IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カレン スー スヴェイコフスキー、トラスティー オブ ザ ポール エイ.スヴェイコフスキー ファミリー トラストの特許一覧 ▶ カレン スー スヴェイコフスキー、トラスティー フォー ザ ピー.エイ.アンド ケイ.エス.スヴェイコフスキー リビング トラスト、デイテッド ジュライ 9、1997の特許一覧 ▶ スヴェイコフスキー、ポール ブレイクの特許一覧

特許7021179食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム
<>
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図1
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図2
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図3
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図4
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図5
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図6
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図7
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図8
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図9
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図10
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図11
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図12
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図13
  • 特許-食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】食品在庫を搬送および管理するコンベア方法およびコンベアシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/68 20060101AFI20220208BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
B65G47/68 D
B65G47/46 C
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019500753
(86)(22)【出願日】2017-03-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-23
(86)【国際出願番号】 US2017023993
(87)【国際公開番号】W WO2017165752
(87)【国際公開日】2017-09-28
【審査請求日】2020-02-26
(31)【優先権主張番号】15/081,033
(32)【優先日】2016-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518340511
【氏名又は名称】カレン スー スヴェイコフスキー、トラスティー オブ ザ ポール エイ.スヴェイコフスキー ファミリー トラスト
【氏名又は名称原語表記】KAREN SUE SVEJKOVSKY,TRUSTEE OF THE PAUL A.SVEJKOVSKY FAMILY TRUST
(73)【特許権者】
【識別番号】518340522
【氏名又は名称】カレン スー スヴェイコフスキー、トラスティー フォー ザ ピー.エイ.アンド ケイ.エス.スヴェイコフスキー リビング トラスト、デイテッド ジュライ 9、1997
【氏名又は名称原語表記】KAREN SUE SVEJKOVSKY,TRUSTEE FOR THE P.A.& K.S.SVEJKOVSKY LIVING TRUST,DATED JULY 9,1997
(73)【特許権者】
【識別番号】518340533
【氏名又は名称】スヴェイコフスキー、ポール ブレイク
【氏名又は名称原語表記】SVEJKOVSKY,Paul Blake
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】スヴェイコフスキー、ポール ブレイク
(72)【発明者】
【氏名】ペトリ、ケネス シー.
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-523443(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0239677(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00- 69/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐敗性食品製品の多数の個々の部分の在庫を管理する方法において、該方法は、
第1の側と、第2の側と、第1の側と第2の側との間の中心線と、腐敗性製品の供給源流を受け取る近位端部と、分配コンベアから前記腐敗性製品のテール流を放出する遠位端部と、分配コンベアの近位端部と遠位端部との間に存在する1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁とを有する分配コンベアを提供するステップであって、前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁の各々は、前記製品の供給源流の制御可能な一部を、前記分配コンベアの第1の側から前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁の各々より下方に配置された対応する受け取り構造へ、回転可能なスリーブの開口から放出するように制御可能に調整可能である、ステップと、
前記分配コンベアの遠位端部から放出されるテール流を受け取るために前記分配コンベアの遠位端部の近位に配置された近位端部と、前記製品のテール流を再循環コンベアから前記分配コンベアの再投入区域上へ放出するように配置された遠位端部とを有する再循環コンベアを提供するステップであって、前記分配コンベアの再投入区域は、前記分配コンベアの近位端部と、前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁のうちの最も近いものとの間に存在し、かつ前記分配コンベアの中心線から前記分配コンベアの第1の側に向かって側方方向に偏倚されている、ステップと、
前記分配コンベアの近位端部において受け取られた腐敗性製品の供給源流の少なくとも一部を前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁を通して移動させ、さらに前記再循環コンベアの近位端部へ放出するために前記分配コンベアの遠位端部へ移動させるように前記分配コンベアを作動させるステップと、
前記再循環コンベアの近位端部において受け取られたテール流を前記分配コンベアの再投入区域へ放出するために前記遠位端部へ移動させるように前記再循環コンベアを作動させるステップと、
前記テール流を前記分配コンベアに沿って前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁へ搬送するステップと、
前記テール流を1つ以上の受け取り構造へ放出するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の受け取り構造の各々が、前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁のうちの対応する1つの下に配置された近位端部を有する受け取りコンベアを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の受け取りコンベアのうちの1つの近位端部上に、前記テール流および前記テール流と前記分配コンベアの近位端部において前記分配コンベア上に受け取られた前記腐敗性食品製品の供給源流の一部との混合物のうちの一方を受け取るステップと、
前記1つ以上の受け取りコンベアに放出された前記テール流およびテール流と前記腐敗性食品製品の供給源流の一部との混合物のうちの一方を調味ステーションおよび計量袋詰め機の少なくとも一方に搬送するステップと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の受け取りコンベアのうちの別のものの近位端部上に、前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁のうちの別のものを通じて前記分配コンベアから放出された、前記テール流の残部と前記腐敗性食品製品の供給源流の一部との混合物および前記腐敗性食品製品の供給源流の一部のうちの一方を受け取るステップと、
