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特許7021220崩落防止機構を有するゲート及び崩落防止機構をトリガする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】崩落防止機構を有するゲート及び崩落防止機構をトリガする方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/84 20060101AFI20220208BHJP
   E05F 15/41 20150101ALI20220208BHJP
   F16D 59/02 20060101ALI20220208BHJP
   H02P 3/04 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
E06B9/84 A
E05F15/41
F16D59/02
H02P3/04 B
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019531900
(86)(22)【出願日】2017-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 EP2017083109
(87)【国際公開番号】W WO2018109191
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2019-08-14
(31)【優先権主張番号】102016225079.5
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514326672
【氏名又は名称】ガブリイエル レイツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】レイツ ガブリエル
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-291546(JP,A)
【文献】特開2011-231557(JP,A)
【文献】特開2003-184454(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1882802(EP,A2)
【文献】欧州特許出願公開第0808985(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00 - 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートパネルシャフトを備えたゲートパネルドライブ(5)の回転によって開閉することができるゲートパネル(10)と、
前記ゲートパネルドライブ(5)に結合されたモータ(3)と、
前記ゲートパネル(10)の開放及び/又は閉鎖を減速することができる制動アセンブリ(7)と、
前記ゲートパネル(10)の少なくとも1つの移動パラメータを決定するための第1の測定デバイス(6)と、
を含む、崩落防止機構を有するゲートであって、
前記モータ(3)の少なくとも1つの移動パラメータを決定するための第2の測定デバイス(1)と、
前記ゲートパネル(10)及び前記モータ(3)の測定された前記移動パラメータを比較し、かつ前記ゲートパネル(10)及び前記モータ(3)の測定された前記移動パラメータが互いに定められた関係から外れる場合に前記制動アセンブリ(7)をトリガする比較器(9)と、を含み、
前記第2の測定デバイス(1)は、前記モータ(3)に設けられ、
前記第1の測定デバイス(6)は、前記ゲートパネルシャフトのモータ側の端部において具現化され、
前記制動アセンブリ(7)は、摩擦ブレーキを含み、
この摩擦ブレーキの制動要素が、前記制動アセンブリ(7)がトリガされた時に前記ゲートパネルシャフトと共に回転する制動面と摩擦係合状態にあり、
前記制動アセンブリ(7)は、ゲートパネルシャフトのモータ側の端部とは反対側の端部に設けられている、
ことを特徴とするゲート。
【請求項2】
前記第1の測定デバイス(6)によって決定された前記ゲートパネル(10)の移動パラメータが、このゲートパネル(10)の移動速度であることを特徴とする請求項1に記載のゲート。
【請求項3】
前記第1の測定デバイス(6)によって決定された前記ゲートパネル(10)の移動パラメータが、前記ゲートパネルドライブ(5)の角度位置であることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項4】
前記第2の測定デバイス(1)によって決定された前記モータ(3)の移動パラメータが、回転モータシャフトの回転速度であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項5】
