(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】浮揚制御システム
(51)【国際特許分類】
B63C 11/00 20060101AFI20220208BHJP
B63B 77/00 20200101ALI20220208BHJP
F16L 1/12 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
B63C11/00 F
B63B77/00
F16L1/12 X
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020018786
(22)【出願日】2020-02-06
(62)【分割の表示】P 2017514963の分割
【原出願日】2015-05-28
【審査請求日】2020-03-05
(32)【優先日】2014-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518036164
【氏名又は名称】マイケル ウィリアム ニール ウィルソン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン、マイケル、ダブリュー.,エヌ
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第03/002848(WO,A1)
【文献】特表2007-503345(JP,A)
【文献】特表2005-536402(JP,A)
【文献】特開昭62-147186(JP,A)
【文献】特開2005-313665(JP,A)
【文献】特開昭52-025392(JP,A)
【文献】特開平10-098973(JP,A)
【文献】特開2005-271673(JP,A)
【文献】特開2015-031043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 11/00
B63B 77/00
B63B 35/00
B63G 8/22
B63B 13/00
B63B 27/24
F16L 1/12
F16L 1/235
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮揚制御システムであって、
圧力含有容器と、
前記圧力含有容器の液体内での浮力を増大させることのできる浮揚媒体の第1の源および前記圧力含有容器の液体内での浮力を減少させることのできる非圧縮性バラスト媒体の第2の源と、
前記圧力含有容器の内壁によって閉じ込めて保持され、前記圧力含有容器を相互直列の液圧的に個別の区分に分割する銑塊であって、前記浮揚媒体の搬送のために第1の前記区分が前記第1の源に個別に連通し、前記非圧縮性バラスト媒体の搬送のために第2の前記区分が前記第2の源に個別に連通する、前記銑塊と、
前記第1の源と前記第1の区分とを接続して前記浮揚媒体の前記第1の区分への流入及び流出を制御する前記第1のバルブ、および前記第2の源と前記第2の区分とを接続して前記非圧縮性バラスト媒体の前記第2の区分への流入及び流出を制御する前記第2のバルブであって、前記第1のバルブは前記第1の区分内の前記浮揚媒体の量を固定するように作動し、前記第2のバルブは前記第2の区分内の前記非圧縮性バラスト媒体の量を変化させるように作動して、液中での前記圧力含有容器の高度を制御するようになっている、前記第1のバルブおよび前記第2のバルブと、
前記第2の区分
へ注入された、および前記第2の区分か
ら排出された前記非圧縮性バラスト媒体の量を測定する流量計と
を備える浮揚制御システム。
【請求項2】
前記第1のバルブおよび前記第2のバルブが、前記第1の区分内の前記浮揚媒体と前記第2の区分内の前記非圧縮性バラスト媒体との間で、前記銑塊の位置を変化させるように協働できるようになっている、請求項1に記載された浮揚制御システム。
【請求項3】
浮揚制御システムであって、
圧力含有容器と、
前記圧力含有容器の液体内での浮力を増大させることのできる浮揚媒体の第1の源および前記圧力含有容器の液体内での浮力を減少させることのできる非圧縮性バラスト媒体の第2の源であって、前記浮揚媒体および前記非圧縮性バラスト媒体は、当接するときに、それらの間に不浸透性界面を形成し、該不浸透性界面は、前記圧力含有容器を相互直列の液圧的に個別の区分に分割し、前記浮揚媒体の搬送のために第1の前記区分が前記第1の源に個別に連通し、前記非圧縮性バラスト媒体の搬送のために第2の前記区分が前記第2の源に個別に連通する、前記第1の源および
前記第2の源と、
前記第1の源と前記第1の区分とを接続して前記浮揚媒体の前記第1の区分への流入及び流出を制御する前記第1のバルブ、および前記第2の源と前記第2の区分とを接続して前記非圧縮性バラスト媒体の前記第2の区分への流入及び流出を制御する前記第2のバルブであって、前記第2のバルブは前記第2の区分内の前記非圧縮性バラスト媒体の量を変化させるように作動して、液中での前記圧力含有容器の高度を制御するようになっており、前記第1のバルブおよび前記第2のバルブは協働して前記第1の区分内の前記浮揚媒体を前記第2の区分内の前記非圧縮性バラスト媒体に対して釣り合わせるようになっている、前記第1のバルブおよび前記第2のバルブと、
前記第2の区分
へ注入された、および前記第2の区分か
ら排出された前記非圧縮性バラスト媒体の量を測定する流量計と
を備える浮揚制御システム。
【請求項4】
前記第1のバルブおよび前記第2のバルブが、前記第1の区分内の前記浮揚媒体と前記第2の区分内の前記非圧縮性バラスト媒体との間で、前記不浸透性界面の位置を変化させるように協働できるようになっている、請求項3に記載された浮揚制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、静水圧破砕が重要な懸念である環境において、一般に、液状体内に沈められる物体の高度及び姿勢を制御するための圧力含有容器の使用に関する。物体は、1つ以上の圧力含有容器、例えば、風力タービンまたは石油掘削装置プラットフォームを支えるために使用される海中ジャケットなどに接続され得る。物体は、圧力含有容器、例えばパイプラインなどであり得る。
【背景技術】
【0002】
物体を海中のある場所から別の場所に移動させるまたは物体を水面と海底の間で上げる及び下げる現在既知の方法では、空気または他のガスを含有する小型ガラス微小球が、液状体内に分散され、浮揚性流体を形成する。流体が、剛性筐体の内側に配置されるブラダーの中に注入され得るかまたはそれから排出され得る。バルブは、海水が、ブラダーの周りで筐体の空隙に注入されることまたは筐体の空隙から排出されることを可能にする。空隙に水が充填される場合、ブラダーが流体の追加もしくは排出によって膨張または収縮されるように、水が筐体の空隙から排出されるかその中に進入する。
【0003】
微小球/ブラダーシステムが効果的に作動し得る深さは限られている。流体は、液体内でのガス含有微小球の分散状態であり、したがって、圧縮できない。微小球に含有されたガスは、システムの浮力の主力源である。各微小球の壁の厚さは、深さに比例した筐体の内部静水圧に対して十分に耐える必要がある。したがって、作動する深さは、圧力に耐える微小球の壁の厚さと微小球内に浮力をもたらすガスの分量という相反する興味対象によって限定される。
【0004】
水中での微小球/ブラダーシステムの筐体の姿勢は、制御されることができない。ブラダーが十分に膨張されないと、その形状、したがって、筐体内のガスの分配が予測できない。ブラダーが十分に膨張される場合でさえも、筐体におけるそれの位置が一定であることを保証する外部構造は存在しない。また、ブラダーが筐体におけるそれの意図された形状及び場所を最初に取る場合でさえも、ブラダー内のガスの分配が不均一である場合、筐体は、作動の間に形状及び場所の予測できない変化を経験するであろう。ガラス微小球の目的は、それらが含有する浮揚性ガスが、ブラダーを充填するために使用される液体内に均一に分配されることを保証することにある。筐体内でのブラダーの配向に関係なく、十分な微小球が、上記で説明したように恐らく深さの増加によって、損傷を受けるまたは破壊される場合、それらのガスは、液体の中に自由に分散され、システムの安定性が危うくされる。
【0005】
水に対する浮揚性流体の比率は、微小球/ブラダーシステムの作動全体にわたって知られていない。微小球を含有する液体がブラダーに追加されるまたはブラダーから排出される際に、ブラダーはそれの形状を変化させるが、ブラダーと筐体の間の空隙は、決して空気または水を十分に排出しない可能性がある。したがって、ブラダー内の液体の量が制御され得る間、筐体に含有される水に対する液体の比率は、正確に知られていない。なおその上に、微小球/ブラダーシステムは、ブラダーが筐体全体のかなりの部分まで膨張することを要求するので、細長い筐体、例えばパイプラインなどの使用は、非現実的である。
【0006】
現在の浅水パイプライン敷設の慣例では、浮揚性の第1のパイプラインが、蓋をされ、海水に対して制御下で浸水させることによって、敷設現場まで浮揚され、海底まで沈められる一方で、恐らく1つ以上のケーブル及び/または他のパイプラインを含有する非浮揚性の第1のパイプラインが、蓋をされる背に乗せられた第2のパイプラインを有し、その組み合わせを浮揚させるのに十分な浮力をもたらす。第1のパイプライン、または第1のパイプライン及び一緒に背に乗せられた第2のパイプラインは、敷設現場まで浮揚され、そこで、第1のパイプライン、または第1のパイプライン及び/もしくは第2のパイプラインが、制御下で浸水され得、第1のパイプラインを水中に沈めるのに必要なバラストを提供する。
【0007】
既知の浅水パイプライン敷設の慣例の本適用が
図1に例示される。
図1の各ブロックは、第1のパイプラインP
Pを沈めさせる水に対する制御下の浸水の前のそれの浮揚状態における第1のパイプラインP
Pを示す。ブロック1は、空気Aで充填される空の第1のパイプラインP
Pを示す。ブロック2は、空気Aで充填され、第2のパイプラインP
Sであって、同様に空気Aで充填される第2のパイプラインP
Sの背に乗せられる空の第1のパイプラインP