前記1つ以上の受け取りコンベアのうちの前記別のものを使用して、前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁のうちの前記別のものから放出された、前記テール流の残部と前記腐敗性食品製品の供給源流の一部との混合物および前記腐敗性食品製品の供給源流の一部のうちの一方を調味ステーションおよび計量袋詰め機の少なくとも1つへ搬送するステップと、をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
再循環コンベアを提供するステップが、
往復再循環コンベアおよびベルト式再循環コンベア(belted recirculation conveyor)のうちの一方を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記再循環コンベアが、近位端部と、近位端部に対して上昇した遠位端部とを有する往復再循環コンベアであり、
前記再循環コンベアが前記テール流を前記再循環コンベアの近位端部から前記再循環コンベアの遠位端部へ搬送するにつれて、前記再循環コンベアが前記テール流を上昇させる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記再循環コンベアのトラフの底部が、丸味を帯びた底部および平坦な底部の一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記再循環コンベアのトラフが丸味を帯びており、
前記トラフが半円形の形状である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
分配コンベアを提供するステップが、
往復分配コンベアおよび振動下方傾斜分配コンベアのうちの一方を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
分配コンベアを提供するステップが、往復分配コンベアを提供することを含み、
前記分配コンベアを作動させるステップが、差動インパルスドライバを用いて、前記分配コンベアを軸線方向に往復運動させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
多数の個々の腐敗性食品部分からなる在庫の管理に使用するための装置において、該装置は、
近位端部と、遠位端部と、第1の側と、第2の側と、第1の側と第2の側との間に存在する中心線と、内部に開口を備えた制御可能に回転可能なスリーブを有する少なくとも1つの制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁とを有する分配コンベアであって、該分配コンベアに沿って前記個々の腐敗性食品部分の供給源流は前記近位端部から前記少なくとも1つの制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁へ搬送可能である、分配コンベアと、
前記分配コンベアの遠位端部から放出された個々の腐敗性食品部分のテール流を受け取るように配置された近位端部と、前記個々の腐敗性食品部分のテール流を再循環コンベアから前記分配コンベアの中心線と第1の側との間かつ前記近位端部と前記少なくとも1つの制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁との間に存在する前記分配コンベアの再投入区域上に放出するように配置された遠位端部とを有する再循環コンベアと
を備える、装置。
【請求項12】
前記分配コンベアのトラフが、半円形の底部、および平坦な底部と一対の対向する上方に傾斜した側壁との間に形成された一対の対向した鈍角内角の間に配置された平坦な底部のうちの一方を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁が前記分配コンベアの近位端部と遠位端部との間に配置されており、
前記少なくとも1つの制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁が、前記製品の供給源流の制御可能な一部を、前記分配コンベアの第1の側上に配置された前記制御可能に回転可能なスリーブ内の開口から、前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁の各々より下方に配置された対応する受け取り構造へ、放出するように制御可能に調整可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記再循環コンベアが、振動コンベア、ベルトコンベアおよび往復コンベアのうちの1つを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
多数の腐敗性食品製品からなるテール流を搬送する方法であって、
近位端部、遠位端部、前記近位端部と遠位端部との間に配置された内部に開口を備えた制御可能に回転可能なスリーブを有する1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁、第1の側、第2の側、および第1の側と第2の側との間の中心線を有する分配コンベアを提供するステップと、
前記分配コンベアの遠位端部の近位にある近位端部と、遠位端部とを有する再循環コンベアを提供するステップと、
前記分配コンベアを作動させるステップと、
前記再循環コンベアを作動させるステップと、
前記分配コンベアの近位端部において多数の腐敗性の個々の食品部分からなる供給源流を受け取って、前記供給源流を前記分配コンベアに沿って前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁へ搬送するステップと、
前記供給源流の1つ以上の部分を前記分配コンベアから前記1つ以上の制御可能に調整可能な流れ制御弁の各々の近位に配置された受け取り構造に放出するステップと、
前記分配コンベア上に残存するテール流を前記分配コンベアの遠位端部から前記再循環コンベアの近位端部へ放出するステップと、
前記テール流を前記再循環コンベアの遠位端部へ搬送するステップと、
前記テール流を前記再循環コンベアの遠位端部から、前記近位端部と前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁との間に存在し、かつ前記分配コンベアの中心線から前記分配コンベアの第1の側の方向に偏倚した前記分配コンベアの再投入区域へ放出するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記1つ以上の制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁をその内部にある前記制御可能に回転可能なスリーブを回転させることによって、合一された供給源流およびテール流の一部をそれらの制御可能に調整可能な側方放出流れ制御弁の近位にある受け取り構造へ放出するように、制御可能に調整するステップをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記受け取り構造が受け取りコンベアである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記合一された供給源流およびテール流の放出された部分を調味ステーションおよび計量袋詰め機の少なくとも一方に搬送するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品調製および袋詰め施設において食品の在庫を搬送および管理するためのコンベア方法およびコンベアシステムに関する。このコンベア方法およびコンベアシステムは、施設環境への長期曝露により腐敗したり、または古くなったりする多数の個々の腐敗性(perishable)(腐敗しやすい)食品部分からなる製品の流れを移動させるためのものである。
【背景技術】
【0002】
食品製品および他の製品の加工、調製および包装に使用するための製品コンベアシステムは、例えば個々の腐敗性食品部分の入来する流れを同一施設の別々の領域にそれぞれ導かれる2つの分離した流れに分けるために選択的に調整することができる調整可能な側方放出流れ制御弁を備える場合がある。例えば、多数の個々の食品部分からなる製品の供給源流は、分配コンベアを用いて、加工施設の領域に対して調整および配送されてもよく、そのような領域では、腐敗性食品製品の供給源流の第1部分は第1風味の調味材料で風味付けされ、一方、上記の流れの第1部分から分離された供給源流の別の第2部分は第2風味の調味材料で風味付けされる。例えばポテトチップスのような製品は消費者の多様な味覚に合わせるために、このように風味付けされ得る。未調味または「未加工」の腐敗性食品部分の供給源流は、第1調味材料の適用を目的として腐敗性食品部分の供給源流の第1部分を第1調味ステーションに提供し、かつ第2調味材料の適用を目的として腐敗性食品部分の供給源流の第2部分を第2調味ステーションに提供するために、2つ(またはそれ以上)のより小さな流れに分割または分離されなければならず、それらの流れの各々は腐敗性食品製品の元の供給源流の一部である。これは、未加工製品の単一の供給源を用いて2つ(またはそれ以上)の調味ステーションに供給し、調味ステーションは次に計量および包装機に供給し、そこで製品の袋は計量され、食品製品が施設環境への長期曝露により古くなるのを防止するために密閉されることで、2つ(またはそれ以上)の異なる調味がなされた製品の要求を満たすことができる効率的なプロセスである。