前記第2の測定デバイス(1)によって決定された前記モータ(3)の移動パラメータが、回転モータシャフトの角度位置であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項6】
前記モータは、同期モータであり、前記ゲートパネルをある位置に保持するように制御されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項7】
前記制動アセンブリ(7)は、前記ゲートパネルの閉鎖運動を定められた停止距離内で停止させることができることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項8】
前記ゲートパネルドライブ上に形成された少なくとも1つの駆動ホイールが、ゲートの高さ方向に延びる少なくとも1つの駆動デバイスに係合することができることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項9】
開放位置での前記ゲートパネルは、螺旋状態で螺旋ガイド内に格納されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項10】
ゲートパネルシャフトを備えたゲートパネルドライブ(5)の回転によって開閉することができるゲートパネル(10)を備えたゲートの崩落防止機構をトリガする方法であって、
前記ゲートパネル(10)の少なくとも1つの移動パラメータが、第1の測定デバイス(6)によって決定され、
モータ(3)の少なくとも1つの移動パラメータが、第2の測定デバイス(1)によって決定され、
前記ゲートパネル(10)及び前記モータ(3)の測定された前記移動パラメータは、比較器(9)によって比較され、かつ
前記ゲートの開放及び/又は閉鎖を減速する制動アセンブリ(7)が、前記モータ(3)及び前記ゲートパネル(10)の前記移動パラメータが定められた関係から外れる場合にトリガされ、
前記第2の測定デバイス(1)は、前記モータ(3)に設けられ、
前記第1の測定デバイス(6)は、前記ゲートパネルシャフトのモータ側の端部において具現化され、
前記制動アセンブリ(7)は、摩擦ブレーキを含み、
この摩擦ブレーキの制動要素が、前記制動アセンブリ(7)がトリガされた時に前記ゲートパネルシャフトと共に回転する制動面と摩擦係合状態にあり、
前記制動アセンブリ(7)は、ゲートパネルシャフトのモータ側の端部とは反対側の端部に設けられている、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記ゲートパネル(10)の移動速度が、前記第1の測定デバイス(6)によって決定されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ゲートパネルドライブ(5)の角度位置が、前記第1の測定デバイス(6)によって決定されることを特徴とする請求項10及び請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記モータ(3)の回転モータシャフトの回転速度が、前記第2の測定デバイス(1)によって決定されることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記モータ(3)の回転モータシャフトの角度位置が、前記第2の測定デバイス(1)によって決定されることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ゲートの前記開放及び/又は閉鎖は、摩擦ブレーキによって減速されることを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
制動要素が、前記制動アセンブリ(7)がトリガされた時に前記ゲートパネルドライブと共に回転する制動面に摩擦係合することを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記制動アセンブリ(7)は、前記ゲートの閉鎖運動を定められた停止距離内で停止させることを特徴とする請求項10から請求項16のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に係る崩落防止機構を備えるゲートに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなゲートは、取りわけ、生産施設、工場、及び倉庫をロックするための産業用途に適している。例えば、それらは、空気移動を低減して冷却又は加熱区域内の温度を維持するのを支援するように設計される。垂直に移動可能なゲート可動部を備えるゲートに対する典型的実施形態は、区分式ゲート、転がり式ゲート、及び螺旋式ゲートである。そのようなゲートは、互いに対して移動可能であってゲートフレーム内で横方向に案内されて垂直移動を用いて開かれる又は閉じられるセクションに分離されたゲート可動部を有することができる。
【0003】
