(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】発泡幾何構造および活性材料を有する自己支持構造
(51)【国際特許分類】
B01D 53/047 20060101AFI20220208BHJP
B01D 53/04 20060101ALI20220208BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20220208BHJP
B01J 20/18 20060101ALI20220208BHJP
B01J 20/28 20060101ALI20220208BHJP
B01J 20/30 20060101ALI20220208BHJP
B01J 20/34 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
B01D53/047
B01D53/04 110
B01D53/04 220
B01D53/04 230
B01D53/26 230
B01D53/26 231
B01J20/18 B
B01J20/28 Z
B01J20/30
B01J20/34 E
(21)【出願番号】P 2019534402
(86)(22)【出願日】2017-11-29
(86)【国際出願番号】 US2017063742
(87)【国際公開番号】W WO2018118361
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2019-06-21
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517002476
【氏名又は名称】エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】ブロディー ジョン エフ
(72)【発明者】
【氏名】ティンダール ポール ジェイムズ
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0145726(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01110593(EP,A1)
【文献】独国特許出願公開第102012006272(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0013942(US,A1)
【文献】特表2013-525105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02-53/12
B01D 53/26-53/28
B01J 20/00-20/28,20/30-20/34
B01D 53/34-53/96
C01B 13/00-13/36
C01B 15/00-23/00
B01J 21/00-38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部領域を形成するハウジングと、
前記内部領域内に配置された自己支持構造であって、前記自己支持構造内に50重量%より多い活性材料を有し、前記自己支持構造を通して流体流路に1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造であり、前記活性材料が触媒または吸着材料である自己支持構造と、
前記ハウジングに固定された複数の弁であって、それぞれ、前記自己支持構造と前記ハウジングの外部位置の間に延びる流路に沿った流体流を制御するように構成された弁とを備え、
前記自己支持構造は、第1の組成および第1の孔密度を有する複数の第1のシート、および第2の組成および第2の孔密度を有する複数の第2のシートを備え、前記第1の孔密度は、
0.39孔/cmから7.87孔/cmまで(1孔/リニアインチ(ppi)から20ppiまで
)の範囲にあり、前記第2の孔密度は、
7.87孔/cmから39.37孔/cmまで(20ppiから100ppiまで
)の範囲にある処理ユニット。
【請求項2】
前記処理ユニットは、前記自己支持構造内の前記1つまたは複数の経路を通過する気体供給流れから汚染物質を取り除くように構成された循環スイング吸着層ユニットである、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項3】
前記自己支持構造は前記自己支持構造内に70重量%より多い前記活性材料を有する、請求項1または2に記載の処理ユニット。
【請求項4】
前記
処理ユニットはさらに、前記
自己支持構造と前記複数の弁の間に配置された流れ分配器を備え、前記ハウジングは、
0.34barから96.53barまで(5重量ポンド/平方インチ絶対圧(psia)から1,400psiaまで
)圧力を維持するように構成されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の処理ユニット。
【請求項5】
前記第1の孔密度は、
1.18孔/cmから6.69孔/cmまで(3孔/リニアインチ(ppi)から17ppiまで
)の範囲にあり、前記第2の孔密度は、
11.81孔/cmから27.56孔/cmまで(30ppiから70ppiまで
)の範囲にある、請求項1から4までのいずれか1項に記載の処理ユニット。
【請求項6】
前記複数の第1のシートは、前記複数の第2のシートの1
つに前記複数の第1のシートから流体流れを分配するように構成されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の処理ユニット。
【請求項7】
流体流れを前記複数の第1のシートの1つまたは複数に分配するように構成された1つまたは複数の層またはストリップをさらに含む請求項1から6までのいずれか1項に記載の処理ユニット。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の処理ユニットを用いて供給流れから汚染物質を取り除く方法であって、前記活性材料が吸着材料であり、
a)吸着層ユニット内で1つまたは複数の吸着ステップ行うステップであって、前記1つまたは複数の吸着ステップそれぞれが、気体供給流れから1つまたは複数の汚染物質を取り除くように、前記吸着層ユニットのハウジングの内部領域に配置された自己支持構造を通して前記気体供給流れを通過させることを含み、前記自己支持構造は前記自己支持構造内に50重量%より多い活性材料を有し、前記自己支持構造は、前記自己支持構造を通して流体流路に対して1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造である、ステップと、
b)1つまたは複数の再生ステップを行うステップであって、前記1つまたは複数の再生ステップそれぞれが、汚染物質出力流れ内に前記1つまたは複数の汚染物質の少なくとも一部を離れるように案内することを含むステップと、
c)少なくとも1つの追加サイクルでステップa)からb)を繰り返すステップとを含む、方法。
【請求項9】
前記方法はスイング吸着方法であり、サイクル持続時間は、1秒より長く、600秒より短い期間であり、前記気体供給流れは、前記気体供給流れの合計量に基づいて1容量%炭化水素より多い炭化水素を含む流れであり、前記気体供給流れの供給圧力は、
27.58barから96.53bar(400重量ポンド/平方インチ絶対圧(psia)から1,400psia
)の間の範囲である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数の再生ステップを行うステップは、1つまたは複数のパージステップを行うステップを含み、前記1つまたは複数のパージステップはそれぞれ、前記汚染物質出力流れに前記1つまたは複数の汚染物質の少なくとも一部を離れるように案内するために、前記自己支持構造を通してパージ流れを通過させるステップを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数の吸着ステップを行うステップが、前記気体供給流れ中の二酸化炭素(CO
2)レベルを50ppm体積率未満に下げるように構成されている、請求項8から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記1つまたは複数の吸着ステップを行うステップが、前記気体供給流れ中の水(H
2O)レベルを105ppm体積率未満に下げるように構成されている、請求項8から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の処理ユニットを製造する方法であって、
活性材料を結合材料と混合させるステップであって、
得られた混合物は50重量%より多い活性材料を有し、残りの混合物は結合材料を含むステップと、
前記混合物から自己支持構造を形成するステップであって、前記自己支持構造は、前記自己支持構造を通して流体流路に対して1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造である、ステップと、
前記自己支持構造を乾燥させるステップと、
内部領域を有する処理ユニットのハウジング内に前記自己支持構造を配置するステップとを含む、方法。
【請求項14】
前記自己支持構造を形成するステップはさらに、前記結合材料および前記活性材料を、前記自己支持構造である粘着性固体構造に焼成するステップを含み、前記焼成ステップは、400℃から800℃までの範囲の温度に前記自己支持構造を露出させるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ハウジング内に複数の弁ポートを作り出すステップと、
複数の弁を形成するように前記複数の弁ポートそれぞれ内で前記ハウジングに弁を固定するステップであって、前記複数の弁それぞれは、前記自己支持構造と前記ハウジングの外部の位置の間の流体流を制御するように構成されている、ステップとをさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全体を参照により本明細書に援用する、2016年12月21日出願の「活性材料を有する自己支持構造」という名称の米国仮特許出願第62/437,319号の優先権の利益を主張する。
本出願は、共通の発明者および譲受人であり、その開示全体を参照により本明細書に援用する、2016年12月21日出願の「活性材料を有する自己支持構造」という名称の米国仮特許出願第62/437,327号、および2017年11月14日出願の「活性材料を有する自己支持構造」という名称の米国仮特許出願第62/585,574号に関連している。
本技術は、活性材料を含む発泡幾何構造である自己支持構造の製造に関する。より詳細には、自己支持構造はスイング吸着プロセス、および炭化水素の回収を促進する他のプロセスなどの分離および/または触媒プロセスで使用することができる。
【背景技術】
【0002】
処理技術は、多くの産業において有用であり、典型的には、好ましい生成物流れを提供するために、触媒または吸着材料などの活性材料上に流体混合物を流すことによって達成することができる。吸着プロセスでは、吸着材料は、1つまたは複数の気体成分を吸着するが、その他の1つまたは複数の気体成分を吸着しないことが好ましい。非吸着生成物は別個の生成物として回収される。触媒プロセスでは、触媒は、化学反応の速度を増加させるように流れ内の成分と反応するように構成されている。
