(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品用の携帯用消火器
(51)【国際特許分類】
A24F 13/18 20060101AFI20220208BHJP
A24D 1/22 20200101ALI20220208BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20220208BHJP
【FI】
A24F13/18
A24D1/22
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2019537901
(86)(22)【出願日】2017-09-13
(86)【国際出願番号】 IB2017055530
(87)【国際公開番号】W WO2018060801
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-08-12
(32)【優先日】2016-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】スラマ フィリップ
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-308478(JP,A)
【文献】特開平02-079964(JP,A)
【文献】国際公開第01/039618(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/189416(WO,A2)
【文献】特開昭61-242571(JP,A)
【文献】特開2007-032852(JP,A)
【文献】特表2016-508370(JP,A)
【文献】登録実用新案第3030258(JP,U)
【文献】登録実用新案第3048989(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0251089(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 13/18
A24D 1/22
A24F 40/00-47/00
F23Q 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品の固体熱源を消火するための携帯用消火器であって、前記消火器が、
第一の部分と反対側の第二の部分との間に延び、かつ長軸方向軸を有する内側要素であって、前記第一の部分がエアロゾル発生物品の固体熱源を受けるサイズのくぼみを含むものと、
前記内側要素の少なくとも一部分を完全に囲む外側シェルであって、前記外側シェルが前記内側要素の前記長軸方向軸に沿って、開位置と覆われた位置の間でスライド可能であり、前記くぼみが、前記開位置においてアクセス可能であり、前記覆われた位置において前記外側シェルによって囲まれるものとを備え、
前記内側要素が、前記外側シェルの案内要素に沿って移動可能である駆動部材を含む、
消火器。
【請求項2】
前記駆動部材が前記外側シェルを通して延びる、請求項1に記載の
消火器。
【請求項3】
前記案内要素が、前記内側要素の前記長軸方向軸と平行である、請求項1または2に記載の
消火器。
【請求項4】
前記くぼみが、前記内側要素の長軸方向軸と直交する方向に沿って延びる長さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の
消火器。
【請求項5】
前記くぼみが前記くぼみの開放端に固定された切断要素を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の
消火器。
【請求項6】
前記第一の部分が二つ以上のくぼみを含み、それぞれのくぼみがエアロゾル発生物品の固体熱源を受けるサイズである、請求項1~5のいずれか一項に記載の
消火器。
【請求項7】
前記外側シェルが、前記覆われた位置において、前記くぼみと隣接した断熱材料を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の
消火器。
【請求項8】
前記外側シェルが細長い長円形を画定する、請求項1~7のいずれか一項に記載の
消火器。
【請求項9】
前記第一の部分が前記くぼみと熱的に接触するヒートシンクを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の
消火器。
【請求項10】
前記内側要素が前記くぼみと熱的に接続された相変化材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の
消火器。
【請求項11】
前記覆われた位置において、
前記外側シェルは前記くぼみ
への気流を制限
する、請求項1~10のいずれか一項に記載の
消火器。
【請求項12】
前記第二の部分が発熱体を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の
消火器。
【請求項13】
前記第二の部分がUSB要素に電気的に接続されうる電池を備える、請求項
12に記載の
消火器。
【請求項14】
前記覆われた位置において、前記外側シェルが前記内側要素と同延である、請求項1~13のいずれか一項に記載の