【0003】
調整可能な流れ制御弁、可変流れ制御弁、プロポーショナルゲート(proportional gates)およびレボリューションゲート(revolution gates)はすべて、供給源流を2つ以上の部分に制御可能に分離するために用いることができる装置を指す際に用いられる用語である。コンベアシステムに適用される際には、これらの用語は、分配コンベアから放出され得る製品の入来する供給源流の一部の選択的制御を可能にする一方で、供給源流の残部を別のバルブまたはゲートへの移動、または施設内の別のステーションへの移動のために分配コンベア上に保持する装置を指す。これらの装置は、腐敗性食品製品の分離および取り扱いに関連して用いられる場合には、本願では調整可能な流れ制御弁と称される。
【0004】
例えば、分配コンベアは腐敗性食品製品の供給源流を施設内で移動させるために用いることができる。その分配コンベア内には第1の調整可能な流れ制御弁を備えることができ、第1の調整可能な流れ制御弁は、食品製品の入来する供給源流の制御可能な一部を、第1調味ステーションへ搬送する目的で、分配コンベアから受け取りコンベアに放出するために用いられ得る。第1調味ステーションでは、第1の調整可能な流れ制御弁を用いて分配コンベアから放出された食品製品の供給源流の第1部分に対して、第1調味材料が所定の重量比で適用される。第1調味ステーションにおいて第1調味材料によって調味された腐敗性食品製品の供給源流のその第1部分は、次にコンベアを用いて計量袋詰め機へ搬送されてもよく、計量袋詰め機では、調味された製品は、個別の重量の調味製品に分けられて、輸送および消費者への販売のために袋に密閉される。
【0005】
分配コンベア上に残存して第1の調整可能な流れ制御弁を越えて移動する腐敗性食品製品の供給源流の残部、すなわち第1の調整可能な流れ制御弁に進入し、第1の調整可能な流れ制御弁によって分配コンベアから放出されなかった腐敗性食品製品の供給源流の部分は、分配コンベアによって、最終目的地、第2の調整可能な流れ制御弁、および分配コンベアの遠位端部のうちの1つへ移動される。分配コンベアは、複数の調整可能な流れ制御弁を有してもよく、それらの流れ制御弁の各々はその流れ制御弁から放出される製品の入来する流れの部分を変化させるように調整可能である。第1の調整可能な流れ制御弁を越えて分配コンベア上に残存する腐敗性食品製品の供給源流の部分が分配コンベアに沿って第2の調整可能な流れ制御弁へ移動されると、次に製品の供給源流の第2部分が第2の調整可能な流れ制御弁によって分配コンベアから放出され得る。また分配コンベア上に残存して第2の調整可能な流れ制御弁を越えて移動する腐敗性食品製品の供給源流の部分、すなわち第1または第2の調整可能な流れ制御弁のいずれによっても分配コンベアから放出されなかった第2の調整可能な流れ制御弁に進入した製品の流れの部分は、分配コンベア上に残存し、最終目的地、第3の調整可能な流れ制御弁、および分配コンベアの遠位端部のうちの1つへ移動する。このパターンは、1)分配コンベア上の製品の残りの流れのすべてが、集合した調整可能な流れ制御弁によって分配コンベアから放出されるか、または2)分配コンベアの遠位端部または末端部において腐敗性食品製品の、本願では「テール流」と称される、元の供給源流の未放出部分が残存するまで継続する。テール流は、分配コンベアの1つ以上の調整可能な流れ制御弁を通過した元の供給源流の未放出部分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
腐敗性食品に風味付けして包装する一部の従来の施設では、テール流は廃棄され、食品製品の不要な廃棄物を生じ、さもなければ廃棄された製品の売り上げから得られたであろう潜在的な収益の不要な損失をもたらす。腐敗性食品に風味付けして包装する他の従来の施設では、テール流は無駄を防ぐために再循環されて入来する「新しい」供給源流と混合される。しかしながら、包装および密封される前に施設環境への長期曝露によって腐敗したり、または古くなったりする食品製品に関して、テール流の再循環、およびテール流の「新しい」入来する供給源流との混合は、供給源流を構成する個々の食品部分のうちの少なくとも一部が2回以上再循環される場合があるため、許容可能な行為ではない。これらの過度に再循環された個々の食品部分は、施設環境への長期曝露により非常に古くなっており、摂取するのが好ましくないことがある。食品製品のパッケージ内において新鮮な食品部分にこれらの古くなった食品部分がわずかでも混入していることにより、消費者の不満を招く可能性がある。
【0007】
個々の食品部分のテール流の長期曝露を防止し、同時にテール流の不要な廃棄および廃棄物を防止するために用いることができるコンベア方法およびコンベアシステムが必要とされている。また、分配コンベアからのテール流の再循環および使用の結果として生じ得る付加的な曝露の量を効果的に制限することができるコンベア方法およびコンベアシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコンベア方法およびコンベアシステムの実施形態は、コンベアを用いて施設内において調製、加工、計量、および包装され、またステーション間を移動される調製済み食品製品の鮮度および品質を維持するために用いられ得る。より具体的には、本発明の方法およびシステムの実施形態は、テール流の施設環境への曝露による腐敗を最小限にし、かつ包装された食品製品の全体的な鮮度および品質を最大限にする方法で、食品製品のテール流の再循環を可能にする。
【0009】
本発明は搬送される食品とともに用いるための在庫管理システムに関する。より具体的には、本発明は腐敗性食品製品のテール流を再循環させ、そのテール流を腐敗性食品製品の供給源流に再導入するとともに、さもなければ腐敗および消費者満足の喪失をもたらすであろう再度導入されたテール流の施設環境への曝露の持続時間を制限する在庫管理システムに関する。
【0010】
本発明の一実施形態は腐敗性食品製品の在庫を管理する方法を提供する。該方法は、近位端部、遠位端部、近位端部と遠位端部との間の1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁、第1の側、第2の側、および第1の側と第2の側との間の中心線を有する分配コンベアを提供するステップを含み、分配コンベアは、腐敗性食品製品の供給源流を受け取って移動させ、かつ供給源流の一部を1つ以上の受け取り構造および分配コンベアの遠位端部に分配するように管理されている。受け取り構造は、一実施形態では、供給源流の受け取った部分を調味ステーションおよび/または計量袋詰め(包装)機へ輸送する受け取りコンベアである。
【0011】
受け取りコンベアのような受け取り構造は、分配コンベア上で調整可能な側方放出流れ制御弁内に移動される供給源流の一部を受け取り、調整可能な側方放出流れ制御弁は、食品製品の供給源流の制御可能な一部を分配コンベアの側方から受け取り構造に制御可能に放出する。調整可能な側方放出流れ制御弁は、分配コンベア上の腐敗性食品製品の入来する流れを受け取り、食品製品の供給源流の調整可能な一部を分配コンベアから制御可能に放出するとともに、食品製品の供給源流の残部を、受け取り構造に放出する別の流れ制御弁および分配コンベアの遠位端部のうちの1つへ搬送するために、分配コンベア上において流れ制御弁を通して移動させることができる分配コンベアの構成要素である。
【0012】
調整可能な流れ制御弁は、分配コンベア上の製品の入来する流れを受け取り、製品の流れの調整可能な一部を分配コンベアの側方から放出するとともに、製品の流れの残部を分配コンベア上に残存するように調整可能な流れ制御弁を通して移動させることができる分配コンベアの構成要素である。側方放出の調整可能な流れ制御弁は、分配コンベア上の製品の入来する流れを受け取り、製品の供給源流の調整可能な一部を最初に分配コンベアの第1の側および第2の側の一方から制御可能に放出するとともに、食品製品の供給源流の残りの未放出部分を分配コンベア上に残存するように側方放出の調整可能な流れ制御弁を通して移動させることができる分配コンベアの構成要素である。分配コンベアは、トラフであって、トラフが分配コンベアに沿って移動する際に、食品製品の供給源流を保持して収容するトラフを含む。側方放出の調整可能な流れ制御弁は、製品の供給源流の調整可能な一部を受け取り構造へ放出できるだけでなく、分配コンベアの中心線から分配コンベアの第1の側および第2の側のうちの一方に向かって側方に偏倚した食品製品の供給源流の一部を優先的に放出することもできる。調整可能な側方放出流れ制御弁のこの付加的な能力は、該能力により、再循環されたテール流が2回再循環されることなく、例えば調味ステーションおよび/または計量袋詰め機のような後続の加工ステップに放出され搬送されることを保証する方法で、再循環された食品製品のテール流が分配コンベア内の供給源流と合一されることが可能となるため重要である。本発明のコンベア方法およびコンベアシステムの使用によりテール流を単一の再循環ステップに制限することによって、鮮度が維持され、腐敗が防止される。
【0013】