Pを示す。ブロック3は、空気Aで充填され、ケーブル/他のパイプラインZを含有する第1のパイプラインP
Pを示す。ブロック4は、空気Aで充填され、ケーブル/他のパイプラインZを含有する第1のパイプラインP
Pであって、同様に空気Aで充填される第2のパイプラインP
Sの背に乗せられる第1のパイプラインP
Pを示す。
【0008】
これらの
図1の適用のどれも深水での適用に有用ではない。背に乗せられた第2のパイプラインP
Sなしでは、深水レベルまで沈めるために十分に重い第1のパイプラインP
Pは、浮揚することができない。その一方で、非浮揚性の第1のパイプラインP
Pに浮揚性を提供するのに十分な第2の背に乗せられたパイプラインP
Sは、その第2の背に乗せられたパイプラインP
Sが、深水レベルに達する前に静水圧破砕によって破壊されるような薄い壁を有する必要がある。したがって、現在既知の浅水浮揚の慣例は、パイプラインを60~70メートルの範囲の深さのみに沈めるのに効果的である。第1のパイプラインが1つ以上のケーブル及び/または他のパイプラインを含有することが意図される場合、それらの内容物の重量もまた、克服される必要があり、到達され得る最大深さを60または70メートル未満に減らす可能性がある。第2のパイプラインによって含有された空気が圧縮された場合、それは、静水圧破砕が発生する前に約100メートルの深さに達することができるかもしれないが、100メートルは、沖合パイプライン用には依然として比較的浅い。
【0009】
より大きな深さにおけるパイプラインの敷設では、供給が、現在、及び約半世紀の間に、2つの手法のうちの一方で達成されている。いくつかの適用では、パイプの棒が敷設現場の溶接プラットフォームまで輸送され、パイプラインが沖合で組み立てられる。他の適用では、パイプラインが、陸上で組み立てられ、リールの上に可塑的に巻き付けられる。巻き付けられたパイプラインのリールは敷設現場まで輸送される。沖合で組み立てられるまたはリールで供給されるパイプラインは、次いで、既知のJ-layまたはS-lay技法によって海底に置かれる。
【0010】
パイプの棒を現場まで供給するとき、供給容器のサイズは、一般に、パイプラインの建設に必要とされる棒の全てを供給するための陸と現場の間で要求される時間及び航海の総数の出費とのそれのサイズ及び費用の比較によって規定される。パイプラインのリールを現場まで供給するとき、トリップの数は、かなり削減されるが、容器の費用は、指数的に増大する。
【0011】
パイプラインの浮揚性の供給であろうとまたはリールされたパイプラインの供給であろうと、例えば、長さ1,500メートル、直径30インチのパイプラインを深水に敷設する費用は、典型的には、$10,000,000から$30,000,000までの範囲にある。パイプライン製品が1つ以上のケーブル及び/または他のパイプラインを含有することを意図される場合、パイプラインを沖合に建設及び/または供給することと関連付けられる時間並びに費用が更に悪化される。
【0012】
要約すれば、深さ及び制御の制限を伴う既知の物体運搬の慣例が存在し、既知のパイプライン敷設の慣例は、引き船ほどの小さな船を使用することができるが、極浅水の適用に限定され、深水適用のための既知のパイプライン敷設の慣例は、かなり大型の船並びに/またはかなりの時間及び出費を伴い、依然として静水圧破砕の厄介な問題をはらんでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の第1の目的は、液状体内での圧力含有容器の高度及び姿勢を制御するための方法を提供することである。また、本発明の目的は、液状体内で圧力含有容器に接続される物体の高度及び姿勢を制御するための方法を提供することでもある。本発明の別の目的は、沖合の深水敷設現場にパイプラインを供給する及びそこにパイプラインを敷設する方法を提供することであり、それは、既知の方法よりも費用が少なく及び時間を浪費せず、圧力制御容器及び圧力含有容器に接続される物体の高度並びに姿勢を制御する本方法を容易にする。本発明の更なる目的は、深さの大きな変化にわたって静水圧破砕の変動する力を相殺する圧力制御容器及び圧力含有容器に接続される物体の高度並びに姿勢を制御するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、液状体内での圧力含有容器の高度、姿勢、及び構造上の完全性を管理するための方法が提供される。
【0015】
本明細書に使用される際、浮揚媒体は、容器の浮力を増加することができるものである。非圧縮性バラスト媒体は、容器の浮力を減少することができるものである。本方法によれば、浮揚及びバラスト媒体は、容器に、並びに容器及びその容器に取り付けられる物体に加えられるような能力、並びに/あるいは液状体内での容器の深さ及び姿勢を制御するために使用される任意の外部デバイスの負荷能力のために選択される。容器は、相互直列の液圧的に個別の区分に分割され、一方が、選択された浮揚媒体を含有するためのものであり、他方が、選択された非圧縮性バラスト媒体を含有するためのものである。本明細書に使用される際、容器の区分は、共に取られるそれらの別個の容量が一定であるという点で相互的であり、それらが容器内で連続的であるという点で直列であり、それらがそれらの対応する媒体のみをそれぞれ含有するという点で液圧式に個別のものである。浮揚媒体区分内の選択された浮揚媒体は、バラスト媒体区分内の選択された非圧縮性バラスト媒体に対して釣合わされる。この意味において使用される際、釣合わされるとは、容器の各区分が、それの対応する媒体で充填されることを意味する。バラスト媒体区分内の非圧縮性バラスト媒体の量が、次いで、液状体内での圧力含有容器の高度を制御するために変動される。
【0016】
容器の分割は、浮揚媒体と非圧縮性バラスト媒体との間の容器の内壁によって閉じ込めて保持された銑塊を位置付けることによって、または浮揚媒体及び非圧縮性バラスト媒体であって、当接するときに不浸透性界面をそれらの間に作り出す浮揚媒体及び非圧縮性バラスト媒体を選択することによって、達成され得る。
【0017】
バラスト媒体区分内の非圧縮性バラスト媒体の量の変動は、(a)少なくとも十分な非圧縮性バラスト媒体をバラスト媒体区分に追加して、容器を液状体内で降下させること、(b)少なくとも十分な非圧縮性バラスト媒体をバラスト媒体区分から排出させて、容器を液状体内で上昇させること、または(c)十分な非圧縮性バラスト媒体を追加することもしくはバラスト媒体区分から排出させることのいずれかを行って、容器を液状体内で一定の高度に維持させることによって、達成され得る。
【0018】
バラスト媒体区分内の非圧縮性バラスト媒体の量の変動は、非圧縮性バラスト媒体をバラスト媒体区分に追加して、容器を(a)液状体内でより急速に降下させること、(b)液状体内でよりゆっくりと上昇させること、または(c)液状体内で一定の高度に維持させることによって、更に達成され得る。バラスト媒体区分内の非圧縮性バラスト媒体の量の変動はまた、非圧縮性バラスト媒体をバラスト媒体区分から排出させて、容器を(d)液状体内でよりゆっくりと上昇させること、(e)液状体内でより急速に上昇させること、または(f)液状体内で一定の高度に維持させることによって、更に達成され得る。
【0019】
容器を降下させること、上昇させること、または一定の高度に維持させることに加えて、非圧縮性バラスト媒体の量の変動はまた、他の特定の目的のためにも使用され得る。容器を液状体の底上に静止させる場合、容器が非圧縮性バラスト媒体で充填され、かつ浮揚媒体が容器から排出されるまで、追加の非圧縮性バラスト媒体が、バラスト媒体区分の中に追加され得る。次いで、それらの区分が、浮揚媒体及びバラスト媒体のそれらの個々の源に対して閉じられ得る。容器を液状体の表面上に静止させる場合、容器が浮揚媒体で充填され、かつ非圧縮性バラスト媒体が容器から排出されるまで、追加の浮揚媒体が、浮揚媒体区分の中に追加され得る。次いで、それらの区分が、浮揚媒体及び非圧縮性バラスト媒体のそれらの個々の源に対して閉じられ得る。
【0020】
選択された浮揚媒体が非圧縮性である場合、液体であろうとまたはゲルであろうと、両媒体は非圧縮性である。この場合では、媒体を釣合わせることが、浮揚媒体またはバラスト媒体のいずれかで容器を最初に充填し、次いで、その媒体の一部分を他方の媒体の一部分と交換することによって、達成され得る。媒体が一旦釣合わされると、バラスト区分に含有された非圧縮性バラスト媒体の量の変動が、次いで、そのそれぞれの区分内の媒体の一方のいずれかの量をそのそれぞれの区分内の他方の媒体の量と交換することによって、達成され得る。
【0021】
浮揚媒体が圧縮性である場合、1つ以上のガスから成ろうと成らなかろうが、浮揚媒体区分に含有された浮揚媒体及び/またはバラスト媒体区分に含有された非圧縮性バラスト媒体の量が、圧力含有容器の内圧を周囲圧力に対する圧力含有容器の釣合い範囲内にさせるように変動され得る。浮揚媒体の量のみの変動は、浮力への著しい影響なしで圧力を制御する一方で、バラスト媒体の量の変動は、圧力と浮力の両方に影響を与える。
【0022】
浮揚媒体が圧縮性である場合、浮揚媒体及びバラスト媒体を釣合わせることが、容器を浮揚媒体またはバラスト媒体のいずれかで充填して、次いで、その媒体の一部分を他方の媒体の一部分と交換することによって達成され得る。媒体が一旦釣合わされると、バラスト媒体区分内の非圧縮性バラスト媒体の量の変動が、(a)少なくとも十分な非圧縮性バラスト媒体をバラスト媒体区分に追加して、容器を液状体内で降下させること、(b)少なくとも十分な非圧縮性バラスト媒体をバラスト媒体区分から排出させて、容器を液状体内で上昇させること、または(c)十分な非圧縮性バラスト媒体を追加することもしくはバラスト媒体区分から排出させることのいずれかを行って、容器を液状体内で一定の高度に維持させることによって、達成され得る。
【0023】