消火器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル形成基体を加熱するための熱源を有するエアロゾル発生物品用の携帯用消火器に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこが燃焼するよりはむしろ加熱される多くの喫煙物品が、当技術分野において提唱されてきた。加熱式喫煙物品の一つの周知のタイプにおいて、エアロゾルは可燃性熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成基体(例えば、たばこ含有基体)への熱伝達によって生成される。エアロゾル形成基体は可燃性熱源の中、周り、または下流に位置してもよい。例えば、WO-A2-2009/022232号は、可燃性熱源、可燃性熱源の下流のエアロゾル形成基体および可燃性熱源の後方部分およびエアロゾル形成基体の隣接する前方部分の周りの、およびそれらと接触する熱伝導性要素を備える喫煙物品を開示する。使用中に、揮発性化合物は可燃性熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、喫煙物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは凝縮して使用者によって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0003】
可燃性燃料要素または熱源を含むエアロゾル発生物品は、たばこが燃焼または加熱されてたばこから揮発性化合物が放出される、例えば従来の紙巻たばこと比較して、より大きく、より密集度が高く、また熱源を潰すことや「もみ消す」ことによって簡単には消火できない燃焼ゾーンまたは加熱ゾーンを有しうる。こうしたエアロゾル発生物品は、従来の紙巻たばこの燃焼ゾーンに存在するものよりも著しく多大なエネルギーを熱の形態で含む固体熱源を有しうる。結果として、こうしたエアロゾル発生物品は、消火したり、熱を排除したりして廃棄を促進するのにより多大な労力を必要としうる。
【0004】
要求に応じてエアロゾル発生物品の可燃性固体熱源を都合良く消火しうるエアロゾル発生物品用の携帯用消火器を提供することが望ましい。特に、片手で操作でき、使用しやすい携帯用消火器を提供することが望ましい。固体熱源を点火する点火要素を備えた携帯用消火器を提供することが好ましいことがある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によると、固体熱源を有するエアロゾル発生物品用の携帯用消火器が説明されている。携帯用消火器は、第一の部分と反対側の第二の部分との間に延び、かつ長軸方向軸を有する内側要素を含む。第一の部分は、エアロゾル発生物品の固体熱源を受けるサイズのくぼみを備える。外側シェルは内側要素の少なくとも一部分を完全に囲む。外側シェルは、内側要素の長軸方向軸に沿って、開位置と覆われた位置の間でスライド可能である。くぼみは、開位置においてアクセス可能であり、覆われた位置において外側シェルによって囲まれている。
【0006】
携帯用消火器は、開位置と覆われた位置の間で内側要素を移動させるために、外側シェルの案内要素に沿って移動可能な内側要素に固定された駆動要素を含みうる。くぼみは、可燃性固体熱源を、消費済みエアロゾル発生物品から分離するように構成されうる。内側要素は二つ以上のくぼみを含みうる。くぼみまたは外側シェルは、受けられた固体熱源に残っている熱を封じ込めるかまたは分散させるように断熱されてもよい。
【0007】
有利なことに、携帯用消火器は、くぼみ内に受けられた固体熱源を消火し、受けられた熱源から発生した熱を分散または保持しうる。携帯用消火器は片手で保持・操作されうる。二つ以上の固体熱源が同時に消火されうる。外側シェルは、可燃性熱源の消火時に摂氏50度未満の外表面温度を維持しうる。
【0008】
本発明の別の態様によると、携帯用消火器は、内側要素の第二の部分上の発熱体を含みうる。外側シェルは、覆われた位置において内側要素と同延であるように構成されうる。外側シェルは、内側要素の長軸方向軸に沿ってスライドして、発熱体を露出させうる。消費者は発熱体を起動して、エアロゾル発生物品の固体熱源を点火しうる。
【0009】
有利なことに、携帯用消火器は、未使用のエアロゾル発生物品の固体熱源を点火するように構成された発熱体を含みうる。よって、携帯用消火器は、これらの熱源の点火と消火の両方を行いうる二重用途の装置でありうる。
【0010】
本発明の一態様によると、携帯用消火器は細長い長円の本体を画定しうる。有利なことに、これによって、ユーザーは携帯用消火器を片手で簡単に利用しうる。
【0011】
「エアロゾル形成基体」という用語は、加熱に伴いエアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。本発明による物品のエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、見えても、または見えなくてもよく、蒸気(例えば、気状である物質の微粉は室温にて通常、液体または固体である)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液体の液滴を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、ニコチンまたはニコチン供与源を含むことが好ましい。ニコチンはたばこ材料に由来することが好ましい。エアロゾル形成材料は固体であること、かつたばこ葉材料から作製されることが好ましい。