本発明のコンベア方法の一実施形態は、近位端部、遠位端部、第1の側、第2の側、第1の側と第2の側との間の中心線、および1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁を有する分配コンベアを提供するステップと、分配コンベアの遠位端部の近位にある近位端部と、遠位端部とを有する再循環コンベアを提供するステップと、分配コンベアの近位端部において腐敗性食品製品の供給源流を受け取るステップと、腐敗性食品製品の供給源流を分配コンベアに沿って分配コンベアの遠位端部に向けて、1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁内に移動させるステップであって、1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁はそれぞれ腐敗性食品製品の供給源流の調整可能な一部を分配コンベアの第1の側および第2の側のうちの一方から優先的に放出するために適合されている、ステップと、1つ以上の流れ制御弁の各々から食品製品の供給源流の放出された部分を調味ステーションおよび計量包装機、または何らかの他のステーションのうちの1つへの輸送を目的としてそれぞれ受け取るために、1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁の各々の近位に受け取り構造を提供するステップであって、調味ステーションおよび計量包装機では、供給源流の放出された部分の各々に対して、調味、並びに食品製品および食品製品に適用された調味料の記載を有する密封袋内への個別の量での計量および包装のうちの1つを行うことができる、ステップと、食品製品の供給源流の残部をテール流として1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁から分配コンベアの遠位端部へさらに分配コンベアに沿って搬送するステップと、テール流を再循環コンベアの近位端部へ放出するステップと、1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁を通過した供給源流の残部であるテール流を再循環コンベア上において搬送するステップと、テール流を再循環コンベアから放出して分配コンベアの再投入区域内において分配コンベア上に戻すステップであって、前記再投入区域は分配コンベアの近位端部と1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁との間に存在し、かつ分配コンベアの中心線から流れ制御弁において放出が行われる分配コンベアの第1の側および第2の側のうちの一方に向かって側方方向に偏倚されている、ステップとを含む。テール流は、コンベアから1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁を介して選択的に放出されることで、分配コンベアから続けて2回除去される。
【0014】
本発明のコンベア方法およびコンベアシステムの一実施形態において、分配コンベアは、それぞれが供給源流のいかなる部分の放出も防止するための上昇位置と、すべての供給源流が受け取り構造に放出される最低位置との間において独立して配置可能である開口を有する回転可能なスリーブを備えた、第1の調整可能な側方放出流れ制御弁および第2の調整可能な側方放出流れ制御弁を含む。
【0015】
例えば、これに限定されるわけではないが、第1の調整可能な側方放出流れ制御弁は、分配コンベアに沿って移動する製品の供給源流の第1部分を第1の調整可能な側方放出流れ制御弁から第1受け取り構造に放出するように配置されている。第1受け取り構造は、供給源流の放出された部分を、例えば計量袋詰め機もしくは調味ステーション、またはそれらの双方のような施設内の目的地に移動させる受け取りコンベアである。第1の調整可能な側方放出流れ制御弁から分配コンベアをさらに下った所には、第1側方放出流れ制御弁に進入したが、その流れ制御弁から放出されなかった製品の流れの残部をその上流端部内に受け取る第2の調整可能な側方放出流れ制御弁が存在する。分配コンベアの第2の調整可能な側方放出流れ制御弁は、食品製品の供給源流の第2部分を第2受け取り構造に放出するように配置することができる。第2受け取り構造は、第1受け取り構造のように、供給源流の放出された部分を、例えば計量袋詰め機もしくは調味ステーション、またはそれらの双方のような施設内の目的地に移動させる受け取りコンベアである。
【0016】
個々の腐敗性食品部分の入来する供給源流を選択的に分割または分離するために分配コンベア内に含まれる調整可能な側方放出流れ制御弁の数は1つ、2つ、またはそれ以上であることができ、調整可能な側方放出流れ制御弁の配置に応じて、複数の放出流部分が分配コンベアから複数のプロセスラインの一部である対応する受け取り構造に放出され得る。分配コンベアの一連の調整可能な側方放出流れ制御弁中の最後の調整可能な側方放出流れ制御弁が、最後の調整可能な側方放出流れ制御弁の上流端部に進入する個々の食品部分の供給源流をすべては放出しないように配置されている場合には、その後、最後の動作中の(例えば、部分的に開放された)調整可能な側方放出流れ制御弁を通過する製品の供給源流の残部が存在することになる。個々の食品部分の供給源流のこの残存または未放出部分は、本願では、廃棄されるか、または再循環されなければならない「テール流」と称される。
【0017】
テール流の個々の食品部分を廃棄することは、テール流の個々の食品部分の製造に使用した貴重な原料および成分の明らかな損失のために望ましくない。テール流を再循環して用いることは、経済的により効率的であるが、食品製品が施設内の環境への長期曝露により古くなったり、または鮮度を失ったりする性質のものである場合には問題が生じる。食品製品の過度に曝露された、または古くなったテール流を食品製品の入来する供給源流中に戻して混合することにより、小数の古くなった食品部分と多数の新鮮な食品部分とを含有する多数の製品が生じ、消費者満足が失われることになる。
【0018】
本発明のコンベア方法およびコンベアシステムの実施形態は、分配コンベアに沿って分配コンベアの遠位端部まで移動するのに必要な時間にわたって施設環境に既に曝露されている、分配コンベアの遠位端部に到達した個々の食品部分のテール流を、食品製品の比較的新鮮な供給源流と混合する問題に対して解決策を提供する。本発明のコンベア方法およびコンベアシステムの実施形態は、食品製品のテール流を分配コンベアの遠位端部から受け取って、再循環コンベアの再投入区域に移動させるために、再循環コンベアを提供する。分配コンベアの再投入区域は、供給源流を受け取る分配コンベアの近位端部と1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁との間に存在し、かつ分配コンベアの中心線から第1の側に向かって側方方向に偏倚した分配コンベアの区域である。テール流を分配コンベアの再投入区域に戻すことにより、テール流が到達する第1の動作中の調整可能な側方放出流れ制御弁によってテール流が優先的に放出され、それによりテール流を調味ステーションおよび計量袋詰め機のうちの一方である次工程の目的地に移動させて、テール流の施設環境への曝露期間を最小限にすることが保証される。テール流を入来する食品製品の新鮮な供給源流と合一することにより、テール流を構成する個々の食品部分は分配コンベアの第1側壁に沿って配置され、その結果、テール流を構成する再循環された食品部分のすべて、または少なくとも実質的に大部分は、分配コンベアの再投入区域から直ぐ下流に位置する第1の動作中の調整可能な側方放出流れ制御弁において分配コンベアから放出されるように分配コンベア内において優先的に配置される。調整可能な側方放出流れ制御弁が放出する分配コンベアの側は、分配コンベアの側方に偏倚した再投入区域と同じ側になければならないことに留意すべきである。
【0019】
本発明のコンベア方法およびコンベアシステムの一実施形態において、分配コンベアのトラフ(食品製品を支持する分配コンベアの表面)の形状は半円形である。本発明のコンベア方法およびコンベアシステムの別の実施形態において、分配コンベアのトラフは、平坦な底部と、それぞれが対向する側面において平坦な底部と鈍角内角で交差する2つ以上の側壁とを備える。例えば、平坦な底部の種類のトラフには、図12に示すように、反転した普通の台形の断面が含まれる。
【0020】
本発明のコンベア方法およびコンベアシステムを実施するために用いることができるか、または本発明のシステムまたは装置内に含まれる様々な異なる種類のコンベアが存在する。本発明のコンベア方法およびコンベアシステムの一実施形態において、分配コンベアは往復コンベアおよび下方傾斜振動コンベア(declined vibratory conveyor)のうちの1つである。往復コンベアは、コンベア上において支持された食品製品を滑らかな製品支持面に沿って移動させるために、差動インパルスドライバによって往復運動させられるコンベアである。製品支持面は、第1加速度で所定の距離を通って軸線方向に移動され、次いで第1加速度よりも大きな第2加速度で軸線方向に元の位置まで戻される。第1加速度は、コンベア上の食品製品がコンベア面とともに、またはほぼコンベア面とともに移動するように十分に遅く、かつ第2加速度は食品製品がコンベア上で摺動するように十分に速い。各サイクルの最終結果として、食品製品はコンベアに沿って前進することになる。分配コンベアの調整可能な側方放出流れ制御弁は、差動インパルス動作を分配コンベアの長さに沿って一様に伝達するために分配コンベアの能力に影響を与えることなく、分配コンベアに組み込むことができる種類のものである。往復コンベアは、摺動を促進するために滑らかにされていない継ぎ目または移動面との相互作用の結果として破損、粉砕または崩壊しやすい脆弱な製品を移動させるために特に有用である。