例として、気体分離技術の1つの特定のタイプは、温度スイング吸着(TSA)、圧力スイング吸着(PSA)、部分圧力パージスイング吸着(PPSA)、急速サイクル圧力スイング吸着(RCPSA)、急速サイクル部分圧力スイング吸着(RCPPSA)であるが、これに限らず、圧力および温度スイング吸着などの上記プロセスの組合せに限らない。例として、PSAプロセスは、気体に圧力が加えられている場合、吸着材料などの活性材料の気孔構造または自由容量内により急速に吸着される気体の現象による。すなわち、気体圧力が大きくなればなるほど、より大量の急速吸着気体が吸着される。圧力が下がると、吸着成分が、吸着材料から放出または脱着される。
【0003】
異なる気体は異なる範囲で吸着材料のミクロ気孔を充填する傾向があるので、スイング吸着プロセス(例えば、PSAおよびTSA)を使用して、気体混合物の気体を分離することができる。例えば、天然ガスなどの気体混合物が圧力を受けて、メタンに対してより、二酸化炭素に対してより選択的である吸着材料を入れた容器を通過する場合、二酸化炭素の少なくとも一部は吸着材料によって選択的に吸着され、容器から出る気体がメタン内で濃縮される。吸着材料が二酸化炭素を吸着する容量の限界に到達すると、例えば、圧力を下げることによって、PSAプロセスで再生され、それによって、吸着された二酸化炭素を放出させる。吸着材料はその後、典型的には、パージされ、再加圧される。その後、吸着材料は、別の吸着サイクルの準備をする。
【0004】
典型的には、触媒プロセスおよび吸着プロセスで使用される構造は、限られたアレイの物理的構造タイプを有する。活性材料はしばしば、結合剤および押出またはスプレー乾燥などの処理技術を使用して、ビード、顆粒、球体またはペレットに構造化される。ビード、顆粒、球体またはペレットはその後、触媒または吸着プロセスで、充填層としてユニット内に一緒に充填される。その結果、触媒または吸着剤の従来の製造は、充填層で使用される小さな球体状活性材料(例えば、球体、ペレット、ローブなど)の押出が必要である。しかし、充填層は、充填層を通した蛇行経路を作り出し、大きな圧力低下につながる。
他の構成では、構造はモノリスなどの工学的構造であってもよい。工学的構造では、活性材料は、金属またはセラミックモノリスなどの基板上に被覆されている。工学的構造は、充填層と比較して圧力低下を少なくする、実質的に均一な流路を提供する。しかし、これらの構造では、重量の大部分は、下にある支持構造を形成するために使用される不活性材料である。
その結果、構造の典型的な製造解決法は、充填層で使用される小さな球体状活性材料(例えば、球体、ペレット、ローブなど)の押し出し、またはモノリス基板(例えば、セラミックまたは金属モノリス)上の活性材料の薄いコーティングの塗布を必要とする。充填層は、工学的構造と比較して、大きな圧力低下がある。また、工学的構造は、構造の寸法および重量を大きくする、不活性材料である構造支持体からの追加の重量を含む。
【0005】
他の関連する資料としては、Rezaei, F. et al., 2009, Optimum structured adsorbents for gas separation processes, Chemical Engineering Science 64, p.5182-5191、Patcas, F.C. et al., 2007, CO oxidation over structured carriers: A comparison of ceramic foams, honeycombs and beads, Chemical Engineering Science 62, p.3984-3990、米国特許出願公開第20030145726号、Richardson, J.T. et al., 2000, Properties of ceramic foam catalyst supports: pressure drop, Applied Catalysis A: General 204, p.19-32、およびStemmet, C.P. et al., 2006, Solid Foam Packings for Multiphase Reactors: Modelling of Liquid Holdup and Mass Transfer, Chemical Engineering Research and Design 84(A12), p 1134-1141が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、活性材料を含む自己支持構造を有するプロセスで強化を与え、複合幾何形状を有する発泡幾何構造を形成することを含むことができる装置、方法、およびシステムに対する需要が当業界にある。さらに、本技術は、供給流れから汚染物質を分離させるために、スイング吸着プロセスなどの吸着または触媒プロセスに自己支持発泡幾何構造を一体化させることによって強化を行う。したがって、本技術は、分離および/または触媒プロセスにおける従来の構造の欠点を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、処理ユニットが記載されている。処理ユニットは、内部領域を形成するハウジングと、内部領域内に配置され、自己支持構造内に50重量%より多い活性材料を有し、自己支持構造を通して流体流路に対して1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造である自己支持構造と、自己支持構造とハウジング外部の位置の間に延びる流路に沿って流体流れを制御するようにそれぞれ構成された、ハウジングに固定された複数の弁とを含む。
【0008】
1つまたは複数の実施形態では、処理ユニットは様々な強化を含むことができる。例えば、処理ユニットは、共通の作動機構を介して操作される複数の弁の2つ以上を含むことができ、処理ユニットは、自己支持構造を通過する気体供給流れから汚染物質を取り除くように構成された循環スイング吸着層ユニットであり、自己支持構造は自己支持構造内に60重量%より多い活性材料を有することができ、または自己支持構造は自己支持構造内に70重量%より多い活性材料を有することができ、吸着層と複数の弁の間に配置された流れ分配器を含むことができ、ハウジングは、5重量ポンド/平方インチ絶対圧(psia)から1,400psiaまで圧力を維持するように構成することができ、自己支持構造は、10孔/インチと100孔/インチの間の範囲の孔、15孔/インチと60孔/インチの間の範囲の孔、または20孔/インチと40孔/インチの間の範囲の孔を有し、自己支持構造は、第1の組成および第1の孔密度を有する複数の第1のシート、および第2の組成および第2の孔密度を有する複数の第2のシートを備え、第1の孔密度は、1孔/リニアインチ(ppi)から20ppiまでの範囲にあり、第2の孔密度は20ppiから100ppiまでの範囲にあり、および/または自己支持構造は低い熱質量を有する。
【0009】
さらに別の実施形態では、供給流れから汚染物質を取り除く方法が記載されている。方法は、a)吸着層ユニット内で1つまたは複数の吸着ステップを行うステップであって、1つまたは複数の吸着ステップそれぞれが、気体供給流れから1つまたは複数の汚染物質を取り除くように吸着層ユニットのハウジングの内部領域に配置された自己支持構造を通して気体供給流れを通過させることを含み、自己支持構造は自己支持構造内に自己支持構造内に50重量%より多い活性材料を有し、自己支持構造は、自己支持構造を通して流体流路に1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造であるステップと、b)1つまたは複数の再生ステップを行うステップであって、1つまたは複数の再生ステップそれぞれが、汚染物質出力流れ内に1つまたは複数の汚染物質の少なくとも一部を離れるように案内することを含むステップと、c)少なくとも1つの追加サイクルでステップa)からb)を繰り返すステップとを含む。
【0010】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、供給流れから汚染物質を取り除く方法は、様々な強化を含むことができる。例えば、方法は、スイング吸着方法であってもよく、サイクル持続時間は、1秒より長く600秒より短い期間、または1秒より長く300秒より短い期間であってもよく、1つまたは複数の再生ステップを行うステップは、1つまたは複数のパージステップを行うことを含み、1つまたは複数のパージステップはそれぞれ、汚染物質出力流れ内に1つまたは複数の汚染物質の少なくとも一部を離れるように案内するように自己支持構造を通してパージ流れを通過させることを含み、気体供給流れは、気体供給流れの合計量に基づいて1容量%炭化水素より多い炭化水素を含む流れであってもよく、気体供給流れの供給圧力は、400重量ポンド/平方インチ絶対圧(psia)から1,400psiaの間の範囲にあってもよく、1つまたは複数の吸着ステップを行うステップが、二酸化炭素(CO2)レベルを50ppm体積率未満に下げるように構成することができ、1つまたは複数の吸着ステップを行うステップが、水(H2O)レベルを105ppm体積率未満に下げるように構成することができ、および/または自己支持構造は低熱質量を有する。
【0011】
さらに別の実施形態では、処理ユニットを製造する方法が記載されている。方法は、活性材料を結合材料と混合させるステップであって、混合物は50重量%より多い活性材料を有し、残りの混合物は結合材料を含むステップと、混合物から自己支持構造を形成するステップであって、自己支持構造は、自己支持構造を通して流体流路に対して1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造であるステップと、自己支持構造を乾燥させるステップと、内部領域を有する処理ユニットのハウジング内に自己支持構造を配置するステップとを含む。
【0012】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、処理ユニットの製造方法は様々な強化を含むことができる。例えば、方法は、結合材料および活性材料を、自己支持構造である粘着性固体構造に焼成するステップであって、さらに、400℃から800℃までの範囲の温度に自己支持構造を曝すことを含む、および/またはハウジング内に複数の弁ポートを作り出すことを含むことができるステップと、複数の弁を形成するための複数の弁ポートそれぞれでハウジングに弁を固定するステップであって、複数の弁はそれぞれ、自己支持構造とハウジング外部の位置の間の流体流れを制御するように構成されているステップとを含むことができる。
本開示の前述および他の利点は、実施形態の非限定的例の以下の詳細な説明および図面を考察して、明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本技術の実施形態による自己支持構造を製造および使用する方法のフロー図である。
【
図2】本技術の実施形態による自己支持構造を製造する方法のフロー図である。
【