【0012】
「炭素質の」という用語は、例えば炭素粉末など、炭素を含む材料を意味する。
【0013】
本開示はエアロゾル発生物品の固体熱源用の携帯用消火器に関する。携帯用消火器は、第一の部分と反対側の第二の部分の間に延び、かつ細長い長軸方向軸を有する内側部材を備える。第一の部分は、可燃性固体熱源を受けて収容する大きさのくぼみを含む。外側シェルまたは外側スリーブは内側部材の周りに配置され、長軸方向軸に沿って移動可能またはスライド可能である。くぼみは、内側部材の長軸方向軸と直交する方向に沿った長さを有しうる。可燃性熱源は、くぼみ内に挿入されて、エアロゾル発生物品から折れて外れるか、切断されてもよい。次に、受けられた可燃性固体熱源は、くぼみ内に囲まれて消化されうる。外側シェルまたは外側スリーブは、長軸方向軸に沿って移動し、くぼみの開放端を閉鎖または封鎖しうる。覆われた、閉鎖された、または封鎖されたくぼみは、可燃性熱源を消火しうる。くぼみまたは外側シェルもしくは外側スリーブは、封じ込められた熱源から放出された余熱を保持するよう断熱されうる。消火器は、可燃性固体熱源(ヒートシンクとして作用または機能する)から放出された熱を分散しうる。例えば、内側部材は、その本体内で熱を封じ込め分散するヒートシンクを形成する。覆われた、閉鎖された、または封鎖されたくぼみは、空気または酸素が、くぼみおよび可燃性固体熱源に送られるのを制限または阻止し、熱源の消火を促進する。携帯用消火器は、ユーザーが加熱表面に接触することなく、外側スリーブを覆われた位置に移動させることを可能にする内側部材に固定された駆動部材を含みうる。駆動部材は、親指(例えば、ユーザーの親指)によって操作でき、ユーザーが片手で操作しうる。携帯用消火器は、内側部材の反対側の第二の部分上の発熱体を含みうる。この発熱体は、外側スリーブ内に格納されうる。外側スリーブは、少なくとも一つの閉位置において内側要素と同延であってもよい。
【0014】
断熱材料は、熱バリアとして作用しうるとともに、より低い熱伝導率の値を有する。熱伝導(ヒートシンク)材料は、高い熱伝導率の値を有し、熱伝導によって熱を分散する。熱伝導材料は、ステンレス鋼またはアルミニウム、およびこれに類するものなどの金属を含みうる。断熱材料は、ポリマー、ガラス、粘土、シリコーン、セラミック、エアロゲル、およびこれに類するものを含む。消火器の材料形成部分は、少なくとも摂氏約350度または少なくとも摂氏約500度または少なくとも摂氏約600度の温度に耐えうる任意の材料で形成されうる。
【0015】
消火器は、第一の部分と反対側の第二の部分との間に延びる内側部材を含む。内側部材は、長軸方向軸を有する細長い本体を画定する。内側部材は、任意の細長い形状を画定しうる。内側部材は、細長い円形または細長い非円形を画定しうる。内側部材は、細長い長円形を画定しうる。内側部材は、細長い多角形を画定しうる。模範的な多角形には、断面が三角形、八角形、菱形、台形のもの、およびこれに類するものを含む。内側部材は、細長い長円形を画定することが好ましい。
【0016】
内側部材は、約120mm未満、または約100mm未満または約80mm未満の(長軸方向軸に沿った)長さを有しうる。内部部材は、約40mm~約120mm、または約50mm~約100mm、または約50mm~約80mm、または約50mm~約70mmの範囲の長さを有しうる。
【0017】
くぼみは、内側部材の第一の部分内で画定される。くぼみは、内側部材内の閉鎖端と、熱源を受けるための開放端を有する。二つ以上のくぼみが、内側部材の第一の部分内で画定されうる。一つ以上のくぼみは、エアロゾル発生物品用の熱源を受けて含むようなサイズとしうる。一つ以上のくぼみは、閉鎖端から開放端に延びる円筒状としうる。一つ以上のくぼみは、内側部材の長軸方向軸と直交する(直角を成す)方向に沿って延びることが好ましい。こうして、熱源は、内側部材の長軸方向軸と直交する(直角を成す)方向に沿って内側部材に挿入されうる。
【0018】
くぼみは、エアロゾル発生物品の可燃性固体熱源を囲むのに十分な直径を有しうる。くぼみは、エアロゾル発生物品の可燃性固体熱源を囲むのに十分な長さを有しうる。くぼみは、エアロゾル発生物品の可燃性固体熱源のみを囲むのに十分な長さを有しうる。くぼみは、エアロゾル発生物品の長さの約40%未満、またはエアロゾル発生物品の長さの約30%未満、またはエアロゾル発生物品の長さの約20%未満、またはエアロゾル発生物品の長さの約10%未満の長さを有しうる。
【0019】
一つ以上のくぼみは、約5mm~約12mm、または約6mm~約10mm、または約7mm~約9mmの範囲の直径を有しうる。一つ以上のくぼみは、約10mm~約30mm、または約14mm~約25mm、または約16mm~約20mmの範囲の長さ(深さ)を有しうる。
【0020】
くぼみは、少なくとも摂氏700度の温度に少なくとも10秒間耐えうる材料で画定されうる。くぼみは、熱伝導材料によって画定されうる。くぼみは、断熱材料によって画定されうる。くぼみは、金属によって画定されうる。くぼみは、セラミックによって画定されうる。くぼみは、ポリマーによって画定されうる。くぼみは、エアロゲルによって画定されうる。くぼみ表面の少なくとも一部分は、くぼみからの熱を方向付ける熱伝導材料としうる。ヒートシンクは、熱伝導材料と熱的に接触しうる。ヒートシンクは、熱伝導材料(例えば、金属など)の塊、または熱放射要素(フィンなど)、または相変化材料を含みうる。相変化材料は、材料相変化による熱を吸収する。ヒートシンクは、内側部材内に含まれうる。本明細書全体で使用される「相変化材料」という用語は、例えば少なくとも約90kJ/kgで、好ましくは少なくとも約140kJ/kgの高い転移熱(潜熱)を有する材料を意味することが好ましい。