垂直移動可能ゲート可動部を有するゲートは、重量カウンターバランス機構付き又はなしで具現化することができる。公知の重量カウンターバランス機構は、ゲートが閉じられる時に引っ張られ、ゲートが開かれる時に緩められるバネを含み、バネに蓄えられたエネルギは、ゲートを開くのを補助し、従って、ゲートがより少ない作動力で移動されることを可能にする。重量カウンターバランス機構がないゲートは、生産労力と磨耗に対する故障発生度とを低減する。
【0004】
産業用途でのゲートは、多くの場合に電気モータによって動力供給され、モータは、典型的に歯車によってゲートパネルに接続され、主としてウォーム歯車だけでなく、平歯車、チェーン、又はベルトドライブも使用される。
【0005】
一般ゲートの1つの開発の方向は、それらの移動の速度に向けられている。最新高速ゲートのゲート可動部は、典型的に4m/sまでの進行速度を達成する。
【0006】
平行進行する開発の方向は、耐用年数の延長に向けられており、最新ゲートは、50,000まで又はそれ以上の開閉サイクルを故障なしで完了することができる。
【0007】
高い移動速度/加速及び非常に多くの移動サイクルの組合せは、高い材料応力と、結果的に摩耗に起因する材料破壊のリスクの増大とをもたらす。摩耗を受けるのは、それぞれ、モータ、ゲートパネルドライブ、歯車、並びに歯車とモータ又はゲートパネルドライブとの間の接続部のような主として摩擦を受ける部品である。これらのゲート構成要素の1つでの材料破壊のような故障は、ゲートパネル崩落をもたらす可能性がある。これは、物体と特にそれが崩落する時にゲート開口部に位置付けられた人々とに対して大きい危険をもたらす。
【0008】
そのような危険を最小にするために、ゲートは、有効な崩落防止機構を有することができる。公知の崩落防止機構は、ゲートパネル崩落を検出して次に崩落防止ブロックをトリガするための機構を含む。
【0009】
独国実用新案(GM)第7426752号明細書は、一般転がり式ゲートのための崩落防止機構を開示している。この転がり式ゲートは、ゲートが開かれる時にゲートフレームの領域に装着された巻き上げシャフト上に巻き上げられる移動可能に相互接続されたスラットから実質的に構成される。回転巻き上げシャフトは、ウォーム歯車によって電気モータに接続される。歯車が破断する事象において、崩落防止機構は、トリガされ、かつ最下ゲートスラットに取り付けられた2つのロッキングピンを備える。作動中に予備引張されるこれらのロッキングピンは、崩落防止機構がトリガされる時にゲートフレーム内の対応する形状の開口部の中に外向きに駆動され、従って、ゲートを急激方式で制動する。崩落防止機構は、巻き上げシャフトの回転速度を決定する回転速度センサによってトリガされる。ゲートが作動される前に、それを超えるとゲートの安全作動を保証することができず、むしろ崩落を仮定しなければならない回転速度限界が定められる。この回転速度限界を超えた時に、崩落防止機構がトリガされる。回転速度限界の観点での巻き上げシャフトの回転速度は、誤作動をそれに基づいて検出することができるモニタ変数である。回転速度の増加又は例えば低回転速度でのゲートの非制御降下に至らないゲートの欠陥は、崩落防止機構がトリガされることに至らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】独国実用新案第7426752号明細書
【文献】欧州特許出願第16176550.8号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、崩落防止機構を有する一般ゲートと、ゲートパネルの崩落を確実に検出し、かつゲートの損傷を回避しながらゲートを迅速に制動する制動アセンブリを同じく確実にトリガする崩落防止機構をトリガする方法とを提供する目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
デバイスの観点から、この目的は、請求項1の特徴を有する崩落防止機構を有するゲートによって満足される。
【0013】
モータへのゲートパネルドライブの結合は、設計によって定められるゲートパネル、ゲートパネルドライブ、及びモータの位置及び移動の定められた関係をもたらす。実施形態によっては、この関係は、例えば、モータとゲートパネルドライブ間の歯車の歯数比、又は一般的にゲートパネルドライブへのモータの結合のタイプによってそれぞれ与えることができる。ゲートの通常作動中に、ゲートパネルの移動パラメータは、この定められた関係に基づいてモータの移動パラメータから決定することができ、逆も同じである。モータ及びゲートパネルのこの移動パラメータがこの固定関係から外れる場合に、崩落のようなゲートの誤作動が仮定されることになる。
【0014】
