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特許7021139バッテリーの紐付けのための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】バッテリーの紐付けのための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220208BHJP
   B60L 50/64 20190101ALN20220208BHJP
   B60L 53/80 20190101ALN20220208BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 Y
B60L50/64
B60L53/80
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019023248
(22)【出願日】2019-02-13
(65)【公開番号】P2019180226
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2019-07-11
(31)【優先権主張番号】107108408
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】597127029
【氏名又は名称】光陽工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(72)【発明者】
【氏名】リン チェン ション
(72)【発明者】
【氏名】ホン チュン ロイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユイ ロイ
(72)【発明者】
【氏名】チュアン ポー ユイ
(72)【発明者】
【氏名】リン チェン チュイン
(72)【発明者】
【氏名】リウ トー チュアン
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-171661(JP,A)
【文献】特開2012-128548(JP,A)
【文献】特表2013-509143(JP,A)
【文献】特開2012-222945(JP,A)
【文献】特開2016-146268(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0073591(US,A1)
【文献】特開2019-179545(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0280344(US,A1)
【文献】特開2017-120475(JP,A)
【文献】特開2012-244668(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0074308(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 50/64
B60L 53/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動可能な乗り物(15)に搭載されて前記乗り物(15)に電力を提供するよう構成されるバッテリー装置(12)を提供するサービス提供者が有する電子装置であって、前記バッテリー装置(12)と通信可能であるサービス提供者側電子装置(11)により実行される、前記バッテリー装置(12)を前記乗り物(15)と対応付けるバッテリーの紐付けのための方法であって、
該方法は、
前記サービス提供者側電子装置(11)により、前記乗り物(15)と対応付けようとする前記バッテリー装置(12)に対応するバッテリー識別子を、前記バッテリー装置(12)から近距離無線通信を介して、または、前記バッテリー装置(12)の上部に位置するクイックレスポンスコードである第1のバーコードを介して、取得して記憶する第1のステップと、
前記サービス提供者側電子装置(11)により、前記乗り物(15)の座席(154)の下の位置と、前記乗り物(15)の収納部(155)内の位置とのいずれか一方にあるクイックレスポンスコードである第2のバーコードを介して、前記乗り物(15)に対応する乗り物識別子を取得して記憶する第2のステップと、
前記サービス提供者側電子装置(11)により、これから前記乗り物(15)に装着して電源として使用する予定のバッテリー装置(12)であって前記第1のステップにおける前記バッテリー装置(12)であり得る前記予定のバッテリー装置(12)内に記憶されているバッテリー識別子を、前記予定のバッテリー装置(12)から近距離無線通信を介して取得する第3のステップと、
前記サービス提供者側電子装置(11)により、前記第1のステップで取得したバッテリー識別子が、前記第2のステップで取得したバッテリー識別子と一致するか否かを判定する第4のステップと、
前記第4のステップにて前記第1のステップで取得したバッテリー識別子が前記第2のステップで取得したバッテリー識別子と一致すると判定され前記予定のバッテリー装置(12)が前記第1のステップにおける前記バッテリー装置(12)であると確認された際には、前記サービス提供者側電子装置(11)により、前記乗り物識別子を、前記予定のバッテリー装置(12)内に記憶するために前記予定のバッテリー装置(12)に近距離無線通信を介して送信することにより、前記予定のバッテリー装置(12)が前記乗り物(15)に紐付けされて前記乗り物(15)に装着された際に前記乗り物(15)に電力を提供できるようになる第5のステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、
近距離無線通信を介して前記バッテリー装置(12)から、該バッテリー装置(12)の健全性(SoH)を含むバッテリー情報を獲得するステップと、
前記バッテリー装置(12)の前記健全性(SoH)が所定の閾値より大きいか否かを判定するステップと、
