要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に結合される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接ある、それに直接的に接続される、それに直接的に結合される、またはそれを直接的に覆う、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよいことが理解されるべきである。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に結合される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、明細書の全体で同様の要素を指す。
【0029】
第一の、第二の、第三のなどという用語は、様々な要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されないことを理解するべきである。これらの用語は、一つの要素、領域、層、またはセクションを別の要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。それ故、下記で考察される第一の要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0030】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に図示されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていることを理解するべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、用語「下方に」は上方および下方の両方の方向を包含する場合がある。装置は、その他の方法で(90度回転して、または他の方向で)方向付けられる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0031】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は本明細書で使用される場合、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合はその限りではない。本明細書で使用される時、「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は述べられた特徴、整数、工程、動作、または要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0032】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態の概略図(および中間構造)である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または許容差の結果として得られた図の形状からの変化が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造に起因する形状の逸脱を含む。
【0033】
その他の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0034】
図1Aは、一部の例示的な実施形態によるeベイピング装置60の側面図である。図1Bは、図1Aの、線IB-IB’に沿ったeベイピング装置の断面図である。図1Cは、いくつかの例示的な実施形態によるeベイピング装置の分解組立図である。eベイピング装置60は、2013年1月31日に出願されたU.S.Patent Application Publication No.2013/0192623 to Tucker et al.、および2013年1月14日に出願されたU.S.Patent Application Publication No.2013/0192619 to Tucker et al.において述べられる特徴のうち一つ以上を含み得、そのそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される「eベイピング装置」という用語は、形態、大きさ、または形状にかかわらず、すべての種類の電子ベイピング装置を含む。いくつかの例示的な実施形態では、eベイピング装置60は不燃性ベイピング装置である。
【0035】
図1A図1Cを参照すると、eベイピング装置60は、時々「eベイピングタンク」として本明細書で言及される、交換可能なプレベイパー製剤タンクセクション(または第一のセクション)70と、再使用可能な電源セクション(または第二のセクション)72と、香味インサート80と、を含む。セクション70、72は、それぞれのセクション70、72の相補的な境界面74、84で一緒に連結され得る。香味インサート80は、プレベイパー製剤タンクセクション70の流路28の開口部50b内に挿入されることによって、プレベイパー製剤タンクセクション70に結合され得る。香味インサート80は、開口部50b内に挿入されることに基づいて、流路28の出口部分に位置付けられ得る。香味インサート80は、流路28の出口部分に位置付けられることに基づいて、プレベイパー製剤タンクセクション70によって形成される蒸気を受けるように位置付けられ得る。
【0036】
いくつかの例示的な実施形態では、境界面74、84は、ねじ状のコネクタである。境界面74、84が、限定されないが、滑り嵌め、戻り止め、クランプ、差込みピン、または留め金のうちの少なくとも一つを含む、任意のタイプのコネクタであってもよいことは認識されるべきである。
【0037】
プレベイパー製剤タンクセクション70は、プレベイパー製剤タンク22および受接管90を含み得る。プレベイパー製剤タンク22および受接管90は、コネクタ素子29、12a(例えば、それぞれの雄および雌ねじ接続部)を介して、それぞれ接続され得る。接続要素29、12aは、相補的なコネクタであり得る。受接管90は、境界面74を含み、境界面74と84、さらに境界面29と12aの結合を通じて、電源セクション72にプレベイパー製剤タンク22を結合する。
【0038】
図1A図1Cをさらに参照すると、プレベイパー製剤タンク22は、長手方向に延在する外側管(またはハウジング)24と、長手方向に延在する内側管25と、プレベイパー製剤タンク22の出口端部を画定するガスケット組立品51と、を含む。プレベイパー製剤タンク22の対向する端部(先端部)は、外側ハウジング24および内側管25のそれぞれの先端部を含む。
【0039】
いくつかの例示的な実施形態では、外側ハウジング24は、プレベイパー製剤タンクセクション70と電源セクション72の両方を収容する単一の管であってもよく、またeベイピング装置60全体を使い捨てとすることができる。図1A図1Cに示す例示的な実施形態に示されるように、外側ハウジング24は、概して円柱状の断面を有し得る。いくつかの例示的な実施形態では、外側ハウジング24は、プレベイパー製剤タンクセクション70および電源セクション72のうち一つ以上沿う全体的に三角形の断面を持ち得る。いくつかの例示的な実施形態では、外側ハウジング24は、eベイピング装置60の出口端部における円周または寸法よりも大きい先端部における円周または寸法を有し得る。
【0040】
内側管25は、プレベイパー製剤タンク22を通る流路28の少なくとも一部分を画定し得る。内側管25の先端部は、流路28の先端部分(または「第一の部分」)に開口部50aを画定し得る。図1Bに示すように、内側管25の出口端部は、ガスケット組立品51と結合して、流路28の出口部分(または「第二の部分」)に開口部50bを画定する。いくつかの例示的な実施形態では、内側管25は、ガスケット組立品51を通じて延在して、流路28の出口部分を画定する。いくつかの例示的な実施形態では、ガスケット組立品51は流路51cを含む。図1Bに示す例示的な実施形態では、内側管25の出口端部は、ガスケット組立品流路51cを通じて延在して、流路28の出口部分および流路28の開口部50bを画定する。
【0041】
いくつかの例示的な実施形態では、ガスケット組立品51は、ガスケット組立品流路51cおよび内側管25が流路28の個々の部分を画定し、またガスケット組立品流路51cが流路28の開口部50bおよび出口部分の両方を画定するように、内側管25と結合し得る。
【0042】