バラスト媒体区分内の非圧縮性バラスト媒体の量の変動はまた、非圧縮性バラスト媒体をバラスト媒体区分に追加して、容器を(a)液状体内でより急速に降下させること、(b)液状体内でよりゆっくりと上昇させること、または(c)液状体内で一定の高度に維持させること、あるいは非圧縮性バラスト媒体をバラスト媒体区分から排出させて、容器を(d)液状体内でよりゆっくりと上昇させること、(e)液状体内でより急速に上昇させること、または(f)液状体内で一定の高度に維持させることによって、更に達成され得る。
【0024】
本方法は、垂直及び/または水平な対称軸を有する容器、例えば対称軸のうちの一方を横切る円形もしくは多角形断面を有する中空体、対称軸のうちの一方の周りにループ状、渦巻き状、もしくは螺旋状に巻かれたパイプ、または対称軸のうちの一方に対して揃えられた線状パイプなどを選択することを更に含んでもよい。
【0025】
なおその上に、液状体内の物体の高度のみならず姿勢もまた容器によって制御され得るように、容器の形状及び姿勢が、容器に接続された物体の形状及び姿勢と整合され得、容器の浮力の中心及び物体の浮力の中心が、液状体内で整合され得る。
【0026】
本方法はまた、液状体内の物体の高度及び姿勢が、容器のそれぞれを制御する方法を適用することによって制御され得るように、複数の容器の選択と、容器に接続された物体の形状及び配向を用いる各容器の形状及び姿勢の整合と、を含み得る。複数の容器と物体の操作の適用では、浮揚媒体が圧縮性である場合、前述したように、本方法が、各容器の浮揚媒体区分に含有された浮揚媒体及び/または各容器のバラスト媒体区分に含有された非圧縮性バラスト媒体の量を変動させて、圧力含有容器の内圧をそれらの個々の周囲圧力の可能性の釣合い範囲内にさせるステップを更に含むことができる。
【0027】
本方法は、極めて大きな深さに敷設されるものを含む、沖合でのパイプラインの敷設において非常に有用である。これを行うために、本方法は、前述したように、ただし、パイプラインが、最初に浮揚されて、敷設現場まで曳航された後にのみ適用される。
【0028】
浮揚媒体として液体または軽いゲルを使用すると、第1のパイプラインは、浮揚媒体と関連して浮揚され、次いで、関連した浮揚媒体を用いてパイプ敷設現場まで曳航される。いくつかの適用では、第1のパイプラインが圧力含有容器であり得、その場合では、浮揚媒体との連係が、十分な浮揚媒体を第1のパイプラインの中にポンピングして第1のパイプラインを浮揚させることによって達成される。他の適用では、容器が第2のパイプラインであり得、その場合では、浮揚媒体との連係が、第2のパイプラインを第1のパイプラインの背に乗せること、及び十分な浮揚媒体を第2のパイプラインの中にポンピングして第1のパイプラインを浮揚させることによって達成される。更なる他の適用では、第1及び第2のパイプラインの両方が、圧力含有容器であり、その場合では、浮揚媒体との連係が、第2のパイプラインを第1のパイプラインの背に乗せること、及び十分な浮揚媒体を第1のパイプライン及び第2のパイプラインの中にポンピングして第1のパイプラインを浮揚させることによって達成される。
【0029】
浮揚媒体としてガスまたはガスの組み合わせを使用すると、容器は、第2のパイプラインであり得、その場合では、浮揚媒体との連係によって第1のパイプラインを浮揚させることが、第2のパイプラインを第1のパイプラインの背に乗せること、及び十分な浮揚媒体を第2のパイプラインの中にポンピングして第1のパイプラインを浮揚させることによって達成される。
【0030】
上記パイプライン適用のそれぞれ及び全てにおいて、本方法はまた、浮揚媒体との連係によって第1のパイプラインを浮揚させるステップの前に、第1のパイプラインの長さ全体にわたって少なくとも1つのケーブル及び/または他のパイプラインを設置することを含み得る。かかる場合では、十分な浮揚媒体が、第1及び/または第2のパイプラインの中にポンピングされ、第1及び/または第2のパイプライン並びに設置されたケーブル及び/または他のパイプラインを浮揚させる。
【0031】
本発明の他の目的及び利点は、以下の発明を実施するための形態を読んだ後に及び図面を参照した後に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】既知の空気支援型の浅水でのパイプライン敷設方法の適用の例示のブロック図である。
【
図2A】液状体内での圧力含有容器の高度、姿勢、及び構造上の完全性を管理する本発明に従う方法の第1及の実施形態を例示するブロック図である。
【
図2B】液状体内での圧力含有容器の高度、姿勢、及び構造上の完全性を管理する本発明に従う方法の第2の実施形態を例示するブロック図である。
【
図3A】本方法における使用のための2つの区分の圧力含有容器を準備するステップを例示するブロック図である。
【
図3B】本方法における使用のための2つの区分の圧力含有容器を準備するステップを例示するブロック図である。
【
図3C】本方法における使用のための2つの区分の圧力含有容器を準備するステップを例示するブロック図である。
【
図3D】本方法における使用のための2つの区分の圧力含有容器を準備するステップを例示するブロック図である。
【
図3E】本方法における使用のための3つの区分の圧力含有容器を準備するステップを例示するブロック図である。
【
図3F】本方法における使用のための3つの区分の圧力含有容器を準備するステップを例示するブロック図である。
【
図3G】本方法における使用のための3つの区分の圧力含有容器を準備するステップを例示するブロック図である。
【
図4A】垂直に配向された円筒形の圧力含有容器内の主液体から誘導される圧縮性浮揚媒体及びバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図4B】垂直に配向された円筒形の圧力含有容器内の主液体から誘導される圧縮性浮揚媒体及びバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図4C】垂直に配向された円筒形の圧力含有容器内の主液体から誘導される圧縮性浮揚媒体及びバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図4D】垂直に配向された円筒形の圧力含有容器内の主液体から誘導される圧縮性浮揚媒体及びバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図5A】垂直に配向された円筒形の圧力含有容器内の非圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図5B】垂直に配向された円筒形の圧力含有容器内の非圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図5C】垂直に配向された円筒形の圧力含有容器内の非圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図5D】垂直に配向された円筒形の圧力含有容器内の非圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図6A】水平に配向された円筒形の圧力含有容器内の圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図6B】水平に配向された円筒形の圧力含有容器内の圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図6C】水平に配向された円筒形の圧力含有容器内の圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図6D】水平に配向された円筒形の圧力含有容器内の圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図7A】水平に配向されたコイル状パイプ型の圧力含有容器内の圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図7B】水平に配向されたコイル状パイプ型の圧力含有容器内の圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図7C】水平に配向されたコイル状パイプ型の圧力含有容器内の圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図7D】水平に配向されたコイル状パイプ型の圧力含有容器内の圧縮性浮揚媒体及び独立した源のバラスト媒体を使用する本方法のステップを例示するブロック図である。
【
図8】液体内の物体の高度及び姿勢を制御するために複数の容器に適用される方法を例示する単線結線図である。
【
図9】深水でのパイプラインの敷設における本方法の12個の適用を例示するブロック図である。
【
図10】
図9の深水でのパイプライン敷設の適用に従って敷設現場の方へ海岸線を横切って曳航されるパイプラインの遷移を例示する上面ブロック図である。
【
図11】水面から海底までの
図10に見られるようなパイプラインの降下の直径方向の断面図である。
【
図12】水面から海底までの
図10に見られるようなパイプラインの降下の長手方向の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、それの好適な実施形態に関して説明されるが、発明をそれらの実施形態に、または添付図面に例示された部分の構造もしくは配列の詳細に限定することを意図されないことが理解されるであろう。
【0034】
圧力含有容器
液状体内に沈められた物体の高度及び姿勢を制御することが意図された圧力含有容器の構造及び形状は、物体が液状体内にあると仮定する姿勢と、容器がそれの作動の間に達することが予測される深さとによって、容器により制御される物体の形状及び浮力の中心によって、主に決定される。
【0035】
通常、選ばれる容器は、対称的、例えば、球形、円筒形、円錐形、または立方形の入れ物などである。パイプラインは、円筒形容器として取り扱われ得、パイプラインを敷設する適用では、パイプラインは、容器及び制御される物体であり得る。パイプが含まれるとき、パイプまたはパイプラインの長さは、真っ直ぐであってもよいし、及び/または曲げられてもよく、並びに1つ以上のループ状、渦巻き状、または螺旋状に巻いた物であってもよいし、あるいはそれらを含んでもよい。いくつかの容器は、部分的または全体的に非対称的であってもよい。様々な種類及び形状の複数の容器が、発明の原理から逸脱することなく組み合わせて使用されてもよい。