図3A】本技術の実施形態による自己支持構造に関連する図である。
【
図3B】本技術の実施形態による自己支持構造に関連する図である。
【
図3C】本技術の実施形態による自己支持構造に関連する図である。
【
図4】温度の作用として、吸着水の損失による3Aに対する重量損失の図である。
【
図6】本技術の実施形態による6つの吸着層ユニットおよび相互接続配管を備えたスイング吸着システムの三次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
別段の説明がない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本開示が関連する技術分野の当業者によって普通理解されているのと同じ意味がある。単数形の用語、「a」、「an」および「the」は、内容としてそうでないことが明らかに示されていない限り、複数のことを含む。同様に、「または」という語は、内容的にそうでないことが明らかに示されていない限り、「および」を含むことを意図している。「含む」という用語は、「備える」を意味する。本明細書に記載された全ての特許および公報は、そうでないことが示されていない限り、全体を参照により援用する。用語または表現の意味に関して矛盾する場合、用語の説明を含む本明細書が優先する。「上側」、「下側」、「上部」、「底部」、「前方」、「後方」、「垂直」、および「水平」などの方向の用語は、本明細書では、様々な要素の間の関係を表現および明確にするために使用される。このような用語は、絶対的な方向性を示すものではないことを理解されたい(例えば、「垂直」構成部品は、デバイスを回転させることによって水平となる可能性がある)。本明細書で言及した材料、方法、および例は、単に例示的ものであり、これに限定することを意図したものではない。
本明細書で使用されるように、「大部分の構成部品」は50重量%より多いことを意味する。
【0015】
本明細書で使用されるように、「発泡幾何」は、球体またはペレットなどの押出固体形状と比較して、オープン経路ネットワークを有する構造のことを言う。発泡幾何構造は、それぞれの構造内で蛇行性経路または通路を通して流路を提供するモノリスまたは他の工学構造を含む。発泡幾何構造は、網目状の支柱によって囲まれた相互接続した空隙のネットワークを含む。
本明細書で使用されるように、「流れ」は、様々な機器を通して案内されている流体(例えば、固体、液体、および/または気体)のことを言う。機器は、導管、容器、マニホールド、ユニット、または他の適切なデバイスを含むことがある。
本明細書で使用されるように、体積%は標準的状態に基づくものである。方法の標準的状態は、0℃(摂氏)(例えば、32°F(華氏))の温度および100キロパスカル(kPa)(1バール)の絶対圧力に標準化することができる。
【0016】
本技術は、蛇行性流路を有する発泡幾何構造であってもよい、活性材料から自己支持構造を製造することに関する。特に、本技術は、強化構造を提供するために、活性材料の大部分(例えば、50重量%超または60重量%以上)を含む自己支持構造の強化に関する。強化した構造は、蛇行性流路を通して活性材料との流れの相互作用を強化し、従来の構造より軽量である構成においてより高い体積効率を提供することができる、構成を通して可撓性を提供することができる。自己支持構造は、自己支持構造を通して流体流路を提供するために様々な蛇行性経路を有するように構成することができる。
自己支持構造は、様々な化学的および工学的応用例で有用である可能性がある。例として、吸着および触媒プロセスなどの特定の方法は、活性材料で強化することができる。特に、自己支持構造は、より高い圧力低下およびより低い質量移動速度を有する充填吸着層の代わりに使用することができる。充填層構成では、圧力低下および質量移動速制限は、急速なサイクルでの吸着または触媒プロセスを実行することを許可するものではなく、またはその際に非効率的である。さらに、圧力スイング吸着および急速サイクリングによる大きな容量気体分離プロセスは、低い圧力低下および高い重量効率を有する自己支持構造が必要である。本技術は、それぞれの方法および関連する経済を向上させるために、関連する構造に強化を与えることができる。
【0017】
自己支持構造は、発泡技術などの様々な技術から製造することができる。例として、製造方法は、ポリマースポンジ方法、および直接発泡方法を含むことができる。ポリマースポンジ方法は、その後、スラリーにポリマースポンジを含浸させることによってオープンセル構造を作り出し、その後、多孔質構造を残すように焼切られる。直接発泡方法は、処理の際に、発泡を生じさせ、気体を放出する、所望の成分および有機材料を含む混合物を使用する。その後、得られた多孔性材料は乾燥および焼成される。
【0018】
追加の例として、本技術は、発泡状幾何形状を有する混合物の自己支持発泡構造を提供するステップであって、自己支持構造は相互接続された空隙および支柱のネットワークを含み、混合物は自己支持構造内で50重量%より多い活性材料を有し、残りの混合物は結合材料を含む。自己支持構造は、それぞれの構造内で様々な蛇行性経路を形成する発泡幾何構造であってもよい。形成されると、自己支持構造を乾燥させ、その後、焼成プロセスに曝すことができる。焼成プロセスは、機械的に安定している活性構造を形成するように、400℃から800℃までの範囲の温度を必要とすることがある。自己支持構造の発泡ネットワークは、層状流押出しされたモノリスと比較して、より高い外部表面積および蛇行性経路をガス流に提供することができる。さらに、自己支持構造の孔密度は、10孔/リニアインチ(ppi)から100ppiまでの範囲にある、15ppiから60ppiまでの範囲にある、または20ppiから40ppiまでの範囲にあることがある。
【0019】
他の構成では、自己支持構造は、互いに隣接して配置された異なる層またはシートの材料を含むことができる。第1のシートは、第1の組成および第1の孔密度を有し、第2のシートは、第2の組成および第2の孔密度を有する。第1の孔密度は、1孔/リニアインチ(ppi)から20ppiまでの範囲、3ppiから17ppiまでの範囲、または5ppiから15ppiまでの範囲である。第2の孔密度は、20ppiから100ppiまでの範囲、30ppiから70ppiまでの範囲、または30ppiから60ppiまでの範囲である。さらに、第1の組成および第2の組成は異なり、第1の組成は自己支持構造に追加の剛性を提供することができる。第1のシートは、第2のシートの1つ内にそれぞれの第1のシートから流体流れを分配するように構成することができる。さらに、自己支持構造は、第1のシートの1つまたは複数内に流体流れをそらすなど、流体流れを分配するように構成された追加の層またはストリップを含むことができる。
製造方法は、高温焼成(例えば、500℃以上)に安定である活性無機材料、および有機および無機結合剤の組合せなどの活性材料を利用することができる。
本技術はまた、大多数の構成要素などの活性材料を有するバルク発泡構造を作り出すための発泡方法を含むことができる。これに対して、従来の技術は、不活性セラミックまたは金属基板などの不活性基板に活性材料の薄いコーティングを塗布する必要がある。活性材料の薄いコーティングに対する機械的支持を典型的に与える不活性基板は、自己支持構造の総重量の90%より多い。したがって、従来の自己支持構造における活性材料の薄いコーティングは、自己支持構造の総重量の10%以下である。
【0020】
特定の構成では、自己支持構造は、活性材料および結合材料の異なる組合せを含むことができる。例えば、自己支持構造は、活性材料である微小孔ゼオライトから製造することができる。特定の構成では、活性材料は、自己支持構造の25重量%以上、自己支持構造の40重量%以上、自己支持構造の50重量%以上、自己支持構造の60重量%以上、または自己支持構造の70重量%以上であり、残りの部分は結合材料を含むことができる。他の構成では、結合材料は、自己支持構造の75重量%未満、自己支持構造の60重量%未満、自己支持構造の50重量%未満、自己支持構造の40重量%未満、または自己支持構造の30重量%未満、であり、残りの部分は活性材料を含むことができる。
自己支持構造は、従来のコーティング技術より大きい単位体積毎のより高い質量の活性材料を含むことができる。例えば、10マイクロメートルより大きい活性材料の層または厚さは、100マイクロメートルより大きい、または200マイクロメートルより大きい。
【0021】
活性材料は、流れからの汚染物質を吸着する特定の構造において1つまたは複数の吸着材料を含むことができる。例として、活性材料は、ゼオライト、燐酸アルミニウム分子ふるい(例えば、AlPOおよびSAPO)、ZIF(ゼオライト様イミダゾレート骨格体(例えば、ZIF-7、ZIF-9、ZIF-8、ZIF-11など))および炭素、アミン機能化MCM材料(MCM-22、MCM-41またはMCM-48などの物質の移動組成または移動結晶材料)、SBA材料、KIT材料および/または他の適切な材料などのメソ多孔性材料を含むことができる。活性材料の他の例は、カチオンゼオライト、アミン機能化メソ多孔性材料、スタノシリケート、および/または炭素を含むことができる。他の構成では、吸着材料は、3A、4A、5Aおよび/または13X(水を吸着する高い親和性および高い容量を有する高多孔質吸着剤と、これらの構造の均一な孔に嵌合するのに十分小さい寸法を有する他の分子である)などのゼオライトタイプA(例えば、リンデタイプA(LTA)構造)、八員環ゼオライト材料(例えば、ZSM58および/またはDDR)を含むことができる。
他の構成では、活性材料は、流れ内の成分と反応するように構成された1つまたは複数の触媒材料を含むことができる。
【0022】
結合材料は、有機および無機結合剤を含むことができる。結合剤は、ポリエチレンオキシドまたはメチルセルロース誘導体の1%水溶液を含むことができる。例えば、結合材料は、ポリエチレンオキシド、および/または二酸化ケイ素(SiO2)を含むことができる。シリカ粒子直径は、25ナノメートルと1000ナノメートルの間の範囲であり、シリカ粒子は一連の真珠構成であってもよい。
【0023】
上に記したように、発泡幾何構造は、自己支持モノリス構造内の平行経路などの平行経路を備えていない。発泡幾何構造は、モノリス内の平行経路構造によって作り出される層状流れよりむしろ、蛇行性経路につながる相互接続空隙および支柱のネットワークを有する。自己支持構造では、外部表面毎単位量は、質量移動速度に直接関連している。発泡幾何構造は、画定された経路および流路を有するモノリス構造より高い外部表面積を有する。画定された経路および流路を有するモノリスは、例えば、2000セル/平方インチより大きいセル密度などの高いセル密度を有する場合、発泡幾何構造の外部表面積に近づく可能性があるだけである。しかし、高いセル密度は、モノリス基板内の空隙率を小さくし、活性材料でモノリス基板を被覆するための大きな圧力低下および大きな困難につながる。
【0024】
発泡幾何構造では、オープンセルセラミック発泡構造は、