いくつかの例示的な実施形態では、プレベイパー製剤タンク22は、貯蔵部23の形態のプレベイパー製剤貯蔵部を含む。図1A図1Cに示す例示的な実施形態を含むいくつかの例示的な実施形態では、プレベイパー製剤タンク22は、環状の貯蔵部23を含む。貯蔵部23は、外側ハウジング24の内側表面、内側管25の外側表面、プレベイパー製剤タンク22の出口端部におけるガスケット組立品51、ならびにコネクタ素子12aおよび15を介してそれぞれ外側ハウジング24および内側管25に結合される、受接管90に含まれるガスケット組立品8によって画定される。
【0043】
ガスケット組立品51は、外側ハウジング24および内側管25のそれぞれの出口端部に結合されて、貯蔵部23の出口端部を画定する。図1Bに示すように、ガスケット組立品51は、流路51cを含み、それは、ガスケット組立品51を通じて延在する流路28の出口部分を画定し得る。
【0044】
図1A図1Cに示す例示的な実施形態では、貯蔵部23は、中央の空気流路28の周りに位置付けられる環状部である。流路28は、内側管25の内側表面によって少なくとも部分的に画定される。流路28は、貯蔵部23にプレベイパー製剤を加えるために、プレベイパー製剤タンク22の内部にアクセスするための開口部を提供し得る。プレベイパー製剤タンク22は、プレベイパー製剤タンク22を連続的に再利用するために、任意の市販のプレベイパー製剤を用いて貯蔵部の開口部を介して、再充填可能であり得る。いくつかの例示的な実施形態では、貯蔵部の開口部は、ガスケット組立品51に含まれ、ガスケット組立品51を通るプレベイパー製剤タンク22の外部から貯蔵部23へのアクセスを可能にする。
【0045】
プレベイパー製剤タンク22の少なくとも一部分は、透明な壁を有し、それは、,貯蔵部23内のプレベイパー製剤の量の手動の観察および監視を可能にし得る。例えば、外側ハウジング24の少なくとも一部分は、透明材料、半透明材料、いくつかのそれらの組み合わせ等であり得る。内側管25の少なくとも一部分は、透明材料、半透明材料、いくつかのそれらの組み合わせ等であり得る。図1A図1Cに示すように、外側ハウジング24は、貯蔵部23内に保持されているプレベイパー製剤の量の視覚的に観察可能な表示を提供し得る、一組の目盛線71を含み得る。
【0046】
図1Cに示すように、プレベイパー製剤タンク22は、外側ハウジング24および内側管25のそれぞれの先端部の間に画定される、貯蔵部の開口部50dを含み得る。図1Cに示すように、貯蔵部の開口部50dは、内側管25によって画定される流路28の周りに延在する、環状の開口部であり得る。貯蔵部の開口部50dは、成人eベイピング装置使用者がプレベイパー製剤タンク22の内部にアクセスして、貯蔵部23内に一つ以上のプレベイパー製剤を加えるための開口部を提供し得る。こうした加えることには、プレベイパー製剤タンク22と受接管90を分離すること、開口部50dを通じて、貯蔵部23にプレベイパー製剤を加えること、およびプレベイパー製剤タンク22と受接管90とを一緒に再結合することが含まれ得る。
【0047】
ガスケット組立品51は、香味インサート80がガスケット組立品51の通路を通じて挿入された時に、香味インサート80をeベイピング装置60に結合して、流路28の出口端部に香味インサート80を位置付けるように構成される、一つ以上のコネクタ素子52を含む。いくつかの例示的な実施形態では、コネクタ素子52は、流路28の内側表面の周りに延在する。
【0048】
プレベイパー製剤タンク22は、外側ハウジング24の先端部にコネクタ素子29を含み得る。コネクタ素子29は、受接管90のコネクタ素子12aと結合するように構成される。内側管25の先端部は、受接管90のコネクタ素子15と結合するように構成され得る。示されるように、外側ハウジング24および内側管25のうち一つ以上は、個々に形成される、耐熱性プラスチックまたはガラス繊維織布で構成された自立型の(個別の)中空体を含み得る。
【0049】
図1A図1Cをさらに参照すると、受接管90は、ガスケット組立品8、分配境界面32、発熱体34および境界面74を含む。示されるように、受接管90は、コネクタ素子91と、電気リード線36-1および36-2と、をさらに含む。電気リード線36-1および36-2は、境界面74およびコネクタ素子91のそれぞれに発熱体34を結合する。
【0050】
コネクタ素子91は、絶縁材料91bと導電性材料91aを含み得る。導電性材料91aは、リード線36-2を電源12に電気的に結合してもよく、リード線36-2と境界面74との間の電気的短絡の可能性が低減されるか防止されるように、絶縁材料91bは導電性材料91aを境界面74から絶縁してもよい。例えば、コネクタ素子91がeベイピング装置60の長手方向軸に直交する円筒形の断面を含む場合、コネクタ素子91に含まれる絶縁材料91bは、コネクタ素子91の外側環状部分にあってもよく、導電性材料91aは、絶縁材料91bが導電性材料91aを囲んで導電性材料91aと境界面74との間の電気的短絡の可能性を低減または防止するように、コネクタ素子91の内側円筒形部分にあってもよい。
【0051】
ガスケット組立品8は、内側管25の先端部と結合するように構成される、ノーズ部30を含む。ガスケット組立品8は、ノーズ部30を通じて延在し、流路28の先端部分を画定する内側管25の内部に開口する、流路14を含む。
【0052】
受接管90は、ガスケット組立品8の後部部分に内部空間10を含む。空間10は、受接管90の外側ハウジング38、境界面74、ガスケット組立品8、およびコネクタ素子91によって画定される。空間10は、通路14と、ガスケット組立品8とコネクタ素子91との間に位置される一つ以上の空気吸込み口ポート44との間の連通を確実にする。コネクタ素子91は、境界面74内に含まれ得る。
【0053】
いくつかの例示的な実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口ポート44は、境界面74に隣接して外側ハウジング38に形成され、成人eベイピング装置使用者の指が空気吸込み口ポート44のうちの一つを塞ぐ可能性を最小にし、またベイピングの間の引き出し抵抗(RTD)を制御し得る。いくつかの例示的な実施形態では、空気吸込み口ポート44は、それらの直径が、製造時に正確に制御されて、一つのeベイピング装置60から次のものへと複製されるように、精密な工具を用いて外側ハウジング38内に機械加工され得る。
【0054】
いくつかの例示的な実施形態では、空気吸込み口ポート44は、超硬合金ドリルビットまたはその他の高精密な道具もしくは技術を用いて穴をあけられ得る。いくつかの例示的な実施形態では、外側ハウジング38は、空気吸込み口ポート44のサイズおよび形状が、製造作業、包装および蒸気の吸引の間に変化しなくなり得るように、金属または金属合金で形成され得る。したがって、空気吸込み口44は、一定したRTDを提供することができる。いくつかの例示的な実施形態では、空気吸込み口ポート44は、eベイピング装置60が約60ミリメートルの水~約150ミリメートルの水の範囲においてRTDを有するように、サイズ設定され、また構成され得る。
【0055】
図1Bに示すように、ガスケット組立品8は、受接管90がコネクタ素子12aおよび15を通じてプレベイパー製剤タンク22結合された時に、貯蔵部23の先端部を画定するように構成される。ガスケット組立品8は、流路14の内側表面に結合されるコネクタ素子15を含む。コネクタ素子15は、内側管25の先端部をガスケット組立品8に結合して、空間10および流路14、28から貯蔵部23を密封する、または実質的に密封し得る。
【0056】
ガスケット組立品8は、貯蔵部23からプレベイパー製剤を引き出すように構成される分配境界面32、および引き出されたプレベイパー製剤を気化して、蒸気95を形成するように構成される発熱体34を含む。分配境界面32と発熱体34は、気化器組立品として集合的に言及され得る。
【0057】
分配境界面32は、分配境界面32が流路14にわたって横軸方向に延在し得るように、ガスケット組立品8に結合される。図1Bに示す例示的な実施形態では、分配境界面32は、ノーズ部30に結合され、ノーズ部30内に流路14を通じて延在する。
【0058】
分配境界面32は、ガスケット組立品8の側部分を通じて突出する一つ以上の端部を含んでもよく、そのため分配境界面32の一つ以上の端部は、受接管90がプレベイパー製剤タンク22に結合された時に、貯蔵部23の内部に露出され得る。分配境界面32の一つ以上の端部は、貯蔵部23内に保持されているプレベイパー製剤に浸され得る。図1Bに示す例示的な実施形態では、例えば、受接管90は、分配境界面32の中央部分(「トランク」)が流路14を通じて延在し、かつ分配境界面32の端部分(「根元」)がノーズ部30の個々の外側表面から延在するように、ガスケット組立品8のノーズ部30に結合される、分配境界面32を含む。図1Bに示すように、分配境界面32の端部分は、受接管90とプレベイパー製剤タンク22が一緒に結合された時に、貯蔵部23内に位置付けられ、そのため分配境界面32は、貯蔵部23からプレベイパー製剤を引き出すように構成される。