【0036】
本開示が関係している限り、様々な関連した力が、液状体内での容器の高度及び姿勢を制御するために考慮されるべきである。容器に関して、これらの力は、容器の重量、容器に取り付けられる任意の物体の重量、並びに液状体内での容器の深さ及び姿勢を制御するために使用される任意の外部デバイスの負荷能力を含む。容器の周囲環境に関して、これらの力は、液状体内での様々な深さにおいて容器に適用される静水圧破砕及び主液体によって容器に加えられる浮力を含む。これらの力の全ては、本発明の実現の前に既知の方法によって決定できる。
【0037】
容器の浮力制御
図2A及び2Bを見ると、円筒形タンクが、本発明の一般原理を説明する目的のために容器Vとして選ばれている。示されるように、容器Vは、2つの相互直列の液圧的に個別の区分C
F及びC
Bに分割される。本明細書に使用される際、容器Vの区分C
F及びC
Bは、共に取られるそれらの別個の容量が一定であるという点で相互的であり、それらが容器V内で連続的であるという点で直列であり、及び容器Vの作動の間に、それらが、それらの対応する選択された浮揚媒体M
Fまたは非圧縮性バラスト媒体M
Bのみをそれぞれ含有するという点で液圧式に別個である。
【0038】
本明細書に使用される際、浮揚媒体MFは、主液体L内の容器の浮力を増加することができるものである。バラスト媒体MBは、主液体内の容器の浮力を減少することができるものである。本方法によれば、浮揚媒体MF及びバラスト媒体MBは、容器Vに関して、または適用可能であるとき、容器V及びその容器Vに取り付けられた物体に関してかかる浮揚性能力のために選択される。本明細書に使用される際、別段の指定がない限り、選択される浮揚媒体MFは、ガス、液体、またはゲルであり得る。選択されるバラスト媒体MBは、液体またはゲルであり得る。
【0039】
図2A及び2Bの実施例を見ると、そのそれぞれの区分C
B内の非圧縮性バラスト媒体M
Bの容量を制御することによって、他の区分C
Fの容量がまた制御され、既知である。この実施例では、液状体L及び非圧縮性バラスト媒体M
Bは、ある全く同じものであるように選ばれる。しかしながら、これは、必ずしもそうであるというわけではない。
【0040】
図2Aに見られるように、区分C
F及びC
Bへの容器Vの分割が、媒体が互いに不浸透性である場合、対向する媒体M
F及びM
Bの界面の自然な結果である分離面Sとして例示される。それらの媒体が互いに不浸透性ではない場合、
図2Bに見られるように、区分C
F及びC
Bへの容器Vの分割が、1つ以上の液体または非晶質ジェル状銑塊Pの容器V内での使用によって達成される。勿論、銑塊Pはまた、媒体M
F及びM
Bが互いに不浸透性である場合でさえも使用され得る。
【0041】
図2Aでは、非圧縮性媒体M
Bが、そのそれぞれのバルブBを通して容器Vから排出されるまたは容器Vに進入されるので、それに応じて、分離面Sが往復運動をする。同時に、浮揚媒体M
Fは、そのそれぞれのバルブFを通して容器Vに進入されるまたは容器Vから排出され、あるいは容器V内で膨張または圧縮することが可能にされる。浮揚媒体M
Fの同時の進入及び膨張または排出及び圧縮もまた許容される。
図2Bにおいて、銑塊Pが使用されるとき、その鉄塊は、容器Vの内壁に対して封止されたそれの外周部と共に媒体M
Fと媒体M
Bとの間の分離面Sと類似の態様で動く。より大きな内部容量の容器は、高性能ではないバルブを必要とする。
【0042】
銑塊Pは、液体または非晶質ジェル状銑塊であり得る。液体銑塊は、銑塊液体に対して不浸透性であるが互いに対して必ずしも不浸透性ではない媒体の対向表面間での容器内の銑塊液体の閉じ込めによって容器内に形成される。非晶質ジェル状銑塊は、通常、容器Vの最大の可能な断面に対するスパン及び密閉部の輪郭をなす所定の形状、並びに銑塊Pをその形状に偏らせる復元力を有する。しかしながら、銑塊Pは、容器Vの剛性壁によって、並びに容器Vに接触していない銑塊Pの両面SF及びSBに対して媒体MF及びMBにより加えられる圧力によって、その銑塊Pに加えられる拘束力に従う。1つ以上のケーブル及び/または他のパイプラインZがパイプライン内に含有される適用では、銑塊が、容器Vの内壁及び内容物Zの外壁に適合することができる。それ故、液体及びジェル状銑塊の場合、区分CBのうちの1つ内の非圧縮性媒体MBの容量が変動される際、容器V内の平衡状態に達するように、容器の壁、対向する媒体MF及びMBの表面、並びに任意の内容物Zの外壁の力によって許容される任意の形状を前提として、銑塊Pは、容器Vの壁に沿って動く。この開示の目的に適したジェル状銑塊は、Ellon、Aberdeenshire、ScotlandのAubin Groupから利用可能である。
【0043】
不浸透性界面Sによってであろうとまたは銑塊Pの使用によってであろうと、容器Vは、2つ以上の液圧的に個別の区分C
F及びC
Bに分割される。それぞれの液圧的に個別の区分は、容器Vの壁、及び
図2Aに見られるような対向する互いに不浸透性の媒体の界面によって与えられる分離面Sによって、または
図2Bに見られるような銑塊Pの端面によって画定される。銑塊Pに関して上記したように、分離面は、実際には2つの表面S
F及びS
Bであり、それぞれ、一方が銑塊Pの浮揚端上及び他方が銑塊Pのバラスト端上にある。しかしながら、一体となって往復運動をする正反対の壁表面であって、それらは、本明細書において1つの表面Sとして称される壁表面を構造的に提供することが銑塊Pの目的である。いずれの場合でも、区分C
F及びC
Bの容量は、常に相補的であり、それらの合計は、銑塊Pが使用される場合、常に、銑塊Pによって充填される容量よりも少ない容器Vの容量である。
【0044】
続いて
図2A及び2Bを見ると、容器Vが、非圧縮性バラスト媒体M
Bの既知の容量を有したことを前提として、いかなる時点においても容器V内に残る非圧縮性バラスト媒体M
Bの容量は、その後に容器Vの外へまたは容器Vの中に流れる非圧縮性バラスト媒体M
Bの容量が、それぞれ既知である場合、常に既知であり得る。なおその上に、容器Vの内部断面積が、示されるように、直線的に一定である場合、バラスト媒体M
Bの残りの容量が、分離面Sと容器Vのバラスト端との間の距離に正比例する。それ故、容器V内のバラスト媒体M
Bの容量は、バラスト媒体M
Bの流動が計量される及び/または容器V内での界面または銑塊Pの場所が既知である場合に決定され得る。
【0045】
本方法のいくつかの適用では、例えば、水平に配向された容器が使用されるとき、主液体内の容器の浮力を制御するのみならず、容器内の浮力の分配を制御することもまた必要であろう。索具が、浮揚性を加える力に関係なく容器をそれの水平配向に維持するために使用され得る。複数の区分が、浮揚性を加える力を釣合わせるために、単一容器、例えば、2つのバラスト区分間の浮揚区分内で直列に配列され得る。次いで、その上、複数の容器が使用され得、各容器が、それらの釣合いの取れていない浮揚性を加える力を相殺するように他の容器と協働する。
【0046】
容器内圧制御
更に
図2A及び2Bを考慮すると、選択された浮揚媒体MFもまた非圧縮性である場合、浮揚媒体M
F及びバラスト媒体M
Bが交換されるので、容器Vの内圧は一定のままになる。バラスト媒体M
Bが主液体Lと同じである場合には、バラストバルブBを開いたままにすることができ、浮揚媒体M
Fが、浮力を変動させるために使用され得る。
【0047】
しかしながら、浮揚媒体MFが圧縮性である場合には、浮揚媒体MF及び/またはバラスト媒体MBが、他の媒体MB及び/またはMFをそれの容器区分CB及び/またはCFから排出させること並びに/あるいはその区分に追加することなく、それの容器区分CF及び/またはCBに追加され得るか、あるいはその区分から排出され得、それ故、それぞれ、容器Vの内圧を増加または減少させる。浮揚区分CF内の内圧が、液体Lにおけるそれの可変深さにおいて容器Vに加えられる静水圧破砕に関して容器Vの圧力レベルを示す実時間データを提供するために監視され得る。
【0048】
容器Vへの圧縮性浮揚媒体MF、及び必要である場合、銑塊Pの導入は、容器Vから排出されたまたは容器Vに進入されたバラスト媒体MBの量を計量する能力を無効化しない。容器Vの総容量が与えられる。もしあれば、銑塊Pによって占有された容量が与えられる。容器Vが最初にバラスト媒体MBで充填される場合、バラスト媒体MBの初期容量が、もしあれば、銑塊Pの容量よりも少ない容器Vの容量になる。容器Vが最初に浮揚媒体MFで充填される場合、容器Vは、バラスト媒体MBを含有しない。両区分CF及びCBの総容量は一定であるので、バラスト媒体MBの計量される移動が、常時、容器V内での浮揚媒体MF及びバラスト媒体MBの両方の容量を決定する。したがって、容器Vの内圧が、圧力の読み取りに応答して、並びに/あるいはバラスト媒体MBの容器Vの中もしくは外への計量されたまたは他の場合では決定された流動に応答して、直接的に制御され得る。
【0049】
高度、姿勢、及び周囲圧力のうちのいずれか1つ以上を制御する方法が、例えば、バラスト区分CBの中及び外へのバラスト媒体MBの流動、並びにバラスト媒体MB及び浮揚媒体MFの供給と更に関係した所与の適用において使用される各容器Vの内圧及び深さのうちの1つ以上に応答して、浮揚バルブF、バラストバルブB、及び流量計バルブYを制御することによって自動化され得る。
【0050】
本方法を適用するための初期条件
図3Aを参照すると、本方法における使用のための容器Vの準備が、例えば、必要である場合及び示されるように、銑塊PをバラストバルブBにおいて容器Vの中に最初に注入することによって達成され得る。次いで、
図3Bに見られるように、非圧縮性バラスト媒体M
BがバラストバルブBを通して容器Vに追加される際、界面または図示されるように銑塊Pが、浮揚バルブFの方へ容器Vにわたって押し動かされる。
図3Cを見ると、容器Vは、界面または図示されるように銑塊Pが浮揚バルブFに達するときに、非圧縮性バラスト媒体M