【0021】
相変化材料は、貯蔵部内に含まれ、内側部材内に配置されうる。相変化材料は、くぼみと熱的に接触しうるとともに、くぼみから熱を取り除くように、およびくぼみ内に封じ込められた熱源を消火するように構成されうる。相変化材料は、固体から液体への相変化によって少なくとも部分的に熱を吸収する。相変化材料は、少なくとも部分的に液体から気体への相変化によって熱を吸収することが好ましい。一実施形態において、貯蔵部は相変化固体を含む。ところが、任意の適切な流体、相変化固体、または流体の組み合わせ、相変化固体の組み合わせ、または流体と相変化固体の組み合わせが使用されうる。使用時に、相変化材料は熱源と直接接触しないが、むしろ間接的な熱的接触によって、くぼみ内に(完全に)封じ込められている熱源と直接的に熱的接触しているくぼみから熱を取り去る。
【0022】
相変化材料は摂氏約40度~摂氏約600度、摂氏約50℃~摂氏約300℃、好ましくは摂氏約100℃~摂氏約200℃の転移温度を有する。相変化材料は、例えば水でもよい。別の方法として、または追加的に、相変化材料は、低い沸点を有する揮発性液体でもよい。適切な揮発性液体には、アンモニア、アルコール(メタノールまたはエタノールなど)、水、プロパンおよびブタン、またはその組み合わせが含まれるが、それに限定されない。本明細書で使用される「揮発性」は、蒸気圧が少なくとも約20 Paである液体を意味する。特に明記しない限り、本明細書で言及するすべての蒸気圧は、ASTM E1194-07に従って25℃で測定された蒸気圧である。
【0023】
一つ以上のくぼみは、可燃性固体熱源をエアロゾル発生物品から分離するように構成されうる。くぼみは、可燃性固体熱源がくぼみ内に受けられた時に、エアロゾル発生物品を折り曲げることによって可燃性固体熱源を切り落としうる鈍角な外側端を有しうる。鈍角な端は、エアロゾル発生物品からの固体熱源の分離を促進しうる。くぼみは、可燃性固体熱源がくぼみ内に受けられた時に、エアロゾル発生物品を折り曲げることによって可燃性固体熱源を切り落としうる丸みのある、または曲がった外側端を有しうる。
【0024】
一つ以上のくぼみは、可燃性固体熱源をエアロゾル発生物品から切断するように構成されうる。くぼみは、可燃性固体熱源がくぼみ内に受けられた時に、エアロゾル発生物品を折り曲げることによって可燃性固体熱源を切断しうる外側端に沿って鋭利な端または切断要素を有しうる。切断要素は、エアロゾル発生物品からの固体熱源の分離を促進しうる。切断要素は、例えばかみそりの刃先など薄い切断端でもよい。切断要素は、内側部材に固定されうるとともに、内側部材の長軸方向軸と平行に延びうる。
【0025】
発熱体は、内側部材の第二の部分上に配置されうる。発熱体は、エアロゾル発生物品用の熱源を点火するように構成されうる。発熱体は、ライターでもよい。発熱体は、電気発熱体でもよい。電池または再充電可能電源は、電気発熱体に電気的に接続されうる。電池または再充電可能電源は、内側部材内に含まれうる。USB要素は、電池または再充電可能電源への再充電電力または電圧を供給するために、電池または再充電可能電源に電気的に接続されうる。USB要素は、内側部材上または内側部材内に配置されうる。USB要素はマイクロUSB装置であることが好ましい。
【0026】
外側シェルは、内側部材の周りに配置されている。外側シェルは、内側要素の少なくとも一部分を完全に囲む。外側シェルは、開位置と覆われた位置の間で(内側部材に対して)移動可能またはスライド可能としうる。開位置において、くぼみはアクセス可能である。覆われた位置において、くぼみは外側シェルによって覆われるか、または閉鎖される。覆われた位置において、外側シェルはくぼみへの気流を制限し、熱源の消火を促進する。
【0027】
発熱体が含まれる時、発熱体は外側シェルが覆われた位置(一つ以上のくぼみを覆う位置)にある時に、露出していてもよく、この位置は点火位置と呼ばれうる。閉位置において、一つ以上のくぼみおよび発熱体のどちらも外側シェルによって囲まれている。閉位置において、外側シェルは内側部材と同延であるか、または実質的に同延でもよい。閉位置において、一つ以上のくぼみおよび発熱体のどちらにもアクセスできない。
【0028】
外側シェルは、任意の細長い形状を画定しうる。外側シェルは、内側部材の細長い形状と適合する細長い形状を画定しうる。外側シェルは、細長い円形または細長い非円形を画定しうる。外側シェルは、細長い長円形を画定しうる。外側シェルは、細長い多角形を画定しうる。模範的な多角形には、断面が三角形、八角形、菱形、台形のもの、およびこれに類するものを含む。外側シェルは、細長い長円形を画定することが好ましい。外側シェルは、内側部材の外表面と適合しうる内側シェル表面を画定する。
【0029】
外側シェルは、約120mm未満、または約100mm未満または約80mm未満の(長軸方向軸に沿った)長さを有しうる。外側シェルは、約40mm~約120mm、または約50mm~約100mm、または約50mm~約80mm、または約50mm~約70mmの範囲の長さを有しうる。外側シェルは、内側部材と同延である。外側シェルおよび内側部材は、同一または実質的に類似の長さを有しうる。