【0059】
発熱体34は、分配境界面32に結合され、熱を発生するように構成される。図1Bに示す例示的な実施形態に示すように、発熱体34は、ガスケット組立品8の対向する部分間の流路14にわたって横軸方向に延在し得る。いくつかの例示的な実施形態では、発熱体34は、流路14の長手方向軸に平行に延在し得る。
【0060】
分配境界面32は、貯蔵部23からプレベイパー製剤を引き出すように構成され、そのためプレベイパー製剤は、発熱体34による分配境界面32の加熱に基づいて、分配境界面32から気化され得る。
【0061】
ベイピングの間、プレベイパー製剤は、分配境界面32の毛細管作用によって、貯蔵部23および貯蔵媒体のうちの少なくとも一つから発熱体34の近傍に移動され得る。発熱体34が作動されて、熱を発生した時に、分配境界面32のその中央部分の中のプレベイパー製剤が発熱体34によって気化され、蒸気95を形成し得るように、発熱体34は分配境界面32の中央部分(「トランク」)を少なくとも部分的に囲み得る。
【0062】
図1A図1Cをさらに参照すると、受接管90はコネクタ素子91を含む。コネクタ素子91は、陰極コネクタ要素および陽極コネクタ要素のうち一つ以上を含み得る。図1Bに示す例示的な実施形態では、例えば、電気リード線36-2はコネクタ素子91に結合される。図1Bにさらに示すように、コネクタ素子91は、電源セクション72に含まれる電源12と結合するように構成される。境界面74、84が一緒に結合される場合、コネクタ素子91および電源12が一緒に連結されてもよい。コネクタ素子91と電源12を一緒に連結することによって、電気リード線36-2と電源12が一緒に電気的に連結され得る。
【0063】
いくつかの例示的な実施形態では、境界面74および境界面84のうち一つ以上は、陰極コネクタ素子および陽極コネクタ素子のうち一つ以上を含む。図1Bに示す例示的な実施形態では、例えば、導線36-1は境界面74に結合される。さらに図1Bに示すように、電源セクション72は、制御回路11を境界面84に結合するリード線92を含む。境界面74と境界面84が一緒に結合された時に、結合された境界面74、84は、一緒に電気リード線36-1および電気リード線92に電気的に結合され得る。
【0064】
境界面74と境界面84が一緒に結合されると、プレベイパー製剤タンクセクション70および電源セクション72を通る一つ以上の電気回路が確立され得る。確立された電気回路は、少なくとも発熱体34、制御回路11、および電源12を含んでもよい。電気回路は、電気リード線36-1および電気リード線36-2、リード線92、ならびに境界面74、84を含み得る。
【0065】
図1A図1Cをさらに参照すると、貯蔵部23は、風味剤を含まないプレベイパー製剤を含んでもよく、そのため発熱体34が分配境界面32内のプレベイパー製剤を気化して、蒸気95を形成した時に、その蒸気95(「発生した蒸気」として本明細書でまた言及される)は、実質的に香味を有さなくてもよい。こうした貯蔵部23に保持されているプレベイパー製剤内に風味剤がないことは、発熱体34によるプレベイパー製剤の加熱の結果の気化に基づく、貯蔵部23内のプレベイパー製剤材料と風味剤との間の化学反応の軽減をもたらし得る。
【0066】
eベイピング装置60は、香味インサート80が流路28の出口部分に位置付けられ、流路28を通過する蒸気95を受けるように構成されるように、プレベイパー製剤タンクセクション70に結合されるように構成される香味インサート80を含む。プレベイパー製剤タンクセクション70は、流路28の対向する端に、香味インサート80および気化器組立品(分配境界面32および発熱体34を備える)を位置決めするように構成される。図1Bに示すように、例えば、分配境界面32および発熱体34は、流路28の先端部分における開口部50aの近位にある。さらに、香味インサート80は、流路28の出口部分における開口部50bの近位にある。
【0067】
図1Bに示すように、香味インサート80は、香味インサート80の内部を囲む容器構造82を含み得る。香味インサート80は、香味材料85を含み得る。香味材料85は、一つ以上の風味剤を含み得る。香味インサート80は、香味インサート80の内部を通過する蒸気から一つ以上の特定のタイプの物質を除去するように構成される、一つ以上のフィルター要素86を含み得る。
【0068】
本明細書で使用される場合、「風味剤」という用語は、香味またはアロマのうちの少なくとも一つを成人eベイピング装置使用者に提供しうる、化合物または化合物の組み合わせを説明するために使用される。いくつかの例示的な実施形態では、風味剤は、少なくとも一つの成人eベイピング装置使用者の知覚受容体と相互作用するように構成される。風味剤は、オルソネイザル刺激およびレトロネイザル刺激のうちの少なくとも一つを介して、知覚受容体と相互作用するように構成され得る。風味剤は、一つ以上の揮発性香味物質を含み得る。
【0069】
少なくとも一つの風味剤は、天然風味剤または人工(「合成」)風味剤のうち一つ以上を含み得る。少なくとも一つの風味剤は、一つ以上の植物抽出物材料を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、少なくとも一つの風味剤は、タバコフレーバ、メントール、ウインターグリーン、ペパーミント、ハーブフレーバ、フルーツフレーバ、ナッツフレーバ、リカーフレーバ、およびその組み合わせのうち一つ以上である。いくつかの例示的な実施形態では、風味剤は、植物性材料に含まれる。植物性材料は、一つ以上の植物の材料を含み得る。植物性材料は、一つ以上のハーブ、スパイス、果実、根、葉、草等を含み得る。例えば、植物性材料は、オレンジ皮材料およびセイヨウコウボウ材料を含み得る。別の実施例では、植物性材料はたばこ材料を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、たばこ風味(「たばこ風味剤」)である風味剤は、合成材料および植物抽出物材料のうちの少なくとも一つを含む。たばこ風味剤に含まれる植物抽出物材料は、一つ以上のたばこ材料から抽出され得る。
【0070】
いくつかの例示的な実施形態では、たばこ材料はタバコ属に属する任意の数の材料を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、たばこ材料は二つ以上の異なるたばこ品種のブレンドを含む。使用されうる適切なタイプのたばこ材料の例には、火力乾燥たばこ、バーレー種たばこ、ダークたばこ、メリーランド種たばこ、オリエント葉たばこ、希少たばこ、特殊たばこ、その混合物、およびこれに類するものが含まれるが、これに限定されない。たばこ材料は、たばこラミナ、加工たばこ材料(ボリュームエクスパンデッドまたはパフトたばこなど)、加工たばこ茎(カットロールドまたはカットパフトステムなど)、再生たばこ材料、その混合物、およびこれに類するものを含め、これに限定されない適切な任意の形態で提供されうる。いくつかの例示的な実施形態では、たばこ材料は実質的に乾燥したたばこの塊の形態である。
【0071】
いくつかの例示的な実施形態では、たばこ風味材料85を含む香味インサート80は、たばこ要素と言及される。いくつかの例示的な実施形態では、香味インサート80は、一つ以上のタイプのたばこである香味材料85(たばこ風味材料85とまた言及される)を保持する、たばこロッドである。たばこロッド80は、たばこ風味材料85の少なくとも一部分が燃焼し、たばこロッド80の端部の外へ方向付けられるように、少なくとも部分的に燃焼するように構成され得る。たばこロッド80は、紙巻たばこ、葉巻、細い葉巻、いくつかのそれらの組み合わせ等のうち一つ以上を含み得る。たばこロッド80は、少なくともたばこ風味材料85の燃焼の一つ以上の生成物を含む蒸気から一つ以上の実例の特定の物質を除去するように構成される、フィルター要素86を含み得る。
【0072】
いくつかの例示的な実施形態では、少なくともプレベイパー製剤タンクセクション70は、少なくとも発生した蒸気95を形成するように構成される、不燃性ベイピング要素である。不燃性ベイピング要素70は、流路28を通じ、また流路28の出口部分に位置付けられるたばこロッド80を通るように、発生した蒸気95を方向付けて、そのため一つ以上の風味剤が、たばこロッド80のたばこ風味材料85から発生した蒸気95内に溶出して、香味付きの蒸気97を形成し得る。不燃性ベイピング要素70は、たばこ風味材料85のいくつかの燃焼と無関係に、こうした溶出を可能にするように構成される。