Bで充填される。
図3Dに見られるように、浮揚バルブF及びバラストバルブBが、次いで、閉じられ得、バラスト流量計X及び流量計バルブYが、バラストバルブBに直列に接続される。銑塊Pは、必要である場合、容器VのバルブFまたはBのいずれかにおいて導入され得、次いで、そのバルブFまたはBと関連付けられた浮揚媒体M
Fまたはバラスト媒体M
Bによって、容器Vの他方のバルブBまたはFの方へ押し動かされる。これは、好適な、ただし唯一ではない、本方法における使用のための容器Vを準備する手法である。既知の総容量の容器Vは、最終的に、一方の区分C
B内の非圧縮性バラスト媒体M
Bの既知の容量及び他方の区分C
F内の浮揚媒体M
Fの残りの容量と、必要である場合、銑塊Pとで充填されることのみが重要である。
【0051】
図3E、3F、及び3Gは、2つ以上の区分が使用される適用を例示する。この実施例では、水平容器V
H内で浮揚区分C
Fが、2つのバラスト区分C
B1及びC
B2間に挟まれる。浮揚媒体M
Fは、容器V
Hの中心において浮揚バルブFによって進入及び排出され得、バラスト媒体M
Bは、1つずつが各端にあるバラストバルブB
1及びB
2によって排出及び進入され得る。2つの銑塊P
B1及びP
B2が、容器V
Hを3つの区分C
F、C
B1、及びC
B2に分割する。かかる容器を準備する1つの手法は、
図3Eに見られるように2つの銑塊P
B1及びP
B2を1つずつ容器V
Hのバラスト端のそれぞれにおいて進入させて、次いで、容器V
Hの各端においてバラストバルブB
1及びB
2を通してバラスト媒体M
Bの等量を進入させ、銑塊P
B1及びP
B2を中心の浮揚バルブFの方へ押し込み、浮揚バルブFを通して容器V
Hの非バラスト内容物を排出させ、
図3Fに見られるように、銑塊P
B1及びP
B2を1つに集めることである。次いで、
図3Gに見られるように、浮揚媒体M
Fは、バラスト媒体M
Bが容器V
Hから等量で流量計X
1及びX
2並びに流量計バルブY
1及びY
2を通して排出されるように、浮揚バルブFにおいて進入され得る。方法の原理は同じである。
【0052】
全ての浮揚媒体のための方法
図2A及び2Bに戻ると、浮揚媒体が圧縮性であろうとまたは非圧縮性であろうと、液状体内での圧力含有容器の高度を管理する本方法は同じである。浮揚媒体M
F及びバラスト媒体M
Bは、前述したような浮力基準に従って選択される。容器Vは、相互直列の液圧的に個別の区分C
F及びC
Bに分割され、一方が、選択された浮揚媒体M
Fを含有するためのものであり、他方が、選択された非圧縮性バラスト媒体M
Bを含有するためのものである。浮揚媒体区分C
F内の選択された浮揚媒体M
Fは、バラスト媒体区分
C
B
内の選択された非圧縮性バラスト媒体M
Bに対して釣合わされる。媒体M
F及びM
Bは、両区分C
F及びC
Bがそれら自体の個々の媒体M
FまたはM
Bで充填されるとき及び区分容量が平衡状態にあるときに、釣合っているとみなされる。この状況では、バラスト媒体区分C
B内の非圧縮性バラスト媒体M
Bの量が、液状体L内の圧力含有容器Vの高度を制御するために変動され得る。
【0053】
バラスト媒体区分CB内の非圧縮性バラスト媒体MBの量は、容器Vを液状体L内で降下させ、上昇させ、または一定の高度に維持させるように変動され得る。降下は、容器Vが降下を始めるまで、非圧縮性バラスト媒体MBをバラスト媒体区分CBに追加することによって引き起こされる。上昇は、容器Vが上昇を始めるまで、バラスト媒体区分CBから非圧縮性バラスト媒体MBを排出させることによって引き起こされる。一定の高度は、容器Vが降下も上昇もしないまで、非圧縮性バラスト媒体MBをバラスト媒体区分C
B
に追加することまたはバラスト媒体区分C
B
から排出させることのいずれかによって維持され得る。
【0054】
バラスト媒体区分CB内の非圧縮性バラスト媒体MBの量は、非圧縮性バラスト媒体MBをバラスト媒体区分CBに追加して、降下する容器Vをより急速に降下させること、または、上昇する容器Vをよりゆっくりと上昇させること、あるいは液状体L内で一定の高度に維持させることによって、更に変動され得る。同様に、バラスト媒体区分CB内の非圧縮性バラスト媒体MBの量は、バラスト媒体区分CBから非圧縮性バラスト媒体MBを排出して、上昇する容器Vをより急速に上昇させること、または降下する容器Vをよりゆっくりと降下させること、あるいは液状体L内で一定の高度に維持させることによって、更に変動され得る。例えば、容器Vが液体Lの底まで降下している場合、バラスト媒体MBの量は、それの降下を遅くして容器Vが底部上に緩やかに着くことを可能にするように減らされ得る。
【0055】
容器Vを液状体Lの底上に静止させる場合、容器Vが非圧縮性バラスト媒体MBで充填され、かつ浮揚媒体MFが容器Vから排出されるまで、追加の非圧縮性バラスト媒体MBが、バラスト媒体区分CBの中に追加され得る。区分CF及びCBは、次いで、浮揚媒体MF及びバラスト媒体MBのそれらの個々の源に対して閉じられ得る。容器Vを液状体Lの表面上で浮揚させる場合、容器Vが浮揚媒体MFで充填され、かつ非圧縮性バラスト媒体MBが容器Vから排出されるまで、追加の浮揚媒体MFが、浮揚媒体区分CFの中に追加され得る。区分CF及びCBは、次いで、浮揚媒体MF及び非圧縮性バラスト媒体MBのそれらの個々の源に対して閉じられ得る。
【0056】
銑塊Pが使用される場合であって、容器Vが回収されない場合または容器Vがそれの回収の間に容器V内で再使用される場合、銑塊は容器V内に残され得る。容器Vから銑塊Pを回収することが望ましい場合、銑塊は、容器VのバルブFもしくはBのうちの一方を通して、または容器Vの既にもしくは新たに作製された部分の他方のバルブを通して、押し出され得る。
【0057】
非圧縮性浮揚媒体
浮揚媒体MFが非圧縮性である場合、非圧縮性ガスまたは液体もしくはゲルのいずれにしても、両媒体MF及びMBは、非圧縮性である。したがって、媒体MF及びMBを釣合わせることが、一方の媒体MFまたはMBのある量がそのそれぞれの区分CFまたはCBに追加される間に、他方の媒体MBまたはMFの同じ量がそのそれぞれの区分CBまたはCFから同時に排出される交換を要求する。媒体MF及びMBが一旦釣合わされると、バラスト区分CB内に含有される非圧縮性バラスト媒体MBの量の変動が、そのそれぞれの区分CFまたはCB内の媒体MFまたはMBのうちのいずれか一方の量の、そのそれぞれの区分CBまたはCF内の他方の媒体MBまたはMFの同じ量との更なる同時の交換を要求する。
【0058】
圧縮性浮揚媒体―周囲圧力制御
1つ以上の圧縮性ガスから成る浮揚媒体MFが圧縮性である場合、浮揚媒体区分CF内に含有される浮揚媒体MFの量及び/またはバラスト媒体区分CB内に含有される非圧縮性バラスト媒体MBが、圧力含有容器Vの内圧を周囲圧力に対する圧力含有容器Vの釣合い範囲内にさせるように変動され得る。浮揚媒体MFの量のみが変動される場合、容器Vの内圧が、容器Vの浮力への著しい影響なしで変動される。バラスト媒体MBの量が変動される場合、容器Vの内圧及び浮力の両方に影響を与える。
【0059】
圧縮性浮揚媒体MFの場合、釣合わせることが、依然として、容器Vを浮揚媒体MFまたはバラスト媒体MBのいずれかで充填して、次いで、媒体MFまたはMBのある量を他方の媒体MBまたはMFのある量と交換することによって、達成されてもよい。一旦媒体MF及びMBが釣合わされると、非圧縮性バラスト媒体MBのある量が、バラスト媒体区分CB内に追加されて容器Vを液状体L内で降下させ得るか、バラスト媒体区分CBから排出されて容器Vを液状体L内で上昇させ得るか、あるいはバラスト媒体区分CBに追加またはバラスト媒体区分CBから排出されて容器Vを液状体L内で一定の高度に維持させ得る。
【0060】
非圧縮性バラスト媒体MBの別の量が、バラスト媒体区分CBに追加され得、容器Vを液状体L内でより急速に降下させ、液状体L内でよりゆっくりと上昇させ、または液状体L内で一定の高度に維持させる。同様に、非圧縮性バラスト媒体MBの別の量が、バラスト媒体区分CBから排出され得、容器Vを液状体L内でよりゆっくりと降下させ、液状体L内でより急速に上昇させ、または液状体L内で一定の高度に維持させる。
【0061】
圧縮性ガス浮揚媒体及び非圧縮性バラスト媒体として主液体を使用する垂直に配向された円筒形容器
図4A~4Dを参照すると、本方法が、液状体内、この実例では海水W内で垂直に配向された圧力含有円筒形容器10の深さ及び内圧を制御するために適用される。海水Wから隔離された源から入手可能な圧縮性浮揚媒体が、海水Wから取られたバラスト媒体に対して釣合わされる。
【0062】
本方法のこの適用は、
図4Aに見られるように、容器10が、
図3Dに関して上記したような使用のために準備され、海水Wに沈められて海水Wで充填されるという前提で始まる。容器10の円筒形内壁11が、垂直中心軸15に対して揃えられて図示される。容器10は、それぞれ、浮揚バルブ17及びバラストバルブ19によって制御されるポートを有する。図示されるように、浮揚バルブ17は、閉じられており、導管21によって圧縮性ガス23の源(図示せず)に接続されている。また図示されるように、バラストバルブ19は、閉じられており、バラスト流量計25及び流量計バルブ29を通して接続されており、それは、海水体Wに対して閉じられる。
【0063】
図4Bを見ると、3つのバルブ17、19、及び29の全てが開かれており、圧縮性ガス23が、浮揚バルブ17を通して容器10の中にポンピングされて、バラスト流量計25によって測定された量でバラストバルブ19を通して容器10から水Wを排出させる。水Wは非圧縮性であるので、容器10は、界面31において可変相補的な容量の2つの区分33及び35に分割される。バラスト区分35内に残っている水Wの量は、バラスト流量計25によって測定された排出された水Wの量よりも少ない、
図4Aにおいて容器10を充填した水Wの総量である。
【0064】