を更に含んでおり、
前記第1のステップと、前記第2のステップと、前記第3のステップと、前記第4のステップと、前記第5のステップとは、前記健全性(SoH)が前記所定の閾値より大きいと判定された際に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第5のステップは、前記第1のステップで取得したバッテリー識別子が前記第2のステップで取得したバッテリー識別子と一致すると判定された際、前記乗り物識別子と前記第1のステップで取得したバッテリー識別子とを前記バッテリー装置(12)に、少なくとも該乗り物識別子を該バッテリー装置(12)内に記憶するために近距離無線通信を介して送信することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記バッテリー装置(12)は、前記第5のステップの完了後、前記サービス提供者側電子装置(11)から受信した前記バッテリー識別子と前記乗り物識別子との両方を記憶する、請求項3に記載の方法
【請求項5】
前記バッテリー装置(12)を前記乗り物(15)のユーザと紐付けするために、前記ユーザに対応するユーザ識別子を取得するステップを更に含む、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ識別子は、前記ユーザが有する電子装置であるユーザ側電子装置(14)において表示されるクイックレスポンスコードをスキャンして取得されるものである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、通信ネットワーク(10)を通して、前記乗り物識別子と、前記バッテリー識別子と、前記ユーザ識別子とのうちの少なくとも1つを、前記サービス提供者側電子装置(11)と通信するクラウドサーバ(13)に、該クラウドサーバ(13)内に記憶するために通信ネットワーク(10)を通して送信するステップを含んでおり、
前記通信ネットワーク(10)はインターネットである、請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
電動可能な乗り物(15)と、前記乗り物(15)に搭載されて該乗り物(15)に電力を提供するよう構成されるバッテリー装置(12)と、を備える、前記バッテリー装置(12)を前記乗り物(15)と対応付けるバッテリーの紐付けのためのシステム(1)であって、
前記乗り物(15)は、座席(154)と収納部(155)とを有すると共に、前記座席(154)の下の位置と、前記収納部(155)内の位置とのいずれか一方にあるクイックレスポンスコードであり乗り物識別子に対応する第1のバーコードを有し、
前記システムは、前記バッテリー装置(12)を提供するサービス提供者が有する電子装置であるサービス提供者側電子装置(11)を更に備え、
前記サービス提供者側電子装置(11)は、
前記バッテリー装置(12)と通信可能であり、且つ、
前記バッテリー装置(12)から該バッテリー装置(12)に対応する第1のバッテリー識別子を、前記バッテリー装置(12)から近距離無線通信を介して、または、前記バッテリー装置(12)の上部に位置するクイックレスポンスコードである第2のバーコードを介して、取得し、
取得した前記第1のバッテリー識別子を記憶し、
前記乗り物(15)から前記乗り物識別子を前記第1のバーコードを介して取得し、
取得した前記乗り物識別子を記憶し、
これから前記乗り物(15)に装着して電源として使用する予定のバッテリー装置(12)であって前記第1のバッテリー識別子が取得された前記バッテリー装置(12)であり得る前記予定のバッテリー装置(12)内に記憶されている第2のバッテリー識別子を、前記予定のバッテリー装置(12)から近距離無線通信を介して取得し、
取得した前記第2のバッテリー識別子を記憶し、
前記第1のバッテリー識別子が前記第2のバッテリー識別子と一致するか否かを判定し
前記第1のバッテリー識別子が前記第2のバッテリー識別子と一致すると判定され前記予定のバッテリー装置(12)が前記第1のバッテリー識別子が取得された前記バッテリー装置(12)であると確認された際には、前記乗り物識別子を、該バッテリー装置(12)内に記憶するために前記バッテリー装置(12)に近距離無線通信を介して送信することにより、前記予定のバッテリー装置(12)が前記乗り物(15)に紐付けされて前記乗り物(15)に装着された際に前記乗り物(15)に電力を提供できるようにする、
よう構成され、
前記乗り物(15)の前記乗り物識別子が記憶された前記バッテリー装置(12)のみが前記乗り物(15)に電力を提供できるようになることを特徴とするシステム(1)。
【請求項9】
前記サービス提供者側電子装置(11)は、
近距離無線通信を介して前記バッテリー装置(12)から、前記バッテリー装置(12)の健全性(SoH)を含むバッテリー情報を獲得し、且つ、
前記バッテリー装置(12)の前記健全性(SoH)が所定の閾値より大きいか否かを判定する、
よう更に構成されており、
前記サービス提供者側電子装置(11)は、前記バッテリー装置(12)の前記健全性(SoH)が前記所定の閾値より大きいと判定された際にのみ、前記第1のバッテリー識別子を取得して記憶し、前記第2のバッテリー識別子を取得して記憶し、前記乗り物識別子を取得して記憶し、前記第1のバッテリー識別子が前記第2のバッテリー識別子と一致するか否かを判定して、前記乗り物識別子を送信する、請求項8に記載のシステム(1)。
【請求項10】
前記サービス提供者側電子装置(11)は、
近距離無線通信を介して前記バッテリー装置(12)から、該バッテリー装置(12)の健全性(SoH)を含むバッテリー情報を獲得し、
前記バッテリー装置(12)の前記健全性(SoH)が所定の閾値より大きいか否かを判定する、
よう更に構成されており、