【0021】
下方傾斜振動コンベアは、コンベアがわずかに下方に傾斜している場合に、食品製品がコンベアの下方に傾斜している方向に前進するように、製品の流れを構成する個々の食品部分間の静止摩擦を最小限にするために振動する食品支持表面を有するコンベアである。
【0022】
本発明の再循環コンベアとしては往復コンベアまたはベルトコンベアが挙げられるが、振動コンベアは、食品製品の流れを低い近位端部からより高い遠位端部に上昇させるための付加的な補助装置を必要とする場合がある。テール流が再循環コンベアから分配コンベアに放出される際にテール流を落下させることができるようにテール流を上昇させるために、再循環コンベアの遠位端部は再循環コンベアの近位端部よりも高くなければならない。往復コンベアは、傾斜した再循環コンベア面に沿って多数の個々食品部分を移動させることができるので、本願において特に有用である。個々の食品部分のテール流が移動される傾斜の角度は制限されるが、最大傾斜角は、例えばテール流を構成する個々の食品部分の性質およびテクスチャのような要因に依存する。
【0023】
本発明のコンベア方法およびコンベアシステムとともに、異なる種類の調整可能な側方放出流れ制御弁を用いることができる。本発明の方法およびシステムの実施形態を実施するために用いることができる1つの特定の種類の調整可能な側方放出流れ制御弁は、上記で検討し説明したように、開口を有する回転可能なスリーブを含む調整可能な側方放出流れ制御弁である。本発明の方法およびシステムの実施形態を実施するために用いることができる別の調整可能な側方放出流れ制御弁は、摺動可能なゲートもしくは扉機構、または枢動可能なゲートもしくは扉機構を用いて閉鎖可能である孔、開口またはスロットを有する流れ制御弁である。例えば、これに限定されるものではないが、摺動可能な扉は、閉鎖位置にある場合、コンベアの中心線から側方に偏倚したコンベアトラフの平坦な底部の一部として機能する。扉が開位置に摺動すると、床部の一部が開放され、中心線から側方方向に偏倚されている製品の供給源流の一部が分配コンベアから受け取り構造に放出される。別の例として、再びこれに限定されるものではないが、枢動可能な扉は、トラフの傾斜した側壁の一部として機能する。扉が開位置に枢動すると、側壁の一部が開放され、中心線から側方方向に偏倚した製品の供給源流の一部が分配コンベアから受け取り構造に放出される。いずれの種類の調整可能な側方放出流れ制御弁も開放されると、摺動可能な扉によるか、枢動可能な扉によるか、または配置可能な開口によるかにかかわらず、食品製品の流れの一部を分配コンベアから受け取り構造に放出し、その食品製品の流れの放出された部分は、分配コンベアの中心線から側方に偏倚した食品製品の流れの一部からのものとなる。
【0024】
本発明のコンベア方法およびコンベアシステムの実施形態を実施するために用いることができる別の調整可能な側方放出流れ制御弁は、限られた領域において再配置可能部分または取り外し可能部分を有する可動支持部材によって支持されたコンベアベルトを有する流れ制御弁である。支持部材の再配置可能部分が支持位置にある場合には、コンベアベルトは、その幅にわたって一様に支持されている。支持部材の再配置可能部分が放出位置に移動されると、コンベアベルトは、コンベアベルトの中心線から側方に偏倚した位置において支持されなくなる。支持部材のこの放出位置は、支持部材をコンベアベルトから下降させて離れさせ、製品の供給源流が移動され支持されているコンベアベルトを特定の影響を受ける局所的領域では支持されないようにして、ベルトを支持表面内の支持されていない空隙内に弛ませることにより、個々の食品部分の供給源流の一部の放出を可能にする。ベルトコンベアのベルトのこの弛みにより、分配コンベアの中心線から側方方向に偏倚されてベルト上で移動している供給源流の一部はベルトの側方に落下し、コンベアから放出される。
【0025】
本発明の方法およびシステムの実施形態を実施または提供するために必要とされる装置は変化していてもよいが、本発明の範囲は、本願に添付する特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】分配コンベア内に配置された複数の調整可能な側方放出流れ制御弁と、分配コンベアからテール流を受け取り、テール流を再投入区域に再循環させるための再循環コンベアとを備えた、分配コンベアを有するコンベアシステムの斜視図。
図2】分配コンベアの一部、第1の調整可能な側方放出流れ制御弁、第2の調整可能な側方放出流れ制御弁、および再循環コンベアを含む図1のコンベアシステムの一部の平面図。
図3】調整可能な側方放出流れ制御弁の詳細を示すために回転可能なスリーブ駆動モータが除去されている、流れ制御弁の一種である図2の調整可能な側方放出流れ制御弁の拡大図。
図4】回転可能なスリーブを制御可能に回転させるために調整可能な側方放出流れ制御弁に結合された駆動モータを備えた、図2の最も左側の調整可能な側方放出流れ制御弁の実施形態の斜視図。
図5図4の調整可能な側方放出流れ制御弁の回転可能なスリーブの斜視図。
図6】調整可能な側方放出流れ制御弁の一部および摩耗シューの部分断面図。
図7】回転可能なスリーブ、隣接した摩耗シューおよびシールの関係を示す調整可能な側方放出流れ制御弁の一部の部分断面図。
図8】プランジャーアセンブリが回転可能なスリーブに結合された後の調整可能な側方放出流れ制御弁の実施形態の一部の拡大部分断面図。
図9】明瞭にするために回転可能なスリーブから取り外された図8のばね付勢プランジャーアセンブリの断面図。
図10】再循環コンベアが分配コンベアの中心線から側方に偏倚した位置でテール流を放出するダウンカマの拡大平面図。
図11】個々の食品部分の流れを移動させているコンベア区域の半円形または「U」形断面の断面正面図。
図12】個々の食品部分の流れを移動させている分配コンベア区域の逆台形断面の断面正面図。
図13】再循環コンベアが再循環されたテール流を図11に示す断面を備えたトラフを有する分配コンベアの中心線から側方に偏倚した分配コンベアの再投入区域に放出する方式を示す分配コンベアの断面図。
図14】再循環コンベアが再循環されたテール流を図12に示す断面を備えたトラフを有する分配コンベアの中心線から側方に偏倚した分配コンベアの再投入区域へ放出する方式を示す分配コンベアの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明のコンベア方法およびコンベアシステムは、製品鮮度の維持に対して「FIFO」すなわち「先入れ先出し(first in - first out)」アプローチを提供する。本発明のコンベア方法およびコンベア装置は、分配コンベアの遠位端部に到達する製品のテール流が、食品製品の入来する供給源流と合一された後に、調味のようなさらなる加工のため、並びに/または計量および袋詰めのために分配コンベアから放出される第1製品流の少なくとも一部となることを保証する方法を提供する。
【0028】
帰還ループ集積能(return-loop accumulation capacity)を有する従来のコンベアシステムとは異なり、本発明の装置およびシステムの実施形態は、上流の集積の場所では用いられず、また大量の製品を保持するためには用いられない。1つの応用において、本発明の装置およびシステムの実施形態は、上流集積システムとフィルム交換または他のサービスまたは保守のために作動停止されることがある計量袋詰め機との間に位置する製品の流れを移動中に受け取って一時的に貯蔵し、次いで転送するために用いることができる。プラントのこの部分における製品は「飛行中の製品(product in flight)」と呼ばれる。制御システムが計量袋詰め機の稼働を維持するために必要とされる製品の量を監視し、供給源流の必要とされる部分を計量袋詰め機への輸送のために受け取りコンベアに解放するように調整可能な側方放出流れ制御弁を調整するので、分配コンベアにおいて調整可能な側方放出流れ制御弁によって供給される計量包装機の一時的な作動停止および/または減量運転に起因する過剰な製品(すなわち飛行中の製品)はテール流として分配コンベアから放出され、再循環コンベア上に受け取られる。
【0029】
本発明の装置およびシステムの実施形態は、調整可能な側方放出流れ制御弁を有する施設コンベアシステムにおいて一般に遭遇する別の問題を解決するために用いることができる。1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁のうちの最後において分配コンベア上に残存する製品の供給源流の供給が、その流れ制御弁によって供給される調味ステーションの最低スループット要件を満たすのに不十分である場合に問題が生じる。従来の調味ステーションは、それを下回ると製品の望ましくない過剰な調味を防止するために調味ステーションを作動停止しなければならない調味されるべき製品流の最低流量(minimum rate of product flow)を有する。調味ステーションに向かう不十分な製品流量(product flow rate)の検出により、調味ステーションに供給する調整可能な側方放出流れ制御弁は望ましくない過剰な調味を防止するために閉鎖される。結果として、分配コンベア上の製品は閉鎖された最後の調整可能な側方放出流れ制御弁を通過して該流れ制御弁を越え、製品の供給源流のその残部は再循環コンベア上に導入されるテール流となる。