図4Cに見られるように、バラストバルブ19は閉じられており、容器10を水W内のそれの所望の深さの方へ降下させるように、水Wの所定量が、容器10から排出されている。バラストバルブ19が閉じられるので、浮揚バルブ17を通した容器10の中への圧縮性ガス23の連続ポンピングが、容器10の浮力の著しい変化なしで容器10の内圧を増加させる。
【0065】
図4Dに移ると、圧縮性ガス23の密度は、容器10に加えられる静水圧周囲圧力を相殺する所望のレベルまで容器内圧を動かすのに十分に増加されている。浮揚バルブ17は、少なくとも一時的に、容器10の所望の内圧を維持するために閉じられている。容器10の変化する深さが容器10の浮力の変化なしを要求し得るので、この内圧は、監視され得、浮揚バルブ17を通した圧縮性ガス23の注入または排出によって増加あるいは減少され得る。容器10内のバラスト媒体Wの量の変化が要求される場合、容器10の降下速度を減速するにせよまたは加速するにせよ、バラストバルブ19及び流量計バルブ29は、バラスト媒体Wの計量された量を進入または排出させるように開かれ得る。
【0066】
浮揚バルブ17及び/またはバラストバルブ19並びに29の適切な更なる操作によって、容器10内での界面31の場所が、水W内で容器10を上げるまたは下げるように相互的に変動され得る一方で、同時に、所望される場合、圧縮性浮揚媒体23の密度を変化させる。それ故、広範囲の深さにわたって容器10に加えられる静水圧破砕の変化が適合され得る。
【0067】
本方法のこの適用は、海水W内に垂直に配向された円筒形容器10の制御との特定の関連で説明されるが、容器、圧縮性ガス浮揚媒体、及び液状体の全ての形状に適用する。この適用はまた、
図2Aに関して記述したように、不浸透性の分離面Sに関して説明され、それは、容器10を、静水圧的に別個の区分33及び35、この場合では、上述したように、互いに不浸透性の媒体23の界面
31とWに分割する。しかしながら、この適用はまた、容器10が、同様に上述したように、1つ以上の銑塊によって区分に分割される場合にも有用である。
【0068】
圧縮性ガス浮揚媒体源及び主液体から独立した非圧縮性バラスト媒体源を使用する垂直に配向された円筒形容器
図5A~5Dを参照すると、本方法は、液状体L内で垂直に配向された円筒形圧力含有容器40の深さ及び内圧を制御するために適用される。液状体Lから隔離された源から入手可能な圧縮性浮揚媒体が、液状体Lから隔離された別の源から取られる非圧縮性バラスト媒体に対して釣合わされる。
【0069】
本方法のこの適用は、
図5Aに見られるように、銑塊67が、バラストバルブ49において容器40に導入されているという前提であって、容器40が、
図3Aに関して上記した様態での使用のために準備されており、液状体L内に沈められるという前提で始まる。容器40の円筒形内壁41が、垂直中心軸45に対して揃えられて図示される。容器40は、それぞれ、浮揚バルブ47及びバラストバルブ49によって制御されるポートを有する。図示されるように、浮揚バルブ47は閉じられており、導管51によって圧縮性ガス53の源(図示せず)に接続されている。バラストバルブ49は、バラスト流量計55、流量計バルブ59、及び導管61を通して非圧縮性バラスト媒体57の源(図示せず)に接続されている。容器40は、非圧縮性バラスト媒体57で充填されている。銑塊67は、非圧縮性バラスト媒体によって容器40の浮揚バルブ47まで押し込まれている。バラストバルブ49は閉じられている。
【0070】
図5Bを見ると、3つのバルブ47、49、及び59の全てが開かれており、圧縮性ガス53が、浮揚バルブ47を通して容器40の中にポンピングされて、バラスト流量計55によって測定された量でバラストバルブ49を通して容器40からバラスト媒体57を排出させる。バラスト媒体57は非圧縮性であるので、容器40は、銑塊67によって可変相補的な容量の2つの区分63及び65に分割される。バラスト区分
65内に残っているバラスト媒体57の量が、バラスト流量計55によって測定される排出されたバラスト媒体57の量よりも少ない、
図5Aにおける容器40を充填したバラスト媒体57の総量である。
【0071】
図5Cに見られるように、バラストバルブ49は閉じられており、バラスト媒体57の所定量が、容器40を液状体L内でそれの所望の深さの方へ降下させるように容器40から排出されている。バラストバルブ49が閉じられるので、容器40の中への浮揚バルブ47を通した圧縮性ガス53の連続ポンピングは、容器40の浮力における著しい変化なしで容器40の内圧を増加させる。
【0072】
図5Dに移ると、圧縮性ガス53の密度が、容器40に加えられる静水圧周囲圧力を相殺する所望のレベルまで容器内圧を動かすのに十分に増加されている。浮揚バルブ47は、少なくとも一時的に、容器40の所望の内圧を維持するために閉じられている。容器
40の変化する深さが容器40の浮力の変化なしを要求し得るので、この内圧は、監視され得、浮揚バルブ47を通した圧縮性ガス53の注入または排出によって増加または減少され得る。容器40内のバラスト媒体57の量における変化が要求される場合、バラストバルブ49及び流量計バルブ59が、バラスト媒体57の計量された量を進入または排出させるように開かれ得る。
【0073】
浮揚バルブ47及び/またはバラストバルブ49並びに流量計バルブ59の適切な更なる操作によって、容器40内の銑塊67の場所が、液状体L内で容器40を上げるまたは下げるように相互的に変動され得る一方で、同時に、所望される場合、圧縮性浮揚媒体53の密度を変化させる。それ故、広い囲の深さにわたって容器40に加えられる静水圧破砕における変化が適合され得る。
【0074】
本方法のこの適用は、液状体L内で垂直に配向された円筒形容器40の制御との特定の関連で説明されるが、容器、圧縮性ガス浮揚媒体、非圧縮性バラスト媒体、及び主液体の全ての形状に適用する。この例示はまた、上述したように、容器40を液圧的に個別の区分63及び65に分離するための銑塊67の使用に関して説明される。しかしながら、この適用はまた、同様に上述したように、容器40が互いに不浸透性の浮揚及びバラスト媒体によって分割される場合にも有用である。
【0075】
圧縮性ガス浮揚媒体源及び主液体から独立した非圧縮性バラスト媒体源を用いる水平に配向された円筒形容器
図6A~6Dを参照すると、本方法は、液状体L内で水平に配向された円筒形圧力含有容器70の深さ及び内圧を制御するために適用される。液状体Lから隔離された源から入手可能な圧縮性浮揚媒体が、液状体Lから隔離された別の源から取られる非圧縮性バラスト媒体に対して釣合わされる。
【0076】
水平に配向された容器の場合では、中心軸を水平軸75に揃えた円筒形容器70が図示されるように、容器70の姿勢または浮力の釣合いは、前述したようないくつかの手法のいずれか1つまたは組み合わせで維持され得る。この適用では、索具法が、浮力の釣合い制御のために使用されることを前提にする。
【0077】
この適用では、
図6Aに見られるように、容器70が索具によって水平に配向され、かつ液状体L内に沈められることを除いて、銑塊97が、バラストバルブ
79において容器70の中に導入されていること、及び容器70が、
図3Dに関して上記した様態での使用のために準備されていることも前提にする。容器70の円筒形内壁71が、水平中心軸75に対して揃えられて図示される。容器70は、それぞれ、浮揚バルブ77及びバラストバルブ79によって制御されるポートを有する。図示されるように、浮揚バルブ77は、導管81によって圧縮性ガス83の源(図示せず)に接続されており、バラストバルブ79は、バラスト流量計85、流量計バルブ89、及び導管91を通して非圧縮性バラスト媒体87の源に接続されている。容器70は、非圧縮性バラスト媒体87で充填され、銑塊97が、非圧縮性バラスト媒体87によって容器70の浮揚バルブ77まで押し込まれている。図示されるように、バルブ77、79、及び89は、閉じられている。
【0078】
図6Bを見ると、3つのバルブ77、79、及び89の全てが開かれており、圧縮性ガス83が、浮揚バルブ77を通して容器70の中にポンピングされて、バラスト流量計85によって測定された量でバラストバルブ79を通して容器70からバラスト媒体87を排出させる。バラスト媒体87は非圧縮性であるので、容器70が、銑塊97によって可変相補的な容量の2つの区分93及び95に分割される。バラスト区分
95内に残っているバラスト媒体87の量は、バラスト流量計85によって測定される排出されたバラスト媒体87の量よりも少ない、
図6Aにおいて容器70を充填したバラスト媒体87の総量である。
【0079】
図6Cに見られるように、バラストバルブ79は閉じられており、バラスト媒体87の所定量が、容器70を液状体L内でそれの所望の深さの方へ降下させるように容器70から排出されている。バラストバルブ79が閉じられるので、容器70の中への浮揚バルブ77を通した圧縮性ガス83の連続ポンピングは、容器70の浮力における著しい変化なしで容器70の内圧を増加させる。
【0080】
図6Dに移ると、圧縮性ガス83の密度が、容器70に加えられる静水圧周囲圧力を相殺する所望のレベルまで容器内圧を動かすのに十分に増加されている。浮揚バルブ77は、少なくとも一時的に、容器70の所望の内圧を維持するために閉じられている。容器70の変化する深さが、容器70の浮力の変化なしを要求し得るので、この内圧は、監視され得、浮揚バルブ77を通した圧縮性ガス83の進入または排出によって増加または減少され得る。容器70内のバラスト媒体87の量における変化が要求される場合、バラストバルブ79及び流量計バルブ89は、バラスト媒体87の計量された量を進入または排出させるように開かれ得る。
【0081】
浮揚バルブ77及び/またはバラストバルブ79並びに流量計バルブ89の適切な更なる操作によって、容器70内の銑塊97の場所が、液状体L内で容器70を上げるまたは下げるように相互的に変動され得る一方で、同時に、所望される場合、圧縮性浮揚媒体83の密度を変化させる。それ故、広範囲の深さにわたって容器70に加えられる静水圧破砕における変化が適合され得る。
【0082】