図3Aおよび3Bで以下に示される、網目状の支柱によって囲まれた相互接続した空隙のネットワークを含む。セラミック発泡体の孔寸法は、孔/リニアインチ(ppi)と定義される。これに対して、経路を備えたセラミックハニカム、測定単位はセル/平方インチ(cpsi)である。特定の発泡体では、孔寸法は、10ppiと100ppi、10ppiと80ppi、15ppiと60ppi、または20ppiと40ppiの間の範囲であってもよい。モノリスで使用される特定のハニカムでは、セル密度は普通、10cpsiから900cpsiまでの範囲である。セラミック発泡構造による圧力低下は、モノリスと充填層の間のものである。
【0025】
発泡幾何構造は、ポリマースポンジ方法および/または直接発泡方法によって作り出すことができる。ポリマースポンジ方法は、その後、活性材料スラリーにポリマースポンジを含浸させることによって発泡幾何構造を作り出し、その後、多孔質構造を残すように焼切られる。直接発泡方法は、処理の際に、発泡を生じさせ、気体を放出する、所望の活性材料成分および有機材料を含む混合物を使用する。得られた多孔質材料はその後、自己支持構造を形成するために乾燥および焼成される。
【0026】
発泡シートが様々な方向におけるオープンセル構造であり、容量が少なく、シート内に金属がないので、発泡幾何構造は、モノリス構成に様々な強化を与えることができる。PSA構成では、気体流は一方向に流れることができ、吸着熱によって生成される熱は、外部熱源を補充するために捕捉および使用することができる。さらに、加熱されたパージ流れをTSAプロセスで使用することができ、パージ流れはPSA流れに垂直方向に流れる。
【0027】
例として、処理ユニットは、内部領域を形成するハウジングと、内部領域内に配置された自己支持構造であって、自己支持構造内に50重量%より多い活性材料を有し、自己支持構造を通して流体流路に1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造である自己支持構造と、ハウジングに固定された複数の弁であって、それぞれ自己支持構造とハウジングの外部位置の間に延びる流路に沿った流体流を制御するように構成された弁とを備えている。様々な構成では、処理ユニットは、共通の作動機構を介して操作される複数の弁の2つ以上を含むことができ、処理ユニットは、自己支持構造を通過する気体供給流れから汚染物質を取り除くように構成された循環スイング吸着層ユニットであり、自己支持構造は自己支持構造内に60重量%より多い活性材料を有することができる、または自己支持構造は自己支持構造内に70重量%より多い活性材料を有することができ、吸着層と複数の弁の間に配置された流れ分配器を備えることができ、ハウジングは、5重量ポンド/平方インチ絶対圧(psia)から1,400psiaまで圧力を維持するように構成することができ、自己支持構造は、10孔/インチと100孔/インチの間の範囲の孔、15孔/インチと60孔/インチの間の範囲の孔、または20孔/インチと40孔/インチの間の範囲の孔を有する、および/または自己支持構造は低い熱質量を有する。
【0028】
さらに別の例として、供給流れから汚染物質を取り除く方法は、a)吸着層ユニット内で1つまたは複数の吸着ステップを行うステップであって、1つまたは複数の吸着ステップそれぞれが、気体供給流れから1つまたは複数の汚染物質を取り除くように吸着層ユニットのハウジングの内部領域に配置された自己支持構造を通して気体供給流れを通過させることを含み、自己支持構造は自己支持構造内に50重量%より多い活性材料を有し、自己支持構造は、自己支持構造を通して流体流路に1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造であるステップと、b)1つまたは複数の再生ステップを行うステップであって、1つまたは複数の再生ステップそれぞれが、汚染物質出力流れ内に1つまたは複数の汚染物質の少なくとも一部を離れるように案内することを含むステップと、c)少なくとも1つの追加サイクルでステップa)からb)を繰り返すステップとを含むことができる。特定の構成では、方法はスイング吸着方法であってもよく、サイクル持続時間は、1秒より長く600秒より短い期間、または1秒より長く300秒より短い期間であってもよく、1つまたは複数の再生ステップを行うステップは、1つまたは複数のパージステップを行うことを含み、1つまたは複数のパージステップはそれぞれ、汚染物質出力流れ内に1つまたは複数の汚染物質の少なくとも一部を離れるように案内するように自己支持構造を通してパージ流れを通過させることを含み、気体供給流れは、気体供給流れの合計量に基づいて1容量%炭化水素より多い炭化水素を含む流れであってもよく、気体供給流れの供給圧力は、400重量ポンド/平方インチ絶対圧(psia)から1,400psiaの間の範囲にあってもよく、1つまたは複数の吸着ステップを行うステップが、二酸化炭素(CO2)レベルを50ppm体積率未満に下げるように構成することができ、1つまたは複数の吸着ステップが、水(H2O)レベルを105ppm体積率未満に下げるように構成することができ、自己支持構造は、10孔/インチと100孔/インチの間の範囲の孔、15孔/インチと60孔/インチの間の範囲の孔、または20孔/インチと40孔/インチの間の範囲の孔を有する、および/または自己支持構造は低い熱質量を有する。
【0029】
さらに別の例として、処理ユニットを製造する方法は、活性材料を結合材料と混合させるステップであって、混合物は50重量%より多い活性材料を有し、残りの混合物は結合材料を含むステップと、混合物から自己支持構造を形成するステップであって、自己支持構造は、自己支持構造を通して流体流路に対して1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造であるステップと、自己支持構造を乾燥させるステップと、および/または内部領域を有する処理ユニットのハウジング内に自己支持構造を配置するステップとを含むことができる。さらに、処理ユニットを製造する方法は様々な強化を含むことができる。例えば、方法は、結合材料および活性材料を、自己支持構造である粘着性固体構造に焼成するステップであって、さらに、400℃から800℃までの範囲の温度に自己支持構造を露出させるステップを含む、および/またはハウジング内に複数の弁ポートを作り出すステップを含むことができるステップと、複数の弁を形成するように複数の弁ポートそれぞれ内でハウジングに弁を固定するステップであって、複数の弁それぞれは、自己支持構造とハウジングの外部の位置の間の流体流を制御するように構成されているステップとを含むことができる。
【0030】
有利には、本技術は、従来の解決法を凌ぐ様々な強化を行うために利用することができる自己支持構造を提供する。例えば、本技術は、活性材料と自己支持構造を通過する流れの間の相互作用を促進するように蛇行性経路または通路を提供する構造を提供することができる。さらに、自己支持を形成するために活性材料を利用することによって、作動容量は大きくなり、質量効果が向上され、さらに、構造の寸法および構造の関連する重量が小さくなることがある。寸法および重量の減少によりまた、自己支持構造を含むハウジングで利用される機器の関連する寸法が小さくなることがある。本技術は、以下の
図1から6を参照してより理解することができる。
【0031】
図1は、本技術の実施形態による自己支持構造を製造および使用する方法のフロー
図100である。この
図100では、方法は、自己支持構造を使用することと共に、活性材料を含む自己支持構造を製造するステップを含む。特に、方法は、ブロック102に示すように、自己支持構造に対する構成を決定するステップと、ブロック104に示すように、自己支持構造に対する混合物を作り出すステップと、ブロック106および108に示すように、自己支持構造を作り出すステップと、ブロック110および112に示すように、自己支持構造で処理ユニットを形成し、供給の処理の際に自己支持構造を利用するステップを含むことができる。
【0032】
方法は、ブロック102で始まる。ブロック102では、自己支持構造に対する構成が決定される。この決定は、自己支持構造の機械的機構を決定することなど、プロセス工学的選択を強化するために自己支持構造の様々な態様をモデリングおよび識別することと、自己支持構造内のセル寸法を決定することと、自己支持構造を通した流れの圧力低下を決定することと、プロセス実行中に自己支持構造が曝される可能性がある動作条件(例えば、圧力、温度、および流れ組成)を決定することと、および/または自己支持構造内で活性材料によって吸着される汚染物質を決定することが必要である。
自己支持構造に対する構成が決定されると、ブロック104に示すように、自己支持構造に対して混合物が作り出される。混合物は、特定の調整を行うために、有機および/または無機結合剤を有する活性材料を含むことができる。混合物は水溶性スラリーであってもよい。混合物が生成されると、自己支持構造は、ブロック106および108に示すように生成される。ブロック106では、発泡幾何構造を有する自己支持構造が作り出される。自己支持構造を作り出すことは、入れ物または容器に混合物を提供することを含むことができる。入れ物または容器を使用して、自己支持構造内に支柱および空隙を形成するために、混合物上で発泡技術を行うことができる。その後、混合物を処理して、固体形状に混合物を硬化させることができる。処理は、混合物を乾燥および/または硬化させるために混合物を加熱することを含むことができる。活性発泡材料を生成する方法は、ポリマースポンジ方法、および直接発泡方法を含むことができる。ポリマースポンジ方法は、その後、活性材料スラリーにポリマースポンジを含浸させることによってオープンセル構造を作り出し、その後、多孔質セラミックを残すように焼切られる。直接発泡方法は、処理の際に、発泡を生じさせ、気体を放出する、所望のセラミック成分および有機材料を含む混合物を使用する。得られる多孔質セラミック材料はその後、乾燥および焼成される。ブロック108では、形成された自己支持構造を検証することができる。形成された自己支持構造の検証は、生成された自己支持構造に関する測定を得るためにセンサを使用して、形成された自己支持構造の空隙、裂け目、および/または非均質部分を識別することを含むことができる。検証は、自己支持構造上で高温X線回折を行うことを含むことができる。例えば、高温X線回折走査分析を使用して、自己支持構造の焼成の最大温度および時間を決定することができる。
【0033】
自己支持構造が作り出されると、自己支持構造は、ブロック110に示すように、処理ユニットとして形成される。処理ユニットの形成には、ハウジング内に自己支持構造を配置し、ヘッドをハウジングに結合させ、1つまたは複数の弁(例えば、ポペット弁)をハウジングに結合させ、1つまたは複数の導管をハウジングおよび/または弁の1つまたは複数に結合させる必要がある。処理ユニットは、実質的に気体不浸透性隔壁を形成する、1つまたは複数の本体部分に結合されたヘッド部分を含むことができるハウジングを備えた吸着層ユニットであってもよい。ハウジングは、ハウジングによって囲まれた内部領域に配置された(例えば、吸着層として形成された)自己支持構造を含むことができる。様々な弁は、ハウジングの内部領域とハウジング外部の位置の間でハウジング内の開口部を通して流体流路を提供するように構成することができる。その後、ブロック112に示すように、自己支持構造を流体の処理の際に利用することができる。例えば、供給の処理は、供給流れからの1つまたは複数の汚染物質の除去のためにスイング吸着方法(例えば、急速サイクルプロセス)を行うことを含むことができる。他の例は、触媒プロセスにおいて自己支持構造を利用することを含むことができる。