前記サービス提供者側電子装置(11)は、前記健全性(SoH)が前記所定の閾値より大きいと判定した際にのみ、前記第1のバッテリー識別子を取得して記憶し、前記第2のバッテリー識別子を取得して記憶し、前記乗り物識別子を取得して記憶し、前記第1のバッテリー識別子が前記第2のバッテリー識別子と一致するか否かを判定して、前記乗り物識別子を送信し、
前記第1のバッテリー識別子が前記第2のバッテリー識別子と一致すると判定した際、前記サービス提供者側電子装置(11)は、前記第1のバッテリー識別子を前記乗り物識別子と共に、少なくとも該乗り物識別子を該バッテリー装置(12)内に記憶するために該バッテリー装置(12)に近距離無線通信を介して送信する、請求項8または9に記載のシステム(1)。
【請求項11】
前記サービス提供者側電子装置(11)は、近距離無線通信モジュール(111)を具えており、
前記バッテリー装置(12)は、近距離無線通信モジュール(121)を具えており、
前記サービス提供者側電子装置(11)の前記近距離無線通信モジュール(111)は、前記乗り物識別子と前記第1のバッテリー識別子を前記バッテリー装置(12)に送信するために、前記バッテリー装置(12)の前記近距離無線通信モジュール(121)と通信するよう構成されている、請求項10に記載のシステム(1)。
【請求項12】
前記バッテリー装置(12)は、前記サービス提供者側電子装置(11)から前記乗り物識別子を受信した後、該乗り物識別子を記憶するよう構成されている、請求項8~請求項11のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項13】
前記システム(1)は、
インターネットである通信ネットワーク(10)を通して、前記サービス提供者側電子装置(11)と通信するよう構成されるクラウドサーバ(13)と、
前記乗り物(15)のユーザが有する電子装置であって、前記通信ネットワーク(10)を通して前記クラウドサーバ(13)と通信するよう構成されるユーザ側電子装置(14)と、
を備えており、
前記サービス提供者側電子装置(11)は、第1のアプリケーションプログラムがインストールされていると共に、前記第1のアプリケーションプログラムを実行することで前記乗り物識別子を取得するよう構成されており、
前記ユーザ側電子装置(14)は、第2のアプリケーションプログラムがインストールされていると共に、前記ユーザが前記第2のアプリケーションプログラムにログインした後、該ユーザに対応するユーザ識別子と関連付けられているクイックレスポンスコードを表示するよう構成されており、
前記サービス提供者側電子装置(11)は、
前記ユーザ側電子装置(14)において表示される前記クイックレスポンスコードをスキャンして前記ユーザ識別子を取得し、且つ、
前記乗り物識別子と、前記バッテリー装置(12)の前記第1のバッテリー識別子と、前記ユーザ識別子とを、前記通信ネットワーク(10)を通して、前記クラウドサーバ(13)内に記憶するために前記クラウドサーバ(13)に送信する、
よう更に構成されている、請求項8~請求項12のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項14】
電動可能な乗り物(15)に搭載されて前記乗り物(15)に電力を提供するよう構成されるバッテリー装置(12)を提供するサービス提供者が有する電子装置であるサービス提供者側電子装置(11)により、前記乗り物(15)と対応付けようとする前記バッテリー装置(12)に対応するバッテリー識別子を、前記バッテリー装置(12)から近距離無線通信を介して、または、前記バッテリー装置(12)の上部に位置するクイックレスポンスコードである第1のバーコードを介して、取得して記憶する第1のステップと、
前記サービス提供者側電子装置(11)により、前記乗り物(15)に対応する乗り物識別子を、前記乗り物(15)の座席(154)の下の位置と、前記乗り物(15)の収納部(155)内の位置とのいずれか一方にあるクイックレスポンスコードである第2のバーコードを介して取得して記憶する第2のステップと、
前記サービス提供者側電子装置(11)により、前記第1のステップにて取得した前記バッテリー識別子を、コントローラ(122)を有するとともに、これから前記乗り物(15)に装着して電源として使用する予定のバッテリー装置(12)であって前記第1のステップにおける前記バッテリー装置(12)であり得る前記予定のバッテリー装置(12)に送信する第3のステップと、
前記予定のバッテリー装置(12)の前記コントローラ(122)により、前記サービス提供者側電子装置(11)から受信した前記バッテリー識別子が、前記予定のバッテリー装置(12)内に記憶されているバッテリー識別子と一致するか否かを判定する第4のステップと、
前記第4のステップにて前記サービス提供者側電子装置(11)から受信した前記バッテリー識別子が、前記予定のバッテリー装置(12)内に記憶されているバッテリー識別子と一致すると判定され前記予定のバッテリー装置(12)が前記第1のステップにおける前記バッテリー装置(12)であると確認された際には、前記予定のバッテリー装置(12)の前記コントローラ(122)により、認証信号を前記サービス提供者側電子装置(11)に送信する第5のステップと、
前記サービス提供者側電子装置(11)により、前記認証信号を受信した上で、前記乗り物識別子を、近距離無線通信を介して前記予定のバッテリー装置(12)に送信する第6のステップと、
前記予定のバッテリー装置(12)により、前記サービス提供者側電子装置(11)から受信した前記乗り物識別子を記憶することにより、前記予定のバッテリー装置(12)が前記乗り物(15)に紐付けされて前記乗り物(15)に装着された際に前記乗り物(15)に電力を提供できるようになる第7のステップと、
を含む、前記バッテリー装置(12)を前記乗り物(15)と対応付けるバッテリーの紐付けのための方法。
【請求項15】