本方法のこの適用は、液状体L内で水平に配向された円筒形容器70の制御との特定の関連で説明されるが、容器、圧縮性ガス浮揚媒体、非圧縮性バラスト媒体、及び主液体の全ての形状に適用する。この例示はまた、上述したように、容器70を液圧的に個別の区分93及び95に分離するための銑塊97の使用に関しても説明される。しかしながら、この適用はまた、同様に上述したように、容器70が互いに不浸透性浮揚及びバラスト媒体によって分割される場合にも有用である。
【0083】
圧縮性ガス浮揚媒体源及び主液体から独立した非圧縮性バラスト媒体源を用いる水平に配向された螺旋状のコイル状パイプ容器
図7A~7Dを参照すると、本方法は、液状体L内で水平に配向された螺旋状のコイル状パイプ型の圧力含有容器100の深さ及び内圧を制御するために適用される。液状体Lから隔離された源から入手可能な圧縮性浮揚媒体が、液状体Lから隔離された別の源から取られる非圧縮性バラスト媒体に対して釣合わされる。
【0084】
水平に配向された容器の場合では、中心軸を水平軸105に揃えた螺旋状のコイル状パイプが図示されるように、容器100の姿勢または浮力の釣合いが、前述したようないくつかの手法のいずれか1つまたは組み合わせで維持され得る。この適用では、索具法が、浮力の釣合い制御のために使用されることを前提にする。
【0085】
本方法のこの適用は、容器100が、水平に配向された螺旋状のコイル状パイプであり、かつ液状体L内に沈められることを除いて、
図7Aに見られるように、銑塊127が、バラストバルブ109において容器100の中に導入されているという前提、及び容器100が、
図3Dに関して上記した様態での使用のために準備されているという想定で始まる。容器100の巻き物101が、水平中心軸105に対して揃えられて図示される。容器100は、それぞれ、浮揚バルブ107及びバラストバルブ109によって制御されるポートを有する。図示されるように、浮揚バルブ107は、導管111によって圧縮性ガス113の源(図示せず)に接続されており、バラストバルブ109は、バラスト流量計115、流量計バルブ119、及び導管121を通して非圧縮性バラスト媒体117の源に接続されている。容器100は、非圧縮性バラスト媒体117で充填されており、銑塊127が、コイル状パイプ容器100の巻き物101を通して非圧縮性バラスト媒体117によって容器100の浮揚バルブ107まで押し込まれている。バルブ107、109、及び119は、閉じられている。
【0086】
図7Bを見ると、3つのバルブ107、109、及び119の全てが開かれており、圧縮性ガス113が、浮揚バルブ107を通して容器100の中にポンピングされて、バラストバルブ109を通して容器100からバラスト媒体117をバラスト流量計115によって測定された量で排出させる。バラスト媒体117は非圧縮性であるので、容器100は、銑塊127によって可変相補的な容量の2つの区分123及び125に分割される。バラスト区分115内に残っているバラスト媒体117の量は、バラスト流量計115によって測定される排出されたバラスト媒体117の量よりも少ない、
図7Aにおいて容器100を充填したバラスト媒体117の総量である。
【0087】
図7Cに見られるように、バラストバルブ109は閉じられており、バラスト媒体117の所定量が、容器100を液状体L内でそれの所望の深さの方へ降下させるように容器100から排出されている。バラストバルブ109が閉じられるので、浮揚バルブ107を通した容器100の中への圧縮性ガス113の連続ポンピングは、容器100の浮力における著しい変化なしで容器100の内圧を増加させる。
【0088】
図7Dに移ると、圧縮性ガス113の密度は、容器100に加えられる静水圧周囲圧力を相殺する所望のレベルまで容器内圧を動かすのに十分に増加されている。浮揚バルブ107は、少なくとも一時的に、容器100の所望の内圧を維持するために閉じられている。容器100の変化する深さが、容器100の浮力の変化なしを要求し得るので、この内圧は、監視され得、浮揚バルブ107を通して圧縮性ガス83の注入または排出によって増加または減少され得る。容器100内のバラスト媒体117の量における変化が要求される場合、バラストバルブ109及び流量計バルブ119が、バラスト媒体117の計量された量を進入または排出させるように開かれ得る。
【0089】
浮揚バルブ107及び/またはバラストバルブ109並びに流量計バルブ119の更なる適切な操作によって、容器100内の銑塊127の場所が、液状体L内で容器100を上げるまたは下げるように相互的に変動され得る一方で、同時に、所望される場合、圧縮性浮揚媒体113の密度を変化させる。それ故、広い範囲の深さにわたって容器100に加えられる静水圧破砕における変化が適合され得る。
【0090】
本方法のこの適用は、液状体L内で水平に配向されたコイル状パイプ容器100の制御との特定の関連で説明されるが、容器、圧縮性ガス浮揚媒体、非圧縮性バラスト媒体、及び主液体の全ての形状に適用する。この例示はまた、上述したように、容器100を液圧的に個別の区分123及び125に分離するための銑塊127の使用に関して説明される。しかしながら、この適用はまた、容器100が、同様に上述したように、互いに不浸透性な浮揚及びバラスト媒体によって分割される場合にも有用である。
【0091】
取り付けられた物体を用いるまたは用いない容器
前述したように、容器Vの形状及び配向は、容器Vによって上げられ及び下げられる物体Oの形状並びに配向と整合され得る。例えば、容器Vは、垂直及び/または水平な対称軸を用いて、設計され得、例えば、対称軸のうちの一方を横切る円形もしくは多角形断面を有する中空体、対称軸のうちの一方の周りに1つ以上のループ状、渦巻き状、もしくは螺旋状に巻かれた1つ以上のパイプ、または対称軸のうちの一方に対して揃えられた線状パイプなどである。液状体L内での高度のみならず物体Oの姿勢もまた、容器Vの高度及び姿勢を制御することによって制御され得るように、容器Vの浮力の中心及び物体Oの浮力の中心は、調整され得、恐らく垂直に揃えられ得る。
【0092】
物体を操作する適用では、浮揚媒体MF及びバラスト媒体MBが、容器Vが媒体MFまたはMBのうちの一方のみで充填されたときに、容器Vが、液状体L内で、それぞれ、容器V及び取り付けられた物体Oの両方を上昇及び降下させることができるように、選択されるであろう。
【0093】
いくつかの物体を操作する適用では、複数の容器Vが、同じ物体Oに取り付けられ得、各容器Vの形状及び配向は、液状体L内での物体Oの高度及び姿勢が、本方法を容器Vのそれぞれの制御に適用することによって制御され得るように、物体Oの形状及び配向と整合される。かかる複数の容器と物体を操作する適用では、容器Vを充填するときに、液状体L内でそれぞれ、容器V及び取り付けられた物体Oを上昇及び降下させることができる浮揚媒体MF及びバラスト媒体MBが、選択されるであろう。また、複数の容器の適用では、浮揚媒体MFが圧縮性である場合、各容器Vの浮揚媒体区分CF内に含有される浮揚媒体MF及び/または各容器Vのバラスト媒体区分CB内に含有される非圧縮性バラスト媒体MBが、圧力含有容器Vの内圧をそれらの個々の周囲圧力の可能性の釣合い範囲内にさせるように変動され得る。複数の容器と物体を操作する適用では、媒体MF及びMBが、各容器V内で同じである必要はない。なおその上に、容器Vは、回転を生み出すモーメントを物体Oに加えるように、独立して上昇または降下され得、並びに異なる率でそれらのいずれかを行わされ得る。
【0094】
例えば
図8を見ると、3つの異なる長さの高さ151、幅153、及び深さ155を有する箱形状の物体150が、それぞれ、3つの螺旋状の円筒形圧力含有容器161、163、及び165に接続される。図示されるように、容器161、163、及び165は、それぞれ、腕部171、173、及び175によって物体150に、それぞれ、物体150の上面181、前面183、及び側面185の中心点に強固に接続される。容器161、163、及び165のそれぞれの高度を制御するために本方法を使用すると、主液体L内での物体Oの高度及び姿勢が変動され得る。軸座標191、193、及び195によって示唆されるように、接続点が、物体Oの表面上のどこかに位置付けられ得る。物体Oは、任意の形状のものであり得、任意の数及び形状の容器V、並びに物体Oの表面上の任意の位置に位置付けられた接続点は、物体Oの浮力の中心及び物体Oが液体L内で取ることを意図される姿勢に依存する。
【0095】
容器としての第1及び第2のパイプライン
図9を参照すると、本方法は、沖合でのパイプラインの敷設、特に、極めて大きな深さに敷設されるものにおいて非常に有用である。パイプラインの敷設では、本方法が、敷設されるパイプラインが、浮揚媒体、空気Aまたは液体もしくはゲルM
Fのいずれかとのパイプラインの連係によって敷設現場まで浮揚及び曳航された後に、前述したように適用される。
【0096】
第1のパイプラインP
Pが圧力含有容器Vである場合、浮揚媒体との連係が、第1のパイプラインP
Pを浮揚させるのに十分な浮揚媒体を第1のパイプラインP
P,Vの中にポンピングすることによって達成される。第2のパイプラインP
Sが容器Vである場合、浮揚媒体との連係が、第2のパイプラインP
Sを第1のパイプラインP
Pの背に乗せること及び第1のパイプラインP
Pを浮揚させるのに十分な浮揚媒体を第2のパイプラインP
S,Vの中にポンピングすることによって達成される。また、
図9に関して記述されないが、第1のパイプラインP
P及び第2のパイプラインP
Sの両方が、圧力含有容器Vになり、その場合では浮揚媒体との連係が、第2のパイプラインP
Sを第1のパイプラインP
Pの背に乗せること及び第1のパイプラインP
Pを浮揚させるのに十分な浮揚媒体をパイプラインP
P及び/またはP
Sのいずれかあるいはそれらの両方の中にポンピングすることによって達成されることもまた可能である。
【0097】
図9を見ると、各ブロック9/1~9/12は、異なる浮揚状態における第1のパイプラインP
Pとして敷設されるパイプラインを示す。ブロック9/1~9/6は、空の第1のパイプラインP
Pを例示する一方で、ブロック9/7~9/12は、1つ以上のケーブル及び/または他のパイプラインZを含有する第1のパイプラインP