【0030】
外側シェルは、ユーザーの片手で掴まれるサイズの外周または円周を有しうる。外側シェルは、約100mm未満または約90mm未満の外周または円周を有しうる。外側シェルは、約50mm~約100mmまたは約50mm~約80mmの範囲の外周または円周を有しうる。
【0031】
外側シェルは、熱伝導材料によって画定されうる。外側シェルは、断熱材料によって画定されうる。外側シェルは、金属性外表面および断熱内表面を含みうる。外側シェルは、断熱材料または覆われた位置または閉位置において一つ以上のくぼみに隣接した表面を含みうることが好ましい。断熱材料は、覆われた位置または閉位置において一つ以上のくぼみに隣接した内側シェル表面の少なくとも一部分を画定しうる。断熱材料は、セラミック、エアロゲル、またはポリマーを含みうる。
【0032】
携帯用消火器は、熱を保持する断熱材料、または熱を携帯用消火器全体に分散させるヒートシンクまたは熱伝導材料で形成されうる。携帯用消火器の外表面は、くぼみ内に受けられたエアロゾル発生物品の固体熱源を消火する時、かつ覆われた位置において、摂氏約50度未満、または摂氏約40度未満、または摂氏約35度未満、または摂氏約30度未満の温度を維持することが好ましい。
【0033】
外側シェルは、案内要素またはスロットを含みうる。案内要素またはスロットは、外側シェルを通って延び、かつ内側部材の長軸方向軸に沿って、それと平行に延びうる。案内要素またはスロットは、外側シェルの長さの少なくとも50%、または外側シェルの長さの約75%~約99%、または外側シェルの長さの約80%~約95%延びうる。
【0034】
外側シェルは、可燃性固体熱源をエアロゾル発生物品から分離するように構成されうる。外側シェルは、可燃性固体熱源がくぼみ内に受けられた時に外側シェルを覆われた位置に移動させることによって、可燃性固体熱源を切り落としうる鈍角な外側端を有しうる。鈍角な外側端は、エアロゾル発生物品からの固体熱源の分離を促進しうる。外側シェルは、可燃性固体熱源がくぼみ内に受けられた時に外側シェルを覆われた位置に移動させることによって、可燃性固体熱源を切り落としうる丸みのある、または曲がった外側端を有しうる。
【0035】
外側シェルは、可燃性固体熱源をエアロゾル発生物品から切断するように構成されうる。外側シェルは、可燃性固体熱源がくぼみ内に受けられた時に外側シェルを覆われた位置に移動させることによって、可燃性固体熱源を切り落としうる、外側端に沿った鋭利な端または切断要素を有しうる。切断要素または鋭利な端は、エアロゾル発生物品からの固体熱源の分離を促進しうる。切断要素は、例えば薄い切断端としうる。切断要素は、外側シェルに固定されうるとともに、内側部材の長軸方向軸と平行に延びうる。
【0036】
内側部材は、内側部材に固定された駆動部材を含みうる。駆動要素は、内側部材から突き出し、かつ内側部材の長さに沿って固定されうる。駆動部材は、内側部材の中心から離れて位置して、消火器の向きの表示を提供しうる。駆動部材は、外側シェルを通って延びうる。駆動部材は、外側シェルの案内要素またはスロットを通って延びうる。
【0037】
駆動部材は、消費者またはユーザーが外側シェルに対して内側部材を作動させることを可能にしうる。ユーザーは、例えば外側シェルを片手で保持しながら、駆動部材をその手の一本の指または親指で作動させうる。駆動部材を第一の方向に(外側シェルに対して)作動または移動させることで、内側部材の第一の部分を開位置に移動して、一つ以上のくぼみを露出させる。駆動部材を(第一の方向と反対の第二の方向に沿って)逆に移動させることで、内側部材の第一の部分を覆われた位置または閉位置に移動して、一つ以上のくぼみを外側シェルで覆う。駆動部材をさらに、第二の方向に作動または移動させることで、内側部材の第二の部分を点火位置に移動して、発熱体を露出させる。駆動部材を案内要素に沿って移動させることで、内側要素を点火位置(発熱体が露出され、一つ以上のくぼみが覆われている位置)から覆われた位置(発熱体および一つ以上のくぼみの両方が覆われている位置)に移動し、また駆動部材を案内要素に沿ってさらに移動させることで、内側要素を開位置(一つ以上のくぼみが露出され、発熱体が覆われている位置)に移動する。
【0038】
開位置において(一つ以上のくぼみのみが露出している)、第一の部分は露出されているか、または外側シェルから離れて延びる。内側部材の約30%~60%は、開位置において露出されうる。内側部材の約20mm~約35mmは、開位置において露出されうる。
【0039】
点火位置(発熱体のみが露出されている位置)において、第二の部分は露出されているか、または外側シェルから離れて延びる。内側部材の約20%~40%は、開位置において露出されうる。内側部材の約10mm~約25mmは、点火位置において露出されうる。
【0040】
覆われた位置(外側シェルが一つ以上のくぼみを覆い、随意に発熱体も覆う位置)において、内側部材の長軸方向の長さは、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約99%が外側シェルによって覆われている。外側シェルは、内側部材内で実質的に同延(同じ長さ)であることが好ましい。
【0041】