【0034】
自己支持構造を形成する1つの方法は、発泡技術の使用が必要である可能性がある。例として、自己支持構造はこのようなプロセスによって準備することができる。その結果、自己支持構造は、自己支持構造を通して流体流路に対して蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造であってもよい。
【0035】
自己支持構造の生成の例が、
図2に示される。
図2は、本技術の実施形態による自己支持構造を製造する方法の流れ
図200である。方法は、ブロック202で始まる。ブロック202では、活性材料および結合材料の混合物が得られる。混合物は、特定の調整を行うために、有機および/または無機結合剤を有する活性材料を含むことができる。混合物が得られると、自己支持構造は、ブロック204に示すように形成される。自己支持構造の形成は、入れ物または容器に混合物を提供することを含むことができる。入れ物または容器を使用して、自己支持構造内に支柱または空隙を形成するために、混合物上で発泡技術を行うことができる。その後、混合物を処理して、固体形状に混合物を硬化させることができる。ブロック206では、生成された自己支持構造を乾燥させることができる。その後、自己支持構造は、ブロック208に示すように、焼成プロセスに曝すことができる。方法は、結合材料および活性材料を、自己支持構造である粘着性固体構造に焼結または焼成するステップを含むことができる。焼結または焼成するステップは、400℃から800℃までの範囲の温度に自己支持構造を露出させるステップを含むことができる。
有利には、発泡幾何構造を有する自己支持構造は様々な強化を提供する。例えば、発泡幾何構造は、他の従来のモノリスより高い幾何表面積/単位質量を提供する。さらに、モノリスに対して、発泡幾何構造は蛇行性流路を提供し、より高い質量移動速度を有する。圧力低下は実質的に平行な経路を有する従来のモノリスよりも高く、発泡幾何構造は、充填層構成よりかなり低い圧力低下がある。加えて、発泡幾何構造を矩形シート構造に形成して、モジュールユニット設計を可能にすることができる。発泡構造の様々な図が、
図3A、3Bおよび3Cに示されている。
【0036】
図3A、3Bおよび3Cは、本技術の実施形態による自己支持構造に関連する
図300、320および340である。
図3Aおよび3Bは、
図300および320に示すように、Al
2O
3セラミック発泡体の例である。
図3Aでは、
図300は様々な支柱302および孔304を含んでいる。
図3Bでは、
図320は、セル324などのセルおよび孔326などの孔を形成する、支柱322などの様々な支柱を含む。セル324は330の幅を有し、孔は幅332を有する。発泡幾何構造は、層状流れモノリス構造に優れた質量移動性能を提供し、押出構造より容易および安価に製造することができ、吸着層構成に可撓性を提供することができる。例えば、70重量%の活性材料でできた矩形モジュール設計の発泡シート層、および発泡体が層容量を小さくすることができる。得られる自己支持構造で使用される混合物は、自己支持構造の重量による結合剤に対する重量による活性材料の約70:30比率(w/w)を有する3A/SiO
2を含むことができる。
【0037】
混合物を自己支持構造に硬化させるために、高温による活性材料の熱安定性を評価することができる。上に記したように、自己支持構造を作り出す際の最終ステップの1つは、焼成を含むことができる。400℃以上、またはさらには500℃以上の温度を含むことができる高温での焼成は、ゼオライトおよびSiO2粒子混合物を脱水し、高い機械強度につながるより密度の高い構造に混合物を融合させる。焼成の目的で活性材料(例えば、吸着剤または触媒材料)の高温安定性を評価するために、高温X線回折を自己支持構造上で行うことができる。例えば、高温X線回折走査は、5Aゼオライト(例えば、活性材料)が特定の期間、特定の温度(例えば、数分間約860℃)で安定し、その後、ピーク高さを小さくすることによって示すことができるように、安定性を失うことを示す表示を提供することができる。したがって、このタイプの分析を使用して、構造の焼成のための最大温度および時間を決定することができる。自己支持構造の機械的強度は、500℃より高い焼成温度に関連している。
【0038】
特定の構成では、自己支持構造は、互いに隣接して配置された異なる層またはシートの材料を含むことができる。それぞれのシートは、異なる組成および孔密度を有することができる。例えば、第1の孔密度は、1孔/リニアインチ(ppi)から20ppiまでの範囲、3ppiから17ppiまでの範囲、または5ppiから15ppiまでの範囲である。第2の孔密度は、20ppiから100ppiまでの範囲、30ppiから70ppiまでの範囲、または30ppiから60ppiまでの範囲である。このような構成では、異なるシートの1つは、自己支持構造に追加の剛性を提供することができ、その他のシートの1つにそれぞれのシートから流体流れを分配するように構成することができる。また、追加の層またはストリップを、分配シートの1つまたは複数の迂回流体流などの、流体流れを分配するように使用および構成することができる。
【0039】
図3Cは、自己支持構造の概念的ゼオライト発泡幾何モジュールの例である。このモジュールを利用して、2重量パーセント(wt.%)H
2Oを含む1ミリオン立方フィート(ft
3)のCH
4を処理することができる。
図3Cでは、
図340は、シート342などの様々なシート、および10ppiAl
2O
3構造を含む。これらのAl
2O
3シートはそれぞれ、40インチ幅×40インチ長さ、および0.5インチ深度であってもよい。Al
2O
3シートは、シート344などの3A/SiO
2発泡シートの間に配置することができる。これらのAl
2O
3の被覆されていないシートは、機械支持体として、および3A/SiO
2発泡シートに気体を分散させるために動作することができる。シート344は、65ppi3A/SiO
2活性材料発泡幾何シートであってもよい。3A/SiO
2発泡シートはそれぞれ、20インチ幅×20インチ長さ×1インチ深さであってもよい。さらに、ストリップ346などのストリップは、流入が3A/SiO
2発泡シートに入るのを遮断するステンレス鋼(SS)である。ストリップ346は、40インチ幅×1インチ長さ、および0.04インチ深さであってもよい。さらに、矢印は、矢印348などのPSA流れ、矢印350などのTSA流れに対する流れ方向を示している。
【0040】
本構成では、3A/SiO2発泡シートは、モジュール内に重ね、Al2O3発泡シート342の間に配置することができる。Al2O3発泡シートは、低い圧力低下に対する大きな孔を有する、10ppiの孔密度を有する。流入および流出気体流れは、3A/SiO2発泡シート表面と平行であってもよい。例えば、流入気体流れは、被覆されていないAl2O3発泡シートを通して案内することができる。Al2O3発泡シートは、構造に剛性を提供し、流入気体分配を助ける。被覆されていないAl2O3発泡シートは、3A/SiO2発泡シートの50%の厚さであるだけである。ゼオライト発泡シート内への効果的な気体流路は、厚さの半分である。積層体は、過剰な圧力低下が避けられる場合に、効果的な吸収体である。3A/SiO2発泡シートに垂直な圧力低下が小さい場合、発泡体は大きな表面積を有する層状シートとして効果的に働くことができる。
この構成では、様々な性能測定基準を算出することができる。例えば、1メートルのAl2O3発泡シートを通る圧力低下は、5メートル/秒(m/s)の気体速度に対して18トール未満であると算出することができる。1メートルのAl2O3発泡シートを通る圧力低下は、5m/sの気体速度に対して約1.5ポンド平方インチ(psi)であると算出することができる。さらに、29シート×0.5インチ×40インチに対するAl2O3発泡シートの開口流れ面積は、580平方インチ(in2)(0.374平方メートル(m2))である。
【0041】
加えて、ゼオライト材料の量を構造に対して算出することもできる。この計算では、rは1.7グラム/立方センチメートル(gm/cm3)である。というのは、70重量%ゼオライトおよび30重量%SiO2結合発泡体および75%空隙率が使用されるからである。1シートの容量は、20インチ×20インチ×1インチ、つまり400立方インチ(in3)(6,554.5立方センチメートル(cm3))である。1シートの総質量は、6,554.8cm3×1.7gm/cm3×0.25(立体)、つまり2,786グラム/シート(gm/シート)である。1シート内の3Aゼオライトの総質量は、2,786gm/シート×0.7、つまり1,950gm/シートである。
【0042】
また、構造に対して、H2O吸着量を算出することができる。この計算では、10重量%H2O充填/シートの控えめな推測値は、195gm/シートである。1ミリオン立方フィートのCH4中の2重量%H2Oは、412,782gmである。必要なシート数は、412,782gmを195mg/シートで割った数、つまり2,117シートである。各モジュールは、4シート/層×28層、つまり112シートである。その結果、必要な総モジュールは、2,117シートを112シート/モジュールで割った数、つまり18.9モジュールである。
【0043】
さらに、推測容量も算出することができる。19モジュールに対して必要な3A/SiO2発泡シートの数は、19モジュール×112シート/モジュール、つまり2,128シートである。29枚のAl2O3シートおよび28枚の3A/SiO2発泡シートを含むモジュール容量は、42.5インチ×40インチ×40インチ、つまり68,000立方インチ(in3)(1.114m3)である。19モジュール×1.114m3の総容量は、21.166m3である。その後、これをガロンに変換すると、21,166リットルの量は5,591.5ガロンである。したがって、発泡幾何構造の19モジュールの推測容量(ガロン)は、5,591ガロンである。
【0044】
本技術によって形成される発泡幾何活性材料モノリスであってもよい、自己支持構造は、70重量%の活性材料から形成され、セラミックよりはるかに低い温度に焼成される(例えば、400℃から800℃に焼成される)ようになっている。より低い温度は、ゼオライトの活性を維持するために利用される。得られた自己支持構造に対する強度は、無機SiO2結合剤によって提供される。しかし、自己支持構造は、機械的に安定しながらも、セラミックモノリスほどの強度はない。粘土はゼオライト用の結合剤として使用されるが、焼結SiO2の強度を提供しない。
【0045】
活性材料の選択として、3A、4A、および/または5AなどのゼオライトタイプA(例えば、LTA構造)は、水およびこれらの構造の均一な孔に嵌合するのに十分なほど小さい寸法を有する他の分子を吸着するために、高い親和力と高い能力とを有する高多孔性吸着剤である。したがって、気体および液体の乾燥および浄化を必要とするプロセスは、スイング吸着方法などのLTAタイプゼオライトの吸着容量および効率に左右される。これらの3A、4A、5ALTAタイプのゼオライトは、幅広い範囲の条件にわたって直ぐに水を吸着する能力を有する。これらはまた、ゼオライト構造が劣化することなく、加熱される場合に吸着された水を放出する。したがって、加熱の際の水の放出と冷却の際の水の再吸着の間でサイクルする能力を有する。