Pを例示する。ブロック9/1~9/12のそれぞれでは、第1のパイプラインP
Pが、浮揚媒体、空気Aまたは液体もしくはゲルM
Fのいずれかを含有する。液体内での固体の分散状態であるゲルが好適である。ブロック9/1及び9/7では、第1のパイプラインP
Pが本方法の容器Vであり、本方法の浮揚媒体、液体またはゲルM
Fが、容器V内に含有される。ブロック9/2~9/6及び9/8~9/12では、第2のパイプラインP
Sが第1のパイプラインP
Pの背に乗せられる。ブロック9/2、9/3、9/5、及び9/6並びにブロック9/8、9/9、9/11、及び9/12では、第2のパイプラインP
Sが本方法の容器Vであり、本方法の液体またはゲル状の浮揚媒体M
Fを含有する。ブロック9/4及び9/10では、第2のパイプラインP
Sが本方法の容器Vであり、本方法の浮揚媒体として空気Aを含有する。
【0098】
ブロック9/1では、第1のパイプラインPP,Vが、浮揚させるのに十分な浮揚媒体MFを含有しなかった場合に沈むことになる。浮揚した第1のパイプラインPP,Vは、第1のパイプラインPP,Vからの浮揚媒体MFを十分なバラスト媒体MB、恐らく海水と徐々に置き換えることによって沈められ得、その組み合わせを沈めることを可能にする。ブロック9/7では、同じ第1のパイプラインPP,Vが、ケーブル及び/または他のパイプラインZを含有する。したがって、より大きな初期浮力が、第1のパイプラインPP,V及びそれの内容物Zを浮揚させるために必要である。依然として、浮揚した第1のパイプラインPP,Vは、第1のパイプラインPP,Vからの浮揚媒体MFを十分なバラスト媒体MB、恐らく海水と徐々に置き換えることによって沈められ得、第1のパイプラインPP,Vをそれの内容物Zと共に沈めることを可能にする。
【0099】
ブロック9/2では、第1のパイプラインPPが空気Aを含有するが、第1のパイプラインPPが、その組み合わせを浮揚させるのに十分な浮揚媒体MFを含有する第2のパイプラインPS,Vの背に乗せられなかった場合には、依然として沈むことになる。浮揚した第1のパイプラインPPは、第2のパイプラインPS,Vから第1のパイプラインPPを取り外すことによって、または第2のパイプラインPS,Vからの浮揚媒体MFを十分なバラスト媒体MB、恐らく海水と徐々に置き換えることによって沈められ得、その組み合わせを沈めることを可能にする。ブロック9/8では、パイプラインPP及びPS,Vの同じ組み合わせにおいて、第1のパイプラインPPが、ケーブル及び/または他のパイプラインZを含有する。したがって、より大きな初期浮力が、その組み合わせ及びそれの内容物Zを浮揚させるために必要である。依然として、浮揚した第1のパイプラインPPは、第2のパイプラインPS,Vから第1のパイプラインPPを取り外すことによって、または第2のパイプラインPS,Vからの浮揚媒体MFを十分なバラスト媒体MB、恐らく海水と徐々に置き換えることによって沈められ得、その組み合わせを内容物Zと共に沈めることを可能にする。
【0100】
ブロック9/3では、第1のパイプラインPPが、浮揚液体M
F
を含有するが、第1のパイプラインPPが、その組み合わせを浮揚させるのに十分な追加の浮揚媒体MFを含有する第2のパイプラインPS,Vの背に乗せられなかった場合には、依然として沈むことになる。浮揚した第1のパイプラインPPは、第2のパイプラインPS,Vから第1のパイプラインPPを取り外すことによって、または第2のパイプラインPS,V内の浮揚媒体MFを十分なバラスト媒体MB、恐らく海水と徐々に置き換えることによって沈められ得、その組み合わせを沈めることを可能にする。ブロック9/9では、パイプラインPP及びPS,Vの同じ組み合わせにおいて、第1のパイプラインPPが、ケーブル及び/または他のパイプラインZを含有する。したがって、より大きな初期浮力が、その組み合わせ及びそれの内容物Zを浮揚させるために必要である。依然として、浮揚した第1のパイプラインPPは、第2のパイプラインPS,Vから第1のパイプラインPPを取り外すことによって、または第2のパイプラインPS,Vからの浮揚媒体MFを十分なバラスト媒体MB、恐らく海水と徐々に置き換えることによって沈められ得、その組み合わせを内容物Zと共に沈めることを可能にする。
【0101】
ブロック9/4では、第1のパイプラインPPが、空気Aを含有し、浮揚することになり、同様に空気Aで充填されて同様に浮揚することになる第2のパイプラインPS,Vの背に乗せられる。浮揚した第1のパイプラインPPは、第2のパイプラインPS,V内の空気Aを十分なバラスト媒体MBと徐々に置き換えることによって沈められ得、その組み合わせを沈めさせる。ブロック9/10では、第1のパイプラインPP及び第2のパイプラインPS,Vの同じ組み合わせにおいて、第1のパイプラインPPが、ケーブル及び/または他のパイプラインZを含有する。依然として、浮揚した第1のパイプラインPPは、第2のパイプラインPS,V内の空気Aを十分なバラスト媒体MBと徐々に置き換えることによって沈められ得、その組み合わせをそれの内容物Zと共に沈めさせる。
【0102】
ブロック9/5では、第1のパイプラインPPが、空気Aを含有するが、第1のパイプラインPPが、その組み合わせを浮揚させるのに十分な浮揚媒体MFで充填された第2のパイプラインPS,Vの背に乗せられなかった場合には、依然として沈むことになる。浮揚した第1のパイプラインPPは、第2のパイプラインPS,V内の浮揚媒体MFを十分なバラスト媒体MBと徐々に置き換えることによって沈められ得、その組み合わせを沈めることを可能にする。ブロック9/11では、パイプラインPP及びPS,Vの同じ組み合わせにおいて、第1のパイプラインPPが、ケーブル及び/または他のパイプラインZを含有する。したがって、より大きな初期浮力が、その組み合わせ及び内容物Zを浮揚させるために必要である。依然として、浮揚した第1のパイプラインPPが、第2のパイプラインPS,V内の浮揚媒体MFを十分なバラスト媒体MBと徐々に置き換えることによって沈められ得、その組み合わせをそれの内容物Zと共に沈めることを可能にする。
【0103】
ブロック9/6では、第1のパイプラインPP,Vが、浮揚媒体MFを含有するが、第1のパイプラインPP,Vが、その組み合わせを浮揚させるのに十分な追加の浮揚媒体MFで充填された第2のパイプラインPSの背に乗せられなかった場合には、依然として沈むことになる。浮揚した第1のパイプラインPPは、第2のパイプラインPS,V内の浮揚媒体MFを十分なバラスト媒体MBと徐々に置き換えることによって沈められ得、その組み合わせを沈めることを可能にする。ブロック9/12では、パイプラインPP及びPSの同じ組み合わせにおいて、第1のパイプラインPPが、ケーブル及び/または他のパイプラインZを含有する。したがって、より大きな初期浮力が、その組み合わせ及び内容物Zを浮揚させるために必要である。依然として、浮揚した第1のパイプラインPPは、第2のパイプラインPS,V内の浮揚媒体MFを十分なバラスト媒体MBと徐々に置き換えることによって沈められ得、その組み合わせをそれの内容物Zと共に沈めることを可能にする。
【0104】
図10~12に見られるように、第1のパイプラインP
Pは、
図9に関して上記した状態のうちの1つでパイプライン敷設現場まで浮揚及び曳航される。
図10を見ると、第1のパイプラインP
Pは、
図9に見られるように任意の背に乗せられた第2のパイプラインP
S及び内容物Zと共に、引き船Tまたは他の比較的小さな船によって沖合のパイプライン敷設現場(図示せず)まで曳航される。
図11及び12に見られるように、背に乗せられた第2のパイプラインP
Sは、当分野において既知の任意の様態で第1のパイプラインP
Pに取り付けられていることができる。曳航されるパイプラインの陸上部分P
1は、当分野において既知の任意の適切な供給システム上に乗せることができ、好適な供給システムは、米国特許第7,927,040号に開示されている。陸上部分が沖合位置に移行する際、曳航されるパイプラインの沖合部分P
2は、
図9を参照して説明されるように浮揚される。第1のパイプラインP
P及び任意の関連した第2のパイプラインP
S、内容物Z、及び浮揚媒体AまたはM
Fが敷設現場まで一旦曳航されると、第1のパイプラインP
Pは、
図11に見られるように第1のパイプラインP
Pからの第2のパイプラインP
Sの取り外しによって、または
図9に関して開示されるような本方法を適用することによって沈められ得る。
図10及び11に見られるように、適用可能な場合、任意の背に乗せられた第2のパイプラインP
S及び内容物Zとの第1のパイプラインP
Pの沈降は、緩やかである。浮揚媒体AまたはM
Fがバラスト媒体M
Bと交換される際、より重いバラスト媒体M
Bが、パイプラインの浮揚端E
Fが水Wの表面においてまたはその近くで一定の高度に実質的にとどまる際に、パイプラインのバラスト端E
Bを降下させる。バラスト端E
Bと浮揚端E
Fとの間のパイプラインの移行部分は、
図12に最も良く見られる、緩やかなS形状を呈する。
図11に見られるように、第1のパイプラインP
Pは、海底上に置かれたとき、バラスト媒体M
Bで充填され得、パイプラインP
Pと、もしあれば、それの内容物Zを安全にして保護する。
【0105】
水が1.0の比重を有することを考慮して、泡及びゲルが約0.5の比重を有することを認識すると、プラスチックパイプが本方法において容器として使用される場合、昇降システムの比重が、0.1未満まで減らされ得、ボイルの法則を受けるダイバーによって使用される折り畳み式の空気袋が、非折り畳み式の剛性容器と置き換えられ得ることを可能にする。
【0106】
それ故、本発明に従って、上記した目的及び利点を十分に満たす圧力含有容器の高度、姿勢、及び周囲圧力を制御するための方法が提供されたことは明らかである。本発明は、それの特定の実施形態と関連して説明されたが、多くの代替案、修正、及び変形が、当業者に対して前述の記載を鑑みて明らかになることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨内にあるように代替案、修正、及び変形の全てを包含することが意図される。