携帯用消火器は、一つ以上のくぼみを露出してから、エアロゾル発生物品の可燃性熱源をくぼみ内に挿入することによって動作されうる。固体熱源がくぼみ内に受けられると、ユーザーは、固体熱源を(上述の通り)切断、破損、または折って外し、切断された熱源をくぼみ内に維持しうる。
【0042】
キットは、本明細書で説明した携帯用消火器と、固体熱源を有する一つ以上のエアロゾル発生物品とを含みうる。キットは、二つ以上のエアロゾル発生物品または五つ以上のエアロゾル発生物品を含むことが好ましい。携帯用消火器は、複数のエアロゾル発生物品を連続して、または同時に消火するために利用されうる。
【0043】
典型的なエアロゾル発生物品は、約6mm~約9mmまたは約7mm~約8mmの範囲の直径を有する。典型的なエアロゾル発生物品は、約60mm~約100mm、または約70mm~約85mmの範囲の長さ、または約80mmの長さを有する。
【0044】
固体熱源は、エアロゾル発生物品の直径と実質的に等しい直径を有しうる。固体熱源の内径は、約6mm~約9mm、または約7mm~約8mmの範囲であってもよい。固体熱源の長さは、約6mm~約11mm、または約7mm~約9mmの範囲であってもよい。固体熱源は、モノリシック要素を画定しうる。燃焼に続き、固体熱源は、不燃性固体熱源と実質的に類似または同一の物理的寸法を有する。
【0045】
エアロゾル発生物品は、近位端から遠位端に延びるハウジングを含む。ハウジングは、エアロゾル発生物品の外表面を画定する。固体熱源は遠位端を画定する。マウスピースは近位端を画定する。エアロゾル発生基体は、ハウジング内、かつ近位端と遠位端の間に配置されている。熱伝導要素は、固体熱源によって発生された熱を、エアロゾル発生基体に流れ込む空気に、およびエアロゾル発生基体そのものに伝達しうる。加熱された空気およびエアロゾル発生基体は、マウスピースを通過してユーザーに届くニコチンを含むエアロゾルを発生する。
【0046】
固体熱源は、「ブラインド」熱源であることが好ましく、この熱源では使用時に燃焼ガスがエアロゾル形成基体と接触しない、または吸入空気と組み合わせられない。固体熱源は炭素質熱源であることが好ましい。本明細書で使用される「炭素質」という用語は、炭素を含む可燃性熱源を説明するために使用される。本発明によるニコチン消耗品で使用する炭素質熱源の炭素含有量は、可燃性熱源の乾燥質量で少なくとも約35パーセントであることが好ましく、少なくとも約40パーセントであることがより好ましく、少なくとも約45パーセントであることが最も好ましい。固体熱源は、可燃性の炭素系熱源としうる。本明細書で使用される「炭素系熱源」という用語は、例えば炭素粉末など、主に炭素から成る熱源を説明するために使用される。固体熱源は、炭素粉末および第WO2012/164077号に記載の少なくとも一つの点火補助剤を含む炭素質の熱源としうる。
【0047】
模範的な固体熱源は、炭素粉末、変性セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロースなど)、粉末(例えば、小麦粉など)、および砂糖(例えば、ビート由来の白砂糖結晶など)を含む混合物から形成されうる。さらなる模範的な固体熱源は、炭素粉末、変性セルロースセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロースなど)、および随意にベントナイトの混合物から形成されうる。
【0048】
有利なことに、本明細書で説明した消火器とともに使用するための炭素質の固体熱源は、約0.6g/cm3~約1g/cm3の見かけ密度を有しうる。固体熱源は、約1グラム~約10グラムの質量を有しうる。炭素質の熱源は、ルースたばこまたは喫煙物品のたばこ材料から形成されない。
【0049】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体と、加熱に反応して揮発性化合物を放出する能力を有する材料とを含む。エアロゾル形成基体は、湿潤剤、風味剤、結合剤およびそれらの混合物を含むがそれらに限定されない、その他の添加剤および成分を含んでもよい。エアロゾル形成基体はニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、たばこを含むことがより好ましい。
【0050】
少なくとも一つのエアロゾル形成体は、使用時に、密度が高く安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生物品の動作温度で実質的に熱劣化に対する耐性のある、任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物であってもよい。適切なエアロゾル形成剤は当業界で周知であり、例えば多価アルコール、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセタート、ジアセタート、またはトリアセタートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含む。本明細書におけるエアロゾル発生物品で使用する好ましいエアロゾル形成体は、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリンなどの、多価アルコールまたはこれらの混合物である。
【0051】