バッテリー装置(12)を電動可能な乗り物(15)と対応付けるバッテリーの紐付けのためのシステム(1)であって、
該システム(1)は、前記乗り物(15)と、前記バッテリー装置(12)と、サービス提供者側電子装置(11)とを備え、
前記乗り物(15)は、座席(154)と収納部(155)とを有すると共に、前記座席(154)の下の位置と、前記収納部(155)内の位置とのいずれか一方にあるクイックレスポンスコードであり乗り物識別子に対応する第1のバーコードを有し、
前記バッテリー装置(12)は、前記乗り物(15)に搭載されて該乗り物(15)に電力を提供するよう構成され、
前記サービス提供者側電子装置(11)は、前記バッテリー装置(12)を提供するサービス提供者が有する電子装置であって、前記バッテリー装置(12)と通信可能に構成されると共に、
前記サービス提供者側電子装置(11)は、これから前記乗り物(15)に装着して電源として使用する予定のバッテリー装置(12)である使用予定のバッテリー装置(12)から、該使用予定のバッテリー装置(12)の第1のバッテリー識別子を、近距離無線通信を介して前記使用予定のバッテリー装置(12)から、または、前記使用予定のバッテリー装置(12)の上部に位置するクイックレスポンスコードである第2のバーコードを介して、取得し、
取得した前記第1のバッテリー識別子を記憶し、
前記乗り物識別子を前記第1のバーコードを介して取得し、
取得した前記乗り物識別子を記憶し、
前記第1のバッテリー識別子を前記使用予定のバッテリー装置(12)であり得る前記バッテリー装置(12)に送信するよう構成されており、
前記バッテリー装置(12)はコントローラ(122)を具え、
該コントローラ(122)は、
前記サービス提供者側電子装置(11)から受信した前記第1のバッテリー識別子が前記バッテリー装置(12)に記憶されている第2のバッテリー識別子と一致するか否かを判定し、且つ、
前記第1のバッテリー識別子が前記第2のバッテリー識別子と一致すると判定され前記使用予定のバッテリー装置(12)が前記バッテリー装置(12)であることが確認された際、認証信号を前記サービス提供者側電子装置(11)に送信する、
よう構成されており、
前記サービス提供者側電子装置(11)は、前記認証信号を受信した上で、前記乗り物識別子を、前記バッテリー装置(12)内に記憶するために、近距離無線通信を介して前記バッテリー装置(12)に送信することにより、前記バッテリー装置(12)が前記乗り物(15)に紐付けされて前記乗り物(15)に装着された際に前記乗り物(15)に電力を提供できるようになる、
よう更に構成されていて、
前記乗り物(15)の前記乗り物識別子が記憶された前記バッテリー装置(12)のみが前記乗り物(15)に電力を提供できるようになる、システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー装置の管理に関し、特にバッテリー装置をキャリア装置に紐付けするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の環境に対する関心が強くなるに伴って、電気自動車両(EV)の開発が進み、より衆目を集めるようになっている。従来の電気自動車両では、電力源として、その内部に搭載される、充電可能且つ取り外し可能なバッテリーを使用する。台湾実用新案M541670には、取り外し可能なバッテリー及び固定のバッテリーを備えた電気自動車両のための、電力供給モジュールが開示されている。
【0003】
通常、EVの所有者は、その使用のために前記のバッテリーを購入し、あるいは賃借することがある。そして前記バッテリーは充電する必要があるから、例えば充電ステーションのような場所に時々持ち込まねばならない。しかしながら、所有者が異なる多数のバッテリーが同時に1つの充電ステーションにあることもあるので、充電プロセスが終了した際、EVの所有者が間違ったバッテリー(即ち他人のバッテリー)を受け取ってしまう可能性もある。このような潜在的なミス対策の機構が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本開示の狙いは、安全且つ有効にバッテリーをキャリアに紐付けするための手法を提供することで、バッテリーを指定されたキャリアにのみ使用可能にすることにある。つまり、該バッテリーは他のキャリアに電力を提供しない。このように、購入あるいは賃借した前記キャリアの所有者の、前記バッテリーを使用する権利が保障される。
【0005】
本開示の目的は、上記従来技術の少なくとも1つの欠点を解消できる、バッテリーの紐付けのための方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、前記方法のうちの1つは、電子装置により実行されるものである。該方法は、バッテリー装置に対応するバッテリー識別子を取得するステップと、電動可能なキャリア装置に対応するキャリア識別子を取得するステップと、取得した前記バッテリー識別子が、前記バッテリー装置内に記憶されているバッテリー識別子と一致するか否かを判定するステップと、取得した前記バッテリー識別子が前記バッテリー装置内に記憶されている前記バッテリー識別子と一致すると判定した際には、前記キャリア識別子を、該バッテリー装置内に記憶するために前記バッテリー装置に近距離無線通信を介して送信するステップと、を含む。
【0007】
本開示によれば、前記方法のうちの他の1つは、電子装置とコントローラを具えるバッテリー装置とにより実行されるものである。電子装置により、バッテリー装置に対応するバッテリー識別子を取得するステップと、前記電子装置により、キャリア装置に対応するキャリア識別子を取得するステップと、前記電子装置により、取得した前記バッテリー識別子を前記バッテリー装置に送信するステップと、前記バッテリー装置の前記コントローラにより、前記電子装置から受信した前記バッテリー識別子が、前記バッテリー装置内に記憶されているバッテリー識別子と一致するか否かを判定するステップと、前記バッテリー装置の前記コントローラにより、前記電子装置から受信した前記バッテリー識別子が前記バッテリー装置内に記憶されているバッテリー識別子と一致すると判定した際、認証信号を前記電子装置送信するステップと、前記電子装置により、前記認証信号を受信した上で、前記キャリア識別子を、該バッテリー装置内に記憶するために、近距離無線通信を介して前記バッテリー装置に送信するステップと、を含む。