本発明により、ゲートパネルの及びモータの移動パラメータは、第1及び第2の測定デバイスによって決定され、測定される値は、設計に基づく移動パラメータの通常の関係が格納された比較器内で評価される。制動アセンブリは、測定された移動パラメータの関係が定められた関係から外れる場合にトリガされる。
【0015】
第2の測定デバイスは、モータでのモータの移動の少なくとも1つの成分を測定する。モータの現在の作動状態は、このようにして決定することができ、ゲート全体の作動状態の妥当な評価を行うことができる。
【0016】
測定されたデータは、比較器を使用して迅速に評価され、誤作動の事象においてゲートの制動アクションを自動的に開始することができる。
【0017】
高レベルの安全は、制動アセンブリが誤作動の事象で確実にトリガされる時に達成される。崩落防止機構は、ゲートパネルが通常作動中にゲートの閉鎖速度に等しいか又はそれ未満である移動速度で崩落する場合、すなわち、ゆっくりであるが非制御方式で降下する場合にもトリガされる。更に、崩落するゲートパネルを非制御の下向き運動の開始直後に、有利には、それが高い落下速度に達して相応に大きい制動力を必要とする前でさえも停止することが可能である。
【0018】
一実施形態により、第1の測定デバイスによって決定されるゲートパネルの移動パラメータは、ゲートパネルの並進速度とすることができる。ゲートの崩落は、下に落ちること、すなわち、ゲートパネルの非常に急速な下向き運動よって主として表される。ゲートパネルの速度を測定することにより、崩落は、従って、非常に確実に検出可能である。
【0019】
1つの更に別の発展では、第1の測定デバイスによって決定されるゲートパネルの移動パラメータは、回転ゲートパネルドライブの角度位置とすることができる。角度位置は、有利に、かつゲートパネルドライブの近くで空間節約方式で、かつ作動状態に依存するゲートパネルドライブの現在の回転速度とは独立に決定することができる。
【0020】
第2の測定デバイスによって決定されるモータの移動パラメータは、有利には、回転モータシャフトの回転速度とすることができる。モータシャフトの回転速度は、モータの近傍で直接に好都合に決定することができる。
【0021】
第2の測定デバイスによって決定されるモータの移動パラメータは、恐らくは回転モータシャフトの角度位置とすることもできる。モータシャフト回転速度を決定することに代えて又はこれに加えて、モータシャフトの角度位置は、モータの近傍で空間節約方式で測定することもできる。
【0022】
有利な変形では、制動アセンブリは、摩擦ブレーキを含むことができる。摩擦ブレーキは、ゲートパネルの制御された減速を取得するために制動力を能動的に制御することを可能にする。これは、停止距離と、ゲートパネル及びゲートの他の構成要素に対する負の加速度から生じる力とに影響を及ぼすことを可能にする。
【0023】
本発明の一実施形態により、摩擦ブレーキの制動要素は、制動アセンブリがトリガされた時にゲートパネルシャフトと共に回転する制動面と摩擦係合状態にあることができる。摩擦係合を用いて、ゲートパネルは、互いに擦れ合う面と、制動要素と制動面間に作用する力とに依存して減速される。ゲートパネルシャフトに作用するブレーキは、ゲートパネルシャフトの領域に空間節約方式にかつ閉鎖状態のゲートパネルの広がりとは独立に置くことができる。
【0024】
本発明の1つの可能な実施では、モータは、モータの停止に対して制御されるように適応させることができ、ゲートパネルは、ある位置に保持することができ、モータは、特に、同期モータとして具現化することができる。その結果、ゲートを確実に制動及び保持することがゲートの通常作動中に可能である。同時に、制動アクション中に生じるシステム内の摩耗を低減することができる。特に、同期モータは、ゲートパネルを減速するか又はそれを動かないように保持するために、低い回転速度でさえも又はモータシャフトが移動していない時に高トルクを供給するのに適している。
【0025】
制動アセンブリは、潜在的に、ゲートパネルの閉鎖運動を定められた停止距離内で停止させることができる。その結果、減速中にゲート全体に生じる力は、ゲートの損傷を回避するために制限することができ、一方でゲートパネルは、ゲート区域内の物体の損傷及び人々の怪我を防止するのに十分に速く制動される。
【0026】
本発明の一実施形態では、ゲートパネルドライブ上に形成された少なくとも1つの駆動ホイールは、ゲートの高さ方向に延びる少なくとも1つの駆動デバイスに係合することができる。これは、ゲートパネルドライブとゲートパネル間の良好な結合を達成し、かつ特に高速の移動でのゲートパネルの確実な移動を保証する。
【0027】
一実施形態により、ゲートパネルは、一種の螺旋ガイド内の開放位置に格納することができる。これは、ゲートが開いている間にゲートパネルが特に空間節約方式で格納されることを可能にする。
【0028】
本発明の目的はまた、請求項12の特徴を有する方法を用いて満足される。
【0029】