【0073】
いくつかの例示的な実施形態では、発生した蒸気95は、香味材料85の温度と比較して高温であり得る。発生した蒸気95が香味インサート80を通過する時に、発生した蒸気95は、香味材料85に熱を伝達し得る。いくつかの例示的な実施形態では、香味材料85から発生した蒸気95への風味剤溶出は、発生した蒸気95による香味材料85の加熱に基づいて、向上し得る。発生した蒸気95内への風味剤の向上した溶出に基づいて、香味付きの蒸気97は、香味材料85が未加熱である例示的な実施形態と比較して、増加した量の溶出された風味剤を含むことができ、それにより、eベイピング装置により提供される知覚体験が向上し得る。
【0074】
図1A図1Cの例示の実施形態に示されるように、香味インサート80は、流路28内に開口部50bを通じて挿入され、そのため香味インサート80は、その中の一つ以上のコネクタ素子52と結合し得る。コネクタ素子52は、香味インサート80の容器構造82と流路28の内側表面との間に気密な、または実質的に気密なシールを形成し、そのため流路28を通過する蒸気95は、方向付けされて、香味インサート80の内部を通じてeベイピング装置60から抜け出ることができる。
【0075】
いくつかの例示的な実施形態では、一つ以上のコネクタ素子52は存在せず、香味インサート80の容器構造82は、香味インサート80が流路28内に挿入された時に、流路28の内側表面との気密な、または実質的に気密なシールを形成する。流路28の内側表面は、香味インサート80の容器構造82との摩擦ばめを形成して、それにより、香味インサート80とプレベイパー製剤タンクセクション70を結合し、流路28の出口部分における適所に香味インサート80を保持するように構成され得る。
【0076】
いくつかの例示的な実施形態では、香味インサート80は、一つ以上の香味インサート80がeベイピング装置60から取り替えられ得るように、流路28と取り外し可能に結合されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、香味インサート80は、着脱可能なインサートと言及され得る。
【0077】
図1Bに示すように、開口部50bを通じて流路28の出口端部に位置付けられる香味インサート80は、分配境界面32の中央部分およびそれに結合される発熱体34が位置される流路14と流体連通して位置付けられる。流路28は、流路14内に形成された発生した蒸気95を方向付けて、流路28の出口端部で香味インサート80の内部を介してプレベイパー製剤タンクセクション70から抜け出るように構成され得る。
【0078】
香味材料85は、一つ以上の実例の香味材料85を含む多孔性構造であってもよい。多孔性構造は、流路28と流体連通して風味剤を保持することができ、その結果、プレベイパー製剤タンクセクション70内に形成され、流路28を介して香味インサート80で受けられ、香味インサート80を通過する発生した蒸気95は、多孔性構造を少なくとも部分的に通り、多孔性構造によって保持される風味剤と流体連通し得る。発生した蒸気95は、溶出剤として作用し、香味インサート80から、発生した蒸気95へ風味剤を溶出して、溶出物を形成し得る。溶出物は、発生した蒸気95および風味剤を含み得る。こうした溶出物は、香味付きの蒸気97として言及され得る。
【0079】
いくつかの例示的な実施形態では、発生した蒸気95に溶出される風味剤は、微粒子相である。微粒子相は、液相、位相等を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、発生した蒸気95に溶出される風味剤は、蒸気相、気相等である。風味剤は、揮発性香味物質を含んでもよく、揮発性香味物質は、発生した蒸気95に溶出され得る。いくつかの例示的な実施形態では、発生した蒸気95に溶出される風味剤は、不揮発性香味物質を含む。
【0080】
いくつかの例示的な実施形態では、香味インサート80が、プレベイパー製剤タンクセクション70から分離される風味剤を保持し、プレベイパー製剤タンクセクション70が、発生した蒸気95の形成に続いて香味インサート80を通る発生した蒸気95を導くように構成される場合、発生した蒸気95は、流路14における初期段階での温度から冷却され得る。香味インサート80を通過する発生した蒸気95が初期段階での温度から冷却される場合、発生した蒸気95に溶出される風味剤と発生した蒸気95の要素との間の化学反応は、少なくとも部分的に軽減され、それにより、香味付きの蒸気97の望ましい香味の損失を軽減することができる。
【0081】
いくつかの例示的な実施形態では、香味インサート80は、香味インサート80を通る発生した蒸気95を冷却するように構成される。香味インサート80は、発生した蒸気95から発生した蒸気95に溶出される風味剤および香味インサート80に含まれる材料のうちの少なくとも一つへの熱伝達に基づいて、未加工の蒸気95を冷却し得る。いくつかの例示的な実施形態では、発生した蒸気95から香味インサート80に含まれる風味剤および材料のうちの少なくとも一つへの熱伝導は、発生した蒸気95に溶出される風味剤の量を増加する。増加した量の溶出された風味剤を有する香味付きの蒸気97は、向上した知覚体験を提供し得る。いくつかの例示的な実施形態では、香味インサート80を出る香味付きの蒸気97は、香味インサート80に入る発生した蒸気95よりも冷たくあり得る。香味インサート80に入る発生した蒸気よりも冷たい香味付きの蒸気97は、香味付きの蒸気97の減少した温度に基づいて、向上した知覚体験を提供し得る。
【0082】
いくつかの例示的な実施形態では、風味剤は、プレベイパー製剤がその中に含まれたプレベイパー製剤タンクセクション70から分離される香味インサート80に含まれるので、eベイピング装置60に含まれる風味剤は、プレベイパー製剤タンクセクション70内のプレベイパー製剤と無関係に交換可能であり得る。香味インサート80は、別の香味インサート80と取り替えられて、それにより、成人eベイピング装置使用者にとって望ましいeベイピング装置60に含まれる風味剤と取り替えられ得る。香味インサート80は、別の香味インサート80と取り替えられて、それにより、プレベイパー製剤タンクセクション70、その中に保持されるプレベイパー製剤、またはその両方を取り替えることなく、eベイピング装置60内の風味剤を補充することができ、ここにおいて、貯蔵部23は、十分なプレベイパー製剤を含み、追加的なベイピングを支持し得る。
【0083】
さらに図1Aおよび図1Bを参照すると、電源セクション72は、長手方向に延在する外側ハウジング17と、eベイピング装置60の自由端または先端に隣接する空気吸込み口ポート44aを介して電源セクション72に引き込まれる空気に反応するセンサー13と、少なくとも一つの電源12と、制御回路11と、を含む。電源12は再充電可能電池を含み得る。センサー13は、圧力センサー、微小電気機械システム(MEMS)センサー等のうち一つ以上であってもよい。
【0084】
いくつかの例示的な実施形態では、電源12は、eベイピング装置60内で陽極が陰極の下流となるように配置された電池を含む。コネクタ素子91は電池の下流端部と接触する。発熱体34は、少なくとも二つの間隔をおいて配置される電気リード線36-1および36-2、境界面74、84、コネクタ素子91、電気リード線92、ならびに制御回路11によって、電源12に結合され得る。
【0085】
電源12は、リチウム-イオン電池またはその別形のうちの一つ、例えばリチウム-イオンポリマーバッテリーでもよい。あるいは、電源12は、ニッケル・水素電池、ニッケル・カドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウム・コバルト電池、または燃料電池であり得る。eベイピング装置60は、電源12のエネルギーが消耗されるまで、またはリチウムポリマー電池の場合には、最小の電圧カットオフレベルが達成されるまで、成人eベイピング装置使用者によって有用であり得る。
【0086】
さらに、電源12は再充電可能であってもよく、外部充電装置による電池の充電を可能にする回路を含んでもよい。eベイピング装置60を再充電するため、ユニバーサルシリアルバス(USB)充電器または他の適切な充電器アセンブリが使用されてもよい。
【0087】