水脱着の際の3Aの使用が、熱重量分析(TGA)に関連して示されている。TGAは、結合添加物なしで、3Aゼオライト粉末で始めることによって行われた。TGA実験は、
図4に示すように、試料対温度に対する重量損失に関するデータを生じる。
【0046】
図4は、温度の関数として、吸着水の損失により、3Aに対する重量損失の
図400である。この
図400では、第1の応答408および第2の応答410は、分(min)の時間軸402、パーセントでの重量パーセント軸404、℃での温度軸406に沿って示されている。試料は、第2の反応410と共に示すように、10℃/分の速度で、30℃から600℃まで空気中で加熱した。第1の反応408は、15.3%の総重量損失を示し、これは3A粉末が、大気条件で、15.3重量%の水を吸着したことを示す。吸着された水は、280℃(例えば、25分×10℃/分+30℃開始温度)で試料から取り除かれた。
【0047】
発泡幾何構造と同様に働くと推測される、500℃焼成3A/SiO
2押込構造中のH
2O吸着と3A粉末内のH
2O脱着を比較することによって、別の強化を記載することができる。以下に記すように、表1は、焼成された3A/SiO
2(例えば、70:30w/w)構造中の水吸着と、3A粉末上の
図4の反応408における水脱着結果を比較する。
【表1】
表1では、3A/SiO
2構造は、70:30w/wの3A:SiO
2層状シートである。構造は、有機結合剤を分解し、3AおよびSiO
225nm粒子を共に焼結するために、500℃に焼成した。3A/SiO
2層状シート構造は、500℃焼成プロセスの後、120℃の炉内に貯蔵した。構造の3A成分は、吸着水がないものとする。1インチd×2インチ長さである3A/SiO
2構造の重量を、炉から120℃で測定したところ、その重量は、表1に記録されるように20.560グラムであり、20.560グラム総重量の70%を有する、すなわち14.392グラムが3A成分である。総重量の20.560グラムの残りの30%、すなわち6.168グラムは、25nm直径SiO
2結合剤粒子である。
【0048】
水(H
2O)のない3A/SiO
2構造の重量を測定した後、構造を、72時間実験台で大気条件に曝した。大気条件に72時間曝した後、3A/SiO
2構造の重量を再び測定したところ、その重量は22.837グラムであった。この重量の増加は、11.07%であり、大気からの2.217グラムの水を吸着した結果である。水の大部分は、3A/SiO
2構造中の3A成分によって吸着されるのみである。構造の3A成分に対する水吸収を判断する場合、15.4%重量増加に相当する。この重量増加は、
図4の反応408における水脱着による、3A粉末中の15.3%重量損失と同様である。その結果、3A/SiO
2層状シート構造における重量増加は、構造中の3A成分が水分子にアクセス可能であることを示している。
【0049】
例えば、3A/SiO
2構造中の3A成分は多孔質である。3A構造の窓または孔は、3オングストローム寸法の開口部を有する。水分子は約2.8オングストロームの直径を有し、3A構造に嵌合する、または3A構造の内側に吸着される。SiO
2結合剤は、非多孔質である。SiO
2球体は、孔がなく、したがって、その構造内に水を吸着しない。水はSiO
2球体の表面を湿らすが、水の量は3Aゼオライト(70重量%)/SiO
2(30重量%)構造によって吸着される可能性がある水の総量の極めて小さい部分である可能性がある。したがって、3Aゼオライト成分は、3A/SiO
2合成構造中の水を吸着するための一次材料である。TGA(熱重量分析)は、重量損失対温度を測定する。
図4は、3AゼオライトのみのTGA分析である。3A粉末は重量の15.3%を損失することを示しており、これは、大気条件で吸着された水を脱着することによるものである。
上記例から、3Aゼオライト粉末に関するこのTGA結果は、大気条件での水の吸着による例で3A/SiO
2構造における15.4%重量増加にほぼ等しい。3A/SiO
2構造における、ほぼ同一のTGA脱着(重量損失)結果および吸着(重量増加)結果は、3Aゼオライト成分が水にアクセス可能であることを示している。これらの結果は、SiO
2結合剤は3A結晶へのアクセスを遮断しないことを示す。したがって、3A/SiO
2構造は3A成分へのアクセスを妨げない。
【0050】
さらに確かなものとするために、気体吸着突破テストも、自己支持構造上で行った。NatGas Unitと呼ばれる気体吸着突破ユニットを使用して、被覆された基板の気体吸着および突破プロファイルを測定した。知られている重量の試料は、気体バイパスを防ぐために包み、気体吸着突破ユニット中の管に挿入する。試料は、25℃でH2Oで飽和された300標準立法センチメートル/分(sccm)N2、100sccmHeおよび600sccmN2からなる、合計1,000sccm気体流量に曝される。気体突破は、質量分光法によって監視される。sccmの気体流測定用語は、標準温度および圧力で立方センチメートル/分(cm3/分)を示す。
【0051】
このテストの一部として、3A/SiO2(70:30)およびメチルセルロース(一時有機結合剤)からなる35重量%固体を備えた水溶性スラリーを、例示的な3A/SiO2スラリー準備の際に上に記載したように調製した。スラリーは、気体吸着突破ユニットにおけるテストに適した寸法を有する、Al2O3セラミックモノリスに塗布した。セラミックモノリス上のウォッシュコートは、焼成後の自己支持構造と同様の組成を有する。したがって、3A/SiO2ウォッシュコートモノリスを自己支持発泡構造に適切なサロゲートとして使用したので、突破結果は匹敵するものとなるべきであり、そうなると予測される。
【0052】
このテストでは、900cpsiAl2O3モノリスは、0.5インチ直径×1インチ長さの寸法、30%壁面多孔性、および55%オープンフロント領域を有する。モノリスの最初の未被覆重量は、4.099グラムであった。スラリーの2つのコーティングを、従来のウォッシュコーティング技術によって塗布し、試料は500℃で乾燥および焼成した。焼成後の試料重量は、4.893グラムであった。得られた3A/SiO2(25nm直径)ウォッシュコートモノリスは、約0.556グラムの3A吸着剤を含み、自己支持発泡幾何構造で使用される調製用の代表的試料であった。突破テストの前に、3A/SiO2被覆モノリスは、150℃および100sccmHe流れで12時間乾燥された。
【0053】
図5Aおよび5Bは、突破プロファイルの
図500および520である。突破プロファイルは、かなり鋭い。
図5Aでは、He反応506およびH
2O反応508が、水に対して、分単位(min)の時間軸502対カウント/秒(c/s)の質量分析計軸504に沿って示されている。水供給の予測速度は、5.48ミリグラム(mg)/分(min)である。突破前に水を吸着するための、3A/SiO
2ウォッシュコート中の0.55グラムの3Aに対する予測時間は、25分(例えば、吸収レベルオフで30分-吸収の開始で5分)である。反応506は、乾燥Heパージの時間0から50分まであるブランクトレース(例えば、試料がない)を示し、反応506はフラットでベースライン近くであり、H
2Oをカウントしていないことを示す。その後、50分以降、弁は、湿ったHeを供給するために切り替わる。H
2Oが300分で取り除かれるまで、質量分析計がH
2Oのカウント/秒の増加を示しているので、反応506は、垂直に上昇する。その後、反応506は、H
2Oのノーカウントを示すベースラインに戻る。反応508は、Al
2O
3セラミックモノリス上に被覆された3A/SiO
2の試料を通した同様の実験を示す。この反応508によって示されるように、ブランク試料に対する反応506と比較して反応508が上昇するのが約5分長く、試料が水飽和および平衡に到達するまで、H
2O突破が3A成分中のH
2Oの吸着によって遅くなっていることを示す。
【0054】
図5Bでは、He反応526およびH
2O反応528が、分の時間軸522対標準化濃度(C/Co)のH
2O軸524の標準化分数濃度に沿って示されており、H
2Oの標準化分数濃度は分(mins)の時間軸(522)の関数として質量分光計によって測定されることを示す。この
図520では、3Aは約25分間水を吸着し、3A吸着剤粒子が一連の大部分の拡散障害物なしでアクセス可能であることを示す。反応526は、5分間空のセルを通過する乾燥Heパージを示し、フラットでありベースラインに近い。弁が湿ったHe流れを供給するように切り換えられると、質量分析計は、0分の時間でのHeの突破を示す。これに対して、反応528は、湿ったHe流れに応じる3A/SiO
2ウォッシュコートセラミックモノリスを備えた試料セルを示す。反応528は、標準化されたH
2O濃度対時間を示す。したがって、試料中の3A成分がH
2Oで飽和され、H
2Oの完全濃度(100%)が質量分析計によって示されるまで、数分(例えば、約25分)かかることを示している。
【0055】
図5Cおよび5Dは、推移供給対パージ温度プロファイルの
図540および560である。この
図540および560では、セラミックモノリスは、金属モノリスより行われる。セラミック材料は、セラミックと同様の低い熱質量構造を有し、同様の熱スイング利点を示すべきである、自己支持活性構造と同様に行う。さらに、本技術の自己支持構造は、熱スイング材料である、活性材料の大部分からなる。
図540および560では、サイクルの供給およびパージステップそれぞれに20秒間の流体流れを必要とする、サイクルプロセスを使用した。気体流量は、供給気体に対して14標準立法供給/分(scfm)、パージ気体に対して22scfmであった。窒素気体は、供給およびパージ流れに対して使用され、モノリスまたは吸着層の両側で導入された。供給流れは、大気温度であり、パージ流れは180℃であった。温度を監視するために、構造の供給気体入口側で温度を測定するように位置決めされた第1の熱電対と、供給気体のパージ気体入口側で温度を測定するように位置決めされた第2の熱電対を有する、急速応答熱電対を使用し、温度を測定および記憶した。
【0056】
図5Cでは、温度反応546および548が、秒(例えば、1秒データ記録)の時間軸542対℃の温度軸544に沿って示されている。試料層として使用される金属モノリスは、0.75インチ直径×2インチ長さであり、ステンレス鋼で作られ、1000セル/平方インチ(cpsi)より大きいセル密度を有し、50ミクロン厚さのセル壁面を有し、3/8インチ直径の中心鋼軸を有する3つのモノリスであった。モノリスセルは、吸着剤の薄い層で被覆され、モノリスは気体バイパスを防ぐために線維状絶縁体で包まれていた。得られた構造は、試料管内に装填した。金属モノリスに対する温度反応546および548を含む
図540は、180℃パージ気体と大気温供給気体の間の温度推移に応じて、約70℃の大きな温度ギャップを示している。これは、金属モノリスが構造内にかなりの熱を吸着していることを示す。