【0008】
本開示によれば、前記システムのうちの1つは、キャリア装置と、前記キャリア装置に搭載されて該キャリア装置に電力を提供するよう構成されるバッテリー装置と、前記バッテリー装置と通信可能に構成される電子装置と、を備えている。前記電子装置は、前記バッテリー装置から該バッテリー装置に対応するバッテリー識別子を取得するよう構成されている。前記電子装置は、前記キャリア装置から該キャリア装置に対応するキャリア識別子を取得するよう構成されている。前記電子装置は、前記バッテリー装置から取得した前記バッテリー識別子が該バッテリー装置に記憶されている前記バッテリー識別子と一致するか否かを判定するよう構成されている。前記電子装置は更に、前記バッテリー装置から取得した前記バッテリー識別子が該バッテリー装置に記憶されている前記バッテリー識別子と一致すると判定した際、前記キャリア識別子を前記バッテリー装置に、該バッテリー装置内に記憶するために近距離無線通信を介して送信する、よう構成されている。
【0009】
本開示によれば、前記システムのうちの他の1つは、キャリア装置と、前記キャリア装置に搭載されて該キャリア装置に電力を提供するよう構成されるバッテリー装置と、前記バッテリー装置と通信可能に構成される電子装置と、を備えている。前記電子装置は、前記バッテリー装置から該バッテリー装置(12)のバッテリー識別子を取得するよう構成されている。前記電子装置は、前記キャリア装置から該キャリア装置に対応するキャリア識別子を取得するよう構成されている。前記電子装置は更に、前記バッテリー識別子を前記バッテリー装置に送信するよう構成されている。前記バッテリー装置はコントローラを具えている。前記コントローラは、前記電子装置から受信した前記バッテリー識別子が前記バッテリー装置に記憶されている前記バッテリー識別子と一致するか否かを判定するよう構成されている。前記コントローラは更に、前記電子装置から受信した前記バッテリー識別子が、前記バッテリー装置内に記憶されている前記バッテリー識別子と一致すると判定した際、認証信号を前記サービスエンド電子装置に送信する、よう構成されている。前記電子装置は、前記認証信号を受信した上で、前記キャリア識別子を、前記バッテリー装置内に記憶するために、近距離無線通信を介して前記バッテリー装置に送信する、よう更に構成されている。
【0010】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】1つの実施形態に係るバッテリーの紐付けのためのシステムを例示するブロック図である。
図2】1つの実施形態に係るキャリア装置を例示する。
図3】1つの実施形態に係るキャリア装置の踏み板を例示する。
図4】1つの実施形態に係るキャリア装置のバッテリー箱を例示する。
図5】1つの実施形態に係るバッテリーの紐付けのための方法の、第1部分を例示するフローチャートである。
図6】1つの実施形態に係るバッテリーの紐付けのための方法の、第2部分を例示するフローチャートである。
図7】1つの実施形態に係る、図5に図示される前記方法の、第1部分の変化を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合において、符号又は符号の末端部は、同様の特性を有し得る対応の又は類似の要素を示すために各図面間で繰り返し用いられることに留意されたい。
【0013】
図1は1つの実施形態に係るバッテリーの紐付けのためのシステム1を例示するブロック図である。図1を参照すると、システム1は、サービスエンド電子装置11と、少なくとも1つのバッテリー装置12と、クラウドサーバ13と、ユーザエンド電子装置14と、少なくとも1つのキャリア装置15と、備えている。サービスエンド電子装置11とユーザエンド電子装置14は、通信ネットワーク10(例えばインターネット)を通してクラウドサーバ13と通信するよう構成されている。1つの実施形態において、サービスエンド電子装置11は、EV販売業者の携帯装置であってもよく、そしてユーザエンド電子装置14は、キャリア装置15のうちの1台の所有者/ユーザの携帯装置であってもよい。
【0014】
1つの実施形態によれば、サービスエンド電子装置11とバッテリー装置12とはそれぞれ、近距離無線通信(NFC)モジュール111、121を具えているので、サービスエンド電子装置11は近距離無線通信でバッテリー装置12と通信可能である。1つの実施形態によれば、バッテリー装置12は、NFCモジュール121に電気的に結合されるコントローラ122を更に具えても良い。各バッテリー装置12は、キャリア装置15に搭載されて該キャリア装置15に電力を提供するよう構成される、取り外し可能且つ充電可能なバッテリーであってもよい。各キャリア装置15は、オートバイ、自動車、バスといった、バッテリー式電気自動車(BEV)またはハイブリッド電気自動車(Hybrid EV)であってもよい。
【0015】