【0030】
本発明の装置およびシステムの実施形態は、分配コンベア上に導入されている食品製品の供給源流の流量が過大である場合、つまりその分配コンベアから供給される調味ステーションおよび計量袋詰め機によって必要とされる供給流量を超える流量において、施設内で生じる別の問題を解決するために用いることができる。調味ステーションは、一般に調味ステーションにおいて調味することができる製品流の最大流量(maximum rate)を有する。製品流量が最大流量を超える場合には、調味ステーションに送給されている食品製品の望ましくない調味不足(under-seasoning)を防止するために、調味ステーションを作動停止しなければならない。過度な製品流量の検出により、その調味ステーションに供給する調整可能な側方放出流れ制御弁は、分配コンベアから調整可能な側方放出流れ制御弁を通って調味ステーションへ放出されている食品製品の量を停止または低減して調味不足を防止するために、閉鎖されるか、または閉鎖に向かって調整され得る。結果として、食品製品が分配コンベアにおいて最後の調整可能な側方放出流れ制御弁に進入する流量に等しい製品のテール流は、分配コンベアから最後の調整可能な側方放出流れ制御弁によって供給される調味ステーションへ放出された製品の量を差し引いて、最後の調整可能な側方放出流れ制御弁を越えて通過して、分配コンベアの遠位端部において再循環コンベアへ放出されるテール流内に含まれる。この是正措置は、分配コンベアを始動および停止する必要をなくす。
【0031】
本発明の方法の実施形態は、食品製品が調味され、かつ/または計量および袋詰めされる2つ以上の別々の調味ステーションおよび/または計量袋詰め機への未加工原料である食品製品の在庫を管理するために用いることができる。例えば、これに限定されるわけではないが、未加工原料、すなわち食品製品、の流れは、異なる重量の密封袋を製造するために適合された2つ以上の計量袋詰め機がそれぞれ、計量袋詰め機が稼働する要求流量(demand rate)を満たすように食品製品の流れを受け取ることができるように、2つ以上の分離した流れに分割される。別例として、同様にこれに限定されるわけではないが、2つ以上の計量袋詰め機は、異なる調味料の風味を有する2つ以上の調味ステーションにおいて調味された食品製品の分離した流れを受け取り、次いでそれらの2つ以上の特定の風味にするために未加工の食品製品流に適用された風味を識別する情報を有する袋で調味済みの食品製品の密封袋を製造するために適合されていてもよい。
【0032】
未加工の原料食品製品を調味ステーションおよび/または計量袋詰め機に対して、腐敗および消費者満足の喪失をもたらすことがある食品製品の流れの環境への長期曝露を回避する方法で、搬送し、分離し、送給することは重要であり、また環境に過度に曝露されている搬送された食品製品のいずれかの廃棄による望ましくない廃棄物を回避することは重要である。本発明のシステム、装置および方法はそれらの目的を満たす。
【0033】
図1は、腐敗性製品の供給源流14を矢印26の方向に移動させるための分配コンベア12を含むコンベアシステム10の斜視図である。分配コンベア12は、例えば第1受け取りコンベアのような第1受け取り構造23に供給するための第1側方放出流れ制御弁22と、例えば第2受け取りコンベアのような第2受け取り構造25に供給するための第2側方放出流れ制御弁24と、再循環コンベア30とを有する。分配コンベア12は近位端部11および遠位端部18を備え、分配コンベア12は近位端部11において供給源コンベア80から腐敗性食品製品13の供給源流14を受け取る。第1側方放出流れ制御弁22は、腐敗性製品13の供給源流14の第1部分28を分配コンベア12から第1受け取り構造23に放出し、第2側方放出流れ制御弁24は製品13の供給源流の第2部分29を第2受け取りコンベア25へ放出する。
【0034】
テール流17は、供給源流13の第1部分28が分配コンベア12から第1受け取り構造23に放出された後、かつ供給源流13の第2部分29が分配コンベア12から第2受け取り構造25に放出された後に、第2側方放出流れ制御弁24と遠位端部18との間にある分配コンベア10上に残存する供給源流13の部分である。テール流17は、分配コンベア12に沿って矢印26の方向に遠位端部18へ移動し、遠位端部18はテール流17を再循環コンベア30の近位端部31上に導くためのダウンカマ(down comer)19を備える。再循環コンベア30は、次に分配コンベア12の遠位端部18から受け取ったテール流17を分配コンベア12に対して上方に矢印27の方向に分配コンベア12の近位端部11と第1側方放出流れ制御弁22との間に存在する分配コンベア12の再投入区域15まで移動させる。再循環コンベア30は、テール流17を分配コンベア12の再投入区域15内に投入するように配置されたダウンカマ33を有する遠位端部32において終了する。再投入区域15は、中心線88から側方に偏倚しており(図1には図示せず。図2参照)、かつ分配コンベア12の近位端部11と腐敗性食品製品の供給源流13の第1部分28が第1受け取りコンベア23に放出される第1の調整可能な側方放出流れ制御弁22との間に存在する。
【0035】
図2は、腐敗性食品製品の供給源流13が供給源コンベア80(図2では図示せず)から、第1の調整可能な側方放出流れ制御弁22および第2の調整可能な側方放出流れ制御弁24を通って、遠位端部18へ、さらに分配コンベア12の中心線88から側方方向に偏倚された位置で、かつ分配コンベア12の再投入区域15内においてテール流17を投入する再循環コンベア30まで移動する際の、腐敗性食品製品の供給源流13の大きさの変化をより良好に示す図1のシステムの一部の平面図である。
【0036】
図3は、調整可能な流れ制御弁22の構造細部をより良好に示すために調整可能な流れ制御弁22から駆動モータを除去した、図2の分配コンベア12の調整可能な側方放出流れ制御弁22の拡大図である。図3の調整可能な側方放出流れ制御弁22は、第1端部フランジ112、第2端部フランジ113、および第1端部フランジ112と第2端部フランジ113との間に接続された複数の周方向に離間されたブレース114を有するケージ111を備える。分配コンベア12の構成要素であるコンベア部分130は、フランジ継手115において調整可能な側方放出流れ制御弁22の第2端部フランジ113に接続されている。トレイ122は、同様にフランジ継手115において第1端部フランジ112に接続されている。
【0037】
調整可能な側方放出流れ制御弁22のブレース114は、ケージ111の第1端部フランジ112と第2端部フランジ113との間に接続されている。ブレース114は、ケージ111の第1端部フランジ112に結合されたトレイ122に与えられる大きな周期的に反転する負荷を、ケージ111自体に、およびケージ111の第2端部フランジ113に結合されたコンベア部分130に伝達するために、全体で十分に堅牢である。より具体的には、ブレース114は、差動インパルスドライバ124によってケージ111の第1端部フランジ112を介してトレイ122に与えられる負荷を、ブレース114を介して、ケージ111の第2端部フランジ113へ、コンベア部分130まで伝達する。調整可能な側方放出流れ制御弁22のケージ111のブレース114によって伝達される負荷は、一般に、差動インパルスドライバ124を用いた分配コンベア12の往復運動の結果として概してブレース114に沿って導かれる周期的に圧縮と引張とが交替する負荷(cyclic compression-alternating-tension load)を含む。上記負荷は、第1端部フランジ112および第2端部フランジ113を通る中心軸線より下方にある、調整可能な側方放出流れ制御弁22の左右にそれぞれ位置する例えばコンベア部分130およびトレイ122のようなコンベアの部分の重量の重心に起因する繰り返し曲げモーメントをさらに含んでもよい。
【0038】
図3は、ケージ111内に移動可能に受容された回転可能なスリーブ116を示す。図3の回転可能なスリーブ116は、回転可能なスリーブ116の第1端部133においてケージ111の第1端部フランジ112に摺動可能に結合されており、かつ回転可能なスリーブ116の第2端部134においてケージ111の第2端部フランジ113に摺動可能に結合されている。回転可能なスリーブ116の湾曲した外面135に沿って複数のギア歯118を有するギア117が巻き付けられている。回転可能なスリーブ116は開口119を備える。回転可能なスリーブ116は、開口119を図3に示した上昇位置と図4に示した下降位置との間に配置するために、モータ(図3には図示せず。図4参照)を用いて中心軸線(図示せず)のまわりを回転可能である。調整可能な側方放出流れ制御弁22の一実施形態において、モータ(図3には図示せず)は可逆的である。ギア117は、開口119を塞がないようにしておくために、回転可能なスリーブ116の湾曲した外面135の一部のまわりのみに延びている。ギア117は平歯車の一部と記述されてもよい。
【0039】