プレベイパー製剤タンクセクション70と電源セクション72との間の接続の完成に基づいて、少なくとも一つの電源12は、センサー13の作動に基づいて、プレベイパー製剤タンクセクション70の発熱体34に電気的に接続され得る。空気は主に、一つ以上の空気吸込み口ポート44を通してプレベイパー製剤タンクセクション70の中へと引き出される。一つ以上の空気吸込み口ポート44は、第一のセクション70と第二のセクション72の外側ハウジング38と外側ハウジング17に沿って、または結合される境界面74、84のうち一つ以上に、位置され得る。
【0088】
センサー13は、空気圧力の降下を感知し、電源12から発熱体34への電圧の印加を開始するよう構成され得る。図1Bに図示した例示的な実施形態に示すように、電源セクション72の一部の例示的な実施形態は、発熱体34が起動した時に、光るよう構成されるヒーター作動灯48を含む。ヒーター作動灯48は、発光ダイオード(LED)を含み得る。さらに、ヒーター作動灯48は、ベイピングの間、成人eベイピング装置使用者から見えるように配置され得る。加えて、ヒーター作動灯48は、eベイピングシステムの診断に、または再充電の進行を示すために利用することができる。ヒーター作動灯48を、成人eベイピング装置使用者がプライバシーのためにヒーター作動灯48を作動する、作動停止する、または作動および作動停止するようにも構成することもできる。図1A図1Cに示すように、ヒーター作動灯48は、eベイピング装置60の先端部に位置してもよい。例示的な実施形態によっては、ヒーター作動灯48は、外側ハウジング17の側部に位置してもよい。
【0089】
さらに、少なくとも一つの空気吸込み口ポート44aは、センサー13が、eベイピング装置60の出口端部を通して引き出された蒸気を示す気流を感知しうるように、センサー13に隣接して位置され得る。センサー13は、電源12およびヒーター作動灯48を起動させて、発熱体34が作動していることを示し得る。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、センサー13に応答して発熱体34への電力の供給を制御し得る。いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、最大時間リミッターを含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、成人電子ベイピング使用者が手動でベイピングを開始するための手動で操作可能なスイッチを含んでもよい。発熱体34への電流供給の時間は、気化させたいプレベイパー製剤の所望の量に応じて予め設定されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、センサー13が圧力降下を検出する限り、発熱体34への電力供給を制御することができる。
【0091】
発熱体34への電力の供給を制御するため、制御回路11は、コンピュータ実行可能プログラムコードの一つ以上のインスタンスを実行してもよい。制御回路11は、プロセッサおよびメモリを含んでもよい。メモリは、コンピュータ実行可能コードを保存するコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0092】
制御回路11は、プロセッサ、中央処理装置(CPU)、コントローラ、算術論理演算装置(ALU)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、プログラマブル論理装置、マイクロプロセッサ、または規定の方法で、命令に応答し実行可能な任意の他の装置を含むがそれに限定されない、処理回路を含んでもよい。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、特定用途向け集積回路(ASIC)とASICチップの少なくとも一つであってもよい。
【0093】
制御回路11は、記憶装置に保存されたコンピュータ可読プログラムコードを実行することにより専用機械として構成されてもよい。プログラムコードは、上述の制御回路11の一つ以上のインスタンスなどの一つ以上のハードウエア装置により実装可能なプログラムまたはコンピュータ可読命令、ソフトウェア構成要素、ソフトウェアモジュール、データファイル、データ構造などのうちの少なくとも一つを含んでもよい。プログラムコードの例として、コンパイラによって作成される機械コードおよびインタープリタを使用して実行される高水準プログラムコードの両方が挙げられる。
【0094】
制御回路11は、一つ以上の記憶装置を含んでもよい。一つ以上の記憶装置は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、永久大容量記憶装置(ディスクドライブなど)、ソリッドステート(例えば、NANDフラッシュ)装置のうちの少なくとも一つなどの有形の、または非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、またはデータを記憶し、また記録することができる任意のその他の同様なデータ記憶機構でありうる。一つ以上の記憶装置は、一つ以上のオペレーティングシステム用、本明細書に説明する例示的な実施形態の実施用、またはその両方用にコンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせを保存するよう構成されてもよい。コンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせはまた、ドライブ機構を使用して、独立したコンピュータ可読記憶媒体から一つ以上の記憶装置、一つ以上のコンピュータ処理装置、またはその両方にロードされてもよい。こうした独立したコンピュータ可読記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、メモリスティック、ブルーレイ/DVD/CD-ROMドライブ、メモリカード、またはその他のコンピュータ可読記憶媒体のようなものの少なくとも一つを含んでもよい。コンピュータプログラム、プログラムコード、命令、またはいくつかのそれらの組み合わせは、ローカルなコンピュータ可読記憶媒体を介するのではなくネットワークインターフェースを介して、リモートデータ記憶装置から、一つ以上の記憶装置、一つ以上のコンピュータ処理装置またはその両方へロードされ得る。その上、コンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせは、ネットワークを通じてコンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせを伝送、分配、または伝送および分配するよう構成されるリモートコンピューティングシステムから、一つ以上の記憶装置、一つ以上のプロセッサ、またはその両方に、ロードされてもよい。リモートコンピューティングシステムは、有線インターフェース、無線インターフェースまたは任意のその他の同様の媒体のうちの少なくとも一つを介して、コンピュータプログラム、プログラムコード、命令、またはいくつかのそれらの組み合わせを伝送する、分配する、または伝送し、かつ分配し得る。
【0095】
制御回路11は、コンピュータ実行可能コードを実行して発熱体34への電力供給を制御するよう構成される、特殊用途機械であってもよい。発熱体34への電力の供給を制御することは、発熱体34を作動させることとして互換的に本明細書で言及され得る。
【0096】
プレベイパー製剤は、ベイパーへと変換され得る材料または材料の組み合わせである。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然または人工の香料、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびにこれらの組み合わせ(ただしこれらに限定されない)を含む、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤のうちの少なくとも一つであってもよい。プレベイパー製剤は、2014年7月16日に出願されたU.S.Patent Application Publication No.2015/0020823 to Lipowicz et al.、および2015年1月21日に出願されたU.S.Patent Application Publication No.2015/0313275 to Anderson et al.において説明されるものを含んでもよく、そのそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0097】
いくつかの例示的な実施形態では、プレベイパー製剤は、プロピレングリコール、グリセリンおよびその組み合わせのうち一つ以上である。
【0098】