【0057】
図5Dでは、温度反応566および568は、秒の時間軸562対℃の温度軸564に沿って示されている。試料層として使用される金属モノリスは、0.75インチ直径×2インチ長さであり、アルミナセラミックで作られ、900cpsiのセル密度を有し、100ミクロン厚さのセル壁面を有し、中心鋼軸がないモノリスを含む。セラミックモノリスは、気体バイパスを防ぐために線維状絶縁体で包まれていた。得られた構造は、試料管内に装填した。アルミナセラミックモノリスに対する温度反応566および568を含む
図560は、
図5Cに示すように、温度サイクル中の温度推移が金属モノリスより小さな温度変化を有することを示している。セラミックモノリスに対する温度反応566および568における温度ギャップは、サイクルプロセス中約20℃である。これは、
図5Cに示すように、セラミックモノリスが金属モノリスより少ない熱を構造に吸着することを示している。
【0058】
テストは、自己支持構造上で行うことができる。例えば、受動テストである大気露出テストを行うことができる。3A/SiO2構造に水を加える駆動力がない。空気から水をゆっくり吸着し、測定される相対湿度および温度の条件に影響される。このテストは、知られている濃度の水を含むsccmの気体の較正された流れを運び、3A/SiO2構造がその容量まで水を吸着するまでの時間を監視する。構造からの出口気体流れを監視する質量分光計機器がある。質量分光計機器は、気体対時間における水を監視している。「突破」と呼ばれる水が検出された場合、構造の3A成分はこれらの特定の条件において水で飽和され、さらに水を吸着することができないことを示している。
【0059】
特定の構成では、本技術は、供給流れからの1つまたは複数の汚染物質の除去のためにスイング吸着方法(例えば、急速サイクルプロセス)で利用することができる。特に、本技術は、スイング吸着方法を行うための1つまたは複数の吸着層ユニット、または一連のスイング吸着方法を行うように構成された吸着層ユニットのグループを必要とする。各吸着層ユニットは、吸着ステップおよび再生ステップを含むことができる、特定のサイクルを行うように構成されている。例として、ステップは、1つまたは複数の供給ステップ、1つまたは複数の減圧ステップ、1つまたは複数のパージステップ、1つまたは複数のリサイクルステップ、および1つまたは複数の再加圧ステップを含むことができる。吸着ステップは、供給流れから汚染物質を取り除くために、吸着層を通して供給流れを通過させる必要がある。再生ステップは、1つまたは複数のパージステップ、1つまたは複数のブローダウンステップ、1つまたは複数の加熱ステップ、および/または1つまたは複数の再加圧ステップを含むことができる。
本技術はまた、様々な動作条件で行うように構成された活性材料を含むことができる。例えば、供給圧力は、400重量ポンド/平方インチ絶対圧(psia)から1,400psiaの範囲、または600psiaから1,200psiaの範囲であってもよい、好ましい吸着供給圧力に基づくことができる。また、パージ圧力は、400psiaから1,400psiaの範囲、または600psiaから1,200psiaの範囲であってもよい、販売パイプライン圧力に基づくことができる。
【0060】
例として、
図6は、6つの吸着層ユニットおよび相互接続配管を備えたスイング吸着システム600の三次元図である。本構成は特定の例であるが、本技術は概して、対称配向、または非対称配向および/または複数のハードウェアスキッドの組合せで展開することができる吸着層ユニットに関する。さらに、このような特定の構成は例示的目的であり、他の構成は異なる数の吸着層ユニットを含むことができる。本構成では、吸着層ユニットは自己支持構造を含むことができる。
【0061】
本システムでは、吸着層ユニット602などの吸着層ユニットは、供給流れ(例えば、流体、気体または液体)から汚染物質を取り除くサイクルスイング吸着方法で構成することができる。例えば、吸着層ユニット602は、吸着層ユニット602内の吸着層を通して、それに、またはそこから流体の流れを管理する様々な導管(例えば、導管604)を含むことができる。吸着層ユニット602からのこれらの導管は、成分へ、そこから、またはその間に流れを分配するマニホールド(例えば、マニホールド606)に結合させることができる。吸着層ユニット内の吸着層は、供給流れから1つまたは複数の汚染物質を分離させて、生成物流れを形成することができる。分かるように、吸着層ユニットは、パージ流れ、減圧流れなどの、プロセスの一部として他の流体流れを制御する他の導管を含むことができる。さらに、吸着層ユニットはまた、吸着層ユニット専用であり、スイング吸着プロセスで1つまたは複数のステップに専用である可能性がある、均等化容器608などの1つまたは複数の均等化容器を含むことができる。
【0062】
特定の構成では、自己支持構造は、実質的に気体不透過隔壁を形成する、ヘッド部および他の本体部を含むことができるハウジングを含んだ吸着層ユニットで利用することができる。ハウジングは、ハウジング内に配置された自己支持構造(例えば、吸着層として形成される)と、ハウジングの内部領域とハウジングの内部領域外部の位置の間にハウジング内で開口部を通る流体流路を提供する複数の弁(例えば、ポペット弁)とを備えることができる。ポペット弁はそれぞれ、ヘッド内に着座可能なディスク要素、またはヘッド(図示せず)に挿入された別個の弁シート内に着座可能なディスク要素を含むことができる。ポペット弁の構成は、あらゆる様々なタイプのポペット弁の弁パターンまたは構成であってもよい。例として、吸着層ユニットは、1つまたは複数のポペット弁を備えることができ、それぞれ異なる流れに関連する異なる導管と流体連通している。ポペット弁は、吸着層とそれぞれの導管、マニホールドおよびヘッダの1つの間に流体連通を提供することができる。「直接流れ連通」または「直接流体連通」という用語は、弁、または流れを遮る他の閉塞手段のない直接流れ連通を意味する。分かるように、他の変更形態は、本技術の範囲内で考えることができる。
吸着層は、供給流れから1つまたは複数の成分を吸着することが可能な、自己支持構造内に形成される吸着材料を備えている。このような吸着材料は、吸着層ユニット内で物理的および化学的条件に対して耐久性があるように選択され、吸着プロセスによって、金属、セラミック、または他の材料を含むことができる。
【0063】
特定の構成では、活性材料を含むスイング吸着システムは、1つまたは複数の汚染物質と共に炭化水素を主に含む供給流れを処理することができる。例えば、供給流れは、供給流れの総量に基づく1容量パーセント炭化水素より多い炭化水素を含む流れであってもよい。さらに、供給流れは、H2O、H2S、およびCO2と共に炭化水を含むことができる。例として、流れは1つまたは複数の汚染物質の1つとしてH2Oを含むことができ、気体供給流は、50パーツ・パー・ミリオンミリオン(ppm)分子から1,500ppm分子の範囲、または500ppmから1,500ppm分子の範囲のH2Oを含むことができる。さらに、供給流れは、炭化水素およびH2Oを含むことができ、H2Oは1つまたは複数の汚染物質の1つであり、供給流れは供給流における飽和レベルに対する2ppm分子の範囲のH2Oを含む。
【0064】
加えて、本技術は、酸性気体を炭化水素流れから、酸化気体汚染物質を供給流れから分離させるために急速サイクルスイング吸着方法を利用する吸着システムを提供することができる。酸性気体除去技術は、酸性気体(例えば、酸性気体源)のより高い濃度を示す気体貯蔵に有用である。炭化水素供給流れは、数パーツ・パー・ミリオンの酸性気体から90容量パーセント(vol.%)の酸性気体などの酸性気体の量が幅広く変化する。例示的な気体貯蔵からの酸性気体濃度の非限定的例は、少なくとも(a)1vol.%H2S、5vol.%CO2、(b)1vol.%H2S、15vol.%CO2、(c)1vol.%H2S、60vol.%CO2、(d)15vol.%H2S、15vol.%CO2、および(e)15vol.%H2S、30vol.%CO2を含む。したがって、本技術は、H2SおよびCO2などの様々な汚染物質を所望レベルに取り除く機器を含むことができる。特に、H2Sは4ppmより低いレベルまで下げることができ、CO2は1.8分子パーセント(%)、または好ましくは50ppm未満のレベルまで下げることができる。別の例として、酸性気体除去システムは、LNG仕様(例えば、50パーツ・パー・ミリオン量(ppmv)CO2)に対してCO2を取り除くことができる。
【0065】
特定の構成では、活性材料は、供給流れから水分を取り除くために、急速サイクルPSAプロセスなどの、急速サイクルスイング吸着方法で使用することができる。特定のレベルは、所望の出力生成物の露点に関連する(例えば、水量分は、その後のプロセスでの流れの最も低い温度で露点を得るために必要な水分量より低く、供給圧力に関連している)。第1の概算として、圧力の関数として逸散能修正を構成しないが、特定の露点を生じるppmの水濃度は圧力と反対に変化する。例えば、吸着層からの出力流れは、低温処理仕様(例えば、天然ガス液(NGL)プロセスに対する約-150°F(-101.1℃)の露点、または制御凍結区域(CFZ)プロセスに対する約-60°F(-51.1℃))を満たす、凍結処理供給流れになるように構成することができる。凍結処理供給流れ仕様は、0.0ppmから10ppmの間、0.0ppmから5.0ppmの間、0.0ppmから2.0ppmの間、または0.0ppmから1.0ppmの間の範囲である流れ中(例えば、凍結処理までの吸着層または供給流れからの出力流れ)の水分量を含むことができる。パージステップ中の吸着層からの得られる出力流れは、0.0ppmから7ポンド/標準立法フィート(lb/MSCF)の間の範囲である流れの水分量を含むことができる。
【0066】
1つまたは複数の実質形態では、本技術は、あらゆるタイプのスイング吸着方法に使用することができる。本技術の非限定的スイング吸着方法は、圧力スイング吸着(PSA)、真空圧力スイング吸着(VPSA)、温度スイング吸着(TSA)、部分圧力スイング吸着(PPSA)、急速サイクル圧力スイング吸着(RCPSA)、急速サイクル熱スイング吸着(RCTSA)、急速サイクル部分圧力スイング吸着(RCPPSA)、および圧力および/または温度スイング吸着などのこれらの方法の組合せを含むことができる。例示的な動力スイング吸着方法が、米国特許出願公開第2008/0282892、2008/0282887、2008/0282886、2008/0282885、2008/0282884、2014/0013955、2017/0056810、2017/0056813、2017/0056814、および2017/0056815号に記載されており、それぞれ全体を参照として本明細書に援用する。しかし、急速サイクルは、流れを処理するのに好ましい可能性がある。しかし、自己支持構造は、急速サイクルスイング吸着方法で利用することができることが好ましい。
【0067】