加熱に反応して揮発性化合物を発する能力を有する材料は、植物由来材料の装填であってもよい。加熱に反応して揮発性化合物を発することができる材料は、均質化した植物由来材料の装填でもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、たばこ、茶(例えば緑茶)、ハッカ、月桂樹、ユーカリ、バジル、セージ、ビジョザクラ、およびタラゴンが挙げられるがこれらに限定されない、植物由来の一つ以上の材料を含んでもよい。加熱に反応して揮発性化合物を発することができる材料は、たばこ由来材料の装填であることが好ましく、均質化したたばこ由来材料の装填であることが最も好ましい。
【0052】
エアロゾル形成基体の質量は約1グラム~約5グラムであることが好ましく、約1.5グラム~約3グラムであることがより好ましい。
【0053】
消火器で利用されうるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体区画の周辺に一つ以上の空気吸込み口を備えうる。こうした実施形態において、使用時、冷気は空気吸込み口を通してエアロゾル形成基体の中へと引き出される。空気吸込み口を通してエアロゾル形成基体の中へと引き出された空気は、エアロゾル形成基体を通して下流へと送られ、エアロゾル出口を通してニコチン消耗品を出る。喫煙装置において、エアロゾルはマウスピースを通して消費者へと続く。
【0054】
消火器で利用されうるエアロゾル発生物品は、少なくとも熱源とエアロゾル形成基体の両方の周りにあり、それらと直に接触する熱伝導性要素を備えうる。熱伝導性要素は、熱源とエアロゾル形成基体の間に熱リンクを提供し、また有利なことに、許容可能なエアロゾルを提供するために熱源からエアロゾル形成基体への適切な熱伝達を容易にするのに役立つ。熱伝導性要素は、エアロゾル発生物品のハウジングの少なくとも一部分を形成することが好ましい。本明細書での使用のための適切な熱伝導性要素には、金属または金属箔(例えば、アルミ箔、鋼、鉄箔、および銅箔など)、および金属合金箔が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用される意味を有する。本明細書で提供した定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0056】
「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生物品の本体を通して遠位部分からマウスピース部分へと引き出される際の吸入気流の方向に関して説明された、エアロゾル発生物品の要素の相対的な位置を意味する。
【0057】
本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を含蓄するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0058】
本明細書で使用される「または」は一般的に、「および/または」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つまたはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0059】
本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含まれる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは制約のない意味で使用され、一般的に「含むが、これに限定されない」を意味する。「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂されることが理解されるであろう。
【0060】
「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある特定の状況下で、ある特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。ただし、同一またはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものでありうる。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図するものではない。
【0061】
概略図の縮尺は必ずしも正確なものではなく、図示の目的で提示されるものであり、限定するものではない。図面は本開示で説明される一つ以上の態様を図示する。ただし、図面に描かれていないその他の態様が本開示の範囲および精神に則るものと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】
図1は、覆われた閉位置にある、例示的な携帯用消火器1の透視図である。
【
図2】
図2は、開位置にある、例示的な携帯用消火器1の透視図である。
【
図3】
図3は、点火位置にある、例示的な携帯用消火器1の透視図である。
【
図4】
図4は、開位置にある、例示的な携帯用消火器1の概略図である。
【
図5】
図5は、例示的なエアロゾル発生物品100の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
携帯用消火器1は、第一の部分21と反対側の第二の部分22との間に延び、かつ長軸方向軸L