プレベイパー製剤は、ニコチンを含んでもよく、またはニコチンを含まなくてもよい。プレベイパー製剤は、一つ以上のたばこ風味を含んでもよい。プレベイパー製剤は、一つ以上のたばこ風味とは別の一つ以上の風味を含んでもよい。
【0099】
一部の例示的な実施形態において、ニコチンを含むプレベイパー製剤はまた、一つ以上の酸も含んでもよい。一つ以上の酸の組み合わせは、ピルビン酸、ギ酸、シュウ酸、グリコール酸、酢酸、イソ吉草酸、吉草酸、プロピオン酸、オクタン酸、乳酸、ソルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、オレイン酸、アコニット酸、酪酸、ケイ皮酸、デカン酸、3,7-ジメチル-6-オクテン酸、1-グルタミン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、3-ヘキサン酸、トランス-2-ヘキサン酸、イソ酪酸、ラウリン酸、2-メチル酪酸、2-メチル吉草酸、ミリスチン酸、ノナン酸、パルミチン酸、4-ペンテン酸、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、塩酸、リン酸、硫酸およびそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含み得る。
【0100】
貯蔵部23は、いくつかの例示的な実施形態では、プレベイパー製剤を保持し得る、貯蔵媒体を含み得る。貯蔵媒体は、綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む繊維質材料であってもよい。繊維は、約6ミクロン~約15ミクロン(例えば、約8ミクロン~約12ミクロン、または約9ミクロン~約11ミクロン)のサイズの範囲である直径を有してもよい。貯蔵媒体は、焼結材料、多孔性材料、または発泡性材料であってもよい。また、繊維は吸入できないようにサイズが決められてもよく、またY字形状、十字形状、クローバー形状、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、貯蔵部23は、いくつかの貯蔵媒体が不足しており、プレベイパー製剤のみを収容して充填されたタンクを含み得る。
【0101】
貯蔵部23は、eベイピング装置60が少なくとも約200秒間の蒸気の吸引のために構成され得るように、十分なプレベイパー製剤を保持するようにサイズ設定され、また構成されてもよい。eベイピング装置60は、各ベイピングが最大で約5秒持続することが可能となるように構成され得る。
【0102】
分配境界面32は、芯を含み得る。分配境界面32は、プレベイパー製剤を引き出す能力を有するフィラメント(またはスレッド)を含み得る。例えば、分配境界面32は、一束のガラス(またはセラミック)フィラメント、ガラスフィラメント等の一群の巻回を含む束である芯であってもよく、そのすべての配置は、フィラメント間の隙間間隔による毛細管作用によって、プレベイパー製剤を引き出すことを可能にし得る。フィラメントは、eベイピング装置60の長軸方向に対して垂直な(横軸する)方向に概して整列されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、分配境界面32は、1~8のフィラメントストランドを含んでもよく、各ストランドは、互いにねじれた複数のガラスフィラメントを含む。分配境界面32の端部は、可撓性で、貯蔵部23の境界内に折り畳めてもよい。フィラメントは、略十字型、クローバー型、Y字型、または任意の他の好適な形状の断面を有する。
【0103】
分配境界面32は、芯の材料として本明細書でまた言及される、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含み得る。好適な材料の例として、ガラス、セラミック系、黒鉛系材料を挙げることができるが、それに限定されない。分配境界面32は、密度、粘性、表面張力および蒸気圧といった異なる物理特性を有するプレベイパー製剤に適応するように、適切な任意の毛細管引き出し作用を有する場合がある。
【0104】
いくつかの例示的な実施形態では、発熱体34はワイヤーコイルを含み得る。ワイヤーコイルは、流路14内の分配境界面32を少なくとも部分的に囲み得る。ワイヤーは、金属ワイヤーであってもよい。ワイヤーコイルは、分配境界面32の長さに沿って全体的または部分的に延在し得る。ワイヤーコイルは、分配境界面32の周囲に全体的または部分的にさらに延在し得る。いくつかの例示的な実施形態では、ワイヤーコイルは、分配境界面32との直接的な接触から分離されていてもよい。
【0105】
発熱体34は、任意の適切な電気抵抗性材料で形成され得る。好適な電気抵抗性材料の例としては、限定するものではないが、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族由来の金属が挙げられる。好適な合金の実施例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム-チタン-ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル系、鉄系、コバルト系、およびステンレス鋼系の超合金が挙げられるがそれに限定されない。例えば、発熱体34は、ニッケルアルミナイド、表面上にアルミナの層をもつ材料、鉄アルミナイドおよび他の複合材料で形成されてもよく、電気抵抗性の材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料に埋め込み、封入、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。発熱体34は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケル-クロム合金、超合金、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つの材料を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、発熱体34はニッケル-クロム合金または鉄-クロム合金で形成され得る。いくつかの例示的な実施形態では、発熱体34は、その外側表面上に電気的抵抗性層を有するセラミックヒーターとしてもよい。
【0106】
発熱体34は、分配境界面32内のプレベイパー製剤を熱伝導によって加熱してもよい。あるいは、発熱体34からの熱は、熱伝導要素によってプレベイパー製剤へと伝導されてもよく、または発熱体34は、ベイピングの間にeベイピング装置60を通して引き出される入ってくる周囲空気へと熱を伝達してもよく、その結果プレベイパー製剤を対流によって加熱する。
【0107】
分配境界面32を使用する代わりに、プレベイパー製剤タンクセクション70は、多孔性材料であり、迅速に熱を生成することができる高い電気抵抗を有する材料で形成された抵抗ヒーターと一体となる発熱体34を含んでもよいことが認識されよう。
【0108】
いくつかの例示的な実施形態では、プレベイパー製剤タンクセクション70の一つ以上の部分は、交換可能であり得る。こうした一つ以上の部分は、プレベイパー製剤タンク22、受接管90、およびたばこ要素80のうち一つ以上を含み得る。別の言い方をすると、香味インサート80の風味剤またはプレベイパー製剤タンクセクション70のプレベイパー製剤のうちの一つが涸渇すると、香味インサート80またはプレベイパー製剤タンクセクション70のみが、それぞれ取り替えられてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、eベイピング装置60は、貯蔵部23または香味インサート80のうちの一つが涸渇するとすべてが処分され得る。
【0109】
いくつかの例示的な実施形態では、eベイピング装置60は、約80ミリメートル~約110ミリメートルの長さ、および約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径とし得る。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、eベイピング装置60は、約84ミリメートルの長さであってもよく、約7.8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0110】