図3は、従来の締結具129を用いて、調整可能な側方放出流れ制御弁24のケージ111の第2端部フランジ113に結合されたトレイフランジ128を示す。トレイフランジ128は、コンベア部分130を、調整可能な側方放出流れ制御弁22のケージ111に対して、図3では調整可能な側方放出流れ制御弁22の左側に結合する。トレイ122を調整可能な側方放出流れ制御弁22のケージ111の第1端部フランジ112に結合するために、同様のトレイフランジ128が図3において調整可能な側方放出流れ制御弁22の右側に配置される。図3は、調整可能な側方放出流れ制御弁22の回転可能なスリーブ116の最も右側の位置決めリング115をさらに示している。調整可能なフランジ24の回転可能なスリーブ116の最も左側の位置決めリング115は、図3では視野から隠れている。各位置決めリング115は、調整可能な側方放出流れ制御弁22のケージ111内において、回転可能なスリーブ116と共に回転する。図3において可視である位置決めリング115は、ねじ山付き開口170を含む。これらのねじ山付き開口170は、図8および図9に関連してより詳細に記載するように、調整可能な側方放出流れ制御弁22の回転可能なスリーブ116上の位置決めリング115に、ばね付勢プランジャーアセンブリ171(図3では図示せず。図8および図9を参照)を結合するために用いられる。
【0040】
図4は、コンベア部分130およびトレイ122から分離され、かつ回転可能なスリーブ116を調整可能な側方放出流れ制御弁22のケージ111内に制御可能に配置するために作動可能に接続されたモータ141および駆動ギア140を備えた、図3の調整可能な側方放出流れ制御弁22の実施形態の斜視図である。モータ141はモータ支持体142に結合され、次いでモータ支持体142は調整可能な側方放出流れ制御弁22のケージ111の第1端部フランジ112と第2端部フランジ113との中間に結合されている。駆動ギア140はウォームギヤであり、ギア117の歯118に摺動可能に係合して、モータ141による駆動ギア140の回転方向に応じて、回転可能なスリーブ116上のギア117を駆動ギア140に沿って上方へ、または駆動ギア140に沿って下方に移動させるように、モータ141によって回転可能である。
【0041】
図2および図3に示した調整可能な側方放出流れ制御弁22,24は、調整可能な側方放出流れ制御弁22に進入するすべての食品製品が、コンベアラン120に沿った食品製品の移動方向にかかわらず、回転可能なスリーブ116を通過するように、上昇位置にある開口119を備えた回転可能なスリーブ116を示している。図4は、調整可能な側方放出流れ制御弁22に進入する製品が下降した開口119を通って、調整可能な側方放出流れ制御弁22から直接受け取りコンベアに落下し、その結果、食品製品が調整可能な側方放出流れ制御弁22を通過しないように、モータ141の作動によって下降した開口119を備えた回転可能なスリーブ116を示す。図4のモータ141は、製品の一部が調整可能な側方放出流れ制御弁22から落下させられ、かつ製品の一部が調整可能な側方放出流れ制御弁22を通過するように、調整可能な側方放出流れ制御弁22の回転可能なスリーブ116の開口119を図3(上昇)および図4(下降)に示したこれら2つの極端な位置の間に配置するために、制御可能に操作され得る。
【0042】
図5は、一対の摩耗シュー(wear shoe)149の中間に配置された図4の調整可能な側方放出流れ制御弁22の回転可能なスリーブ116の斜視図である。各摩耗シュー149は回転可能なスリーブ116の位置決めリング148に係合するフランジ151を有する。摩耗シュー149は回転可能なスリーブ116と共に調整可能な側方放出流れ制御弁22のケージ111内に存在して、回転可能なスリーブ116がケージ111(図5には図示せず。図4参照)内において周期的に加速および減速する際に、回転可能なスリーブ116の位置決めリング148に係合して該リングを配置する。摩耗シュー149は、図8および図9に関連してより詳細に検討されるプランジャーアセンブリ171と協働する。図5は、ケージ111において回転可能なスリーブ116とシールし、回転可能なスリーブ116を配置し、かつ移動可能に結合する構造を示す。図5は、回転可能なスリーブ116から半径方向外側に延びる位置決めリング148を示しており、各位置決めリング148はばね付勢プランジャーアセンブリ171を結合するためのねじ山付き開口170を有する。図4に示した組み立て状態において、回転可能なスリーブ116の最も右側の位置決めリング148(図4には図示せず。図5参照)は、ケージ111の第1端部フランジ112(図5には図示せず。図4参照)の孔内の対応する内溝(図示せず)に受容され、かつ最も左側の位置決めリング148(図4には図示せず。図5参照)は、ケージ111の第2端部フランジ113(図5には図示せず。図4参照)の孔内の対応する内溝(図示せず)に受容されている。図4に見られるように、第1端部フランジ112および第2端部フランジ113はそれぞれ、2つの半円形の半分部を組み合わせて、それらの半分部を一緒に結合して、完全な円形の第1端部フランジおよび第2端部フランジ112,113を形成することによって構成されている。この構成は、位置決めリング148をケージ111の端部フランジ112,113内の内溝内に受容するクラムシェル構造に類似している。図5に示した回転可能なスリーブ116の位置決めリング148は、ケージ111の対応する内溝内に半径方向に係合して摺動し、かつ回転可能なスリーブ116と共にケージ111内に捕捉された摩耗シュー149に対して軸線方向に係合して回転する。摩耗シュー149およびケージ111は、開口119がモータ141の作動によって選択的に配置されることを可能にしながら、回転可能なスリーブ116をケージ111内の所望位置に維持するように協働する。
【0043】
トレイ122を介して調整可能な側方放出流れ制御弁22に与えられる周期的な加速および減速は、そのような厳しい運動に起因する損傷を最小限にするために設けられた機械的機構を有していないと、調整可能な側方放出流れ制御弁22のケージ111内に配置された回転可能なスリーブ116に対して繰り返し発生する叩打(slapping)または打ち付け(lashing)による影響を与えることになる。摩耗シュー149は、ケージ111の第1端部フランジ112および第2端部フランジ113の孔内において回転可能なスリーブ116に間欠的に係合して当接する非常に(軸線方向に)短いジャーナルベアリングとして機能する。モータ141が作動されると、回転可能なスリーブ116は調整可能な側方放出流れ制御弁22のケージ111内において回転され、開口119を上昇または下降させる。開口119が図4に示すように配置されている場合には、例えばトレイ122から調整可能な側方放出流れ制御弁22の回転可能なスリーブ116内に移動する食品製品は、開口119を通って、図1に示すように受け取りコンベア72へ落下する。回転可能なスリーブ116が、図2図3および図5に示すように、開口119を上昇させるように調整可能な側方放出流れ制御弁22のケージ111内で回転された場合には、調整可能な側方放出流れ制御弁22に進入する製品は、回転可能なスリーブ116を通過し、さらに回転可能なスリーブ116に跨る摩耗シュー149を通過する。調整可能な側方放出流れ制御弁22の開口119は、それぞれ図4および図3に示した下降位置と上昇位置との間にある複数の位置に配置されてもよく、その結果、調整可能な側方放出流れ制御弁22に進入する製品の流れの制御可能に選択可能な一部が調整可能な側方放出流れ制御弁22の回転可能なスリーブ116を通過して分配コンベア12上に残存し、一方、製品の流れの残部は調整可能な側方放出流れ制御弁22の開口119を通って落下し、調整可能な側方放出流れ制御弁22を備える分配コンベア12から落とされる。
【0044】
調整可能な側方放出流れ制御弁22は、食品製品が支持され移動される回転可能なスリーブ116の表面を隔離するため、および不要な物質が製品支持面から脱出したり、または調整可能な側方放出流れ制御弁22の可動部品と非可動部品との間の界面を汚染したりするのを防止するための構造を備える。
【0045】
図6は調整可能な側方放出流れ制御弁22の一部の拡大部分断面図である。図6の回転可能なスリーブ116の位置は、図5に示すような上昇位置にある開口119に対応し、回転可能なスリーブ116とそれに隣接して配置された摩耗シュー149との間のシール構造を明らかにしている。図6はまた、回転可能なスリーブ116のギア117、および摩耗シュー149に隣接して配置された回転可能なスリーブ116の最も左側の位置決めリング148も示している。摩耗シュー149は、シール延長部153が受容されるシール溝154を備える。
【0046】
図7は、調整可能な側方放出流れ制御弁22の実施形態の一部の拡大部分断面図である。図7の回転可能なスリーブ116の位置は、図4に示すような下降位置にある開口119に対応し、回転可能なスリーブ116と摩耗シュー149との間のシール構造を明らかにしている。回転可能なスリーブ116は、開口119および隣接した開口周縁119A(図5にも図示)を備える。図7はまた、回転可能なスリーブ116のギア117、および摩耗シュー149に隣接して配置された回転可能なスリーブ116の最も左側の位置決めリング148も示している。摩耗シュー149は、摩耗シュー149と位置決めリング148との間の係合の面積を増大するために半径方向外側延長部151を備える。回転可能なスリーブ116の位置決めリング148内のねじ山付き開口170は図6に示されている。このねじ山付き開口170については、下記において図9に関連してより詳細に検討する。