測定されたモータとゲートパネルとの移動パラメータは、比較器内で比較される。ゲートの構成に基づいて、これらの移動パラメータは、ゲートの全ての通常作動状態では互いに定められた関係にあり、そのためにこの関係からのいずれの逸脱もゲートの損傷及びゲートパネル崩落のリスクを示す。以前に測定された運動パラメータとの比較において、そのような逸脱が指定の許容範囲外であると比較器内で決定された場合に、制動アセンブリは、ゲートパネルが崩落することを防止してゲートを減速するためにトリガされる。
【0030】
この欠陥識別は、全ての作動状態で確実に実行することができる。ゲートは、特に、例えば、崩落運動の最初で又はゲートが遅いが非制御方式で降下する時に既にゲートパネルの通常速度よりも低い速度で制動することができる。
【0031】
好都合には、ゲートパネルの並進速度は、第1の測定デバイスによって決定することができる。その結果、ゲートパネルの非制御速度でのゲートパネルの下向き運動が伴うゲート崩落は、ゲートパネルにおいて直接にかつ従って非常に確実に決定することができる。
【0032】
一変形では、ゲートパネルドライブの角度位置は、第1の測定デバイスによって決定することができる。ゲートパネルドライブの角度位置は、ゲートパネルドライブにおいて直接に決定することができ、かつ第2の測定デバイスの空間節約配置によって行うことができる。
【0033】
一実施形態により、モータの回転モータシャフトの回転速度は、第2の測定デバイスによって決定することができる。回転速度は、モータの運動を特徴付けるのに十分に適しており、かつモータにおいて直接に比較的容易に測定することができる。
【0034】
本発明の1つの更に別の発展では、モータの回転モータシャフトの角度位置は、第2の測定デバイスによって決定することができる。回転速度とは無関係に、回転モータシャフトの瞬時方位は、モータの近傍で直接に好都合に決定することができる。
【0035】
ゲートの開放及び/又は閉鎖は、摩擦ブレーキによって有利に減速することができる。その結果、ゲートパネルをそれによって減速することができる制動力の制御は、人々及び物体に対するリスクがゲートの領域内で低く保たれ、かつ高い制動力と突発的な減速とに起因するゲートの損傷が同時に回避されるようにこうして可能にされる。
【0036】
制動アセンブリをトリガすることにより、制動要素は、制動面がゲートパネルドライブと共に回転する一実施形態に摩擦係合させることができる。制動要素は、ゲートパネルドライブの領域に空間節約方式で形成され、かつ制御された制動効果を摩擦係合によって達成することができる。
【0037】
制動アセンブリは、潜在的に、ゲートパネルの閉鎖運動を定められた停止距離内で停止させることができる。停止距離を定めることにより、第1に、ゲートが崩落の事象においてゲートの領域内の人々及び物体の安全を保証するのに十分に迅速に停止されること、及び同時に減速を突発的な制動アクションに起因するゲートの損傷を防止するように制限することができることを保証することが可能である。
【0038】
本発明のいくつかの例示的実施形態は、図面を参照して以降に解説するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明による崩落防止機構を有するゲートの概略図である。
図2】通過方向に示す本発明の第2の実施形態の断面図である。
図3】右側からの図2の実施形態の側面図である。
図4図2の領域Aの拡大図である。
図5図2の領域Bの拡大図である。
図6】第3の実施形態の断面図である。
図7】第4の実施形態の断面図である。
図8】第5の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
同じ参照番号は、異なる図において及び異なる実施形態を参照して同じ又は対応する特徴に使用される。対応する又は同じ特徴の説明は、説明済みである場合はその後の図に関して説明しない。
【0041】
以下の実施形態は、主として、高速ゲートに関し、すなわち、そのゲート可動部が1.5m/sよりも高く、2m/s、特に2~4m/sの範囲にある垂直速度に到達するゲートに関する。
【0042】
図1は、約1/3まで開いている部分的に開いているゲートの平面図を概略的に示している。ゲートパネル10は、2つのゲートフレーム11の間を延び、それは、横方向に案内される。ゲートリンテル12の領域内のゲート開口部の上方に形成されるのは、ゲートパネルドライブに属し、かつゲートのほぼ幅全体にわたって延びるゲートパネルシャフト5である。
【0043】
ゲートパネルは、平行に位置合わせされ、かつ互いに対して移動可能であるセクションとして具現化される。ゲートパネルは、その対向配置された水平端部では、それぞれゲートフレームの一方内を延びる駆動チェーンに接続される。ゲート駆動シャフト5に剛的に接続されたそれぞれの歯車は、駆動チェーンの各々に係合する。その結果、ゲートパネルシャフト5の回転により、ゲートパネルの昇降が生じる。ゲートパネルは、ゲートパネルが開放状態で格納された螺旋形状レール内でゲートパネルシャフトを越して案内される。代替実施形態では、ゲートは、ゲートパネルシャフトの上に巻き上げられる可撓性ゲートパネルを有する転がり式ゲートとして設計される。