さらに、システムの特定の構成では、本技術は、スイング吸着システムで、水(H2O)または酸性気体などの汚染物質を取り除くための特定の処理流れを含むことができる。例えば、方法は、サイクルを形成する、吸着ステップおよび再生ステップを含むことができる。吸着ステップは、供給流れから1つまたは複数の汚染物質を分離させて、生成物流れを形成するために、活性材料構造を有する吸着層ユニットを通して供給圧力および供給温度で供給流れを通過させることを含むことができる。供給流れは、前方方向に(例えば、供給層の供給端部から吸着層の生成物端部まで)吸着層を通して通過させることができる。その後、供給流れは、再生ステップに対して遮断させることができる。再生ステップは、1つまたは複数の減圧ステップ、1つまたは複数のパージステップ、および/または1つまたは複数の再加圧ステップを含むことができる。減圧ステップは、単一ステップおよび/またはブローダウンステップであってもよい、各連続減圧ステップに対する所定量によって吸着層ユニットの圧力を減らすことを含むことができる。減圧ステップは、前方向で行うことができる、または逆流方向(例えば、吸着層の生成物端部から吸着層の供給端部まで)に行うことができることが好ましい。パージステップは、パージステップである吸着層ユニットにパージ流れを通過させることを含むことができ、パージ流れは供給流れに対して逆流に提供することができる。パージステップからのパージ生成物流れは、離れるように案内され、別のシステムに、またはシステム内にリサイクルさせることができる。その後、1つまたは複数の再加圧ステップを行うことができ、吸着層ユニット内の圧力は、それぞれ連続した再加圧ステップで所定の量によって各再加圧ステップで増加される。その後、サイクルは追加の供給流れで繰り返すことができる、および/またはサイクルは第2の構成に対する異なるサイクルを行うために調節することができる。サイクル持続時間は、1秒より長く600秒未満の期間、2秒より長く300秒未満の期間、2秒より長く200秒未満の期間、または2秒より長く90秒未満の期間であってもよい。
【0068】
また、本技術は、様々な流れの組成を含むことができる、様々な構成に一体化させることができる。上に記載するような吸着分離方法、装置、およびシステムは、気体およびオイル処理などの、炭化水素の開発および製造に有用である。特に、提供された方法、装置およびシステムは、気体混合物からの様々な対象気体の迅速な、大きな寸法である、効率的な分離に有用である。特に、方法、装置およびシステムは、汚染物質および重炭化水素(例えば、少なくとも2つの炭素原子を有する炭化水素)を取り除くことによって、供給生成物(例えば、天然ガス生成物)を準備するのに使用することができる。提供される方法、装置およびシステムは、分離応用例を含む、器具で使用する気体供給流れを準備するのに有用である。分離応用例は、露点制御、甘味および/または解毒、腐食保護および/または制御、脱水、加熱値、調整、および/または浄化を含むことができる。1つまたは複数の分離応用例を利用する例は、燃料気体の生成、密封気体、非飲料水、ブランケットガス、機器および制御ガス、冷媒、不活性気体、および/または炭化水素回収を含む。
【0069】
吸着層ユニット内の自己支持構造を通して流体流路を提供するために、弁アセンブリは、ブッシュまたは弁ガイド内に位置決めすることができるステム要素に接続されたディスク要素をそれぞれ含む、ポペット弁を含むことができる。ステム要素は、それぞれのステムに対するそれぞれの弁供給直線動作を有するように構成された作動手段などの、作動手段に接続することができる。分かるように、作動手段は、単一の弁を作動させる方法で異なるステップに対して独立して操作することができる、または単一の作動手段は2つ以上の弁を制御するために利用することができる。さらに、開口部は実質的に同様の寸法であるが、入口マニホールドに対する開口部および入口弁は、出口マニホールドに対するものより小さい直径を有することができる。但し、入口を通過する気体量は出口を通過する生成物量より小さくなる傾向がある。さらに、この構成は弁アセンブリを有するが、弁の数および動作は、行われる特定のサイクルに基づいて変わる(例えば、弁の数)ことがある。
【0070】
1つまたは複数の実施形態では、本技術の自己支持構造を利用する急速サイクルスイング吸着方法は、急速サイクル温度スイング吸着(RCTSA)、および/または急速サイクル圧力スイング吸着(RCPSA)を含むことができる。例えば、合計サイクル回数は、600秒未満、300秒未満、好ましくは200秒未満、より好ましくは90秒未満、さらに好ましくは60秒未満であってもよい。
開示した発明の原理を適用することができる多くの可能な実施形態を鑑みて、例示的実施形態は、単に本発明の好ましい例であり、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではないことを理解されたい。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1. 内部領域を形成するハウジングと、
前記内部領域内に配置された自己支持構造であって、前記自己支持構造内に50重量%より多い活性材料を有し、前記自己支持構造を通して流体流路に1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造である自己支持構造と、
前記ハウジングに固定された複数の弁であって、それぞれ、前記自己支持構造と前記ハウジングの外部位置の間に延びる流路に沿った流体流を制御するように構成された弁とを備える処理ユニット。
2. 前記処理ユニットは、前記自己支持構造内の前記1つまたは複数の経路を通過する気体供給流れから汚染物質を取り除くように構成された循環スイング吸着層ユニットである、上記1に記載の処理ユニット。
3. 前記自己支持構造は、前記自己支持構造内に60重量%より多い前記活性材料を有する、上記1または2に記載の処理ユニット。
4. 前記自己支持構造は前記自己支持構造内に70重量%より多い前記活性材料を有する、上記1または2に記載の処理ユニット。
5. 前記吸着層ユニットはさらに、前記吸着層と前記複数の弁の間に配置された流れ分配器を備えている、上記1から4までのいずれか1項に記載の処理ユニット。
6. 前記ハウジングは、5重量ポンド/平方インチ絶対圧(psia)から1,400psiaまで圧力を維持するように構成されている、上記1から5までのいずれか1項に記載の処理ユニット。
7. 前記自己支持構造は、10孔/リニアインチと100孔/リニアインチの間の範囲の孔を有する、上記1から6までのいずれか1項に記載の処理ユニット。
8. 前記自己支持構造は、20孔/リニアインチと40孔/リニアインチの間の範囲の孔を有する、上記1から6までのいずれか1項に記載の処理ユニット。
9. 前記自己支持構造は、第1の組成および第1の孔密度を有する複数の第1のシート、および第2の組成および第2の孔密度を有する複数の第2のシートを備え、前記第1の孔密度は、1孔/リニアインチ(ppi)から20ppiまでの範囲にあり、前記第2の孔密度は20ppiから100ppiまでの範囲にある、上記1から6までのいずれか1項に記載の処理ユニット。
10. 前記自己支持構造は低い熱質量を有する、上記1から7までのいずれか1項に記載の処理ユニット。
11. 供給流れから汚染物質を取り除く方法であって、
a)吸着層ユニット内で1つまたは複数の吸着ステップ行うステップであって、前記1つまたは複数の吸着ステップそれぞれが、気体供給流れから1つまたは複数の汚染物質を取り除くように、前記吸着層ユニットのハウジングの内部領域に配置された自己支持構造を通して前記気体供給流れを通過させることを含み、前記自己支持構造は前記自己支持構造内に50重量%より多い活性材料を有し、前記自己支持構造は、前記自己支持構造を通して流体流路に対して1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造である、ステップと、
b)1つまたは複数の再生ステップを行うステップであって、前記1つまたは複数の再生ステップそれぞれが、汚染物質出力流れ内に前記1つまたは複数の汚染物質の少なくとも一部を離れるように案内することを含むステップと、
c)少なくとも1つの追加サイクルでステップa)からb)を繰り返すステップとを含む、方法。
12. 前記方法はスイング吸着方法であり、サイクル持続時間は、1秒より長く、600秒より短い期間である、上記11に記載の方法。
13. 前記サイクル持続時間は、1秒より長く、300秒より短い期間であり、生成物流れを形成するために前記気体供給流れから1つまたは複数の汚染物質を分離させる、上記11に記載の方法。
14. 前記1つまたは複数の再生ステップを行うステップは、1つまたは複数のパージステップを行うステップを含み、前記1つまたは複数のパージステップはそれぞれ、前記汚染物質出力流れに前記1つまたは複数の汚染物質の少なくとも一部を離れるように案内するために、前記自己支持構造を通してパージ流れを通過させるステップを含む、上記11から13までのいずれか1項に記載の方法。
15. 前記気体供給流れは、前記気体供給流れの合計量に基づいて1容量%炭化水素より多い炭化水素を含む流れである、上記11から14までのいずれか1項に記載の方法。
16. 前記気体供給流れの供給圧力は、400重量ポンド/平方インチ絶対圧(psia)から1,400psiaの間の範囲である、上記11から15までのいずれか1項に記載の方法。
17. 前記1つまたは複数の吸着ステップを行うステップが、二酸化炭素(CO
2
)レベルを50ppm体積率未満に下げるように構成されている、上記11から16までのいずれか1項に記載の方法。
18. 前記1つまたは複数の吸着ステップを行うステップが、水(H
2
O)レベルを105ppm体積率未満に下げるように構成されている、上記11から17までのいずれか1項に記載の方法。
19. 前記自己支持構造は低熱質量を有する、上記11から18までのいずれか1項に記載の方法。
20. 前記自己支持構造は、15孔/インチおよび60孔/インチの間の範囲の孔を有する、上記11から19までのいずれか1項に記載の方法。
21. 処理ユニットを製造する方法であって、
活性材料を結合材料と混合させるステップであって、前記混合物は50重量%より多い活性材料を有し、残りの混合物は結合材料を含むステップと、
前記混合物から自己支持構造を形成するステップであって、前記自己支持構造は、前記自己支持構造を通して流体流路に対して1つまたは複数の蛇行性経路を提供するように構成された発泡幾何構造である、ステップと、
前記自己支持構造を乾燥させるステップと、
内部領域を有する処理ユニットのハウジング内に前記自己支持構造を配置するステップとを含む、方法。
22. 前記自己支持構造を形成するステップはさらに、前記結合材料および前記活性材料を、前記自己支持構造である粘着性固体構造に焼成するステップを含む、上記21に記載の方法。
23. 前記焼成ステップはさらに、400℃から800℃までの範囲の温度に前記自己支持構造を露出させるステップを含む、上記22に記載の方法。
24. 前記ハウジング内に複数の弁ポートを作り出すステップと、
複数の弁を形成するように前記複数の弁ポートそれぞれ内で前記ハウジングに弁を固定するステップであって、前記複数の弁それぞれは、前記自己支持構造と前記ハウジングの外部の位置の間の流体流を制御するように構成されている、ステップとをさらに含む、上記21から23までのいずれか1項に記載の方法。