Aを有する内側要素2を含む。第一の部分21は、エアロゾル発生物品100の固体熱源102を受けるサイズのくぼみ3を含む(
図5を参照)。外側シェル5は、内側要素2の少なくとも一部分を完全に囲む。外側シェル5は、内側要素2の長軸方向軸L
Aに沿って、開位置(
図2を参照)と覆われた位置または閉位置(
図1を参照)との間をスライド可能である。くぼみ3は、開位置においてアクセス可能であり、および覆われた位置において外側シェル5によって囲まれている。
【0064】
携帯用消火器1は、開位置と覆われた位置の間で内側要素2を移動するために、内側要素2に固定され、かつ外側シェル5の案内要素51に沿って移動可能な駆動部材4を含みうる。くぼみ3は、可燃性熱源102を拡張されたエアロゾル発生物品100から分離するように構成されうる。内側要素2は、二つ以上のくぼみ3、32を含みうる。くぼみ3または外側シェル5は、くぼみおよび外側シェル5内に含まれる、受けられた固体熱源102内に残っている熱を封じ込めるかまたは分散させるために断熱されうる。
【0065】
携帯用消火器1は、内側要素2の第二の部分22上に発熱体6を含みうる。外側シェル5は、閉位置において、内側要素2と同延となるように構成されうる(
図1を参照)。外側シェル5は、点火位置において、内側要素2の長軸方向軸L
Aに沿ってスライドして、発熱体6を露出させうる(
図3を参照)。消費者は、エアロゾル発生物品100の固体熱源102を点火するための発熱体6を起動しうる。電池または再充電可能電源7は、内側要素2内に含まれ、発熱体6と電気的に結合されうる。USB要素またはマイクロUSB装置は、電池または再充電可能電源7と電気的に結合して、電池または電源7を再充電しうる。代替的に、発熱体6はライターである。
【0066】
使用時、消費者は、消費済みのエアロゾル発生物品100の固体熱源102端をくぼみ3に挿入し、くぼみ3内に含まれるか、受けられる固体熱源102をエアロゾル発生物品100から分離しうる。一定の実施形態において、くぼみ3は、鋭利な端または切断要素31を有し、エアロゾル発生物品100からのくぼみ3内に含まれるか受け入れられる固体熱源102の取り外しまたは分離を促進しうる。可燃性熱源102が、エアロゾル発生物品100から分離され、かつくぼみ3内に保持されると、外側シェル5は、くぼみ3上をスライドして、くぼみ3の開放端を覆いうる。その後、封じ込められた可燃性熱源102は、くぼみ3内で消火されうる。消火されて冷めると、消火された固体熱源はその後、廃棄されうる。
【0067】
ここで
図5を参照すると、エアロゾル発生物品100は、近位端111と遠位端112の間に延びるハウジング110を含む。エアロゾル発生物品100は、エアロゾル発生物品100の遠位端112に位置付けられた固体熱源102と、固体熱源102の下流にあるエアロゾル形成基体104と、エアロゾル形成基体104の下流にあり、かつエアロゾル発生物品100の近位端111に位置付けられたマウスピース106とを含む。
【0068】
エアロゾル発生物品100は、エアロゾル形成基体104とマウスピース106の間での連続した当接した同軸配置の、エアロゾル冷却要素107、または細長い膨張室チャンバーまたは移動要素108を含みうる。エアロゾル発生物品100は、これらのすべての要素を含まなくてもよく、また追加的要素を含みうる。ハウジング110は、紙巻たばこ用紙の外側ラッパー内にオーバーラップされうる。固体熱源102は円筒状でもよい。消費中は、エアロゾル発生物品100の固体熱源102のみが燃焼する。こうして、ハウジング110およびエアロゾル形成基体104は、エアロゾル発生物品100の消費中に燃焼することができない。
【0069】
エアロゾル発生基体104は、固体熱源102のすぐ下流に位置し、例えばエアロゾル形成体としてのグリセリンを含み、フィルタープラグラップで囲まれた、均質化したたばこ材料の円筒形プラグを含みうる。例えばアルミ箔の管から成る熱伝導性要素114は、固体熱源102の後方部分およびエアロゾル発生基体104の当接した前方部分を囲み、それらに接触する。細長い膨張チャンバー108は、エアロゾル発生基体104の下流に位置し、ボール紙の円筒形の開口の管を備える。マウスピース106は、膨張チャンバー108の下流に位置し、フィルタープラグラップで取り囲まれた酢酸セルローストウ109の円筒形プラグを含む。
【0070】
使用時、ユーザーは、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを生成する固体熱源を点火する。ユーザーがマウスピース106を吸う時、ハウジング110内であってエアロゾル形成基体104に隣接する空気吸込み口孔113を通して、および膨張チャンバー108を通して、およびマウスピース106を通して、およびユーザーの口腔へとエアロゾル形成基体104を通して空気が引き出される。固体熱源102は、エアロゾル発生基体104の消費後、数分間の間、高温を保ちうる。依然として高温の固体熱源102は、携帯用消火器1に挿入され、分離されてくぼみ3内に入り、可燃性固体熱源102が消火されて冷まされうる。
【0071】
上記の特定の実施形態は本発明を例証するように意図される。しかし、その他の実施形態は、特許請求の範囲に定義されるように本発明の精神と範囲から逸脱することなく作製されてもよく、また当然のことながら上記の特定の実施形態が制限的であるように意図されていない。