【0044】
ゲートパネルシャフト5を備えたゲートパネルドライブは、歯車4を介して電気モータ3に接続され、モータとゲートパネルシャフト5の間の接続は、チェーンドライブによって実現される。代替実施形態は、ベルト、平歯車、傘歯車、又はウォーム歯車を装備することもでき、又は歯車を省略することもできる。例えば、モータシャフトは、歯車なし方式でゲートパネルシャフトに直接に結合することができる。モータ上に具現化されるのは、モータを制動し、かつモータ及びゲートパネルドライブの結合に起因して通常作動中にもゲートパネルを制動し、それを1つの位置に保持することができる保持ブレーキ2である。ゲートは、重量カウンターバランス機構を含まない。代替実施形態では、例えば、引張又は圧縮バネは、フレーム内に又はリンテル内に重量補正機構として形成することができる。
【0045】
本発明による崩落防止機構を備えることができるゲートの構造設計の一例は、欧州(EP)特許出願第16176550.8号明細書に開示されている。そこに説明されたゲートは、開放状態で螺旋に格納される区分式ゲートパネルを備え、歯車は、ゲートパネルの両側に具現化された駆動チェーンに係合する。モータは、ベルトによってゲートパネルの駆動シャフトに結合される。
【0046】
モータ上に同じく具現化されるのは、電気モータ3のモータシャフトの回転速度を測定する第2の測定デバイス1である。例えば、従来技術から公知の誘導センサ又は光障壁による回転速度測定方法がそこでは使用される。
【0047】
これらの回転速度測定方法は、制御ユニット内で計数される方形波信号の形態でモータシャフトが移動した距離に関するデジタル情報を供給する。これに代えて、位相シフトした正弦/余弦関数の形態の角度位置を測定デバイスによって表すことができる。
【0048】
図示の実施形態では、測定デバイスは、デジタル情報として正弦/余弦周期にわたる角度位置、並びに絶対回転数の両方を出力する回転フィードバックシステムである。この実施形態では、測定デバイスは、同時にモータ整流に使用することができる。絶対位置は、特定の解像度を有するデジタル情報として出力される。解像度は、短い応答時間及び停止距離を達成するためにできるだけ高い必要がある。
【0049】
ゲートパネルシャフト5において具現化されるのは、公知の回転速度測定方法によってゲートパネルシャフト5の回転速度を測定する第1の測定デバイス6である。
【0050】
図示の実施形態では、第1の測定デバイスは、2つの信号コイル上で互いに対して位相シフトされたパルスを出力するセンサシステムである。
【0051】
第1及び第2の測定デバイスの測定値は、ライン13、14を介して比較器9に送信される。測定値の送信は、第1及び第2の測定デバイスが測定された回転速度値をデジタル信号に変換することができる場合に、アナログ電圧値として又はデジタルの形態で行うことができる。測定のデジタル送信が一般的に好ましい。比較器は、電子構成要素として構成することができる。これに代えて、比較器はまた、デジタル構成要素として又はソフトウエアによって達成することができる。
【0052】
速度に関する結果は、経過時間を参照することによって2つの測定デバイスの位置の値の変化から引き出すことができる。
【0053】
ゲートパネルシャフト5の回転速度を測定することに代えて又はこれに加えて、角度位置、又はフレーム11内の光バリアの助けを借りてゲートパネルの速度及び位置を決定することができる。測定値は、フレーム11からライン17を介して比較器9に送信される。
【0054】
そのような実施形態では、第1の測定デバイスは、例えば、ゲートパネルの運動平面に直接に位置付けられ、かつ特定の光ビームが遮断された時に中断された光ビームの位置を比較器9に送出する光格子である。
【0055】
2つの測定デバイスによって送信される測定値は、互いに対するゲートパネルシャフト及びモータシャフトの回転速度に比較器9内で関連付けられる。ゲートパネルシャフト5及びモータシャフト3は、歯車4によって互いに結合されるので、回転速度は、全ての開放状態で互いに固定された関係である必要がある。測定された速度間の実際の関係が設計工学に基づく関係から逸脱すると比較器内で決定された場合に、ゲートパネルドライブとモータ3の間の分離が発生し、これが、例えば、歯車故障によって引き起こされた可能性があり、最悪の場合にゲートパネル10の崩落をもたらすと仮定される。この場合に、ブレーキ信号がキャッチブレーキ7までライン15を通過するという点で、キャッチブレーキ7が比較器によって直ちにトリガされる。
【0056】