1つの実施形態によれば、各バッテリー装置12は、固有のバッテリー識別子を有する。販売業者に配送される前に、該バッテリー装置12においては、バッテリー装置12の前記バッテリー識別子と関連付けられるバーコードが(例えば該バッテリー装置12の上部に)配置されるので、該バーコードを通して前記バッテリー識別子を取得することができる。例として、1つの実施形態によれば、サービスエンド電子装置11は、通信ネットワーク10を介してクラウドサーバ13から第1のアプリケーションプログラムをダウンロードした後、該サービスエンド電子装置11にインストールされたその第1のアプリケーションプログラムを通して、バッテリー装置12における前記バーコードをスキャンすることで該バッテリー装置12の前記バッテリー識別子を取得できる。前記バーコードは、一次(1D)バーコード、または二次(2D)バーコード(例えばクイックレスポンスコード(QRコード(登録商標)))であってもよい。バッテリー装置12の前記バッテリー識別子は、バッテリー装置12に記憶されてもよく、これで該バッテリー装置12とのデータ通信を介して前記バッテリー識別子を取得することができる。例として、1つの実施形態によれば、サービスエンド電子装置11は、バッテリー装置12とのNFCモジュール111、121を介して、前記近距離通信を通しそのバッテリー装置12と通信することで、該バッテリー装置12の前記バッテリー識別子を取得することができる。
【0016】
1つの実施形態によれば、各キャリア装置15は、固有のキャリア識別子を有する。1つの実施形態によれば、販売業者に配送される前に、キャリア装置15においては、該キャリア装置15の前記キャリア識別子と関連付けられるバーコードが配置されるので、該バーコードを通して前記キャリア識別子を取得することができる。例として、1つの実施形態において、サービスエンド電子装置11は、該サービスエンド電子装置11内にインストールされた前記第1のアプリケーションプログラムを通して、キャリア装置15における前記バーコードをスキャンすることで該キャリア装置15の前記キャリア識別子を取得できる。前記バーコードは、1Dバーコード、または2Dバーコード(例えばQRコード)であってもよい。
【0017】
図2は1つの実施形態に係るキャリア装置15を例示し、そして図3図4はバッテリー箱153が配置される前記キャリアの踏み板部分を更に図示する。図2図4には電気スクーターが図示されているが、本開示はそれに制限されることはない。
【0018】
図2を参照すると、図示されるキャリア装置15は、踏み板152と、座席154と、座席154の下にある収納部155とを有する電気スクーターである。1つの実施形態において、該キャリア装置15の前記キャリア識別子と関連付けられる前記バーコードは、座席154の下の位置、または収納部155の内部に配置されるが、本開示に制限されることはない。
【0019】
図3図4を参照すると、1つの実施形態によれば、少なくとも1つのバッテリー装置12(例えば図示される2つのバッテリー装置12)を収容できるバッテリー箱153は、キャリア装置15の座席152の下の空間150内に配置されている。バッテリー箱153は、モータ(図示せず)に駆動されて空間150から持ち上げられてバッテリー装置12を露出させ、または空間150内に降りてバッテリー装置12を隠蔽することができる。1つの実施形態によれば、踏み板152とバッテリー箱153とは互いに噛み合っていることで、バッテリー箱153が持ち上げられると共に踏み板152は空間150を広げ、そしてバッテリー箱153が降りると共に踏み板152は空間150を閉じて覆うようになる。このように、バッテリー装置12の取替えまたは充電が必要な際には、そのバッテリー装置12をキャリア装置15から持ち出しやすい。
【0020】
バッテリー装置12は、バッテリー箱153に搭載されてキャリア装置15に電力を提供するよう構成されている。ただし、キャリア装置15に紐付けされたバッテリー装置12のみ、キャリア装置15に電力を提供することが許可される。具体的には、バッテリー装置12がバッテリー箱153内に搭載される度に、キャリア装置15の車両制御ユニット(VCU)151(図1を参照)が、バッテリー装置12の記憶データにはキャリア装置15の前記キャリア識別子が含まれているか否かを判定する(そのキャリア識別子は、そのキャリア装置15の製造において予めVCU151内に記憶され得る)。もしそうであれば、VCU151は、電力をキャリア装置15内に固定されている電力供給ユニット(図示せず)に提供する指示をバッテリー装置12に出す。そうでなければ、VCU151は、電力をキャリア装置15の電力供給ユニットに提供する指示をバッテリー装置12に出さないことで、キャリア装置15はバッテリー装置12から電力を全く受け取れなくなる。
【0021】
バッテリーの紐付けのための方法は、図1に図示されるシステム1によって実行され得る。1つの実施形態によれば、ステップ21~ステップ24を含む該方法の第1部分、及び、ステップ25~ステップ27を含む該方法の第2部分は、それぞれ図5及び図6で図示されている。
【0022】
これからは図5を参照する。ステップ21においては、バッテリー装置12が顧客に提供(例えば販売あるいは賃借)できるほど、十分に健康であるか否かの判定がなされる。ステップ21は、サブステップ211とサブステップ212との2つのサブステップを含む。サブステップ211において、サービスエンド電子装置11は、近距離無線通信を介してバッテリー装置12と通信し、そしてバッテリー装置12から、該バッテリー装置12の健康状態(SoH)を含むバッテリー情報を受信する。前記バッテリー情報は、バッテリー装置12の他の情報、例えば、バッテリー放電の電力消費、残存容量、満充電の容量、バッテリーの電圧、充電/放電の電流、充電状態のサイクルカウント、充電時間、バッテリーの識別子番号、バッテリーのソフトウェアのシリアル番号、及び/またはバッテリーのハードウェアのシリアル番号などを、更に含んでもよい。SoHは、現在、実際のバッテリー装置12のバッテリー容量と、製造時点におけるバッテリー装置12の規定バッテリー容量との比率(百分率)である。100%のSoHとは、バッテリー装置12の前記健康状態が、製造時点におけるバッテリー装置12のスペックと合っていることを意味する。理想的には、製造時点におけるバッテリー装置12のSoHは100%であるが、使用する度にSoHが落ちる可能性がある。
【0023】