いくつかの例示的な実施形態では、eベイピング装置60が、プレベイパー製剤タンク22から分離される風味剤を保持する香味インサート80を含む場合、eベイピング装置60は、風味剤とプレベイパー製剤タンク22の一つ以上の要素との間の化学反応の可能性を軽減するように構成され得る。こうした化学反応は、風味剤の一つ以上の部分の間の化学反応を含み得る。そのような化学反応の欠如は、香味付きの蒸気97における反応生成物の欠如をもたらし得る。こうした反応生成物は、香味付きの蒸気97によって提供される知覚体験を損ない得る。結果として、こうした化学反応の可能性を軽減するように構成されるeベイピング装置60は、香味付きの蒸気97を通じたより一貫した、かつ向上した知覚体験を提供し得る。
【0111】
いくつかの例示的な実施形態では、風味剤は、eベイピング装置60に含まれる風味剤は、プレベイパー製剤タンクセクション70内のプレベイパー製剤と無関係に交換可能であり得る。風味剤は、プレベイパー製剤がその中に含まれたプレベイパー製剤タンクセクション70から分離される香味インサート80に含まれる。香味インサート80は、別の香味インサート80と取り替えられて、それにより、成人eベイピング装置使用者にとって望ましいeベイピング装置60に含まれる風味剤と取り替えられ得る。香味インサート80は、別の香味インサート80と取り替えられて、それにより、プレベイパー製剤タンクセクション70、プレベイパー製剤等を取り替えることなく、eベイピング装置60内の風味剤を補充することができ、ここにおいて、プレベイパー製剤タンクセクション70、22は、十分なプレベイパー製剤を含み、追加的なベイピングを支持し得る。
【0112】
図1Aおよび図1Bをさらに参照すると、発熱体34が作動した時に、作動した発熱体34は約10秒未満の間、発熱体34によって囲まれる分配境界面32の一部を加熱し得る。したがって、電力サイクル(または最大ベイピング長さ)は、約2秒間~約10秒間(例えば、約3秒間~約9秒間、約4秒間~約8秒間、または約5秒間~約7秒間)の時間の範囲とすることができる。
【0113】
図2Aは、いくつかの例示的な実施形態によるプレベイパー製剤タンクセクション70の断面図である。図2Bは、いくつかの例示的な実施形態によるプレベイパー製剤タンクセクション70の断面図である。図2Aおよび図2Bに示すプレベイパー製剤タンクセクション70の例示的な実施形態は、図1A図1Cに示したプレベイパー製剤タンクセクション70を含む、本明細書に含まれるいくつかの例示的な実施形態に含まれ得る。
【0114】
図2Aを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、プレベイパー製剤タンクセクション70は、プレベイパー製剤を保持し得る貯蔵部23を少なくとも部分的に画定する、外側ハウジング24、内側管25、およびガスケット組立品51をさらに含む、プレベイパー製剤タンク22を含む。内側管25は、プレベイパー製剤タンク22の内部を通る流路28を少なくとも部分的に画定する。
【0115】
ガスケット組立品51は、外側ハウジング24および内側管25のそれぞれに結合されて、貯蔵部23の出口端部を画定する、コネクタ素子51aおよび51bを含む。図2Aに示す例示的な実施形態では、ガスケット組立品51は、開口部50bから円板状の組立品の内側部分を通じて延在する流路51cを含む、円板状の組立品である。示されるように、ガスケット組立品51の円板状の組立品は、開口部50bに対向する流路51cの開口部を少なくとも部分的に画定するコネクタ素子51bを含んでもよく、そのためコネクタ素子51bは、内側管25を流路51cに結合するように構成される。ガスケット組立品51の円板状の組立品は、ガスケット組立品51の外側境界の少なくとも一部分を画定する、コネクタ素子51aを含んでもよく、そのためコネクタ素子51aは、ガスケット組立品51の外側境界に外側ハウジング24を結合するように構成される。したがって、ガスケット組立品51が円板状の組立品である場合、ガスケット組立品は、内側管25および外側ハウジング24と協働して、内側管25の外側表面と、外側ハウジング24の内側表面と、内側管25および外側ハウジング24のそれぞれの端部に結合される円板状のガスケット組立品51の端部との間に、環状の円柱状貯蔵部23の端部を画定する。
【0116】
図2Aに示す例示的な実施形態では、流路51cは、コネクタ素子51bによって画定されたガスケット51の内部空間を通じて延在しないが、その代わりに、コネクタ素子51bによって画定された空間の端部まで延在し、そのため管25は、コネクタ素子51bによって画定された空間内に受けられてもよく、さらに流路51c内に受けられることから制限され得る。図1A図1Cに示す例示的な実施形態を含むいくつかの例示的な実施形態では、流路51cは、コネクタ素子51bによって画定されるガスケット51の少なくとも内部空間を通じて延在する。図1Bに示すように、いくつかの例示的な実施形態では、流路51cは、流路51cの少なくとも一部分を通じて管25を受けるように構成される。
【0117】
図2Aに示すように、ガスケット組立品51は、流路28の出口部分を画定する、流路51cを含み得る。流路51cは、コネクタ素子51aを介して内側管25に結合される。流路51cは、内側管25を越えて、かつ開口部50bへとガスケット組立品51を通じて延在する、流路28の出口部分を画定する。
【0118】
図2Aに示す例示的な実施形態では、ガスケット組立品51は、香味インサート80が開口部50bを通じて挿入されて、流路28の出口部分(第二の部分)に香味インサート80を位置付けた時に、香味インサート80をプレベイパー製剤タンクセクション70に結合するように構成される、一つ以上のコネクタ素子52を含む。いくつかの例示的な実施形態では、一つ以上のコネクタ素子52は、流路28の内側表面の周りに延在する、個々のコネクタ素子を含む。図2Aに示す例示的な実施形態を含むいくつかの例示的な実施形態では、一つ以上のコネクタ素子52は、ガスケット組立品51の流路51cの内側表面に結合される。図2Aに示す例示的な実施形態では、コネクタ素子52は、隙間がコネクタ素子52とコネクタ素子51bの近位にある流路51cの端部との間に存在するように、流路51cの一部分を通じて延在する。いくつかの例示的な実施形態では、一つ以上のコネクタ素子52は、流路51cの長さの全体を通じて延在し得ることが理解されよう。いくつかの例示的な実施形態では、一つ以上のコネクタ素子52は、内側管25の内側表面に結合される。
【0119】
一つ以上のコネクタ素子52は、一つ以上のタイプのコネクタを含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、一つ以上のコネクタ素子52は、摩擦ばめコネクタであり、それは、香味インサート80の外側表面と一つ以上のコネクタ素子52との間の摩擦ばめを通じて、香味インサート80をプレベイパー製剤タンク22に結合するように構成される。いくつかの例示的な実施形態では、一つ以上のコネクタ素子52は、香味インサート80に含まれる一つ以上のコネクタ素子と機械的に結合するように構成される、結合装置である。例えば、一つ以上のコネクタ素子52は、香味インサート80が開口部50bを通じてプレベイパー製剤タンクセクション70内に挿入された時に、香味インサート80に含まれる相補的なコネクタと結合するように構成される、ねじ状のコネクタ、差込みピンコネクタ等であってもよい。
【0120】
いくつかの例示的な実施形態では、コネクタ素子52のうち一つ以上は、香味インサート80が流路28内に開口部50bを通じて挿入された時に、香味インサート80と流路28の表面との間に、気密な、または実質的に気密なシールを確立するように構成される。一つ以上のコネクタ素子52は、流路28を通過する発生した蒸気95を方向付けて、それにより、香味インサート80を通り抜けて、プレベイパー製剤タンクセクション70を抜け出るように、プレベイパー製剤タンクセクション70を構成し得る。
【0121】
図2Bを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、プレベイパー製剤タンクセクション70は、出口端部にガスケット組立品51を含まない、プレベイパー製剤タンク22を含み、そのためプレベイパー製剤タンク22は、プレベイパー製剤を保持し得る貯蔵部23を少なくとも部分的に画定する、外側ハウジング24および内側管25を含む。図2Bに示すように、外側ハウジング24と内側管25は、貯蔵部23の出口端部を集合的に画定する。図2Bに示す例示的な実施形態は、内側管25の方に湾曲する外側ハウジング24を示す。しかし、外側ハウジング24および内側管25のその他の構成が、例示的な実施形態により包含されることが理解されよう。
【0122】
図2Bに示す例示的な実施形態では、外側ハウジング24および内側管25は、プレベイパー製剤タンク22の出口端部で一緒に結合されて、貯蔵部23の出口端部エンクロージャを画定する。外側ハウジング24および内側管25は、接着剤、結合装置、溶接、密封要素、いくつかのそれらの組み合わせ等のうち一つ以上を介して、一緒に結合され得る。