図示の実施形態では、比較器は、測定デバイス6の絶対位置の値を入力することができ、並行して第2の測定デバイスから到着するパルスを計数することができるように構成される。着信信号の位相シフトにより、減算と加算を区別することが可能である。
【0057】
異なる距離測定方法を選択した場合に広範かつ確実な冗長性を保証することができる。モータ及びゲートパネルの運動パラメータは、ゲートの作動中に比較器内で絶えず決定及び評価される。
【0058】
図2は、断面図で第2の実施形態を示している。ゲートフレーム11内のゲートパネル10の右側には、モータコントローラ及び比較器9が同様に具現化された外側から作動されるコントローラ19が与えられる。比較器9と測定デバイス1、6の間のラインは、ゲートフレーム11及びリンテル12内に至る。区分的平面に位置するゲートパネルシャフト5は、それぞれの転がり軸受20によってゲートフレームの領域に両端で支持される。
【0059】
モータ3とゲートパネルシャフト5の間の動力伝達は、モータシャフトのチェーンホイール23及びゲートパネルシャフト5のチェーンホイール24上でそれぞれ走行されるチェーン21を使用して達成される。
【0060】
モータ3は、ゲートパネル10が開放状態で格納された螺旋22内に具現化される。
【0061】
第2の測定デバイス1は、モータ3のハウジング内に具現化される。第1測定デバイス6は、ゲートパネルシャフトのモータ側の端部において具現化される。モータハウジング内に同じく具現化されるのは、通常作動中にモータ及びそれに結合されたゲートパネルを制動してそれをある位置に保持するのに使用される機械的サービスブレーキである。
【0062】
ゲートパネルシャフト5の両端において具現化されるのは、ゲートパネルの駆動チェーンに係合し、従って、駆動シャフト5の回転をゲートパネルの直線運動に変換する駆動ホイール25である。
【0063】
図3は、図2に示すゲートを右側から示している。リンテル12内の螺旋22の配置及び螺旋22内のモータ3の空間節約配置が十分に可視である。チェーン21は、動力をモータ3からチェーンホイール24を介してゲートパネルシャフト5まで伝達するために螺旋を越して横方向に案内される。
【0064】
図4は、図2にAでマーク付けされた領域を拡大して示している。ゲートパネルシャフト5の左側端部でのキャッチブレーキ7は、特に明確に見ることができる。
【0065】
キャッチブレーキ7は、バネ印加式ディスクブレーキとして具現化される。実施形態では、ブレーキディスク26は、ゲートパネルシャフト上に回転固定方式に具現化される。ブレーキパッドがブレーキディスクの両側に装着された2つのブレーキシュー27は、ブレーキディスク26の方向にバネ力によって予備引張され、かつ電磁石によってバネ力に対してブレーキディスクから離間して保たれる。キャッチブレーキ7をトリガするために、電磁石は、ブレーキシュー27がバネ力によってブレーキディスク及びゲートパネルシャフト5に対して押圧されるように作動停止される。この配置は、それが停電の事象においても自動的に作動されてブレーキをトリガするという更に別の利点を有する。
【0066】
図5は、図2にBでマーク付けされた領域を拡大して示し、かつ特にチェーンホイール23及びチェーン21によるモータ3とゲートパネルシャフト5の間の接続を示している。第1の測定デバイス6は、ゲートパネルシャフト5の右側端部において具現化される。
【0067】
図6に示す実施形態は、図2から図5の第2の実施形態に実質的に類似する。主な違いは、モータシャフト及びゲートパネルシャフト5が互いに直角にそこに存在することである。動力伝達は、傘平歯車を有する角度歯車28によって達成される。これに代えて、ウォーム歯車などとしての実施形態が考えられている。
【0068】
図7に示す実施形態は、図2から図5の実施形態に実質的に対応する。有意な違いは、ゼロ回転速度まで調整することができて作動中にゲートパネルを制動及び保持することができる同期モータ3の使用である。モータは、従って、モータハウジング内の追加の機械的サービスブレーキも伝達歯車も不要である。モータシャフトは、ゲートパネルシャフト5に直接に結合される。
【0069】
ゲートパネルの潜在的な崩落は、好ましくは垂直に互いに上下に配置された水平装着式光障壁を形成する光格子による光障壁配置デバイスによってゲートパネルの位置及び/又は移動速度が決定される測定セクション29によって決定される。この測定値は、ゲートの故障を検出するために比較器内でモータシャフトでの測定値と比較される。
【0070】
図8に示す実施形態は、図7の実施形態に実質的に対応する。モータの配置は異なっており、それは、そこではゲートパネルシャフト内に管状モータとして配置される。
【符号の説明】
【0071】
2 保持ブレーキ
3 電気モータ
4 歯車
10 ゲートパネル
12 ゲートリンテル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8