ステップ212において、サービスエンド電子装置11は、バッテリー装置12のSoHを所定の閾値と比較し、そしてバッテリー装置12のSoHと該所定の閾値との関係が所定の条件と合うか否かを判定する。処理手順は、前記所定の条件と合う際にのみ、ステップ22に進む。前記所定の条件とは、例えばバッテリー装置12のSoHが所定の閾値より大きいことであってもよい。別例としては、前記所定の条件とは、バッテリー装置12のSoHが所定の閾値より小さくないことであってもよい。前記所定の条件は、例えば80%であってもよい。
【0024】
ステップ22において、サービスエンド電子装置11は、バッテリー装置12のバッテリー識別子を取得して、該バッテリー識別子を該サービスエンド電子装置11の前記メモリ内(図1に図示せず)に記憶する。前記バッテリー識別子は、例えば、バッテリー装置12におけるバーコードに対するスキャン、または近距離通信を介したバッテリー装置12との通信により、取得してもよい。
【0025】
ステップ23において、サービスエンド電子装置11は、キャリア装置15に対応するキャリア識別子を取得して、該サービスエンド電子装置11の前記メモリ内に記憶する。前記キャリア識別子は、例えばキャリア装置15におけるバーコードに対するスキャンで取得してもよい。
【0026】
ステップ24において、バッテリー装置12に関する認証手順があった後では、バッテリー装置12は、前記キャリア識別子を該バッテリー装置12に記憶することで、キャリア装置15に紐付けされる。ステップ24はサブステップ241~サブステップ243を含む。サブステップ241において、サービスエンド電子装置11は、ステップ22で取得された前記バッテリー識別子が、紐付け予定のバッテリー装置12(以下では“予定のバッテリー装置12”)に記憶される前記バッテリー識別子と一致するか否かを判定することになり、即ち、該予定のバッテリー装置がステップ21のSoH検査に合格したバッテリー装置であるか否かの認証を行う。1つの実施形態によれば、サービスエンド電子装置11はまず、近距離通信を介した予定のバッテリー装置12との通信、または予定のバッテリー装置12における前記バーコードに対するスキャンで、該予定のバッテリー装置12に記憶される前記バッテリー識別子を取得し、それからステップ22で取得された前記バッテリー識別子を、前記予定のバッテリー装置12から取得した前記バッテリー識別子と対照する。ステップ22で取得された前記バッテリー識別子が予定のバッテリー装置12に記憶される前記バッテリー識別子と一致する際にのみ、処理手順はサブステップ242に進むことになる。
【0027】
サブステップ242において、サービスエンド電子装置11は、NFCモジュール111を通して、前記キャリア識別子をバッテリー装置12に送信する。更なる実施形態において、サービスエンド電子装置11は、予定のバッテリー装置12の前記バッテリー識別子を前記キャリア識別子と共に該予定のバッテリー装置12に送信する。
【0028】
サブステップ243において、予定のバッテリー装置12は、サービスエンド電子装置11から受信した前記キャリア識別子を、該予定のバッテリー装置12のメモリ(図1に図示せず)内に記憶する。更なる実施形態において、予定のバッテリー装置12は、サービスエンド電子装置11から受信した前記バッテリー識別子をも記憶する。これにより予定のバッテリー装置12はキャリア装置15に紐付けされることになる。つまり、予定のバッテリー装置12はこの時点で電力をキャリア装置15に供給することが許可される。
【0029】
これからは図6を参照する。ステップ25において、キャリア装置15のユーザに対応するユーザ識別子を取得して記憶する。1つの実施形態によれば、サービスエンド電子装置11には、前記第1のアプリケーションプログラムがインストールされていると共に、前記第1のアプリケーションプログラムを執行することで、前記ユーザ識別子と関連付けられ且つユーザのユーザエンド電子装置14に表示されているバーコードをスキャンすることを通して、該ユーザ識別子を取得するよう構成されている。1つの実施形態によれば、ユーザエンド電子装置14には、通信ネットワーク10を通してクラウドサーバ13からダウンロードした第2のアプリケーションプログラムがインストールされていると共に、前記ユーザが前記第2のアプリケーションプログラムにログインした後、前記ユーザ識別子と関連付けられる前記バーコードを表示するよう構成されている。前記ユーザの前記第2のアプリケーションプログラムへの初回のログインでは、該ユーザには、該第2のアプリケーションプログラムにより提供される登録ウェブページにおける個人情報の入力を含んだ、登録手続きを要求することになり、そして前記個人情報は、例えば、車両のライセンスと、運転免許証と、名前と、住所及び/または連絡番号などに関する情報を含む。前記ユーザ識別子と関連付けられる前記バーコードは、前記ユーザがログインする度に動的に生成され、そして安全性のために制限された有効期間が付されてもよい。つまり、前記ユーザが前記第2のアプリケーションプログラムにログインする度に生成されるバーコードは毎回異なっており、そして制限時間(例えば1時間)が過ぎる前にのみ有効である。1つの実施形態によれば、前記バーコードは、1Dバーコード、または2Dバーコード(例えばQRコード)であってもよい。
【0030】
ステップ26において、サービスエンド電子装置11は、通信ネットワーク10を通して、キャリア装置15の前記キャリア識別子と、バッテリー装置12の前記バッテリー識別子と、キャリア装置15の前記ユーザの前記ユーザ識別子と、をクラウドサーバ13に送信する。
【0031】