【0047】
摩耗シュー149は、図1に示す差動インパルスドライバ124により周期的に前後に動かされる調整可能な側方放出流れ制御弁22に起因する、調整可能な側方放出流れ制御弁22の回転可能なスリーブ116の軸負荷を支える。差動インパルスドライバ124により調整可能な側方放出流れ制御弁22の近位のコンベア部分を通じて与えられる周期的な力は、回転可能なスリーブ116に伝達され、かつばね付勢プランジャーアセンブリ171を介して隣接する摩耗シュー149に伝達される(図8参照)。
【0048】
図8は、プランジャーアセンブリ171が回転可能なスリーブ116に結合された後における調整可能な側方放出流れ制御弁22の実施形態の一部の拡大部分断面図である。プランジャーアセンブリ171は、回転可能なスリーブ116と回転可能なスリーブ116の位置決めリング148に隣接して配置された摩耗シュー149との中間において回転可能なスリーブ116に結合されている。本発明の調整可能な側方放出流れ制御弁10の一実施形態では、プランジャーアセンブリ171は調整可能な側方放出流れ制御弁24の左側において位置決めリング148に結合され、かつ別のばね付勢プランジャーアセンブリ171は調整可能な側方放出流れ制御弁10の反対の右側に結合されて、回転可能なスリーブ116のそれぞれの側において股状(straddling)摩耗シュー149に対して、調整可能な側方放出流れ制御弁22の回転可能なスリーブ116の制御された動作を提供する。
【0049】
図9は、明瞭にするために回転可能なスリーブ116から取り外された図8のばね付勢プランジャーアセンブリ171の拡大断面図である。プランジャーアセンブリ171は、コイルスプリング173を内部に受容するための内部チャンバ180を有する本体172を備える。コイルスプリング173はチャンバ180の端部近くの停止具177とプランジャチップ176との間に存在するわずかに圧縮された形態で捕捉されている。本体172は、位置決めリング148内のねじ山付き開口170内の直径およびねじ山に対応する直径およびねじ山175を有するコネクタ174を備える(図3図5図6および図7を参照)。プランジャチップ176は、図8に示すように、コイルスプリング173に係合する基部178と、摩耗シュー149に係合する耐摩耗性鼻部179とを備える。
【0050】
ケージ111内における回転可能なスリーブ116の回転は、回転可能なスリーブ116と股状摩耗シュー149との間に少なくとも若干の隙間を必要とする。隙間の量は、例えば、千分の20~30インチ(20 to 30 thousands of an inch)(0.0508~0.0762cm)である。摩耗シュー149の表面と回転可能なスリーブ116の隣接した位置決めリング148との間の隙間は、位置決めリング148の厚さおよび回転可能なスリーブ116の質量と共に、とりわけ、プランジャーアセンブリ171の設計において熟慮され得る要素である。さらに、プランジャーアセンブリ171が回転可能なスリーブ116の位置決めリング148のねじ山付き開口170にねじ込まれて挿入される際、コイルスプリング173はプランジャチップ176の鼻部179が摩耗シュー149に係合した時点で圧縮され始め、プランジャーアセンブリ171が開口170に螺入されるにつれて、コイルスプリング173は負荷を受ける。プランジャーアセンブリ171は、回転可能なスリーブ116の位置を股状摩耗シュー149の間で維持し、差動インパルスドライバ124の作動によって回転可能なスリーブ116に与えられる運動エネルギーを蓄積して戻す。プランジャーアセンブリ171は、他の場合には回転可能なスリーブ116を損傷するであろう繰り返される周期的な叩打の悪影響から回転可能なスリーブ116を保護する。
【0051】
上記で説明したように、1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁22,24を通って移動され、それらの流れ制御弁から放出されずにテール流17の一部となり、次いで再循環コンベア30によって分配コンベア12の再投入区域15へ再循環される食品製品の供給源流13の個々の食品部分は、分配コンベア12の中心線88に対して側方に偏倚した位置において分配コンベア12に戻され、再循環されたテール流17の個々の食品部分が調整可能な側方放出流れ制御弁22,24において分配コンベア12から優先的に放出されるような方法で、供給源流13と共に分配コンベア12内に配置される。出願人が行った試験によれば、20%のみ開放した調整可能な側方放出流れ制御弁22,24のうちの第1のものによって、次に再循環されたテール流17の97%が本発明のコンベアシステム10内の1つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁22,24のうちの第1のものによって供給される受け取り構造23に放出されると断定された。2つ以上の調整可能な側方放出流れ制御弁22,24を有するコンベアシステム10において、再循環されたテール流17のわずか3%は、100%のテール流17の放出ファクタの第2の調整可能な側方放出流れ制御弁22において分配コンベア12から容易に放出される。これは、再循環されたテール流17の一部であった多数の個々の食品部分のうちの1つもテール流17の一部に二回はならないことを意味し、それにより製品13の流れの最大曝露時間を確実に制限し、計量され袋詰めされ、かつ密封された製品について鮮度および消費者満足を保証する。
【0052】
図10は、再循環コンベア30(図示せず)のダウンカマ33から、分配コンベア12の中心線88から側方に偏倚した位置において、かつ分配コンベア12の再投入区域15内で分配コンベア12に放出される際のテール流17の拡大平面図である。
【0053】
図11は個々の食品部分の供給源流13を移動させている分配コンベア12のトラフ63の半円形または「U」形断面の断面正面図である。トラフ63の「U」形断面は分配コンベア12の中心線88によって二分される。再投入区域65は、分配コンベア12の中心線88に対して側方方向に偏倚して配置されている。
【0054】
図12は、個々の食品部分の供給源流13を移動させている分配コンベア12の平底逆台形断面の断面正面図である。トラフ64の平底逆台形断面は、分配コンベア12の中心線88によって二分される。再投入区域64は、分配コンベア12の中心線88に対して側方方向に偏倚して配置されている。
【0055】
図13は、再循環コンベア30が、再循環されたテール流17を、図11に示した断面を備えたトラフ63を有する分配コンベア12の中心線88から側方に偏倚した分配コンベアの再投入区域15に放出する方式を示す分配コンベア12の断面図である。図13は、再循環コンベア30のダウンカマ33から分配コンベア12の再投入区域15への放出を示している。
【0056】
図14は、再循環コンベア30が、再循環されたテール流17を、図12に示した断面を備えたトラフ63を有する分配コンベア12の中心線88から側方に偏倚した分配コンベア12の再投入区域15へ放出する方式を示す分配コンベアの断面図である。図14は、再循環コンベア30のダウンカマ33から分配コンベア12の再投入区域15への放出を示している。
【0057】
本願に用いられる用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。本願において、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が他に明らかに示していない限り、同様に複数形を含むものとする。「含む(comprises)」および/または「含んでいる(comprising)」という用語は、本明細書で用いられる場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/または群の存在を示すが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しない。「好ましくは」、「好ましい」、「好む」、「任意で」、および「~してもよい(may)」という用語、並びに同様の用語は、参照されている要素、状態またはステップが本発明の任意選択の(必須ではない)特徴であることを示すために用いられている。
【0058】
以下の特許請求の範囲内にあるすべてのミーンズプラスファンクション要素またはステッププラスファンクション要素の対応する構造、材料、行為、および均等物は、具体的に権利請求された他の請求項に記載の要素と組み合わせて、その機能を実施するための、任意の構造、材料、または行為を含むことが意図される。本発明の記載は、例示および説明のために示されてきたが、網羅的であったり、または開示された形態の本発明に限定されたりするものではない。多くの変更例および変形例が、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかとなるであろう。本発明の原理および実用化について最も良好に説明し、かつ他の当業者が考えられる特定の用途に適するように様々な変更を有する様々な実施形態について本発明を理解することを可能にするために、実施形態を選択して記載した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14