【0123】
いくつかの例示的な実施形態では、外側ハウジング24および内側管25は、貯蔵部23および流路28の両方を画定する、個々の要素を備える。例えば、プレベイパー製剤タンク22は、概ね環状に形成された単一な片の材料を含んでもよく、そのため片の材料は、片の材料の一つ以上の部分によって分離された個々の空間として、貯蔵部23および流路28を画定する。片の材料は、半透明な片の材料、透明な片の材料、またはその両方であり得る。
【0124】
図2Bに示す例示的な実施形態では、プレベイパー製剤タンク22は、香味インサート80が開口部50bを通じて挿入されて、流路28の出口部分に香味インサート80を位置付けた時に、香味インサート80をプレベイパー製剤タンクセクション70に結合するように構成される、一つ以上のコネクタ素子52を含む。いくつかの例示的な実施形態では、一つ以上のコネクタ素子52は、内側管25の内側表面の周りに延在する、個々のコネクタ素子である。
【0125】
図2Aおよび図2Bを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、一つ以上のコネクタ素子52は、プレベイパー製剤タンク22になくてもよく、ガスケット組立品の流路51cおよび内側管25の出口端部のうち一つ以上は、香味インサート80が出口端部の開口部50bを通じて挿入された時に、香味インサート80の外側表面との摩擦ばめ接続を確立するように構成される。こうした摩擦ばめ接続は、香味インサート80の外側表面と流路28との間の境界面を密封し、または実質的に密封し得る。結果として、開口部50bに向かって流路28を通過する発生した蒸気95は、方向付けされ、それにより、香味インサート80を通り抜けて、香味付きの蒸気97を形成し得る。
【0126】
図3A図3B図3Cおよび図3Dは、いくつかの例示的な実施形態による香味インサート80の断面図である。図3A図3Dに示す香味インサート80は、図1A図1Cおよび図2Aおよび図2Bに示した香味インサート80を含む、本明細書に含まれる香味インサートのいくつかの実施形態に含まれ得る。
【0127】
図3A図3Dを参照すると、香味インサート80は、先端部の開口部80aおよび出口端部の開口部80bを含む。香味インサート80は、先端部の開口部80aを通じて、香味インサート80の内部に、発生した蒸気95を含む蒸気を受けるように構成される。香味インサート80は、発生した蒸気95内への風味剤溶出を通じて形成された香味付きの蒸気97を含む、蒸気を方向付けて、それにより、出口端部の開口部80bを介して香味インサート80の外へ出るようにさらに構成される。
【0128】
図3Aを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、香味インサート80は、風味剤を保持する香味材料85と、香味インサート80の内部に香味材料85を少なくとも部分的に囲む、容器構造82と、を含む。容器構造82は、香味インサート80の側面部分を囲んで、香味インサート80の対向する端に開口部80a、80bを画定し得る。容器構造82は、香味インサート80の外側ハウジングとして本明細書でまた言及される。いくつかの例示的な実施形態では、容器構造82は、香味材料85の外側表面領域として言及され得る。
【0129】
香味材料85は、一つ以上の風味剤がその中に含まれる、多孔性構造であってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、香味材料85は、香味材料の集合である。いくつかの例示的な実施形態では、香味材料85は、一つ以上の植物性材料を含む。いくつかの例示的な実施形態では、香味材料85は、一つ以上のタイプのたばこを含む。いくつかの例示的な実施形態では、香味材料85のような一つ以上のタイプのたばこを含む香味インサート80は、たばこ要素と言及され得る。たばこを含む香味材料85は、たばこ風味材料85として本明細書で言及され得る。
【0130】
図3Bを参照すると、香味インサート80は、フィルター要素86と、フィルター要素86および香味材料85を封入する容器構造82を囲む、ハウジング材料88と、を含み得る。フィルター要素86は、香味インサート80を通過する蒸気から特定の物質を除去するように構成され得る。フィルター要素86は、いくつかの例示的な実施形態では、中空アセテート管(HAT)フィルターを含み得る。フィルター要素86は、いくつかの例示的な実施形態に含まれるフィルター要素86と比較して、低減した濾過効率性を提供するように構成されてもよく、そのためフィルター要素86への蒸気の損失は、いくつかの例示的な実施形態におけるフィルター要素86への蒸気損失と比較して、低減される。ハウジング材料88は、フィルター要素86の側面部分を囲み、それにより、香味材料85を抜け出る蒸気を方向付けて、開口部80bへとフィルター要素を通過させ得る。いくつかの例示的な実施形態では、ハウジング材料88はチッピングペーパーである。図3Bの例示的な実施形態に示されるようなハウジング材料88は、フィルター要素86の外側表面領域および香味材料85の外側表面領域と重なり得る。
【0131】
図3Cを参照すると、ハウジング材料88は、フィルター要素86および香味材料85の限定された部分を囲み得る。図3Cに示すように、ハウジング材料88は、フィルター要素86の外側表面領域および香味材料85の外側表面領域の限定された部分と重なり得る。図3Cに示すように、ここにおいて、容器構造82は香味材料85の側面部分を囲む。ハウジング材料88は、フィルター要素86の側壁および容器構造82の側壁の限定された部分と重なり得る。
【0132】
図3Dを参照すると、香味インサート80は、異なる風味剤をそれぞれ保持する、複数の個々の香味材料84、89を含み得る。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、香味材料85は、第一のタイプのたばこであってもよく、香味材料89は、第二のタイプのたばこであってもよい。別の実施例では、香味材料85は、たばこであってもよく、香味材料89は、非たばこ材料であってもよい。図3Dに示すように、ハウジング材料88は、香味材料89の外側表面の限定された部分と重なり得る。いくつかの例示的な実施形態では、ハウジング材料88は、香味材料89の外側表面の少なくとも一部分および香味材料85の外側表面の少なくとも一部分と重なり得る。
【0133】
図3A図3Dを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、香味インサート80は、一つ以上のタイプのたばこである香味材料85を含む紙巻たばこであり、たばこ風味材料85を燃焼するように構成される。香味インサート80が、香味材料85およびフィルター要素86を含む紙巻たばこである場合、フィルター要素86は、紙巻たばこフィルターであり得る。いくつかの例示的な実施形態では、香味インサート80がハウジング材料88を含む紙巻たばこである場合、ハウジング材料88は、紙巻たばこチッピングペーパーであり得る。
【0134】
図3A図3Dをさらに参照すると、香味インサート80は、プレベイパー製剤タンク22の出口端部の開口部50b内に挿入され得る、たばこロッド(例えば、紙巻たばこ、葉巻、細い葉巻、いくつかのそれらの組み合わせ等)であってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、少なくともプレベイパー製剤タンクセクション70は、発生した蒸気95が、たばこロッドのいくつかの燃焼と無関係に、またその燃焼なしに紙巻たばこに含まれるたばこからの風味剤に溶出して、香味付きの蒸気97を形成するように、たばこロッド80を通るように発生した蒸気95を方向付けることに基づいて、香味付きの蒸気97を提供するように構成される。プレベイパー製剤タンクセクション70は、したがって、たばこロッド80の燃焼なしに、たばこロッド80に含まれるたばこからの風味剤溶出に基づいて、香味付きの蒸気97を形成するように構成され得る。
【0135】
数多くの例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、他の変形物が可能でありうることを理解するべきである。こうした変形は、本開示の範囲を逸脱するものと見なされず、当業者にとって明らかであろうすべての変更は、以下の請求項の範囲内に含まれることが意図される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D