ステップ27において、クラウドサーバ13は、サービスエンド電子装置11から、前記キャリア識別子と前記バッテリー識別子と前記ユーザ識別子とを受信し、そして該キャリア識別子と該バッテリー識別子と該ユーザ識別子とを関連(交互関係)グループとして記憶する。1つの実施形態において、前記キャリア識別子と前記バッテリー識別子と前記ユーザ識別子との交互関係は、クラウドサーバ13に記憶されるルックアップテーブル内で特定される。この場合では、バッテリー装置12は、キャリア装置15、及び、クラウドサーバ13側における前記ユーザ識別子に対応する前記ユーザに紐付けされる。その後、サービスエンド電子装置11は、バッテリー装置12の前記バッテリー識別子を用いて、クラウドサーバ13との通信を通してバッテリー装置12の前記所有者/ユーザの身元識別について問い合わせを行ってもよい。また、サービスエンド電子装置11は、バッテリー装置12の前記バッテリー識別子を用いて、クラウドサーバ13との通信を通して、どのキャリア装置15がバッテリー装置12の使用を許可されているかの問い合わせを行ってもよい。クラウドサーバ13は、前記キャリア識別子と前記バッテリー識別子と前記ユーザ識別子を記憶した後、記憶完了信号をサービスエンド電子装置11に送信してもよく、そしてサービスエンド電子装置11は、前記記憶完了信号の受信に応じて、その中に記憶される前記キャリア識別子と前記バッテリー識別子と前記ユーザ識別子を削除してもよい。
【0032】
上記に開示される方法によれば、バッテリー装置12は、サービスエンド電子装置11の操作を通して簡単且つ迅速に指定のキャリア装置15に紐付けされることができることが理解されよう。前記に開示される方法は、ステップ21で実行される前記SoHの検査で、不健康なバッテリー装置が紐付けされることを防止できるという有益な特徴がある。つまり、EVの所有者/ユーザが販売業者から不健康または欠陥のあるバッテリーを購入、または賃借してしまうことが防止される。また、前記に開示される方法では、ステップ24(特にサブステップ241)で実行される前記バッテリー識別子の検査で、稼動中の前記バッテリー装置が正しいバッテリー装置であり、即ち、関連のキャリア装置に紐付けされるためのバッテリー装置であることを確保することができる。
【0033】
更に図7は、上記に開示される方法の変更例を図示している。具体的には、図7図5におけるステップ24の変更となるステップ24′を図示する。ステップ24′は、ステップ24のサブステップ241の変更となる、サブステップ245~サブステップ247を含んでおり、またサブステップ242及びサブステップ243はステップ24におけるものと同様である。
【0034】
サブステップ245において、サービスエンド電子装置11は、近距離通信を介して前記バッテリー識別子を、紐付けする予定のバッテリー装置12に送信する。
【0035】
サブステップ246において、バッテリー装置12のコントローラ122は、サービスエンド電子装置11から前記バッテリー識別子を受信し、そしてサービスエンド電子装置11から受信した前記バッテリー識別子が、予定のバッテリー装置12に記憶されている前記バッテリー識別子と一致するか否かを判定する。サービスエンド電子装置11から受信した前記バッテリー識別子が予定のバッテリー装置12に記憶されている前記バッテリー識別子と一致すると判定した際にのみ、処理手順はサブステップ247に進むことになる。
【0036】
サブステップ247において、認証信号をサービスエンド電子装置11に送信する。
【0037】
続いてのサブステップ242及びサブステップ243は、図5を参照する上記の通りなので、繰り返しの説明は省略する。更なる実施形態においては、サブステップ246で、サービスエンド電子装置11から受信した前記バッテリー識別子が、記憶されている前記バッテリー識別子とは合致しないと判定した際、バッテリー装置12は、エラー信号をサービスエンド電子装置11に送信して、該サービスエンド電子装置11のユーザ(例えば販売業者)に、紐付けされる予定のバッテリー装置12が正しいバッテリー装置1ではないことを通知できる。
【0038】
関連分野における当業者であれば、ステップ21~ステップ27を確実に図5及び図6に図示される順番通りに実行する必要はないことが理解される。具体的には、ステップ23はステップ22の前に実行されてもよく、そしてステップ25はステップ26の前であれば何時実行されてもよい。
【0039】
前記方法には、他の変更を加えてもよい。例えば、1つの実施形態において、ステップ25は省略され、そしてステップ26及びステップ27において、前記キャリア識別子と前記バッテリー識別子のみをクラウドサーバ13に送信して記憶する。別例として、1つの実施形態において、ステップ211において、サービスエンド電子装置11から受信した前記バッテリー情報は、バッテリー装置12の前記バッテリー識別子を含んでもよい。この場合では、ステップ22は省略してもよく、ステップ241において使用された、予定のバッテリー装置12に記憶されている前記バッテリー識別子と対照するための前記バッテリー識別子は、ステップ211で取得した前記バッテリー識別子となる。
【0040】
上記においては、本発明の全体的な理解を促すべく、多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。また、本明細書における「一つの実施形態」「一実施形態」を示す説明において、序数などの表示を伴う説明は全て、特定の態様、構造、特徴を有する本発明の具体的な実施に含まれ得るものであることと理解されたい。更に、本説明において、時には複数の変化例が一つの実施形態、図面、またはこれらの説明に組み込まれているが、これは本説明を合理化させるためのもので、また、本発明の多面性が理解されることを目的としたものであり、また、一実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例は、適切な場合には、本開示の実施において、他の実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例と共に実施され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7